JP2019014186A - ヘッドユニット、液体吐出装置及び集積回路装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動ICが搭載されたヘッドユニットにおいて、ヘッドユニットが大きくなることを低減し、さらに、転送される信号の歪みを低減することが可能なヘッドユニットを提供する。
【解決手段】液体を吐出する複数の吐出部と、駆動素子を封止するように備えられた基板と、基板上に配置された駆動ICと、を備え、駆動素子は、第1電圧信号に基づく駆動信号により駆動し、駆動ICは、平面視において長手方向に対向する第1短辺及び第2短辺を含む形状であって、第1電圧信号に基づき動作する高電圧回路領域と、第1電圧信号より低い電圧である第2電圧信号に基づき動作する低電圧回路領域と、転送配線が配線される転送領域と、第1短辺側に配置され転送配線の一端側と接続される第1端子と、第2短辺側に配置され転送配線の他端側に接続される第2端子と、を含み、転送領域と高電圧回路領域との最短距離は、転送領域と低電圧回路領域との最短距離よりも長い。
【選択図】図11
【解決手段】液体を吐出する複数の吐出部と、駆動素子を封止するように備えられた基板と、基板上に配置された駆動ICと、を備え、駆動素子は、第1電圧信号に基づく駆動信号により駆動し、駆動ICは、平面視において長手方向に対向する第1短辺及び第2短辺を含む形状であって、第1電圧信号に基づき動作する高電圧回路領域と、第1電圧信号より低い電圧である第2電圧信号に基づき動作する低電圧回路領域と、転送配線が配線される転送領域と、第1短辺側に配置され転送配線の一端側と接続される第1端子と、第2短辺側に配置され転送配線の他端側に接続される第2端子と、を含み、転送領域と高電圧回路領域との最短距離は、転送領域と低電圧回路領域との最短距離よりも長い。
【選択図】図11
Description
本発明は、ヘッドユニット、液体吐出装置及び集積回路装置に関する。
インクなどの液体を吐出することによって、画像や文書などを印刷する液体吐出装置が知られている。液体を吐出する吐出部は、典型的には、ピエゾ素子のような圧電素子を複数含み、それぞれが駆動信号にしたがって駆動されることにより、ノズルから所定のタイミングで所定量のインク等の液体を吐出させる。
このような液体吐出装置において高品質かつ高繊細の生成物を得るためには、生成物の解像度を上げる必要がある。そして、生成物の解像度を上げるためには、吐出部の高集積化が必要となる。吐出部の高集積化を実現することで、吐出部の距離に依存する解像度を高くすることが可能となる。
このような高集積化の技術として、特許文献1には、吐出部の流路及び圧電素子を含む構造体に、当該圧電素子を駆動する駆動ICを直接実装して、一体化する技術が開示されている。
このような圧電素子(駆動素子)を含む構造体と、当該圧電素子を駆動する駆動ICとが一体化されたヘッドユニットでは、インクを吐出するノズルが増加したとき形成されるノズル列が長くなり、1個の駆動ICで当該ノズル列の全てのノズルを駆動することができず、そのために、ヘッドユニットに複数の駆動ICを実装する必要がある。一方で、近年のヘッドユニットの小型化及び吐出部の高密度化に伴い、複数の駆動ICが実装されたヘッドユニットでは、複数の駆動ICのそれぞれに対して、圧電素子を駆動するための駆動信号及び駆動信号を制御するための制御信号等を供給する配線を配するだけの十分なスペースを、ヘッドユニット及びヘッドユニットの駆動ICが実装される配線基板に確保することが困難である。そして、当該スペースを確保するためには、例えば、ヘッドユニット及び配線基板を大きくしたり、また、駆動信号及び制御信号等を供給する配線を細くしたりする必要が生じるといった課題があった。
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、駆動ICが搭載されたヘッドユニットにおいて、ヘッドユニットが大きくなることを低減し、さらに、転送される信号の歪みを低減することが可能なヘッドユニットを提供することができる。また、本発明のいくつかの態様によれば、駆動ICが搭載されたヘッドユニットにおいて、ヘッドユニットが大きくなることを低減し、さらに、転送される信号の歪みを低減することが可能なヘッドユニットを備えた液体吐出装置を提供することができる。また、本発明のいくつかの態様によれば、駆動IC(集積回路装置)が搭載されたヘッドユニットにおいて、ヘッドユニットが大きくなることを低減し、さらに、転送される信号の歪みを低減することが可能なヘッドユニットの集積回路装置を提供することができる。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係るヘッドユニットは、駆動素子の駆動により液体を吐出する複数の吐出部と、前記駆動素子を封止するように備えられた基板と、前記基板上に配置された駆動ICと、を備え、前記駆動素子は、第1電圧信号に基づく駆動信号により駆動し、前記駆動ICは、平面視において長手方向に対向する第1短辺及び第2短辺を含む形状であって、前記第1電圧信号に基づき動作する高電圧回路領域と、前記第1電圧信号より低い電圧である第2電圧信号に基づき動作する低電圧回路領域と、転送配線が配線される転送領域と、前記第1短辺側に配置され前記転送配線の一端側と接続される第1端子と、前記第2短辺側に配置され前記転送配線の他端側と接続される第2端子と、を含み、前記転送領域と前記高電圧回路領域との最短距離は、前記転送領域と前記低電圧回路領域との最短距離よりも長い。
本適用例に係るヘッドユニットは、駆動素子の駆動により液体を吐出する複数の吐出部と、前記駆動素子を封止するように備えられた基板と、前記基板上に配置された駆動ICと、を備え、前記駆動素子は、第1電圧信号に基づく駆動信号により駆動し、前記駆動ICは、平面視において長手方向に対向する第1短辺及び第2短辺を含む形状であって、前記第1電圧信号に基づき動作する高電圧回路領域と、前記第1電圧信号より低い電圧である第2電圧信号に基づき動作する低電圧回路領域と、転送配線が配線される転送領域と、前記第1短辺側に配置され前記転送配線の一端側と接続される第1端子と、前記第2短辺側に配置され前記転送配線の他端側と接続される第2端子と、を含み、前記転送領域と前記高電圧回路領域との最短距離は、前記転送領域と前記低電圧回路領域との最短距離よりも長い。
「駆動素子」は、例えば、圧電素子でもよいし、発熱素子でもよい。
本適用例に係るヘッドユニットでは、駆動ICには転送領域が設けられ、この転送領域には、第1短辺側に備えられた第1端子に一端側が接続され、第2短辺側に備えられた第2端子に他端側が接続される転送配線が配置される。この転送配線により、駆動IC200は、例えば第1端子(又は第2端子)を介して入力された信号を、当該転送配線により第2端子(又は第1端子)に転送し、第2端子(又は第1端子)を介して駆動ICの外部に出力することができる。このように、駆動ICに転送配線が配置される転送領域が設けられることで、駆動ICに供給される信号が転送される配線の一部を当該転送配線により担うことが可能となる。これにより、駆動ICに供給される信号を転送する当該基板上の配線幅が細くなりすぎず、また、当該基板上に配される配線数を減らすことが可能となり、当該基板が大きくなることを低減することが可能となる。よって、当該基板が含まれるヘッドユニットが大きくなることを低減することができる。なお、転送配線で転送される信号は、その一部が当該駆動ICに入力されてもよい。
また、本適用例に係るヘッドユニットでは、駆動ICに配された転送領域は、ノイズが生じる可能性の高い高電圧回路領域から離れて設けられている。このため、高電圧回路領域により生じたノイズが転送領域に影響を及ぼすことを低減することができる。よって、転送領域に配された転送配線で転送される信号に歪みが生じることを低減することが可能となる。
[適用例2]
上記適用例に係るヘッドユニットにおいて、前記転送領域は、回路素子が形成されていない領域であってもよい。
上記適用例に係るヘッドユニットにおいて、前記転送領域は、回路素子が形成されていない領域であってもよい。
本適用例に係るヘッドユニットでは、駆動ICに配された転送領域に回路素子が形成されていないため、当該転送領域に生じる寄生容量を低減することが可能となる。よって、駆動ICの転送配線で転送される信号に対して、当該寄生容量による信号の歪み及び信号の遅延が生じることを低減することが可能となる。
[適用例3]
上記適用例に係るヘッドユニットにおいて、前記転送領域は、ノンドープ領域であってもよい。
上記適用例に係るヘッドユニットにおいて、前記転送領域は、ノンドープ領域であってもよい。
「ノンドープ領域」とは、駆動ICを構成するSi基板等に対して、イオンが打ち込まれていない領域又は微量のイオンが打ち込まれてはいるが、打ち込まれていない状態と同視できる領域である。
本適用例に係るヘッドユニットでは、駆動ICの転送領域がノンドープ領域であるため、当該転送領域に生じる寄生容量を低減することが可能となる。よって、駆動ICの転送配線で転送される信号に対して、当該寄生容量による信号の歪み及び信号の遅延が生じることを低減することが可能となる。
[適用例4]
上記適用例に係るヘッドユニットにおいて、前記転送配線は、複数のメタル配線で形成されていてもよい。
上記適用例に係るヘッドユニットにおいて、前記転送配線は、複数のメタル配線で形成されていてもよい。
本適用例に係るヘッドユニットでは、駆動ICに配された転送配線が複数層のメタル配線で形成されているため、当該配線のインピーダンスが低減される。すなわち、転送配線に生じる寄生抵抗を低減することが可能となる。よって、転送領域に配された転送配線で転送される信号に対して、当該寄生抵抗による信号の歪み及び信号レベルの低下が生じることを低減することが可能となる。
[適用例5]
上記適用例に係るヘッドユニットにおいて、前記第1端子には、前記基板から前記駆動ICの動作のタイミングを制御する信号が供給されていてもよい。
上記適用例に係るヘッドユニットにおいて、前記第1端子には、前記基板から前記駆動ICの動作のタイミングを制御する信号が供給されていてもよい。
駆動ICの転送領域に配された転送配線は、高電圧回路領域で生じたノイズ等が転送領域及び転送領域に配された転送配線に影響することが低減されている。本適用例に係るヘッドユニットでは、転送配線により転送される信号は、駆動ICの動作のタイミングを制御する信号である。このため、転送配線により転送される駆動ICの動作のタイミングを制御する信号に対して高電圧回路領域で生じたノイズ等が影響することが低減される。これにより、ヘッドユニットに備えられた異なる駆動ICとの間の動作タイミングのばらつきが低減され、ヘッドユニットが吐出する液体の吐出精度を向上させることが可能となる。
[適用例6]
上記適用例に係るヘッドユニットにおいて、前記低電圧回路領域は、一定電圧が印加された一定電圧領域で囲まれていてもよい。
上記適用例に係るヘッドユニットにおいて、前記低電圧回路領域は、一定電圧が印加された一定電圧領域で囲まれていてもよい。
本適用例に係るヘッドユニットでは、駆動ICにおいて、第1電圧信号より小さな電圧である第2電圧信号に基づき動作する低電圧回路領域の周囲を、例えばグラウンド電位等の一定電圧が印加された一定電圧領域で囲むことで、例えば高電圧回路領域などの周辺の領域で生じた雑音(ノイズ)の影響を低減することが可能となる。これにより、ヘッドユニットが吐出する液体の吐出精度を向上させることが可能となる。
[適用例7]
上記適用例に係るヘッドユニットにおいて、前記基板上には第1の前記駆動ICと第2の前記駆動ICとが並設されており、前記第1の前記駆動ICの前記第2短辺と、前記第2の前記駆動ICの前記第1短辺は隣り合うように配置していてもよい。
上記適用例に係るヘッドユニットにおいて、前記基板上には第1の前記駆動ICと第2の前記駆動ICとが並設されており、前記第1の前記駆動ICの前記第2短辺と、前記第2の前記駆動ICの前記第1短辺は隣り合うように配置していてもよい。
本適用例に係るヘッドユニットでは、隣接する複数の駆動ICの転送配線同士の接続を簡単に行うことができる。
[適用例8]
上記適用例に係るヘッドユニットにおいて、前記ヘッドユニットには、前記複数の前記吐出部が、1インチあたり300個以上の密度で備えられていてもよい。
上記適用例に係るヘッドユニットにおいて、前記ヘッドユニットには、前記複数の前記吐出部が、1インチあたり300個以上の密度で備えられていてもよい。
本適用例に係るヘッドユニットでは、駆動ICに配された転送配線で転送される信号の歪みを低減することが可能であるため、1インチあたり300個以上の密度で吐出部を備える高密度なヘッドユニットにおいても、精度よく液体を吐出することが可能となる。
[適用例9]
