JP2019005901A - 鉄筋コンクリート構造物用コアドリル - Google Patents

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Abstract

【課題】熟練者でなくても鉄筋を切断することなく、簡単に鉄筋コンクリート構造物の削孔が可能なコアドリルを提供する。【解決手段】鉄筋コンクリート構造物RCを削孔するコアビット20と、コアビット20を回転駆動する主モータ22を有する削孔手段2と、自動で移動させるための送りモータ34を有し、削孔手段2の鉄筋コンクリート構造物RC側への移動をガイドするガイド手段3と、削孔手段2及びガイド手段3を制御する制御手段5と、を備え、制御手段5は、第1インバータ51と第2インバータ52を有し、第1インバータ51では、主モータ22への出力電流が定格電流に対して一定値以上となった場合に主モータ22への出力電流をストップするよう設定され、且つ、第2インバータ52では、送りモータ34への出力周波数が、コアビットの径毎に定められた所定の範囲内の一定値に設定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、建築、土木、道路工事などにおいて、鉄筋コンクリート構造物に比較的大径の孔を削孔する鉄筋コンクリート構造物用のコアドリルに関し、詳しくは、送り装置も自動制御して熟練者でなくても簡単に操作可能なコアドリルに関するものである。
従来、先端にコアビットが装着されたシャフトを電動モータで回転駆動してコアビットの刃部で硬質物体を削りとって削孔するコアドリルが知られている。このようなコアドリルは、硬質物体側への送り動作がラックピニオン方式で手動ハンドルにより送られる。
また、鉄筋コンクリート構造物に削孔する場合は、引張力に弱いコンクリートを補強する内部補強材である鉄筋を損傷すると構造物の耐久性を損なうため、極力鉄筋を傷付けずに削孔することが望まれる。鉄筋コンクリート構造物にコアドリルで削孔する場合、通常、コアビットが鉄筋に当接すると、回転トルクが上昇し、これに伴って電動モータへ流れる電流も上昇する。このため、定格電流に対して一定以上の電流が流れると電動モータへ流れる電流をストップすることで、鉄筋コンクリート構造物の鉄筋を切断することを防ぐように制御することができる。
しかし、ストップする電流の閾値を低く設定すると骨材に当接した場合であってもコアドリルの電動モータが止まってしまい、その度に確認しなければならず、労力が掛かりすぎて作業効率が悪いという問題があった。このストップする電流の閾値の設定は、通常手動で行う送りスピードや、コンクリートの強度、骨材の種類、コアビットの径によっても相違するものであり、従来、コアドリルを操作する作業員の作業の習熟度に左右されていた。このため、熟練した作業員しかコアドリルを操作できないという問題も発生していた。
例えば、特許文献1には、本願の発明者が提案した高速回転コアドリルが開示されている。この特許文献1記載の高速回転コアドリルは、可変周波数インバータで制御して、トルク特性、最高回転速度、及び作業時の回転速度等を規定し、1500rpm以上の高速回転で使用しても、鉄筋コンクリート構造物への穿孔作業の効率化と、作業の安全性を図ることができるものである(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0007]〜[0010]、図面の図1、図2等参照)。
しかし、特許文献1に記載の高速回転コアドリルも、従来と同様に、コアドリルの送りスピードの調整は、手動で行うものであり、熟練した作業員しかコアドリルを操作できないという問題は完全には解消されてはいなかった。
また、特許文献2には、目標入力電流設定回路(41)には、所定の負荷トルクを維持するように、予め目標電流値が記憶されており、それぞれの選択された目標電流値信号(411)と、負荷入力電流値検知器(42)で検知された検知信号(421)とを比較して偏差信号を形成する比較回路(412)と、比較回路(412)からの偏差信号が零になるように送りモータ(9)を制御するコアドリルの自動送り装置が開示されている(特許文献2の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0013]〜[0023]、図面の図1、図3等参照)。
特許文献2に記載のコアドリルの自動送り装置は、回転数を一度設定すれば、負荷トルクは殆ど変わらないので、電流値の設定により所定の負荷トルクが容易に得られ、制御が簡素化されるとともに、コンクリート部から鉄筋部に切削特性が変わる場合に、電流値は一定でも所望の負荷トルクが得られ、切削効率を向上させることができるとされている。
