JP2019008318A - 偏光子、偏光子の製造方法、光配向装置および偏光子の装着方法 - Google Patents

偏光子、偏光子の製造方法、光配向装置および偏光子の装着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、複数本の細線が並列に配置された偏光子を光配向装置に配置する際に、細線の破損を連鎖的に引き起こしてしまうという不具合や、破損した細線部分から異物が発生してしまうという不具合を解消しつつ、消光比に優れた偏光子を提供することを主目的とする。【解決手段】紫外光に対して透過性を有する透明基板の上に、複数本の細線が並列に配置された偏光子において、前記細線が配置された偏光領域の外側に、前記紫外光を遮光する遮光膜を形成することにより、上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、消光比に優れた偏光子、その製造方法、および、該偏光子を備えた光配向装置に関するものである。
液晶表示装置は、一般に駆動素子が形成された対向基板とカラーフィルタとを対向配置して周囲を封止し、その間隙に液晶材料を充填した構造を有する。そして、液晶材料は屈折率異方性を有しており、液晶材料に印加された電圧の方向に沿うように整列される状態と、電圧が印加されない状態との違いから、オンオフを切り替えて画素を表示することができる。ここで液晶材料を挟持する基板には、液晶材料を配向させるために配向膜が設けられている。
また、液晶表示装置に用いられる位相差フィルムや、3D表示用位相差フィルムの材料としても配向膜が用いられている。
配向膜としては、例えば、ポリイミドに代表される高分子材料が用いたものが知られており、この高分子材料を布等により摩擦するラビング処理が施されることによって配向規制力を有するものとなる。
しかしながら、このようなラビング処理により配向規制力が付与された配向膜では、布等が異物として残存するといった問題があった。
これに対して直線偏光を照射することにより配向規制力を発現する配向膜、すなわち光配向膜では、上述のような布等によるラビング処理を施すことなく配向規制力を付与できるため、布等が異物として残存する不具合がないことから近年注目されている。
このような光配向膜への配向規制力付与のための直線偏光の照射方法としては、偏光子を介して露光する方法が一般的に用いられる。偏光子としては、平行に配置された複数の細線を有するものが用いられ、細線を構成する材料としては、アルミニウムや酸化チタンが用いられている(例えば、特許文献1)。
そして、平行に配置された複数の細線を形成する方法としては、従来、二光束干渉露光法が用いられてきた(例えば、特許文献2、3)。
この二光束干渉露光法は、位相および光路長を合わせた2本のレーザー光を重ね合わせた際に発生する周期的光強度分布(干渉パターン)を、基板上のレジストに転写する技術である。
例えば、ガラス基板の上にアルミニウム等の金属層を形成し、その上に形成したレジスト層に二光束干渉露光を施し、現像して得られた周期的なレジストパターンをエッチングマスクに用いて金属層をエッチングし、その後、レジストパターンを除去することで、ガラス基板の上に、アルミニウム等の金属からなる複数の平行配置された細線を形成することができる。
その後、偏光子としての所望の形態にガラス基板を切断することで、アルミニウム等の金属からなる細線を有する偏光子を得ることができる。
特許第4968165号公報 特開2013−145863号公報 特開2007−178763号公報
上述のような従来の偏光子は、細線を形成した大面積のガラス基板から細線ごと切断して、所望のサイズおよび形態の偏光子を切り出すことになるため、得られた偏光子は、図12(a)に示すように、偏光子110の外縁(すなわち、切断端部)まで細線112が伸びている。
それゆえ、偏光子110を光配向装置に配置するに際し、偏光子110を固定するために、この細線112が形成されている領域を挟持すると、挟持した部分から細線112の破損を連鎖的に引き起こしてしまうという不具合や、破損した細線部分から異物が発生してしまうという不具合がある。
一方、細線が配置されている部分を挟持しないようにするために、何らかの方法により、細線が配置される領域を、偏光子として切り出す領域の内側の領域に限定し、細線が配置されていない領域、すなわち、ガラス基板が露出した領域を挟持して偏光子を固定することも考えられる。
しかしながら、この場合には、例えば図12(b)に示すように、偏光子120において細線122が配置される領域の外側の領域は、ガラス基板121が露出する領域となり、このガラス基板121が露出する領域から、入射光のP波成分のみならずS波成分も透過してしまうため、消光比が大きく低下してしまうという不具合がある。
なお、消光比とは、上記細線に対して平行な偏光成分(S波)の透過率(出射光中のS波成分/入射光中のS波成分、以下、単にS波透過率とする場合がある。)に対する、上記細線に対して垂直な偏光成分(P波)の透過率(出射光中のP波成分/入射光中のP波成分、以下、単にP波透過率とする場合がある。)の割合(P波透過率/S波透過率)をいう。
例えば、P波透過率が50%、S波透過率が1%の偏光特性を有する偏光子の消光比の値は50になるが、この偏光子にガラス基板が露出する領域が形成され、P波透過率およびS波透過率が、共に1%増加した場合、消光比、すなわちP波透過率/S波透過率の割合は、(50+1)/(1+1)=25.5となり、消光比は概ね半分の値に低下することになる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、偏光子を光配向装置に配置する際に、細線の破損を連鎖的に引き起こしてしまうという不具合や、破損した細線部分から異物が発生してしまうという不具合を解消しつつ、消光比に優れた偏光子を提供することを主目的とする。
本発明者は、種々研究した結果、前記細線が配置された偏光領域の外側に、紫外光を遮光する遮光膜を形成することで、上記課題を解決できることを見出して本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、紫外光に対して透過性を有する透明基板の上に、複数本の細線が並列に配置された偏光子であって、前記細線が配置された偏光領域の外側に、前記紫外光を遮光する遮光膜が形成されていることを特徴とする偏光子である。
また、本発明は、前記偏光領域の外縁を構成する一の辺に沿って、前記遮光膜が形成されていることを特徴とする偏光子である。
また、本発明は、前記偏光領域の外周に、前記遮光膜が形成されていることを特徴とする偏光子である。
また、本発明は、前記遮光膜に、文字、記号、または、アライメントマークが形成されていることを特徴とする偏光子である。
また、本発明は、前記文字、前記記号、または、前記アライメントマークが、複数本の細線が並列に配置された構成を有することを特徴とする偏光子である。
また、本発明は、前記文字、前記記号、または、前記アライメントマークにおける前記紫外光に対するS波透過率の値が、前記偏光領域における前記紫外光に対するS波透過率と同じ値、若しくは、前記偏光領域における前記紫外光に対するS波透過率よりも小さい値であることを特徴とする偏光子である。
また、本発明は、前記遮光膜に、前記細線が接続していることを特徴とする偏光子である。
また、本発明は、前記遮光膜を構成する材料が、前記細線を構成する材料を含有することを特徴とする偏光子である。
また、本発明は、前記遮光膜を構成する材料が、モリブデンシリサイドを含有する材料から構成されていることを特徴とする偏光子である。
また、本発明は、紫外光に対して透過性を有する透明基板の上に、複数本の細線および前記紫外光を遮光する遮光膜を有する偏光子の製造方法であって、前記透明基板の上に第1の材料層を形成した積層体を準備する工程と、前記第1の材料層の上にレジスト層を形成する工程と、前記レジスト層を加工して、細線パターンと遮光膜パターンを有するレジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンをエッチングマスクに用いて前記第1の材料層をエッチング加工する工程と、を備えることを特徴とする偏光子の製造方法である。
また、本発明は、前記レジスト層が、ポジ型の電子線レジストから構成されており、前記細線パターンと前記遮光膜パターンを有するレジストパターンを形成する工程が、前記細線パターンを構成するラインアンドスペースパターンのスペースパターン部となる位置のレジスト層に電子線を照射する工程を含むことを特徴とする偏光子の製造方法である。
また、本発明は、紫外光を偏光して光配向膜に照射する光配向装置であって、上述の偏光子を備え、前記偏光子の前記偏光領域を透過する光を、前記光配向膜に照射することを特徴とする光配向装置である。
また、本発明は、前記光配向膜を移動させる機構が備えられており、前記偏光子が前記光配向膜の移動方向および前記光配向膜の移動方向に直交する方向の両方向に複数個備えられており、前記光配向膜の移動方向に直交する方向において隣り合う前記複数個の偏光子間の境界部が、前記光配向膜の移動方向に連続的に繋がらないように、前記複数個の偏光子が配置されていることを特徴とする光配向装置である。
本発明は、入射した紫外光の細線に平行な偏光方向の光を遮蔽し、上記細線に垂直な偏光方向の光を透過させる偏光子であって、上記紫外光に対して透過性を有する基板の上に、複数本の上記細線が並列に配置され、上記細線が配置された領域である細線領域の外側に、上記紫外光を遮光する遮光膜を有し、上記遮光膜の内縁側のエッジの形成方向が、上記細線の長手方向と平行または垂直であることを特徴とする偏光子を提供する。
本発明によれば、上記遮光膜が上記細線領域の外側に形成されていることにより、偏光子を光配向装置に配置するに際し、遮光膜が形成されている領域を挟持することができる。すなわち、偏光子においては、細線が配置されている領域である細線領域を挟持することなく、偏光子を光配向装置に固定することができ、それゆえ、挟持した部分から細線の破損を連鎖的に引き起こしてしまうという不具合や、破損した細線部分から異物が発生してしまうという不具合を解消することができる。
