JP2019006694A - 毛髪熱保護剤および毛髪処理方法 - Google Patents

毛髪熱保護剤および毛髪処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ヘアアイロン等による熱処理によって引き起こされる熱ダメージから毛髪を保護しつつ、毛髪に柔らかさや、しっとりさ等の良い質感を付与する毛髪熱保護剤を提供する。【解決手段】本発明の毛髪熱保護剤は、グルタミン酸およびトリメチルグリシンから選択される少なくとも一種を含み、80℃以上の温度で熱処理される毛髪に対して、熱処理前に与えられる。【選択図】なし

Description

本発明は、熱処理される毛髪に対して、熱処理前に与えられる毛髪熱保護剤に関する。
毛髪は日々の生活の中でシャンプーやブラッシング、紫外線、パーマなど様々な外的要因により損傷しているが、熱による毛髪の損傷もその中の一つとして挙げられる。日常で使用される毛髪の加熱器具にはヘアドライヤーやヘアアイロンなどがあるが、これらは毛髪の水分を過剰に揮散させるなどといった要因で、パサツキなどの損傷を誘発する。また、毛髪は145℃以上の熱がかかると、毛髪タンパク質中のシスチンのジスルフィド結合が切断され、毛髪タンパク質の変性を起こす。その結果として、毛髪損傷やパーマネントウェーブのかかりの低下などが生じる。
そこで、タンパク質加水分解物、タンパク質加水分解物誘導体およびポリアミノ酸からなる群から選ばれる1種以上を含有した熱保護剤が開発された(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されたタンパク質加水分解物、タンパク質加水分解物誘導体またはポリアミノ酸のような高分子化合物を含有した熱保護剤を使用すると、毛髪表面に被膜を形成することにより、熱処理による毛髪の損傷を抑えることができた。
さらに、毛髪の弾性の増加および/または維持のために、ベタイン(トリメチルグリシン)を使用することが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−046632号公報 特開2002−326912号公報
高分子化合物を配合した熱保護剤は、毛髪表面に被膜を形成することにより、熱処理による毛髪の損傷を抑えることが知られている。しかしながら、被膜を形成することによる効果は、一時的に、ヘアアイロン等による摩擦軽減や毛髪の質感向上を付与するものでしかなく、根本的に毛髪を熱ダメージから保護するものではなかった。本発明の目的は、熱処理によって引き起こされる熱ダメージから毛髪を保護しつつ、毛髪に柔らかさや、しっとりさ等の良い質感を付与する毛髪熱保護剤を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、以下の構成を有する毛髪熱保護剤により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、例えば、以下の[1]〜[8]である。
[1] グルタミン酸およびトリメチルグリシンから選択される少なくとも一種を含み、
80℃以上の温度で熱処理される毛髪に対して、熱処理前に与えられる毛髪熱保護剤。
[2] 前記毛髪熱保護剤は、グルタミン酸およびトリメチルグリシンを含み、
前記毛髪熱保護剤100質量%中に、グルタミン酸およびトリメチルグリシンを合計で0.1〜12質量%含む、[1]に記載の毛髪熱保護剤。
[3] 前記毛髪熱保護剤は、トリメチルグリシンを含まず、
前記毛髪熱保護剤100質量%中に、グルタミン酸を0.1〜12質量%含む、[1]に記載の毛髪熱保護剤。
[4] 前記毛髪熱保護剤は、グルタミン酸を含まず、
前記毛髪熱保護剤100質量%中に、トリメチルグリシンを0.1〜12質量%含む、[1]に記載の毛髪熱保護剤。
[5] グルタミン酸とトリメチルグリシンとの割合(質量比)が4:1〜1:4である、[1]または[2]に記載の毛髪熱保護剤。
[6] pHが2.0〜9.0である、[1]〜[5]のいずれかに記載の毛髪熱保護剤。
[7] スタイリング剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤または前処理剤である、[1]〜[6]のいずれかに記載の毛髪熱保護剤。
[8] 毛髪に[1]〜[7]のいずれかに記載の毛髪熱保護剤を与える工程(1)、および
工程(1)を経た毛髪に、80℃以上で熱処理することにより、毛髪を変形する工程(2)を含む毛髪処理方法。
本発明の毛髪熱保護剤は、ヘアアイロン等による熱処理によって引き起こされる熱ダメージから毛髪を保護しつつ、毛髪に柔らかさや、しっとりさ、ハリ・コシおよび指通りの良い質感を付与することができる。また、熱ダメージが進行しやすい濡れた状態の毛髪への熱処理を行っても、毛髪への熱ダメージを根本的に抑制することができる。さらに、濡れた状態の毛髪に対して熱処理が行えて、かつ、スタイリング(セット)性が向上し、かつ、スタイリングによる毛髪へのダメージを軽減することができるため、サロンでのカラー・パーマ施術を実施することが可能である。
〔毛髪熱保護剤〕
本発明の毛髪熱保護剤は、80℃以上の温度で行われる熱処理の前に毛髪に与えられ、毛髪を熱ダメージから保護するために使用される処理剤をいう。
