JP2019004445A - 車載機、車両用通信システム及び位置検出方法 - Google Patents

車載機、車両用通信システム及び位置検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車載機、車両用通信システム及び位置検出方法を提供する。【解決手段】車両に離隔配置された複数の送信アンテナから信号を送信させ、信号を受信した携帯機からの応答信号に応じて処理を行う携帯機であって、複数の送信アンテナのうち、2つの送信アンテナから信号を同時的に送信させる第1送信制御部と、2つの送信アンテナから送信させた信号に対する携帯機からの応答信号を受信した場合、2つの送信アンテナの何れか一方から信号を送信させる第2送信制御部とを備える。【選択図】図7

Description

本発明は、車載機、車両用通信システム及び位置検出方法に関する。
メカニカルキーを用いずに車両ドアの施錠及び解錠を行う車両用通信システムが実用化されている。具体的には、使用者が所持する携帯機を用いた無線遠隔操作により車両ドアの施錠又は解錠を行うキーレスエントリシステム、携帯機を所持した使用者が車両に近づき、又はドアハンドルを握るだけで車両ドアの解錠を行うスマートエントリー(登録商標)システム等が実用化されている。
また、メカニカルキーを用いずに車両のエンジン始動を行う車両用通信システムも実用化されている。具体的には、携帯機を所持した使用者がエンジンスタートボタンを押すだけでエンジンの始動を行うプッシュスタートシステムが実用化されている。
更に、携帯機を所持した使用者が車両に近づいた際、車内灯又は車外灯を点灯させるウェルカムライトシステムが実用化されている。
かかる車両用通信システムにおいて車載機は、携帯機と無線通信を行う。当該無線通信は、車載機の送信アンテナからLF(Low Frequency)帯の電波を用いて各種信号を携帯機へ送信し、当該信号を受信した携帯機がUHF(Ultra High Frequency)帯の電波を用いて応答信号を送信することによって行われる。車載機は、認証及び携帯機の位置確認を行った後に解錠、施錠、エンジン始動、ウェルカムライト点灯等の制御を行う。
ところで、車載機から送信される信号はLF帯であり、当該信号の送信範囲は車両周辺の所定範囲内に限定されている。携帯機の位置を高精度で検出し、あるいは車両に近づく携帯機を早期に検出するためには、携帯機による信号の受信感度を高感度に設定すれば良いが、携帯機を駆動する電池の寿命が短くなる。
特許文献1には、携帯機が車室内又は車両から所定距離以内に存在すると判断された時、携帯機の受信感度を高感度に設定し、携帯機が車室内及び車両から所定距離以内に存在しないと判断された時、携帯機の受信感度を低感度に設定する技術が開示されている。
特開2015−113644号公報
しかしながら、特許文献1においては、携帯機が車両に接近するまで、携帯機の受信感度は低感度のままであるため、車両に近づく携帯機を早期に検出することはできない。また、携帯機が車両から所定距離以内に無いと誤判断された場合、携帯機の受信感度は低感度の状態にあるため、携帯機の位置検出が困難になるという問題点を有する。
本発明の目的は、車載機の送信アンテナから送信される信号の送信範囲を拡大すると共に、携帯機の位置を特定することができる車載機、車両用通信システム及び位置検出方法を提供することにある。
本発明の一態様に係る車載機は、車両に離隔配置された複数の送信アンテナから信号を送信させ、該信号を受信した携帯機からの応答信号に応じて処理を行う車載機であって、前記複数の送信アンテナのうち、2つの送信アンテナから信号を同時的に送信させる第1送信制御部と、前記2つの送信アンテナから送信させた信号に対する前記携帯機からの応答信号を受信した場合、前記2つの送信アンテナの何れか一方から信号を送信させる第2送信制御部とを備える。
本発明の一態様に係る車両用通信システムは、前述の車載機と、車両に離隔配置された複数の送信アンテナと、前記車載機から送信された前記信号を受信し、受信した前記信号に応じて応答信号を送信する携帯機とを備える。
本発明の一態様に係る位置検出方法は、車両に離隔配置された複数の送信アンテナから信号を送信させ、該信号を受信した携帯機からの応答信号に応じて、前記携帯機の位置を検出する位置検出方法であって、前記複数の送信アンテナのうち、2つの送信アンテナから信号を同時的に送信させ、前記2つの送信アンテナから送信させた信号に対する前記携帯機からの応答信号を受信した場合、前記2つの送信アンテナの何れか一方から信号を送信させ、前記2つの送信アンテナから同時的に送信させた信号、及び前記一方から送信させた信号に対する前記携帯機からの応答信号を受信したか否かに応じて、前記携帯機の位置を検出する。
なお、本願は、このような特徴的な処理部乃至送信部を備える車載機として実現することができるだけでなく、かかる特徴的な処理をステップとする信号送信方法として実現したり、かかるステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現したりすることができる。また、車載機の一部又は全部を実現する半導体集積回路として実現したり、車載機を含むその他のシステムとして実現したりすることができる。
上記によれば、車載機の送信アンテナから送信される信号の送信範囲を拡大すると共に、携帯機の位置を特定することができる。
実施の形態1に係る車両用通信システムの構成例を説明する模式図である。 車載機1の構成例を示すブロック図である。 LF送信アンテナから各別に信号を送信させた場合の送信範囲を説明する説明図である。 2つのLF送信アンテナから同時的に信号を送信させた場合の送信範囲を説明する説明図である。 検出装置の構成例を示すブロック図である。 携帯機の構成例を示すブロック図である。 車載機及び携帯機の処理手順を示すフローチャートである。 実施形態2に係る車載送信部の構成例を説明するブロック図である。 LF送信アンテナから送信される信号波の磁界分布の一例を示す分布図である。 左右方向に並ぶ2つのLF送信アンテナから同時的に信号を送信させた場合の送信範囲を説明する説明図である。 車載機及び携帯機の処理手順を示すフローチャートである。 LF送信アンテナから送信される信号波の磁界分布の一例を示す分布図である。
本発明の実施態様を列記して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせても良い。
本発明の一態様に係る車載機は、車両に離隔配置された複数の送信アンテナから信号を送信させ、該信号を受信した携帯機からの応答信号に応じて処理を行う携帯機であって、前記複数の送信アンテナのうち、2つの送信アンテナから信号を同時的に送信させる第1送信制御部と、前記2つの送信アンテナから送信させた信号に対する前記携帯機からの応答信号を受信した場合、前記2つの送信アンテナの何れか一方から信号を送信させる第2送信制御部とを備える。
本態様にあっては、一つの送信アンテナから送信される信号の送信範囲は例えば車両周辺の範囲内であり、前記送信範囲の外にある携帯機は当該信号を受信することができない。そこで、送信部は、2つ以上の送信アンテナから信号を同時的に送信させる。2つ以上の送信アンテナから同時的に送信された信号は重畳され、振幅は大きくなる。よって、車載機の送信アンテナから送信される信号の送信範囲を拡大することができる。また、同時的に送信させる信号に対して携帯機から応答信号を受信した場合には、何れか一方の送信アンテナから信号を送信するので、何れの送信アンテナの範囲内に携帯機が存在するのかを判断することができる。
本発明の一態様に係る車載機は、前記第1及び第2送信制御部により送信させた信号に対する前記携帯機からの応答信号を受信したか否かに応じて、前記携帯機の位置を検出する位置検出部を備える。
本態様にあっては、2つの送信アンテナから送信した信号に対して携帯機から応答信号を受信し、かつ何れか一方の送信アンテナから送信した信号に対して携帯機から応答信号を受信した場合、前記一方の送信アンテナによる送信範囲内に携帯機が存在すると判断することができる。また、2つの送信アンテナから送信した信号に対して携帯機から応答信号を受信し、かつ何れか一方の送信アンテナから送信した信号に対して応答信号を受信しなかった場合、2つの送信アンテナによる送信範囲のうち、前記一方の送信アンテナによる送信範囲を除いた範囲に携帯機が存在すると判断することができる。