また、上記のように、細線が配置されている領域である細線領域の外周には、遮光膜が形成されているため、偏光子においては、細線領域の外側の領域から、入射光、特に入射光のS波成分が透過してしまうことを抑制でき、消光比が大きく低下してしまうという不具合を抑制することができる。
さらに、上記遮光膜の内縁側のエッジが上記細線の長手方向と平行または垂直であることにより、上記細線領域と遮光膜との間隔が少ないものとすることが容易であり、高い消光比を得ることができるからである。
本発明においては、上記遮光膜の外側に、上記細線が配置された領域である第2細線領域が形成されていても良い。遮光膜の外縁が、偏光子の外縁よりも内側に設けられており、遮光膜の外縁から偏光子の外縁までの領域にも細線が配置されている領域である第2細線領域が形成されている形態であれば、偏光子を複数枚平面状に並べて光配向装置に配置する際に、隣合わせになる偏光子の各遮光膜同士が接して遮光領域が広くなってしまうということを抑制できるからである。
本発明は、偏光子が複数個備えられた光配向装置であって、上記偏光子は、複数本の細線が並列に配置され、上記細線が配置された領域である細線領域の外側に形成された遮光膜を有するものであり、複数個の上記偏光子は、隣接して配置された上記偏光子のそれぞれの上記細線領域間に上記遮光膜が含まれないように配置されていることを特徴とする光配向装置を提供する。
本発明によれば、複数個の上記偏光子が、隣接して配置された上記偏光子のそれぞれの上記細線領域間に上記遮光膜が含まれないように配置されていることにより、各偏光子間には遮光膜が無いため、あたかも1枚の偏光子を備えた場合のように作用させることができる。
本発明は、複数個の偏光子を光配向装置に装着する偏光子の装着方法であって、上記偏光子は、複数本の細線が並列に配置され、上記細線が配置された領域である細線領域の外側に形成された遮光膜を有するものであり、上記遮光膜に形成されたアラインメントマークにより、上記偏光子の位置合わせを行うと共に複数個の上記偏光子の偏光方向を調整する位置合わせ工程を有することを特徴とする偏光子の装着方法を提供する。
本発明によれば、遮光膜に形成されたアラインメントマークを用いることにより、細線の位置や角度の情報を、高精度に取得することができ、容易に所望の位置や角度に合わせることができる。
本発明によれば、偏光子を光配向装置に配置する際に、細線の破損を連鎖的に引き起こしてしまうという不具合や、破損した細線部分から異物が発生してしまうという不具合を解消しつつ、消光比に優れた偏光子を提供することができる。
また、本発明に係る偏光子を備えた光配向装置においては、光配向膜に配向規制力を付与することを効果的に行うことができ、生産性を向上させることができる。
本発明に係る偏光子の一例を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。 図1に示す本発明に係る偏光子の遮光膜の平面形態を説明する図である。 本発明に係る偏光子における遮光膜の他の平面形態例を示す図である。 本発明に係る偏光子の他の例を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は(a)のアライメントマーク拡大図である。 本発明に係る偏光子の製造方法の一例を示す概略工程図である。 図5に続く、本発明に係る偏光子の製造方法の一例を示す概略工程図である。 本発明に係る光配向装置の構成例を示す図である。 本発明に係る光配向装置の他の構成例を示す図である。 本発明に係る光配向装置における偏光子の配置形態の一例を示す図である。 本発明に係る光配向装置における偏光子の配置形態の他の例を示す図である。 実施例2の偏光子の偏光特性の測定結果を示すグラフである。 従来の偏光子の例を示す概略平面図である。
以下、本発明に係る偏光子、偏光子の製造方法、光配向装置および偏光子の装着方法について説明する。
A.偏光子
まず、本発明に係る偏光子について説明する。
本発明に係る偏光子は、紫外光に対して透過性を有する透明基板の上に、複数本の細線が並列に配置された偏光子であって、前記細線が配置された偏光領域の外側に、前記紫外光を遮光する遮光膜が形成されているものである。
図1は、本発明に係る偏光子の一例を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は図1のA−A線断面図である。
図1に示すように、偏光子10は、透明基板1の上に、複数本の細線2が並列に配置されており、細線2が配置された偏光領域3の外周には、遮光膜4が形成されている。
このような構成を有するため、偏光子10においては、光配向装置に配置するに際し、遮光膜4が形成されている領域を挟持することができる。
すなわち、偏光子10においては、細線2が形成されている領域(偏光領域3)を挟持することなく、偏光子10を光配向装置に固定することができ、それゆえ、挟持した部分から細線2の破損を連鎖的に引き起こしてしまうという不具合や、破損した細線部分から異物が発生してしまうという不具合を解消することができる。
また、上記のように、細線2が配置された偏光領域3の外周には、遮光膜4が形成されているため、偏光子10においては、偏光領域3の外側の領域から、入射光、特に入射光のS波成分が透過してしまうことを抑制でき、消光比が大きく低下してしまうという不具合を抑制することができる。
以下、本発明に係る偏光子の各構成について詳細に説明する。
1.透明基板
透明基板1としては、細線2を安定的に支持することができ、紫外光透過性に優れたものであり、露光光による劣化の少ないものとすることができるものであれば、特に限定されるものではない。例えば、光学研磨された合成石英ガラス、蛍石、フッ化カルシウムなどを用いることができるが、中でも合成石英ガラスを好ましく用いることができる。品質が安定しており、また、短波長の光、すなわち、高エネルギーの露光光を用いた場合であっても劣化が少ないからである。
透明基板1の厚みとしては、偏光子10の用途やサイズ等に応じて適宜選択することができる。
2.細線
細線2は、偏光子10において、入射光のP波成分を効率良く透過し、入射光のS波成分の透過率を低く抑える作用を奏するものであり、透明基板1の上に直線状に複数形成され、かつ、平行に配置されるものである。
細線2を構成する材料は、所望の消光比およびP波透過率を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム、チタン、モリブデン、シリコン、クロム、タンタル、ルテニウム、ニオブ、ハフニウム、ニッケル、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、コバルト、マンガン、鉄、インジウム等の金属や合金、および、これらの酸化物、窒化物、または酸窒化物のいずれかを含有する材料を挙げることができる。中でも、モリブデンシリサイドを含有する材料から構成されていることが好ましい。紫外線領域の短波長においても、消光比およびP波透過率を優れたものとすることができ、耐熱性、耐光性にも優れるからである。
モリブデンシリサイドを含有する材料としては、例えば、モリブデンシリサイド(MoSi)、モリブデンシリサイド酸化物(MoSiO)、モリブデンシリサイド窒化物(MoSiN)、モリブデンシリサイド酸化窒化物(MoSiON)等を挙げることができる。
なお、細線2は、複数種の材料から構成されていてもよく、また、材料が異なる複数層から構成されていても良い。
細線2の厚みとしては、所望の消光比およびP波透過率を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、60nm以上であることが好ましく、なかでも60nm〜160nmの範囲内であることが好ましく、特に80nm〜140nmの範囲内であることが好ましい。上記範囲であることにより、消光比およびP波透過率を優れたものとすることができるからである。
なお、上記細線の厚みは、断面視において、細線の長手方向および幅方向に垂直な方向の厚みのうち最大の厚みをいうものであり、細線が複数層から構成される場合には、全ての層を含む厚みをいうものである。
また、上記細線の厚みは一の偏光子内に異なる厚みのものを含むものであっても良いが、通常、同一の厚みで形成される。
細線2の本数および長さとしては、所望の消光比およびP波透過率を得ることができるものであれば特に限定されるものではなく、偏光子10の用途等に応じて適宜設定されるものである。
細線2のピッチ(図1(a)に示すP1)としては、所望の消光比およびP波透過率を得ることができるものであれば特に限定されるものではなく、直線偏光の生成に用いる光の波長等に応じて異なるものであるが、例えば、60nm以上140nm以下の範囲内とすることができ、なかでも80nm以上120nm以下の範囲内であることが好ましく、特に90nm以上110nm以下の範囲内であることが好ましい。上記ピッチであることにより、消光比およびP波透過率に優れたものとすることができるからである。
なお、上記細線のピッチは、幅方向に隣接する細線間のピッチの最大ピッチをいうものであり、細線が複数層から構成される場合には、全ての層を含むピッチをいうものである。
また、上記細線のピッチは一の偏光子内に異なるピッチのものを含むものであっても良いが、通常、同一ピッチで形成される。
上記細線のデューティー比、すなわち、細線のピッチに対する幅の比(幅/ピッチ)としては、所望の消光比およびP波透過率を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、0.3以上0.6以下の範囲内とすることができ、なかでも0.35以上0.45以下の範囲内であることが好ましい。上記デューティー比であることにより、高いP波透過率を有したまま消光比に優れた偏光子とすることができ、さらに細線加工を容易にすることができるからである。
