JP2019014006A - アセンブリの製造ライン - Google Patents

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Abstract

【課題】生産変動に対して柔軟に対応することのできるアセンブリの製造ラインを提供する。【解決手段】本発明に係るアセンブリの製造ライン10は、被組付け品P1,P2を搬送しながら被組付け品P1,P2に組付け品p1〜p6を組付けることによりアセンブリA1,A2の製造を行うメインライン11,12と、組付け品p1〜p6の製造を行う複数のサブライン13〜18と、被組付け品P1,P2を載置した状態でメインライン11,12上を移動可能な移動部19とを備える。各サブライン13〜18の最終工程133,143,152,161,173,183の周囲をメインライン11,12が通過するように移動部19の経路20が設定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、アセンブリの製造ラインに関する。
例えば、自動車ボデーの組立て溶接工程においては、ドアパネルなどのシェル部品をシェル組立てラインで個別に製造し、シェル組立てラインで製造した各シェル部品をメインラインとなる組立て溶接ラインにそれぞれ供給することで、ホワイトボデーの組立て及び溶接を行っている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2000−272560号公報
ところで、従来の製造工程では、組付け品となるシェル部品の製造ラインが、組付け先(被組付け品)となるホワイトボデーの製造ラインと離れているため、シェル部品の製造ラインからホワイトボデーの製造ラインまでシェル部品を二次搬送する必要があった。しかしながら、このような工程配置だと、シェル部品の二次搬送のみに人員を配置しなければならず、また、シェル部品の製造ラインとホワイトボデーの製造ラインとの間で往来しながら作業を行うことも難しい。そのため、例えば多品種生産ラインにおいて品種ごとの生産比率を変更する場合など、タクトタイムの変更をはじめとする生産変動に対して柔軟に対応することが困難であった。
以上の事情に鑑み、本明細書では、生産変動に対して柔軟に対応することのできるアセンブリの製造ラインを提供することを、解決すべき技術課題とする。
前記課題の解決は、本発明に係るアセンブリの製造ラインによって達成される。すなわち、この製造ラインは、被組付け品を搬送しながら被組付け品に組付け品を組付けることによりアセンブリの製造を行うメインラインと、組付け品の製造を行うサブラインと、被組付け品を載置した状態でメインライン上を移動可能な移動部とを備えたアセンブリの製造ラインであって、サブラインは複数設けられ、各サブラインの最終工程の周囲をメインラインが通過するように移動部の経路が設定されている点をもって特徴付けられる。
このように、複数あるサブラインの最終工程の周囲をメインラインが通過するように、メインライン上を移動する移動部の経路を設定することによって、サブラインで製造された組付け品を、最短距離でメインライン上に移載することができる。これにより、特定の作業(例えば組付け品の二次搬送)にのみ従事する作業者を無くして、各作業者を機動的に配置することができる。また、各サブラインの最終工程とメインラインとは最短距離の関係にあるため、一方のラインの作業者が他方のラインの作業を兼務することも可能となる。従って、タクトタイムの変更をはじめ生産変動に強いアセンブリの製造工程を容易に構築することが可能となる。
また、本発明に係るアセンブリの製造ラインにおいては、各サブラインの少なくとも最終工程の作業スペースが、メインラインの作業スペースと重複していてもよい。
このように、サブラインの最終工程の作業スペースが、メインラインの作業スペースと重複するように、いわば共通化することによって、組付け品の完成と移載、及び被組付け品への組付け作業を一人の作業者が兼務することができる。これにより、作業者をさらに機動的に配置することができ、最小人数でタクトタイムの変更に対応することが可能となる。