本発明の毛髪熱保護剤は、好ましくは80℃〜230℃の温度で熱処理される毛髪に使用できる。本発明の毛髪熱保護剤は、より好ましくは200℃以下、特に好ましくは180℃以下の温度で熱処理される毛髪に使用できる。本発明の毛髪熱保護剤は、より好ましくは100℃以上、特に好ましくは130℃以上の温度で熱処理される毛髪に使用できる。
本発明の毛髪熱保護剤は、乾いた状態、または水洗により濡れた状態の毛髪、いずれにおいても使用することができる。
本発明の毛髪熱保護剤は、グルタミン酸およびトリメチルグリシンから選択される少なくとも一種を含む。すなわち、本発明の毛髪熱保護剤は、グルタミン酸を含み、トリメチルグリシンを含まない熱保護剤であっても、グルタミン酸を含まず、トリメチルグリシンを含む熱保護剤であってもよい。毛髪の柔らかさや、しっとりさ、ハリ・コシおよび指通りのバランスの観点から、本発明の毛髪熱保護剤は、グルタミン酸およびトリメチルグリシンを含むことが好ましい。
<グルタミン酸>
本発明の毛髪熱保護剤は、グルタミン酸を含むことが好ましい。
グルタミン酸を含むことにより、本発明の毛髪熱保護剤は、熱ダメージから毛髪を保護するだけでなく、熱処理後の毛髪を、しっとりさ、および柔らかさの質感が特に優れた毛髪とすることができる。
<トリメチルグリシン>
本発明の毛髪熱保護剤は、トリメチルグリシンを含むことが好ましい。
トリメチルグリシンを含むことにより、本発明の毛髪熱保護剤は、熱ダメージから毛髪を保護するだけでなく、熱処理後の毛髪を、ハリ・コシおよび指通りの質感が特に優れた毛髪とすることができる。
特許文献2には、スタイリング、パーマ、ブリーチおよび染色/カラーリング等により毛髪の強度および弾性の減少から毛髪を保護するため、ベタイン(トリメチルグリシン)を使用することについて記載されている。しかしながら、前記ベタイン(トリメチルグリシン)の使用は、毛髪の弾性(柔軟性および引張り強度)を増加/維持することにより化学ダメージから毛髪を保護することは知られていたが、熱ダメージから毛髪を保護することは知られていなかった。このため、特許文献2では、熱処理前の毛髪に与えられる毛髪熱保護剤としてベタインを使用することは何ら検討されていなかった。
本発明の毛髪熱保護剤は、グルタミン酸およびトリメチルグリシンを含むことが好ましく、この場合には毛髪熱保護剤100質量%中に、グルタミン酸およびトリメチルグリシンを合計で、好ましくは0.1〜12質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%含む。
グルタミン酸およびトリメチルグリシンを前記濃度で含む毛髪熱保護剤は、熱ダメージから毛髪を保護する効果が向上するだけでなく、しっとりさ、柔らかさ、ハリ・コシおよび指通りの質感をバランス良く付与することができる。
また、本発明の毛髪熱保護剤に含まれるグルタミン酸の質量の割合がトリメチルグリシンの質量の割合を上回ると、優先的に毛髪にしっとりさ、および柔らかさの質感を付与することができる。一方、本発明の毛髪熱保護剤に含まれるトリメチルグリシンの質量の割合がグルタミン酸の質量の割合を上回ると、優先的に毛髪にハリ・コシおよび指通りの質感を付与することができる。
本発明の毛髪熱保護剤にグルタミン酸およびトリメチルグリシンが含まれる場合には、グルタミン酸とトリメチルグリシンとの割合(質量比)は、好ましくは4:1〜1:4である。本発明の毛髪熱保護剤に含まれるグルタミン酸およびトリメチルグリシンの質量比が前記範囲内であると、毛髪にしっとりさ、および柔らかさ、ならびに、ハリ・コシおよび指通りの質感を両立して付与することができる。
本発明の毛髪熱保護剤は、グルタミン酸を含み、トリメチルグリシンを含まないことも好ましい。この場合には、毛髪熱保護剤100質量%中に、グルタミン酸を、好ましくは0.1〜12質量%、より好ましくは0.5〜6質量%含む。
また、本発明の毛髪熱保護剤は、トリメチルグリシンを含み、グルタミン酸を含まないことも好ましい。この場合には、毛髪熱保護剤100質量%中に、トリメチルグリシンを、好ましくは0.1〜12質量%、より好ましくは0.5〜6質量%含む。
<pH>
本発明の毛髪熱保護剤のpHは、好ましくは2.0〜9.0、より好ましくは3.0〜6.0である。毛髪熱保護剤のpHが前記範囲内にあると、熱ダメージから毛髪を保護しつつ、しっとりさ、柔らかさ、ハリ・コシおよび指通りの質感を付与することができる。
本発明の毛髪熱保護剤のpH調整剤としては、リン酸、水酸化ナトリウムおよびアンモニア水等が挙げられる。
<用途>
本発明の毛髪熱保護剤は、例えば、液状、クリーム状、フォーム状、スプレー状、ジェル状、粉末状、固形状等の多くの剤型で広く利用できる。本発明の毛髪熱保護剤は、80℃以上の温度で熱処理される毛髪に対して、熱処理前に与えられるが、通常は熱処理の5秒〜60分前に与えられる。また、本発明の毛髪熱保護剤は通常、毛髪に与えられた後、熱処理前に洗い流すことなく、熱処理が行われる。
なお、80℃以上の温度で行われる熱処理としては、ヘアアイロン(ストレートアイロン、カールアイロンおよびホットロールブラシ等)を用いたヘアスタイリング、デジタルパーマ、ヘアアイロンを用いたパーマ、縮毛矯正およびドライヤーを用いたヘアブロー等が挙げられる。
