JP2019003761A - プレスフィット端子及びそれを使用したコネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造で好適なバネ荷重を得ることができるプレスフィット端子及びそれを使用したコネクタの提供。【解決手段】プレスフィット端子2は、接続孔11に圧入される圧入部を脚部5の先端側に備え、圧入部は、脚部5を構成する導電性金属板材が板厚方向に分裂した割裂部からなる弾性接触片6,6を備え、弾性接触片6,6が接続孔11の内周面と接触するようにしている。【選択図】図3

Description

本発明は、電子機器と基板とを接続するプレスフィット端子及びそれを使用したコネクタに関する。
従来、回路基板(以下、基板という)に接続されるコネクタには、半田レスで接続可能なプレスフィット端子が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。
プレスフィット端子は、基板に形成されたスルーホール径よりやや広幅に形成された圧入部を備え、この圧入部をスルーホールに圧入することにより基板と接続されるようになっている。
このプレスフィット端子7は、図10に示すように、導電性金属板材を板厚方向に打抜き加工することによって形成され、脚部71の先端部に圧入部72が一体に形成されている。
圧入部72は、例えば、中空部721を有する中空菱形状に形成され、スルーホール等の接続孔11に圧入された際に板幅方向に弾性変形するようになっている。
また、プレスフィット端子には、導電性金属板材を曲げ加工することによって圧入部を形成し、スルーホールに対する接触信頼性を高めたものも知られている(例えば、特許文献2を参照)。
この曲げ加工によるプレスフィット端子8は、例えば、図11に示すように、導電性金属板材81の先端側82を折り返して重ね合わせ、その重ね合わせた部分の板材81,82に外向きに突出した形状の弾性接触片83,83を備え、弾性接触片83,83が接続孔11の内側面に接触するようになっている。
特開2015−210938号公報 特開2013−218848号公報
しかしながら、上述の図10に示す従来の技術では、圧入部が板幅方向に弾性変形する構造であることから、圧入部のバネ圧が高く、スルーホールに圧入する際に好適に弾性変形することができず、基板が削れるおそれがあった。
一方、上述の図11に示す曲げ加工による従来の技術では、板厚方向に弾性変形することで良好な接触圧を得ることができるが、形状が複雑となり、製造工程も多いことから、製造コストが嵩むという問題があった。
また、板材を折り返して重ね合わせる必要があるため、その分、厚みが大きくなり、小型化を阻害するという問題があった。
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、簡易な構造で好適なバネ荷重を得ることができるプレスフィット端子及びそれを使用したコネクタの提供を目的としてなされたものである。
上述の如き従来の問題を解決するための請求項1に記載の発明の特徴は、接続孔に圧入される圧入部を脚部の先端側に備えているプレスフィット端子において、前記圧入部は、前記脚部を構成する導電性金属板材が板厚方向に分裂した割裂部からなる弾性接触片を備え、該弾性接触片が前記接続孔の内周面と接触するようにしたことにある。
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記弾性接触片は、前記割裂部が板厚方向外側に屈曲した円弧状又は山形状の湾曲部を備え、該湾曲部が前記接続孔の内周面に接触するようにしたことにある。
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記弾性接触片は、前記割裂部から切起こされた切起こし部を備え、該切起こし部が前記接続孔の内周面に接触するようにしたことにある。
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記弾性接触片は、前記割裂部の先端側を外側に折り返した折り返し部を備え、該折り返し部が前記接続孔の内周面に接触するようにしたことにある。