上記適用例に係るヘッドユニットにおいて、前記駆動ICにおいて前記第1短辺と前記第2短辺とが対向する長手方向の最短距離は、前記第1短辺の長さの10倍以上であってもよい。
上記適用例に係るヘッドユニットにおいて、前記駆動ICにおいて前記第1短辺と前記第2短辺とが対向する長手方向の最短距離は、前記第1短辺の長さの10倍以上であってもよい。
本適用例に係るヘッドユニットでは、駆動ICに配された転送配線で転送される信号の歪みを低減することが可能であるため、駆動ICが非常に細長い長尺ICであっても、高電圧回路領域などの周辺の領域で生じた雑音(ノイズ)の影響を低減できる。よって、ヘッドユニットは、精度よく液体を吐出することが可能となる。
[適用例10]
本適用例に係る液体吐出装置は、駆動素子の駆動により液体を吐出する複数の吐出部と、前記駆動素子を封止するように備えられた基板と、前記基板上に配置された駆動ICと、を備えたヘッドユニットと、前記ヘッドユニットを制御する複数の信号を出力する制御回路と、を含む液体吐出装置であって、前記駆動素子は、第1電圧信号に基づく駆動信号により駆動し、前記駆動ICは、平面視において長手方向に対向する第1短辺及び第2短辺を含む形状であって、前記第1電圧信号に基づき動作する高電圧回路領域と、前記第1電圧信号より低い電圧である第2電圧信号に基づき動作する低電圧回路領域と、転送配線が配線される転送領域と、前記第1短辺側に配置され前記転送配線の一端側と接続される第1端子と、前記第2短辺側に配置され前記転送配線の他端側と接続される第2端子と、を含み、前記転送領域と前記高電圧回路領域との最短距離は、前記転送領域と前記低電圧回路領域との最短距離よりも長い。
本適用例に係る液体吐出装置は、駆動素子の駆動により液体を吐出する複数の吐出部と、前記駆動素子を封止するように備えられた基板と、前記基板上に配置された駆動ICと、を備えたヘッドユニットと、前記ヘッドユニットを制御する複数の信号を出力する制御回路と、を含む液体吐出装置であって、前記駆動素子は、第1電圧信号に基づく駆動信号により駆動し、前記駆動ICは、平面視において長手方向に対向する第1短辺及び第2短辺を含む形状であって、前記第1電圧信号に基づき動作する高電圧回路領域と、前記第1電圧信号より低い電圧である第2電圧信号に基づき動作する低電圧回路領域と、転送配線が配線される転送領域と、前記第1短辺側に配置され前記転送配線の一端側と接続される第1端子と、前記第2短辺側に配置され前記転送配線の他端側と接続される第2端子と、を含み、前記転送領域と前記高電圧回路領域との最短距離は、前記転送領域と前記低電圧回路領域との最短距離よりも長い。
「駆動素子」は、例えば、圧電素子でもよいし、発熱素子でもよい。
本適用例に係る液体吐出装置では、ヘッドユニットに備えられた駆動ICにおいて、転送領域が設けられ、この転送領域には、当該駆動ICの第1短辺側に備えられた第1端子に一端側が接続され、第2短辺側に備えられた第2端子に他端側が接続される転送配線が配置される。この転送配線により、駆動IC200は、例えば第1端子(又は第2端子)を介して入力された信号を、当該転送配線により第2端子(又は第1端子)に転送し、第2端子(又は第1端子)を介して駆動ICの外部に出力することができる。このように、駆動ICに転送配線が配置される転送領域が設けられることで、駆動ICに供給される信号が転送される配線の一部を当該転送配線により担うことが可能となる。よって、駆動ICに供給される信号を転送する当該基板上の配線幅が細くなりすぎず、また、当該基板上に配される配線数を減らすことが可能となり、当該基板が大きくなることを低減することが可能となる。よって、当該基板が含まれるヘッドユニットが大きくなることを低減することができる。なお、転送配線で転送される信号は、その一部が当該駆動ICに入力されてもよい。
また、本適用例に係る液体吐出装置では、ヘッドユニットに備えられた駆動ICに配された転送領域は、ノイズが生じる可能性の高い高電圧回路領域から離れて設けられている。このため、高電圧回路領域により生じたノイズが転送領域に影響を及ぼすことを低減す
ることができる。よって、転送領域に配された転送配線で転送される信号に歪みが生じることを低減することが可能となる。
ることができる。よって、転送領域に配された転送配線で転送される信号に歪みが生じることを低減することが可能となる。
[適用例11]
上記適用例に係る液体吐出装置において、前記転送領域は、回路素子が形成されていない領域であってもよい。
上記適用例に係る液体吐出装置において、前記転送領域は、回路素子が形成されていない領域であってもよい。
本適用例に係る液体吐出装置では、ヘッドユニットに備えられた駆動ICに配された転送領域に回路素子が形成されていないため、当該転送領域に生じる寄生容量を低減することが可能となる。よって、駆動ICの転送配線で転送される信号に対して、当該寄生容量による信号の歪み及び信号の遅延が生じることを低減することが可能となる。
[適用例12]
上記適用例に係る液体吐出装置において、前記転送領域は、ノンドープ領域であってもよい。
上記適用例に係る液体吐出装置において、前記転送領域は、ノンドープ領域であってもよい。
「ノンドープ領域」とは、駆動ICを構成するSi基板等に対して、イオンが打ち込まれていない領域又は微量のイオンが打ち込まれてはいるが、打ち込まれていない状態と同視できる領域である。
本適用例に係る液体吐出装置では、ヘッドユニットに備えられた駆動ICの転送領域がノンドープ領域であるため、当該転送領域に生じる寄生容量を低減することが可能となる。よって、駆動ICの転送配線で転送される信号に対して、当該寄生容量に基づく信号の歪み及び信号の遅延が生じることを低減することが可能となる。
[適用例13]
上記適用例に係る液体吐出装置において、前記転送配線は、複数のメタル配線で形成されていてもよい。
上記適用例に係る液体吐出装置において、前記転送配線は、複数のメタル配線で形成されていてもよい。
本適用例に係る液体吐出装置では、ヘッドユニットに備えられた駆動ICに配された転送配線が複数層のメタル配線で形成されているため、当該配線のインピーダンスが低減される。すなわち、転送配線に生じる寄生抵抗を低減することが可能となる。よって、転送領域に配された転送配線で転送される信号に対して、寄生抵抗に基づく信号の歪み及び信号レベルの低下が生じることを低減することが可能となる。
[適用例14]
上記適用例に係る液体吐出装置において、前記第1端子には、前記基板から前記駆動ICの動作のタイミングを制御する信号が供給されていてもよい。
上記適用例に係る液体吐出装置において、前記第1端子には、前記基板から前記駆動ICの動作のタイミングを制御する信号が供給されていてもよい。
本適用例に係る液体吐出装置では、ヘッドユニットの駆動ICに備えられた転送領域に配された転送配線は、高電圧回路領域で生じたノイズ等が転送領域及び転送領域に配された転送配線に影響することが低減されている。本適用例に係る液体吐出装置では、転送配線により転送される信号は、駆動ICの動作のタイミングを制御する信号である。このため、転送配線により転送される駆動ICの動作のタイミングを制御する信号に対して高電圧回路領域で生じたノイズ等が影響することが低減される。これにより、ヘッドユニットに備えられた異なる駆動ICとの間の動作タイミングのばらつきが低減され、ヘッドユニットが吐出する液体の吐出精度を向上させることが可能となる。
[適用例15]
上記適用例に係る液体吐出装置において、前記低電圧回路領域は、一定電圧領域で囲ま
れていてもよい。
上記適用例に係る液体吐出装置において、前記低電圧回路領域は、一定電圧領域で囲ま
れていてもよい。
本適用例に係る液体吐出装置では、ヘッドユニットに備えられた駆動ICにおいて、第1電圧信号より小さな電圧である第2電圧信号に基づき動作する低電圧回路領域の周囲を、グラウンド電位等の一定電圧が印加された一定電圧領域で囲むことで、例えば高電圧回路領域などの周辺の領域で生じた雑音(ノイズ)の影響を低減することが可能となる。これにより、ヘッドユニットが吐出する液体の吐出精度を向上させることが可能となる。
[適用例16]
本適用例に係る集積回路装置は、第1電圧信号に基づき生成された駆動信号が駆動素子に印加され駆動することにより液体を吐出する複数の吐出部を含むヘッドユニットに搭載された集積回路装置であって、平面視において長手方向に対向する第1短辺及び第2短辺を含む形状であり、前記第1電圧信号に基づき動作する高電圧回路領域と、前記第1電圧信号より低い電圧である第2電圧信号に基づき動作する低電圧回路領域と、転送配線が配線された転送領域と、前記第1短辺側に配置され前記転送配線の一端側と接続される第1端子と、前記第2短辺側に配置され前記転送配線の他端側に接続さえる第2端子と、を含み、前記転送領域と前記高電圧回路領域との最短距離は、前記転送領域と前記低電圧回路領域との最短距離よりも長い。
本適用例に係る集積回路装置は、第1電圧信号に基づき生成された駆動信号が駆動素子に印加され駆動することにより液体を吐出する複数の吐出部を含むヘッドユニットに搭載された集積回路装置であって、平面視において長手方向に対向する第1短辺及び第2短辺を含む形状であり、前記第1電圧信号に基づき動作する高電圧回路領域と、前記第1電圧信号より低い電圧である第2電圧信号に基づき動作する低電圧回路領域と、転送配線が配線された転送領域と、前記第1短辺側に配置され前記転送配線の一端側と接続される第1端子と、前記第2短辺側に配置され前記転送配線の他端側に接続さえる第2端子と、を含み、前記転送領域と前記高電圧回路領域との最短距離は、前記転送領域と前記低電圧回路領域との最短距離よりも長い。
「駆動素子」は、例えば、圧電素子でもよいし、発熱素子でもよい。
本適用例に係る集積回路装置では、転送領域が設けられ、この転送領域には、第1短辺側に備えられた第1端子に一端が接続され、第2短辺側に備えられた第2端子に他端側が接続される転送配線が配置される。この転送配線により、第1端子(又は第2端子)を介して入力された信号を、当該転送配線により第2端子(又は第1端子)に転送し、第2端子(又は第1端子)を介して外部に出力することができる。このように、転送配線が配置される転送領域が設けられることで、ヘッドユニットに供給される信号が転送される配線の一部を当該転送配線により担うことが可能となる。これにより、駆動ICに供給される信号を転送する当該基板上の配線幅が細くなりすぎず、また、当該基板上に配される配線数を減らすことが可能となり、当該基板が大きくなることを低減することが可能となる。よって、当該基板が含まれるヘッドユニットが大きくなることを低減することができる。なお、転送配線で転送される信号は、その一部が集積回路装置に入力されてもよい。
また、本適用例に係る集積回路装置では、転送領域は、ノイズが生じる可能性の高い高電圧回路領域から離れて設けられている。このため、高電圧回路領域により生じたノイズが転送領域に影響を及ぼすことを低減することができる。よって、転送領域に配された転送配線で転送される信号に歪みが生じることを低減することが可能となる。
[適用例17]
上記適用例に係る集積回路装置において、前記転送領域は、回路素子が形成されていない領域であってもよい。
上記適用例に係る集積回路装置において、前記転送領域は、回路素子が形成されていない領域であってもよい。
本適用例に係る集積回路装置では、転送領域に回路素子が形成されていないため、当該転送領域に生じる寄生容量を低減することが可能となる。よって、転送配線で転送される信号に対して、当該寄生容量による信号の歪み及び信号の遅延が生じることを低減することが可能となる。
[適用例18]
上記適用例に係る集積回路装置において、前記転送領域は、ノンドープ領域であってもよい。
上記適用例に係る集積回路装置において、前記転送領域は、ノンドープ領域であってもよい。
「ノンドープ領域」とは、集積回路装置を構成するSi基板等に対して、イオンが打ち込まれていない領域又は微量のイオンが打ち込まれてはいるが、打ち込まれていない状態と同視できる領域である。
本適用例に係る集積回路装置では、転送領域がノンドープ領域であるため、当該転送領域に生じる寄生容量を低減することが可能となる。よって、転送配線で転送される信号に対して、当該寄生容量に基づく信号の歪み及び信号の遅延が生じることを低減することが可能となる。
[適用例19]
上記適用例に係る集積回路装置において、前記転送配線は、複数のメタル配線で形成されていてもよい。
上記適用例に係る集積回路装置において、前記転送配線は、複数のメタル配線で形成されていてもよい。
本適用例に係る集積回路装置では、転送配線が複数層のメタル配線で形成されているため、当該配線のインピーダンスが低減される。すなわち、転送配線に生じる寄生抵抗を低減することが可能となる。よって、転送領域に配された転送配線で転送される信号に対して、当該寄生抵抗に基づく信号の歪み及び信号レベルの低下が生じることを低減することが可能となる。
