JP6483567B2 - 電動パーキングブレーキ - Google Patents
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Description
本発明は、簡単な構成でピストンの廻り止め機能を有効に機能させることが可能な電動パーキングブレーキを提供することを目的とする。
[電動パーキングブレーキシステムの概略構成]
図1は、本実施形態にかかる電動パーキングブレーキ10で、例えば、走行中に通常のブレーキ操作を行う車両用ブレーキシステムと、パーキングブレーキシステムとを兼ねたブレーキシステム12を採用する車両1に搭載されている。
電動パーキングブレーキ10は、車両1が停車している状態では、継続的な制動力を発揮させる。このため、制御部30からの作動指令により電動モータ20に通電して車輪ブレーキ18を作動させた後、制御部30からの作動指令が停止して、電動モータ20が非通電状態となっても、車輪ブレーキ18の制動状態を保持できるように構成されている。
また、回転軸46は、回転が可能で且つスライド移動が規制された状態でギヤハウジング58に支持されている。
図3は、本実施形態にかかる電動パーキングブレーキ10で、(a)は要部の断面図、(b)はピストン38の外径中心OPがピストン38の当接面39aの中心OTに対して所定の寸法δ、オフセットされている様子を示す側面図である。
また、雄ネジ54の回転中心は、ピストン38の当接面39aの中心OTに一致している。
このように構成することにより、円形形状のピン部39が正面視にてピストン38の外周縁から外側にはみ出すことなく、ハウジング40の内側面とこのピン部39とが干渉することはない。したがって、ピン部39を所定寸法δ、オフセットしてもピストン38の直動移動の妨げとはならない。
[比較例]
このようなピストン38の廻り止め方法では、組立初期には安定した摩擦状態が保てるものの、実走行時に、オイルや水などの異物が付着したり、耐久的に表面が摩耗してきたときには当初の摩擦係数を維持することが困難な状態になることがある。
このような廻り止め方法では、例えばブレーキパッド36にピンを設置し、ピストン側にピンに嵌合する溝を設ける構造がある。しかしながら、ピンと溝との間の寸法公差を許容するために、ピストン側の嵌合溝を大きく設定しなければならない。
そして、パーキングブレーキの制動・解除を繰り返すとピストンがガタの範囲で繰り返し摺動し、ピストン、ブレーキパッド面の摩耗が発生する。
このようなことを鑑みて、本実施形態では、簡易な構造でピストン38の回転が抑制できる電動パーキングブレーキを提供するものである。
これに対して本実施形態の電動パーキングブレーキは、ピストン38の外径はピン部39に比べて大きく、ピストン38を保持するハウジング40(キャリパ側)の穴径もほぼ同等の大きさに形成することにより、ピストン38とハウジング40との間の廻り止めとして、ピストン38の外側面がピストン38を保持するハウジング40の内側面に当接する際の面積を大きく設定することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について削除し、若しくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
しかしながら、当接面39aの外径寸法DTNは、当接面39aを形成するピン部39の正面視形状、高さ方向寸法および面積は、特にこれに限らず、雄ネジ54の回転中心dとピストン38の当接面39aの中心OTとを一致させるものであればどのようなものであってもよい。
さらに、車輪軸から外径方向outへ所定寸法δだけオフセットさせているが、特にこれに限らず、さらに少ない所定寸法などであってもよく、雄ネジ54の回転中心dとピストン38の当接面39aの中心OTとを一致させるものであればよい。
そして、オフセットさせる方向についても、外径方向outに限定されるものではなく、外径方向out以外の他の方向であってもよい。
[作用効果]
図4は、本発明の一実施形態にかかる電動パーキングブレーキ10で、ピストン38が回転しない様子を説明する模式図である。
これは、ピストン38の当接面39aが回転中心dを中心として回転しながら、ピストン外径中心OP回りを公転するよりも、雄ネジ54の回転中心dを中心として回転する方が必要とされるエネルギが小さいためである。
これによれば、雄ネジ54の回転中心dの回転モーメントに対する横力が発生しないため、ピストン38の外径中心OPが雄ネジ54の回転中心dと所定寸法δだけ離れている影響を減少させることができる。
したがって、本実施形態の電動パーキングブレーキでは、簡単な構成でピストンの廻り止め機能を有効に機能させることが可能となる。
10 電動パーキングブレーキ
12 ブレーキシステム
14 ブレーキペダル
16 ペダルストロークセンサ
18 車輪ブレーキ
20 電動モータ
22 ブレーキ系統
24 イグニションスイッチ
26 車速センサ
28 パーキングブレーキ操作スイッチ
30 制御部
34 ブレーキディスク
36 ブレーキパッド
38 ピストン
39 ピン部
39a 当接面
40 ハウジング
42 出力軸
44 ウォームギヤ機構
46 回転軸
48 推力変換機構
50 ウォーム
52 ウォームホイール
54 雄ネジ
56 ナット
58 ギヤハウジング
DTN 外径寸法
DPL ピストン外径寸法
OP 外径中心
OT 中心
d 回転中心
out 外径方向
Claims (3)
- 送りネジ機構からなる回転−直動機構を有する電動パーキングブレーキにおいて、
送りネジの中心とピストンおよびパッドが当接する当接面の中心とが一致しているとともに、送りネジの中心とピストンの中心をオフセットさせてあり、
前記パッドと当接する前記ピストンの当接面は、前記ピストン外径寸法よりも外径寸法の小さい正面視円形形状を有して、前記当接面の中心を前記送りネジの中心と一致させたことを特徴とする電動パーキングブレーキ。 - 前記ピストンの前記パッド対向面に、前記ピストン外径寸法の面積範囲内に収まるように、正面視円形形状で、外径寸法が前記ピストン外径寸法より小さい一定の高さ方向寸法を有するピン部を形成して、
前記当接面は、前記ピン部の前記パッド対向面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電動パーキングブレーキ。 - 前記ピストンを進退可能に収容するハウジングを有し、前記ピストンの外側面は前記ハウジングの内側面に当接することを特徴とする請求項1または2記載の電動パーキングブレーキ。
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