JP2006293330A - フォトマスク、位相シフトマスク、露光装置 - Google Patents

フォトマスク、位相シフトマスク、露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】偏光位相シフトマスクの2つの偏光変調領域の境界において部分的に発生する透過光が低下する問題点について解決する。
【解決手段】露光パターンを照射する露光装置に使用されるフォトマスクであって、互いに干渉しない偏光成分を生成しかつ相互に接する少なくとも二つの偏光変調領域(131、132)を有し、位相差が180度となるように位相を付与しかつ相互に接する少なくとも二つの位相変調領域(133、134)を有し、透過率を低下させる振幅変調領域(143)を有し、前記偏光変調領域の接線と前記位相変調領域の接線が対応する位置にあり、かつ前記振幅変調領域は前記共通する接線の両側に所定の距離だけ離れた部分に設けられている。
【選択図】 図6

Description

本発明は、投影露光法に使用するフォトマスクに関するものであり、特に、半導体素子または液晶表示装置等の微細な構造を有する素子の製造において使用される位相シフトマスクに関する。
半導体素子製造工程および液晶表示装置製造工程等においては、一般的に、フォトリソグラフィ技術が用いられている。フォトリソグラフィ技術においては、半導体素子や液晶表示装置の形成される基板やこれら基板上に成膜された薄膜上にフォトレジストを塗布し、このフォトレジストを選択露光することにより微細加工用のマスク、例えばエッチング用マスクを作成する。そしてこのエッチング用マスクを用いて、基板または基板上の薄膜に対し選択エッチング処理等が施される。
前記したフォトレジストに選択露光を行うために、露光用のフォトマスクが用いられる。従来の露光用フォトマスクは、例えば透明基板上に遮光パターンを形成して透過光の光強度を振幅変調するものである。一般的には、透明基板上にクロム等の金属薄膜からなる遮光パターンが形成された構造を有する。フォトマスクを透過照明し、投影光学系によって遮光パターンの像を基板上に結像することにより、所望の回路パターンを基板上に転写する。
さらに微細化された投影像のコントラストを高めるために、透明部の特定の箇所に透過光の位相を変化させる位相シフト部を設けた種々の位相シフトマスクが用いられるようになった。位相シフトマスクの1例として、渋谷レベンソン(Levenson)型位相シフトマスクがある。上記位相シフトマスクには、微細な投影パターン部分を形成するための透過領域に、相互に180°の位相差が生じるような位相シフタ領域が設けられている。そして、光源からの光(これは一般的には種々の偏光状態を含む無偏光の光である)が、前記マスクに照射されたとき、両位相シフタ領域を透過するそれぞれの光が重なりあう部分には明確な暗部が形成される。その理由は、それらの同一偏光成分が互いに逆位相で干渉するためである。
その結果、前記両位相シフタ領域に挟まれる遮光領域、又は両位相シフタ領域の境界を示す投影パターン部分が、明瞭に形成される。このことから、前記微細な投影パターン像の解像度を高めたり、焦点深度を深くしたりすることができる。
以上記載したように、半導体素子製造工程や液晶表示装置製造工程等の微細加工分野において、レジストの露光に使用されるフォトマスクは、上述の振幅分布を生成する振幅変調型のフォトマスクや、さらに位相分布をも生成する位相シフトマスクが使用されている。
より微細化されたパターン形成のため、最近上記機能に加えて、照射光を偏光させる機能を有する「偏光位相シフトマスク」が提案されている。偏光位相シフトマスクにおいては異なる偏光状態を生成する領域が所定の分布で形成される。
この偏光位相シフトマスク採用の目的は、従来の位相シフトマスク(ここでは渋谷レベンソンマスクもしくはalternating Phase Shift Maskに限定する)における解決課題である、「フェーズコンフリクト」と呼ばれる問題を解決するためである。フェーズコンフリクトについて述べたものとして、Ruoping Wang et al., Polarized Phase Shift Mask: Concept, Design, and Potential Advantages to Photolithography Process and Physical Design, Proceedings of SPIE Vol.4562, 406-417(2002)、そして日本国で公開特許公報として発行された特開2002-116528、および特開平5-11434のような公知文献がある。フェーズコンフリクトの概要について以下で説明する。
図1に位相シフトマスク(渋谷レベンソンマスク)100の一例を示す。図1は二つの孤立する線状のパターン103、104に位相シフト機能を適用しようとした場合の露光パターンを示す図である。黒い部分(黒く塗りつぶした部分)は露光されない未露光部となる遮光部101である。位相シフトマスク(渋谷レベンソンマスク)を用いる場合、微細化の目的である細線である遮光部101の両側の位相差を180°にする必要がある。
しかし図1の構成では、遮光部101以外の所にも180°の位相差を有する境界102ができる。この境界102の部分は干渉により光強度が0となるので未露光となる。このため、露光部が除去されるポジ型レジストを使用した場合は、レジストが残ってしまうという問題がある。またネガ型レジストを使用する場合は逆にレジストが除去されてしまうという問題がある。(以下の説明ではポジ型レジストを用いる場合について行う。)
かかる問題点を解決するため、図2に示すような所謂「偏光位相シフトマスク」110が開発された。偏光位相シフトマスクとは、図1に示すような従来の位相シフトマスク100に、フェーズコンフリクトの問題を解決するため偏光マスクの機能を付加したものである。
図2において、矢印111、112はマスク上に設ける直線偏光器の向き、すなわちマスク透過後の直線偏光の向きを示す。異なる偏光方向の光束間では光は干渉しないので、その境界113に例え位相差があっても、透過光の光強度は0とならず、レジストが残るという問題がなくなる。(ただし、「発明が解決しようとする課題」で示すように、完全な解決ではない。)
以上の機能を実現するため、偏光位相シフトマスクの形成においては、偏光機能を有する構造をフォトマスク上に形成するための微細パターニング処理が必須である。偏光機能の形成を可能とする具体的な方法として、例えば導電体格子を設ける方法が、特開平9-120154、特開平7-36174、および特開平7-176476に記載されている。
図3A〜図3Cに、偏光機能を構成させるために、例えばクロムからなる導電体格子121を有するマスク120を示す。導電体格子121とは、通常グリッド偏光子とも呼ばれるものである。導電体格子121は、例えば図3Aに示すように、格子のピッチが露光波長よりも小さな複数の導電体122により形成された格子である。
図3Aに示す導電体格子121は、図3Bに示すように電界が格子に垂直な光123は透過124し、図3Cに示すように電界が格子に平行な光125を反射126するという特徴を有する。従って、導電体格子121は直線偏光器として使用することができる。この導電体格子121により上記偏光マスクの機能を実現することが可能である。
