JP2019015378A - 液化ガス貯蔵タンク構造、船舶、及びボイルオフガスの低減方法 - Google Patents

液化ガス貯蔵タンク構造、船舶、及びボイルオフガスの低減方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液化ガス運搬船の液化ガスを貯蔵するタンクの液化ガスの表層下側の高温液化ガス層を冷却してその温度を低下させることで、気化熱の原因となる熱伝達を抑制し、貯蔵タンクの防熱材の厚みを増すことなくボイルオフガスの発生量を減少させることができる、液化ガス貯蔵タンク構造、船舶、及びボイルオフガスの低減方法を提供する。【解決手段】貯蔵された液化ガスLの表層下側の高温液化ガス層Lbを冷却するための冷却システム20の一部または全部を貯蔵タンク11の内部に備えていると共に、高温液化ガス層Lbを冷却する冷却用装置21の少なくとも一部が、少なくとも貯蔵タンク11に液化ガスLを満載した際には、液化ガスLの液面S若しくは液面近傍に配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、液化ガスを貯蔵する貯蔵タンクの内部のボイルオフガスの発生量を効率よく低減できる液化ガス貯蔵タンク構造、船舶、及びボイルオフガスの低減方法に関する。
液化天然ガス(LNG)などを運搬する液化ガス運搬船では、低温の液化ガスの貯蔵タンクを設けているが、この貯蔵タンクでは、外部から流入する熱によって液化ガスが蒸発し、ボイルオフガスが発生している。このボイルオフガスが発生するとタンクの内圧が増加するため、ボイルオフガスを貯蔵タンクの外部に放出して、貯蔵タンクの内部の圧力を安全な範囲に保っている。
しかしながら、発生するボイルオフガスを放出することは、液化ガスの貯蔵量を減少させることになり、経済的な損失となる。そのため、このボイルオフガスの発生量を抑える一般的な方法として、貯蔵タンクの防熱性能を向上させる方法が取られている。しかし、タンクを覆う防熱材全てを高品質化することには多額のコストがかかる。また、防熱材の厚みは、タンクの設置場所等により制限されるため、厚みの増加には限界がある。また、低温液化ガスの液化ガス運搬船においては、船舶の大きさが港湾や運河により制限されるため、防熱材の厚さを増すことは、貯蔵タンクの容積の減少を招くことになるので、この面からも限界がある。
この防熱対策以外で、低温液化ガスの貯蔵タンクにおける内部圧力の上昇を回避する対策として、タンク内の低温液化ガスをポンプで、タンク内の上部に設けた噴射ノズルに供給し、この噴射ノズルから低温液化ガスを低温液化ガス表層に向けて噴射して、この低温液化ガス表層を壊すことで、タンク内の液表面に高温の表層が形成されないようにしてタンク内液化ガスの均温化を図り、結果としてタンク内部圧力の上昇を抑える低温液化ガス撹拌装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、液化ガスを液面に噴射して低温液化ガス表層を壊すと共に、タンクの内部で液体空間中に液化ガスを噴射して内部を撹拌する方法が提案されている(例えば、特許文献3、4参照)。
しかしながら、この低温液化ガス表層を壊すためには、ある程度の衝突エネルギーを持たせて低温液化ガスを噴射する必要がある。そのため、低温液化ガスの高圧化が必要となりポンプの駆動力及び駆動エネルギーが多くなるという問題がある。また、液化ガスを噴射して内部を撹拌する場合も同様にポンプを駆動するために多くのエネルギーが必要となる。
特開2003−247697号公報 実開昭61−73899号公報 特表2007−504414号公報 特開昭59−219599号公報
これに対して、本発明者は、貯蔵タンクに外部からの熱が入ってくる部分はタンクの壁からであり、この壁からの入熱により温度が高くなった液化ガスは比重が温度の低い液化ガスより小さくなり軽くなるため、上昇してタンク上部の液面に集まる。一方、液面はこの高温液よりも温度が低い状態になっているため、表層に上昇した温度の高い液化ガスから、液表面に向かって熱が伝達される。この熱が気化熱となり、ボイルオフガスを発生させる要因となっている。この自然対流によって液表層部に集まる高温の液化ガスを集中して冷却することによって、少ないエネルギーでボイルオフガスの発生を低減できるとの知見を得た。
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、液化ガス運搬船の液化ガスを貯蔵するタンクの液化ガスの表層下側の高温液化ガス層を冷却してその温度を低下させることで、気化熱の原因となる熱伝達を抑制し、貯蔵タンクの防熱材の厚みを増すことなくボイルオフガスの発生量を減少させることができる、液化ガス貯蔵タンク構造、船舶、及びボイルオフガスの低減方法を提供することにある。