[適用例20]
上記適用例に係る集積回路装置において、前記第1端子には、動作のタイミングを制御する信号が供給されていてもよい。
上記適用例に係る集積回路装置において、前記第1端子には、動作のタイミングを制御する信号が供給されていてもよい。
転送領域に配された転送配線は、高電圧回路領域で生じたノイズ等が転送領域及び転送領域に配された転送配線に影響することが低減されている。本適用例に係る集積回路装置では、転送配線により転送される信号は、動作のタイミングを制御する信号である。よって、転送配線により転送される動作のタイミングを制御する信号に対して高電圧回路領域で生じたノイズ等が影響することが低減される。これにより、ヘッドユニットに備えられた異なる駆動IC(集積回路装置)との間の動作タイミングのばらつきが低減され、当該集積回路装置が備えられたヘッドユニットが吐出する液体の吐出精度を向上させることが可能となる。
[適用例21]
上記適用例に係る集積回路装置において、前記低電圧回路領域は、一定電圧が印加された一定電圧領域で囲まれていてもよい。
上記適用例に係る集積回路装置において、前記低電圧回路領域は、一定電圧が印加された一定電圧領域で囲まれていてもよい。
本適用例に係る集積回路装置では、第1電圧信号より小さな電圧である第2電圧信号に基づき動作する低電圧回路領域の周囲を、グラウンド電位等の一定電圧が印加された一定電圧領域で囲むことで、例えば高電圧回路領域等の周辺の領域で生じた雑音(ノイズ)を低減することが可能となる。これにより、当該集積回路装置が搭載されるヘッドユニットが吐出する液体の吐出精度を向上させることが可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
以下では、本発明に係るヘッドユニットとは、印刷装置である液体吐出装置に適用されるヘッドユニットを例に挙げて説明する。
1.液体吐出装置の概要
図1は、本実施形態のヘッドユニットが適用される液体吐出装置1(印刷装置)の内部の概略構成を示す斜視図である。液体吐出装置1は、外部のホストコンピューターから供給された画像データに応じてインクを吐出させることによって、紙などの印刷媒体にインクドット群を形成し、これにより、当該画像データに応じた画像(文字、図形等を含む)を印刷するインクジェットプリンターである。図1において、筐体やカバーの図示は省略されている。図1に示されるように、液体吐出装置1は、吐出ユニット2を、主走査方向に移動(往復動)させる移動機構3を備える。
図1は、本実施形態のヘッドユニットが適用される液体吐出装置1(印刷装置)の内部の概略構成を示す斜視図である。液体吐出装置1は、外部のホストコンピューターから供給された画像データに応じてインクを吐出させることによって、紙などの印刷媒体にインクドット群を形成し、これにより、当該画像データに応じた画像(文字、図形等を含む)を印刷するインクジェットプリンターである。図1において、筐体やカバーの図示は省略されている。図1に示されるように、液体吐出装置1は、吐出ユニット2を、主走査方向に移動(往復動)させる移動機構3を備える。
移動機構3は、吐出ユニット2の駆動源となるキャリッジモーター31と、両端が固定されたキャリッジガイド軸32と、キャリッジガイド軸32とほぼ平行に延在し、キャリッジモーター31により駆動されるタイミングベルト33と、を有している。
吐出ユニット2のキャリッジ24は、所定数のインクカートリッジ22を載置可能に構成されている。例えば、イエロー、シアン、マゼンタ、及び、ブラックの4色に対応する4個のインクカートリッジ22がキャリッジ24に搭載されており、各インクカートリッジ22に対応する色のインクが充填されている。
キャリッジ24は、キャリッジガイド軸32に往復動自在に支持されるとともに、タイミングベルト33の一部に固定されている。そのため、キャリッジモーター31によりタイミングベルト33を正逆走行させると、吐出ユニット2がキャリッジガイド軸32に案内されて往復動する。このように、キャリッジモーター31は、キャリッジ24を主走査方向に移動させるモーターである。
また、移動機構3は、吐出ユニット2の主走査方向における位置を検出するためのリニアエンコーダー90を備える。吐出ユニット2の主走査方向における位置は、リニアエンコーダー90によって検出される。
また、吐出ユニット2のうち、印刷媒体Pと対向する部分にはヘッドユニット20(記録ヘッド)が設けられる。このヘッドユニット20は、後述するように、多数のノズルからインク滴(液滴)を吐出させる。吐出ユニット2には、フレキシブルフラットケーブル190を介して各種の制御信号等が供給される構成となっている。
液体吐出装置1は、印刷媒体Pを、副走査方向にプラテン40上で搬送させる搬送機構
4を備える。搬送機構4は、駆動源である搬送モーター41と、搬送モーター41により回転して、印刷媒体Pを副走査方向に搬送する搬送ローラー42と、を備える。
4を備える。搬送機構4は、駆動源である搬送モーター41と、搬送モーター41により回転して、印刷媒体Pを副走査方向に搬送する搬送ローラー42と、を備える。
印刷媒体Pが搬送機構4によって搬送されたタイミングで、ヘッドユニット20が当該印刷媒体Pにインク滴を吐出することによって、印刷媒体Pの表面に画像が形成される。
吐出ユニット2の移動範囲内における端部領域には、吐出ユニット2の走査の基点となるホームポジションが設定されている。ホームポジションには、ヘッドユニット20のノズル形成面を封止するキャッピング部材70と、ノズル形成面を払拭するためのワイパー部材71とが配置されている。そして、液体吐出装置1は、このホームポジションから反対側の端部へ向けて吐出ユニット2が移動する往動時と、反対側の端部からホームポジション側に吐出ユニット2が戻る復動時との双方向で印刷媒体Pの表面に画像を形成する。
プラテン40の主走査方向の端部には、フラッシング動作の際にヘッドユニット20から吐出されたインク滴を捕集するフラッシングボックス72が配置されている。フラッシング動作とは、ノズル付近のインクの増粘によりノズルが目詰まりしたり、ノズル内に気泡が混入したりして、適正な量のインクが吐出されなくなってしまうことを防止するために、印刷対象の画像データとは関係なく、強制的に各ノズルからインクを吐出させる動作である。詳しくは、プラテン40における印刷媒体Pに対してインク滴が吐出される領域(インク吐出領域)から外れた領域、より詳しくは、インク吐出領域よりも主走査方向の外側に外れた領域であって、液体吐出装置1が対応可能な最大サイズの印刷媒体Pがプラテン40上に配置されたときの当該印刷媒体Pの幅方向端部(最大記録幅)よりも外側となる位置にフラッシングボックス72が配置されている。なお、フラッシングボックス72は、プラテン40の主走査方向の両側に設けられていることが望ましいが、少なくとも一方に設けられていればよい。
吐出ユニット2は、印刷媒体Pの上方及びフラッシングボックス72の上方を移動し、印刷媒体Pに向けてインク滴を吐出する動作、及びフラッシングボックス72に向けてインク滴を吐出するフラッシング動作を行う。
2.液体吐出装置の電気的構成
図2は、液体吐出装置1の電気的な構成を示すブロック図である。図2に示されるように、液体吐出装置1では、制御ユニット10と吐出ユニット2とがフレキシブルフラットケーブル190を介して接続される。
図2は、液体吐出装置1の電気的な構成を示すブロック図である。図2に示されるように、液体吐出装置1では、制御ユニット10と吐出ユニット2とがフレキシブルフラットケーブル190を介して接続される。
制御ユニット10は、制御部100(「制御回路」の一例)と、キャリッジモータードライバー35と、搬送モータードライバー45と、を有する。このうち、制御部100は、ホストコンピューターから画像データが供給されたときに、各部を制御するための各種の制御信号等を出力する。
詳細には、制御部100は、リニアエンコーダー90の検出信号(エンコーダーパルス)に基づいて吐出ユニット2の走査位置(現在位置)を把握する。そして、制御部100は、吐出ユニット2の走査位置に基づいて、キャリッジモータードライバー35に対して制御信号Ctr1を供給し、キャリッジモータードライバー35は、当該制御信号Ctr1に従ってキャリッジモーター31を駆動する。これにより、キャリッジ24における主走査方向の移動が制御される。
また、制御部100は、搬送モータードライバー45に対して制御信号Ctr2を供給し、搬送モータードライバー45は、当該制御信号Ctr2に従って搬送モーター41を駆動する。これにより、搬送機構4による副走査方向の移動が制御される。
また、制御部100は、吐出ユニット2に、クロック信号Sck、データ信号SI、制御信号LAT,CH、デジタルのデータdA,dBを供給する。
また、制御部100は、メンテナンスユニット80に、吐出部600におけるインクの吐出状態を正常に回復させるためのメンテナンス処理を実行させる。メンテナンスユニット80は、メンテナンス処理として、吐出部600内の増粘したインクや気泡等をチューブポンプ(図示省略)により吸引するクリーニング処理(ポンピング処理)を行うためのクリーニング機構81を有していてもよい。また、メンテナンスユニット80は、メンテナンス処理として、吐出部600のノズル近傍に付着した紙粉等の異物をワイパー部材71により拭き取るワイピング処理を行うためのワイピング機構82を有していてもよい。
吐出ユニット2は、駆動回路50−a,50−bと、ヘッドユニット20と、を有する。また、ヘッドユニット20は、液体を吐出する複数の吐出部600と、複数の吐出部600を駆動する駆動IC200と、を含む。また、駆動IC200(集積回路装置)は、選択制御部210と、複数の選択部230と、を有する。なお、図2では、2つの駆動IC200(第1の駆動IC200−1、第2の駆動IC200−2)を図示しているが、吐出ユニット2は、それぞれ異なる複数の吐出部600を駆動する3つ以上の駆動IC200を有してもよいし、また1つでもよい。なお、複数(本実施形態では2つ)の駆動IC200は同じ構成であり、特に区別する必要ない場合は駆動IC200として説明する。
駆動回路50−aは、データdAをデジタル/アナログ変換した後に、電源電圧VHV(「第1電圧信号」の一例)に基づいてD級増幅して駆動信号COM−Aを生成し、選択部230のそれぞれに供給する。同様に、駆動回路50−bは、データdBをデジタル/アナログ変換した後に、電源電圧VHVに基づいてD級増幅して駆動信号COM−Bを生成し、選択部230のそれぞれに供給する。ここで、データdAは、駆動信号COM−Aの波形を規定し、データdBは、駆動信号COM−Bの波形を規定する。なお、駆動回路50−aは、デジタルのデータdAをアナログに変換した信号を増幅し、駆動信号を生成する構成であればよく、例えばデジタルのデータdAに基づきアナログに変換された信号をAB級増幅してデジタルのデータを生成してもよく、また、A級増幅、B級増幅であってもよい。なお、駆動回路50−a,50−bについては、入力するデータ、及び、出力する駆動信号が異なるのみであり、回路的な構成は同一であってもよい。
選択制御部210は、選択部230のそれぞれに対して駆動信号COM−A,COM−Bのいずれかを選択すべきか(又は、いずれも非選択とすべきか)を、制御部100から供給されるクロック信号Sck、データ信号SI及び制御信号LAT,CHによって指示する。
選択部230のそれぞれは、選択制御部210の指示に従って、駆動信号COM−A,COM−Bを選択し、ヘッドユニット20が有する圧電素子60のそれぞれの一端に駆動信号Voutを供給する。圧電素子60のそれぞれにおける他端は、電圧VBSが共通に印加されている。
圧電素子60(「駆動素子」の一例)は、駆動信号Voutが印加されることで変位する。圧電素子60は、ヘッドユニット20における複数の吐出部600のそれぞれに対応して設けられる。そして、圧電素子60は、選択部230により選択された駆動信号Vout(駆動信号COM−A,COM−Bのいずれか)と電圧VBSとの差に応じて変位してインクを吐出させる。このように、駆動信号COM−A,COM−Bは、複数の吐出部600の各々を駆動する駆動信号Vout(選択部230により選択された駆動信号)の
元となる信号である。
元となる信号である。
図3は、駆動信号COM−A,COM−Bの波形等を示す図である。図3に示されるように、駆動信号COM−Aは、印刷周期Taのうち、制御信号LATが出力されて(立ち上がって)から制御信号CHが出力されるまでの期間T1に配置された台形波形Adp1と、印刷周期Taのうち、制御信号CHが出力されてから次の制御信号LATが出力されるまでの期間T2に配置された台形波形Adp2とを連続させた波形となっている。