この導電体格子121は、微細化処理の可能な半導体製造工程等で使用される通常のリソグラフィの方法により作製可能である。具体的には、例えば石英基板127上にクロム薄膜をスパッタ成膜したのち、レジスト塗布・パターニング・エッチングにより作製することが出来る。
また、偏光変調素子としては、上記グリッド偏光子以外にも、直線偏光器の機能を実現するものとしてフォトニック結晶が知られている。また偏光変調素子として複屈折効果を有する材料を使用することもできる。複屈折効果を実現するものとして、構造複屈折素子やフォトニック結晶が知られている。
特開2002−116528 特開平5−11434 特開平9−120154 特開平7−36174 特開平7−176476 Ruoping Wang et al., Polarized Phase Shift Mask: Concept, Design, and Potential Advantages to Photolithography Process and Physical Design, Proceedings of SPIE Vol.4562, 406-417(2002)
次に、フォトマスクとして図2に示すような偏光位相シフトマスクを使用する場合の課題を説明する。従来技術の説明において、偏光位相シフトマスクの効果として、「異なる偏光方向の光束間では干渉しないので、その境界113に例え位相差があっても、光強度は0とならず、レジストが残るという問題がなくなる。」と説明した。しかしながらこの効果は完全なものではないことがわかった。
図4に、偏光位相シフトマスク130の断面図(a)と、偏光位相シフトマスクによるフェーズコンフリクトを解消したい部分における透過光の光強度分布の計算結果(b)とを示す。図4の偏光位相シフトマスク130は、透明基板137上に、二つの偏光変調領域131、132が形成され、その上に二つの位相変調領域133、134が形成されている。光学系の条件は波長365nm、NA(開口数)0.25、σ(コヒーレンスファクタ)0.4を用いた。以下に示す計算結果はすべてこの条件でのものである。
本発明者は、図4(a)に示された偏光位相シフトマスク130について透過光の分析をした。その結果透過光の光強度分布は、理想とする平坦な特性ではなく、図4(b)に示すような特性を有することが判った。
図4(b)の曲線Aは、領域A(位相0°)を透過した光による光強度、曲線Bは領域B(位相180°)を透過した光による光強度を示す。マスク130を透過した実際の光強度分布は両者の和であり、図4(b)の曲線Cで示す。以降の説明を含めこれらの光強度は、マスクの背景部分(即ち、光が普通に透過する部分)における光強度を1に規格した値で示す。
図4(b)に示す計算結果によると、領域Aと領域Bの境界135における光強度は0.5となる。偏光変調領域131、132を設けない場合の位相シフタのみに基づく理論上の光強度0と比べれば増加しているものの、完全に1とはならない(この光強度が最低の部分136をディップ部、およびこの部分の光強度をディップ強度と呼ぶ)。かかるデイップ部が形成されるため、露光量が低下するとディップ部に対応する位置で露光量がレジストの閾値以下となる場合がある。かかる場合、露光不足によりレジストが残ってしまう場合が生ずる。すなわち、ディップ強度が1の場合と比べ、所望のパターンの形成を可能とする「露光量許容度」が狭くなる。
以下、露光量許容度の一例を簡単に計算する。以降(露光量)=(背景部分の強度)×(露光時間)で定義する。また適正露光量を1に規格化し、そのときのレジストの閾値(溶解/非溶解の境)を0.4とする。図4に示す条件では、露光量が適正値1から0.8(=0.4/0.5)以下に下がっただけで、境界135における露光量が閾値0.4以下となる。このため、ディップ部分136においてレジストが除去されず残ってしまう。このようなディップ部136の発生がなければ、露光量0.4までこのようジストが残る問題は発生しない。すなわち、露光許容度は1/3(=(1−0.8)/(1−0.4))に狭くなったこととなる。
また、上記の計算では、偏光変調層131、132と位相変調層133、134が完全に同一面にあるとした。しかし実際には積層構造として作製する図4(a)の構造が一般的である。かかる場合、層間に発生するフレネル回折の効果によりディップ強度はさらに低下してしまう。そのため露光量許容度はさらに低下することになる。
図5は、偏光変調層131、132と位相変調層133、134との間に空気中換算で0.2μm(屈折率1.5の物質では0.3μm)のギャップがある場合である。図5はかかるギャップがある場合の透過光の光強度についての計算結果を示すものである。ディップ部136の光強度は0.3まで低下してしまい、露光量許容度はさらに狭くなる。
以上、図4および図5で示したような、フェーズコンフリクト部分について生ずる問題点について説明した。かかるディップ部は位相段差部の有無にはかかわらず、2つの偏光変調領域の境界において必然的に発生するものである。
本発明は、上記問題点に対処してなされたものである。振幅変調領域を設けることにより背景部分における光透過度を低下させ、結果としてディップ強度を1に近づけ、露光量許容度を広げたフォトマスクを得ることを目的とする。
本発明の一態様に係わるフォトマスクは、露光パターンを照射する露光装置に使用されるフォトマスクであって、互いに干渉しない偏光成分を生成し、かつ相互に接する少なくとも二つの偏光変調領域と、位相差が180度となるように位相を付与し、かつ相互に接する少なくとも二つの位相変調領域と、そして透過率を低下させる振幅変調領域とを有し、
二つの偏光変調領域が相互に接する接線と二つの位相変調領域が相互に接する接線とはそれぞれ対応する位置にあり、かつ振幅変調領域は該対応する位置の両側に、対応する位置から所定の距離だけ離れた領域に設けられていることを特徴とするフォトマスクである。
本発明の他の態様に係わるフォトマスクは、振幅変調領域における入射光に対する透過率が50%以下であることを特徴とするフォトマスクである。
本発明のさらに他の態様に係わるフォトマスクは、二つの偏光変調領域は、偏光変調領域の面内で互いに直交する軸を有する直線偏光器により形成されるフォトマスクである。
本発明のさらに他の態様に係わるフォトマスクは、二つの直線偏光器は、互いに直交する軸を有する導電体の格子からなる直線偏光器であるフォトマスクであり、または直線偏光器は、特定の偏光成分に対してのみフォトニックバンドギャップを有する構造からなるフォトマスクである。
二つの偏光変調領域は、互いに異なる複屈折機能を有する素子により形成されるフォトマスクであり、さらに複屈折機能を有する素子は、光の電気ベクトルの振動面が直交する2つの偏光成分の間の位相差が略90°となるものであるフォトマスクである。
さらに複屈折機能を有する素子は、光の電気ベクトルの振動面が直交する2つの偏光成分の間の位相差が略180°となるフォトマスクである。
また、二つの偏光変調領域は、直線偏光を入射したときの出力光が互いに干渉しない偏光となるフォトマスクである。また二つの偏光変調領域は、円偏光を入射したときの出力光が互いに干渉しない偏光となるフォトマスクである。
本発明のさらに他の態様に係わるフォトマスクは、露光パターンを照射する露光装置に使用されるフォトマスクであって、互いに干渉しない偏光成分を生成しかつ相互に接する、少なくとも二つの偏光変調領域と、照射光に対して透過率を低下させるための振幅変調領域とを有し、振幅変調領域は、二つの偏光変調領域が相互に接する接線の両側に、所定の距離だけ離れた部分に設けられているフォトマスクである。
