JP2019014981A - まつげエクステンション、まつげエクステンションの製造方法および取付け方法 - Google Patents

まつげエクステンション、まつげエクステンションの製造方法および取付け方法 Download PDF

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征彦 三本松
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征彦 三本松
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【課題】紫外線透過率を低下させることができるUVカット機能を持ったまつげエクステンションを提供する。【解決手段】 本発明のまつげエクステンション100は、まつげ(50)の長さを延長する人工まつげであり、先端部(11)と末端部(15)とを有する人工まつげ本体部(10)を備えている。人工まつげ本体部(10)は、樹脂(12)から構成されており、人工まつげ本体部(10)を構成する樹脂(12)は、紫外線透過率を低下させる紫外線カット成分を含有している。【選択図】図3

Description

本発明は、まつげエクステンションに関する。本発明はまた、まつげエクステンションの製造方法およびまつげエクステンションの取付け方法に関する。
まつげに長さやボリュームを与え、より大きく、美しく、魅力的な目元を演出するためのアイテムの一つとして、つけまつげがある。つけまつげは、複数本の人工まつげを一纏めにして、その末端に接着部を設け、その接着部を使用者のまぶたに付けることによって、使用者のまつげに長さやボリュームを与えることができる(例えば、特許文献1、2など)。つけまつげは、使用者の皮膚に接着するため、装着感が悪く、場合によっては皮膚がかぶれるおそれがある。
これに対して、近年では、一本のまつげとほぼ同等の形状で長さや太さにボリュームを持たせた所謂まつげエクステンションと呼ばれる人工まつげが提案されている(例えば、特許文献3など)。このまつげエクステンション(まつげエクステ、または、人工まつげ)は、まぶたには接着せずに、接着剤を用いてまつげに直接接着するため、装着感が良く、皮膚がかぶれるおそれが少ない。また、まつげエクステは、まつげ一本に対して一本ずつ接着するので、つけまつげに比べて自然な感じでまつげに長さやボリュームを与えることができる。
なお、まつげエクステ業界において、最近、1本の地まつげに複数本のまつげエクステを付けたり、複数本の地まつげに複数本のまつげエクステを付けてボリュームを出すような装着手法がある。特に後者は地まつげの代謝の妨げとなる他、身体トラブルを引き起こすリスクが高まるので、そのような手法を採用する場合には、安全性の観点から注意を払う必要がある。
特開2008−231632号公報 特開2005−146500号公報 特開2010−24579号公報
図1に、典型的なまつげエクステ1000の構造を示す。図1に示したまつげエクステ1000は、先端部111と末端部115とを有する人工まつげ本体部110から構成されている。人工まつげ本体部110は、化学繊維からなり、樹脂材料(特に、ポリブチレンテレフタレート(PBT))から構成されている。
図1に示したまつげエクステ1000は、図2(a)から(c)に示すようにして、使用者(ユーザ)55のまつげ50に取り付けられる。まず、図2(a)に示すように、まつげエクステ1000(人工まつげ本体部110)の一部をピンセット60で掴み、そして、まつげエクステ1000の末端部115に接着剤(グルー)117を塗布した状態で、まつげエクステ1000をまつげ50の近くに持っていく。
次に、図2(b)に示すように、まつげエクステ1000の接着剤117をまつげ50に付けて、まつげエクステ1000をまつげ50に密着させる。そして、接着剤117が硬化して、まつげエクステ1000がまつげ50に固定されたならば、図2(c)に示すように、ピンセット60を外して、まつげエクステ1000の取り付けが完了する。この作業を各まつげ50について行う。すなわち、この動作を繰り返しおこなって、上まつげ50のそれぞれにまつげエクステ1000を付けると、まつげエクステ1000によるアイメイクが完成する。
ところで、人は目に紫外線を浴びることによって白内障などの目の病気になる可能性が高まると言われている。また、目に紫外線を浴びると、メラニンが活性化されてシミの原因になる。人間のまつげ50には、ホコリなどの異物を防ぐだけでなく、紫外線などから目を守る働きがあると言われている。そして、加齢などの理由によってまつげ50が少なくなったり短くなったりすると、紫外線の抑制効果は減少するものと考えられる。そして、上まつげ50の大半にまつげエクステ1000を装着した場合、その装着したまつげエクステ1000のアイメイクによって、紫外線(UV)が目に入るのを抑制できる可能性がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、従来のまつげエクステンションよりも紫外線透過率を低下させた新規なまつげエクステンションを提供することにある。
本発明に係るまつげエクステンションは、まつげの長さを延長するまつげエクステンションであり、先端部と末端部とを有する人工まつげ本体部を備え、前記人工まつげ本体部は、樹脂から構成されており、前記人工まつげ本体部を構成する樹脂は、紫外線透過率を低下させる紫外線カット成分を含有している。
ある好適な実施形態において、前記紫外線カット成分としてシルクフィブロインが前記樹脂に分散されている。
ある好適な実施形態において、前記紫外線カット成分として酸化チタンおよび/またはセラミックスが前記樹脂に分配合されている。
ある好適な実施形態において、前記紫外線カット成分は、前記樹脂を100質量部としたときに0.01質量部から5質量部までの配合割合で、前記樹脂に配合されている。
ある好適な実施形態において、前記人工まつげ本体部には、湾曲部が形成されている。前記人工まつげ本体部を構成する樹脂は、含水率を調整する成分を含有している。前記人工まつげ本体部の含水率(質量%)は0.1%超え10%以下に調整されている。前記含水率を調整する成分は、前記樹脂に分散して配合されている。
ある好適な実施形態において、前記含水率を調整する成分は、前記紫外線カット成分と共通する成分からなる。
ある好適な実施形態において、前記人工まつげ本体部の断面形状は扁平形状を有しており、前記扁平形状の幅に対して厚さが半分以下の寸法である。前記人工まつげ本体部において、前記扁平形状の厚さを規定する上下面は実質的に平行な面である。前記人工まつげ本体部を構成する前記樹脂は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、および、前記ポリブチレンテレフタレートよりも低温で変性する低温変性樹脂材料を含んでいる。前記樹脂の全体を100質量%としたときに、前記低温変性樹脂材料は50質量%以上含まれている。前記低温変性樹脂材料は、ナイロン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、および、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)からなる群から選択された少なくとも一つの樹脂材料である。
本発明に係るまつげエクステンションの製造方法は、紫外線透過率を低下させる紫外線カット成分を、樹脂に配合する工程と、前記樹脂を、人工まつげ本体部の形状を規定する開口部を有する金型から押し出しする工程と、前記押し出しした繊維状の材料を切断する工程と、前記切断した繊維状の材料の一端を溶解させることによって、先端部を有する人工まつげ本体部を形成する工程と、前記人工まつげ本体部の先端部を基準にして、前記人工まつげ本体部を整列させる工程と、前記整列させた人工まつげ本体部をカールする工程とを含む。
ある好適な実施形態において、前記紫外線カット成分は、シルクフィブロイン、酸化チタンおよびセラミックスからなる群から選択される少なくとも一つの成分である。前記人工まつげ本体部における含水率(質量%)は、0.2%以上5%以下である。
ある好適な実施形態において、さらに、前記人工まつげ本体部を構成する前記樹脂を着色することが実行される。前記人工まつげ本体部は、黒色、ダークブラウン、パープル、ブルー、ピンク、シルバー、グリーン、ライトオレンジ、ライトゴールド、レッド、ワインレッド、ホワイトおよびイエローからなる群から選択される色で着色される。
ある好適な実施形態では、前記人工まつげ本体部を整列させる工程の後、前記人工まつげ本体部の前記先端部の反対側の根本部を切断する工程を実行する。
本発明に係る取付け方法は、まつげエクステンションの取付け方法であり、前記まつげエクステンションは、先端部と末端部とを有する人工まつげ本体部と、前記人工まつげ本体部に含有され、紫外線透過率を低下させる紫外線カット成分とを備え、前記人工まつげ本体部は、樹脂から構成されており、前記人工まつげ本体部の前記末端部に接着剤を塗布する工程と、前記人工まつげ本体部の前記末端部に前記接着剤が塗布された状態で、前記接着剤をまつげに付ける工程とを含む。
ある好適な実施形態において、前記人工まつげ本体部には、当該人工まつげ本体部がカールした湾曲部が形成されている。前記人工まつげ本体部の含水率(質量%)は0.1%超え10%以下である。前記接着剤が塗布される前の前記まつげエクステンションは、まつげエクステンション用の容器に収納されており、前記容器の内部において、前記まつげエクステンションが複数本整列して貼り付けられる台紙が配置されており、前記台紙に整列された前記まつげエクステンションは、ピンセットで掴まれて、前記台紙から離され、前記ピンセットで掴まれた状態で、前記人工まつげ本体部の前記末端部への前記接着剤の塗布が実行される。
本発明に係る人工まつげは、まつげに装着する人工まつげであり、先端部と末端部とを有する人工まつげ本体部を備え、前記人工まつげ本体部は、樹脂から構成されており、前記人工まつげ本体部には、湾曲部が形成されており、前記人工まつげ本体部を構成する樹脂は、紫外線透過率を低下させる紫外線カット成分を含有している。
本発明に係るまつげエクステンションによれば、人工まつげ本体部を構成する樹脂に紫外線カット成分が含有されているので、当該まつげエクステンションを付けることにより、目に入る紫外線を軽減することができる。その結果、目の病気の発生の可能性を低減したり、シミになる原因を抑制することが可能となる。
