JP2019002459A - 車両用サスペンション - Google Patents

車両用サスペンション Download PDF

Info

Publication number
JP2019002459A
JP2019002459A JP2017116744A JP2017116744A JP2019002459A JP 2019002459 A JP2019002459 A JP 2019002459A JP 2017116744 A JP2017116744 A JP 2017116744A JP 2017116744 A JP2017116744 A JP 2017116744A JP 2019002459 A JP2019002459 A JP 2019002459A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil spring
spring
spacer
coil
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017116744A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6636479B2 (ja
Inventor
飯塚 爾
Chikashi Iizuka
爾 飯塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2017116744A priority Critical patent/JP6636479B2/ja
Publication of JP2019002459A publication Critical patent/JP2019002459A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6636479B2 publication Critical patent/JP6636479B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Springs (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)
  • Axle Suspensions And Sidecars For Cycles (AREA)

Abstract

【課題】車両用サスペンションにおいて、簡単な構造でバネレートを変更可能にする。【解決手段】車輪側の部材と車体との間で圧縮されるコイルスプリング54を備える車両用サスペンションにおいて、第1のコイルスプリング61及び第2のコイルスプリング62が直列に接続され、第1のコイルスプリング61及び第2のコイルスプリング62の間には、第1のコイルスプリング61及び第2のコイルスプリング62の反力を受けるスペーサー70が介装され、第1のコイルスプリング61及び第2のコイルスプリング62の圧縮に伴うスペーサー70の移動を所定量に規制するストッパー部材75を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、車両用サスペンションに関する。
従来、車輪側の部材と車体との間に設けられる車両用サスペンションにおいて、コイルスプリングのバネレートを変更可能にしたものが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、単一のコイルスプリングの巻き線部間に、コイルスプリングの撓みを規制する螺旋状のアジャストシートを設け、アジャストシートの位置を変更することで、コイルスプリングのスプリングとしての有効巻数を変更し、バネレートを可変としている。上記アジャストシートは、コイルスプリングの内周部に通されるチューブにボルトで固定されている。
特開2006−214453号公報
しかしながら、上記従来の車両用サスペンションでは、アジャストシートが複雑な形状であるとともに、バネレートを変更する場合には、固着されたアジャストシートの位置を変更する必要があり、構造が複雑になっている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、車両用サスペンションにおいて、簡単な構造でバネレートを変更可能にすることを目的とする。
本発明は、車輪(3)側の部材(12)と車体(F)との間で圧縮されるコイルスプリング(61,62,362,561,562)を備える車両用サスペンションにおいて、前記コイルスプリング(61,62,362,561,562)は複数設けられるとともに、複数の前記コイルスプリング(61,62,362,561,562)が直列に接続され、複数の前記コイルスプリング(61,62,362,561,562)の間には、複数の前記コイルスプリング(61,62,362,561,562)の反力を受けるスペーサー(70,570)が少なくとも1つ介装され、前記コイルスプリング(61,62,362,561,562)の圧縮に伴う前記スペーサー(70,570)の移動を所定量に規制するストッパー部材(75,475,580)を備えることを特徴とする。
また、上記発明において、前記ストッパー部材(75,475)は、1つの前記コイルスプリング(61)の一端(61a)と他端(61b)との間の位置に設けられる係合凸部(75,475)であり、前記スペーサー(70)は、前記コイルスプリング(61,62)の圧縮方向に移動して前記係合凸部(75,475)に係合する係合凹部(71a,71b,71c)を備えていても良い。
さらに、上記発明において、前記スペーサー(70)は、前記コイルスプリング(61)の軸線(54a)周りに回転可能な筒部(71)を備え、前記係合凹部(71a,71b,71c)は、前記筒部(71)の周方向に複数設けられ、複数の前記係合凹部(71a,71b,71c)の深さは互いに異なる構成であっても良い。
また、上記発明において、前記コイルスプリング(61,62,362,561,562)は、第1のコイルスプリング(61,561)と、前記第1のコイルスプリング(61,561)よりも全長が長い第2のコイルスプリング(62,362,562)とが直列に接続され、前記ストッパー部材(75,475,580)は、前記第1のコイルスプリング(61,561)の側に設けられている構成であっても良い。
また、上記発明において、前記第1のコイルスプリング(61,561)の巻き部のピッチ(P1)は、前記第2のコイルスプリング(62,362,562)の巻き部のピッチ(P2)よりも小さい構成としても良い。
また、上記発明において、前記第2のコイルスプリング(362)は、巻き部のピッチ(P3)が前記第2のコイルスプリング(362)の他の部分よりも小さい小ピッチ部(362c)を備えても良い。
さらに、上記発明において、複数の前記コイルスプリング(61,62)のバネレートを合成した合成バネレート(K4)は、前記車両用サスペンションのストローク範囲の全域に亘って一定である構成としても良い。
また、上記発明において、前記コイルスプリング(61,62,362,561,562)に付与されるプリロードを調整可能なプリロード調整機構(64)を備えても良い。
