JP2019007396A - エンジンシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気路におけるコンプレッサの上流側にブローバイガスを還元するエンジンシステムにおいて、実際に過給機の性能や作動に影響を与えるオイルコーキングの発生リスクを正確に判定して、無用なエンジン効率の悪化やエンジン出力の低下を回避しながら、オイルコーキングの発生による過給機の性能や作動状態の悪化を適切に抑制可能な技術を提供する。【解決手段】ブローバイガス中のオイルミストの含有量Bfを算出するミスト含有量算出部25と、コンプレッサの出口温度を実出口温度Tcとして検出する出口温度検出部とを備え、オイルミストの含有量Bfとコンプレッサの実出口温度Tcとに基づいて、コンプレッサでのオイルコーキングの発生リスクを判定するコーキングリスク判定部30とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、吸気路においてエンジン本体に吸気される新気を圧縮するコンプレッサを有する過給機を備え、エンジン本体から取り出されたブローバイガスを前記吸気路における前記コンプレッサの上流側に還元するエンジンシステムに関する。
吸気路におけるコンプレッサの上流側にブローバイガスを還元するエンジンシステムでは、コンプレッサの出口付近において、吸気路に還元されたブローバイバス中のオイルミストが非常に高温になって炭化し、その炭化物が堆積する所謂オイルコーキングが発生する場合がある。このようなオイルコーキングは、過給機の性能や作動状態の悪化の要因になるため、そのようなオイルコーキングの発生を抑制することが望まれている。
そこで、従来のエンジンシステムでは、コンプレッサの出口温度を吸気量やエンジン回転速度やアクセル開度等により推定し、その推定した出口温度に基づいてコンプレッサの出口付近にてオイルコーキングが発生するか否かを判定し、オイルコーキングが発生すると判定した場合には、過給圧や出力トルクの上限値を低下させるなどして、オイルコーキングの発生を抑制するものが知られている(特許文献1を参照。)。
特開2015−129488号公報
特許文献1に記載のエンジンシステムは、コンプレッサの出口温度のみに基づいてオイルコーキングが発生するか否かを判定しているので、実際に過給機の性能や作動に影響を与えるようなオイルコーキングの発生リスクを正確に判定するものではない。即ち、コンプレッサの出口温度がオイルコーキングを発生させる温度域に達した場合には、例えオイルコーキングの発生程度が早期に過給機の性能低下や作動不良を引き起こすものではない程度に小さい場合でも、オイルコーキングが発生すると判定される。そして、そのような問題にならない程度に小さなオイルコーキングの発生を抑制するべく、過給圧や出力トルクの上限値が低下されるので、無用なエンジン効率の悪化やエンジン出力の低下を招くという問題が生じる。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、吸気路におけるコンプレッサの上流側にブローバイガスを還元するエンジンシステムにおいて、実際に過給機の性能や作動に影響を与えるオイルコーキングの発生リスクを正確に判定して、無用なエンジン効率の悪化やエンジン出力の低下を回避しながら、オイルコーキングの発生による過給機の性能や作動状態の悪化を適切に抑制可能な技術を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、吸気路においてエンジン本体に吸気される新気を圧縮するコンプレッサを有する過給機を備え、エンジン本体から取り出されたブローバイガスを前記吸気路における前記コンプレッサの上流側に還元するエンジンシステムであって、
前記ブローバイガス中のオイルミストの含有量を算出するミスト含有量算出部と、
前記コンプレッサの出口温度を実出口温度として検出する出口温度検出部とを備え、
前記オイルミストの含有量と前記コンプレッサの実出口温度とに基づいて、前記コンプレッサでのオイルコーキングの発生リスクを判定するコーキングリスク判定部とを備えた点にある。
