JP2019003741A - 非常停止用押しボタンスイッチ - Google Patents
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Abstract
Description
この押しボタンスイッチは、押しボタンの押し込み操作後に押しボタンから手を離しても接点機構を開路位置に自己保持して押し込み状態にロックされる(ロック状態となる)。そして、押しボタンのロック状態を待機位置(ノーマル位置)まで復帰(リセット)する方式として、押しボタンを捻回するもの(プッシュロック・ターンリセット方式)がある。
そのため、押しボタンを施錠して容易にリセット操作できないようにするロックアウト方式の押しボタンスイッチが提案されている。
ロックアウト方式の押しボタンスイッチとして、押しボタンにカバーなどのアクセサリーを配置するものがある(例えば、特許文献1)。また、押しボタンの押し込み操作をした後に、ガードをスライドさせて施錠可能とするものもある(例えば、特許文献2)。
さらに、大型の操作部を形成し、施錠専用の部品を備えた押しボタンスイッチもある(例えば、特許文献3、4、5)。
特許文献2の押しボタンスイッチは、ガードをスライドさせることで施錠可能とするので、施錠作業以外の操作が必要となる。
また、特許文献3,4の押しボタンスイッチは、既設の押しボタンスイッチに使用する際にはボタン側を全て交換する必要があるとともに、施錠機能を備えた専用スイッチとするため製品コストが増大する。さらに、特許文献5の押しボタンスイッチも、既設の押しボタンスイッチに使用する場合には施錠専用の部品を装着しなければならず、製品コストが増大するおそれがある。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明で記載されている「上」、「下」、「底」、「前」、「後」等の方向を示す用語は、添付図面の方向を参照して用いられている。
以下、図1から図9を参照して第1実施形態の非常停止用押しボタンスイッチ1(以下、押しボタンスイッチ1と称する)の構造を説明する。なお、第1実施形態の押しボタンスイッチ1は、図2で示す取付けパネル36に取付けられるが、図1及び図3、図5〜図9では取付けパネル36を省略している。
図1に示すように、第1実施形態の押しボタンスイッチ1は、プッシュロック・ターンリセット方式の装置であり、ボタン部2と、操作部3と、取付け用グローブ4と、錠前受け部材5と、を備えている。
ボタン部2は、図3に示すように、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)などを材料とした部材であり、ボタン本体8と、スライド筒部9と、ロッド連結筒部10と、を備えている。
ボタン本体8は、円盤形状の部位であり、符号8aが押面であり、押面8aの裏側を裏面8bと称している。このボタン本体8の軸方向一端から円筒形状のスライド筒部9が突出している。
ロッド連結筒部10は、ボタン本体8の中央部に形成したグローブ装着穴11に連通して形成され、スライド筒部9の内側に形成された円筒形状の部位である。
図1に示すように、ボタン本体8の外周側には、ボタン部2の軸対称位置に、後述する錠前を通すための2箇所の施錠穴12,12が形成されている。
操作部3は、ボタン部2の押し込み操作及び捻回操作に応じて接点部(不図示)の開閉動作を行うものであり、操作部3の後部に接点部が連結される。
操作部3は、図3に示すように、操作部ケース14と、大径フレーム15と、小径フレーム16と、操作ロッド17と、ロッド側係合突起18と、ケース側係合突起19と、復帰ばね20と、スライドロッド21と、を備えている。
操作部ケース14は、接点部の開閉動作を行う開閉動作部(不図示)を内蔵した箱型形状を有している。
小径フレーム16は、操作部ケース14から一体に突出して大径フレーム15の内側で同軸に形成された部位である。
操作ロッド17は円筒形状の部材であり、その先端側(図3の上部)の外周に円筒形状のスライドロッド21が連結している。