また、上記発明において、シリンダ(50)と、前記シリンダ(50)の内部を摺動するピストン(51)を支持するピストンロッド(52)とを備え、前記コイルスプリング(61,62,362)は、前記シリンダ(50)及び前記ピストンロッド(52)の周囲に巻装され、前記ストッパー部材(75)は、前記シリンダ(50)の外周側に設けられても良い。
また、上記発明において、前記コイルスプリング(61,62,362,561,562)の動作を減衰する減衰機構(60,560)を備え、前記減衰機構(60,560)は、減衰特性を調整可能な減衰特性調整部(560a)を備え、前記減衰特性調整部(560a)は、前記ストッパー部材(75,475,580)による前記スペーサー(70,570)の移動の規制状態に同期して調整可能である構成としても良い。
また、上記発明において、前記ストッパー部材(580)は、エアージャッキ(580)であっても良い。
本発明に係る車両用サスペンションによれば、車両用サスペンションは、車輪側の部材と車体との間で圧縮されるコイルスプリングを備え、コイルスプリングは複数設けられるとともに、複数のコイルスプリングが直列に接続され、複数のコイルスプリングの間には、複数のコイルスプリングの反力を受けるスペーサーが少なくとも1つ介装され、コイルスプリングの圧縮に伴うスペーサーの移動を所定量に規制するストッパー部材を備える。これにより、車両用サスペンションがストロークしてコイルスプリングが圧縮されると、スペーサーはコイルスプリングとともにコイルスプリングの圧縮方向に移動する。複数の直列のコイルスプリングがストロークする状態では、車両用サスペンションのバネレートは、複数のコイルスプリングのバネレートを直列に合成したものとなる。スペーサーの移動がストッパー部材によって所定量に規制されると、複数のコイルスプリングのうちの1つのコイルスプリングは、それ以上ストロークしなくなり、車両用サスペンションとしてのバネレートは、他のコイルスプリングのバネレートになる。このため、車両用サスペンションのバネレートを簡単な構造で変更可能にできる。
また、上記発明において、ストッパー部材は、1つのコイルスプリングの一端と他端との間の位置に設けられる係合凸部であり、スペーサーは、コイルスプリングの圧縮方向に移動して係合凸部に係合する係合凹部を備えていても良い。この構成によれば、係合凸部と係合凹部とを係合させる簡単な構造でバネレートを変更できる。また、車両用サスペンションのストロークに連動してバネレートを変更できる。
さらに、上記発明において、スペーサーは、コイルスプリングの軸線周りに回転可能な筒部を備え、係合凹部は、筒部の周方向に複数設けられ、複数の係合凹部の深さは互いに異なる構成であっても良い。この構成によれば、スペーサーの筒部を回転させて、深さが異なる複数の係合凹部のいずれかに係合凸部を係合させることで、バネレートの変化特性を変更できる。
また、上記発明において、コイルスプリングは、第1のコイルスプリングと、第1のコイルスプリングよりも全長が長い第2のコイルスプリングとが直列に接続され、ストッパー部材は、第1のコイルスプリングの側に設けられていても良い。この構成によれば、第2のコイルスプリングよりも全長が短い第1のコイルスプリングのストローク量をストッパー部材によって規制してバネレートを変更できるとともに、全長が長い第2のコイルスプリングのストローク量を大きく確保できる。
また、上記発明において、第1のコイルスプリングの巻き部のピッチは、第2のコイルスプリングの巻き部のピッチよりも小さい構成としても良い。この構成によれば、車両用サスペンションのストロークが増加すると、第1のコイルスプリングは、第2のコイルスプリングよりも先に巻き部が互いに密着する。第1のコイルスプリングは、密着長になるとそれ以上ストロークしないため、車両用サスペンションのバネレートは、第2のコイルスプリングのバネレートになる。このため、簡単な構造でバネレートを変更できる。
また、上記発明において、第2のコイルスプリングは、巻き部のピッチが第2のコイルスプリングの他の部分よりも小さい小ピッチ部を備えても良い。この構成によれば、車両用サスペンションのストロークの増加に伴って第2のコイルスプリングの小ピッチ部の巻き部を密着させて、バネレートを変更できる。
さらに、上記発明において、複数の前記コイルスプリングのバネレートを合成した合成バネレートは、車両用サスペンションのストローク範囲の全域に亘って一定であっても良い。この構成によれば、バネレートが一定の車両用サスペンションのバネレートを、多段階のバネレートに変更できる。
また、上記発明において、コイルスプリングに付与されるプリロードを調整可能なプリロード調整機構を備える。これにより、バネレートのみならず、コイルスプリングのプリロードも変更できる。
また、上記発明において、シリンダ(50)と、前記シリンダ(50)の内部を摺動するピストン(51)を支持するピストンロッド(52)とを備え、前記コイルスプリング(61,62,362)は、前記シリンダ(50)及び前記ピストンロッド(52)の周囲に巻装され、前記ストッパー部材(75)は、前記シリンダ(50)の外周側に設けられても良い。
この構成によれば、シリンダと、シリンダの内部を摺動するピストンを支持するピストンロッドとを備え、コイルスプリングは、シリンダ及びピストンロッドの周囲に巻装され、ストッパー部材は、シリンダの外周側に設けられる。これにより、シリンダの外周側のスペースを利用してストッパー部材を簡単に設けることができる。
また、上記発明において、コイルスプリングの動作を減衰する減衰機構を備え、減衰機構は、減衰特性を調整可能な減衰特性調整部を備え、減衰特性調整部は、ストッパー部材によるスペーサーの移動の規制状態に同期して調整可能であっても良い。この構成によれば、バネレートの変更に合わせて適正な減衰特性を得ることができる。
また、上記発明において、ストッパー部材は、エアージャッキであっても良い。この構成によれば、簡単な構造でスペーサーの移動を規制して、バネレートを変更できる。
本発明の第1の実施の形態に係る自動二輪車の右側面図である。 リアサスペンションの側面図である。 スペーサーをフランジ部側からコイルスプリングの軸方向に見た図である。 リアサスペンションが図2の状態から途中までストロークした状態を示す図である。 リアサスペンションのストローク量とコイルスプリングの反力との関係を示す図表である。 係合凸部が第2の係合凹部にセットされた状態を示す図である。 係合凸部が第3の係合凹部にセットされた状態を示す図である。 第2の実施の形態におけるリアサスペンションのストローク量とコイルスプリングの反力との関係を示す図表である。 第3の実施の形態におけるリアサスペンションの側面図である。 第3の実施の形態におけるリアサスペンションのストローク量とコイルスプリングの反力との関係を示す図表である。 第4の実施の形態におけるリアサスペンションの側面図である。 第5の実施の形態におけるリアサスペンションの側面図である。 エアージャッキの内部構造を示す断面図である。 減衰特性調整部による減衰力の調整を示す図表である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示している。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る自動二輪車の右側面図である。なお、図1では、左右一対で設けられるものは、右側のものだけが図示されており、左側のものは符号を含めて不図示である。