まつげエクステンション1000の構成を示す斜視図である。 (a)から(c)は、まつげエクステンション1000をまつげ50に取り付ける方法を説明する図である。 本発明の実施形態に係るまつげエクステンション100の構成を示す斜視図である。 図3中のA−A線に沿ったまつげエクステンション100の断面図である。 図3中のB部分におけるまつげエクステンション100の断面図である。 まつげエクステンション100をまつげ50に取り付けた状態を説明するための図である。 まつげエクステンション100を上まつげ50に取り付けた状態を示す図である。 まつげエクステンションの例1(実施例)、例2および例3の紫外線透過率の実験結果を示すグラフである。 まつげエクステンション100の製造方法を説明するためのフローチャートである。 (a)から(d)は、それぞれ、カール10cの状態が異なるまつげエクステ100Aから100Dを説明するための模式図である。 まつげエクステンション100を一列に整列させて収納するケース200を示す斜視図である。 整列したまつげエクステンション100の先端部11が揃っている状態を模式的に示す斜視図である。 ケース200を開いてまつげエクステンション100を取り出せる状態にした構成を示す斜視図である。 含水率に対する静電気体感度などの関係についての実験結果を示すテーブルである。 まつげエクステンション101の構成を示す斜視図である。 図15中のA−A線に沿ったまつげエクステンション101の断面図である。 図15中のB部分におけるまつげエクステンション101の側面図である。 まつげエクステンション102の構成を示す斜視図である。 図18中のA−A線に沿ったまつげエクステンション102の断面図である。 図18中のB部分におけるまつげエクステンション102の断面図である。 まつげエクステンション103の構成を示す斜視図である。 まつげエクステンション103の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るつけまつげ105の構成を示す図である。
本願発明者は、樹脂製(PBT製)のまつげエクステンション1000によって、紫外線(UV)の抑制効果(または、UVカット効果)があるかどうかを確認した。まつげエクステンション1000が上まつげ50に装着されて、光(特に、太陽光)を遮ることができるので、いくらかUVカット効果があると思われたが、実際にはUVカットの効果は少なかったか、またはほとんど確認できなかった。そこで、まつげエクステンション1000の樹脂中に、何かUVカット効果が期待できる成分を配合することで、UVカット効果について実験したところ、UVカット機能を有するまつげエクステンションを実現させることに成功した。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のために、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事項は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書及び図面によって開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。加えて、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図3は、本実施形態のまつげエクステンション100の構造を示している。図4及び図5は、それぞれ、図3のA線に沿った断面図、および、B部分の拡大断面図である。
本実施形態のエクステンション100は、先端部11と末端部15とを有する人工まつげ本体部10を備えている。人工まつげ本体部10は、まつげ型の形状を有しており、そして、人工まつげ本体部10には、まつげ50に取り付けた時に自然な角度になるようなカーブ(湾曲部10c)が形成されている。具体的には、人工まつげ本体部10の末端部15の径(ここでは、直径)は、先端部11の径(直径)よりも太い。人工まつげ本体部10は、かるく湾曲しており、先端部11のトップは尖っている。本実施形態の人工まつげ本体部10の長さは、例えば5mm〜20mmであり、末端部15の端面15aの直径(または厚さ)は例えば0.05mm〜0.3mmである。図13及び図14では、末端部15における直径φを表記している。なお、先端部11が尖っていなかったり、先端部11から末端部15までが実質的に同一の寸法(直径)を有する人工まつげ本体部10を排除するものではない。
本実施形態の人工まつげ本体部10は、樹脂12から構成されている。言い換えると、人工まつげ本体部110は、化学繊維からなり、樹脂材料から構成されている。本実施形態の人工まつげ本体部10を構成する樹脂は、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル、アクリル、塩化ビニル、ナイロンから構成されている。この例の人工まつげ本体部10は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)から構成されている。なお、人工まつげ本体部10は、黒色の他、着色された材料から構成されていてもよい。人工まつげ本体部10は、例えば、ダークブラウン、パープル、ブルー、ピンク、シルバー、グリーン、ライトオレンジ、ライトゴールド、レッド、ワインレッド、ホワイト、イエローなどの色にすることができ、それによって、カラーエクステンションを実現することが可能である。
本実施形態の人工まつげ本体部10の断面は、図4に示すように、円形形状を有している。本実施形態の構成における「円形形状」は、幾何学的な意味での円形の形状(真円)に限らず、多少歪んでいても構わない。例えば、真円から見ると、楕円形状、長円形状などのものであっても構わない。本実施形態の例では、人工まつげ本体部10の断面には、溝、山・谷のような凹凸は形成されておらず、人工まつげ本体部10の断面は、なめらかな曲線からなる形状(略円形)となっている。
本実施形態の構成において、人工まつげ本体部10は、紫外線透過率を低下させる紫外線カット成分(UVカット成分)を含有している。具体的には、人工まつげ本体部10を構成する樹脂12にUVカット成分が配合されており、本実施形態では、UVカット成分は樹脂全体にわたって分散されている。UVカット成分は、まつげエクステンション100によってUVカット効果を発現できる含有量が人工まつげ本体部10に含まれている。一例であるが、UVカット成分は、樹脂12を100質量部としたときに0.01質量部から5質量部までの配合割合で、樹脂12に配合されている。ただし、UVカット効果の発現とともに、UVカット成分の配合によって、人工まつげ本体部10の物性(強度、柔らかさ、形態維持性、色味または表面反射具合など)が悪化しない配合量に抑えることが望ましい。
本実施形態のUVカット成分は、シルクフィブロインである。シルクフィブロインを配合した人工まつげ本体部10がUVカット効果を持つことは、本願発明者の実験により初めて確認されたことである。また、UVカット成分として、シルクフィブロインに代えて、あるいは、シルクフィブロインとともに、無機微粒子(例えば、酸化チタンおよび/またはセラミックス)を配合してもよい。
本実施形態では、シルクフィブロインはパウダー形態のものであり、それを人工まつげ本体部10に配合している。シルクは、セリシン(20〜30%)とフィブロイン(70〜80%)2種類のタンパク質から構成されているところ、本実施形態のシルクフィブロインのパウダーは、不純物が付着しやすいセリシンを取り除いて、芯の部分のファブロインをパウダー(シルクフィブロインパウダー)にしたものである。シルクフィブロインパウダーは、不純物を排除した形態のフィブロインパウダー単体のものが好ましいが、セリシンを含んだ形でのパウダーであっても構わない場合がある。シルクフィブロインパウダー(シルクパウダー)は、例えば30μm以下程度の粒径(平均粒径)を有しており、好ましくは、20μm以下(または10μm以下)の粒径のものであって粒径ができるだけ揃っているもの(粒径分布がきれいなもの)がよい。また、本実施形態のシルクフィブロインパウダーとしては、平均粒径5マイクロメートル(5μm)程度またはそれ以下の超微粒子シルクパウダーを用いることが可能である。シルクフィブロインパウダーは、パウダー状に加工したシルクであれば、粒径(平均粒径または粒径分布)に厳密にこだわらなくても場合があり(30μmを超える粒径であってもよい場合があり)、人工まつげ本体部10にシルクパウダー(UVカット成分)が分散されて配合されていることがポイントとなる。人工まつげ本体部10全体に均一にシルクフィブロインパウダー(UVカット成分)が分散されていることが好ましいが、必ずしも均一な分散が求められるわけではなく、UVカット効果が発現できればそれで十分である。つまり、人工まつげ本体部10の中心部(芯部)にまで均一にシルクフィブロインパウダー(UVカット成分)が配合されることが求められているわけではなく、分散形態よりも、UVカット効果の発現の有無が重要になる。
本実施形態の好適な例において、人工まつげ本体部10におけるUVカット成分(または、シルクフィブロイン)の配合割合(質量%)は10%以下であり、実際の製品における実用性を考慮すると5%以下である。UVカット成分の配合割合が多すぎると、人工まつげ本体部10を構成する混合物(樹脂12およびUVカット成分が混合された材料)の物性が、樹脂12単独のものと比べて変化してしまい、まつげエクステンション100のカーブ(湾曲)が出せなくなったり、所定の柔らかさが出なくなったりする可能性がでてくる。本実施形態の一例のUVカット成分の配合割合(質量%)は、2%以下、または、約1%または1%以下(好適には、1%、または1%程度、例えば1%±0.3%など)である。人工まつげ本体部10のカーブ(湾曲)が出せて、他の条件(柔らかさなど)を満たせるのであれば、UVカット成分の配合割合は、10%以下(または5%以下、3%以下)に限らず適宜好適なものにしても構わない。なお、本実施形態では、人工まつげ本体部10に全体の質量に対するUVカット成分の質量を配合割合で表しているが、場合によっては、人工まつげ本体部10全体基準でなく、樹脂12基準の方が配合割合を決める方が便利であれば、樹脂12を100質量部として、UVカット成分の質量の割合(例えば、10重量部以下)を代用しても構わない。