しかし、特許文献2に記載のコアドリルの自動送り装置は、送りモータ自体には、インバータ等が付いておらず、任意に送り速度を設定できるものではなかった。つまり、特許文献2に記載のコアドリルの自動送り装置は、コアビットがコンクリート部か鉄筋部かに当接することより、送り速度が変化してしまうことを検知して、主モータを可変周波数インバータ3で制御するものであった。
よって、特許文献2に記載のコアドリルの自動送り装置は、負荷のかかる鉄筋部でも効率よく削孔するために制御するものであり、鉄筋に当接した場合に削孔を停止するという着想自体なく、発明の技術的思想が明らかに異なるものであった。このため、特許文献2に記載のコアドリルは、自動で鉄筋も切断してしまうものであり、鉄筋に当接した場合であっても極力傷つけないように削孔することはできなかった。
特開2005−51900号公報 特開2000−37722号公報
そこで本発明は、前記問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、熟練者でなくても鉄筋を切断することなく、簡単に鉄筋コンクリート構造物の削孔が可能な鉄筋コンクリート構造物用コアドリルを提供することにある。
請求項1に記載の鉄筋コンクリート構造物用コアドリルは、鉄筋コンクリート構造物を削孔する鉄筋コンクリート構造物用コアドリルであって、鉄筋コンクリート構造物を削孔するコアビットと、このコアビットを回転駆動する主モータを有する削孔手段と、自動で移動させるための送りモータを有し、前記削孔手段の鉄筋コンクリート構造物側への移動をガイドするガイド手段と、前記削孔手段及び前記ガイド手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記主モータ用の第1インバータと前記送りモータ用の第2インバータを有し、各モータへの出力周波数及び出力電流が設定自在となっており、前記第1インバータでは、前記主モータへの出力電流が定格電流に対して一定値以上となった場合に前記主モータへの出力電流をストップするよう設定され、且つ、前記第2インバータでは、前記送りモータへの出力周波数が、コアビットの径毎に定められた所定の範囲内の一定値に設定されていることを特徴とする。
請求項2に記載の鉄筋コンクリート構造物用コアドリルは、請求項1に記載の鉄筋コンクリート構造物用コアドリルにおいて、前記第2インバータでは、前記コアビットの径が32mmの場合、前記送りモータへの出力周波数が、25Hz以上35Hz未満に設定され、前記コアビットの径が40mmの場合、前記送りモータへの出力周波数が、20Hz以上30Hz未満に設定され、前記コアビットの径が48mmの場合、前記送りモータへの出力周波数が、14Hz以上20Hz未満に設定され、前記コアビットの径が56mmの場合、前記送りモータへの出力周波数が、16Hz以上22Hz未満に設定され、前記コアビットの径が80mmの場合、前記送りモータへの出力周波数が、15Hz以上18Hz未満に設定され、前記コアビットの径が112mmの場合、前記送りモータへの出力周波数が、10Hz以上13Hz未満に設定されていることを特徴とする。
請求項3に記載の鉄筋コンクリート構造物用コアドリルは、請求項1又は2に記載の鉄筋コンクリート構造物用コアドリルにおいて、前記第1インバータで前記主モータへの出力電流をストップするように設定された値は、前記第2インバータでの前記送りモータへの出力周波数が前記所定の範囲の場合に、前記主モータへの出力電流が上昇し始めてから1.7秒以内で超える値であることを特徴とする。
請求項4に記載の鉄筋コンクリート構造物用コアドリルは、請求項3に記載の鉄筋コンクリート構造物用コアドリルにおいて、前記第1インバータで前記主モータへの出力電流をストップするよう設定された値は、定格電流の120%となる値であること特徴とする。
請求項1〜4に記載の鉄筋コンクリート構造物用コアドリルによれば、熟練者でなくても鉄筋を切断することなく、簡単に鉄筋コンクリート構造物の削孔をすることができる。
特に、請求項3又は4に記載の鉄筋コンクリート構造物用コアドリルによれば、鉄筋コンクリート構造物削孔中に鉄筋に接触した場合であっても、鉄筋に与える影響が極めて少なく、安全性が高くなる。