請求項5に記載の発明の特徴は、請求項1〜3の何れか一の構成に加え、前記弾性接触片は、先端側に前記接続孔の裏側開口縁部に係合する抜け止め湾曲部を備えていることにある。
請求項6に記載の発明の特徴は、請求項2の構成に加え、前記各弾性接触片は、前記湾曲部の先端側より延出し、互いに交差した抜け止め用交差片を備え、該抜け止め用交差片が前記接続孔の裏側開口縁部に当接するようにしたことにある。
請求項7に記載の発明の特徴は、請求項1〜3の何れか一の構成に加え、前記弾性接触片は、前記割裂部の先端側を折り返した係合片を備え、該係合片の先端部が前記接続孔の裏側開口縁部に係合するようにしたことにある。
請求項8に記載の発明の特徴は、請求項1〜7に記載のプレスフィット端子を備えたコネクタにある。
本発明に係るプレスフィット端子は、請求項1に記載の構成を具備することによって、弾性接触片が脚部を構成する導電性金属板材が板厚方向に分裂した割裂部によって構成されていることで、バネ荷重が抑えられ、基板の削れを防止することができるとともに。好適な接触圧で接続孔の内周面と接触することができる。また、このプレスフィット端子は、導電性金属板材を重ね合わせる必要がないので、その分、厚みを抑えることができ、小型化を実現することができる。
また、本発明において、請求項2乃至4に記載の構成を具備することによって、好適なバネ圧を有する圧入部を形成することができる。
更に、本発明において、請求項5乃至7に記載の構成を具備することによって、プレスフィット端子の接続孔からの抜け出しを防止し、安定した接続状態を維持することができる。
更に、本発明に係る請求項8に記載のコネクタは、小型化が可能で、且つ、基板に対し好適な接触状態を実現することができる。
(a)は本発明に係るプレスフィット端子の一例を示す正面図、(b)は同側面図である。 同上のプレスフィット端子の製造工程における割裂部成形過程を説明するための断面図である。 (a)〜(b)は同上のプレスフィット端子の基板圧入時の状態を説明するための断面図である。 (a)は本発明に係るプレスフィット端子の他の一例を示す正面図、(b)は同側面図である。 (a)〜(c)は同上のプレスフィット端子の基板圧入時の状態を説明するための断面図である。 (a)は本発明に係るプレスフィット端子のさらに他の一例を示す正面図、(b)は同側面図である。 (a)〜(c)は同上のプレスフィット端子の基板圧入時の状態を説明するための断面図である。 (a)は本発明に係るプレスフィット端子のさらに他の一例を示す正面図、(b)は同側面図である。 本発明に係るプレスフィット端子のさらに他の一例を示す正面図である。 従来のプレスフィット端子の使用状態を示す断面図である。 (a)は従来の他のプレスフィット端子の用状態を示す断面図、(b)は同プレスリット端子の側面図である。
次に、本発明に係るプレスフィット端子の実施態様を図1〜図3に示した実施例に基づいて説明する。尚、図中符号1は回路基板(以下、基板という)、符号2はプレスフィット端子、符号3は基板1とプレスフィット端子2を介して接続されるコネクタや電子機器等の相手方固体である。
基板1は、図2に示すように、板厚方向に貫通したスルーホールからなる接続孔11を備え、接続孔11にプレスフィット端子2の圧入部を圧入することによって、基板1とプレスフィット端子2を備えたコネクタや電子機器等の相手方固体3とが電気的に接続されるようになっている。
接続孔11は、内周面及び表裏側開口縁部が導電層12で被膜され、圧入されたプレスフィット端子2の圧入部が導電層12と接触するようになっている。
プレスフィット端子2は、図1に示すように、弾性を有する導電性金属板材4によって形成され、一枚板状の脚部5の先端側に一対の弾性接触片6,6からなる圧入部を備え、弾性接触片6,6が接続孔11の内周面と接触するようになっている。
脚部5は、板厚tに比べ十分な幅wを有する板状に形成され、その先端側に脚部5を構成する導電性金属板材4が板厚t方向に分裂した割裂部41,41からなる一対の弾性接触片6,6を備えている。