上記のような目的を達成するための本発明の液化ガス貯蔵タンク構造は、液化ガスを貯蔵する貯蔵タンクを備えた液化ガス貯蔵タンク構造において、貯蔵された液化ガスの表層下側の高温液化ガス層を冷却するための冷却システムの一部または全部を前記貯蔵タンクの内部に備えていると共に、前記高温液化ガス層を冷却する冷却用装置の少なくとも一部が、少なくとも前記貯蔵タンクに液化ガスを満載した際には、液化ガスの液面若しくは液面近傍に配置されているように構成されている。
この構造によれば、貯蔵タンク内の液化ガスの低温液化ガス表層に対して、その上側から液化ガス若しくはガスを低温液化ガス表層に噴射して、低温液化ガス表層を破壊するのではなく、自然対流により液化ガス表層下側に集中する高温液化ガス層を冷却して、気化熱の原因となる熱伝達を抑制し、少ないエネルギーで、ボイルオフガスの発生量を減少させることができる。
なお、液化ガスの液面では、液化ガスが蒸発してボイルオフガスになる際に蒸発熱(気化熱)を奪うので、その液面の液化ガスの温度はその下側の液化ガスの温度よりも低温になっている。そのため、低い温度の低温液化ガス表層を冷却しても、冷却効率は悪いので、この低温液化ガス表層より下の高温液化ガス層を冷却する。この高温液化ガス層は、例えば、液面から30cm〜50cm下の範囲に形成されるが、貯蔵タンクの環境に大きく影響されて変化する。また、この高温液化ガス層の厚さは、液化ガスの積載から時間がたつと次第に厚さを増すが、この厚さも貯蔵タンクの環境に大きく影響されて変化する。
従って、本発明では、タンク内の液化ガスの撹拌や、表層の低温液化ガス層を破壊し、マクロな温度分布を変える方法ではなく、タンク壁面に沿って上昇する自然対流を利用することで、タンク内の熱を液面の表層下部に集中させて、この高温液化ガス層を効率よく冷却することによって、タンク内全体の熱の効率的な除去を図る方法を採用している。
上記の液化ガス貯蔵タンク構造において、前記冷却用装置が、前記貯蔵タンクの上下方向に関して、前記貯蔵タンクの内部の頂上の位置と、この頂上の位置から前記貯蔵タンクの内部の高さの15%低い位置との間に配置されていると、この構成により、液化ガスの満載時には、貯蔵タンクの内部の液化ガスの液面の高さは、タンク内部の高さの95%前後となるので、冷却用装置をタンク内部の高さの85%高さより高い位置に配置することで、貯蔵タンクに貯蔵された液化ガスの表層下側の高温液化ガス層を効率よく冷却することができるようになる。
上記の液化ガス貯蔵タンク構造において、前記冷却用装置が、前記貯蔵タンクに貯蔵されている液化ガスの液面の上下に追従して高さを変更するように構成されていると、この構成により、液化ガスが蒸発して液面が下降しても、それに伴って冷却用装置を下降できるので、良好な冷却効率を維持しながら、液化ガスの表層下側の高温液化ガス層を効率よく冷却することができるようになる。
上記の液化ガス貯蔵タンク構造において、前記冷却用装置が液化ガスの液面に浮いているように構成されていると、この構成により、液化ガスが蒸発して液面が下降しても、それに伴って冷却用装置が自動的に下降するので、良好な冷却効率を維持しながら、液化ガスの表層下側の高温液化ガス層を効率よく冷却することができるようになる。
上記の液化ガス貯蔵タンク構造において、前記冷却システムが、前記貯蔵タンクの内部のボイルオフガスを抜き出して再液化して、液化された液化ガスを前記貯蔵タンクの内部に戻す再液化システムからの再液化された液化ガスを、前記冷却用装置に供給するように構成されていると、この構成により、液化ガス運搬船等では、貯蔵タンクから排出したボイルオフガスを再液化し、この再液化した液化ガスを貯蔵タンク内に戻す再液化システムを搭載していることが多いので、ボイルオフガスを利用して、液化ガスの表層下側の高温液化ガス層を効率よく冷却することができるようになる。また、この再液化装置で再液化した液化ガスを供給する構成の場合、貯蔵タンク内でポンプを動かす必要がないため、ポンプの駆動の際の液化ガスへの入熱を防ぐことができる。
上記の液化ガス貯蔵タンク構造において、前記冷却システムが、前記貯蔵タンク内の下側部分に配置されたポンプと、前記貯蔵タンクに液化ガスを満載した際には、液化ガスの液面近傍に位置して、前記ポンプから供給される液化ガスを前記高温液化ガス層に液相のまま拡散する拡散装置を備えた前記冷却用装置と、前記ポンプと前記冷却用装置を接続する供給配管とを有して構成されていると、この構成により、貯蔵タンクの下部の比較的低温の液化ガスを吸い上げて、上向きのノズルなどで構成される拡散装置に供給して、液化ガスの表層下側の高温液化ガス層を比較的低温の液化ガスで熱効率よく冷却することができるようになる。
上記の液化ガス貯蔵タンク構造において、前記ポンプを、荷役用のポンプ、若しくは、前記貯蔵タンクのタンク冷却用のスプレーポンプ、若しくは、液化ガスを燃料として主機関へ供給するポンプとの兼用とするように構成されていると、この構成により、ポンプを兼用できるので、液化ガス貯蔵タンクに関連する全体設備としての機器を簡略化できる。