本発明の一態様に係る車載機は、前記2つの送信アンテナから送信させた信号に対する前記携帯機からの応答信号を受信しなかった場合、前記第1送信制御部は、信号を送信させる2つの送信アンテナの組み合わせを変更する。
本態様にあっては、信号の送信範囲を拡大した場合であっても携帯機からの応答信号が得られなかった場合、送信アンテナの組み合わせを変更して、携帯機の位置検出を続けて行うことができる。
本発明の一態様に係る車載機は、前記複数の送信アンテナからLF帯の前記信号を送信させる。
本態様にあっては、各送信アンテナから同時的に送信される信号はLF帯の信号であるため、車両周辺では該信号の振幅は一様である。よって、それぞれの送信アンテナから発せられる信号波の磁界の向きが揃う領域では、信号は干渉して弱め合うことはなく、各信号の単純な重ね合わせにより信号強度が大きくなる。
本発明の一態様に係る車載機は、少なくとも2つの前記送信アンテナは前記車両の走行方向における前後又は左右に離隔配置されており、前記第1送信制御部は、前後又は左右に離隔配置された前記2つの送信アンテナから前記信号を同時的に送信させる。
本態様にあっては、車両の走行方向における前後に離隔配置された2つの送信アンテナから信号が同時的に送信された場合、信号の送信範囲は、例えば車両の左右方向に拡大する。同様に車両の走行方向における左右に離隔配置された2つの送信アンテナから信号が同時的に送信された場合、信号の送信範囲は、例えば車両の前後方向に拡大する。なお、
車両の走行方向における前後左右方向に配置された複数の送信アンテナから信号が同時的に送信された場合、信号の送信範囲は、車両の前後及び左右方向に拡大する。
本発明の一態様に係る車載機は、前記2つの送信アンテナから同時的に送信させる信号の位相を制御する位相制御部を備える。
本態様にあっては、同時的に送信させる信号の位相を制御することによって、信号の送信範囲を拡大させる方向を制御することが可能となる。
本発明の一態様に係る車載機は、前記位相制御部は、前記2つの送信アンテナから同時的に送信させる信号の位相を同位相又は逆位相に制御する。
本態様にあっては、2つの送信アンテナの中間付近において送信範囲を拡大させることが可能となる。
本発明の一態様に係る車載機は、前記携帯機から送信される応答信号の受信結果に応じて、前記車両に搭載された装備品の動作を制御する。
本態様にあっては、第1及び第2送信制御部から送信した信号に対する応答信号の受信結果に応じて、車外照明部やドアノブをプッシュアップさせる駆動制御部などを駆動することにより、乗員が到来する方向へ車外灯を点灯させたり、対応するドアのドアノブをプッシュアップさせたりすることができる。
本発明の一態様に係る車載機は、前記第1及び第2送信制御部は、前記携帯機を起動させるための信号を送信させる。
本態様にあっては、携帯機を起動させる信号の送信範囲を拡大することができる。従って、車両からより遠方の携帯機を起動させることが可能になる。
本発明の一態様に係る車載機は、前記複数の送信アンテナは、前記車両の複数のタイヤが設けられるタイヤ位置にそれぞれ配されており、前記複数のタイヤにそれぞれ設けられ、該タイヤの空気圧を検出して得られる空気圧信号を無線送信する複数の検出装置へ、各タイヤ位置に配された前記送信アンテナから信号を送信させる第3送信制御部を備える。
本態様にあっては、車載機は、複数の送信アンテナを用いて、タイヤの空気圧を検出する検出装置と通信することができ、当該送信アンテナを用いて携帯機と通信するともできる。
本発明の一態様に係る車両用通信システムは、前述の車載機と、車両に離隔配置された複数の送信アンテナと、前記車載機から送信された前記信号を受信し、受信した前記信号に応じて応答信号を送信する携帯機とを備える。
本発明にあっては、車載機の送信アンテナから送信される信号の送信範囲を拡大することができる。従って、車載機は、より遠方の携帯機とも無線通信を行うことができ、無線通信の結果に応じた処理を実行することができる。
本発明の一態様に係る位置検出方法は、車両に離隔配置された複数の送信アンテナから信号を送信させ、該信号を受信した携帯機からの応答信号に応じて、前記携帯機の位置を検出する位置検出方法であって、前記複数の送信アンテナのうち、2つの送信アンテナから信号を同時的に送信させ、前記2つの送信アンテナから送信させた信号に対する前記携帯機からの応答信号を受信した場合、前記2つの送信アンテナの何れか一方から信号を送信させ、前記2つの送信アンテナから同時的に送信させた信号、及び前記一方から送信させた信号に対する前記携帯機からの応答信号を受信したか否かに応じて、前記携帯機の位置を検出する。
本発明にあっては、一つの送信アンテナから送信される信号の送信範囲は例えば車両周辺の範囲内であり、前記送信範囲の外にある携帯機は当該信号を受信することができない。そこで、送信部は、2つ以上の送信アンテナから信号を同時的に送信させる。2つ以上の送信アンテナから同時的に送信された信号は重畳され、振幅は大きくなる。よって、車載機の送信アンテナから送信される信号の送信範囲を拡大することができる。また、同時的に送信させる信号に対して携帯機から応答信号を受信した場合には、何れか一方の送信アンテナから信号を送信するので、何れの送信アンテナの範囲内に携帯機が存在するのかを判断することができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係る車両用通信システムの構成例を説明する模式図である。本実施形態に係る車両用通信システムは、車体の適宜箇所に設けられた車載機1と、車両Cに設けられた複数のタイヤ3のホイールそれぞれに設けられた複数の検出装置2と、報知装置4と、携帯機5と、車外照明部6とを備え、タイヤ空気圧監視システム及びウェルカムライトシステムを構成している。
車載機1には、第1LF送信アンテナ14a、第2LF送信アンテナ14b、第3LF送信アンテナ14c及び第4LF送信アンテナ14dが接続されている。第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dは、例えば、4つのタイヤ3が取り付けられる車両Cの右前、右後、左前及び左後のタイヤ位置にそれぞれ離隔配置されている。タイヤ位置は、タイヤハウス及びその周辺の位置であり、第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dからそれぞれ送信される信号を、各タイヤ3に設けられた検出装置2が各別に受信できる位置である。
なお、以下の説明において、第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dを区別して説明する必要がない場合、第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dを単にLF送信アンテナとも記載する。
タイヤ空気圧監視システムとして機能する車両用通信システムにおいて、車載機1は、タイヤ3の空気圧情報を要求する空気圧情報要求信号を、第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dからLF帯の電波により各検出装置2それぞれへ各別に送信させる。検出装置2は、空気圧情報要求信号に応じて、タイヤ3の空気圧を検出し、検出して得られた空気圧情報及び自身のセンサ識別子を含む空気圧信号をUHF帯の電波により車載機1へ無線送信する。車載機1は、RF受信アンテナ13aを備え、各検出装置2から送信された空気圧信号をRF受信アンテナ13aにて受信し、該空気圧信号から各タイヤ3の空気圧情報を取得する。車載機1には通信線を介して報知装置4が接続されており、車載機1は取得した空気圧情報を報知装置4へ送信する。報知装置4は車載機1から送信された空気圧情報を受信し、各タイヤ3の空気圧情報を報知する。また、報知装置4はタイヤ3の空気圧が所定の閾値未満である場合、警告を発する。
一方、ウェルカムライトシステムとして機能する車両用通信システムにおいて、車載機1は、車両Cの周囲にある携帯機5を検出するための信号(位置検出信号)を、第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dからLF帯の電波により携帯機5へ送信させる。携帯機5は、第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dから送信された信号を受信した場合、受信した信号に応じた応答信号をUHF帯の電波により車載機1へ送信する。車載機1は、携帯機5から送信された応答信号をRF受信アンテナ13aにて受信する。車載機1は、携帯機5との無線通信により、携帯機5の認証に成功すると、車外照明部6を点灯させる。車外照明部6の点灯によって、使用者を出迎えるように車両Cの周囲が明るく照らされる。
