JP2019011848A - 車両用ブレーキ - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば、直動部材の戻りにピストンが追従しやすいなど、改善された新規な構成の車両用ブレーキを得る。【解決手段】車両用ブレーキは、例えば、回転部材の正転に応じてパッドに近付く方向に直動してピストンを押圧するとともに回転部材の逆転に応じてパッドから遠ざかる方向に直動する直動部材と、を有した回転直動変換機構と、直動部材およびピストンに設けられ、中心軸回りの直動部材の回転を制限する回り止め機構と、を備え、回り止め機構は、直動部材に設けられた第二押部と、ピストンに設けられ回転部材が逆転している状態で第二押部と当接して当該第二押部の逆転方向への移動を制限する第二受部と、を有した逆転制限部と、逆転制限部に設けられ、回転部材が逆転している状態で直動部材とピストンとを中心軸の軸方向に引っ掛ける引掛構造と、を有する。【選択図】図6

Description

本開示は、車両用ブレーキに関する。
従来、モータによって駆動される回転部材の回転を直動部材の直動に変換し、当該直動部材によってピストンを介してパッドをディスクに押し付ける電動ブレーキが知られている(特許文献1)。
特開2014−69739号公報
しかしながら、上記従来技術では、モータの駆動によって直動部材がパッドから遠ざかる方向に戻る際に、ピストンが直動部材に追従せずパッドに接した位置に留まると、パッドがディスクに接したままディスクが回転する所謂引き摺り現象が生じる虞がある。
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、直動部材の戻りにピストンが追従しやすいなど、改善された新規な構成の車両用ブレーキを得ること、である。
本開示の車両用ブレーキは、例えば、シリンダが設けられたボディと、上記シリンダに収容され、上記シリンダ内の液圧によって上記シリンダの中心軸に沿って移動しパッドを押圧するピストンと、モータによって駆動される回転部材と、上記回転部材の正転に応じて上記パッドに近付く方向に直動して上記ピストンを押圧するとともに上記回転部材の逆転に応じて上記パッドから遠ざかる方向に直動する直動部材と、を有した回転直動変換機構と、上記直動部材および上記ピストンに設けられ、上記中心軸回りの上記直動部材の回転を制限する回り止め機構と、を備え、上記回り止め機構は、上記直動部材に設けられた第一押部と、上記ピストンに設けられ上記回転部材が正転している状態で上記第一押部と当接して当該第一押部の正転方向への移動を制限する第一受部と、を有した正転制限部と、上記直動部材に設けられた第二押部と、上記ピストンに設けられ上記回転部材が逆転している状態で上記第二押部と当接して当該第二押部の逆転方向への移動を制限する第二受部と、を有した逆転制限部と、上記逆転制限部に設けられ、上記回転部材が逆転している状態で上記直動部材と上記ピストンとを上記中心軸の軸方向に引っ掛ける引掛構造と、を有する。
上記車両用ブレーキでは、逆転制限部に、回転部材が逆転している状態で直動部材とピストンとを軸方向に引っ掛ける引掛構造が設けられている。よって、回転部材の逆転時に引掛構造によって直動部材とピストンとが軸方向に引っ掛かることにより、回転部材の逆転によってパッドから遠ざかる方向に戻る直動部材にピストンが追従することができる。また、上記引掛構造は回転部材の正転時には作用しないため、回転部材の正転による直動部材のパッドに近付く方向への直動は、引掛構造の影響を受けない。したがって、このような構成によれば、例えば、パッドがディスクに接したままディスクが回転する所謂引き摺り現象が生じるのを抑制することができるなど、改善された新規な構成の車両用ブレーキを得ることができる。
上記車両用ブレーキは、例えば、上記引掛構造は、上記第二押部に設けられた第三押部と、上記第二受部に設けられ上記回転部材が逆転している状態で上記第三押部によって上記パッドから遠ざかる方向に押される第三受部と、を含む。このような構成によれば、例えば、第三押部と第三受部とを含む比較的簡素な構成によって、引掛構造を実現することができる。
また、上記車両用ブレーキは、例えば、シリンダが設けられたボディと、上記シリンダに収容され、上記シリンダ内の液圧によって上記シリンダの中心軸に沿って移動しパッドを押圧するピストンと、モータによって駆動される回転部材と、上記回転部材の正転に応じて上記パッドに近付く方向に直動して上記ピストンを押圧するとともに上記回転部材の逆転に応じて上記パッドから遠ざかる方向に直動する直動部材と、を有した回転直動変換機構と、上記直動部材および上記ピストンに設けられ、上記中心軸回りの上記直動部材の回転を制限する回り止め機構と、を備え、上記回り止め機構は、上記直動部材に設けられた第一押部と、上記ピストンに設けられ上記回転部材が正転している状態で上記第一押部と当接して当該第一押部の正転方向への移動を制限する第一受部と、を有した正転制限部と、上記直動部材に設けられた第二押部と、上記ピストンに設けられ上記回転部材が逆転している状態で上記第二押部と当接して当該第二押部の逆転方向への移動を制限する第二受部と、を有した逆転制限部と、を有し、上記第一押部と上記第一受部とが互いに接した状態における第一摩擦係数が、上記第二押部と上記第二受部とが互いに接した状態における第二摩擦係数よりも小さい。
