JP2019007704A - 廃熱ボイラ及び廃熱回収システム - Google Patents

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Abstract

【課題】低温腐食を防止しつつ、廃熱回収効率を高めることが可能な廃熱ボイラを提供する。【解決手段】廃熱ボイラ2は、節炭器40と、蒸発器20と、過熱器30と、供給経路80と、調整弁70と、を備える。節炭器40は、前置節炭器42と、主節炭器41と、を含んで構成されている。前置節炭器42は、蒸発器20及び過熱器30が配置されているボイラ本体領域2a内に配置されている。主節炭器41は、ボイラ本体領域2aよりも排ガス流れ方向の下流側に配置されている。調整弁70は、前置節炭器42を通過した後に主節炭器41へ向かう第2経路82を経由するボイラ水と、前置節炭器42をバイパスして主節炭器41へ向かう第3経路83を経由するボイラ水と、の割合を調整する機構を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、主として、廃棄物焼却炉から排出される排ガスの熱を回収する廃熱ボイラに関する。
従来から、廃棄物焼却炉から排出される排ガスの熱を回収する廃熱ボイラにおいて、節炭器を備える構成が知られている。節炭器とは、蒸発器に供給する前のボイラ水と、蒸発器等を通過した比較的低温の排ガスと、を熱交換することで、ボイラ水を予熱するものである。特許文献1及び2は、節炭器を備える廃熱ボイラを開示する。
特許文献1では、エコノマイザ(節炭器)を通過したボイラ給水(ボイラ水)が蒸発器に接続(供給)されるとともに、更に脱気器入口側にも接続(供給)される構成の廃熱ボイラが開示されている。これにより、脱気器からエコノマイザを通過して加温されたボイラ給水(ボイラ水)は、蒸発器に供給されるとともに、その一部が脱気器入口側に戻される。その結果、ごみ処理炉及び廃熱ボイラの起動時の、脱気器からのボイラ給水(ボイラ水)温度が十分高くない時間帯において、エコノマイザ入口のボイラ給水(ボイラ水)温度を早期に、定常運転状態の温度にまで加温させることが可能となるので、エコノマイザを早期に定常運転状態に移行させることができる。
特許文献2では、廃棄物焼却炉から排出された燃焼排ガスを廃熱ボイラ、エコノマイザ、排ガス処理設備の順に流す廃棄物焼却処理施設において、排ガス処理設備の後段の酸性ガスが除去された低温の排ガスから熱回収を行ってボイラ給水を加温する独立エコノマイザを備える構成を開示する。
特開2002−5401号公報 特開2011−237048号公報
ここで、特許文献1では、エコノマイザに流れるボイラ給水(ボイラ水)温度を早期に定常運転状態に移行(昇温)し、当該エコノマイザが接触熱交換する排ガスを結露させにくくするため、低温腐食の発生を防止できることが記載されている。しかし、特許文献1は、ごみ処理炉及び廃熱ボイラの起動時の十分加温されていない状態に用いる技術であり、ごみ処理炉及び廃熱ボイラが定常運転になった状態では、この技術は低温腐食を防止する効果を有さない。
また、特許文献2では、独立エコノマイザは酸性ガスが除去された排ガスから熱回収を行うため低温腐食が生じにくいことが記載されている。しかし、廃棄物焼却炉では、投入される廃棄物の性質が多様かつ予測できないため、廃棄物によっては排ガスの水分濃度が高くなって、排ガス処理設備の後段に配置されるため通過する排ガスの温度がかなり低くなる独立エコノマイザ部分では、多量の結露が発生することがあり、酸性ガスが除去された排ガスから熱回収を行うようにしても、低温腐食を十分に防止することができない。また、独立エコノマイザは通過する排ガスの温度がかなり低いことにより、ボイラ水を十分に加温することができず、廃熱回収効率の上昇にあまり寄与しない可能性がある。