本実施形態において台形波形Adp1、Adp2とは、互いにほぼ同一の波形であり、仮にそれぞれが圧電素子60の一端に供給されたとしたならば、当該圧電素子60に対応するノズルから所定量、具体的には中程度の量のインクをそれぞれ吐出させる波形である。
駆動信号COM−Bは、期間T1に配置された台形波形Bdp1と、期間T2に配置された台形波形Bdp2とを連続させた波形となっている。本実施形態において台形波形Bdp1、Bdp2とは、互いに異なる波形である。このうち、台形波形Bdp1は、ノズルの開孔部付近のインクを微振動させてインクの粘度の増大を防止するための波形である。このため、仮に台形波形Bdp1が圧電素子60の一端に供給されたとしても、当該圧電素子60に対応するノズルからインク滴が吐出されない。また、台形波形Bdp2は、台形波形Adp1(Adp2)とは異なる波形となっている。仮に台形波形Bdp2が圧電素子60の一端に供給されたとしたならば、当該圧電素子60に対応するノズルから上記所定量よりも少ない量のインクを吐出させる波形である。
なお、台形波形Adp1、Adp2、Bdp1、Bdp2の開始タイミングでの電圧と、終了タイミングでの電圧とは、いずれも電圧Vcで共通である。すなわち、台形波形Adp1、Adp2、Bdp1、Bdp2は、それぞれ電圧Vcで開始し、電圧Vcで終了する波形となっている。
図4は、図2における選択制御部210の構成を示す図である。図4に示されるように、選択制御部210には、クロック信号Sck、データ信号SI、制御信号LAT、CHが制御ユニット10から供給される。選択制御部210では、シフトレジスター(S/R)212とラッチ回路214とデコーダー216との組が、圧電素子60(ノズル)のそれぞれに対応して設けられている。
データ信号SIは、画像の1ドットを形成するにあたって、当該ドットのサイズを規定する。本実施形態では、非記録、小ドット、中ドット及び大ドットの4階調を表現するために、データ信号SIは、上位ビット(MSB)及び下位ビット(LSB)の2ビットで構成される。
データ信号SIは、クロック信号Sckに同期してノズルごとに、吐出ユニット2の主走査に合わせて制御部100からシリアルで供給される。シリアルで供給されたデータ信号SIを、ノズルに対応して2ビット分、一旦保持するための構成がシフトレジスター212である。
詳細には、圧電素子60(ノズル)に対応した段数のシフトレジスター212が互いに縦続接続されるとともに、シリアルで供給されたデータ信号SIが、クロック信号Sckに従って順次後段に転送される構成となっている。
なお、圧電素子60の個数をm(mは複数)としたときに、シフトレジスター212を区別するために、データ信号SIが供給される上流側から順番に1段、2段、…、m段と
表記している。
表記している。
ラッチ回路214は、シフトレジスター212で保持されたデータ信号SIを制御信号LATの立ち上がりでラッチする。
デコーダー216は、ラッチ回路214によってラッチされた2ビットのデータ信号SIをデコードして、制御信号LATと制御信号CHとで規定される期間T1、T2ごとに、選択信号Sa、Sbを出力して、選択部230での選択を規定する。
図5は、デコーダー216におけるデコード内容を示す図である。図5において、ラッチされた2ビットのデータ信号SIについては(MSB、LSB)と表記している。デコーダー216は、例えばラッチされたデータ信号SIが(0,1)であれば、選択信号Sa,Sbの論理レベルを、期間T1ではそれぞれH、Lレベルとし、期間T2ではそれぞれL、Hレベルとして、出力するということを意味している。
なお、選択信号Sa,Sbの論理レベルについては、クロック信号Sck、データ信号SI、制御信号LAT,CHの論理レベルよりも、レベルシフター(図示省略)によって、高振幅論理にレベルシフトされる。
図6は、図2における圧電素子60(ノズル)の1個分に対応する選択部230の構成を示す図である。
図6に示されるように、選択部230は、インバーター(NOT回路)232a,232bと、トランスファーゲート234a,234bとを有する。
デコーダー216からの選択信号Saは、トランスファーゲート234aにおいて丸印が付されていない正制御端に供給される一方で、インバーター232aによって論理反転されて、トランスファーゲート234aにおいて丸印が付された負制御端に供給される。同様に、選択信号Sbは、トランスファーゲート234bの正制御端に供給される一方で、インバーター232bによって論理反転されて、トランスファーゲート234bの負制御端に供給される。
トランスファーゲート234aの入力端には、駆動信号COM−Aが供給され、トランスファーゲート234bの入力端には、駆動信号COM−Bが供給される。トランスファーゲート234a,234bの出力端同士は、共通接続されるとともに、対応する圧電素子60の一端に接続される。
トランスファーゲート234aは、選択信号SaがHレベルであれば、入力端及び出力端の間を導通(オン)させ、選択信号SaがLレベルであれば、入力端と出力端との間を非導通(オフ)させる。トランスファーゲート234bについても同様に選択信号Sbに応じて、入力端及び出力端の間をオンオフさせる。なお、トランスファーゲート234a(及びトランスファーゲート234b)は、駆動信号COM−A(又は駆動信号COM−B)を選択する。このため、トランスファーゲート234a(及びトランスファーゲート234b)確実に選択(又は非選択)するために、トランスファーゲート234a(及びトランスファーゲート234b)に入力される信号は、選択信号Sa,Sbを電源電圧VHVに基づき増幅した信号であることが好ましい。
次に、選択制御部210と選択部230との動作について図3を参照して説明する。
データ信号SIが、制御部100からノズル毎に、クロック信号Sckに同期してシリ
アルで供給されて、ノズルに対応するシフトレジスター212において順次転送される。そして、制御部100がクロック信号Sckの供給を停止させると、シフトレジスター212のそれぞれには、ノズルに対応したデータ信号SIが保持された状態になる。なお、データ信号SIは、シフトレジスター212における最終m段、…、2段、1段のノズルに対応した順番で供給される。
アルで供給されて、ノズルに対応するシフトレジスター212において順次転送される。そして、制御部100がクロック信号Sckの供給を停止させると、シフトレジスター212のそれぞれには、ノズルに対応したデータ信号SIが保持された状態になる。なお、データ信号SIは、シフトレジスター212における最終m段、…、2段、1段のノズルに対応した順番で供給される。
ここで、制御信号LATが立ち上がると、ラッチ回路214のそれぞれは、シフトレジスター212に保持されたデータ信号SIを一斉にラッチする。図3において、LT1、LT2、…、LTmは、データ信号SIが、1段、2段、…、m段のシフトレジスター212に対応するラッチ回路214によってラッチされたデータ信号SIを示している。
デコーダー216は、ラッチされたデータ信号SIで規定されるドットのサイズに応じて、期間T1,T2のそれぞれにおいて、選択信号Sa,Sbの論理レベルを図5に示されるような内容で出力する。
すなわち、デコーダー216は、当該データ信号SIが(1,1)であって、大ドットのサイズを規定する場合、選択信号Sa,Sbを、期間T1においてH,Lレベルとし、期間T2においてもH,Lレベルとする。また、デコーダー216は、当該データ信号SIが(0,1)であって、中ドットのサイズを規定する場合、選択信号Sa,Sbを、期間T1においてH,Lレベルとし、期間T2においてL,Hレベルとする。また、デコーダー216は、当該データ信号SIが(1,0)であって、小ドットのサイズを規定する場合、選択信号Sa,Sbを、期間T1においてL,Lレベルとし、期間T2においてL,Hレベルとする。また、デコーダー216は、当該データ信号SIが(0,0)であって、非記録を規定する場合、選択信号Sa,Sbを、期間T1においてL,Hレベルとし、期間T2においてL,Lレベルとする。
図7は、データ信号SIに応じて選択されて、圧電素子60の一端に供給される駆動信号Voutの波形を示す図である。
データ信号SIが(1,1)であるとき、選択信号Sa,Sbは、期間T1においてH,Lレベルとなるので、トランスファーゲート234aがオンし、トランスファーゲート234bがオフする。このため、期間T1において駆動信号COM−Aの台形波形Adp1が選択される。選択信号Sa,Sbは期間T2においてもH,Lレベルとなるので、選択部230は、駆動信号COM−Aの台形波形Adp2を選択する。
このように期間T1において台形波形Adp1が選択され、期間T2において台形波形Adp2が選択されて、駆動信号Voutとして圧電素子60の一端に供給されると、当該圧電素子60に対応したノズルから、中程度の量のインクが2回にわけて吐出される。このため、印刷媒体Pにはそれぞれのインクが着弾し合体して、結果的に、データ信号SIで規定される通りの大ドットが形成されることになる。
データ信号SIが(0,1)であるとき、選択信号Sa,Sbは、期間T1においてH,Lレベルとなるので、トランスファーゲート234aがオンし、トランスファーゲート234bはオフする。このため、期間T1において駆動信号COM−Aの台形波形Adp1が選択される。次に、選択信号Sa,Sbは期間T2においてL,Hレベルとなるので、駆動信号COM−Bの台形波形Bdp2が選択される。
したがって、ノズルから、中程度及び小程度の量のインクが2回にわけて吐出される。このため、印刷媒体Pには、それぞれのインクが着弾して合体して、結果的に、データ信号SIで規定された通りの中ドットが形成されることになる。
データ信号SIが(1,0)であるとき、選択信号Sa,Sbは、期間T1においてともにLレベルとなるので、トランスファーゲート234a,234bがオフする。このため、期間T1において台形波形Adp1,Bdp1のいずれも選択されない。トランスファーゲート234a,234bがともにオフする場合、当該トランスファーゲート234a,234bの出力端同士の接続点から圧電素子60の一端までの経路は、電気的にどの部分にも接続されないハイ・インピーダンス状態になる。ただし、圧電素子60は、自己が有する容量性によって、トランスファーゲート234a,234bがオフする直前の電圧(Vc−VBS)を保持する。
次に、選択信号Sa,Sbは期間T2においてL,Hレベルとなるので、駆動信号COM−Bの台形波形Bdp2が選択される。このため、ノズルから、期間T2においてのみ小程度の量のインクが吐出されるので、印刷媒体Pには、データ信号SIで規定された通りの小ドットが形成されることになる。
データ信号SIが(0,0)であるとき、選択信号Sa,Sbは、期間T1においてL,Hレベルとなるので、トランスファーゲート234aがオフし、トランスファーゲート234bがオンする。このため、期間T1において駆動信号COM−Bの台形波形Bdp1が選択される。次に、選択信号Sa、Sbは期間T2においてともにLレベルとなるので、台形波形Adp2,Bdp2のいずれも選択されない。
このため、期間T1においてノズルの開孔部付近のインクが微振動するのみであり、インクは吐出されないので、結果的に、ドットが形成されない、すなわち、データ信号SIで規定された通りの非記録になる。
このように、選択部230は、選択制御部210による指示に従って駆動信号COM−A,COM−Bを選択し(又は選択しないで)、圧電素子60の一端に供給する。このため、各圧電素子60は、データ信号SIで規定されるドットのサイズに応じて駆動されることになる。
なお、図3に示した駆動信号COM−A,COM−Bはあくまでも一例である。実際には、吐出ユニット2の移動速度や印刷媒体Pの種類や性質に応じて、予め用意された様々な波形の組み合わせが用いられる。
3.ヘッドユニットの構成
図8は、ヘッドユニット20がインク滴を吐出する吐出面を示す図である。図8において、左右方向が主走査方向である。図8に示すように、主走査方向と直交する方向に沿って、多数のノズル122が並設されることでノズル列を形成している。
図8は、ヘッドユニット20がインク滴を吐出する吐出面を示す図である。図8において、左右方向が主走査方向である。図8に示すように、主走査方向と直交する方向に沿って、多数のノズル122が並設されることでノズル列を形成している。
図9は、ヘッドユニット20の内部構造を説明する図であり、図8のA−A’部における断面図である。図9において、左右方向が主走査方向である。本実施形態のヘッドユニット20は、図9に示されるように、電子デバイス114及び流路ユニット115が積層された状態でヘッドケース116に取り付けられている。なお、便宜上、各部材の積層方向を上下方向として説明する。