上記車両用ブレーキでは、逆転制限部において回転部材の逆転時に互いに接する第二押部と第二受部との第二摩擦係数が、正転制限部において回転部材の正転時に互いに接する第一押部と第一受部との第一摩擦係数よりも大きい。よって、車両用ブレーキを、回転部材の逆転時にパッドから遠ざかる方向に移動する直動部材に、第二押部と第二受部との摩擦によってピストンが追従し、回転部材の正転時にパッドに近付く方向に移動する直動部材には、第一押部と第一受部との摩擦によってはピストンが追従しないよう、構成することができる。したがって、このような構成によれば、例えば、パッドがディスクに接したままディスクが回転する所謂引き摺り現象が生じるのを抑制することができるなど、改善された新規な構成の車両用ブレーキを得ることができる。
上記車両用ブレーキは、例えば、上記ピストンが上記パッドを押圧する作動位置から上記作動位置よりも上記パッドから離れた非作動位置へ移動した後に上記回転部材が上記正転方向に所定回転角度回転するよう上記モータを制御する制御部を備える。このように、ピストンが非作動位置へ移動した後に回転部材が正転方向に所定回転角度回転すると、直動部材が正転方向に回転し、第二押部と第二受部とが互いに離間する状態となる。よって、このような構成によれば、例えば、ピストンに液圧が作用した場合に、第二押部と第二受部との間での直動部材とピストンとの引っ掛かりあるいは摩擦によって、ピストンがパッドに近付く方向に動き難くなるのを、抑制することができる。
図1は、実施形態の車両用ブレーキの断面図であって、電動ブレーキ機能による制動状態を示す図である。 図2は、実施形態の車両用ブレーキの断面図であって、電動ブレーキ機能による非制動状態を示す図である。 図3は、第1実施形態の車両用ブレーキに含まれるピストンおよび直動部材の分解斜視図である。 図4は、第1実施形態の車両用ブレーキに含まれるピストンおよび直動部材の断面図であって、図1のIV−IV位置での断面図である。 図5は、第1実施形態の車両用ブレーキに含まれるピストンおよび直動部材の断面図であって、図2のV−V位置での断面図である。 図6は、第2実施形態の車両用ブレーキに含まれるピストンおよび直動部材の分解斜視図である。 図7は、第2実施形態の車両用ブレーキに含まれるピストンおよび直動部材の、回転部材の正転状態における、シリンダの中心軸と直交する断面図である。 図8は、第2実施形態の車両用ブレーキに含まれるピストンおよび直動部材の、回転部材の逆転状態における、シリンダの中心軸と直交する断面図である。 図9は、第2実施形態の車両用ブレーキに含まれるピストンおよび直動部材の、回転部材の正転状態における、シリンダの中心軸と平行な断面図であって、図7のIX−IX位置での断面図である。 図10は、第2実施形態の車両用ブレーキに含まれるピストンおよび直動部材の、回転部材の逆転状態における、シリンダの中心軸と平行な断面図であって、図8のX−X位置での断面図である。 図11は、図10のXI部の拡大図である。 図12は、実施形態の車両用ブレーキにおけるモータ電流および回転直動変換機構の回転部材の回転方向の経時変化を示す図である。 図13は、第3実施形態の車両用ブレーキに含まれるピストンおよび直動部材の分解斜視図である。 図14は、第3実施形態の車両用ブレーキに含まれるピストンおよび直動部材の、回転部材の正転状態における、シリンダの中心軸と直交する断面図である。 図15は、第3実施形態の車両用ブレーキに含まれるピストンおよび直動部材の、回転部材の逆転状態における、シリンダの中心軸と直交する断面図である。 図16は、第3実施形態の車両用ブレーキに含まれるピストンおよび直動部材の、回転部材の正転状態における、シリンダの中心軸と平行な断面図であって、図14のXVI−XVI位置での断面図である。 図17は、第3実施形態の車両用ブレーキに含まれるピストンおよび直動部材の、回転部材の逆転状態における、シリンダの中心軸と平行な断面図であって、図15のXVII−XVII位置での断面図である。 図18は、図17のXVIII部の拡大図である。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。また、図面は全て、模式的かつ例示的なものである。
以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、同様の構成要素については共通の符号が付与され、重複する説明が省略される。複数の実施形態では、同様の構成要素に基づく同様の作用および効果が得られる。
また、各図において、シリンダ42の中心軸Ax1の軸方向の一方(パッド45を押圧する方向)が矢印Xで示され、パッド45を押圧する回転部材51の回転方向である正転方向は矢印Rnで示され、逆転方向が矢印Rrで示されている。
[第1実施形態]
図1は、車両用ブレーキ10の断面図であって、電動ブレーキ機能による制動状態を示す図である。また、図2は、車両用ブレーキ10の断面図であって、電動ブレーキ機能による非制動状態を示す図である。
