JP2010232872A - 車両制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】携帯機と車両側装置との間の無線通信を行なう周波数をより適切に設定することのできる車両制御システムを提供する。
【解決手段】車両側装置200は、複数のチャンネルのうち1つを指定し、その指定したチャンネルによる試行指示をLFアンテナ部211から送信する。携帯機100は、LFアンテナ部111によってこの試行指示を受信すると、その試行指示に従ってRFアンテナ114から信号の送信する。車両側装置200及び携帯機100は、全チャンネルについてこうしたRF通信を順次試行する。車両側装置200は、RFアンテナ214による受信信号の強度が最大となるチャンネルをRF通信に用いるチャンネルとして決定し、その決定したチャンネルによる通信指示をLFアンテナ部211から送信する。携帯機100は、LFアンテナ部111によってその通信指示を受信すると、指示されたチャンネルにてRF通信を行なう。
【選択図】図1

Description

本発明は、ユーザに携帯される携帯機と車両に搭載される車両側装置との間における無線通信を用いて車両の制御を行なう車両制御システムに関する。
従来、この種の車両制御システムとして、ユーザに携帯される携帯機に設けられたロックボタンあるいはアンロックボタンを操作することにより、車両ドアを全て施錠あるいは解錠するいわゆるワイヤレスリモートコントロールシステムが知られている。
詳しくは、このシステムでは、携帯機は、ロックボタンあるいはアンロックボタンが操作されると、施錠指示あるいは解錠指示とともにその携帯機固有の固有情報であるキーIDを高周波帯(RF帯)の電波にて車両側装置に送信する。車両側装置は、携帯機から送信されてくる信号を受信すると、予め登録されているキーIDと照合し、照合が成立する場合には、車両ドアを全て施錠あるいは解錠する。
通常、このシステムの携帯機には、単方向単チャンネルが使用されている。換言すれば、携帯機は、RF帯の単一の周波数の電波を送信することのみ可能である。そのため、その周波数の妨害電波が存在する場合、車両側装置は、その影響を受け、携帯機から送信される電波を受信することができず、ひいては、車両ドアを施錠したり解錠したりすることができない場合がある。妨害電波の影響を低減するには、ユーザは車両(車両側装置)により近づいた上で携帯機を操作するしかなく、作動距離が短くなってしまう。
これに対し、例えば特許文献1に記載の技術のように、携帯機及び車両側装置をそれぞれ多チャンネル化し、妨害電波が存在すると判断される場合には、これら携帯機及び車両側装置間で使用する電波の周波数を変更する技術が知られている。
詳しくは、この特許文献1に記載の技術では、ユーザが携帯機を手に取ることなく車両ドアの施錠や解錠を行なうことのできるいわゆるスマートエントリーシステムにおいて、車両側装置は、低周波数帯(LF帯)の単一の周波数の電波にてリクエスト信号を送信可能であり、携帯機は、車両側装置から送信されるリクエスト信号を受信可能とする。また、携帯機は、RF帯の複数の周波数(マルチチャンネル)の電波にてレスポンス信号を送信可能であり、車両側装置は、携帯機から送信されるレスポンス信号を受信可能とする。そして、車両側装置は、携帯機から送信されるはずのチャンネルの電波と同一のチャンネルの妨害電波を受信した場合、そのチャンネルを変更するとともに、その変更したチャネルにてレスポンス信号を送信するよう携帯機に指令するチャンネルコードを含むリクエスト信号を送信する。携帯機は、車両側装置から送信されるリクエスト信号を受信すると、指定されたチャンネルにてレスポンス信号を送信する。このように、妨害電波とは異なるチャンネルに変更して、携帯機と車両側装置との間で無線通信の成立を図っている。
特開2007−142886号公報
ところで、上記特許文献1に記載の技術では、変更したチャンネルよりも、携帯機及び車両側装置間の通信状態を良好にすることのできるより適切なチャンネルが、変更可能なチャンネルの中に含まれている場合がある。それにも関わらず、妨害電波を受信すると、変更後のチャンネルによる携帯機及び車両側装置間の通信状態について何ら考慮することなく、別のチャンネルに変更してしまうため、必ずしも、最適なチャンネルに変更されるとは限らない。この点において、依然として改善の余地が残されている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、携帯機と車両側装置との間の無線通信を行なう周波数をより適切に設定することのできる車両制御システムを提供することにある。