本構成によれば、上記コーキングリスク判定部において、上記コンプレッサの実出口温度によりオイルコーキングが発生するか否かを考慮するのみならず、上記オイルミストの含有量によりオイルコーキングの発生程度をも考慮する形態で、実際に過給機の性能や作動に影響を与えるオイルコーキングの発生リスクを正確に判定することができる。
即ち、上記コンプレッサの実出口温度が比較的高く、オイルコーキングが発生する可能性が高い場合であっても、上記オイルミストの含有量が比較的少なく、オイルコーキングの発生程度が早期に過給機の性能低下や作動不良を引き起こすものではない程度に小さい場合には、オイルコーキングの発生リスクが低いと判定することができる。一方、上記コンプレッサの実出口温度が比較的低く、オイルコーキングが発生する可能性が比較的低い場合であっても、上記オイルミストの含有量が比較的多く、オイルコーキングの発生程度が早期に過給機の性能低下や作動不良を引き起こす程度に大きい場合には、オイルコーキングの発生リスクが高いと判定することができる。
従って、本発明により、吸気路におけるコンプレッサの上流側にブローバイガスを還元するにあたり、コンプレッサの出口付近におけるオイルコーキングの発生リスクを正確に判定して、無用なエンジン効率の悪化やエンジン出力の低下を回避しながら、過給機の性能や作動に影響のあるオイルコーキングの発生リスクを適切に抑制可能なエンジンシステムを提供することができる。
本発明の第2特徴構成は、前記コーキングリスク判定部が、
オイルミストの含有量に基づいて、前記オイルコーキングの発生リスクが低くなる前記コンプレッサの出口温度の上限値を出口温度閾値として設定する閾値設定部と、
前記コンプレッサの実出口温度と前記出口温度閾値とを比較して、前記オイルコーキングの発生リスクを判定する比較部とを有して構成されている点にある。
本構成によれば、上記閾値設定部により、オイルコーキングの発生程度に影響を与える上記オイルミストの含有量に基づいて、オイルコーキングの発生程度に対応して適切に上記出口温度閾値を設定することができる。
即ち、上記オイルミストの含有量が多い場合には、コンプレッサの出口温度がある程度低めでも、オイルコーキングの発生程度が大きくなることから、上記出口温度閾値を低めに設定することができる。逆に、上記オイルミストの含有量が少ない場合には、コンプレッサの出口温度がある程度高めでも、オイルコーキングの発生程度が小さくなることから、上記出口温度閾値を高めに設定することができる。
よって、上記コーキングリスク判定部において、上記オイルミストの含有量に基づいて適切に設定された出口温度閾値に対して、上記コンプレッサの実出口温度を比較するという処理だけで、上記オイルコーキングの発生リスクを正確に判定することができる。
本発明の第3特徴構成は、前記ミスト含有量算出部が、エンジン本体の作動状態に基づいて前記オイルミストの含有量を推定するように構成されている点にある。
本構成によれば、上記ミスト含有量算出部により、ブローバイガス中の実際のオイルミスト含有量に影響を与えるエンジン本体の作動状態に基づいて、オイルミストの含有量を高精度に推定することができる。
本発明の第4特徴構成は、前記ミスト含有量算出部が、前記エンジン本体の作動状態として、前記エンジン本体におけるエンジン回転速度、燃料噴射量、及び暖機状態の少なくとも一つに基づいて、前記オイルミストの含有量を推定するように構成されている点にある。
本構成によれば、エンジン本体におけるエンジン回転速度が高い場合や燃料噴射量が多い場合には、クランクケース内で飛散するオイルミストの量が多くなることから、エンジン回転速度が低い場合や燃料噴射量が少ない場合よりも、上記オイルミストの含有量を多めに推定して、当該含有量の推定精度を向上することができる。
更に、エンジン本体が暖態状態である場合には、エンジンオイルの温度、シリンダとピストンとのクリアランス等の影響を受けて、オイルミストが発生しやすくなることから、冷態状態である場合よりも、上記オイルミストの含有量を多めに推定し、当該含有量の推定精度を向上することができる。