ヘッドケース116の内部には圧力室(キャビティー)130にインクを供給するリザーバー118が形成されている。このリザーバー118は、複数並設されたノズル122のそれぞれに対応して備えられた複数の圧力室130に共通なインクが貯留される空間である。なお、ヘッドケース116の上方には、インクカートリッジ22側からのインクをリザーバー118に導入するインク導入路(図示せず)が形成されている。また、ヘッド
ケース116の下面側には、連通基板124上に積層された電子デバイス114(駆動IC200、圧力室形成基板129、封止板160等)が収容される収容空間117が形成されている。
ケース116の下面側には、連通基板124上に積層された電子デバイス114(駆動IC200、圧力室形成基板129、封止板160等)が収容される収容空間117が形成されている。
流路ユニット115は、連通基板124及びノズルプレート121を有している。この連通基板124には、リザーバー118と連通し、複数の圧力室130に共通に供給されるインクが貯留される共通液室125と、この共通液室125を介してリザーバー118からのインクを複数の圧力室130のそれぞれに個別に供給する個別連通路126とが形成されている。共通液室125は、ノズル列方向に沿った長尺な空部である。個別連通路126は、共通液室125の薄板部において、複数の圧力室130のそれぞれに対応して当該圧力室130が並設する方向に沿って複数形成されている。この個別連通路126は、連通基板124と圧力室形成基板129とが接合された状態で、対応する圧力室130の長手方向における一端側(リザーバー118側)の端部と連通する。
また、連通基板124の各ノズル122に対応する位置には、連通基板124の板厚方向を貫通したノズル連通路127が形成されている。すなわち、ノズル連通路127は、ノズル列に対応して当該ノズル列方向に沿って複数形成されている。このノズル連通路127によって、圧力室130とノズル122とが連通する。ノズル連通路127は、連通基板124と圧力室形成基板129とが接合された状態で、対応する圧力室130の長手方向における他端側(個別連通路126とは反対側)の端部と連通する。
ノズルプレート121は、連通基板124の下面(圧力室形成基板129とは反対側の面)に接合された基板である。このノズルプレート121により、共通液室125となる空間の下面側の開口が封止されている。また、ノズルプレート121には、図8に示すように複数のノズル122が直線状(列状)に開設されている。この並設された複数のノズル122(ノズル列)は、ドット形成密度に対応したピッチで、主走査方向に直交する副走査方向に沿って等間隔に設けられている。なお、本実施形態に示す当該ノズル列は、例えば1インチあたり300dpi以上の密度で備えられていてもよい。
電子デバイス114は、各圧力室130内のインクに圧力変動を生じさせるアクチュエーターとして機能する薄板状のデバイスである。この電子デバイス114は、圧力室形成基板129、振動板131、圧電素子60、封止板160及び駆動IC200が積層されてユニット化されている。
圧力室形成基板129には、圧力室130となるべき空間がノズル列方向に沿って複数並設されている。この空間は、下方が連通基板124により区画され、上方が振動板131により区画されて、圧力室130を構成する。各圧力室130は、ノズル列方向に直交する方向に長尺な空部であり、長手方向の一端側の端部に個別連通路126が連通するとともに、他端側の端部にノズル連通路127が連通する。
振動板131は、弾性を有する薄膜状の部材であり、圧力室形成基板129の上面(連通基板124側とは反対側の面)に積層されている。この振動板131によって、圧力室130となるべき空間の上部開口が封止されている。この振動板131における圧力室130の上部開口に対応する部分は、圧電素子60の撓み変形に伴ってノズル122から遠ざかる方向あるいは近接する方向に変位する変位部として機能する。すなわち、振動板131における圧力室130の上部開口に対応する領域が、撓み変形が許容される駆動領域135となる。一方、振動板131における圧力室130の上部開口から外れた領域において一端側(リザーバー118側)が、撓み変形が阻害される非駆動領域134となり、他端側か撓み変形が阻害される非駆動領域136となる。
駆動領域135には、複数の圧電素子60がそれぞれ積層されている。各圧電素子60は、ノズル列方向に沿って圧力室130に対応して、当該ノズル列方向に沿って形成されている。圧電素子60は、例えば、振動板131上に、下電極層137(個別電極)、圧電体層138及び上電極層139(共通電極)が順次積層されてなる。このように構成された圧電素子60は、下電極層137と上電極層139との間に両電極の電位差に応じた電界が付与されると、ノズル122から遠ざかる方向あるいは近接する方向に撓み変形する。下電極層137の一端側の端部は、非駆動領域134まで設けられ、他端側の端部が、駆動領域135の圧電体層138が積層された領域まで設けられている。一方、上電極層139の一側の端部は、駆動領域135から圧電体層138が積層された領域まで設けられ、他側の端部は、非駆動領域136まで設けられている。
封止板160は、振動板131(或いは、圧電素子60)に対して間隔を開けて配置された平板状の基板である。この封止板160の振動板131側の面である第1の面141(下面)とは反対側の第2の面142(上面)には、圧電素子60を駆動する駆動IC200が配置されている。すなわち、封止板160の第1の面141には、圧電素子60が封止されるように積層された振動板131が接続され、第2の面142には、駆動IC200が接続されている。なお、「封止されるように」とは、圧電素子60が、振動板131と封止板160とで覆われるように配されていることを意味し、当該空間が密閉空間であると限定されるものではない。例えば、当該空間は、振動板131と封止板160とで、圧電素子60を保護するように形成されていればよい。具体的には、上述のとおり、圧電素子60は印加される駆動信号Voutに基づき変形する。そのため、当該変形の際に圧電素子60が他の構成に接触しない空間であることが好ましい。さらに、圧電素子60は、酸素又は水分等の影響により変質する。このため、圧電素子60は密閉空間に収容されることが好ましい。これより、振動板131と封止板160とで形成されて空間は密閉された空間であることが好ましく、また、振動板131と封止板160とで形成されて空間が一部解放された空間であっても、例えばヘッドケース116により形成された収容空間117が密閉された空間であればよい。
封止板160の第1の面141には、駆動IC200からの駆動信号を圧電素子60側に出力する複数のバンプ電極140が形成されている。このバンプ電極140は、下電極層137(個別電極)の一端側の端部に対応する位置、及び上電極層139(共通電極)の他端側の端部に対応する位置に、それぞれノズル列方向に沿って複数形成されている。そして、各バンプ電極140は、それぞれ対応する下電極層137及び上電極層139に電気的に接続されている。
バンプ電極140は、少なくとも一部が、弾性を有する樹脂層148の表面に設けられている。この樹脂層148は、封止板160の第1の面141においてノズル列方向に沿って突条に形成されている。下電極層137(個別電極)に導通するバンプ電極140は、ノズル列方向に沿って並設された圧電素子60に対応して、当該ノズル列方向に沿って複数形成されている。バンプ電極140は、樹脂層148上から圧電素子60側に延びて、下面側配線147となる。そして、下面側配線147のバンプ電極140とは反対側の端部は、貫通配線145に接続されている。
上電極層139に対応するバンプ電極140は、ノズル列方向に沿って、封止板160の第1の面141に埋め込まれた下面側埋設配線151上に複数形成されている。そして、バンプ電極140は、樹脂層148上から圧電素子60側に延びて、下面側配線147となり、下面側埋設配線151と導通するように形成されている。このバンプ電極140は、ノズル列方向に沿って複数形成されている。
このような封止板160と圧力室形成基板129とは、バンプ電極140を介在させた
状態で、感光性接着剤143により接合されている。この感光性接着剤143は、ノズル列方向に対して直交する方向における各バンプ電極140の両側に形成されている。また、各感光性接着剤143は、バンプ電極140に対して離間した状態でノズル列方向に沿って帯状に形成されている。
状態で、感光性接着剤143により接合されている。この感光性接着剤143は、ノズル列方向に対して直交する方向における各バンプ電極140の両側に形成されている。また、各感光性接着剤143は、バンプ電極140に対して離間した状態でノズル列方向に沿って帯状に形成されている。
封止板160の第2の面142における一端側(リザーバー118側)を除く領域には、ノズル列方向に延びる複数の上面側埋設配線150が形成されている。上面側埋設配線150には、図9では不図示のフレキシブルプリント基板から、各種の電源電圧信号、駆動信号COM−A,COM−B、制御信号等が供給される。
さらに、封止板160の第2の面142における一端側の領域には、駆動IC200からの出力信号(駆動信号Vout)が入力される複数の電極153が形成されている。そして、各電極153は、貫通配線145を介して、対応する下面側配線147と接続されている。
貫通配線145は、封止板160の第1の面141と第2の面142との間を中継する配線である。この貫通配線145により、電極153と、これに対応するバンプ電極140から延設された下面側配線147とが電気的に接続され、駆動IC200からの駆動信号が下電極層137へと伝達する。このように、封止板160は、駆動IC200からの駆動信号Voutを下電極層137へ中継する中継基板(「基板」の一例)として機能する。
駆動IC200は、圧電素子60を駆動するためのICチップであり、接着剤159を介して封止板160の第2の面142上に積層されている。この駆動IC200の封止板160側の面における一端側(リザーバー118側)を除く領域には、ノズル列方向に沿って複数のバンプ電極252が形成されている。バンプ電極252は、少なくとも一部が、弾性を有する樹脂層253の表面に設けられている。この樹脂層253は、駆動IC200の封止板160側の面においてノズル列方向に沿って突条に形成されている。図9においては、ノズル列方向に沿って突条に形成された樹脂層253及びバンプ電極252が主走査方向に沿って4列配されている。なお、主走査方向に配された4列の樹脂層253及びバンプ電極252は、例えば、ノズル列方向に対して千鳥状に配されていてもよい。また、駆動IC200の封止板160側の面には、各バンプ電極252と接続される入力端子(不図示)が複数形成されており、各入力端子には、封止板160に設けられた上面側埋設配線150からバンプ電極252を介して信号(各種の電源電圧信号、駆動信号COM−A,COM−B、制御信号等)が伝達する。
さらに、駆動IC200の封止板160側の面における一端側の領域には、封止板160の第2の面142に形成されている各電極153と接続されるバンプ電極250がノズル列方向に複数形成されている。バンプ電極250は、少なくとも一部が、弾性を有する樹脂層251の表面に設けられている。この樹脂層251は、駆動IC200の封止板160側の面においてノズル列方向に沿って突条に形成されている。また、駆動IC200の封止板160側の面には、各バンプ電極250と接続される出力端子(不図示)が複数形成されており、各出力端子からの信号(各圧電素子60を駆動する個別の駆動信号)が各バンプ電極250に伝達する。
ここで、ヘッドユニット20は、複数のノズル122が直線状(列状)に設けられているため、主走査方向の長さに対して、副走査方向(ノズル列方向)の長さが非常に長くなる。このため、電子デバイス114において封止板160上に複数の駆動IC200を併設することで、副走査方向(ノズル列方向)の長さが非常に長いヘッドユニット20においても、複数のノズル122のそれぞれを駆動することが可能な構成となっている。本実
施形態では、図10に示すように2つの駆動IC200(第1の駆動IC200−1、第2の駆動IC200−2)が封止板160の上において副走査方向に沿って並設されている。
施形態では、図10に示すように2つの駆動IC200(第1の駆動IC200−1、第2の駆動IC200−2)が封止板160の上において副走査方向に沿って並設されている。
