JP6766370B2 - 偏光子、偏光子ホルダー、及び光配向装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、このようなラビング処理により配向規制力が付与された配向膜では、布等が異物として残存するといった問題があった。
まず、本発明に係る偏光子について説明する。
図1は、本発明に係る偏光子の一例について示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は(a)のA−A線概略断面図である。
ここで、熱伝導性構造体13は、平面視上、複数の偏光用パターン11の間に形成されている。
それゆえ、光配向における偏光子の温度上昇を抑制して、劣化を防止することが可能となる。また、細線2aを構成する材料としてアルミを用いた偏光子を量産に使用することも可能になり、生産コストを低く抑えることも可能となる。
また、熱伝導性構造体13が細線2aと同じ材料から構成される場合、細線2aの形成工程と同じ工程で熱伝導性構造体13も形成可能なため、偏光子10の製造も容易になる。
例えば、図1に示す偏光子10において、熱伝導性構造体13は、第1の構造体2bの上に第2の構造体3aを積層した構成を有している。
偏光子10に蓄積される熱を、より効果的に他の物体に逃がす目的からは、第2の構造体3aは、細線2aを構成する材料よりも熱伝導性が高い材料(第2の材料)を含む構成とすることが好ましい。
一方、波長が400nmから700nmの可視光領域用の偏光用パターン11を構成する細線2aの材料としては、アルミ(Al)、銀(Ag)、金(Au)、クロム(Cr)などを用いることができる。
細線2aを構成する材料(第1の材料)がシリコン(Si)、モリブデンシリサイド(MoSi)や、それらの酸化物、窒化物、窒化酸化の場合は、第2の材料としてはクロム(Cr)やタングステン(W)、およびそれらの酸化物、窒化物、窒化酸化物などを用いることができる。
含有させる金属の比率や、酸化窒化度合により熱伝導率は変わるが、熱伝導性の高い組成を上層とすることが好ましい。
なお細線の幅は、偏光させる光の波長にもよるが、20nmから300nm程度の物が用いられる。
また、第2の構造体3aは、第2の材料層3を、平面視上、熱伝導用パターン12と重なる形態に加工して得ることができる。
熱伝導性構造体13の幅は、偏光子全体の面積における、偏光用パターン11の面積と熱伝導用パターン12の面積の比などを考慮して設定すれば良い。熱伝導用パターン12の割合は多い方が熱を逃がしやく、多すぎると偏光領域が減少する。
このように厚くすることで、熱伝導性構造体13の容積をより大きくすることができ、偏光子10に蓄積される熱を、より効果的に他の物体に逃がすことができるからである。
例えば、図1に示す偏光子10において、熱伝導用パターン12は、各偏光用パターン11に並列に配置された複数本の細線2aの両端と接触している。
このように接触した構成とすることで、細線2aに蓄積される熱を、熱伝導用パターン12を介して、より効果的に他の物体に逃がすことができるからである。
また、熱伝導用パターン12が細線2aの両端と接触していることで、細線2aが倒壊してしまうことを防止する効果も奏することになる。
本発明においては、複数の偏光用パターン21の平面配置を、図2(a)に示す偏光子20のように、X方向、及びY方向に沿った配置(格子状の配置)としても良い。
しかしながら、光配向膜に連続的な未照射部(光配向装置において光配向膜が搬送される方向に平行なライン状の未照射部)を形成させないためには、複数の偏光用パターンの間に形成されている熱伝導性構造体が、所定の一方向(光配向装置において光配向膜が搬送される方向に相当)に、偏光子の一の端部から反対側の端部に及んで直線的に繋がっていない形態とすることが、より好ましい。
このように、偏光用パターン11が所定の一方向(図1に示すY方向)に一列に揃わないように配置することで、偏光用パターン11の間に形成される熱伝導性構造体13が、所定の一方向(図1に示すY方向)に、偏光子の一の端部から反対側の端部に及んで直線的に繋がっていない形態とすることができる。
図3は、本発明に係る偏光子の変形形態の一例を示す図である。ここで、(a)は概略平面図、(b)は(a)のB−B線概略断面図である。また、(c)は、(b)の第1の材料層2の上に第2の材料層3が積層されている例である。
