JP2019005984A - 樹脂製歯車の製造方法 - Google Patents

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Takashi Kimura
隆 木村
雄也 上野
Takeya Ueno
雄也 上野
祐哲 上甫木
Yutetsu Kamihogi
祐哲 上甫木
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Abstract

【課題】切削による部材のロスを低減するとともに、強度低下を抑制することが可能な樹脂製歯車の製造方法を提供すること。【解決手段】外周部に歯形形状1aが形成された円環状の樹脂部材1と、当該樹脂部材1の内周部に配置されたブッシュ3と、を有する樹脂製歯車の製造方法であって、抄造法により、短繊維を含む円環状の抄造素形体をブッシュの周囲に形成する抄造素形体形成工程と、当該抄造素形体の外周部に、水圧加工法により歯形形状を形成して、歯形形状素形体を得る歯形形状加工工程と、歯形形状を有する金型内に、上記歯形形状素形体を配置し、樹脂を注入及び硬化させて上記樹脂部材を形成する樹脂部材形成工程とを備える製造方法。【選択図】図1

Description

本開示は樹脂製歯車の製造方法に関する。
樹脂製歯車は、外周部に歯形形状が形成された円環状の樹脂部材及びその内周部に配置され当該樹脂部材を保持するブッシュを有する。樹脂製歯車は、軽量でありながら耐久性能に優れることから、車両用部品、産業用部品等に好適に用いられている。
樹脂製歯車の製造方法としては、例えば、筒状金型を用いて、抄造法によりブッシュの周囲に繊維集合体(円環状の抄造素形体)を集積させた後に、樹脂を含浸及び硬化させ、更に硬化させた樹脂部を切削加工(歯切加工)することにより製造する方法(例えば、特許文献1参照)や、短繊維と粉末状樹脂と水とを混合して調製したスラリを抄造法により集積させ、短繊維と粉末状樹脂の集積体を形成するステップと、集積体を厚さ方向に圧縮して成形素材を形成するステップと、成形素材を加熱加圧成形して樹脂成形体を形成するステップと、樹脂成形体を切削加工(歯切加工)して、歯車の歯部を形成するステップとを経る方法(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。
特開2013−141826号公報 特開2014−213560号公報
しかしながら、樹脂を硬化させた後に歯切加工を行った場合には、切削により生じる切削片を再利用することができず、生産性が低下するという問題がある。また、特許文献1では、樹脂を含浸させる前に、最終的な歯の形状を有した金型を用いて歯部を形成する方法も提案されているが、円環状の抄造素形体を最終的な歯の形状を有した金型に入れて成型した場合には、抄造素形体が金型に押圧されることで抄造素形体に圧縮ひずみが生じるため、製造される歯車の強度が低下するおそれがある。
そこで本開示は、切削による材料のロスを低減するとともに、強度低下を抑制することが可能な樹脂製歯車の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、樹脂を硬化させる前に円環状の抄造素形体の外周部に、水圧加工法により歯形形状を形成することにより、上記課題を解決できることを見出した。
本開示の一実施形態に係る外周部に歯形形状が形成された円環状の樹脂部材と、当該樹脂部材の内周部に配置されたブッシュと、を有する樹脂製歯車の製造方法は、抄造法により、短繊維を含む円環状の抄造素形体をブッシュの周囲に形成する抄造素形体形成工程と、当該抄造素形体の外周部に、水圧加工法により歯形形状を形成して、歯形形状素形体を得る歯形形状加工工程と、歯形形状を有する金型内に、上記歯形形状素形体を配置し、樹脂を注入及び硬化させて上記樹脂部材を形成する樹脂部材形成工程と、を備える。
かかる製造方法によれば、樹脂を注入及び硬化する前に歯形形状を形成しているので、歯形形状加工工程において生じる切削片の再利用が可能である。また、歯形形状を形成した後に、歯形形状を有する金型内に配置するので、ひずみが小さく、強度低下を抑制することができる。