また、図10に示すように電子デバイス114には、フレキシブルプリント基板195から各種の電源電圧信号、駆動信号COM−A,COM−B、制御信号等が供給される。そして、電子デバイス114は入力された各種信号が封止板160を介して駆動IC200に伝送されることで、駆動信号Voutを生成する。このとき、フレキシブルプリント基板195から供給される複数の信号は、電子デバイス114の長手方向(副走査方向)に伝送される。すわなち、当該信号は、ヘッドユニット20において非常に長い配線で伝送されることになる。このため、当該信号が伝送される配線のインピーダンスは大きくなり、伝送される当該信号は、配線抵抗による電圧降下の影響を受けて減衰したり、また、配線の浮遊容量により伝送される信号に遅延が生じたり、する可能性がある。
そこで、本実施形態では、当該信号の一部を封止板160に設けられた上面側埋設配線150により、それぞれの駆動IC200(詳細には駆動IC200に供えられた選択制御部210及び選択部230:図2参照)に伝送し、また、当該信号の異なる一部を駆動IC200に供えられた転送配線により、それぞれの駆動IC200(詳細には駆動IC200に供えられた選択制御部210及び選択部230:図2参照)に伝送する。これにり、当該信号が伝送されるそれぞれの配線幅を広くすることが可能となり、当該配線のインピーダンスを低減することが可能となる。
4.駆動ICのレイアウト
次に、駆動IC200の構成について図11及び図12を用いて説明する。なお、図11及び図12に示す主走査方向及び副走査方向は、本実施形態において、駆動IC200が液体吐出装置1(図1)に実装されたとき方向を一例として示す。
次に、駆動IC200の構成について図11及び図12を用いて説明する。なお、図11及び図12に示す主走査方向及び副走査方向は、本実施形態において、駆動IC200が液体吐出装置1(図1)に実装されたとき方向を一例として示す。
ここで、図11は、本実施形態における駆動ICの内部レイアウト図(平面図)であり、図12は駆動IC200の封止板160と接続される側の表面(以下バンプ電極形成面という)を示す図である。本実施形態における駆動IC200は平面視において、長手方向に対向する第1の短辺201(「第1短辺」の一例)及び第2の短辺202(「第2短辺」の一例)と、短辺方向に対向する第1の長辺203及び第2の長辺204とで形成された略長尺矩形の形状である。
4.1 駆動ICのバンプ電極形成面のレイアウト
まず、図12に基づき、駆動IC200のバンプ電極形成面について説明する。なお、図12では、駆動IC200のバンプ電極形成面に形成される複数のバンプ電極(バンプ電極250及びバンプ電極252)のそれぞれに入力(又は出力)される信号の種類に応じて、第1電極群261、第2電極群262、第3電極群263、第4電極群264及び第5電極群265の5つの電極群に分けて説明を行う。
まず、図12に基づき、駆動IC200のバンプ電極形成面について説明する。なお、図12では、駆動IC200のバンプ電極形成面に形成される複数のバンプ電極(バンプ電極250及びバンプ電極252)のそれぞれに入力(又は出力)される信号の種類に応じて、第1電極群261、第2電極群262、第3電極群263、第4電極群264及び第5電極群265の5つの電極群に分けて説明を行う。
第1電極群261は、複数のバンプ電極250を含んで構成されている。複数のバンプ電極250は、駆動信号Voutを封止板160に供えられた複数の電極153に出力する。このとき、封止板160上に設けられた複数の駆動IC200(第1の駆動IC200−1、第2の駆動IC200−2)に含まれる複数のバンプ電極250の合計は、ヘッドユニット20のノズル列を形成するノズル122の数と等しいことが好ましい。第1電極群261は、駆動IC200の第2の長辺204側に配されている。この第1電極群261においては、複数のバンプ電極250が、第1の短辺201側から第2の短辺202側に向かい並設されている。
第2電極群262は、複数のバンプ電極252(バンプ電極252−a)を含んで構成されている。複数のバンプ電極252−aには、例えばフレキシブルプリント基板195から入力された駆動信号COM−Aが封止板160を介して入力される。第2電極群262は、駆動IC200において第1電極群261の第1の長辺203側に配されている。この第2電極群262においては、複数のバンプ電極252−aが、第1の短辺201側から第2の短辺202側に向かい2列で並設されている。
第3電極群263は、複数のバンプ電極252(バンプ電極252−b)を含んで構成されている。複数のバンプ電極252−bには、例えばフレキシブルプリント基板195から入力された駆動信号COM−Bが封止板160を介して入力される。第3電極群263は、駆動IC200において第2電極群262の第1の長辺203側に配されている。この第3電極群263においては、複数のバンプ電極252−bが、第1の短辺201側から第2の短辺202側に向かい2列で並設されている。
以上のように第2電極群262及び第3電極群263は、第1電極群261に含まれる複数のバンプ電極250のそれぞれに対応した駆動信号Voutの生成に用いられる駆動信号COM−A,COM−Bが入力される。このため、第2電極群262及び第3電極群263のそれぞれに含まれる複数のバンプ電極252−a,252−bのそれぞれは、第1電極群261に含まれる複数のバンプ電極250のそれぞれに対応して同数設けられていることが好ましい。
さらに、第2電極群262及び第3電極群263に含まれるバンプ電極252−a,252−bと、第1電極群261に含まれるバンプ電極250とは、主走査方向に沿って、直線的に配されていることが好ましい。このため、図12に示すように、2列で並設された複数のバンプ電極252−aは、第2電極群262において、副走査方向に沿って互いに千鳥状に配されていることが好ましく、また、2列で並設されたバンプ電極252−bは、第3電極群263において、副走査方向に沿って互いに千鳥状に配されていることが好ましい。
また、駆動IC200のバンプ電極形成面には、駆動信号COM−A,COM−Bが入力されるバンプ電極252(バンプ電極252−a,252−b)がそれぞれ2列で並設されている。すなわち、封止板160には、駆動信号COM−A,COM−Bを転送するための配線は、バンプ電極252の2列分の幅以上で配することができる。このため、当該信号が伝送される配線のインピーダンスが低減される。駆動IC200が駆動するノズル数が増加すると、当該信号により供給される電流量が増加し、当該信号が転送される配線のインピーダンスと当該電流とにより発熱が増加する。本実施形態にでは、複数のノズルのそれぞれに対して供給される駆動信号COM−A,COM−Bが転送される配線のインピーダンスが低減されているため、当該配線の発熱及び発熱に伴う吐出特性の変化を低減することが可能である。
第4電極群264は、複数のバンプ電極252(本実施形態では4つのバンプ電極252−c1,252−d1,252−e1,252−f1)を含んで構成されている。バンプ電極252−c1には、例えばフレキシブルプリント基板195から入力された制御信号LATが入力される。また、バンプ電極252−d1には、例えばフレキシブルプリント基板195から入力された制御信号CHが入力される。また、バンプ電極252−e1には、例えばフレキシブルプリント基板195から入力されたクロック信号Sckが入力される。バンプ電極252−f1には、例えばフレキシブルプリント基板195から入力されたデータ信号SIが入力される。すなわち、第4電極群264には、ヘッドユニット20のノズル列を形成するノズル122からインク滴を出力するタイミングを制御するための信号(図3参照)が入力される。
第4電極群264は、駆動IC200の第1電極群261、第2電極群262及び第3電極群263が形成されている領域の第1の短辺201側に配されている。この第4電極群264においては、4つのバンプ電極252−c1,252−d1,252−e1,252−f1が、第1の長辺203側から第2の長辺204側に向かいバンプ電極252−c1、バンプ電極252−d1、バンプ電極252−e1、バンプ電極252−f1の順に並設されている。このとき、順に並設されたバンプ電極252−c1,252−d1,252−e1,252−f1は、第1の長辺203側から順に一定の間隔で並設される。換言すれば、第4電極群264に含まれる複数のバンプ電極252(本実施形態では4つのバンプ電極252−c1,252−d1,252−e1,252−f1)は、第1の短辺201に沿って第1の長辺203側に並設される。
第5電極群265は、駆動IC200の第1電極群261、第2電極群262及び第3電極群263が形成されている領域の第2の短辺202側に配されている。この第5電極群265においては、4つのバンプ電極252−c2,252−d2,252−e2,252−f2が、第1の長辺203側から第2の長辺204側に向かいバンプ電極252−c2、バンプ電極252−d2、バンプ電極252−e2、バンプ電極252−f2の順に並設されている。このとき、順に並設されたバンプ電極252−c2,252−d2,252−e2,252−f2は、第1の長辺203側から順に一定の間隔で並設される。換言すれば、第5電極群265に含まれる複数のバンプ電極252(本実施形態では4つのバンプ電極252−c2,252−d2,252−e2,252−f2)は、第2の短辺202に沿って第1の長辺203側に並設される。
なお、駆動IC200のバンプ電極形成面には、上述のバンプ電極以外にも例えば電源電圧VHVが入力されるバンプ電極や、その他、複数の制御を行うための信号が入力されるバンプ電極などの複数のバンプ電極が形成されていてもよい。
4.2 駆動ICの内部レイアウト
図11に戻り、駆動IC200の内部レイアウトを説明する。なお、図11には、前述の駆動IC200のバンプ電極形成面に備えられたバンプ電極250,252−c1,252−c2,252−d1,252−d2,252−e1,252−e2,252−f1,252−f2のそれぞれを想像線を用いて図示している。
図11に戻り、駆動IC200の内部レイアウトを説明する。なお、図11には、前述の駆動IC200のバンプ電極形成面に備えられたバンプ電極250,252−c1,252−c2,252−d1,252−d2,252−e1,252−e2,252−f1,252−f2のそれぞれを想像線を用いて図示している。
駆動IC200は、転送領域273と、出力選択制御領域276(「低電圧回路領域」の一例)を含む制御信号生成回路領域272と、駆動信号生成回路領域271(「高電圧回路領域」の一例)と、を含んで構成され、第1の長辺203側から第2の長辺204側に向かい、転送領域273、制御信号生成回路領域272、駆動信号生成回路領域271の順に設けられる。換言すれば、転送領域273と駆動信号生成回路領域271との最短距離は、転送領域273と制御信号生成回路領域272との最短距離よりも長い。このように転送領域273を高電圧のノイズ源となり得る駆動信号生成回路領域271から離して配置することで、転送領域273に当該ノイズが重畳する可能性を低減することが可能となる。
転送領域273は、駆動IC200の第1の長辺203側に配され、駆動IC200の動作のタイミングを制御する信号(例えば、制御信号LAT,CH、クロック信号Sck)がそれぞれ転送される転送配線277,278,279を含んで構成されている。
転送配線277は、転送領域273の第1の長辺203側において、第1の短辺201から第2の短辺202に沿って延びる配線であって、転送配線277の一端側が第1の短辺201側(「第1短辺側」の一例)でバンプ電極252−c1(「第1端子」の一例)
と電気的に接続され、転送配線277の他端側が第2の短辺202側(「第2短辺側」の一例)でバンプ電極252−c2(「第2端子」の一例)と電気的に接続される。転送配線277は、フレキシブルプリント基板195から入力された制御信号LATを、バンプ電極252−c1(又はバンプ電極252−c2)からバンプ電極252−c2(又はバンプ電極252−c1)に転送する。
と電気的に接続され、転送配線277の他端側が第2の短辺202側(「第2短辺側」の一例)でバンプ電極252−c2(「第2端子」の一例)と電気的に接続される。転送配線277は、フレキシブルプリント基板195から入力された制御信号LATを、バンプ電極252−c1(又はバンプ電極252−c2)からバンプ電極252−c2(又はバンプ電極252−c1)に転送する。
また、転送配線278は、転送配線277の第2の長辺204側において、第1の短辺201から第2の短辺202に沿って延びる配線であって、転送配線278の一端側が第1の短辺201側でバンプ電極252−d1と電気的に接続され、転送配線278の他端側が第2の短辺202側でバンプ電極252−d2と電気的に接続される。そして、転送配線278は、フレキシブルプリント基板195から入力された制御信号CHを、バンプ電極252−d1(又はバンプ電極252−d2)からバンプ電極252−d2(又はバンプ電極252−d2)に転送する。
