JP2019014837A - テトラカルボン酸二無水物、液晶配向剤、液晶配向膜およびこれを用いた液晶表示素子 - Google Patents

テトラカルボン酸二無水物、液晶配向剤、液晶配向膜およびこれを用いた液晶表示素子 Download PDF

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隆志 岩田
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Abstract

【課題】
より高い液晶配向性を示し、高い膜硬度を維持できる液晶配向膜を与える液晶配向剤を提供すること。さらに、前記液晶配向剤に使用することができる、新規のテトラカルボン酸二無水物を提供すること。
【解決手段】
下記式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つを含むテトラカルボン酸二無水物とジアミンからの反応生成物である、ポリアミック酸またはその誘導体を含有する液晶配向剤。

Figure 2019014837

式(1)中、RおよびRは独立して炭素数1〜8の直鎖アルキレンであり、該アルキレンの任意の−CH−は、−O−で置き換えられてもよい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜およびこれを用いた液晶表示素子に関する。さらには、前記液晶配向剤に用いられるポリアミック酸またはポリイミド等の重合体、およびその原料となるテトラカルボン酸二無水物に関する。
液晶表示素子として、TN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、IPS(In-Plane Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、垂直配向型のVA(Multi-domain Vertical Alignment)モード等が知られ、テレビ、携帯電話等様々な用途で使用されている。これらの液晶表示素子を動作させるためには、素子の基板に対して一定の規則性を持って液晶を配向させる必要がある。この目的で基板上に形成されるのが配向膜である。液晶配向膜は、液晶配向剤より形成される。現在、主として用いられている液晶配向剤は、ポリアミック酸、可溶性のポリイミドもしくはポリアミック酸エステルを有機溶剤に溶解させた溶液(ワニス)である。この溶液を基板に塗布した後、加熱等の手段により製膜してポリイミド系液晶配向膜を形成する。製膜後、必要に応じ前述の表示モードに適する配向処理が施される。
配向処理方法としてはラビング法が広く用いられているが、発塵、静電気の発生などの問題が指摘されており、近年、光を照射して配向処理を施す光配向法の開発が盛んに行われている。光配向法として、光分解法、光異性化法、光二量化法、光架橋法等多くの配向機構が提案されている(例えば、非特許文献1、特許文献1〜7を参照)。光配向法は非接触の配向処理法であるため膜に傷が付かず、発塵や静電気等の液晶表示素子の表示不良を発生させる原因を低減できる等の利点がある。
ラビング法と光配向法、どちらの配向処理法を用いる場合でも、液晶配向膜に求められる特性に液晶配向性がある。液晶配向性の高い液晶配向膜を用いることによって、コントラストや残像特性の高い液晶表示素子を与えることができる(例えば、特許文献6および7)。光配向法はラビング法に比べて配向の均一性が高い。中でも、特許文献3〜7に記載されている光異性化の技術を応用することで、アンカリングエネルギーが大きく、液晶配向性が良好な光配向膜を与えることができる。しかしながら、液晶表示素子の表示品位のさらなる高品質化が求められており精細化に伴い、配向膜においてもより高い液晶配向性が求められている。
液晶配向性以外にも、配向膜に求められる特性として、高い膜硬度がある。液晶表示素子において膜硬度が低い液晶配向膜を用いると、液晶表示素子製造工程において膜に削れが生じ、削れ部分において液晶の配向不良が起こり、その結果輝点が発生して表示品位が低下する。製造工程以外においても、近年タッチパネル式ディスプレイが普及しており、タッチパネル操作による膜の削れを防止するためにも、高い膜硬度が求められている。先行文献8には、複数の不飽和結合を有する、感光性に優れたテトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物を使用した光配向膜が開示されている。しかし、その目的は、光配向膜における高い配向安定性および高い電気特性であり、膜硬度に関する検討はなされていない。先行文献9では、炭素−炭素三重結合を有するテトラカルボン酸二無水物を用いることで膜高度を向上させた。しかしながら、液晶表示素子の表示品位のさらなる高品質化やタッチパネルの普及に伴い、配向膜には、高い硬度と、より高い液晶配向性の両立が求められている。
特開平9−297313 特開平10−251646 特開2005−275364 特開2007−248637 特開2009−069493 特開2010−197999 国際公開2013/157463 特開2007−279691 特開2014−205819
液晶、第3巻、第4号、262ページ、1999年
本発明の課題は、高い液晶配向性を示し、かつ、高い膜硬度を有する配向膜を提供することである。さらには、前記膜を形成し得る液晶配向剤を提供すること、および、前記配向膜を用いた液晶表示素子を提供することである。また、前記液晶配向剤に使用することができる、新規のテトラカルボン酸二無水物を提供することである。
本発明者らは、本発明の式(1)で表される、不飽和結合と、不飽和結合に隣接したアルキレン構造を有するテトラカルボン酸二無水物を配向剤の原料として使用することで、高い膜硬度と高い配向性を有する配向膜が得られることを見出し、本発明に至った。本発明は以下からなる。
[1] 下記式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つを含むテトラカルボン酸二無水物とジアミンからの反応生成物であるポリマーを含有する液晶配向剤;
ここで、前記ポリマーはポリアミック酸、ポリイミド、部分ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリアミック酸−ポリアミドコポリマー、およびポリアミドイミドからなる群から選ばれる少なくとも1つである。
Figure 2019014837
式(1)中、RおよびRは独立して炭素数1〜8の直鎖アルキレンであり、該アルキレンの任意の−CH−は、−O−で置き換えられてもよい。
[2] 前記式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物以外のテトラカルボン酸二無水物およびジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1つが、光反応性構造を有する下記式(V)で表されるテトラカルボン酸二無水物またはジアミンである、[1]項に記載の液晶配向剤。
Figure 2019014837
式(V)中、RおよびRは−NHを有する1価の有機基または−CO−O−CO−を有する1価の有機基である。
[3] テトラカルボン酸二無水物とジアミンからの反応生成物であるポリマー[A]およびポリマー[B]を含んでなる液晶配向剤であって;
前記ポリマーの原料モノマーの少なくとも1つが、光反応性構造を有する下記式(V)で表されるテトラカルボン酸二無水物またはジアミンであり、かつ、前記ポリマーの原料モノマーが下記式(1)で表される化合物の少なくとも1つを含む、液晶配向剤;
ここで、前記ポリマーはポリアミック酸、ポリイミド、部分ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリアミック酸−ポリアミドコポリマー、およびポリアミドイミドからなる群から選ばれる少なくとも1つである。
Figure 2019014837
式(V)中、RおよびRは−NHを有する1価の有機基または−CO−O−CO−を有する1価の有機基である。
Figure 2019014837
式(1)中、RおよびRは独立して炭素数1〜8の直鎖アルキレンであり、該アルキレンの任意の−CH−は、−O−で置き換えられてもよい。
[4] 前記ポリマー[A]の原料であるテトラカルボン酸二無水物およびジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1つが、前記式(V)で表されるテトラカルボン酸二無水物またはジアミンであり、かつ、前記テトラカルボン酸二無水物が前記式(1)で表される化合物の少なくとも1つを含み;
前記ポリマー[B]の原料であるテトラカルボン酸二無水物およびジアミンのいずれもが前記式(V)で表される化合物を含まず、かつ、前記テトラカルボン酸二無水物が前記式(1)で表される化合物を含まない、[3]項に記載の液晶配向剤。
[5] 前記ポリマー[A]の原料であるテトラカルボン酸二無水物およびジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1つが、前記式(V)で表されるテトラカルボン酸二無水物またはジアミンであり、かつ、前記テトラカルボン酸二無水物が前記式(1)で表される化合物の少なくとも1つを含み;
前記ポリマー[B]の原料であるテトラカルボン酸二無水物およびジアミンのいずれもが前記式(V)で表されるテトラカルボン酸二無水物またはジアミンを含まず、かつ、前記テトラカルボン酸二無水物が前記式(1)で表される化合物の少なくとも1つを含む、[3]項に記載の液晶配向剤。
[6] 前記ポリマー[A]の原料であるテトラカルボン酸二無水物およびジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1つが、前記式(V)で表されるテトラカルボン酸二無水物またはジアミンであり、かつ、前記テトラカルボン酸二無水物が前記式(1)で表される化合物を含まず;
前記ポリマー[B]の原料であるテトラカルボン酸二無水物およびジアミンのいずれもが前記式(V)で表されるテトラカルボン酸二無水物またはジアミンを含まず、かつ、前記テトラカルボン酸二無水物が前記式(1)で表される化合物の少なくとも1つを含む、請求[3]項に記載の液晶配向剤。
[7] 式(V)で表されるテトラカルボン酸二無水物またはジアミンが、式(V−1)〜(V−3)で表される化合物の群から選ばれる少なくとも1つである、[2]〜[6]のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
Figure 2019014837
上記各式において、環を構成するいずれかの炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その環における結合位置が任意であることを示し;
式(V−2)において、Rは独立して−CH、−OCH、−CF、または−COOCHであり、aは独立して0〜2の整数であり;
式(V−3)において、環Aおよび環Bはそれぞれ独立して、単環式炭化水素、縮合多環式炭化水素および複素環から選ばれる少なくとも1つであり、
12は、炭素数1〜20の直鎖アルキレン、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、または−N(CH)CO−であり、
13は、炭素数1〜20の直鎖アルキレン、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、または−N(CH)CO−であり、
12およびR13において、直鎖アルキレンの1つの−CH−または連続しない2つの−CH−は−O−で置換されてもよく、
〜R11は、それぞれ独立して、−F、−CH、−OCH、−CF、または−OHであり、そして、
b〜eは、それぞれ独立して0〜4の整数である。
[8] アルケニル置換ナジイミド化合物、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物、オキサジン化合物、オキサゾリン化合物、およびエポキシ化合物からなる化合物の群から選ばれる少なくとも1つをさらに含有する、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
[9] [1]〜[8]のいずれか1項に記載の、横電界方式液晶表示素子用液晶配向剤。
[10] [1]〜[9]のいずれか1項に記載の液晶配向剤から形成される液晶配向膜。
[11] [10]項に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
[12] 下記式(1−1)で表されるテトラカルボン酸二無水物。
Figure 2019014837
式(1−1)において、nは独立して1〜8の整数である。
[13] [12]項に記載のテトラカルボン酸二無水物を少なくとも1つ含むテトラカルボン酸無水物とジアミンからの反応生成物である、ポリアミック酸またはその誘導体。
本発明の液晶配向剤を用いることにより、硬度が高く、かつ、液晶配向性に優れた液晶配向膜を形成することができる。本発明の技術は光配向方式の液晶配向膜の分野で特に優れた効果を発揮する。
本明細書中では液晶配向剤を単に「配向剤」と略すことがある。液晶配向膜を単に「配向膜」と略すことがある。
<式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物>
本発明の式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物について説明する。
Figure 2019014837
式(1)中、RおよびRは炭素数1〜8の直鎖アルキレンであり、その中の任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよい。
本発明の式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を原料に用いた液晶配向膜は、アルキレン構造を有しており、フレキシビリティーが高いために高い配向性を実現できる。そして、炭素−炭素三重結合同士が架橋することで、ポリマーの密度を上昇させることができ、結果として硬度が高い液晶配向膜を得ることができる。
本発明の式(1)のテトラカルボン酸二無水物の具体例を以下に示す。
Figure 2019014837
式(1−1)において、nは1〜8の整数であり、式(1−2)において、nは1〜7の整数である。
本発明の式(1−1)で表される化合物は、特開2000−344759等に記載の合成方法に準じて製造することができる。
本発明の式(1−2)で表される化合物は、市販の4−ヒドロキシフタル酸無水物と、適宜選択されるn−アルキレンジハライドとのエーテル化反応を経て製造することができる。式(1−2)で表される化合物は、エーテル化反応の際、テトラカルボン酸二無水物をジアルキルエステル体としてから合成することも可能である。
これらの化合物は再結晶やカラムクロマトグラフィー法によって精製して使用することもできる。
本発明の式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物の具体例として、下記式(1−1−1)〜(1−1−8)で表される化合物を示す。
Figure 2019014837