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、ユーザに携帯されるとともに、車両側装置から送信される信号を受信する携帯機側第1通信部と、互いに異なる複数の周波数の電波を選択的に用いて前記車両側装置へ信号を送信する携帯機側第2通信部とを有する携帯機と、車両に搭載されるとともに、所定の周波数の電波を用いて前記携帯機へ信号を送信する車両側第1通信部と、互いに異なる複数の周波数の電波を選択的に用いて前記携帯機から送信される信号を受信する車両側第2通信部とを有する車両側装置とを備え、これら携帯機及び車両側装置間における無線通信を用いて、車両の制御を行なう車両制御システムにおいて、前記複数の周波数のうち指定する周波数の電波を用いて前記携帯機側第2通信部から前記車両側第2通信部へ信号の送信を試行する試行指示を、前記車両側第1通信部から前記携帯機側第1通信部へ送信するとともに、その試行指示に従って前記携帯機側第2通信部から送信され、前記車両側第2通信部によって受信される信号の強度の計測を、前記複数の周波数の全てに対して実行し、前記携帯機側第2通信部と前記車両側第2通信部との間で用いる周波数を、前記信号の強度が最も強い周波数に設定する自動選局処理を実行することを特徴とする。
車両制御システムとしてのこのような構成では、携帯機側第2通信部から車両側第2通信部への信号の送信、及び、車両側第2通信部によって受信される信号の強度の計測を、複数の周波数の全てに対して実行し、信号の強度が最も強い周波数に設定するため、携帯機(携帯機側第2通信部)及び車両側装置(車両側第2通信部)間の無線通信を行なう周波数をより適切に設定することができるようになる。
車両側装置に対して所定操作をすることにより、上記自動選局処理を実行開始してもよい。あるいは、上記請求項1に記載の構成において、請求項2に記載の発明のように、前記携帯機側第1通信部及び前記車両側第1通信部は双方向通信可能であり、前記携帯機は、当該携帯機に対し特殊操作が行われることに基づいて、前記携帯機側第1通信部から前記車両側第1通信部へ前記自動選局処理の実行を要求する要求信号を送信し、前記車両側装置は、前記車両側第1通信部によって前記要求信号を受信することに基づいて、前記自動選局処理を実行することとしてもよい。これにより、ユーザは、携帯機に対して特殊操作をすることで、自動選局処理を実行することができるようになる。
なお、上記請求項2に記載の構成では、携帯機側第1通信部及び車両側第1通信部が双方向通信であることから、請求項3に記載の発明のように、前記携帯機は、当該携帯機に固有な第1固有情報を記憶する携帯機側記憶部をさらに備え、前記車両側装置は、前記第1固有情報を記憶する車両側記憶部をさらに備え、これら前記携帯機側第1通信部及び前記車両側第1通信部による前記第1固有情報の照合が成立することに基づいて、車載エンジンの始動を許可することとしてもよい。これにより、上記請求項2に記載の構成をいわゆるエンジンイモビライザーシステムに適用することが可能となる。
また、上記請求項3に記載の構成において、請求項4に記載の発明では、前記第1固有情報の照合が成立した後、所定時間経過する前に前記要求信号を受信することに基づいて、前記自動選局処理を実行することとしてもよい。これにより、照合が成立した正規の携帯機に対し、自動選局処理を実行することができるようになる。
本発明に係る車両制御システムの一実施の形態について、(a)は、携帯機の構成を示すブロック図であり、(b)は、車両側装置の構成を示すブロック図である。 本実施の形態によって実行される処理について、その処理手順を示すフローチャートである。 図2に示す処理中に実行される自動選局設定処理について、その処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る車両制御システムの一実施の形態について、図1〜図3を参照して説明する。
本実施の形態の車両制御システムは、ユーザに携帯される携帯機100及び車両に搭載される車両側装置200を有して構成されており、携帯機100に設けられたスイッチが通常操作されると、車両ドアを全て施錠したり解錠したりするいわゆるリモートキーレスエントリー機能、携帯機100のメカニカルキーがキーシリンダに挿入されると、携帯機100と車両側装置200との間の無線通信を用いたコード照合が行なわれ、そのコード照合の結果に応じて車載エンジンの始動が許可されるいわゆるイモビライザー(以下、イモビと略記する)機能、及び携帯機100に設けられたスイッチが特殊操作されると、携帯機100と車両側装置200との間の無線通信を行なう周波数(チャンネル)を自動選局する自動選局機能を有する。