本開示の他の実施形態に係る外周部に歯形形状が形成された円環状の樹脂部材と、当該樹脂部材の内周部に配置されたブッシュと、を有する樹脂製歯車の製造方法は、抄造法により、短繊維及び樹脂を含む円環状の抄造素形体をブッシュの周囲に形成する抄造素形体形成工程と、当該抄造素形体の外周部に、水圧加工法により歯形形状を形成して、歯形形状素形体を得る歯形形状加工工程と、歯形形状を有する金型内に、上記歯形形状素形体を配置し、上記樹脂を硬化させて上記樹脂部材を形成する樹脂部材形成工程と、を備える。
かかる製造方法によれば、樹脂を硬化する前に歯形形状を形成しているので、歯形形状加工工程において生じる切削片の再利用が可能である。また、歯形形状を形成した後に、歯形形状を有する金型内に配置するので、ひずみが小さく、強度低下を抑制することができる。
本実施形態の樹脂製歯車の製造方法は、上記樹脂部材形成工程後に、上記樹脂部材の歯切加工を行う歯切加工工程を更に備えることが好ましい。これにより、更に精度の高い樹脂製歯車を製造することができる。
上記水圧加工法は、抄造素形体の加工をし易い観点から、ウォータジェット加工法であることが好ましい。
本開示によれば、切削による部材のロスを低減するとともに、強度低下を抑制することが可能な樹脂製歯車の製造方法を提供することができる。
本開示の一態様に係る樹脂製歯車の平面図である。 図1の樹脂製歯車におけるII−II断面図である。 (A)は本開示の一態様に係る円環状抄造素形体の斜視図であり、(B)は(A)の抄造素形体におけるIIIB−IIIB断面図である。 本開示の一態様に係る歯形形状加工工程の概略図である。 実施例における抄造素形体の形成を説明するための模式断面図である。 実施例で用いた成形金型を示す模式断面図である。
以下、図面を参照しながら本実施形態について詳細に説明する。以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本実施形態の樹脂製歯車の製造方法は、抄造素形体形成工程、歯形形状加工工程及び樹脂部材形成工程を備える。本実施形態の樹脂製歯車の製造方法は、歯切加工工程を更に備えていてもよい。以下、詳細に説明する。
<樹脂製歯車>
樹脂製歯車の一態様について、図1及び2に基づいて説明する。図1は樹脂製歯車の平面図であり、図2は図1の樹脂製歯車におけるII−II断面図である。樹脂製歯車10は、外周部に歯形形状1aが形成された円環状の樹脂部材1と、当該樹脂部材1の内周部に配置されたブッシュ3とを有する。
樹脂部材1は、本実施形態の樹脂製歯車の製造方法により製造することができる。樹脂部材1の外周部に形成された歯形形状は、特に限定されず、例えば、歯すじが軸に平行な直線である「平歯形状」又は歯すじがつるまき線である「はす歯形状」のいずれであってもよい。
ブッシュ3は、ブッシュ3と一体となった複数の突出部3aを有する。複数の突出部3aは、周方向に所定の間隔をあけて形成され、樹脂部材1の抜けを防止する。なお、ブッシュ3は、突出部3a以外の手段により樹脂部材1を固定するものであってもよい。
また、ブッシュ3の中央部には、回転軸(図示せず)を嵌合するための貫通孔5が形成されている。なお、ブッシュ3は回転軸と一体となって形成されたものであってもよい。
ブッシュ3の材質は、特に限定されるものではないが、強度の点から、金属製のものが好ましい。
<抄造素形体形成工程>
抄造素形体形成工程では、抄造法により円環状の抄造素形体をブッシュの周囲に形成する。抄造素形体は、短繊維のみを含むものであっても、短繊維及び樹脂を含むものであってもよい。
抄造素形体の一態様について、図3に基づいて説明する。図3(A)は、抄造素形体の一態様を示す斜視図であり、図3(B)は、図3(A)の抄造素形体におけるIIIB−IIIB断面図である。抄造素形体7は、ブッシュ3の周囲に形成され、円環形状を有する。