本発明の第5特徴構成は、前記エンジン本体から取り出されたブローバイガスの通流状態を、前記吸気路における前記コンプレッサの上流側に還元する吸気還元状態と、外部に排出する外部排出状態との間で切り替え可能なブローバイガス経路切替部と、
前記コーキングリスク判定部の判定結果に基づいて、前記ブローバイガス経路切替部を制御して、前記オイルコーキングの発生を抑制する制御部とを備えた点にある。
本構成によれば、上記オイルコーキングの発生リスクが低いと判定された場合には、上記ブローバイガスの通流状態を上記吸気還元状態に切り替えて、ブローバイガスを吸気路に還元させて、新気と共にエンジン本体に再度吸気させて適切に処理することができる。一方、上記オイルコーキングの発生リスクが高いと判定された場合には、上記ブローバイガスの通流状態を上記外部排出状態に切り替えて、ブローバイガスを排気路等の外部に排出して、オイルコーキングの発生による過給機の性能や作動状態の悪化を回避することができる。
更に、上記コーキングリスク判定部では、実際に過給機の性能や作動状態の悪化が懸念される場合のみ、オイルコーキングの発生リスクが高いと判定されるので、ブローバイガスを外部に排出する頻度をできるだけ少ないものに制限することができ、結果、ブローバイガスの排出による問題を抑制することができる。
本発明の第6特徴構成は、前記過給機が、前記吸気路に2以上のコンプレッサを直列状に配置してなる多段式過給機である点にある。
本構成によれば、2以上のコンプレッサを直列状態で配置してなる多段式過給機では、特に後段側のコンプレッサの出口付近が非常に高温状態となって、オイルコーキングの発生リスクが増加し、過給機の性能や作動状態の悪化が懸念されるが、上記コーキングリスク判定部では、実際に過給機の性能や作動に影響を与えるオイルコーキングの発生を正確に判定して、当該オイルコーキングの発生リスクを適切に抑制することができる。
エンジンシステムの概略構成及びブローバイガスの通流状態を示す図 エンジンシステムにおける制御構成を示すブロック図 エンジンシステムにおける制御フローを示すフロー図 オイルミストの含有量に対するコンプレッサの出口温度閾値の相関を示すグラフ図
本発明のエンジンシステムの実施形態について図面に基づいて説明する。尚、本発明のエンジンシステムは、以下の形態に限られるものではなく、他の種々形態のエンジンシステムに対しても同様に適当することができる。
図1に示すように、エンジンシステムは、複数の燃焼室を有する多気筒式のエンジン本体1と、運転を制御するECU50(制御部の一例)とを備える。このエンジン本体1には、当該エンジン本体1の各燃焼室に吸気される新気SAが通流する吸気路2と、当該エンジン本体1の各燃焼室から排出される排ガスEGが通流する排気路3とが、接続されている。
エンジンシステムには、ターボ式の過給機5が設けられている。この過給機5は、排気路3を通流する排ガスEGの運動エネルギを利用してタービンT1,T2を回転させ、そのタービンT1,T2に連結されたコンプレッサC1,C2が回転することにより、吸気路2を通流する新気SAを圧縮するように構成されている。
過給機5は、低圧段側のコンプレッサC1及びそれに連結されたタービンT1と、高圧段側のコンプレッサC2及びそれに連結されたタービンT2とを備えた2段式の過給機として構成されている。即ち、吸気路2には、2個のコンプレッサC1,C2が直列状に配置されていると共に、排気路3には、これらコンプレッサC1,C2の夫々と連結された2個のタービンT1,T2を直列状に配置されている。
よって、吸気路2を通流する新気SAは、低圧段側のコンプレッサC1に続いて高圧段側のコンプレッサC2により圧縮されることで、高温高圧状態になる。その高温高圧状態になった新気SAが、インタークーラ4により適宜冷却された上で、エンジン本体1に吸気されることになる。尚、この高圧段側のコンプレッサC2の出口には、当該コンプレッサC2の出口温度を検出する温度センサ6(出口温度検出部の一例)が設けられている。
一方、エンジン本体1から排気路3に排出された排ガスEGは、高圧段側のタービンT2及び低圧段側のタービンT1を順に通流することで、その運動エネルギによりこれらタービンT1,T2を回転させた後に、適宜排ガス処理が施された上で、大気に放出されることになる。