また、本発明に係るアセンブリの製造ラインにおいては、メインラインが、被組付け品としてのボデーベースを搬送しながら、組付け品としてのシェル部品を組付けることによりボデーの製造を行うもので、シェル部品の製造を行うサブラインは、ボデーベースへの組付け位置に応じてメインラインの左右に配設されると共に、サブラインをなす複数の工程が、メインラインに沿って配設されていてもよい。
このように、シェル部品の製造を行うサブラインと、ボデーの製造を行うメインラインを配置することによって、左右のフロントドアパネルや、リアドアパネルなど、複数のシェル部品全ての搬出口(各サブラインの最終工程)を効率よくメインラインの側方に配置することができる。従って、非常にコンパクトに各サブラインとメインラインを配置することができると共に、これら各ラインでの作業に従事する作業者をより密に配置することができる。従って、これら作業者を極めて機動的に配置することができ、タクトタイムの変更に対してより柔軟に対応できると共に、リードタイムの一層の削減化も可能となる。
以上のように、本発明によれば、生産変動に対して柔軟に対応することのできるアセンブリの製造ラインを提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るアセンブリの製造ラインの平面図である。 図1に示す製造ラインの要部拡大平面図である。 本発明の他の実施形態に係るアセンブリの製造ラインの平面図である。
以下、本発明の一実施形態に係るアセンブリの製造ラインの内容を図面に基づき説明する。本実施形態では、自動車の塗装前ボデー、いわゆるホワイトボデーの組立てラインに本発明を適用する場合を例にとって、以下にその内容を説明する。
図1は、本実施形態に係るアセンブリの製造ライン10の平面図を示している。図1に示すように、この製造ライン10は、被組付け品としてのボデーベースP1(P2)を搬送しながらボデーベースP1(P2)に組付け品としてのシェル部品p1,p2(p3〜p6)を組付けることによりアセンブリとしてのボデーA1(A2)の製造を行うメインライン11(12)と、シェル部品p1,p2(p3〜p6)の製造を行うサブライン13,14(15〜18)と、ボデーベースP1(P2)を載置した状態でメインライン11(12)上を移動可能な移動部19とを備える。以下、各要素の詳細とその配置を順に説明する。
メインライン11,12はそれぞれ、異なる種類のボデーベースP1,P2(第一ボデーベースP1、第二ボデーベースP2)を搬送しながら対応するボデーA1,A2(第一ボデーA1、第二ボデーA2)の製造を行うもので、本実施形態では何れも直線的に伸びかつ互いに平行な位置関係にある。個別に説明すると、第一メインライン11は、第一及び第二シェル部品p1,p2の第一ボデーベースP1への組付けを行う第一組付け工程111を有する。また、第二メインライン12は、第三及び第四シェル部品p3,p4の第二ボデーベースP2への組付けを行う第一組付け工程121と、第一組付け工程121よりも下流側に位置し、第五及び第六シェル部品p5,p6の第二ボデーベースP2への組付けを行う第二組付け工程122とを有する。ここで、移動部19の経路20は、図1に示すように、第一メインライン11上と第二メインライン12上を移動部19が順に通過するように、設定されている。
サブライン13〜18はそれぞれ、対応するシェル部品p1〜p6の製造を行うもので、本実施形態では何れも対応するメインライン11,12の近傍に配置されている。ここで、各シェル部品p1〜p6の詳細を述べると、経路20の上流側から、第一シェル部品p1は第一ボデーA1の右ドアパネル(フロント、リア)、第二シェル部品p2は第一ボデーA1の左ドアパネル(フロント、リア)である。また、第三シェル部品p3は第二ボデーA2のバックドア、第四シェル部品p4は第二ボデーA2のフードであり、第五シェル部品p5は第二ボデーA2の左ドアパネル(フロント、リア)、第六シェル部品p6は第二ボデーA2の右ドアパネル(フロント、リア)である。第一シェル部品p1は第一サブライン13、第二シェル部品p2は第二サブライン14、第三シェル部品p3は第三サブライン15、第四シェル部品p4は第四サブライン16、第五シェル部品p5は第五サブライン17、そして第六シェル部品p6は第六サブライン18で製造される。