なお、上記細線の幅は、平面視において、細線の長手方向に垂直方向の長さをいうものであり、細線が複数層から構成される場合には、全ての層を含む幅をいうものである。
また、上記細線の幅は一の偏光子内に異なる幅のものを含むものであっても良いが、通常、同一幅で形成される。
3.偏光領域
図1に示す偏光子10において、偏光領域3は、遮光膜4によって周りを囲まれた領域であり、この偏光領域3に、細線2が配置される。言い換えれば、図1に示す偏光子10における偏光領域3は、遮光膜4によって規定された領域であり、入射光が透過する領域である。
本発明において、偏光領域3は、細線2が配置された領域よりも大きな領域とすることも可能である。より具体的には、細線2が、その長手方向(図1(a)に示すY方向)において遮光膜4に接続していない形態であっても良い。
また、細線2の配列方向(平面視において、細線2の長手方向に垂直な方向、すなわち、図1(a)に示すX方向)において、末端の細線2と遮光膜4との間隔は、細線2同士の間隔よりも大きなサイズであってもよい。より具体的には、図1(a)、(b)において、図中右側末端の細線2の左側のエッジと遮光膜4の内縁側のエッジとの間隔P2は、細線2同士の間隔P1よりも大きなサイズであってもよい。
しかしながら、高い消光比を得るためには、図1に示す偏光子10のように、細線2は、その長手方向において遮光膜4に接続している形態であることが好ましい。偏光領域3において細線2が存在しない領域を、より小さくすることができ、入射光のS波成分が透過してしまうことを、より抑制できるからである。
また、細線2の配列方向における末端の細線2と遮光膜4との間隔は、細線2同士の間隔と同じ大きさであることが好ましい。
より具体的には、図1(a)、(b)において、図中右側末端の細線2の左側のエッジと遮光膜4の内縁側のエッジとの間隔P2は、細線2同士の間隔P1と同じ大きさであることが好ましい。同様に、図1(a)、(b)において、図中左側末端の細線2の右側のエッジと遮光膜4の内縁側のエッジとの間隔は、細線2同士の間隔P1と同じ大きさであることが好ましい。より高い消光比を得ることができるからである。
本発明においては、例えば、細線2を形成する工程と遮光膜4を形成する工程を同一工程にすることで、細線2の配列方向における末端の細線2と遮光膜4との間隔を、細線2同士の間隔と同じ大きさにすることができる。また、遮光膜4と細線2の位置関係を精度良く作製でき、遮光膜4のエッジの方向と細線2の方向を高精度に平行、または垂直に作製することができる。
なお、上記のように、遮光膜4に細線2が接続している形態であれば、偏光子に照射される光により細線2に蓄積する熱を遮光膜4に分散させることや、帯電防止の効果を奏することもできる。
また、遮光膜4に細線2が接続している形態であれば、偏光子10の製造工程において、細線2を形成するための細いレジストパターン(細線パターン)を、遮光膜4を形成するための大面積のレジストパターン(遮光膜パターン)に接続させることができ、細線2を形成するための細いレジストパターン(細線パターン)が製造工程中で倒壊したり、剥離したりする不具合を、抑制することもできる。
4.遮光膜
遮光膜4は、偏光領域3の外側に形成され、入射光、特に入射光のS波成分が透過してしまうことを抑制するものである。
本発明において、遮光膜4は、240nm以上380nm以下の波長の紫外光に対し、光学濃度が2.8以上の遮光性を有することが好ましい。
光配向膜に配向規制力を付与するために照射される紫外光の波長範囲で、遮光膜4が高い遮光性を有することにより、消光比に優れた偏光子を提供することができるからである。
遮光膜4を構成する材料は、所望の光学濃度を得ることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、アルミニウム、チタン、モリブデン、シリコン、クロム、タンタル、ルテニウム、ニオブ、ハフニウム、ニッケル、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、コバルト、マンガン、鉄、インジウム等の金属や合金、および、これらの酸化物、窒化物、または酸窒化物のいずれかを含有する材料を挙げることができる。中でも、モリブデンシリサイドを含有する材料を好適に挙げることができる。
遮光膜4を構成する材料が、モリブデンシリサイドを含有する材料から構成されている場合、遮光膜4の厚みが60nm以上であれば、240nm以上380nm以下の波長の紫外光に対し、光学濃度が2.8以上の遮光性を有することができるからである。
なお、遮光膜4は、複数種の材料から構成されていてもよく、また、材料が異なる複数層から構成されていても良い。
また、遮光膜4を構成する材料は、細線2を構成する材料を含有することが好ましい。
遮光膜4を構成する材料が細線2を構成する材料を含有する場合、細線2を形成する工程で使用する装置や材料を、遮光膜4を形成する工程にも使用することができ、製造コストの削減になるからである。さらに、細線2を形成する工程と遮光膜4を形成する工程を同一工程にすることで、細線2と遮光膜4の相対位置精度を向上させることもできる。
さらに、遮光膜4を構成する材料と細線2を構成する材料が、いずれもモリブデンシリサイドを含有する材料から構成されている場合は、遮光膜4において高い遮光性を有し、かつ、消光比およびP波透過率に優れた偏光子とすることができる。
次に、遮光膜4の平面形態について説明する。
図2は、図1に示す本発明に係る偏光子の遮光膜の平面形態を説明する図である。
図2に示すように、偏光子10における遮光膜4は、内縁5と外縁6を有する枠状の形態を有しており、通常、遮光膜4の内縁5は偏光領域3の外縁と一致する。
また、図1に示す偏光子10のように、遮光膜4の外縁6は、通常、偏光子10の外縁と一致するものである。
ただし、本発明においては、上記の形態に限定されず、偏光子を光配向装置に配置するに際し、遮光膜4が形成されている領域で偏光子を挟持でき、かつ、不要なS波成分が透過してしまうことを抑制できるものであれば、適用することができる。
例えば、光配向膜に直線偏光を照射する光配向装置に偏光子が装備される際に、偏光子の外縁近傍が保持機構等によって覆われ、この偏光子の外縁近傍からの光が、光配向膜に照射されないような場合には、遮光膜4の外縁6は、偏光子の外縁よりも内側に設けられていても良い。
また、遮光膜4が形成されている領域以外の偏光子の領域には、細線2が形成されている形態、例えば、遮光膜4の外縁6よりも外側の領域にも細線2が形成されているような形態であれば、遮光膜4が形成されている領域で偏光子を挟持でき、一方、遮光膜が形成されていない領域には細線2が形成されているため、不要なS波成分が透過してしまうことを抑制できることから、本発明の偏光子として適用できる。
図3は、本発明に係る偏光子における遮光膜の他の平面形態例を示す図である。なお、図3において、細線2の長手方向は図中上下方向である。
上記のように、本発明において遮光膜4は、偏光領域3の外側に形成され、入射光、特に入射光のS波成分が透過してしまうことを抑制するものである。
それゆえ、本発明における遮光膜4の平面形態は、図1に示すような偏光領域3の外周に遮光膜4が形成されている形態に限定されず、光配向装置における保持構造や偏光子の配置方法に応じて、各種形態とすることができる。
例えば、図3(a)、(b)に示すように、細線2が形成されている領域(偏光領域3)の外縁を構成する一の辺に沿って、遮光膜4が形成されている形態であっても良い。
なお、図3(a)に示す形態においては、細線2の長手方向と遮光膜4の長手方向が同じ方向になっている例を、図3(b)に示す形態においては、細線2の長手方向と遮光膜4の長手方向が直交する関係になっている例を、それぞれ示している。
また、遮光膜4は複数配置されていても良い。例えば、図3(c)、(d)に示すように、細線2が形成されている領域(偏光領域3)の外縁を構成する一対の対向する二辺に沿って、遮光膜4が形成されている形態であっても良い。
また、図3(e)に示すように、細線2が形成されている領域(偏光領域3)の外縁を構成する辺であって、互いに交差する二辺に沿って、遮光膜4が形成されている形態であっても良い。また、図3(f)、(g)に示すように、細線2が形成されている領域(偏光領域3)の外縁を構成する3つの辺に沿って、遮光膜4が形成されている形態であっても良い。
ここで、図2に係る説明においても述べたように、本発明において、遮光膜4の外縁6は、偏光子10の外縁よりも内側に設けられていても良い。例えば、図3(h)に示すように、遮光膜4の外縁(図2に示す外縁6)を構成する4つの辺の全てが、偏光子の外縁よりも内側に設けられている形態であっても良い、また、図示は省略するが、遮光膜4の外縁(図2に示す外縁6)を構成する4つの辺の中の1つ乃至3つの辺が、偏光子の外縁よりも内側に設けられている形態であっても良い。
また同様に、図3(a)〜(g)に示す形態においても、遮光膜4の外縁は、偏光子の外縁よりも内側に設けられていても良い。
これらの場合、遮光膜4が形成されていない領域には、細線2が形成されている形態であることが、好ましい。光配向装置の保持機構等がどのような形態であるかに係わらず、偏光子から不要なS波成分が透過してしまうことを抑制できるからである。
上記の図3(a)〜(d)に示すような形態であれば、例えば、偏光子を複数枚平面状に並べて光配向装置に配置する際に、各偏光子の、遮光膜4が形成されていない辺同士を隣合わせにして配置することで、遮光膜4が偏光子間の繋ぎ目部分に影響しないようにすることができる。
また、例えば、複数の偏光子を外縁部分が上下に重なるように並べて光配向装置に配置する際に、遮光膜4が形成されていない辺同士の外縁部分を重ねることで、遮光膜4が偏光子間の繋ぎ目部分に影響しないようにすることができる。
