以下、本願の実施形態について図面を参照して説明する。図1に示す本願に係る画像形成装置の実施形態であるレーザプリンタ1は、電子写真方式により用紙P等にカラー画像を形成するカラーレーザプリンタであり、4色のトナーを用いる所謂タンデム方式のレーザプリンタである。尚、以下の説明では、図1に示すように、同図の紙面右側をレーザプリンタ1の前面側、紙面左側を後面側と規定する。以下、レーザプリンタ1を、単にプリンタ1という。また、図1の紙面手前側をプリンタ1の前面側から見た左側、紙面奥側を右側と規定する。また、図1の紙面上側をプリンタ1の上側、紙面下側を下側と規定する。
図1に示すように、プリンタ1は、略箱状の装置本体2を有しており、当該装置本体2の内部に、給紙部10、画像形成部20等を収納している。装置本体2の上面には、画像が形成された用紙Pを積層状態で収納する排出トレイ5が設けられている。装置本体2は、上方に開口する筐体3と、筐体3の開口部を塞ぐように筐体3にヒンジ部4を介して回動可能に連結されるカバー7とを有する。筐体3の内壁には、カバー7の開閉状態を検出するための開閉検出センサ8が取り付けられている。後述するプリンタ1のASIC61(図2参照)は、開閉検出センサ8の開閉信号Sg(図2参照)に基づいて、カバー7の開閉状態を検出可能となっている。開閉検出センサ8は、例えば、カバー7を開けた状態では、ハイレベルの開閉信号Sg(第一信号の一例)をASIC61へ出力する。また、開閉検出センサ8は、例えば、カバー7を閉じた状態では、ローレベルの開閉信号Sg(第二信号の一例)をASIC61へ出力する。これにより、ASIC61は、開閉信号Sgの信号レベルを判定することで、カバー7の開閉状態を判定できる。
また、カバー7の後方側の上部には、表示部6が設けられている。表示部6は、例えば、タッチパネルであり、液晶パネル、液晶パネルの背面側から光を照射するLED等の光源、液晶パネルの表面に貼り合わされた接触感知膜等を備えている。プリンタ1のASIC61(図2参照)は、プリンタ1に関する各種情報を表示部6に表示する。本実施形態のASIC61は、後述する図5及び図6に示すチャージ動作において、グリッド43を清掃する旨を表示部6に表示する。
また、装置本体2には、排気ファン9が設けられている。排気ファン9は、例えば、装置本体2の後方側に設けられている。排気ファン9は、後述するプリンタ1のASIC61(図2参照)の制御に基づいて回転し、装置本体2内部の空気を、装置本体2の外部に排出する。装置本体2内には、排気ファン9に駆動力を伝達可能なモータ67(図2参照)が設けられている。ASIC61は、モータ67に駆動信号DSを出力することで、モータ67の駆動の開始、駆動の停止、回転方向、回転速度等を制御可能となっている。
給紙部10は、用紙Pが収容された給紙トレイ11及び各種ローラを有しており、各種ローラを駆動して用紙Pを画像形成部20に給紙する。また、給紙トレイ11は、装置本体2の下部に対して着脱可能に構成されている。
画像形成部20は、搬送ユニット21、4つのプロセスカートリッジ30C,30M,30Y,30K、露光部35、及び定着部50を有している。搬送ユニット21は、給紙部10とプロセスカートリッジ30C等との上下方向の間に設けられており、搬送ベルト23及び4つの転写ローラ25等を有している。搬送ベルト23は、ベルトを環状にして構成された無端ベルトであり、画像形成部20の後端側下方に位置する駆動ローラ27及び前端側下方に位置する従動ローラ29に巻き付けられている。搬送ベルト23の上側の面は、プロセスカートリッジ30C等の直下において略水平に延在しており、給紙部10より供給された用紙Pの裏面と当接する。駆動ローラ27は、搬送ベルト23を所定方向に回転させる。また、搬送ベルト23は、各転写ローラ25に転写電圧が印加されることにより負帯電し静電気力で用紙Pを上側の面に吸着させつつ、吸着した用紙Pを搬送経路Rに沿って排出トレイ5へ向かって搬送する。装置本体2内には、転写ローラ25に転写電圧を印加する転写出力回路65(図2参照)が設けられている。プリンタ1のASIC61(図2参照)は、転写出力回路65を制御することで、転写ローラ25に印加する転写電圧を調整する。
プロセスカートリッジ30C,30M,30Y,30Kの各々は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色に対応している。プロセスカートリッジ30C等の各々は、対応する色(C、M、Y、K)のトナーが収容されている。また、4つのプロセスカートリッジ30C等は、プリンタ1の前方から後方に向かって、プロセスカートリッジ30K,30Y,30M,30Cの順に設けられている。
プロセスカートリッジ30Cは、ドラム形状である感光体31、コロナ帯電器41、及びトナーカートリッジ33、クリーニングローラ26等を有している。尚、他のプロセスカートリッジ30M,30Y,30Kは、異なるトナー色であるものの、その他の構成はプロセスカートリッジ30Cと同様となっている。このため、以下の説明では、代表してプロセスカートリッジ30Cについて説明し、他のプロセスカートリッジ30M,30Y,30Kについての説明を適宜省略する。
感光体31は、転写ローラ25の上方に位置し、転写ローラ25との上下方向の間に搬送ベルト23を挟んでいる。コロナ帯電器41は、例えば、帯電ワイヤ42及びグリッド43をシールドケース45に収容されたスコロトロン型のコロナ帯電器である。帯電ワイヤ42は、金属、例えば、金メッキされたタングステン、又はタングステン単体で形成されている。シールドケース45は、左右方向に沿って長尺となる略角筒型に形成されている。シールドケース45の感光体31に面した部分には、開口が形成されている。グリッド43は、このシールドケース45の開口において、導電性の線材をメッシュ状に張設して構成されている。また、帯電ワイヤ42は、シールドケース45内において左右方向に沿って張設され、感光体31に対して後方側の上部の位置に間隔を隔てて配置されている。従って、グリッド43は、感光体31と帯電ワイヤ42との間に配置されている。
コロナ帯電器41は、画像形成に際し、感光体31の表面を一様に正帯電させる。具体的には、帯電ワイヤ42及びグリッド43に電圧が印加されることで、帯電ワイヤ42と感光体31との間には、電場が形成されコロナ放電が発生する。帯電ワイヤ42とグリッド43との間に電場が形成される際、グリッド43には帯電ワイヤ42とは異なる電圧が印加されており、これにより電場の強さが制御され感光体31の帯電量が制御される。
露光部35は、装置本体2の内部の最上方に設けられており、帯電された各感光体31の表面に画像データに基づく静電潜像を形成する。トナーカートリッジ33は、収容しているトナー(現像剤の一例)を現像ローラ47の表面に担持させることによって、感光体31の表面にトナーを供給する。装置本体2内には、現像ローラ47に現像電圧を印加する現像出力回路66(図2参照)が設けられている。プリンタ1のASIC61(図2参照)は、現像出力回路66を制御し、現像ローラ47に印加する現像電圧を調整する。現像ローラ47は、現像電圧を供給されつつ回転することで、トナーカートリッジ33内のトナーを回転に伴う摩擦によって正極性に摩擦帯電させ、感光体31上へ供給する。感光体31は、表面に形成された静電潜像にトナーを供給されることによってトナー像(現像剤像の一例)を形成される。搬送ユニット21は、用紙Pを定着部50へ向けて搬送しつつ、転写ローラ25に転写電圧を印加されることで感光体31の表面に現像されたトナー像を用紙Pに転写させる。
また、クリーニングローラ26は、感光体31の後方側に近接して設けられている。クリーニングローラ26は、クリーニング電圧を印加されることで、感光体31の表面に担持されたトナーを回収する。
定着部50は、搬送ユニット21に比べて搬送経路Rの下流側に設けられている。定着部50は、加熱ローラ51と加圧ローラ52とを有している。加熱ローラ51は、用紙Pの画像形成面側に配設されており、搬送ベルト23等と同期して回転し、用紙Pに転写されたトナーを加熱しつつ、用紙Pを搬送する。加圧ローラ52は、加熱ローラ51との間に用紙Pを挟んで、当該用紙Pを加熱ローラ51側に押圧しながら従動回転する。これにより、定着部50は、用紙Pに転写されたトナーを加熱溶融させて用紙Pに定着させつつ、用紙Pを搬送経路Rに沿って搬送する。
次に、図2を参照して、プリンタ1の本願に関連する電気的構成を説明する。図2は、プリンタ1に内蔵される回路基板(図示略)に実装される高圧電源装置60の概略的なブロック図及び高圧電源装置60に関連する接続構成を示している。尚、以下の説明では、各構成要素について、色毎に区別する場合は、各部の符号にY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の添え字、又は「1〜4」などの添え字(例えば、グリッド電圧GRID1〜GRID4など)を付し、区別しない場合は添え字を省略(例えば、グリッド電圧GRIDと表記)する。
高圧電源装置60は、ASIC(特定用途向けIC)61、ASIC61に接続された高圧電源回路62、ROM63、及びRAM64を有している。ASIC61(制御装置の一例)は、高圧電源回路62の制御の他に、プリンタ1全体を統括制御する。ROM63は、ASIC61が実行する各種の動作プログラム等を記憶する記憶媒体である。本実施形態のROM63には、後述する図5及び図6に示すチャージ動作を実行するためのプログラムPGが保存されている。RAM64は、各種処理における一時データや印刷処理に用いる画像データ等を記憶する。