図1,2に例示されるように、車両用ブレーキ10は、モータ20と、回転伝達機構30と、回転直動変換機構50を内蔵するキャリパ40と、を備えている。車両用ブレーキ10は、液圧ブレーキとして作動することができるとともに、電動ブレーキとしても作動することができる。キャリパ40は、液圧ブレーキを構成し、モータ20、回転伝達機構30、回転直動変換機構50、およびキャリパ40は、電動ブレーキを構成する。電動ブレーキは、所謂電動パーキングブレーキである。すなわち、車両用ブレーキ10は、電動ブレーキ機能による制動状態が駐車時に維持されるよう、構成されている。ただし、電動ブレーキは、走行時や一時停止時に作動してもよい。
モータ20のシャフト(不図示)の回転は、複数のギヤ等の回転要素(不図示)を有した回転伝達機構30を介して、回転直動変換機構50の回転部材51に伝達される。回転伝達機構30は、減速機構とも称されうる。
キャリパ40は、ボディ41と、ピストン43とを有している。ボディ41には、シリンダ42が設けられている。シリンダ42は、中心軸Ax1を中心として図1,2の左方向に開放された有底円筒状の穴である。ピストン43は、シリンダ42に中心軸Ax1に沿って往復動可能に収容されている。シリンダ42には液圧室Rが設けられている。液圧室Rにおける液圧の上昇に伴ってピストン43はパッド45の裏板45aを図1,2の右方に押し、ライニング45bをディスクDに押し付ける。これにより、ディスクDと一体に回転する車両のホイール(不図示)が制動された、液圧ブレーキによる制動状態が得られる。具体的に、ピストン43は、円筒外面状の外周面43bと、液圧室Rとは反対側(図1では右方)の端面43cと、を有している。ピストン43の外周面43bとシリンダ42の内周面42aとの間には微小な隙間(クリアランス)が設定されており、外周面43bは、当該隙間に作動液が存在する潤滑状態で、内周面42aと摺動する。シール72は、外周面43bと内周面42aとの間に介在し、液圧室Rから隙間を介しての作動液の漏れを抑制する。また、シール72は、液圧室Rにおける液圧の下降に伴って弾性力によってピストン43を液圧室R側(図1の左方)に引き込みピストン43の端面43cをパッド45から離間させるリトラクト機能を、有している。すなわち、液圧室Rの液圧の低下に伴って、ピストン43の裏板45aへの押圧が解除されると、ピストン43によるライニング45bのディスクDへの押し付けが解除され、これにより液圧ブレーキによる制動解除状態が得られる。このように、キャリパ40は、液圧ブレーキとして作動することができる。パッド45は、制動部材の一例である。
また、キャリパ40内には、回転直動変換機構50が設けられている。回転直動変換機構50は、回転部材51と直動部材52とを有している。回転部材51は、結合部51aと、フランジ51bと、シャフト51cと、を有し、ボディ41に中心軸Ax1回りに回転可能に支持されている。結合部51aは、回転伝達機構30のアウトプットシャフト(不図示)と一体に回転する。フランジ51bと、キャリパ40のボディ41との間には、スラストベアリング71が設けられている。シャフト51cは、フランジ51bから結合部51aとは反対側(図1,2では右方)に突出している。シャフト51cの外周面には、雄ねじ部51dが設けられている。
直動部材52は、筒状部52aと突起52bとを有している。筒状部52aの形状は、中心軸Ax1を中心とする円筒状である。筒状部52aの筒内面には、雌ねじ部52cが設けられており、この雌ねじ部52cと回転部材51の雄ねじ部51dとが噛み合っている。突起52bは、筒状部52aから中心軸Ax1の径方向(以下、単に径方向と称される)の外方に突出している。
回転直動変換機構50は、ピストン43に設けられた凹部43a内に収容されている。凹部43aは、液圧室R側(図1,2の左方)に向けて開放されている。直動部材52は、凹部43a内で中心軸Ax1の軸方向(以下、単に軸方向と称される、図1の左右方向)に移動可能に設けられている。
図3は、ピストン43および直動部材52の分解斜視図である。また、図4は、ピストン43および直動部材52の、図1のIV−IV位置での断面図であり、図5は、ピストン43および直動部材52の、図2のV−V位置での断面図である。
回転直動変換機構50には、直動部材52の中心軸Ax1回りの回転を制限する回り止め機構60が設けられている。具体的には、図3〜5に例示されるように、ピストン43に設けられた凹部43aには、軸方向に延びた溝43dが設けられており、この溝43dには、直動部材52の突起52bが当該溝43dに沿って移動可能に収容されている。回り止め機構60は、溝43dの側面と直動部材52の突起52bとによって、構成されている。なお、ピストン43の中心軸Ax1回りの回転は、ピストン43とシール72やパッド45との摩擦によって制限されている。