また、図3(e)〜(h)のように、細線2に対して平行な方向及び垂直な方向の両方に遮光膜4が形成されている形態であれば、偏光方向を90度回転させて光配向装置に配置したい場合にも、別の偏光子を揃えることを要せずに、同じ偏光子で対応可能である。
また、図3(h)のように遮光膜4の外縁が、偏光子の外縁よりも内側に設けられており、遮光膜4の外縁から偏光子の外縁までの領域にも細線2が形成されている形態であれば、偏光子を複数枚平面状に並べて光配向装置に配置する際に、隣合わせになる偏光子の各遮光膜4同士が接して遮光領域が広くなってしまうということがない。
なお、複数枚の偏光子を光配向装置に配置する際には、図1および図3(a)〜(h)に示す各種の形態の偏光子を組み合わせて使用しても良い。
図4は、本発明に係る偏光子の他の例を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は(a)のアライメントマーク拡大図である。
図4(a)に示すように、偏光子20は、その四隅近傍の遮光膜4に、アライメントマーク7を有している。
本発明において、遮光膜4には、文字、記号、または、アライメントマークが形成されていても良い。例えば、遮光膜4に、文字、記号等を形成することで、型番等、偏光子に関する情報を付与することができる。また、上下左右や表裏等の向きの判別や、粗い位置合わせにも利用できる。
また、上述のように、本発明においては、細線2を形成する工程と遮光膜4を形成する工程を同一工程にすることで、細線2と遮光膜4の相対位置精度を向上させることもできる。それゆえ、遮光膜4にアライメントマーク7を形成することで、細線2の位置や角度の情報を、アライメントマーク7から取得することができる。
さらに、光配向膜に直線偏光を照射する光配向装置に偏光子20を装備する際には、このアライメントマーク7を用いて、細線2の位置や角度を、容易に所望の位置や角度に合わせることもできる。
本発明において、上記のアライメントマークの形態は、特に限定されず、十字型、L字型等の各種形態を用いることができるが、アライメントマークには細線2の方向と平行な方向または垂直な方向の少なくとも1方向にエッジを形成しておくことが好ましい。また用途に応じて、細線2の方向に対して45度などの角度となるエッジを有していても良い。
アライメントマークの数や配置箇所は特に限定されず、適宜必要な数、必要な箇所に設けることができる。
上記の文字、記号、または、アライメントマークは、遮光膜4とは異なる材料から構成されていても良く、また、遮光膜4に開口を設けて透明基板1を露出させた構成であっても良い。
ただし、上記の文字、記号、または、アライメントマークが、遮光膜4に開口を設けて透明基板1を露出させた構成を有する場合は、消光比が低下してしまうことを抑制するために、通常、透明基板1の露出面積が小さくなるような形態とすることが好ましいことになる。
一方、本発明においては、上記の文字、記号、または、アライメントマークを、複数本の細線が並列に配置された構成とすることもできる。
例えば、図4(b)に示すように、アライメントマーク7を、複数本の細線8が並列に配置された構成とすることもできる。また図示は省略するが、上記の文字や記号も同様に、複数本の細線8が並列に配置された構成とすることもできる。また複数本の細線の方向は、偏光領域の細線の方向と同じであることが好ましい。
そして、アライメントマーク7や上記の文字、記号を有する偏光子20が所望の消光比となるように、細線8の材料、厚み、ピッチ、デューティー比等の条件を設計することで、紫外光を遮光、または偏光させる機能を持たせ、遮光膜4にアライメントマーク7や上記の文字、記号を形成しても、偏光子20の消光比が低下してしまうことを防止できる。
本発明において、アライメントマーク7や上記の文字、記号を構成する細線8の材料、厚み、ピッチ、デューティー比等は、所望のS波透過率となるものであれば用いることができるが、中でも、細線8の材料及び厚みは、偏光領域3に配置された細線2の材料及び厚みと同じであることが好ましく、また、細線8の長手方向、ピッチ及びデューティー比は、偏光領域3に配置された細線2の長手方向、ピッチ及びデューティー比と同じであることが好ましい。
アライメントマーク7や上記の文字、記号を形成しても消光比は変わらないため、アライメントマーク7や上記の文字、記号の数及び配置について、より自由な設計ができるからである。
なお、本発明に係る偏光子において、偏光領域3に配置される細線2に対しては、高い消光比であること、すなわち、P波透過率が高く、S波透過率は低いことが求められるが、遮光膜4に形成される上記の文字、記号、または、アライメントマークを構成する細線8に対しては、S波透過率が低いことは求められるものの、P波透過率が高いことについては必ずしも求められない。
すなわち、上記の文字、記号、または、アライメントマークは、光配向膜に入射光のS波成分を照射してしまうことを避ける必要があるものの、P波成分の透過率に関しては、上記の文字、記号、または、アライメントマークを識別可能なレベルであれば良く、必ずしも高い透過率を要しない。
それゆえ、本発明においては、偏光子に照射される紫外光に対し、上記の文字、記号、または、アライメントマークにおけるS波透過率の値は、偏光領域3におけるS波透過率と同じ値、若しくは、よりも小さい値であることが好ましい。
B.偏光子の製造方法
次に、本発明に係る偏光子の製造方法について説明する。
本発明に係る偏光子の製造方法は、紫外光に対して透過性を有する透明基板の上に、複数本の細線、および、紫外光を遮光する遮光膜を有する偏光子の製造方法であって、前記透明基板の上に第1の材料層を形成した積層体を準備する工程と、前記第1の材料層の上にレジスト層を形成する工程と、前記レジスト層を加工して、細線パターンと遮光膜パターンを有するレジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンをエッチングマスクに用いて前記第1の材料層をエッチング加工する工程と、を備えるものである。
本発明においては、細線2を形成する工程と遮光膜4を形成する工程を同一工程にすることで、製造工程を短縮することができ、かつ、細線2と遮光膜4の相対位置精度を向上させることができる。
また、細線2と遮光膜4を、同じ材料から構成することで、製造コストを低く抑えることもできる。
図5および図6は、本発明に係る偏光子の製造方法の一例を示す概略工程図である。
例えば、本発明に係る偏光子の製造方法を用いて偏光子10を製造するには、図5(a)に示すように、まず、透明基板1の上に、細線2および遮光膜4を構成する材料からなる偏光材料層31、および、偏光材料層31をエッチング加工する際のハードマスクとして作用するハードマスク材料層32を、順次形成した積層体を準備する。
なお、この例においては、ハードマスク材料層32が上記の第1の材料層に相当する。
次に、ハードマスク材料層32の上に、レジスト層33を形成し(図5(b))、電子線40等を照射し(図5(c))、現像等を施して、細線パターン34aと遮光膜パターン34bを有するレジストパターン34を形成する(図5(d))。
本発明においては、例えば、半導体リソグラフィ用フォトマスクの製造に用いられる電子線描画装置を用いて、細線パターン34aと遮光膜パターン34b、さらに上記のアライメントマーク等を同一工程で作製することで、電子線描画装置の高精度な位置精度管理下でそれらの相対位置を制御できる。
次に、レジストパターン34をエッチングマスクに用いてハードマスク材料層32をエッチング加工して、ハードマスクパターン32Pを形成する(図6(e))。例えば、ハードマスク材料層32の材料にクロムを用いた場合には、塩素と酸素の混合ガスを用いたドライエッチングにより、ハードマスクパターン32Pを形成することができる。
次に、レジストパターン34およびハードマスクパターン32Pをエッチングマスクに用いて、偏光材料層31をエッチング加工して、細線2と遮光膜4を有する偏光材料パターン31Pを形成する(図6(f))。例えば、偏光材料層31の材料にモリブデンシリサイドを用いた場合には、SF6ガスを用いたドライエッチングにより、偏光材料パターン31Pを形成することができる。
次に、レジストパターン34を除去し(図6(g))、次いで、ハードマスクパターン32Pを除去して、透明基板1の上に、複数本の細線2と遮光膜4を有する偏光子10を得る(図6(h))。
なお、図5および図6に示す例においては省略しているが、本発明においては、大面積の透明基板1上に複数本の細線2と遮光膜4を形成し、その後、細線2が配置された偏光領域3の外側を切断して、所望のサイズおよび形態に切り出した偏光子10を得ても良い。
また、上記においては、レジストパターン34を残した状態で偏光材料層31をエッチング加工しているが、本発明においては、図6(e)に示すハードマスクパターン32Pを形成する工程の後、レジストパターン34を除去し、ハードマスクパターン32Pのみをエッチングマスクに用いて偏光材料層31をエッチング加工して偏光材料パターン31Pを形成してもよい。
また、上記においては、得られる偏光子10として、ハードマスクパターン32Pを除去した形態について説明したが、本発明においては、必要に応じてハードマスクパターン32Pを全面又は部分的に残しておいても良い。
例えば、図6(g)に示す形態のように、ハードマスクパターン32Pを全面に残した形態を、最終的に得られる偏光子の形態としてもよい。この場合、ハードマスクパターン32Pを除去する工程を省くことができ、工程短縮の効果を奏することができる。
また、上記においては、偏光材料層31の上にハードマスク材料層32を設ける形態について説明したが、本発明においては、ハードマスク材料層32を設けずに、偏光材料層31の上にレジスト層33を形成し、レジストパターン34をエッチングマスクに用いて偏光材料層31をエッチング加工して、細線2と遮光膜4を有する偏光材料パターン31Pを形成してもよい。
この場合は、偏光材料層31が上記の第1の材料層に相当する。