上記の液化ガス貯蔵タンク構造において、前記冷却システムが、前記供給配管を前記貯蔵タンクの外部の外部冷却システムに接続して、前記ポンプから供給される液化ガスを、前記外部冷却システムにより前記貯蔵タンクの内部の圧力に対応した飽和温度よりも低い温度に冷却してから、前記拡散装置に供給するように構成されていると、貯蔵タンクの外部の冷却装置で冷却することにより、高温液化ガス層へ供給する液化ガスの温度を低くすることができるので、ボイルオフガス低減効果が増大し、より効率よく、ボイルオフガスの発生量を低減できるようになる。
上記の液化ガス貯蔵タンク構造において、前記拡散装置を、タンク冷却用のスプレーノズルとの兼用とするように構成されていると、この構成により、液化ガス貯蔵タンクに関連する全体設備としての機器を簡略化できる。
そして、上記の液化ガス貯蔵タンク構造において、前記冷却用装置が、外部の液化ガスと内部の熱媒体との間の熱交換を行う熱交換器で構成されていると、熱交換器の熱媒体の温度及び流量の調整により、よりきめ細かく貯蔵タンク内の液化ガスの温度を調整制御することができるようになり、冷却効果を制御し易くなる。そのため、より効率よく、ボイルオフガスの発生量を低減できるようになる。また、貯蔵タンク内のポンプを動かす必要がないため、ポンプの駆動の際の液化ガスへの入熱を無くすことができる。
また、上記の液化ガス貯蔵タンク構造において、前記貯蔵タンクが、上側の4分の1において、タンク内部の水平断面積が上方に行くにつれて減少するように構成されていると、熱対流により温度が比較的高くなる液面の表面積が小さくなり、冷却用装置がカバーする冷却範囲が少なくて済むようになるので、より効率よく、ボイルオフガスの発生量を低減できるようになる。なお、この形状の貯蔵タンクとしては、球形タンクが一般的であるが、これ以外の非真球形状のタンク等もある。
そして、本発明の船舶は、上記の液化ガス貯蔵タンク構造を備えていることを特徴とする船舶であり、上記の液化ガス貯蔵タンク構造が発揮できる効果を同様に発揮できる。なお、この船舶としては、LNGタンカー、LPGタンカー等の液化ガス運搬船の他には、液化ガスを燃料とする液化ガス燃料船等がある。
そして、本発明のボイルオフガス低減方法は、液化ガスを貯蔵する貯蔵タンクのボイルオフガス低減方法において、貯蔵された液化ガスの表層下側の高温液化ガス層の液化ガスの温度より低い温度の液化ガスを液相のまま、前記高温液化ガス層に供給することにより、若しくは、貯蔵された液化ガスの表面直下に配置した熱交換器で前記高温液化ガス層の熱を奪うことにより、前記高温液化ガス層の液化ガスを冷却して、前記貯蔵タンクの内部におけるボイルオフガスの発生量を低減することを特徴とする方法である。
本発明の液化ガス貯蔵タンク構造、船舶、及びボイルオフガスの低減方法によれば、液化ガス運搬船の液化ガスを貯蔵するタンクの液化ガスの表層下側の高温液化ガス層を冷却してその温度を低下させることで、気化熱の原因となる熱伝達を抑制し、貯蔵タンクの防熱材の厚みを増すことなくボイルオフガスの発生量を減少させることができる。
本発明に係る第1の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造の構成を模式的に示す側断面図で、分配用配管が液面より上にある図である。 図1のA−A部分の冷却用装置の構成を模式的に示す説明用の図である。 本発明に係る第1の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造の構成を模式的に示す側断面図で、分配用配管が液面より下にある図である。 本発明に係る第2の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造の構成を模式的に示す側断面図である。 本発明に係る第3の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造の構成を模式的に示す側断面図である。 本発明に係る第4の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造の構成を模式的に示す側断面図である。 液化ガスの貯蔵タンクの内の低温液化ガス表層と高温液化ガス層とノズルの関係を模式的に示す側断面図である。 ノズルを分配用配管に水平方向の回りに回動自在に設けた構成を示す模式的な説明図で、液面より上に分配用配管がある図である。 ノズルを分配用配管に水平方向の回りに回動自在に設けた構成を示す模式的な説明図で、液面より下に分配用配管がある図である。
以下、本発明に係る実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造、船舶、及びボイルオフガスの低減方法について、図面を参照しながら説明する。
最初に、本発明に係る第1〜第4の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造について説明する。図1〜図6に示すように、液化ガスLを貯蔵する貯蔵タンク11を備えて構成されると共に、防熱材12で防熱処理されたこの貯蔵タンク11の内部に冷却システム(20A〜20D、以下総称として20を使用する)20の一部または全部を備えて構成される。この貯蔵タンク11は船舶1にタンク支持部材2を介して搭載若しくは設置され、貯蔵タンク11の周囲にタンクカバー13が設けられている。