また、転送配線279は、転送配線278の第2の長辺204側において、第1の短辺201から第2の短辺202に沿って延びる配線であって、転送配線279の一端側が第1の短辺201側でバンプ電極252−e1と電気的に接続され、転送配線279の他端側が第2の短辺202側でバンプ電極252−e2と電気的に接続される。そして、転送配線279は、フレキシブルプリント基板195から入力されたクロック信号Sckをバンプ電極252−e1(又はバンプ電極252−e2)からバンプ電極252−e2(又はバンプ電極252−e1)に転送する。
以上のように転送領域273に配された転送配線277,278,279は、第1の短辺201側に備えられたバンプ電極252−c1,252−d1,252−e1のそれぞれから入力された複数の信号を、第2の短辺202側に備えられたバンプ電極252−c2,252−d2,252−e2のそれぞれに転送する。そして、当該信号は、バンプ電極252−c2,252−d2,252−e2から駆動IC200(例えば図10における第1の駆動IC200−1)の外部に出力され、次段に設けられた駆動IC200(例えば図10における第2の駆動IC200−2)のバンプ電極252−c1,252−d1,252−e1に入力される。このとき、図10において、封止板160に並設された第1の駆動IC200−1の第2の短辺202と第2の駆動IC200−2の第1の短辺201とが隣り合うように配されていることが好ましい。
ここで、転送領域273には、トランジスター等の回路素子が形成されていないことが好ましく、さらには、転送領域273はノンドープ領域であることが好ましい。なお、「ノンドープ領域」とは、例えば駆動IC200を構成するSi基板等に対して、イオンが打ち込まれていない(又は、実際には、微量のイオンが打ち込まれているが、打ち込まれていない状態と同視できる)領域である。これにより、転送配線277,278,279に生じる寄生容量を低減することが可能となる。
また、転送領域273に供えられた転送配線277,278,279のそれぞれは、メタル配線で構成されていることが好ましく、当該メタル配線は、駆動IC200を構成する複数の層にわたり形成されていることが好ましい。転送配線277,278,279をメタル配線とすることで、転送配線277,278,279のそれぞれの寄生抵抗を低減することが可能となる。さらに、当該メタル配線が複数の層にわたり備えられていることで、転送配線の断面積が大きくなり転送配線277,278,279のインピーダンス(寄生抵抗)を低減することが可能となる。
以上のように、転送領域273(転送配線277,278,279)の寄生容量及び寄生抵抗が低減されることで、転送配線277,278,279で転送される複数の信号に
歪み及び伝送の遅延等が生じることを低減することが可能となる。このため、本実施形態に示すように、転送配線277,278,279で転送される複数の信号が、駆動IC200の動作のタイミングを制御する信号(本実施形態における制御信号LAT,CH、クロック信号Sck)であるとき、複数の駆動IC200(第1の駆動IC200−1、第2の駆動IC200−2)間を含めた電子デバイス114の吐出タイミングに遅延が生じることが低減される。すなわち、液体吐出装置1(ヘッドユニット20)から吐出されるインク滴の吐出精度を向上させることができる。
歪み及び伝送の遅延等が生じることを低減することが可能となる。このため、本実施形態に示すように、転送配線277,278,279で転送される複数の信号が、駆動IC200の動作のタイミングを制御する信号(本実施形態における制御信号LAT,CH、クロック信号Sck)であるとき、複数の駆動IC200(第1の駆動IC200−1、第2の駆動IC200−2)間を含めた電子デバイス114の吐出タイミングに遅延が生じることが低減される。すなわち、液体吐出装置1(ヘッドユニット20)から吐出されるインク滴の吐出精度を向上させることができる。
さらに、転送領域273の寄生容量及び寄生抵抗が低減されることで、転送配線で転送される信号に対して、信号の歪み、信号の遅延及び信号レベルの低下等が生じることを低減することが可能となる。このため、例えば、駆動IC200が、第1の短辺201の長さに対する第1の長辺203(対向する第1の短辺201と第2の短辺との最短距離)の長さが10倍以上であるような長尺ICにおいて、特に有効化効果を得ることができる。
なお、転送配線277,278,279で転送される制御信号LAT,CH、クロック信号Sckは、当該転送配線(転送配線277,278,279)の途中で分岐されて、制御信号生成回路領域272にも入力される。また、転送領域273には、4つ以上の転送配線が配されていてもよく、例えば、ノズル列を形成するすべてのノズル122を同時に駆動するための信号が転送される転送配線などが含まれてもよい。
制御信号生成回路領域272は、転送領域273に配された転送配線277,278,279から分岐して入力された制御信号LAT,CH及びクロック信号Sckと、バンプ電極形成面に配されたバンプ電極252−f1(又はバンプ電極252−f2)から入力されるデータ信号SIと、に基づいて駆動信号Voutの生成を制御するための制御信号を生成し、駆動信号生成回路領域271に出力する。
制御信号生成回路領域272は、転送領域273の第2の長辺204側に配され、出力選択制御領域276と、出力選択制御領域276の周囲を囲むように配された一定電圧領域275とを含む。一定電圧領域275とは、例えば、グラウンド電位が配された領域であってもよく、また、グラウンド電位とは異なる一定電圧が配された領域であってもよい。これにより、出力選択制御領域276に対して、周辺に配された異なる領域により生じた雑音(ノイズ)の影響を低減できる。
出力選択制御領域276(「低電圧回路領域」の一例)は、電源電圧VHVより低い電圧信号であるデータ信号SI(「第2電圧信号」の一例)や、転送領域273から出力された制御信号LAT,CH、クロック信号Sck等の低電圧信号(例えば3.3Vの信号)に基づき動作する領域であり、具体的には、図2に示す選択制御部210に相当する構成が配される。
詳細には、出力選択制御領域276は図4に示すように複数のシフトレジスター212、複数のラッチ回路214、複数のデコーダー216を含む(図2及び図4参照)。バンプ電極252−f1(又はバンプ電極252−f2)から入力されたデータ信号SIは、複数のシフトレジスター212に順に入力される。そして、転送配線277,278,279から分岐して入力されたクロック信号Sckに同期した制御信号LAT,CHに基づいて、駆動信号Voutの生成を制御するための制御信号を生成し、駆動信号生成回路領域271に出力する。このとき、バンプ電極252−f1(又はバンプ電極252−f2)から入力されたデータ信号SIは、第1の駆動IC200−1に含まれる複数のシフトレジスター212のそれぞれに順にデータを記憶される。その後、データ信号SIは、バンプ電極252−f2(又はバンプ電極252−f1)から第1の駆動IC200−1の外部に出力され、第2の駆動IC200−2に含まれるバンプ電極252−f1(又はバ
ンプ電極252−f2)を介して第2の駆動IC200−2に入力される。これにより、第1の駆動IC200−1に含まれる複数のシフトレジスター212と、第2の駆動IC200−2に含まれる複数のシフトレジスター212とを、連続して動作させることが可能となる。
ンプ電極252−f2)を介して第2の駆動IC200−2に入力される。これにより、第1の駆動IC200−1に含まれる複数のシフトレジスター212と、第2の駆動IC200−2に含まれる複数のシフトレジスター212とを、連続して動作させることが可能となる。
駆動信号生成回路領域271(「高電圧回路領域」の一例)は、制御信号生成回路領域272の第2の長辺204側に配され、バンプ電極形成面に配された複数のバンプ電極252−a(図12参照)から入力された駆動信号COM−Aと、複数のバンプ電極252−b(図12参照)から入力された駆動信号COM−Bと、制御信号生成回路領域272から出力された制御信号と、不図示のバンプ電極から入力された電源電圧VHVとに基づいて、駆動信号Voutを生成する。そして駆動信号Voutを複数のノズルのそれぞれに対応したバンプ電極250から出力する。すなわち、駆動信号生成回路領域271は、図2に示す選択部230に相当する回路が構成された領域である。
なお、駆動IC200には、転送領域273と、出力選択制御領域276を含む制御信号生成回路領域272と、駆動信号生成回路領域271と、以外に複数の配線が配されている。具体的には、図示を省略するが、駆動IC200には、複数のバンプ電極252−aから入力された駆動信号COM−Aを駆動信号生成回路領域271に転送する配線と、複数のバンプ電極252−bから入力された駆動信号COM−Bを駆動信号生成回路領域271に転送する配線とを含む複数の配線が配されている。すなわち、本実施形態において駆動信号生成回路領域271とは、駆動信号Voutを複数のノズルのそれぞれに対応したバンプ電極250から出力するための制御を行う回路が構成された領域であって、複数のバンプ電極252−a,252−bから入力された駆動信号COM−A,COM−Bが転送される配線、駆動信号Voutを出力する配線等を含まない。すなわち、本実施形態における駆動信号生成回路領域271は、当該配線を含まない領域を示す。
以上に説明したように、本実施形態における駆動IC200は、転送配線277,278,279を含む転送領域273と、出力選択制御領域276を含む制御信号生成回路領域272と、駆動信号生成回路領域271と、を含む。そして、これらの領域は、第1の長辺203側から第2の長辺204側に向かい、転送領域273、制御信号生成回路領域272、駆動信号生成回路領域271の順に設けられる。換言すれば、転送領域273と駆動信号生成回路領域271との最短距離は、転送領域273と制御信号生成回路領域272との最短距離よりも長い。このように転送領域273を高電圧のノイズ源となり得る駆動信号生成回路領域271から離して配置することで、転送領域273に当該ノイズが重畳する可能性を低減することが可能となる。
5.作用・効果
本実施形態に係る液体吐出装置1では、ヘッドユニット20に備えられた駆動IC200は第1の短辺201側に備えられたバンプ電極252−c1と、第2の短辺202側に備えられたバンプ電極252−c2と、バンプ電極252−c1とバンプ電極252−c2とに電気的に接続された転送配線277を有する。この転送配線277により、ヘッドユニット20で転送される信号(本実施形態における制御信号LAT)の一部を転送することが可能となり、ヘッドユニット20が大きくなることを低減することができる。
本実施形態に係る液体吐出装置1では、ヘッドユニット20に備えられた駆動IC200は第1の短辺201側に備えられたバンプ電極252−c1と、第2の短辺202側に備えられたバンプ電極252−c2と、バンプ電極252−c1とバンプ電極252−c2とに電気的に接続された転送配線277を有する。この転送配線277により、ヘッドユニット20で転送される信号(本実施形態における制御信号LAT)の一部を転送することが可能となり、ヘッドユニット20が大きくなることを低減することができる。
また、本実施形態に係る液体吐出装置1では、駆動IC200に配された転送配線277は、ノイズが生じる可能性の高い駆動信号生成回路領域271から離れて設けられている。これにより、駆動信号生成回路領域271により生じたノイズが転送配線277に重畳することが低減される。よって、当該転送配線277で転送される信号の歪みを低減することが可能となる。
また、本実施形態に係る液体吐出装置1では、駆動IC200に配された転送領域273には回路素子が形成されておらず、さらに、駆動IC200の転送領域273がノンドープ領域である。このため、当該転送領域273に生じる寄生容量を低減することが可能となる。よって、駆動IC200の転送配線277で転送される信号に対して、寄生容量に基づく信号の歪み及び信号の遅延が生じることを低減することが可能となる。
また、本実施形態に係る液体吐出装置1では、駆動IC200に備えられた転送配線277が複数層のメタル配線で形成されているため、当該転送配線277のインピーダンスが低減される。すなわち、転送配線277に生じる寄生抵抗を低減することが可能となる。よって、転送領域273に配された転送配線277で転送される信号に対して、寄生抵抗に基づく信号の歪み及び信号レベルの低下が生じることを低減することが可能となる。