自動二輪車1(車両)は、車体フレームF(車体)にパワーユニットとしてのエンジン10が支持され、前輪2を操舵可能に支持する操舵系11が車体フレームFの前端に操舵可能に支持され、後輪3(車輪)を支持するスイングアーム12(車輪側の部材)が車体フレームFの後部側に設けられた車両である。自動二輪車1は、乗員が跨るようにして着座するシート13が車体フレームFの後部の上方に設けられた鞍乗り型の車両である。
車体フレームFは、その前端に設けられるヘッドパイプ14と、ヘッドパイプ14の後部から後下がりに延出するメインフレーム15と、ヘッドパイプ14の後部から後下方に延びるダウンフレーム16と、メインフレーム15の下端に接続されるピボットフレーム17と、メインフレーム15の後部の上部から車両後端部まで後方に延びる左右一対のシートフレーム18,18と、ピボットフレーム17から後上がりに延びてシートフレーム18,18の後部に接続される左右一対のサブフレーム19,19とを備える。
メインフレーム15は、ヘッドパイプ14から後下がりに延びるメインフレーム前部15aと、メインフレーム前部15aの後端で下方に屈曲してピボットフレーム17まで延びるセンターフレーム部15bとを備える。
操舵系11は、ヘッドパイプ14に軸支されるステアリング軸(不図示)を介して操舵自在に設けられる左右一対のフロントフォーク20,20と、フロントフォーク20,20の上方に設けられるハンドル21とを備える。前輪2は、フロントフォーク20,20の下端部の前輪車軸2aに軸支される。
ピボットフレーム17には、ピボットフレーム17を車幅方向に貫通するピボット軸22が設けられ、スイングアーム12はその前端部をピボット軸22に軸支される。スイングアーム12は、ピボット軸22側から左右一対で延びるアーム部12a,12aを備え、後輪3は、アーム部12a,12aの後端部間に渡される後輪車軸3aに軸支される。
アーム部12a,12aの後部とシートフレーム18,18との間には、左右一対のリアサスペンション24,24(車両用サスペンション)が掛け渡される。
エンジン10は、車幅方向に延びるクランク軸30を収容するクランクケース31と、クランクケース31の前部から上方に延びるシリンダ部32とを備える。クランクケース31の後部には、変速機(不図示)が内蔵されている。
エンジン10の排気管33は、シリンダ部32の前面から後下方に延出され、エンジン10の下方を通って後方に延び、スイングアーム12の右側方に配置されたマフラー34に接続される。
エンジン10の上記変速機は、クランクケース31の後部から左側方に突出する出力軸(不図示)を備える。エンジン10の出力は、上記出力軸と後輪3との間に掛け渡されたドライブチェーン(不図示)によって後輪3に伝達される。このドライブチェーンは、左右方向の一側(左側)のアーム部12a(不図示)に沿うように設けられるチェーンケース36によって覆われている。
燃料タンク39は、メインフレーム前部15aに支持されている。シート13は、シートフレーム18,18に支持されており、燃料タンク39に連続して自動二輪車1の後端部まで延びている。シート13は、運転者用の前側シート13aと、同乗者用の後側シート13bとを一体に備える。
クランクケース31の後部の下部の左右の側方には、運転者が足を乗せるステップ40,40が左右一対で設けられる。
自動二輪車1は、車体カバーとして、フロントフォーク20,20の上部を前方から覆うフロントカバー41と、エンジン10の後方で前側シート13aの下方の部分を側方から覆う左右一対のサイドカバー42,42と、シートフレーム18,18の後部を覆うリアカバー43とを備える。前輪2の上方にはフロントフェンダー44が設けられる。
自動二輪車1の駐車状態で、自動二輪車1を車幅方向に傾斜した姿勢に支持するサイドスタンド45は、車体フレームFの下部に固定される。
図2は、リアサスペンション24の側面図である。
リアサスペンション24は、スイングアーム12がピボット軸22を中心に上下に揺動することで、シートフレーム18とスイングアーム12との間で圧縮され、上下にストロークすることで路面からの衝撃を吸収する。
リアサスペンション24は、減衰用の作動油が封入された筒状のシリンダ50と、シリンダ50の内部を摺動するピストン51と、ピストン51をその一端に支持するピストンロッド52と、ピストンロッド52の他端を支持するロッド支持部材53と、ピストンロッド52及びシリンダ50の周囲に巻装されてピストンロッド52を伸張方向に付勢するコイルスプリング54とを備える。
シリンダ50、ピストン51及びピストンロッド52は、コイルスプリング54の動作を減衰する減衰機構60を構成する。
また、リアサスペンション24は、ロッド支持部材53側に設けられてコイルスプリング54の一端(上端)を受けるロッド側受け部材55と、シリンダ50側に設けられてコイルスプリング54の他端(下端)を受けるシリンダ側受け部材56とを備える。
コイルスプリング54は、直列に接続される複数のコイルスプリングによって構成される。ここでは、コイルスプリング54は、第1のコイルスプリング61と、第1のコイルスプリング61に対して直列に接続される第2のコイルスプリング62とを備える。
さらに、リアサスペンション24は、第1のコイルスプリング61と第2のコイルスプリング62との間に介装されるスペーサー70を備える。
ピストンロッド52は、シリンダ50に対して同軸に挿入されており、シリンダ50の軸方向にストロークする。シリンダ50内に位置するピストンロッド52の一端にピストン51が設けられる。ピストン51には、作動油が通過する油路(不図示)が形成されている。ピストンロッド52は、コイルスプリング54の軸線54aと同軸に設けられる。コイルスプリング54の軸線54aは、リアサスペンション24の軸線に一致する。
ロッド支持部材53は、ロッド側受け部材55を介してコイルスプリング54の一端を受ける円板状の受け板部57と、シートフレーム18側に連結される車体連結部58とを備える。
ピストンロッド52の他端は、受け板部57の下面の中央のねじ穴に螺合され、ロックナット(不図示)で受け板部57に固定される。受け板部57の下面には、筒状のバンプラバー59が取り付けられる。
車体連結部58は、受け板部57の上面に結合されている。リアサスペンション24の一端(上端)は、車体連結部58に対して車幅方向に挿通される軸部材58aによってシートフレーム18に連結される。
なお、車体連結部58は、車体としてのエンジン側の部材に連結されても良い。
ロッド側受け部材55は、ピストンロッド52を周囲から囲う円筒部55aと、円筒部55aの上端から径方向外側に延びるフランジ部55bとを備える。
ロッド側受け部材55は、円筒部55aがコイルスプリング54の内周部に通され、フランジ部55bがコイルスプリング54の一端によって押圧されることで、ロッド支持部材53の受け板部57に当接させられている。
円筒部55aの下端部の内側には、シリンダ50の上端部が挿入される。これにより、ピストンロッド52が外側に露出しなくなる。
シリンダ50の下面には、スイングアーム12に連結される車輪側連結部63が結合されている。
リアサスペンション24の他端(下端)は、車輪側連結部63に対して車幅方向に挿通される軸部材63aによってスイングアーム12の後部に連結される。