高圧電源回路62は、各色に対応する複数の帯電電圧生成回路70、グリッド電流検出回路82を備えるグリッド電圧調整回路81を有している。帯電電圧生成回路70は、各色に対応して4つ(帯電電圧生成回路70K,70Y,70M,70C)設けられている。帯電電圧生成回路70K〜70Cの各々は、この順にASIC61のポートPT1〜PT4のそれぞれに接続されている。帯電電圧生成回路70K〜70Cの各々は、ポートPT1〜PT4を介してASIC61からPWM(Pulse Width Modulation;パルス幅変調)信号Sp1〜Sp4を供給される。また、帯電電圧生成回路70K〜70Cの各々は、各色の感光体31を帯電させるコロナ帯電器41(41K〜41C)と接続されている。4つの帯電電圧生成回路70の各々は、各コロナ帯電器41にワイヤ電圧CHG1〜CHG4を印加する。帯電電圧生成回路70の各々は、PWM信号Sp1〜Sp4のデューティ比に応じて、ワイヤ電圧CHG1〜CHG4の電圧値を制御される。例えば、PWM信号Sp1のデューティ比を高くするのにともなって、ワイヤ電圧CHG1の電圧値は、徐々に大きくなる。尚、帯電電圧生成回路70の詳細な構成については後述する。
また、グリッド電圧調整回路81K〜81C及びグリッド電流検出回路82K〜82Cは、各コロナ帯電器41K〜41Cに対応して設けられる。グリッド43に印加されるグリッド電圧GRID1〜GRID4は、各グリッド電圧調整回路81K〜81Cによって調整される。ワイヤ電圧CHGは、例えば、約5.5kV〜7kVである。また、グリッド電圧GRIDは、例えば、約700Vである。
グリッド電圧調整回路81の各々は、電圧検出回路83及び演算増幅器OP1を有している。尚、グリッド電圧調整回路81K〜81Cの各々の回路構成は同様であるため、以下の説明では、K(ブラック)色に対応するグリッド電圧調整回路81Kについて説明し、他のグリッド電圧調整回路81Y〜81Cについての説明を適宜省略する。電圧検出回路83Kは、直列接続された2つの分圧抵抗R7,R8を有する。分圧抵抗R7,R8には、グリッド43Kに流れるグリッド電流Ig1の分流電流Id1が流れる。電圧検出回路83Kは、2つの分圧抵抗R7,R8の接続点からグリッド43Kに印加されるグリッド電圧GRID1に応じた検出電圧Vgr1を出力する。電圧検出回路83Kは、検出電圧Vgr1を分圧検出信号Sid1としてASIC61のポートA/D2に供給する。コンデンサC3は、分圧抵抗R8と並列に接続されることによって、RCフィルタを構成している。
また、演算増幅器OP1には、出力抵抗R9を介してASIC61のポートPWM2が接続されている。出力抵抗R9は、コンデンサC4を介してグランドに接地されている。ASIC61は、ポートPWM2からPWM信号Spp1を供給し、出力抵抗R9を介して演算増幅器OP1にPWM信号Spp1を供給する。従って、ASIC61は、演算増幅器OP1の基準電圧等を変更可能に構成されている。
演算増幅器OP1の出力端子には、分圧抵抗R4及びコンデンサC2を含む平滑回路が接続されている。分圧抵抗R4のグリッド43K側(演算増幅器OP1の出力端子と反対側)の接続点は、コンデンサC2を介してグランドに接地されている。また、分圧抵抗R4のグリッド43K側の接続点には、グリッド電圧GRID1を定電圧化するためのトランジスタQ1のベースが接続されている。また、トランジスタQ1は、分圧抵抗R7とグリッド43Kとの間の接続点に接続された電圧制御ラインLn1に接続されている。トランジスタQ1は、例えば、NPNトランジスタであり、コレクタをグリッド43K側の接続点(電圧制御ラインLn1)に接続され、エミッタをグリッド電流検出回路82K(抵抗R3)に接続されている。尚、トランジスタQ1はバイポーラトランジスタに限らず、例えば、FET(電界効果トランジスタ)であってもよい。
トランジスタQ1は、演算増幅器OP1の出力によってベース電流を制御される。トランジスタQ1は、ベース電流の大きさによってコレクタ抵抗を変化され、可変抵抗として機能する。ここでいうコレクタ抵抗とは、コレクタ−エミッタ間電圧をコレクタ電流で割った抵抗値である。例えば、ベース電流を大きくすることで抵抗値が下がり、反対にベース電流を小さくすることで、抵抗値が上がる。これにより、コレクタ・エミッタ間電圧が変更される。
ASIC61は、電圧検出回路83Kによって検出された検出電圧Vgr1に基づいたフィードバック制御を行う。ASIC61は、PWM信号Spp1を変更しトランジスタQ1のベース電流を変更し、グリッド電圧GRID1を変更する。従って、ASIC61は、PWM信号Spp1のデューティ比を変更することによって、グリッド電圧GRID1の電圧値を所定の目標電圧値に変更することが可能となっている。尚、電圧制御ラインLn1とグリッド43Kとの間には、グリッド電圧GRIDが充電されるコンデンサC1が設けられている。
また、電圧制御ラインLn1には、グリッド43Kを流れるグリッド電流Ig1に応じたライン電流Ir1を検出するグリッド電流検出回路82Kが接続されている。グリッド電流検出回路82Kの抵抗R3は、トランジスタQ1のエミッタとグランドとの間に接続されている。グリッド電流検出回路82Kは、抵抗R3の正側の端子電圧をライン電圧検出信号Sir1としてASIC61のポートA/D3に供給する。
ASIC61は、グリッド電流Ig1(ライン電圧検出信号Sir1)の電流値に基づいて帯電電圧生成回路70から供給するワイヤ電圧CHG1の電圧値を制御する。ASIC61は、同様に、他の色のグリッド電流Ig2〜Ig4(ライン電圧検出信号Sir2〜Sir4)に基づいて、帯電電圧生成回路70Y,70M,70Cのワイヤ電圧CHG2〜CHG4の電圧値を制御する。
ASIC61は、例えば、抵抗R3の抵抗値と、ライン電圧検出信号Sir1の電圧値からライン電流Ir1(グリッド電流Ig1)を算出する。ASIC61は、算出したグリッド電流Ig1の電流値に基づいて帯電電圧生成回路70Kを制御し、グリッド電流Ig1の電流値を所望の目標電流値に一致させる。ASIC61は、ポートPT1から出力するPWM信号Sp1のデューティ比を変更し、グリッド電流Ig1の電流値を所望の目標電流値に一致させる。
(帯電電圧生成回路70の構成)
次に、帯電電圧生成回路70の回路構成について説明する。本実施形態の4つ帯電電圧生成回路70K〜70Cでは、回路定数(抵抗値、静電容量値、トランスの巻き数比など)や出力能力が異なる場合があるものの、同様の回路構成となっている。このため、以下の説明では、主にブラック(K)に対応する帯電電圧生成回路70Kについて説明し、他の帯電電圧生成回路70Y,70M,70Cについての詳細な説明を省略する。
図3に示すように、帯電電圧生成回路70Kは、帯電電圧出力回路71K、異常放電検出回路72K、帯電電圧検出回路78を有している。帯電電圧出力回路71K(帯電出力回路の一例)は、トランス駆動回路73及び昇圧回路74を有している。帯電電圧出力回路71Kは、コロナ帯電器41K(図2参照)の帯電ワイヤ42Kに印加するワイヤ電圧CHG1を生成する。
トランス駆動回路73は、ASIC61のポートPT1からのPWM信号Sp1を入力し、PWM信号Sp1を平滑化する。トランス駆動回路73は、平滑化後のPWM信号Sp1をドライブ用のトランジスタ(図示略)に供給し、ドライブ用のトランジスタを駆動することで昇圧回路74のトランス75の1次側巻線75aに発振電流を供給する。昇圧回路74は、トランス75、整流ダイオード76、平滑コンデンサ77を有している。トランス75の1次側巻線75aには、直流電源(24V)が接続されている。トランス75は、トランス駆動回路73から供給される発振電流のデューティ比に応じて、2次側巻線75bから出力する出力電圧(ワイヤ電圧CHG1)の電圧値を変更される。例えば、PWM信号Sp1のデューティ比が大きくなればなるほど、トランス75は電圧値の大きなワイヤ電圧CHG1を生成する。2次側巻線75bには、整流ダイオード76、平滑コンデンサ77が接続されている。
これにより、トランス75の1次側巻線75aに発生する電圧は、2次側巻線75bを介して昇圧され、整流ダイオード76及び平滑コンデンサ77によって整流・平滑され、ワイヤ電圧CHG1として生成される。ワイヤ電圧CHG1は、昇圧回路74の高圧側出力端部T1及び電力線L1を介して、昇圧回路74からコロナ帯電器41Kの帯電ワイヤ42Kに印加される。ワイヤ電圧CHG1を帯電ワイヤ42Kに印加することで、帯電ワイヤ42Kと感光体31Kとの間にコロナ放電が発生する。このコロナ放電にともなって、グリッド43Kにはグリッド電圧GRID1が生じる。
異常放電検出回路72Kは、昇圧回路74の低圧側出力端部T2とグランドとの間に設けられている。低圧側出力端部T2は、トランス75の2次側巻線75bの低電圧側に接続されている。異常放電検出回路72Kは、コロナ帯電器41Kで発生する異常放電に起因してグリッド43Kやグランドを介して瞬間的に流れる異常放電電流に基づいて、異常放電の発生の有無を検出する。尚、異常放電とは、例えば、コロナ放電とは異なり、トナーや紙粉による帯電ワイヤの汚れ等によって生じる火花放電やアーク放電である。
