JP2015090157A - ディスクブレーキ - Google Patents

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吉川 和宏
Kazuhiro Yoshikawa
吉川  和宏
昭彦 関口
Akihiko Sekiguchi
昭彦 関口
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Abstract

【課題】倍力機構31を構成するリアクションディスク88にせん断力が作用する事を防止して、電動式ディスクブレーキの耐久性の向上を図れる構造を実現する。
【解決手段】
前記倍力機構31を構成するリアクションディスク88を、円柱状の内側弾性体91と、この内側弾性体91に、この内側弾性体91の外周面と隙間のない状態で外嵌された円筒状の外側弾性体92とにより構成する。
そして、インプットスクリュー14aの軸方向への移動に基づいて、前記リアクションディスク88を直接押圧するイコライザ部材30の第二押圧面85の外径寸法D30と、前記内側弾性体91の前記ロータと反対側面のうち、このイコライザ部材30により押圧される部分の外径寸法D91とを等しくする。
【選択図】図1

Description

本発明は、走行中の車両を減速乃至は停止させるサービスブレーキ、或いは、駐車時の制動であるパーキングブレーキを、例えば電動モータ等による電動式、或いは、ブレーキレバー等による手動式に行うディスクブレーキの改良に関する。
例えば、サービスブレーキを油圧式に行い、パーキングブレーキを電動式に行う、電動式パーキング機構付ディスクブレーキは、ケーブルの配設が不要になってコスト低減を図れるだけでなく、スイッチのON、OFF操作により制動及びその解除を行えて操作性が向上する、発進時に自動的に解除する為の制御が容易になる等の利点がある為、近年普及し始めている。この様な電動式パーキング機構付ディスクブレーキとして、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。図12は、この特許文献1に記載された従来構造の1例を示している。
この電動式パーキング機構付ディスクブレーキも、従来から広く知られている油圧式のディスクブレーキと同様に、車輪と共に回転するロータ(図示省略)に隣接する状態で車体に支持されるサポート1にインナ、アウタ両パッド2、3を、このロータを軸方向両側から挟む状態で、軸方向の変位を可能に支持している。尚、本明細書及び特許請求の範囲で、アウタとは、車体に支持した状態でこの車体の幅方向外側を、インナとは、同じく幅方向中央側を、軸方向とは、特に断らない限り、前記ロータの軸方向を言う。又、前記サポート1にキャリパ4を、軸方向の変位を可能に支持している。このキャリパ4は、アウタ側端部に前記アウタパッド3のアウタ側面に対向するキャリパ爪5を、インナ側端部に油圧シリンダ6を、それぞれ設けている。又、この油圧シリンダ6内にピストン7を、油密に、且つ、軸方向の変位を可能に装着している。そして、サービスブレーキの作動時には、前記油圧シリンダ6内への圧油の導入に伴って前記ピストン7をアウタ側に押し出し、前記インナパッド2を前記ロータのインナ側面に押し付ける。すると、前記キャリパ4が前記サポート1に対しインナ側に変位し、前記キャリパ爪5により前記アウタパッド3を、前記ロータのアウタ側面に押し付ける。この結果、このロータが、インナ、アウタ両側面から強く挟持されて、制動が行われる。
又、この様な電動式パーキング機構付ディスクブレーキは、前記ピストン7を、アウタ側を底部8としインナ側を開口部とした有底円筒状のものとし、このピストン7の内側に、機械式の推力発生機構9と倍力機構10とを組み込んでいる。この推力発生機構9は、前記キャリパ4の外側に固定した駆動源である電動モータ11を作動し、この電動モータ11の回転駆動力を軸方向の推力に変換し、前記ピストン7を前記ロータのインナ側面に向けて、前記両パッド2、3と前記ロータの両側面との間の隙間が解消されるまで押し出す(移動させる)ものである。
この様な推力発生機構9は、アジャストナット12と、特許請求の範囲の第一押圧部材に相当するアジャストスクリュー13と、特許請求の範囲の第二押圧部材に相当するインプットスクリュー14と、プリセットスプリング15とを組み合わせて成る。そして、これら各部材12〜15を、前記ピストン7の内径側に組み付けている。尚、この様な各部材12〜15の構造に関しては、前記特許文献1に記載されている為、詳しい説明は省略する。
又、前記倍力機構10は、前記推力発生機構9により前記ピストン7が押し出されて、前記隙間が解消した後、前記推力発生機構9のインプットスクリュー14からの軸方向の入力を増幅して、前記ピストン7を前記ロータのインナ側面に向けて押し出す(移動させる)ものである。この様な倍力機構10は、前記アジャストスクリュー13及びインプットスクリュー14のアウタ側に、円周方向に関して離隔した状態で放射状に配置された複数個のカムレバー16と、これら各カムレバー16のアウタ側に配置されたプラグ部材17とから成る。尚、これら各部材16、17の構造に関しても、前記特許文献1に記載されている為、詳しい説明は省略する。
又、前記特許文献1には、図13に示す様に、倍力機構10aを、ケース18と、特許請求の範囲の入力部材に相当する押圧板19と、リアクションディスク20とにより構成した構造が記載されている。尚、前記倍力機構10a以外の構成は、図12に示した構造と同様である。
このうちのケース18は、ケース円筒部21と、このケース円筒部21のアウタ側端部を塞ぐケース底部22とから成る有底円筒状であり、前記ピストン7の内側のアウタ側端部に内嵌されている。
又、前記押圧板19は、円板状であり、前記インプットスクリュー14のアウタ側端面よりもアウタ側、且つ、前記アジャストスクリュー13のアウタ側端部の内径側に内嵌されている。
又、前記リアクションディスク20は、弾性材製の円板状部材である。この様なリアクションディスク20の材料は、例えば樹脂、又は、ゴム、ビニルの如きエラストマー等の弾性材を採用できる。又、前記リアクションディスク20は、前記ケース18のケース円筒部21の内周面、前記ケース底部22のインナ側面、前記アジャストスクリュー13のアウタ側端面、及び、前記押圧板19のアウタ側面とにより画成された空間に、これら各部材13、18、19と隙間のない状態で配置されている。
尚、前記ケース18を、省略する事もできる。
以下、制動時に於ける、前記推力発生機構9、及び、リアクションディスク式の前記倍力機構10aの作動状態に就いて簡単に説明する。
制動時には、先ず、前記電動モータ11により回転駆動される駆動杆23と共に、前記アジャストスクリュー13及びインプットスクリュー14が、前記プリセットスプリング15の弾性力に基づいて同期して回転する。すると、前記アジャストスクリュー13及びインプットスクリュー14は、このアジャストスクリュー13の外周面に形成された雄ねじ部24と、前記アジャストナット12の内周面に形成された雌ねじ部25との螺合に基づき、前記ロータのインナ側面に向けて軸方向に移動する。この移動に伴い、前記アジャストスクリュー13及びインプットスクリュー14のアウタ側端面が、前記ピストン7を、前記両パッド2、3と前記ロータの両側面との間の隙間が解消されるまで移動させる。尚、この時点では、前記倍力機構10aは作動していない(力を増幅していない)。
次いで、上述の様にして前記両パッド2、3と前記ロータの両側面との間の隙間が解消されると、前記アジャストスクリュー13をこのロータに向けて移動させる為に要する力(このアジャストスクリュー13の回転抵抗)が、前記プリセットスプリング15によりこのアジャストスクリュー13に付与されている弾力よりも大きくなる。この結果、このアジャストスクリュー13がそれ以上回転しなくなり停止する。この状態から更に、前記駆動杆23の回転駆動力に基づいて前記インプットスクリュー14が回転すると、このインプットスクリュー14の外周面に形成された雄ねじ部26と、前記アジャストスクリュー13の内周面に形成された雌ねじ部27との螺合に基づき、前記インプットスクリュー14のみが、前記ロータのインナ側面に向けて軸方向に移動する。