本発明の実施形態に係るコアドリルの構成を模式的に示す側面図である。 本実施形態に係るコアドリルで鉄筋コンクリート構造物にコアを抜いた状態を示す写真。 本実施形態に係るコアドリルで鉄筋コンクリート構造物に削孔した孔内抜いた状態を示す写真。 コアビットの径が56mmで送り速度を22Hzに設定した場合の制御手段のパネルの表示である。 コアビットの径が56mmで送り速度を21Hzに設定した場合の制御手段のパネルの表示である。 コアビットの径が56mmで送り速度を20Hzに設定した場合の制御手段のパネルの表示である。 コアビットの径が56mmで送り速度を16Hzに設定した場合の制御手段のパネルの表示である。 コアビットの径が56mmで送り速度を10Hzに設定した場合の制御手段のパネルの表示である。 コアビットの径が56mmで送り速度を6Hzに設定した場合の制御手段のパネルの表示である。
以下、本発明の実施形態に係るコアドリルについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るコアドリルの構成を模式的に示す側面図である。図1に示すように、本発明の実施形態に係るコアドリル1は、鉄筋コンクリート構造物RCを削孔する削孔手段2と、この削孔手段2の鉄筋コンクリート構造物RC側への移動をガイドするガイド手段3と、削孔した孔h1に水を供給及び排水する給排水手段4と、削孔手段2を制御する制御手段5など、から構成されている。
(削孔手段)
削孔手段2は、鉄筋コンクリート構造物RC削孔用のコアビット20と、このコアビットが先端に装着された回転軸となるシャフト21と、このシャフト21を回転駆動する主モータ22など、を備えた削孔機である。
本実施形態に係るコアビット20は、鉄筋コンクリート構造物RCと接触する端部である刃部にダイヤモンド砥粒を含んだダイヤモンドチップが固着されたダイヤモンドコアビットである。勿論、本発明に係るコアビットは、ダイヤモンドチップの代わりに超合金チップ等が固着された一般的なコアビットであっても構わない。要するに、本発明に係るコアビットは、鉄筋コンクリート構造物RCを削孔可能なコアビットであればよい。
この主モータ22は、後述の制御手段5を介して三相交流電源と接続され電動モータである、三相交流電源で駆動するかご形誘導モータである。本実施形態に係る主モータ22は、コアビット20を装着した状態で1700〜2700rpm程度の回転速度において鉄筋コンクリート構造物RC削孔に必要な所望のトルクを最も発揮する高速回転型(高周波型、例えば、実働周波数280 〜380Hz:上限値400Hz)のモータである。
(ガイド手段)
ガイド手段3は、鉄筋コンクリート構造物RCの表面に載置又は固定する基台30と、この基台30に立設された支柱31と、この支柱31に沿って直線移動(昇降)自在に構成されたガイド部材32と、削孔位置を位置決めする位置決めプレート33など、から構成されている。このガイド手段3は、削孔手段2の回転がブレないようにガイドする機能を有している。
基台30は、アンカーボルト等で鉄筋コンクリート構造物RCにボルト固定されるか、又は図示しないバキュームポンプ等で鉄筋コンクリート構造物RCに吸着されて固定される。このため、ガイド手段3は、鉄筋コンクリート構造物RCの水平面と垂直面のいずれにも固定することが可能となっている。
支柱31は、基台30に対して略垂直に立設され、一側面には、後述のピニオンギアと噛合する直線状のギアであるラック31aが形成されている。
ガイド部材32は、支柱31のラック31aと相対する位置にハンドル32aで回転するピニオンギア(図示せず)を有し、ハンドル32aを回すことによりピニオンギアが回転し、ラック31aと噛合することで支柱31に沿って直線移動が可能となる。
このガイド部材32には、前述のピニオンギアを回動させてガイド部材32を支柱31のラック31aに沿って移動させる送りモータ34が装着されている。この送りモータ34も主モータ22と同様に、三相交流電源で駆動するかご形誘導モータであり、後述のインバータにより回転速度の設定が自在となっている。
位置決めプレート33は、基台30の側面に取り付けられ、削孔手段2のコアビット20の削孔位置を位置決めし、鉄筋コンクリート構造物RCの表面に対してコアビット20の回転軸であるシャフト21の鉛直性を確保するためのプレートである。
(給排水手段)
給排水手段4は、図1に示すように、冷却水を送り出すとともに排水を吸引するポンプ(図示せず)を内部に有する装置本体40と、削孔手段2のシャフト21を伝って削孔する孔に冷却水を供給するための給水室41と、を備えている。
また、装置本体40と給水室41とが給水ホース42で連通され、装置本体40と位置決めプレート33とが排水ホース43で連通されている。このため、給排水手段4は、給水ホース42で装置本体40からコアビット20を冷却する冷却水を給水室へ送り出すとともに、排水ホース43で位置決めプレート33から装置本体40へ排水を回収することが可能となっている。