使用するにあたり、これらを併用してもよいし、1つのみを使用してもよい。これらの化合物のうち、配向膜の配向性をより高くするためには、式(1−1−1)〜式(1−1−6)で表されるテトラカルボン酸二無水物が好ましく、式(1−1−2)、式(1−1−4)、式(1−1−6)で表されるテトラカルボン酸二無水物がより好ましい。原料入手の容易さから、式(1−1−2)で表されるテトラカルボン酸二無水物がさらに好ましい。
<本発明のポリマー>
本発明のポリマーは、原料モノマーの少なくとも1つが式(1)で表される化合物の少なくとも1つを含むことを特徴とする、ポリアミック酸およびその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つである。ポリアミック酸の誘導体とは、溶剤を含有する後述する液晶配向剤としたときに溶剤に溶解する成分であり、その液晶配向剤を液晶配向膜としたときに、ポリイミドを主成分とする液晶配向膜を形成することができる成分である。このようなポリアミック酸の誘導体としては、例えば可溶性ポリイミド、ポリアミック酸エステル、およびポリアミック酸アミド等が挙げられ、より具体的には1)ポリアミック酸のすべてのアミノとカルボキシルとが脱水閉環反応したポリイミド、2)部分的に脱水閉環反応した部分ポリイミド、3)ポリアミック酸のカルボキシルがエステルに変換されたポリアミック酸エステル、4)テトラカルボン酸二無水物化合物に含まれる酸二無水物の一部を有機ジカルボン酸に置き換えて反応させて得られたポリアミック酸−ポリアミドコポリマー、さらに5)該ポリアミック酸−ポリアミドコポリマーの一部または全部を脱水閉環反応させたポリアミドイミドが挙げられる。前記ポリアミック酸およびその誘導体は、1種のポリマーであってもよいし、2種以上であってもよい。また前記ポリアミック酸およびその誘導体は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応生成物の構造を有するポリマーであればよく、他の原料を用い、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応以外の他の反応による反応生成物を含有してもよい。
Figure 2019014837
式(1)中、RおよびRは炭素数1〜8の直鎖アルキレンであり、該アルキレンの任意の−CH−は、−O−で置き換えられてもよい。
本発明のポリアミック酸またはその誘導体は、ポリイミドの膜の形成に用いられる公知のポリアミック酸またはその誘導体と同様に製造することができる。テトラカルボン酸二無水物の総仕込み量は、ジアミンの総モル数とほぼ等モル(モル比0.9〜1.1程度)とすることが好ましい。
また、本発明のポリアミック酸を、ポリアミック酸誘導体であるポリイミドとする場合には、得られたポリアミック酸溶液を、脱水剤である無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物、および脱水閉環触媒であるトリエチルアミン、ピリジン、コリジンなどの三級アミンとともに、温度20〜150℃でイミド化反応させて得ることができる。あるいは、得られたポリアミック酸溶液から多量の貧溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒やグリコール系溶媒)を用いてポリアミック酸を析出させ、析出させたポリアミック酸を、トルエン、キシレン等の溶媒中で、前記と同様の脱水剤および脱水閉環触媒とともに、温度20〜150℃でイミド化反応させることもできる。
前記イミド化反応において、脱水剤と脱水閉環触媒の割合は0.1〜10(モル比)であることが好ましい。両者の合計使用量は、当該ポリアミック酸の合成に使用したテトラカルボン酸二無水物のモル量の合計に対して1.5〜10倍モルであることが好ましい。この化学的イミド化の脱水剤、触媒量、反応温度および反応時間を調整することによって、イミド化の程度を制御し、部分ポリイミドを得ることができる。得られたポリイミドは、溶剤と分離して前述の溶剤に再溶解させて液晶配向剤として使用することもできるし、あるいは溶剤と分離することなく液晶配向剤として使用することもできる。
ポリアミック酸エステルは、前述のポリアミック酸と水酸基含有化合物、ハロゲン化物、エポキシ基含有化合物等とを反応させることにより合成する方法や、テトラカルボン酸二無水物から誘導されるテトラカルボン酸ジエステルもしくはテトラカルボン酸ジエステルジクロライドとジアミンとを反応させることにより合成する方法により、合成することができる。テトラカルボン酸二無水物から誘導されるテトラカルボン酸ジエステルは例えば、テトラカルボン酸二無水物を2当量のアルコールと反応させ開環させて得ることができ、テトラカルボン酸ジエステルジクロライドは、テトラカルボン酸ジエステルを2当量の塩素化剤(例えば塩化チオニルなど)と反応させることで得ることができる。なお、ポリアミック酸エステルは、アミック酸エステル構造のみを有していてもよく、アミック酸構造とアミック酸エステル構造とが併存する部分エステル化物であってもよい。本発明の光配向用液晶配向剤はこれらのポリアミック酸、ポリアミック酸エステルおよびこれらをイミド化して得られるポリイミドを1つ含んでいてもよいし、2つ以上含んでいてもよい。
本発明のポリアミック酸またはその誘導体の分子量は、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、7,000〜500,000であることが好ましく、10,000〜200,000であることがより好ましい。前記ポリアミック酸またはその誘導体の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による測定から求めることができる。
本発明のポリアミック酸またはその誘導体は、多量の貧溶剤で沈殿させて得られる固形分をIR、NMRで分析することによりその存在を確認することができる。またKOHやNaOH等の強アルカリの水溶液による前記ポリアミック酸またはその誘導体の分解物の有機溶剤による抽出物をGC、HPLCまたはGC−MSで分析することにより、使用されているモノマーを確認することができる。
<式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物以外のテトラカルボン酸二無水物>
本発明のポリアミック酸およびその誘導体を製造する為に使用するテトラカルボン酸二無水物について説明する。本発明に使用される、式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物以外のテトラカルボン酸二無水物は、公知のテトラカルボン酸二無水物から制限されることなく選択することができる。このようなテトラカルボン酸二無水物は、芳香環に直接ジカルボン酸無水物が結合した芳香族系(複素芳香環系を含む)、および芳香環に直接ジカルボン酸無水物が結合していない脂肪族系(複素環系を含む)の何れの群に属するものであってもよい。
このようなテトラカルボン酸二無水物の好適な例としては、原料入手の容易さや、重合体製造の容易さ、膜の電気特性の点から、式(AN−I)〜式(AN−V)で表されるテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
Figure 2019014837
式(AN−I)、式(AN−IV)および式(AN−V)において、Xは独立して単結合または−CH−である。式(AN−II)において、Gは単結合、炭素数1〜20のアルキレン、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−C(CH−、または−C(CF−である。式(AN−II)〜式(AN−IV)において、Yは独立して下記の3価の基の群から選ばれる1つであり、結合手は任意の炭素に連結しており、この基の少なくとも1つの水素はメチル、エチルまたはフェニルで置き換えられてもよい。
Figure 2019014837
式(AN−III)〜式(AN−V)において、環A10は炭素数3〜10の単環式炭化水素の基または炭素数6〜30の縮合多環式炭化水素の基であり、この基の少なくとも1つの水素はメチル、エチルまたはフェニルで置き換えられていてもよく、環に掛かっている結合手は環を構成する任意の炭素に連結しており、2本の結合手が同一の炭素に連結してもよい。
さらに詳しくは以下の式(AN−1)〜式(AN−16−15)で表されるテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
[式(AN−1)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2019014837
式(AN−1)において、G11は単結合、炭素数1〜12のアルキレン、1,4−フェニレン、または1,4−シクロヘキシレンである。X11は独立して単結合または−CH−である。G12は独立して下記の3価の基のどちらかである。
Figure 2019014837
12が>CH−であるとき、>CH−の水素は−CHに置き換えられてもよい。G12が>N−であるとき、G11が単結合および−CH−であることはなく、X11は単結合であることはない。そしてR11は水素または−CHである。
式(AN−1)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2019014837
式(AN−1−2)および(AN−1−14)において、mは1〜12の整数である。
[式(AN−3)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2019014837
式(AN−3)において、環A11はシクロヘキサン環またはベンゼン環である。
式(AN−3)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2019014837
[式(AN−4)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2019014837
式(AN−4)において、G13は単結合、−(CH−、−O−、−S−、−C(CH−、−SO−、−CO−、−C(CF−、または下記の式(G13−1)で表される2価の基であり、mは1〜12の整数である。環A11はそれぞれ独立してシクロヘキサン環またはベンゼン環である。G13は環A11の任意の位置に結合してよい。
Figure 2019014837
式(G13−1)において、G13aおよびG13bはそれぞれ独立して、単結合、−O−または−NHCO−で表される2価の基である。フェニレンは、1,4−フェニレンおよび1,3−フェニレンが好ましい。
式(AN−4)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2019014837
Figure 2019014837
式(AN−4−17)において、mは1〜12の整数である。
Figure 2019014837
Figure 2019014837
[式(AN−5)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2019014837
式(AN−5)において、R11は独立して水素または−CHである。ベンゼン環を構成する炭素原子に結合位置が固定されていないR11は、ベンゼン環における結合位置が任意であることを示す。
式(AN−5)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2019014837
[式(AN−6)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2019014837
式(AN−6)において、X11は独立して単結合または−CH−である。X12は−CH−、−CHCH−または−CH=CH−である。nは1または2である。
式(AN−6)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2019014837
[式(AN−7)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2019014837
式(AN−7)において、X11は単結合または−CH−である。
式(AN−7)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2019014837
[式(AN−8)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2019014837
式(AN−8)において、X11は単結合または−CH−である。R12は水素、−CH、−CHCH、またはフェニルであり、環A12はシクロヘキサン環またはシクロヘキセン環である。
式(AN−8)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2019014837
[式(AN−9)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2019014837
式(AN−9)において、rはそれぞれ独立して0または1である。
式(AN−9)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2019014837
[式(AN−10−1)および式(AN−10−2)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2019014837
[式(AN−11)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2019014837
式(AN−11)において、環A11は独立してシクロヘキサン環またはベンゼン環である。
式(AN−11)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2019014837
[式(AN−12)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2019014837
式(AN−12)において、環A11はそれぞれ独立してシクロヘキサン環またはベンゼン環である。
式(AN−12)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2019014837
[式(AN−15)で表されるテトラカルボン酸二無水物]
Figure 2019014837
式(AN−15)において、wは1〜10の整数である。
式(AN−15)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2019014837
上記以外のテトラカルボン酸二無水物として、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2019014837
Figure 2019014837