通常動作の場合、トランス75の2次側巻線75bの高電圧側からコロナ帯電器41Kにワイヤ電圧CHG1が印加されると、グリッド43Kを流れるグリッド電流Ig1(図2参照)は、例えば、グリッド電流検出回路82K(図2参照)を介してグランドに流れる。また、コロナ帯電器41Kに異常放電が発生した場合、異常放電電流の一部は、例えば、グリッド電流検出回路82Kからグランドを介して異常放電検出回路72Kへと流れ、低圧側出力端部T2からトランス75の2次側巻線75bの低電圧側に戻る。このようなグランドを介して戻ってくる異常放電電流が所定の電流値以上となると、異常放電検出回路72Kは、異常放電の発生を示す異常放電検出信号Sv1を出力する。
異常放電検出回路72Kは、例えば、ツェナーダイオード91、検出抵抗92、コンデンサ93、トランジスタTr1、抵抗94,95及びコンデンサ96を含む。検出抵抗92及びコンデンサ93の正側の端子は、昇圧回路74の低圧側出力端部T2に接続されている。検出抵抗92及びコンデンサ93の負側の端子は、グランドに接地されている。検出抵抗92及びコンデンサ93は、グランドを介して戻ってくる異常放電電流を平滑化する。検出抵抗92及びコンデンサ93の正側の端子は、ツェナーダイオード91のアノードに接続されている。
トランジスタTr1は、例えば、PNPトランジスタであり、エミッタを直流電源Vcc1に接続されている。直流電源Vcc1の電圧は、例えば、5.0Vである。トランジスタTr1のベースには、抵抗94を介してツェナーダイオード91のカソードが接続されている。また、抵抗95は、トランジスタTr1のエミッタと、抵抗94のベース側の端子との間に接続されている。同様に、コンデンサ96は、トランジスタTr1のエミッタと、抵抗94のベース側の端子との間に接続されている。尚、本実施形態の異常放電検出回路72Kの回路構成は、一例であり、適宜変更可能である。例えば、異常放電検出回路72Kは、コンデンサ96を備えなくとも良い。また、トランジスタTr1はバイポーラトランジスタに限らず、例えば、FET(電界効果トランジスタ)であってもよい。
例えば、帯電ワイヤ42Kとグリッド43Kとの間で火花放電が発生すると、グリッド43Kに流れる異常放電電流は、断続的に大きく変動する。異常放電電流の一部がグランドを介して検出抵抗92に流れ、検出抵抗92の正側の端子の電圧が低下する。検出抵抗92の正側の端子の電圧がツェナーダイオード91のツェナー電圧(降伏電圧)まで低下すると、トランジスタTr1のベースに急激にベース電流が流れる。そして、所定の電流値以上の異常放電電流(火花放電)が発生すると、トランジスタTr1はオン状態となる。トランジスタTr1がオン状態となることで、トランジスタTr1のエミッタ・コレクタ間に電流が流れ、コレクタから直流電源Vcc1の電圧値に応じた異常放電検出信号Sv1が出力される。
図4は、異常放電検出回路72とASIC61との接続関係を示している。尚、図4では、図面が煩雑となるのを避けるため、シアンに対応する帯電電圧出力回路71Cの図示を省略している。図4に示すように、4つの異常放電検出回路72の各々は、共通の信号線である共通信号線SLに接続されている。各異常放電検出回路72におけるトランジスタTr1のコレクタは、共通信号線SLを介してASIC61のポートA/D1に接続されている。従って、帯電電圧生成回路70を各色に対応させて設けているものの、帯電電圧生成回路70(異常放電検出回路72)から出力される異常放電検出信号Sv1〜SV4の信号経路の共通化を図っている。
本実施形態のASIC61は、4つ異常放電検出回路72と接続されるポートA/D1を有し、各異常放電検出回路72の各々からポートA/D1に異常放電検出信号Sv1〜Sv4を入力する構成となっている。そして、異常放電検出回路72の各々は、互いに異なる帯電電圧出力回路71K〜71Cに接続されている。
共通信号線SLとASIC61との間には、異常放電検出信号Svを検出するための検出抵抗101が接続されている。検出抵抗101のASIC61側の端子には、抵抗103、コンデンサ104が接続されている。抵抗103及びコンデンサ104は、一端を検出抵抗101(ASIC61のポートA/D1)に接続され、他端をグランドに接地されている。抵抗103及びコンデンサ104は、検出抵抗101で検出された異常放電検出信号Svを平滑化する。
通常時においてトランジスタTr1はオフ状態となる。異常放電検出信号Svは、トランジスタTr1のコレクタから出力されない。また、異常放電が発生すると、トランジスタTr1はオン状態となる。異常放電検出信号Svは、トランジスタTr1からASIC61へと入力される。ASIC61は、ポートA/D1から入力した異常放電検出信号Svに基づいて、異常放電の発生の有無を検出することができる。ASIC61は、例えば、異常放電を検出すると、その旨をユーザに報知し、帯電ワイヤ42の清掃を促すなどの処理を行う。
ここで、異常放電検出回路72のトランジスタTr1のオン・オフ特性、即ち、異常放電(異常放電電流)の大きさに対して異常放電検出信号Svを出力する特性(感度)は、異常放電検出回路72の回路定数などを変更することによって変更できる。例えば、ツェナーダイオード91を、ツェナー電圧(降伏電圧)の異なるものに変更する。抵抗94,95やコンデンサ96を、抵抗値や静電容量値の異なるものに変更する。あるいはトランジスタTr1をI−V特性の異なるものに変更するなどである。
例えば、グランドを介した検出抵抗92とコロナ帯電器41との接続経路が長く、コロナ帯電器41から検出抵抗92に至るまでの異常放電電流の減衰が大きい異常放電検出回路72では、他の異常放電検出回路72に比べて感度を上げる必要が生じる。感度を上げたい場合、例えば、ツェナーダイオード91のツェナー電圧(降伏電圧)の絶対値を小さくし、トランジスタTr1をオンし易く(より小さい電流値の異常放電電流でオンするように)して異常放電検出回路72の感度を上げる。逆に、感度を下げたい場合、例えば、ツェナーダイオード91のツェナー電圧の絶対値を大きくし、トランジスタTr1をオンし難く(より大きい電流値の異常放電電流でオンするように)して異常放電検出回路72の感度を下げる。このように個々の異常放電検出回路72の感度を調整することで、異常放電の感度の平均化や、検出精度の向上を図ることができる。尚、感度の高い異常放電検出回路72の感度を下げて調整することは、全体の感度を下げることとなる。このため、感度調整は、感度の低い異常放電検出回路72の感度を上げることが好ましい。
一方で、本実施形態の4つの異常放電検出回路72は、同一の回路構成となっている。異常放電検出回路72は、回路構成を同一としながらも、回路定数などを変更することで感度を調整することができる。このため、製造コストの低減を図りながら、各異常放電検出回路72の感度を個別に変更することが可能となっている。
また、図3に示す帯電電圧検出回路78は、ワイヤ電圧CHG1を検出するためのものであり、電力線L1に接続され、分圧抵抗等を備えている。帯電電圧検出回路78は、ASIC61のポートPT5に接続されており、ワイヤ電圧CHG1の大きさに応じたワイヤ電圧検出信号Vs1をASIC61へ出力する。同様に、各帯電電圧生成回路70に設けられた帯電電圧検出回路78は、ワイヤ電圧検出信号Vs2,Vs3,Vs4の各々を、ASIC61のポートPT6,PT7,PT8へ出力する。これにより、ASIC61は、各帯電電圧出力回路71のワイヤ電圧CHG1〜CHG4を検出可能となっている。
(チャージ動作)
次に、本実施形態のプリンタ1のチャージ動作について、図5及び図6を参照しつつ説明する。ASIC61は、例えば、印刷指示を受け付けて帯電電圧生成回路70等を起動する際に、図5及び図6に示すチャージ動作の処理を開始する。あるいは、ASIC61は、例えば、プリンタ1の電源を投入されウォーミングアップ動作を行う際に、図5及び図6に示すチャージ動作の処理を開始する。ASIC61は、ROM63からプログラムPGを読み出して実行することで、図5及び図6に示すチャージ動作の処理を実行する。
まず、図5に示すS11において、ASIC61は、例えば、印刷指示の受け付けに応じて、4つの帯電電圧生成回路70及びグリッド電圧調整回路81の動作を開始させるため、PWM信号Sp及びPWM信号Sppの供給を開始する。ASIC61は、各グリッド電流Ig1〜Ig4の電流値に基づいてPWM信号Sp1〜Sp4のデューティ比を変更し帯電電圧生成回路70K〜70Cを制御する。ASIC61は、帯電電圧生成回路70を制御することで、グリッド電流Igの電流値を所望の目標電流値に一致させる制御を開始する(S11)。また、ASIC61は、PWM信号Sppのデューティ比を変更しグリッド電圧調整回路81を制御して、グリッド電圧GRIDの電圧値を所望の目標電圧値に一致させる制御を開始する(S11)。
ASIC61は、例えば、印刷指示を受け付けて図5及び図6に示すチャージ動作を開始した場合、グリッド電流Igやグリッド電圧GRIDが所望の目標値に到達すると、受け付けた印刷指示を実行する。また、ASIC61は、例えば、ウォーミングアップ動作に伴って図5及び図6に示すチャージ動作を開始した場合、グリッド電流Igやグリッド電圧GRIDが所望の目標値に到達すると、ウォーミングアップ動作を終了する。
