JP2019011263A - 油中水型乳化組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、処方上の制約が少ない手法で、油中水型の乳化組成物に優れた乳化安定性を備えさせ得る製剤技術を提供することである。【解決手段】油中水型の乳化組成物に炭素数3又は4の1価アルコールを2.5〜20重量%配合することによって、相分離や沈殿の発生を抑制でき、優れた乳化安定性を備えさせ得る。【選択図】なし

Description

本発明は、優れた乳化安定性を有する油中水型乳化組成物に関する。
乳化組成物は、油相に水相が微細な液滴状で分散している油中水型(W/O)と水相に油相が微細な液滴状で分散している水中油型(O/W)に大別される。油中水型の乳化組成物は、皮膚に存在するコレステロールやスフィンゴ脂質等の油性物質との親和性があり、経皮吸収性に優れているため、外用医薬品や化粧料等のスキンケア分野で広く活用されている。
一方、油中水型の乳化組成物では、水中油型の場合に比べて、油水界面の安定化を図り難い等の要因により、安定な乳化状態の形成及び維持が困難であり、製剤安定性が劣るという欠点がある。そこで、従来、油中水型の乳化組成物において、乳化安定性を備えさせる製剤技術が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、油中水型の乳化組成物に、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、尿素、ホルムデヒド、エタノール、グリセリン等の水溶性添加剤を添加することによって、優れた乳化安定性を備えさせ得ることが開示されている。しかしながら、特許文献1の製剤技術では、相分離や沈殿を十分に抑制できず、乳化安定性の点で十分に満足できるものではない。
また、特許文献2には、(A)20〜30質量%の油分、(B)HLB=5〜10の脂肪酸エステル、(C)HLB=1〜4の非イオン性界面活性剤、(D)有機変性粘土鉱物、及び(E)水を含有し、前記(A)油分の10質量%以上を揮発性炭化水素油が占め、シリコーン油を含まない油中水型乳化化粧料は、優れた乳化安定性を備えさせ得ることが開示されている。しかしながら、特許文献2の製剤技術は、多種の成分を組み合わせることが必須で、しかも配合禁忌の成分もあり、処方上の制約が多く、多様な製剤処方に対応し難いという欠点がある。
このような従来技術を背景として、処方上の制約が少ない手法で、油中水型の乳化組成物に優れた乳化安定性を備えさせ得る製剤技術の開発が切望されている。
特開2016−165716号公報 特開2012−102078号公報
本発明の目的は、処方上の制約が少ない手法で、油中水型の乳化組成物に優れた乳化安定性を備えさせ得る製剤技術を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、油中水型の乳化組成物に炭素数3又は4の1価アルコールを2.5〜20重量%配合することによって、相分離や沈殿の発生を抑制でき、優れた乳化安定性を備えさせ得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 炭素数3又は4の1価アルコールを2.5〜20重量%含有する、油中水型の乳化組成物。
項2. 炭素数3又は4の1価アルコールが、イソプロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、及びt−ブタノールよりなる群から選択される少なくとも1種である、項1に記載の乳化組成物。
項3. 水1重量部当たり、炭素数3又は4の1価アルコールが5〜20重量部の比率で含まれる、項1又は2に記載の乳化組成物。
項4. 水を0.5〜2.5重量%含む、項1〜3のいずれかに記載の乳化組成物。
項5. 外用剤である、項1〜4のいずれかに記載の乳化組成物。
項6. 油中水型の乳化組成物に、炭素数3又は4の1価アルコールを2.5〜20重量%含有させる、当該乳化組成物の乳化安定化方法。
本発明の乳化組成物は、油中水型の乳化形態を安定に形成及び維持でき、相分離や沈殿の発生を抑制できる。本発明の乳化組成物は、油中水型の乳化形態が安定であるため、油中水型の乳化組成物の形成や安定化に必要とされる界面活性剤を少量にすることもでき、皮膚刺激性の低減等の安全性の面でも効果が期待できる。また、本発明の乳化組成物は、炭素数3又は4の1価アルコールを所定量含有させるという処方上の制約が少ない手法で、優れた乳化安定性を備えさせることができるので、多様な製剤処方に対応できるという利点もある。
本明細書において、「乳化安定性」とは、油中水型の乳化形態を安定に形成及び維持でき、相分離や沈殿の発生を抑制できる特性を指す。
1.油中水型の乳化組成物
本発明の乳化組成物は、油中水型の乳化形態であって、炭素数3又は4の1価アルコールを2.5〜20重量%含有することを特徴とする。以下、本発明の乳化組成物について詳述する。
炭素数3又は4の1価アルコール
本発明の乳化組成物は、炭素数3又は4の1価アルコールを2.5〜20重量%含有する。このように所定濃度の炭素数3又は4の1価アルコールを含むことによって、優れた乳化安定性を備えることが可能になる。
炭素数3又は4の1価アルコールとしては、具体的には、イソプロパノール(2−プロパノール)、1−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、t−ブタノール等が挙げられる。これらの炭素数3又は4の1価アルコールは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの炭素数3又は4の1価アルコールの中でも、より一層優れた乳化安定性を備えさせるという観点から、好ましくはイソプロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、t−ブタノール、更に好ましくはイソプロパノールが挙げられる。
本発明の乳化組成物における炭素数3又は4の1価アルコールの含有量については、2.5〜20重量%の範囲内であればよいが、より一層優れた乳化安定性を備えさせるという観点から、好ましくは5〜17.5重量%、更に好ましくは7.5〜15重量%が挙げられる。