抄造法による抄造素形体の形成には、従来公知の方法を適用することができる。例えば、円環形状は、筒状金型を用いることにより形成することができる。また、抄造素形体は、例えば、金型の中央にブッシュを配置し、ブッシュの周囲に短繊維、分散媒及び任意の樹脂の分散液を注入し、金型から分散媒を排出した後に、筒状金型内に残った集合体を圧縮することにより形成することができる(例えば、上記特許文献1、2参照)。
短繊維は、融点、又は分解温度が、250℃以上の短繊維からなるものが好ましい。このような短繊維を用いることで、成形時の成形温度や加工温度、実使用時の雰囲気温度において、短繊維が熱劣化を起こすことなく、耐熱性に優れた繊維基材又は樹脂製歯車とすることができる。
このような短繊維としては、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、セラミック繊維、超高強力ポリエチレン繊維、ポリケトン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリイミド繊維、及びポリビニルアルコール系繊維から選ばれた少なくとも1種以上の短繊維を使用することが好ましい。特に、パラ系アラミド繊維と、メタ系アラミド繊維との混合繊維を短繊維として用いた場合には、耐熱性、強度、樹脂成形後の加工性のバランスが優れている。
スラリとしては、有機溶媒、有機溶媒と水との混合物、水等を用いることができ、特に経済的で、環境への負荷が少ない、水を使用することが好ましい。
有機溶媒を用いる場合には、安全面に充分注意し、メタノール、エタノール、アセトン、トルエン、ジエチルエーテル等の有機溶媒を使用することも可能である。
樹脂は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれであってもよいが、製造される樹脂製歯車の強度を向上させる観点から、熱硬化性樹脂であると好ましい。より具体的には、エポキシ樹脂、ポリアミノアミド樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等から選ばれた1以上の樹脂と、選択された樹脂の種類に応じた硬化剤とを組み合わせたものが使用できる。
これらの中でも、樹脂硬化物の強度、耐熱性等の点からポリアミノアミド樹脂が好ましく、耐熱性、強度が優れる2,2’−(1,3フェニレン)ビス2−オキサゾリンとアミン硬化剤の混合物100質量部に対し、触媒には硬化促進剤として、例えば、n−オクチルブロマイドが5質量部以下からなる樹脂を使用することが好ましい。
なお、樹脂は抄造素形体形成工程において短繊維と一緒に抄造されてもよく、短繊維のみを含む抄造素形体を形成した後に、樹脂部材形成工程において抄造素形体に含浸されてもよい。
<歯形形状加工工程>
歯形形状加工工程では、水圧加工法により歯形形状を形成して、歯形形状素形体を得る。本実施形態の製造方法においては、水圧加工法を適用するので、比較的柔らかく加工が難しい抄造素形体を加工することができる。
水圧加工法としては、例えば、ウォータジェット加工法を採用することができる。ウォータジェット加工法では、図4に示すように、水圧を利用して抄造素形体の外周部の一部を切断除去し、抄造素形体の外周部に歯型形状を形成する。なお、抄造素形体の一部を切断除去することが可能であれば、水圧を利用した他の方法を採用してもよい。
形成される歯形形状は特に限定されず、平歯形状又ははす歯形状のいずれであってもよい。歯形形状加工工程において形成される歯形形状は、金型成型の際のひずみを抑制する観点から、樹脂部材形成工程において用いられる金型の歯形形状と同じ形状であることが好ましい。
<樹脂部材形成工程>
樹脂部材形成工程では、歯形形状を有する金型内に、上記歯形形状素形体を配置し、樹脂を硬化させて樹脂部材を形成する。抄造素形体形成工程において樹脂を用いなかった場合には、金型内に樹脂を注入して歯形形状素形体に含浸させた後に、樹脂を硬化させる。金型における歯形形状は特に限定されず、平歯形状又ははす歯形状のいずれであってもよい。
<歯切加工工程>