更に、上述の様なインプットスクリュー14の軸方向の移動に伴い、このインプットスクリュー14のアウタ側端面が、前記倍力機構10aを構成する押圧板19を、アウタ方向に押圧する。すると、この押圧板19が、前記リアクションディスク20のインナ側面中央部をアウタ方向に強く押圧する。この結果、このリアクションディスク20が弾性変形する。このリアクションディスク20は、一種の非圧縮性流体の如き挙動により、このリアクションディスク20を囲んでいる相手面を押圧する。このリアクションディスク20がこの相手面を押圧する単位面積当たりの圧力は、前記インプットスクリュー14のアウタ側面による押圧面の単位面積当たりの圧力と同じになる。前記リアクションディスク20と相手面との当接面積を軸方向に関して見た場合、前記ケース18(ケース18を省略した場合は、ピストン7)のケース底部22(ケース18を省略した場合は、ピストン底部8)の内面との当接面積Sが、前記押圧板19のアウタ側面Sよりも十分に広い(S≫S)。従って、前記ピストン7は、前記ケース18を介して、前記インプットスクリュー14に加えられた推力よりも、前記当接面積の比分(S/S)だけ増力されて、前記ロータに向け押圧される。この結果、前記両パッド2、3が前記ロータの両側面に強く押圧される。尚、互いに螺合している前記各ねじ部24、25同士、及び、前記ねじ部26、27同士は、不可逆的に螺合しているので、前記電動モータ11への通電を停止すれば、特に保持動作をせずに、必要な制動力を保持できる。
この様な前記特許文献1に記載された構造の場合、前記隙間を解消する過程では、前記倍力機構10、10aが作動する必要はなく、この隙間解消の為にこの倍力機構10、10aのストロークが消費される事はない。従って、この倍力機構10、10aとして、ストロークが短い代わりに増力比が大きな構造を採用できて、前記ピストン7を前記ロータに向けて押し付ける力を、特に大きくできる。
但し、図13に示す構造の場合、前記倍力機構10aを構成するリアクションディスク20が、単一の円板状部材により構成されており、その外径寸法は前記押圧板19の外径寸法よりも大きい。この為、この押圧板19によりこのリアクションディスク20のインナ側面中央部を押圧する際、このリアクションディスク20のインナ側面のうち、前記押圧板19のアウタ側面の径方向外端縁に押圧される部分に、せん断力が発生する。この様なせん断力は、当該部分に亀裂等の損傷が発生する原因となる可能性があり好ましくない。
尚、この様な問題を解決する為に、前記押圧板19のアウタ端面を部分球面状にする事も考えられる。但し、この場合には、前記リアクションディスク20の損傷は防止できるものの、前記押圧板19のアウタ側面の径方向外端寄り部分と、前記リアクションディスクのインナ側面との間に隙間が存在する分だけ、前記押圧板19の軸方向のストロークを大きくしなければ、十分な押圧力を確保し難くなる。
特開2010−190348号公報
本発明は、倍力機構を構成するリアクションディスクにせん断力が作用する事を防止して、ディスクブレーキの耐久性の向上を図れる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のディスクブレーキは、ロータと、パッドと、キャリパと、ピストンと、推力発生機構と、倍力機構とを備えている。
このうちのロータは、車輪と共に回転する。
又、前記パッドは、ロータの軸方向側面に対向した状態で配置される。
又、前記キャリパは、前記パッドに対向する側が開口したシリンダを有している。
又、前記ピストンは、このシリンダ内に、軸方向の変位を可能に装着されており前記ロータ側の端部に底部を有する有底円筒状である。
又、前記推力発生機構は、第一押圧部材と、第二押圧部材とを備えている。このうちの第一押圧部材は、前記ピストンの内側に配置されており、駆動源の回転駆動力に基づいて、前記パッドと前記ロータの両側面との間の隙間を解消させるまで、前記ピストンを前記ロータに向けて軸方向に押し出すものである。又、前記第二押圧部材は、前記隙間が解消し、前記第一押圧部材の軸方向への移動が停止した後、前記駆動源の回転駆動力に基づいて、前記ロータに向けて軸方向に移動する事により、前記ピストンを前記ロータに向けて軸方向に押し出すものである。尚、前記駆動源は、電動式のものに限定されず、手動式のものも含む。
又、前記倍力機構は、内側弾性体と、この内側弾性体に、この内側弾性体の外周面と隙間のない状態で外嵌された筒状の外側弾性体とから成るリアクションディスクを備えている。尚、外側弾性体の形状は、軸方向に貫通した中心孔を有する筒状だけでなく、前記ロータ側の端部に底部を有する有底円筒状も含む。
又、前記第二押圧部材の軸方向への移動に基づいて、前記リアクションディスクを直接押圧する入力部材の押圧面と、前記内側弾性体の前記ロータと反対側面のうち、この入力部材により押圧される被押圧面とが同一形状(例えば、円形、円輪形、楕円形、矩形等であり、相似形を除く)である。尚、前記押圧面と前記被押圧面との間に、製造上許容される寸法公差、或いは、通常行われる面取り(糸面取り、R面取り、C面取り等)に基づく形状の差が存在した場合でも、同一形状に含むものとする。
更に、前記ロータの軸方向から見た場合に、前記押圧面と前記被押圧面とが一致した状態(円周方向に関する位相を一致させた状態)で、前記入力部材が、前記内側弾性体を押圧する。
この様な本発明のディスクブレーキを実施する場合に例えば、請求項2に記載した発明の様に、前記内側弾性体を円柱状に構成する(被押圧面を円形とする)と共に、前記外側弾性体を円筒状に構成する。
上述の様な本発明のディスクブレーキを実施する場合に例えば、請求項3に記載した発明の様に、前記内側弾性体の軸方向寸法と、前記外側弾性体の軸方向寸法とを等しくする。
又、上述の様な本発明を実施する場合に例えば、請求項4に記載した発明の様に、前記内側弾性体の軸方向寸法と、前記外側弾性体の軸方向寸法とを異ならせる。
又、上述の様な請求項4に記載した発明を実施する場合に具体的には、請求項5に記載した発明の様に、内側弾性体の軸方向寸法を、前記外側弾性体の軸方向寸法よりも大きくする。
或いは、請求項6に記載した発明の様に、前記外側弾性体の軸方向寸法を、前記内側弾性体の軸方向寸法よりも大きくする。
又、上述の様は本発明を実施する場合に例えば、請求項7に記載した発明の様に、前記内側弾性体を、外周面の外径寸法が前記ロータに近付くほど大きくなる円柱状とする。又、前記外側弾性体を、内周面の内径寸法が前記ロータに近付くほど大きくなる円筒状とする。
又、上述の様な本発明を実施する場合に例えば、請求項8に記載した発明の様に、前記内側弾性体を、外周面の外径寸法が前記ロータに近付くほど小さくなる円柱状とする。又、前記外側弾性体を、内周面の内径寸法が前記ロータに近付くほど小さくなる円筒状とする。
又、上述の様な本発明を実施する場合に例えば、請求項9に記載した発明の様に、前記内側弾性体と前記外側弾性体とを互いに異なる材料により構成する。
上述の様に構成する本発明によれば、倍力機構を構成するリアクションディスクにせん断力が作用する事を防止して、ディスクブレーキの耐久性の向上を図れる。