上記テトラカルボン酸二無水物において、後述する液晶配向膜の各特性を向上させる好適な材料について述べる。液晶の配向性を向上させることを重視する場合には、式(AN−1)、式(AN−3)、および式(AN−4)で表される化合物が好ましく、式(AN−1−2)、式(AN−1−13)、式(AN−3−2)、式(AN−4−17)、および式(AN−4−29)で表される化合物がより好ましく、式(AN−1−2)においては、m=4または8が好ましく、式(AN−4−17)においては、m=4または8が好ましく、m=8がより好ましい。
液晶表示素子の透過率を向上させることを重視する場合には、式(AN−1−1)、式(AN−1−2)、式(AN−3−1)、式(AN−4−17)、式(AN−4−30)、式(AN−5−1)、式(AN−7−2)、式(AN−10−1)、式(AN−16−3)、式(AN−16−4)、および式(PA−1)で表される化合物が好ましく、中でも式(AN−1−2)においては、m=4または8が好ましく、式(AN−4−17)においては、m=4、または8が好ましく、m=8がより好ましい。
液晶表示素子のVHRを向上させることを重視する場合には、式(AN−1−1)、式(AN−1−2)、式(AN−3−1)、式(AN−4−17)、式(AN−4−30)、式(AN−7−2)、式(AN−10−1)、式(AN−16−3)、式(AN−16−4)、および式(PA−1)で表される化合物が好ましく、式(AN−1−2)においては、m=4または8が好ましく、式(AN−4−17)においては、m=4または8が好ましく、m=8がより好ましい。
液晶配向膜の体積抵抗値を低下させることにより、配向膜中の残留電荷(残留DC)の緩和速度を向上させることが、焼き付きを防ぐ方法の1つとして有効である。この目的を重視する場合には、式(AN−1−13)、式(AN−3−2)、式(AN−4−21)、式(AN−4−29)、および式(AN−11−3)で表される化合物が好ましい。
<ジアミンおよびジヒドラジド>
本発明のポリアミック酸およびその誘導体を製造する為に使用するジアミンおよびジヒドラジドについて説明する。本発明のポリアミック酸またはその誘導体を製造するにあたっては、公知のジアミンおよびジヒドラジドから制限されることなく選択することができる。
既知のジアミンとしては、以下の式(DI−1)〜式(DI−16)のジアミンを挙げることができる。
Figure 2019014837
上記の式(DI−1)において、G20は、−CH−であり、少なくとも1つの−CH−は−NH−、−O−に置き換えられてもよく、mは1〜12の整数であり、アルキレンの少なくとも1つの水素は−OHに置き換えられてもよい。式(DI−3)および式(DI−5)〜式(DI−7)において、G21は独立して単結合、−NH−、−NCH−、−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−CO−、−COO−、−CONCH−、−CONH−、−C(CH−、−C(CF−、−(CH−、−O−(CH−O−、−N(CH)−(CH−N(CH)−、−(O−C−O−、−O−CH−C(CF−CH−O−、−O−CO−(CH−CO−O−、−CO−O−(CH−O−CO−、−(CH−NH−(CH−、−CO−(CH−NH−(CH−、−(NH−(CH) −NH−、−CO−C−(NH−C−CO−、または−S−(CH−S−であり、mは独立して1〜12の整数であり、kは1〜5の整数であり、nは1または2である。式(DI−4)において、sは独立して0〜2の整数である。式(DI−6)および式(DI−7)において、G22は独立して単結合、−O−、−S−、−CO−、−C(CH−、−C(CF−、−NH−、または炭素数1〜10のアルキレンである。式(DI−2)〜式(DI−7)中のシクロヘキサン環およびベンゼン環の少なくとも1つの水素は、−F、−Cl、炭素数1〜3のアルキル、−OCH、−OH、−CF、−COH、−CONH、−NHC、フェニル、またはベンジルで置き換えられてもよく、加えて式(DI−4)においては、ベンゼン環の少なくとも1つの水素は下記式(DI−4−a)〜式(DI−4−e)で表される基の群から選ばれる1つで置き換えられていてもよい。環を構成する炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その環における結合位置が任意であることを示す。そして、シクロヘキサン環またはベンゼン環への−NHの結合位置は、G21またはG22の結合位置を除く任意の位置である。
Figure 2019014837
式(DI−4−a)および式(DI−4−b)において、R20は独立して水素または−CHである。
Figure 2019014837
式(DI−11)において、rは0または1である。式(DI−8)〜式(DI−11)において、環に結合する−NHの結合位置は、任意の位置である。
Figure 2019014837
式(DI−12)において、R21およびR22は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、G23は独立して炭素数1〜6のアルキレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、wは1〜10の整数である。式(DI−13)において、R23は独立して炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシまたは−Clであり、pは独立して0〜3の整数であり、qは0〜4の整数である。式(DI−14)において、環Bは単環の複素環式芳香族基であり、R24は水素、−F、−Cl、炭素数1〜6のアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニルであり、qは独立して0〜4の整数である。式(DI−15)において、環Cは複素環式芳香族基または複素環式脂肪族基である。式(DI−16)において、G24は単結合、炭素数2〜6のアルキレンまたは1,4−フェニレンであり、rは0または1である。そして、環を構成する炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その環における結合位置が任意であることを示す。式(DI−13)〜式(DI−16)において、環に結合する−NHの結合位置は、任意の位置である。
上記式(DI−1)〜式(DI−16)の側鎖を有さないジアミンとして、以下の式(DI−1−1)〜式(DI−16−1)の具体例を挙げることができる。
式(DI−1)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2019014837
式(DI−1−7)および式(DI−1−8)において、kはそれぞれ独立して、1〜3の整数である。
式(DI−2)〜式(DI−3)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2019014837
式(DI−4)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2019014837
Figure 2019014837
Figure 2019014837
Figure 2019014837
式(DI−5)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2019014837
式(DI−5−1)において、mは1〜12の整数である。
Figure 2019014837
式(DI−5−12)および式(DI−5−13)において、mは1〜12の整数である。
Figure 2019014837
式(DI−5−16)において、vは1〜6の整数である。
Figure 2019014837
式(DI−5−30)において、kは1〜5の整数である。
Figure 2019014837
式(DI−5−35)〜式(DI−5−37)、および式(DI−5−39)において、mは独立して1〜12の整数であり、式(DI−5−38)および式(DI−5−39)において、kは独立して1〜5の整数であり、式(DI−5−40)において、nは1または2の整数である。
式(DI−6)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2019014837
式(DI−7)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2019014837
式(DI−7−3)および式(DI−7−4)において、mは1〜12の整数であり、nは独立して1または2である。
Figure 2019014837
Figure 2019014837
Figure 2019014837
式(DI−7−12)において、mは1〜12の整数である。
式(DI−8)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2019014837
式(DI−9)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2019014837
式(DI−10)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2019014837
式(DI−11)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2019014837
式(DI−12)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2019014837
式(DI−13)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2019014837
Figure 2019014837
Figure 2019014837
式(DI−14)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2019014837
式(DI−15)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2019014837
Figure 2019014837
式(DI−16)で表されるジアミンの例を以下に示す。
Figure 2019014837
本発明のポリアミック酸およびその誘導体には、前記式(DI−1)〜式(DI−16)のジアミン以外のジアミンも使用することができる。例を以下に示す。
Figure 2019014837
式(DI−36−9)〜式(DI−36−11)において、eは2〜10の整数であり、式(DI−36−12)中、R43はそれぞれ独立して水素、−NHBocまたは−N(Boc)であり、R43の少なくとも1つは−NHBocまたは−N(Boc)であり、式(DI−36−13)において、R44は−NHBocまたは−N(Boc)であり、そして、mは1〜12の整数である。ここでBocはt−ブトキシカルボニル基である。
式(DI−1)〜式(DI−16)のジアミン以外の、側鎖を有するジアミンも使用することができる。例を以下に示す。
Figure 2019014837
式(DI−31−1)〜式(DI−31−11)において、R34は炭素数1〜30のアルキルまたは炭素数1〜30のアルコキシであり、好ましくは炭素数5〜25のアルキルまたは炭素数5〜25のアルコキシである。R35は炭素数1〜30のアルキルまたは炭素数1〜30のアルコキシであり、好ましくは炭素数3〜25のアルキルまたは炭素数3〜25のアルコキシである。
Figure 2019014837
式(DI−31−12)〜式(DI−31−17)において、R36は炭素数4〜30のアルキルであり、好ましくは炭素数6〜25のアルキルである。R37は炭素数6〜30のアルキルであり、好ましくは炭素数8〜25のアルキルである。
Figure 2019014837
Figure 2019014837
Figure 2019014837
Figure 2019014837
Figure 2019014837
Figure 2019014837
式(DI−34−1)〜式(DI−34−12)において、R40は水素または炭素数1〜20のアルキル、好ましくは水素または炭素数1〜10のアルキルであり、そしてR41は水素または炭素数1〜12のアルキルである。
ジヒドラジドについて説明する。既知の側鎖を有さないジヒドラジドとしては、以下の式(DIH−1)〜式(DIH−3)を挙げることができる。
Figure 2019014837
式(DIH−1)において、G25は単結合、炭素数1〜20のアルキレン、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−C(CH−、または−C(CF−である。
式(DIH−2)において、環Dはシクロヘキサン環、ベンゼン環またはナフタレン環であり、これらの環の少なくとも1つの水素はメチル、エチル、またはフェニルで置き換えられてもよい。式(DIH−3)において、環Eはそれぞれ独立してシクロヘキサン環、またはベンゼン環であり、これらの環の少なくとも1つの水素はメチル、エチル、またはフェニルで置き換えられてもよく、Yは単結合、炭素数1〜20のアルキレン、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−C(CH−、または−C(CF−である。式(DIH−2)および式(DIH−3)において、環に結合する−CONHNHの結合位置は、任意の位置である。
式(DIH−1)〜式(DIH−3)の例を以下に示す。
Figure 2019014837
式(DIH−1−2)において、mは1〜12の整数である。
Figure 2019014837
Figure 2019014837
上記ジアミンおよびジヒドラジドにおいて、後述する液晶配向膜の各特性を向上させる好適な材料について述べる。液晶の配向性をさらに向上させることを重視する場合には、式(DI−1−3)、式(DI−5−1)、式(DI−5−5)、式(DI−5−9)、式(DI−5−12)、式(DI−5−13)、式(DI−5−29)、式(DI−6−7)、式(DI−7−3)、および式(DI−11−2)で表される化合物を用いるのが好ましい。式(DI−5−1)においては、m=2、4または6が好ましく、m=4がより好ましい。式(DI−5−12)においては、m=2〜6が好ましく、m=5がより好ましい。式(DI−5−13)においては、m=1または2が好ましく、m=1がより好ましい。
透過率を向上させることを重視する場合には、式(DI−1−3)、式(DI−2−1)、式(DI−5−1)、式(DI−5−5)、式(DI−5−24)、および式(DI−7−3)で表されるジアミンを用いるのが好ましく、式(DI−2−1)で表される化合物がより好ましい。式(DI−5−1)においては、m=2、4または6のが好ましく、m=4がより好ましい。式(DI−7−3)においては、m=2または3、n=1または2が好ましく、m=3、n=1がより好ましい。
液晶表示素子のVHRを向上させることを重視する場合には、式(DI−2−1)、式(DI−4−1)、式(DI−4−2)、式(DI−4−10)、式(DI−4−15)、式(DI−5−28)、式(DI−5−30)、式(DI−13−1)、および式(DI−31−56)で表される化合物を用いるのが好ましく、式(DI−2−1)、式(DI−5−1)、式(DI−13−1)およびで表されるジアミンがより好ましい。式(DI−5−1)においては、m=1が好ましい。式(DI−5−30)においては、k=2が好ましい。