歯切加工工程では、樹脂部材の歯切加工を行う。樹脂部材は、樹脂部材形成工程において歯形形状を付与されているので、そのまま樹脂製歯車として用いることもできるが、樹脂製歯車の精度を高めるために歯切加工を行うことが好ましい。適用される歯切加工としては、ホブ盤又はシェービング盤による仕上げ加工が挙げられる。ホブ盤としては、例えば三菱重工株式会社製のGE15A(商品名)を用いることができる。なお、ホブ盤による切削量は200μm以上になる。シェービング盤としては、例えば三菱重工株式会社製のFE30A(商品名)を用いることができる。なお、シェービング加工による切削量は少なく、20〜150μm程度になる。
以下、実施例を用いて本開示をより詳細に説明するが、本開示はこれらによって制限されるものではない。
[実施例1]
(抄造用スラリの調製)
抄造用スラリを製造するために、投入時の短繊維と粉末状樹脂の濃度が4g/リットルとなる量の水を満たしたタンクを用意した。そしてこのタンク内に、樹脂部材中の短繊維の繊維総量が40体積%となる量の短繊維(パラ型全芳香族ポリアミド繊維、メタ型全芳香族ポリアミド繊維、及びフィブリル化処理した微細繊維との混合物)と、樹脂部材中の樹脂の総量が60体積%となる量の粉末状樹脂を入れた。
本実施例において用いた短繊維は、具体的には、アスペクト比:200、単繊維繊度:1.7detx、繊維長:3mmのパラ型全芳香族ポリアミド繊維(帝人テクノプロダクツ製「テクノーラ(登録商標)」)を50質量%、アスペクト比:200、単繊維繊度:2.2detx、繊維長:3mmのメタ型全芳香族ポリアミド繊維(帝人テクノプロダクツ製「コーネックス(登録商標)」)を45質量%、及びフリーネス値:300mlまでフィブリル化処理した微細繊維(デュポン株式会社製「ケブラー(登録商標)」)を5質量%混合したものである。また、粉末状樹脂としては、粒子径20μmのフェノール樹脂粉末(エア・ウォーター・ベルパール株式会社製「ベルパール(登録商標)」)を用いた。
次に攪拌機でタンク内の水を攪拌し短繊維と樹脂粉末を分散させ、抄造用スラリを得た。
(抄造素形体の形成)
図5(A)〜(D)に示す手順で、抄造装置8を用いて、抄造素形体7を形成した。抄造装置8は、ブッシュ3を挟持するための上支持台11及びブッシュ支持台12、抄造用スラリを圧縮成形するための上圧縮型13及び下圧縮型14、及びブッシュ支持台12及び下圧縮型14を収納する筒状金型9を備える。下圧縮型14は、ブッシュ支持台12及び筒状金型9の間に設けられ、下圧縮型14の上面に抄造用スラリが投入される。下圧縮型14には、スラリ中の溶媒を排出するための、複数の通液管15が設けられ、下圧縮型14の上面には、短繊維及び樹脂粉末が流出することを防止するための金網16が設けられている。なお、金網16としては、20メッシュのものを用いた。以下、順を追って説明する。
まず、図5(A)に示すように、ブッシュ支持台12上に、ブッシュ3を位置決めした。
本実施例に使用したブッシュ3の各寸法は、以下のとおりである。
・ブッシュ内径:30mm
・ブッシュ外径:50mm
・ブッシュ全体厚み:13mm
・突出部の外径:54mm
次に、図5(B)に示すように、上支持台11を下方向に移動して、ブッシュ支持台12と上支持台11との間に、ブッシュ3を挟持した。ここで、下圧縮型14の位置は、ブッシュ3の軸方向中央から金網16上面までの距離が、50mmとなる位置とした。この状態で、下圧縮型14の上面に、上述の抄造用スラリを投入した。そして、真空吸引をして下圧縮型14に設けた複数の通液管15から水を排水することにより、抄造スラリ中の水を分離して、円環状の集積体17を得た。
次に、図5(C)に示すように、上圧縮型13を、ブッシュ3の軸方向中央から上圧縮型13下面までの距離が、50mmとなる位置まで下降させた。この状態では、ブッシュ3が、下圧縮型14と上圧縮型13との間の中央に位置する。
次に、図5(D)に示すように、ブッシュ3が、下圧縮型14と上圧縮型13との間の、中央に位置する状態を保持しながら、下圧縮型14と上圧縮型13とをそれぞれ同速度で相互に近づく方向に移動させ、集積体17が、厚み:20mmとなるまで圧縮した。圧縮を1分間行なうことにより、ブッシュ3と一体化した抄造素形体7を得た。