つまり、この給排水手段4は、装置本体40のポンプで給水ホース42を介して、削孔手段2で削孔した孔h1に冷却水を供給し、装置本体40のポンプで排水ホース43を介して削孔により発生した粉塵とともに供給した水を排水として吸い上げる機能を有している。
さらに、装置本体40は、図示しない濾過手段を備え、この濾過手段で排水から粉塵を濾過して給水室41へ濾過した水を再供給可能となっている。
(制御手段)
制御手段5は、図1に示すように、三相交流電源に接続され、筐体である制御ボックス50内に、前述の主モータ22及び送りモータ34をそれぞれ制御する2つのインバータ51,52を備えた、いわゆる可変電圧可変周波数制御(VVVF制御)方式の制御手段である。
この制御手段5は、図示しない表示パネルを備え、表示パネルを介して各モータの出力周波数、モータの回転数、及び出力電流等をそれぞれ任意に設定して制御することが可能となっている。つまり、制御手段5は、表示パネルで入力することで、各インバータ51,52で主モータ22及び送りモータ34のトルクの電圧・周波数特性に応じて、回転速度、トルク設定等を任意に設定することができる。
また、この制御手段5には、出力電流が一定値(例えば、30mA)以上となった場合に漏電と判断して出力電流を遮断する主幹漏電ブレーカも備えられている。
なお、本実施形態に係る主モータ22用のインバータ51(第1インバータ)は、富士電機社製の型番FRN3.7E1S-2Jのインバータであり、本実施形態に係る送りモータ34用のインバータ52(第2インバータ)は、富士電機社製の型番FRN0.1E1S-2Jのインバータである。このため、2つのインバータを小型の制御ボックス50内に挿置することができ、コアドリル1の制御手段としてコンパクトになり持ち運びが容易である。
そして、主モータ22用のインバータ51は、漏電ブレーカとは別に、主モータ22へ流れる出力電流が起動時を除く通常時の定格電流に対して一定値以上となった場合に主モータ22への通電を遮断するよう設定されている。誤って鉄筋コンクリート構造物RCの内部補強筋である鉄筋を切断することを防ぐためである。ここで、一定値以上とは、例えば、出力電流が定格電流の120%に達した場合にストップするというように、通常時の定格電流に対して出力電流が一定の割合以上に達した場合を指している。
<送り速度の設定>
次に、本発明の特徴部分である前述の実施形態に係るコアドリル1の送り速度の設定について詳細に説明する。
前述のように、本実施形態に係るコアドリル1は、制御手段5として、送りモータ34用のインバータ52を有している。このため、コアドリル1は、インバータ52で送りモータ34への出力周波数を設定することにより、支柱31のラック31aに対するガイド部材32の走行速度を一定速度に設定することができる。
本実施形態に係るラック31aは、ギア比が1/240で、ハンドル32aを1回転させるとガイド部材32がラック31aに沿って60mm進む(昇降する)ように構成されている。このため、送りモータ34への出力周波数を50Hzに設定した場合は、ガイド部材32の無負荷時走行速度が360mm/分となる。また、出力周波数を25Hzに設定した場合の負荷時走行速度が175mm/分、出力周波数を25Hzに設定した場合の負荷時走行速度が70mm/分となる。このように、インバータ52の出力周波数とガイド部材32の走行速度との関係は、次表の表1の関係となる。
表1は、前述の実施形態に係るコアドリル1において、インバータ52で送りモータ34への出力周波数の各設置値とした場合、ガイド部材32を30秒程度走行させた場合の走行距離を実測した表である。
以上のように、本実施形態に係るコアドリル1では、従来、熟練した作業員の技能に頼っていた部分を、削孔手段2の鉄筋コンクリート構造物RCへの送りスピードの調整を送りモータ34により自動で行うとともに、インバータ52で任意の一定速度に設定することができる。
また、本実施形態に係るコアドリル1では、送りモータ34による送り速度をコアビット20の径毎に所定範囲内の一定速度に設定する。コアビット20の径により、鉄筋に当接した場合の主モータ22のトルクの応答速度、即ち、主モータ22へ流れる電流の時間に対する変化率(勾配)が相違するからである。