シリンダ側受け部材56は、シリンダ50の外周部に嵌合する筒状部56aと、筒状部56aの外周部から径方向外側に延びるフランジ部56bとを備える。
筒状部56aの下縁には、筒状部56aの周方向に並ぶ凹部56cが複数形成されている。凹部56cは、筒状部56aの下縁の斜面に形成されており、周方向に高さが変化する階段状に形成されている。
シリンダ50の外周部には、シリンダ側受け部材56の凹部56cに係合する凸部50aが形成されている。
シリンダ側受け部材56は、フランジ部56bによってコイルスプリング54の他端(下端)を受ける。コイルスプリング54の圧縮の反力は、シリンダ側受け部材56の凹部56cに係合する凸部50aによって受けられている。
シリンダ側受け部材56をシリンダ50に対し回転させることで、凸部50aを任意の凹部56cに係合させることができ、これにより、シリンダ側受け部材56のフランジ部56bは、コイルスプリング54の軸方向における位置が変更される。従って、シリンダ側受け部材56を回転操作することで、コイルスプリング54に付与されるプリロード(初期荷重)が変更される。すなわち、シリンダ側受け部材56及び凸部50aは、プリロード調整機構64を構成する。
図3は、スペーサー70をフランジ部56b側からコイルスプリング54の軸方向に見た図である。
図2及び図3に示すように、スペーサー70は、シリンダ側受け部材56の筒状部56a及びシリンダ50を外周側から覆う内側筒部71(筒部)と、内側筒部71を外周側から覆う外側筒部72と、内側筒部71の軸方向の一端と外側筒部72の軸方向の一端とを径方向に繋ぐスプリング受け部73とを備える。
外側筒部72は、コイルスプリング54よりも大径の円筒状に形成されるとともに、軸線54aと同軸に設けられる。
内側筒部71は、外側筒部72の内側に位置するとともに、外側筒部72と同軸に設けられる。内側筒部71は、外側筒部72よりも軸方向に短く形成されておおり、外側筒部72の内側に隠れる。内側筒部71は、筒状部56aの外周部に嵌合している。
スプリング受け部73は、内側筒部71の一端と外側筒部72の一端とを径方向に繋ぐ環状の板部であり、内側筒部71と外側筒部72との間を塞ぐ。
外側筒部72の内周と内側筒部71の外周との間には、環状の空間であるスプリング収容部74が形成される。スプリング受け部73は、スプリング収容部74の底部を構成する。
内側筒部71は、内側筒部71をその他端から軸方向に切り欠くように設けられる第1の係合凹部71a、第2の係合凹部71b、及び、第3の係合凹部71cを備える。
第1の係合凹部71a、第2の係合凹部71b、及び、第3の係合凹部71cは、内側筒部71の周方向に互いに間隔をあけて設けられる。
第1の係合凹部71aは、内側筒部71の周上で互いに180°離れて対向する一対の凹部である。第2の係合凹部71bは、内側筒部71の周上で互いに180°離れて対向する一対の凹部である。第3の係合凹部71cは、内側筒部71の周上で互いに180°離れて対向する一対の凹部である。
第1の係合凹部71a、第2の係合凹部71b、及び、第3の係合凹部71cの深さは互いに異なる。詳細には、第1の係合凹部71aは最も深く、第2の係合凹部71bは、第1の係合凹部71aよりも浅く、第3の係合凹部71cは、第2の係合凹部71bよりも浅い。
シリンダ側受け部材56の筒状部56aの外周部には、径方向に突出する係合凸部75(ストッパー部材)が形成されている。係合凸部75は、フランジ部56bを挟んで凹部56cとは反対側に設けられる。係合凸部75は、コイルスプリング54の軸線54aに沿ってコイルスプリング54の圧縮方向に延びている。係合凸部75は、筒状部56aの外周上で周方向に互いに180°離れて配置される一対の凸部である。
係合凸部75は、第1の係合凹部71a、第2の係合凹部71b、及び、第3の係合凹部71cのいずれかに選択的に係合する。
第1のコイルスプリング61は、一端61a側がスペーサー70のスプリング収容部74に収容され、一端61aがスプリング受け部73に当接して受けられる。
第1のコイルスプリング61は、他端61bがシリンダ側受け部材56のフランジ部56bに当接して受けられる。
第2のコイルスプリング62は、一端62aがロッド側受け部材55のフランジ部55bに当接して受けられる。
第2のコイルスプリング62は、他端62bが、スペーサー70のスプリング受け部73に第1のコイルスプリング61の反対側から当接して受けられる。
スペーサー70は、第1のコイルスプリング61の一端61aと第2のコイルスプリング62の他端62bとの間に介装されており、第1のコイルスプリング61及び第2のコイルスプリング62の反力を受ける。
すなわち、第1のコイルスプリング61と第2のコイルスプリング62とは、スペーサー70を介して直列に接続されている。
スペーサー70は、リアサスペンション24がストロークすることによる第1のコイルスプリング61及び第2のコイルスプリング62の圧縮に伴い、コイルスプリング54の軸方向に移動する。
第1のコイルスプリング61及び第2のコイルスプリング62は、コイルの素材、コイルの線径及びコイルの巻き部の径Dが互いに同一なコイルスプリングである。
なお、本第1の実施の形態では、第1のコイルスプリング61及び第2のコイルスプリング62は、コイルの素材、コイルの線径及びコイルの巻き部の径Dが互いに同一である構成を例に挙げて説明するが、コイルの素材、コイルの線径及びコイルの巻き部の径Dは、第1のコイルスプリング61と第2のコイルスプリング62とで異なっていても良い。
第1のコイルスプリング61の巻き部のピッチP1は、第2のコイルスプリング62の巻き部のピッチP2よりも小さい。すなわち、第1のコイルスプリング61は、第2のコイルスプリング62よりも密に巻かれたコイルスプリングである。
第1のコイルスプリング61は、その全長に亘ってピッチP1で形成される。第2のコイルスプリング62は、その全長に亘ってピッチP2で形成される。
図2は、リアサスペンション24に負荷としてプリロードのみが付されるとともに、係合凸部75が第1の係合凹部71aにセットされた状態を示す。
図2の状態では、係合凸部75は先端部のみがスペーサー70の第1の係合凹部71aに係合しており、係合凸部75の先端75aと第1の係合凹部71aの底部との間には隙間が形成されている。この状態では、スペーサー70の回転は、係合凸部75によって規制される。
図4は、リアサスペンション24が図2の状態から途中までストロークした状態を示す図である。なお、図2では、リアサスペンション24の一部が断面で示されている。
リアサスペンション24がストロークすると、第1のコイルスプリング61及び第2のコイルスプリング62の両方が圧縮されて縮み、スペーサー70とシリンダ側受け部材56のフランジ部56bとの間の間隔が次第に小さくなる。これにより、リアサスペンション24が圧縮方向にストロークすると、係合凸部75が第1の係合凹部71aの底部側に移動する。
コイルスプリング54は、第1のコイルスプリング61及び第2のコイルスプリング62のコイルの素材、コイルの線径及び巻き部の径Dが同一であるため、全ての巻き部が均等に撓む。このため、リアサスペンション24が所定量ストロークすると、ピッチP1が小さい第1のコイルスプリング61は、図4に示すように、巻き部同士が密着する密着長になる。