この冷却システム20は、貯蔵タンク11に貯蔵された液化ガスLの表層下側の高温液化ガス層Lbを冷却するための冷却システムである。この冷却システム20の高温液化ガス層Lbを冷却する冷却用装置21が、少なくとも貯蔵タンク11に液化ガスLを満載した際には、液化ガスLの液面S若しくは液面近傍に配置されている。
この高温液化ガス層Lbについて説明すると、図7に示すように、防熱施工された貯蔵タンク11の内部に液化ガスLが貯蔵されると、液相の液化ガスLと液化ガスLが蒸発したボイルオフガスGが貯蔵されている状態となる。そして、貯蔵タンク11の壁面から内部の液化ガスLに伝わる熱により壁面付近の液化ガスLの温度が上昇するので、比重が軽くなり、壁面に沿って上昇する自然対流が発生し、この自然対流により液面Sまで到達した比較的温度の高い液化ガスLは液面Sの表層部に高温液化ガス層Lbを形成する。
しかしながら、液面Sでは液化ガスLが蒸発してボイルオフガスGになる際に蒸発熱(気化熱)を奪うので、その液面Sの表層部では液化ガスLの温度はその下側の液化ガスの温度よりも低い温度になっており、比較的温度の低い低温液化ガス表層Laが高温液化ガス層Lbの上に形成されている。
この低温液化ガス表層Laの厚さtaは貯蔵タンク11の状態や貯蔵されている液化ガスLの状態に依存するが、例えば、30cm〜50cm程度であり、高温液化ガス層Lbは、通常は、低温液化ガス表層Laの直下に形成される。なお、ボイルオフガスGの蒸発量はこの高温液化ガス層Lbと液面Sの温度差に依存する。また、この高温液化ガス層Lbの厚さRbは、液化ガスLの積載から時間がたつと次第に厚さを増すが、この厚さは貯蔵タンク11の環境に大きく影響されて変化する。
ただし、低温液化ガス表層Laと高温液化ガス層Lbの厚さta、Rbは実機での計測や数値実験等からその厚さを幾つかの要因の下に決定することができるので、実機に適用する際には、低温液化ガス表層Laと高温液化ガス層Lbの厚さta、Rbを想定することができる。
そして、図1〜図3に示すように、第1の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造10Aにおいては、この冷却システム20Aは、冷却用装置21Aに加えて、貯蔵タンク11内の下側部分に配置されたポンプ22と、ポンプ22と冷却用装置21Aを接続する供給配管23Aとを有している。
また、冷却用装置21Aは、ポンプ22から供給される液化ガスLを高温液化ガス層Lbに液相のまま拡散するノズル(拡散装置)21Aaと、供給配管23Aからの液化ガスLをそれぞれのノズル21Aaに分配する分配用配管21Abを備えて構成される。さらに、この冷却用装置21Aの少なくとも一部(ここでは、ノズル21Aaの噴口部分)は、貯蔵タンク11に液化ガスLを満載した際には、液化ガスLの液面Sの下側に位置するように構成される。
つまり、貯蔵タンク11の内部には、液化ガスLを下部から表層に供給するための供給配管23Aが設置されており、図2に示すように、この供給配管23Aは、液表層近傍で円形状に広がる分配用配管21Abに接続して、この分配用配管21Abに設けられた複数個のノズル21Aaに液化ガスLを均等に供給するように構成される。また、供給配管23Aの下部に液化ガスLを吸い上げるためのポンプ22が接続されている形となっている。
この構成では、貯蔵タンク11内の液化ガスLは自然対流により、液表層部には温度の高い液化ガスLが集まり、貯蔵タンク11の下部には低温の液化ガスLが集まる。そこで、ポンプ22により低温の液化ガスLを吸い上げ、ノズル21Aaから液表層部に噴出することで、液表層部の温度を低下させる。なお、ノズル21Aaの位置は、その噴口(排出口)が液中に浸かるように配置する。
そして、 液化ガスLを沸騰させずに保持可能な液化ガスLの貯蔵タンク11において、液化ガスLの積載時に、ノズル21Aaの噴口(排出口)が液面Sの下で液化ガスLに浸かる位置になるように設置され、液化ガスLを液相のまま表層部の低温液化ガス表層Laの下側の高温液化ガス層Lbに向けて供給して、貯蔵タンク11の内部の高温液化ガス層Lbを冷却することで、ボイルオフガスGの発生量を低減する。
このノズル21Aaは、その噴射口が液化ガスLの液面Sより僅かに下側に配置されて構成されるが、液化ガスLで高温液化ガス層Lbを撹拌することが目的ではなく、低温の液化ガスLを高温液化ガス層Lbに混入して冷却することが目的であるので、ノズル21Aaの噴出力は強い必要は無く、液化ガスLを高温液化ガス層Lbの内部に浸透させて拡散できるだけの噴出力があればよい。
そのため、ポンプ22の吐出圧は、従来技術の撹拌用のノズルへの供給圧より低くて良いので、ポンプ22を駆動するためのエネルギーが少なくて済み、それに伴い、ポンプ22の駆動の際に、ポンプ22で発生する熱の液化ガスLへの移動も少なくて済むようになる。
