JP2015096767A - 電動式ディスクブレーキ - Google Patents

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利史 前原
Toshifumi Maehara
利史 前原
吉川 和宏
Kazuhiro Yoshikawa
吉川  和宏
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Abstract

【課題】推力発生機構と倍力機構の耐久性の向上を図ると共に、この倍力機構がピストンを押し付ける力が、円周方向に関してバラつく事の防止を図れる構造を実現する。【解決手段】前記推力発生機構24のスラストプレート28を、駆動源の回転駆動力に基づいて、インナ、アウタ両パッド2a、3aとロータの両側面との間の隙間を解消させるまで、前記ピストンをアウタ方向に押し出すものとする。又、インプットスクリュー14aを、前記隙間が解消した後、前記回転駆動力に基づいて、アウタ方向に移動して、前記ピストンをアウタ方向に押し出すものとする。又、前記倍力機構26を、前記インプットスクリュー14aからの入力を増幅して、前記ピストンに伝達するものとする。そして、このインプットスクリュー14aと前記倍力機構26との間に、揺動可能な状態でイコライザ部材25を設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、走行中の車両を減速乃至は停止させるサービスブレーキ、或いは、駐車時の制動であるパーキングブレーキを電動式に行う、電動式ディスクブレーキの改良に関する。
例えば、サービスブレーキを油圧式に行い、パーキングブレーキを電動式に行う、電動式パーキング機構付ディスクブレーキは、ケーブルの配設が不要になってコスト低減を図れるだけでなく、スイッチのON、OFF操作により制動及びその解除を行えて操作性が向上する、発進時に自動的に解除する為の制御が容易になる等の利点がある為、近年普及し始めている。この様な電動式パーキング機構付ディスクブレーキとして、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。図20〜21は、この特許文献1に記載された従来構造の1例を示している。
この電動式パーキング機構付ディスクブレーキも、従来から広く知られている油圧式のディスクブレーキと同様に、車輪と共に回転するロータ(図示省略)に隣接する状態で車体に支持されるサポート1にインナ、アウタ両パッド2、3を、このロータを軸方向両側から挟む状態で、軸方向の変位を可能に支持している。尚、本明細書及び特許請求の範囲で、アウタとは、車体に支持した状態でこの車体の幅方向外側を、インナとは、同じく幅方向中央側を、軸方向とは、特に断らない限り、前記ロータの軸方向を言う。又、前記サポート1にキャリパ4を、軸方向の変位を可能に支持している。このキャリパ4は、アウタ側端部に前記アウタパッド3のアウタ側面に対向するキャリパ爪5を、インナ側端部に油圧シリンダ6を、それぞれ設けている。又、この油圧シリンダ6内にピストン7を、油密に、且つ、軸方向の変位を可能に装着している。そして、サービスブレーキの作動時には、前記油圧シリンダ6内への油圧の導入に伴って前記ピストン7をアウタ側に押し出し、前記インナパッド2を前記ロータのインナ側面に押し付ける。すると、前記キャリパ4が前記サポート1に対しインナ側に変位し、前記キャリパ爪5により前記アウタパッド3を、前記ロータのアウタ側面に押し付ける。この結果、このロータが、インナ、アウタ両側面から強く挟持されて、制動が行われる。
又、この様な電動式パーキング機構付ディスクブレーキは、前記ピストン7を、アウタ側を底部8としインナ側を開口部とした有底円筒状のものとし、このピストン7の内側に、機械式の推力発生機構9と倍力機構10とを組み込んでいる。この推力発生機構9は、前記キャリパ4の外側に固定した駆動源である電動モータ11を作動し、この電動モータ11の回転駆動力を軸方向の推力に変換し、前記ピストン7を前記ロータのインナ側面に向けて、前記両パッド2、3と前記ロータの両側面との間の隙間が解消されるまで押し出す(移動させる)ものである。
この様な推力発生機構9は、アジャストナット12と、特許請求の範囲の第一押圧部材に相当するアジャストスクリュー13と、特許請求の範囲の第二押圧部材に相当するインプットスクリュー14と、プリセットスプリング15とを組み合わせて成る。そして、これら各部材12〜15を、前記ピストン7の内径側に組み付けている。尚、この様な各部材12〜15の構造に関しては、前記特許文献1に記載されている為、詳しい説明は省略する。
又、前記倍力機構10は、前記推力発生機構9により前記ピストン7が押し出されて、前記隙間が解消した後、前記推力発生機構9のインプットスクリュー14からの軸方向の入力を増幅して、前記ピストン7を前記ロータのインナ側面に向けて押し出す(移動させる)ものである。この様な倍力機構10は、前記アジャストスクリュー13及びインプットスクリュー14のアウタ側に、円周方向に関して離隔した状態で放射状に配置された複数個のカムレバー16と、これら各カムレバー16のアウタ側に配置されたプラグプレート17とから成る。尚、これら各部材16、17の構造に関しても、前記特許文献1に記載されている為、詳しい説明は省略する。
以下、制動時に於ける、前記推力発生機構9及び前記倍力機構10の作動状態に就いて簡単に説明する。
制動時には、先ず、前記電動モータ11により回転駆動される駆動杆18と共に、前記アジャストスクリュー13及びインプットスクリュー14が、前記プリセットスプリング15の弾性力に基づいて同期して回転する。すると、前記アジャストスクリュー13及びインプットスクリュー14は、このアジャストスクリュー13の外周面に形成された雄ねじ部19と、前記アジャストナット12の内周面に形成された雌ねじ部20との螺合に基づき、前記ロータのインナ側面に向けて軸方向に移動する。この移動に伴い、前記アジャストスクリュー13及びインプットスクリュー14のアウタ側端面が、前記ピストン7を、前記両パッド2、3と前記ロータの両側面との間の隙間が解消されるまで移動させる。尚、この時点では、前記倍力機構10は作動していない(力を増幅していない)。
次いで、上述の様にして前記両パッド2、3と前記ロータの両側面との間の隙間が解消されると、前記アジャストスクリュー13をこのロータに向けて移動させる為に要する力(このアジャストスクリュー13の回転抵抗)が、前記プリセットスプリング15によりこのアジャストスクリュー13に付与されている弾力よりも大きくなる。この結果、このアジャストスクリュー13がそれ以上回転しなくなり停止する。この状態から更に、前記駆動杆18の回転駆動力に基づいて前記インプットスクリュー14が回転すると、このインプットスクリュー14の外周面に形成された雄ねじ部21と、前記アジャストスクリュー13の内周面に形成された雌ねじ部22との螺合に基づき、前記インプットスクリュー14のみが、前記ロータのインナ側面に向けて軸方向に移動する。
更に、上述の様なインプットスクリュー14の軸方向の移動に伴い、このインプットスクリュー14のアウタ側端面が、前記倍力機構10を構成する各カムレバー16の径方向内端部を、アウタ方向に押圧すると、これら各カムレバー16が、前記インプットスクリュー14のアウタ側端面との当接部を力点とし、前記アジャストスクリュー13のアウタ側端面との当接部を支点とし、前記プラグプレート17との当接部を作用点として揺動変位する。このプラグプレート17の径方向に関して、この作用点は前記力点と支点との間に存在するので、このプラグプレート17を介して前記ピストン7をアウタ側に押圧する力は、てこの原理により増力されて、このピストン7を前記ロータに向け、大きな力で押し付ける。この結果、前記両パッド2、3が前記ロータの両側面に強く押圧される。尚、互いに螺合している前記各ねじ部19、20同士、及び、前記ねじ部21、22同士は、不可逆的に螺合しているので、前記電動モータ11への通電を停止すれば、特に保持動作をせずに、必要な制動力を保持できる。
この様な前記特許文献1に記載された構造の場合、前記隙間を解消する過程では、前記倍力機構10が作動する必要はなく、この隙間解消の為にこの倍力機構10のストロークが消費される事はない。従って、この倍力機構10として、ストロークが短い代わりに増力比が大きな構造を採用できて、前記ピストン7を前記ロータに向けて押し付ける力を、特に大きくできる。
ところで、上述の様な特許文献1に記載された構造の場合、前記各カムレバー16の径方向内端部のインナ側端縁と、前記インプットスクリュー14のアウタ側端面とを直接当接させている。この為、前記各カムレバー16同士の寸法公差等に基づいて、これら各カムレバー16の径方向内端部のインナ側端縁の軸方向に関する位置にズレが生じる場合がある。この様なズレが生じると、これら各カムレバー16の径方向内端部のインナ側端縁と、前記インプットスクリュー14のアウタ側端面との間に偏当たりが生じてしまい、前記両機構9、10同士の耐久性を低下させてしまう可能性がある。
又、上述の様な偏当たりは、制動時に、前記インプットスクリュー14から伝達されるアウタ方向の押圧力の大きさが、前記各カムレバー16毎に異なり、これら各カムレバー16から前記ピストン7に伝達される押圧力の大きさが円周方向に関してバラつく原因になる可能性がある。
特開2010−190348号公報
本発明は、推力発生機構と倍力機構との間に寸法公差に基づく偏当たり等が生じる事を防止して、これら両機構同士の耐久性の向上を図ると共に、前記倍力機構がピストンを押し付ける力が、円周方向に関してバラつく事の防止を図れる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の電動式ディスクブレーキは、キャリパと、ピストンと、推力発生機構と、倍力機構とを備えている。
又、前記キャリパは、車輪と共に回転するロータに隣接する状態で車体に支持されるサポートに対して、軸方向の変位を可能に支持されておいる。又、前記キャリパは、アウタ側端部に、前記ロータを軸方向両側から挟む状態で軸方向の変位を可能に前記サポートに支持されるインナ、アウタ両パッドのうちのアウタパッドのアウタ側面に対向するキャリパ爪を、インナ側端部にシリンダを、それぞれ備えている。
又、前記ピストンは、前記シリンダ内に、軸方向の変位を可能に装着された有底円筒状である。
又、前記推力発生機構は、第一押圧部材と、第二押圧部材とを備えている。
このうちの、第一押圧部材は、前記ピストンの内側に配置されており、駆動源の回転駆動力に基づいて、前記両パッドと前記ロータの両側面との間の隙間を解消させるまで、前記ピストンを前記ロータのインナ側面に向けて押し出すものである。
又、前記第二押圧部材は、前記隙間が解消し、前記第一押圧部材の軸方向への移動が停止した後、前記駆動源の回転駆動力に基づいて、前記ロータのインナ側面に向けて軸方向に移動する事により、前記ピストンを前記ロータのインナ側面に向けて押し出すものである。
又、前記倍力機構は、前記第二押圧部材からの入力を増幅して、前記ピストンに伝達するものである。
そして、前記第二押圧部材と前記倍力機構との間に、揺動可能な状態で設けられたイコライザ部材を備えている。
この様な本発明の電動式ディスクブレーキ装置を実施する場合に具体的には、請求項2に記載された発明の様に、前記イコライザ部材の、前記第二押圧部材と前記倍力機構を構成する部材とのうちの少なくとも一方の部材との当接部に、凸曲面部を形成する。
又、請求項2に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、前記第二押圧部材に、凹曲面部を形成する。そして、この凹曲面部と前記イコライザ部材の凸曲面部とを係合させる。
又、上述の様な本発明を実施する場合に例えば、請求項4に記載した発明の様に、前記イコライザ部材の、前記ピストンに対する回り止めを図る。
又、上述の様な本発明を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した発明の様に、前記第一押圧部材を、スラスト軸受を構成するスラストプレートとする。又、このスラストプレートの、インナ側面にインナ側軌道を形成し、前記ピストンに対する回転を阻止する。