ワイヤ電圧CHG1〜CHG4の各々は、グリッド電流Ig1〜Ig4の各々の増大に伴って増大する。ASIC61は、この増大するワイヤ電圧CHG1〜CHG4の電圧値を所定時間ごとに保存する(S13)。ASIC61は、帯電電圧検出回路78(図3参照)のワイヤ電圧検出信号Vsに基づいて、ワイヤ電圧CHG1〜CHG4を検出する。ASIC61は、検出したワイヤ電圧CHGの電圧値を例えば、RAM64に保存する。尚、ASIC61は、例えば、分圧検出信号Sid(グリッド電圧GRID)に基づいて、ワイヤ電圧CHGを算出しても良い。この場合、プリンタ1は、帯電電圧検出回路78を備えなくとも良い。
ASIC61は、各帯電電圧生成回路70のワイヤ電圧CHGを保存すると(S13)、異常放電が発生しているか否かを判定する(S15)。ASIC61は、各異常放電検出回路72から出力される異常放電検出信号Sv1〜Sv4に基づいて、異常放電の発生の有無を判定する(S15)。ASIC61は、異常放電が発生していないと判定したことに応じて(S15:NO)、S13の処理を繰り返し実行する。ASIC61は、例えば、100ms毎にS13の処理を繰り返し実行し、検出したワイヤ電圧CHGの電圧値を保存する。また、ASIC61は、S13を繰り返し実行している間に、例えば、印刷動作やウォーミングアップ動作を終了させた場合、帯電電圧生成回路70とグリッド電圧調整回路81を停止し、図5及び図6に示すチャージ動作を終了させる。
一方、ASIC61は、異常放電が発生したと判定したことに応じて(S15:YES)、異常放電に対処する処理であるエラー処理を開始する(S17)。S17のエラー処理において、ASIC61は、例えば、印刷の実行中であれば、実行中の印刷を中止する。ASIC61は、印刷を中止する処理として、例えば、帯電電圧生成回路70の停止、用紙Pの搬送の停止、あるいはその両方を実行する。また、エラー処理において、ASIC61は、例えば、帯電ワイヤ42に付着したトナーを清掃する旨を表示部6(図1参照)に表示する。ここで、4つの異常放電検出回路72の直流電源Vcc1(図3参照)を互いに異なる電圧レベルとし異常放電検出信号Sv1〜Sv4の電圧値を異なる値に設定した場合、ASIC61は、異常放電検出信号Svの電圧値に基づいて、異常放電の発生したコロナ帯電器41(印刷色)を特定できる。この場合、ASIC61は、どの色の帯電ワイヤ42を清掃すべきかを表示部6に表示しても良い。尚、ASIC61は、異常放電が発生した旨のみを表示部6に表示しても良い。これにより、表示部6の表示を見たユーザに帯電ワイヤ42の清掃を促すことができる。また、ASIC61は、印刷の中止を実行するのみで、表示部6に対する表示を何もしなくとも良い。あるいは、ASIC61は、印刷の中止をせず、表示部6の表示のみを実行しても良い。
次に、ASIC61は、S15で検出した異常放電が発生する前に保存されたワイヤ電圧CHGの値を、RAM64から読み出す処理を実行する(S19)。ASIC61は、例えば、S13で100msごとに保存したワイヤ電圧CHGのうち、S15で異常放電を検出した時間に最も近いワイヤ電圧CHGのデータをRAM64から読み出す。このワイヤ電圧CHGのデータは、例えば、異常放電の発生前の100ms以内に記録されたデータとなる。
次に、ASIC61は、S19で読み出したワイヤ電圧CHGの電圧値が第一閾値TH1以下であるか否かを判定する(S21)。ここで、帯電ワイヤ42にトナーが付着することで異常放電が発生した場合、帯電ワイヤ42の抵抗値の低下によって異常放電の発生前におけるワイヤ電圧CHGが増大する。一方で、帯電ワイヤ42に導電性の異物が付着した場合など、帯電ワイヤ42とグリッド43間の特定箇所の絶縁距離が一時的に短くなって異常放電が発生した場合、帯電ワイヤ42の抵抗値の低下が生じず、異常放電の発生前におけるワイヤ電圧CHGは、トナーの付着時に比べて増大しない可能性が高い。そこで、S21において、ASIC61は、異常放電の前にワイヤ電圧CHGが増大していたか否かを、第一閾値TH1を用いて判定する。このため、S21で用いる第一閾値TH1は、トナー付着に起因して異常放電前に増大したワイヤ電圧CHGと、異物等に起因した異常放電前のワイヤ電圧CHGとを識別できる値である。第一閾値TH1は、例えば、トナー付着に起因した異常放電前のワイヤ電圧CHGの電圧値(高電圧)と、異物等に起因した異常放電前のワイヤ電圧CHGの電圧値の中間値を用いることができる。これにより、ASIC61は、トナーの付着によって異常放電が発生したか否かを判定できる。
ASIC61は、S21において、ワイヤ電圧CHGの電圧値が第一閾値TH1以下であることに応じて(S21:YES)、カバー7を開閉されたか否かを判定する(S23)。ASIC61は、開閉検出センサ8の開閉信号Sgに基づいて、カバー7の開閉を判定する。カバー7を一度開いた後に閉じた場合、S17のエラー処理によって表示部6に表示した内容に従って、ユーザが帯電ワイヤ42を清掃するなどのカバー7を開けた作業をした可能性が高い。ユーザの清掃等によって、帯電ワイヤ42に付着したトナーだけでなく、導電性の異物等も除去される。
また、S21においてワイヤ電圧CHGの電圧値が第一閾値TH1以下である場合(S21:YES)、トナー付着に起因した異常放電ではなく、導電性の異物等の付着に起因した一時的な異常放電である可能性が高くなる。この場合、帯電ワイヤ42を清掃したとしても、異常放電時のワイヤ電圧CHGに比べて、清掃後の通常動作時(定電流制御時)におけるワイヤ電圧CHGの低減が少ない。このため、本実施形態のASIC61は、ワイヤ電圧CHGの電圧値が第一閾値TH1以下である場合(S21:YES)、後述する図6に示すS27〜S43のワイヤ電圧CHGの低減に基づく帯電ワイヤ42の清掃を判定する処理などを実施しない。これにより、ワイヤ電圧CHGが低減せず、エラー処理が継続され終了できなくなる事態の発生を抑制している。
カバー7が開けられていない、又は開けられたものの閉じられていない場合(S23:NO)、帯電ワイヤ42の清掃等を実施していないか、清掃の途中であると考えられる。このため、ASIC61は、カバー7を開けた後に閉じられたことを検出するまで(S23:NO)、S23の処理を繰り返し実行する。
また、カバー7が開けられた後に閉じられたことに応じて(S23:YES)、ASIC61は、S17で開始したエラー処理を終了させる(S25)。ASIC61は、例えば、S17において実行中の印刷を中止した場合、S25において中止した印刷を再開させる。また、ASIC61は、例えば、S17において帯電ワイヤ42に付着したトナーを清掃する旨を表示部6(図1参照)に表示した場合、S25においてその表示を消す処理を行う。ASIC61は、S25を実行した後、図5及び図6に示す処理を終了する。
(ワイヤ電圧CHGの低減による帯電ワイヤ42の清掃判定)
一方で、上記したS21において、ASIC61は、ワイヤ電圧CHGの電圧値が第一閾値TH1より大きいことに応じて(S21:NO)、図6に示すS27以降の処理を開始する。この場合、トナーの付着に起因した異常放電の発生の可能性が高くなる。そこで、ASIC61は、ワイヤ電圧CHGの低減によって、ユーザによって帯電ワイヤ42を清掃されたか否かを判定する。
S27において、ASIC61は、ワイヤ電圧CHG(清掃の有無)を判定するための判定基準電圧Vtを決定する。ASIC61は、例えば、今回の異常放電の発生時におけるワイヤ電圧CHGの電圧値を、判定基準電圧Vt(第二閾値、判定基準値)として決定する。あるいは、ASIC61は、今回の異常放電の発生時におけるワイヤ電圧CHGの電圧値に所定係数を乗算などして判定基準電圧Vtを算出しても良い。また、異常放電の発生時におけるワイヤ電圧CHGと判定基準電圧Vtとの対応関係を示す対応データを、ROM63に予め保存しておいても良い。そして、ASIC61は、ROM63から対応データを読み出し、異常放電時のワイヤ電圧CHGを用いて対応データから判定基準電圧Vtを検索し決定しても良い。上記した所定係数や対応データは、トナー付着による異常放電時のワイヤ電圧CHGと、トナーを清掃した後のワイヤ電圧CHGとの相関関係に基づいて予め設定することができる。また、ASIC61は、異常放電の発生時におけるワイヤ電圧CHGに限らず、異常放電前や異常放電後のワイヤ電圧CHGの電圧値に基づいて判定基準電圧Vtを決定しても良い。
また、ASIC61は、例えば、異常放電検出回路72における異常放電を検出する感度を上げておき、今回の異常放電の発生時におけるワイヤ電圧CHGの電圧値から徐々にワイヤ電圧CHGを下げていき、異常放電を検出しなくなったワイヤ電圧CHGを判定基準電圧Vtとして決定しても良い。この場合、感度を上げた分だけ、判定基準電圧Vtの電圧値は、今回の異常放電の発生時におけるワイヤ電圧CHGの電圧値に比べて小さくなる。換言すれば、感度の上げ幅に応じて、判定基準電圧Vtを設定することができる。この場合、異常放電検出回路72は、感度を調整するための回路素子、例えば、異常放電検出信号Svを増幅するオペアンプや比較するコンパレータを備えても良い。そして、ASIC61を、オペアンプの増幅率やコンパレータの基準値電圧を制御可能な構成としても良い。