図1(a)は、車両制御システムを構成する携帯機100の構成例を示すブロック図である。この図1(a)を参照して、携帯機100の構成及び機能について説明する。
図1(a)に示されるように、携帯機100は、送信制御IC101、LFアンテナ部111、発振子112、整合回路113、RFアンテナ114、電池115、ロックボタン116、アンロックボタン117、ラゲージボタン118、LED(発光素子)119、及び図示しないメカニカルキーを備える。また、送信制御IC101は、CPU102、イモビ制御部103、メモリ104、発振回路105、PLL回路106、RFアンプ107を有しており、LFアンテナ部111は、アンテナ111a及び可変コンデンサ111bを有している。
このうち、CPU102は、図示しない内蔵メモリを備えた公知のコンピュータであり、その内蔵メモリや外部メモリであるメモリ104等に予め記憶されたプログラムに従って各種処理を実行する。なお、CPU102が実行する処理については後述する。
イモビ制御部103は、CPU102及びLFアンテナ部111に接続されており、LFアンテナ部111を介して車両側装置200から送信されるLF帯(例えば「30〜300[kHz]」)の所定の周波数の電波を受信したり、LFアンテナ部111を介して車両側装置200に対しLF帯の所定の周波数の電波を送信したりする(双方向通信可能)。
また、LFアンテナ部111から送信される電波は、携帯機100を基点とした限られた通信エリア(「60〜100[mm]」)に対して到達し、LFアンテナ部111は、その通信エリア(「60〜100[mm]」)から送信される信号を受信可能である。
LFアンテナ部111は、アンテナ111aと、このアンテナ111aの送受信帯域を微調整するためのコンデンサである可変コンデンサ111bが並列に接続されて構成されている。イモビ制御部103は、可変コンデンサ111bに信号を出力することで可変コンデンサ111bの容量を変更することが可能であり、可変コンデンサ111bの容量を変更することで、アンテナ111aの共振周波数を微調整することが可能である。なお、可変コンデンサ111bに変えて可変容量ダイオードを用いてもよく、アンテナ111aの送受信帯域を微調整する必要が無ければ、容量が固定されたコンデンサを用いてもよい。ちなみに、イモビ制御部103及びLFアンテナ部111が特許請求の範囲に記載の携帯機側第1通信部に相当する。
メモリ104は、例えばフラッシュメモリ等の適宜のメモリにて構成されており、CPU102に接続されている。メモリ104には、CPU102によって実行されるプログラムが記憶されているほか、携帯機100に固有な情報であり、且つ、車載エンジンの始動を許可するために必要なイモビIDや、携帯機100に固有な情報であり、且つ、車両ドアを全てロックまたはアンロックするために必要なキーID(第2固有情報)が記憶されている。なお、メモリ104及びイモビIDが特許請求の範囲に記載の携帯機側記憶部及び第1固有情報にそれぞれ相当する。
発振回路105は、公知の発振回路にて構成されており、例えば水晶等からなる発振子112、及び後述のPLL回路106に接続されている。発振回路105は、まず、発振子112に対し高周波電圧を印加する。すると、発振子は、水晶の厚さや結晶方向等によって定まる所定周波数にて発振開始する。発振子112がこのように発振開始すると、発振回路105は、この発振子112の振動に基づいて、所定周波数にて振動する信号を生成し、PLL回路106に出力する。なお、本実施の形態では、発振子112として水晶を採用したが、これに限らない。他に例えばセラミック等を採用して発振子112を構成してもよい。
PLL(Phase Lock Loop)回路106は、公知の高周波信号生成回路であり、CPU102、発振回路105、及びRFアンプ107に接続されている。PLL回路106は、まず、発振回路105から入力される信号を用いて、CPU102によって指定される周波数(チャンネル)の信号を生成する。そして、PLL回路106は、こうして生成した信号を用いて、CPU102によって入力される信号(情報)を、同じくCPU102によって指定される変調方式にて高周波信号に変換し、RFアンプ107に出力する。