このうち第一サブライン13と第二サブライン14は、何れも第一〜第三工程131〜133,141〜143を有しており、各最終工程となる第三工程133,143の周囲を第一メインライン11が通過するように、各サブライン13,14に対する第一メインライン11の位置及び経路20が設定されている。本実施形態では、最終工程となる第三工程133,143の下流側を通過するように、第一メインライン11及び経路20の位置が設定されている。
また、第三〜第六サブライン15〜18のうち第三サブライン15は第一及び第二工程151、152を有し、第五及び第六サブライン17,18はそれぞれ第一〜第三工程171〜173,181〜183を有する。第四サブライン16は第一工程161のみを有する。これら第三〜第六サブライン15〜18についても各最終工程152,161,173,183の周囲を第二メインライン12が通過するように、各サブライン15〜18に対する第二メインライン12の位置及び経路20が設定されている。
本実施形態では、第三〜第六サブライン15〜18が、第二ボデーベースP2への組付け位置に応じて第二メインライン12の左右に配設されている。具体的には、左ドアパネルである第五シェル部品p5の製造を行う第五サブライン17は、第二メインライン12の左側に、右ドアパネルである第六シェル部品p6の製造を行う第六サブライン18は、第二メインライン12の右側にそれぞれ配設されている。なお、ここでいう第二メインライン12の左右は、第二メインライン12上を搬送される第二ボデーベースP2の左右に等しい。また、第三〜第六サブライン15〜18は何れも、第二メインライン12に沿って配設されている。これにより、図2に示すように、各サブライン15〜18の工程151,152,161,171〜173,181〜183の作業スペースS1(図2中、右下がりハッチングで示す領域)の大部分が、第二メインライン12の作業スペースS2(図2中、右上がりハッチングで示す領域)と重複している。なお、ここでいう作業スペースS1,S2とは、対応する第三〜第六サブライン15〜18又は第二メインライン12上を搬送されるワークに対して直接的又は間接的に何らかの作業を行い得る作業者の立ち位置の集合をいう。
また、図1に示すように、経路20上を一定の向きに移動する移動部19の進行方向前方を下流側とした場合に、第一メインライン11の上流側には、ボデーベースP1(P2)の搬入工程21が設けられていると共に、第二メインライン12の下流側には、組付け完了の結果得られるボデーA1(A2)の搬出工程22が設けられている。第二メインライン12と搬出工程22との間には、組付け完了後のボデーA1(A2)の検査工程23が設けられ、搬出工程22と搬入工程21との間には、上部が空になった移動部19の充電を必要に応じて実施する充電工程24が設けられている。移動部19の経路20は、これら搬入工程21、第一及び第二メインライン11,12、検査工程23、及び搬出工程22を順に通過するように設定されており、かつ経路20を閉ループとすることで、移動部19を繰り返し上述した一連の作業に使用可能としている。
なお、移動部19としては、ボデーベースP1(P2)を載置した状態で所定の経路20に沿って移動できるものであればよい。例えば、人員削減の観点からは、自走式台車が好適であり、その中でも、経路20の変更を含めた設定自由度の高さを考慮した場合には、AGVが好適である。
次に、上記構成の製造ライン10の使用例を図1及び図2に基づき説明する。
まず、ワークが載置されていない空の移動部19が経路20上を移動し、搬入工程21に到達すると、別の場所から運ばれてきた第一ボデーベースP1又は第二ボデーベースP2が移動部19上に移載される。これにより被組付け品が製造ライン10に搬入された状態となる。
そして、第一ボデーベースP1を載置した状態の移動部19が第一メインライン11の第一組付け工程111に到達すると、第一サブライン13で製造された第一シェル部品p1と第二サブライン14で製造された第二シェル部品p2の第一ボデーベースP1への組付けが行われる。ここで、第一サブライン13の最終工程(第二工程132)は第一メインライン11の側方に位置しているため、例えば第二工程132の第一メインライン11側の作業スペース(図示は省略)に位置する作業者が、第二工程132から移動部19上に第一シェル部品p1を移載し、かつそのまま第一ボデーベースP1への組付け作業を行う。同様に、第二サブライン14の最終工程(第二工程142)は第一メインライン11の側方に位置しているため、例えば第二工程142の第一メインライン11側の作業スペース(図示は省略)に位置する作業者が、第二工程142から移動部19上に第二シェル部品p2を移載し、かつそのまま第一ボデーベースP1への組付け作業を行う。これにより第一ボデーA1の組付けが完了する。