このように、本実施形態では、回転部材51の雄ねじ部51dと直動部材52の雌ねじ部52cとが噛み合うとともに、回り止め機構60により直動部材52の突起52bの回転がピストン43の溝43dによって制限されているため、回転部材51の回転に応じて直動部材52は軸方向に直動する。モータ20のシャフト(不図示)の回転(以下、これを正転とする)に基づく回転部材51の一方向の回転により、直動部材52が図1の右方に移動し、ピストン43が裏板45aを図1の右方に押圧すると、ピストン43はパッド45のライニング45bをディスクDに押し付ける。これにより、ディスクDと一体に回転する車両のホイール(不図示)が制動された、電動ブレーキ機能による制動状態が得られる(図1)。他方、モータ20のシャフトの逆転に基づく回転部材51の逆方向の回転により、直動部材52が図2の左方に移動し、ピストン43の裏板45aへの押圧が解除されると、ピストン43によるライニング45bのディスクDへの押し付けが解除され、これにより電動ブレーキ機能による制動の解除状態が得られる(図2)。このように、モータ20、回転伝達機構30、回転直動変換機構50、およびキャリパ40は、電動ブレーキとして作動することができる。
図3〜5に例示されるように、回り止め機構60は、直動部材52の正転を制限する正転制限部61を有している。正転制限部61は、直動部材52の突起52bの正転方向(方向Rn)側の側面52b1と、ピストン43の溝43dの正転方向側の側面43d1と、を有している。ピストン43の溝43dは、ピストン43の内周面43eから径方向内方に突出した四つの突起43f(凸条)のうち、中心軸Ax1の周方向(以下、単に周方向と称される)に互いに面した二つの突起43fの間に設けられている。突起43fは、中心軸Ax1に沿って延びており、中心軸Ax1と直交する断面の形状は一定である。溝43dの正転方向側の側面43d1は、言い換えると、突起43fの逆転方向側の側面である。回転部材51の正転に伴って直動部材52が正転すると、直動部材52の側面52b1がピストン43の側面43d1に当接する。ピストン43の側面43d1は、直動部材52の側面52b1の正転方向への移動を制限し、これにより、直動部材52の正転が制限される。直動部材52の側面52b1は、第一押部の一例であり、ピストン43の側面43d1は、第一受部の一例である。
また、図3〜5に例示されるように、回り止め機構60は、直動部材52の逆転を制限する逆転制限部62を有している。逆転制限部62は、直動部材52の突起52bの逆転転方向(方向Rr)側の側面52b2と、ピストン43の溝43dの逆転方向側の側面43d2と、を有している。溝43dの逆転方向側の側面43d2は、言い換えると、突起43fの正転方向側の側面である。回転部材51の逆転に伴って直動部材52が逆転すると、直動部材52の側面52b2がピストン43の側面43d2に当接する。ピストン43の側面43d2は、直動部材52の側面52b2の逆転方向への移動を制限し、これにより、直動部材52の逆転が制限される。直動部材52の側面52b2は、第二押部の一例であり、ピストン43の側面43d2は、第二受部の一例である。
図4,5から明らかとなるように、溝43dの周方向の幅は、突起52bの周方向の幅よりも大きく設定されている。よって、図4に例示されるように、回転部材51の正転により正転制限部61において直動部材52の正転が制限されている状態にあっては、逆転制限部62の直動部材52の側面52b2とピストン43の側面43d2とは互いに離間する。また、図5に例示されるように、回転部材51の逆転により逆転制限部62において直動部材52の逆転が制限されている状態にあっては、正転制限部61の直動部材52の側面52b1とピストン43の側面43d1とは互いに離間する。すなわち、回転部材51の正転状態にあっては、正転制限部61および逆転制限部62のうち正転制限部61のみが作動し、回転部材51の逆転状態にあっては、正転制限部61および逆転制限部62のうち逆転制限部62のみが作動する。
ここで、本実施形態では、正転制限部61における側面52b1と側面43d1との第一摩擦係数μ1は、逆転制限部62における側面52b2と側面43d2との第二摩擦係数μ2よりも小さく設定されている(μ1<μ2)。第一摩擦係数μ1は、正転制限部61の作動時に、側面43d1上を側面52b1が摺動し側面43d1が側面52b1に引き摺られない状態となる値に設定される。よって、回転直動変換機構50において、回転部材51の正転によって直動部材52がパッド45に近付く方向に動く場合、ピストン43は直動部材52には追従せず、直動部材52の側面52b1は、ピストン43の側面43d1上を軸方向にスライドする。
他方、第二摩擦係数μ2は、逆転制限部62の作動時に、側面43d2が側面52b2に軸方向に引き摺られる状態となる値、具体的には、側面43d2が側面52b2と一体的に動く値に設定される。よって、回転直動変換機構50において、回転部材51の逆転によって直動部材52がパッド45から遠ざかる方向に動く場合、ピストン43は直動部材52に追従し、直動部材52の側面52b2は、ピストン43の側面43d2上をスライドせず、直動部材52に引き摺られてピストン43もパッド45から遠ざかる方向に動く。なお、第二摩擦係数μ2は、側面52b2と側面43d2とが比較的遅い速度で相対移動し、パッド45から離れる方向に移動する直動部材52に遅れながらピストン43がパッド45から離れる方向に移動するような値に、設定されてもよい。