本発明のさらに他の態様に係わるフォトマスクは、入射光に対して複数の変調機能を有するフォトマスクであって、入射光に対して同一光路上に設けられた偏光変調領域の境界および位相変調領域の境界と、位相変調領域の境界および偏光変調領域の境界の光路上での入射光に対する透過率が大きく、位相変調領域の境界および偏光変調領域の境界の光路上から所定距離だけ離れた他の入射光に対して透過率が小さい透過率分布を生成する振幅変調手段とを具備するフォトマスクである。
本発明のさらに他の態様に係わるフォトマスクは、露光パターンを照射する露光装置に使用され、相互に接する少なくとも二つの偏光変調領域を有する位相シフトマスクであって、位相シフトマスクの所定の領域に、照射光に対する透過率を低下させるための振幅変調領域を設けた位相シフトマスクである。
本発明の一態様に係わる露光装置は、露光用の光を発する光源と、この光源からの光路に設けられたフォトマスクと、このフォトマスクの透過光路に設けられた投影光学系とを有する露光装置であって、上記フォトマスクは光源からの光に対して同一光軸上に設けられた偏光変調領域の境界および位相変調領域の境界と、位相変調領域の境界および偏光変調領域の境界の光路上での入射光に対する透過率が大きく、位相変調領域の境界および偏光変調領域の境界の光路上から所定距離だけ離れた位置に設けられた他の入射光に対して透過率が小さい透過率分布を生成する振幅変調手段とを具える露光装置である。
さらに、位相変調領域の境界および偏光変調領域の境界の光路上から所定距離は、0.61λ/NAないし2.44λ/NAである露光装置である。なお、λは、光源からの光の波長であり、NAは、投影光学系の開口数である。
本発明によれば、露光量許容度の広いフォトマスクを提供できる。
発明者らは、フォトマスク内に透過光の光強度を部分的に変調する振幅変調パターンを形成することにより、フォトマスク内において光強度分布を変化させることができることに着目した。この効果を利用することにより、ディップ強度を1に近づけることが可能となる。
図6に、本発明によるフォトマスク140の基本的構成の一例を示す。透明なマスク基板138の表面に、互いに光に対する変調方向の異なる少なくとも2種類の偏光変調層131、132が形成されている。その上部に、位相シフト部を形成するため、照射光の波長に対して位相が180°分厚さの異なる少なくとも2種類の位相変調層133、134が形成される。このため、位相変調層133、134の境界に位相段差部141が形成される。2種類の偏光変調層131、132の境界部分145と、2つの位相変調層133、134の境界に形成された位相段差部141とのマスクパターン上の位置は一致している。
そして、図6に示す構成においては、位相段差部141の近傍142を除く部分、望ましくは近傍142を除く全領域に、透過光の光強度を低下させるための振幅変調機能を有する振幅変調領域143が設けられる。即ち、振幅変調領域は、位相段差部141(および境界部分145)の両側に、位相段差部141から所定の距離だけ離れた領域に設けられる。この振幅変調領域143が除かれる部分の幅wは、図4(b)の曲線Aおよび曲線Bの波形および必要とする露光量許容度に基づいて選択される。位相変調領域の境界および偏光変調領域の境界の光路上から距離は、0.61λ/NAないし2.44λ/NAが望ましい。通常はλ/NA 程度となる。(λは、照明光の波長であり、NAは投影光学系の開口数である。)
かかる構造により、ディップ強度をそのままの値に保った状態で、境界部分即ち位相段差部141以外の部分の透過光強度(すなわち背景強度)を所定の値だけ低下させることができる。かかる低下により、相対的にディップ強度を高くすることができる。ディップ部136の両側に山形144の強度分布ができるが、この位置には通常形成すべきパターンはないので露光処理上は問題とならない。
例えば、偏光変調層131、132と位相変調層133、134との間に間隔を有しない理想的な構造の場合は、ディップ強度は0.5である。このため、この値に合わせて振幅変調の値を50%にすれば、新たなディップ強度が1となるので望ましい。ただし、前述したように、実際には偏光変調層131、132と位相変調層133、134の間の間隔に応じてディップ強度が低下する。このため、この低下に応じて振幅変調の値を50%以下、具体的にはディップ強度の値まで低下させることが望ましい。(例えば図5に示した例では、ディップ強度が0.3であるため振幅変調を30%にすることが望ましい。)
また、図6のマスク部分においては、位相段差部141(位相変調シフト部)を有する位相変調層133、134が形成されている。しかし、場所によっては偏光変調領域131、132の境界部分(偏光変調シフト部)は存在しても位相段差部141は有しない位置がある。かかる位相段差の無いマスク部分においても偏光変調領域131、132の境界部分145にこの構造、即ち振幅変調領域143を設けることが望ましい。
偏光変調領域とは、入射光の偏光状態を変化させる領域である。振幅変調領域とは、入射光の光強度を減少させる領域である。位相変調領域とは、入射光の位相を変化させる領域である。
これらの結果からフォトマスクは、前記入射光に対して同一光路上に設けられた偏光変調シフト部および位相変調シフト部と、前記位相変調シフト部および偏光変調シフト部の光路上での前記入射光に対する透過率が大きく、前記位相変調シフト部および前記偏光変調シフト部の光路上から所定距離だけ離れた他の前記入射光に対して透過率が小さい振幅変調手段とを有するマスクである。このフォトマスクは、入射光に対して偏光変調シフト部および位相変調シフト部と振幅変調手段とを有すればよい。
[実施例1]
偏光変調素子としてフォトニック結晶を用いて本発明のフォトマスクを形成した実施例について図7および図8A〜図8Eを用いて説明する。
(1)フォトニック結晶の作製
フォトニック結晶の作製方法は複数提案されている。例えば、E. Yablonovitch, T. J.Gmitter and K. M. Leung: Phys. Rev. Lett. 67 (1991) 2295に記載されているような誘電体ブロックの表面にドリル等を用いて穿孔を形成する方法、例えば、E. Ozbay, E. Michle, G. Tuttle, R. Biswas, M. Sigalas and K.-M. Ho: Appl. Phys. Lett. 64 (1994) 2059に記載されているようにケミカルエッチィングを用いて多数の誘電体ロッドを形成しこれらのロッドを積層する方法、例えば、S. Kawakami, T. Kawashima and T. Sato : Phys. Lett. 74 (1999) 463. に記載されているような基板に形成した凹凸の表面パターンを保ったまま多層の堆積を行う自己クローニング法、例えば、H.-B. Sun, S. Matsuo and H. Misawa: Opt. Rev. 6 (1999)396.に記載されているような多光子吸収を用いる方法、または誘電体中に周期構造を描きこれを固定化してフォトニック結晶を形成するホログラフィ技術を用いる方法などがある。実施例1は自己クローニング法を用いて偏光変調領域を形成する。自己クローニングによる作製法では複数のV字形状薄層を順次積層することによりフォトニック結晶を実現している。自己クローニング法は、表面に凹凸部の形成された透明基板を作製し、その上に2種類の薄膜を多数交互にスパッタすることにより周期構造を生成する方法である。