このように接触した構成とすることで、細線52aに蓄積される熱を、熱伝導用パターン52を介して、より効果的に他の物体に逃がすことができる。
また、熱伝導用パターン52が細線52aの両端と接触していることで、細線52aが倒壊してしまうことを防止する効果も奏することになる。
例えば、図3(b)に示す例においては、熱伝導性構造体53を構成する第1の構造体52bは、細線52aと同じ材料(第1の材料)から構成されている。
熱伝導性構造体53を構成する材料と細線52aを構成する材料が同じであって、両者の厚みも同じである場合には、細線52aを形成するのと同じ工程で、熱伝導性構造体53を製造可能である。
特にこの熱伝導性構造体53が、例えば偏光子ホルダーなどの他の物体と接することで熱が逃げやすくなる。
本変形形態において、熱伝導性構造体53は、細線52aよりも厚い(高さが高い)ものであっても良い。
例えば、図3(c)に示す例において、熱伝導性構造体53は、その厚みが、細線52aより厚く、高さが高くなっている。それゆえ、図3(b)に示す例に比べて、熱伝導性構造体53の容積がより大きくなる。そして、容積が大きいことでより熱が逃げやすくなっている。
図3に示す偏光子50においては、偏光用パターン51の外周の辺すべてに熱伝導用パターン52が設けられているが、本変形形態においては、偏光用パターンを構成する細線の延伸方向の辺にのみ熱伝導用パターンが設けられている形態であっても良い。
例えば、図4に示す偏光子60においては、偏光用パターン61の細線の延伸方向の辺に熱伝導用パターン62があり、偏光用パターン61の細線と接触している。
このように接触した構成とすることで、偏光用パターン61の細線に蓄積される熱を、熱伝導用パターン62を介して、より効果的に他の物体に逃がすことができる。
また、熱伝導用パターン62が偏光用パターン61の細線の両端と接触していることで、細線が倒壊してしまうことを防止する効果も奏することになる。
次に、本発明に係る偏光子ホルダーについて説明する。
本発明に係る偏光子ホルダーは、偏光子を搭載するものであって、後述する光配向装置の偏光子保持機構に備えられるものである。
図5に示すように、偏光子ホルダー110は、偏光光を通す複数の開口部111と、複数の開口部111の間に形成されている桟部110bと、桟部110bと連結する外枠部110aと、を有する。
なお、本明細書においては、偏光子ホルダー110を構成する各部分の中で、平面視上、複数の開口部111の間に形成されている部分を、桟部110bと呼んでいる。
それゆえ、光配向における偏光子の温度上昇を抑制して、偏光子の劣化を防止することが可能となる。また、細線を構成する材料としてアルミを用いた偏光子を量産に使用することも可能になり、生産コストを低く抑えることも可能となる。
しかしながら、偏光子により偏光される光(偏光光)を、より効率的に光配向膜に照射することや、偏光子に蓄積される熱を、より効果的に逃がすことのためには、本発明に係る偏光子ホルダーには、平面形態が対応する上記の本発明に係る偏光子を搭載することが好ましい。
なお、後述する光配向装置においては、図6に示す矢印のように、偏光子10の背面側、すなわち、細線2aが設けられた面とは反対側から光が照射され、偏光子10により偏光された光(偏光光)は、偏光子ホルダー110の開口部111から光配向膜に照射される。
このような構成を有することにより、偏光子ホルダー110においては、偏光子10の偏光用パターン11からの偏光光を、偏光子ホルダー110(特に桟部110b)によって遮ることなく、効率的に光配向膜に照射することができる。
両者がこのような状態にあれば、偏光子10の偏光用パターン11からの偏光光は、偏光子ホルダー110(特に桟部110b)によって遮られることなく、効率的に光配向膜に照射されることになるからである。また、偏光子ホルダー110の開口部111の形態に適度な裕度を持たせることで、製造が容易になるからである。
両者がこのような状態にあれば、偏光子10に蓄積される熱は、熱伝導性構造体13を介して、効果的に逃がされることになるからである。また、偏光子ホルダー110の桟部110bの形態に適度な裕度を持たせることで、製造が容易になるからである。
例えば、図7に示すように、偏光子ホルダー110の外枠部110aには、表面積を大きくするための凹凸構造を有する冷却構造部200が連結されていても良い。