図6は、本実施形態のまつげエクステ100を、使用者(装着者)55のまつげ50に取り付けた様子を示す図である。本実施形態のまつげエクステンション100は、使用者55のまつげ50の長さを延長する人工まつげであり、接着剤(グルー)20によってまつげ50に固定される。接着剤20は、典型的には、まつげエクステ用グルーである化学反応型接着剤である。ただし、接着剤20は、それに限らず、熱溶解型いわゆるホットメルト接着のほか、シールやテープで固定したり、ゼラチンなどのタンパク質由来の接着剤で接着したり、磁石で固定したり、接着剤やテープなどを用いずに結びつけても構わない。
また、図7は、上まつげ50のそれぞれにまつげエクステ100を取り付けた様子を示している。図7に示すように、数多くのまつげエクステ100が上まつげ50に取り付けられている。このような状態でまつげエクステ100がなるべく長時間まつげ50に付いていることが、使用者(ユーザ)55によって好ましい。そして、本実施形態のまつげエクステ100によって、目に入るUVの量を減らすことができる。なお、右目用、左目用で、まつげエクステ100のカールの角度を内側や外側に変えてもよい。
図8は、まつげエクステンションの例1、例2、例3におけるUV透過率を示すグラフである。図8中のグラフ縦軸は透過率(%)であり、横軸は光の波長を示している。UV透過率の実験は、第三者機関の「国立研究開発法人 産業技術研究所(産総研)」で実行した。例1は、本実施形態のまつげエクステ100の結果である。例2は、先端が比較的細いまつげエクステ1000(従来例)の結果であり、例3は、先端が比較的太いまつげエクステ1000(従来例)の結果である。
図8に示した分光透過率測定の条件は次の通りである。
<測定方式:分光透過測定>
紫外線・可視領域の光を試料に照射し、指定波長範囲における透過率を測定した。
・試験回数:5回×3試料=15回
・試験時間:60秒/1回
・波長範囲(nm):240.0〜800.0(紫外線:240.0〜380.0・可視光:380.0〜800.0)
・照射範囲:縦1cm×横6mm
<試験機材>
・紫外可視近赤外(UV−Vis−NIR)分光光度計((株)島津製作所社製)
<試験試料>
各毛束(整列シート)
・例1、例2及び例3の長さ:0.15mm
<測定地>
大阪府立産業技術総合研究所
図8のグラフからわかるとおり、UVカット効果は、例1(実施例)が優れており、次に例3(先太)、最後に例2(先細)という結果になった。具体的には、例2、例3の透過率は、UV領域とともに700nm前後の可視領域まで高い。一方、例1(実施例)は、UV領域において極めて低い透過率を示し、そしてUV領域の全般にわたって安定したカット効果を発揮している。そして、700nm前後の可視領域でも低い透過率を示している。このグラフによって、本実施形態のまつげエクステ100におけるUVカット効果が確認された。一方、従来のまつげエクステ1000でのUVカット効果は確認されなかった(すなわち、UVの透過率が高い)。
本実施形態のまつげエクステ100では、人工まつげ本体部10を構成する樹脂12に紫外線カット成分(シルクフィブロイン)が含有されている。そして、図7に示すように、地まつげ50(上まつげ)にまつげエクステ100を装着することで、目に入るUVの量を軽減することができ、その結果、目の病気の発生の可能性を低減したり、シミになる原因を抑制することが可能となる。
また、本実施形態のまつげエクステ100によれば、光の透過性が抑えられるため、染色しただけの毛(人工毛)よりも色が濃く見える。これにより、細い毛であっても、「青っぽく」見えたり、「赤っぽく」見えたり、「黄色っぽく」見えたりする現象を軽減させることができる。まつげエクステ100(人工まつげ本体部10)は、典型的に、0.2〜0.1mm程度の太さのものが使用されることが多いが、最近、0.05mmなどの細い毛が使用されるケースもある。このような細い毛の場合、同じ手法で黒染めの染色した化繊原料や黒色PBT原料の毛でも、0.07mmよりも細くなると、肉眼でもはっきりわかるほど青みがかった黒色に見える現象が(大抵の場合)生じる。その理由は、青色ベースの黒を使っている場合、細くなったり(または薄くなったり)すると、光の反射や透過などによって青っぽく見えることが原因であるが、本実施形態の場合、UVカット成分の配合によって光透過性を抑えることができ、その結果、青っぽく見える現象を解消することができるので、その点でもメリットがある。
次に、図9を参照しながら、本実施形態のまつげエクステンション100の製造方法を説明する。図9は、本実施形態のまつげエクステ100の製造方法を説明するためのフローチャート
まず、UVカット成分を樹脂12に混練する(工程S10)。樹脂12は、上述したように、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエステル、アクリル、塩化ビニル、ナイロンなどであり、本実施形態の典型的なケースでは、樹脂12はPBTであるが、他の樹脂を使用してもよい。樹脂12(PBT)に、UVカット成分(シルクフィブロイン、および/または、無機微粒子)を入れて、混練する。なお、すでに混練した状態の樹脂12を用意してもよい。
本実施形態のまつげエクステ100を着色する場合には、UVカット成分を樹脂12に混合する段階(工程S10)で、樹脂に顔料を入れて、着色を行うことができる。樹脂12の着色(または染色)は、黒色にすることができる他、例えば、ダークブラウン、パープル、ブルー、ピンク、シルバー、グリーン、ライトオレンジ、ライトゴールド、レッド、ワインレッド、ホワイト、イエローなどの色にすることができる。UVカット成分と顔料(着色剤)とを同時に樹脂12に混合してもよいし、UVカット成分を導入した後に顔料を樹脂12に混合してもよい。また、顔料を導入した後にUVカット成分を樹脂12に混合しても構わない。なお、白または透明の繊維(樹脂繊維)を後から染色することもできる。
次に、UVカット成分を含む樹脂12を金型から押し出す(工程S20)。金型には、人工まつげ本体部10の形状(断面形状)を規定する開口部が形成されている。本実施形態では、図4に示すような円形形状を有する開口部を規定する金型を用いている。UVカット成分を含む樹脂(樹脂混合物)12を金型から押し出すと、図4に示した断面形状を有する繊維状の材料が得られる。なお、上述したように、本実施形態の円形形状は、幾何学形状の円形(真円)に限らず、略円形のものであってよい。また、金型の開口部は、円形形状に近い略円形の形状のものでなく、扁平率の大きいもの(例えば、横広の楕円形または長円)にしても構わない。
次に、押し出しした繊維状の材料を、まつげエクステ100(人工まつげ本体部10)の加工がしやすい長さに切断する(工程S30)。すなわち、まつげエクステ100に対応する所定の長さに切断する。切断するときは、所定長さで繊維状の材料をカッター(切断装置)で切断すればよい。その後、切断して所定の長さ(まつげエクステ100に対応する長さ)になった人工まつげ本体部10の先端を薬品につけて、人工まつげ本体部10の先端部11を形成する(工程S40)。すなわち、樹脂12を溶解させる薬品に人工まつげ本体部10の一部(先端)をつけることで、樹脂12の一部を溶解させて、人工まつげ本体部10の径を細めて先端部11を形成する。具体的には、切断した人工まつげ本体部10をバンドで束ねて、そこで人工まつげ本体部10の先端を薬品に所定時間浸けて溶解させ、人工まつげ本体部10の先端部11を形成する。
次に、人工まつげ本体部10を整列させる(工程S50)。具体的には、先端部11を有する人工まつげ本体部10を平板上に置いて、次いで、重石(文鎮のような器具)で、人工まつげ本体部10を抑えることにより、人工まつげ本体部10を整列させる。そして、先端が尖った先端部11を基準にして整列を揃えて(例えば、整列精度:±0.2mm以内)、隣接する人工まつげ本体部10の間の隙間がなくなるようにきれいに埋めたら、その整列(整列した人工まつげ本体部10のブロック)をテープで留めて固定する。
次に、人工まつげ本体部10の根本(末端部15の側の部位)を切断する(工程S55)。具体的には、整列させた人工まつげ本体部10の根本を切断して、きれいに長さが揃った人工まつげ本体部10の末端部15を形成する。
次に、人工まつげ本体部10のカールを行う(工程S60)。このカール工程は、先端部11基準で高精度に整列した人工まつげ本体部10を加熱して、人工まつげ本体部10の形状を湾曲させ、その形状を記憶(固定)させることによって行う。例えば、人工まつげ本体部10のカール形状になるように、人工まつげ本体部10を型に押し当てて、加熱と冷却を行うことで、所望形状のカールを形成する。具体的には、筒状の金属パイプ(アルミパイプ)やガラス棒に人工まつげ本体部10をテープなどで巻き付けて一定時間加熱することによって、人工まつげ本体部10にカール(10c)を形成する。カールの強弱は巻きつけるパイプの口径を小さくしたり大きくしたりすることによって調整する。なお、人工まつげ本体部10の太さなどによって数値は変化するが、加熱温度は例えば160〜190℃、加熱時間は例えば3〜30分、その後、冷却時間は3〜30分である。毛先の太さによっては加熱と冷却時間を調整し同じ作業を数回繰り返すこともある。
その後、所望のカール(10c)が形成されたまつげエクステ100のブロック(一列に整列されたまつげエクステ100)を台紙に貼って、まつげエクステ100のブロックを固定する(工程S70)。
本実施形態の製造方法で作製されたまつげエクステ100は、カール工程(S60)によって、例えば、図10(a)から(d)に示すように、様々なカール形状にすることができる。図10(a)から(d)では、それぞれ、Iカール、Jカール、Cカール、Dカールのまつげエクステ100を示しているが、それ以外にも、CCカール、SCカール、その他のカール(MIXカール、SSCカール、Lカールなど)のまつげエクステ100もある。
図10(a)に示したまつげエクステ100Aは、Iカールのまつげエクステである。Iカールのまつげエクステ100Aは、ほとんどカールがないまつげエクステであり、あまり派手にしたくなく、自然な仕上がりにしたい人に向いている。特に、元々まつげ55が上向きに生えていて、ビューラーいらずの方に向いている。