なお、本実施形態に係る車両用通信システムにおいて使用するLF帯及びUHF帯は、無線通信を行う際に用いる電波帯域の一例であり、必ずしもこれに限定されない。
図2は車載機1の構成例を示すブロック図である。車載機1は、該車載機1の各構成部の動作を制御する制御部11を備える。制御部11には、記憶部12、車載受信部13、車載送信部14、車内通信部15が接続されている。
制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インタフェースなどを備える。制御部11のCPUは入出力インタフェースを介して記憶部12、車載受信部13、車載送信部14、及び車内通信部15に接続している。制御部11は記憶部12に記憶されている制御プログラムを実行することにより、各構成部の動作を制御し、携帯機5の位置を検出する機能、ウェルカムライト機能、及びタイヤ空気圧監視機能に係る処理を実行する。
なお、制御部11は、上記の構成に限定されるものではなく、シングルコアCPU、マルチコアCPU、マイコン、揮発性又は不揮発性のメモリ等を含む1又は複数の処理回路であればよい。また、制御部11は、時刻を計時するクロック、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ等の機能を備えていてもよい。
記憶部12は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。記憶部12は、制御部11が車載機1の各構成部の動作を制御することにより、携帯機5の位置を検出する機能、ウェルカムライト機能、及びタイヤ空気圧監視機能を実現するための制御プログラムを記憶している。
車載受信部13には、RF受信アンテナ13aが接続されている。車載受信部13は、携帯機5又は検出装置2からRF帯の電波を用いて送信された信号を、RF受信アンテナ13aにて受信する。車載受信部13は、受信した信号を復調し、復調された信号を制御部11へ出力する回路である。搬送波としては300MHz〜3GHzのUHF帯を使用するが、この周波数帯に限定するものでは無い。
車載送信部14には、第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dが接続されている。第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dは、フェライトからなる棒状の磁性体コアと、該磁性体コアの外周に巻かれたコイルとを備える。コイルには、コンデンサが接続されており、共振回路を構成している。共振回路は車載送信部14に接続されている。車載送信部14は、制御部11から出力された信号をLF帯の信号に変調し、変調された信号を第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dから同時的に又は各別に、携帯機5又は検出装置2へ送信させる回路である。車載送信部14は、第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dから送信される信号の送信範囲が、車両周辺の一定範囲内になるように、前記コイルに電流を流し、信号を送信させる。送信範囲は、携帯機5による前記信号の受信が可能となる範囲である。なお、搬送波としては30kHz〜300kHzのLF帯を使用するが、この周波数帯に限定するものでは無い。
図3はLF送信アンテナから各別に信号を送信させた場合の送信範囲を説明する説明図である。図3Aは、第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dから各別に信号を送信させた場合の送信範囲7a、7b、7c、7dを概念的に示している。図3Bは、第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dから送信される信号のタイミングチャートである。横軸は時間であり、四角で囲まれた「信号」は、信号の送信タイミングを示している。
単独の第1LF送信アンテナ14aから送信される信号の送信範囲7aは、当該第1LF送信アンテナ14aを中心とした所定範囲内にとどまる。同様に単独の第2LF送信アンテナ14bから送信される信号の送信範囲7bは、当該第2LF送信アンテナ14bを中心とした所定範囲内にとどまる。従って、車両Cの前後方向中央部における信号の強度は弱く、図3Aに示すような位置にある携帯機5は、第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bから送信される信号を受信することができない。
同様に、第3及び第4LF送信アンテナ14c、14dから送信される信号の送信範囲7c、7dは、それぞれ第3及び第4LF送信アンテナ14c、14dを中心とした所定範囲内にとどまる。
図4は2つのLF送信アンテナから同時的に信号を送信させた場合の送信範囲を説明する説明図である。図4Aは、第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bから同時的に信号を送信させた場合の送信範囲7ab、第3及び第4LF送信アンテナ14c、14dから同時的に信号を送信させた場合の送信範囲7cdを概念的に示している。図4Bは、第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dから送信される信号のタイミングチャートである。横軸は時間であり、四角で囲まれた「信号」は、信号の送信タイミングを示している。
図4Aに示すように、第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bから同時的に送信される信号の送信範囲7abは、単独の第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bから送信される信号の送信範囲7a、7bに比べて拡大する。第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bから送信される信号はLF帯であるため、車両Cの周囲においては、当該信号の振幅は一様であり、第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bからそれぞれ送信された信号は干渉によって打ち消されること無く重ね合わされ、振幅が増大する。そのため、例えば図4Aに示すような位置にある携帯機5は、第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bから同時的に送信される信号を受信することが可能である。
同様に、第3及び第4LF送信アンテナ14c、14dから同時的に送信される信号の送信範囲7cdは、単独の第3及び第4LF送信アンテナ14c、14dから送信される信号の送信範囲7c、7dに比べて拡大する。第3及び第4LF送信アンテナ14c、14dから送信される信号はLF帯であるため、車両Cの周囲においては、当該信号の振幅は一様であり、第3及び第4LF送信アンテナ14c、14dからそれぞれ送信された信号は干渉によって打ち消されること無く重ね合わされ、振幅が増大する。
本実施の形態に係る車載機1において、携帯機5を検出する場合、まず、第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dから選択した2つのLF送信アンテナから同時的に位置検出信号を送信させる。例えば、第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bから同時的に位置検出信号を送信させ、この位置検出信号に対する携帯機5からの応答信号を受信した場合、車載機1の制御部11は、LF送信アンテナ14a、14bの送信範囲7ab内に携帯機5が存在すると判断することができる。