例えば、この冷却構造部200にエアブローを施すことによって、偏光子10に蓄積される熱をより効果的に逃がすことができる。また、冷却構造部200を冷却液に浸すことによって、偏光子10に蓄積される熱をより効果的に逃がすこともできる。
より具体的には、図8(a)〜(c)は、それぞれ、上記の図2(a)〜(c)に示した各偏光子の平面形態に対応する偏光子ホルダーの平面形態を示す図である。
しかしながら、光配向膜に連続的な未照射部(光配向装置において光配向膜が搬送される方向に平行なライン状の未照射部)を形成させないためには、複数の開口部の間に形成されている桟部が、所定の一方向(光配向装置において光配向膜が搬送される方向に相当)に、偏光子ホルダーの一の端部から反対側の端部に及んで直線的に繋がっていない形態とすることが、より好ましい。
このように、開口部111が所定の一方向(図5に示すY方向)に一列に揃わないように配置することで、開口部111の間に形成される桟部110bが、所定の一方向に、偏光子ホルダーの一の端部から反対側の端部に及んで直線的に繋がっていない形態とすることができる。
図3に示した偏光子50や図4に示した偏光子60のように、搭載する偏光子の熱伝導用パターンが、偏光子の外周の辺に沿って存在する形態の場合は、偏光子ホルダーは、偏光子の外周の辺に対応する位置に偏光子ホルダーの外枠部を有していれば良い。なお、この場合、偏光子ホルダーの開口部は、搭載する偏光子の偏光用パターンに応じた形態となり、通常、上記のような桟部は設けないことになる。
このような構成の偏光子ホルダーであれば、その外枠部が、搭載する偏光子の熱伝導用パターンに接触して、効率的に熱を逃がすことが出来る。
次に、本発明に係る光配向装置について説明する。
図9は、本発明に係る光配向装置の構成例について示す図である。
図9に示す光配向装置310は、光照射機構から照射される光を偏光子により偏光し、この偏光された光(偏光光314)をワーク316の上に形成された光配向膜315に照射することで、光配向膜315に配向規制力を付与するものである。
偏光子保持機構311には、上記の本発明に係る偏光子ホルダーが備えられており、偏光子ホルダーには、上記の本発明に係る偏光子が搭載される。
それゆえ、光配向における偏光子の温度上昇を抑制して、偏光子の劣化を防止することが可能となる。また、細線を構成する材料としてアルミを用いた偏光子を量産に使用することも可能になり、生産コストを低く抑えることも可能となる。
しかしながら、偏光子からの偏光光を、より効率的に光配向膜に照射することや、偏光子に蓄積される熱を、より効果的に逃がすことのためには、上述のように、本発明に係る偏光子ホルダーには、平面形態が対応する本発明に係る偏光子を搭載することが好ましい。
光配向膜315に連続的な未照射部(光配向膜315を形成したワーク316が搬送される方向に平行なライン状の未照射部)が形成されることを防止するためである。
光配向膜315に連続的な未照射部(光配向膜315を形成したワーク316が搬送される方向に平行なライン状の未照射部)が形成されることを防止するためである。
図10は、本発明に係る光配向装置の他の構成例について示す図である。
図10に示すように、光配向装置320は、2個の紫外光ランプ322を備えており、2個の紫外光ランプ322と光配向膜325の間には、偏光子を保持する偏光子保持機構321が備えられている。また、各紫外光ランプ322には、それぞれ反射鏡323が備えられている。
2 第1の材料層
2a、52a 細線
2b、52b 第1の構造体
3 第2の材料層
3a、53a 第2の構造体
10、20、30、40、50、60 偏光子
11、21、31、41、51、61 偏光用パターン
12、22、32、42、52、62 熱伝導用パターン
13、53 熱伝導性構造体
110、120、130、140 偏光子ホルダー
110a 外枠部
110b 桟部
111、121、131、141 開口部
200 冷却構造部
310、320 光配向装置
311、321 偏光子保持機構
312、322 紫外光ランプ
313、323 反射鏡
314、324 偏光光
315、325 光配向膜
316、326 ワーク
1000 偏光子
1001 透明基板
1002 細線
Claims (15)
- 透明基板の上に、
複数本の細線が並列に配置された複数の偏光用パターンと、
前記細線よりも容積が大きい熱伝導性構造体から構成される熱伝導用パターンと、
を有し、
平面視上、前記熱伝導性構造体が、前記複数の偏光用パターンの間に形成されており、