又、上述の様な本発明を実施する場合に例えば、請求項6に記載した発明の様に、前記倍力機構を、円周方向に配置された複数個のカムレバーにより構成する。又、これら各カムレバーのインナ側面の内径側部分を、前記イコライザ部材のアウタ側面に当接させる事により力点として作用する部分とする。同じくインナ側面の外径側部分を、前記第一押圧部材のアウタ側面に当接させる事により支点として作用する部分とする。更に、アウタ側面の径方向中間部で、前記力点として作用する部分と前記支点として作用する部分との間部分を、前記ピストンに軸方向の軸力を伝達する為の作用点として作用する部分とする。
或いは、請求項7に記載した発明の様に、前記倍力機構を、インナ側面(例えば、径方向中央部及び径方向中央寄り部分)を、前記イコライザ部材により直接又は間接的にロータ側に押圧されるインナ側受面とし、その外周面のうち、このインナ側受面以外の部分が、隙間なく囲まれた状態で設けられた弾性部材により構成する。そして、前記インナ側受面が押圧される力に基づいて、前記弾性部材のアウタ側面が、前記ピストンを軸方向に押圧する様に構成する。
又、上述の様な本発明を実施する場合に好ましくは、請求項8に記載した発明の様に、前記第一押圧部材と前記第二押圧部材との間に、互いの相対回転の量を所定の範囲に規制する事により、この第二押圧部材の前記ロータのインナ側面に向けた軸方向に関する変位量を規制する手段を設ける。
上述の様に構成する本発明によれば、推力発生機構と倍力機構との偏当たりを防止して、これら両機構同士の耐久性の向上を図ると共に、前記倍力機構がピストンを押し付ける力が、円周方向に関してバラつく事の防止を図れる。
即ち、本発明の場合、推力発生機構を構成する第二押圧部材と前記倍力機構との間に、揺動可能なイコライザ部材を設けている。この為、この第二押圧部材或いは前記倍力機構の寸法公差等に基づいて、この第二押圧部材とこの倍力機構とが偏当たりした状態で、直接当接する事がない。この結果、これら第二押圧部材及び倍力機構の耐久性の向上を図る事ができる。
又、前記第二押圧部材と前記倍力機構との間で、前記イコライザ部材が揺動する事により、この第二押圧部材或いはこの倍力機構の寸法公差を吸収する事ができる。この為、この倍力機構がピストンを押圧する力が、このピストンの中心軸に対して傾いたり、この倍力機構の円周方向に関して偏る事の防止を図れる。
又、本発明の場合、制動時にキャリパが変形して、前記倍力機構の中心軸に対して、前記第二押圧部材の中心軸が傾いた場合でも、前述の様な揺動可能なイコライザ部材を設けている為、前記倍力機構と前記第二押圧部材との間に、曲げ応力等の過大な応力が加わる事を防止して、耐久性の向上を図れる。
又、請求項2に記載した発明の場合、前記イコライザ部材の、前記第二押圧部材と前記倍力機構を構成する部材とのうちの少なくとも一方の部材との当接部に、凸曲面部を形成している。又、請求項3に記載した発明の場合、前記第二押圧部材に凹曲面部を形成すると共に、この凹曲面部と前記イコライザ部材の凸曲面部とを係合させている。この為、前記イコライザ部材を、前記第二押圧部材と前記倍力機構との間で揺動変位させ易くできる。
又、請求項4に記載した発明の場合、前記イコライザ部材の、前記ピストンに対する回り止めを図っている。この為、前記イコライザ部材が回転する事なく、前記倍力機構をアウタ側に押圧する事ができる。この結果、この倍力機構の作動の安定性の向上、及び、前記イコライザ部材及びこの倍力機構の耐久性の向上を図る事ができる。
又、請求項5に記載した発明の場合、前記第一押圧部材を、ピストンに対する回り止めを図られた、スラスト軸受を構成するスラストプレートとしている。この為、前記第一押圧部材により、前記ピストンをアウタ側に押圧する動作の安定性の向上、及び、この第一押圧部材、及び、この第一押圧部材によりアウタ方向に押圧される部材の耐久性の向上を図る事ができる。
又、請求項8に記載した発明の場合、前記第二押圧部材の前記第一押圧部材に対する回転量を、所定の範囲内に規制する事ができる。この為、前記第二押圧部材が前記第一押圧部材に対して回転し過ぎて、その周囲に配置された構成部材が破損したり、前記倍力機構の押圧力が過大になり過ぎる事の防止を図れる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、ロータの中心軸を含む仮想平面に関する断面図。 ピストン及びこのピストンの内側に配置された部品を取り出して示す断面図であって、倍力機構が作動する前の状態を示す図(a)と、倍力機構が作動している状態を示す図(b)。 ピストン及びこのピストンの内側に配置される部品を取り出して、アウタ側から見た状態で示す分解斜視図。 同じく、インナ側から見た状態で示す図3と同様の図。 ピストンの内側に構成部品を組み込んでアウタ側から見た状態を示す斜視図(a)と、ピストンのみを(a)のA−Aで切断して示す部分断面図(b)。 ピストンの内側に構成部品を組み込んだ状態でインナ側から見た図(a)と、アウタ側から見た図(b)。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2(a)と同様の図。 同第3例を示す、図1と同様の図。 同じく、図3と同様の図。 本発明の実施の形態の第4例を示す、図1と同様の図。 同じく、図3と同様の図。 同じく、インプットスクリューと、イコライザ部材と、カムレバーとを取り出して示す、部分断面分解斜視図。 本発明の実施の形態の第5例を示す、図1と同様の図。 同じく、図3と同様の図。 同じく、ピストンと、インプットスクリューと、イコライザ部材と、推力発生機構の一部の構成部品と、倍力機構とを取り出して示す、部分断面斜視図。 本発明の実施の形態の第6例を示す、図1と同様の図。 同じく、図2(a)と同様の図。 同じく、図17の右側から見た図。 同じく、図4と同様の図。 従来構造の1例を示す、図1と同様の図。 同じく、図2(a)と同様の図。
[実施の形態の第1例]
図1〜6は、請求項1〜2、5〜6に対応する本発明の実施の形態の第1例を示している。本例は、前述した従来構造と同様に、本発明を電動式パーキングディスクブレーキに適用したものである。尚、サービスブレーキの構造に関しては、油圧式或いは電動式の何れの構造も採用できる。
この様な本例の電動式ディスクブレーキは、サポート1(図20参照)に対してキャリパ4aを、軸方向の変位を可能に組み付けている。この部分の構造に就いては、従来から広く知られている油圧式のフローティングキャリパ型ディスクブレーキ(ガイドピン型ディスクブレーキ)と同様であるから、詳しい説明は省略する。前記サポート1は、車輪と共に回転する図示しないロータに隣接する状態で車体に支持されるもので、このロータを軸方向両側から挟む状態で、インナ、アウタ両パッド2a、3aを、軸方向の変位を可能に支持している。
前記キャリパ4aのアウタ側端部にはキャリパ爪5aを、インナ側端部には油圧シリンダ6aを、それぞれ設けている。そして、この油圧シリンダ6a内にピストン7aを、油密に、且つ、軸方向の変位を可能に組み込んでいる。サービスブレーキの作動時には、前記油圧シリンダ6a内に油圧を導入して前記ピストン7aを、アウタ側に変位させる。そして、このピストン7aにより前記インナパッド2aを前記ロータのインナ側面に押し付けると共に、前記キャリパ爪5aにより前記アウタパッド3aを前記ロータのアウタ側面に押し付ける。そして、このロータを前記両パッド2a、3aにより、軸方向両側から強く挟持して、制動を行う。以上の説明は、一般的な油圧式のフローティングキャリパ型ディスクブレーキと同様である。
上述の様な、本例の電動式ディスクブレーキは、前記ピストン7aを、アウタ側をピストン底部23とし、インナ側を開口部とした有底円筒状のものとし、このピストン7aの内側に、機械式の推力発生機構24と、イコライザ部材25と、倍力機構26とを組み込んでいる。
このうちの推力発生機構24は、前記キャリパ4aの外側に固定した駆動源である電動モータ11(図20参照)を作動し、回転方向の動力を軸方向の推力に変換する事により、前記ピストン7aをアウタ側に変位させる。即ち、前記推力発生機構24は、このピストン7aのピストン底部23と、前記油圧シリンダ6aのインナ側奥部であるシリンダ底部27との間に設けられ、前記電動モータ11の回転駆動力に基づいて軸方向に伸長する事により、前記ピストン7aを前記ロータのインナ側面に向けて移動させる。
上述の様な推力発生機構24は、アジャストナット12aと、アジャストスクリュー13aと、特許請求の範囲の第一押圧部材に相当するスラストプレート28と、スラスト玉軸受29と、特許請求の範囲の第二押圧部材に相当するインプットスクリュー14aと、プリセットスプリング15aとを組み合わせて成る。
このうちのアジャストナット12aは、円筒状であり、内周面のアウタ側端部寄り部分に、雌ねじ部30が形成されている。一方、このアジャストナット12aの外周面の円周方向等間隔3箇所位置に、全長に亙りこの外周面から径方向外方に突出し、軸方向に長い係合凸部31、31が形成されている。この様なアジャストナット12aは、これら各係合凸部31、31を、前記ピストン7aの内周面の円周方向等間隔3箇所位置に形成された係止溝32、32に係合させる事により、前記ピストン7aに対する軸方向の変位を可能な状態、且つ、回転を阻止された状態で組み付けられている。
又、前記アジャストスクリュー13aは、断面略クランク形で全体が円筒状であり、外周面の全長に亙り雄ねじ部33が形成されている。一方、このアジャストスクリュー13aの内周面のうちのアウタ側端部寄り部分に、雌ねじ部34が形成されている。尚、前記アジャストスクリュー13aの内周面のうちのインナ側半部の内径を、前記雌ねじ部34が形成された部分の内径より大きくする事により、このインナ側半部の内径側に、前記プリセットスプリング15aを配置する為の空間を設けている。又、前記アジャストスクリュー13aのアウタ側面の径方向外端寄り部分の全周に亙り、断面円弧状のインナ側スラスト軌道35が形成されている。更に、前記アジャストスクリュー13aのインナ側端部の円周方向等間隔4箇所位置に、切り欠き36、36が形成されている。この様なアジャストスクリュー13aは、前記雄ねじ部33と前記アジャストナット12aの雌ねじ部30とを螺合させた状態で、このアジャストナット12aの内径側に設置されている。尚、これら両ねじ部33、30同士の螺合状態は、不可逆的である。
又、前記スラストプレート28は、略円輪状であり、外周面の円周方向等間隔3箇所位置に、この外周面から径方向外方に突出し軸方向に長い、係合凸部37、37が形成されている。又、前記スラストプレート28のインナ側面に、全周に亙り断面円弧状のアウタ側スラスト軌道38が形成されている。一方、前記スラストプレート28のアウタ側面は平坦面であり、当該部分を第一押圧面39としている。この様なスラストプレート28は、前記各係合凸部37、37を、前記ピストン7aの各係止溝32、32のうちの、前記アジャストナット12aの係合凸部31、31が係合した部分よりもアウタ側部分に係合させる事により、前記ピストン7aに対する軸方向への変位を可能な状態、且つ、回転を阻止された状態で組み付けられている。
又、前記スラスト玉軸受29は、前記アジャストスクリュー13aのインナ側スラスト軌道35と、前記スラストプレート28のアウタ側スラスト軌道38と、これら両軌道35、38同士の間に転動自在に設けられた複数個の玉40、40と、これら各玉40、40を転動自在に保持する保持器41とにより構成されている。
又、前記インプットスクリュー14aは、円筒状であり、内周面のインナ側端部寄り部分を六角形状としている。一方、このインプットスクリュー14aの外周面のアウタ側半部に、雄ねじ部42が形成されている。又、この外周面のインナ側端部寄り部分の円周方向1箇所位置(図1、2の下方)に、径方向外方へ突出し、軸方向に長い係合凸部43が形成されている。尚、この係合凸部43のインナ側端部は、前記インプットスクリュー14aのインナ側端面のうちの残部よりもインナ方向へ突出している。更に、前記インプットスクリュー14aのアウタ側端面は、全周に亙り部分凹曲面状に形成されている。この様にして、後述するイコライザ部材25のインナ側球面部67との当接面積を確保すると共に、エッジ当たりを防止している。