なお、脱気器にてより高く加温して節炭器入口のボイラ水の温度を上げれば、節炭器表面の温度が上がり、排ガスの結露を防止できるので、低温腐食を防止できる。しかし、この場合、脱気器にてより高く加温して節炭器入口のボイラ水の温度を上げるために、当該ボイラで回収した蒸気を脱気器にてより多く費消させなければならず、システム全体の廃熱回収効率が低下してしまう。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、低温腐食を防止しつつ、廃熱回収効率を高めることが可能な廃熱ボイラを提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下の構成の廃熱ボイラが提供される。即ち、この廃熱ボイラは、廃棄物焼却炉から排出される排ガスの熱を回収する。この廃熱ボイラは、節炭器と、蒸発器と、過熱器と、供給経路と、調整部と、を備える。前記節炭器は、排ガスとの熱交換によりボイラ水を加熱する。前記蒸発器は、前記節炭器で加熱されたボイラ水を排ガスと熱交換させて蒸気を発生させる。前記過熱器は、前記蒸発器が発生させた蒸気を加熱(過熱)する。前記供給経路は、前記節炭器へボイラ水を供給するための経路である。前記節炭器は、前置節炭器と、主節炭器と、を含んで構成されている。前記前置節炭器は、前記蒸発器及び前記過熱器が配置されているボイラ本体領域内に配置されている。前記主節炭器は、前記ボイラ本体領域よりも排ガス流れ方向の下流側に配置されている。前記供給経路は、第1経路と、第2経路と、第3経路と、第4経路と、を含んで構成されている。前記第1経路は、脱気器から前記前置節炭器と前記主節炭器へ向かう経路で、前記第2経路と前記第3経路との分岐点までの経路である。前記第2経路は、前記第1経路の分岐点から前記前置節炭器を通過した後に前記主節炭器へ向かう経路である。前記第3経路は、前記第1経路の分岐点から前記前置節炭器をバイパスして前記主節炭器へ向かう経路である。前記第4経路は、前記第2経路及び前記第3経路が合流した経路であり前記主節炭器へ接続される経路である。前記調整部は、前記第1経路を流れるボイラ水の流量に対し、前記第2経路を経由するボイラ水の流量と前記第3経路を経由するボイラ水の流量との割合を調整する機構を有する。
これにより、例えば第1経路及び第4経路を流れるボイラ水の流量は同じままで、第2経路を経由して第4経路に流入するボイラ水の割合を多くして、第3経路を経由して第4経路に流入するボイラ水の割合を少なくすることで、第2経路と第3経路を経て第4経路で合流して主節炭器に供給されるボイラ水の温度を高くして、主節炭器での結露の確率を低減させることができ、低温腐食が生じにくくなる。一方で、第2経路を経由して第4経路に流入するボイラ水の割合を少なくして、第3経路を経由して第4経路に流入するボイラ水の割合を多くすることで、第2経路と第3経路を経て第4経路で合流して主節炭器に供給されるボイラ水の温度を低くして、主節炭器での熱回収性能を向上させることができ、廃熱回収効率を向上させることができる。このように、状況に応じて手動又は自動で調整部を調整することで、ボイラシステム全体として、低温腐食を防止しつつ廃熱回収効率を高めることができる。また、前置節炭器は、配置される位置がボイラ本体領域内であるため、排ガスが前置節炭器と接触した際に結露を起こすことがなく、低温腐食は起きない。
本発明によれば、低温腐食を防止しつつ、廃熱回収効率を高めることが可能な廃熱ボイラを提供できる。
本発明の一実施形態に係る廃熱ボイラを含む廃熱回収システムの概略構成図。 廃熱回収システムの制御ブロック図。