前記熱伝導性構造体が、
前記細線を構成する第1の材料を含み、
前記第1の材料から構成される第1の材料層の上に、第2の材料層を有し、
前記第2の材料層が、前記第1の材料よりも熱伝導性が高い第2の材料から構成されることを特徴とする偏光子。 - 前記熱伝導性構造体の厚みが、前記細線の厚みよりも厚いことを特徴とする請求項1に記載の偏光子。
- 前記熱伝導用パターンが、前記細線と接触していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偏光子。
- 前記熱伝導性構造体が、所定の一方向に、前記偏光子の一の端部から反対側の端部に及んで直線的に繋がっていないことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の偏光子。
- 光照射機構から照射される光を偏光子により偏光して光配向膜に照射する光配向装置に備えられ、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の偏光子を搭載する偏光子ホルダーであって、
複数の開口部と、
前記複数の開口部の間に形成されている桟部と、
前記桟部と連結する外枠部と、
を有することを特徴とする偏光子ホルダー。 - 前記偏光子を搭載した際に、
平面視上、前記偏光子ホルダーの前記開口部が前記偏光子の前記偏光用パターンと重複する状態となる位置及び形態に、該開口部が形成されているか、
若しくは、
平面視上、前記偏光子ホルダーの前記開口部内に前記偏光子の前記偏光用パターンを含む状態となる位置及び形態に、該開口部が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の偏光子ホルダー。 - 前記偏光子を搭載した際に、
平面視上、前記偏光子ホルダーの前記桟部が前記偏光子の前記熱伝導性構造体と重複する状態となる位置及び形態に、該桟部が形成されているか、
若しくは、
平面視上、前記偏光子の前記熱伝導性構造体内に前記偏光子ホルダーの前記桟部を含む状態となる位置及び形態に、該桟部が形成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の偏光子ホルダー。 - 前記桟部に、冷媒が流れる流路を有することを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の偏光子ホルダー。
- 前記外枠部に、冷却構造部を有することを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載の偏光子ホルダー。
- 前記冷却構造部が、表面積を大きくするための凹凸構造を有することを特徴とする請求項9に記載の偏光子ホルダー。
- 前記桟部が、所定の一方向に、前記偏光子ホルダーの一の端部から反対側の端部に及んで直線的に繋がっていないことを特徴とする請求項5乃至請求項10のいずれか1項に記載の偏光子ホルダー。
- 光照射機構から照射される光を偏光子により偏光して光配向膜に照射する光配向装置であって、
前記偏光子を保持する偏光子保持機構に、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の偏光子を備えていることを特徴とする光配向装置。 - 光照射機構から照射される光を偏光子により偏光して光配向膜に照射する光配向装置であって、
前記偏光子を保持する偏光子保持機構に、
請求項5乃至請求項11のいずれか1項に記載の偏光子ホルダーを備えていることを特徴とする光配向装置。 - 前記光配向膜を所定の方向に搬送する搬送機構を備えており、
前記偏光子の前記熱伝導性構造体が、前記光配向膜が搬送される方向に、前記偏光子の一の端部から反対側の端部に及んで直線的に繋がっていない形態となるように、前記偏光子が前記偏光子保持機構に備えられていることを特徴とする請求項12に記載の光配向装置。 - 前記光配向膜を所定の方向に搬送する搬送機構を備えており、
前記偏光子ホルダーの前記桟部が、前記光配向膜が搬送される方向に、前記偏光子ホルダーの一の端部から反対側の端部に及んで直線的に繋がっていない形態となるように、前記偏光子ホルダーが前記偏光子保持機構に備えられていることを特徴とする請求項13に記載の光配向装置。
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