この様なインプットスクリュー14aは、駆動杆18aの外周面に形成された六角形状部分に、このインプットスクリュー14aの内周面のうちの六角形状部分を外嵌した状態で組み付けられている。この様にして、前記駆動杆18aと前記インプットスクリュー14aとを、トルク伝達を可能に、且つ、軸方向の相対変位を可能に組み合わせている。尚、この組み合わせ部分の構造は、一般的なスプライン係合にする事もできる。
又、前記インプットスクリュー14aは、前記雄ねじ部42と、前記アジャストスクリュー13aの雌ねじ部34とを螺合させた状態で、このアジャストスクリュー13aの内径側に設置されている。これら両ねじ部42、34同士の螺合状態も、不可逆的である。
尚、前記駆動杆18aは、軸方向中間部を、前記キャリパ4aのシリンダ底部27の中央部に形成されたシリンダ通孔44に挿通すると共に、インナ側端部を、前記キャリパ4aからインナ側に突出させた状態で、このキャリパ4aに支持されている。又、前記駆動杆18aの外周面のうち、前記キャリパ4aからインナ側に突出した部分のアウタ側端部に、止め輪45を外嵌固定している。又、前記シリンダ通孔44の内周面のうち、アウタ側端部寄り部分の全周に亙り形成された小径係止溝46と、前記駆動杆18aの外周面との間に、前記シリンダ内部の油密性を確保する為のシール部材であるOリング47が設けられている。更に、前記シリンダ通孔44の内周面のうち、前記小径係止溝46よりもアウタ側に形成された大径係止溝48と、前記駆動杆18aの外周面との間に円輪状のワッシャ49が設けられている。そして、この駆動杆18aの軸方向中間部に形成されたフランジ部50のインナ側面と、前記ワッシャ49のアウタ側面とを当接させている。
この様な駆動杆18aは、その基端部を歯車式の減速機51(図20参照)の出力軸52にトルク伝達を可能に結合している。この減速機51は、前記キャリパ4aのインナ側端部に結合した減速機ケース53内に収納されており、前記電動モータ11の回転を減速しつつ(トルクを増大しつつ)、前記出力軸52に伝達する。従って前記インプットスクリュー14aは、前記電動モータ11により、前記駆動杆18aを介して、大きなトルクで回転駆動される。
又、前記プリセットスプリング15aは、捩りコイルばねであり、前記インプットスクリュー14aと前記アジャストスクリュー13aとの間に、スプリングガイド54及び位置決めプレート55を介して設けられている。
前記スプリングガイド54は、円筒部56と、この円筒部56のアウタ側端部に設けられた外向き鍔部57と、インナ側端部に設けられた内向き鍔部58とを備えている。このうちの外向き鍔部57の円周方向1箇所位置(図1〜3の上方)に、この外向き鍔部57を軸方向に貫通した係止孔59が形成されている。又、前記スプリングガイド54は、円周方向1箇所(図1〜3の下方)に、全長に亙るスリット60が形成されている。即ち、前記スプリングガイド54は、このスリット60部分を不連続部とした鍔付き部分円筒状である。この様なスプリングガイド54は、前記内向き鍔部58のアウタ側面を前記インプットスクリュー14aのインナ側端面に当接させると共に、このインプットスクリュー14aに外嵌する事により、このインプットスクリュー14aに対する軸方向の変位を阻止されている。又、前記スプリングガイド54は、前記スリット60の間に前記インプットスクリュー14aの係合凸部43を配置する(係合させる)事により、このインプットスクリュー14aに対する回転を阻止されている。
又、前記位置決めプレート55は、円輪状であり、外周面の径方向に関して反対側となる2箇所位置に、この外周面から径方向外方に突出した外径側係合突部61、61が形成されている。一方、前記位置決めプレート55の内周面の円周方向1箇所位置(図1〜3の下方)に、この内周面から径方向内方に突出した内径側係合突部62が形成されている。更に、前記位置決めプレート55の側面の円周方向1箇所位置(図1〜3の上方)に、この位置決めプレート55を軸方向に貫通した係止孔63が形成されている。この様な位置決めプレート55は、前記外径側係合突部61、61を、前記アジャストスクリュー13aの各切り欠き36、36のうち、径方向に関して互いに反対位置に形成された切り欠き36、36に、それぞれ係合させる事により、このアジャストスクリュー13aに対する回転を阻止された状態で組み付けられている。又、このアジャストスクリュー13aの内周面のうち前記位置決めプレート55よりもインナ側に、円周方向の一部に不連続部を有する欠円輪状の止め輪113を内嵌している。
そして、前記プリセットスプリング15aの両端部に形成した係止部64a、64bのうち、インナ側端部からインナ方向に突出した係止部64aを、前記位置決めプレート55の係止孔63に係止すると共に、アウタ側端部からアウタ方向に突出した係止部64bを、前記スプリングガイド54の係止孔59に係止している。この様にして、前記プリセットスプリング15aにより、前記インプットスクリュー14aに対し、回転方向の弾力を付与している。この弾力は、このインプットスクリュー14aの軸方向変位に拘らず、前記プリセットスプリング15aの弾力が、前記スプリングガイド54を介して前記インプットスクリュー14aに加わり続ける。又、前記弾力の方向は、このインプットスクリュー14aの雄ねじ部42と前記アジャストスクリュー13aの雌ねじ部34との螺合に基づいて、このインプットスクリュー14aをインナ側に変位させる方向としている。
又、本例の場合、前記倍力機構26が作動する前の状態{図2の(a)に示す状態}で、前記インプットスクリュー14aの係合凸部43のインナ側端部と、この位置決めプレート55の内径側係合突片62とを、円周方向に当接させている。この様にして、前記プリセットスプリング15aから前記インプットスクリュー14aに加わる円周方向に関する弾力を受けると共に、前記倍力機構26が作動する前の状態の前記インプットスクリュー14aの円周方向に関する位置決めを図っている。尚、前記インプットスクリュー14aの代わりに、このインプットスクリュー14aに回り止めされた前記スプリングガイド54の一部を、前記位置決めプレート55の内径側係合突片62に対して円周方向に当接させる事もできる。
又、前記イコライザ部材25は、円板部65と、この円板部65のアウタ側面の中央からアウタ側に突出した軸部66とから成る。このうちの円板部65は、インナ側面に、特許請求の範囲の凸曲面部に相当するインナ側球面部67が形成されている。一方、この円板部65のアウタ側面の前記軸部66以外の部分に、特許請求の範囲の凸曲面部に相当するアウタ側球面部68が形成されている。尚、前記インナ側球面部67の曲率は、このアウタ側球面部68の曲率よりも大きい。この様なイコライザ部材25は、前記インナ側球面部67の径方向外端寄り部分を、前記インプットスクリュー14aのアウタ側端面に当接させると共に、前記アウタ側球面部68を、後述する倍力機構26を構成する各カムレバー69、69のインナ側面の径方向内端部に当接させている。又、前記軸部66は、これら各カムレバー69、69の内径側に配置されている。この様に組み付けた状態で、前記イコライザ部材25は、前記インプットスクリュー14aと前記各カムレバー69、69との間で、揺動可能である。
更に、前記倍力機構26は、所謂てこ式のものであり、円周方向に離隔した状態で、放射状に配置された3個のカムレバー69、69と、前記ピストン底部23のインナ側面に突き当てた円板状のプラグプレート17aとを備える。
前記各カムレバー69、69は、前記スラストプレート28のアウタ側面及び前記イコライザ部材25のアウタ側球面部68と、前記プラグプレート17aのインナ側面との間に設けられている。又、前記各カムレバー69、69のインナ側面のうち、前記ピストン7aの径方向に関して内外両端部、及び、これら各カムレバー69、69のアウタ側面のうち、前記ピストン7aの径方向に関して中間部は、それぞれ部分円筒状の凸曲面としている。そして、前記各カムレバー69、69のインナ側面の径方向内端寄り部分を、前記イコライザ部材25のアウタ側球面部68に、同じくインナ側面の径方向外端寄り部分を前記スラストプレート28のアウタ側面に、それぞれ揺動変位を可能に突き当てている。一方、前記各カムレバー69、69のアウタ側面の径方向中間部を、前記プラグプレート17aのインナ側面に、揺動変位を可能に突き当てている。特に、このプラグプレート17aのインナ側面に関しては、円周方向複数箇所に断面円弧状の凹部70、70を形成し、これら各凹部70、70と前記各カムレバー69、69のアウタ側面の径方向中間部とを、十分な面積で当接させている。又、前記プラグプレート17aのアウタ側面に、このアウタ側面からアウタ方向に突出した2個の係合突部71、71が形成されている。そして、これら各係合突部71、71を前記ピストン7aのピストン底部23のインナ側面に形成された2個の係合凹部(図示省略)と係合させている。この様にして、前記プラグプレート17aの前記ピストン7aに対する回り止めを図っている。又、前記各カムレバー69、69の径方向外端部は、前記ピストン7aの係止溝32、32に係合させている。この様にして、前記各カムレバー69、69は、このピストン7aに対する軸方向の変位を可能な状態、且つ、回転を阻止された状態で組み付けられている。
上述の様に構成する本例の電動式ディスクブレーキの、パーキングブレーキ作動時の作用は、次の通りである。
パーキングブレーキ作動時には、前記電動モータ11により前記インプットスクリュー14aを、前記駆動杆18aを介して回転駆動する。作動開始直後の初期段階では、前記インナ、アウタ両パッド2a、3aと前記ロータの両側面との間には隙間が存在し、これら両パッド2a、3aをこのロータに向けて移動させる為に要する力は小さくて済む。この為、前記初期段階では、前記インプットスクリュー14aの回転に伴って前記アジャストスクリュー13aも、前記プリセットスプリング15aに引っ張られる様にして、前記インプットスクリュー14aと同期して回転する。そして、前記アジャストナット12aの雌ねじ部30と前記アジャストスクリュー13aの雄ねじ部33との螺合に基づいて、このアジャストスクリュー13a及び前記インプットスクリュー14aが、前記ロータに向けてアウタ側に変位する。この変位に基づくアウタ方向の押圧力は、アジャストスクリュー13a → スラスト玉軸受29 → スラストプレート28 → 各カムレバー69、69の径方向外端寄り部分 → プラグプレート17aの経路、及び、インプットスクリュー14a → イコライザ部材25 → 各カムレバー69、69の径方向内端寄り部分 → プラグプレート17aの経路で伝達されて、最終的に前記ピストン7aをアウタ方向に押圧して、このピストン7aを、前記両パッド2a、3aと前記ロータの両側面との間の隙間が解消されるまで変位させる。
この様にして前記両パッド2a、3aと前記ロータの両側面との間の隙間が解消されると、前記アジャストスクリュー13aが受けるインナ方向への反力に基づいて、このアジャストスクリュー13aの回転抵抗(前記アジャストナット12aの雌ねじ部30と前記アジャストスクリュー13aの雄ねじ部33との螺合部の摩擦力)が、前記プリセットスプリング15aによりこのアジャストスクリュー13aに付与されている弾力よりも大きくなる。この結果、このアジャストスクリュー13aがそれ以上回転しなくなり、このアジャストスクリュー13aが停止する。この状態から更に前記インプットスクリュー14aを、前記プリセットスプリング15aの弾力に抗して回転させると、前記アジャストスクリュー13aの雌ねじ部34と前記インプットスクリュー14aの雄ねじ部42との螺合に基づき、このインプットスクリュー14aのみが、前記ロータに向け、アウタ側に変位する。