具体的には、コアビット径がφ32mm(1 1/4インチ)の場合、インバータ52での送り速度(出力周波数)を25Hz以上35Hz未満に設定し、コアビット径がφ40mm(1 1/2インチ)の場合、インバータ52での送り速度を20Hz以上30Hz未満に設定する。また、コアビット径がφ48mmの場合、インバータ52で14Hz以上20Hz未満に設定し、コアビット径がφ56mmの場合、インバータ52で16Hz以上22Hz未満に設定する。そして、コアビット径がφ80mm(3 1/4インチ)の場合、インバータ52で15z以上18Hz未満に設定し、コアビット径がφ112mmの場合、インバータ52で10Hz以上13Hz未満に設定する。まとめると次表の表2のようになる。
このインバータ52でのコアビット20の径毎の出力周波数の設定値の好適範囲は、図2、図3の写真に示すように、鉄筋コンクリート構造物の鉄筋に当接する位置において、コアビット径毎に送り速度を変えて何度も繰り返しコア抜き(削孔)を行って求めた。このとき、主モータ22の回転速度は一定(例えば、2700rpm)とし、前述の制御手段5による主モータ22への通電を遮断する所定の閾値(例えば、出力電流が定格電流の120%)を越えて止まった場合の状態を目視で確認して好適な送り速度であるか否かをインバータの記録等を勘案して総合的に判定した。
図4〜図9を用いて、コアビット径がφ56mmの場合を例示してさらに具体的に説明する。図4〜図9は、主モータ22の運転停止又は運転中を表示する運転信号、主モータ22への出力電流を示す出力電流、送りモータの運転停止又は運転中を表示する送りモータ回転、を示す前述の制御手段5のパネルの表示である。
図4に示すように、送り速度(インバータ52での送りモータ34への出力周波数、以下同じ)を22Hzに設定すると、鉄筋ではない骨材に当接しただけで、主モータ22への出力電流が設定値をオーバーして主モータ22が止まってしまった。よって、送り速度は、22Hzでは速すぎると判断した。
図5に示すように、送り速度を21Hzに設定すると、コアビット20が鉄筋に当接して主モータ22への出力電流が上昇し始めてから0.5秒で設定値をオーバーし、主モータ22がストップした。また、図3に示したように、削孔した孔を目視で確認したが、鉄筋には、殆ど損傷は見られなかった。よって、送り速度は、22Hzでは速すぎるが、21Hzは適切なので、22Hz未満が良いと判断した。
図6に示すように、送り速度を20Hzに設定すると、コアビット20が鉄筋に当接して主モータ22への出力電流が上昇し始めてから0.5秒で設定値をオーバーし、主モータ22がストップした。また、図3に示したように、削孔した孔を目視で確認したが、鉄筋には、殆ど損傷は見られなかった。よって、送り速度は、20Hzは適切と判断した。
図7に示すように、送り速度を16Hzに設定すると、コアビット20が鉄筋に当接して主モータ22への出力電流が上昇し始めてから1.7秒で設定値をオーバーし、主モータ22がストップした。また、図3に示したように、削孔した孔を目視で確認したところ、鉄筋には、多少損傷が見られたが、許容範囲内と判断した。よって、送り速度は、16Hzは適切と判断した。
図8に示すように、送り速度を10Hzに設定すると、コアビット20が鉄筋に当接して主モータ22への出力電流が上昇し始めてから5.0秒で設定値をオーバーし、主モータ22がストップした。また、図3に示したように、削孔した孔を目視で確認したところ、鉄筋には、かなりの損傷が見られた。よって、送り速度は、10Hzは不適切と判断した。
図9に示すように、送り速度を6Hzに設定すると、コアビット20が鉄筋に当接しても主モータ22への出力電流が跳ね上がらず、主モータ22の回転はストップせず、そのまま鉄筋を切断してしまった。よって、送り速度は、6Hzは不適切と判断した。
以上のような実験をφ56mmだけでなく、φ32mm,φ40mm,φ48mm,φ80mm,φ112mmの各コアビットの径毎に何度も行って、表2に示す送り速度の好適な範囲を設定した。
また、前述のように、トルクオーバーとして主モータ22への出力電流をストップする値は、仮に、定格電流の120%としていた。しかし、インバータ51で通電をストップする閾値は、送り速度が前記適切な範囲において、主モータ22への出力電流が上昇し始めてから1.7秒以内で超える値とすることが好ましい。計測自体が0.5秒未満だと難しいからである。その上、前述の実験において、1.7秒以内でストップさせた場合、構造物の鉄筋として最小径クラスであるD16の鉄筋においても、許容範囲内(例えば、鉄筋の有効断面が安全率の範囲内)の傷しか認められなかったからである。