組付け完了後の第一ボデーA1を載置した状態の移動部19は、第二メインライン12を何らの作業なく通過し、第二メインライン12の下流側に位置する検査工程23に到達すると、第一ボデーA1に対する所定の検査が実施される。そして、移動部19が検査工程23よりも下流側の搬出工程22に到達すると、移動部19上から第一ボデーA1が経路20外に搬出される。
一方、搬入工程21で第二ボデーベースP2が搬入された場合、移動部19は第一メインライン11を何らの作業なく通過して、第二メインライン12に第二ボデーベースP2を搬送する。そして、第二メインライン12の第一組付け工程121において、第三サブライン15で製造された第三シェル部品p3と第四サブライン16で製造された第四シェル部品p4の第二ボデーベースP2への組付けを行う。ここで、第三サブライン15の最終工程(第二工程152)は第二メインライン12の側方に位置しているため、例えば第二工程152の第二メインライン12側の作業スペースS1(図2を参照)に位置する作業者が、第二工程152から移動部19上に第三シェル部品p3を移載し、かつそのまま第二ボデーベースP2への組付け作業を行う。同様に、第四サブライン16の最終工程(第一工程161)は第二メインライン12の側方に位置しているため、例えば第一工程161の第二メインライン12側の作業スペースS1(図2を参照)に位置する作業者が、第一工程161から移動部19上に第四シェル部品p4を移載し、かつそのまま第二ボデーベースP2への組付け作業を行う。本実施形態では、第三サブライン15が第二メインライン12の左側に、第四サブライン16が第二メインライン12の右側にそれぞれ配設されているので、上述したシェル部品p3,p4の組付け作業を互いに干渉なく同時に行い得る。
このようにして第三シェル部品p3と第四シェル部品p4の組付けを終えた後、第二メインライン12の第二組付け工程122において、第五サブライン17で製造された第五シェル部品p5と第六サブライン18で製造された第六シェル部品p6の第二ボデーベースP2への組付けを行う。ここで、第五サブライン17の最終工程(第三工程173)は第二メインライン12の側方に位置しているため、例えば第三工程173の下流側の作業スペースS1(図2を参照)に位置する作業者が、第三工程173から移動部19上に第五シェル部品p5を移載し、かつそのまま第二ボデーベースP2への組付け作業を行う。同様に、第六サブライン18の最終工程(第三工程183)は第二メインライン12の側方に位置しているため、例えば第三工程183の下流側の作業スペースS1に位置する作業者が、第三工程183から移動部19上に第六シェル部品p6を移載し、かつそのまま第二ボデーベースP2への組付け作業を行う。本実施形態では、第五サブライン17が第二メインライン12の左側に、第六サブライン18が第二メインライン12の右側にそれぞれ配設されているので、上述したシェル部品p5,p6の組付け作業を互いに干渉なく同時に行い得る。以上の作業により、第二ボデーA2の組付けが完了する。
組付け完了後の第二ボデーA2を載置した状態の移動部19が、第二メインライン12の下流側に位置する検査工程23に到達すると、第二ボデーA2に対する所定の検査が実施される。そして、移動部19が検査工程23よりも下流側の搬出工程22に到達すると、移動部19上から第二ボデーA2が経路20外に搬出される。
そして、空になった移動部19は、引き続き閉ループ状の経路20(図1を参照)を移動し、必要に応じて充電工程24で充電を行った後、再び搬入工程21で第一ボデーベースP1又は第二ボデーベースP2の搬入を行い、上述した一連の作業を繰り返し行う。このようにして、第一ボデーA1と第二ボデーA2の組付けが継続して実施される。