また、S27において、ASIC61は、カウンタ値CTに「1」を設定する。このカウンタ値CTは、後述するS31以降の定電流制御を実行した回数を確認するための値である。ASIC61は、設定したカウンタ値CTを例えば、RAM64に保存する。
次に、ASIC61は、図5のS23と同様に、カバー7を開閉されたか否かに基づいて、帯電ワイヤ42の清掃がなされたか否かを判定する(S29)。カバー7が開けられていない、又は開けられたものの閉じられていない場合(S29:NO)、ASIC61は、S29の処理を繰り返し実行する。この間は、帯電ワイヤ42の清掃が未完了と考えられる。
一方、カバー7が開けられた後に閉じられたことに応じて(S29:YES)、ASIC61は、グリッド電圧GRIDの目標電圧値を下げた状態で、試験的に定電流制御を開始する(S31)。これは、後述するS35において、定電流制御で目標電流値Itまでグリッド電流Igを増大させた場合のワイヤ電圧CHGが判定基準電圧Vt以下となっているか否か、即ち、目標電流値Itに到達した際のワイヤ電圧CHGが、異常放電時に比べて低下しているか否かを判定することで、帯電ワイヤ42の清掃の有無を判定するためである。
尚、ASIC61は、異常放電の発生したコロナ帯電器41を特定出来る場合、異常放電の発生したコロナ帯電器41のみで定電流制御を実行しても良い。これにより、異常放電の発生したコロナ帯電器41のみ定電流制御を実行して確認することで、確認作業の効率化や確認作業における消費電力の低減を図ることが可能となる。
ASIC61は、グリッド電流Igに基づいて帯電電圧生成回路70を制御し、グリッド電流Igを目標電流値Itに一致させる定電流制御を開始する(S31)。この際、グリッド電圧GRIDの目標電圧値(第二目標値)を下げることで、グリッド電圧調整回路81によるグリッド電圧GRIDの増大を抑制する。例えば、カバー7を開閉しただけで帯電ワイヤ42を清掃していない場合、S31で開始した定電流制御によるワイヤ電圧CHGの増大にともなって、異常放電が再発する可能性がある。そこで、本実施形態のASIC61は、定電流制御の実行に際して、グリッド電圧GRIDの目標電圧値を下げ、異常放電の再発の抑制を図っている。例えば、ASIC61は、分圧検出信号Sidに基づいて、グリッド電圧GRIDを検出し、グリッド電圧GRIDの値を目標電圧値(第二目標値)に一致させるようにグリッド電圧調整回路81を制御する(第二定電圧制御)。ASIC61は、この定電圧制御(第二定電圧制御)を、S31で開始する定電流制御中に実施する。ASIC61は、例えば、異常放電の発生前のウォーミングアップ時に実施していた定電圧制御(第二定電圧制御)における目標電圧値に比べて小さい電圧値を、今回の定電圧制御(S31の定電流制御)に用いる。これにより、異常放電の再発を抑制することができる。尚、定電流制御において、ASIC61は、感光体31に加わる負荷を軽減するため、感光体31を回転させることが好ましい。また、ワイヤ電圧CHGを増大させつつ異常放電の発生を抑制する方法は、グリッド電圧GRIDの目標電圧値を低減する方法に限らない。例えば、ASIC61は、定電流制御において、グリッド電流Igの目標電流値It(第一目標値の一例)を下げても良い。この場合、グリッド電流Igを下げるのに合わせて判定基準電圧Vtを下げても良い。
また、ASIC61は、S31において、現像出力回路66(図2参照)を制御し、現像ローラ47に印加する現像電圧を、異常放電を検出する前の現像電圧に比べて低下させる。例えば、グリッド電圧GRIDの低下によって感光体31を正帯電させる帯電電量が低下すると、露光していないにも係わらず、現像ローラ47から感光体31にトナーが移動する虞がある。そこで、現像ローラ47の現像電圧を低下させることによって、帯電量の低下した感光体31へのトナーの付着を抑制できる。尚、ここでいう現像電圧の低下とは、現像電圧を停止し、現像電圧の電圧値をゼロにする状態を含む。また、プリンタ1は、感光体31や現像ローラ47を前後方向へ移動させる機構を備えても良い。そして、現像ローラ47から感光体31へのトナーの移動を抑制するため、現像ローラ47と感光体31との間の距離を一時的に離しても良い。
また、ASIC61は、S31において、感光体31の帯電量の低下を抑制するために、転写ローラ25の転写電圧やクリーニングローラ26のクリーニング電圧を制御しても良い。例えば、ASIC61は、転写出力回路65(図2参照)から出力される転写電圧の極性を、トナー(現像剤)の極性に対して同極性(正極性)となるように転写出力回路65を制御する。ASIC61は、転写ローラ25にプラスの転写電圧を印加し、転写ローラ25によって感光体31を正帯電させ、帯電量の低下を抑制しても良い。あるいは、ASIC61は、クリーニングローラ26にプラスのクリーニング電圧を印加し、クリーニングローラ26によって感光体31を正帯電させ、帯電量の低下を抑制しても良い。これにより、感光体31の帯電量の低下を抑制し、感光体31へのトナーの付着を抑制できる。尚、ASIC61は、感光体31の帯電量の低下を抑制するために、転写ローラ25及びクリーニングローラ26のどちらか一方のみを制御しても良い。
ASIC61は、S31においてグリッド電流Igの定電流制御を開始した後、例えば、グリッド電流Igを目標電流値Itまで増大させて、グリッド電流Ig、ワイヤ電圧CHG、グリッド電圧GRID等を安定化できると、定電流制御を終了させる。一方で、ASIC61は、グリッド電流Igの定電流制御中において、仮に、ワイヤ電圧CHGの電圧値が判定基準電圧Vtよりも増大した場合、ワイヤ電圧CHGをそれ以上増大させないように、ワイヤ電圧CHGを判定基準電圧Vt以下、又は一致させる定電圧制御を実行する(S33)。判定基準電圧Vtに比べてワイヤ電圧CHGが増大する場合、異常放電が再度発生する可能性がある。このため、定電流制御を定電圧制御に切り替え、ワイヤ電圧CHGが判定基準電圧Vt以上に増大することを抑制し、異常放電の再発を抑制する。この場合、帯電ワイヤ42に付着したトナーを清掃していない、あるいは清掃が足りない可能性が高い。
また、ここで、ノイズ等によってワイヤ電圧CHGの電圧値(検出信号)が一時的に増大すると、一度の超過で判定基準電圧Vtより増大したと誤って判定する可能性がある。そこで、本実施形態のASIC61は、ワイヤ電圧CHGが判定基準電圧Vtより増大した後も定電圧制御をしばらく維持し、ワイヤ電圧CHGが判定基準電圧Vt程度又はそれ以上まで確実に増大することを判定する。これにより、トナーの清掃し判定基準電圧Vt以下で定電流制御できるにも関わらず、ノイズ等によってワイヤ電圧CHGが一時的に増大することで、ワイヤ電圧CHGが判定基準電圧Vtより増大したと誤判定することを抑制できる。
尚、ASIC61は、ワイヤ電圧CHGが判定基準電圧Vtから所定値以上まで増大した場合、又はワイヤ電圧CHGが所定回数だけ判定基準電圧Vtを超えた場合に、定電圧制御へ移行しても良い。また、ASIC61は、ワイヤ電圧CHGが判定基準電圧Vtを一度越えると定電流制御できないと判定(後述するS35:NO)し、定電流制御を停止する構成でも良い。この場合、ASIC61は、定電流制御と定電圧制御との切替を実行しなくとも良い。
次に、ASIC61は、S31で開始した定電流制御において、ワイヤ電圧CHGを判定基準電圧Vt以下で維持した状態で、グリッド電流Igを目標電流値Itで安定させることができたか否かを判定する(S35)。判定基準電圧Vt以下でグリッド電流Igを定電流制御できた場合(S35:YES)、異常放電時に比べてワイヤ電圧CHGが低下しているため、ユーザによって帯電ワイヤ42を清掃された可能性が高い。このため、ASIC61は、清掃の確認作業を終了する。
ASIC61は、判定基準電圧Vt以下でグリッド電流Igを定電流制御できたことに応じて(S35:YES)、S31で開始した定電流制御で使用したデータの削除等を行う(S37)。例えば、判定基準電圧Vtの値や判定基準電圧Vtの算出に用いたデータ、定電流制御中のワイヤ電圧CHGの電圧値等をRAM64に保存していた場合、それらのデータを削除する処理を実行する。また、一時的に下げていたグリッド電圧GRIDの目標電圧値や現像電圧を元に戻す処理を実行する。ASIC61は、S37を実行すると、図5のS17で開始したエラー処理を終了させ(図5のS25)、図5及び図6に示す処理を終了する。
一方、ASIC61は、S35において、判定基準電圧Vt以下でグリッド電流Igを定電流制御できなかったことに応じて(S35:NO)、カウンタ値CTが閾値CTt以上であるか否かを判定する(S39)。即ち、ASIC61は、所定の閾値CTtの回数だけ定電流制御を実施したか否かを判定する。これは、定電流制御によってワイヤ電圧CHGが判定基準電圧Vt以下とならず、トナーの清掃を実施したか否かの判定処理(S29〜S35)が繰り返され、エラー処理(図5のS17)をいつまでも解除できない事態の発生を抑制するためである。閾値CTtは、例えば、「3」回である。この場合、ASIC61は、2回だけ定電流制御を実施してもワイヤ電圧CHGが判定基準電圧Vt以下とならない場合、後述するS41の処理を経て図6に示す処理を終了させる。