すなわち、図4の状態では、第1のコイルスプリング61は密着長に達することでそれ以上撓まない状態になっている。このため、図4の状態からリアサスペンション24が圧縮方向にさらにストロークすると、第1のコイルスプリング61は密着長のままで、第2のコイルスプリング62のみが撓む。
ここで、図4の状態では、係合凸部75の先端75aと第1の係合凹部71aの底部との間には隙間が残っており、スペーサー70の軸方向への移動は、密着長になった第1のコイルスプリング61によって規制されている。
図5は、リアサスペンション24のストローク量とコイルスプリング54の反力との関係を示す図表である。
ここで、図5では、係合凸部75を第1の係合凹部71aにセットした場合のコイルスプリング54のバネレート(ばね定数)の変化特性が線L1で示されている。
図5に示すように、リアサスペンション24は、ストローク量が0の状態では、プリロードの分だけ反力F0を発生させている。リアサスペンション24の反力は、ストローク量の増加とともに線形に増加する。ここで、線L1の傾きは、コイルスプリング54のバネレートを示している。
図4は、リアサスペンション24がストローク量S1(図5参照)までストロークした状態を示している。
リアサスペンション24のストローク量が0からS1まで増加するまでのコイルスプリング54のバネレートK3は、第1のコイルスプリング61単体のバネレート(不図示)と、第2のコイルスプリング62単体のバネレートK2とを直列に合成した値である。
リアサスペンション24がストローク量S1までストロークすると、第1のコイルスプリング61が密着長になってそれ以上撓まなくなるため、ストローク量がS1よりも大きい領域では、コイルスプリング54のバネレートは、第2のコイルスプリング62のバネレートK2になる。
すなわち、ストローク量がS1よりも大きい領域になると、コイルスプリング54のスプリングとしての有効巻数が減少するため、バネレートが大きくなる。
リアサスペンション24は、ストロークの前半では、バネレートK3であり、ストロークの後半では、バネレートK3よりも大きいバネレートK2になる。つまり、リアサスペンション24は、2段階のバネレートを有する。
このように、ストロークの後半でバネレートを大きくすることで、ストロークの前半では一人乗り用に適したバネレートにできるとともに、ストロークの後半では二人乗りや荷物の積載に適した大きなバネレートにできる。
図6は、係合凸部75が第2の係合凹部71bにセットされた状態を示す図である。ここで、図6では、リアサスペンション24に負荷としてプリロードのみが付されている。
図2の状態からスペーサー70をコイルスプリング54の反力に抗して約45°回転させると、係合凸部75は第2の係合凹部71bに係合した状態となる。
図6の状態では、係合凸部75は先端部のみがスペーサー70の第2の係合凹部71bに係合しており、係合凸部75の先端75aと第2の係合凹部71bの底部との間には所定量Gの隙間が形成されている。この状態では、スペーサー70の回転は、係合凸部75によって規制される。
図6の状態からリアサスペンション24が圧縮方向にストロークすると、係合凸部75が所定量Gだけ相対移動して第2の係合凹部71bの底部に当接する。これにより、第1のコイルスプリング61を縮ませる方向のスペーサー70の移動が係合凸部75によって規制され、第1のコイルスプリング61はそれ以上撓まなくなる。
すなわち、係合凸部75がスペーサー70を介して第1のコイルスプリング61の圧縮方向の変形を規制することで、コイルスプリング54のスプリングとしての有効巻数が減ぜられる。
ここで、第2の係合凹部71bが第1の係合凹部71aよりも浅いため、係合凸部75は、第1のコイルスプリング61が密着長(図4参照)になる前に第2の係合凹部71bの底部に当接する。
図5では、係合凸部75を第2の係合凹部71bにセットした場合のコイルスプリング54のバネレートの変化特性が線L2で示されている。
係合凸部75が第2の係合凹部71bにセットされた状態では、第1のコイルスプリング61の圧縮方向へのスペーサー70の移動は、ストローク量S1よりも小さいストローク量S2で規制される。
これにより、コイルスプリング54のバネレートは、ストローク量が0からS2まではバネレートK3となり、ストローク量がS2よりも大きな領域ではバネレートK2になる。
すなわち、係合凸部75のセット位置を第1の係合凹部71aから第2の係合凹部71bに変更することで、バネレートがバネレートK3からバネレートK2に変化する起点となるストローク量が小さくなる。
このように、大きなバネレートK2に変化する起点の位置をより小さなストローク量に変更することで、ストローク量が小さい領域からコイルスプリング54の反力を大きくでき、二人乗りや荷物の積載により適切に対応できる。
また、プリロード調整機構64によってプリロードを変更してもバネレートを変更することはできないが、スペーサー70を操作することでバネレートK2に変化する起点を変更でき、バネレートの変化特性を変更できる。このため、乗員の好みに応じてバネレートを変更できる。
また、線L2の特性のように、大きなバネレートK2に変化する起点の位置をより小さなストローク量に変更することで、最大反力F1を大きくでき、より大きな荷重に対応できる。例えば、線L1の特性において、線L2の最大反力F1と同等の反力を得ようとする場合、バネレートをバネレートK2からバネレートK2´にする必要があり、第2のコイルスプリング62のバネレートが大きくなってしまう。このように第2のコイルスプリング62のバネレートが大きくなりすぎると、リアサスペンション24が固くなり、乗り心地に影響する。
これに対し、本第1の実施の形態の線L2の特性では、小さなストローク量S2からバネレートK2にすることで最大反力F1を得るため、最大反力及び乗り心地の両方を向上できる。
図7は、係合凸部75が第3の係合凹部71cにセットされた状態を示す図である。ここで、図7では、リアサスペンション24に負荷としてプリロードのみが付されている。
図2の状態からスペーサー70をコイルスプリング54の反力に抗して約90°回転させると、係合凸部75は第3の係合凹部71cに係合した状態となる。
図7の状態では、係合凸部75の先端75aは、第3の係合凹部71cの底部に当接している。このため、第1のコイルスプリング61を縮ませる方向のスペーサー70の移動が係合凸部75によって規制され、第1のコイルスプリング61は圧縮方向に撓むことはできない。係合凸部75は、スペーサー70の移動可能量を0(所定量)に規制している。
すなわち、図7のリアサスペンション24は、プリロードのみが付された初期状態において、第1のコイルスプリング61の圧縮方向の変形が係合凸部75によって規制されており、コイルスプリング54のスプリングとしての有効巻数が減ぜられている。
図5では、係合凸部75を第3の係合凹部71cにセットした場合のコイルスプリング54のバネレートの変化特性が線L3で示されている。
係合凸部75が第3の係合凹部71cにセットされた状態では、リアサスペンション24のストロークの全域において、コイルスプリング54のバネレートはバネレートK2になる。