図10(b)に示したまつげエクステ100Bは、Jカールのまつげエクステである。Jカールのまつげエクステ100Bは、ゆるやかで自然なカールがついているまつげエクステであり、まるで自まつげのような仕上りにしたい人に向いている。日本人の顔立ちに似合うカールで、伏し目になった時、一番美しい目元を演出できる。特に、自まつげが地面と水平に生えている方に向いており、また、前から見て、毛先が上がって見え過ぎないクールな目元がお好みの方に向いている。
図10(c)に示したまつげエクステ100Cは、Cカールのまつげエクステである。Cカールのまつげエクステ100Cは、ビューラーをかけたようなカールがついているまつげエクステである。前から見ると、ほどよく毛先が見えて、その分、目を大きく見せることができ、そして、当該カールが目元を可愛らしく演出することができる。特に、元々まつげがやや下向きに生えている方に向いており、また、前から見て、毛先が上がって見えるためキュートな目元が好みの方に向いている。
図10(d)に示したまつげエクステ100Dは、Dカールのまつげエクステである。Dカールのまつげエクステ100Dは、Cカールよりも更に丸みを帯びたカールが強いまつげエクステである。ビューラーを強くかけたイメージで、お人形のようなパッチリした可愛らしい目元を演出できるので、より目を大きく見せることができる。特に、元々まつげが下向きに生えている方に向いており、また、前から見て、毛先が真上に上がるのでキュートでより丸い目元がお好みの方に向いている。
そして、本実施形態のまつげエクステ100は、図11に示すようなケース200(本実施形態に係るまつげエクステ用ケース)に収納されている台紙150に対して貼付される(工程S70参照)。まつげエクステ100は、整列されたブロックの形態で台紙150に貼り付けられる。図12の拡大模式図に示すように、台紙150の表面には粘着層155が形成されており、その粘着層155に、まつげエクステ100の末端部15を貼り付けることで固定する。台紙150の上に固定された状態において、まつげエクステ100の先端部11(尖った先端)は、基準線130に対して高精度に揃った状態を維持している。本実施形態では、基準線130に対して例えば±0.5mmの範囲内(好ましくは±0.2mm)になる精度で、まつげエクステ100を整列している。
図11に示したケース200は、まつげエクステ100が貼り付けされる台紙150と、台紙150を収納する容器本体部215とから構成されている。図13に示した状態(開いた状態)でわかるように、本実施形態のケース200の場合、台紙150を保持する台紙ストッパー211が設けられている。台紙150は紙(または樹脂)から構成された部材であり、容器本体部215は、樹脂から構成されている(この例では、透明な樹脂)
図13に示すように、ケース200の容器本体部215は、第1カバー215Aと第2カバー215Bとから構成されており、それぞれを順番に閉じるようにして、図11に示した容器本体部215の態様になる。第1カバー215Aと第2カバー215Bとは、台座部210によって互いに連結されており、台座部210の上に台紙150が配置される。台紙150は、台紙ストッパー211によってケース200内でなるべく動かないように固定されている。
本実施形態のケース200の台座部210に、まつげエクステ100(複数本のまつげエクステの一列ブロックを複数列)を貼り付けた台紙150を収納することができる。また、図13に示した状態において、台紙150に貼り付けられたまつげエクステ100を1本ずつピンセットで掴んで、台紙150から剥がすことができる。そのまつげエクステ100は、図6に示すように、接着剤20を使って、装着者55のまつげ50に取り付けることができる(図2(a)から(c)も参考)。
本実施形態のまつげエクステ100を製造する際において、とても非効率な工程は、人工まつげ本体部10の作製工程(S10〜S40)よりも、人工まつげ本体部10の整列工程(S50)であることが多い。この整列工程の段階で、きれいに人工まつげ本体部10を整列させておかないと(すなわち、先端部11が±0.2mmの精度)、その後は、不良品に至る可能性が高くなってしまう。また、この整列工程は、機械の自動化が困難であり、人手に頼らなくてはならず、手間もコストもかかるとともに、工員にも習熟度が求められる。この工程がボトルネックとなって、製造の納期短縮が難しかったり、より一層のコスト削減が難しかったりする。
なぜ、整列工程(S50)に時間がかかるかといえば、人工まつげ本体部10は樹脂(特に、PBT)から構成されており、当該樹脂は、誘電体(絶縁性材料)であるので、静電気を持ちやすい。まつげのように細い樹脂繊維(人工まつげ本体部10)が静電気を持った場合、それぞれが静電気で引っ付きあって、重石や手で平らにならしたとしても、簡単には、きれいな整列状態にはならない。もし静電気の影響を緩和することができれば、人工まつげ本体部10をすぐにきれいな整列状態にすることが容易になる。しかしながら、人工まつげ本体部3000は樹脂製(PBT製)であるので、その樹脂(誘電体)が静電気を持つことは物性であるので、人工まつげ本体部10を構成する樹脂が静電気を持ってしまうことは仕方ない。また、当該樹脂(PBT)は、疎水性材料であるので、静電気を防止するために霧吹きのようなものをかけても、当該樹脂の表面に水滴(霧吹きの粒子)が付くだけで、樹脂の内部に吸い込まず逆に水によってくっついてしまう上、さらに乾燥させる工程も必要となり製造工数が増える。すなわち、整列作業に悪影響をもたらしてしまう。
また、整列工程(S50)における作業空間の湿度を上げることで静電気の発生を調整しようとすると、実際に、広い工場内でそのようなことは無理であり、仮にそのようなことを行うと、まつげエクステ100の製造コストがあがってしまうので好ましくない。また、当該樹脂(PBT)に水を導入したとしても、疎水性の樹脂と水とは上手く混合しないので、人工まつげ本体部10(まつげエクステ100)の材料としては好ましくない。
そこで、本実施形態のまつげエクステ100の製造方法を改善する上で、人工まつげ本体部10を構成する材料(樹脂材料12)に、親水性の材料(含水材料)を混練することで、人工まつげ本体部10の含水率を調整・コントロールすることができる。以下、この改変したまつげエクステ100の説明を行う。
本実施形態の改変例における人工まつげ本体部10の含水率は調整されており、人工まつげ本体部10の含水率を調整すること(高めること)によって、静電気の発生が防止/抑制されている。本実施形態の人工まつげ本体部10の含水率(質量%)は、例えば、0.1%を超え10%以下である。より良い静電気発生の防止(抑制)を満たす観点からは、人工まつげ本体部10の含水率(質量%)の下限値(「以上」の基準値となる値)は、例えば0.2%以上、または、0.3%以上であることが好ましい。本実施形態の人工まつげ本体部10の含水率の一例は、0.2%以上5%以下であり、または、0.2%以上1%以下、あるいは、0.3%(±0.1%)、または、0.4%(±0.1%)、0.5%(±0.1%)、1.0%(±0.1%)もしくは1.0%(±0.5%)である。含水率の測定は、市販の加熱乾燥式水分計(例えば、PETペレットの含水率を測定可能な装置)を用いて行うことができる。ただし、公定試験法(加熱乾燥法)、近赤外分光法、その他の含水率の測定手法を排除するものではない。
そして、本実施形態の人工まつげ本体部10は、含水率を調整する成分を含有している。さらに説明すると、人工まつげ本体部10を構成する樹脂(例えば、PBT)は、疎水性材料であるので、樹脂中に水を混練させることが難しく、また、均一に水を含有させることが困難である。また、樹脂中に水が含浸しているというよりか、樹脂とは分離した形態で水が含有されているとすると、水を含有する人工まつげ本体部10から水分が蒸発したり、蒸発しなかったりして、含水率のコントロールが難しく、含水率を一定に制御することが難しくなる。本実施形態の人工まつげ本体部10では、含水率を調整する成分(「含水率調整成分」などと称する)が樹脂12に配合されている。
本実施形態の含水率調整成分は、水分を保持できる成分で、その成分が樹脂12に混練されると、樹脂12中に均一に分散されるような成分であることが好ましい。そのような含水率調整成分は、人工まつげ本体部10の表面10aに露出することができるが、完全に均一に分散されている必要はなく、人工まつげ本体部10の含水率を調整(向上)できるのであれば、人工まつげ本体部10の表面10aには存在して静電気を防止し、人工まつげ本体部10の中心部(コア)には存在していない(または、密度/濃度が少ない)状態であってもよい。なお、含水率調整成分が樹脂12中に均一に分散していなくてよいが、静電気防止機能を果たす観点からは、少なくとも、人工まつげ本体部10の表面(表面部)10aには存在している方が好ましい。
本実施形態の構成において、含水率調整成分は、例えば、水分を保持可能な天然由来高分子成分である。そのような天然由来高分子成分としては、タンパク質(場合によっては、ペプチドも含む)またはタンパク質を含む材料、多糖類または多糖類を含む材料を挙げることができ、種々あるタンパク質または多糖類のうちで、特性/製造プロセス条件にあわせて、適宜好適なものを選択して使用する他、アミノ酸(またはその誘導体)、コラーゲン、ゼラチン、ヒアルロン酸、寒天、アルギン酸(またはその誘導体)、キチン、キトサンなどを使用することができる。含水率調整成分として、天然由来高分子成分を使用した場合は、天然材料というイメージから、ユーザーに安心感を与えることができるが、含水率調整成分としては、水分を保持可能な人工材料(例えば、親水性/水分保持可能な人工高分子材料・親水性ポリマー)を使用することができる。また、水分を保持できる無機材料(例えば、親水性無機材料、酸化金属材料(酸化金属イオン粒子)、金属イオン材料(金属イオン粒子など)を使用することも可能である。さらに、上述した材料の組み合わせ(混合物)を用いることも可能であるし、上述した材料の誘導体(例えば、エステル、修飾基付加、塩など)またはそれらの混合物を用いることも可能である。加えて、人工まつげ本体部10の樹脂12中に良好に含水率調整成分を分散させる観点からは、含水率調整成分は粒子状であることが好ましく、例えば、30μm以下程度の粒径(平均粒径)を有しており、好ましくは、20μm以下(または10μm以下)の粒径のものであって粒径ができるだけ揃っているもの(粒径分布がきれいなもの)がよい。ただし、粒子形態であることや粒径の数字などは、製造/使用するまつげエクステによって好適なものを選択すればよく、それらのものに限定されるものではない。