図7に自己クローニング法により作成されたフォトニック結晶の例を示す。リソグラフ・エッチング工程によりマスク基板である合成石英に凹凸の形状を形成する。そして、ターゲット材料としてSiおよびTaを用いたバイアススパッタ法に成膜を行なう。この場合、スパッタガスとしてはArを、反応性ガスとしては酸素を導入し、反応性スパッタ法にて凹凸面上にSiO、Taを交互に積層する。このようにして図7に示すようなV字形の多層構造を有するフォトニック結晶を形成する。
この方法によれば、フォトニック結晶の作成に、既存のリソグラフィ技術や成膜技術が応用できる。また特殊な材料を用いる必要がないため作製容易である。また、最初の凹凸基板をパターニングすることにより、偏光機能もパターニングできる。この方法により直線偏光機能を実現する方法が“川上・大寺・川嶋、「フォトニック結晶の作製と光デバイスへの応用」、応用物理 第68巻第12号(1999)”に述べられている。
偏光変調素子としてフォトニック結晶を用いて本発明のフォトマスクを形成した実施例を以下説明する。先ず図8Aの(a-1)に示すように、透明基板151、例えば石英基板またはガラス基板、の表面に偏光変調層として作用するフォトニクス結晶領域152を作成する。(a-1)は平面図であり、図8A(a-2)はそのX−X‘部における断面図である。このため、フォトニクス結晶層152の拡大図である図8Aの(a―3)に示すような凹凸部153を、フォトリソグラフィ技術を使って透明基板151の表面に形成する。この事例においては凹凸部153のピッチ(横方向の繰返し幅)を130nm、深さを65nmとする。
この凹凸部の上部に、例えばスパッタ法等の成膜法を用いてSiO層154とTa層155をそれぞれ10層づつ、それぞれの膜厚55nmで交互に成膜する。図8Aの(a−2)の部分拡大図(a―3)はこの凹凸部および成膜部を拡大して示す。この成膜工程においては、透明基板151に対し特に高周波電力を印加したRFバイアス・スパッタリングを用いることにより、各成膜層154、155がV字型の凹凸形状156を得られるようにすることができる。
図8Aの(a−1)において、横線157と縦線158はV字構造の延在する方向を模式的に示したものである。図8Aの(a−1)は照射光に対する変調の方向即ち偏光の軸が90°異なる2種類の領域、即ち偏光変調領域、を形成するようにパターニングがされたことを示している。
(2)位相シフト層の作製
続いて、この偏光変調領域を形成するフォトニクス結晶領域152の上部に位相シフト層を形成するため、例えばSiO層159をPE−CVD法(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition Method)により例えば800nmの膜厚で成膜する。この成膜においては、フォトニック結晶152の表面のV字型の凹凸形状156がSiO層159の表面に現れないよう、表面が平坦化される成膜条件を選ぶのが良い。
SiO層の成幕の後、通常のレジスト塗布、パターニング、ドライエッチングを行なう。そして露光に使用される例えば波長365nmの光に対しては、SiO層において180°の位相差を与える397nmの段差160を形成する。このとき図8Bの(b−1)の横向きの位相シフト線161と、図8Aの(a−1)に示したフォトニック結晶上の2つの領域の境界162とを一致させるようにする。形成された位相シフト層のY−Y‘部の断面を図8Bの(b-2)に示す。
(3)遮光層の作製
続いて、マスクパターンを構成する遮光層を形成する。このため先ず遮光膜、例えばクロム薄膜を、照射光を完全に遮光可能な例えば800nmの厚さでスパッタ成膜する。そしてレジスト塗布、パターニング、ドライエッチング工程により、所定のマスクパターンを有するクロム遮光層163を形成する。作成した遮光層163を図8Cの(c−1)および(c−2)に示す。遮光層の材料としてはクロム以外にも例えば金、銀、アルミニウム等の金属材料を用いることができる。遮光層の形成されたマスク図8Cの(c−1)におけるZ−Z‘部の断面を図8Cの(c-2)に示す。
(4)振幅変調層の作製
次に遮光層が形成されたマスクに、振幅変調層を形成する。このため、例えばクロム薄層を6nmの厚さでスパッタ成膜する。この6nmの厚さは波長365nmの照射光の透過率を50%にする厚さである。さらにこの上にレジストを塗布し、パターニング、ドライエッチング等を含むリソグラフィ工程により、クロム振幅変調層164を形成する。エッチング工程のとき、振幅変調層のクロム164の直下には遮光層のクロム163がある。しかし、両者の厚みが大きく異なり、かつ遮光層163は厚みが多少異なっても透過率はほとんど変化しない(0%とみなしてもよい)ため、適度なエッチング条件を選べば問題とならない。作成したマスクの平面図を図8Dの(d−1)に示す。図8Dの(d−1)におけるW−W‘部の断面を図8Dの(d-2)に示す。
図8Eに、2つの偏光変調層の互いに直交する偏光の向き(矢印←→で示す)、および位相シフト層による位相差(角度0°および180°で示す)を示す。中央の境界部165は位相シフト層による位相差が生じる段差部であるが、その下部に互いに臨接する2つの偏光変調層が形成されているため、干渉は生じない。
(5)露光
このようにして作成した偏光位相シフトマスクを使用してランダム偏光照明によりレジストパターンを生成した例を図9Aおよび図9Bに示す。比較のため振幅変調層のないフォトマスク、即ち従来技術によるフォトマスクを使用して露光した例についても示す。
図9Aおよび図9Bにおいて、振幅変調層のない従来技術によるマスク171と、振幅変調層173を形成した本発明によるマスク172を使用した。かかるマスクを使用して露光し、パターニングしたレジストパターンを図9Aおよび図9Bの(a−1)、(b−1)、(a−2)、(b−2)を示す。
図9Aの(a−1)および図9Bの(b−1)に示すように、適正な露光量で露光した場合は、両者ともレジスト残りの現象は観測されなかった((a−1)、(b−1))。しかし露光量を最適値から減らしてゆき露光量を最適値の2/3とした場合、従来技術のフォトマスクではすぐにレジスト残り部分174が発生した((a−2))。他方、本発明による偏光位相シフトマスク172を使用した場合には、レジスト残り部分が発生することはなかった((b−2))。すなわち、大きな露光量許容度を有することが確認された。
[実施例2]
次に図10A〜図10Eにより偏光変調素子としてグリッド偏光子を用いた場合の実施例について説明する。
(1)偏光変調層(グリッド偏光子)の作製
図10Aの(a−2)に示すように先ず石英基板181の表面に格子パターンを形成するための金属薄膜、例えばクロム膜182を通常のスパッタ条件でスパッタ製膜する。金属材料はクロムに限定するものではない。続いて、微細加工において使用される通常の方法により、レジストを塗布し、パターニングし、クロム膜をドライエッチングすることにより、互いに直交するクロム薄膜によるグリッド格子183、184を作製する。
グリッド格子を形成するクロム膜182の厚みは50nmとする。格子パターンは、互いに直交する2つのグリッド格子183、184共、50nm/50nmのライン&スペースとする。格子パターンのピッチは使用波長の1/10〜1/5程度が適当である。図10Aの(a―1)に示す縞模様185、186は、2種類の格子の方向を模式的に示したものである。図10Aの(a―1)は方向軸の異なる2種類の領域にパターニングされた事例について示している。二つの位相変調領域および振幅変調領域を形成する以下の工程は実質的に実施例1と場合と同様である。