尚、本実施形態のエンジンシステムでは、排気路3に排出された排ガスEGの一部を、EGR弁8の開弁操作に伴ってEGR路7を通じて吸気路2に還流させる所謂EGRを実行可能に構成されている。
エンジン本体1では、燃焼室にある混合気がシリンダとピストンとの隙間を介してクランクケース内に漏れ出す所謂ブローバイガスBGが発生する。そして、このようなブローバイガスBGは、エンジン本体1のクランクケースに接続されたブローバイガス取出路10に取り出される。
このブローバイガス取出路10の他端側は、後述する三方切替弁15の供給ポートに接続されており、更に、当該三方切替弁15の一対の排出ポートの一方側は、吸気路2における低圧段側のコンプレッサC1の上流側に通じるブローバイガス還元路12が接続されている。即ち、エンジン本体1からブローバイガス取出路10に取り出されたブローバイガスBGを、三方切替弁15及びブローバイガス還元路12を通じて、吸気路2における低圧段側のコンプレッサC1の上流側に還元することができる。
そして、このように吸気路2に還元されたブローバイガスBGは、新気SAと共にエンジン本体1に再度吸気されることで、それに含まれる未燃成分等が適切に処理されることになる。
ブローバイガス取出路10に取り出されたブローバイガスBGは、エンジンオイルが飛散しているクランクケース内を通過したものであることから、エンジンオイルが霧状のオイルミストとして含まれた状態となっている。このブローバイガスBGに含まれるオイルミストの多くは、ブローバイガス取出路10に設けられたオイルセパレータ11により捕集されるが、オイルセパレータ11を通過した後のブローバイガスBGにも、捕集されなかった少量のオイルミストが含まれている場合がある。
このようにオイルミストを含むブローバイガスBGが吸気路2に還元されると、特に高圧段側のコンプレッサC2の出口付近において、ブローバイガスBG中のオイルミストが非常に高温になって炭化し、その炭化物が堆積することで、過給機5の性能や作動状態の悪化の要因になるオイルコーキングが発生する場合がある。
そこで、本実施形態のエンジンシステムでは、実際に過給機5の性能や作動に影響を与えるオイルコーキングの発生リスクを正確に判定して、無用なエンジン効率の悪化やエンジン出力の低下を回避しながら、オイルコーキングの発生による過給機5の性能や作動状態の悪化を適切に抑制するための構成を採用している。以下、その構成の詳細について説明を加える。
エンジンシステムには、エンジン本体1から取り出されたブローバイガスBGの通流状態を、吸気路2における低圧段側のコンプレッサC1の上流側に還元する吸気還元状態(図1(a)を参照)と、排気路3等の外部に排出する外部排出状態(図1(b)を参照)との間で切り替え可能な三方切替弁15(ブローバイガス経路切替部の一例)が設けられている。
即ち、三方切替弁15の供給ポートには、エンジン本体1からブローバイガスBGを取り出すブローバイガス取出路10が接続されており、三方切替弁15の一対の排出ポートの一方側には、吸気路2における低圧段側のコンプレッサC1の上流側に通じるブローバイガス還元路12が接続されており、更に、三方切替弁15の一対の排出ポートの他方側には、排気路3等の外部に通じるブローバイガス排出路13が接続されている。
よって、三方切替弁15の切り替え操作によりブローバイガス取出路10とブローバイガス還元路12とを接続すれば、ブローバイガスBGの通流状態は上記吸気還元状態となり、三方切替弁15の切り替え操作によりブローバイガス取出路10とブローバイガス排出路13とを接続すれば、ブローバイガスBGの通流状態は上記外部排出状態となる。
エンジンシステムのECU50は、図2に示すように、機関状態判定モジュール20と、ミスト含有量推定モジュール25(ミスト含有量算出部の一例)と、コーキングリスク判定モジュール30(コーキングリスク判定部の一例)とからなる各種演算モジュールを有して構成されており、この構成により、ECU50は、図3に示す制御フローに沿った制御が実行可能となる。
以下、このECU50の詳細構成並びにそれにより実行される制御フローの詳細について説明する。