このノズル21Aaの噴出方向は、高温液化ガス層Lbへの液化ガスLの供給のためであるので、図1に示すように、分配用配管21Abが液面Sより上側に位置するような場合は、ノズルの噴口が液面Sより下になると共に、ノズル21Aaの噴射方向は、高温液化ガス層Lbに向かうように、好ましくは、下向き、又は、傾斜していても水平より下側に向かうように構成される。
あるいは、図3に示すように、分配用配管21Abが液面Sより下側に位置するような場合は、ノズル21Aaの噴口は液面Sより下になると共に、ノズルの噴射方向は、高温液化ガス層Lbに向かうように、好ましくは、上向き、又は、傾斜していても水平より上側に向かうように構成される。
さらには、図8及び図9に示すように、ノズル21Aaを分配用配管21Abに水平方向の回りに回動自在に設けて、図8に示すように、分配用配管21Abが液面Sより上にあるときはノズル自体の重力により下向きになり、一方、図9に示すように、分配用配管21Abが液面Sより下で、ノズル21Aaが液面Sより下にあるときはノズル自体の浮力により上向きになるように構成することが好ましい。
この構成とする場合には、ノズル21Aaと分配用配管21Abの両方を液面Sの上下変化に対応させて上下移動させなくても、自動的に液面Sの上下移動に対応してノズル21Aaの噴口の位置と噴口の向きを追従させて、ノズル21Aaの噴出方向を高温液化ガス層Lbに向かうようにすることができるようになる。
なお、ポンプ22を、荷役用のポンプ、若しくは、貯蔵タンク11のタンク冷却用のスプレーポンプ、若しくは、液化ガスを燃料として主機関へ供給するポンプと兼用してもよい。このポンプ22の兼用により、貯蔵タンク11に関連する全体設備としての機器を簡略化できる。
また、ノズル21Aaを、タンク冷却用のスプレーノズルの一部との兼用としてもよい。このノズル21Aaの兼用により、貯蔵タンク11に関連する全体設備としての機器を簡略化できる。この場合、通常は、スプレーノズルは空の貯蔵タンク11の全体を冷却するために、上下方向に複数段設けられるので、一番上部のスプレーノズルとこのノズル21Aaとが兼用になり、より下側のスプレーノズルは専用となる。
上記の第1の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造10Aによれば、貯蔵タンク11の下部の比較的低温の液化ガスLをポンプ22で吸い上げて、ノズル21Aaに供給して、液化ガスLの液面Sの低温液化ガス表層Laの下側の高温液化ガス層Lbを比較的低温の液化ガスLで熱効率よく冷却することができるようになる。また、設備としては、貯蔵タンク11の液面S付近に低温の液化ガスLを供給するためのノズル21Aaと分配用配管21Abとを有する冷却用装置21Aと供給配管23Aなどを設ければ良く、貯蔵タンク11の防熱性能を変えることなく、ボイルオフガスの発生量の低減が可能となる。
次に、第2の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造10Bについて説明する。図4に示すように、この液化ガス貯蔵タンク構造10Bにおいては、冷却システム20Bが、貯蔵タンク11の内部のボイルオフガスGをガス抜き配管32で抜き出して再液化装置31で再液化して、液化された液化ガスを戻し配管33で貯蔵タンク11の内部に戻す再液化システム30からの再液化された液化ガスLを、冷却用配管34で冷却用装置21Bに供給するように構成される。この冷却用装置21Bは、ノズル21Baと分配用配管21Bbを有し、第1の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造10Aの冷却用装置21Aと同じように構成される。
つまり、高温液化ガス層Lbを冷却する液化ガスLは、第1の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造10Aでは、ポンプ22で吸い上げられる貯蔵タンク11の下部の液化ガスLであるが、第2の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造10Bでは、ボイルオフガスGを再液化して得られた液化ガスLとなる。それ以外は同じである。
上記の第2の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造10Bによれば、液化ガス運搬船等では、貯蔵タンク11から排出したボイルオフガスGを再液化し、この再液化した液化ガスLを貯蔵タンク11内に戻す再液化システム30を搭載していることが多いので、ボイルオフガスGを利用して、液化ガスLの表層下側の高温液化ガス層Lbを効率よく冷却することができるようになる。また、この再液化システム30で再液化した液化ガスLを供給するので、貯蔵タンク11内でポンプ22を動かす必要がないため、ポンプ22の駆動の際の液化ガスLへの入熱を防ぐことができる。