ASIC61は、カウンタ値CTが閾値CTt以上であることに応じて(S39:YES)、排気ファン9を所定時間(例えば、120秒間)だけ全速で回転させ、装置本体2の内部の空気を排出する。これは、例えば、トナーの清掃の作業やトナーの清掃のついでに実施した作業で、ユーザが可燃性のガスを含むスプレー等によって装置本体2内をメンテナンスする可能性がある。この場合、メンテナンス直後にカバー7を閉じると装置本体2内に可燃性のガスが滞留する可能性がある。滞留した可燃性のガスは、プリンタ1に不具合(異常放電など)を発生させる虞がある。そこで、ASIC61は、カウンタ値CTが閾値CTt以上となり図5及び図6の処理を終了させ、通常の動作状態に戻るのに先立って、駆動信号DS(図2参照)を所定時間出力しモータ67を制御して排気ファン9を全速で回転させ、装置本体2内の空気を排出する。尚、ASIC61は、排気ファン9を全速で回転させなくとも良い。また、ASIC61は、120秒より長く、あるいは短く排気ファン9を回転させても良い。あるいは、ASIC61は、装置本体2の内部を換気するため、外気を取り込んでも良く、カバー7を開閉する旨をユーザに通知しても良い。
ASIC61は、排気ファン9の回転動作を終了させると(S41)、S31で開始した定電流制御で使用したデータの削除等を行う(S37)。ASIC61は、図5のS17で開始したエラー処理を終了させ(図5のS25)、図5及び図6に示す処理を終了する。
一方、ASIC61は、カウンタ値CTが閾値CTtよりも少ないことに応じて(S39:NO)、帯電ワイヤ42に付着したトナーを清掃する旨を再度ユーザに通知する(S43)。例えば、ASIC61は、図5のS17で表示部6に表示したトナーを清掃する旨の表示を消した場合には、再表示を実行する(S43)。また、ASIC61は、例えば、帯電ワイヤ42の清掃が足りない旨を表示部6に表示しても良い。また、ASIC61は、S43において、カウンタ値CTの値を1つ増大させる。そして、ASIC61は、S43を実行した後、上記したS29からの処理を再度実行する。このようにして、ASIC61は、ワイヤ電圧CHGの低減に基づく帯電ワイヤ42の清掃の実施の有無を判定する。
因みに、プリンタ1は、画像形成装置の一例である。開閉検出センサ8は、センサの一例である。排気ファン9は、ファンの一例である。ASIC61は、制御装置の一例である。帯電電圧出力回路71は、帯電出力回路及びワイヤ出力回路の一例である。異常放電検出回路72は、検出回路の一例である。帯電電圧検出回路78は、ワイヤ電圧検出回路の一例である。グリッド電圧調整回路81は、グリッド出力回路の一例である。電圧検出回路83は、グリッド電圧検出回路の一例である。ワイヤ電圧CHGは、帯電電圧の一例である。異常放電検出信号Sv及び分圧検出信号Sidは、検出信号の一例である。ポートA/D1,A/D2,A/D4,A/D6,A/D8,PT5〜PT8は、入力ポートの一例である。判定基準電圧Vtは、第二閾値の一例である。開閉信号Sgは、検出信号の一例である。
上記した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)実施形態のプリンタ1(画像形成装置)は、感光体31と、コロナ放電により感光体31を帯電させるコロナ帯電器41と、コロナ帯電器41に印加される電圧であるワイヤ電圧CHG(帯電電圧)を出力する帯電電圧出力回路71(帯電出力回路)と、ワイヤ電圧CHGに係わる検出信号(異常放電検出信号Sv、ワイヤ電圧検出信号Vs、分圧検出信号Sid)を出力する検出回路(異常放電検出回路72、帯電電圧検出回路78、電圧検出回路83)と、検出回路と接続される入力ポート(ポートA/D1,PT5〜PT8,A/D2等)を有し、検出回路から入力ポートに検出信号を入力するASIC61(制御装置)と、を備える。ASIC61は、入力ポートに入力した検出信号(ワイヤ電圧検出信号Vs)に基づいて、帯電電圧に係わる値(ワイヤ電圧CHG)を検出し、入力ポートに入力した検出信号(異常放電検出信号Sv)に基づいて、コロナ帯電器41に発生する異常放電を検出し、異常放電を検出したことに応じて、異常放電に対する対処であるエラー処理を行い(図5のS17)、異常放電を検出したことに応じて、異常放電を検出する前に検出した帯電電圧に係わる値である第一検出値(ワイヤ電圧CHG)が第一閾値TH1以下であるか否かを判定し(S21)、第一検出値が第一閾値TH1以下でないと判定したことに応じて(S21:NO)、異常放電を検出した後に検出した帯電電圧に係わる値である第二検出値(ワイヤ電圧CHG)が第二閾値(判定基準電圧Vt)以下であるか否かを判定し(S35)、第二検出値が第二閾値(判定基準電圧Vt)以下であると判定したことに応じて(S35:YES)、エラー処理を終了させ(S25)、第一検出値が第一閾値TH1以下であると判定したことに応じて(S21:YES)、エラー処理を終了させる(S25)。
これによれば、ASIC61(制御装置)は、異常放電を検出する前に検出した第一検出値(ワイヤ電圧CHG)が第一閾値TH1以下でないと判定したことに応じて(S21:NO)、即ち、トナーの付着等によって異常放電が発生しワイヤ電圧CHG(第一検出値)が増大したと判定したことに応じて、異常放電を検出した後に帯電電圧出力回路71(帯電出力回路)を再度動作等させた際の第二検出値が第二閾値(判定基準電圧Vt)以下であるか否かを判定する(S35)。ASIC61は、トナー付着等による異常放電であると判定して、第二検出値が第二閾値以下であるか否かを判定することで帯電ワイヤ42の清掃を実施したか否かを判定できる。
一方、ASIC61は、第一検出値が第一閾値TH1以下であると判定したことに応じて(S21:YES)、即ち、導電性の異物等によって異常放電が発生し第一検出値が増大していないと判定したことに応じて、異常放電に対するエラー処理(帯電ワイヤ42の清掃を促す表示など)を終了させる(S25)。この場合、ASIC61は、第二検出値と第二閾値との比較、即ち、帯電ワイヤ42の清掃の有無を判定するS35等を実行せず、エラー処理を終了させる。このため、異物等に起因した異常放電の発生に伴ってエラー処理を開始したとしても、適切にエラー処理を終了させることができる。
(2)また、検出回路は、ワイヤ電圧CHG(帯電電圧)の大きさに応じたワイヤ電圧検出信号Vs(検出信号)を出力する帯電電圧検出回路78(電圧検出回路)を有する。ASIC61(制御装置)は、帯電電圧検出回路78からポートPT5等(入力ポート)に入力したワイヤ電圧検出信号Vsに基づいて、ワイヤ電圧CHGの値を検出する。
これによれば、プリンタ1は、検出回路として、ワイヤ電圧CHG(帯電電圧)の大きさに応じたワイヤ電圧検出信号Vs(検出信号)を出力する帯電電圧検出回路78を有する。ASIC61は、帯電電圧検出回路78からポートPT5,PT6,PT7,PT8に入力したワイヤ電圧検出信号Vs1〜Vs4に基づいて、ワイヤ電圧CHGの電圧値を検出する。そして、ASIC61は、異常放電が発生した場合、ワイヤ電圧CHGの電圧値と第一閾値TH1や判定基準電圧Vt(第二閾値)を比較し、適切にエラー処理を終了させることができる。
(3)また、検出回路は、異常放電の発生に応じた異常放電検出信号Sv(検出信号)を出力する異常放電検出回路72を有する。ASIC61(制御装置)は、異常放電検出回路72からポートA/D1(入力ポート)に入力した異常放電検出信号Sv(検出信号)に基づいて、異常放電を検出する。
これによれば、プリンタ1(画像形成装置)は、検出回路として、異常放電を検出するための異常放電検出回路72を有する。そして、ASIC61は、異常放電検出回路72からポートA/D1に入力した異常放電検出信号Sv1〜Sv4に基づいて異常放電を検出できる。
(4)また、コロナ帯電器41は、帯電ワイヤ42と、帯電ワイヤ42と感光体31との間に設けられたグリッド43とを有する。帯電出力回路は、帯電ワイヤ42に印加される電圧であるワイヤ電圧CHGを出力する帯電電圧出力回路71(ワイヤ出力回路)を有する。電圧検出回路は、ワイヤ電圧CHGの大きさに応じたワイヤ電圧検出信号Vs(検出信号)を出力する帯電電圧検出回路78(ワイヤ電圧検出回路)を有する。ASIC61(制御装置)は、帯電電圧検出回路78からポートPT5等(入力ポート)に入力したワイヤ電圧検出信号Vs(検出信号)に基づいて、ワイヤ電圧CHGの値を検出する。
これによれば、ASIC61(制御装置)は、異常放電を検出する前に帯電電圧検出回路78(ワイヤ電圧検出回路)で検出されたワイヤ電圧CHGの電圧値と第一閾値TH1とを比較することで、検出した異常放電が、トナー付着等に起因した異常放電か、導電性の異物等に起因した異常放電かを判定できる。
(5)また、検出回路は、グリッド43に流れる電流であるグリッド電流Igの大きさに応じたライン電圧検出信号Sir(検出信号)を出力するグリッド電流検出回路82を有する。ASIC61(制御装置)は、グリッド電流検出回路82から入力ポート(ポートA/D3,A/D5,A/D7,A/D9)に入力したライン電圧検出信号Sir1〜Sir4(検出信号)に基づいて、グリッド電流Igの値を検出し、ワイヤ電圧CHG(第一検出値)が第一閾値TH1以下でないと判定したことに応じて(S21:NO)、グリッド電流Igの値を目標電流値It(第一目標値)に一致させるように帯電電圧出力回路71(ワイヤ出力回路)を制御する定電流制御を実行する(S31)。ASIC61は、定電流制御を実行した際に検出したワイヤ電圧CHGの値である第二検出値が判定基準電圧Vt(第二閾値)以下であるか否かを判定する(S35)。