本実施の形態では、携帯機5が存在する位置を更に絞り込むために、制御部11は、前記2つのLF送信アンテナのうち何れか一方のLF送信アンテナから位置検出信号を送信させる。例えば、第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bのうち、第2LF送信アンテナ14bから位置検出信号を送信させ、この位置検出信号に対する応答信号を携帯機5から受信した場合、制御部11は、第2LF送信アンテナ14bの送信範囲7b内に携帯機5が存在すると判断することができる。一方、携帯機5からの応答信号を受信しなかった場合、制御部11は、第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bの送信範囲7ab内であって、かつ第2LF送信アンテナ14bにより形成される送信範囲7bの外側に携帯機5が存在すると判断することができる。2つのLF送信アンテナから同時的に位置検出信号を送信させた際に、携帯機5からの応答信号を受信しなかった場合には、制御部11は、位置検出信号を同時的に送信させる2つのLF送信アンテナの組み合わせを変更し、前述の処理と同様に、携帯機5の位置検出を行う。
一方、車載送信部14は、各タイヤ3の検出装置2を起動させるためのウェイクアップ信号を送信させる場合、又は各検出装置2に空気圧情報要求信号を送信させる場合、第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dから、各別にウェイクアップ信号又は空気圧情報要求信号を送信させる。
本実施の形態では、2つ以上の第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dから同時的に送信される信号が同一である場合を主に説明するが、一例であり、完全に同一の信号である必要は無い。また、2つ以上の第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dから同時的に送信される信号が重畳して振幅が大きくなる限り、各信号の位相がずれていても良い。更に、2つ以上の第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dから送信される信号は、完全に同一タイミングで送信される必要は無く、信号が重畳して振幅が大きくなる限り、各信号の送信タイミングがずれていても良い。
車内通信部15は、CAN(Controller Area Network)又はLIN(Local Interconnect Network)等の通信プロトコルに従って通信を行う通信回路であり、報知装置4及び車外照明部6に接続されている。車内通信部15は、制御部11の制御に従って、タイヤ3の空気圧情報を報知装置4へ送信する。また、車両Cの周囲にある携帯機5が検出された場合、車内通信部15は、制御部11の制御に従って、点灯制御信号を車外照明部6へ送信する。
報知装置4は、例えば、車内通信部15から送信されたタイヤ3の空気圧情報を画像又は音声によって報知する表示部又はスピーカを備えたオーディオ機器、インスツルメントパネルの計器に設けられた表示部等である。表示部は液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ等である。例えば、報知装置4は、車両Cに設けられた各タイヤ3の空気圧情報を表示する。
車外照明部6は、例えばドアミラー又は車両Cのドアに設けられた光源、光源に電力を供給して光源を点灯させる駆動回路、車内通信部15から送信された点灯制御信号を受信する受信回路等を備える。車外照明部6は、車内通信部15から送信された点灯制御信号を受信した場合、光源を点灯させる。車外照明部6が点灯すると、車両Cの周囲が照明される。
なお、本実施形態では、ウェルカムライト機能を実現する照明として、車外を照明する車外照明部6を例示するが、車内を照明するものであっても良い。
図5は検出装置2の構成例を示すブロック図である。検出装置2は、該検出装置2の各構成部の動作を制御するセンサ制御部21を備える。センサ制御部21には、センサ用記憶部22、センサ送信部23、センサ受信部24、及び空気圧検出部25が接続されている。
センサ制御部21は、例えばCPU、ROM、RAM、入出力インタフェースなどを備える。センサ制御部21のCPUは入出力インタフェースを介してセンサ用記憶部22、センサ送信部23、センサ受信部24、及び空気圧検出部25に接続している。センサ制御部21はセンサ用記憶部22に記憶されている制御プログラムを読み出し、各部を制御する。検出装置2は、図示しない電池を備え、当該電池からの電力により動作する。
なお、センサ制御部21は、上記の構成に限定されるものではなく、シングルコアCPU、マルチコアCPU、マイコン、揮発性又は不揮発性のメモリ等を含む1又は複数の処理回路であればよい。また、センサ制御部21は、時刻を計時するクロック、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ等の機能を備えていてもよい。
センサ用記憶部22は不揮発性メモリである。センサ用記憶部22には、センサ制御部21がタイヤ3の空気圧検出及び空気圧信号の送信に係る処理を行うための制御プログラムが記憶されている。また、自身と、他の検出装置2とを識別するための固有のセンサ識別子を記憶している。
空気圧検出部25は、例えばダイヤフラムを備え、圧力の大きさによって変化するダイヤフラムの変形量に基づき、タイヤ3の空気圧を検出する。空気圧検出部25は検出したタイヤ3の空気圧を示す信号をセンサ制御部21へ出力する。センサ制御部21は、制御プログラムを実行することにより、空気圧検出部25からタイヤ3の空気圧を取得し、空気圧情報及び検出装置2に固有のセンサ識別子等を含む空気圧信号を生成し、センサ送信部23へ出力する。
なお、タイヤ3の温度を検出し、検出した温度を示す信号をセンサ制御部21へ出力する温度検出部(不図示)を備えても良い。この場合、センサ制御部21は、空気圧情報、温度情報、センサ識別子等を含む空気圧信号を生成し、センサ送信部23へ出力する。
センサ送信部23には、RF送信アンテナ23aが接続されている。センサ送信部23は、センサ制御部21が生成した空気圧信号をUHF帯の信号に変調し、変調した空気圧信号を、RF送信アンテナ23aを用いて送信する。
センサ受信部24には、LF受信アンテナ24aが接続されている。センサ受信部24は、車載機1からLF帯の電波を用いて送信された空気圧情報要求信号を、LF受信アンテナ24aにて受信し、受信した空気圧情報要求信号をセンサ制御部21へ出力する。
図6は携帯機5の構成例を示すブロック図である。携帯機5は、該携帯機5の各構成部の動作を制御する携帯制御部51を備える。携帯制御部51は、例えば一又は複数のCPU、マルチコアCPU等を有するマイコンである。携帯制御部51には、携帯機用記憶部52、携帯送信部53、及び携帯受信部54が設けられている。携帯機5は、図示しない電池を備え、当該電池からの電力により動作する。
携帯制御部51は、携帯機用記憶部52に記憶されている後述の制御プログラムを読み出し、各構成部の動作を制御する。携帯制御部51は、消費電力が小さい休止状態と、消費電力が大きい起動状態とを有している。休止状態において、携帯機5が、車載機1から送信された信号(例えば、ウェイクアップ信号)を受信した場合、携帯制御部51は休止状態から起動状態へ移行し、動作を開始する。起動状態において、所要の処理を終えた後、携帯機5が車載機1からの信号を受信すること無く所定時間が経過した場合、再び、休止状態へ移行する。
携帯機用記憶部52は、記憶部12と同様の不揮発性メモリである。携帯機用記憶部52は、携帯制御部51が携帯機5の各構成部の動作を制御することにより、正規の携帯機5が車両Cの周囲に存在することを確認するための処理を実行するための制御プログラムを記憶している。
携帯送信部53はRF送信アンテナ53aに接続されており、携帯制御部51の制御に従って、車載機1から送信された信号に応じた応答信号を送信する。携帯送信部53はUHF帯の電波を用いて応答信号を送信する。なおUHF帯は信号を送信する電波帯域の一例であり、必ずしもこれに限定されない。
携帯受信部54は受信信号強度検出部55を介してLF受信アンテナ54aに接続されており、車載機1からLF帯の電波を用いて送信された各種信号を受信し、携帯制御部51へ出力する。LF受信アンテナ54aは例えば3軸アンテナであり、車両Cに対する携帯機5の向き又は姿勢に拘わらず、一定の受信信号強度が得られる。
受信信号強度検出部55は、LF受信アンテナ54aが受信した信号の受信信号強度、特に携帯機5の位置を検出するための検出用信号の受信信号強度を検出し、検出した受信信号強度を携帯制御部51へ出力する回路である。受信信号強度は、車両Cに対する携帯機5の位置を検出する際に利用される。