すなわち、係合凸部75のセット位置を第1の係合凹部71aから第3の係合凹部71cに変更することで、バネレートがバネレートK3となる領域がなくなり、バネレートは、ストロークの全域において線形のバネレートK2となる。ストロークに対して反力が線形に変化する特性は、サーキット走行等のスポーツ走行で好まれる。
スペーサー70を第1の係合凹部71a、第2の係合凹部71b、及び、第3の係合凹部71cのいずれかに係合させる際の回転操作は、コイルスプリング54の反力による抵抗に抗して手動で行われる。
ここで、サイドスタンド45(図1)によって自動二輪車1を駐車した状態では、自動二輪車1の重量の一部がサイドスタンド45によって受けられるため、リアサスペンション24は通常の走行時よりも伸び、コイルスプリング54の反力は小さくなる。また、係合凸部75は、サイドスタンド45で自動二輪車1を駐車した状態において、スペーサー70の回転操作に必要な力が最も小さくなる位置に配置されている。
このため、サイドスタンド45よって自動二輪車1を駐車した状態でスペーサー70を回転操作することで、操作力を小さくでき、バネレートを容易に変更できる。
なお、自動二輪車1を直立状態で駐車させるメインスタンド(不図示)を備える場合、係合凸部75は、メインスタンドで自動二輪車1を駐車した状態において、スペーサー70の回転操作に必要な力が最も小さくなる位置に配置されても良い。
以上説明したように、本発明を適用した第1の実施の形態によれば、リアサスペンション24は、スイングアーム12と車体フレームFとの間で圧縮される複数の第1のコイルスプリング61及び第2のコイルスプリング62を備え、第1のコイルスプリング61及び第2のコイルスプリング62は直列に接続され、第1のコイルスプリング61と第2のコイルスプリング62との間には、第1のコイルスプリング61及び第2のコイルスプリング62の反力を受けるスペーサー70が介装される。そして、リアサスペンション24は、第1のコイルスプリング61及び第2のコイルスプリング62の圧縮に伴うスペーサー70の移動を所定量に規制するストッパー部材としての係合凸部75を備える。これにより、リアサスペンション24がストロークして第1のコイルスプリング61及び第2のコイルスプリング62が圧縮されると、スペーサー70は第1のコイルスプリング61及び第2のコイルスプリング62とともに第1のコイルスプリング61及び第2のコイルスプリング62の圧縮方向に移動する。複数の直列の第1のコイルスプリング61及び第2のコイルスプリング62がストロークする状態では、リアサスペンション24のバネレートは、第1のコイルスプリング61のバネレートと第2のコイルスプリング62のバネレートK2とを直列に合成したものとなる。スペーサー70の移動が係合凸部75によって所定量に規制されると、第1のコイルスプリング61は、それ以上ストロークしなくなり、リアサスペンション24のバネレートは、第2のコイルスプリング62のバネレートK2になる。このため、リアサスペンション24のバネレートを簡単な構造で変更可能にできる。
また、ストッパー部材は、第1のコイルスプリング61の一端61aと他端61bとの間の位置に設けられる係合凸部75であり、スペーサー70は、第1のコイルスプリング61の圧縮方向に移動して係合凸部75に係合する第1の係合凹部71a、第2の係合凹部71b及び第3の係合凹部71cを備えている。これにより、係合凸部75と第1の係合凹部71a、第2の係合凹部71b及び第3の係合凹部71cとを係合させる簡単な構造でバネレートを変更できる。また、リアサスペンション24のストロークに連動してバネレートを変更できる。
さらに、スペーサー70は、第1のコイルスプリング61及び第2のコイルスプリング62の軸線54a周りに回転可能な内側筒部71を備え、第1の係合凹部71a、第2の係合凹部71b及び第3の係合凹部71cは、内側筒部71の周方向に複数設けられ、第1の係合凹部71a、第2の係合凹部71b及び第3の係合凹部71cの深さは互いに異なる。これにより、スペーサー70の内側筒部71を回転させて、深さが異なる複数の第1の係合凹部71a、第2の係合凹部71b及び第3の係合凹部71cのいずれかに係合凸部75を係合させることで、バネレートの変化特性を変更できる。
また、第1のコイルスプリング61と第1のコイルスプリング61よりも全長が長い第2のコイルスプリング62とが直列に接続され、係合凸部75は、第1のコイルスプリング61の側に設けられている。これにより、第2のコイルスプリング62よりも全長が短い第1のコイルスプリング61のストローク量を係合凸部75によって規制してバネレートを変更できるとともに、全長が長い第2のコイルスプリング62のストローク量を大きく確保できる。
また、第1のコイルスプリング61の巻き部のピッチP1は、第2のコイルスプリング62の巻き部のピッチP2よりも小さい。これにより、リアサスペンション24のストロークが増加すると、第1のコイルスプリング61は、第2のコイルスプリング62よりも先に巻き部が互いに密着する。第1のコイルスプリング61は、密着長になるとそれ以上ストロークしないため、リアサスペンション24のバネレートは、第2のコイルスプリング62のバネレートK2になる。このため、簡単な構造でバネレートを変更できる。
また、リアサスペンション24は、第1のコイルスプリング61及び第2のコイルスプリング62に付与されるプリロードを調整可能なプリロード調整機構64を備える。これにより、バネレートのみならず、プリロードも変更できる。
また、リアサスペンション24は、シリンダ50と、シリンダ50の内部を摺動するピストン51を支持するピストンロッド52とを備え、第1のコイルスプリング61及び第2のコイルスプリング62は、シリンダ50及びピストンロッド52の周囲に巻装され、係合凸部75は、シリンダ50の外周側に設けられる。これにより、シリンダ50の外周側のスペースを利用して係合凸部75を簡単に設けることができる。
なお、筒状部56aを設けない場合、シリンダ50の外周部に係合凸部75を設けても良い。
[第2の実施の形態]
以下、図8を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第2の実施の形態は、コイルスプリング54のバネレートの基本設定が一直線の線形である点が上記第1の実施の形態と異なる。
図8は、第2の実施の形態におけるリアサスペンション24のストローク量とコイルスプリング54の反力との関係を示す図表である。
ここで、図8では、係合凸部75を第1の係合凹部71aにセットした場合(図2参照)のコイルスプリング54のバネレートの変化特性が線L4で示されている。また、図8では、係合凸部75を第2の係合凹部71bにセットした場合(図6参照)のコイルスプリング54のバネレートの変化特性が線L5で示されている。
図8に示すように、線L4の特性では、リアサスペンション24は、第1のコイルスプリング61単体のバネレート(不図示)と、第2のコイルスプリング62単体のバネレートK2とを直列に合成した合成バネレートK4が、リアサスペンション24のストロークの全域に亘って一直線の線形になるように設定されている。
図6を参照し、係合凸部75を第2の係合凹部71bにセットした状態で、ストローク量がS2(図8参照)になると、係合凸部75の先端75aが第2の係合凹部71bの底部に当接し、第1のコイルスプリング61はそれ以上ストロークしなくなる。これにより、リアサスペンション24は、ストローク量がS2よりも大きな領域ではバネレートK2になる。