即ち、本発明の場合、リアクションディスクを内側弾性体と、外側弾性体とを組み合わせて構成すると共に、第二押圧部材の軸方向への移動に基づいて、前記リアクションディスクを直接押圧する入力部材と、前記内側弾性体のロータと反対側面のうち、この入力部材により押圧される被押圧面とを同一形状とし、且つ、ロータの軸方向から見た場合に、前記押圧面と前記被押圧面とが一致した状態で、前記入力部材が、前記内側弾性体を押圧する様に構成している。この為、前記リアクションディスクのインナ側面のうち、前記入力部材の押圧面の径方向外端縁に押圧される部分に、せん断力が作用する事を防止できる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、ロータの中心軸を含む仮想平面に関する断面図。 同じく、ピストン及びこのピストンの内側に配置された部品を取り出して示す断面図。 同じく、内側弾性体と外側弾性体とを取り出して示す、分解斜視図(a)と、組み合わせた状態を示す斜視図(b)。 同じく、ピストン及びこのピストンの内側に配置される部品を取り出して、アウタ側から見た状態で示す分解斜視図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。 同じく、図3と同様の図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、図2と同様の図。 同じく、図3と同様の図。 本発明の実施の形態の第4例を示す、リアクションディスクの断面図。 本発明の実施の形態の第5例を示す、図9と同様の図。 本発明の実施の形態の第6例を示す、図9と同様の図。 従来構造の第1例を示す、図1と同様の図。 従来構造の第2例を示す、図2と同様の図。
[実施の形態の第1例]
図1〜4は、請求項1〜3、9に対応する本発明の実施の形態の第1例を示している。本例は、前述した従来構造と同様に、本発明を電動式パーキングディスクブレーキに適用したものである。尚、サービスブレーキの構造に関しては、油圧式或いは電動式の何れの構造も採用できる。
この様な本例の電動式ディスクブレーキは、サポート1(図12参照)に対してキャリパ4aを、軸方向の変位を可能に組み付けている。この部分の構造に就いては、従来から広く知られている油圧式のフローティングキャリパ型ディスクブレーキ(ガイドピン型ディスクブレーキ)と同様であるから、詳しい説明は省略する。前記サポート1は、車輪と共に回転する図示しないロータに隣接する状態で車体に支持されるもので、このロータを軸方向両側から挟む状態で、インナ、アウタ両パッド2、3を、軸方向の変位を可能に支持している。
前記キャリパ4aのアウタ側端部にはキャリパ爪5aを、インナ側端部には油圧シリンダ6aを、それぞれ設けている。そして、この油圧シリンダ6a内にピストン7aを、油密に、且つ、軸方向の変位を可能に組み込んでいる。サービスブレーキの作動時には、前記油圧シリンダ6a内に圧油を導入して前記ピストン7aを、アウタ側に変位させる。そして、このピストン7aにより前記インナパッド2を前記ロータのインナ側面に押し付けると共に、前記キャリパ爪5aにより前記アウタパッド3を前記ロータのアウタ側面に押し付ける。そして、このロータを前記両パッド2、3により、軸方向両側から強く挟持して、制動を行う。以上の説明は、一般的な油圧式のフローティングキャリパ型ディスクブレーキと同様である。
上述の様な、本例の電動式ディスクブレーキは、前記ピストン7aを、アウタ側をピストン底部8aとし、インナ側を開口部とした有底円筒状のものとしている。又、油圧シリンダ6aの内側に、インナ側から順番に、インナ側スラスト玉軸受28と、機械式の推力発生機構29と、特許請求の範囲の入力部材に相当するイコライザ部材30と、倍力機構31とを組み込んでいる。尚、このうちのインナ側スラスト玉軸受28は、図示の構造では前記ピストン7aの外部に露出しているが、このピストン7aの内部に配置しても良い。
このうちのインナ側スラスト玉軸受28は、断面円弧状のインナ側スラスト軌道32と、断面円弧状のアウタ側スラスト軌道33と、これら両軌道32、33同士の間に転動自在に設けられた複数個の玉34、34と、これら各玉34、34を転動自在に保持する保持器35とにより構成されている。
このうちのインナ側スラスト軌道32は、円輪状のインナ側スラストプレート36のアウタ側面の全周に亙り形成されている。この様なインナ側スラストプレート36は、中心孔37に駆動杆23aの軸方向中間部を挿通すると共に、前記油圧シリンダ6aの内周面のシリンダ底部38寄り部分に内嵌されている。
又、前記アウタ側スラスト軌道33は、後述するアジャストスクリュー13aの外向き鍔部40のインナ側面に、全周に亙り形成されている。
又、前記推力発生機構29は、アジャストスクリュー13aと、アジャストナット12aと、パワーナット39と、特許請求の範囲の第一押圧部材に相当するスラストプレート41と、スラスト玉軸受42と、特許請求の範囲の第二押圧部材に相当するインプットスクリュー14aと、プリセットスプリング15aとを組み合わせて成る。
このうちのアジャストスクリュー13aは、外周面のインナ側端部に、外向き鍔部40が形成された鍔付き円筒状である。又、前記アジャストスクリュー13aの外周面のアウタ側半部に、雄ねじ部43が形成されている。一方、このアジャストスクリュー13aの内周面の少なくとも一部は、六角形状である。又、前記外向き鍔部40のインナ側面に、前述したアウタ側スラスト軌道33が形成されている。この様なアジャストスクリュー13aは、駆動杆23aの外周面に形成された六角形状部分に、このアジャストスクリュー13aの内周面のうちの六角形状部分を外嵌している。この様にして、前記駆動杆23aと前記アジャストスクリュー13aとを、トルク伝達を可能に組み合わせている。尚、この組み合わせ部分の構造は、一般的なスプライン係合にする事もできる。
尚、前記駆動杆23aは、軸方向中間部を、前記キャリパ4aのシリンダ底部38の中央部に形成されたシリンダ通孔44に挿通すると共に、インナ側端部を、前記キャリパ4aからインナ側に突出させた状態で、このキャリパ4aに支持されている。又、前記シリンダ通孔44の内周面のうち、アウタ側端部寄り部分の全周に亙り形成された小径係止溝45と、前記駆動杆23aの外周面との間に、前記シリンダ内部の油密性を確保する為のシール部材であるOリング46が設けられている。更に、前記シリンダ通孔44の内周面のうち、前記小径係止溝45よりもアウタ側に形成された大径係止溝47と、前記駆動杆23aの外周面との間に、中央寄り部分がインナ方向に突出した断面クランク状の段付き円輪状のワッシャ48が係止されている。そして、前記駆動杆23aの軸方向中間部に形成されたフランジ部49のインナ側面と、前記ワッシャ48のアウタ側面の中央寄り部分とを当接させている。
この様な駆動杆23aは、その基端部を歯車式の減速機50(図12参照)の出力軸51にトルク伝達を可能に結合している。この減速機50は、前記キャリパ4aのインナ側端部に結合した減速機ケース52内に収納されており、前記電動モータ11の回転を減速しつつ(トルクを増大しつつ)、前記出力軸51に伝達する。従って、前記アジャストスクリュー13aは、前記電動モータ11により、前記駆動杆23aを介して、大きなトルクで回転駆動される。
又、前記アジャストナット12aは、全体が円筒状であり、内周面に雌ねじ部54が形成されている。一方、このアジャストナット12aの外周面のアウタ側端部寄り部分の円周方向1箇所位置に、連結用有底孔55が形成されている。又、外周面のインナ側端部寄り部分の円周方向1箇所位置(図1、2の下方)に、この外周面から径方向外方へ突出し、軸方向に長い係合突部56が形成されている。この様なアジャストナット12aは、前記雌ねじ部54と、前記アジャストスクリュー13aの雄ねじ部43とを螺合させた状態で、このアジャストスクリュー13aの外径側に設置されている。尚、これら両ねじ部43、54同士の螺合状態は、不可逆的である。