(2)位相シフト層の作製
続いて、グリッド格子183、184の上部に、SiO層187を例えばPE−CVD法(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition Method)により800nmの膜厚で成膜する。この成膜は、実施例1の場合と同様に、グリッド格子183、184の表面の凹凸形状がSiO層187の表面に現れないような条件を選ぶ。
その後、通常のリソグラフィ技術を用いて、SiO層表面にレジストを塗布し、パターニングし、そしてドライエッチングを行なうことにより、例えば波長365nmの光に対して180°の位相差を与える397nmの段差188を形成する。このとき図10Bの(b−1)に示す横向きの位相シフト線189と、図10Aの(a−1)に示すグリッド偏光子183,184の2つの領域の境界190を一致させる構成とする。グリッド偏光子183,184の上部に二つの位相変調領域を作成した構造を図10Bの(b−1)および(b−2)に示す。
(3)遮光層の作製
続いて、位相変調領域の上部に例えばクロム層を800nmの厚さでスパッタ成膜する。そしてこの上部に通常のリソグラフィ法によりレジストを塗布し、パターニングし、ドライエッチングすることにより、クロム遮光層191を形成すれる。作成した結果を図10Cの(c−1)および(c−2)に示す。
(4)振幅変調層の作製
続いて、振幅変調層を形成するため、例えばクロム薄層を6nmの厚さでスパッタ成膜する(透過率50%)。さらにこの上にレジストを塗布し、通常のパターニング、ドライエッチング工程により、クロム振幅変調層192を形成する。振幅変調層192のクロム薄膜の直下には遮光層のクロム遮光層191が形成されている。しかし、両者の厚みが大きく異なり、かつ遮光層191の厚みは多少後のエッチング工程において減少しても透過率はほとんど変化しない(0%とみなしてもよい)。このため、エッチング工程において適度なエッチング条件を選ぶことにより特に問題は発生しない。作成したマスクを図10Dの(d−1)および(d−2)に示す。
図10Eに示すように、2つの偏光変調層194、195を出射する直線偏光は直交しているので、位相シフトにより境界部193の位相差が180°であってもこの位相シフト線においては干渉は生じない。
(5)露光
このようにして作成した偏光位相シフトマスク180を用いて、ランダム偏光照明によりレジストパターンを生成した。このとき、振幅変調層のないフォトマスク、すなわち従来技術を使用したフォトマスクによるレジストパターンも生成して比較した。
その結果は、偏光変調素子としてフォトニック結晶を使用した実施例1と同様に、露光量が最適値から減少した場合であってもレジスト残り部分が発生することはないことがわかった。すなわち、大きな露光量許容度を有することが確認された。
[実施例3]
図11に本発明の実施に使用可能な、少なくとも二つの位相変調領域201、202、少なくとも二つの偏光変調領域203、204、そして遮光層206を有するそれぞれ異なる構成例A型〜D型を示す。振幅変調領域は図8Dの(d−1)、(d−2)と同様に形成されるが、記載を省略してある。図11(b)においては、マスクの偏光変調領域における透過直後の偏光の状態(即ち偏光の方向)を矢印(←→)で示す。A〜Dのいずれの型も、互いに直交する直線偏光を生成する。また、透過光の位相シフトの状態を0°および、180°の位相標記により示す。ここで位相0°は、その部分を位相の基準としたことを意味する。なお、断面図(A−B−C)の各部分は、図11(b)の表の上部に示した平面図(a)のA−B−Cの部分に対応する。これらA〜D型の構成は、偏光位相シフトマスクに要求される光の状態を全て含むものである。かかる配置を実現することで任意のパターンが形成可能となる。
図11(b)のA型は、位相シフト層を構成するためには、段差を有する二つの位相変調領域201、202が形成されている。偏光変調層を形成するためには、直線偏光器からなる二つの偏光変調領域203、204形成されている。そして、位相変調領域202の肩部205に、遮光層206が形成されている。振幅変調層の記載は省略してある。入射光としては、特に偏光されていない通常のランダムな光が使用される。
図11のB型は、位相シフト層207のうち180度の領域のみに層構造を設けるものである。二つの偏光変調領域203、204は図11のA型と同様に形成される。なお、遮光層208、位相シフト層207、直線偏光器203、204の積層の順序は変わっても良い。
図11(b)のC型は、位相変調層を特別に設けることなく、位相シフト部212を偏光変調材料210により形成したものである。C型は、二つの偏光変調領域209および210を含み、一方の偏光変調領域210に透過光に位相差を生じさせるため段差部212が形成されている。即ち、偏光変調領域を形成する直線偏光器210が位相シフトも実現するものである。そして偏光変調領域210の段差部212に形成された遮光層213を含む。振幅変調層は図8Dと同様な構成で形成されるが図示は省略した。
図11(b)のD型は、図11(b)のB型の直線偏光器203、204に代えて、偏光変調機能として2つの複屈折素子214、215を用いた例である。入射光としては所定の偏光が行われた偏光が使用される。図11(b)A型〜C型が入射したランダム光を直交する直線偏光に変換するのに対し、D型は特定の偏光を入射しこれを直交する直線偏光に変換する。この場合の偏光機能について図12により説明する。
図12に、偏光変調機能を有する層として複屈折素子221が形成されたマスクを示す。マスクの基板である透明な合成石英板20の上部に、例えば構造性複屈折素子またはフォトニック結晶からなる複屈折素子221を形成する。図12に示す複屈折素子221は、それぞれの方向軸が異なる2つの複屈折素子221a、221bからなる。これらの複屈折素子221a、221bにより、直交する偏光成分の光の間で、位相がλ/4異なる(λは波長)、すなわち90°の位相差が生じるように、2つの複屈折素子221aおよび221bは形成される。かかるマスクに対して、直線偏光または円偏光などの偏りを持つ偏光状態の偏光223(図の例では円偏光)を照明する。マスク透過後の偏光を互いに干渉しない偏光状態の偏光224、図の例では互いに直交する直線偏波224a,224b、に変換できる。224aは紙面に平行な直線偏波であり224Bは紙面に垂直な直線偏波である。すなわち、図11(b)のA型〜C型に示す直線偏光器203、204および209、210と同等の機能をもつ偏光マスクと同等の効果が、複屈折素子を用いて実現できることとなる。
図11のD型の複屈折素子を用いた構造を採用する場合は、左右の複屈折素子214,215および照明光223の偏光状態の組み合わせとして、例えば図13に示すような種々の実例が形成できる。
図13において、図12の第1の素子221aおよび第2の素子221b(即ち、図11のD型における複屈折素子214、215)からの2つの出射光は、いずれも互いに非干渉の状態となる。