次に、第3の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造10Cについて説明する。図5に示すように、この液化ガス貯蔵タンク構造10Cにおいては、第1の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造10Aと同様に、冷却システム20Cが、ポンプ22と供給配管23Cと、冷却用装置21Cを備えて構成され、冷却用装置21Cは、ノズル21Caと分配用配管21Cbを備えて構成される。
しかし、この液化ガス貯蔵タンク構造10Cでは、供給配管23Cは、貯蔵タンク11の外部の外部冷却システム40に接続されており、ポンプ22から供給される液化ガスLを、外部冷却システム40により貯蔵タンク11の内部の圧力Pinに対応した飽和温度Tsよりも低い温度に冷却してから、ノズル(拡散装置)21Caに供給するように構成されている。その他の点は、第1の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造10Aと同じである。
つまり、高温液化ガス層Lbを冷却する液化ガスLは、第1の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造10Aでは、ポンプ22で吸い上げられる貯蔵タンク11の下部の液化ガスLをそのまま冷却用装置21Aに供給するが、第3の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造10Cでは、ポンプ22で吸い上げられる貯蔵タンク11の下部の液化ガスLを、貯蔵タンク11の外部に設けた外部冷却システム40に供給配管23C経由で供給し、この液化ガスLを外部冷却システム40で冷却してから供給配管23Cで冷却用装置21Cに供給する。
上記の第3の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造10Cによれば、ポンプ22で吸い上げた液化ガスLを、さらに、外部冷却システム40で冷却してから供給するので、高温液化ガス層Lbへ供給する液化ガスLの温度を低くすることができ、より効率よく、ボイルオフガスGの発生量を低減できるようになる。
そして、この第1〜第3の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造10A〜10Cによれば、液面Sより下にノズル21Aa、21Ba、21Caの噴口を配置することで、供給する低温の液化ガスLが気相部と熱交換することを防ぐことができるので、効率よく冷却することが可能となる。
次に、第4の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造10Dについて説明する。図6に示すように、この液化ガス貯蔵タンク構造10Dにおいては、冷却用装置21Dを、外部(周囲)の液化ガスLと内部の熱媒体(冷媒)との間で熱交換を行う熱交換器で構成する。この熱交換器21Dには、冷却システム50の冷却装置51から低温の熱媒体を配管52経由で供給し、熱交換後の熱媒体を配管53経由で冷却装置51に戻す。
この熱交換器21Dは、例えば、冷却管で構成して、この冷却管を、 液化ガスLの満載時に液面Sにちょうど浸かる程度の高さに設置して、この冷却管の内部を流れる熱媒体を冷却装置51との間で循環させて、液面Sの液化ガスLと熱媒体との間で熱交換させて、熱媒体によって直接冷却してもよい。
つまり、この液化ガス貯蔵タンク構造10Dでは、高温液化ガス層Lbに液化ガスLを供給して冷却するのではなく、高温液化ガス層Lbに配置した熱交換器21Dで熱交換により高温液化ガス層Lbを冷却する。
上記の第4の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造10Dによれば、熱交換器21Dの熱媒体の温度及び流量の調整により、よりきめ細かく貯蔵タンク11内の液化ガスLの温度を調整制御することができるようになるので、冷却効果を制御し易くなる。そのため、より効率よく、ボイルオフガスGの発生量を低減できるようになる。また、貯蔵タンク11内のポンプ22を動かす必要がないため、ポンプ22の駆動の際の液化ガスLへの入熱が無くすことができる。
そして、上記の第1〜第4の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造(10A〜10D、以下総称として10を使用する。)10において、冷却用装置(21A〜21D、以下総称として21を使用する。)21の上下位置に関して、次の第1〜第3の構成のいずれかに構成してもよい。
第1の構成としては、冷却用装置21が、貯蔵タンク11の上下方向に関して、貯蔵タンク11の内部の頂上の位置と、この頂上の位置から貯蔵タンク11の内部の高さの15%低い位置との間に配置される。
この構成により、液化ガスLの満載時には、貯蔵タンク11の内部の液化ガスLの液面Sの高さは、タンク内部の高さの95%前後となるので、冷却用装置21をタンク内部の高さの85%高さより高い位置に配置することで、貯蔵タンク11に貯蔵された液化ガスLの表層下側の高温液化ガス層Lbを効率よく冷却することができるようになる。