又、前記パワーナット39は、外周面のアウタ側端部に外向き鍔部57が形成された鍔付き円筒状である。又、このパワーナット39の内周面のアウタ側半部に、雌ねじ部58が形成されている。尚、この様なパワーナット39のアウタ側半部の内径は、インナ側半部の内径よりも小さい。又、本例の場合、前記パワーナット39の雌ねじ部58のピッチと、前記アジャストナット12aの雌ねじ部54のピッチとを同じに形成している。尚、これら両雌ねじ部54、58のピッチを互いに異ならせる事もできる。例えば、この雌ねじ部58のピッチを、前記雌ねじ部54のピッチよりも大きくした場合には、後述する倍力機構31を作動させる際、前記インプットスクリュー14aを所定量だけアウタ側に変位させる為の前記パワーナット39の回転量(回転角)を小さくする事ができる。この結果、後述するプリセットスプリング15aの捩じり角も小さくする事ができる為、このプリセットスプリング15aの設計が容易になる。
又、前記外向き鍔部57の円周方向1箇所位置(図1、4の上方)に、この外向き鍔部57を軸方向に貫通した係止孔59が形成されている。又、前記パワーナット39のアウタ側面の全周に亙り、断面円弧状のインナ側スラスト軌道60が形成されている。更に、前記パワーナット39のインナ側半部の軸方向中間部の円周方向1箇所位置に、当該部分を径方向に貫通した連結孔61が形成されている。この様なパワーナット39は、インナ側半部の内径側に前記アジャストナット12aのアウタ側端部寄り部分を配置した状態で、前記パワーナット39の連結孔61と、前記アジャストナット12aの連結用有底孔55とに円柱状の連結ピン62を掛け渡している。この様にして、前記パワーナット39は、前記アジャストナット12aに対して、同期した回転を可能な状態、且つ、同期した軸方向変位を可能な状態に組み付けられている。
又、前記スラストプレート41は、外周面のインナ側端部に外向き鍔部63が形成された鍔付き円筒状である。又、このスラストプレート41のインナ側面には、アウタ側スラスト軌道64が形成されている。一方、前記スラストプレート41のアウタ側端面を、平坦な円輪状の第一押圧面65としている。又、前記外向き鍔部63の外周面のうち、互いに反対側(直径方向反対側)となる円周方向2箇所位置に、外径側突部66、66が形成されている。又、前記スラストプレート41の内周面のインナ側端部の互いに反対側(直径方向反対側)となる円周方向2箇所位置に、内径側突部67、67が形成されている。この様なスラストプレート41は、前記ピストン7aの内周面の互いに反対の円周方向2箇所位置に形成された、軸方向に長い係止溝68、68のアウタ側端部寄り部分に、前記各外径側突部66、66を係止している。この様にして、前記スラストプレート41は、前記ピストン7aに対する、回転を不能な状態、且つ、軸方向の変位を可能な状態に組み付けられている。
又、前記スラスト玉軸受42は、前記パワーナット39のインナ側スラスト軌道60と、前記スラストプレート41のアウタ側スラスト軌道64と、これら両軌道60、64同士の間に転動自在に設けられた複数個の玉69、69と、これら各玉69、69を転動自在に保持する保持器70とにより構成されている。
又、前記インプットスクリュー14aは、特許請求の範囲の第二押圧部材に相当するもので、略円柱状であり、外周面に雄ねじ部71が形成されている。又、このインプットスクリュー14aのアウタ側面に、このアウタ側面からインナ側に凹入した係合凹部72が形成されている。尚、この係合凹部72の奥端面は部分(半)球面状である。
又、前記係合凹部72の内周面のアウタ側端部の円周方向2箇所位置に、回り止め切り欠き73、73が形成されている。
この様なインプットスクリュー14aは、前記雄ねじ部71と、前記パワーナット39の雌ねじ部58とを螺合させた状態で、このパワーナット39の内径側に設置されている。尚、前記インプットスクリュー14aは、後述するイコライザ部材30及び前記スラストプレート41を介して前記ピストン7aに対する回り止めを図られている。従って、前記インプットスクリュー14aは、前記雄ねじ部71と、前記パワーナット39の雌ねじ部58との螺合に基づき、このパワーナット39に対する軸方向の変位が可能である。
又、前記プリセットスプリング15aは、捩じりコイルばねであり、前記ピストン7aに係止された位置決めプレート74と、前記パワーナット39との間に設けられている。
この位置決めプレート74は、円輪状であり、外周面の円周方向に関して反対側となる2箇所位置に、この外周面から径方向外方に突出した外径側係合突部75、75が形成されている。又、一方、前記位置決めプレート74の内周面の円周方向1箇所位置に、この内周面から径方向内方に突出した内径側係合突部76が形成されている。更に、前記位置決めプレート74の円周方向1箇所位置に、この位置決めプレート74を軸方向に貫通した係止孔77が形成されている。この様な位置決めプレート74は、前記外径側係合突部75、75を、前記ピストン7aの係止溝68、68のインナ側端部寄り部分に、それぞれ係合させる事により、このピストン7aに対する回転を阻止された状態で組み付けられている。又、このピストン7aの内周面のうち前記位置決めプレート74よりもインナ側に、円周方向の一部に不連続部を有する欠円輪状の止め輪78を内嵌している。
そして、前記プリセットスプリング15aの両端部に形成した係止部79a、79bのうち、インナ側端部からインナ側に突出した係止部79aを、前記位置決めプレート74の係止孔77に係止している。一方、アウタ側端部からアウタ側に突出した係止部79bは、スペーサー80を介して、前記パワーナット39の係止孔59に係止している。尚、このスペーサー80は、円周方向1箇所に不連続部を有する部分円筒状であり、アウタ側端面の円周方向に関してこの不連続部と反対位置に、径方向外方へ折れ曲がった外向き突片81が、形成されている。又、この外向き突片81には、軸方向に貫通した係止孔82が形成されている。この様なスペーサー80は、この係止孔82と、前記パワーナット39の係止孔59とを整合させた状態で、このパワーナット39のインナ側半部に外嵌されている。そして、前記プリセットスプリング15aの係止部79bを、前記係止孔59、82に係止している。
この様にして、前記プリセットスプリング15aにより、前記パワーナット39及び前記アジャストナット12aに対し、回転方向の弾力を付与している。この弾力の方向は、前記アジャストスクリュー13aの雄ねじ部43と、前記アジャストナット12aの雌ねじ部54との螺合に基づいて、前記パワーナット39及びこのアジャストナット12aをインナ側に変位させる方向としている。
本例の場合、前記倍力機構31が作動する前の状態(図1に示す状態)で、前記アジャストナット12aの係合突部56のインナ側端部と、前記位置決めプレート74の内径側係合突部76とを、円周方向に当接させている。この様にして、前記プリセットスプリング15aから前記インプットスクリュー14aに加わる円周方向に関する弾力を受けると共に、前記倍力機構31が作動する前の状態の前記インプットスクリュー14aの円周方向に関する位置決めを図っている。
又、前記イコライザ部材30は、略円柱状であり、インナ側面の中央部からインナ方向に突出した状態で設けられた、半球状の揺動突部83と、この揺動突部83の外周面のアウタ側端部の円周方向2箇所位置に、この外周面から径方向外方に突出した状態で形成された回り止め凸部84、84とを有する。又、前記イコライザ部材30のアウタ側面は、円形の平坦面であり、当該部分を特許請求の範囲の押圧面に相当する第二押圧面85としている。更に、前記イコライザ部材30の外周面のうち、インナ側半部の互いに反対側となる円周方向2箇所位置に、軸方向に長い回り止め係止溝86、86が形成されている。