尚、以下の説明において、エンジン本体1を循環する冷却水の実際の温度を冷却水温度Twと呼び、排気路3に排出された排ガスEGの実際の温度を排ガス温度Tgと呼び、エンジン本体1におけるクランク軸(図示省略)の実際の回転速度をエンジン回転速度Nと呼び、エンジン本体1の各燃焼室での実際の燃料噴射量を燃料噴射量Qと呼び、温度センサ6(図1参照)で検出された高圧段側のコンプレッサC2の出口温度を実出口温度Tcと呼ぶ。
そして、これら冷却水温度Tw、排ガス温度Tg、エンジン回転速度N、燃料噴射量Q、実出口温度Tcは、適宜センサ等により検出されて、ECU50は、その検出値を取得する(図3のステップ#01)。
まず、機関状態判定モジュール20により、エンジン本体1が暖態状態であるか冷態状態であるかの暖機状態が判定される(図3のステップ#02)。
詳しくは、図2に示すように、機関状態判定モジュール20は、入力された冷却水温度Twや排ガス温度Tgを指標にしてエンジン本体1の暖機状態を示す指標値Hを求める機関状態判定マップM1と、当該求められた指標値Hに基づいてエンジン本体1が暖態状態であるか冷態状態であるかを判定する機関状態判定部21とを有して構成されている。
機関状態判定マップM1では、例えば、冷却水温度Twが所定の閾値以上である場合には、エンジン本体1が暖態状態であることを示す指標値Hが設定され、冷却水温度Twが上記閾値未満である場合には、エンジン本体1が冷態状態であることを示す指標値Hが設定されている。更に、この冷却水温度Twの閾値は、排ガス温度Tgが低い場合には、排ガス温度Tgが高い場合よりも若干高めに設定されている。尚、本実施形態では、このようなマップM1を用いてエンジン本体1の暖機状態を判定するが、その構成については適宜改変可能である。
次に、ミスト含有量推定モジュール25により、吸気路2に還元されるブローバイガスBG中のオイルミストの含有量Bfが推定される(図3のステップ#03)。
詳しくは、図2に示すように、ミスト含有量推定モジュール25は、入力されたエンジン回転速度Nと燃料噴射量Qを指標にして暖態状態及び冷態状態の夫々におけるオイルミストの含有量Bfw,Bfcを求める暖態時ミスト含有量判定マップM2及び冷態時ミスト含有量判定マップM3と、当該求められた夫々のオイルミストの含有量Bfw,Bfcから機関状態判定モジュール20で判定されたエンジン本体1の暖機状態に対応するオイルミストの含有量を選択する選択部26と、当該選択されたオイルミストの含有量の移動平均を上記含有量Bfとして算出するフィルタ処理部27とを有して構成されている。
暖態時ミスト含有量判定マップM2及び冷態時ミスト含有量判定マップM3では、例えば、エンジン回転速度Nや燃料噴射量Qが大きいほど、ブローバイガスBG中のオイルミストの含有量Bfw、Bfcが多くなるように構成されている。また、ブローバイガスBG中のオイルミストの実際の含有量は、エンジンオイルの温度、シリンダとピストンとのクリアランス等に影響を受けることから、暖態状態である場合は、冷態状態である場合よりも、オイルミストが発生しやすくなる。そして、暖態時ミスト含有量判定マップM2及び冷態時ミスト含有量判定マップM3は、このことを考慮して、適切にオイルミストの含有量Bfw、Bfcを設定するものとされている。尚、本実施形態では、このようなマップM2,M3を用いてオイルミストの含有量Bfを推定するが、その構成については適宜改変可能である。
次に、コーキングリスク判定モジュール30により、オイルミストの含有量BfとコンプレッサC2の実出口温度Tcとに基づいて、後段側のコンプレッサC2でのオイルコーキングの発生リスクが判定される(図3のステップ#04、#05)。
詳しくは、図2に示すように、コーキングリスク判定モジュール30は、ミスト含有量推定モジュール25にて推定されたオイルミストの含有量Bfに基づいて、オイルコーキングの発生リスクが低くなるコンプレッサC2の出口温度の上限値を出口温度閾値TcLとして設定(図3のステップ#04)する閾値設定部31と、入力されたコンプレッサC2の実出口温度Tcと出口温度閾値TcLとを比較して、オイルコーキングの発生リスクを判定(図3のステップ#05)する比較部32とを有して構成されている。