本発明の毛髪熱保護剤の用途としては、スタイリング剤、前処理剤、パーマネントウェーブ剤および縮毛矯正剤等が挙げられる。毛髪熱保護剤の用途がパーマネントウェーブ剤および縮毛矯正剤である場合は、毛髪に与えられた後、熱処理前に洗い流してから、熱処理を行ってもよい。また、毛髪熱保護剤が、パーマネントウェーブ剤および縮毛矯正剤以外の用途に用いられる場合には、毛髪に与えられた後、熱処理前に洗い流すことなく、熱処理が行われることが好ましい。本発明の毛髪熱保護剤は、各剤型の常法に基づき調製することができる。本発明の毛髪熱保護剤は、グルタミン酸およびトリメチルグリシンから選択される少なくとも一種を含み、それ以外の成分としては、pH調整剤や水等の溶媒を通常は含んでいる。その他の成分としては、毛髪熱保護剤の用途に応じて適宜選択することができる。
<スタイリング剤>
本発明の毛髪熱保護剤はスタイリング剤であってもよい。毛髪熱保護剤が、スタイリング剤である場合、その効果を損なわない範囲で、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンステアリルエーテル等の油剤、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の保湿剤、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油等のノニオン界面活性剤およびリン酸、水酸化ナトリウム等のpH調整剤を含有することができる。本発明の毛髪熱保護剤の用途がスタイリング剤である場合、上記成分の他に水を加えて100質量%とする。
<パーマネントウェーブ剤>
本発明の毛髪熱保護剤はパーマネントウェーブ剤であってもよい。パーマネントウェーブ剤には、1剤と、2剤とが通常、存在するが、毛髪熱保護剤は、パーマネントウェーブ剤の1剤であることが好ましい。毛髪熱保護剤が、パーマネントウェーブ剤である場合、その効果を損なわない範囲で、チオグリコール酸アンモニウム液等の還元剤、アンモニア水等のpH調整剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のノニオン界面活性剤およびポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム等の高分子ポリマーを含有することができる。本発明の毛髪熱保護剤の用途がパーマネントウェーブ剤である場合、上記成分の他に水を加えて100質量%とする。
なお、パーマを行う際に、2剤を毛髪に与えた後に、熱処理を行う場合には、2剤として毛髪熱保護剤を用いてもよい。
<縮毛矯正剤>
本発明の毛髪熱保護剤は縮毛矯正剤であってもよい。縮毛矯正剤には、1剤と、2剤とが通常存在するが、毛髪熱保護剤は、縮毛矯正剤の1剤であることが好ましい。毛髪熱保護剤が、縮毛矯正剤である場合、その効果を損なわない範囲で、チオグリコール酸アンモニウム液、ジチオジグリコール酸ジアンモニウム液等の還元剤、モノエタノールアミン、アンモニア水等のpH調整剤、ベヘントリモニウムクロリド等のカチオン界面活性剤、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、ミネラルオイル等の油剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のノニオン界面活性剤およびグリセリン等の溶剤を含有することができる。本発明の毛髪熱保護剤の用途が縮毛矯正剤である場合、上記成分の他に水を加えて100質量%とする。
なお、縮毛矯正を行う際に、2剤を毛髪に与えた後に、熱処理を行う場合には、2剤として毛髪熱保護剤を用いてもよい。
<前処理剤>
本発明の毛髪熱保護剤は前処理剤であってもよい。前処理剤は、ヘアスタイリング、デジタルパーマ、パーマ、縮毛矯正およびヘアブロー等の80℃以上の温度で行われる熱処理前に先んじて毛髪に与えられる剤である。毛髪熱保護剤が、前処理剤である場合、その効果を損なわない範囲で、エタノール等の溶剤、ソルビトール等の糖、1,3−ブチレングリコール等の保湿剤、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油等のノニオン界面活性剤およびリン酸、水酸化ナトリウム等のpH調整剤を含有することができる。本発明の毛髪熱保護剤の用途が前処理剤である場合、上記成分の他に水を加えて100質量%とする。
〔毛髪処理方法〕
本発明の毛髪処理方法は、毛髪に本発明の毛髪熱保護剤を与える工程(1)、および
工程(1)を経た毛髪に、80℃以上で熱処理することにより、毛髪を変形する工程(2)を含む。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例、比較例で調製した毛髪熱保護剤の成分および配合割合は、表1〜7に示す通りである。表1〜7に記載された成分の単位は質量%であり、毛髪熱保護剤全量を100質量%として表す。
[実施例1〜20、比較例1〜9]
表1、2に記載の配合割合で、各成分を秤量して、混合することにより毛髪熱保護剤を調製した。
調製した毛髪熱保護剤を用いて、以下の試験を行い、評価を行った。
なお、表1、2に記載の各成分は以下の市販品を用いた。
グルタミン酸:L−グルタミン酸(味の素株式会社製)
トリメチルグリシン:アミノコート(旭化成ファインケム株式会社製)
グリシン:グリシン(有機合成薬品工業株式会社製)
アスパラギン酸:L−アスパラギン酸(純正化学株式会社製)
メチオニン:L−メチオニン(日本理化学薬品株式会社製)
アルギニン:L−アルギニン(味の素株式会社製)