割裂部41,41は、図2に示すように、導電性金属板材4の先端縁に部材軸方向(部材長手方向)よりプレス駒42を押圧させてプレスすることにより、導電性金属板材4の先端側が板厚t方向で二股に分裂し、分裂した状態からプレス加工によって所望の形状の弾性接触片6,6が形成されるようになっている。
弾性接触片6,6は、割裂部41,41が板厚t方向外側に屈曲した円弧状又は山形状の湾曲部61を備え、湾曲部61が接続孔11の内周面に接触するようになっている。
湾曲部61は、少なくとも先端外側傾斜面611の圧入方向成分距離L1が頂部高さH1よりも長くなるように形成され、頂部が接続孔11の内周面に接触する接点となっている。
また、両湾曲部61,61の頂部接点間距離D1は、接続孔径(幅)dよりも大きく、両湾曲部61,61は、互いに接点が近づく方向に撓んだ状態で接続孔11の内周面と接触するようになっている。
このプレスフィット端子2の圧入は、先ず、図3(a)に示すように、湾曲部61の先端外側傾斜面611が接続孔11の表側開口縁部111に当接し、両弾性接触片6,6が互いの頂部が近接する方向に撓むように案内され、所定の位置まで挿入されると、図3(b)に示すように、両湾曲部61の頂部接点が接続孔11の内周面と接触した状態に圧入される。
尚、弾性接触片6,6の態様は、上述の実施例に限定されず、例えば、図4に示すように、先端側に接続孔11の裏側開口縁部112に係合する抜け止め湾曲部62を備えたプレスフィット端子2であってもよい。尚、上述の実施例と同様の構成には同一符号を付して説明を省略する。
各弾性接触片6,6は、プレス加工によって一体に形成され、湾曲部61の先端側に外側に屈曲した抜け止め湾曲部62を備え、湾曲部61及び抜け止め湾曲部62が連続した波形状を成している。
抜け止め湾曲部62は、湾曲部61の先端側より斜め外向きに延出した係合部621と、係合部621の先端より斜め内向きに延出した案内部622とを備え、少なくとも、案内部622の圧入方向成分距離L2が頂部高さD2よりも長くなるように形成され、且つ、両頂部間距離D2が接続孔径(幅)dよりも十分に大きく形成されている。
このプレスフィット端子2の圧入は、図5(a)に示すように、先ず、案内部622が接続孔11の表側開口縁部111に当接し、両弾性接触片6,6が互いの頂部が近接する方向に撓むように案内され、更に挿入すると、図5(b)に示すように、抜け止め湾曲部62の頂部が接続孔11の内周面と接触した状態となり、それに伴い、圧入部を構成する各湾曲部61も互いに頂部接点が近接する方向に撓んだ状態となる。
そして、このプレスフィット端子2は、所定の位置まで圧入されると、図5(c)に示すように、抜け止め湾曲部62が接続孔11の裏側開口より突出し、抜け止め湾曲部62が接続孔11内周面から受ける反力から開放され、弾性接触片6,6が弾性復帰する。
それによって、各弾性接触片6,6は、圧入部を構成する各湾曲部61の頂部接点が接続孔11内周面に接触するとともに、各抜け止め湾曲部62の係合部621が裏側開口縁部112に係合する。
また、本発明に係るプレスフィット端子2は、図6に示すように、各弾性接触片6,6に、湾曲部61の先端側より延出し、互いに交差した抜け止め用交差片63を備え、抜け止め用交差片63が接続孔11の裏側開口縁部112に当接するようにしたものであってもよい。尚、上述の実施例と同様の構成には同一符号を付して説明を省略する。
各抜け止め用交差片63は、湾曲部61の先端側傾斜部611の先端縁より延出した細長帯状に形成され、互いに板幅w方向の一方に片寄せて配置されることによって干渉せずに交差できるようになっている。
尚、各抜け止め用交差片63は、未圧入時において、両先端間距離D3が接続孔径(幅)dよりも小さく形成され、その先端側に頂部を外側に向けた円弧状の導入部631が一体に形成されている。
このプレスフィット端子2の圧入は、先ず、図7(a)〜(b)に示すように、各抜け止め用交差片63の外側面が接続孔11の表側開口縁部111に当接し、両弾性接触片6,6が互いの湾曲部61頂部が近接する方向に撓むように案内される。