そして、ECU50は、このコーキングリスク判定モジュール30の判定結果に基づいて、三方切替弁15を自動的に制御して、オイルコーキングの発生を抑制する制御部として機能する。
オイルコーキングの発生リスクが低くなるコンプレッサC2の出口温度とは、コンプレッサC2の出口付近においてオイルコーキングが発生しないときの温度のみならず、オイルコーキングが発生した場合であってもその発生程度が早期に過給機5の性能低下や作動不良を引き起こすものではない程度に小さい場合の温度も含む。よって、その上限値として設定される出口温度閾値TcLは、図4に示すように、オイルミストの含有量Bfが少ない場合には、オイルコーキングの発生程度が比較的小さく維持されることから、比較的高めの温度TcL1(例えば180℃)に設定されるが、オイルミストの含有量Bfが多い場合には、オイルコーキングの発生程度が比較的大きくなることから、比較的低めの温度TcL2に設定される。
比較部32において、コンプレッサC2の実出口温度Tcが出口温度閾値TcLよりも大きいと判定された場合には、実際に過給機5の性能や作動に影響を与えるオイルコーキングの発生リスクが高いとして、ブローバイガスBGの通流状態を上述した外部排出状態とするための経路切替信号が出力される。すると、ECU50は、三方切替弁15の切替操作を実行して、図1(b)に示すように、ブローバイガス取出路10とブローバイガス排出路13とを接続することで、エンジン本体1から取り出されたブローバイガスBGを、ブローバイガス取出路10、三方切替弁15、及びブローバイガス排出路13を通じて、排気路3等の外部に排出する。すると、コンプレッサC2の出口付近でのオイルコーキングの発生が抑制され、結果、当該オイルコーキングによる過給機5の性能低下や作動不良が抑制されることになる。
また、比較部32において、コンプレッサC2の実出口温度Tcが出口温度閾値TcL以下であると判定された場合には、実際に過給機5の性能や作動に影響を与えるオイルコーキングの発生リスクが低いとして、ブローバイガスBGの通流状態を上述した吸気還元状態とするための経路切替信号が出力される。すると、ECU50は、三方切替弁15の切替操作を実行して、図1(a)に示すように、ブローバイガス取出路10とブローバイガス還元路12とを接続することで、エンジン本体1から取り出されたブローバイガスBGを、ブローバイガス取出路10、三方切替弁15、及びブローバイガス還元路12を通じて、吸気路2におけるコンプレッサC1の上流側に還元させる。すると、コンプレッサC2の出口付近には、ブローバイガスBG中に含まれていたオイルミストが通過することになるが、過給機5の性能低下や作動不良を引き起こすようなオイルコーキングの発生は抑制されると共に、ブローバイガスBGはエンジン本体1の燃焼室に再度吸気されて適切に処理されることになる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、ミスト含有量推定モジュール25において、エンジン回転速度Nと燃料噴射量Qとを用いて、吸気路2に還元されるブローバイガス中のオイルミストの含有量Bfを推定するように構成したが、エンジン回転速度Nと燃料噴射量Q以外のエンジン本体1の作動状態を用いてオイルミストの含有量を推定するように構成しても構わない。また、エンジン本体1の作動状態を用いるのではなく、ブローバイガス中のオイルミストの含有量を粉塵測定器等により直接計測して求めても構わない。
(2)上記実施形態では、ミスト含有量推定モジュール25において、エンジン本体1が暖態状態であるか冷態状態であるかの暖機状態を考慮して、吸気路2に還元されるブローバイガス中のオイルミストの含有量Bfを推定するように構成したが、エンジン本体1の機関状態に考慮することなく、オイルミストの含有量を推定しても構わない。
(3)上記実施形態では、コーキングリスク判定モジュール30において、オイルミストの含有量Bfに基づいて設定した出口温度閾値TcLに対してコンプレッサC2の実出口温度Tcを比較する形態で、コンプレッサC2でのオイルコーキングの発生リスクを判定したが、このような出口温度閾値TcLを設定することなく、直接オイルミストの含有量BfとコンプレッサC2の実出口温度Tcとを参照して、オイルコーキングの発生リスクを判定しても構わない。