液晶配向膜の体積抵抗値を低下させることにより、配向膜中の残留電荷(残留DC)の緩和速度を向上させることが、焼き付きを防ぐ方法の1つとして有効である。この目的を重視する場合には、式(DI−4−1)、式(DI−4−2)、式(DI−4−10)、式(DI−4−15)、式(DI−5−1)、式(DI−5−12)、式(DI−5−13)、式(DI−5−28)、式(DI−7−12)、式(DI−16−1)および式(DI−36−13)で表される化合物を用いるのが好ましく、式(DI−4−1)、式(DI−5−1)、および式(DI−5−13)で表される化合物がより好ましい。式(DI−5−1)において、m=2、4または6が好ましく、m=4がより好ましい。式(DI−5−12)においては、m=2〜6が好ましく、m=5がより好ましい。式(DI−5−13)においては、m=1または2が好ましく、m=1がより好ましい。式(DI−7−12)においては、m=3または4が好ましく、m=4がより好ましい。
各ジアミンにおいて、ジアミンに対するモノアミンの比率が40モル%以下の範囲で、ジアミンの一部がモノアミンに置き換えられていてもよい。このような置き換えは、ポリアミック酸を生成する際の重合反応のターミネーションを起こすことができ、それ以上の重合反応の進行を抑えることができる。このため、このような置き換えによって、得られる重合体(ポリアミック酸またはその誘導体)の分子量を容易に制御することができ、例えば本発明の効果が損われることなく液晶配向剤の塗布特性を改善することができる。モノアミンに置き換えられるジアミンは、本発明の効果が損なわれなければ、1種でも2種以上でもよい。前記モノアミンとしては、例えばアニリン、4−ヒドロキシアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、およびn−エイコシルアミンが挙げられる。
本発明のポリアミック酸またはその誘導体は、そのモノマーにモノイソシアネート化合物をさらに含んでいてもよい。モノイソシアネート化合物をモノマーに含むことによって、得られるポリアミック酸またはその誘導体の末端が修飾され、分子量が調節される。この末端修飾型のポリアミック酸またはその誘導体を用いることにより、例えば本発明の効果が損われることなく液晶配向剤の塗布特性を改善することができる。モノマー中のモノイソシアネート化合物の含有量は、モノマー中のジアミンおよびテトラカルボン酸二無水物の総量に対して1〜10モル%であることが、前記の観点から好ましい。前記モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、およびナフチルイソシアネートが挙げられる。
<光反応性構造を有するモノマー>
本発明のポリアミック酸またはその誘導体を光の照射、例えば紫外線の照射によって液晶配向能を付与される光配向膜として用いる場合には、ポリアミック酸およびその誘導体の原料として光反応性構造を有するモノマーを好適に用いることができる。光反応性構造を有するモノマーを用いることによって、光反応性構造を有するポリアミック酸およびその誘導体を合成することができる。光反応性構造とは、例えば、紫外線照射によって分解を起こす下記式(P−1)で表される光分解構造、異性化を起こす式(P−4)で表される光異性化構造、二量化を起こす式(P−5)〜式(P−7)で表される光二量化構造などを挙げることができる。
Figure 2019014837
式(P−1)中、R61は独立して、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、またはフェニル基である。
式(P−1)で表される光分解構造を有する化合物としては、下記式(PA−1)〜式(PA−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019014837
これらの化合物の中では、上記式(PA−1)および式(PA−2)で表される化合物が好適に用いられる。
なお、式(PA−1)〜式(PA−3)で表される化合物は、光異性化反応に基づく液晶配向能を利用した液晶配向剤、光二量化に基づく液晶配向能を利用した液晶配向剤、またはラビング用液晶配向剤に用いる重合体の原料モノマーとして用いる場合は、光反応性構造を有さないテトラカルボン酸二無水物として扱われる。
式(P−4)で表される光異性化構造を有する化合物としては、式(V)で表されるテトラカルボン酸二無水物またはジアミンが好ましい。
Figure 2019014837
式(V)において、RおよびRは−NHを有する1価の有機基または−CO−O−CO−を有する1価の有機基である。
光異性化構造は、本発明におけるポリアミック酸またはその誘導体の主鎖もしくは側鎖のどちらに組み込んでもよいが、主鎖に組み込むことにより、横電界方式の液晶表示素子に好適に用いることができる。
前記光異性化構造を有する材料としては、下記式(V−1)〜式(V−3)で表される化合物の群から選ばれる少なくとも1つを好適に用いることができる。
Figure 2019014837
上記各式において、環を構成するいずれかの炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その環における結合位置が任意であることを示し、式(V−2)において、Rは独立して−CH、−OCH、−CF、または−COOCHであり、aは独立して0〜2の整数であり、式(V−3)において、環Aおよび環Bはそれぞれ独立して、単環式炭化水素、縮合多環式炭化水素および複素環から選ばれる少なくとも1つであり、R11は、炭素数1〜20の直鎖アルキレン、−COO−、−OCO−、−NHCO−または−N(CH)CO−であり、R12は、炭素数1〜20の直鎖アルキレン、−COO−、−OCO−、−NHCO−または−N(CH)CO−であり、R11およびR12において、直鎖アルキレンの−CH−の1つまたは2つは−O−で置換されてもよく、R〜R10は、それぞれ独立して、−F、−CH、−OCH、−CF、または−OHであり、そして、b〜eは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。
上記式(V−1)および式(V−2)で表される化合物はその感光性の点から特に好適に用いることができる。式(V−2)においては、アミノ基の結合位置がパラ位であり、a=0の化合物を、その配向性の点からより好適に用いることができる。
式(V−1)〜式(V−3)に示す紫外線照射で異性化を起こし得る構造を持つテトラカルボン酸二無水物もしくはジアミンは下記式(V−2−1)〜式(V−3−8)で具体的に表すことができる。
Figure 2019014837
Figure 2019014837
Figure 2019014837
Figure 2019014837
Figure 2019014837
これらの中でも式(V−1−1)、式(V−2−1)、式(V−2−4)〜式(V−2−11)および式(V−3−1)〜式(V−3−8)を紫外線照射で異性化を起こし得る構造を含む化合物とすることで、液晶分子をより一様に配向させることができる光配向用液晶配向剤を得ることができる。式(V−2−4)〜式(V−3−8)を紫外線照射で異性化を起こし得る構造を含む化合物とすることで、形成される配向膜がより着色の少なくできる光配向用液晶配向剤を得ることができる。
光反応性構造を有さない(非感光性)テトラカルボン酸二無水物および光反応性構造を有する(感光性)テトラカルボン酸二無水物を併用する態様においては、配向膜の光に対する感度の低下を防ぐために、本発明のポリアミック酸またはその誘導体を製造する際の原料として使用するテトラカルボン酸二無水物の全量に対して、感光性テトラカルボン酸二無水物は0〜70モル%が好ましく、0〜50モル%が特に好ましい。また、光に対する感度、電気特性、残像特性等、前述した諸般の特性を改善するために感光性テトラカルボン酸二無水物を2つ以上併用してもよい。
光反応性構造を有さない(非感光性)のジアミンおよび光反応性構造を有する(感光性)ジアミンを併用する態様においては、配向膜の光に対する感度の低下を防ぐために、本発明のポリアミック酸またはその誘導体を製造する際の原料として使用するジアミンの全量に対して、感光性ジアミンは20〜100モル%が好ましく、50〜100モル%が特に好ましい。また、光に対する感度、残像特性等、前述した諸般の特性を改善するために感光性ジアミンを2つ以上併用してもよい。前記のごとく、本発明の態様にはテトラカルボン酸二無水物の全量が非感光性テトラカルボン酸二無水物で占められる場合が含まれるが、その場合でもジアミンの全量の最低20モル%が感光性ジアミンであることが求められる。
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、本発明のポリアミック酸1種類で構成されていてもよく、本発明のポリアミック酸を2種類以上混合していてもよく、また、他の重合体を混合していても良い。他の重合体とは式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を原料として用いないポリアミック酸だけではなく、ポリエステル、ポリアミド、ポリシロキサン、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレート等を挙げる事ができる。しかし、液晶配向剤の保存安定性、液晶配向剤の表示素子基板への印刷性および形成される液晶配向膜の特性を考慮すると本発明のポリアミック酸またはその誘導体同士の混合もしくは本発明のポリアミック酸またはその誘導体と式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を原料として用いないポリアミック酸またはその誘導体との混合で得られる液晶配向剤が好ましい。
式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を原料として用いないポリアミック酸およびその誘導体の製造には前述のテトラカルボン酸二無水物、ジアミンおよびジヒドラジドが好適に使用される。
このような2成分の重合体を用いる場合、例えば、一方には液晶配向能に優れた性能を有する重合体を選択し、他方には液晶表示素子の電気的特性を改善するのに優れた性能を有する重合体を選択する態様がある。この場合、それぞれの重合体の構造や分子量を制御することにより、これらの重合体を溶剤に溶解した液晶配向剤を、後述するように、基板に塗布し、予備乾燥を行って薄膜を形成する過程で、液晶配向能に優れた性能を有する重合体を薄膜の上層に、液晶表示素子の電気的特性を改善するのに優れた性能を有する重合体を薄膜の下層に偏析させることができる。これには、混在する重合体において、表面エネルギーの小さな重合体が上層に、表面エネルギーの大きな重合体が下層に分離する現象を応用することができる。このような層分離の確認は、形成された配向膜の表面エネルギーが、上層に偏析させることを意図した重合体のみを含有する液晶配向剤によって形成された膜の表面エネルギーと同じか、または近い値であることで確認することができる。
層分離を発現させる方法として、上層に偏析させたい重合体の分子量を小さくすることも挙げられる。
ポリアミック酸同士の混合からなる液晶配向剤では、上層に偏析させたい重合体をポリイミドとすることで層分離を発現させることもできる。
本発明の式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物は前記薄膜の上層に偏析する重合体の原料モノマーとして用いられてもよく、薄膜の下層に偏析する重合体の原料モノマーとして用いられてもよい。また、両方の重合体の原料モノマーとして用いられてもよい。
前記薄膜の上層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、上記に例示した公知のテトラカルボン酸二無水物から制限されることなく選択することができる。
薄膜の上層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物は、式(1−1−3)〜式(1−1−6)、式(1−2−3)〜式(1−2−6)、式(1−3−3)〜式(1−3−6)、式(1−4−3)〜式(1−4−6)、式(AN−1−1)、式(AN−4−17)、および式(PA−1)で表される化合物が好ましく、式(1−1−5)、式(1−2−5)、式(1−3−5)、式(1−2−5)、および式(AN−4−17)がより好ましい。式(AN−4−17)においては、m=4または8が好ましく、m=8がより好ましい。
薄膜の上層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために用いられるジアミンおよびジヒドラジドとしては、上記に例示した公知のジアミンから制限されることなく選択することができる。
薄膜の上層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために用いられるジアミンおよびジヒドラジドとしては、式(DI−4−1)、式(DI−5−1)、および式(DI−7−3)で表される化合物を用いるのが好ましい。中でも式(DI−5−1)において、m=1、2または4が好ましく、m=4がより好ましい。式(DI−7−3)においてはm=3、n=1が好ましい。
薄膜の上層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために用いられる非感光性ジアミンは、ジアミンの全量中芳香族ジアミンを30モル%以上含むことが好ましく、50モル%以上含むことがより好ましい。
前述の光異性化構造を有する酸二無水物およびジアミンは薄膜の上層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために好適に用いられる
薄膜の下層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、上記に例示した公知のテトラカルボン酸二無水物から制限されることなく選択することができる。
薄膜の下層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、式(1−1−1)、式(1−1−2)、式(1−1−5)、式(1−2−1)、式(1−2−2)、式(1−2−4)、式(1−3−1)、式(1−3−2)、式(1−4−1)、式(1−4−2)、式(AN−3−2)、式(AN−1−13)、式(AN−1−1)、および式(AN−4−21)で表される化合物が好ましく、式(1−1−1)、式(1−1−5)、式(1−2−4)、式(AN−1−1)、および式(AN−3−2)がより好ましい。
薄膜の下層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物は、テトラカルボン酸二無水物の全量中芳香族テトラカルボン酸二無水物を10モル%以上含むことが好ましく、30モル%以上含むことがより好ましい。
薄膜の下層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために用いられるジアミンおよびジヒドラジドとしては、上記に例示した公知のジアミンから制限されることなく選択することができる。