以上説明したように、本発明を適用した第2の実施の形態によれば、第1のコイルスプリング61のバネレートと、第2のコイルスプリング62のバネレートK2とを合成した合成バネレートK4は、リアサスペンション24のストローク範囲の全域に亘って一定である。スペーサー70を操作して第1のコイルスプリング61のストロークを規制することで、バネレートが一定(1段階)のリアサスペンション24のバネレートを、多段階(2段階)のバネレートに変更できる。
すなわち、通常時はスポーツ走行に適した線形の合成バネレートK4にしておき、必要に応じて、二人乗り等に適した多段階のバネレートに変更できる。
[第3の実施の形態]
以下、図9及び図10を参照して、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第3の実施の形態は、第2のコイルスプリング362が小ピッチ部362cを備える点が上記第1の実施の形態と異なる。
図9は、第3の実施の形態におけるリアサスペンション324の側面図である。
リアサスペンション324は、第1のコイルスプリング61と第2のコイルスプリング362とで構成されるコイルスプリング354を備える。
第2のコイルスプリング362は、巻き部のピッチがピッチP2よりも小さいピッチP3に形成された小ピッチ部362cを、ロッド支持部材53側の端部に備える。ピッチP3は、第1のコイルスプリング61のピッチP1よりも大きい。
図10は、第3の実施の形態におけるリアサスペンション24のストローク量とコイルスプリング354の反力との関係を示す図表である。
ここで、図10では、係合凸部75を第1の係合凹部71aにセットした場合(図9参照)のコイルスプリング354のバネレートの変化特性が線L6で示されている。また、図10では、係合凸部75を第3の係合凹部71cにセットした場合(図7参照)のコイルスプリング354のバネレートの変化特性が線L7で示されている。
図9の状態からリアサスペンション324が圧縮方向にストロークしていくと、コイルスプリング354の全ての巻き部が均等に撓む。
リアサスペンション324のストローク量が0からS3になると、第1のコイルスプリング61が密着長となる。この状態からリアサスペンション324がさらにストロークしてストローク量がS4になると、第2のコイルスプリング362は、小ピッチ部362cの巻き部が互いに密着し、密着長になる。ここからリアサスペンション324が圧縮方向にさらにストロークすると、第2のコイルスプリング362は、ピッチP2の部分のみが圧縮方向に撓む。
ストローク量が0からS3に増加するまでのコイルスプリング354のバネレートK5は、第1のコイルスプリング61単体のバネレート(不図示)と、第2のコイルスプリング362単体のバネレートK6とを直列に合成した値である。
ストローク量がS3からS4に増加するまでのコイルスプリング354のバネレートは、第1のコイルスプリング61が撓まなくなるため、第2のコイルスプリング362のバネレートK6である。
ストローク量がS4よりも大きい領域では、コイルスプリング354のバネレートK7は、ピッチP2の部分のみから得られる大きさとなり、バネレートK6よりも大きい。
すなわち、コイルスプリング354は、係合凸部75が第1の係合凹部71aにセットされた状態では、3段階のバネレートを有する。
図9の状態から係合凸部75を第3の係合凹部71cにセットした状態(図7参照)にすると、スペーサー70の移動が係合凸部75によって規制され、第1のコイルスプリング61は圧縮方向に撓むことはできない。
これにより、図10の線L6の特性でストローク量S3にあったバネレートK6の開始の起点が、線L7の特性では、ストローク量0にシフトする。
すなわち、スペーサー70を操作して第1のコイルスプリング61のストロークを規制することで、バネレートが3段階のリアサスペンション324のバネレートを、2段階のバネレートに変更できる。
[第4の実施の形態]
以下、図11を参照して、本発明を適用した第4の実施の形態について説明する。この第4の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第4の実施の形態は、スペーサー70がロッド支持部材53側に設けられる点が、上記第1の実施の形態と異なる。
図11は、第4の実施の形態におけるリアサスペンション424の側面図である。
リアサスペンション424は、第1のコイルスプリング61がロッド支持部材53側に設けられ、第2のコイルスプリング62がシリンダ50側に設けられる。
スペーサー70は、第1のコイルスプリング61と第2のコイルスプリング62との間に介装される。
詳細には、第1のコイルスプリング61の一端61aはスペーサー70のスプリング受け部73に当接し、第1のコイルスプリング61の他端61bはロッド側受け部材55のフランジ部55bに当接する。
第2のコイルスプリング62の一端62aはシリンダ側受け部材56のフランジ部56bに当接し、第2のコイルスプリング62の他端62bはスペーサー70のスプリング受け部73に当接する。
スペーサー70は、ロッド側受け部材55の円筒部55aの外周部に嵌合される。
ロッド側受け部材55の円筒部55aの外周部には、スペーサー70の第1の係合凹部71a、第2の係合凹部71b、及び、第3の係合凹部71cのいずれかに選択的に係合する係合凸部475が設けられる。
係合凸部475を、第1の係合凹部71a、第2の係合凹部71b、及び、第3の係合凹部71cのいずれかに係合させてスペーサー70の移動可能量を変更することで、リアサスペンション424のバネレートの特性を変更できる。
[第5の実施の形態]
以下、図12〜図14を参照して、本発明を適用した第5の実施の形態について説明する。この第5の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第5の実施の形態は、エアージャッキ580でスペーサー570の移動を規制する点、及び、減衰特性調整部560aを備える点等が、上記第1の実施の形態と異なる。
図12は、第5の実施の形態におけるリアサスペンション524の側面図である。
リアサスペンション524は、減衰用の作動油が封入された筒状のシリンダ550と、シリンダ550の内部を摺動するピストン551と、ピストン551をその一端に支持するピストンロッド552と、ピストンロッド552の他端を支持するロッド支持部材553と、ピストンロッド552及びシリンダ550の周囲に巻装されてピストンロッド552を伸張方向に付勢するコイルスプリング554とを備える。
また、リアサスペンション524は、ロッド支持部材553側に設けられてコイルスプリング554の一端(下端)を受けるロッド側受け部材555と、シリンダ550側に設けられてコイルスプリング554の他端(上端)を受けるシリンダ側受け部材556とを備える。
シリンダ550、ピストン551、ピストンロッド552、及び、ロッド支持部材553は、コイルスプリング554の動作を減衰する減衰機構560を構成する。
コイルスプリング554は、直列に接続される複数のコイルスプリングによって構成される。ここでは、コイルスプリング554は、第1のコイルスプリング561と、第1のコイルスプリング561に対して直列に接続される第2のコイルスプリング562とを備える。