プロリン:L−プロリン(純正化学株式会社製)
PEG−12ジメチコン(成分X−1):SH3771M(東レ・ダウコーニング株式会社製)
(VP/メタクリルアミド/ビニルイミダゾール)コポリマー(成分X−2):ルビセット Clear(BASF株式会社製)
(ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)ヒドロキシプロピル加水分解ケラチン(成分X−3):Promois WK−HSIG(株式会社成和化成製)中に25質量%含まれる(ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)ヒドロキシプロピル加水分解ケラチン
pH調整剤(リン酸):89%燐酸(日本化学工業株式会社製)
pH調整剤(水酸化ナトリウム):苛性ソーダ(東京応化工業株式会社製)
エタノール:95%未変性アルコール(日本アルコール産業株式会社製)
<熱ダメージ保護効果についての評価>
後述の方法で毛束に熱処理を施し、以下の(1)〜(3)の各項目に記載した評価基準に従って熱ダメージ保護効果についての評価を行った。
(熱処理)
美容室より入手した日本人バージン毛の毛束(20cm、5g)を水洗により充分に濡らし、軽くタオルドライした後に、各実施例および比較例で製造した毛髪熱保護剤1.0gを塗布し、コーミングにより、毛束に充分になじませた。2分後に、毛束を180℃に加熱したストレート用アイロン(製品名アドストDSストレートアイロン、株式会社ハッコー製)を用いて30秒間熱処理した。次いで熱処理を行った毛束にシェルパデザインサプリD−1シャンプー(株式会社アリミノ製)1.0gを用いて洗浄後、ドライヤーで乾燥させた。
上記の毛束に対して行う操作;水洗→毛髪熱保護剤塗布→アイロンによる加熱→洗浄→乾燥を30回繰り返した。
<評価項目および評価基準>
(1)毛髪表面の状態の観察
熱処理を行った毛束から毛髪を10本選別して、1本ごとに毛髪表面の状態を、走査型電子顕微鏡(製品名JEOL−6390LA、日本電子株式会株式会社製)を用いて観察した。熱処理を行う前の毛束と、毛髪表面のキューティクルの荒れ(剥がれ、ささくれ)の程度を比較することで、評価した。
◎:熱処理を行う前と同等
○:熱処理を行う前より少し荒れている
×:熱処理を行う前より大きく荒れている
(2)毛髪引張強度(単位面積当たりの応力)の測定
熱処理を行った毛束から毛髪を20本選別して、毛髪直径測定機(製品名SK2000、カトーテック株式会株式会社製)を用いて、1本ごとに毛髪の短径と長径を測定し、楕円と近似して毛髪断面積を求めた。次いで、引張り破断試験機(製品名KES−G1−SH、カトーテック株式会株式会社製)を用いて、毛髪の破断荷重を測定した。得られた毛髪の破断荷重を毛髪断面積で割ることで、単位面積当たりの応力(×10-7N/m2)を算出し、20本の平均値を求めた。
なお、毛髪引張強度(単位面積当たりの応力)が大きい程、切れにくく、枝毛や切れ毛の発生が少なく、毛髪ダメージ保護効果が高い。熱処理を行わないバージン毛の毛髪引張強度は、通常16.0(×10-7N/m2)程度である。本試験条件により得られた結果においては、毛髪引張強度が14.0(×10-7N/m2)以上を合格とし、14.0(×10-7N/m2)未満は不合格とした。
(3)システイン酸残基量の定量
熱処理を行った毛束から毛髪25mgをハサミで長さ1mm以下の細切れに切り取り、容器に入れ、6mol/L塩酸水溶液6mLを加えて充分に脱気した後、110℃で24時間加水分解させた。次いで、ろ過を行い、ろ過した液120μLを濃縮乾固させた後、0.1mol/L塩酸水溶液120μLを加えて再溶解した後、全自動アミノ酸分析機(製品名 JLC−500/V2、日本電子株式会社製)を用いて、システイン酸残基量を定量した。システイン酸残基量は、タンパク質加水分解物に通常含まれる17種のアミノ酸を含めた全アミノ酸残基合計量を1000残基としたときのシステイン酸残基の割合として表す。
なお、システイン酸残基量が少ない程、毛髪ダメージ保護効果が高いことを示す。本試験条件により得られた結果においては、20(システイン酸残基量/1000〔全アミノ酸残基合計量〕)未満を合格とし、それ以上は不合格とみなした。
<官能評価>
後述の方法で毛束にウェーブ形成処理を施し、専門パネラー(美容師)10名が1人ずつ以下の(1)〜(4)の各項目に記載した評価基準に従って官能評価を行った。
各項目につき10名の評価点の平均を算出し、以下のとおり評価した。
◎:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が3.5点以上である。
○:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が2.5点以上3.5点未満である。
△:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が1.5点以上2.5点未満である。
×:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が1.5点未満である。
(ウェーブ形成処理)