この様なイコライザ部材30は、前記揺動突部83と、前記インプットスクリュー14aの係合凹部72とを係合させると共に、前記各回り止め突部84、84とこのインプットスクリュー14aの回り止め切り欠き73、73を係合させている。又、前記イコライザ部材30の各回り止め係止溝86、86と、前記スラストプレート41の各内径側突部67、67とを係合させている。この様にして、前記イコライザ部材30は、前記インプットスクリュー14aと前記倍力機構31との間に組み付けられている。尚、前記各回り止め係止溝86、86と、前記スラストプレート41の各内径側突部67、67との係合状態は、前記イコライザ部材30の、前記インプットスクリュー14a及び前記倍力機構31に対する揺動を可能な程度に調整する。
更に、前記倍力機構31は、ケース87と、リアクションディスク88とから成る。
このうちのケース87は、ケース円筒部89と、このケース円筒部89のアウタ側端部を塞ぐ状態で設けられたケース底部90とから成る、有底円筒状である。
この様なケース87は、このケース底部90のアウタ側面を、前記ピストン7aのピストン底部8aのインナ側面に当接させた状態で、前記ピストン7aの内周面のアウタ端部に内嵌されている。
又、前記リアクションディスク88は、例えば樹脂、又は、ゴム、ビニルの如きエラストマー等の弾性材製で、円柱状の内側弾性体91と、同じく円筒状の外側弾性体92とから成る。尚、本例の場合、この内側弾性体91とこの外側弾性体92とを、同一材料により造っている。但し、これら両部材91、92同士の材料(及びそれに伴う剛性)を、互いに異ならせる事もできる。この様な内側弾性体91及び外側弾性体92の材料は、前記リアクションディスク88の耐久性、及び、倍力機構が作動する際の押圧力の伝達特性等に合わせて、適宜決定する事ができる。
又、前記内側弾性体91の外径寸法D91は、前記外側弾性体92の内径寸法d92と等しい(D91=d92)か、僅かに大きい。又、前記内側弾性体91の軸方向寸法L91と、前記外側弾性体92の軸方向寸法L92とは等しい(L91=L92)。そして、前記内側弾性体91を、前記外側弾性体92の内径側に、全周に亙り隙間のない状態で内嵌(圧入)して組み合わせている。又、この様に前記両部材91、92同士を組み合せた状態で、これら両部材91、92は互いに同心に配置されると共に、特許請求の範囲の被押圧面に相当する、前記内側弾性体91のインナ側面(被押圧面93)の外径寸法D91と、前記イコライザ部材30のアウタ側面(第二押圧面85)の外径寸法D30とを等しくしている(D91=D30)。即ち、本例の場合、前記内側弾性体91のインナ側面(被押圧面93)と、前記イコライザ部材30のアウタ側面(第二押圧面85)とを、互いに円形の同一形状に構成している。又、本例の場合には、前記外側弾性体92のインナ側面と、前記スラストプレート41のアウタ側面(第一押圧面65)とに就いても、互いに同一形状(円輪状)としている。尚、前記被押圧面93と前記第二押圧面85との間、及び、前記外側弾性体92のインナ側面と前記第一押圧面65との間に製造上許容される寸法公差、或いは、通常行われる面取り(糸面取り、R面取り、C面取り等)に基づく形状の差が存在した場合でも、同一形状に含むものとする。
この様なリアクションディスク88は、前記ケース87の内径側のアウタ側端部に内嵌された状態で、前記外側弾性体92のインナ側面を、前記スラストプレート41のアウタ側面(第一押圧面65)に、前記内側弾性体91のインナ側面(被押圧面93)を前記イコライザ部材30のアウタ側面(第二押圧面85)に、それぞれ当接させた状態で配置されている。即ち、前記リアクションディスク88は、前記ケース87の内周面、前記スラストプレート41のアウタ側面、及び、前記イコライザ部材30のアウタ側面により画成された空間内に、これら各部材30、41、87と隙間のない状態で配置されている。
上述の様に構成する本例の電動式ディスクブレーキの、パーキングブレーキ作動時の作用は、次の通りである。
パーキングブレーキ作動時には、電動モータ11により前記アジャストスクリュー13aを、前記駆動杆23aを介して回転駆動する。作動開始直後の初期段階では、前記インナ、アウタ両パッド2、3と前記ロータの両側面との間には隙間が存在し、これら両パッド2、3をこのロータに向けて移動させる為に要する力は小さくて済む。前記初期段階では、前記アジャストスクリュー13aが回転した際、前記アジャストナット12aと前記パワーナット39とは、前記プリセットスプリング15aの弾力により、前記ピストン7aに対して回転する事はない。この為、前記アジャストスクリュー13aの雄ねじ部43と、前記アジャストナット12aの雌ねじ部54との螺合に基づいて、このアジャストナット12a及び前記パワーナット39がロータに向けてアウタ側に変位する。又、この変位に伴って、このパワーナット39の内径側に設けられた前記インプットスクリュー14aも同期してアウタ側に変位する。この様な各変位に基づく押圧力は、パワーナット39 → スラスト玉軸受42 → スラストプレート41 → リアクションディスク88の径方向外半部(外側弾性体92) → ケース87の経路、及び、インプットスクリュー14a → イコライザ部材30 → リアクションディスク88の中央寄り部分(内側弾性体91) → ケース87の経路により伝達されて、最終的に前記ピストン7aを押圧して、このピストン7aを、前記両パッド2、3と前記ロータの両側面との間の隙間を解消するまで変位させる。尚、この様に変位する際に、前記スラストプレート41のアウタ側面(第一押圧面65)と、前記イコライザ部材30のアウタ側面(第二押圧面85)とは、互いに同一仮想平面上に位置する。
この様にして前記両パッド2、3と前記ロータの両側面との間の隙間が解消されると、前記アジャストナット12a及びパワーナット39に加わる軸方向の反力に基づいて、前記アジャストスクリュー13aの雄ねじ部43と、前記アジャストナット12aの雌ねじ部54の螺合部の回転抵抗が大きくなる。そして、この回転抵抗が、前記プリセットスプリング15aにより、前記アジャストナット12a及びパワーナット39に付与されている弾力よりも大きくなると、この弾力に抗して、これらアジャストナット12a及びパワーナット39が、前記アジャストスクリュー13aと同期して回転する。すると、前記インプットスクリュー14aは、前記イコライザ部材30及びスラストプレート41を介して前記ピストン7aに対して回り止めされている為、前記パワーナット39の雌ねじ部58と、前記インプットスクリュー14aの雄ねじ部71との螺合に基づき、このインプットスクリュー14aのみが、前記ロータに向けてアウタ側に変位する。
この様なインプットスクリュー14aの変位に基づいて、前記イコライザ部材30がアウタ側に変位すると、このイコライザ部材30のアウタ側面(第二押圧面85)が、前記スラストプレート41のアウタ側面(第一押圧面85)よりもアウタ側に変位し、前記リアクションディスク88を構成する内側弾性体91のインナ側面(被押圧面93)を押圧する。この際、前述した様に、前記イコライザ部材30のアウタ側面(第二押圧面85)と、前記内側弾性体91のインナ側面(被押圧面93)とが同一形状である為、前記イコライザ部材30は、前記リアクションディスク88のうち、前記内側弾性体91部分のみをアウタ側に押圧する。この際、前記外側弾性体92のインナ側面は、前記スラストプレート41のアウタ側面に、前面に亙り当接したままの状態になる。尚、本例の場合、前記イコライザ部材30は、前記ピストン7aに対する回り止めを図られている。この為、前記イコライザ部材30のアウタ側面(第二押圧面85)、及び、前記内側弾性体91のインナ側面(被押圧面93)の形状を、例えば矩形状に構成した場合でも、組み付け状態に於いて、ロータの軸方向から見た場合のこれら両面85、93同士を一致させておけば、前記イコライザ部材30は、前記内側弾性体91部分のみを押圧できる。