具体的には、例えば、発振回路105から入力される信号の周波数が「10[MHz]」であり、CPU102によって「1チャンネル」が指定されると、PLL回路106は、発振回路105から入力される信号の周波数を「72.01[倍]」することで、「720.1[MHz]」の周波数にて振動する信号を生成する。同様に、CPU102によって「5チャンネル」が指定されると、PLL回路106は、発振回路105から入力される信号の周波数を「72.05[倍]」することで、「720.5[MHz]」の周波数にて振動する信号を生成する。なお、本実施の形態では、PLL回路106が出力可能な周波数は、「1チャンネル〜10チャンネル」の計10種とし、これら「1チャンネル〜10チャンネル」に対応する周波数はそれぞれ「720.1[MHz]」〜「721.0[MHz]」とする。ただし、こうしたチャンネル数は任意であり、そのチャンネル番号に応じて生成される周波数は、RF帯(例えば「300[MHz]〜3[GHz]」)に収まる限り任意である。そして、PLL回路106は、こうして生成されたチャンネルの信号を用いて、CPU102によって入力される信号(情報)を、同じくCPU102によって指定される例えばAM方式の変調方式にて高周波信号に変換し、RFアンプ107に出力する。また、本実施の形態では、変調方式はAM方式とするが、これに限らず、変調方式はFM方式としてもよくその他適宜の変調方式を採用することができる。
RFアンプ107は、公知の増幅器であり、PLL回路106及び整合回路113に接続されている。RFアンプ107は、PLL回路106から入力される信号の振幅を増幅し、その増幅した信号を整合回路113に出力する。整合回路113は、公知のマッチング回路であり、RFアンプ107及びRFアンテナ114に接続されている。整合回路113は、発振回路105からRFアンテナ114までの信号伝達路(「発振回路105→PLL回路106→RFアンプ107→RFアンテナ114」)のインピーダンスとRFアンテナ114のインピーダンスを整合するように設定されている。
RFアンテナ114は、適宜のアンテナにて構成されており、整合回路113に接続されている。この整合回路113からRFアンテナ114に入力される高周波信号は電波として車両側装置200へ送信される。
このようにして、携帯機100は、RF帯の互いに異なる複数のチャンネルの電波を選択的に用いて車両側装置200へ信号を送信する。したがって、発振回路105、PLL回路106、RFアンプ107、整合回路113、及びRFアンテナ114が特許請求の範囲に記載の携帯機側第2通信部に相当する。
ロックボタン116は、図示しない車両ドアを全て施錠するべくユーザが操作するためのプッシュスイッチであり、アンロックボタン117は、図示しない車両ドアを全て解錠するべくユーザが操作するためのプッシュスイッチであり、ラゲージボタン118は、図示しない車両のトランクを解錠し開扉するべくユーザが操作するためのプッシュスイッチである。これらロックボタン116、アンロックボタン117、及びラゲージボタン118は、送信制御IC101(詳しくCPU102)に接続されている。
携帯機100には、例えばリチウムコイン電池等の電池115が内蔵されている。電池115は、CPU102だけでなく、イモビ制御部103やメモリ104等々に電力を供給する。LED119は、公知の発光素子であり、送信制御IC101に接続されている。そして、LED119は、送信制御IC101によって発光制御される。
ここで、上記ロックボタン116がワンプッシュ操作されると、CPU102は、メモリ104に記憶されているキーIDとともに車両ドアを全て施錠する指示を示すロック信号を、RF帯の設定されたチャンネルの電波にてRFアンテナ114から送信する。また、上記アンロックボタン117がワンプッシュ操作されると、CPU102は、メモリ104に記憶されているキーIDとともに車両ドアを全て解錠する指示を示すアンロック信号を、RF帯の設定されたチャンネルの電波にてRFアンテナ114から送信する。また、上記ラゲージボタン118がワンプッシュ操作されると、CPU102は、メモリ104に記憶されているキーIDとともに車両トランクを解錠して開扉する指示を示すラゲージオープン信号を、RF帯の設定されたチャンネルの電波にてRFアンテナ114から送信する。
また、イモビIDの送信要求であるイモビID要求信号をLFアンテナ部111にて受信すると、CPU102は、メモリ104に記憶されているイモビIDをLFアンテナ部111からLF帯の電波にて送信する。
また、携帯機100のメカニカルキーがキーシリンダに挿入されたまま、上記ロックボタン116及び上記アンロックボタン117双方が同時に所定時間(例えば「5秒」)以上長押しされる等、上記ロックボタン116、上記アンロックボタン117、及びラゲージボタン118を組み合わせた特殊操作が行われると、CPU102は、携帯機100と車両側装置200との間の無線通信を行なう周波数(チャンネル)を自動選局する自動選局処理の実行を要求する選局要求信号をLF帯の電波にてLFアンテナ部111から送信する。なお、この選局要求信号が特許請求の範囲に記載の要求信号に相当する。