そして、更に挿入すると、図7(c)に示すように、各抜け止め用交差片63が裏側開口より突出するとともに湾曲部61の頂部が接続孔11の内周面と接触した状態となる。
その際、湾曲部61が接続孔11の内周面に押圧され、両頂部接点が近づく方向に撓むことによって、両抜け止め用交差片63,63の先端側がその延長方向に押し出されるとともに、モーメントによって基板1側に押し付けられ、接続孔11の裏側開口縁部112と係合するようになっている。
このように構成されたプレスフィット端子2は、弾性接触片6,6が脚部5を構成する導電性金属板材4が板厚t方向に分裂した割裂部41,41によって構成されていることにより、バネ荷重が抑えられ、基板1の削れを防止することができるとともに。好適な接触圧で接続孔11の内周面と接触することができる。
また、このプレスフィット端子2は、図11に示す従来例とは異なり、導電性金属板材4を重ね合わせる必要がないので、その分、厚みを抑えることができ、小型化を実現することができる。
尚、上述の各実施例では、弾性接触片6,6に円弧状又は山形状の湾曲部61を備えている場合について説明したが、弾性接触片6,6の態様はこれに限定されず、弾性接触片6,6は、図8に示すように、割裂部41,41から切起こされた切起こし部64を備え、切起こし部64が接続孔11の内周面に接触するようにしたものであってもよく、図9に示すように、割裂部41,41の先端側を外側に折り返した折り返し部65を備え、折り返し部65が接続孔11の内周面に接触するようにしたものであってもよい。
また、上述の実施例では、弾性接触片6,6に抜け止め湾曲部62や抜け止め用交差片63を備え、接続孔11からの抜け出しを防止する構造について説明したが、図8に示すように、弾性接触片6,6は、割裂部41,41の先端側を折り返した係合片66を備え、係合片66,66の先端部が接続孔11の裏側開口縁部112に係合するようにしたものであってもよい。
1 回路基板
11 接続孔
2 プレスフィット端子
3 相手方固体
4 導電性金属板材
41 割裂部
42 プレス駒
5 脚部
6 弾性接触片
61 湾曲部
62 抜け止め湾曲部
621 係合部
622 案内部
63 抜け止め用交差片
631 導入部
64 切起こし部
65 折り返し部
66 係合片

Claims (8)

  1. 接続孔に圧入される圧入部を脚部の先端側に備えているプレスフィット端子において、
    前記圧入部は、前記脚部を構成する導電性金属板材が板厚方向に分裂した割裂部からなる弾性接触片を備え、該弾性接触片が前記接続孔の内周面と接触するようにしたことを特徴とするプレスフィット端子。
  2. 前記弾性接触片は、前記割裂部が板厚方向外側に屈曲した円弧状又は山形状の湾曲部を備え、該湾曲部が前記接続孔の内周面に接触するようにした請求項1に記載のプレスフィット端子。
  3. 前記弾性接触片は、前記割裂部から切起こされた切起こし部を備え、該切起こし部が前記接続孔の内周面に接触するようにした請求項1に記載のプレスフィット端子。
  4. 前記弾性接触片は、前記割裂部の先端側を外側に折り返した折り返し部を備え、該折り返し部が前記接続孔の内周面に接触するようにした請求項1に記載のプレスフィット端子。
  5. 前記弾性接触片は、先端側に前記接続孔の裏側開口縁部に係合する抜け止め湾曲部を備えている請求項1〜3の何れか一に記載のプレスフィット端子。
  6. 前記各弾性接触片は、前記湾曲部の先端側より延出し、互いに交差した抜け止め用交差片を備え、該抜け止め用交差片が前記接続孔の裏側開口縁部に当接するようにした請求項2に記載のプレスフィット端子。
  7. 前記弾性接触片は、前記割裂部の先端側を折り返した係合片を備え、該係合片の先端部が前記接続孔の裏側開口縁部に係合するようにした請求項1〜3の何れか一に記載のプレスフィット端子。
  8. 請求項1〜7に記載のプレスフィット端子を備えたことを特徴とするコネクタ。
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