薄膜の下層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために用いられるジアミンおよびジヒドラジドとしては、式(DI−4−1)、式(DI−4−2)、式(DI−4−10)、式(DI−5−9)、式(DI−5−28)、式(DI−5−30)、および式(DIH−2−1)で表される化合物が好ましい。中でも式(DI−5−30)において、k=2であるジアミンが好ましい。
薄膜の下層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体を合成するために用いられるジアミンは、芳香族ジアミンを、全ジアミンに対して、30モル%以上含むものである事が好ましく、50モル%以上含むものであることがより好ましい。
薄膜の上層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体、および薄膜の下層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体は共に、それぞれ、本発明の液晶配向剤の必須成分であるポリアミック酸またはその誘導体の合成方法として下記に記載したところに準じて合成することができる。
薄膜の上層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体、および薄膜の下層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体の合計量に対する薄膜の上層に偏析するポリアミック酸またはその誘導体の割合としては、5重量%〜50重量%が好ましく、10重量%〜40重量%がさらに好ましい。
<溶剤>
また例えば、本発明の液晶配向剤は、液晶配向剤の塗布性や前記ポリアミック酸またはその誘導体の濃度の調整の観点から、溶剤をさらに含有していてもよい。前記溶剤は、高分子成分を溶解する能力を持った溶剤であれば格別制限なく適用可能である。前記溶剤は、ポリアミック酸、可溶性ポリイミド等の高分子成分の製造工程や用途面で通常使用されている溶剤を広く含み、使用目的に応じて、適宜選択できる。前記溶剤は1種でも2種以上の混合溶剤であってもよい。
溶剤としては、前記ポリアミック酸またはその誘導体の親溶剤や、塗布性改善を目的とした他の溶剤が挙げられる。
ポリアミック酸またはその誘導体に対し親溶剤である非プロトン性極性有機溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルイソブチルアミド、γ−ブチロラクトン等のラクトンが挙げられる。
塗布性改善等を目的とした他の溶剤の例としては、ジイソブチルケトン、乳酸アルキル、ジアセトンアルコール、3−メチル−3−メトキシブタノール、テトラリン、イソホロン、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルまたはフェニルアセテート、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル、マロン酸ジエチル等のマロン酸ジアルキル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、これらアセテート類等のエステル化合物が挙げられる。
これらの中で、前記溶剤は、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、ジイソブチルケトン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、およびジプロピレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。
本発明の配向剤中のポリアミック酸の濃度は0.1〜40重量%であることが好ましい。この配向剤を基板に塗布するときには、膜厚の調整のために、含有されているポリアミック酸を予め溶剤により希釈する操作が必要とされることがある。
本発明の配向剤における固形分濃度は特に限定されるものではなく、下記の種々の塗布法に合わせ最適な値を選べばよい。通常、塗布時のムラやピンホール等を抑えるため、ワニス重量に対し、好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは1〜10重量%である。
本発明の液晶配向剤の粘度は、塗布する方法、ポリアミック酸またはその誘導体の濃度、使用するポリアミック酸またはその誘導体の種類、溶剤の種類と割合によって好ましい範囲が異なる。例えば、印刷機による塗布の場合は5〜100mPa・s(より好ましくは10〜80mPa・s)である。5mPa・sより小さいと十分な膜厚を得ることが難しくなり、100mPa・sを超えると印刷ムラが大きくなることがある。スピンコートによる塗布の場合は5〜200mPa・s(より好ましくは10〜100mPa・s)が適している。インクジェット塗布装置を用いて塗布する場合は5〜50mPa・s(より好ましくは5〜20mPa・s)が適している。液晶配向剤の粘度は回転粘度測定法により測定され、例えば回転粘度計(東機産業製TVE−20L型)を用いて測定(測定温度:25℃)される。
<アルケニル置換ナジイミド化合物>
例えば、本発明の液晶配向剤は、液晶表示素子の電気特性を長期に安定させる目的から、アルケニル置換ナジイミド化合物をさらに含有していてもよい。アルケニル置換ナジイミド化合物は1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。アルケニル置換ナジイミド化合物の含有量は、上記の目的から、ポリアミック酸またはその誘導体に対して1〜100重量%であることが好ましく、1〜70重量%であることがより好ましく、1〜50重量%であることがさらに好ましい。
アルケニル置換ナジイミド化合物は、本発明で用いられるポリアミック酸またはその誘導体を溶解する溶剤に溶解させることができる化合物であることが好ましい。好ましいアルケニル置換ナジイミド化合物には、特開2013−242526等に開示されているアルケニル置換ナジイミド化合物が挙げられる。特に好ましいアルケニル置換ナジイミド化合物としては、ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)が挙げられる。
<ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物>
例えば、本発明の液晶配向剤は、液晶表示素子の電気特性を長期に安定させる目的から、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物をさらに含有していてもよい。ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物は1種の化合物であってもよいし、2種以上の化合物であってもよい。なお、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物にはアルケニル置換ナジイミド化合物は含まれない。ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物の含有量は、上記の目的から、ポリアミック酸またはその誘導体に対して1〜100重量%であることが好ましく、1〜70重量%であることがより好ましく、1〜50重量%であることがさらに好ましい。
なお、アルケニル置換ナジイミド化合物に対するラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物の比率は、液晶表示素子のイオン密度を低減し、イオン密度の経時的な増加を抑制し、さらに残像の発生を抑制するために、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物/アルケニル置換ナジイミド化合物が重量比で0.1〜10であることが好ましく、0.5〜5であることがより好ましい。
好ましいラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物には、特開2013−242526等に開示されているラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物が挙げられる。
<オキサジン化合物>
例えば、本発明の液晶配向剤は、液晶表示素子における電気特性を長期に安定させる目的から、オキサジン化合物をさらに含有していてもよい。オキサジン化合物は1種の化合物であってもよいし、2種以上の化合物であってもよい。オキサジン化合物の含有量は、上記の目的から、ポリアミック酸またはその誘導体に対して0.1〜50重量%であることが好ましく、1〜40重量%であることがより好ましく、1〜20重量%であることがさらに好ましい。
オキサジン化合物は、ポリアミック酸またはその誘導体を溶解させる溶媒に可溶であり、加えて、開環重合性を有するオキサジン化合物が好ましい。好ましいオキサジン化合物には、式(OX−3−1)、式(OX−3−9)で表されるオキサジン化合物、他に、特開2013−242526等に開示されているオキサジン化合物が挙げられる。
Figure 2019014837
<オキサゾリン化合物>
例えば、本発明の液晶配向剤は、液晶表示素子における電気特性を長期に安定させる目的から、オキサゾリン化合物をさらに含有していてもよい。オキサゾリン化合物はオキサゾリン構造を有する化合物である。オキサゾリン化合物は1種の化合物であってもよいし、2種以上の化合物であってもよい。オキサゾリン化合物の含有量は、上記の目的から、ポリアミック酸またはその誘導体に対して0.1〜50重量%であることが好ましく、1〜40重量%であることがより好ましく、1〜20重量%であることが好ましい。または、オキサゾリン化合物の含有量は、オキサゾリン化合物中のオキサゾリン構造をオキサゾリンに換算したときに、ポリアミック酸またはその誘導体に対して0.1〜40重量%であることが、上記の目的から好ましい。
好ましいオキサゾリン化合物には、特開2013−242526等に開示されているオキサゾリン化合物が挙げられる。より好ましくは、1,3−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼンが挙げられる。
<エポキシ化合物>
例えば、本発明の液晶配向剤は、液晶表示素子における電気特性を長期に安定させる目的から、エポキシ化合物をさらに含有していてもよい。エポキシ化合物は1種の化合物であってもよいし、2種以上の化合物であってもよい。エポキシ化合物の含有量は、上記の目的から、ポリアミック酸またはその誘導体に対して0.1〜50重量%であることが好ましく、1〜40重量%であることがより好ましく、1〜20重量%であることがさらに好ましい。
エポキシ化合物としては、特開2013−242526等に開示されているエポキシ化合物が挙げられる。好ましいエポキシ化合物としては、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、(3,3’,4,4’−ジエポキシ)ビシクロヘキシルが挙げられる。
<添加剤>
また例えば、本発明の液晶配向剤は各種添加剤をさらに含有していてもよい。各種添加剤としては、例えばポリアミック酸およびその誘導体以外の高分子化合物、および低分子化合物が挙げられ、それぞれの目的に応じて選択して使用することができる。
例えば、前記高分子化合物としては、有機溶媒に可溶性の高分子化合物が挙げられる。このような高分子化合物を本発明の液晶配向剤に添加することは、形成される液晶配向膜の電気特性や配向性を制御する観点から好ましい。該高分子化合物としては、例えばポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、ポリエポキサイド、ポリエステルポリオール、シリコーン変性ポリウレタン、およびシリコーン変性ポリエステルが挙げられる。
また、前記低分子化合物としては、例えば1)塗布性の向上を望むときにはかかる目的に沿った界面活性剤、2)帯電防止の向上を必要とするときは帯電防止剤、3)基板との密着性の向上を望むときにはシランカップリング剤やチタン系のカップリング剤、また、4)低温でイミド化を進行させる場合はイミド化触媒、が挙げられる。
シランカップリング剤としては、特開2013−242526等に開示されているエシランカップリング剤が挙げられる。好ましいシランカップリング剤は3−アミノプロピルトリエトキシシランである。イミド化触媒としては、特開2013−242526等に開示されているイミド化触媒が挙げられる。
<液晶配向膜>
本発明の液晶配向膜について詳細に説明する。本発明の液晶配向膜は、前述した本発明の液晶配向剤の塗膜を加熱することによって形成される膜である。本発明の液晶配向膜は、液晶配向剤から液晶配向膜を作製する通常の方法によって得ることができる。例えば本発明の液晶配向膜は、本発明の液晶配向剤の塗膜を形成する工程と、加熱乾燥する工程と、加熱焼成する工程を経ることによって得ることができる。本発明の液晶配向膜については、必要に応じて後述の通り、加熱乾燥工程、加熱焼成工程を経て得られる膜をラビング処理して異方性を付与してもよい。または、必要に応じて、塗膜工程、加熱乾燥工程の後に光を照射して、または加熱焼成工程の後に光を照射して異方性を付与してもよい。またラビング処理をしないVA用液晶配向膜としても使用してもよい。
塗膜は、通常の液晶配向膜の作製と同様に、液晶表示素子における基板に本発明の液晶配向剤を塗布することによって形成することができる。基板には、ITO(IndiumTinOxide)、IZO(In−ZnO)、IGZO(In−Ga−ZnO)電極等の電極やカラーフィルタ等が設けられていてもよいガラス製、窒化ケイ素製、アクリル製、ポリカーボネイト製、ポリイミド製等の基板が挙げられる。
液晶配向剤を基板に塗布する方法としてはスピンナー法、印刷法、ディッピング法、滴下法、インクジェット法等が一般に知られている。これらの方法は本発明においても同様に適用可能である。
前記加熱乾燥工程は、オーブンまたは赤外炉の中で加熱処理する方法、ホットプレート上で加熱処理する方法等が一般に知られている。加熱乾燥工程は溶剤の蒸発が可能な範囲内の温度で実施することが好ましく、加熱焼成工程における温度に対して比較的低い温度で実施することがより好ましい。具体的には加熱乾燥温度は30℃〜150℃の範囲であること、さらには50℃〜120℃の範囲であることが好ましい。
前記加熱焼成工程は、前記ポリアミック酸またはその誘導体が脱水・閉環反応を呈するのに必要な条件で行うことができる。前記塗膜の焼成は、オーブンまたは赤外炉の中で加熱処理する方法、ホットプレート上で加熱処理する方法等が一般に知られている。これらの方法も本発明において同様に適用可能である。一般に100〜300℃程度の温度で1分間〜3時間行うことが好ましく、120〜280℃がより好ましく、150〜250℃がさらに好ましい。また、異なる温度で複数回加熱焼成することができる。異なる温度に設定された複数の加熱装置を用いてもよいし、1台の加熱装置を用いて、異なる温度に順次変化させながら行ってもよい。
異なる温度で2回加熱焼成を行う場合、1回目は90〜180℃、2回目は185℃以上の温度で行うのが好ましい。また、低温度から高温へと温度を変化させて焼成することができる。温度を変化させて焼成を行なう場合、初期温度は90〜180℃が好ましい。最終温度は185〜300℃が好ましく、190〜230℃がより好ましい。