<廃熱回収システムの全体構成>初めに、図1及び図2を参照して、本実施形態の廃熱ボイラ2を含む廃熱回収システム1について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る廃熱ボイラ2を含む廃熱回収システム1の概略構成図である。図2は、廃熱回収システムの制御ブロック図である。
廃熱回収システム1は、廃棄物焼却施設に設けられており、焼却炉(廃棄物焼却炉)10での廃棄物の燃焼により発生した熱を回収して発電を行うシステムである。図1に示すように、廃熱回収システム1は、焼却炉10と、廃熱ボイラ2と、蒸気タービン発電機60と、を主要な構成として備えている。
焼却炉10では、外部から供給された廃棄物が燃焼されることで高温の燃焼ガスが発生する。この発生した燃焼ガスは、排ガスとして廃熱ボイラ2へ送られる。また、廃棄物の性状にも依存するが、排ガスには、SOx及びHCl等の酸性ガスが含まれる。また、排ガスの水分濃度は比較的高くなる。
なお、焼却炉10には、焼却炉10での燃焼に関するデータ(例えば燃焼室の温度)を検出する燃焼センサ11が配置されている。燃焼センサ11が検出したデータは、図2に示す制御装置71に出力される。
制御装置71は、CPU、RAM、ROM等によって構成されており、種々の演算を行うとともに、廃熱回収システム1全体を制御する。なお、制御装置71が廃熱ボイラ2のみを制御し、焼却炉10及び蒸気タービン発電機60等を他の制御装置が制御する構成であってもよい。
廃熱ボイラ2は、焼却炉10から排出された排ガスを用いて蒸気を発生させて、蒸気タービン発電機60へ供給する。図1に示すように、廃熱ボイラ2は、蒸発器20と、過熱器30と、節炭器40と、脱気器50と、復水タンク51と、を備える。また、節炭器40は、主節炭器41と、前置節炭器42と、を含んで構成されている。
蒸気タービン発電機60では、廃熱ボイラ2(詳細には過熱器30)から供給された蒸気を用いて発電が行われる。また、蒸気タービン発電機60で発電のために用いられた蒸気は復水器61にて、冷却及び凝縮させられて、ボイラ用水として廃熱ボイラ2(詳細には復水タンク51)へ戻されて再度利用される。
<廃熱ボイラでの排ガスの流れ>次に、廃熱ボイラ2での排ガスの流れについて説明する。焼却炉10で発生した排ガスは、図1に示すように、初めにボイラ本体領域2aを通過する。ボイラ本体領域2aは、蒸発器20と過熱器30とが配置されている領域であり、本発明では更に前置節炭器42が配置されている。具体的には、前置節炭器42は、排ガス流れ方向において、過熱器30が配置されている領域の近傍かつ上流、即ち蒸発器20の下流側の端部の近傍に配置されている。
排ガスは、ボイラ本体領域2aを通過した後に、主節炭器41を通過する。その後、排ガスは、図略の集じん器、酸性ガス除去器、NOx除去器等を通過した後に、煙突90から外部に排出される。また、主節炭器41から煙突90までの経路には、排ガスの成分を検出する排ガス成分検出センサ72が配置されている。排ガス成分検出センサ72は、具体的には、排ガスに含まれる酸性ガス濃度及び水分濃度等を検出して制御装置71へ出力する。
このように、本実施形態の廃熱ボイラ2は、一般的な節炭器に相当する主節炭器41に加え、更に前置節炭器42を備える構成である。
<廃熱ボイラでのボイラ水及び蒸気の流れ>次に、廃熱ボイラ2でのボイラ水及び蒸気の流れについて説明する。なお、ボイラ水とは、廃熱ボイラ2に供給されるボイラ給水と、廃熱ボイラ2で用いられるボイラ用水と、を含む概念である。復水タンク51には、蒸気タービン発電機60で用いられた後の蒸気が液化したボイラ水が貯留されている。復水タンク51に貯留されているボイラ水は、図略の脱気器給水ポンプによって脱気器50へ送られる。