スライドロッド21の外周は、小径フレーム16の内周面に摺動して支持されているとともに、その先端側外周には雄ねじ23が形成されている。
ケース側係合突起19は、操作部ケース14の内部に配置され、ロッド側係合突起18に係合している。
操作部ケース14の内部には、ロッド側係合突起18に接触した状態でケース側係合突起19が配置されている。
復帰ばね20は、圧縮ばねと捩じりばねとを兼ねた円筒状のコイルばねであり、両端がスライドロッド21及び操作部ケース14にそれぞれ結合され、操作ロッド17のスライドロッド21に対して軸方向および回転方向の両方向にばね力を与える。
錠前受け部材5は、金属板をプレス加工で形成した部材であり、図2に示すように、円環形状の固定部30と、一対の腕部31,31と、これら一対の腕部31,31の先端で直角に折り曲げて形成した折曲部32aと、この折曲部32aの端部を折り曲げて形成した錠前係合部32bと、を備えている。
固定部30の内周面には、周方向に所定間隔をあけて複数の凸部33が形成されている。一対の腕部31,31は、固定部30の軸対称位置から同一の軸方向に延在している。錠前係合部32,32は、一対の腕部31,31の先端部を折り曲げることで形成されている。
ここで、操作部3の大径フレーム15の外周には、錠前受け部材5の固定部30に形成した複数の凸部33が嵌まり込む軸方向に延在した複数の溝35が形成されている。
図2で示す取付けパネル36にはパネル穴37が形成されており、このパネル穴37に、操作部3の大径フレーム15を挿通することで、取付けパネル36に防水パッキン34を密着させる。
一方、取付け用グローブ4は、図3に示すように、内周面に雌ねじ24が形成されたキャップ形状の部材であり、ボタン部2のグローブ装着穴11に装着してスライドロッド21の雄ねじ23に雌ねじ24をねじ込む。これにより、ボタン部2のロッド連結筒部10を取付け用グローブ4及びスライドロッド21が軸方向から挟み込むことでスライドロッド21にボタン部2が取付けられる。
この際、ボタン部2のスライド筒部9が、操作部3の大径フレーム15及び小径フレーム16の間に入り込んでスライド自在に配置される。また、図2に示すように、ボタン部2のグローブ装着穴11の内周面に、軸方向に延在する溝25が複数形成され、操作ロッド17の先端側外周には複数の突起26が形成されており、複数の溝25に、対応する複数の突起26が嵌め込まれることで、ボタン部2及び操作ロッド17の相対回転が規制されるようになっている。
次に、第1実施形態の押しボタンスイッチ1のノーマル状態、ロック状態、リセット操作、ロックアウト操作について、図3から図9を参照して説明する。
なお、押しボタンスイッチ1のノーマル状態とは、ボタン部2が操作部3の前方に突き出している状態である。また、押しボタンスイッチ1のロック状態とは、接点部の接点をONからOFFに切り換えるとともにボタン部2から手を離しても接点機構を開路位置に自己保持して押し込み位置に保持される状態である。さらに、押しボタンスイッチ1のリセット操作とは、ボタン部2を時計方向に回転させる操作である。さらにまた、押しボタンスイッチ1のロックアウト操作とは、ロック状態を保持させる操作である。
また、図4に示すように、ノーマル状態の押しボタンスイッチ1をボタン部2側から示すと、ボタン本体8に形成した2箇所の施錠穴12から錠前係合部32bのみが目視できるように配置されている。
ボタン部2の押面8aをフルストロークまで押し込むと、錠前受け部材5の錠前係合部32bが、ボタン本体8に形成した2箇所の施錠穴12の内部に入り込む。
そして、ボタン部2の押し込みにより、スライドロッド21が操作部ケース14側に移動していくとともに、スライドロッド21に従動して操作ロッド17も操作部ケース14側(図5の下方)に移動していく。
操作ロッド17が操作部ケース14側に移動すると、操作部3に連結した接点部の接点がONからOFFに切り換ると同時に、ロッド側係合突起18がケース側係合突起19を乗り越えることで、操作ロッド17が押し込み位置に保持される。