図1(b)は、車両制御システムを構成する車両側装置200の構成例を示すブロック図である。この図1(b)を参照して、車両側装置200の構成及び機能について説明する。
図1(b)に示されるように、車両側装置200は、CPU202、イモビ制御部203、メモリ204、LFアンテナ部211、受信機205、RFアンテナ214を備える。
このうち、CPU202は、図示しない内蔵メモリを備えた公知のコンピュータであり、その内蔵メモリや外部メモリであるメモリ204等に予め記憶されたプログラムに従って各種処理を実行する。なお、CPU202が実行する処理については後述し、メモリ204が特許請求の範囲に記載の車両側記憶部に相当する。
イモビ制御部203は、CPU202及びLFアンテナ部211に接続されており、LFアンテナ部211を介して携帯機100から送信されるLF帯(例えば「30〜300[kHz]」)の所定の周波数の電波を受信したり、LFアンテナ部211を介して携帯機100に対しLF帯の所定の周波数の電波を送信したりする(双方向通信可能)。
LFアンテナ部211は、アンテナ211aと、このアンテナ211aの送受信帯域を微調整するためのコンデンサである可変コンデンサ211bが並列に接続されて構成されている。イモビ制御部203は、可変コンデンサ211bに信号を出力することで可変コンデンサ211bの容量を変更することが可能であり、可変コンデンサ211bの容量を変更することで、アンテナ211aの共振周波数を微調整することが可能である。なお、LFアンテナ部211は、図示しないキーシリンダ周囲に設けられる。そのため、LFアンテナ部211から送信される信号は、キーシリンダを基点とした限られた通信エリア(「60〜100[mm]」)に対してのみ到達する。また、可変コンデンサ211bに変えて可変容量ダイオードを用いてもよく、アンテナ211aの送受信帯域を微調整する必要が無ければ、容量が固定されたコンデンサを用いてもよい。ちなみに、イモビ制御部203及びLFアンテナ部211が特許請求の範囲に記載の車両側第1通信部に相当する。
メモリ204は、例えばフラッシュメモリ等の適宜のメモリにて構成されており、CPU202に接続されている。メモリ204には、CPU202によって実行されるプログラムが記憶されているほか、上記イモビIDや上記キーIDが登録されている。なお、メモリ204が特許請求の範囲に記載の車両側記憶部に相当する。
受信機205は、例えば車室内に1つ設けられるRFアンテナ214を有しており、携帯機100からRF帯(例えば「300[MHz]〜3[GHz]」)の複数の周波数(10チャンネル)の電波をそのRFアンテナ214を介して受信可能である。受信機205は、RFアンテナ214の設置位置(キーシリンダ周囲)を基点としておよそ「30[m]」以内の地点から送信される電波を受信可能であり、LFアンテナ部211よりも広いエリアから送信される電波を受信可能である。なお、本実施の形態では、受信機205はRF帯の「10チャンネル」の電波を受信可能としたが、これに限らない。受信機205の受信可能なチャンネルは、少なくとも携帯機100が送信可能なチャンネルを全て含んでいれば、任意である。
また、受信機205は、CPU202に接続されており、RFアンテナ214にて受信した信号をCPU202に出力する。これら受信機205及びRFアンテナ214が特許請求の範囲に記載の車両側第2通信部に相当する。
車両ドア制御部220は、CPU202に接続されており、車両ドアを全て施錠する指示を示すロック信号、車両ドアを全て解錠する指示を示すアンロック信号、及び車両トランクを解錠して開扉する指示を示すラゲージ信号をCPU202から受信可能である。車両ドア制御部220は、CPU202からロック信号が入力されると、車両ドアを全て施錠し、CPU202からアンロック信号が入力されると、車両ドアを全て解錠し、CPU202からラゲージ信号が入力されると、車両トランクを解錠し開扉する。
イモビ制御部203は、CPU202に接続されており、上記イモビID要求信号をCPU202から受信可能である。イモビ制御部203は、CPU202からイモビID要求信号が入力されると、LFアンテナ部211を介して携帯機100に対しLF帯の所定の周波数の電波を用いてそのイモビID要求信号を送信する。
エンジン始動制御部221は、CPU202に接続されており、図示しない車載エンジンの始動を許可する指示を示すイモビ解除信号をCPU202から受信可能である。エンジン始動制御部221は、CPU202からイモビ解除信号が入力されると、車載エンジンの始動を許可する。
受信機205は、CPU202に接続されており、CPU202からチャンネル番号を入力可能である。受信機205は、チャンネル番号が入力されると、そのチャンネル番号に対応するRF帯の周波数の電波を受信する。