以下、第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bの組み合わせ(第1の組み合わせ)と、第3及び第4LF送信アンテナ14c、14dの組み合わせ(第2の組み合わせ)とを用いて、携帯機5の位置を検出する手順について説明する。
図7は車載機1及び携帯機5の処理手順を示すフローチャートである。車載機1の制御部11は、例えば、車両Cのイグニッションスイッチがオフ状態でドアが施錠された後の適宜のタイミングにて以下の処理を実行する。制御部11は、第1及び第2の組み合わせの何れか属する2つのLF送信アンテナを選択し(ステップS101)、車載送信部14を制御することにより、選択した2つのLF送信アンテナから位置検出信号を同時的に送信させる(ステップS102)。すなわち、第1の組み合わせを選択した場合、制御部11は、第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bから位置検出信号を同時的に送信させ、第2の組み合わせを選択した場合、制御部11は、第3及び第4LF送信アンテナ14c、14dから位置検出信号を同時的に送信させる。
携帯機5は、休止状態においても外部から送信される信号を監視しており、車載機1から位置検出信号が送信されると、携帯受信部54にて位置検出信号を受信する(ステップS151)。位置検出信号を受信した携帯機5の携帯制御部51は、休止状態から起動状態へ移行し(ステップS152)、自身の識別子を含む応答信号を携帯送信部53にて車載機1へ送信する(ステップS153)。
ステップS102の処理によって位置検出信号を送信させた車載機1の制御部11は、所定の待ち受け時間内に、携帯機5から送信された応答信号を車載受信部13にて受信したか否かを判定する(ステップS103)。
応答信号を受信したと判断した場合(S103:YES)、制御部11は、選択した組み合わせに属する2つのLF送信アンテナのうち、一方のLF送信アンテナから位置検出信号を送信させる(ステップS104)。ここで、第1の組み合わせを選択している場合、例えば第2LF送信アンテナ14bから位置検出信号を送信させ、第2の組み合わせを選択している場合、例えば第4LF送信アンテナ14dから位置検出信号を送信させる。
ステップS152で起動した携帯機5は、所定時間の間、起動状態で待機しており、車載機1から送信される位置検出信号を、携帯受信部54にて受信する(ステップS154)。位置検出信号を受信した携帯機5の携帯制御部51は、自身の識別子を含む応答信号を携帯送信部53にて車載機1へ送信する(ステップS155)。
ステップS104の処理によって位置検出信号を送信させた車載機1の制御部11は、所定の待ち受け時間内に、携帯機5から送信された応答信号を車載受信部13にて受信したか否かを判定する(ステップS105)。
応答信号を受信したと判断した場合(S105:YES)、制御部11は、ステップS104で位置検出信号を送信させたLF送信アンテナの送信範囲内に携帯機5が存在すると判断する(ステップS106)。例えば、ステップS104で位置検出信号を送信させたLF送信アンテナが第2LF送信アンテナ14bである場合、制御部11は、第2LF送信アンテナ14bの送信範囲7b内(すなわち、車両Cの右後方の位置)に携帯機5が存在すると判断することができる。また、ステップS104で位置検出信号を送信させたLF送信アンテナが第4LF送信アンテナ14dである場合、制御部11は、第4LF送信アンテナ14dの送信範囲7d内(すなわち、車両Cの左後方の位置)に携帯機5が存在すると判断することができる。
一方、所定の待ち受け時間内に応答信号を受信しなかった場合(S105:NO)、制御部11は、ステップS102で同時的に位置検出信号を送信させた2つのLF送信アンテナにより形成される送信範囲から、ステップS104で送信させた一方のLF送信アンテナにより形成される送信範囲を除いた範囲内に携帯機5が存在すると判断する(ステップS107)。例えば、第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bから同時的に送信した位置検出信号に対して応答信号を受信し、単独の第2LF送信アンテナ14bから送信した位置検出信号に対して応答信号を受信しなかった場合、制御部11は、送信範囲7abから送信範囲7bを除いた範囲内(すなわち、車両Cの右中央若しくは右前方の位置)に携帯機5が存在すると判断することができる。また、第3及び第4LF送信アンテナ14c、14dから同時的に送信した位置検出信号に対して応答信号を受信し、単独の第4LF送信アンテナ14dから送信した位置検出信号に対して応答信号を受信しなかった場合、制御部11は、送信範囲7cdから送信範囲7dを除いた範囲内(すなわち、車両Cの左中央若しくは左前方の位置)に携帯機5が存在すると判断することができる。
車載機1の制御部11は、ステップS106又はS107にて携帯機5の位置を検出した場合、検出した位置に応じた処理を実行する(ステップS108)。例えば、制御部11は、点灯制御信号を車外照明部6へ送信することにより、検出した位置に対応する位置に設けられた車外照明部6を点灯させる処理を行ってもよい。また、制御部11は、ドアノブをプッシュアップさせる駆動制御部(不図示)へ制御信号を送信することにより、検出した位置に対応する位置に設けられたドアノブをプッシュアップさせる処理を行ってもよい。
ステップS103において所定の待ち受け時間内に携帯機5からの応答信号を受信しなかった場合には(S103:NO)、制御部11は、他の組み合わせに変更して(ステップS109)、処理をステップS102へ戻し、携帯機5の位置検出処理を続行する。
このように構成された車載機1及び車両用通信システムによれば、2つのLF送信アンテナから同時的に信号を送信させることにより、信号の送信範囲を拡大することができる。また、拡大した送信範囲内で携帯機5の存在を検出できた場合、何れか一方のLF送信アンテナから信号を送信させることにより、どの送信範囲内に携帯機5が存在するのかを特定することができる。
なお、本実施形態では、タイヤ空気圧監視システムを構成する第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dを用いてウェルカムライト機能を実現する構成を説明したが、言うまでもなくスマートエントリー(登録商標)、その他の任意にシステムを構成するLF送信アンテナを用いてウェルカムライト機能を実現しても良い。
また、本実施の形態では、2つのLF送信アンテナの組み合わせから同一信号を同時的に送信させる例を説明したが、言うまでもなく、3つ以上のLF送信アンテナの組み合わせから同一信号を同時的に送信させるように構成しても良い。
更に、本実施の形態では、各タイヤ位置にそれぞれLF送信アンテナを配置した構成としたが、LF送信アンテナの配置は各タイヤ位置に限定されるものではない。例えば、各タイヤ位置に加え、車両の後部にLF送信アンテナが配置される構成であってもよく、また車両の右側面、左側面、及び後部の3箇所にLF送信アンテナが配置される構成であってもよい。
更に、本発明は、ウェルカムライト機能を実現するシステムに適用されるだけでなく、ウォークアウェイクローズ機能、スマートエントリー(登録商標)機能、その他、携帯機5との通信が必要な任意のシステムに適用され得る。
更にまた、本実施形態では、車載機1がLF帯の電波を用いて信号を送信させる例を説明したが、携帯機5との通信が必要な範囲において、2つのLF送信アンテナから送信される信号が干渉して打ち消し合うことが無ければ信号の周波数は特に限定されるものでは無い。
(実施形態2)
実施形態2では、前後方向に並ぶ第1及び第2LF送信アンテナ14a、14b(第3及び第4LF送信アンテナ14c、14d)から同時的に送信させる信号の位相を制御する構成について説明する。
図8は実施形態2に係る車載送信部14の構成例を説明するブロック図である。車載送信部14は、第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dから送信するLF帯の信号をそれぞれ生成する第1乃至第4送信部140a、140b、140c、140dを備える。なお、実施形態2において、第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dは、フェライトからなる棒状の磁性体コアと、磁性体コアに巻かれたコイルとを備え、磁性体コアに巻かれたコイルの巻線方向は互いに同一であるとする。