この結果、前記リアクションディスク88を構成する内側弾性体91と前記外側弾性体92とが一体的に弾性変形する。このリアクションディスク88(内側弾性体91、外側弾性体92)は、一種の非圧縮性流体の如き挙動により、このリアクションディスク88(内側弾性体91、外側弾性体92)を囲んでいる相手面を押圧する。具体的には、この内側弾性体91が軸方向に弾性変形させられた分だけ、この内側弾性体91が弾性的に拡径する。そして、この内側弾性体91の拡径に伴い、前記外側弾性体92が径方向に圧縮された分だけ軸方向の押圧力を発揮する。このリアクションディスク88(内側弾性体91、外側弾性体92)が、この相手面を押圧する単位面積当たりの圧力は、前記イコライザ部材30のアウタ側面(第二押圧面85)による押圧面の単位面積当たりの圧力と同じになる。前記リアクションディスク88(内側弾性体91、外側弾性体92)と相手面との当接面積を軸方向に関して見た場合、前記ケース87のケース底部90の内面との当接面積Sが、前記イコライザ部材30のアウタ側面(第二押圧面85)の面積Sよりも十分に広い(S≫S)。従って、前記ピストン7aは、前記ケース87を介して、前記インプットスクリュー14aに加えられた推力よりも、前記当接面積の比分(S/S)だけ増力されて、前記ロータに向け押圧される。この結果、前記両パッド2、3が前記ロータの両側面に強く押圧される。尚、互いに螺合している前記各ねじ部43、54同士、及び、前記ねじ部54、71同士は、不可逆的に螺合しているので、前記電動モータ11への通電を停止すれば、特に保持動作をせずに、必要な制動力を保持できる。
制動解除の際には、前記電動モータ11を逆方向に回転させて、前記ピストン7aを前記ロータから退避させる。この際、前記両パッド2、3が前記ロータの両側面から離隔する瞬間の後、前記電動モータ11を所定角度だけ逆方向に回転させて、前記両パッド2、3と前記ロータの両側面との間に適正厚さの隙間を確保する。この適正隙間の確保は、前記アジャストナット12aを前記アジャストスクリュー13aに対し、前記両ねじ部43、54の螺合により、インナ側に適正量変位させる事により行う。この様にして、前記両パッド2、3の摩耗に拘らず、前記隙間を常に適正厚さに保てる様にしている。
前述した様な本例によれば、前記倍力機構31を構成するリアクションディスク88にせん断力が作用する事を防止して、電動式ディスクブレーキの耐久性の向上を図れる。
即ち、本例の場合、前記リアクションディスク88を、前記内側弾性体91と、前記外側弾性体92とを組み合わせて構成すると共に、前記インプットスクリュー14aの軸方向への移動に基づいて、前記リアクションディスク88を直接押圧する前記イコライザ部材30のアウタ側面(第二押圧面85)と、前記内側弾性体91のインナ側面(被押圧面93)とを同一形状に構成し、且つ、前記ロータの軸方向から見た場合に、前記イコライザ部材30のアウタ側面(第二押圧面85)と前記内側弾性体91のインナ側面(被押圧面93)とが一致した状態で、前記イコライザ部材30が、前記内側弾性体91を押圧する様に構成している。この為、前記リアクションディスク88のインナ側面のうち、前記イコライザ部材30のアウタ側面(第二押圧面85)の径方向外端縁に押圧される部分に、せん断力が作用する事を防止できる。この結果、前記リアクションディスク88の耐久性、延いては、電動式ディスクブレーキの耐久性の向上を図れる。
又、前記内側弾性体91を、前記外側弾性体92の内径側に、隙間のない状態で内嵌して組み合わせている。この為、前記イコライザ部材30が前記内側弾性体91を押圧した際、この内側弾性体91の変形を、前記外側弾性体92に遅れる事なく直接伝達する事ができる。この結果、前記インプットスクリュー14aの軸方向への変位に基づいて、前記イコライザ部材30から前記内側弾性体91に加わる押圧力(入力)に対する、前記倍力機構31の出力の特性を滑らかにできる。
[実施の形態の第2例]
図5〜6は、請求項1、2、4〜5に対応する本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の電動式ディスクブレーキの場合、リアクションディスク88aを構成する内側弾性体91aの軸方向寸法L91aと、同じく外側弾性体92aの軸方向寸法L92aとを異ならせている(L91a≠L92a)。具体的には、本例の場合、前記内側弾性体91aの軸方向寸法L91aを、前記外側弾性体92aの軸方向寸法L92aよりも大きくしている(L91a>L92a)。尚、本例の場合、前記内側弾性体91aの軸方向寸法L91aを、前述した実施の形態の第1例の内側弾性体91の軸方向寸法L91(図2参照)よりも大きくしている(L91a>L91)。一方、前記外側弾性体92aの軸方向寸法L92aを、実施の形態の第1例の外側弾性体92の軸方向寸法L92と同じとしている(L92a=L92)。この為に、イコライザ部材30aの軸方向に関する寸法L30aを、実施の形態の第1例のイコライザ部材30の軸方向寸法L30よりも小さくしている(L30a<L30)。
又、本例の場合も、前記内側弾性体91aの外径寸法D91aは、前記外側弾性体92aの内径寸法d92aと等しいか、僅かに大きい。
そして、前記内側弾性体91aを、前記外側弾性体92aの内径側に、隙間のない状態で内嵌して組み合わせている。
更に、この様に前記内側弾性体91aと前記外側弾性体92aとを組み合せた状態で、この内側弾性体91aの外径寸法D91aと、イコライザ部材30aのアウタ側面(第二押圧面85)の外径寸法D30とを等しくしている(D91a=D30)。即ち、本例の場合も、前記内側弾性体91aのインナ側面(被押圧面93)と、前記イコライザ部材30aのアウタ側面(第二押圧面85)とを同一形状に構成している。
上述の様なリアクションディスク88aは、ケース87の内径側のアウタ端部に内嵌された状態で、前記外側弾性体92aのインナ側面を、スラストプレート41のアウタ側面(第一押圧面65)に、前記内側弾性体91aのインナ側面(被押圧面93)を前記イコライザ部材30のアウタ側面(第二押圧面85)に、それぞれ当接させた状態で配置されている。尚、本例の場合、前記内側弾性体91aのインナ側端部寄り部分を、前記スラストプレート41のアウタ端部の内径側にまで配置している。
即ち、本例の場合、前記リアクションディスク88aは、前記ケース87の内周面、前記スラストプレート41のアウタ側面、このスラストプレート41の内周面のアウタ側端部寄り部分、及び、前記イコライザ部材30aのアウタ側面により画成される空間内に、前記各部材30a、41、87と隙間のない状態で配置されている。
この様な本例の電動式ディスクブレーキの場合、前記内側弾性体91aの軸方向寸法L91aを、前記外側弾性体92aの軸方向寸法L92aよりも大きくしている。この為、インプットスクリュー14a及びイコライザ部材30aの軸方向の変位に対する、前記内側弾性体91aの変形量を大きく確保できる。この結果、制動時に、前記外側弾性体92aの軸方向寸法L92aの増加を抑えつつ、大きな押圧力で、ピストン7aを押圧する事ができる。
その他の部分の構成及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図7〜8は、請求項1、2、4、6に対応する本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の電動式ディスクブレーキの場合、リアクションディスク88bを構成する内側弾性体91bの軸方向寸法L91bと、同じく外側弾性体92bの軸方向寸法L92bとを異ならせている(L91b≠L92b)。具体的には、本例の場合、前記外側弾性体92bの軸方向寸法L92bを、前記内側弾性体91bの軸方向寸法L91bよりも大きくしている(L92b>L91b)。尚、本例の場合、前記内側弾性体91bの軸方向寸法L91bを、前述した実施の形態の第1例の内側弾性体91の軸方向寸法L91(図2参照)よりも小さくしている(L91b<L91)。一方、前記外側弾性体92bの軸方向寸法L92bを、実施の形態の第1例の外側弾性体92の軸方向寸法L92と同じとしている(L92b=L92)。この為に、イコライザ部材30bの軸方向に関する寸法L30bを、実施の形態の第1例のイコライザ部材30の軸方向寸法L30よりも大きくしている(L30b>L30)。