第2の構成としては、冷却用装置21が、貯蔵タンク11に貯蔵されている液化ガスLの液面Sの上下に追従して高さを変更するように、上下方向移動機構(図示しない)を有して構成される。この上下方向移動機構としては、周知のスライド機構や吊上げ索による吊り下げ機構(巻き上げ機)等を使用することができる。
この構成により、貯蔵タンク11に液化ガスを満載した後で、液化ガスLが蒸発して液面Sが下降しても、それに伴って、上下方向移動機構を用いて冷却用装置21を下降できるので、良好な冷却効率を維持しながら、液化ガスLの表層下側の高温液化ガス層Lbを効率よく冷却することができるようになる。
第3の構成としては、冷却用装置21が、液化ガスLの液面Sに浮いているように構成される。言い換えれば、冷却用装置21が、フロート式に構成される。この構成により、貯蔵タンク11に液化ガスを満載した後で、液化ガスLが蒸発して液面Sが下降しても、それに伴って、冷却用装置21が自動的に下降するので、良好な冷却効率を維持しながら、液化ガスLの表層下側の高温液化ガス層Lbを効率よく冷却することができるようになる。
そして、貯蔵タンク11においては、貯蔵タンク11が、上側の4分の1において、タンク内部の水平断面積が上方に行くにつれて減少するように構成されていることが好ましい。このような構成であると、熱対流により温度が比較的高くなる液面の表面積が小さくなり、冷却用装置21がカバーする冷却範囲が少なくて済むようになるので、より効率よく、ボイルオフガスGの発生量を低減できるようになる。なお、この形状の貯蔵タンク11としては、球形タンクが一般的であるが、これ以外の非真球形状のタンク等もある。
そして、本発明の実施の形態の船舶1は、上記の第1〜第4の実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造10A〜10Dのいずれかを備えて構成される。これにより、船舶1は、備えた液化ガス貯蔵タンク構造10が発揮できる効果を同様に発揮できる。なお、この船舶としては、LNGタンカー、LPGタンカー等の液化ガス運搬船の他には、液化ガスを燃料とする液化ガス燃料船等がある。
そして、本発明の実施の形態のボイルオフガス低減方法は、上記の第1〜第4の実施の形態の液化ガスを貯蔵する貯蔵タンク11におけるボイルオフガス低減方法である。そして、このボイルオフガス低減方法においては、貯蔵された液化ガスLの表層下側の高温液化ガス層Lbの液化ガスLの温度より低い温度の液化ガスLを液相のまま、高温液化ガス層Lbに供給することにより、若しくは、貯蔵された液化ガスLの表面直下に配置した熱交換器21Dで高温液化ガス層Lbの熱を奪うことにより、高温液化ガス層Lbの液化ガスLを冷却して、貯蔵タンク11の内部におけるボイルオフガスGの発生量を低減する方法である。
上記のように、本発明に係る実施の形態の液化ガス貯蔵タンク構造、船舶、及びボイルオフガスの低減方法によれば、液化ガス運搬船の液化ガスLを貯蔵する貯蔵タンク11の液化ガスLの表層下側の高温液化ガス層Lbを冷却してその温度を低下させることで、気化熱の原因となる熱伝達を抑制し、貯蔵タンク11の防熱材の厚みを増すことなくボイルオフガスGの発生量を減少させることができる。
より詳細には、液化ガスLの液面Sの最上層の低温液化ガス表層Laでは温度が低いため、この低温液化ガス表層Laを冷却しても冷却効率は悪いので、本発明では、この低温液化ガス表層Laより下の高温液化ガス層Lbを冷却する。
つまり、貯蔵タンク11内の液化ガスLの低温液化ガス表層Laに対して、その上側から液化ガスL若しくはガスを低温液化ガス表層Laに噴射して、低温液化ガス表層Laを破壊する従来方法とは異なり、本発明においては、液化ガスLの表層下側の自然対流によって自ずと形成される高温液化ガス層Lbを冷却して、少ないエネルギーで、貯蔵タンク11内の液化ガスLを効率よく均温化して、ボイルオフガスGの発生量を減少させる。
従って、本発明では、貯蔵タンク11内の液化ガスLの撹拌や、表層の低温液化ガス層Laを破壊し、マクロな温度分布を変える従来の方法ではなく、自然対流を利用して、貯蔵タンク11内の熱を液面Sの下側の高温液化ガス層Lbに集中させて、この高温液化ガス層Lbを効率よく冷却することによって、貯蔵タンク11内全体の熱を効率的に除去、または熱の分散による貯蔵タンク11内の均温化を図ることができる。
そして、液面Sにおける液化ガスLの蒸発量、即ち、ボイルオフガスGの発生量は高温液化ガス層Lbの液温度に依存するため、高温液化ガス層Lb部分を冷却することによってボイルオフガス発生量を低減できることになる。特に、球形タンクでは、タンクの表面積に比べ、液面Sの面積は小さく、高温液化ガス層Lbに熱が集中し易いため、効率よく冷却することが可能である。また、液面Sの面積が小さいことから、液化ガスLの供給設備も小規模なもので済む。
1 船舶
2 タンク支持部材
10、10A、10B、10C、10D 液化ガス貯蔵タンク構造
11 貯蔵タンク