また、本発明の乳化組成物において、水相を構成する水と、炭素数3又は4の1価アルコールとの比率については、特に制限されないが、より一層優れた乳化安定性を備えさせるという観点から、水1重量部当たり、炭素数3又は4の1価アルコールが、好ましくは5〜20重量部、更に好ましくは7.5〜17.5重量部、特に好ましくは10〜15重量部が挙げられる。

本発明の乳化組成物には、水相を構成する成分として水が含まれる。本発明の乳化組成物における水の含有量については、炭素数3又は4の1価アルコールと水との比率が前記範囲を充足する範囲で適宜設定することが望ましいが、例えば、0.5〜2.5重量%、好ましくは0.6〜2重量%、更に好ましくは0.75〜1.5重量%が挙げられる。
油相基剤
本発明の乳化組成物には、油相を構成する成分として油性基剤が含まれる。油相基剤としては、油中水型の乳化組成物において油相を形成可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、液状油、固形油、高級アルコール等が挙げられる。
液状油とは、25℃において液状の形態を保つ油である。本発明で使用される液状油としては、化粧料や外用医薬品等に通常用いられるものであればよく、例えば、アボガド油、ツバキ油、マカデミアナツツ油、オリーブ油、アルモンド油、ダイズ油、ホホバ油、綿実油、ナタネ油、ゴマ油、シソ油、ケイヒ油、コーン油、ラッカセイ油、サンフラワー油、カカオ油、ハッカ油、ベルガモット油、ウイキョウ油等の植物油;オレイン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸;エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ2−エチルへキサン酸グリセリル、オレイン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジパラメトキシケイヒ酸−モノエチルへキサン酸グリセリル等のエステル油;ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等のシリコン油;流動パラフィン、スクワレン、スクワラン等の液状炭化水素油等が挙げられる。これらの液状油は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの液状油の中でも、好ましくは、植物油、エステル油、液状炭化水素油;更に好ましくは、アルモンド油、オリーブ油、ダイズ油、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリ2−エチルへキサン酸グリセリル、オレイン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸グリセリル、流動パラフィン;特に好ましくはミリスチン酸イソプロピル、アルモンド油、ダイズ油が挙げられる。
固形油とは、25℃において固形の形態を保つ油である。本発明で使用される固形油としては、化粧料や外用医薬品等に通常用いられるものであればよく、例えば、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、ミツロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ラノリン、セラックロウ、オゾケライト、セレシン、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィン、ワセリン、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸イヌリン、水素添加ホホバ油、セレシンワックス、固形パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、シリコーンワックス等の固形油が挙げられる。これらの固形油は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの固形油の中でも、好ましくは、ワセリン、パラフィン、ステアリン酸コレステリル、パルミチン酸デキストリン、マイクロクリスタリンワックス;更に好ましくはワセリン、パルミチン酸デキストリン、マイクロクリスタリンワックスが挙げられる。
高級アルコールとは、1分子中の炭素原子数が6個以上の1価アルコールである。本発明で使用される高級アルコールにおける1分子中の炭素原子数について、6以上であればよいが、好ましくは6〜34、更に好ましくは14〜22が挙げられる。
本発明で使用される高級アルコールとしては、化粧料や外用医薬品等に通常用いられるものであればよく、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール、セタノール、オレイルアルコール等の直鎖状高級アルコール;ノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)等の分枝鎖状高級アルコールが挙げられる。
これらの油性基剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの油性基剤の中でも、好ましくは液状油が挙げられる。
本発明の乳化組成物における油性基剤の含有量については、使用する油性基剤の種類、乳化組成物の製剤形態や用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、50〜96.9重量%、好ましくは60〜93.9重量%、更に好ましくは65〜90.25重量%が挙げられる。
界面活性剤
本発明の乳化組成物は、油中水型の乳化形態を形成するために、界面活性剤が含まれていることが好ましい。本発明において使用される界面活性剤としては、油中水型の乳化形態を形成できるものであれば、その種類については特に制限されないが、油中水型の乳化形態を好適に形成させるという観点から、好ましくはノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤が挙げられる。
油中水型の乳化形態を形成可能なノニオン性界面活性剤としては、具体的にはHLB値が2〜8、好ましくは2〜6.5、更に好ましくは2〜4のノニオン性界面活性剤が挙げられる。ノニオン性界面活性剤のHLB値は、川上法(HLB値=7+11.7log(親水部の式量の総和/親油部の式量の総和))に従って算出される値である。