そして、本実施形態のUVカット成分(シルクフィブロイン、及び/又は、無機微粒子)と、改変例の含水率調整成分とを共通の成分を使用することも可能である。一方は、UVカット成分によるUVカット効果の発現で、もう一方は、静電気抑制による整列作業の効率化であるが、共通する成分によってそれらの効果を同時に得ることができる。
図14は、人工まつげ本体部10中の含水率に対する静電気体感度、整列時間、および、作業効率の体感変化との関係についての実験結果を示している。本実験は、カールしていないPBTベースの人工まつげ本体部10を用意し、整列作業(S50)を行い、作業員による静電気体感度、整列時間、作業効率の体感変化を評価した。含水率(%)が「無」のサンプルは、含水調整成分を混入させていない人工まつげ本体部である。ただし、含水調整成分が含有されていなくても、含水率(%)が「無」のサンプルは、周囲の水分・湿度の影響で、0.1%未満(または、0.1%以下)の含水率を示した。含水率(%)が0.20%、0.30%、1.00%、5.00%のサンプルは、含水調整成分を含有(配合)させることで含水率を調整した人工まつげ本体部10である。室温・湿度および工員の熟練度によるバラツキをできるだけおさえるべく、同一の場所で、同日に同じ時間に2名の工員で整列工程(S50)を行い、その工程の際の静電気体感度、整列時間(平均)、作業効率の体感変化を実験により確認した。なお、静電気については、電子機器による測定(数値)よりも、人間の手の感度の方がより意味があるものであるので(すなわち、繊細なものがわかるとともに、整列工程の評価として意味があるので)、そちらを採用した。
図14のテーブルに示すように、まず、含水率が「無」のサンプルでは、静電気体感度は「強」であり、整列時間(平均)は6分30秒であった。これが通常の整列工程である。作業効率の体感としては、整列に静電気が邪魔をするために手直しが2分ほどかかった。
含水率が0.20%のサンプルでは、静電気体感度は「強」であり、整列時間(平均)は5分20秒であった。整列時間は、「無」のサンプルよりも、約1分短縮された(約2割の時間短縮ができた)。静電気体感度の変化としては、静電気の減少の体感はないが、整列の手直しの時間は短縮した。
含水率が0.30%のサンプルでは、静電気体感度は「弱」であり、整列時間(平均)は2分45秒であった。整列時間は、「無」のサンプルよりも、約4分短縮された(約6割の時間短縮ができた)。静電気体感度の変化としては、明らかに整列しやすくなり、手直しの時間は大幅に短縮した。
含水率が1.00%のサンプルでは、静電気体感度は「弱」であり、整列時間(平均)は2分10秒であった。整列時間は、「無」のサンプルよりも、約4分20秒短縮された(約6割以上の時間短縮ができた)。非常に整列しやすくなり、また、部分的な手直しの必要性はほぼゼロになった。
含水率が5.00%のサンプルでは、静電気体感度は「無し」であり、静電気は感じられなくなった。整列時間(平均)は3分00秒であった。整列時間は、「無」のサンプルよりも、約3分30秒短縮された(約5割の時間短縮ができた)。整列はしやすいが、部分的な直しが若干必要となった。
この実施例からわかるように、含水調整成分を配合して含水率を調整した人工まつげ本体部10の整列工程は大幅に改善した。この実施例では、特に、含水率が0.20%〜5.00%の範囲において整列時間の向上が見られ、含水率が0.30%から1.00%の範囲において手直しの時間がほぼゼロになったか、大幅に短縮できた。
なお、含水率を多くすれば静電気の影響が減るので良いのであるが、その一方で、含水率が高くなればなるほど、カール(10c)を維持する期間は短くなる。また、空気中の水分で硬化が開始する接着剤(20)を使用しているので、含水率(水分率)が高すぎるまつげエクステ100(人工まつげ本体部10)を用いると、接着剤の硬化速度が必要以上に早まるため施術が困難になる。さらに、含水率が高すぎると、含水率が低い場合と比較して、膨張しやすいため、接着剤(20)の破壊につながる可能性があり、それゆえに、まつげエクステの装着持続力が低下する可能性を高める。まつげエクステ(人工まつげ本体部)の含水率が多くなればなるほど、カール(10c)の維持期間が短くなるという関係があるので、含水率の値に上限を設けることで(すなわち、所定値以下の含水率にすることで)、カール(湾曲)の持続時間をコントロールし、カール形状が崩れて(緩くなって)しまうケースを抑制することができる。本実施形態の構成においては、人工まつげ本体部10中の含水率(質量%)は、10%以下が好ましく、例えば5%以下(場合によっては、3%以下、または、2%以下もしくは1%以下)である。
本実施形態に係るまつげエクステ100の製造方法において、樹脂12の含水率を調整することで、人工まつげ本体部10の整列工程(S50)を簡単に行うことが可能となる。さらに説明すると、人工まつげ本体部の整列工程は、非常に手間がかかる工程であるが、静電気を抑制することができることで、簡単に且つきれいに整列工程(S50)を実行することができる。また、樹脂12の含水率を調整する工程において、樹脂12に含水率調整成分(静電気抑制成分)を含有させることで、樹脂12中に水を直接導入して含水率を調整する場合と比較して、樹脂12中の含水率のコントロールを容易に行うことができる。そして、UVカット成分と含水率調整成分(静電気抑制成分)を共通なものを使用すれば、樹脂12への配合(または成分調整)も便利になる。
また、本実施形態の更なる改変例として、人工まつげ本体部10に抗菌性を持たせるようにすることができる。具体的には、人工まつげ本体部10を構成する樹脂12が抗菌性を有するようにする。この場合、人工まつげ本体部10を構成する樹脂12自体が抗菌性を持っている他、人工まつげ本体部10を構成する樹脂12に抗菌成分(抗菌剤)を含有(または配合)させて抗菌性を持たせるようにする。本実施形態の改変例における抗菌成分(抗菌材料)は、金属粒子(例えば、1マイクロメートル以下の金属微粒子(ナノ粒子))、または、金属を含む抗菌剤(金属イオン単独の抗菌剤も含む)から構成されている。例えば、本実施形態の抗菌成分の一例は、銀イオン(Ag+)であり、具体的には、銀ナノ粒子、銀コロイド溶液の粒子(銀コロイド粒子)などである。ここで、抗菌性を有する銀イオン(Ag+)は、例えば、銀イオン水、銀ナノ粒子(銀ナノ粒子が入った銀ナノ溶液)、銀コロイド粒子などの形態で利用することができる。銀イオン(Ag+)は、原子としての銀(Ag)から電子が外れた陽イオンとして存在している銀イオンのことであり、大きさは銀原子とほぼ同じで200ピコメートル程度のいわゆる原子の大きさである。銀ナノ粒子は、銀をナノメートルのオーダーにした粒子である。また、鉱物であるアルミナシリカに微粒子化した銀イオンを保持させた銀ナノ粒子を用いることも可能である。銀コロイド粒子は、コロイド状の銀粒子であり、例えば、脱イオン化された電解液中で半永久的に浮遊状態(コロイド状態)を保持されているものである。銀コロイド粒子の直径は、例えば、0.0001μmのものもあり、その場合は、毛髪の太さ(80μm)の80万分の1の大きさに該当する。
なお、銀イオンは、各種の細菌の細胞に強く吸着し、細菌の細胞酵素をブロッキングして死滅させることができる。したがって、銀イオンによって細菌の繁殖を制御することができる。また、銀イオンは、抗菌効果が比較的強い特徴を有するとともに、人体に対して極めて安全性が高いという特徴を有しており、したがって、本実施形態のまつげエクステ100が間違って人間の口に入ったとしても、銀イオンによる問題は実質的に生じない利点がある。
また、本実施形態の抗菌成分は、銀イオン(Ag+)以外のものを使用することができる。例えば、金コロイド溶液に含まれている金コロイド粒子、または、白金コロイド溶液に含まれている白金コロイド粒子などである。金コロイド粒子は、1マイクロメートル以下の金微粒子(ナノ粒子)が、流体中に分散しているコロイド状態の粒子である。白金コロイド粒子(白金ナノコロイド粒子)は、白金の微粒子によって形成されたコロイド状態の粒子である。なお、本実施形態においてナノ粒子とは、粒径がナノオーダー(例えば、1〜1000nm、または、1〜100nm)の粒子のことを称することがあり、1nm以下の粒子を含む場合もある。このナノ粒子は、比表面積が極めて大きいこと等により、一般的な大きさの固体(バルク)の材料とは異なる性質を示すことがあり、その特性の一つとして、抗菌性を示す場合、抗菌剤として利用することができる。さらに、金属イオンによる抗菌剤について説明したが、抗菌効果を奏する条件において、他の抗菌材料を人工まつげ本体部10に配合することも可能である。例えば、銀イオンのような金属イオンに代えて(または、金属イオン(銀イオン)とともに)、酸化チタンを人工まつげ本体部10に配合させることができる。なお、銀イオン、酸化チタンの他の抗菌材料を用いることも可能である。抗菌材料としては、無機系抗菌剤(金属イオンの静菌作用を利用したもの)、有機系抗菌剤(有機物を利用した抗菌剤。合成系抗菌剤または天然系抗菌剤)を挙げることができる。
本実施形態の改変例における抗菌剤(例えば、銀イオン)の効果は、まつげエクステ100をユーザに装着した時の抗菌効果だけでなく、まつげエクステ100を保管しておく間も雑菌繁殖を抑制するため衛生的であるという点での抗菌効果もある。
<他の実施形態>
上述の実施形態においては、まつげエクステ100の断面が円形であるものを示したが、それに限らず、まつげエクステ100の断面を多面形(六角形、八角形など)に改変することも可能であるし、断面を星形(六角形の星形、八角形の星形)にすることも可能である。これらの断面が非円形のまつげエクステであっても、上述の実施形態の効果(特に、UVカット効果)を受けることができる。そのようなまつげエクステの一例としては、具体的には、図15から図17に示すように、溝34が形成された多角形の星形形状のまつげエクステ101にすることができる。
図15は、本実施形態のまつげエクステ101の構成を示す斜視図である。図16は、図15中のA−A線に沿った断面図を示している。図17は、図15中のB部分における拡大側面図を示している。