なお、圧縮の際、下圧縮型14の通液管15から、継続的に真空吸引した状態で圧縮した。
(歯切形状加工)
次に、作製した抄造素形体7をウォータジェット加工機にセットし、噴射ノズルを抄造素形体7の上面から1mmの位置に調整した。ウォータジェット加工機に、加工形状のデータを入力し、加工開始とともに入力したデータ形状でノズルを可動させ抄造素形体7の一部を切断し、ねじれ角が30度となるはす歯形状を有する歯形形状素形体を形成した。
この時、ウォータジェット加工機に使用する水には研磨剤等を添加せず、ポンプ圧力やノズル径を適正値することで水圧を上げ、抄造素形体7を切断した。
この歯形形状素形体を水分含有率が0.5質量%以下になるまで乾燥した。本実施例では、乾燥により歯形形状素形体の厚みは20〜50mmとなる。
(樹脂部材の形成)
図6に示す成形金型19を用いて、歯形形状素形体18を加熱加圧成形して、樹脂部材を得た。成形金型19は、固定金型20、固定金型20の中心に配置され、上下方向に変位する移動金型23、歯形形状素形体18を上から押圧するための上金型21、及び固定金型20等を保持する支持部材22を備える。固定金型20は、歯形形状素形体の歯形形状と同形状、すなわちねじれ角が30度であるはす歯形状を有する。移動金型23は、移動金型23を加熱するための加熱装置(図示せず)を有する。上金型21は、歯形形状素形体を押圧するための押圧部21Aを有する。以下、手順について説明する。
まず、歯形形状素形体18を、ブッシュ3が移動金型23に保持され、且つ歯形形状素形体18の歯形形状が固定金型20の歯形形状と一致するように配置する。次に、移動金型23を200℃に加熱した状態で、上金型21を下げて、押圧部21Aを歯形形状素形体18に接触、押圧することにより、加熱加圧成形した。この時、固定金型20の歯形形状に沿いながら型込めされる。
加熱加圧成形により、歯形形状素形体18中の粉末状樹脂が硬化され、歯形形状を有する樹脂部材が得られた。樹脂の硬化が不十分な場合は、必要に応じて後加熱工程を付与して、樹脂の硬化を確実に進めるようにしてもよい。本実施例では、厚み20〜50mmであった歯形形状素形体18は、加熱加圧成形により、ブッシュ3とほぼ同厚みの13mmとなった。
(歯切加工)
樹脂部材の外周を切削加工することにより歯部の精度を高め、樹脂製歯車を得た。
(樹脂製歯車の評価)
上記製造方法で作製した樹脂製歯車と、歯切形状加工を行わないこと以外は上記製造方法と同様の方法で作製した樹脂製歯車(比較例)の歯車強度を相対比較した。具体的には、樹脂製歯車を固定された金属製歯車と噛み合わせた状態で、基準ピッチ円上の周速が毎分0.33mmとなるように樹脂製歯車を回転させて、歯部が破壊する荷重を測定した。比較例における荷重を1とした場合の実施例1の荷重を表1に示す。
Figure 2019005984
表1に示すように、実施例1の樹脂製歯車は、比較例の樹脂製歯車に対して、歯部強度が17%向上した。これは、金型中で加熱加圧する前に歯切形状加工を行い、歯形形状を付与することにより、金型押圧時のひずみ発生が抑制され、強度が向上したものと考えられる。
[実施例2]
上記実施例1のウォータジェット加工で得られた切削片と水を離解機に投入し、短繊維と樹脂を一度分散させ、分散した水及び短繊維と樹脂を再度タンク内に投入し、抄造用スラリを再調製した。再調製した抄造用スラリを用いて実施例1の方法で樹脂製歯車を作製したところ、切削片を再利用した場合であっても、問題なく樹脂製歯車を作製可能であることが確認できた。
[実施例3]
(抄造用スラリの調製、抄造素形体の形成及び歯切形状加工)
粉末樹脂を投入せず短繊維のみを分散させた抄造用スラリを調製した他は、上記実施例1と同様の工程を通して、抄造素形体の形成、歯切形状加工及び乾燥を行い、短繊維のみからなる歯形形状素形体を作製した。
なお、抄造素形体の形成の際に、上圧縮型13を、ブッシュ3の軸方向中央から上圧縮型13下面までの距離が、40mmとなるようにした。