このように、複数あるサブライン13,14(15〜18)の最終工程133,143(152,161,173,183)の周囲を対応するメインライン11(12)が通過するように、メインライン11,12上を移動する移動部19の経路20を設定することによって(図1を参照)、各サブライン13,14(15〜18)で製造されたシェル部品p1,p2(p3〜p6)を、最短距離で対応するメインライン11(12)上に移載することができる。これにより、特定の作業(例えばシェル部品p1〜p6の二次搬送)にのみ従事する作業者を無くして、各作業者を機動的に配置することができる。また、各サブライン13,14(15〜18)の最終工程133,143(152,161,173,183)とメインライン11(12)とは最短距離の関係にあるため、一方のラインの作業者が他方のラインの作業を兼務することも可能となる。従って、タクトタイムの変更をはじめ生産変動に強い製造ライン10を容易に構築することが可能となる。
また、本実施形態では、第二メインライン12において、各サブライン15〜18の少なくとも最終工程152,161,173,183の作業スペースS1が、第二メインライン12の作業スペースS2と重複するようにした(図2を参照)。このように、各サブライン15〜18の最終工程152,161,173,183の作業スペースS1を、第二メインライン12の作業スペースS2と共通化することによって、シェル部品p3〜p6の完成と移動部19上への移載、及び第二ボデーベースP2への組付け作業を一人の作業者が兼務することができる。これにより、作業者をさらに機動的に配置することができ、最小人数でタクトタイムの変更に対応することが可能となる。
特に、本実施形態では、各シェル部品p3〜p6の製造を行う第三〜第六サブライン15〜18を、第二ボデーベースP2への組付け位置に応じて第二メインライン12の左右に配設すると共に、各サブライン15〜18をなす複数の工程151,152,171〜173,181〜183を、第二メインライン12に沿うように配設した。このように配置することによって、各サブライン15〜18並びに第二メインライン12での作業に従事する作業者をより密に、具体的には、図2に示すように、各サブライン15〜18の全工程151,152,161,171〜173,181〜183の作業スペースS1の大部分を、第二メインライン12の作業スペースS2と重複させることができる。従って、これら作業者を極めて機動的に配置することができ、タクトタイムの変更に対してより柔軟に対応できると共に、リードタイムの一層の削減化も可能となる。
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明に係るアセンブリの製造ラインは、その趣旨を逸脱しない範囲において、上記以外の構成を採ることも可能である。
図3は、本発明の他の実施形態に係るアセンブリの製造ライン30の平面図を示している。図3に示すように、この製造ライン30は、被組付け品としてのボデーベースP3,P4を搬送しながらボデーベースP3,P4に組付け品としてのシェル部品p7〜p10,p11〜p14を組付けることによりアセンブリとしてのボデーA3,A4の製造を行うメインライン31,32と、シェル部品p7〜p10,p11〜p14の製造を行うサブライン33〜36,37〜40と、ボデーベースP3,P4を載置した状態でメインライン31,32上を移動可能な移動部41とを備える。
メインライン31,32はそれぞれ、異なる種類のボデーベースP3,P4を搬送しながら対応するボデーA3,A4の製造を行うもので、本実施形態では何れも直線的に伸びかつ互いに平行な位置関係にある。個別に説明すると、第一メインライン31は、第一及び第二シェル部品p7,p8の第一ボデーベースP3への組付けを行う第一組付け工程311と、第一組付け工程311よりも下流側に位置し、第三及び第四シェル部品p9,p10の第一ボデーベースP3への組付けを行う第二組付け工程312とを有する。また、第二メインライン32は、第五及び第六シェル部品p11,p12の第二ボデーベースP4への組付けを行う第一組付け工程321と、第一組付け工程321よりも下流側に位置し、第七及び第八シェル部品p13,p14の第二ボデーベースP4への組付けを行う第二組付け工程322とを有する。ここで、移動部41の経路42は、図1に示すように、第一メインライン31と第二メインライン32との間を通り、かつ左右に分岐して、第一メインライン31上のみ、又は第二メインライン32上のみを移動部41が通過するように設定されている。従って、本実施形態に係る製造ライン30においては、移動部41は共通であり、かつ同一経路42上を複数種のワークが混在した状態で搬送されることはない。