図13に例示として1〜5の5種類の事例について示している。(i)は入射光の状態を示す。事例1、2、5は直線偏光が入射され、事例3、4においては円偏光が入射される。(ii)は第1の素子221aの結晶における進相軸の傾きを示す。例えば事例1では、第1の素子221aは所定の軸からλ/2、即ち22.5°、右方向に傾いて配置されている。(iii)は、第1の素子221aから出力される、直線偏光された出射光の傾き(事例1〜4)または円偏光の旋回の向き(事例5)を示す。(iv)は第2の素子221bの結晶における進相軸の傾きを示す。例えば事例1では、第2の素子221bは逆方向、即ち所定の軸から左方向に22.5°傾いて配置されている。事例2では第2の偏光素子は配置されておらず、入射された直線偏光はその向きのまま出射される。(v)は第2の素子221bから出力される直線偏光された出射光の傾き(事例1〜4)または円偏光の旋回の向き(事例5)を示す。
事例1〜4においては(iii)および(v)にそれぞれ示すように、第1の素子221aから出力される直線偏光と、第2の素子221bから出力される直線偏光とは、互いに直交するように変調される。事例5においては、対応する(iii)および(v)に示すように、第1の素子221aから出力される円偏光と第1の素子221bから出力される円偏光とは、互いに逆方向に旋回する。
図11においては、偏光マスクを実現する部材として、直線偏光器203、204、209、そして210、または複屈折素子214、215を用いている。複屈折素子はフォトニック結晶や以下実施例4で述べる構造複屈折素子を用いて実現できる。直線偏光器はグリッド偏光子や下記実施例5で述べるフォトニック結晶にて実現できる。
[実施例4]
偏光変調として構造性複屈折素子を用いた実施例
本発明にフォトマスクにおいては、例えば図4の偏光変調領域132のために、図14Aに示す構造性複屈折素子を使用することができる。
構造性複屈折素子とは、光の波長より十分小さな規則的な構造を人工的に形成することにより複屈折機能を持たせた複屈折素子をいう。かかる微細構造の形成には、大規模集積回路(LSI)で通常使用されている膜形成技術、リソグラフィ技術、エッチング技術等を使用することができる。構造性複屈折素子においては、光の電場の方向により実効誘電率が異なるため、複屈折が生じる。構造性複屈折素子の原理については、例えば“M・ボルン、E・ウォルフ、光学の原理III、「14.5.2 構造性複屈折」、東海大学出版会、1975、p1030”にて述べられている。
図14Aに構造性複屈折素子の構造例230を示す。図14Aに示すように平行平面板231上に互いに平行な複数の格子232が形成される。誘電率ε・デューティ比f1の誘電体233と、誘電率ε2・デューティ比f2の誘電体232が交互に並ぶ構造である。図14Aの例では誘電体233は便宜上空気としている。この部分については事例に示す空気に代え、誘電体232とは誘電率の異なる他の誘電体材料にて満たすことが可能である。
この素子に対して垂直に光を入射すると、光の電界方向により、例えば図14Bに示すように電界が格子に垂直な場合234と、図14Cに示すように電界が格子に平行な場合235とでは、実効的誘電率が異なる。
電界が格子に垂直な場合の誘電率は ε=ε1ε2/(f1ε2+f2ε1) 式1
電界が格子に平行な場合の誘電率は ε=f1ε1+f2ε2 式2
として計算できる。ここで
ε1が空気の場合は、 ε1=(n11/2=1.0
εが石英ガラスの場合は、 ε=(n1/2=(1.46)1/2
デューティを0.5とする。 即ち、 f=f=0.5
λ/4板の条件 λ/4=d(na−nb)=d(εa −εb
波長については例えば λ=365nm
として計算できる。
この2つの値が異なるため、複屈折機能が発生するのである。
このため、方向により実効誘電率が異なる複屈折素子を形成することができる。かかる構造性複屈折素子からなる偏光変調領域131、132の上部に位相差が180度となるように位相を付与しかつ相互に接する少なくとも二つの層133,134を有する位相変調領域と、そして透過率を低下させる振幅変調領域143とを形成することにより本発明のフォトマスクを形成することができる。
[実施例5]
偏光変調領域としてフォトニック結晶を用いた実施例
本発明のフォトマスクにおいて、偏光変調領域を形成するためには、以下に述べるフォトニック結晶を使用することができる。フォトニック結晶については、例えば“吉野・武田、「フォトニック結晶の基礎と応用」、コロナ社発行、2004年4月28日刊”に述べられている。
フォトニック結晶とは、光の波長程度の周期構造を有し、この構造に起因するブラック反射により、特定条件の光の存在が許されない状態、フォトニックバンドギャップ(PBG;photonic band gap)を生じる結晶を使用する素子である。この光の存在が許されない特定条件としては、周波数(波長)、偏光、進行方向がある。
フォトニック結晶は、フォトニックバンドギャップを生じる光の進行方向の次元に対応して、一次元、二次元、そして三次元フォトニック結晶に分類される。本発明で用いるフォトニック結晶は、基本的にマスクに入射する方向の光に対してのみフォトニックバンドギャップを示す一次元フォトニック結晶である。ただし、偏光方向により特性が異なる現象を利用するため、フォトニック結晶の構造自体は単純な積層構造とは異なっている。フォトニック結晶の原理を以下に説明する。
図15Aに、複数の誘電体円形ロッド241を有する二次元正方格子フォトニック結晶242の構造を模式的に示す。複数の円形ロッドは、例えば、波長とほぼ同じピッチで繰り返すように配置される。格子状配列に限定されるものではなく、例えば、三角形状に配置しても良い。
図15Bに、この二次元正方格子フォトニック結晶242において生ずるフォトニックバンド構造243を示す。横軸が波数k、縦軸が規格化周波数値ωa/2πcである。ただし、この例ではロッドの半径のピッチに対する比を0.2、ロッドの誘電率を11.9、ロッドの周囲(空気)の誘電率を1.0とした。
なお、Γ、X、Mは慣習的に用いられる記号であり、それぞれ正方格子の第1ブリルアンゾーン(Brillouin zone)の原点と頂点を表す。具体的にはΓ、X、Mはそれぞれ波数ベクトルka/2πが(0, 0)、(0.5、 0)、(0.5, 0.5)の状態を表す。図15Bの横軸は、本来2次元ベクトルである波数を直線上に展開して表している。
図15Bの縦軸の規格化周波数値および横軸の波数値は下記の値から求めることができる。
規格化周波数値=ωa/2πc 式3
波数(k)=ka/2π 式4
ここで、
ω:角周波数
a:格子のピッチ
c:真空中の光速
k:波数
である。
また、図15AおよびBにおいて、TEモードの光は電場が紙面に平行であり、TMモードは紙面に垂直であることを表す。
この誘電体円形ロッド241は、紙面に垂直な方向に伸びているが、この構造に対し、X軸方向に、即ち紙面の左方向から光を入射した場合を考える。この場合は、図15BのフォトニックバンドにおいてΓからXの部分のみ考えればよい。
入射光として縦軸の値ωa/2πc=0.35に相当する波長を選択する。真空中の波長をλとすると、λ=2πc/ωであるからこの式は、
a/λ=0.35
と変形され、例えば波長365nmを用いる場合、格子ピッチとしてa=128nm(=365×0.35)を選択することを意味する。
縦軸がこの値でのバンド構造を見ると、TEモードは存在するが、TMモードは存在しない。即ちTMモードではバンドギャップが生じ、この周波数はこのバンドギャップの中に位置する。このことは、TEモードの光はそのまま進行するが、TMモードの光は反射することを意味する。すなわちこのフォトニック結晶は直線偏光器として作用する。