脱気器50は、内部で蒸気を噴射することで、ボイラ水に溶存している酸素等の気体分を分離させ、除去する。なお、蒸気タービン発電機60に入った高温の蒸気のうち、一部がエネルギーを失う途中で抜き出され(抽気され)、脱気器50に脱気用の噴霧蒸気として送られる。脱気器50では、ボイラ水に高温の蒸気が混入されることにより、脱気器出口のボイラ水の温度が上昇する。以上のようにして酸素等の気体が除去され温度が上昇したボイラ水は、図略のボイラ給水ポンプによって節炭器40へ送られる。節炭器40(主節炭器41及び前置節炭器42)は、排ガスと熱交換するための複数の伝熱管等で構成されており、排ガスとの熱交換によりボイラ水を加熱する。
本実施形態の廃熱ボイラ2は、脱気器50から節炭器40へボイラ水を供給する供給経路80を備える。供給経路80は、第1経路81と、第2経路82と、第3経路83と、第4経路84と、を含んで構成されている。第1経路81は、脱気器50から前置節炭器42と主節炭器41へ向かう経路で、第2経路82と第3経路83との分岐点までの経路である。第2経路82は、第1経路81の分岐点から前置節炭器42を通過した後に主節炭器41へ向かう(第4経路84に接続される)経路である。第3経路83は、第1経路81の分岐点から前置節炭器42をバイパスして主節炭器41へ向かう(第4経路84に接続される)経路である。第4経路84は、第2経路82及び第3経路83が合流した経路(第2経路82及び第3経路83の下流側の経路)であり主節炭器41へ接続される経路であり、流量が第1経路81と同一となる。
また、第3経路83には調整弁(調整部)70が設けられており、弁開度を変更することで、第1経路81及び第4経路84を流れるボイラ水の流量は同じままで、第2経路82を経由するボイラ水の流量と、第3経路83を経由するボイラ水の流量と、の割合を調整することができる。調整弁70は、制御装置71によって制御されている。なお、調整弁70は、三方弁型として第1経路81の分岐部若しくは第4経路84の合流部に設けられていてもよい。
ここで、前置節炭器42は、主節炭器41よりも排ガス流れ方向の上流側に配置されているため、より高温の排ガスと熱交換される。具体的には、前置節炭器42は、ボイラ本体領域2aのうち排ガスの温度が400℃以上650℃以下の部分に配置されている。更に詳細には、前置節炭器42のうちボイラ水が導入される部分(入口部分)を流れる排ガスの温度が400℃以上650℃以下である。
これに対し、主節炭器41は、前置節炭器42よりも排ガス流れ方向の下流側に配置されているため、より低温の排ガスと熱交換される。具体的には、主節炭器41(詳細には入口部分)を流れる排ガスの温度は200℃程度である。なお、排ガスの温度は、焼却炉10の燃焼状態等によって変化するが、例えば定常運転における平均の温度である。
このように主節炭器41と前置節炭器42とで通過する排ガスの温度が大きく異なるため、例えば第2経路82を経由するボイラ水の割合を多くすることで、前置節炭器42を通過して高温の排ガスと熱交換されるボイラ水の割合が多くなるため、第4経路84から主節炭器41に供給されるボイラ水の温度が高くなる。一方、第3経路83を経由するボイラ水の割合を多くすることで、前置節炭器42によって加熱されないボイラ水の割合が多くなるため、第4経路84から主節炭器41に供給されるボイラ水の温度が低くなる。このように、本実施形態では、制御装置71が調整弁70を調整することで、主節炭器41に供給されるボイラ水の温度を調整することができる。
主節炭器41は、前置節炭器42と同様に、排ガスとの熱交換によりボイラ水を加熱する。主節炭器41によって加熱されたボイラ水は蒸発器20へ供給される。なお、主節炭器41において発生し得る低温腐食については後述する。