サブライン33〜40は何れもシェル部品p7〜p14の製造を行うもので、本実施形態では対応するメインライン31,32の近傍に配置されている。ここで、各シェル部品p7〜p14の詳細を述べると、第一シェル部品p7は第一ボデーA3のバックドア、第二シェル部品p8は第一ボデーA3のフードであり、第三シェル部品p9は第一ボデーA3の左ドアパネル(フロント、リア)、第四シェル部品p10は第一ボデーA3の右ドアパネル(フロント、リア)である。また、第五シェル部品p11は第二ボデーA4のバックドア、第六シェル部品p12は第二ボデーA4のフードであり、第七シェル部品p13は第二ボデーA4の左ドアパネル(フロント、リア)、第八シェル部品p14は第二ボデーA4の右ドアパネル(フロント、リア)である。第一シェル部品p7は第一サブライン33、第二シェル部品p8は第二サブライン34、第三シェル部品p9は第三サブライン35、第四シェル部品p10は第四サブライン36、第五シェル部品p11は第五サブライン37、第六シェル部品p12は第六サブライン38、第七シェル部品p13は第七サブライン39、そして第八シェル部品p14は第八サブライン40で製造される。
このうち第一〜第四サブライン33〜36の第一メインライン31に対する配置態様と、第五〜大八サブライン37〜40の第二メインライン32に対する配置態様は同じである(図3を参照)。すなわち、第一サブライン33と第五サブライン37は共に第一工程331,371及び第二工程332、372を有し、第三及び第四サブライン35,36と第七及び第八サブライン39,40は共に、第一工程351,361,391,401、第二工程352,362,392,402、及び第三工程353,363,393,403を有する。第二サブライン34と第六サブライン38はそれぞれ第一工程341,381のみを有する。これら第一〜第八サブライン33〜40についても各最終工程332,341,353,363,372,381,393,403の周囲を対応するメインライン(第一メインライン31又は第二メインライン32)が通過するように、各サブライン33〜40に対するメインライン31,32の位置及び経路42が設定されている。
本実施形態では、第一〜第八サブライン33〜40が、第一ボデーベースP3又は第二ボデーベースP4への組付け位置に応じて第一メインライン31又は第二メインライン32の左右に配設されている。具体的な配置態様は、図1に示す製造ライン10の、第二メインライン12と第三〜第六サブライン15〜18の配置態様と同じであり、左ドアパネルである第三シェル部品p9と第七シェル部品p13の製造をそれぞれ行う第三サブライン35と第七サブライン39は、対応するメインライン31,32の左側に、右ドアパネルである第四シェル部品p10と第八シェル部品p14の製造をそれぞれ行う第四サブライン36と第八サブライン40は、対応するメインライン31,32の右側にそれぞれ配設されている。また、第一〜第八サブライン33〜40は何れも、第一メインライン31又は第二メインライン32に沿って配設されている。これにより、図示は省略するが、本実施形態においても、各サブライン33〜40の全工程331,332,341,351〜353,361〜363,371,372,381,391〜393,401〜403の作業スペースの大部分が、第一及び第二メインライン31,32の作業スペースと重複している。
また、図3に示すように、第一メインライン31と第二メインライン32との間を通る経路42は空の移動部41が返送される返送路であり、返送路の終端で左右に分岐している。分岐後、各メインライン31,32の手前(上流側)には、ボデーベースP3,P4の搬入工程43,44がそれぞれ設けられている。また、各メインライン31,32の下流側には、組付け完了の結果得られるボデーA3,A4の搬出工程45,46がそれぞれ設けられている。各メインライン31,32と搬出工程45,46との間には、組付け完了後のボデーA3,A4の検査工程47,48がそれぞれ設けられ、搬出工程45,46と搬入工程43,44との間に、上部が空になった移動部41の充電を必要に応じて実施する充電工程49が設けられている。移動部41の経路42は、搬入工程43、第一メインライン31、検査工程47、及び搬出工程45を順に通過する閉ループと、搬入工程44、第二メインライン32、検査工程48、及び搬出工程46を順に通過する閉ループとを有し、空の移動部41の返送路を共通としている。