また、入射光として縦軸の値ωa/2πc=0.2に相当する波長を選択する。この値は上記と同様に計算すると、格子ピッチとしてa=73nm(=365×0.2)を選択することを意味する。
縦軸がこの値における図15Bのバンド構造を見ると、TEモードもTMモードも存在するが、対応する横軸の値が異なる。すなわち、TEモードとTMモードで波数が異なるということである。このことは一定の厚さのフォトニック結晶を透過した後に位相差を生じることを意味する。すなわちこのフォトニック結晶は複屈折特性を有することを意味する。
なお、上記複屈折性を利用する場合はバンドギャップそのものを用いていないが、バンド構造が大きく変形するのはバンドギャップが存在するためであり、フォトニック結晶に特有の現象である。
ここでは、よく解析されているロッド形状の例について示したが、様々な形状がフォトニック結晶になることが分かっており、図15A、Bに示すようなフォトニックバンド構造の計算方法も確立されている。
かかるフォトニック結晶からなる偏光変調領域131,132の上部に、位相差が180度となるように位相を付与し、かつ相互に接する少なくとも二つの位相変調領域133、134と、そして透過率を低下させる振幅変調領域143とを形成することにより、本発明のフォトマスクを形成することができる。
上記実施形態では、マスク基板138上に偏光変調層131(132)、位相変調層133(134)、振幅変調領域143を積層した実施形態について説明したが、積層順位は、何れの順位でもよく、入射光に対して同一光路上で各機能を受ければよい。
[実施例6]
投影露光装置の実施例
図16は本発明に係るフォトマスクが適用された投影露光装置の一実施例の概略を示すものである。図16に示す投影露光装置は、半導体ウエハ等の基板306に照射光を与える光源301を有する。光源としては例えば超高圧水銀灯やKrF(248nm)やArF(193nm)等によるエキシマ・レーザを用いることができる。光源301からの光は、通常の照明光学系302を介することにより、一様な照度分布が達成される。なお、照明光学系302は例えば複数のコンデンサ・レンズ、インテグレータ、マスキングブレード等を使用して構成することができる。
照明光学系302に続いて本発明に係るフォトマスク303が配置される。フォトマスク303について先に実施例1〜4を例に詳細に説明した。フォトマスク303は、所定の構造および配置で透明基板上に形成された、遮光層からなるパターン、偏光変調領域、位相変調領域、および振幅変調手段を有する。フォトマスク303に入射した光は、この遮光パターン、偏光変調手段、位相変調手段、そして振幅変調手段によって定まる所定の光強度分布が与えられる。そしてこの光が投影光学系304に入射される。投影光学系304としては例えば通常の複数のレンズから成る光学系、ミラーから成る光学系、あるいは両者から成る光学系を使用することができる。
投影光学系304に入射された光は、ステージ305に保持された基板306に投影される。ステージ305の位置は例えば測長用のレーザ干渉計(図示せず)によりモニタされる。基版の位置は例えば基板に形成されたアライメントマークを基準顕微鏡(図示せず)で観察することにより検知される。ステージ305は、例えばステージコントローラ307の制御により、基板306を露光面に沿って任意に移動させることが可能である。これにより、フォトマスク303により提供される照射光を、基板306の任意の位置に投影可能となる。このためフォトマスク303の大きさまたは縮小比に依存して規定される所定のパターンを所定の間隔毎に照射することが可能となる。
本発明に係るフォトマスクは上に例示した露光装置以外の露光装置にも使用可能であることはいうまでもない。本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の種々な形で実施可能である。それ故、上記実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。本発明の真の精神および範囲内に属する変形や変更はすべて特許請求の範囲に含まれるものである。
従来の位相シフトマスク(渋谷レベンソンマスク)の一例を示す図である。 従来の偏光位相シフトマスクの一例を示す図である。 従来の偏光特性を有する導電体格子を備えたマスクの一例を示す図である。 図3Aの導電体格子を備えたマスクにおいて、電界が格子に垂直な光は透過することを示す図である。 図3Aの導電体格子を備えたマスクにおいて、電界が格子に平行な光は反射することを示す図である。 従来の偏光位相シフトマスクの断面図(a)と、本発明の原理を理解するためのこのマスクにおいてフェーズコンフリクトを解消したい部分の透過光の光強度分布の計算結果を示す図(b)である。 偏光変調層と位相変調層との間に空気中換算で0.2μmのギャップがある場合の透過光の光強度についての計算結果を示す図である。 本発明によるフォトマスクの基本構成を示す図(a)および透過光の光強度分布を示す図(b)である。 自己クローニング法により作成したフォトニック結晶の例を示す図である。 偏光変調素子としてV字型の凹凸形状156有するフォトニック結晶を用いた場合の具体例について示す図である。 偏光変調素子としてフォトニック結晶を用いた場合の具体例について示す図である。図8Aのフォトニック結晶に段差160を形成した状態。 偏光変調素子としてフォトニック結晶を用いた場合の具体例について示す図である。図8C上に遮光層163を形成した状態。 偏光変調素子としてフォトニック結晶を用いた場合の具体例について示す図である。図8D上に振幅変調層164を形成した状態。 偏光変調素子としてフォトニック結晶を用いた場合の具体例について示す図である。偏光の向きおよび位相差を示す。 振幅変調層のない従来技術によるマスクを使用して露光し、パターニングしたレジストパターンの図である。 振幅変調層を形成した本発明によるマスクを使用して露光し、パターニングしたレジストパターンの較図である。 偏光変調素子としてグリッド偏光子を形成した場合の具体例について示す図である。偏光変調層(グリッド偏光子)を作製。 偏光変調素子としてグリッド偏光子を形成した場合の具体例について示す図である。図10A上に位相シフト層を作製。 偏光変調素子としてグリッド偏光子を形成した場合の具体例について示す図である。図10C上に遮光層を作製 偏光変調素子としてグリッド偏光子を形成した場合の具体例について示す図である。図10D上に振幅変調層を作製 偏光変調素子としてグリッド偏光子を形成した場合の具体例について示す図である。偏光の向きおよび位相差を示す。 本発明の実施に適用可能な少なくとも二つの位相変調領域および少なくとも二つの偏光変調領域を有する種々の構成例を示す図である。 本発明の実施に適用可能な2つの複屈折素子がパターニングされたマスクを示す図である。 複屈折素子への入射光と、2つの複屈折素子からの出射光の偏光状態の組み合わせについて示す図である。 本発明の実施に適用可能な、互いに平行な複数の格子232が形成されている構造性複屈折素子の例を示す図である。 図14Aに示す構造性複屈折素子に対する直線偏光の入射状態を示す図である。電界が格子に垂直な場合。 図14Aに示す構造性複屈折素子に対する直線偏光の入射状態を示す図である。電界が格子に平行な場合。 本発明の実施に適用可能な、誘電体円形ロッドからなる二次元正方格子フォトニック結晶2の構造を示す図である。 図15Aのフォトニックバンド構造(横軸が波数k、縦軸が規格化周波数値ωa/2πcのグラフ)を示す図である。 本発明に係る露光装置の具体例を説明する概略図である。