第二摩擦係数μ2は、例えば、図3においてドットパターンで示される逆転制限部62における側面52b2および側面43d2にケミカルエッチング等の表面を粗くする加工処理が選択的に施されることにより、第一摩擦係数μ1よりも高く設定することができる。
また、上述したような第一摩擦係数μ1および第二摩擦係数μ2は、例えば、側面52b1,52b2,43d1,43d2の面粗度の設定によって、実現することができる。一例としては、逆転制限部62における側面52b2および側面43d2の面粗度が、正転制限部61における側面52b1および側面43d1を含む他の部位の面粗度よりも大きくなるよう、構成される。なお、逆転制限部62においては、側面52b2および側面43d2の面粗度の値は同じである必要は無い。
以上、説明したように、本実施形態では、逆転制限部62において回転部材51の逆転時に互いに接する直動部材52の側面52b2(第二押部)とピストン43の側面43d2(第二受部)との第二摩擦係数μ2が、正転制限部61において回転部材51の正転時に互いに接する直動部材52の側面52b1(第一押部)とピストン43の側面43d1(第一受部)との第一摩擦係数μ1よりも大きい。よって、車両用ブレーキ10を、回転部材51の逆転時にパッド45から遠ざかる方向に移動する直動部材52に、側面52b2と側面43d2との摩擦によってピストン43が追従し、回転部材51の正転時にパッド45に近付く方向に移動する直動部材52には、側面52b1と側面43d1との摩擦によってはピストン43が追従しないよう、構成することができる。したがって、このような構成によれば、例えば、パッド45がディスクDに接したままディスクDが回転する所謂引き摺り現象が生じるのを抑制することができるなど、改善された新規な構成の車両用ブレーキ10を得ることができる。
[第2実施形態]
図6は、本実施形態の車両用ブレーキ10Aのピストン43Aおよび直動部材52Aの分解斜視図である。また、図7は、ピストン43Aおよび直動部材52Aの、回転部材51の正転状態における、中心軸Ax1と直交する断面図であり、図8は、ピストン43Aおよび直動部材52Aの、回転部材51の逆転状態における、中心軸Ax1と直交する断面図である。図9は、ピストン43Aおよび直動部材52Aの、回転部材51の正転状態における、中心軸Ax1と平行な断面図であって、図7のIX−IX位置での断面図であり、図10は、ピストン43Aおよび直動部材52Aの、回転部材51の逆転状態における、中心軸Ax1と平行な断面図であって、図8のX−X位置での断面図である。図11は、図10のXI部の拡大図である。
本実施形態の車両用ブレーキ10Aは、第1実施形態の車両用ブレーキ10のピストン43および直動部材52を、本実施形態のピストン43Aおよび直動部材52Aに入れ替えた構成を備えている。本実施形態でも、上記第1実施形態と同様の構成に基づく同様の作用および効果が得られる。
正転制限部61の構造は、上記第1実施形態と同じである。ただし、本実施形態では、図6,9,10に例示されるように、逆転制限部62A、すなわち、直動部材52Aの突起52bの側面52b2、およびピストン43Aの溝43dの側面43d2に、直動部材52Aとピストン43Aとを軸方向に引っ掛ける引掛構造63が設けられている。
引掛構造63は、例えば、周方向に突出する凸形状かまたは周方向に凹む凹形状であって、逆転制限部62Aにおいて、逆転する直動部材52Aの側面52b2が側面43d2に当接することにより、直動部材52Aの逆転が制限された状態で、側面52b2に設けられた凸形状または凹形状と、側面43d2に設けられた凹形状または凸形状とが、互いに少なくとも軸方向に噛み合うよう構成されている。
より詳細には、図11に例示されるように、引掛構造63は、直動部材52Aの突起52bの側面52b2に設けられた押面52b3と、ピストン43Aの溝43dの側面43d2に設けられた受面43d3と、を有している。押面52b3は、パッド45から遠ざかる方向(方向Xの反対方向、図11の上方)を向き、受面43d3は、パッド45に近付く方向(方向X、図11の下方)を向いている。受面43d3は押面52b3と面しており、逆転制限部62Aの作動時においては、略密着することができる。押面52b3および受面43d3の形状は、平面状あるいは曲面状である。突起52bの側面52b2には、複数の押面52b3が、軸方向に一定の間隔で設けられており、溝43dの側面43d2には、複数の受面43d3が、軸方向に一定の間隔で設けられている。ただし、このような構造は一例であって、押面52b3および受面43d3は、少なくとも一組設けられればよい。押面52b3は、第三押部の一例であり、受面43d3は、第三受部の一例である。
このような構成において、回転部材51の正転に伴って直動部材52Aが正転し、図7に例示されるように、回転部材51の正転により正転制限部61において直動部材52Aの正転が制限されている状態にあっては、図9に例示されるように、逆転制限部62Aの直動部材52Aの側面52b2とピストン43Aの側面43d2とは互いに離間する。