本実施形態のまつげエクステ101では、人工まつげ本体部10は樹脂12から構成されており、そして、人工まつげ本体部10にはUVカット成分が配合されている。そして、人工まつげ本体部10の延長方向65に沿って溝34が延びている。また、図16に示すように、人工まつげ本体部10の断面は、正八角形の構造を有しており、各頂点32の間に溝34が形成されている。より具体的には、人工まつげ本体部10の断面の頂点32は、正八角形の頂点に位置している。したがって、頂点32は45°ごとに形成されている。0°と90°との間の部分で説明すると、0°と45°と90°の位置に頂点32が位置しており、0°と45°との頂点の間に溝34が設けられ、そして、45°と90°との頂点の間にも溝34が設けられている。なお、断面の星形は、六角形でも五角形でも四角形でも、又は三角形を採用しても構わない。
人工まつげ本体部10に形成される溝34の深さTは、太さを100とした場合に、例えば20から40(典型的には30)にすることができる。本実施形態の構成では、溝34は、末端部(根本部)15の端面15aから先端部11まで形成されている。ただし、必ずしも先端部11の先まで溝34を形成しなくてもよく、少なくとも根本部15に形成されていればよい。これは、まつげエクステ101の製造方法によっては、径が細くなる先端部11において溝34が消えてしまうことがあるからである。
本実施形態のまつげエクステ101では、例えば、溝34は、根本部15から、根本部15の端面15aと先端部11との中間に位置する中間点まで延ばすようにすることができる。なお、まつげエクステ101の製造方法によっては、根本部15の端面15aの位置では、人工まつげ本体部10の一部が溶けて溝34が消えた構造になることもある。したがって、根本部15の部分に溝34が形成されていても、根本部15の端面15aの箇所に溝34が形成されていなくてもよい。
本実施形態のまつげエクステ101では、人工まつげ本体部10における根本部15の断面は、頂点32の間に溝34が位置する多角形状を有している。したがって、人工まつげ本体部10の多角形状の溝34によって、接着剤20を保持することが容易となり、使用者のまつげ50と人工まつげ本体部10との接着性を良好にすることができる。すなわち、上述したまつげエクステ100の効果に加えて、さらに接着性を良好にすることができる。そして、人工まつげ本体部10の表面は溝34によって山谷が生じているため、UVを乱反射させる効果も得られ、それによって、目に入るUVを低減させる可能性を高めることができる。
また、多角形の断面の頂点32の間に溝34が位置しているので、1つの方向だけでなく他の方向からでも、接着剤を保持した溝34を使って、人工まつげ本体部10をまつげ50に接着させることができる。さらに、人工まつげ本体部10には複数本の溝34が形成されているので、溝34が形成されていないものと比較すると、まつげエクステ101の重さ(質量)を軽くすることができる。まつげエクステ101の一本一本の重さは軽くても、それらは使用者のまつげに取り付けられるものであるから、まつげエクステ101の重さを軽くできることは、使用者(ユーザ)の使用感に影響を与えることができ、その結果、つけ心地の感じのよいまつげエクステ101を実現することができる。本実施形態のまつげエクステ101では、人工まつげ本体部10の太さや溝34の深さTにも依存するが、複数の溝34がないものと比較して、まつげエクステの重さを例えば10%〜70%程度軽くすることが可能である。
次に、図3に示したまつげエクステ100では、人工まつげ本体部10の表面10aに凹凸部やザラザラ部が形成されていないものを示したが、それに限らず、まつげエクステ100の表面10aに凹凸部やザラザラ部が形成されているものに改変することも可能である。そのような表面(凹凸部やザラザラ部)を有するまつげエクステであっても、上述した実施形態の効果を受けることができるからである。そのようなまつげエクステの一例としては、具体的には、図18から図20に示すように、ザラザラした表面部40を有するまつげエクステ102にすることができる。
図18は、本実施形態のまつげエクステ102の構成を示す斜視図である。図19は、図18中のA−A線に沿った断面図を示している。図20は、図18中のB部分における拡大断面図を示している。
本実施形態のまつげエクステ102では、人工まつげ本体部10にUVカット成分が配合されている。それに加えて、人工まつげ本体部10の長手方向における中間点よりも根本部15の端面15a側に、ザラザラした表面部40が形成されている。特に、ザラザラした表面部40は、まつげ50と接する領域に形成されていればよく、接着剤20が付与される箇所だけに選択的に形成することも可能である。
本実施形態のザラザラした表面部40は、複数の粒状の凹凸41を含んでいる。この粒状の凹凸41からなるザラザラした表面部40は、根本部(末端部)15の全周にわたって形成されている。したがって、根本部15の表面の全方位において、ザラザラした表面部40が形成されており、接着剤20を何れの方向から根本部15に付与しても、ザラザラした表面部40の上に塗布することができる。
本実施形態の構成において、人工まつげ本体部10のザラザラした表面部40は、フロスト加工を施すことによって形成されている。言い換えると、人工まつげ本体部10には、フロスト加工によって生じた凹凸41が形成されている。フロスト加工とは、表面を霜のようにザラザラさせる加工(または、磨りガラスのようにザラザラさせる加工)のことをいい、本実施形態では、サンドブラストによって人工まつげ本体部10に凹凸41を形成する。サンドブラストは、表面に砂などの研磨材を吹き付ける加工方法のことである。例えば、人工まつげ本体部10の根本部15に、コンプレッサによる圧縮空気に研磨剤を混ぜて吹き付けることにより、当該根本部15にザラザラした表面部40を形成することができる。サンドブラストに使用するサンド(研磨材)は、いわゆる砂に限らず、人工まつげ本体部10に凹凸41を形成するのに適した研磨剤を使用することができる。
本実施形態の凹凸41の深さ(凸部から凹部までの高さの差)は、例えば、0.01mm〜0.1mm程度であるが、それに限定されるものではない。具体的には、ザラザラした表面部40を形成するために使用したフロスト加工(例えば、サンドブラスト)の条件によって決定されるとともに、使用するフロスト加工にあわせて適宜好適な凹凸41を形成することが可能である。
加えて、人工まつげ本体部10に貫通孔(または穴)を形成して、その貫通孔(穴)によって、ザラザラした表面部40を形成することも可能である。その場合には、凹凸41を構成する貫通孔の長さは、人工まつげ本体部10の直径φに相当するものになる。また、貫通孔を形成した場合には、まつげエクステ102の重さ(質量)を軽くすることができるという利点も得られる。まつげエクステ102の一本一本の重さは軽くても、それらは使用者のまつげに取り付けられるものであるから、エクステンションの重さを軽くできることは、使用者(装着者)の装着感に影響を与えることができ、その結果、つけ心地の感じのよいエクステンションを実現することができる。
本実施形態のザラザラした表面部40は、ヤスリ(具体的には、紙ヤスリ)を擦りつけることによって形成することができる。紙ヤスリは、研磨加工に用いる紙状のシートに研磨材を塗布した工具である。紙ヤスリによって、ザラザラした表面部40を形成する場合、使用する紙ヤスリの粗さ(番手)によって、ザラザラした表面部40の凹凸41の形状・深さなどを調整することができる。
人工まつげ本体部10の根本部15にザラザラした表面部40を形成する場合、多数の人工まつげ本体部10を揃えて、次いで、サンドブラストを根本部15に施すことにより、一度の処理で、ザラザラした表面部40を有する人工まつげ本体部10を多数形成することができる。また、多数の人工まつげ本体部10を揃えた状態で、根本部15に紙ヤスリを施すことにより、一度の処理で、ザラザラした表面部40を有する人工まつげ本体部10を多数形成することも可能である。もちろん、一本の人工まつげ本体部10に紙ヤスリを施して、ザラザラした表面部40を形成しても構わない。加えて、本実施形態のまつげエクステ102は、ザラザラした表面部40(凹凸41)はレーザ照射によって形成してもよい。
本実施形態のまつげエクステ102では、人工まつげ本体部10の根本部15はザラザラした表面部40を有しているので、当該ザラザラした表面部40によって、接着剤20を保持することが容易となり、使用者のまつげ50と人工まつげ本体部10との接着性を良好にすることができる。すなわち、上述したエクステンション100の効果に加えて、さらに接着性を良好にすることができる。さらに説明すると、本実施形態のまつげエクステ102の場合、ザラザラした表面部40により、平滑の場合の表面と比較して表面積が増えたことによって(あるいは、凹凸41によって)接着剤20の保持がよく、それゆえに、接着剤20の付きがよい。さらに、人工まつげ本体部10のザラザラした表面部40によって、UVを乱反射させる効果も得られ、それによって、目に入るUVを低減させる可能性を高めることができる。
また、上述した例では、人工まつげ本体部10の形状を星形にしたり、ザラザラした表面40にしたりして、接着力を増すようにしたが、凹凸・ザラザラにするような人工まつげ本体部10の改変(凹凸、ざらざら)は、加熱、加圧、レーザ照射などの手法を用いて(あるいは、それらを組み合わせて)、線または線状のものを、人工まつげ本体部10の表面に形成することによって行うことができる。凹凸・ざらざらのための線(線分)は、人工まつげ本体部10の長手方向に沿って形成してもよいし、人工まつげ本体部10の長手方向でない側の方向(例えば、円周方向、斜め方向)に形成してもよい。
さらに別の実施形態について説明する。図21は、本実施形態のまつげエクステ103の構成を示す斜視図である。図22は、まつげエクステ103の断面図を示している。本実施形態のまつげエクステ103では、人工まつげ本体部10は樹脂12から構成されており、そして、人工まつげ本体部10にはUVカット成分が配合されている。加えて、本実施形態の人工まつげ本体部10の断面形状は扁平形状を有しており、図22に示すように、扁平形状の幅(W)に対して厚さ(T)が半分以下の寸法である。本実施形態の人工まつげ本体部10の断面は、図4に示したまつげエクステンション1000の円形(略円形)の形状のもよりも、顕著に平べったくなっている。本実施形態の例では、人工まつげ本体部10の断面には、溝、山・谷のような凹凸は形成されておらず、人工まつげ本体部10の断面は、なめらかな面からなる形状となっている。