日本人バージン毛の毛束(20cm、5g)を水洗により充分に濡らし、軽くタオルドライした後に、各実施例および比較例で製造した毛髪熱保護剤1.0gを塗布し、コーミングにより、毛束に充分になじませた。2分後に、毛束を180℃に加熱した巻髪用アイロン(製品名デジタルパーミングアイロン 22mm、株式会社ハッコー製)に30秒間巻き付けて、ウェーブを形成させた。次いでウェーブを形成させた毛束にシェルパデザインサプリD−1シャンプー(株式会社アリミノ製)1.0gを用いて洗浄後、ドライヤーで乾燥させた。
上記の毛束に対して行う操作;水洗→毛髪熱保護剤塗布→アイロンによる加熱→洗浄→乾燥を30回繰り返した。
<評価項目および評価基準>
(1)仕上がりの質感(しっとりさ)
ウェーブ形成処理を行う前の毛束と、ウェーブ形成処理後の毛束とを比較することで、仕上がりの質感(しっとりさ)の評価を行った。毛束のしっとりさは、手で触ったり、手ぐしを通すことなどによる、手の触感で評価した。
4点 ウェーブ形成処理を行う前に比べ、毛髪をしっとりさせる効果が格段に向上している。
3点 ウェーブ形成処理を行う前に比べ、毛髪をしっとりさせる効果がやや向上している。
2点 ウェーブ形成処理を行う前に比べ、毛髪をしっとりさせる効果は特に差は感じられない。
1点 ウェーブ形成処理を行う前に比べ、毛髪がパサつき、しっとりさが劣る。
(2)仕上がりの質感(柔らかさ)
ウェーブ形成処理を行う前の毛束と、ウェーブ形成処理後の毛束とを比較することで、仕上がりの質感(柔らかさ)の評価を行った。毛束の柔らかさは、手で触ったり、手ぐしを通すことなどによる、手の触感で評価した。
4点 ウェーブ形成処理を行う前に比べ、毛髪を柔らかくする効果が格段に向上している。
3点 ウェーブ形成処理を行う前に比べ、毛髪を柔らかくする効果がやや向上している。
2点 ウェーブ形成処理を行う前に比べ、毛髪を柔らかくする効果は特に差は感じられない。
1点 ウェーブ形成処理を行う前に比べ、毛髪が硬くごわつき、柔らかさが劣る。
(3)仕上がりの質感(ハリ・コシ)
毛髪のハリ・コシとは、具体的にはヘアスタイルを形成し、適度なボリュームが出るのに足りる毛髪の硬さのことである。
ウェーブ形成処理を行う前の毛束と、ウェーブ形成処理後の毛束とを比較することで、仕上がりの質感(ハリ・コシ)の評価を行った。毛束のハリ・コシは、手で触ったり、手ぐしを通すことなどによる、手の触感で評価した。
4点 ウェーブ形成処理を行う前に比べ、格段に毛髪にハリ・コシがある。
3点 ウェーブ形成処理を行う前に比べ、やや毛髪にハリ・コシがある。
2点 ウェーブ形成処理を行う前に比べ、毛髪のハリ・コシに関して特に差は感じられない。
1点 ウェーブ形成処理を行う前に比べ、毛髪にハリ・コシがない。
(4)仕上がりの質感(指通り)
ウェーブ形成処理を行う前の毛束と、ウェーブ形成処理後の毛束とを比較することで、指通りの評価を行った。毛束の指通りは、手で触ったり、手ぐしを通すことなどによる、手の触感で評価した。
指通りが良いほど、指を通した時の抵抗がなく引っかからない。指通りが悪いほど、引っかかりやすく抵抗がある。
4点 ウェーブ形成処理を行う前に比べ、格段に引っかかりが少なく指通りが良い。
3点 ウェーブ形成処理を行う前に比べ、やや引っかかりが少なく指通りが良い。
2点 ウェーブ形成処理を行う前に比べ、毛髪の指通りに関して特に差は感じられない。
1点 ウェーブ形成処理を行う前に比べ、引っかかりがあり指通りが悪い。
[実施例21〜23、比較例10〜12]
表3に記載の配合割合で、各成分を秤量して、混合することにより毛髪熱保護剤を調製した。
調製した毛髪熱保護剤を用いて、以下の試験を行い、評価を行った。
なお、表3に記載の各成分は表1に記載の市販品を用いた。
<熱ダメージ保護効果についての評価>
前記実施例1〜20および比較例1〜9の熱処理において、ストレート用アイロンの温度を、180℃から80℃に変更し、毛束に対して行う操作;水洗→毛髪熱保護剤塗布→アイロンによる加熱→洗浄→乾燥の回数を、30回から60回に変更した以外は、前記実施例1〜20および比較例1〜9と同様の方法で熱処理を行った。
<評価項目および評価基準>
(1)毛髪表面の状態の観察
前記実施例1〜20および比較例1〜9と同様の方法で、(1)毛髪表面の状態の観察、(2)毛髪引張強度(単位面積当たりの応力)の測定、および(3)システイン酸残基量の定量を行った。
<官能評価>
前記実施例1〜20および比較例1〜9のウェーブ形成処理において、巻髪用アイロンの温度を、180℃から80℃に変更し、毛束に対して行う操作;水洗→毛髪熱保護剤塗布→アイロンによる加熱→洗浄→乾燥の回数を、30回から60回に変更した以外は、前記実施例1〜20および比較例1〜9と同様の方法でウェーブ形成処理を行った。
<評価項目および評価基準>
前記実施例1〜20および比較例1〜9と同様の方法で、(1)仕上がりの質感(しっとりさ)、(2)仕上がりの質感(柔らかさ)、(3)仕上がりの質感(ハリ・コシ)、(4)仕上がりの質感(指通り)の評価を行った。
Figure 2019006694
Figure 2019006694
Figure 2019006694
[実施例24〜26、比較例13]:スタイリング剤
表4に記載の配合割合で、各成分を秤量して、混合することによりスタイリング剤を調製した。
調製したスタイリング剤を用いて、以下の試験を行い、評価を行った。
なお、表4に記載の各成分は以下の市販品を用いた。
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体:KF−6004(信越化学工業株式会社製)