以上説明した本実施形態に係るコアドリル1によれば、インバータ51では、主モータ22への出力電流が定格電流に対して一定値以上となった場合に出力電流をストップするよう設定されている。その上、インバータ52は、送りモータ34への出力周波数が、コアビットの径毎に定められた所定の範囲内の一定値に設定されている。このため、従来、熟練した作業員の技能に頼っていた部分を、インバータ52による自動制御としつつ、鉄筋にコアビット20が当接した場合であっても1.7秒以内の瞬時に主モータ22をストップすることができる。よって、熟練者でなくても鉄筋を切断することなく、簡単に鉄筋コンクリート構造物の削孔が可能となる。
また、本実施形態に係るコアドリル1によれば、コアビット20が鉄筋に当接して主モータ22への出力電流が上昇し始めてから1.7秒以内に主モータ22をストップすることができる。このため、削孔中に鉄筋コンクリート構造物の鉄筋に接触した場合であっても、鉄筋に与える影響が極めて少なく、安全性が高くなる。
以上、本発明の実施形態に係るコアドリルについて詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎない。よって、これらによって本発明に係る技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
1:コアドリル(鉄筋コンクリート構造物用コアドリル)
2:削孔手段
20:コアビット
21:シャフト
22:主モータ
3:ガイド手段
30:基台
31:支柱
31a:ラック
32:ガイド部材
32a:ハンドル
33:位置決めプレート
34:送りモータ
4:給排水手段
40:装置本体
41:給水室
42:給水ホース
43:排水ホース
5:制御手段
50:制御ボックス
51:(主モータ用)インバータ(第1インバータ)
52:(送りモータ用)インバータ(第2インバータ)
RC:鉄筋コンクリート構造物
h1:孔

Claims (4)

  1. 鉄筋コンクリート構造物を削孔する鉄筋コンクリート構造物用コアドリルであって、
    鉄筋コンクリート構造物を削孔するコアビットと、このコアビットを回転駆動する主モータを有する削孔手段と、自動で移動させるための送りモータを有し、前記削孔手段の鉄筋コンクリート構造物側への移動をガイドするガイド手段と、前記削孔手段及び前記ガイド手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記主モータ用の第1インバータと前記送りモータ用の第2インバータを有し、各モータへの出力周波数及び出力電流が設定自在となっており、
    前記第1インバータでは、前記主モータへの出力電流が定格電流に対して一定値以上となった場合に前記主モータへの出力電流をストップするよう設定され、
    且つ、前記第2インバータでは、前記送りモータへの出力周波数が、コアビットの径毎に定められた所定の範囲内の一定値に設定されていること
    を特徴とする鉄筋コンクリート構造物用コアドリル。
  2. 前記第2インバータでは、前記コアビットの径が32mmの場合、前記送りモータへの出力周波数が、25Hz以上35Hz未満に設定され、
    前記コアビットの径が40mmの場合、前記送りモータへの出力周波数が、20Hz以上30Hz未満に設定され、
    前記コアビットの径が48mmの場合、前記送りモータへの出力周波数が、14Hz以上20Hz未満に設定され、
    前記コアビットの径が56mmの場合、前記送りモータへの出力周波数が、16Hz以上22Hz未満に設定され、
    前記コアビットの径が80mmの場合、前記送りモータへの出力周波数が、15Hz以上18Hz未満に設定され、
    前記コアビットの径が112mmの場合、前記送りモータへの出力周波数が、10Hz以上13Hz未満に設定されていること、
    を特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート構造物用コアドリル。
  3. 前記第1インバータで前記主モータへの出力電流をストップするように設定された値は、前記第2インバータでの前記送りモータへの出力周波数が前記所定の範囲の場合に、前記主モータへの出力電流が上昇し始めてから1.7秒以内で超える値であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の鉄筋コンクリート構造物用コアドリル。
  4. 前記第1インバータで前記主モータへの出力電流をストップするよう設定された値は、定格電流の120%となる値であること
    特徴とする請求項3に記載の鉄筋コンクリート構造物用コアドリル。
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