また、本実施形態の構成において、扁平形状の厚さ(T)を規定する上面10a−1(第1表面10a)と下面10a−2(第2表面10a)とは、実質的に平行な面となっている。なお、人工まつげ本体部10は全体的に湾曲しているので、上面10a−1と下面10a−2は水平面に延びる平行面というわけではなく、互いに相対的に平行な面(略平行面)となっているものである。図示した例では、上面10a−1と下面10a−2は、ほぼ平坦な面として延びている。ここで、「実質的に平行な面」は、人工まつげ本体部10が湾曲していることから、相対的に平行な面(略平行面)になることを意味しており、製品の製造時の誤差(公差)を除いて、デザイン上は平行であることを意味している。
また、扁平形状の幅(W)を規定する第1側面10b−1(右面10b)と第2側面10b−2(左面10b)とは、実質的に対称形になるように構成されている。図示した例では、第1側面10b−1および第2側面10b−2は、円形の外縁の一部(円弧)であるが、他の形状にすることも可能である。また、第1側面10b−1および第2側面10b−2を実質的に平面(断面で略直線)にしてもよいし、第1側面10b−1および第2側面10b−2を非対称の構造のものにすることも可能である。本実施形態の幅(W)は、図9に示すように、第1側面10b−1および第2側面10b−2の間の距離が長いところの寸法(または、人工まつげ本体部10の径)のことを意味している。
本実施形態のまつげエクステンション100では、扁平形状の幅(W)を100単位としたときの厚さ(T)は例えば50単位以下、典型的には40単位以下である。図示した例では、幅(W)0.2mm、厚さ(T)0.07mmの構成例を模式的に示しており、その場合は、扁平形状の幅(W)を100単位としたときの厚さ(T)は35単位になるが、それ未満の扁平形状(例えば、30単位以下、25単位以下)にすることも可能である。なお、扁平形状の幅(W)に対して厚さ(T)が半分以下の寸法であれば、絶対的な寸法(mm)も含めて、他の割合にすることも可能である。まつげエクステンション100は、先端部11にしたがって細くなるものが多いので、末端部15(または、端面15a)の寸法を基準にして決めることが望ましい
さらに説明すると、図示した人工まつげ本体部10の末端部15の幅W(または、円形と仮定したときの直径)は、先端部11の幅W(直径)よりも太い。ただし、人工まつげ本体部10の幅Wを一定(または、実質的に一体)な構造にすることもできる。人工まつげ本体部10は、かるく湾曲しており、先端部11のトップは尖っている。言い換えると、人工まつげ本体部10の末端部15の厚さTは、先端部11の幅Tよりも太い。ただし、先端部11のトップ(先端)を尖らせないようにしなくても構わない。本実施形態の人工まつげ本体部10の長さは、例えば5mm〜20mmであり、末端部15の端面15aの幅Wは例えば0.07mm〜1.0mmにすることができる。末端部15の端面15aの厚さTは、端面15aの幅Wの半分以下の寸法である。
本実施形態のまつげエクステンション103では、人工まつげ本体部10の断面形状は扁平形状であって、扁平形状の幅(W)に対して厚さ(T)が半分以下の寸法である。人工まつげ本体部10が当該扁平形状を有していることから、まつげエクステンション103(人工まつげ本体部10)の重さ(質量)を軽く(例えば、半分以下に)することができる。したがって、上述したUVカット効果に加えて、装着の快適性を向上させることができる。さらには、人工まつげ本体部に穴を空けたり溝を付けたりして重さを軽くしたものと比較して、本実施形態のまつげエクステンション103には、軽いとともに、柔らかいという利点もある。すなわち、円形(略円形)のまつげエクステンションの場合よりも、本実施形態のまつげエクステンション103(人工まつげ本体部10)の方が、薄い部位があることにより、曲がりやすくなり、それが快適性を向上させる。いままでは、柔らかいまつげエクステンションを設計しようとしても、材料の変更・製法の見直しくらいしか実行することができず、製品レベルで良好と言えるような柔らかいまつげエクステンションを構築することは難しかったが、本実施形態の構成によれば、柔らかい(且つ軽い)まつげエクステンション100を実現することができる。すなわち、本実施形態の構成によれば、軽くて柔らかい毛(人工毛、まつげエクステンション)を実現することができる。そして、扁平形状の厚さ(T)を規定する上面10a−1(第1表面10a)と下面10a−2(第2表面10a)とは実質的に平行な面となっている場合、平行でない場合と比較して、きれいに湾曲させることができる。したがって、カールを高精度に制御することができ、カールの不具合による不良品の発生を抑制することができる。
加えて、図21に示したまつげエクステンション103では、人工まつげ本体部10を構成する樹脂12を、専らポリブチレンテレフタレート(PBT)としているが(例えば、95%以上)、それに変更を加えることができる。例えば、人工まつげ本体部10を構成する樹脂12を、ポリブチレンテレフタレート(PBT)と、ポリブチレンテレフタレートよりも低温で変性する低温変性樹脂材料とから構成することができる。ここで、樹脂の全体を100質量%としたときに、低温変性樹脂材料が50質量%以上含まれるようにすると、一度、湾曲部10cが形成された人工まつげ本体部10(または、湾曲部10cが形成されていない人工まつげ本体部10)を、まつげカーラー(ビューラー)によって所望のカール(第2のカール)の曲率に変更することができる。ポリブチレンテレフタレートよりも低温で変性する低温変性樹脂材料は、例えば、ナイロン、アクリル、ポリ塩化ビニル、および、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)などである。これらのうちの1種の材料(低温変性樹脂材料)を用いてもよいし、いくつかの種類を混ぜた材料(低温変性樹脂材料)を用いてもよい。ポリブチレンテレフタレートよりも低温で変性する低温変性樹脂材料の温度特性は、例えば、高分子のガラス転移点(ガラス転移点)によって決定することができるが、物理的・化学的な特性も重要であるが、それとともに、まつげカーラーによって変性するかどうかの温度がポイントとなる。低温変性樹脂材料が50質量%以上含まれているとしれば、その具体的に割合は適宜好適なものを採用することができる。
本実施形態の好適な構成においては、低温変性樹脂材料としてポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を使用することができ、低温変性樹脂材料がポリトリメチレンテレフタレート(PTT)の場合であれば、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を70質量%程度含めるようにしてもよい。ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を10質量%にすることも可能であるが、形状の安定性・まつげエクステンションに求められる特性を考慮すると、樹脂12の全てをポリトリメチレンテレフタレート(PTT)とするよりかはポリエチレンテレフタレート(PET)と混合の方にしてもよい。また、低温変性樹脂材料を50質量%以上の例を示したが、低温変性樹脂材料に使用する材料、または、まつげエクステンションに求められる特性によっては、低温変性樹脂材料の割合を30質量%以上の範囲にしても構わない。
まつげエクステンション100(人工まつげ本体部10)が専らポリブチレンテレフタレート(PBT)から構成されている場合は、人工まつげ本体部10に湾曲部(カール)10cを施すのに、180℃前後の温度で5分から120分の加熱を、毛の太さ別に行う。これは、まつげエクステンション100が円形の場合でも同様である。このカール加熱処理を行った後は、再度のカール変更を行うことは難しく、仮に二度目のカールを行ったとしても高精度のカール形状の制御を行うことは困難である。また、まつげエクステンション100(人工まつげ本体部10)が専らポリブチレンテレフタレート(PBT)から構成されている場合、比較的低温(120℃前後)でカールを作るまつげ用ホットカーラー(ビューラー)では、人工まつげ本体部10に湾曲部(カール)10cを施すことはできない。ここで、本実施形態の改変例の構成によれば、人工まつげ本体部10を構成する樹脂12に、ポリブチレンテレフタレート(PBT)とともに、低温変性樹脂材料が含まれているので、比較的低温(120℃前後)でカールを作るまつげ用ホットカーラー(ビューラー)でも、人工まつげ本体部10のカールの曲率を変更することができる。
さらに説明すると、人工まつげ本体部10を構成する樹脂12において低温変性樹脂材料が50%以上含まれている場合、加熱温度80℃以上のまつげカーラー(例えば120℃以下(または130℃以下)の温度の加熱式まつげカーラー(または、加圧式まつげカーラー))を用いて、カールの弱いまつげエクステ(例えば図10(a)参照)、少し強いまつげエクステ(例えば図10(b)参照)、少し強いまつげエクステ(例えば図10(c)参照)、非常に強いまつげエクステ(例えば図10(d)参照)に調整することができる。これにより、カールの度合い別のまつげエクステ(例えば、図10(a)〜(d)のまつげエクステ100A〜100D)を在庫として用意しておく必要がなくなる。また、既製品である所定のカールのまつげエクステをユーザに装着するだけでなく、ユーザの細かい要求(趣味、好み)にあわせたカールを持ったまつげエクステをそのユーザに装着することもできるようになる。
カールしたまつげエクステンションを複数種類で多数用意する場合、製品によっては人気のないものも在庫として抱える必要があり、すると、半年から1年以内で形状にばらつきが生じたり、雑菌が繁殖してカビが生えたりする可能性が高まるので、それを見越して、廃棄処分されることが多い。また、まつげエクステ技術者(施術者)とユーザ(消費者)との間で相互に意思確認を行った上で施術を行っても、稀に、装着後のカールの角度が気に入らないということも起こりえた。本実施形態の改変例のまつげエクステンションによれば、まつげ用ホットカーラー(ビューラー)によって、任意の角度(曲率)のカーブを人工まつげ本体部10につけることができるので、多品種の在庫を抱える問題を緩和することができるとともに、ユーザが所望するカールを有するまつげエクステンションを実現することができる。