これによれば、プリンタ1は、検出回路として、グリッド43に流れるグリッド電流Igの大きさに応じたライン電圧検出信号Sir(検出信号)を出力するグリッド電流検出回路82を有する。ASIC61は、異常放電前のワイヤ電圧CHG(第一検出値)が第一閾値TH1以下でないと判定したことに応じて(S21:NO)、グリッド電流検出回路82のライン電圧検出信号Sirによって検出したグリッド電流Igに基づいてワイヤ電圧CHG(帯電電圧)を制御する定電流制御を実行する。そして、ASIC61は、ワイヤ電圧CHGの電圧値(第二検出値)を判定基準電圧Vt(第二閾値)以下とした状態で定電流制御を実行できると(S35:YES)、帯電ワイヤ42が清掃されたと判定し、エラー処理を適切に終了させることができる。
(6)また、ASIC61(制御装置)は、定電流制御において、ワイヤ電圧CHGの値が判定基準電圧Vt(第二閾値)を超えることに応じて、ワイヤ電圧CHGの値が判定基準電圧Vt以下となるように帯電電圧出力回路71(ワイヤ出力回路)を制御する第一定電圧制御を実行し(S33)、第一定電圧制御を実行しながらワイヤ電圧CHGの値を判定基準電圧Vt以下で維持できるか否かを判定する(S35)。
例えば、ノイズ等によって検出回路の検出値(ワイヤ電圧CHGの電圧値)が一時的に増大すると、一度だけワイヤ電圧CHGが判定基準電圧Vt(第二閾値)を越えただけで第二閾値より増大したと誤って判定(S35:NO)する可能性がある。そこで、ASIC61は、ワイヤ電圧CHGが判定基準電圧Vtより増大した後も定電圧制御(第一定電圧制御)をしばらく維持し、ワイヤ電圧CHGが判定基準電圧Vt程度又はそれ以上まで確実に増大することを判定する。これにより、トナーを清掃し判定基準電圧Vt以下で定電流制御できるにもかかわらず、ノイズ等によってワイヤ電圧CHGが判定基準電圧Vtより増大したと誤判定することを抑制できる。
(7)また、ASIC61(制御装置)は、ワイヤ電圧CHG(第一検出値)が第一閾値TH1以下でないと判定したことに応じて定電流制御を実行する際の目標電流値It(第一目標値)を、異常放電を検出する前の定電流制御において設定した第一目標値に比べて低く設定する(S31)。
例えば、異常放電の検出後に帯電ワイヤ42を清掃しないで定電流制御を実行した場合、定電流制御によるワイヤ電圧CHGの増大にともなって、異常放電が再発する可能性がある。そこで、ASIC61は、定電流制御の実行に際して、グリッド電流Igの目標電流値It(第一目標値)を、異常放電前に比べて低減させワイヤ電圧CHGの増大を抑制することで、異常の再発を抑制することができる。
(8)また、帯電出力回路は、グリッド43に印加される電圧であるグリッド電圧GRIDを出力するグリッド電圧調整回路81(グリッド出力回路)を有する。検出回路は、グリッド電圧GRIDの大きさに応じた分圧検出信号Sid(検出信号)を出力する電圧検出回路83(グリッド電圧検出回路)を有する。ASIC61(制御装置)は、電圧検出回路83から入力ポート(ポートA/D2,A/D4,A/D6,A/D8)に入力した分圧検出信号Sid1〜Sid4に基づいて、グリッド電圧GRIDの値を検出し、グリッド電圧GRIDの値を目標電圧値(第二目標値)に一致させるようにグリッド電圧調整回路81(グリッド出力回路)を制御する定電圧制御(第二定電圧制御)を実行する。ASIC61は、ワイヤ電圧CHG(第一検出値)が第一閾値TH1以下でないと判定したことに応じて定電流制御を実行する際の目標電圧値(第二目標値)を、異常放電を検出する前の定電圧制御(第二定電圧制御)において設定した目標電圧値(第二目標値)に比べて低く設定する。
これによれば、プリンタ1は、グリッド43に印加されるグリッド電圧GRIDを出力するグリッド電圧調整回路81(グリッド出力回路)を有する。電圧検出回路83(グリッド電圧検出回路)は、グリッド電圧GRIDの大きさに応じた分圧検出信号Sid(検出信号)を、ASIC61(制御装置)のポートA/D2等に出力する。ASIC61は、分圧検出信号Sidに基づいて、グリッド電圧GRIDを検出し、グリッド電圧GRIDの値を目標電圧値(第二目標値)に一致させるようにグリッド電圧調整回路81を制御する(第二定電圧制御)。ASIC61は、この第二定電圧制御を、S31で開始する定電流制御中に実施する。そして、ASIC61は、S31で定電流制御を実行する際の第二定電圧制御の目標電圧値(第二目標値)を、異常放電を検出する前の定電圧制御(第二定電圧制御)において設定した目標電圧値(第二目標値)に比べて低く設定する。これにより、定電流制御の実行に際して、グリッド電圧GRIDの目標電圧値(第二目標値)を異常放電前に比べて低減させ、ワイヤ電圧CHGの増大を抑制することで、異常の再発を抑制することができる。
(9)また、プリンタ1は、感光体31に形成された静電潜像を現像する現像ローラ47(現像器)と、現像ローラ47に印加される電圧である現像電圧を出力する現像出力回路66と、を備える。ASIC61(制御装置)は、目標電流値It(第一目標値)及び目標電圧値(第二目標値)のうち少なくとも一方の目標値を低く設定するのに応じて、現像出力回路66から出力される現像電圧が、異常放電を検出する前に現像出力回路66から出力されていた現像電圧に比べて小さくなるように現像出力回路66を制御する。
例えば、グリッド電圧GRIDの低下によって感光体31を正帯電させる帯電量が低下すると、露光していないにも係わらず、現像ローラ47(現像器)から感光体31へトナーが移動する虞がある。そこで、ASIC61は、現像出力回路66を制御し、現像ローラ47に印加する現像電圧を小さくすることによって、帯電量の低下した感光体31へのトナーの付着を抑制できる。
(10)また、プリンタ1は、感光体31に形成された静電潜像にトナー(現像剤)を供給して現像する現像ローラ47(現像器)と、現像ローラ47により現像されたトナー像(現像剤像)を用紙P(シート)に転写する転写ローラ25(転写器)と、転写ローラ25に印加される電圧である転写電圧を出力する転写出力回路65と、を備える。ASIC61(制御装置)は、目標電流値It(第一目標値)及び目標電圧値(第二目標値)のうち少なくとも一方の目標値を低く設定するのに応じて、転写出力回路65から出力される転写電圧の極性がトナー(現像剤)の極性に対して同極性となるように転写出力回路65を制御する。
これによれば、ASIC61(制御装置)は、転写出力回路65を制御し、転写ローラ25(転写器)に印加する転写電圧の極性を変更する。転写電圧の極性は、トナー(現像剤)の極性(例えば、正極性)と同極性となる。これにより、感光体31の帯電量(正帯電の電荷量)の低下を抑制し、帯電量の低下した感光体31へのトナー(現像剤)の付着を抑制できる。
(11)また、ASIC61(制御装置)は、異常放電を検出した際に検出したワイヤ電圧CHG(帯電電圧に係わる値)を判定基準電圧Vt(第二閾値)として設定する。
これによれば、ASIC61は、帯電ワイヤ42の清掃を実施したか否かを判定する第二閾値として、異常放電を検出した際の帯電電圧に係わる値(ワイヤ電圧CHG)を(判定基準電圧Vt)として用いる。例えば、第二閾値として前回の異常放電時のワイヤ電圧CHGを用いた場合、前回と現在のワイヤ電圧CHGの差分から帯電ワイヤ42の清掃の有無を精度良く判定できない虞がある。具体的には、例えば、前回の異常放電時の環境(室温や湿度)と現在の環境とが大きく異なっている場合、環境の違いからワイヤ電圧CHGを比較する前提となる条件が一致せず、帯電ワイヤ42の清掃によるワイヤ電圧CHGの変化(低減など)が、ワイヤ電圧CHGの電圧値の差分として現れない可能性がある。また、例えば、プリンタ1を長期間使用せず前回の異常放電時のワイヤ電圧CHGが、古いデータである場合にも同様となる。その結果、ワイヤ電圧CHGの差分から帯電ワイヤ42の清掃の有無を精度良く判定できない虞がある。そこで、ASIC61は、第二閾値として、今回の異常放電を検出した際のワイヤ電圧CHGに基づいた値(判定基準電圧Vt)を用いることで、帯電ワイヤ42の清掃の有無を精度良く判定することが可能となる。
(12)また、ASIC61(制御装置)は、用紙P(シート)に画像を印刷する制御を実行し、エラー処理として、実行中の印刷処理を中止する処理を行う(S17)。
これによれば、ASIC61は、異常放電の発生に伴って印刷を中止することで、画質の低下した画像を用紙Pに印刷してしまう不具合などの発生を抑制できる。
(13)また、プリンタ1は、表示部6を備える。コロナ帯電器41は、感光体31を帯電させる帯電ワイヤ42を有する。ASIC61(制御装置)は、エラー処理として、帯電ワイヤ42の清掃をする旨を表示部6に表示させる処理を行う。
これによれば、ASIC61は、異常放電の発生に伴って、ユーザに帯電ワイヤ42の清掃を促す。これにより、異常放電の再発を抑制することができる。