図2は、車両制御システムによって実行される処理S1の処理手順を示すフローチャートである。この図2を参照して、車両制御システムの動作について説明する。
処理S1が実行開始されると、まず、車両側装置200は、ステップS10の判断処理として、携帯機100のメカニカルキーがキーシリンダに挿入されたか否かを判断する。ここで、携帯機100のメカニカルキーがキーシリンダに挿入されていないと判断される場合(ステップS10の判断処理で「No」)、車両側装置200は、このステップS10の判断処理を再度実行する。一方、携帯機100のメカニカルキーがキーシリンダに挿入されたと判断する場合、車両側装置200は、続くステップS20の処理に移行する。換言すれば、車両側装置200は、携帯機100のメカニカルキーがキーシリンダに挿入されるまで待機する。
携帯機100のメカニカルキーがキーシリンダに挿入されると、車両側装置200は、続くステップS20の処理として、イモビ通信を実行する。詳しくは、車両側装置200は、まず、LFアンテナ部211からLFアンテナ部111へ、イモビIDの送信を要求するイモビID要求信号をLF帯の電波にて送信する。そして、そのイモビID要求信号をLFアンテナ部111にて受信すると、携帯機100は、メモリ104からイモビIDを読み出すとともに、LFアンテナ部111からLFアンテナ部211へ、その読み出したイモビIDをLF帯の電波にて送信する。
LFアンテナ部211によってイモビIDをLF帯の電波にて受信すると、車両側装置200は、続くステップS30の判断処理として、イモビ照合が成立したか否かを判断する。詳しくは、車両側装置200は、LFアンテナ部211によって受信したイモビIDとメモリ204に登録されているイモビIDとが一致するか否かを判断する。ここで、車両側装置200は、これらイモビIDが一致すると判断されない場合(ステップS30の判断処理で「No」)、この処理S1をそのまま一旦終了する一方、イモビIDが一致すると判断される場合(ステップS30の判断処理で「Yes」)、続くステップS40の判断処理に移行する。
ステップS40の判断処理では、キーシリンダに挿入された携帯機100のメカニカルキーが回され、イグニッションがオンとされたか否かが判断される。ここで、車両側装置200は、イグニッションがオンとされた場合(ステップS40の判断処理で「Yes」)、続くステップS50の処理として、運行処理(車載エンジンの始動制御)を実行する一方、イグニッションがオンとされない場合(ステップS40の判断処理で「No」)、続くステップS60の判断処理として、先のステップS30の判断処理を実行完了時を起点として所定時間(例えば「5分間」)が経過したか否かを判断する。
ここで、車両側装置200は、所定時間が経過したと判断される場合(ステップS60の判断処理で「Yes」)、先のステップS40の判断処理を再度実行する一方、所定時間が経過していないと判断される場合(ステップS60の判断処理で「No」)、続くステップS70の判断処理に移行する。
車両側装置200は、続くステップS70の判断処理として、携帯機100に対し特殊操作が行われたか否かを判断する。詳しくは、携帯機100は、上記特殊操作が行われたか否かを判断し、その特殊操作が行われたと判断する場合には、上記選局要求信号をLFアンテナ部111から送信する一方、その特殊操作が行われていないと判断する場合には、上記選局要求信号をLFアンテナ部111から送信しない。そのため、車両側装置200は、LFアンテナ部211にて上記選局要求信号を受信するか否かを判断する。
ここで、特殊操作が行われていないと判断する場合、すなわち、選局要求信号を受信したと判断されない場合(ステップS70の判断処理で「No」)、車両側装置200は、先のステップS40の判断処理を再度実行する。一方、特殊操作が行われたと判断する場合、すなわち、選局要求信号を受信したと判断する場合(ステップS70の判断処理で「Yes」)、車両側装置200は、続くステップS80の自動選局処理(図3)を実行する。そして、車両側装置200は、自動選局処理S80を実行すると、この処理S1をそのまま一旦終了する。
図3は、処理S1中に実行される自動選局処理S80について、その処理手順を示すフローチャートである。以下、この図3を参照して説明する。
先のステップS80の判断処理において、特殊操作が行われたと判断する場合(ステップS80の判断処理で「Yes」)、車両側装置200は、ステップS801の処理及びステップS802の判断処理を通じて、全てのチャンネルにてRF通信を試行する。