HLB値が2〜8程度のノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、具体的には、ステアリン酸ポリグリセリル−2、オレイン酸ポリグリセリル−2、オレイン酸ポリグリセリル−4、オレイン酸ポリグリセリル−10、イソステアリン酸ポリグリセリル−2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2、ステアリン酸ポリグリセリル−4、トリステアリン酸ポリグリセリル−6、ペンタステアリン酸ポリグリセリル−10、ペンタヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−10、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル−10、ペンタオレイン酸ポリグリセリル−10、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル−6、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル−10等が挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、具体的には、モノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル等が挙げられる。
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、具体的には、ステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等が挙げられる。
プロピレングリコール脂肪酸エステルとしては、具体的には、ステアリン酸プロピレングリコール、イソステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸プロピレングリコール等が挙げられる。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、具体的には、PEG−5水添ヒマシ油等が挙げられる。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルとしては、具体的には、PPG−4セテス−1等が挙げられる。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、具体的には、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ベヘニン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等が挙げられる。
油中水型の乳化形態を形成可能なアニオン性界面活性剤としては、例えば、スルホン酸塩型、カルボン酸塩型、リン酸塩型、硫酸エステル塩型等が挙げられる。
スルホン酸塩型のアニオン性界面活性剤しては、具体的には、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩;直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;α−オレフィンスルホン酸ナトリウム等のオレフィンスルホン酸及びその塩等が挙げられる。
カルボン酸塩型のアニオン性界面活性剤しては、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸等のポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸及びその塩;ミスチリン酸カリウム、ラウリン酸カリウム等の脂肪酸及びその塩;ラウロイルサルコシンナトリウム、ミリストイルメチルアミノ酢酸ナトリウム等のN−アシルアミノ酸及びその塩等が挙げられる。
リン酸塩型のアニオン性界面活性剤しては、具体的には、ラウリルリン酸、ラウリルリン酸ナトリウム等のラウリルリン酸及びその塩;ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸及びその塩等が挙げられる。
硫酸エステル塩型のアニオン性界面活性剤しては、具体的には、ラウリル硫酸、ラウレス硫酸、ミリスチル硫酸、セチル硫酸、オレイル硫酸等の炭素数8〜18のアルキル硫酸エステル及びその塩;水素化ヤシ油脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸等の脂肪酸エステル硫酸エステル及びその塩;ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等のアルキルアリールスルホン酸及びその塩等が挙げられる。
本発明の乳化組成物において、これらのノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤の中から、1種を選択して使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの界面活性剤の中でも、より一層安定な油中水型の乳化形態を形成させるという観点から、好ましくはグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、スルホコハク酸塩、更に好ましくはモノオレイン酸グリセリル、ショ糖エルカ酸エステル、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムが挙げられる。
本発明の乳化組成物における界面活性剤の含有量は、使用する界面活性剤の種類、乳化組成物の製剤形態や用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、更に好ましくは1.5〜7.5重量%が挙げられる。
水溶性薬効成分