次に、上記構成の製造ライン30の使用例を図3に基づき説明する。
まず、ワークが載置されていない空の移動部41が経路42上を移動し、生産比率に応じて適宜第一メインライン31又は第二メインライン32に向けて分岐する。そして、例えば第一メインライン31に向けて移動した移動部41が搬入工程43に到達すると、別の場所から運ばれてきた第一ボデーベースP3が移動部41上に移載される。これにより被組付け品が製造ライン30に搬入された状態となる。
そして、第一ボデーベースP3を載置した状態の移動部41が第一メインライン31の第一組付け工程311に到達すると、第一サブライン33で製造された第一シェル部品p7と第二サブライン34で製造された第二シェル部品p8の第一ボデーベースP3への組付けが行われる。ここで、第一サブライン33の最終工程(第二工程332)は第一メインライン31の側方に位置しているため、例えば第二工程332の第一メインライン31側の作業スペース(図示は省略)に位置する作業者が、第二工程332から移動部41上に第一シェル部品p7を移載し、かつそのまま第一ボデーベースP3への組付け作業を行う。同様に、第二サブライン34の最終工程(第一工程341)は第一メインライン31の側方に位置しているため、例えば第一工程341の第一メインライン31側の作業スペース(図示は省略)に位置する作業者が、第一工程341から移動部41上に第二シェル部品p8を移載し、かつそのまま第一ボデーベースP3への組付け作業を行う。ここで、第一サブライン33は第一メインライン31の左側に、第二サブライン34は第一メインライン31の右側にそれぞれ配設されているので、上述したシェル部品p7,p8の組付け作業を互いに干渉なく同時に行い得る。
このようにして第一シェル部品p7と第二シェル部品p8の組付けを終えた後、第一メインライン31の第二組付け工程312において、第三サブライン35で製造された第三シェル部品p9と第四サブライン36で製造された第四シェル部品p10の第一ボデーベースP3への組付けを行う。ここで、第三サブライン35の最終工程(第三工程353)は第一メインライン31の側方に位置しているため、例えば第三工程353の下流側の作業スペース(図示は省略)に位置する作業者が、第三工程353から移動部41上に第三シェル部品p9を移載し、かつそのまま第一ボデーベースP3への組付け作業を行う。同様に、第四サブライン36の最終工程(第三工程363)は第一メインライン31の側方に位置しているため、例えば第三工程363の下流側の作業スペース(図示は省略)に位置する作業者が、第三工程363から移動部41上に第四シェル部品p10を移載し、かつそのまま第一ボデーベースP3への組付け作業を行う。本実施形態では、第三サブライン35が第一メインライン31の左側に、第四サブライン36が第一メインライン31の右側にそれぞれ配設されているので、上述したシェル部品p9,p10の組付け作業を互いに干渉なく同時に行い得る。以上の作業により、第一ボデーA3の組付けが完了する。
組付け完了後の第一ボデーA3を載置した状態の移動部41が、第一メインライン31の下流側に位置する検査工程47に到達すると、第一ボデーA3に対する所定の検査が実施される。そして、移動部41が検査工程47よりも下流側の搬出工程45に到達すると、移動部41上から第一ボデーA3が経路42外に搬出される。
一方、第二メインライン32に向けて分岐した移動部41が搬入工程44に到達すると、別の場所から運ばれてきた第二ボデーベースP4が移動部41上に移載される。これにより被組付け品が製造ライン30に搬入された状態となる。