又、本例の場合も、前記内側弾性体91bの外径寸法D91bは、前記外側弾性体92bの内径寸法d92bと等しいか、僅かに大きい。
そして、前記内側弾性体91bを、前記外側弾性体92bの内径側に、隙間のない状態で内嵌して組み合わせている。
この様に前記内側弾性体91bと前記外側弾性体92bとを組み合せた状態で、この内側弾性体91bの外径寸法D91bと、イコライザ部材30bのアウタ側面(第二押圧面85)の外径寸法D30とを等しくしている(D91b=D30)。即ち、本例の場合も、前記内側弾性体91bのインナ側面(被押圧面93)と、前記イコライザ部材30bのアウタ側面(第二押圧面85)とを同形状に構成している。
上述の様なリアクションディスク88bは、ケース87の内径側のアウタ側端部に内嵌された状態で、前記外側弾性体92bのインナ側面を、スラストプレート41のアウタ側面(第一押圧面65)に、前記内側弾性体91bのインナ側面(被押圧面93)を前記イコライザ部材30bのアウタ側面(第二押圧面85)に、それぞれ当接させた状態で配置されている。尚、本例の場合、前記外側弾性体92bのインナ側端部の内径部分に、前記イコライザ部材30bのアウタ側端部を配置している。
即ち、本例の場合、前記リアクションディスク88bは、前記ケース87の内周面、前記スラストプレート41のアウタ側面、前記イコライザ部材30bの外周面のアウタ側端部、及び、前記イコライザ部材30bのアウタ側面により画成される空間内に、前記各部材30b、41、87と隙間のない状態で配置されている。
その他の部分の構成及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
[実施の形態の第4例]
図9は、請求項1〜3、7に対応する本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の電動式ディスクブレーキの場合、リアクションディスク88cを構成する内側弾性体91cを、外周面の外径寸法D91cが、ロータに近付くほど(図9の左側ほど)大きくなる円柱状としている。又、外側弾性体92cを、内周面の内径寸法d92cが、前記ロータに近付くほど大きくなる円筒状としている。尚、前記内側弾性体91cの外径寸法D91cは、前記外側弾性体92cの、軸方向に関してこの内側弾性体91cと整合する部分に於ける内径寸法d92cと等しい(D91c=d92c)か、僅かに大きい。又、前記内側弾性体91cの最も厚い部分の軸方向寸法L91cと、前記外側弾性体92cの最も厚い部分の軸方向寸法L92cとは等しい(L91c=L92c)。そして、前記内側弾性体91cを、前記外側弾性体92cの内径側に、全周に亙り隙間のない状態で内嵌(圧入)して組み合わせている。
又、この様に前記両部材91c、92c同士を組み合せた状態で、これら両部材91c、92cは互いに同心に配置されると共に、特許請求の範囲の被押圧面に相当する、前記内側弾性体91cのインナ側面(被押圧面93a)の外径寸法D93aと、イコライザ部材30(図2参照)のアウタ側面(第二押圧面85)の外径寸法D30とを等しくしている(D93a=D30)。即ち、本例の場合も、前記内側弾性体91cのインナ側面(被押圧面93a)と、前記イコライザ部材30のアウタ側面(第二押圧面85)とを、互いに円形の同一形状に構成している。又、前記外側弾性体92cのインナ側面と、スラストプレート41(図2参照)のアウタ側面(第一押圧面65)とに就いても、互いに同一形状(円輪状)としている。
その他の部分の構成及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
[実施の形態の第5例]
図10は、請求項1〜3、8に対応する本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の電動式ディスクブレーキの場合、リアクションディスク88dを構成する内側弾性体91dを、外周面の外径寸法D91dが、ロータに近付くほど(図10の左側ほど)小さくなる円柱状としている。又、外側弾性体92dを、内周面の内径寸法d92dが、アウタ側に向かうほど小さくなる円筒状としている。尚、前記内側弾性体91dの外径寸法D91dは、前記外側弾性体92dの、軸方向に関してこの内側弾性体91dと整合する部分に於ける内径寸法d92dと等しい(D91d=d92d)か、僅かに大きい。又、前記内側弾性体91dの最も厚い部分の軸方向寸法L91dと、前記外側弾性体92dの最も厚い部分の軸方向寸法L92dとは等しい(L91d=L92d)。そして、前記内側弾性体91dを、前記外側弾性体92dの内径側に、全周に亙り隙間のない状態で内嵌(圧入)して組み合わせている。
又、この様に前記両部材91d、92d同士を組み合せた状態で、これら両部材91d、92dは互いに同心に配置されると共に、特許請求の範囲の被押圧面に相当する、前記内側弾性体91dのインナ側面(被押圧面93b)の外径寸法D93bと、イコライザ部材30(図2参照)のアウタ側面(第二押圧面85)の外径寸法D30とを等しくしている(D93b=D30)。即ち、本例の場合も、前記内側弾性体91dのインナ側面(被押圧面93b)と、前記イコライザ部材30のアウタ側面(第二押圧面85)とを、互いに円形の同一形状に構成している。又、前記外側弾性体92dのインナ側面と、スラストプレート41(図2参照)のアウタ側面(第一押圧面65)とに就いても、互いに同一形状(円輪状)としている。
その他の部分の構成及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
[実施の形態の第6例]
図11は、請求項1、2、4、6、8に対応する本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の電動式ディスクブレーキの場合、リアクションディスク88eを構成する内側弾性体91eを、外周面の外径寸法D91eが、ロータに近付くほど(図11の左側ほど)小さくなる円柱状としている。又、外側弾性体92eは、インナ端面が開口し、アウタ端面に底部94を有する有底円筒状である。この様な外側弾性体92eの内周面の内径寸法d92eは、アウタ側に向かうほど小さくなる。尚、前記内側弾性体91eの外径寸法D91eは、前記外側弾性体92eの内周面のうち、軸方向に関してこの内側弾性体91eと整合する部分に於ける内径寸法d92eと等しい(D91e=d92e)か、僅かに大きい。又、前記内側弾性体91eの最も厚い部分の軸方向寸法L91eは、前記外側弾性体92eの最も厚い部分の軸方向寸法L92eよりも小さい(L91e<L92e)。そして、前記内側弾性体91eを、前記外側弾性体92eの内径側に、この外側弾性体92eの内周面及び前記底部94のインナ側面との間に隙間のない状態で内嵌(圧入)して組み合わせている。
又、この様に前記両部材91e、92e同士を組み合せた状態で、これら両部材91e、92eは互いに同心に配置されると共に、特許請求の範囲の被押圧面に相当する、前記内側弾性体91eのインナ側面(被押圧面93c)の外径寸法D93cと、イコライザ部材30(図2参照)のアウタ側面(第二押圧面85)の外径寸法D30とを等しくしている(D93c=D30)。即ち、本例の場合も、前記内側弾性体91eのインナ側面(被押圧面93c)と、前記イコライザ部材30のアウタ側面(第二押圧面85)とを、互いに円形の同一形状に構成している。又、前記外側弾性体92eのインナ側面と、スラストプレート41(図2参照)のアウタ側面(第一押圧面65)とに就いても、互いに同一形状(円輪状)としている。
その他の部分の構成及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