第1送信部140aは、信号生成回路141a及び移相回路142aを含む。信号生成回路141aは、制御部11から入力される信号(例えば位置検出信号)の信号波を搬送波(キャリア)に重畳して、LF帯の信号に変調する。なお、搬送波は、図に示していないRC発振回路、水晶発信回路等により生成される。移相回路142aには、信号生成回路141aにて変調された信号波(被変調波)が入力される。移相回路142aは、入力された信号波(被変調波)の位相を、例えば制御部11から入力される移相制御信号に基づいて制御する。第1送信部140aは、移相回路142aによって位相が制御された信号波を、第1LF送信アンテナ14aを通じて外部へ送信する。
第2乃至第4送信部140b、140c、140dの構成についても第1送信部140aの構成と同様である。すなわち、第2送信部140bは信号生成回路141b及び移相回路142bを備え、第3送信部140cは信号生成回路141c及び移相回路142cを備え、第4送信部140dは信号生成回路141d及び移相回路142dを備える。第2乃至第4送信部140b、140c、140dは、制御部11から入力される信号(例えば位置検出信号)の信号波を搬送波に重畳してLF帯の信号に変調した後、制御部11から入力される移相制御信号に基づいて位相を制御し、位相が制御された信号波を、第2乃至第4LF送信アンテナ14b、14c、14dから外部へ送信する。
図9はLF送信アンテナから送信される信号波の磁界分布の一例を示す分布図である。図9の例では、第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bから逆位相の信号を同時的に送信させた場合に発生する磁界の向きを示している。図9に示す分布図において、車両Cの左右方向と一致する方向にX軸をとり、車両Cの前後方向と一致する方向にY軸をとっている。第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bは、共にY軸上に配置されており、X軸から等距離の位置(例えばX軸から1.2mの位置)に設けられているものとする。また、第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bが備える磁性体コアの軸方向はY軸に平行であり、磁性体コアに巻かれたコイルの巻線方向は互いに同一であるものとする。
第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bから互いに逆位相の信号波を送信させた場合、それぞれから発せられる信号波の磁界の向きはY軸近傍で逆向きとなる。この結果、Y軸近傍(特に第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bの間の領域)における信号強度は、一方のLF送信アンテナを単独で駆動した場合と比較して、小さくなることが分かる。
一方、Y軸から離れた領域では、第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bから送信される信号波の磁界はそれぞれX軸方向の成分を持つ。第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bから互いに逆位相の信号波を送信させた場合、それぞれから発せられる信号の磁界の向きはX軸近傍で略同一の向きとなる。この結果、Y軸から離れたX軸近傍の領域(例えば図4Aに示す携帯機5の位置付近)における信号強度は、一方のLF送信アンテナを単独で駆動した場合と比較して、大きくなることが分かる。
なお、第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bの出力が強くない場合、それぞれから離隔した位置での磁界強度は小さくなるため、一方の磁界が他方の磁界に与える影響は小さくなる。このため、第1LF送信アンテナ14aより前方の磁界強度、及び第2LF送信アンテナ14bより後方の磁界強度は、それぞれを単独で駆動した場合の磁界強度と同様の値を示すことになる。
実施形態1で説明したように、第1LF送信アンテナ14aを単独で用いた場合の信号の送信範囲7aは、第1LF送信アンテナ14aを中心とした所定範囲内にとどまる。同様に、第2LF送信アンテナ14bを単独で用いた場合の送信範囲7bは、第2LF送信アンテナ14bを中心とした所定範囲内にとどまる。
これに対し、第1LF送信アンテナ14a及び第2LF送信アンテナ14bから逆位相の信号波を同時的に送信させた場合、それぞれから発せられた信号波はY軸から離れたX軸近傍で重ね合わされ、合成磁界により定まる送信範囲7abは車両Cの前後方向の中心付近にて左右方向に広がる。
図示しないが、第3及び第4LF送信アンテナ14c、14dから逆位相の信号波を同時的に送信させた場合も同様であり、車両Cの前後方向の中心付近にて信号波の送信範囲を左右方向に拡大することができる。
以上のように、実施形態2では、車両Cの前後方向の中心付近にて信号波の送信範囲を左右方向に拡大することができる。当該構成を用いて、例えば携帯機5を検出するための位置検出信号の送信範囲を拡大することにより、車両Cに横方向から近づく携帯機5をより早期に検出することができる。
なお、実施形態2では、第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dを構成するコイルの巻線方向を同一としたため、逆位相の信号波を送信させることによって送信範囲を拡大する構成としたが、例えば、第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bを構成するコイルの巻線方向が逆向きである場合には、これらの第1及び第2LF送信アンテナ14a、14bから同位相の信号波を送信させることによって送信範囲を拡大する構成としてもよい。
(実施の形態3)
実施の形態3では、左右方向に並ぶ第1及び第3LF送信アンテナ14a、14c(第2及び第4LF送信アンテナ14b、14d)の組み合わせを用いて、携帯機5の位置を検出する構成について説明する。
図10は左右方向に並ぶ2つのLF送信アンテナから同時的に信号を送信させた場合の送信範囲を説明する説明図である。図10Aは、第1及び第3LF送信アンテナ14a、14cから同時的に信号を送信させた場合の送信範囲7ac、第2及び第4LF送信アンテナ14b、14dから同時的に信号を送信させた場合の送信範囲7bdを概念的に示している。図10Bは、第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dから送信される信号のタイミングチャートである。横軸は時間であり、四角で囲まれた「信号」は、信号の送信タイミングを示している。
図10Aに示すように、第1及び第3LF送信アンテナ14a、14cから同時的に送信される信号の送信範囲7acは、単独の第1及び第3LF送信アンテナ14a、14cから送信される信号の送信範囲7a、7cに比べて拡大する。第1及び第3LF送信アンテナ14a、14cから送信される信号はLF帯であるため、車両Cの周囲においては、当該信号の振幅は一様であり、第1及び第3LF送信アンテナ14a、14cからそれぞれ送信された信号は干渉によって打ち消されること無く重ね合わされ、振幅が増大する。そのため、例えば図10Aに示すような位置にある携帯機5は、第1及び第3LF送信アンテナ14a、14cから同時的に送信される信号を受信することが可能である。
同様に、第2及び第4LF送信アンテナ14b、14dから同時的に送信される信号の送信範囲7bdは、単独の第3及び第4LF送信アンテナ14b、14dから送信される信号の送信範囲7b、7dに比べて拡大する。第2及び第4LF送信アンテナ14b、14dから送信される信号はLF帯であるため、車両Cの周囲においては、当該信号の振幅は一様であり、第2及び第4LF送信アンテナ14b、14dからそれぞれ送信された信号は干渉によって打ち消されること無く重ね合わされ、振幅が増大する。
本実施の形態に係る車載機1において、携帯機5を検出する場合、まず、第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dから選択した2つのLF送信アンテナから同時的に位置検出信号を送信させる。例えば、車載機1の制御部11は、第1及び第3LF送信アンテナ14a、14cから同時的に位置検出信号を送信させる。この位置検出信号に対する携帯機5からの応答信号を受信した場合、制御部11は、LF送信アンテナ14a、14cの送信範囲7ac内に携帯機5が存在すると判断することができる。