ここで、上記の図5(c)で示したレジストパターン34の形成に用いる方法は、所望の細線パターン34aと遮光膜パターン34bを有するレジストパターン34を形成することができる方法であれば用いることができるが、中でも、電子線を照射する方法が好ましい。
電子線を照射する方法によるレジストパターン形成は、半導体用のフォトマスク製造等で実績があり、例えば、ピッチが60nm以上140nm以下の範囲の細線パターンを、所望の領域に精度良く形成することができるからである。また、細線パターン34aと遮光膜パターン34bの相対位置精度も、半導体用のフォトマスク製造に求められる、ナノメートルレベルの精度とすることができるからである。
また、本発明においては、レジスト層33が、ポジ型の電子線レジストから構成されており、細線パターン34aと遮光膜パターン34bを有するレジストパターン34を形成する工程が、所望の細線と所望の遮光膜が形成される位置以外のレジスト層33に電子線を照射する工程であることが好ましい。
より具体的には、細線パターン34aがラインアンドスペースパターンを構成しており、上記のラインアンドスペースパターンのスペースパターン部となる位置のレジスト層33に電子線を照射する工程であることが好ましい。
上記の位置に電子線を照射する方法であれば、電子線を照射する面積を小さくすることができ、電子線照射工程の時間を短くすることができるからである。
上記について、より詳しく説明する。
例えば、図1に示す偏光子10の細線2の幅が、細線2のピッチの半分の大きさである場合、ネガ型の電子線レジストを用いて、偏光子10の細線パターンと遮光膜パターンを得ようとする場合、電子線照射する面積は、細線2全てを合わせた面積に遮光膜4の面積を加えた面積となる。
一方、上記の方法を用いれば、電子線照射する面積は、細線2のスペース部分の全てを合わせた面積、すなわち、概ね、細線2全てを合わせた面積で済み、遮光膜4の面積を照射する時間を削減できる。
C.光配向装置
次に、本発明に係る光配向装置について説明する。
本発明に係る光配向装置は、紫外光を偏光して光配向膜に照射する光配向装置であって、上記の本発明に係る偏光子を備え、偏光子の偏光領域を透過する光を、光配向膜に照射するものである。
本発明に係る光配向装置においては、本発明に係る偏光子を備えることにより、紫外光ランプから照射された紫外光の不要なS波成分が透過してしまうことを抑制できる。それゆえ、光配向膜に配向規制力を付与することを効果的に行うことができ、生産性を向上させることができる。
図7は、本発明に係る光配向装置の構成例を示す図である。
図7に示す光配向装置50は、本発明の偏光子が収められた偏光子ユニット51と紫外光ランプ52を備えており、紫外光ランプ52から照射された紫外光を偏光子ユニット51に収められた偏光子10により偏光し、この偏光された光(偏光光54)をワーク56の上に形成された光配向膜55に照射することで、光配向膜55に配向規制力を付与するものである。
また、光配向装置50には、光配向膜55を形成したワーク56を移動させる機構が備えられており、ワーク56を移動させることにより、光配向膜55の全面に偏光光54を照射することができる。例えば、図6に示す例において、ワーク56は図中右方向(図6における矢印方向)に移動する。
なお、図7に示す例においては、ワーク56を矩形状の平板として示しているが、本発明において、ワーク56の形態は、偏光光54を照射することができるものであれば特に限定されず、例えば、ワーク56はフィルム状の形態であっても良く、また、巻取り可能なように帯状(ウェブ状)の形態であっても良い。
本発明において、紫外光ランプ52は、波長が240nm以上380nm以下の紫外光を照射することができるものであることが好ましく、また、光配向膜55は、波長が240nm以上380nm以下の紫外光に対して感度を有するものであることが好ましい。
光配向装置50は、上記の波長の範囲の紫外光に対して高い遮光性を有する遮光膜4を有する偏光子10を備えているため、不要なS波成分が透過してしまうことを効率良く抑制できる。それゆえ、上記の波長の範囲の紫外光に感度を有する光配向膜に配向規制力を付与することを、効率良く行うことができ、生産性を向上させることができるからである。
また、紫外光ランプ52からの光を効率良く偏光子に照射するために、光配向装置50は、紫外光ランプ52の背面側(偏光子ユニット51とは反対側)や側面側に紫外光を反射する反射鏡53を有していることが好ましい。
また、大面積の光配向膜55に対して効率良く配向規制力を付与するためには、図7に示すように、紫外光ランプ52に棒状のランプを用いて、ワーク56の移動方向(図7における矢印方向)に対して直行する方向に長い照射領域となる偏光光54が照射されるように、光配向装置50を構成することが好ましい。
この場合、偏光子ユニット51も大面積の光配向膜55に対して偏光光54を照射することに適した形態となるが、大面積の偏光子を製造することには困難性があるため、偏光子ユニット51内に、複数個の偏光子を配置することが、技術的にも経済的にも好ましい。
また、本発明に係る光配向装置は、複数個の紫外光ランプを備える構成であっても良い。
図8は、本発明に係る光配向装置の他の構成例を示す図である。
図8に示すように、光配向装置60は、2個の紫外光ランプ62を備えており、各紫外光ランプ62とワーク66の間には、それぞれ、本発明の偏光子が収められた偏光子ユニット61が備えられている。また、各紫外光ランプ62には、それぞれ反射鏡63が備えられている。
このように、紫外光ランプ62を複数個備えることにより、紫外光ランプ62を1個備える場合よりも、ワーク66の上に形成された光配向膜65に照射する偏光光64の照射量を増加させることができる。それゆえ、紫外光ランプ62を1個備える場合よりも、ワーク66の移動速度を大きくすることができ、その結果、生産性を向上させることができる。
なお、図8に示す例においては、ワーク66の移動方向(図8における矢印方向)に2個の紫外光ランプ62を並列配置した構成を示しているが、本発明はこれに限らず、例えば、ワーク66の移動方向に直行する方向に、複数個の紫外光ランプを配置した構成であっても良く、さらに、ワーク66の移動方向及びそれに直行する方向の両方向に、複数個の紫外光ランプを配置した構成であっても良い。
また、図8に示す例においては、1個の紫外光ランプ62に対して1個の偏光子ユニット61が配設された構成を示しているが、本発明はこれに限らず、例えば、複数個の紫外光ランプに対して、1個の偏光子ユニットが配設された構成であっても良い。この場合、1個の偏光子ユニットは、複数個の紫外光ランプの照射領域を包含できる大きさを有していれば良い。
図9は、本発明に係る光配向装置における偏光子の配置形態の一例を示す図である。なお、図9(a)〜(d)に示す偏光子の配置形態は、いずれも、平板状の偏光子10が光配向膜の膜面に対向して平面的に配列された形態を示している。
例えば、図7に示す光配向装置50において、ワーク56の移動方向に対して直交する方向に帯状の偏光光54を照射する場合は、偏光子ユニット51内には、図9(a)に示すように、ワーク56の移動方向(矢印方向)に対して直交する方向に、偏光子10を複数個配置することが効率的である。偏光子10の数を少なく抑えることができるからである。
一方、偏光子10の面積が小さい場合や、光配向装置が複数個の紫外光ランプを備える場合には、図9(b)に示すように、ワークの移動方向(矢印方向)に対して直交する方向に加えて、移動方向(矢印方向)に沿う方向にも、偏光子10を複数個配置することが好ましい。紫外光ランプからの光を無駄なく光配向膜に照射でき、生産性を向上させることができるからである。
ここで、本発明においては、図9(c)および図9(d)に示すように、複数個配置する偏光子が、ワークの移動方向(矢印方向)に沿って一列に揃わないように、隣り合う偏光子の位置を、ワークの移動方向に直交する方向(図中の上下方向)にシフトさせて配置することが好ましい。
より詳しくは、光配向膜の移動方向に直交する方向において隣り合う複数個の偏光子間の境界部を挟む遮光膜が、光配向膜の移動方向に直線的に繋がらないように、複数個の偏光子が配置されていることが、好ましい。
遮光膜4が形成された領域においては、偏光光が生じないため、この遮光膜4が光配向膜に与える弊害を抑制するためである。
ここで、図9(c)に示す配置形態は、配置される複数個の偏光子が、いずれも同じ形状、同じサイズを有し、左右方向において隣り合う偏光子の上下方向の位置が、偏光子の上下方向の大きさの1/2の大きさのステップで上下方向にシフトしている配置形態である。
また、図9(d)に示す配置形態は、配置される複数個の偏光子が、いずれも同じ形状、同じサイズを有し、左右方向において隣り合う偏光子の上下方向の位置が、偏光子の上下方向の大きさの1/2よりも小さいステップで上下方向にシフトしている配置形態である。
上記について、より詳しく説明する。
図9(c)に示す配置形態において、上下方向に隣接配置された偏光子10(10p)と偏光子10(10q)の境界部71は、左右方向に配置された偏光子10(10r)と偏光子10(10s)によって、左右方向に伸びていくことを阻まれている。
すなわち、図9(c)に示す配置形態においては、上下方向に隣接配置された偏光子間の境界部を挟む遮光膜が、左右方向に直線的に繋がっていくことを、阻止されている。
それゆえ、図9(c)に示す配置形態を採用して、光配向膜に偏光光を照射する場合、上記遮光膜に起因する弊害が光配向膜に連続的に及ぶことを抑制することができる。
同様に、図9(d)に示す配置形態においても、上下方向に隣接配置された偏光子間の境界部を挟む遮光膜が、左右方向に直線的に繋がっていくことが、阻止されている。
それゆえ、図9(d)に示す配置形態を採用して、光配向膜に偏光光を照射する場合、上記遮光膜に起因する弊害が光配向膜に連続的に及ぶことを抑制することができる。
なお、図9(c)に示す配置形態においては、偏光子の上下方向の大きさの1/2の大きさのステップで上下方向にシフトしているため、左右方向(ワークの移動方向)に対して、偏光子2個毎に境界部71の上下方向の位置が揃うことになる。