符号の説明
100…位相シフトマスク、 101…遮光部、 102…境界、 103.104…パターン、 111.112…矢印、 113…境界、 120…マスク、 121…導電体格子、 122…導電体、 123…光、 124…透過、 125…光、 126…反射、 127…石英基板、 130…偏光位相シフトマスク、 131.132…偏光変調領域(偏光変調層)、 133.134…位相変調領域(位相変調層)、 135…境界、 136…ディップ部、 137…透明基板、 138…マスク基板、 140…フォトマスク、 141…位相段差部、 142…近傍、 143…振幅変調領域、 144…山形、 145…境界部分、 151…透明基板、 152…フォトニクス結晶領域、 153…凹凸部、 154…SiO層、 155…Ta層、 156…凹凸形状、 157…横線、 158…縦線、 159…SiO層、 160…段差、 161…位相シフト線、 162…境界、 163…クロム遮光層、 164…クロム振幅変調層、 165…境界部、 171…マスク、 172…マスク、 173…振幅変調層、174…レジスト残り部分、 180…偏光位相シフトマスク、 181…石英基板、 182…クロム膜、 183.184…グリッド格子、 185.186…縞模様、 187…SiO層、 188…段差、 189…位相シフト線、 190…境界、 191…クロム遮光層、 192…クロム振幅変調層、 193…境界部、 194.195…偏光変調層、 201.202…位相変調領域、 203.204…偏光変調領域(直線偏光器)、 203.204…直線偏光器、 205…肩部、 206…遮光層、 207…位相シフト層、 208…遮光層、 209…偏光変調領域、 210…偏光変調領域(直線偏光器)、212…位相シフト部、 212…段差部(位相シフト部)、 213…遮光層、 214.215…複屈折素子、 221…複屈折素子、 221a.221b…複屈折素子、 223…偏光、 224…偏光、 231…平行平面板、 232…格子(誘電体)、 233…誘電体、 234…電界が格子に垂直な場合、 235…電界が格子に平行な場合、 241…誘電体円形ロッド、 242…二次元正方格子フォトニック結晶、 243…フォトニックバンド構造、 301…光源、 302…照明光学系、 303…フォトマスク、 304…投影光学系、 305…ステージ、 306…基板、 307…ステージコントローラ、 365…波長、

Claims (15)

  1. 露光パターンを照射する露光装置に使用されるフォトマスクであって、
    互いに干渉しない偏光成分を生成し、かつ相互に接する少なくとも二つの偏光変調領域と、
    位相差が180度となるように位相を付与し、かつ相互に接する少なくとも二つの位相変調領域と、そして
    透過率を低下させる振幅変調領域とを有し、
    前記二つの偏光変調領域が相互に接する接線と前記二つの位相変調領域が相互に接する接線とは照射方向に関してそれぞれ対応する位置にあり、かつ前記振幅変調領域は前記対応する位置の両側に、前記対応する位置から所定の距離だけ離れた領域に設けられていることを特徴とするフォトマスク。
  2. 前記振幅変調領域は、入射光に対する透過率が50%以下であることを特徴とする請求項1のフォトマスク。
  3. 前記二つの偏光変調領域は、偏光変調領域の面内で互いに直交する軸を有する直線偏光器により形成される請求項1のフォトマスク。
  4. 前記二つの直線偏光器は、互いに直交する軸を有する導電体の格子からなる直線偏光器である請求項3のフォトマスク。
  5. 前記直線偏光器は、特定の偏光成分に対してのみフォトニックバンドギャップを有する構造からなることを特徴とする請求項3のフォトマスク。
  6. 前記二つの偏光変調領域は、互いに異なる複屈折機能を有する素子により形成される請求項1のフォトマスク。
  7. 前記複屈折機能を有する素子は、光の電気ベクトルの振動面が直交する2つの偏光成分の間の位相差が略90°となるものであることを特徴とする請求項6のフォトマスク。
  8. 前記複屈折機能を有する素子は、光の電気ベクトルの振動面が直交する2つの偏光成分の間の位相差が略180°となるものであることを特徴とする請求項6のフォトマスク。
  9. 前記二つの偏光変調領域は、直線偏光を入射したときの出力光が互いに干渉しない偏光となることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1に記載のフォトマスク。
  10. 前記二つの偏光変調領域は、円偏光を入射したときの出力光が互いに干渉しない偏光となることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1に記載のフォトマスク。
  11. 露光パターンを照射する露光装置に使用されるフォトマスクであって、
    互いに干渉しない偏光成分を生成しかつ相互に接する、少なくとも二つの偏光変調領域と、
    照射光に対して透過率を低下させるための振幅変調領域とを有し、
    前記振幅変調領域は、前記二つの偏光変調領域が相互に接する接線の両側に、所定の距離だけ離れた部分に設けられていることを特徴とするフォトマスク。
  12. 入射光に対して複数の変調機能を有するフォトマスクであって、
    前記入射光に対して同一光路上に設けられた偏光変調領域の境界および位相変調領域の境界と、
    前記位相変調領域の境界および偏光変調領域の境界の光路上での前記入射光に対する透過率が大きく、前記位相変調領域の境界および前記偏光変調領域の境界の光路上から所定距離だけ離れた他の前記入射光に対して透過率が小さい透過率分布を生成する振幅変調手段とを
    具備してなることを特徴とするフォトマスク。
  13. 露光パターンを照射する露光装置に使用され、相互に接する少なくとも二つの偏光変調領域を有する位相シフトマスクであって、
    前記位相シフトマスクの所定の領域に、照射光に対する透過率を低下させるための振幅変調領域を設けたことを特徴とする位相シフトマスク。
  14. 露光用の光を発する光源と、
    この光源からの光路に設けられたフォトマスクと、
    このフォトマスクの透過光路に設けられた投影光学系とを有する露光装置であって、
    前記フォトマスクは前記光源からの光に対して同一光軸上に設けられた偏光変調領域の境界および位相変調領域の境界と、
    前記位相変調領域の境界および偏光変調領域の境界の光路上での前記入射光に対する透過率が大きく、前記位相変調領域の境界および前記偏光変調領域の境界の光路上から所定距離だけ離れた位置に設けられた他の前記入射光に対して透過率が小さい透過率分布を生成する振幅変調手段とを具えてなることを特徴とする露光装置。
  15. 前記前記位相変調領域の境界および前記偏光変調領域の境界の光路上から所定距離は、λを光源から光の波長、NAを投影光学系の開口数としたとき、0.61λ/NAないし2.44λ/NAであることを特徴とする請求項14記載の露光装置。
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