本発明の液晶配向膜の形成方法において、液晶を水平および/または垂直方向に対して一方向に配向させるために、配向膜へ異方性を付与する手段として、ラビング法や光配向法など公知の形成方法を好適に用いることができる。
ラビング法を用いた本発明の液晶配向膜は、本発明の液晶配向剤を基板に塗布する工程と、配向剤を塗布した基板を加熱乾燥する工程と、その膜を加熱焼成する工程と、膜をラビング処理する工程とを経て形成することができる。
ラビング処理は、通常の液晶配向膜の配向処理のためのラビング処理と同様に行うことができ、本発明の液晶配向膜において十分なリタデーションが得られる条件であればよい。好ましい条件は、毛足押し込み量0.2〜0.8mm、ステージ移動速度5〜250mm/sec、ローラー回転速度500〜2,000rpmである。
光配向法による本発明の液晶配向膜の形成方法について、詳細に説明する。光配向法を用いた本発明の液晶配向膜は、塗膜を加熱乾燥した後、放射線の直線偏光または無偏光を照射することにより、塗膜に異方性を付与し、その膜を加熱焼成することにより形成することができる。または、塗膜を加熱乾燥し、加熱焼成した後に、放射線の直線偏光または無偏光を照射することにより形成する事ができる。配向性の点から、放射線の照射工程は加熱焼成工程前に行うのが好ましい。
さらに、液晶配向膜の液晶配向能を上げるために、塗膜を加熱しながら放射線の直線偏光または無偏光を照射することもできる。放射線の照射は、塗膜を加熱乾燥する工程、または加熱焼成する工程で行ってもよく、加熱乾燥工程と加熱焼成工程の間に行ってもよい。該工程における加熱乾燥温度は、30℃〜150℃の範囲であること、さらには50℃〜120℃の範囲であることが好ましい。また該工程における加熱焼成温度は、30℃〜300℃の範囲であること、さらには50℃〜250℃の範囲であることが好ましい。
放射線としては、例えば150〜800nmの波長の光を含む紫外線または可視光を用いることができるが、300〜400nmの光を含む紫外線が好ましい。また、直線偏光または無偏光を用いることができる。これらの光は、前記塗膜に液晶配向能を付与することができる光であれば特に限定されないが、液晶に対して強い配向規制力を発現させたい場合、直線偏光が好ましい。
本発明の液晶配向膜は、低エネルギーの光照射でも高い液晶配向能を示すことができる。前記放射線照射工程における直線偏光の照射量は0.05〜20J/cmであることが好ましく、0.5〜10J/cmがより好ましい。また直線偏光の波長は200〜400nmであることが好ましく、300〜400nmであることがより好ましい。直線偏光の膜表面に対する照射角度は特に限定されないが、液晶に対する強い配向規制力を発現させたい場合、膜表面に対してなるべく垂直であることが配向処理時間短縮の観点から好ましい。また、本発明の液晶配向膜は、直線偏光を照射することにより、直線偏光の偏光方向に対して垂直な方向に液晶を配向させることができる。
放射線の直線偏光または無偏光を照射する工程に使用する光源には、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、Deep UVランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ、エキシマランプ、KrFエキシマレーザー、蛍光ランプ、LEDランプ、ナトリウムランプ、マイクロウェーブ励起無電極ランプ、などを制限なく用いることができる。
本発明の液晶配向膜は、前述した工程以外の他の工程をさらに含む方法によって好適に得られる。例えば、本発明の液晶配向膜は焼成または放射線照射後の膜を洗浄液で洗浄する工程は必須としないが、他の工程の都合で洗浄工程を設けることができる。
洗浄液による洗浄方法としては、ブラッシング、ジェットスプレー、蒸気洗浄または超音波洗浄等が挙げられる。これらの方法は単独で行ってもよいし、併用してもよい。洗浄液としては純水または、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の各種アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン等のハロゲン系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類を用いることができるが、これらに限定されるものではない。もちろん、これらの洗浄液は十分に精製された不純物の少ないものが用いられる。このような洗浄方法は、本発明の液晶配向膜の形成における前記洗浄工程にも適用することができる。
本発明の液晶配向膜の液晶配向能を高めるために、加熱焼成工程の前後、ラビング工程の前後、または、偏光または無偏光の放射線照射の前後に、熱や光によるアニール処理を用いることができる。該アニール処理において、アニール温度が30〜180℃、好ましくは50〜150℃であり、時間は1分〜2時間が好ましい。また、アニール処理に使用するアニール光には、UVランプ、蛍光ランプ、LEDランプなどが挙げられる。光の照射量は0.3〜10J/cmであることが好ましい。
本発明の液晶配向膜の膜厚は、特に限定されないが、10〜300nmであることが好ましく、30〜150nmであることがより好ましい。本発明の液晶配向膜の膜厚は、段差計やエリプソメータ等の公知の膜厚測定装置によって測定することができる。
本発明の液晶配向膜は特に大きな配向の異方性を持つことを特徴とする。このような異方性の大きさは特開2005−275364等に記載の偏光IRを用いた方法で評価する事ができる。また以下の実施例に示すようにエリプソメトリーを用いた方法によっても評価することができる。詳しくは、分光エリプソメータによって液晶配向膜のリタデーション値を測定することができる。膜のリタデーション値は重合体主鎖の配向度に比例して大きくなる。すなわち、大きなリタデーション値を持つものは、大きな配向度を持ち、液晶配向膜として使用した場合、より大きな異方性を持つ配向膜が液晶組成物に対し大きな配向規制力を持つと考えられる。
本発明の液晶配向膜は横電界方式の液晶表示素子に好適に用いることができる。横電界方式の液晶表示素子に用いる場合、Pt角が小さいほど、また液晶配向能が高いほど暗状態での黒表示レベルは高くなり、コントラストが向上する。Pt角は0.1°以下が好ましい。
本発明の液晶配向膜は、スマートフォン、タブレット、車載モニター、テレビ等、液晶ディスプレイ用の液晶組成物の配向制御に用いることができる。液晶ディスプレイ用の液晶組成物の配向用途以外に、光学補償材やその他すべての液晶材料の配向制御に用いることができる。また本発明の配向膜は大きな異方性を有するので、単独で光学補償材用途に使用することができる。
<液晶表示素子>
本発明の液晶表示素子について詳細に説明する。本発明は、対向配置されている一対の基板と、前記一対の基板それぞれの対向している面の一方または両方に形成されている電極と、前記一対の基板それぞれの対向している面に形成された液晶配向膜と、前記一対の基板間に形成された液晶層とを有する液晶表示素子において、前記液晶配向膜が本発明の配向膜である液晶表示素子を提供する。
前記電極は、基板の一面に形成される電極であれば特に限定されない。このような電極には、例えばITOや金属の蒸着膜等が挙げられる。また電極は、基板の一方の面の全面に形成されていてもよいし、例えばパターン化されている所望の形状に形成されていてもよい。電極の前記所望の形状には、例えば櫛型またはジグザグ構造等が挙げられる。電極は、一対の基板のうちの一方の基板に形成されていてもよいし、両方の基板に形成されていてもよい。電極の形成の形態は液晶表示素子の種類に応じて異なり、例えばIPS型液晶表示素子の場合は前記一対の基板の一方に電極が配置され、その他の液晶表示素子の場合は前記一対の基板の双方に電極が配置される。前記基板または電極の上に前記液晶配向膜が形成される。
前記液晶層は、液晶配向膜が形成された面が対向している前記一対の基板によって液晶組成物が挟持される形で形成される。液晶層の形成では、微粒子や樹脂シート等の、前記一対の基板の間に介在して適当な間隔を形成するスペーサを必要に応じて用いることができる。
液晶層の形成方法としては、真空注入法とODF(One Drop Fill)法が知られている。真空注入法では、配向膜面が対向するように、空隙(セルギャップ)を設けて、かつ液晶の注入口を残して、シールを印刷し、基板を張り合わせる。基板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内に、真空差圧を利用して液晶を注入充填した後、注入口を封止し、液晶表示素子を製造する。ODF法では、一対の基板のうちの一方の配向膜面の外周にシール剤を印刷し、シール剤の内側の領域に液晶を滴下した後、配向膜面が対向するように他方の基板を張り合わせる。そして、液晶を基板の前面に押し広げ、次いで基板の全面に紫外光を照射してシール剤を硬化し、液晶表示素子を製造する。基板の張り合わせに用いられるシール剤には、UV硬化型以外に熱硬化型も知られている。シール剤の印刷は、例えばスクリーン印刷法により行なうことができる。
液晶組成物には、特に制限はなく、誘電率異方性が正または負の各種の液晶組成物を用いることができる。誘電率異方性が正の好ましい液晶組成物には、特許3086228、特許2635435、特表平5−501735、特開平8−157826、特開平8−231960、特開平9−241644(EP885272A1)、特開平9−302346(EP806466A1)、特開平8−199168(EP722998A1)、特開平9−235552、特開平9−255956、特開平9−241643(EP885271A1)、特開平10−204016(EP844229A1)、特開平10−204436、特開平10−231482、特開2000−087040、特開2001−48822等に開示されている液晶組成物が挙げられる。
前記負の誘電率異方性を有する液晶組成物の好ましい例として、特開昭57−114532、特開平2−4725、特開平4−224885、特開平8−40953、特開平8−104869、特開平10−168076、特開平10−168453、特開平10−236989、特開平10−236990、特開平10−236992、特開平10−236993、特開平10−236994、特開平10−237000、特開平10−237004、特開平10−237024、特開平10−237035、特開平10−237075、特開平10−237076、特開平10−237448(EP967261A1)、特開平10−287874、特開平10−287875、特開平10−291945、特開平11−029581、特開平11−080049、特開2000−256307、特開2001−019965、特開2001−072626、特開2001−192657、特開2010−037428、国際公開2011/024666、国際公開2010/072370、特表2010−537010、特開2012−077201、特開2009−084362等に開示されている液晶組成物が挙げられる。
誘電率異方性が正または負の液晶組成物に1種以上の光学活性化合物を添加して使用することも何ら差し支えない。
また例えば、本発明の液晶表示素子に用いる液晶組成物は、例えば配向性を向上させる観点から、添加物をさらに添加してもよい。このような添加物は、光重合性モノマー、光学活性な化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素、消泡剤、重合開始剤、重合禁止剤などである。好ましい光重合性モノマー、光学活性な化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素、消泡剤、重合開始剤、重合禁止剤には、特開2013−242526等に開示されているオキサジン化合物が挙げられる。
PSA(polymer sustained alignment)モードの液晶表示素子に適合させるために重合可能な化合物を液晶組成物に混合することができる。重合可能な化合物の好ましい例はアクリレート、メタクリレート、ビニル化合物、ビニルオキシ化合物、プロペニルエーテル、エポキシ化合物(オキシラン、オキセタン)、ビニルケトンなどの重合可能な基を有する化合物である。好ましい化合物には、特開2013−242526等に開示されている化合物が挙げられる。
以下、本発明を実施例により説明する。なお、実施例において用いる評価法および化合物は次の通りである。
1.重量平均分子量(Mw)
ポリアミック酸の重量平均分子量は、2695セパレーションモジュール・2414示差屈折計(Waters製)を用いてGPC法により測定し、ポリスチレン換算することにより求めた。得られたポリアミック酸をリン酸−DMF混合溶液(リン酸/DMF=0.6/100:重量比)で、ポリアミック酸濃度が約2重量%になるように希釈した。カラムはHSPgel RT MB−M(Waters製)を使用し、前記混合溶液を展開剤として、カラム温度50℃、流速0.40mL/minの条件で測定を行った。標準ポリスチレンは東ソー(株)製TSK標準ポリスチレンを用いた。
2.鉛筆硬度
JIS規格「JIS−K−5400、8.4、鉛筆引掻試験」の方法に従った。結果を鉛筆の芯の硬さで表した。鉛筆硬度が低いと剥がれや削れが発生しやすく、この値が2Hよりも大きいと、削れ等が発生しにくい配向膜が得られる。
3.AC残像測定
後述する液晶表示素子の輝度−電圧特性(B−V特性)を測定した。これをストレス印加前の輝度−電圧特性:B(before)とする。次に、素子に4.5V、60Hzの交流を20分間印加した後、1秒間ショートし、再び輝度−電圧特性(B−V特性)を測定した。これをストレス印加後の輝度−電圧特性:B(after)とする。これらの値をもとに、輝度変化率ΔB(%)を、

ΔB(%)=[B(after)−B(before)]/B(before) (式1)

の式を用いて見積もった。これらの測定は国際公開2000/43833号パンフレットを参考に行った。電圧0.75VにおけるΔB(%)の値が小さいほど、AC残像の発生を抑制できるといえ、3.0%以下が好ましい。
<テトラカルボン酸二無水物>
Figure 2019014837
<溶剤>
NMP: N−メチル−2−ピロリドン
BC: ブチルセロソルブ(エチレングリコールモノブチルエーテル)
GBL: γ−ブチロラクトン
<添加剤>
添加剤(Ad1): N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン
添加剤(Ad2): 1,3−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン
添加剤(Ad3): 2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
添加剤(Ad4): セロキサイド8000(商品名、(株)ダイセル製)
[合成例1]化合物(1−1−2)(式(1−1);n=2)の合成
<第一段階:薗頭反応>