一方、図9(d)に示す配置形態においては、偏光子の上下方向の大きさの1/2よりも小さいステップで上下方向にシフトしているため、境界部72の上下方向の位置は、より揃い難くなる。
それゆえ、図9(d)に示す配置形態においては、上記遮光膜に起因する弊害が光配向膜に連続的に及ぶことを、より抑制することができる。
なお、図9(a)〜(d)に示す例においては、個々の偏光子は、その側面が互いに接するように配置されているが、本発明は、この形態に限定されず、隣り合う偏光子間の境界部が隙間を有している形態であっても良い。
また、隣り合う偏光子の端部を互いに重ねることにより、偏光子間の境界部に隙間が生じない形態としても良い。
図10は、本発明に係る光配向装置における偏光子の配置形態の他の例を示す図である。
本発明においては、図9(a)に示す配置形態に替えて、例えば、図3(c)に示した偏光子10cと図3(c)に示した偏光子10fを用いて、図10(a)に示すように、各偏光子において遮光膜が形成されていない辺同士の外縁部分を重ねるように配置しても良い。
このような配置形態であれば、図中上下方向の各偏光子間には遮光膜が無く、かつ、各偏光子間に隙間が生じないため、図中上方向から下方向に偏光子10f、10c、10fの順で配置した3枚の偏光子を、あたかも、図中上下方向に長い1枚の偏光子を備えた場合のように作用させることができる。
そして、各偏光子は、それぞれの遮光膜の部分を挟持する方法で光配向装置に配置することができる。それゆえ、細線が形成されている領域(偏光領域)を挟持することなく、各偏光子を光配向装置に固定することができ、挟持した部分から細線の破損を連鎖的に引き起こしてしまうという不具合や、破損した細線部分から異物が発生してしまうという不具合を生じさせないようにすることができる。
なお、図10(a)においては、煩雑となることを避けるため、偏光子10f、10c、10fの順で配置した3枚の偏光子の形態を例示したが、上記形態において、偏光子10cを2枚以上用いて、図中上下方向により長く配置しても良い。
また、同様に、図3(a)に示した偏光子10aと図3(e)に示した偏光子10eを用いて、図10(b)に示すように、各偏光子において遮光膜が形成されていない辺同士の外縁部分を重ねるように配置しても良い。この場合も、あたかも1枚の偏光子を備えた場合のように作用させることができる。
また、この場合も、各偏光子は、それぞれの遮光膜の部分を挟持する方法で光配向装置に配置することができる。それゆえ、細線が形成されている領域(偏光領域)を挟持することなく、偏光子を光配向装置に固定することができ、挟持した部分から細線の破損を連鎖的に引き起こしてしまうという不具合や、破損した細線部分から異物が発生してしまうという不具合を生じさせないようにすることができる。
なお、図10(b)においても、偏光子10aを図中上下方向に2枚以上用いて、図中上下方向により長い配置形態としても良い。
D.偏光子
次に、本発明の偏光子について説明する。
本発明の偏光子は、入射した紫外光の細線に平行な偏光方向の光を遮蔽し、上記細線に垂直な偏光方向の光を透過させる偏光子であって、上記紫外光に対して透過性を有する基板の上に、複数本の上記細線が並列に配置され、上記細線が配置された領域である細線領域の外側に、上記紫外光を遮光する遮光膜を有し、上記遮光膜の内縁側のエッジの形成方向が、上記細線の長手方向と平行または垂直であることを特徴とするものである。
このような本発明の偏光子としては、例えば、既に説明した図1に示すものとすることができる。
なお、図1は、偏光領域3が、細線2が配置された領域である細線領域と同一である場合を示すものである。
また、図1は、上記遮光膜4が、上記細線2が配置された領域である細線領域の外側に形成され、上記遮光膜4の内縁側のエッジが、上記細線の長手方向と平行または垂直であるものを示すものである。
本発明によれば、上記遮光膜が上記細線領域の外側に形成されていることにより、偏光子を光配向装置に配置するに際し、遮光膜が形成されている領域を挟持することができる。すなわち、偏光子においては、細線が配置されている領域である細線領域を挟持することなく、偏光子を光配向装置に固定することができ、それゆえ、挟持した部分から細線の破損を連鎖的に引き起こしてしまうという不具合や、破損した細線部分から異物が発生してしまうという不具合を解消することができる。
また、上記のように、細線が配置されている領域である細線領域の外周には、遮光膜が形成されているため、偏光子においては、細線領域の外側の領域から、入射光、特に入射光のS波成分が透過してしまうことを抑制でき、消光比が大きく低下してしまうという不具合を抑制することができる。
さらに、上記遮光膜の内縁側のエッジが上記細線の長手方向と平行または垂直であることにより、上記細線領域と遮光膜との間隔が少ないものとすることが容易であり、高い消光比を得ることができるからである。
本発明の偏光子は、基板、細線領域および遮光膜を有するものである。
1.基板
本発明における基板は、上記紫外光に対して透過性を有するものである。
本発明において、「紫外光に対して透過性を有する」とは、具体的には、波長が240nm以上380nm以下の光を透過することができることをいうものである。
このような基板を構成する材料および厚みとしては、上記「A.偏光子」の「1.透明基板」の項に記載の内容と同様とすることができる。
2.細線領域
本発明における細線領域は、細線が配置された領域である。
上記細線領域は、より具体的には、複数本の細線が並列に配置された領域をいうものである。
また、上記細線領域は、細線に平行な偏光方向の光を遮蔽し、前記細線に垂直な偏光方向の光を透過させ、直線偏光を生成するための主たる領域である。
本発明における細線は、上記基板の上に複数本が並列に配置されるものである。
このような細線を構成する材料、厚み、本数および長さ、ピッチ、デューティー比ならびに幅については上記「A.偏光子」の「2.細線」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記細線領域の細線の長手方向の外側に遮光膜が形成される場合、その細線の長手方向の末端と、遮光膜とは接続している形態であることが好ましい。
上記細線領域の細線の配列方向の外側に遮光膜が形成される場合、細線の配列方向における末端の細線と遮光膜との間隔は、細線同士の間隔と同じ大きさであることが好ましい。
より具体的には、図1(a)、(b)において、図中右側末端の細線2の左側のエッジと遮光膜4の内縁側のエッジとの間隔P2は、細線2同士の間隔P1と同じ大きさであることが好ましい。同様に、図1(a)、(b)において、図中左側末端の細線2の右側のエッジと遮光膜4の内縁側のエッジとの間隔は、細線2同士の間隔P1と同じ大きさであることが好ましい。
なお、上記細線の長手方向の末端と遮光膜とが接続している形態および末端の細線と遮光膜との間隔が細線同士の間隔であることによる効果等については、上記「A.偏光子」の「3.偏光領域」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
3.遮光膜
本発明における遮光膜は、上記紫外光を遮光するものである。
上記遮光膜は、上記細線が配置された領域である細線領域の外側に形成されるものである。
また、上記遮光膜は、上記遮光膜の内縁側のエッジの形成方向が、上記細線の長手方向と平行または垂直であるものである。
上記遮光膜の平面形態は、上記細線が配置された領域である細線領域の外側に形成されるものであればよい。
このような平面形態は、具体的には、上記「A.偏光子」の「4.遮光膜」の項に記載の内容と同様とすることができる。
本発明においては、図3(h)のように遮光膜の外縁が、偏光子の外縁よりも内側に設けられており、遮光膜の外縁から偏光子の外縁までの領域にも細線が形成されている形態、すなわち、上記遮光膜の外側に、上記細線が配置された領域である第2細線領域が形成されている形態としても良い。上記細線領域、遮光膜および第2細線領域がこの順で形成されることにより、偏光子を複数枚平面状に並べて光配向装置に配置する際に、隣合わせになる偏光子の各遮光膜同士が接して遮光領域が広くなってしまうということを抑制できる。
なお、上記第2細線領域に含まれる細線の長手方向は、通常、上記細線領域に含まれる細線の長手方向と同一方向である。
また、複数枚の偏光子を光配向装置に配置する際には、遮光膜の平面形態の異なる各種の形態の偏光子を組み合わせて使用しても良い。
上記遮光膜の内縁側のエッジの形成方向は、上記細線の長手方向と平行または垂直であるものであればよい。
ここで、遮光膜の内縁側のエッジの形成方向が、上記細線の長手方向と平行または垂直であるとは、上記内縁側のエッジの形成方向が、上記細線の長手方向と平行な方向または垂直な方向であればよく、遮光膜が内縁側のエッジを複数有するものである場合には、細線の長手方向と平行な方向および垂直な方向の両者を含むものであっても良い。
既に説明した図1ならびに図3(e)、(f)、(g)および(h)は、遮光膜の内縁側のエッジの形成方向が、上記細線の長手方向と平行な方向および垂直な方向の両者を含む場合を示すものである。
図3(a)および(c)は、遮光膜のエッジの形成方向が、上記細線の長手方向と平行な方向のみである場合を示すものである。
図3(b)および(d)は、遮光膜のエッジの形成方向が、上記細線の長手方向と垂直な方向のみである場合を示すものである。
上記遮光膜の外側に第2細線領域が形成される場合、上記遮光膜の外縁側のエッジの形成方向は、上記第2細線領域に含まれる細線の長手方向と平行または垂直方向であることが好ましい。より高い消光比を得ることができるからである。
上記遮光膜には、文字、記号、または、アライメントマークが形成されていても良い。例えば、遮光膜に、文字、記号等を形成することで、型番等、偏光子に関する情報を付与することができる。また、上下左右や表裏等の向きの判別や、粗い位置合わせにも利用できる。