この様なインプットスクリュー14aの変位に基づいて、前記イコライザ部材25がアウタ側に変位すると、前記各カムレバー69、69が、このイコライザ部材25のアウタ側球面部68との当接部を力点とし、前記スラストプレート28のアウタ側面との当接部を支点とし、前記プラグプレート17aとの当接部を作用点として揺動変位する。このプラグプレート17aの径方向に関して、この作用点は前記力点と前記支点との間に存在するので、このプラグプレート17aを介して前記ピストン7aを変位させる力は増力されて、このピストン7aを前記ロータに向け、大きな力で押し付ける。この結果、前記両パッド2a、3aが前記ロータの両側面に強く押圧される。前記各ねじ部30、33同士、及び、前記各ねじ部34、42同士は、不可逆的に螺合しているので、前記電動モータ11への通電を停止すれば、特に保持動作をせずに必要な制動力を保持できる。
本例の場合、前記隙間を解消する過程では、前記倍力機構26が作動する必要はなく、この隙間解消の為にこの倍力機構26のストロークが消費される事はない。従って、この倍力機構26として、ストロークが短い代わりに増力比が大きな構造を採用できて、前記ピストン部材7aを前記ロータに向けて押し付ける力を、特に大きくできる。
制動解除の際には、従来から提案されている電動式ディスクブレーキと同様に、前記電動モータ11を逆方向に回転させて、前記ピストン7aを前記ロータから退避させる。この際、前記両パッド2a、3aが前記ロータの両側面から離隔する瞬間の後、前記電動モータ11を所定角度だけ逆方向に回転させて、前記両パッド2a、3aと前記ロータの両側面との間に適正厚さの隙間を確保する。この適正隙間の確保は、前記アジャストスクリュー13aを前記アジャストナット12aに対し、前記両ねじ部30、33の螺合により、インナ側に適正量変位させる事により行う。即ち、本例の場合には、前記アジャストナット12aを設ける事により、前記両パッド2a、3aの摩耗に拘らず、前記隙間を常に適正厚さに保てる様にしている。
上述の様な本例の電動式ディスクブレーキによれば、前記推力発生機構24を構成するインプットスクリュー14aと、前記倍力機構26を構成する各カムレバー69、69との偏当たりを防止して、これら両機構24、26同士の耐久性の向上を図ると共に、前記各カムレバー69、69が前記プラグプレート17aを介して前記ピストン7aを押し付ける力が、円周方向に関してバラつく事の防止を図れる。
即ち、本発明の場合、前記推力発生機構24を構成するインプットスクリュー14aと前記倍力機構26を構成する各カムレバー69、69との間に、揺動可能な前記イコライザ部材25を設けている。この為、前記インプットスクリュー14a或いは各カムレバー69、69の寸法公差に基づいて、これら両部材14a、69同士が偏当たりした状態で、直接当接する事がない。又、前記イコライザ部材25は、前記インプットスクリュー14aの回転の影響を吸収しつつ、前記各カムレバー69、69に押圧力を伝達する事ができる。この結果、前記推力発生機構24及び倍力機構26の耐久性の向上を図る事ができる。
又、前記インプットスクリュー14aと前記各カムレバー69、69との間で、前記イコライザ部材25が揺動する事により、これら両部材14a、69の寸法公差を吸収する事ができる。特に本例の場合、前記イコライザ部材25のインナ、アウタ両側面に前記インナ側、アウタ側各球面部67、68を形成して、揺動し易くしている。この為、前記イコライザ部材25から前記各カムレバー69、69に伝達するアウタ方向の押圧力を、これら各カムレバー69、69に均等に伝達して、これら各カムレバー69、69が前記ピストン7aを押圧する力が、円周方向に関して偏る事の防止を図れる。
又、制動時に前記キャリパ4aが変形すると、前記倍力機構26を構成する各カムレバー69、69の中心軸に対して、前記推力発生機構24を構成するインプットスクリュー14aの中心軸が傾く事がある。この様な場合でも、前記イコライザ部材25が揺動する事により、前記推力発生機構24と倍力機構26との間に曲げ応力等の過大な応力が加わる事を防止して、これら両機構24、26の耐久性の向上を図れる。
又、本例の場合、前記倍力機構26を構成する各カムレバー69、69の径方向外端部を、前記ピストン7aの係止溝32、32に係合する事により、これら各カムレバー69、69の円周方向に関する位置決めを図っている。この為、前記倍力機構26の作動の安定性の向上を図れる。
又、本例によれば、組み立て性の向上を図る事もできる。即ち、前記推力発生機構24を構成するアジャストナット12aは、その内側に前記インプットスクリュー14a等の構成部品を組み込んでユニット化する事ができる。更に、前記ピストン7aの内側に、前記倍力機構12a及び前記イコライザ部材25等の構成部材と、上述のユニット化したアジャストナット12aとを組み込んでユニット化する事ができる。この様にユニット化した部材は、前記油圧シリンダ6a内に容易に組み込む事ができる為、組み立て性の向上を図れる。
又、本例の場合、前記推力発生機構24が作動する前の状態{図2の(a)に示す状態}で、前記インプットスクリュー14aの係合凸部43のインナ側端部と、前記位置決めプレート55の内径側係合突片62とを円周方向に当接させている。この為、制動解除時に、このインプットスクリュー14aの戻し過ぎを防止できる。この様な構成を採用する結果、このインプットスクリュー14aの雄ねじ部42と前記アジャストスクリュー13aの雌ねじ部34との螺合部分に作用する軸方向の締結力が大きくなり過ぎる事の防止を図れる。
[実施の形態の第2例]
図7は、請求項1〜2、5、7に対応する本発明の実施の形態の第2例を示している。
本例の場合、イコライザ部材25aを、前述した実施の形態の第1例のイコライザ部材25の軸部66を省略した如き構造としている。前記イコライザ部材25aは、インナ側面に、インナ側球面部67aが形成されている。一方、このイコライザ部材25aのアウタ側面に、アウタ側球面部68aが形成されている。そして、前記インナ側球面部67aの曲率を、このアウタ側曲面部68aの曲率よりも大きくしている。
又、本例の場合、倍力機構26aを、プラグプレート17bと、特許請求の範囲の弾性部材に相当するリアクションディスク72とにより構成している。このうちのプラグプレート17bは、円柱状であり、アウタ側面が平坦面である。一方、このプラグプレート17bのインナ側面の中央部に、このインナ側面からアウタ側に凹入した状態で凹部73が形成されている。又、この凹部73の底面は、中央に向かう程アウタ側に凹入した曲面(部分球面)状である。この様なプラグプレート17bは、前記凹部73の内側に、前記イコライザ部材25aのアウタ側半部を配置すると共に、この凹部73の底面とこのイコライザ部材25aのアウタ側球面部68aとを当接させた状態で、スラストプレート28aの内周面に内嵌している。この様にして、前記プラグプレート17bを、このスラストプレート28aに対する軸方向の変位を可能な状態に組み付けている。
又、前記リアクションディスク72は、ゴム、ビニルの如きエラストマー等の、耐油性を有する弾性材製で、ピストン7aのピストン底部23の内面と、このピストン7aのピストン円筒部74の内周面のアウタ側端部寄り部分と、前記スラストプレート28aのアウタ側面とに囲まれる空間に、実質的に隙間がない状態で配置している。又、前記リアクションディスク72のインナ側面の中央部をインナ側受面75として、このインナ側受面75に、前記プラグプレート17bのアウタ側面を突き当てている。従って、前記イコライザ部材25aがアウタ方向に変位した場合には、前記プラグプレート17bを介して、前記リアクションディスク72をアウタ方向に押圧する事ができる。尚、前記プラグプレート17bを省略して、前記リアクションディスク72のインナ側受面75に直接、前記イコライザ部材25aのアウタ側面を突き当てる様に構成する事もできる。この場合には、このイコライザ部材25aのアウタ側面を平坦面にする。
パーキングブレーキの作動時には、前述した実施の形態の第1例と同様に、先ず、推力発生機構24が作動して、ピストン7aを、両パッド2a、3a(図1参照)とロータの両側面との間の隙間を解消するまで変位させる。その後、インプットスクリュー14aのみが、前記ロータに向け、アウタ側に変位すると、このインプットスクリュー14aのアウタ側面が前記イコライザ部材25aをアウタ側に変位させる。すると、このイコライザ部材25aのアウタ側球面部68aが、前記プラグプレート17bを介して前記リアクションディスク72のインナ側面中央部を強く押圧する。この結果、このリアクションディスク72が弾性変形する。このリアクションディスク72は、一種の非圧縮性流体の如き挙動により、このリアクションディスク72を囲んでいる相手面を押圧する。このリアクションディスク72がこの相手面を押圧する単位面積当たりの圧力は、前記インプットスクリュー14aのアウタ側面による押圧部の単位面積当たりの圧力と同じになる。前記リアクションディスク72と相手面との当接面積を軸方向に関して見た場合、前記ピストン7aのピストン底部23の内面との当接面積Sが、前記プラグプレート17bのアウタ側面Sよりも十分に広い(S≫S)。従って、前記ピストン7aは、前記インプットスクリュー14aに加えられた推力よりも、前記当接面積の比分(S/S)だけ増力されて、ロータに向け押圧される。
その他の部分の構成及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図8〜9は、請求項1〜3、5〜6に対応する本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の電動式ディスクブレーキの場合、前記油圧シリンダ6aの内側に、インナ側から順番に、インナ側スラスト玉軸受76と、推力発生機構24aと、イコライザ部材25bと、倍力機構26bとを組み込んでいる。
このうちのインナ側スラスト玉軸受76は、断面円弧状のインナ側スラスト軌道77と、断面円弧状のアウタ側スラスト軌道78と、これら両軌道77、78同士の間に転動自在に設けられた複数個の玉79、79と、これら各玉79、79を転動自在に保持する保持器80とにより構成されている。
このうちのインナ側軌道77は、円輪状のインナ側スラストプレート81のアウタ側面の全周に亙り形成されている。この様なインナ側スラストプレート81は、中心孔82に駆動杆18aの軸方向中間部を挿通すると共に、前記油圧シリンダ6aの内周面のシリンダ底部27寄り部分に内嵌されている。
又、前記アウタ側軌道78は、後述するアジャストスクリュー13bの外向き鍔部83のインナ側面に、全周に亙り形成されている。
又、前記推力発生機構24aは、アジャストスクリュー13bと、アジャストナット12bと、パワーナット84と、特許請求の範囲の第一押圧部材に相当するスラストプレート28bと、スラスト玉軸受29aと、特許請求の範囲の第二押圧部材に相当するインプットスクリュー14bと、プリセットスプリング15aとを組み合わせて成る。
このうちのアジャストスクリュー13bは、外周面のインナ側端部に、外向き鍔部83が形成された鍔付き円筒状である。又、前記アジャストスクリュー13bの外周面のアウタ側半部に、雄ねじ部33aが形成されている。一方、このアジャストスクリュー13bの内周面の少なくとも一部は、六角形状である。又、前記外向き鍔部83のインナ側面に、前述したアウタ側スラスト軌道78が形成されている。この様なアジャストスクリュー13bは、駆動杆18aの外周面に形成された六角形状部分に、このアジャストスクリュー13bの内周面のうちの六角形状部分を外嵌している。この様にして、前記駆動杆18aと前記アジャストスクリュー13bとを、トルク伝達を可能に組み合わせている。尚、この組み合わせ部分の構造は、一般的なスプライン係合にする事もできる。
又、前記アジャストナット12bは、全体が円筒状であり、内周面に雌ねじ部30aが形成されている。一方、このアジャストナット12bの外周面のアウタ側端部寄り部分の円周方向1箇所位置に、連結用有底孔85が形成されている。又、外周面のインナ側端部寄り部分の円周方向1箇所位置(図8、9の下方)に、この外周面から径方向外方へ突出し、軸方向に長い係合凸部86が形成されている。この様なアジャストナット12bは、前記雌ねじ部30aと、前記アジャストスクリュー13bの雄ねじ部33aとを螺合させた状態で、このアジャストスクリュー13bの外径側に設置されている。尚、これら両ねじ部30a、33a同士の螺合状態は、不可逆的である。