図5の押しボタンスイッチ1の押し込み操作では、スライドロッド21の操作部ケース14側への移動により復帰ばね20が圧縮ばねとなっている。このため、このロック状態では、スライドロッド21は、突起部21aがスリット17aの一端に当接するまで復帰ばね20のばね力でノーマル位置(ボタン部2を押す前の位置)側に移動していく。
そして、スライドロッド21に取付けられているボタン部2もノーマル位置側に移動していくので、ロック状態では、ボタン部2の施錠穴12の内部に入り込んでいた錠前係合部32bが施錠穴12から離間した位置となる。
図7に示すように、ロック状態のボタン部2の2箇所の施錠穴12の一方に、シャックル40を通過させた南京錠41を掛け、他方の施錠穴12に爪42,43を通過させたシザースロック44を掛ける。
一方の施錠穴12を通過した南京錠41のシャックル40には、図8及び図9に示すように、錠前受け部材の一方の錠前係合部32bが近接する。
また、他方の施錠穴12を通過したシザースロック44の爪42,43も、図9に示すように、錠前受け部材の一方の錠前係合部32bが近接する。
第1実施形態の押しボタンスイッチ1によると、既存の押しボタンスイッチにロックアウト方式を採用する場合には、既存のボタン部に替えて施錠穴12が形成されているボタン部2をスライドロッド21に取付けるとともに、操作部ケース14に錠前受け部材5を装着すればよいので、既存の押しボタンスイッチを廃棄する必要がない。
また、錠前受け部材5をボタン部2の裏側の操作部ケース14に装着すればよいので、ボタン部2への接近性や、非常時にこぶしや手のひらでボタン部2を押す際の操作性を損なうことがない。
また、ロックアウト操作を行う際には、カバーを被せるなどのアクションが不要となる。
したがって、第1実施形態の押しボタンスイッチ1は、施錠作業以外の操作を不要として施錠を簡単に行うことができ、製品コストの低減化も図ることができる。
2 ボタン部
3 操作部
4 取付け用グローブ
5 錠前受け部材
6 締付けナット
8 ボタン本体
8a 押面
8b 裏面
9 スライド筒部
10 ロッド連結筒部
11 グローブ装着穴
12 施錠穴
14 操作部ケース
15 大径フレーム
15a 先端側フレーム
15b 基端側フレーム
16 小径フレーム
17 操作ロッド
17a スリット
18 ロッド側係合突起
19 ケース側係合突起
20 復帰ばね
21 スライドロッド
21a 突起部
23 雄ねじ
24 雌ねじ
25 溝
26 突起
30 固定部
31 腕部
32a 折曲部
32b 錠前係合部
33 凸部
35 溝
40 シャックル
41 南京錠
42,43 爪
44 シザースロック
Claims (5)
- 押面から裏面まで連通した施錠穴を形成したボタン部と、
前記ボタン部の前記裏面に操作軸が着脱自在に連結され、前記ボタン部の押し込み操作で前記ボタン部を押し込み位置にロックし、前記ボタン部の捻回操作で前記ボタン部をノーマル位置に復帰させる操作部と、を備え、
前記操作部は、前記ボタン部の前記裏面の近くまで延在するロックアウト部材が着脱自在に装着され、前記ボタン部が押し込み位置にロックされた状態で前記施錠穴に錠前を掛けたときに、前記ロックアウト部材の錠前係合部が前記錠前に係合する非常停止用押しボタンスイッチ。 - 前記ロックアウト部材は、
前記操作部のケースの外周に着脱自在に装着される環状の固定部と、
前記固定部から前記ボタン部の裏面側に向かって延在している腕部と、
前記腕部の先端に設けた前記錠前係合部と、を備えている請求項1記載の非常停止用押しボタンスイッチ。 - 前記ケース及び前記固定部に位置決め部を形成した請求項2記載の非常停止用押しボタンスイッチ。
- 前記ボタン部をフルストロークまで押し込んだ際に、前記錠前係合部が前記施錠穴の内部に位置する請求項1から請求項3の何れか1項に記載の非常停止用押しボタンスイッチ。
- 前記ボタン部に少なくとも2箇所の前記施錠穴が形成されている請求項1から請求項4の何れか1項に記載の非常停止用押しボタンスイッチ。
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