このような文字、記号、または、アライメントマークについては、具体的には、上記「A.偏光子」の「4.遮光膜」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記遮光膜の紫外光に対する遮光性および構成する材料は、上記「A.偏光子」の「4.遮光膜」の項に記載の内容と同様とすることができる。
4.偏光子
本発明の偏光子は、基板、細線領域および遮光膜を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであっても良い。
E.光配向装置
次に、本発明の光配向装置について説明する。
本発明の光配向装置は、偏光子が複数個備えられたものであって、上記偏光子は、複数本の細線が並列に配置され、上記細線が配置された領域である細線領域の外側に形成された遮光膜を有するものであり、複数個の上記偏光子は、隣接して配置された上記偏光子のそれぞれの上記細線領域間に上記遮光膜が含まれないように配置されていることを特徴とするものである。
このような本発明の光配向装置としては、例えば、既に説明した図7および図8に示すものとすることができる。
また、複数個の上記偏光子の配置、すなわち、隣接して配置された上記偏光子のそれぞれの上記細線領域間に上記遮光膜が含まれないような配置としては、具体的には、既に説明した図10(a)および(b)に示すものとすることができる。
本発明によれば、複数個の上記偏光子が、隣接して配置された上記偏光子のそれぞれの上記細線領域間に上記遮光膜が含まれないように配置されていることにより、各偏光子間には遮光膜が無いため、あたかも1枚の偏光子を備えた場合のように作用させることができる。
また、各偏光子は、それぞれの遮光膜の部分を挟持する方法で光配向装置に配置することができる。それゆえ、細線が形成されている領域である細線領域を挟持することなく、各偏光子を光配向装置に固定することができ、挟持した部分から細線の破損を連鎖的に引き起こしてしまうという不具合や、破損した細線部分から異物が発生してしまうという不具合を生じさせないようにすることができる。
本発明は、偏光子を少なくとも有するものである。
以下、本発明の偏光子の各構成について詳細に説明する。
1.偏光子
本発明における偏光子は、複数本の細線が並列に配置され、上記細線が配置された領域である細線領域の外側に形成された遮光膜を有するものである。
このような偏光子については、例えば、上記「D.偏光子」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
2.偏光子の配置
本発明における偏光子の配置は、複数個の上記偏光子が、隣接して配置された上記偏光子のそれぞれの上記細線領域間に上記遮光膜が含まれないものである。
このような偏光子の配置は、例えば、隣接して配置された偏光子がそれぞれの偏光子の遮光膜が形成されていない辺同士が隣接するような配置とすることができる。
より具体的には、既に説明した図10(a)および(b)に示す配置とすることができる。
上記偏光子の配置は、隣接する偏光子が、その側面が互いに接するように配置されているものであっても良いが、隣接する偏光子間の境界部が隙間を有している形態であっても良い。
上記偏光子の配置は、隣接する偏光子の端部を互いに重ねることにより、偏光子間の境界部に隙間が生じない形態としても良い。
上記偏光子の配置が、隣接して配置された偏光子がそれぞれの偏光子の遮光膜が形成されていない辺同士が隣接するように配置され、さらに、隣接する偏光子の端部を互いに重ねる配置、すなわち、各偏光子において遮光膜が形成されていない辺同士の外縁部分を重ねる配置については、例えば、上記「C.光配向装置」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記偏光子のワークの移動方向に対する配置については上記「C.光配向装置」の項に記載の内容と同様とすることができる。
本発明においては、隣接して配置された上記偏光子のそれぞれの上記細線領域間に上記遮光膜が含まれないように配置されている複数個の上記偏光子を、1枚の偏光子(以下、単に結合偏光子と称する場合がある。)とみた場合に、上記結合偏光子を複数個配置して用いるものであっても良い。
このような結合偏光子の配置形態については、上記「C.光配向装置」の項に記載の複数個の偏光子の配置形態と同様とすることができる。
3.光配向装置
本発明の光配向装置は、複数個の偏光子を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであっても良い。
このようなその他の構成としては、例えば、偏光子が納められる偏光子ユニット、紫外光ランプ、反射鏡、ワークを移動させる機構等を有するものであっても良い。
上記その他の構成は、上記「C.光配向装置」の項に記載の内容と同様とすることができる。
F.偏光子の装着方法
次に、本発明の偏光子の装着方法について説明する。
本発明の偏光子の装着方法は、複数個の偏光子を光配向装置に装着する方法であって、上記偏光子は、複数本の細線が並列に配置され、上記細線が配置された領域である細線領域の外側に形成された遮光膜を有するものであり、上記遮光膜に形成されたアラインメントマークにより、上記偏光子の位置合わせを行うと共に複数個の上記偏光子の偏光方向を調整する位置合わせ工程を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、遮光膜に形成されたアラインメントマークを用いることにより、細線の位置や角度の情報を、高精度に取得することができ、容易に所望の位置や角度に合わせることができる。
より具体的には、細線を形成する工程と遮光膜を形成する工程を同一工程にすることで、細線と遮光膜の相対位置精度を向上させることもできる。それゆえ、遮光膜にアライメントマークを形成することで、細線の位置や角度の情報を、アライメントマークから精度良く取得することができる。このようなことから、遮光膜に形成されたアラインメントマークを用いることにより、位置合わせ、および偏光子の偏光方向を決定する細線領域内の細線の長手方向の向きの確認を精度よく行うことが可能となるのである。
本発明の偏光子の装着方法は、位置合わせ工程を少なくとも有するものである。
以下、本発明の偏光子の装着方法の各工程について詳細に説明する。
1.位置合わせ工程
本発明における位置合わせ工程は、上記遮光膜に形成されたアラインメントマークにより、上記偏光子の位置合わせを行うと共に複数個の上記偏光子の偏光方向を調整する工程である。
なお、本工程に用いられる偏光子および遮光膜に形成されたアラインメントマークは、上記「A.偏光子」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本工程における偏光子の位置合わせを行うと共に複数個の上記偏光子の偏光方向を調整する方法としては、上記遮光膜に形成されたアラインメントマークを用いる方法であれば特に限定されるものではなく、アラインメントマークを用いた一般的な位置合わせ方法等を用いることができる。
上記方法は、例えば、光配向装置において複数個の偏光子を配置箇所に上記アラインメントマークに対応する配置側側アラインメントマークを形成し、偏光子のアラインメントマークを配置側アラインメントマークと平面視上重なるように配置する方法等を挙げることができる。
2.偏光子の装着方法
本発明の偏光子の装着方法は、上記位置合わせ工程を有するものであるが、必要に応じて、その他の工程を有するものであっても良い。
以上、本発明に係る偏光子、偏光子の製造方法、光配向装置および偏光子の装着方法についてそれぞれの実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
まず、下記のテスト基板を製造し、各波長における屈折率(n)と消衰係数(k)を測定し、所定の膜厚における光学濃度を算出した。
(遮光膜形成)
透明基板に厚み6.35mmの合成石英ガラスを準備し、モリブデンとシリコンとの混合ターゲット(Mo:Si=1:2mol%)を用いアルゴンガス雰囲気で反応性スパッタリング法により、膜厚60nmのモリブデンシリサイド膜を形成し、テスト基板を製造した。
なお、上記膜厚は、VEECO社製AFM装置DIMENSION−X3Dにより測定した。
(屈折率および消衰係数の測定)
テスト基板について、透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)により波長190nm〜380nmの紫外光に対する屈折率(n)および消衰係数(k)を測定した。結果を表1に示す。
(光学濃度)
表1に示す屈折率(n)および消衰係数(k)に基づいて、上記モリブデンシリサイド膜の膜厚が60nmおよび100nmの場合の光学濃度(OD)を算出した。結果を表2に示す。
(実施例1の評価)
表2に示すように、本発明に係る偏光子の遮光膜が、膜厚60nm以上のモリブデンシリサイド膜を有していれば、190nm以上380nm以下の波長の紫外光に対し、光学濃度2.8以上の遮光性を有することが確認できた。
また、遮光膜が、膜厚100nm以上のモリブデンシリサイド膜から構成されている場合は、190nm以上380nm以下の波長の紫外光に対し、光学濃度4.4以上の遮光性を有することが確認できた。
[実施例2]
次に、下記の偏光子を製造し、各波長におけるP波透過率およびS波透過率を測定し、消光比を算出した。
(偏光子の製造)
透明基板として、平面サイズが152mm×152mm、厚みが6.35mmの合成石英ガラスを準備し、モリブデンとシリコンとの混合ターゲット(Mo:Si=1:2mol%)を用いアルゴンガス雰囲気で反応性スパッタリング法により、膜厚100nmのモリブデンシリサイド膜を形成した。
次に、クロムターゲットを用いアルゴンガス雰囲気で反応性スパッタリング法により、上記のモリブデンシリサイド膜の上に膜厚5nmのクロム膜を形成した。
次に、上記のクロム膜の上に、ポジ型の電子線レジスト(日本ゼオン社製ZEP520)を塗布し、電子線描画を行って、細線パターンと遮光膜パターンを有するレジストパターンを形成した。