(14)また、プリンタ1は、コロナ帯電器41を内部に配置された筐体3と、筐体3に対して開閉可能なカバー7と、カバー7の開閉状態に応じた開閉信号Sg(検出信号)を出力する開閉検出センサ8(センサ)と、を備える。ASIC61(制御装置)は、開閉検出センサ8から入力する開閉信号Sgが、カバー7が開いた状態を示す第一信号(例えば、ハイレベルの開閉信号Sg)からカバー7が閉じた状態を示す第二信号(例えば、ローレベルの開閉信号Sg)に変化したか否かを判定する(S23,S29)。ASIC61は、ワイヤ電圧CHG(第一検出値)が第一閾値TH1以下でないと判定し(S21:NO)、第一信号から第二信号に変化したと判定したことに応じて(S29:YES)、異常放電を検出した後に検出したワイヤ電圧CHG(第二検出値)が判定基準電圧Vt(第二閾値)以下であるか否かを判定する(S35)。また、ASIC61は、ワイヤ電圧CHG(第一検出値)が第一閾値TH1以下であると判定し(S21:YES)、第一信号から第二信号に変化したと判定したことに応じて(S23:YES)、エラー処理を終了させる(S25)。
これによれば、ASIC61は、カバー7の開閉動作に応じて、ワイヤ電圧CHG(第二検出値)と判定基準電圧Vt(第二閾値)との判定(帯電ワイヤ42の清掃の判定)、あるいはエラー処理の終了を実行する。カバー7を開閉された場合、ユーザによって、帯電ワイヤ42等を清掃された可能性が高い。このため、帯電ワイヤ42を清掃しトナーや異物を除去されたことを確認した上で、上記した処理を開始できる。
(15)また、プリンタ1は、コロナ帯電器41を内部に配置された筐体3と、筐体3の内部の空気を排出する排気ファン9(ファン)と、排気ファン9に駆動力を伝達可能なモータ67と、を備える。ASIC61(制御装置)は、ワイヤ電圧CHG(第二検出値)が判定基準電圧Vt(第二閾値)以下でないと判定したことに応じて(S35:NO)、モータ67に駆動信号DSを出力し(S41)、駆動信号DSを所定時間出力した後に、エラー処理を終了させる(S25)。
例えば、トナーの清掃の作業やトナーの清掃のついでに実施した作業で、ユーザが可燃性のガスを含むスプレー等によって筐体3内をメンテナンスする可能性がある。この場合、メンテナンス直後の筐体3内には、可燃性のガスが滞留する可能性がある。滞留した可燃性のガスは、不具合(異常放電など)を発生させる虞がある。そこで、ASIC61は、エラー処理を終了させるのに先立って、モータ67に駆動信号DSを所定時間出力し排気ファン9(ファン)を回転させ、筐体3内の空気を排出する。これにより、可燃性のガスに起因した不具合の発生を抑制して、適切にエラー処理を終了させることができる。
尚、本願は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態において、異常放電の検出方法は、異常放電検出回路72を用いた方法に限らない。例えば、異常放電が発生した場合、ワイヤ電圧CHGの急激な増減が発生する。そこで、ASIC61は、帯電電圧検出回路78で検出するワイヤ電圧CHGの急激な増減に基づいて異常放電を検出する構成でも良い。この場合、高圧電源装置60は、異常放電検出回路72を備えなくとも良い。また、この場合にも、導電性の異物等によって異常放電が発生した場合、異常放電前のワイヤ電圧CHGは、トナーの付着による異常放電前のワイヤ電圧CHGに比べて増大しない。このため、ワイヤ電圧CHGの急激な増減に基づいて異常放電を検出する場合にも、異常放電前のワイヤ電圧CHGの電圧値に基づいて、トナーの付着による異常放電か、異物等による異常放電かを判定し、その後の処理内容を変更することは極めて有効である。
また、ASIC61は、S21において、異常放電の発生前のワイヤ電圧CHGと、第一閾値TH1とを比較して、トナー付着による異常放電か、導電性の異物による異常放電かを判定したが、これに限らない。ASIC61は、例えば、異常放電の発生前のグリッド電流Ig、グリッド電圧GRID、PWM信号Sp、あるいはPWM信号Spp等を、所定の閾値(第一閾値TH1に相当)と比較して、異常放電前のグリッド電流Ig等の変化から、トナー付着による異常放電か、導電性の異物による異常放電かを判定しても良い。
また、ASIC61は、S31で開始した定電流制御において目標電流値Itまでグリッド電流Igを増大させた場合のワイヤ電圧CHGが判定基準電圧Vt以下となっているか否か、即ち、目標電流値Itのワイヤ電圧CHGが低下しているか否かを判定することで、帯電ワイヤ42の清掃の有無を判定した。しかしながら、ASIC61は、グリッド電流Igの定電流制御に限らず、ワイヤ電圧CHGの定電圧制御によって、帯電ワイヤ42の清掃の有無を判定しても良い。例えば、ASIC61は、ワイヤ電圧CHGを一定の電圧値で定電圧制御した際のグリッド電流Igが低下しているか否かを判定することで、帯電ワイヤ42の清掃の有無を判定しても良い。この場合、異常放電の再発を抑制するため、定電圧制御を実施する際の、ワイヤ電圧CHGの目標電圧値を、異常放電前に設定された目標電圧値に比べて小さい値にしても良い。
また、ASIC61は、S31において、定電流制御におけるグリッド電圧GRIDの目標電圧値等を下げたが、下げなくとも良い。即ち、ASIC61は、異常放電の発生前と同一条件で定電流制御を実施しても良い。
また、ASIC61は、S27において、異常放電の発生時のワイヤ電圧CHGを用いて判定基準電圧Vt(第二閾値)を決定したが、これに限らない。例えば、ASIC61は、前回の異常放電時のワイヤ電圧CHGを用いて、判定基準電圧Vtを決定しても良い。
また、ASIC61は、カバー7の開閉動作に伴う判定を実施しない構成でも良い。この場合、プリンタ1は、開閉検出センサ8を備えなくとも良い。
また、ASIC61は、S41における排気ファン9の駆動を実行しなくとも良い。この場合、プリンタ1は、排気ファン9を備えなくとも良い。
また、本願のシートは、用紙Pに限らず、OHPシートでも良い。
また、上記実施形態おいて、一つの感光体31に一つのコロナ帯電器41を対応させたものを例示して説明したが、これに限定されない。本願は、一つの感光体31に対して複数のコロナ帯電器41を対応させた構成、例えば、一つの感光体31上に各色のトナー像を重ねた後、用紙Pに一括転写するプリンタ(画像形成装置)にも適用することが可能である。この場合、感光体31は、1つでもよい。
また、プリンタ1は、ブラックに対応する感光体31Kのみを備えるモノクロのプリンタでも良い。
また、プリンタ1は、コロナ帯電器41を1つだけ備える構成でも良い。
また、上記実施形態では、感光体として、ドラム形状の感光体31を例示したが、感光体は、これに限らず、例えば、ベルト形状の感光体でも良い。
また、本願のコロナ帯電器として、グリッド43を備えたスコロトロン型のコロナ帯電器41を採用したが、これに限らない。本願のコロナ帯電器としては、グリッド43を備えていないコロトロン型のコロナ帯電器でも良い。
また、上記実施形態では、制御装置としてASIC61を用いたが、本願における制御装置は、ASIC61などの専用のハードウェアにより構成する場合に限定されず、例えば、CPU上で動作するソフトウェアで構成してもよい。また、制御装置は、CPUを搭載するASICでも良い。
また、上記実施形態では、本願の画像形成装置として、電子写真方式のレーザプリンタ1を採用したが、これに限らない。本願の画像形成装置としては、複合機、ファクシミリ装置、コピー機などでも良い。
以下に、上記実施形態の内容から導き出される技術的思想について、付記として記載する。
(イ)感光体と、
コロナ放電により前記感光体を帯電させるコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器に印加される電圧である帯電電圧を出力する帯電出力回路と、
前記帯電電圧に係わる検出信号を出力する検出回路と、
前記検出回路と接続される入力ポートを有し、前記検出回路から前記入力ポートに前記検出信号を入力する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記入力ポートに入力した前記検出信号に基づいて、前記帯電電圧に係わる値を検出し、
前記入力ポートに入力した前記検出信号に基づいて、前記コロナ帯電器に発生する異常放電を検出し、
前記異常放電を検出したとことに応じて、前記異常放電に対する対処であるエラー処理を行い、
前記エラー処理を行ったことに応じて、前記異常放電を検出した際の前記帯電電圧に係わる値に基づいて、判定基準値を決定し、
前記異常放電を検出した後に検出した前記帯電電圧に係わる値が前記判定基準値以下であるか否かを判定し、
前記異常放電を検出した後に検出した前記帯電電圧に係わる値が前記判定基準値以下であることに応じて、前記エラー処理を終了させる、画像形成装置。
これによれば、ASIC61(制御装置)は、異常放電を検出した後に帯電電圧出力回路71(帯電出力回路)を再動作等させた際のワイヤ電圧CHG(帯電電圧に係わる値)が判定基準電圧Vt(判定基準値)以下であるか否かを判定することで帯電ワイヤ42の清掃を実施したか否かを判定できる。ASIC61は、この判定基準電圧Vtとして、異常放電を検出した際のワイヤ電圧CHGに基づいた値を用いる。例えば、判定基準電圧Vtとして前回の異常放電時のワイヤ電圧CHGを用いた場合、前回と現在のワイヤ電圧CHGの差分から帯電ワイヤ42の清掃の有無を精度良く判定できない虞がある。そこで、ASIC61は、判定基準電圧Vtとして、今回の異常放電前を検出した際のワイヤ電圧CHGに基づいた値を用いることで、帯電ワイヤ42の清掃の有無を精度良く判定することが可能となる。