又、前記パワーナット84は、外周面のアウタ側端部に外向き鍔部87が形成された鍔付き円筒状である。又、このパワーナット84の内周面のアウタ側半部に、雌ねじ部88が形成されている。尚、この様なパワーナット84のアウタ側半部の内径は、インナ側半部の内径よりも小さい。又、本例の場合、前記パワーナット84の雌ねじ部88のピッチを、前記アジャストナット12bの雌ねじ部30aのピッチよりも大きくしている。
又、前記外向き鍔部87の側面の円周方向1箇所位置(図8、9の上方)に、この外向き鍔部87を軸方向に貫通した係止孔89が形成されている。又、前記外向き鍔部87のアウタ側面の全周に亙り、断面円弧状のインナ側スラスト軌道35aが形成されている。更に、前記パワーナット84のインナ側半部の軸方向中間部の円周方向1箇所位置に、当該部分を径方向に貫通した連結孔90が形成されている。この様なパワーナット84は、インナ側半部の内径側に前記アジャストナット12bのアウタ側端部寄り部分を配置した状態で、前記パワーナット84の連結孔90と、前記アジャストナット12bの連結用有底孔85とに円柱状の連結ピン91を掛け渡している。この様にして、前記パワーナット84は、前記アジャストナット12bに対して、同期した回転を可能な状態、且つ、同期した軸方向変位を可能な状態に組み付けられている。
又、前記スラストプレート28bは、円輪状部材であり、インナ側面の全周に亙り、断面円弧状のアウタ側スラスト軌道38aが形成されている。一方、前記スラストプレート28bのアウタ側面を、平坦な第一押圧面39aとしている。この様なスラストプレート28bは、前記パワーナット84よりもアウタ側に、このスラストプレート28bと軸方向に離隔した状態で設置されている。
又、前記スラスト玉軸受29aは、前記パワーナット84のインナ側スラスト軌道35aと、前記スラストプレート28bのアウタ側スラスト軌道38aと、これら両軌道35a、38a同士の間に転動自在に設けられた複数個の玉40、40と、これら各玉40、40を転動自在に保持する保持器41aとにより構成されている。
又、前記インプットスクリュー14bは、略円柱状のスクリュー本体92と、このスクリュー本体92のアウタ側面の径方向外端寄り部分の円周方向3箇所位置に、このアウタ側面からアウタ方向に突出した状態で形成された回り止め腕部93、93とを備える。
又、前記スクリュー本体92の外周面に、雄ねじ部42aが形成されている。又、このスクリュー本体92のアウタ側面の中央部で、前記各回り止め腕部93、93よりも径方向内側位置に、このアウタ側面から凹入した、特許請求の範囲の凹曲面部に相当する係合凹部94が形成されている。尚、この係合凹部94の奥端面は、球状凹面である。この様なインプットスクリュー14bは、前記雄ねじ部42aと、前記パワーナット84の雌ねじ部88とを螺合させた状態で、このパワーナット84の内径側に設置されている。又、前記インプットスクリュー14bは、後述するプラグプレート17cを介して前記ピストン7aに対する回り止めを図られている。従って、前記インプットスクリュー14bは、前記雄ねじ部42aと、前記パワーナット84の雌ねじ部88との螺合に基づき、軸方向に変位する事ができる。
又、前記プリセットスプリング15aは、前記ピストン7aに係止された位置決めプレート55aと、前記パワーナット84との間に設けられている。尚、この位置決めプレート55aは、前述した実施の形態の第1例の位置決めプレート55とほぼ同様の構造を有している。但し、本例の場合、この様な位置決めプレート55aは、前記アジャストナット12bのインナ側端部寄りの外径側に、外径側係合突片61a、61aを前記ピストン7aの係止溝32、32に係止する事により、このピストン7aに対する回り止めを図られた状態で設置されている。
又、本例の場合、前記プリセットスプリング15aの両端部に形成した係止部64a、64bのうち、インナ側端部からインナ側に突出した係止部64aを、前記位置決めプレート55aの係止孔63に係止している。一方、アウタ側端部からアウタ側に突出した係止部64bは、スペーサー95を介して、前記パワーナット84の係止孔89に係止している。尚、このスペーサー95は、円周方向1箇所に不連続部を有する部分円筒状であり、アウタ側端面の径方向に関してこの不連続部と反対位置に、径方向外方へ折れ曲がった外向き突片96が、形成されている。又、この外向き突片96には、軸方向に貫通した係止孔97が形成されている。この様なスペーサー95は、この係止孔97と、前記パワーナット84の係止孔89とを整合させた状態で、前記パワーナット84のインナ側半部に外嵌されている。そして、前記プリセットスプリング15aの係止部64bを、前記係止孔97、89に係止している。
この様にして、前記プリセットスプリング15aにより、前記パワーナット84及び前記アジャストナット12bに対し、回転方向の弾力を付与している。この弾力の方向は、前記アジャストスクリュー13bの雄ねじ部33aと、前記アジャストナット12bの雌ねじ部30aとの螺合に基づいて、前記パワーナット84及びこのアジャストナット12bをインナ側に変位させる方向としている。
尚、本例の場合も、前述した実施の形態の第1例と同様に、前記倍力機構26bが作動する前の状態(図8に示す状態)で、前記アジャストナット12bの係合凸部86と、前記位置決めプレート55aの内径側係合突片62aとを円周方向に当接させている。この様にして、前記プリセットスプリング15aから前記パワーナット84及びアジャストナット12bに加わる円周方向に関する弾力を受けると共に、前記倍力機構26bが作動する前の状態の前記パワーナット84及びアジャストナット12bの円周方向に関する位置決めを図っている。
又、前記イコライザ部材25bは、略円柱状であり、インナ側面にインナ側球面部67bが形成されている。一方、このイコライザ部材25bのアウタ側面に、アウタ側球面部68bが形成されている。この様なイコライザ部材25bは、インナ側半部を、前記インプットスクリュー14bの係合凹部94の内側に配置した状態で、このイコライザ部材25bのインナ側球面部67bと、前記インプットスクリュー14bの係合凹部94の奥端面とを係合させている。この様に組み付けた状態で、前記イコライザ部材25bは、前記インプットスクリュー14bと前記各カムレバー69、69との間で、揺動可能である。
更に、前記倍力機構26bは、前述した実施の形態の第1例と同様に、てこ式のものであり、円周方向に離隔した状態で、放射状に配置された3個のカムレバー69、69と、プラグプレート17cとを備えている。
このうちのカムレバー69、69の構造は、前述した実施の形態の第1例の構造と同様である。
又、前記プラグプレート17cは、前記各カムレバー69、69の径方向内端同士を連続させた如き形状を有している。即ち、前記プラグプレート17cは、互いに離隔した円周方向3箇所位置に放射状に配置された3個の腕部98、98と、これら各腕部98、98の径方向内端同士を連結する中央連結部99とから成る。又、これら各腕部98、98のインナ側面には、断面円弧状の凹部70a、70aが形成されている。又、前記各腕部98、98のうちの1個の腕部98(図9の上方の腕部98)のアウタ側面に、このアウタ側面からアウタ方向に突出した係合凸部100が形成されている。更に、前記各腕部98、98の円周方向側面の径方向内端同士が連続する部分に、前記インプットスクリュー14bの回り止め腕部93、93のアウタ側端部と係合可能な係合溝101、101が形成されている。この様なプラグプレート17cは、前記係合凸部100を前記ピストン7aのピストン底部23に形成された係合凹部102に係合させると共に、前記ピストン底部23のインナ側面に突き当てた状態で組み付けられている。この様にして、前記プラグプレート17cの前記ピストン7aに対する回り止めを図っている。
又、前記各カムレバー69、69は、軸方向に関して、前記スラストプレート28bのアウタ側面及び前記イコライザ部材25bのアウタ側球面部68bと、前記プラグプレート17cのインナ側面との間に配置している。又、前記各カムレバー69、69は、円周方向に関して、前記インプットスクリュー14bの各回り止め腕部93、93同士の間部分に配置している。尚、この状態で、これら各回り止め腕部93、93のアウタ側端部は、前記プラグプレート17cの係合溝101、101と係合している。
そして、前記各カムレバー69、69のインナ側面の内径側部分を、前記イコライザ部材25bのアウタ側球面部68bに揺動変位を可能に突き当てると共に、インナ側面の外径側部分を、前記スラストプレート28bの第一押圧面39aに揺動変位を可能に突き当てている。又、前記各カムレバー69、69のアウタ側面の径方向中間部を、前記プラグプレート17cの各凹部70、70に、それぞれ揺動変位を可能にして突き当てている。
上述の様に構成する本例の電動式ディスクブレーキの、パーキングブレーキ作動時の作用は、次の通りである。
パーキングブレーキ作動時には、前記電動モータ11により前記アジャストスクリュー13bを、駆動杆18aを介して回転駆動する。作動開始直後の初期段階では、前記インナ、アウタ両パッド2a、3aと前記ロータの両側面との間には隙間が存在し、これら両パッド2a、3aをこのロータに向けて移動させる為に要する力は小さくて済む。前記初期段階では、前記アジャストスクリュー13bが回転した際、アジャストナット12bとパワーナット84とは、前記プリセットスプリング15aの弾力により、前記ピストン7aに対して回転する事はない。この為、前記アジャストスクリュー13bの雄ねじ部33aと、前記アジャストナット12bの雌ねじ部30aの螺合に基づいて、前記アジャストナット12b及び前記パワーナット84がロータに向けてアウタ側に変位する。又、この変位に伴って、このパワーナット84の内径側に設けられた前記インプットスクリュー14bも同期してアウタ側に変位する。この様な各変位に基づく押圧力は、パワーナット84 → スラスト玉軸受29a → スラストプレート28b → 各カムレバー69、69の径方向外端寄り部分 → プラグプレート17cの経路、及び、インプットスクリュー14b → イコライザ部材25b → 各カムレバー69、69の径方向内端寄り部分 → プラグプレート17cの経路により伝達されて、最終的に前記ピストン7aを押圧して、このピストン7aを、前記両パッド2a、3aと前記ロータの両側面との間の隙間を解消するまで変位させる。
この様にして前記両パッド2a、3aと前記ロータの両側面との間の隙間が解消されると、前記アジャストナット12b及びパワーナット84に加わる軸方向の反力に基づいて、前記アジャストスクリュー13bの雄ねじ部33aと、前記アジャストナット12bの雌ねじ部30aの螺合部の回転抵抗が大きくなる。そして、この回転抵抗が、前記プリセットスプリング15aにより、前記アジャストナット12b及びパワーナット84に付与されている弾力よりも大きくなると、この弾力に抗して、これらアジャストナット12b及びパワーナット84が、前記アジャストスクリュー13bと同期して回転する。すると、前記インプットスクリュー14bは、前記プラグプレート17cを介して前記ピストン7aに対して回り止めされている為、前記パワーナット84の雌ねじ部88と、前記インプットスクリュー14bの雄ねじ部42aとの螺合に基づき、このインプットスクリュー14bのみが、前記ロータに向けてアウタ側に変位する。
この様なインプットスクリュー14bの変位に基づいて、前記イコライザ部材25bがアウタ側に変位すると、前記各カムレバー69、69が、このイコライザ部材25bのアウタ側球面部68bとの当接部を力点とし、前記スラストプレート28bのアウタ側面との当接部を支点とし、前記プラグプレート17cとの当接部を作用点として揺動変位する。この様にして、前記両パッド2a、3aが前記ロータの両側面に強く押圧される。
上述の様に本例の電動式ディスクブレーキの場合、前記アジャストナット12bとパワーナット84とを、軸方向に関して直列に連結している。この為、推力発生機構24aの構造を簡素化する事ができる。
又、この推力発生機構24aが作動する際、最初に作動する部分である、前記アジャストスクリュー13bの雄ねじ部33aと、前記アジャストナット12bの雌ねじ部30aとの螺合部を、径方向に関して前記駆動杆18aに近い部分に配置できる。この為、作動の際の慣性モーメントを小さくして、前記電動モータ11の負担を軽減すると共に、ブレーキの応答性を良好にする事ができる。