詳しくは、車両側装置200は、まず、RF帯のチャンネル番号「1」に対応する周波数にてRFアンテナ114から信号を送信するよう指示する試行指示を、LFアンテナ部211からLFアンテナ部111へ、LF帯の電波にて送信するとともに、チャンネル番号「1」に対応する周波数の信号をRFアンテナ214によって受信可能となるように受信機205を設定する。そして、車両側装置200は、RFアンテナ214によって受信されるチャンネル番号「1」の信号の強度を計測し、その計測した信号強度をメモリ204に記憶する(ステップS801の処理)。
車両側装置200は、こうした指定チャンネルによるRF通信の試行を全てのチャンネルに対して順次実行する。ちなみに、本実施の形態では、チャンネル数が「10」としたため、チャンネル1からチャンネル10まで、指定したチャンネルにてRF通信を繰り返し実行し、その信号強度を計測し、その計測した信号強度をメモリ204に記憶する(ステップS802の判断処理)。
全てのチャンネルにてRF通信の試行が終了すると、車両側装置200は、続くステップS803の処理として、RFアンテナ214にて受信した信号の強度が最も強いチャンネル番号を最適チャンネルに決定する。
最適チャンネルを決定すると、車両側装置200は、続くステップS804の処理として、先のステップS803の処理にて決定したチャンネル番号に対応する周波数にてRFアンテナ114から信号を送信するよう指示する決定指示を、LFアンテナ部211からLFアンテナ部111へ、LF帯の電波にて送信するとともに、その決定したチャンネル番号に対応する周波数の信号をRFアンテナ214によって受信可能となるように受信機205を設定する。
最適チャンネルを設定すると、車両側装置200は、続くステップS805の処理として、自動選局処理の実行が完了した(最適なチャンネルに設定された)旨を示す所定パターンにてLED119を点灯するよう指示する点灯指示を、LFアンテナ部211からLFアンテナ部111へ、LF帯の電波にて送信する(アンサーバック)。その点灯指示を受信すると、携帯機100は、所定パターンにてLED119を点灯制御する。
以上説明した本実施の形態の車両制御システムでは、車両側装置200は、複数のチャンネルのうち1つを指定し、その指定したチャンネルによる試行指示をLFアンテナ部211から送信する。携帯機100は、LFアンテナ部111によってこの試行指示を受信すると、その試行指示に従ってRFアンテナ114から信号を送信する。車両側装置200及び携帯機100は、全チャンネルについてこうしたRF通信を順次試行する。車両側装置200は、RFアンテナ214による受信信号の強度が最大となるチャンネルをRF通信に用いるチャンネルとして決定し、その決定したチャンネルによる通信指示をLFアンテナ部211から送信する。携帯機100は、LFアンテナ部111によってその通信指示を受信すると、指示されたチャンネルにてRF通信を行なうこととした。このように、送受信可能なRF帯のチャンネルを全て試行し、信号強度が最も強いチャンネルに設定するため、携帯機100及び車両側装置200間の無線通信を行なう周波数をより適切に設定することができるようになる。
上記実施の形態の車両制御システムでは、携帯機100のメカニカルキーがキーシリンダに挿入されたまま、ロックボタン116及びアンロックボタン117双方が同時に所定時間以上長押しされる(ステップS70の処理)ことで、CPU102は、自動選局処理(図3)の実行を要求する選局要求信号をLF帯の電波にてLFアンテナ部111からLFアンテナ部211へ送信し、車両側装置200は、LFアンテナ部211によって選局要求信号を受信すると、自動選局処理を実行することとした。これにより、ユーザは、携帯機100に対して特殊操作をすることで、自動選局処理を実行することができるようになる。
上記実施の形態の車両制御システムでは、車両側装置200は、イモビIDの照合が成立した後、所定時間経過する前に選局要求信号を受信すると、自動選局処理(S80)を実行することとした。これにより、照合が成立した正規の携帯機100に対し、自動選局処理を実行することができるようになる。
なお、本発明に係る車両制御システムは、上記実施の形態にて例示した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々に変形して実施することが可能である。すなわち、上記各実施の形態を適宜変更した例えば次の形態として実施することもできる。