本発明の乳化組成物は、水相に水溶性薬効成分を含有させることができる。このような水溶性薬効成分については、薬学的又は香粧学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル、L−アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸、コウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸モノステアレート、コウジ酸モノシンナモエート、コウジ酸モノベンゾエート、コウジ酸ジブチレート、コウジ酸ジパルミテート、コウジ酸ジステアレート、コウジ酸ジオレート、トラネキサム酸等の美白剤;グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、グリチルレチン酸、アラントイン、サリチル酸、サリチル酸グリコール、サリチル酸メチル、インドメタシン、フェルビナク、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム等の抗炎症剤;塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤;リドカイン、ジブカイン、プロカイン、テトラカイン、ブピパカイン、メピパカイン、クロロプロカイン等の局所麻酔剤;塩化ベンザルコニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、イソプロピルメチルフェノール、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、クロコナゾール塩酸塩、ジンクピリチオン等の殺菌・抗菌剤;ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、セファランチン、塩化カルブロニウム等の血行促進剤;テトラサイクリン塩酸塩等の抗生物質;オキシトシン、コルチコトロピン、バソプレッシン、セクレチン、ガストリン、カルシトニン等のホルモン剤;ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、パンテノール、ビタミンB6、ビオチン、葉酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ビタミンB12等のビタミンB類及びその誘導体;グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、グルコース、フルクトース等の単糖類;マルトース、スクロース、ラクトース、トレハロース等の二糖類;マルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、アガロオリゴ糖、キシロオリゴ糖等のオリゴ糖;アミノ酸等;コラーゲン、サイトカイン、抗体、ワクチン抗原、アルブミン、酵素(トリプシン、塩化リゾチーム、キモトリプシン、セミアルカリプロテナーゼ、セラペプターゼ、リパーゼ、ヒアルロニダーゼ等)等のタンパク質;へパリン類似物質、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、キトサン、キチン、グリコーゲン、カラギーナン、フコイダン、ポルフィラン、キサンタンガム、チューベロース多糖体、クインスシードエキス、ジェランガム、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、グアーガム、アガロース、キトサン、プルラン、ローカストビーンガム、ガラクタン、アラビアガム、タラガム、タマリンドシードガム、これらの塩(ナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩等)等の多糖類;アロエエキス、茶エキス、海藻エキス、カンゾウエキス、ウイキョウエキス、ジオウエキス等の植物エキス等が挙げられる。
これらの水溶性薬効成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の乳化組成物における水溶性薬効成分の含有量については、使用する水溶性薬効成分の種類、乳化組成物の製剤形態や用途等に応じて適宜設定すればよい。
例えば、水溶性薬効成分としてヘパリン類似物質を使用する場合、本発明の乳化組成物は、保湿、抗炎症、血行促進、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療及び予防等の効果が期待できる。
親油性薬効成分
本発明の乳化組成物は、油相に親油性薬効成分を含有させることができる。このような親油性薬効成分については、薬学的又は香粧学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、γ−オリザノール、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK等の脂溶性ビタミン;β−カロチン、ルティン、リコピン、アスタキサンチン等のカロテノイド;セラミド、エストラジオール、エストリオール、プロゲステロン、クロトリマゾール、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトチフェン、ビフォナゾール、テルビナフィン、ブテナフィン、ヒノキチオール、コエンザイムQ10等が挙げられる。
これらの親油性薬効成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の乳化組成物における親油性薬効成分の含有量については、使用する親油性薬効成分の種類、乳化組成物の製剤形態や用途等に応じて適宜設定すればよい。
他の含有成分