他方、回転部材51の逆転に伴って直動部材52Aが逆転し、図8に例示されるように、逆転制限部62Aの側面52b2と側面43d2とが当接すると、図11に例示されるように、引掛構造63の押面52b3と受面43d3とが接し、受面43d3が押面52b3から軸方向(方向Xの反対方向)に押される。この状態は、直動部材52Aの突起52bの側面52b2に設けられた凸形状または凹形状(凹凸形状)と、ピストン43Aの溝43dの側面43d2に設けられた凹形状または凸形状(凹凸形状)とが、軸方向に互いに噛み合った状態(係合状態)である。
以上説明したように、本実施形態によれば、逆転制限部62Aに、直動部材52Aとピストン43Aとを軸方向に引っ掛ける引掛構造63が設けられている。よって、回転部材51の逆転時に引掛構造63によって直動部材52Aとピストン43Aとが軸方向に引っ掛かることにより、回転部材51の逆転によってパッド45から遠ざかる方向に戻る直動部材52Aにピストン43Aが追従することができる。また、引掛構造63は回転部材51の正転時には作用しないため、回転部材51の正転による直動部材52Aのパッド45に近付く方向への直動は、引掛構造63の影響を受けない。したがって、このような構成によれば、例えば、パッド45がディスクDに接したままディスクDが回転する所謂引き摺り現象が生じるのを抑制することができるなど、改善された新規な構成の車両用ブレーキ10Aを得ることができる。
また、本実施形態によれば、引掛構造63は、直動部材52Aの側面52b2(第二押部)に設けられた押面52b3(第三押部)と、ピストン43Aの側面43d2(第二受部)に設けられ回転部材51が逆転している状態で押面52b3によってパッド45から遠ざかる方向に押される受面43d3(第三受部)と、を含む。このような構成によれば、例えば、押面52b3と受面43d3とを含む比較的簡素な構成によって、引掛構造63を実現することができる。
[ピストンの直動部材に対する軸方向への追従を解消する制御]
図12は、車両用ブレーキ10,10Aにおけるモータ電流および回転部材51の回転方向の経時変化を示す図である。車両用ブレーキ10,10Aでは、直動部材52,52Aの逆転により、直動部材52,52Aがピストン43,43Aを押圧しピストン43,43Aがパッド45を押圧する作動位置P1(図1)から当該作動位置P1よりもパッド45から離れた非作動位置P2(図2)へ移動した後、ECU81(図1)が、回転部材51が正転方向に所定回転角度回転するよう、モータ20を制御する。具体的に、ECU81は、図12に例示されるように、電動ブレーキ機能の操作スイッチ82(SW、図1)から、制動状態を解除する指示信号を受け取ると(時刻t0)、回転部材51が逆転するようモータ20を制御し、時刻t0から時間T1が経過した時点で(時刻t1)、当該モータ20の逆転を停止する。その後、すなわち時刻t0から時間T1以上の時間T2が経過した時点から(時刻t2)、比較的短い時間T3において回転部材51が正転方向に回転するようモータ20を制御する(時刻t3)。この場合、時間T3は、正転制限部61において、回転部材51の正転によって、正転制限部61の側面52b1と側面43d1とが互いに当接しないように設定してもよいし、正転制限部61の側面52b1と側面43d1とが互いに当接し、ピストン43,43Aがパッド45を押圧しない範囲で当該パッド45に近付く方向に僅かに移動するように設定してもよい。ECU81は、制御部の一例である。なお、ECU81の一部は、ソフトウエアを実行するcentral processing unit(CPU)やコントローラのようなハードウエアによって構成されてもよいし、ECU81は、全体的にハードウエアによって構成されてもよい。
このように、直動部材52,52Aが非作動位置P2へ移動した後に回転部材51が正転方向に所定回転角度回転すると、直動部材52,52Aが正転方向に回転し、逆転制限部62,62Aにおいて直動部材52,52Aの側面52b2(第二押部)とピストン43,43Aの側面43d2(第二受部)とが互いに離間する状態となる。よって、このような構成によれば、例えば、ピストン43,43Aに液圧が作用した場合に、側面52b2と側面43d2との間での(逆転制限部62,62Aにおける)直動部材52,52Aとピストン43,43Aとの摩擦あるいは引っ掛かりによってピストン43,43Aがパッド45に近付く方向に動き難くなるのを、抑制することができる。なお、ECU81は、このような逆転制限部62,62Aにおける摩擦や引っ掛かりを解除する制御を、フットブレーキのペダルの操作信号や、液圧室Rにおける閾値以上の液圧を示す信号等に基づいて実行してもよいし、ペダルの操作信号や、液圧を示す信号、操作スイッチ82による操作信号を取得してからの経過時間等に基づくロジック等に基づいて実行してもよい。
[第3実施形態]