なお、本実施形態の改変例のまつげエクステンションの場合、人工まつげ本体部10を構成する樹脂12において低温変性樹脂材料が含まれているので(少なくとも40%、典型的には50%以上)、製造段階のカール工程(図9の工程S60)において、毛先(先端部11)の方が根本(末端部15)よりも細いので溶けてしまうおそれがある。これは、円形の人工まつげ本体部10でも同様であるが、扁平形状の人工まつげ本体部10の方が、より毛先が溶けてしまう可能性が高くなる。そこで、金属パイプ(例えば、アルミパイプ)を加熱源として、そのパイプに人工まつげ本体部10を巻き付けて、カールを施す場合、先端部(毛先)11の部分の温度が低くなるような温度調整を行っておくことが好ましい。そのような温度調整を行う場合、金属パイプ(または、それに適用するヒーター)の熱伝導率(または、抵抗率)の調整しておくことが好ましい。さらには、先端部(毛先)11の部分が溶けることがあるので、溶けた毛先(または、溶ける可能性があった毛先)を切断して、先端部11をきれいに揃えておくこともできる。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。例えば、図7に示した例では、上まつげ50にまつげエクステ100(または101等)を装着したが、下まつげにまつげエクステ100を装着しても構わない。また、上述した改変例の形態を、相互に(矛盾しない限り)適用することも可能である。さらに、上述した例では、1本のまつげ50に、1本のまつげエクステ100を装着したが、複数本(2本とか3本、4本とか)の人工まつげ本体部10が一つのまつげエクステ100になった構成のもの(枝分かれしたまつげエクステ、二股になったまつげエクステなど)を、まつげ50に装着してもよい。複数本(2本とか3本、4本とか)の人工まつげ本体部10が一つのまつげエクステ100になった構成(または、1本の繊維が裂けているような構成)の場合も、UVカット効果を得ることができるからである。また、本実施形態の人工まつげ本体部10に、UVカット成分とともに、化粧品効果のある成分(一例では、表面がきれいになる成分など)を配合して、化粧品的効果を持ったまつげエクステ100にすることも可能である。
上述の実施形態の構成では、複数のまつげエクステ100を台紙150に整列させた例で説明したが、本実施形態のまつげエクステ100は、ばらばらの状態で、袋に入れて保管したり、図11・図13に示したケース200以外のケースに収納しても構わない。具体的には、本実施形態におけるまつげエクステ100を製造した後に、袋やケースに入れても良いし、台紙150に一度貼った後に袋やケースに入れても構わない。
加えて、上述の実施形態では、まつげエクステンションの形態について説明してきたが、カール工程(S60)については、つけまつげの形態(商品)にも適用可能である。すなわち、本発明の実施形態に係る技術は、カール(10c)が形成された人工まつげ本体部10を含む人工まつげ(まつげエクステ、つけまつげ)に用いることができる。図23は、本実施形態に係るつけまつげ(人工まつげ)105の構成を示している。つけまつげ105は、本実施形態の人工まつげ本体部10(UVカット成分が配合された人工まつげ本体部10)と、それを接続する接続繊維部19とから構成されている。つけまつげ105の人工まつげ本体部10でもカール(10c)は施されている。
本発明によれば、紫外線透過率を低下させることができるUVカット機能を持ったまつげエクステンションを提供することができる。
10 人工まつげ本体部
10c 湾曲部(カール)
11 先端部
12 樹脂
15 末端部(根本部)
19 接続繊維部
20 接着剤
32 頂点
34 溝
40 ザラザラした表面部
41 凹凸
55 使用者(装着者)
60 ピンセット
100 まつげエクステ(人工まつげ)
101 まつげエクステ
102 まつげエクステ
105 つけまつげ(人工まつげ)
130 基準線
150 台紙
155 粘着層
200 ケース(容器)
210 台座部
211 台紙ストッパー
215 容器本体部
1000 まつげエクステンション

Claims (14)

  1. まつげの長さを延長するまつげエクステンションであって、
    先端部と末端部とを有する人工まつげ本体部を備え、
    前記人工まつげ本体部は、樹脂から構成されており、
    前記人工まつげ本体部を構成する樹脂は、紫外線透過率を低下させる紫外線カット成分を含有している、まつげエクステンション。
  2. 前記紫外線カット成分としてシルクフィブロインが前記樹脂に分散されている、請求項1に記載のまつげエクステンション。
  3. 前記紫外線カット成分として酸化チタンおよび/またはセラミックスが前記樹脂に分配合されている、請求項1または2に記載のまつげエクステンション。
  4. 前記紫外線カット成分は、前記樹脂を100質量部としたときに0.01質量部から5質量部までの配合割合で、前記樹脂に配合されている、請求項1から3の何れか一つに記載のまつげエクステンション。
  5. 前記人工まつげ本体部には、湾曲部が形成されており、
    前記人工まつげ本体部を構成する樹脂は、含水率を調整する成分を含有しており、
    前記人工まつげ本体部の含水率(質量%)は0.1%超え10%以下に調整されており、
    前記含水率を調整する成分は、前記樹脂に分散して配合されている、請求項1から4の何れか一つに記載のまつげエクステンション。
  6. 前記含水率を調整する成分は、前記紫外線カット成分と共通する成分からなる、請求項5に記載のまつげエクステンション。
  7. 前記人工まつげ本体部の断面形状は扁平形状を有しており、
    前記扁平形状の幅に対して厚さが半分以下の寸法であり、
    前記人工まつげ本体部において、前記扁平形状の厚さを規定する上下面は実質的に平行な面であり、
    前記人工まつげ本体部を構成する前記樹脂は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、および、前記ポリブチレンテレフタレートよりも低温で変性する低温変性樹脂材料を含んでおり、
    前記樹脂の全体を100質量%としたときに、前記低温変性樹脂材料は50質量%以上含まれており、
    前記低温変性樹脂材料は、ナイロン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、および、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)からなる群から選択された少なくとも一つの樹脂材料である、請求項1から6の何れか一つに記載のまつげエクステンション。
  8. まつげエクステンションの製造方法であって、
    紫外線透過率を低下させる紫外線カット成分を、樹脂に配合する工程と、
    前記樹脂を、人工まつげ本体部の形状を規定する開口部を有する金型から押し出しする工程と、
    前記押し出しした繊維状の材料を切断する工程と、
    前記切断した繊維状の材料の一端を溶解させることによって、先端部を有する人工まつげ本体部を形成する工程と、
    前記人工まつげ本体部の先端部を基準にして、前記人工まつげ本体部を整列させる工程と、
    前記整列させた人工まつげ本体部をカールする工程と
    を含む、まつげエクステンションの製造方法。
  9. 前記紫外線カット成分は、シルクフィブロイン、酸化チタンおよびセラミックスからなる群から選択される少なくとも一つの成分であり、
    前記人工まつげ本体部における含水率(質量%)は、0.2%以上5%以下である、請求項8に記載のまつげエクステンションの製造方法。
  10. さらに、前記人工まつげ本体部を構成する前記樹脂を着色することが実行され、
    前記人工まつげ本体部は、黒色、ダークブラウン、パープル、ブルー、ピンク、シルバー、グリーン、ライトオレンジ、ライトゴールド、レッド、ワインレッド、ホワイトおよびイエローからなる群から選択される色で着色される、請求項8または9に記載のまつげエクステンションの製造方法。
  11. 前記人工まつげ本体部を整列させる工程の後、前記人工まつげ本体部の前記先端部の反対側の根本部を切断する工程を実行する、請求項8から10の何れか一つに記載のまつげエクステンションの製造方法。
  12. まつげエクステンションの取付け方法であって、
    前記まつげエクステンションは、
    先端部と末端部とを有する人工まつげ本体部と、
    前記人工まつげ本体部に含有され、紫外線透過率を低下させる紫外線カット成分と
    を備え、
    前記人工まつげ本体部は、樹脂から構成されており、
    前記人工まつげ本体部の前記末端部に接着剤を塗布する工程と、
    前記人工まつげ本体部の前記末端部に前記接着剤が塗布された状態で、前記接着剤をまつげに付ける工程と
    を含む、まつげエクステンションの取付け方法。
  13. 前記人工まつげ本体部には、当該人工まつげ本体部がカールした湾曲部が形成されており、
    前記人工まつげ本体部の含水率(質量%)は0.1%超え10%以下であり、
    前記接着剤が塗布される前の前記まつげエクステンションは、まつげエクステンション用の容器に収納されており、
    前記容器の内部において、前記まつげエクステンションが複数本整列して貼り付けられる台紙が配置されており、
    前記台紙に整列された前記まつげエクステンションは、ピンセットで掴まれて、前記台紙から離され、
    前記ピンセットで掴まれた状態で、前記人工まつげ本体部の前記末端部への前記接着剤の塗布が実行される、請求項12に記載のまつげエクステンションの取付け方法。
  14. まつげに装着する人工まつげであって、
    先端部と末端部とを有する人工まつげ本体部を備え、
    前記人工まつげ本体部は、樹脂から構成されており、
    前記人工まつげ本体部には、湾曲部が形成されており、
    前記人工まつげ本体部を構成する樹脂は、紫外線透過率を低下させる紫外線カット成分を含有している、人工まつげ。
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