ここで、上記の細線パターンは、ピッチが100nmのラインアンドスペースパターンであって、上記ラインアンドスペースパターンの全体の平面サイズが90mm×100mmとした。言い換えれば、偏光子の偏光領域の平面サイズが90mm×100mmとなるようにした。なお、細線の長手方向の長さが90mmであり、細線と遮光膜が接続する形態となるようにした。
また、上記の遮光膜パターンは、内縁が上記偏光領域の外縁と一致するものであり、外縁が152mm×152mmの大きさとなるようにした。
なお、遮光膜パターンの内縁は、細線パターンを構成するラインアンドスペースパターンの方向に対して平行なエッジと垂直なエッジの両方を有するように形成し、さらに、上記のラインアンドスペースパターンのスペースパターンは、ラインアンドスペースパターンの方向に対して平行な遮光膜の内縁(エッジ)に到達するまで、均一の幅となるように形成した。
次に、上記のレジストパターンをエッチングマスクに用いて、まず、塩素と酸素の混合ガスを用いたドライエッチングにより、クロム膜をエッチング加工してクロム膜パターンを形成し、次いで、上記のクロム膜パターンから露出するモリブデンシリサイド膜を、SF6ガスを用いたドライエッチングにより加工し、その後、上記のレジストパターンおよびクロム膜パターンを除去して、細線が配置された偏光領域の外周に遮光膜が形成されている実施例2の偏光子を得た。
この実施例2の偏光子の細線の幅、厚み、およびピッチをVistec社製SEM測定装置LWM9000とVEECO社製AFM装置DIMENSION−X3Dにより測定したところ、それぞれ、36nm、100nm、および100nmであった。
(細線の構造評価)
実施例2の偏光子の細線および遮光膜について透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)により構造を評価した。
その結果、上記細線が、幅および厚みがそれぞれ31.8nmおよび95.8nmのモリブデンシリサイド膜と、上記モリブデンシリサイド膜の上面の膜厚および側面の膜厚がそれぞれ4.2nmおよび4.2nmnmの酸化ケイ素からなる酸化膜と、を有することが確認できた。
また、上記遮光膜が、厚み95.8nmのモリブデンシリサイド膜と、上記モリブデンシリサイド膜の上面の膜厚が4.2nmの酸化ケイ素からなる酸化膜と、を有することが確認できた。
(P波透過率およびS波透過率の測定)
実施例2の偏光子について透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)により波長200nm〜400nmの範囲内の紫外光のP波透過率(出射光中のP波成分/入射光中のP波成分)およびS波透過率(出射光中のS波成分/入射光中のS波成分)を測定し、消光比(P波透過率/S波透過率)を算出した。結果を表3および図11に示す。
表3および図11に示すように、波長240nm〜400nmの範囲において、実施例2の偏光子のP波透過率は64.3%以上であり、消光比は55.1以上であった。
なお、波長240nm〜260nmの範囲において、実施例2の偏光子のP波透過率は64.3%以上であり、消光比は55.1以上であった。また、波長355nm〜375nmの範囲において、実施例2の偏光子のP波透過率は77.1%以上であり、消光比は277.9以上であった。
(実施例2の評価)
表3および図11に示すように、実施例2の偏光子は、高いP波透過率を有し、消光比に優れたものであった。
また、上記の実施例1の結果から、膜厚60nm以上のモリブデンシリサイド膜を有していれば、190nm以上380nm以下の波長の紫外光に対し、光学濃度が2.8以上の遮光性を有することが確認できており、実施例2の偏光子の遮光膜は、少なくとも厚みが95.8nmのモリブデンシリサイド膜を有していることから、遮光性も十分高いものであると評価できる。
1 透明基板
2 細線
3 偏光領域
4 遮光膜
5 内縁
6 外縁
7 アライメントマーク
8 細線
10、20 偏光子
31 偏光材料層
31P 偏光材料パターン
32 ハードマスク材料層
32P ハードマスクパターン
33 レジスト層
34 レジストパターン
34a 細線パターン
34b 遮光膜パターン
50、60 光配向装置
51、61 偏光子ユニット
52、62 紫外光ランプ
53、63 反射鏡
54、64 偏光光
55、65 光配向膜
56、66 ワーク
71、72 境界部
110、120 偏光子
112、122 細線
121 ガラス基板

Claims (17)

  1. 紫外光に対して透過性を有する透明基板の上に、複数本の細線が並列に配置された偏光子であって、
    前記細線が配置された偏光領域の外側に、前記紫外光を遮光する遮光膜が形成されていることを特徴とする偏光子。
  2. 前記偏光領域の外縁を構成する一の辺に沿って、前記遮光膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の偏光子。
  3. 前記偏光領域の外周に、前記遮光膜が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偏光子。
  4. 前記遮光膜に、文字、記号、または、アライメントマークが形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の偏光子。
  5. 前記文字、前記記号、または、前記アライメントマークが、複数本の細線が並列に配置された構成を有することを特徴とする請求項4に記載の偏光子。
  6. 前記文字、前記記号、または、前記アライメントマークにおける前記紫外光に対するS波透過率の値が、前記偏光領域における前記紫外光に対するS波透過率と同じ値、若しくは、前記偏光領域における前記紫外光に対するS波透過率よりも小さい値であることを特徴とする請求項5に記載の偏光子。
  7. 前記遮光膜に、前記細線が接続していることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の偏光子。
  8. 前記遮光膜を構成する材料が、前記細線を構成する材料を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の偏光子。
  9. 前記遮光膜を構成する材料が、モリブデンシリサイドを含有する材料から構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の偏光子。
  10. 紫外光に対して透過性を有する透明基板の上に、複数本の細線および前記紫外光を遮光する遮光膜を有する偏光子の製造方法であって、
    前記透明基板の上に第1の材料層を形成した積層体を準備する工程と、
    前記第1の材料層の上にレジスト層を形成する工程と、
    前記レジスト層を加工して、細線パターンと遮光膜パターンを有するレジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンをエッチングマスクに用いて前記第1の材料層をエッチング加工する工程と、
    を備えることを特徴とする偏光子の製造方法。
  11. 前記レジスト層が、ポジ型の電子線レジストから構成されており、
    前記細線パターンと前記遮光膜パターンを有するレジストパターンを形成する工程が、前記細線パターンを構成するラインアンドスペースパターンのスペースパターン部となる位置のレジスト層に電子線を照射する工程を含むことを特徴とする請求項10に記載の偏光子の製造方法。
  12. 紫外光を偏光して光配向膜に照射する光配向装置であって、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の偏光子を備え、
    前記偏光子の前記偏光領域を透過する光を、前記光配向膜に照射することを特徴とする光配向装置。
  13. 前記光配向膜を移動させる機構が備えられており、
    前記偏光子が前記光配向膜の移動方向および前記光配向膜の移動方向に直交する方向の両方向に複数個備えられており、
    前記光配向膜の移動方向に直交する方向において隣り合う前記複数個の偏光子間の境界部が、前記光配向膜の移動方向に連続的に繋がらないように、前記複数個の偏光子が配置されていることを特徴とする請求項12に記載の光配向装置。
  14. 入射した紫外光の細線に平行な偏光方向の光を遮蔽し、前記細線に垂直な偏光方向の光を透過させる偏光子であって、
    前記紫外光に対して透過性を有する基板の上に、複数本の前記細線が並列に配置され、
    前記細線が配置された領域である細線領域の外側に、前記紫外光を遮光する遮光膜を有し、
    前記遮光膜の内縁側のエッジの形成方向が、前記細線の長手方向と平行または垂直であることを特徴とする偏光子。
  15. 前記遮光膜の外側に、前記細線が配置された領域である第2細線領域が形成されていることを特徴とする請求項14に記載の偏光子。
  16. 偏光子が複数個備えられた光配向装置であって、
    前記偏光子は、複数本の細線が並列に配置され、前記細線が配置された領域である細線領域の外側に形成された遮光膜を有するものであり、
    複数個の前記偏光子は、隣接して配置された前記偏光子のそれぞれの前記細線領域間に前記遮光膜が含まれないように配置されていることを特徴とする光配向装置。
  17. 複数個の偏光子を光配向装置に装着する偏光子の装着方法であって、
    前記偏光子は、複数本の細線が並列に配置され、前記細線が配置された領域である細線領域の外側に形成された遮光膜を有するものであり、
    前記遮光膜に形成されたアラインメントマークにより、前記偏光子の位置合わせを行うと共に複数個の前記偏光子の偏光方向を調整する位置合わせ工程を有することを特徴とする偏光子の装着方法。
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