還流管、温度計、窒素導入管および滴下漏斗を装着した2000mL3つ口フラスコに、4−ブロモフタル酸ジメチル(100.0g、366.2mmol)、ヨウ化銅(I)(3.49g、18.3mmol)、PdCl(PPh(12.9g、18.3mmol)およびトリエチルアミン(1500mL)を加えた。その後、プロパルギルアルコール(22.6g、402.8mmol)を滴下し、溶液を3時間窒素雰囲気下で還流撹拌した。反応溶液を飽和重曹水(1000mL)にあけ、酢酸エチル(1000mL)加えて抽出操作を行った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去して粗体を得た。粗体をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、下記の化合物を得た(収量85.3g、収率94%)。
Figure 2019014837
<第二段階:還元反応>
オートクレーブに、第二段階で得た化合物(85.3g、343.6mmol)、Pd/C(4.2g)およびメタノール(600mL)を加えた。反応系内を水素ガス(5.0atm.)で置換した後、溶液を48時間窒60℃で撹拌した。Pd/Cを濾別した後、溶媒を減圧留去して粗体を得た。粗体をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、下記の化合物を得た(収量78.6g、収率91%)。
Figure 2019014837
<第三段階:酸化反応>
温度計、窒素導入管および滴下漏斗を装着した3000mL3つ口フラスコに、塩化オキザリル(47.5g、373.9mmol)、ジクロロメタン(1500mL)を加え、−78℃に冷却した。その後、ジメチルスルホキシド(26.8g、342.7mmol)を滴下し、−78℃で5分間撹拌した。この溶液に第二段階で得た化合物(78.6g、311.6mmol)をジクロロメタン(300mL)に溶解させて滴下し、−78℃で15分間撹拌した。その後、トリエチルアミン(157.6g、1560mmol)を加え、溶液の温度を徐々に室温まで昇温し、室温で12時間撹拌した。時間窒素雰囲気下で還流撹拌した。反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液(1000mL)にあけ、抽出操作を行った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去して粗体を得た。粗体をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、下記の化合物を得た(収量62.5g、収率80%)。
Figure 2019014837
<第四段階:ジブロモアルケンの合成>
温度計、窒素導入管および滴下漏斗を装着した3000mL3つ口フラスコに、第三段階で得た化合物(62.5g、249.8mmol)、ジクロロメタン(1500mL)を加え、次いで四臭化炭素(331.3g、999.0mmol)と亜鉛粉末(65.3g、999.0mmol)を加えた。溶液を氷浴で冷却しながら、トリフェニルホスフィン(262.0g、999.0mmol)をゆっくりと加え、室温で12時間撹拌した。その後、トリエチルアミン(157.6g、1560mmol)を加え、溶液の温度を徐々に室温まで昇温し、室温で12時間撹拌した。反応溶液をトルエン(1500mL)にあけ、セライトでろ過した。ろ液の溶媒を減圧留去して粗体を得た後、粗体をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、下記の化合物を得た(収量95.4g、収率94%)。
Figure 2019014837
<第五段階:アセチレンの合成>
温度計、窒素導入管および滴下漏斗を装着した3000mL3つ口フラスコに、第四段階で得た化合物(95.4g、234.9mmol)、テトラヒドロフラン(500mL)を加え、溶液を−78℃に冷却した。ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M、308mL、493mmol)を滴下し、同温で1時間撹拌した。その後、溶液の温度を徐々に室温まで昇温し、さらに1時間撹拌した。反応溶液を水(1500mL)にあけ、酢酸エチル(1000mL)を加えて抽出操作を行った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去して粗体を得た。粗体をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、下記の化合物を得た(収量48.2g、収率83%)。
Figure 2019014837
<第六段階:二量化反応>
温度計、滴下漏斗を装着した2000mL3つ口フラスコに、第五段階で得た化合物(48.2g、195.7mmol)、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(13.7g、117.9mmol)および1,2−ジメトキシエタン(500mL)を加えた。その後、塩化銅(I)(9.7g、97.9mmol)をゆっくりと加え、溶液を3時間空気雰囲気下で撹拌した。反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液(500mL)にあけ、酢酸エチル(500mL)加えて抽出操作を行った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去して粗体を得た。粗体をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、下記の化合物を得た(収量68.1g、収率71%)。
Figure 2019014837
<第七段階:加水分解反応>
還流管、温度計および滴下漏斗を装着した1000mL3つ口フラスコに、第六段階で得た化合物(68.1g、138.8mmol)およびメタノール(150mL)を加えた。そこに水酸化ナトリウム(40.0g、1000mmol)を水(160mL)に溶かしてゆっくりと加え、溶液を3時間空気雰囲気下で還流撹拌した。反応溶液を5N 塩酸水溶液(250mL)にあけ、酢酸エチル(250mL)を加えて抽出操作を行った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去して下記の化合物を得た(収量59.5g、収率99%)。
Figure 2019014837
<第八段階:閉環反応>
還流管、温度計、窒素導入管および滴下漏斗を装着した1000mL3つ口フラスコに、第七段階で得た化合物(59.5g、137.0mmol)および無水酢酸(240mL)を加え、3時間窒素雰囲気下で還流撹拌した。反応溶液を室温に放冷した後、析出した固体を減圧濾取し下記の化合物(1−1−2)を得た(収量42.8g、収率78%)。
Figure 2019014837
[合成例2]式(1−1−6)(式(1−1);n=6)の合成
<第一段階:薗頭反応>
還流管、温度計、窒素導入管および滴下漏斗を装着した2000mL3つ口フラスコに、4−ブロモフタル酸ジメチル(100.0g、366.2mmol)、ヨウ化銅(I)(3.49g、18.3mmol)、PdCl(PPh(12.9g、18.3mmol)およびトリエチルアミン(1500mL)を加えた。その後、6−ヘプチン−1−オール(49.3g、439.4mmol)を滴下し、溶液を3時間窒素雰囲気下で還流撹拌した。反応溶液を飽和重曹水(1000mL)にあけ、酢酸エチル(1000mL)加えて抽出操作を行った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去して粗体を得た。粗体をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、下記の化合物を得た(収量102.5g、収率92%)。
Figure 2019014837
<第二段階:還元反応>
オートクレーブに、第二段階で得た化合物(100.0g、328.6mmol)、Pd/C(10.0g)およびメタノール(500mL)を加えた。反応系内を水素ガス(5.0atm.)で置換した後、溶液を48時間窒60℃で撹拌した。Pd/Cを濾別した後、溶媒を減圧留去して粗体を得た。粗体をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、下記の化合物を得た(収量98.6g、収率98%)。
Figure 2019014837
<第三段階:酸化反応>
温度計、窒素導入管および滴下漏斗を装着した3000mL3つ口フラスコに、塩化オキザリル(46.9g、369.7mmol)、ジクロロメタン(1500mL)を加え、−78℃に冷却した。その後、ジメチルスルホキシド(26.5g、338.9mmol)を滴下し、−78℃で5分間撹拌した。この溶液に第二段階で得た化合物(95.0g、308.1mmol)をジクロロメタン(300mL)に溶解させて滴下し、−78℃で15分間撹拌した。その後、トリエチルアミン(155.9g、1540mmol)を加え、溶液の温度を徐々に室温まで昇温し、室温で12時間撹拌した。時間窒素雰囲気下で還流撹拌した。反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液(1000mL)にあけ、抽出操作を行った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去して粗体を得た。粗体をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、下記の化合物を得た(収量72.2g、収率77%)。
Figure 2019014837
<第四段階:ジブロモアルケンの合成>
温度計、窒素導入管および滴下漏斗を装着した3000mL3つ口フラスコに、第三段階で得た化合物(70.0g、228.5mmol)、ジクロロメタン(1500mL)を加え、次いで四臭化炭素(303.1g、914.0mmol)と亜鉛粉末(59.8g、914.0mmol)を加えた。溶液を氷浴で冷却しながら、トリフェニルホスフィン(239.7g、914.0mmol)をゆっくりと加え、室温で12時間撹拌した。反応溶液をトルエン(1500mL)にあけ、セライトでろ過した。ろ液の溶媒を減圧留去して粗体を得た後、粗体をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、下記の化合物を得た(収量99.7g、収率94%)。
Figure 2019014837
<第五段階:アセチレンの合成>
温度計、窒素導入管および滴下漏斗を装着した3000mL3つ口フラスコに、第四段階で得た化合物(95.0g、205.6mmol)、テトラヒドロフラン(500mL)を加え、溶液を−78℃に冷却した。ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M、270mL、431.7mmol)を滴下し、同温で1時間撹拌した。その後、溶液の温度を徐々に室温まで昇温し、さらに1時間撹拌した。反応溶液を水(1500mL)にあけ、酢酸エチル(1000mL)を加えて抽出操作を行った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去して粗体を得た。粗体をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、下記の化合物を得た(収量49.6g、収率80%)。
Figure 2019014837
<第六段階:二量化反応>
温度計、滴下漏斗を装着した3000mL3つ口フラスコに、第五段階で得た化合物(45.0g、148.8mmol)、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(11.8g、101.2mmol)および1,2−ジメトキシエタン(500mL)を加えた。その後、塩化銅(I)(7.4g、74.4mmol)をゆっくりと加え、溶液を3時間空気雰囲気下で撹拌した。反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液(500mL)にあけ、酢酸エチル(500mL)加えて抽出操作を行った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去して粗体を得た。粗体をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、下記の化合物を得た(収量35.7g、収率80%)。
Figure 2019014837
<第七段階:加水分解反応>
還流管、温度計および滴下漏斗を装着した1000mL3つ口フラスコに、第六段階で得た化合物(35.0g、58.1mmol)およびメタノール(150mL)を加えた。そこに水酸化ナトリウム(13.9g、348.4mol)を水(60mL)に溶かしてゆっくりと加え、溶液を3時間空気雰囲気下で還流撹拌した。反応溶液を5N 塩酸水溶液(100mL)にあけ、酢酸エチル(250mL)を加えて抽出操作を行った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去して下記の化合物を得た(収量28.1g、収率89%)。
Figure 2019014837
<第八段階:閉環反応>
還流管、温度計、窒素導入管および滴下漏斗を装着した1000mL3つ口フラスコに、第七段階で得た化合物(25.0g、45.7mmol)および無水酢酸(100mL)を加え、3時間窒素雰囲気下で還流撹拌した。反応溶液を室温に放冷した後、析出した固体を減圧濾取し下記の化合物(1−1−6)を得た(収量19.2g、収率82%)。
Figure 2019014837
[合成例3]ワニスの合成
攪拌翼、窒素導入管を装着した100mL3つ口フラスコに、式(V−2−1)で表される化合物1.8599gおよび式(DI−13−1)で表される化合物0.2613gを入れ、N−メチル−2−ピロリドンを54.0g加えた。その溶液を氷冷させ液温を5℃とした後、式(1−1)で表される化合物3.8788gおよびN−メチル−2−ピロリドン20.0gを加え、12時間室温で攪拌させた。そこにブチルセロソルブ20.0gを加え、溶質のポリマーの重量平均分子量が所望する重量平均分子量になるまで、その溶液を70℃で加熱攪拌し、固形分6wt%のワニス1を得た。このワニスの重量平均分子量(Mw)は11,000であった。
[合成例4〜41]
テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを変更した以外は、合成例3に準拠して、ポリマー固形分濃度が6重量%のワニス4〜ワニス41を調製した。得られたワニスの組成、重量平均分子量(Mw)を表1−1、1−2、1−3、および表1−4に示す。合成例3も再掲する。[ ]内はテトラカルボン酸化合物群、ジアミン化合物群の中でのそれぞれのモル比を表す。
Figure 2019014837
Figure 2019014837
Figure 2019014837
Figure 2019014837
[実施例1]液晶配向剤の調製、AC残像測定用液晶セルの作製、鉛筆硬度測定用基板の作製、AC残像測定、および鉛筆硬度測定