本実施の形態では、携帯機5が存在する位置を更に絞り込むために、制御部11は、前記2つのLF送信アンテナのうち何れか一方のLF送信アンテナから位置検出信号を送信させる。例えば、第1及び第3LF送信アンテナ14a、14cのうち、第1LF送信アンテナ14aから位置検出信号を送信させ、この位置検出信号に対する応答信号を携帯機5から受信した場合、制御部11は、第1LF送信アンテナ14aの送信範囲7a内に携帯機5が存在すると判断することができる。一方、携帯機5からの応答信号を受信しなかった場合、制御部11は、第1及び第3LF送信アンテナ14a、14bの送信範囲7ab内であって、かつ第1LF送信アンテナ14aにより形成される送信範囲7aの外側に携帯機5が存在すると判断することができる。2つのLF送信アンテナから同時的に位置検出信号を送信させた際に、携帯機5からの応答信号を受信しなかった場合には、制御部11は、位置検出信号を同時的に送信させる2つのLF送信アンテナの組み合わせを変更し、前述の処理と同様に、携帯機5の位置検出を行う。
以下、第1及び第3LF送信アンテナ14a、14cの組み合わせ(第3の組み合わせ)と、第2及び第4LF送信アンテナ14b、14dの組み合わせ(第4の組み合わせ)とを用いて、携帯機5の位置を検出する手順について説明する。
図11は車載機1及び携帯機5の処理手順を示すフローチャートである。車載機1の制御部11は、例えば、車両Cのイグニッションスイッチがオフ状態でドアが施錠された後の適宜のタイミングにて以下の処理を実行する。制御部11は、第3及び第4の組み合わせの何れか属する2つのLF送信アンテナを選択し(ステップS301)、車載送信部14を制御することにより、選択した2つのLF送信アンテナから位置検出信号を同時的に送信させる(ステップS302)。すなわち、第3の組み合わせを選択した場合、制御部11は、第1及び第3LF送信アンテナ14a、14cから位置検出信号を同時的に送信させ、第4の組み合わせを選択した場合、制御部11は、第2及び第4LF送信アンテナ14b、14dから位置検出信号を同時的に送信させる。
携帯機5は、休止状態においても外部から送信される信号を監視しており、車載機1から位置検出信号が送信されると、携帯受信部54にて位置検出信号を受信する(ステップS351)。位置検出信号を受信した携帯機5の携帯制御部51は、休止状態から起動状態へ移行し(ステップS352)、自身の識別子を含む応答信号を携帯送信部53にて車載機1へ送信する(ステップS353)。
ステップS302の処理によって位置検出信号を送信させた車載機1の制御部11は、所定の待ち受け時間内に、携帯機5から送信された応答信号を車載受信部13にて受信したか否かを判定する(ステップS303)。
応答信号を受信したと判断した場合(S303:YES)、制御部11は、選択した組み合わせに属する2つのLF送信アンテナのうち、一方のLF送信アンテナから位置検出信号を送信させる(ステップS304)。ここで、第3の組み合わせを選択している場合、例えば第1LF送信アンテナ14aから位置検出信号を送信させ、第3の組み合わせを選択している場合、例えば第2LF送信アンテナ14bから位置検出信号を送信させる。
ステップS352で起動した携帯機5は、所定時間の間、起動状態で待機しており、車載機1から送信される位置検出信号を、携帯受信部54にて受信する(ステップS354)。位置検出信号を受信した携帯機5の携帯制御部51は、自身の識別子を含む応答信号を携帯送信部53にて車載機1へ送信する(ステップS355)。
ステップS304の処理によって位置検出信号を送信させた車載機1の制御部11は、所定の待ち受け時間内に、携帯機5から送信された応答信号を車載受信部13にて受信したか否かを判定する(ステップS305)。
応答信号を受信したと判断した場合(S305:YES)、制御部11は、ステップS304で位置検出信号を送信させたLF送信アンテナの送信範囲内に携帯機5が存在すると判断する(ステップS306)。例えば、ステップS304で位置検出信号を送信させたLF送信アンテナが第1LF送信アンテナ14aである場合、制御部11は、第1LF送信アンテナ14bの送信範囲7a内(すなわち、車両Cの右前方の位置)に携帯機5が存在すると判断することができる。また、ステップS304で位置検出信号を送信させたLF送信アンテナが第2LF送信アンテナ14bである場合、制御部11は、第2LF送信アンテナ14bの送信範囲7b内(すなわち、車両Cの右後方の位置)に携帯機5が存在すると判断することができる。
一方、所定の待ち受け時間内に応答信号を受信しなかった場合(S305:NO)、制御部11は、ステップS302で同時的に位置検出信号を送信させた2つのLF送信アンテナにより形成される送信範囲から、ステップS304で送信させた一方のLF送信アンテナにより形成される送信範囲を除いた範囲内に携帯機5が存在すると判断する(ステップS307)。例えば、第1及び第3LF送信アンテナ14a、14cから同時的に送信した位置検出信号に対して応答信号を受信し、単独の第1LF送信アンテナ14aから送信した位置検出信号に対して応答信号を受信しなかった場合、制御部11は、送信範囲7acから送信範囲7aを除いた範囲内(すなわち、車両Cの前方かつ中央付近、若しくは車両Cの左前方付近)に携帯機5が存在すると判断することができる。また、第2及び第4LF送信アンテナ14b、14dから同時的に送信した位置検出信号に対して応答信号を受信し、単独の第2LF送信アンテナ14bから送信した位置検出信号に対して応答信号を受信しなかった場合、制御部11は、送信範囲7bdから送信範囲7bを除いた範囲内(すなわち、車両Cの後方かつ中央付近、若しくは左後方付近)に携帯機5が存在すると判断することができる。
車載機1の制御部11は、ステップS306又はS307にて携帯機5の位置を検出した場合、検出した位置に応じた処理を実行する(ステップS308)。例えば、制御部11は、点灯制御信号を車外照明部6へ送信することにより、検出した位置に対応する位置に設けられた車外照明部6を点灯させる処理を行ってもよい。また、制御部11は、ドアノブをプッシュアップさせる駆動制御部(不図示)へ制御信号を送信することにより、検出した位置に対応する位置に設けられたドアノブをプッシュアップさせる処理を行ってもよい。
ステップS303において所定の待ち受け時間内に携帯機5からの応答信号を受信しなかった場合には(S303:NO)、制御部11は、他の組み合わせに変更して(ステップS309)、処理をステップS302へ戻し、携帯機5の位置検出処理を続行する。
このように構成された車載機1及び車両用通信システムによれば、2つのLF送信アンテナから同時的に信号を送信させることにより、信号の送信範囲を拡大することができる。また、拡大した送信範囲内で携帯機5の存在を検出できた場合、何れか一方のLF送信アンテナから信号を送信させることにより、どの送信範囲内に携帯機5が存在するのかを特定することができる。
なお、実施の形態1では、前後方向に並ぶLF送信アンテナの組み合わせ、実施の形態3では、左右方向に並ぶLF送信アンテナの組み合わせを用いて、携帯機5の存在を検出する構成としたが、前後方向に並ぶLF送信アンテナの組み合わせと、左右方向に並ぶLF送信アンテナの組み合わせとを適宜切り換えて、携帯機5の存在を検出する構成としてもよいことは勿論のことである。
(実施の形態4)
実施の形態4では、左右方向に並ぶ第1及び第3LF送信アンテナ14a、14c(第2及び第4LF送信アンテナ14b、14d)から同時的に送信させる信号の位相を制御する構成について説明する。
実施の形態4では、移相回路142a、142c(移相回路142b、142d)を制御することにより、左右方向に並ぶ第1及び第3LF送信アンテナ14a、14c(第2及び第4LF送信アンテナ14b、14d)から同時的に送信させる信号の位相を例えば同位相に制御する。