蒸発器20は、排ガスが流れる経路に配置された複数の蒸発管を含んで構成されている。蒸発器20では、ボイラ水を排ガスと熱交換させて蒸気を発生させる。蒸発器20が発生させた蒸気は、過熱器30へ供給される。
過熱器30は、排ガスが流れる経路に配置された複数の過熱管を含んで構成されている。過熱器30は、蒸発器20が発生させた蒸気を加熱(過熱)する。過熱器30では、蒸気が例えば400℃以上に加熱(過熱)されるとともに、排ガスは200℃程度まで冷却される。過熱器30によって加熱(過熱)された高温の蒸気は、蒸気タービン発電機60へ供給される。
<低温腐食を防止しつつ廃熱回収効率を高めるための構成>次に、主節炭器41の低温腐食を防止しつつ廃熱回収効率を高めるための、廃熱ボイラ2の構成について説明する。初めに、節炭器(本実施形態の主節炭器41に相当)を備える一般的な廃熱ボイラにおける、廃熱回収効率と低温腐食について説明する。
一般的に、節炭器は、本実施形態の主節炭器41と同様に、排ガス流れ方向において過熱器よりも下流側に配置される。従って、節炭器は比較的低温の排ガスと熱交換されることとなる。ここで、排ガスから、廃熱ボイラによって熱量をより多く回収するためには、節炭器に供給するボイラ水の温度を下げて、排ガスをより低温まで熱交換させることが好ましい。
一般に、焼却炉から排出される排ガスには上記の酸性ガス等の腐食性成分及び水分が含有されているため、当該排ガスの温度を含有水分割合に見合う結露温度以下に下げると、凝縮・結露することになる。また、排ガスに含有される酸性ガスは水への溶解度が高いために、当該結露によって生じた結露水に継続的に溶け込んでいくことになるが、時間の経過によって、結露水が100℃以上の温度の排ガスによってその一部が蒸発してしまう反応も起きるために、当該結露水に含有される酸性ガス成分割合が上昇する、いわゆる濃縮がおき、結露水発生部は腐食され易くなる。この原理で起きる鉄製品等の腐食が低温腐食と称される。焼却炉から排出される排ガスには、このような性質があるため、節炭器を通過するボイラ水の温度を下げた場合、節炭器の伝熱管等の表面温度が下がり、当該排ガスの温度が含有水分割合に見合う結露温度以下となって、伝熱管表面で結露が発生し、結露水に含有される酸性ガス成分が上昇し、伝熱管が低温腐食を起こすことがある。
排ガスに含まれる酸性ガス濃度及び水分濃度は、焼却炉に供給される廃棄物及び焼却炉での燃焼状態に応じて変化するため、節炭器での低温腐食を防止するために必要となる、節炭器へ供給するボイラ水の温度も一定ではない。ここで、上述のように、蒸気タービン発電機に供給された蒸気の一部を脱気器に混入させることで節炭器に供給するボイラ水の温度を上昇させているが、脱気器での加熱方法の性質上、節炭器に供給するボイラ水の温度を変更することは容易ではない。従って、従来では、低温腐食を確実に防止するために、節炭器に供給するボイラ水の温度を比較的高め(140℃程度)にすることが多かった。
この点、本実施形態の廃熱ボイラ2では、調整弁70を調整して、前置節炭器42を通過させるボイラ水の割合を変更するだけで、主節炭器41(従来の節炭器に相当)に供給するボイラ水の温度を調整することができる。従って、例えば排ガスに含まれる酸性ガス濃度及び水分濃度が低く低温腐食が発生しにくい場合等において、主節炭器41に供給するボイラ水の温度を例えば140℃より低くすることで、低温腐食を防止しつつ、廃熱回収効率を高めることができる。その後、排ガスに含まれる酸性ガス濃度及び水分濃度が高くなった場合等には、主節炭器41に供給するボイラ水の温度を例えば140℃程度まで上昇させることで、低温腐食を防止できる。
本実施形態では、調整弁70の調整は、廃熱回収システム1での各種の計測データに基づいて制御装置71が行う。この計測データの一例を説明すると、図2に示すように、排ガス成分検出センサ72が計測した、排ガスに含まれる酸性ガス濃度及び水分濃度等の排ガスの性状に関するデータがある。上述のように、酸性ガス濃度及び水分濃度が高い場合は、低温腐食が発生し易いため、前置節炭器42を通過させるボイラ水の割合を多くする制御が行われることが好ましい。