又、本例の場合、前記パワーナット84の雌ねじ部88のピッチを、前記アジャストナット12bの雌ねじ部30aのピッチよりも大きくしている。この為、前記倍力機構26bを作動させる際、前記インプットスクリュー14bを所定量だけアウタ側に変位させる為の前記パワーナット84の回転量(回転角)を小さくする事ができる。この結果、前記プリセットスプリング15aの捩じり角も小さくする事ができる為、このプリセットスプリング15aの設計が容易になる。
又、本例の場合、前記インプットスクリュー14bは、前記プラグプレート17cを介して前記ピストン7aに対する回り止めを図られている。この為、前記倍力機構26bを作動させる際、前記インプットスクリュー14b及び前記イコライザ部材25bは、回転する事なく、前記各カムレバー69、69をアウタ方向に押圧する。この結果、前記倍力機構26bを安定して作動できると共に、前記推力発生機構24a及び倍力機構26bの耐久性の向上を図る事ができる。
[実施の形態の第4例]
図10〜12は、請求項1〜6に対応する本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の電動式ディスクブレーキの場合、インプットスクリュー14c及びイコライザ部材25cの構造が、前述した実施の形態の第3例の構造と異なる。その他の部分の構造はこの第3例の場合と同様であるから、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の場合、前記インプットスクリュー14cは、略円柱状であり、外周面に雄ねじ部42bが形成されている。又、このインプットスクリュー14cのアウタ側面に、特許請求の範囲の凹曲面部に相当し、このアウタ側面からインナ側に凹入した係合凹部94aが形成されている。尚、この係合凹部94aの奥端面は部分(半)球面状である。
又、この係合凹部94aの内周面のアウタ側端部の円周方向2箇所位置に、回り止め切り欠き103、103が形成されている。
この様なインプットスクリュー14cは、前記雄ねじ部42bと、パワーナット84の雌ねじ部88とを螺合させた状態で、このパワーナット84の内径側に設置されている。尚、前記インプットスクリュー14cは、後述するイコライザ部材25c及びプラグプレート17cを介してピストン7aに対する回り止めを図られている。従って、前記インプットスクリュー14cは、前記雄ねじ部42bと、前記パワーナット84の雌ねじ部88との螺合に基づき、このパワーナット84に対する軸方向の変位が可能である。
又、前記イコライザ部材25cは、円板部104と、この円板部104のインナ側面に形成された揺動凸部105と、この円板部104のアウタ側面に形成された複数個(本例の場合3個)の回り止め腕部106、106とを備えている。
このうちの円板部104は、アウタ側面の中央寄り部分に、特許請求の範囲の凸曲面部に相当するアウタ側球面部68cが形成されている。
又、前記揺動凸部105は、前記円板部104のインナ側面の中央部からインナ方向に突出した状態で設けられており、インナ側端部に、特許請求の範囲の凸曲面部に相当するインナ側球面部67cが形成されている。又、前記揺動凸部105の外周面のアウタ側端部の円周方向2箇所位置に、この外周面から径方向外方に突出した回り止め凸部107、107が形成されている。
又、前記各回り止め腕部106、106は、前記円板部104のアウタ側面の径方向外端寄り部分で、前記アウタ側球面部68cの周囲の円周方向3箇所からアウタ方向に突出した状態で設けられている。
この様なイコライザ部材25cは、前記揺動凸部105のインナ側球面部67cと、前記インプットスクリュー14bの係合凹部94aの奥端面とを係合させると共に、前記各回り止め凸部107、107と、このインプットスクリュー14bの各回り止め切り欠き103、103とを係合させる事により、このインプットスクリュー14bに対する回転を阻止された状態で組み付けられている。
又、前記イコライザ部材25cの回り止め腕部106、106のアウタ側端部は、プラグプレート17cの係合溝101、101と係合している。この様にして、前記イコライザ部材25cの前記ピストン7aに対する回り止めを図っている。尚、このプラグプレート17cは、前述した実施の形態の第3例と同様に、このプラグプレート17cの係合凸部100を前記ピストン7aのピストン底部23に形成された係合凹部102に係合する事により、このピストン7aに対する回り止めを図られている。
この様に組み付けた状態で、前記イコライザ部材25cは、前記インプットスクリュー14bと前記各カムレバー69、69との間で、揺動可能である。
上述の様な本例の場合、前記インプットスクリュー14bと軸方向に直列に配置された前記イコライザ部材25cに、前記回り止め腕部106、106を設ける事により、このイコライザ部材25cの回り止めを図っている。この為、前述した実施の形態の第3例の様に、インプットスクリュー14bに回り止め腕部93、93を設けると共に、これら各回り止め腕部93、93の内径側にイコライザ部材25bを配置する構造と比べて、前記イコライザ部材25cの各回り止め腕部106、106の剛性を確保し易い。
又、前記インプットスクリュー14bの回り止めも、前記イコライザ部材25cを介して図っている為、このインプットスクリュー14bの設計の自由度を高くできる。
その他の部分の構成及び作用・効果は、前述した実施の形態の第3例と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
[実施の形態の第5例]
図13〜15は、請求項1〜5、7に対応する本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の電動式ディスクブレーキの場合、スラストプレート28cと、イコライザ部材25dの構造が前述した実施の形態の第4例の構造と異なる。その他の部分の構造はこの第4例の場合と同様であるから、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の場合、スラストプレート28cは、外周面のインナ側端部に外向き鍔部108が形成された鍔付き円筒状である。又、この外向き鍔部108の外周面のうち、互いに反対側となる円周方向2箇所位置に、外径側突部109、109が形成されている。又、前記スラストプレート28cの内周面のインナ側端部のうち、径方向に関して互いに反対側となる円周方向2箇所位置に、内径側突部110、110が形成されている。この様なスラストプレート28cは、ピストン7aの係止溝32、32のアウタ側端部寄り部分に、前記各外径側突部109、109を係止している。この様にして、前記スラストプレート28cは、前記ピストン7aに対する、回転を不能な状態、且つ、軸方向の変位を可能な状態に組み付けられている。
又、前記イコライザ部材25dは、略円柱状であり、インナ側面に、前述した実施の形態の第4例のイコライザ部材が備える揺動凸部105、及び、回り止め凸部107、107が形成されている。一方、前記イコライザ部材25dのアウタ側面は、平坦面である。又、前記イコライザ部材25dの外周面のうち、インナ側半部の互いに反対側となる円周方向2箇所位置に、軸方向に長い回り止め係止溝111、111が形成されている。
この様なイコライザ部材25dは、前記揺動凸部105のインナ側球面部67cと、前記インプットスクリュー14cの係合凹部94aの奥端面とを係合させると共に、前記各回り止め係止溝111、111と、前記スラストプレート28cの各内径側凸部110、110とを係合させた状態で、前記インプットスクリュー14cとリアクションディスク72との間に組み付けられている。尚、前記各回り止め係止溝111、111と、前記スラストプレート28cの各内径側凸部110、110との係止状態は、前記イコライザ部材25dの、前記インプットスクリュー14c及び前記リアクションディスク72に対する揺動を可能な程度に調整する。又、本例の場合、ピストン7aのピストン底部23と前記リアクションディスク72との間に、アウタ側端部に底部を有し、インナ側が開口した有底円筒状のケース112を設けている。尚、本例の場合、倍力機構をリアクションディスクにより構成しているが、例えば、前述した実施の形態の第1例の様に、カムレバーを用いた倍力機構の構造を採用する事もできる。
上述の様な本例の場合、前述した実施の形態の第4例と同様に前記インプットスクリュー14cと軸方向に直列に配置された前記イコライザ部材25dに、前記回り止め係止溝111、111を形成して、このイコライザ部材25dと前記スラストプレート28cの各内径側凸部110、110との係合により、このイコライザ部材25d及び前記インプットスクリュー14cの回り止めを図っている。この為、このインプットスクリュー14cの設計の自由度を高くできる。
又、本例の場合、前記イコライザ部材25dに、前述した実施の形態の第4例の様な回り止め腕部106、106を設けていない。この為、前記イコライザ部材25dのアウタ側部分の剛性を確保し易い。
その他の部分の構成及び作用・効果は、前述した実施の形態の第4例と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
[実施の形態の第6例]
図16〜19は、請求項1〜2、6、8に対応する本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の電動式ディスクブレーキは、ピストン7aの内側に、機械式の推力発生機構24bと、イコライザ部材25と、倍力機構26dとを組み込んでいる。
このうちの推力発生機構24bは、アジャストナット12aと、アジャストスクリュー13cと、特許請求の範囲の第二押圧部材に相当するインプットスクリュー14dと、被回り止めプレート114と、プリセットスプリング15bとを組み合わせて成る。
このうちのアジャストナット12aは、前述した実施の形態の第1例の場合とほぼ同様の構造である。又、本例の場合、前述した実施の形態の第1例のスラストプレート28(図1、2参照)及びスラスト玉軸受29に相当する部材を省略している。この為に、本例の場合、前記アジャストスクリュー13cが、特許請求の範囲の第一押圧部材に相当する部材である。
又、前記アジャストスクリュー13cは、前述した実施の形態の第1例のアジャストスクリュー13a(図1、2参照)と、スラストプレート28とを一体に形成した如き構造を有している。具体的には、前記アジャストスクリュー13cは、円筒状部分115と、フランジ部116と、回り止め凸部117とを有している。このうちの円筒状部分115は、外周面の軸方向中間部のアウタ側端部寄り部分からインナ側端部に掛けて雄ねじ部33bが形成されている。一方、前記円筒状部分115の内周面のうちのアウタ側端部寄り部分に、雌ねじ部34aが形成されている。
尚、前記円筒状部分115の内周面のうち、インナ側半部(インナ側端部から円筒状部分115の全長の約2/3部分)の内径を、アウタ側半部(アウタ側端部から円筒状部分115の全長の約1/3部分)の内径より大きくする事により、前記インナ側半部の内径側に、前記プリセットスプリング15bを配置する為の空間を設けている。
又、前記フランジ部116は、前記円筒状部分115のアウタ側端部外周面に、全周に亙り径方向外方に突出した状態で形成されている。尚、前記フランジ部116は、アウタ側半部がインナ側半部よりも大径の段付状に形成されている。
又、前記フランジ部116のアウタ側面は平坦面であり、当該部分を第一押圧面39bとしている。又、前記円筒状部分115の内周面の軸方向中間部には、アウタ側半部(アウタ側端部から円筒状部分115の全長の約1/3部分)内周面と、インナ側半部(インナ側端部から円筒状部分115の全長の約2/3部分)内周面とを連続する段部118が設けられている。そして、前記円筒状部分115のアウタ側半部には、インナ側端部が前記段部118に開口すると共に、アウタ側端部が前記円筒状部分115のアウタ側端面に開口した貫通孔119が形成されている。