ポリエチレングリコール200:PEG#200(日油株式会社製)
1,3−ブチレングリコール:1,3−ブチレングリコール(ダイセル化学工業株式会社製)
ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンステアリルエーテル:ユニセーフ34S−23(日油株式会社製)
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油:EMALEX HC−60(日本エマルジョン株式会社製)
グルタミン酸:L−グルタミン酸(味の素株式会社製)
トリメチルグリシン:アミノコート(旭化成ファインケム株式会社製)
リン酸:89%燐酸(日本化学工業株式会社製)
水酸化ナトリウム:苛性ソーダ(東京応化工業株式会社製)
<熱ダメージ保護効果についての評価>
実施例1〜20および比較例1〜9と同様にして、実施例24〜26および比較例13のスタイリング剤の熱ダメージ保護効果についての評価を行った。
<官能評価>
実施例1〜20および比較例1〜9と同様にして、実施例24〜26および比較例13のスタイリング剤の官能評価を行った。
Figure 2019006694
[実施例27〜29、比較例14]:前処理剤
表5に記載の配合割合で、各成分を秤量して、混合することにより前処理剤を調製した。
調製した前処理剤を用いて、以下の試験を行い、評価を行った。
なお、表5に記載の各成分は以下の市販品を用いた。
エタノール:95%未変性アルコール(日本アルコール産業株式会社製)
ソルビトール:ソルビトール花王(花王株式会社製)
1,3−ブチレングリコール:1,3−ブチレングリコール(ダイセル化学工業株式会社製)
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油:EMALEX HC−60(日本エマルジョン株式会社製)
グルタミン酸:L−グルタミン酸(味の素株式会社製)
トリメチルグリシン:アミノコート(旭化成ファインケム株式会社製)
リン酸:89%燐酸(日本化学工業株式会社製)
水酸化ナトリウム:苛性ソーダ(東京応化工業株式会社製)
<熱ダメージ保護効果についての評価>
実施例1〜20および比較例1〜9と同様にして、実施例27〜29、比較例14の前処理剤の熱ダメージ保護効果についての評価を行った。
<官能評価>
実施例1〜20および比較例1〜9と同様にして、実施例27〜29、比較例14の前処理剤の官能評価を行った。
Figure 2019006694
[実施例30〜32、比較例15]:パーマネントウェーブ剤(第1剤)
表6に記載の配合割合で、各成分を秤量して、混合することによりパーマネントウェーブ剤(第1剤)を調製した。
調製したパーマネントウェーブ剤(第1剤)を用いて、以下の試験を行い、評価を行った。
なお、表6に記載の各成分は以下の市販品を用いた。
チオグリコール酸アンモニウム液:50%チオグリコール酸アンモン(佐々木化学株式会社製)液中にチオグリコール酸が50質量%含まれる溶液
28%アンモニア水:28%アンモニア(大盛化工株式会社製)
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン:ニッサンアノンBL(日油株式会社製)
ポリオキシエチレンラウリルエーテル:EMALEX703(日本エマルジョン株式会社製)
ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム:MEポリマーH40W(東邦化学工業株式会社製)
グルタミン酸:L−グルタミン酸(味の素株式会社製)
トリメチルグリシン:アミノコート(旭化成ファインケム株式会社製)
<熱ダメージ保護効果についての評価>
後述の方法で毛束に熱処理を施し、前記実施例1〜20および比較例1〜9と同様の方法で、(1)毛髪表面の状態の観察、(2)毛髪引張強度(単位面積当たりの応力)の測定、および(3)システイン酸残基量の定量を行った。
(熱処理)
日本人バージン毛の毛束(20cm、5g)を水洗により充分に濡らし、軽くタオルドライした後に、直径17mmのパーマロッド(製品名 ニューエバーロッドF型 フィットタイプ F−17、安元化成株式会社製)に巻き付けた。実施例30〜32および比較例15で製造したパーマネントウェーブ剤(第1剤)2.0gを毛束に塗布して10分間放置後、水洗した。その後、パーマロッドを外し、タオルドライした。次いで、毛束を180℃に加熱した巻髪用アイロン(製品名デジタルパーミングアイロン 22mm、株式会社ハッコー製)に30秒間巻き付け、ウェーブを形成させた。次いで熱処理を行った毛束にコスメカールアフターローション(第2剤)(株式会社アリミノ製)2.0gを塗布し10分間放置し水洗した後、ドライヤーで乾燥させた。
上記の毛束に対して行う操作;水洗→パーマネントウェーブ剤(第1剤)塗布→水洗→アイロンによる加熱→第2剤塗布→水洗→乾燥を10回繰り返した。
<官能評価>
前記熱ダメージ保護効果についての評価における熱処理と同様の方法で、毛束に熱処理を行い、得られた毛束について官能評価を行った。
官能評価は、前記実施例1〜20および比較例1〜9と同様の方法で、(1)仕上がりの質感(しっとりさ)、(2)仕上がりの質感(柔らかさ)、(3)仕上がりの質感(ハリ・コシ)、(4)仕上がりの質感(指通り)の評価を行った。