前述した実施の形態の各例では、本発明を電動式パーキングディスクブレーキに適用しているが、本発明は、例えば、ブレーキレバーの駆動力に基づいて作動する手動式パーキングディスクブレーキに適用する事もできる。又、本発明は、電動式サービスブレーキに適用する事もできる。
又、推力発生機構の前記第一押圧部材及び第二押圧部材を作動させる部分の構造は、前述した実施の形態の各例の構造に限定されるものではない。即ち、推力発生機構を構成する第一押圧部材と第二押圧部材とを、二段階的に作動させられる各種構造が、本発明の技術的範囲に属する。
又、リアクションディスクを構成する内側弾性部材の形状は、前述した実施の形態の各例の様な、全長に亙り外径が変化しない円柱状だけでなく、例えば、アウタ側半部が大径で、インナ側半部が小径である段付き円柱状にする事もできる。即ち、前記リアクションディスクが、その周囲に配置された部材により画成される空間に隙間なく配置されると共に、特許請求の範囲の第二押圧部材に相当する部材の軸方向への移動に基づいて、前記リアクションディスクを直接押圧する、特許請求の範囲の入力部材に相当する部材の押圧面
と、前記内側弾性体の前記ロータと反対側面のうち、この入力部材により押圧される被押圧面とが同一形状である各種形状を採用できる。
又、入力部材の押圧面、及び、リアクションディスクを構成する内側弾性体の被押圧面の形状も、前述した実施の形態の各例の形状に限定されるものではない。前記押圧面と前記被押圧面とが同形状であれば、楕円形、多角形等の各種形状を採用する事ができる。
又、入力部材の形状も、前記押圧面が前記被押圧面と同形状であれば、例えば、段付きの円柱状部材等の各種形状を採用する事ができる。
更に、本発明は、前述した各実施の形態の様なフローティングキャリパ型の電動ディスクブレーキだけでなく、対向ピストン型のディスクブレーキに適用する事もできる。
1 サポート
2 インナパッド
3 アウタパッド
4、4a キャリパ
5、5a キャリパ爪
6、6a 油圧シリンダ
7、7a ピストン
8、8a ピストン底部
9 推力発生機構
10、10a 倍力機構
11 電動モータ
12、12a アジャストナット
13、13a アジャストスクリュー
14、14a インプットスクリュー
15、15a プリセットスプリング
16 カムレバー
17、17a プラグ部材
18 ケース
19 押圧板
20 リアクションディスク
21 ケース円筒部
22 ケース底部
23、23a 駆動杆
24 雄ねじ部
25 雌ねじ部
26 雄ねじ部
27 雌ねじ部
28 インナ側スラスト軸受
29 推力発生機構
30、30a、30b イコライザ部材
31 倍力機構
32 インナ側スラスト軌道
33 アウタ側スラスト軌道
34 玉
35 保持器
36 インナ側スラストプレート
37 中心孔
38 シリンダ底部
39 パワーナット
40 外向き鍔部
41 スラストプレート
42 スラスト玉軸受
43 雄ねじ部
44 シリンダ通孔
45 小径係止溝
46 Oリング
47 大径係止溝
48 ワッシャ
49 フランジ部
50 減速機
51 出力軸
52 減速機ケース
53 止め輪
54 雌ねじ部
55 連結用有底孔
56 係合突部
57 外向き鍔部
58 雌ねじ部
59 係止孔
60 インナ側スラスト軌道
61 連結孔
62 連結ピン
63 外向き鍔部
64 アウタ側スラスト軌道
65 第一押圧面
66 外径側突部
67 内径側突部
68 係止溝
69 玉
70 保持器
71 雄ねじ部
72 係合凹部
73 回り止め切り欠き
74 位置決めプレート
75 外径側係合突部
76 内径側係合突部
77 係止孔
78 止め輪
79a、79b 係止部
80 スペーサー
81 外向き突片
82 係止孔
83 揺動突部
84 回り止め突部
85 第二押圧面
86 回り止め係止溝
87 ケース
88、88a、88b、88c、88d、88e リアクションディスク
89 ケース円筒部
90 ケース底部
91、91a、91b、91c、91d、91e 内側弾性体
92、92a、92b、92c、92d、92e 外側弾性体
93、93a、93b、93c 被押圧面
94 底部

Claims (9)

  1. 車輪と共に回転するロータと、
    このロータの軸方向側面に対向する状態で配置したパッドと、
    このパッドに対向する側が開口したシリンダを有するキャリパと、
    このシリンダ内に、軸方向の変位を可能に装着されており前記ロータ側端部に底部を有する有底円筒状のピストンと、
    このピストンの内側に配置されており、駆動源の回転駆動力に基づいて、前記パッドと前記ロータの両側面との間の隙間を解消させるまで、前記ピストンを前記ロータに向けて軸方向に押し出す第一押圧部材と、前記隙間が解消し、この第一押圧部材の軸方向への移動が停止した後、前記駆動源の回転駆動力に基づいて、前記ロータに向けて軸方向に移動する事により、前記ピストンを前記ロータに向けて軸方向に押し出す第二押圧部材とを備えた推力発生機構と、
    前記第二押圧部材からの入力を増幅して、前記ピストンに伝達する倍力機構とを備えており、
    この倍力機構が、内側弾性体と、この内側弾性体に、この内側弾性体の外周面と隙間のない状態で外嵌された筒状の外側弾性体とから成るリアクションディスクを備えており、
    前記第二押圧部材の軸方向への移動に基づいて、前記リアクションディスクを直接押圧する入力部材の押圧面と、前記内側弾性体の前記ロータと反対側面のうち、この入力部材により押圧される被押圧面とが同一形状であり、
    前記ロータの軸方向から見た場合に、前記押圧面と前記被押圧面とが一致した状態で、前記入力部材が、前記内側弾性体を押圧する事を特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記内側弾性体が円柱状であり、前記外側弾性体が円筒状である、請求項1に記載したディスクブレーキ。
  3. 前記内側弾性体の軸方向寸法と、前記外側弾性体の軸方向寸法とが等しい、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したディスクブレーキ。
  4. 前記内側弾性体の軸方向寸法と、前記外側弾性体の軸方向寸法とが異なっている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したディスクブレーキ。
  5. 前記内側弾性体の軸方向寸法が、前記外側弾性体の軸方向寸法よりも大きい、請求項4に記載したディスクブレーキ。
  6. 前記外側弾性体の軸方向寸法が、前記内側弾性体の軸方向寸法よりも大きい、請求項4に記載したディスクブレーキ。
  7. 前記内側弾性体は、外周面の外径寸法が前記ロータに近付くほど大きくなる円柱状であり、
    前記外側弾性体は、内周面の内径寸法が前記ロータに近付くほど大きくなる円筒状である、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載したディスクブレーキ。
  8. 前記内側弾性体は、外周面の外径寸法が前記ロータに近付くほど小さくなる円柱状であり、
    前記外側弾性体は、内周面の内径寸法が前記ロータに近付くほど小さくなる円筒状である、請求項1〜6のうちの何れか1項に記載したディスクブレーキ。
  9. 前記内側弾性体と前記外側弾性体とが、互いに異なる材料により構成されている、請求項1〜8のうちの何れか1項に記載したディスクブレーキ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111559355A (zh) * 2020-05-27 2020-08-21 云南夏远新能源发展有限责任公司 一种新能源汽车制动器

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