このとき、本実施形態に係る液体吐出装置1では、駆動IC200に備えられた転送配線277により転送される信号が、動作のタイミングを制御する信号であって、当該信号が転送配線277を介して、複数の駆動IC200(第1の駆動IC200−1、第2の駆動IC200−2)に転送することが可能となるため、雑音(ノイズ)等の影響が低減される。よって、異なる駆動IC200(第1の駆動IC200−1、第2の駆動IC200−2)間の信号のばらつきを小さくすることが可能となる。これにより、ヘッドユニット20に備えられた複数の駆動IC200(第1の駆動IC200−1、第2の駆動IC200−2)の動作タイミングのばらつきが低減され、ヘッドユニット20が吐出する液体の吐出精度を向上させることが可能となる。
なお、本実施形態に係る液体吐出装置1では、駆動IC200に配された転送配線277で転送される信号の歪みを低減することが可能であるため、1インチあたり300個以上(300dpi以上)の密度で吐出部600を備える高密度なヘッドユニット20においても、精度よく液体を吐出することが可能である。
さらに、本実施形態に係る液体吐出装置1では、駆動IC200に配された転送配線277で転送される信号の歪みを低減することが可能であるため、駆動IC200の対向する第1の短辺201と第2の短辺202との間の距離が、第1の短辺の長さの10倍以上ある長尺な集積回路装置(駆動IC200)であっても、ヘッドユニット20が大きくなることが低減され、さらに、精度よく液体を吐出することが可能である。
6.変形例
上記実施形態では、駆動IC200と封止板160及び封止板160と流路ユニット115とは、樹脂製のコア上に形成された複数のバンプ電極(所謂樹脂コアバンプ)により電気的に接続されているが、樹脂コアを有さない金のバンプ電極(所謂金バンプ)により電気的に接続されてもよく、また、例えばワイヤーボンディング等により電気的に接続される構成であってもよい。
上記実施形態では、駆動IC200と封止板160及び封止板160と流路ユニット115とは、樹脂製のコア上に形成された複数のバンプ電極(所謂樹脂コアバンプ)により電気的に接続されているが、樹脂コアを有さない金のバンプ電極(所謂金バンプ)により電気的に接続されてもよく、また、例えばワイヤーボンディング等により電気的に接続される構成であってもよい。
また、上記実施形態では、1つのノズル列を有するヘッドユニット20で説明を行ったが、2以上のノズル列を有するヘッドユニット20であってもよい。このとき、2つのノズル列が互いに左右対称となるように配されていてもよい。
また、上記実施形態では、印刷媒体Pに対してキャリッジ24に搭載されたヘッドユニット20が移動し印刷を行うシリアル印刷方式の液体吐出装置で説明を行ったが、例えば、ヘッドユニット20が、印刷媒体Pの幅以上のノズル列を有し、搬送される印刷媒体Pに対して印刷を行うラインヘッド方式の液体吐出装置であってもよい。
また、上記実施形態では、駆動回路50−a(又は50−b)が駆動素子としての圧電
素子60(容量性負荷)を駆動するピエゾ方式の液体吐出装置1を例に挙げたが、例えば、駆動回路が容量性負荷以外の駆動素子を駆動する液体吐出装置であってもよい。このような液体吐出装置としては、例えば、駆動回路が駆動素子としての発熱素子(例えば、抵抗)を駆動し、発熱素子が加熱されることにより発生するバブルを利用して液体(インク)を吐出するサーマル方式(バブル方式)の液体吐出装置等が挙げられる。
素子60(容量性負荷)を駆動するピエゾ方式の液体吐出装置1を例に挙げたが、例えば、駆動回路が容量性負荷以外の駆動素子を駆動する液体吐出装置であってもよい。このような液体吐出装置としては、例えば、駆動回路が駆動素子としての発熱素子(例えば、抵抗)を駆動し、発熱素子が加熱されることにより発生するバブルを利用して液体(インク)を吐出するサーマル方式(バブル方式)の液体吐出装置等が挙げられる。
以上、本実施形態あるいは変形例について説明したが、本発明はこれら本実施形態あるいは変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例えば、上記の実施形態及び各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…液体吐出装置、2…吐出ユニット、3…移動機構、4…搬送機構、20…ヘッドユニット、22…インクカートリッジ、24…キャリッジ、31…キャリッジモーター、32…キャリッジガイド軸、33…タイミングベルト、35…キャリッジモータードライバー、40…プラテン、41…搬送モーター、42…搬送ローラー、45…搬送モータードライバー、50−a,50−b…駆動回路、60…圧電素子、70…キャッピング部材、71…ワイパー部材、72…フラッシングボックス、80…メンテナンスユニット、81…クリーニング機構、82…ワイピング機構、90…リニアエンコーダー、100…制御部、114…電子デバイス、115…流路ユニット、116…ヘッドケース、117…収容空間、118…リザーバー、121…ノズルプレート、122…ノズル、124…連通基板、125…共通液室、126…個別連通路、127…ノズル連通路、129…圧力室形成基板、131…振動板、134…非駆動領域、135…駆動領域、136…非駆動領域、137…下電極層、138…圧電体層、139…上電極層、140,250,252…バンプ電極、141…第1の面、142…第2の面、143…感光性接着剤、145…貫通配線、147…下面側配線、148,251,253…樹脂層、150…上面側埋設配線、151…下面側埋設配線、153…電極、159…接着剤、160…封止板、190…フレキシブルフラットケーブル、195…フレキシブルプリント基板、200…駆動IC、201…第1の短辺、202…第2の短辺、203…第1の長辺、204…第2の長辺、210…選択制御部、212…シフトレジスター、214…ラッチ回路、216…デコーダー、230…選択部、232a,232b…インバーター、234a,234b…トランスファーゲート、261…第1電極群、262…第2電極群、263…第3電極群、264…第4電極群、265…第5電極群、271…駆動信号生成回路領域、272…制御信号生成回路領域、273…転送領域、275…一定電圧領域、276…出力選択制御領域、277,278,279…転送配線、600…吐出部
Claims (21)
- 駆動素子の駆動により液体を吐出する複数の吐出部と、
前記駆動素子を封止するように備えられた基板と、
前記基板上に配置された駆動ICと、
を備え、
前記駆動素子は、第1電圧信号に基づく駆動信号により駆動し、
前記駆動ICは、
平面視において長手方向に対向する第1短辺及び第2短辺を含む形状であって、
前記第1電圧信号に基づき動作する高電圧回路領域と、
前記第1電圧信号より低い電圧である第2電圧信号に基づき動作する低電圧回路領域と、
転送配線が配線される転送領域と、
前記第1短辺側に配置され前記転送配線の一端側と接続される第1端子と、
前記第2短辺側に配置され前記転送配線の他端側と接続される第2端子と、
を含み、
前記転送領域と前記高電圧回路領域との最短距離は、前記転送領域と前記低電圧回路領域との最短距離よりも長い、
ことを特徴とするヘッドユニット。 - 前記転送領域は、回路素子が形成されていない領域である、
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドユニット。 - 前記転送領域は、ノンドープ領域である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のヘッドユニット。 - 前記転送配線は、複数のメタル配線で形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヘッドユニット。 - 前記第1端子には、前記基板から前記駆動ICの動作のタイミングを制御する信号が供給されている、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のヘッドユニット。 - 前記低電圧回路領域は、一定電圧が印加された一定電圧領域で囲まれている、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のヘッドユニット。 - 前記基板上には第1の前記駆動ICと第2の前記駆動ICとが並設されており、前記第1の前記駆動ICの前記第2短辺と、前記第2の前記駆動ICの前記第1短辺は隣り合うように配置されている、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のヘッドユニット。 - 前記ヘッドユニットには、前記複数の前記吐出部が、1インチあたり300個以上の密度で備えられている、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のヘッドユニット。 - 前記駆動ICにおいて前記第1短辺と前記第2短辺とが対向する長手方向の最短距離は、前記第1短辺の長さの10倍以上である、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のヘッドユニット。 - 駆動素子の駆動により液体を吐出する複数の吐出部と、前記駆動素子を封止するように
備えられた基板と、前記基板上に配置された駆動ICと、を備えたヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットを制御する複数の信号を出力する制御回路と、
を含む液体吐出装置であって、
前記駆動素子は、第1電圧信号に基づく駆動信号により駆動し、
前記駆動ICは、
平面視において長手方向に対向する第1短辺及び第2短辺を含む形状であって、
前記第1電圧信号に基づき動作する高電圧回路領域と、
前記第1電圧信号より低い電圧である第2電圧信号に基づき動作する低電圧回路領域と、
転送配線が配線される転送領域と、
前記第1短辺側に配置され前記転送配線の一端側と接続される第1端子と、
前記第2短辺側に配置され前記転送配線の他端側と接続される第2端子と、
を含み、
前記転送領域と前記高電圧回路領域との最短距離は、前記転送領域と前記低電圧回路領域との最短距離よりも長い、
ことを特徴とする液体吐出装置。 - 前記転送領域は、回路素子が形成されていない領域である、
ことを特徴とする請求項10に記載の液体吐出装置。 - 前記転送領域は、ノンドープ領域である、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の液体吐出装置。 - 前記転送配線は、複数のメタル配線で形成されている、
ことを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の液体吐出装置。 - 前記第1端子には、前記基板から前記駆動ICの動作のタイミングを制御する信号が供給されている、
ことを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載の液体吐出装置。 - 前記低電圧回路領域は、一定電圧が印加された一定電圧領域で囲まれている、
ことを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1項に記載の液体吐出装置。 - 第1電圧信号に基づき生成された駆動信号が駆動素子に印加され駆動することにより液体を吐出する複数の吐出部を含むヘッドユニットに搭載された集積回路装置であって、
平面視において長手方向に対向する第1短辺及び第2短辺を含む形状であり、
前記第1電圧信号に基づき動作する高電圧回路領域と、
前記第1電圧信号より低い電圧である第2電圧信号に基づき動作する低電圧回路領域と、
転送配線が配線された転送領域と、
前記第1短辺側に配置され前記転送配線の一端側と接続される第1端子と、
前記第2短辺側に配置され前記転送配線の他端側に接続さえる第2端子と、
を含み、
前記転送領域と前記高電圧回路領域との最短距離は、前記転送領域と前記低電圧回路領域との最短距離よりも長い、
ことを特徴とする集積回路装置。 - 前記転送領域は、回路素子が形成されていない領域である、
ことを特徴とする請求項16に記載の集積回路装置。 - 前記転送領域は、ノンドープ領域である、
ことを特徴とする請求項16又は17に記載の集積回路装置。 - 前記転送配線は、複数のメタル配線で形成されている、
ことを特徴とする請求項16乃至18のいずれか1項に記載の集積回路装置。 - 前記第1端子には、動作のタイミングを制御する信号が供給されている、
ことを特徴とする請求項16乃至19のいずれか1項に記載の集積回路装置。 - 前記低電圧回路領域は、一定電圧が印加された一定電圧領域で囲まれている、
ことを特徴とする請求項16乃至20のいずれか1項に記載の集積回路装置。
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