12 防熱材
13 タンクカバー
20、20A、20B、20C、20D 冷却システム
21、21A、21B、21C 冷却用装置
21D 熱交換器(冷却用装置)
21Aa、21Ba、21Ca ノズル(拡散装置)
21Ab、21Bb、21Cb 分配用配管
22 ポンプ
23、23A、23B、23C 供給配管
30 再液化システム
31 再液化装置
32 ガス抜き配管
33 戻し配管
34 冷却用配管
40 外部冷却システム
50 冷却システム
51 冷却装置
52、53 配管
G ボイルオフガス
L 液化ガス
La 低温液化ガス表層
Lb 高温液化ガス層
S 液化ガスの液面

Claims (13)

  1. 液化ガスを貯蔵する貯蔵タンクを備えた液化ガス貯蔵タンク構造において、
    貯蔵された液化ガスの表層下側の高温液化ガス層を冷却するための冷却システムの一部または全部を前記貯蔵タンクの内部に備えていると共に、前記高温液化ガス層を冷却する冷却用装置の少なくとも一部が、少なくとも前記貯蔵タンクに液化ガスを満載した際には、液化ガスの液面若しくは液面近傍に配置されているように構成されていることを特徴とする液化ガス貯蔵タンク構造。
  2. 前記冷却用装置が、前記貯蔵タンクの上下方向に関して、前記貯蔵タンクの内部の頂上の位置と、この頂上の位置から前記貯蔵タンクの内部の高さの15%低い位置との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液化ガス貯蔵タンク構造。
  3. 前記冷却用装置が、前記貯蔵タンクに貯蔵されている液化ガスの液面の上下に追従して高さを変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の液化ガス貯蔵タンク構造。
  4. 前記冷却用装置が液化ガスの液面に浮いていることを特徴とする請求項1に記載の液化ガス貯蔵タンク構造。
  5. 前記冷却システムが、前記貯蔵タンクの内部のボイルオフガスを抜き出して再液化して、液化された液化ガスを前記貯蔵タンクの内部に戻す再液化システムからの再液化された液化ガスを、前記冷却用装置に供給するように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液化ガス貯蔵タンク構造。
  6. 前記冷却システムが、前記貯蔵タンク内の下側部分に配置されたポンプと、前記貯蔵タンクに液化ガスを満載した際には、液化ガスの液面近傍に位置して、前記ポンプから供給される液化ガスを前記高温液化ガス層に液相のまま拡散する拡散装置を備えた前記冷却用装置と、前記ポンプと前記冷却用装置を接続する供給配管とを有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液化ガス貯蔵タンク構造。
  7. 前記ポンプを、荷役用のポンプ、若しくは、前記貯蔵タンクのタンク冷却用のスプレーポンプ、若しくは、液化ガスを燃料として主機関へ供給するポンプとの兼用とすることを特徴とする請求項6に記載の液化ガス貯蔵タンク構造。
  8. 前記冷却システムが、前記供給配管を前記貯蔵タンクの外部の外部冷却システムに接続して、前記ポンプから供給される液化ガスを、前記外部冷却システムにより前記貯蔵タンクの内部の圧力に対応した飽和温度よりも低い温度に冷却してから、前記拡散装置に供給するように構成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の液化ガス貯蔵タンク構造。
  9. 前記拡散装置を、タンク冷却用のスプレーノズルとの兼用とすることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の液化ガス貯蔵タンク構造。
  10. 前記冷却用装置が、外部の液化ガスと内部の熱媒体との間の熱交換を行う熱交換器で構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液化ガス貯蔵タンク構造。
  11. 前記貯蔵タンクが、上側の4分の1において、タンク内部の水平断面積が上方に行くにつれて減少するように構成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の液化ガス貯蔵タンク構造。
  12. 請求項1〜11に記載の液化ガス貯蔵タンク構造を備えていることを特徴とする船舶。
  13. 液化ガスを貯蔵する貯蔵タンクのボイルオフガス低減方法において、
    貯蔵された液化ガスの表層下側の高温液化ガス層の液化ガスの温度より低い温度の液化ガスを液相のまま、前記高温液化ガス層に供給することにより、若しくは、貯蔵された液化ガスの表面直下に配置した熱交換器で前記高温液化ガス層の熱を奪うことにより、前記高温液化ガス層の液化ガスを冷却して、前記貯蔵タンクの内部におけるボイルオフガスの発生量を低減することを特徴とするボイルオフガス低減方法。
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