Figure 2019006694
[実施例33〜35、比較例16]:縮毛矯正剤(第1剤)
表7に記載の配合割合で、各成分を秤量して、混合することにより縮毛矯正剤(第1剤)を調製した。
調製した縮毛矯正剤(第1剤)を用いて、以下の試験を行い、評価を行った。
なお、表7に記載の各成分は以下の市販品を用いた。
チオグリコール酸アンモニウム液:50%チオグリコール酸アンモン(佐々木化学株式会社製)液中にチオグリコール酸が50質量%含まれる溶液
ジチオジグリコール酸ジアンモニウム液:40%ADTDG(佐々木化学株式会社製)液中にジチオジグリコール酸が40質量%含まれる溶液
28%アンモニア水:28%アンモニア(大盛化工株式会社製)
モノエタノールアミン:モノエタノールアミン(三井化学ファイン株式会社製)
ベヘントリモニウムクロリド:CATINAL DC−80(東邦化学工業株式会社製)
セタノール:セタノール(高級アルコール工業株式会社製)
ベヘニルアルコール:ベヘニルアルコール(高級アルコール工業株式会社製)
ポリオキシエチレンオレイルエーテル:NIKKOL BO−2V(日光ケミカルズ株式会社製)
ミネラルオイル:ハイコールK−350(カネダ株式会社製)
グリセリン:グリセリン RG・コ(日油株式会社製)
グルタミン酸:L−グルタミン酸(味の素株式会社製)
トリメチルグリシン:アミノコート(旭化成ファインケム株式会社製)
<熱ダメージ保護効果についての評価>
後述の方法で毛束に熱処理を施し、前記実施例1〜20および比較例1〜9と同様の方法で、(1)毛髪表面の状態の観察、(2)毛髪引張強度(単位面積当たりの応力)の測定、および(3)システイン酸残基量の定量を行った。
(熱処理)
日本人バージン毛の毛束(20cm、5g)を水洗により充分に濡らし、軽くタオルドライした後に、実施例33〜35および比較例16で製造した縮毛矯正剤(第1剤)2.0gを塗布し、コーミングにより、毛束に充分になじませ、10分間放置した後、水洗した。毛束を軽くタオルドライし、ドライヤーで乾燥させた後、コーミングを行い、180℃に加熱したストレート用アイロン(製品名アドストDSストレートアイロン、株式会社ハッコー製)を用いて30秒間熱処理した。次いで熱処理を行った毛束にクオライン アフタークリーム(第2剤)(株式会社アリミノ製)2.0gを塗布し10分間放置後、水洗し、ドライヤーで乾燥させた。
上記の毛束に対して行う操作;水洗→縮毛矯正剤(第1剤)塗布→水洗→乾燥→アイロンによる加熱→第2剤塗布→水洗→乾燥を5回繰り返した。
<官能評価>
前記熱ダメージ保護効果についての評価における熱処理と同様の方法で、毛束に熱処理を行い、得られた毛束について官能評価を行った。
官能評価は、前記実施例1〜20および比較例1〜9と同様の方法で、(1)仕上がりの質感(しっとりさ)、(2)仕上がりの質感(柔らかさ)、(3)仕上がりの質感(ハリ・コシ)、(4)仕上がりの質感(指通り)の評価を行った。
Figure 2019006694
実施例1〜35で製造した毛髪熱保護剤はいずれも、比較例と比べて高い熱ダメージ保護効果を有し、熱処理後の毛髪は、しっとりさ、柔らかさ、ハリ・コシおよび指通りが良好であった。
比較例1で製造した毛髪熱保護剤は、グルタミン酸またはトリメチルグリシンを含まないため、熱ダメージ保護効果が無く、180℃の温度で熱処理後の毛髪は、しっとりさ、柔らかさ、ハリ・コシおよび指通りが劣る結果となった。
比較例2〜6で製造した毛髪熱保護剤は、グルタミン酸またはトリメチルグリシンに代えて、他のアミノ酸を含むが、熱ダメージ保護効果が低く、180℃の温度で熱処理後の毛髪は、指通りが劣る結果となった。
比較例7〜9で製造した毛髪熱保護剤は、グルタミン酸またはトリメチルグリシンに代えて、それぞれ成分X−1、X−2またはX−3を使用した。比較例7〜9では、熱ダメージ保護効果が低く、180℃の温度で熱処理後の毛髪は、柔らかさが劣る結果となった。
比較例10で製造した毛髪熱保護剤は、グルタミン酸またはトリメチルグリシンを含まないため、熱ダメージ保護効果が無く、80℃の温度で熱処理後の毛髪は、しっとりさ、柔らかさ、ハリ・コシおよび指通りが劣る結果となった。
比較例11で製造した毛髪熱保護剤は、グルタミン酸またはトリメチルグリシンに代えて、他のアミノ酸を含むが、熱ダメージ保護効果が低く、80℃の温度で熱処理後の毛髪は、しっとりさ、柔らかさ、および指通りが劣る結果となった。
比較例12で製造した毛髪熱保護剤は、グルタミン酸またはトリメチルグリシンに代えて、成分X−1を使用した。比較例12では、熱ダメージ保護効果が低く、80℃の温度で熱処理後の毛髪は、柔らかさ、ハリ・コシおよび指通りが劣る結果となった。
比較例13で製造した毛髪熱保護剤(スタイリング剤)は、グルタミン酸またはトリメチルグリシンを含まないため、熱ダメージ保護効果が低く、180℃の温度で熱処理後の毛髪は、しっとりさ、柔らかさ、ハリ・コシおよび指通りが劣る結果となった。
比較例14で製造した毛髪熱保護剤(前処理剤)は、グルタミン酸またはトリメチルグリシンを含まないため、熱ダメージ保護効果が低く、180℃の温度で熱処理後の毛髪は、しっとりさ、柔らかさ、ハリ・コシおよび指通りが劣る結果となった。