図13は、本実施形態の車両用ブレーキ10Bのピストン43Bおよび直動部材52Bの分解斜視図である。また、図14は、ピストン43Bおよび直動部材52Bの、回転部材51の正転状態における、中心軸Ax1と直交する断面図であり、図15は、ピストン43Bおよび直動部材52Bの、回転部材51の逆転状態における、中心軸Ax1と直交する断面図である。図16は、ピストン43Bおよび直動部材52Bの、回転部材51の正転状態における、中心軸Ax1と平行な断面図であって、図14のXVI−XVI位置での断面図であり、図17は、ピストン43Bおよび直動部材52Bの、回転部材51の逆転状態における、中心軸Ax1と平行な断面図であって、図15のXVII−XVII位置での断面図である。また、図18は、図17のXVIII部の拡大図である。
本実施形態の車両用ブレーキ10Bは、第1実施形態の車両用ブレーキ10のピストン43および直動部材52を、本実施形態のピストン43Bおよび直動部材52Bに入れ替えた構成を備えている。本実施形態でも、上記第1実施形態と同様の構成に基づく同様の作用および効果が得られる。
正転制限部61の構造は、上記第1実施形態および上記第2実施形態と同じである。ただし、本実施形態では、図13,16,17に例示されるように、逆転制限部62B、すなわち、直動部材52Bの突起52bおよびピストン43Bの溝43dの側面43d2に、直動部材52Bとピストン43Bとを軸方向に引っ掛ける引掛構造63Bが設けられている。
引掛構造63Bは、上記第2実施形態と同様に、例えば、周方向に突出する凸形状かまたは周方向に凹む凹形状であって、逆転制限部62Bにおいて、逆転する直動部材52Bの側面52b2が側面43d2に当接することにより直動部材52Bの逆転が制限された状態で、側面52b2に設けられた凸形状または凹形状と、側面43d2に設けられた凹形状または凸形状とが、互いに少なくとも軸方向に噛み合うよう構成されている。
ただし、本実施形態では、引掛構造63Bが設けられている位置(範囲)が、上記第2実施形態と相違している。すなわち、ピストン43Bにおける引掛構造63Bは、溝43dの側面43d2のうち、直動部材52Bが作動位置P1(図1)にある状態、すなわち、直動部材52Bがピストン43Bをパッド45に向けて押圧している状態、言い換えると、直動部材52Bがピストン43Bの凹部43aの底部に接している状態(直動部材52Bによるピストン43Bの押し込み状態)で、突起52bの側面52b2(第二押部)と面する位置(またはその近傍)に、設けられている。言い換えると、引掛構造63Bは、溝43dの側面43d2のうち、直動部材52Bが作動位置P1から非作動位置P2(図2)側(方向Xの反対方向)に所定距離以上離間した状態で突起52bの側面52b2と面する位置には、設けられていない。
また、本実施形態では、引掛構造63Bの構造も、上記第2実施形態と相違している。直動部材52Bにおける引掛構造63Bは、突起52b(の逆転方向の端部)であり、ピストン43Bにおける引掛構造63Bは、突起52bを収容可能な凹部43d4である。
図14,16に例示されるように、正転制限部61により、回転部材51の正転に伴う直動部材52Bの正転が制限されている状態にあっては、逆転制限部62Bの直動部材52Bの側面52b2とピストン43Bの側面43d2とは互いに離間する。
他方、図15,17に例示されるように、直動部材52Bが作動位置P1(図1)に位置された状態で、回転部材51の逆転に伴って直動部材52Bが逆転すると、直動部材52Bの突起52bがピストン43Bの溝43dの側面43d2に設けられた凹部43d4内に収容され、引掛構造63Bの引掛状態、すなわち直動部材52Bの突起52b(凸形状)とピストン43Bの凹部43d4(凹形状)とが軸方向に互いに噛み合った状態(係合状態)が得られる。この状態では、正転制限部61の直動部材52Bの側面52b1とピストン43Bの側面43d1とは互いに離間する。
また、図示されないが、直動部材52Bが作動位置P1から非作動位置P2側(方向Xの反対方向)へ所定距離以上離間した状態で、回転部材51の逆転に伴って直動部材52Bが逆転すると、直動部材52Bの突起52bの側面52b2は、凹部43d4には入らず、ピストン43Bの溝43dの側面43d2と当接する。すなわち、逆転制限部62Bにより、回転部材51の逆転に伴う直動部材52Bの逆転が制限される。この状態でも、正転制限部61の直動部材52Bの側面52b1とピストン43Bの側面43d1とは互いに離間する。
図18に示されるように、本実施形態では、引掛構造63Bは、直動部材52Bの突起52bに設けられた押面52b3と、ピストン43Bの凹部43d4に設けられた受面43d3と、を有している。押面52b3は、パッド45から遠ざかる方向(方向Xの反対方向、図18の上方)を向き、受面43d3は、パッド45に近付く方向(方向X、図18の下方)を向いている。受面43d3は押面52b3と面しており、逆転制限部62Bの作動時において、略密着することができる。押面52b3および受面43d3の形状は、平面状あるいは曲面状である。
ここで、凹部43d4の軸方向(方向X、図18の上下方向)に沿った長さ(幅)と、突起52bの軸方向の長さ(幅)との差g(mm)は、以下の式(1)を満たすよう設定される。
g>δ×θ/2π ・・・(1)