攪拌翼、窒素導入管を装着した50mLナスフラスコに合成例3で合成したワニス1を3.0gおよび合成例26で合成したワニス24を7.0g秤取り、そこにN−メチル−2−ピロリドン4.0g、γ−ブチロラクトン3.0gおよびブチルセロソルブ3.0gを加え室温で1時間攪拌し樹脂分濃度3重量%の液晶配向剤1を得た。この液晶配向剤をFFS電極付きガラス基板およびカラムスペーサー付きガラス基板にスピンナー法により塗布した(2,000rpm、15秒)。塗布後、基板を80℃で3分間加熱し、溶剤を蒸発させた後、ウシオ電機(株)製マルチライトML−501C/Bを用い、基板に対して鉛直方向から、偏光板を介して紫外線の直線偏光を照射した。この時の露光エネルギーは、ウシオ電機(株)製紫外線積算光量計UIT−150(受光器:UVD−S365)を用いて光量を測定し、波長365nmで0.8±0.1J/cmになるよう、露光時間を調整した。230℃にて20分間焼成処理を行い、膜厚およそ100nmの膜を形成した。次いで、これらの液晶配向膜が形成された基板2枚を、液晶配向膜が形成されている面を対向させ、かつ、対向する液晶配向膜の間に液晶組成物を注入するための空隙を設けて貼り合わせた。この時、それぞれの液晶配向膜に照射された直線偏光の偏光方向が平行になるようにした。これらのセルにネガ型液晶組成物Aを真空注入し、注入口を光硬化剤で封止して、セル厚4μmの液晶セル(液晶表示素子)を作製した。
<ネガ型液晶組成物A>
Figure 2019014837
別途、液晶配向剤1をITO電極付きガラス基板にスピンナー法により塗布した(2,000rpm、15秒)。塗布後、基板を80℃で3分間加熱し、溶剤を蒸発させた後、ウシオ電機(株)製マルチライトML−501C/Bを用い、基板に対して鉛直方向から、偏光板を介して紫外線の直線偏光を照射した。この時の露光エネルギーは、ウシオ電機(株)製紫外線積算光量計UIT−150(受光器:UVD−S365)を用いて光量を測定し、波長365nmで0.8±0.1J/cmになるよう、露光時間を調整した。230℃にて20分間焼成処理を行い、膜厚およそ100nmの膜を形成した。この基板を使用し、鉛筆硬度の測定を行った。
液晶セルのAC残像を測定したところ、1.8%であった。また、基板の鉛筆硬度は3Hであった。
[実施例2〜20および比較例1〜3]
使用するワニスを変更した以外は、実施例1に準拠して、液晶セルおよび基板を作成し、AC残像および鉛筆硬度を測定した。使用したワニスおよび測定結果を実施例1と併せて表2に示す。なお表2中、ワニスAは光反応性構造を有する原料を使用するポリマーを含有するワニス、ワニスBは光反応性構造を有する原料を使用しないポリマーを含有するワニスであることを示す。
Figure 2019014837
実施例1〜20のすべてのサンプルにおいて膜硬度は良好であった。また、いずれのサンプルにおいてもAC残像は良好であった。比較例1のサンプルは、AC残像は良好であったが、鉛筆硬度が低く、比較例2は、AC残像も鉛筆硬度も不十分であった。比較例3は、鉛筆硬度は高かったが、AC残像が悪かった。
[実施例21]
攪拌翼、窒素導入管を装着した50mLナスフラスコに合成例3で合成したワニス1を3.0gおよび合成例26で合成したワニス24を7.0g秤取り、そこにN−メチル−2−ピロリドン4.0g、γ−ブチロラクトン3.0g、ブチルセロソルブ3.0gおよび添加剤(Ad1)30mgを加え、室温で1時間攪拌し樹脂分濃度3重量%、添加剤濃度が樹脂分100重量部当たり5重量部の液晶配向剤24を得た。得られた液晶配向剤24を用いて、実施例1に記載の方法に準じ液晶セルおよび基板を作製し、AC残像および鉛筆硬度を測定した。AC残像は2.3%、鉛筆硬度は4Hであった。
[実施例22〜40および比較例4〜6]
使用するワニスと添加剤を変更した以外は、実施例1に準拠して、液晶セルおよび基板を作成し、AC残像および鉛筆硬度を測定した。使用したワニス、添加剤および測定結果を実施例21と併せて表3に示す。なお表3中、ワニスAは光反応性構造を有する原料を使用するポリマーを含有するワニス、ワニスBは光反応性構造を有する原料を使用しないポリマーを含有するワニスであることを示す。
Figure 2019014837
実施例21〜40のすべてのサンプルにおいて膜硬度は良好であった。また、いずれのサンプルにおいてもAC残像は良好であった。比較例4のサンプルは、AC残像は良好であったが、鉛筆硬度が低く、比較例5は、AC残像も鉛筆硬度も不十分であった。比較例6は、鉛筆硬度は高かったが、AC残像が悪かった。
[実施例41]液晶配向剤の調製、AC残像測定用液晶セルの作製、鉛筆硬度測定用基板の作製、AC残像測定、および鉛筆硬度測定
攪拌翼、窒素導入管を装着した50mLナスフラスコに合成例32で合成したワニス30を10.0g秤取り、そこにN−メチル−2−ピロリドン4.0g、γ−ブチロラクトン3.0gおよびブチルセロソルブ3.0gを加え室温で1時間攪拌し樹脂分濃度3重量%の液晶配向剤47を得た。この液晶配向剤をFFS電極付きガラス基板およびカラムスペーサー付きガラス基板にスピンナー法により塗布した(2,000rpm、15秒)。塗膜後80℃にて約5分間予備焼成した後、200℃にて30分間焼成処理を行い膜厚およそ100nmの液晶配向膜を形成した。得られた液晶配向膜を株式会社飯沼ゲージ製作所製のラビング処理装置を用いて、ラビング布(毛足長1.9mm:レーヨン)の毛足押し込み量0.40mm、ステージ移動速度を60mm/sec、ローラー回転速度を1000rpmの条件で、ラビング処理した。得られた基板をエタノール中で5分間超音波洗浄後、超純水にて表面を洗浄してからオーブン中120℃で30分間乾燥した。次いで、これらの液晶配向膜が形成された基板2枚を、液晶配向膜が形成されている面を対向させ、かつ、対向する液晶配向膜の間に液晶組成物を注入するための空隙を設けて貼り合わせた。この時、それぞれの液晶配向膜のラビング方向が平行になるようにした。これらのセルにネガ型液晶組成物Aを真空注入し、注入口を光硬化剤で封止して、セル厚4μmの液晶セル(液晶表示素子)を作製した。
別途、液晶配向剤47をITO電極付きガラス基板にスピンナー法により塗布した(2,000rpm、15秒)。塗膜後80℃にて約5分間予備焼成した後、200℃にて30分間焼成処理を行い膜厚およそ100nmの液晶配向膜を形成した。得られた液晶配向膜を株式会社飯沼ゲージ製作所製のラビング処理装置を用いて、ラビング布(毛足長1.9mm:レーヨン)の毛足押し込み量0.40mm、ステージ移動速度を60mm/sec、ローラー回転速度を1000rpmの条件で、ラビング処理した。この基板を使用し、鉛筆硬度の測定を行った。
液晶セルのAC残像を測定したところ、2.1%であった。また、基板の鉛筆硬度は3Hであった。
[実施例42〜47および比較例7〜9]
使用するワニスを変更した以外は、実施例41に準拠して、液晶セルおよび基板を作成し、AC残像および鉛筆硬度を測定した。使用したワニスおよび測定結果を実施例41と併せて表4に示す。
Figure 2019014837
実施例41〜47のすべてのサンプルにおいて膜硬度は良好であった。また、いずれのサンプルにおいてもAC残像は良好であった。比較例7のサンプルは、AC残像は良好であったが、鉛筆硬度が低く、比較例8は、AC残像も鉛筆硬度も不十分であった。比較例9は、鉛筆硬度は高かったが、AC残像が悪かった。
本発明の特定のテトラカルボン酸二無水物(1)を原料として用いたポリアミック酸およびその誘導体を液晶配向剤として用いれば、液晶配向膜の膜硬度が高く、液晶分子の配向性に優れ、かつ残像特性の良い配向膜を得ることができる。そして表示特性に優れた液晶表示素子を提供することができる。特に横電界方式の液晶表示素子であるIPSモードやFFSモードに好適に用いることができる。

Claims (13)

  1. 下記式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1つを含むテトラカルボン酸二無水物とジアミンからの反応生成物であるポリマーを含有する液晶配向剤;
    ここで、前記ポリマーはポリアミック酸、ポリイミド、部分ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリアミック酸−ポリアミドコポリマー、およびポリアミドイミドからなる群から選ばれる少なくとも1つである。
    Figure 2019014837
    式(1)中、RおよびRは独立して炭素数1〜8の直鎖アルキレンであり、該アルキレンの任意の−CH−は、−O−で置き換えられてもよい。
  2. 前記式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物以外のテトラカルボン酸二無水物およびジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1つが、光反応性構造を有する下記式(V)で表されるテトラカルボン酸二無水物またはジアミンである、請求項1に記載の液晶配向剤。
    Figure 2019014837
    式(V)中、RおよびRは−NHを有する1価の有機基または−CO−O−CO−を有する1価の有機基である。
  3. テトラカルボン酸二無水物とジアミンからの反応生成物であるポリマー[A]およびポリマー[B]を含んでなる液晶配向剤であって;
    前記ポリマーの原料モノマーの少なくとも1つが、光反応性構造を有する下記式(V)で表されるテトラカルボン酸二無水物またはジアミンであり、かつ、前記ポリマーの原料モノマーが下記式(1)で表される化合物の少なくとも1つを含む、液晶配向剤;
    ここで、前記ポリマーはポリアミック酸、ポリイミド、部分ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリアミック酸−ポリアミドコポリマー、およびポリアミドイミドからなる群から選ばれる少なくとも1つである。
    Figure 2019014837
    式(V)中、RおよびRは−NHを有する1価の有機基または−CO−O−CO−を有する1価の有機基である。
    Figure 2019014837
    式(1)中、RおよびRは独立して炭素数1〜8の直鎖アルキレンであり、該アルキレンの任意の−CH−は、−O−で置き換えられてもよい。
  4. 前記ポリマー[A]の原料であるテトラカルボン酸二無水物およびジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1つが、前記式(V)で表されるテトラカルボン酸二無水物またはジアミンであり、かつ、前記テトラカルボン酸二無水物が前記式(1)で表される化合物の少なくとも1つを含み;
    前記ポリマー[B]の原料であるテトラカルボン酸二無水物およびジアミンのいずれもが前記式(V)で表されるテトラカルボン酸二無水物またはジアミンを含まず、かつ、前記テトラカルボン酸二無水物が前記式(1)で表される化合物を含まない、請求項3に記載の液晶配向剤。
  5. 前記ポリマー[A]の原料であるテトラカルボン酸二無水物およびジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1つが、前記式(V)で表されるテトラカルボン酸二無水物またはジアミンであり、かつ、前記テトラカルボン酸二無水物が前記式(1)で表される化合物の少なくとも1つを含み;
    前記ポリマー[B]の原料であるテトラカルボン酸二無水物およびジアミンのいずれもが前記式(V)で表されるテトラカルボン酸二無水物またはジアミンを含まず、かつ、前記テトラカルボン酸二無水物が前記式(1)で表される化合物の少なくとも1つを含む、請求項3に記載の液晶配向剤。
  6. 前記ポリマー[A]の原料であるテトラカルボン酸二無水物およびジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1つが、前記式(V)で表されるテトラカルボン酸二無水物またはジアミンであり、かつ、前記テトラカルボン酸二無水物が前記式(1)で表される化合物を含まず;
    前記ポリマー[B]の原料であるテトラカルボン酸二無水物およびジアミンのいずれもが前記式(V)で表されるテトラカルボン酸二無水物またはジアミンを含まず、かつ、前記テトラカルボン酸二無水物が前記式(1)で表される化合物の少なくとも1つを含む、請求項3に記載の液晶配向剤。
  7. 式(V)で表されるテトラカルボン酸二無水物またはジアミンが、式(V−1)〜(V−3)で表される化合物の群から選ばれる少なくとも1つである、請求項2〜6のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
    Figure 2019014837
    上記各式において、環を構成するいずれかの炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その環における結合位置が任意であることを示し;
    式(V−2)において、Rは独立して−CH、−OCH、−CF、または−COOCHであり、aは独立して0〜2の整数であり;
    式(V−3)において、環Aおよび環Bはそれぞれ独立して、単環式炭化水素、縮合多環式炭化水素および複素環から選ばれる少なくとも1つであり、
    12は、炭素数1〜20の直鎖アルキレン、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、または−N(CH)CO−であり、
    13は、炭素数1〜20の直鎖アルキレン、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、または−N(CH)CO−であり、
    12およびR13において、直鎖アルキレンの1つの−CH−または連続しない2つの−CH−は−O−で置換されてもよく、
    〜R11は、それぞれ独立して、−F、−CH、−OCH、−CF、または−OHであり、そして、
    b〜eは、それぞれ独立して0〜4の整数である。
  8. アルケニル置換ナジイミド化合物、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物、オキサジン化合物、オキサゾリン化合物、およびエポキシ化合物からなる化合物の群から選ばれる少なくとも1つをさらに含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の、横電界方式液晶表示素子用液晶配向剤。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の液晶配向剤から形成される液晶配向膜。
  11. 請求項10に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
  12. 下記式(1−1)で表されるテトラカルボン酸二無水物。
    Figure 2019014837
    式(1−1)において、nは独立して1〜8の整数である。
  13. 請求項12に記載のテトラカルボン酸二無水物を少なくとも1つ含むテトラカルボン酸無水物とジアミンからの反応生成物である、ポリアミック酸またはその誘導体。
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CN112194793A (zh) * 2019-07-08 2021-01-08 Jnc株式会社 聚酰胺酸组合物

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