比較例15で製造した毛髪熱保護剤(パーマネントウェーブ剤 第1剤)は、グルタミン酸またはトリメチルグリシンを含まないため、熱ダメージ保護効果が低く、180℃の温度で熱処理後の毛髪は、しっとりさ、柔らかさ、ハリ・コシおよび指通りが劣る結果となった。
比較例16で製造した毛髪熱保護剤(縮毛矯正剤 第1剤)は、グルタミン酸またはトリメチルグリシンを含まないため、熱ダメージ保護効果が低く、180℃の温度で熱処理後の毛髪は、しっとりさ、柔らかさ、ハリ・コシおよび指通りが劣る結果となった。
実施例1〜4で製造した毛髪熱保護剤はいずれも、グルタミン酸を含む。該実施例では熱ダメージ保護効果が高く、180℃の温度で熱処理後の毛髪は、特にしっとりさ、および柔らかさに優れる傾向にある。
実施例5〜8で製造した毛髪熱保護剤はいずれも、トリメチルグリシンを含む。該実施例では熱ダメージ保護効果が高く、180℃の温度で熱処理後の毛髪は、特にハリ・コシおよび指通りに優れる傾向にある。
実施例13〜16で製造した毛髪熱保護剤はいずれも、グルタミン酸およびトリメチルグリシンを含む。該実施例では熱ダメージ保護効果が高く、180℃の温度で熱処理後の毛髪は、しっとりさ、柔らかさ、ハリ・コシおよび指通りに優れる。
実施例9〜12で製造した毛髪熱保護剤はいずれも、グルタミン酸およびトリメチルグリシンを含み、グルタミン酸とトリメチルグリシンとの割合が4:1〜1:4である。該実施例では特に、熱ダメージ保護効果が高く、180℃の温度で熱処理後の毛髪は、しっとりさ、柔らかさ、ハリ・コシおよび指通りに優れる。
実施例17〜20で製造した毛髪熱保護剤はいずれも、グルタミン酸およびトリメチルグリシンを含み、pHが2.0〜9.0の範囲内にある。該実施例では熱ダメージ保護効果が高く、180℃の温度で熱処理後の毛髪は、しっとりさ、柔らかさ、ハリ・コシおよび指通りに優れる。
実施例21で製造した毛髪熱保護剤はグルタミン酸を含む。該実施例では熱ダメージ保護効果が高く、80℃の温度で熱処理後の毛髪は、しっとりさ、および柔らかさに優れる。
実施例22で製造した毛髪熱保護剤はトリメチルグリシンを含む。該実施例では熱ダメージ保護効果が高く、80℃の温度で熱処理後の毛髪は、しっとりさ、ハリ・コシおよび指通りに優れる。
実施例23で製造した毛髪熱保護剤はグルタミン酸およびトリメチルグリシンを含む。該実施例では熱ダメージ保護効果が高く、80℃の温度で熱処理後の毛髪は、しっとりさ、柔らかさ、ハリ・コシおよび指通りに優れる。
実施例24〜26で製造した毛髪熱保護剤(スタイリング剤)はグルタミン酸およびトリメチルグリシンから選択される少なくとも一種を含む。該実施例では熱ダメージ保護効果が高く、180℃の温度で熱処理後の毛髪は、しっとりさ、ハリ・コシおよび指通りに優れる。
実施例27〜29で製造した毛髪熱保護剤(前処理剤)はグルタミン酸およびトリメチルグリシンから選択される少なくとも一種を含む。該実施例では熱ダメージ保護効果が高く、180℃の温度で熱処理後の毛髪は、しっとりさ、ハリ・コシおよび指通りに優れる。
実施例30〜32で製造した毛髪熱保護剤(パーマネントウェーブ剤 第1剤)はグルタミン酸およびトリメチルグリシンから選択される少なくとも一種を含む。該実施例では熱ダメージ保護効果が高く、180℃の温度で熱処理後の毛髪は、しっとりさ、ハリ・コシおよび指通りに優れる。
実施例33〜35で製造した毛髪熱保護剤(縮毛矯正剤 第1剤)はグルタミン酸およびトリメチルグリシンから選択される少なくとも一種を含む。該実施例では熱ダメージ保護効果が高く、180℃の温度で熱処理後の毛髪は、しっとりさ、およびハリ・コシに優れる。

Claims (8)

  1. グルタミン酸およびトリメチルグリシンから選択される少なくとも一種を含み、
    80℃以上の温度で熱処理される毛髪に対して、熱処理前に与えられる毛髪熱保護剤。
  2. 前記毛髪熱保護剤は、グルタミン酸およびトリメチルグリシンを含み、
    前記毛髪熱保護剤100質量%中に、グルタミン酸およびトリメチルグリシンを合計で0.1〜12質量%含む、請求項1に記載の毛髪熱保護剤。
  3. 前記毛髪熱保護剤は、トリメチルグリシンを含まず、
    前記毛髪熱保護剤100質量%中に、グルタミン酸を0.1〜12質量%含む、請求項1に記載の毛髪熱保護剤。
  4. 前記毛髪熱保護剤は、グルタミン酸を含まず、
    前記毛髪熱保護剤100質量%中に、トリメチルグリシンを0.1〜12質量%含む、請求項1に記載の毛髪熱保護剤。
  5. グルタミン酸とトリメチルグリシンとの割合(質量比)が4:1〜1:4である、請求項1または2に記載の毛髪熱保護剤。
  6. pHが2.0〜9.0である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の毛髪熱保護剤。
  7. スタイリング剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤または前処理剤である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の毛髪熱保護剤。
  8. 毛髪に請求項1〜7のいずれか一項に記載の毛髪熱保護剤を与える工程(1)、および
    工程(1)を経た毛髪に、80℃以上で熱処理することにより、毛髪を変形する工程(2)を含む毛髪処理方法。
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