また、計測データの別の例としては、燃焼センサ11が検出した焼却炉10での燃焼に関するデータがある。例えば、燃焼室の温度(特に燃焼室の出口の温度)が高い場合、廃熱ボイラ2に供給された時点での排ガスの温度が高いため、熱交換効率等にも関係するが、主節炭器41を通過する時点での排ガスの温度も高くなる可能性がある。この場合、低温腐食が発生しにくいため、前置節炭器42を通過させるボイラ水の割合を少なくする制御が行われることが好ましい。
また、計測データの別の例としては、廃熱ボイラ2の状態に関するデータがある。例えば、主節炭器41に供給されるボイラ水の温度(第4経路84を通過するボイラ水の温度)と、目標温度と、を比較して、このボイラ水の温度を目標温度に近づけるように調整弁70を調整してもよい。
このように、計測データに基づいて制御装置71が調整弁70を調整することで、低温腐食を防止しつつ廃熱回収効率を高めることができる。
上記では、個々の計測データに応じてどのように調整弁70を調整するかについて説明したが、実際には、制御装置71は、複数の計測データに基づいて総合的に判断を行い、調整弁70の調整内容を決定する。また、上記の計測データは一例であり、別の計測データを用いてもよいし、上記の計測データの少なくとも1つを用いずに調整弁70の調整内容を決定してもよい。
また、本実施形態では、各計測データに基づいて制御装置71が調整弁70の調整内容を決定する構成であるが、作業者が各計測データに基づいて調整弁70を調整する構成であってもよい。
以上に説明したように、本実施形態の廃熱ボイラ2は、節炭器40と、蒸発器20と、過熱器30と、供給経路80と、調整弁70と、を備える。節炭器40は、排ガスとの熱交換によりボイラ水を加熱する。蒸発器20は、節炭器40で加熱されたボイラ水を排ガスと熱交換させて蒸気を発生させる。過熱器30は、蒸発器20が発生させた蒸気を加熱(過熱)する。供給経路80は、節炭器40へボイラ水を供給するための経路である。節炭器40は、前置節炭器42と、主節炭器41と、を含んで構成されている。前置節炭器42は、蒸発器20及び過熱器30が配置されているボイラ本体領域2a内に配置されている。主節炭器41は、ボイラ本体領域2aよりも排ガス流れ方向の下流側に配置されている。供給経路80は、第1経路81と、第2経路82と、第3経路83と、第4経路84と、を含んで構成されている。第1経路81は、脱気器から前置節炭器42と主節炭器41へ向かう経路で、第2経路82と第3経路83との分岐点までの経路である。第2経路82は、第1経路81の分岐点から前置節炭器42を通過した後に主節炭器41へ向かう経路である。第3経路83は、第1経路81の分岐点から前置節炭器42をバイパスして主節炭器41へ向かう経路である。第4経路84は、第2経路82及び第3経路83が合流した経路であり主節炭器41へ接続される経路である。調整弁70は、第2経路82を経由するボイラ水と第3経路83を経由するボイラ水との割合を調整する機構を有する。