(4)上記実施形態では、コーキングリスク判定モジュール30においてオイルコーキングの発生リスクが高いと判定された場合には、ECU50により三方切替弁15を自動的に制御して、ブローバイガスBGの通流状態を外部排出状態として、ブローバイガス排出路13を通じて当該ブローバイガスBGを排気路3等の外部に排出することで、オイルコーキングの発生を抑制するように構成した。しかしながら、過給圧や出力トルクの上限値を低下させるなどのように、別の方法で、オイルコーキングの発生を抑制するように構成しても構わない。また、このように自動的にオイルコーキングの発生を抑制するためのブローバイガス排出路13や制御部を設けるのではなく、コーキングリスク判定モジュール30によるオイルコーキングの発生リスクの判定結果を、メンテナンスタイミングの参考等として出力するように構成しても構わない。
(5)上記実施形態では、過給機5として、オイルコーキングの発生リスクが増加しやすい2段式の過給機を採用したが、当然、1段式の過給機や3段以上の多段式過給機を採用しても構わない。
1 エンジン本体
2 吸気路
3 排気路(外部)
5 過給機
6 温度センサ(出口温度検出部)
15 三方切替弁(ブローバイガス経路切替部)
25 ミスト含有量推定モジュール(ミスト含有量算出部)
30 コーキングリスク判定モジュール(コーキングリスク判定部)
31 閾値設定部
32 比較部
50 ECU(制御部)
BG ブローバイガス
Bf オイルミストの含有量
C1,C2 コンプレッサ
SA 新気
Tc 実出口温度
TcL 出口温度閾値

Claims (6)

  1. 吸気路においてエンジン本体に吸気される新気を圧縮するコンプレッサを有する過給機を備え、エンジン本体から取り出されたブローバイガスを前記吸気路における前記コンプレッサの上流側に還元するエンジンシステムであって、
    前記ブローバイガス中のオイルミストの含有量を算出するミスト含有量算出部と、
    前記コンプレッサの出口温度を実出口温度として検出する出口温度検出部とを備え、
    前記オイルミストの含有量と前記コンプレッサの実出口温度とに基づいて、前記コンプレッサでのオイルコーキングの発生リスクを判定するコーキングリスク判定部とを備えたエンジンシステム。
  2. 前記コーキングリスク判定部が、
    オイルミストの含有量に基づいて、前記オイルコーキングの発生リスクが低くなる前記コンプレッサの出口温度の上限値を出口温度閾値として設定する閾値設定部と、
    前記コンプレッサの実出口温度と前記出口温度閾値とを比較して、前記オイルコーキングの発生リスクを判定する比較部とを有して構成されている請求項1に記載のエンジンシステム。
  3. 前記ミスト含有量算出部が、エンジン本体の作動状態に基づいて前記オイルミストの含有量を推定するように構成されている請求項1又は2に記載のエンジンシステム。
  4. 前記ミスト含有量算出部が、前記エンジン本体の作動状態として、前記エンジン本体におけるエンジン回転速度、燃料噴射量、及び暖機状態の少なくとも一つに基づいて、前記オイルミストの含有量を推定するように構成されている請求項3に記載のエンジンシステム。
  5. 前記エンジン本体から取り出されたブローバイガスの通流状態を、前記吸気路における前記コンプレッサの上流側に還元する吸気還元状態と、外部に排出する外部排出状態との間で切り替え可能なブローバイガス経路切替部と、
    前記コーキングリスク判定部の判定結果に基づいて、前記ブローバイガス経路切替部を制御して、前記オイルコーキングの発生を抑制する制御部とを備えた請求項1〜4の何れか1項に記載のエンジンシステム。
  6. 前記過給機が、前記吸気路に2以上のコンプレッサを直列状に配置してなる多段式過給機である請求項1〜5の何れか1項に記載のエンジンシステム。
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