ここに、δ:回転部材51の1回転(2π)あたりの直動部材52の軸方向への移動量(mm/rad)、θ:引掛構造63Bによる直動部材52Bの回転が制限された状態から引掛構造63Bによる直動部材52Bの回転制限が解除された状態となるまでの直動部材52Bの回転角度(rad)である。回転角度θは、具体的には、突起52bが凹部43d4の底面に当接した状態から突起52bが凹部43d4を抜け出すまでの回転角度である。
以上説明したように、本実施形態によっても、引掛構造63Bを備えているため、引掛構造63を備えた上記第2実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、凹部43d4の軸方向に沿った長さ(幅)と、突起52bの軸方向の長さ(幅)との差が、上記式(1)を満たすように設定されているため、直動部材52Bの正転により引掛構造63Bによる引掛状態が解消される際に直動部材52Bがピストン43Bを軸方向(方向X)に押すような状態となるのを、回避することができる。
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。例えば、回転直動変換機構や、回り止め機構は、種々の構成として実現されうる。
10,10A,10B…車両用ブレーキ、20…モータ、41…ボディ、42…シリンダ、43,43A,43B…ピストン、43d1…側面(第一受部)、43d2…側面(第二受部)、43d3…受面(第三受部)、50…回転直動変換機構、51…回転部材、52,52A,52B…直動部材、52b1…側面(第一押部)、52b2…側面(第二押部)、52b3…押面(第三押部)、60…回り止め機構、61…正転制限部、62,62A…逆転制限部、63,63B…引掛構造、81…ECU(制御部)、Ax1…中心軸、P1…作動位置、P2…非作動位置。

Claims (4)

  1. シリンダが設けられたボディと、
    前記シリンダに収容され、前記シリンダ内の液圧によって前記シリンダの中心軸に沿って移動しパッドを押圧するピストンと、
    モータによって駆動される回転部材と、前記回転部材の正転に応じて前記パッドに近付く方向に直動して前記ピストンを押圧するとともに前記回転部材の逆転に応じて前記パッドから遠ざかる方向に直動する直動部材と、を有した回転直動変換機構と、
    前記直動部材および前記ピストンに設けられ、前記中心軸回りの前記直動部材の回転を制限する回り止め機構と、
    を備え、
    前記回り止め機構は、
    前記直動部材に設けられた第一押部と、前記ピストンに設けられ前記回転部材が正転している状態で前記第一押部と当接して当該第一押部の正転方向への移動を制限する第一受部と、を有した正転制限部と、
    前記直動部材に設けられた第二押部と、前記ピストンに設けられ前記回転部材が逆転している状態で前記第二押部と当接して当該第二押部の逆転方向への移動を制限する第二受部と、を有した逆転制限部と、
    前記逆転制限部に設けられ、前記回転部材が逆転している状態で前記直動部材と前記ピストンとを前記中心軸の軸方向に引っ掛ける引掛構造と、
    を有した、車両用ブレーキ。
  2. 前記引掛構造は、前記第二押部に設けられた第三押部と、前記第二受部に設けられ前記回転部材が逆転している状態で前記第三押部によって前記パッドから遠ざかる方向に押される第三受部と、を含む、請求項1に記載の車両用ブレーキ。
  3. シリンダが設けられたボディと、
    前記シリンダに収容され、前記シリンダ内の液圧によって前記シリンダの中心軸に沿って移動しパッドを押圧するピストンと、
    モータによって駆動される回転部材と、前記回転部材の正転に応じて前記パッドに近付く方向に直動して前記ピストンを押圧するとともに前記回転部材の逆転に応じて前記パッドから遠ざかる方向に直動する直動部材と、を有した回転直動変換機構と、
    前記直動部材および前記ピストンに設けられ、前記中心軸回りの前記直動部材の回転を制限する回り止め機構と、
    を備え、
    前記回り止め機構は、
    前記直動部材に設けられた第一押部と、前記ピストンに設けられ前記回転部材が正転している状態で前記第一押部と当接して当該第一押部の正転方向への移動を制限する第一受部と、を有した正転制限部と、
    前記直動部材に設けられた第二押部と、前記ピストンに設けられ前記回転部材が逆転している状態で前記第二押部と当接して当該第二押部の逆転方向への移動を制限する第二受部と、を有した逆転制限部と、
    を有し、
    前記第一押部と前記第一受部とが互いに接した状態における第一摩擦係数が、前記第二押部と前記第二受部とが互いに接した状態における第二摩擦係数よりも小さい、車両用ブレーキ。
  4. 前記ピストンが前記パッドを押圧する作動位置から前記作動位置よりも前記パッドから離れた非作動位置へ移動した後に前記回転部材が前記正転方向に所定回転角度回転するよう前記モータを制御する制御部を備えた、請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の車両用ブレーキ。
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