またこの時、乾燥後の歯形形状素形体の厚みは20〜40mmとなる。
(樹脂部材の形成)
上述の図6に示す成形金型19を用いて、樹脂部材を得た。以下、手順について説明する。
まず、歯形形状素形体18を、ブッシュ3が移動金型23に保持され、且つ歯形形状素形体18の歯形形状が固定金型20の歯形形状と一致するように配置する。次に、移動金型23を180℃に加熱した状態で、上金型21を下げて、押圧部21Aを歯形形状素形体18に接触、押圧し、固定金型20の歯形形状に沿いながら型込めされる。
歯形形状素形体18を型込めした後に、上金型21と固定金型20を閉じて完全に塞ぐ。完全に塞いだ後に、成形金型19内に液状樹脂と硬化促進剤を注入して歯形形状素形体18に樹脂を含浸させ、加熱により樹脂は硬化され、歯形形状を有する樹脂部材が得られた。
液状樹脂を注入する際に、成形金型19内を真空にすることで素早く注入することができる。
本実施例では、厚み20〜40mmであった歯形形状素形体18は、樹脂注入成形により、ブッシュ3とほぼ同厚みの13mmとなった。
なお、上記液状樹脂としては、液状ポリアミノアミド樹脂(2,2’−(1,3フェニレン)ビス2−オキサゾリン(三国製薬工業株式会社製「1,3−PBO」)69質量%、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(三井化学株式会社製「MDA」)31質量%を混合し、140℃で溶融させたもの)を用いた。硬化促進剤としては、オクチルブロマイドを樹脂総質量に対して1質量%分を用いた。液状ポリアミノアミド樹脂の中に硬化促進剤を投入し、撹拌したものを成形金型19に注入した。
(歯切加工)
樹脂部材の外周を切削加工することにより歯部の精度を高め、樹脂製歯車を得た。
1…樹脂部材、1a…歯形形状、3…ブッシュ、3a…突出部、5…貫通孔、7…抄造素形体、8…抄造装置、9…筒状金型、10…樹脂製歯車、11…上支持台、12…ブッシュ支持台、13…上圧縮型、14…下圧縮型、15…通液管、16…金網、17…集積体、18…歯形形状素形体、19…成形金型、20…固定金型、21…上金型、21A…押圧部、23…移動金型。

Claims (4)

  1. 外周部に歯形形状が形成された円環状の樹脂部材と、当該樹脂部材の内周部に配置されたブッシュと、を有する樹脂製歯車の製造方法であって、
    抄造法により、短繊維を含む円環状の抄造素形体をブッシュの周囲に形成する抄造素形体形成工程と、
    当該抄造素形体の外周部に、水圧加工法により歯形形状を形成して、歯形形状素形体を得る歯形形状加工工程と、
    歯形形状を有する金型内に、前記歯形形状素形体を配置し、樹脂を注入及び硬化させて前記樹脂部材を形成する樹脂部材形成工程と、
    を備える製造方法。
  2. 外周部に歯形形状が形成された円環状の樹脂部材と、当該樹脂部材の内周部に配置されたブッシュと、を有する樹脂製歯車の製造方法であって、
    抄造法により、短繊維及び樹脂を含む円環状の抄造素形体をブッシュの周囲に形成する抄造素形体形成工程と、
    当該抄造素形体の外周部に、水圧加工法により歯形形状を形成して、歯形形状素形体を得る歯形形状加工工程と、
    歯形形状を有する金型内に、前記歯形形状素形体を配置し、前記樹脂を硬化させて前記樹脂部材を形成する樹脂部材形成工程と、
    を備える製造方法。
  3. 前記樹脂部材形成工程後に、前記樹脂部材の歯切加工を行う歯切加工工程を更に備える、請求項1又は2に記載の樹脂製歯車の製造方法。
  4. 前記水圧加工法はウォータジェット加工法である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂製歯車の製造方法。
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Citations (2)

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