そして、第二ボデーベースP4を載置した状態の移動部41が第二メインライン32の第一組付け工程321に到達すると、第五サブライン37で製造された第五シェル部品p11と第六サブライン38で製造された第六シェル部品p12の第二ボデーベースP4への組付けが行われる。また、これら第五シェル部品p11と第六シェル部品p12の組付けを終えた後、第二メインライン32の第二組付け工程322において、第七サブライン39で製造された第七シェル部品p13と第八サブライン40で製造された第八シェル部品p14の第二ボデーベースP4への組付けが行われる。具体的な作業態様については、第一メインライン31と同様であるので、その詳細を省略する。以上の作業により、第二ボデーA4の組付けが完了する。
組付け完了後の第二ボデーA4を載置した状態の移動部41が、第二メインライン32の下流側に位置する検査工程48に到達すると、第二ボデーA4に対する所定の検査が実施される。そして、移動部41が検査工程48よりも下流側の搬出工程46に到達すると、移動部41上から第二ボデーA4が経路42外に搬出される。
そして、空になった移動部41は、引き続き閉ループ状の経路42(図3を参照)を移動し、必要に応じて充電工程49で充電を行った後、再び何れか一方の搬入工程43(44)で第一ボデーベースP3又は第二ボデーベースP4の搬入を行い、上述した一連の作業を繰り返し行う。このようにして、第一ボデーA3と第二ボデーA4の組付けが継続して実施される。
このように、本実施形態に係る製造ライン30においても、複数あるサブライン33〜40の最終工程332,341,353,363,372,381,393,403の周囲を対応するメインライン31,32が通過するように、メインライン31,32上を移動する移動部41の経路42を設定することによって(図3を参照)、各サブライン33〜40で製造されたシェル部品p7〜p14を、最短距離で対応するメインライン31,32上に移載することができる。これにより、特定の作業(例えばシェル部品p7〜p14の二次搬送)にのみ従事する作業者を無くして、各作業者を機動的に配置することができる。また、各サブライン33〜40の最終工程332,341,353,363,372,381,393,403とメインライン31,32とは最短距離の関係にあるため、一方のラインの作業者が他方のラインの作業を兼務することも可能となる。従って、タクトタイムの変更をはじめ生産変動に強い製造ライン30を容易に構築することが可能となる。
また、本実施形態では、移動部41の返送路が、第一メインライン31と第二メインライン32の間を通るように、経路42を設定したので、返送のためのスペースを無くして、製造ライン30の更なるコンパクト化を可能としている。
なお、以上の説明では、組付け部品をシェル部品p1〜p14とし、被組付け品をボデーベースP1〜P4として、ボデーA1〜A4の組立てラインに本発明を適用した場合を例示したが、もちろん本発明の適用対象はボデーの組立てラインには限定されない。シェル部品以外の組付け品を製造する複数のサブラインと、サブラインで製造した組付け品を被組付け品に組付けるメインラインとを備えたアセンブリの製造ライン全般に本発明を適用することが可能である。
10,30 製造ライン
11,12,31,32 メインライン
13〜18,33〜40 サブライン
19,41 移動部
20,42 経路
21,43,44 搬入工程
22,45,46 搬出工程
23,47,48 検査工程
24,49 充電工程
111,121,311,321 第一組付け工程
122,312,322 第二組付け工程
A1〜A4 ボデー
P1〜P4 ボデーベース
p1〜p14 シェル部品
S1 作業スペース(サブライン)
S2 作業スペース(メインライン)

Claims (2)

  1. 被組付け品を搬送しながら前記被組付け品に組付け品を組付けることによりアセンブリの製造を行うメインラインと、
    前記組付け品の製造を行うサブラインと、
    前記被組付け品を載置した状態で前記メインライン上を移動可能な移動部とを備えたアセンブリの製造ラインであって、
    前記サブラインは複数設けられ、
    前記各サブラインの最終工程の周囲を前記メインラインが通過するように前記移動部の経路が設定されている、アセンブリの製造ライン。
  2. 前記各サブラインの少なくとも最終工程の作業スペースが、前記メインラインの作業スペースと重複している請求項1に記載のアセンブリの製造ライン。
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