これにより、例えば第2経路82を経由するボイラ水の割合を多くすることで、第4経路84から主節炭器41に供給されるボイラ水の温度を高くすることができるため、低温腐食が生じにくくなる。一方で、第3経路83を経由するボイラ水の割合を多くすることで、第4経路84から主節炭器41に供給されるボイラ水の温度を低くすることができるため、廃熱回収効率を向上させることができる。このように、状況に応じて手動又は自動で調整弁70を調整することで、低温腐食を防止しつつ廃熱回収効率を高めることができる。また、前置節炭器42は、配置される位置がボイラ本体領域2a内であるため、排ガスが前置節炭器42と接触した際に結露を起こすことがなく、低温腐食は起きない。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記実施形態で説明した、廃熱ボイラ2を構成する各部の形状、位置、及び構成は一例であり、他の形状又は構成であってもよい。例えば、前置節炭器42は蒸発器20側ではなく過熱器30側に位置していてもよい。また、蒸発器20と過熱器30に跨るように位置していてもよい。
上記実施形態では、廃熱ボイラ2が発生させた蒸気が蒸気タービン発電機60での発電及びボイラ水の加温に用いられるが、蒸気の利用方法が異なっていてもよい。例えば、ボイラ水の加温に代えて又は加えて、焼却炉10に供給する空気の加温に用いることもできる。
1 廃熱回収システム
2 廃熱ボイラ
2a ボイラ本体領域
10 焼却炉(廃棄物焼却炉)
20 蒸発器
30 過熱器
40 節炭器
41 主節炭器
42 前置節炭器
70 調整弁(調整部)
71 制御装置
80 供給経路
81 第1経路
82 第2経路
83 第3経路
84 第4経路

Claims (4)

  1. 廃棄物焼却炉から排出される排ガスの熱を回収する廃熱ボイラにおいて、
    排ガスとの熱交換によりボイラ水を加熱する節炭器と、
    前記節炭器で加熱されたボイラ水を排ガスと熱交換させて蒸気を発生させる蒸発器と、
    前記蒸発器が発生させた蒸気を加熱(過熱)する過熱器と、
    前記節炭器へボイラ水を供給するための経路である供給経路と、
    調整部と、
    を備え、
    前記節炭器は、
    前記蒸発器及び前記過熱器が配置されているボイラ本体領域内に配置されている前置節炭器と、
    前記ボイラ本体領域よりも排ガス流れ方向の下流側に配置されている主節炭器と、
    を含んで構成されており、
    前記供給経路は、第1経路と、第2経路と、第3経路と、第4経路と、を含んで構成されており、
    前記第1経路は、脱気器から前記前置節炭器と前記主節炭器へ向かう経路で、前記第2経路と前記第3経路との分岐点までの経路であり、
    前記第2経路は、前記第1経路の分岐点から前記前置節炭器を通過した後に前記主節炭器へ向かう経路であり、
    前記第3経路は、前記第1経路の分岐点から前記前置節炭器をバイパスして前記主節炭器へ向かう経路であり、
    前記第4経路は、前記第2経路及び前記第3経路が合流した経路であり前記主節炭器へ接続される経路であり、
    前記調整部は、前記第2経路を経由するボイラ水と前記第3経路を経由するボイラ水との割合を調整する機構を有することを特徴とする廃熱ボイラ。
  2. 請求項1に記載の廃熱ボイラであって、
    前記前置節炭器は、前記ボイラ本体領域内であって通過する排ガスの温度が400℃以上650℃以下の部分に配置されていることを特徴とする廃熱ボイラ。
  3. 請求項1又は2に記載の廃熱ボイラであって、
    前記前置節炭器は、排ガス流れ方向において、前記過熱器が配置されている領域の近傍かつ上流に配置されていることを特徴とする廃熱ボイラ。
  4. 請求項1から3までの何れか一項に記載の廃熱ボイラと、
    前記廃棄物焼却炉での燃焼に関するデータ、排ガスの性状を示すデータ、及び前記廃熱ボイラの状況に関するデータの少なくとも何れかに基づいて前記調整部を制御して、前記第2経路を経由するボイラ水と前記第3経路を経由するボイラ水の割合を調整する制御装置と、
    を備えることを特徴とする廃熱回収システム。
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