図12はLF送信アンテナから送信される信号波の磁界分布の一例を示す分布図である。図12の例では、第1及び第3LF送信アンテナ14a、14cから同位相の信号を同時的に送信させた場合に発生する磁界の向きを示している。図12に示す分布図において、車両Cの左右方向と一致する方向にX軸をとり、車両Cの前後方向と一致する方向にY軸をとっている。第1及び第3LF送信アンテナ14a、14cは、共にX軸上に配置されており、Y軸から等距離の位置(例えばX軸から1.5mの位置)に設けられているものとする。また、第1及び第3LF送信アンテナ14a、14cが備える磁性体コアの軸方向はY軸に平行であり、磁性体コアに巻かれたコイルの巻線方向は互いに同一であるものとする。
第1及び第3LF送信アンテナ14a、14cから互いに同位相の信号波を送信させた場合、それぞれから発せられる信号波の磁界の向きは、X軸から少しだけ離隔したY軸上の位置において互いに逆向きとなる。Y軸近傍で逆向きとなる。この結果、この付近における信号強度は、一方のLF送信アンテナを単独で駆動した場合と比較して、小さくなることが分かる。
一方、X軸から十分に離隔したY軸上の位置では、第1及び第3LF送信アンテナ14a、14cから送信される信号波の磁界はそれぞれY軸方向の成分を持つ。第1及び第3LF送信アンテナ14a、14cから互いに同位相の信号波を送信させた場合、それぞれから発せられる信号の磁界の向きはX軸から十分に離れたY軸の近傍で略同一の向きとなる。この結果、X軸から離れたY軸近傍の領域(例えば図10Aに示す携帯機5の位置付近)における信号強度は、一方のLF送信アンテナを単独で駆動した場合と比較して、大きくなることが分かる。
なお、第1及び第3LF送信アンテナ14a、14cの出力が強くない場合、それぞれから離隔した位置での磁界強度は小さくなるため、一方の磁界が他方の磁界に与える影響は小さくなる。このため、第1LF送信アンテナ14aよりも右側の磁界強度、及び第3LF送信アンテナ14cよりも左側の磁界強度は、それぞれを単独で駆動した場合の磁界強度と同様の値を示すことになる。
実施形態1で説明したように、第1LF送信アンテナ14aを単独で用いた場合の信号の送信範囲7aは、第1LF送信アンテナ14aを中心とした所定範囲内にとどまる。同様に、第3LF送信アンテナ14cを単独で用いた場合の送信範囲7cは、第2LF送信アンテナ14cを中心とした所定範囲内にとどまる。
これに対し、第1LF送信アンテナ14a及び第3LF送信アンテナ14cから同位相の信号波を同時的に送信させた場合、それぞれから発せられた信号波はX軸から離れたY軸近傍で重ね合わされ、合成磁界により定まる送信範囲7acは車両Cの左右方向の中心付近にて前後方向に広がる。
図示しないが、第2及び第4LF送信アンテナ14b、14dから同位相の信号波を同時的に送信させた場合も同様であり、車両Cの左右方向の中心付近にて信号波の送信範囲を前後方向に拡大することができる。
以上のように、実施形態4では、車両Cの左右方向の中心付近にて信号波の送信範囲を前後方向に拡大することができる。当該構成を用いて、例えば携帯機5を検出するための位置検出信号の送信範囲を拡大することにより、車両Cに前方(又は後方)から近づく携帯機5をより早期に検出することができる。
なお、実施形態4では、第1乃至第4LF送信アンテナ14a、14b、14c、14dを構成するコイルの巻線方向を同一としたため、同位相の信号波を送信させることによって送信範囲を拡大する構成としたが、例えば、第1及び第3LF送信アンテナ14a、14cを構成するコイルの巻線方向が逆向きである場合には、これらの第1及び第3LF送信アンテナ14a、14cから逆位相の信号波を送信させることによって送信範囲を拡大する構成としてもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車載機
2 検出装置
3 タイヤ
4 報知装置
5 携帯機
6 車外照明部
7a,7b,7c,7d 送信範囲
7ab,7cd 送信範囲
11 制御部(第1送信制御部、第2送信制御部、位置検出部)
12 記憶部
13 車載受信部
13a RF受信アンテナ
14 車載送信部
14a 第1LF送信アンテナ(送信アンテナ)
14b 第2LF送信アンテナ(送信アンテナ)
14c 第3LF送信アンテナ(送信アンテナ)
14d 第4LF送信アンテナ(送信アンテナ)
15 車内通信部
21 センサ制御部
22 センサ用記憶部
23 センサ送信部
23a RF送信アンテナ
24 センサ受信部
24a LF受信アンテナ
25 空気圧検出部
51 携帯制御部
52 携帯機用記憶部
53 携帯送信部
53a RF送信アンテナ
54 携帯受信部
54a LF受信アンテナ
55 受信信号強度検出部
140a 第1送信部
140b 第2送信部
140c 第3送信部
140d 第4送信部
141a,141b,141c,141d 信号生成回路
142a,142b,142c,142d 移相回路(位相制御部)
C 車両

Claims (12)

  1. 車両に離隔配置された複数の送信アンテナから信号を送信させ、該信号を受信した携帯機からの応答信号に応じて処理を行う車載機であって、
    前記複数の送信アンテナのうち、2つの送信アンテナから信号を同時的に送信させる第1送信制御部と、
    前記2つの送信アンテナから送信させた信号に対する前記携帯機からの応答信号を受信した場合、前記2つの送信アンテナの何れか一方から信号を送信させる第2送信制御部と
    を備える車載機。
  2. 前記第1及び第2送信制御部により送信させた信号に対する前記携帯機からの応答信号を受信したか否かに応じて、前記携帯機の位置を検出する位置検出部
    を備える請求項1に記載の車載機。
  3. 前記2つの送信アンテナから送信させた信号に対する前記携帯機からの応答信号を受信しなかった場合、前記第1送信制御部は、信号を送信させる2つの送信アンテナの組み合わせを変更する
    請求項1又は請求項2に記載の車載機。
  4. 前記複数の送信アンテナからLF(Low Frequency)帯の前記信号を送信させる
    請求項1から請求項3の何れか1つに記載の車載機。
  5. 少なくとも2つの前記送信アンテナは前記車両の走行方向における前後又は左右に離隔配置されており、
    前記第1送信制御部は、
    前後又は左右に離隔配置された前記2つの送信アンテナから前記信号を同時的に送信させる
    請求項1から請求項4の何れか1つに記載の車載機。
  6. 前記2つの送信アンテナから同時的に送信させる信号の位相を制御する位相制御部
    を備える請求項1から請求項5の何れか1つに記載の車載機。
  7. 前記位相制御部は、前記2つの送信アンテナから同時的に送信させる信号の位相を同位相又は逆位相に制御する
    請求項6に記載の車載機。
  8. 前記携帯機から送信される応答信号の受信結果に応じて、前記車両に搭載された装備品の動作を制御する
    請求項1から請求項7の何れか1つに記載の車載機。
  9. 前記第1及び第2送信制御部は、
    前記携帯機を起動させるための信号を送信させる
    請求項1から請求項8の何れか1つに記載の車載機。
  10. 前記複数の送信アンテナは、
    前記車両の複数のタイヤが設けられるタイヤ位置にそれぞれ配されており、
    前記複数のタイヤにそれぞれ設けられ、該タイヤの空気圧を検出して得られる空気圧信号を無線送信する複数の検出装置へ、各タイヤ位置に配された前記送信アンテナから信号を送信させる第3送信制御部
    を備える請求項1から請求項9の何れか1つに記載の車載機。
  11. 請求項1から請求項10の何れか一つに記載の車載機と、
    車両に離隔配置された複数の送信アンテナと、
    前記車載機から送信された前記信号を受信し、受信した前記信号に応じて応答信号を送信する携帯機と
    を備える車両用通信システム。
  12. 車両に離隔配置された複数の送信アンテナから信号を送信させ、該信号を受信した携帯機からの応答信号に応じて、前記携帯機の位置を検出する位置検出方法であって、
    前記複数の送信アンテナのうち、2つの送信アンテナから信号を同時的に送信させ、
    前記2つの送信アンテナから送信させた信号に対する前記携帯機からの応答信号を受信した場合、前記2つの送信アンテナの何れか一方から信号を送信させ、
    前記2つの送信アンテナから同時的に送信させた信号、及び前記一方から送信させた信号に対する前記携帯機からの応答信号を受信したか否かに応じて、前記携帯機の位置を検出する
    位置検出方法。
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