本発明の乳化組成物は、必要に応じて、前述した成分以外に、製剤化等に必要とされる他の基剤や添加剤が含まれていてもよい。このような基剤や添加剤については、薬学的又は香粧学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、防腐剤(メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸等)、着香剤(シトラール、1,8−シオネール、シトロネラール、ファルネソール等)、着色剤(タール色素(褐色201号、青色201号、黄色4号、黄色403号等)、カカオ色素、クロロフィル、酸化アルミニウム等)、粘稠剤(カルボキシビニルポリマー、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、カラギーナン等)、pH調整剤(リン酸、塩酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、酒石酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)、湿潤剤(dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム液、D−ソルビトール液、マクロゴール等)、安定化剤(ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エデト酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、L−アルギニン、L−アスパラギン酸、DL−アラニン、グリシン、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、クロロゲン酸、カテキン、ローズマリー抽出物等)、多価アルコール(グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、粘着剤、緩衝剤、溶解補助剤、保存剤等の添加剤が挙げられる。
乳化形態・製剤形態
本発明の乳化組成物は、油中水型(W/O型)の乳化形態である。また、本発明の乳化組成物は、更に常法に従って水相に分散することによって、W/O/W型製剤としてもよい。
本発明の乳化組成物は、例えば、化粧料や外用医薬品等の外用剤等として使用することができる。本発明の外用組成物の製品形態については、特に制限されないが、例えば、クリーム剤、軟膏剤、乳液剤、ゲル剤、油剤(オイル製剤)、ローション剤、リニメント剤、エアゾール剤等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、クリーム剤、軟膏剤、乳液剤、油剤、ローション剤が挙げられる。
製造方法
本発明の乳化組成物は、公知の外用組成物の製剤化手法に従って製造することができる。例えば、本発明の外用組成物の製造方法としては、含有させる成分を水溶性成分と油性成分に分けて、水溶性成分を含む水相用組成物と、油性成分を含む油相用組成物とを調製し、これらを公知の手法に従って、油中水型の乳化形態に乳化させる方法が挙げられる。なお、本発明の乳化組成物の製造方法において、界面活性剤は水相用組成物に予め添加しておくことが好ましい。また、炭素数3又は4の1価アルコールは前記水相用組成物又は前記油相用組成物のいずれか一方又は双方に予め添加してもよく、また、前記水相用組成物と前記油相用組成物とを乳化させて油中水型の乳化形態にした後に、炭素数3又は4の1価アルコールを添加して混合してもよい。
2.油中水型の乳化組成物の乳化安定化方法
本発明は、更に、油中水型の乳化組成物に、炭素数3又は4の1価アルコールを2.5〜20重量%含有させる、当該乳化組成物の乳化安定化方法を提供する。当該乳化安定化方法で使用される炭素数3又は4の1価アルコール、他の成分、含有量、乳化組成物の乳化形態や製剤形態等については、前記「1.乳化組成物」の欄に記載の通りである。
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。
試験例:乳化安定性の評価
表1及び2に記載の組成の油中水型乳化組成物を製造した。具体的な製造方法は、以下の通りである。先ず、所定量の水にヘパリン類似物質を所定量溶解させ、更に加温した界面活性剤を所定量添加して混合し、水相用組成物を調製した。加温した状態で水溶用組成物に油性基剤の一部を添加した後に撹拌することにより乳化処理を行った。更に、加温した状態で残部の油性基剤を添加して、撹拌することにより乳化処理を行った後に、所定量のアルコールを添加して混合した。その後、冷却することにより、油中水型乳化組成物を得た。
得られた各油中水型乳化組成物を25℃の遮光条件下で2日間保存した。調製直後と2日間保存後の各油中水型乳化組成物の外観を観察し、下記判定基準に従って、乳化状態を評価した。
<乳化状態の判定基準>
◎ :透明で優れた乳化状態になっている。
○ :やや半透明であるが、相分離等がなく良好な乳化状態を維持できている。
× :透明又は半透明で、沈殿の生成又は相分離が認められる。
××:濁っており、沈殿の生成又は相分離が認められる。
得られた結果を表1及び2に示す。この結果、炭素数3又は4の1価アルコール(イソプロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール及びt−ブタノール)を2.5〜20重量%の範囲内で含む油中水型乳化組成物は、優れた乳化状態を形成でき、しかも保存しても乳化状態を安定に維持できていた(実施例1〜17)。これに対して、アルコールを含まない場合には優れた乳化状態を形成できず(比較例1〜6)、炭素数3又は4の1価アルコール以外のアルコールを含む場合でも、優れた乳化状態を形成できなかった(比較例7〜12)。また、イソプロパノールを25重量%含む場合であっても、優れた乳化状態を形成できなかった(比較例13及び14)。
Figure 2019011263
Figure 2019011263

Claims (6)

  1. 炭素数3又は4の1価アルコールを2.5〜20重量%含有する、油中水型の乳化組成物。
  2. 炭素数3又は4の1価アルコールが、イソプロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、及びt−ブタノールよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の乳化組成物。
  3. 水1重量部当たり、炭素数3又は4の1価アルコールが5〜20重量部の比率で含まれる、請求項1又は2に記載の乳化組成物。
  4. 水を0.5〜2.5重量%含む、請求項1〜3のいずれかに記載の乳化組成物。
  5. 外用剤である、請求項1〜4のいずれかに記載の乳化組成物。
  6. 油中水型の乳化組成物に、炭素数3又は4の1価アルコールを2.5〜20重量%含有させる、当該乳化組成物の乳化安定化方法。
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