又、前記回り止め凸部117は、部分円筒状であり、前記円筒状部分115のインナ側端面の円周方向1箇所位置(本例の場合、図16、17の上方)から、インナ側に延出した状態で形成されている。尚、前記回り止め凸部117の円周方向に関する長さ寸法は、前記アジャストスクリュー13cに対して許容する前記インプットスクリュー14d及び前記被回り止めプレート114の回転量に基づいて適宜設定するものである。
又、前記インプットスクリュー14dは、円筒状であり、内周面のインナ側端部寄り部分を六角形状としている。一方、このインプットスクリュー14dの外周面のアウタ側半部に、雄ねじ部42cが形成されている。又、このインプットスクリュー14dの外周面のインナ側端部寄り部分には、全周に亙り径方向外方に突出すると共に、外周面が円筒面状の円筒フランジ部120が設けられている。又、前記インプットスクリュー14dの外周面のうち、この円筒フランジ部120のインナ側に隣接した位置に、全周に亙り径方向外方に突出すると共に、外周面が六角形状の六角フランジ部121が形成されている。又、前記インプットスクリュー14dの外周面の軸方向中間部で、前記円筒フランジ部120よりもアウタ側部分の径方向に関して反対となる円周方向4箇所位置には、径方向に貫通した一対の貫通孔122a、122bが形成されている。
更に、前記インプットスクリュー14dのアウタ側端面の内径側半部は、全周に亙り部分凹曲面状に形成されている。この様にして、後述するイコライザ部材25のインナ側球面部67との当接面積を確保すると共に、エッジ当たりを防止している。
この様なインプットスクリュー14dは、駆動杆18aの外周面に形成された六角形状部分に、このインプットスクリュー14dの内周面のうちの六角形状部分を外嵌した状態で組み付けられている。この様にして、前記駆動杆18aと前記インプットスクリュー14dとを、トルク伝達を可能に、且つ、軸方向の相対変位を可能に組み合わせている。尚、この組み合わせ部分の構造は、一般的なスプライン係合にする事もできる。
又、前記インプットスクリュー14dは、前記雄ねじ部42cと、前記アジャストスクリュー13cの雌ねじ部34aとを螺合させた状態で、このアジャストスクリュー13cの内径側に設置されている。これら両ねじ部42c、34a同士の螺合状態も、不可逆的である。
尚、前記駆動杆18aは、軸方向中間部を、前記キャリパ4aのシリンダ底部27の中央部に形成されたシリンダ通孔44に挿通すると共に、インナ側端部を、前記キャリパ4aからインナ側に突出させた状態で、このキャリパ4aに支持されている。又、前記駆動杆18aの外周面のうち、前記キャリパ4aからインナ側に突出した部分のアウタ側端部に、止め輪45(図1参照)を外嵌固定している。又、前記シリンダ通孔44の内周面のうち、アウタ側端部の全周に亙り形成された係止溝123と、前記駆動杆18aの外周面との間に、前記シリンダ内部の油密性を確保する為のインナ側シール部材124が設けられている。
更に、前記キャリパ4aの油圧シリンダ6aのインナ側端部内周面と、前記駆動杆18aの外周面のうち、このインナ側端部内周面と径方向に対向する部分との間には筒状部材125が設けられている。この筒状部材125は、アウタ側から順に、外径が大径である大径筒部126と、外径が中径である中径筒部127と、外径が小径である小径筒部128とから成る。又、この中径筒部127の内周面には全周に亙り係止溝129が形成されている。この様な構成を有する筒状部材125は、前記キャリパ4aの油圧シリンダ6aのインナ側端部内周面に隙間のない状態で内嵌されると共に、前記駆動杆18aの外周面のうち、このインナ側端部内周面と径方向に対向する部分に、この駆動杆18aが回転可能な状態で外嵌されている。又、この状態で、前記筒状部材125の係止溝129にはアウタ側シール部材130が係止されており、このアウタ側シール部材130の内周面は、前記駆動杆18aの外周面に隙間なく当接している。更に、このアウタ側シール部材130のアウタ側面の径方向内半部には、前記駆動杆18aのフランジ部50のインナ側面が当接している。この様にして、前記シリンダ内部の油密性を確保している。
又、前記被回り止めプレート114は、全体が略円輪状であり、外周面のうちの径方向に関して反対側となる円周方向2箇所位置に一対の直線部131a、131bが形成されている。又、径方向中間部の円周方向1箇所位置に、軸方向に貫通した状態で係止孔132が形成されている。又、外周面のうちの円周方向に関して前記両直線部131a、131b同士の間部分である円周方向1箇所位置(本例の場合、図16〜18の上方であって、円周方向に関して前記係止孔132と位相が一致する位置)に、外径側に突出した状態で被回り止め凸部133が形成されている。この被回り止め凸部133の円周方向両側面は、互いに平行な直線状である。又、前記被回り止めプレート114の中心から、前記被回り止め凸部133の径方向外端までの距離(被回り止め凸部133の外径寸法)は、前記アジャストスクリュー13cの中心からこのアジャストスクリュー13cの回り止め凸部117の外周面までの距離(回り止め凸部117の外径寸法)とほぼ同じである。尚、前記被回り止め凸部133の外径寸法は、前記アジャストスクリュー13cの回り止め凸部117の内径寸法よりも大きく、この回り止め凸部117の外径寸法よりも小さい範囲で適宜設定する。即ち、前記被回り止め凸部133の外径寸法は、組み付け状態に於いて、この被回り止め凸部133の円周方向側面が、前記アジャストスクリュー13cの回り止め凸部117の円周方向側面と、円周方向に関して対向可能な範囲で設定する。又、前記被回り止めプレート114の内周面は六角形状である。以上の様な構成を有する被回り止めプレート114は、内周面を前記インプットスクリュー14dの六角フランジ部121の外周面に隙間なく外嵌する事により、このインプットスクリュー14dに対する回転を阻止された状態で組み付けられている。
又、前記インプットスクリュー14dの外周面で、前記六角フランジ部121のインナ側端面に隣接した位置に、欠円輪状の止め輪143を外嵌している。この様にして、前記被回り止めプレート114のインナ側への抜け止めを図っている。
又、前記プリセットスプリング15bは、捩りコイルばねである。この様なプリセットスプリング15bは、両端部に形成した係止部64c、64dのうち、インナ側端部からインナ方向に突出した係止部64cを、前記被回り止めプレート114の係止孔132にアウタ側から挿通した状態で係止すると共に、アウタ側端部からアウタ方向に突出した係止部64dを、前記アジャストスクリュー13cの貫通孔119にインナ側から挿入した状態で係止している。この様にして、前記プリセットスプリング15bにより、前記被回り止めプレート114を介して前記インプットスクリュー14dに回転方向の弾力を付与している。この弾力は、このインプットスクリュー14dの軸方向変位に拘らず、前記プリセットスプリング15bの弾力が、前記被回り止めプレート114を介して前記インプットスクリュー14dに加わり続ける。又、前記弾力の方向は、このインプットスクリュー14dの雄ねじ部42cと前記アジャストスクリュー13cの雌ねじ部34aとの螺合に基づいて、前記インプットスクリュー14dをインナ側に変位させる方向としている。尚、本例の場合、前記倍力機構26dが作動する前の状態(図16、17に示す状態)で、前記被回り止めプレート114の被回り止め凸部133の円周方向一側面(図18の右側面で、αで示す部分)と、前記アジャストスクリュー13cの回り止め凸部117の円周方向他側面(図18の左側面で、βで示す部分)とを円周方向に当接又は近接対向させている。
又、本例の場合、前記倍力機構26dは、所謂てこ式のものであり、円周方向に離隔した状態で、放射状に配置された3個のカムレバー69、69と、プラグプレート17dと、保持クリップ134とを備える。
このうちの前記各カムレバー69、69の構造は、前述した実施の形態の第1例と同様である。
又、前記プラグプレート17dは、筒状のプレート基部135と、このプレート基部135の円周方向等間隔の3箇所位置から外径側に突出した状態で設けられたプレート腕部136、136とからなる。前記プレート基部135及びこれら各プレート腕部136、136のアウタ側面は平坦面状で、同一平面上に存在している。一方、前記前記プレート基部135のインナ側面の中央部には、アウタ側に凹んだプレート凹部137が形成されている。又、前記各プレート腕部136、136のインナ側面には、アウタ側に凹んだ断面円弧状の凹部70b、70bが形成されている。
本例の場合、前記各カムレバー69、69は、前記アジャストスクリュー13cのアウタ側端面及び前記イコライザ部材25のアウタ側球面部68と、前記プラグプレート17dのインナ側面との間に設けられている。又、前記各カムレバー69、69のインナ側面のうち、径方向内外両端部、及び、これら各カムレバー69、69のアウタ側面のうち、径方向中間部は、それぞれ部分円筒状の凸曲面としている。そして、前記各カムレバー69、69のインナ側面の内径側部分を、前記イコライザ部材25のアウタ側球面部68に、同じくインナ側面の外径側部分を前記アジャストスクリュー13cのアウタ側端面に、それぞれ揺動変位を可能に突き当てている。一方、前記各カムレバー69、69のアウタ側面の径方向中間部を、前記各プレート腕部136、136の凹部70b、70bに、揺動変位を可能に十分な面積で当接させている。
又、本例の場合、前記各カムレバー69、69と前記プラグプレート17dとを上述の様に組み付けた状態で、これら各部材69、17d同士を、前記保持クリップ134により保持している。具体的には、この様な保持クリップ134は、アウタ側に設けられた略円板状の基板部138と、この基板部138の外周縁の円周方向等間隔の3箇所位置からインナ側に延出した状態で設けられた保持腕部139、139を有している。このうちの各保持腕部139、139は、円周方向中央部に設けられた平板部140と、この平板部140の円周方向両端部から内径側に折れ曲がった状態で形成された一対の折れ曲がり部141、141とを有している。又、前記各保持腕部139、139のうちの1個の保持腕部139(本例の場合、図16、17、19の下方の保持腕部139)に、前記平板部140のインナ側端縁からインナ側に延出した状態で係止腕部142が設けられている。
この様な構成を有する保持クリップ134は、前記ピストン7aのピストン底部23のインナ側面と前記プラグプレート17dのアウタ側面との間に前記基板部138を隙間のない状態で配置すると共に、前記各保持腕部139、139の平板部140の内径側に前記プラグプレート17dのプレート腕部136、136及び前記各カムレバー69、69を配置した状態で組み付けられている。又、この状態で、前記各プレート腕部136、136及び前記各カムレバー69、69の円周方向両側面は、前記保持クリップ134の保持腕部139、139の両折れ曲がり部141、141同士に挟持されている。更に、前記保持クリップ134の係止腕部142は、前記アジャストスクリュー13cのフランジ部116の外周面の円周方向1箇所位置に係止されている。
上述の様に構成する本例の電動式ディスクブレーキの、パーキングブレーキ作動時の作用は、次の通りである。
パーキングブレーキ作動時には、前記電動モータ11により前記インプットスクリュー14dを、前記駆動杆18aを介して回転駆動する。作動開始直後の初期段階では、インナ、アウタ両パッド2a、3a(図1参照)とロータの両側面との間には隙間が存在し、これら両パッド2a、3aをこのロータに向けて移動させる為に要する力は小さくて済む。この為、前記初期段階では、前記インプットスクリュー14dの回転に伴って前記アジャストスクリュー13cも、前記プリセットスプリング15bに引っ張られる様にして、前記インプットスクリュー14dと同期して回転する。そして、前記アジャストナット12aの雌ねじ部30と前記アジャストスクリュー13cの雄ねじ部33bとの螺合に基づいて、このアジャストスクリュー13c及び前記インプットスクリュー14dが、前記ロータに向けてアウタ側に変位する。この変位に基づくアウタ方向の押圧力は、アジャストスクリュー13c → 各カムレバー69、69の径方向外端寄り部分 → プラグプレート17dの経路、及び、インプットスクリュー14d → イコライザ部材25 → 各カムレバー69、69の径方向内端寄り部分 → プラグプレート17dの経路で伝達されて、最終的に前記ピストン7aをアウタ方向に押圧して、このピストン7aを、前記両パッド2a、3aと前記ロータの両側面との間の隙間が解消されるまで変位させる。