上記実施の形態では、携帯機100はメカニカルキーを有する携帯機を採用したがこれに限らない。メカニカルキーを有さない携帯機を採用してもよい。そのため、上記実施の形態では、携帯機100に対する特殊操作として、携帯機100のメカニカルキーがキーシリンダに挿入されたまま、ロックボタン116及びアンロックボタン117双方が同時に所定時間以上長押しされることを採用したが、これに限らない。携帯機100のメカニカルキーがキーシリンダに挿入されているか否かにかかわらず、ロックボタン116、アンロックボタン117、及びラゲージボタン118を組み合わせた操作を、携帯機100に対する特殊操作として採用してもよい。また、携帯機100に専用のスイッチを新たに設け、この専用スイッチがプッシュ操作されることを、携帯機100に対する特殊操作として採用してもよい。
上記実施の形態では、本発明に係る車両制御システムを、イモビライザー機能及びキーレスエントリー機能を有するいわゆるイモビ付キーレスエントリーシステムとして具体化していたが、これに限らない。イモビ機能を割愛することとしてもよく、キーレスエントリー機能に変えて、スマートエントリー機能を備えることとしてもよい。
100…携帯機、101…送信制御IC、102…CPU、103…イモビ制御部、104…メモリ、105…PLL回路、106…発信回路、107…RFアンプ、111…LFアンテナ(携帯機側第1通信部)、111a…可変コンデンサ、111b…アンテナ、112…発振子、113…整合素子、114…RFアンテナ(携帯機側第2通信部)、115…電池、116…ロックボタン、117…アンロックボタン、118…ラゲージボタン、119…LED(発光素子)、200…携帯機、202…CPU、203…イモビ制御部、205…受信機、211…LFアンテナ(車両側第1通信部)、214…RFアンテナ(車両側第2通信部)

Claims (4)

  1. ユーザに携帯されるとともに、車両側装置から送信される信号を受信する携帯機側第1通信部と、互いに異なる複数の周波数の電波を選択的に用いて前記車両側装置へ信号を送信する携帯機側第2通信部とを有する携帯機と、
    車両に搭載されるとともに、所定の周波数の電波を用いて前記携帯機へ信号を送信する車両側第1通信部と、互いに異なる複数の周波数の電波を選択的に用いて前記携帯機から送信される信号を受信する車両側第2通信部とを有する車両側装置とを備え、
    これら携帯機及び車両側装置間における無線通信を用いて、車両の制御を行なう車両制御システムにおいて、
    前記複数の周波数のうち指定する周波数の電波を用いて前記携帯機側第2通信部から前記車両側第2通信部へ信号の送信を試行する試行指示を、前記車両側第1通信部から前記携帯機側第1通信部へ送信するとともに、その試行指示に従って前記携帯機側第2通信部から送信され、前記車両側第2通信部によって受信される信号の強度の計測を、前記複数の周波数の全てに対して実行し、前記携帯機側第2通信部と前記車両側第2通信部との間で用いる周波数を、前記信号の強度が最も強い周波数に設定する自動選局処理を実行することを特徴とする車両制御システム。
  2. 請求項1に記載の車両制御システムにおいて、
    前記携帯機側第1通信部及び前記車両側第1通信部は双方向通信可能であり、
    前記携帯機は、当該携帯機に対し特殊操作が行われることに基づいて、前記携帯機側第1通信部から前記車両側第1通信部へ前記自動選局処理の実行を要求する要求信号を送信し、
    前記車両側装置は、前記車両側第1通信部によって前記要求信号を受信することに基づいて、前記自動選局処理を実行することを特徴とする車両制御システム。
  3. 請求項2に記載の車両制御システムにおいて、
    前記携帯機は、当該携帯機に固有な第1固有情報を記憶する携帯機側記憶部をさらに備え、
    前記車両側装置は、前記第1固有情報を記憶する車両側記憶部をさらに備え、
    これら前記携帯機側第1通信部及び前記車両側第1通信部による前記第1固有情報の照合が成立することに基づいて、車載エンジンの始動を許可することを特徴とする車両制御システム。
  4. 請求項3に記載の車両制御システムにおいて、
    前記第1固有情報の照合が成立した後、所定時間経過する前に前記要求信号を受信することに基づいて、前記自動選局処理を実行することを特徴とする車両制御システム。
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RU2811188C1 (ru) * 2023-11-14 2024-01-11 Акционерное общество "АвтоВАЗ" Способ обеспечения разблокировки иммобилайзера и бесключевого запуска двигателя автотранспортного средства

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