この様にして前記両パッド2a、3aと前記ロータの両側面との間の隙間が解消されると、前記アジャストスクリュー13cが受けるインナ方向への反力に基づいて、このアジャストスクリュー13cの回転抵抗(アジャストナット12aの雌ねじ部30とアジャストスクリュー13cの雄ねじ部33bとの螺合部の摩擦力)が、前記プリセットスプリング15bにより前記アジャストスクリュー13cに付与されている弾力よりも大きくなる。この結果、このアジャストスクリュー13cがそれ以上回転しなくなり、このアジャストスクリュー13cが停止する。この状態から更に前記インプットスクリュー14dを、前記プリセットスプリング15bの弾力に抗して回転させると、前記アジャストスクリュー13cの雌ねじ部34aと前記インプットスクリュー14dの雄ねじ部42cとの螺合に基づき、このインプットスクリュー14dのみが、前記ロータに向け、アウタ側に変位する。
この様なインプットスクリュー14dの変位に基づいて、前記イコライザ部材25がアウタ側に変位すると、前記各カムレバー69、69が、このイコライザ部材25のアウタ側球面部68との当接部を力点とし、前記アジャストスクリュー13cのアウタ端面との当接部を支点とし、前記プラグプレート17dとの当接部を作用点として揺動変位する。このプラグプレート17dの径方向に関して、この作用点は前記力点と前記支点との間に存在するので、このプラグプレート17dを介して前記ピストン7aを変位させる力は増力されて、このピストン7aを前記ロータに向け、大きな力で押し付ける。この結果、前記両パッド2a、3aが前記ロータの両側面に強く押圧される。前記各ねじ部30、33b同士、及び、前記各ねじ部34a、42c同士は、不可逆的に螺合しているので、前記電動モータ11への通電を停止すれば、特に保持動作をせずに必要な制動力を保持できる。
尚、本例の場合、前記アジャストスクリュー13cの回転が停止して、前記インプットスクリュー14dのみが回転する状態(倍力機構26dが作動した状態)で、このインプットスクリュー14dの前記アジャストスクリュー13cに対する回転量を所定の範囲内に規制する為の規制手段を、このアジャストスクリュー13cの回り止め凸部117と、前記インプットスクリュー14dと共に回転する前記被回り止めプレート114の被回り止め凸部133との係合により構成している。即ち、前記インプットスクリュー14dは、図18に示す状態から、反時計方向に、前記被回り止めプレート114の被回り止め凸部133の円周方向他側面(図18の左側面で、αで示す部分)が、前記アジャストスクリュー13cの回り止め凸部117の円周方向一側面(図18の右側面で、βで示す部分)に当接するまで回転する事ができる。
別の言い方をすれば、前記アジャストスクリュー13cの回り止め凸部117と、前記インプットスクリュー14dと共に回転する前記被回り止めプレート114の被回り止め凸部133との係合により、前記インプットスクリュー14dの前記アジャストスクリュー13cに対するインナ側への変位量を、所定の範囲内に規制している。この結果、前記インプットスクリュー14dが前記アジャストスクリュー13cに対して回転し過ぎて(インナ側に変位し過ぎて)、その周囲に配置された構成部材(例えば、プリセットスプリング15b等)が破損したり、前記倍力機構26dの押圧力が過大になり過ぎる事の防止を図っている。又、前記アジャストスクリュー13cと前記インプットスクリュー14dとが共に回転すべき状態(倍力機構26dが作動する前の状態)で、何らかの原因により前記アジャストスクリュー13cが回転しなかった場合でも、このアジャストスクリュー13cに対して前記インプットスクリュー14dが過剰に回転してしまう事を防止する事ができる。その他の部分の構成及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例と同様である。
[産業上の利用可能性]
前述した実施の形態の各例では、本発明を電動式パーキングディスクブレーキに適用しているが、本発明は、電動式サービスブレーキに適用する事もできる。
又、推力発生機構の前記第一押圧部材及び第二押圧部材を作動させる部分の構造は、前述した実施の形態の各例の構造に限定されるものではない。即ち、推力発生機構を構成する第一押圧部材と第二押圧部材とを、二段階的に作動させられる各種構造が、本発明の技術的範囲に属する。
1 サポート
2、2a インナパッド
3、3a アウタパッド
4、4a キャリパ
5、5a キャリパ爪
6、6a 油圧シリンダ
7、7a ピストン
8 底部
9 推力発生機構
10 倍力機構
11 電動モータ
12、12a、12b アジャストナット
13、13a、13b、13c アジャストスクリュー
14、14a、14b、14c、14d インプットスクリュー
15、15a、15b プリセットスプリング
16 カムレバー
17、17a、17b、17c、17d プラグプレート
18、18a 駆動杆
19 雄ねじ部
20 雌ねじ部
21 雄ねじ部
22 雌ねじ部
23 ピストン底部
24、24a、24b 推力発生機構
25、25a、25b、25c、25d イコライザ部材
26、26a、26b、26c、26d 倍力機構
27 シリンダ底部
28、28a、28b、28c スラストプレート
29、29a スラスト玉軸受
30、30a 雌ねじ部
31 係合凸部
32 係止溝
33、33a、33b 雄ねじ部
34、34a 雌ねじ部
35、35a インナ側スラスト軌道
36 切り欠き
37 係合凸部
38、38a アウタ側スラスト軌道
39、39a、39b 第一押圧面
40 玉
41、41a 保持器
42、42a、42b、42c 雄ねじ部
43 係合凸部
44 シリンダ通孔
45 止め輪
46 小径係止溝
47 Oリング
48 大径係止溝
49 ワッシャ
50 フランジ部
51 減速機
52 出力軸
53 減速機ケース
54 スプリングガイド
55、55a 位置決めプレート
56 円筒部
57 外向き鍔部
58 内向き鍔部
59 係止孔
60 スリット
61、61a 外径側係合突部
62、62a 内径側係合突部
63、63a 係止孔
64a、64b、64c、64d 係止部
65 円板部
66 軸部
67、67a、67b、67c インナ側球面部
68、68a、68b、68c アウタ側球面部
69 カムレバー
70、70a、70b 凹部
71 係合突部
72 リアクションディスク
73 凹部
74 ピストン円筒部
75 インナ側受面
76 インナ側スラスト玉軸受
77 インナ側スラスト軌道
78 アウタ側スラスト軌道
79 玉
80 保持器
81 インナ側スラストプレート
82 中心孔
83 外向き鍔部
84 パワーナット
85 連結用有底孔
86 係合凸部
87 外向き鍔部
88 雌ねじ部
89 係止孔
90 連結孔
91 連結ピン
92 スクリュー本体
93 回り止め腕部
94、94a 係合凹部
95 スペーサー
96 外向き突片
97 係止孔
98 腕部
99 中央連結部
100 係合凸部
101 係合溝
102 係合凹部
103 回り止め切り欠き
104 円板部
105 揺動凸部
106 回り止め腕部
107 回り止め凸部
108 外向き鍔部
109 外径側突部
110 内径側凸部
111 回り止め係止溝
112 ケース
113 止め輪
114 被回り止めプレート
115 円筒状部分
116 フランジ部
117 回り止め凸部
118 段部
119 貫通孔
120 円筒フランジ部
121 六角フランジ部
122a、122b 貫通孔
123 係止溝
124 インナ側シール部材
125 筒状部材
126 大径筒部
127 中径筒部
128 小径筒部
129 係止溝
130 アウタ側シール部材
131a、131b 直線部
132 係止孔
133 被回り止め凸部
134 保持クリップ
135 プレート基部
136 プレート腕部
137 プレート凹部
138 基板部
139 保持腕部
140 平板部
141 折れ曲がり部
142 係止腕部
143 止め輪

Claims (8)

  1. 車輪と共に回転するロータに隣接する状態で車体に支持されるサポートに対して、軸方向の変位を可能に支持されており、アウタ側端部に、前記ロータを軸方向両側から挟む状態で軸方向の変位を可能に前記サポートに支持されるインナ、アウタ両パッドのうちのアウタパッドのアウタ側面に対向するキャリパ爪を、インナ側端部にシリンダを、それぞれ設けたキャリパと、
    前記シリンダ内に、軸方向の変位を可能に装着された有底円筒状のピストンと、
    このピストンの内側に配置されており、駆動源の回転駆動力に基づいて、前記両パッドと前記ロータの両側面との間の隙間を解消させるまで、前記ピストンを前記ロータのインナ側面に向けて押し出す第一押圧部材と、前記隙間が解消し、この第一押圧部材の軸方向への移動が停止した後、前記駆動源の回転駆動力に基づいて、前記ロータのインナ側面に向けて軸方向に移動する事により、前記ピストンを前記ロータのインナ側面に向けて押し出す第二押圧部材とを備えた推力発生機構と、
    前記第二押圧部材からの入力を増幅して、前記ピストンに伝達する倍力機構とを備えており、
    前記第二押圧部材と前記倍力機構との間に、揺動可能な状態で設けられたイコライザ部材を備えている事を特徴とする電動式ディスクブレーキ。
  2. 前記イコライザ部材の、前記第二押圧部材と前記倍力機構を構成する部材とのうちの少なくとも一方の部材との当接部に、凸曲面部を形成している、請求項1に記載した電動式ディスクブレーキ。
  3. 前記第二押圧部材が凹曲面部を有しており、この凹曲面部と前記イコライザ部材の凸曲面部とを係合させている、請求項2に記載した電動式ディスクブレーキ。
  4. 前記イコライザ部材が、前記ピストンに対して回り止めを図られている、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した電動式ディスクブレーキ。
  5. 前記第一押圧部材が、スラスト軸受を構成するスラストプレートであり、
    このスラストプレートは、インナ側面にアウタ側軌道を有し、前記ピストンに対する回転を阻止されている、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載した電動式ディスクブレーキ。
  6. 前記倍力機構が、円周方向に配置された複数個のカムレバーを備えており、
    これら各カムレバーのインナ側面の内径側部分は、前記イコライザ部材のアウタ側面に当接させる事により力点として作用する部分であり、
    同じくインナ側面の外径側部分は、前記第一押圧部材のアウタ側面に当接させる事により支点として作用する部分であり、
    同じくアウタ側面の径方向中間部で、前記力点として作用する部分と前記支点として作用する部分との間部分は、前記ピストンに軸方向の軸力を伝達する為の作用点として作用する部分である、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載した電動式ディスクブレーキ。
  7. 前記倍力機構が、インナ側面を、前記イコライザ部材により直接又は間接的にロータ側に押圧されるインナ側受面とし、その外周面のうち、このインナ側受面以外の部分を、隙間なく囲まれた状態で設けられた弾性部材を備えており、
    前記インナ側受面が押圧される力に基づいて、前記弾性部材のアウタ側面が、前記ピストンを軸方向に押圧する、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載した電動式ディスクブレーキ。
  8. 前記第一押圧部材と前記第二押圧部材との間に、互いの相対回転の量を所定の範囲に規制する事により、この第二押圧部材の、前記ロータのインナ側面に向けた軸方向に関する変位量を規制する手段が設けられている、請求項1〜7のうちの何れか1項に記載した電動ディスクブレーキ。
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