さらに、リアサスペンション524は、第1のコイルスプリング561と第2のコイルスプリング562との間に介装されるスペーサー570と、第1のコイルスプリング61の圧縮方向へのストロークを規制するエアージャッキ580(ストッパー部材)とを備える。
なお、リアサスペンション524はプリロード調整機構64(図2)と同様のプリロード調整機構を、ロッド側受け部材555近傍またはシリンダ側受け部材556近傍に備えても良い。
ピストンロッド552は、シリンダ550に対して同軸に挿入されており、シリンダ550の軸方向にストロークする。シリンダ550内に位置するピストンロッド552の一端にピストン551が設けられる。ピストン551には、作動油が通過する油路(不図示)が形成されている。ピストンロッド552は、コイルスプリング554の軸線554aと同軸に設けられる。軸線554aは、リアサスペンション524の軸線に一致する。
ピストンロッド552の他端は、ロッド支持部材553の上面に結合されている。ロッド支持部材553は、その上面に設けられる円板状のロッド側受け部材555を介してコイルスプリング554の一端を受ける。
ロッド支持部材553は、ピストンロッド552の中空部552aを介してシリンダ550内に連通する油室553aと、スイングアーム12に連結される車輪側連結部563とを備える。
また、ロッド支持部材553は、減衰機構560の減衰特性を調整可能な減衰特性調整部560aを備える。減衰特性調整部560aは、例えば、油室553aのバルブの開度を変更することで油路の面積を変更し、減衰特性を調整する。上記バルブは、自動二輪車1の制御部65(図1)が駆動するステッピングモーター等の電動モーターによって開度を制御される。なお、上記バルブはソレノイドや手動によって駆動されても良い。
車輪側連結部563は、軸部材63aによってスイングアーム12の後部に連結される。
シリンダ側受け部材556は、シリンダ550と同軸に設けられる筒状に形成されており、シリンダ550の外周部に嵌合して固定される。
シリンダ550の上端には、車体連結部558が結合されている。車体連結部558は、軸部材58aによってシートフレーム18に連結される。
エアージャッキ580は、ロッド側受け部材555に支持されるベース部材581と、ベース部材581に対してリアサスペンション524のストローク方向に移動可能な可動部材582とを備える。第1のコイルスプリング561は、ベース部材581と可動部材582との間で圧縮される。
図13は、エアージャッキ580の内部構造を示す断面図である。
図12及び図13を参照し、ベース部材581は、ロッド側受け部材555に当接して支持される円環状のベースプレート581aと、ベースプレート581aの中心部からリアサスペンション524のストローク方向に延出する円筒状の軸部581bとを備える。
可動部材582は、ベース部材581の軸部581bの外周部に摺動自在に嵌合する筒状部582aを備える。スペーサー570は、筒状部582aの一端から径方向外側に延出するフランジ状に形成されている。スペーサー570は、ベースプレート581aに対向する。
ピストンロッド552(図12)は、ベース部材581及び可動部材582の筒内に通される。
エアージャッキ580は、筒状部582aの内周部と軸部581bの外周部との間に形成される空気室583を備える。空気室583は、筒状部582aと軸部581bとの間に設けられる一対のシール部材583a,583bによって密閉される。
ベース部材581は、空気室583を外部の大気に連通させる空気通路584と、空気通路584を開閉するバルブ585とを備える。
空気通路584の一端584aは、軸部581bの外周部に設けられ、空気室583に連通する。空気通路584の他端584bは、ベースプレート581aに設けられる。空気通路584は、一端584aから軸部581b内及びベースプレート581a内を通って他端584bに繋がる。
バルブ585は、空気通路584の他端584bを開閉する。
バルブ585が開かれた状態では、空気は、空気通路584を介し、空気室583と外部(大気側)との間で自由に出入り可能である。
バルブ585が閉じられた状態では、空気室583の空気は外部に出られなくなる。
バルブ585は、自動二輪車1の制御部65が電気的に制御するモーターやソレノイド等の駆動部によって開閉される。制御部65は、例えば、ハンドル21に設けられた操作部への運転者の入力操作を検知すると、バルブ585を駆動する。なお、バルブ585は、所望のタイミングで運転者等が手動で開閉する構成であっても良い。
第1のコイルスプリング561は、筒状部582a及び軸部581bの周囲に巻装される。第1のコイルスプリング561は、その一端561aがスペーサー570のフランジ部570aに当接し、その他端561bがベースプレート581aに当接し、スペーサー570とベースプレート581aとの間で圧縮される。
第2のコイルスプリング562は、シリンダ側受け部材556とスペーサー570との間で圧縮される。
第1のコイルスプリング561の巻き部のピッチP1は、第2のコイルスプリング562の巻き部のピッチP2よりも小さい。
ここで、エアージャッキ580の動作とコイルスプリング554のバネレートとの関係を説明する。
バルブ585が開かれた状態では、可動部材582は、第1のコイルスプリング561の圧縮方向にストローク可能である。このため、リアサスペンション524の圧縮方向のストロークに伴って、スペーサー570も圧縮方向に移動し、第1のコイルスプリング561及び第2のコイルスプリング562の両方が撓む。
バルブ585が開かれた状態では、図5を参照し、リアサスペンション524のストローク量が0からS1まで増加するまでのコイルスプリング54のバネレートK3は、第1のコイルスプリング561単体のバネレート(不図示)と、第2のコイルスプリング562単体のバネレートK2とを直列に合成した値である。
リアサスペンション524がストローク量S1までストロークすると、第1のコイルスプリング561が密着長になってそれ以上撓まなくなるため、ストローク量がS1よりも大きい領域では、コイルスプリング554のバネレートは、第2のコイルスプリング562のバネレートK2になる。
バルブ585が閉じられた状態になると、空気室583の空気が空気通路584の他端584bから出られなくなり、可動部材582は、第1のコイルスプリング561の圧縮方向にストローク不能になる。すなわち、バルブ585が閉じられた状態では、第1のコイルスプリング561の圧縮方向へのスペーサー570の移動は、エアージャッキ580によって規制される。ここでは、エアージャッキ580は、スペーサー570の移動可能量を所定量である0に規制する。
バルブ585が閉じられた状態では、第1のコイルスプリング561が圧縮不能となり、リアサスペンション524のストロークに伴って、第2のコイルスプリング562のみが圧縮方向に撓む。このため、図5の線L3に示すように、コイルスプリング554のバネレートは、そのストローク量の全域に亘り、第2のコイルスプリング562のバネレートK2になる。
図14は、減衰特性調整部560aによる減衰力の調整を示す図表である。図14では、横軸にリアサスペンション524のストロークスピードが示され、縦軸に伸び側及び圧縮側の減衰力が示されている。なお、圧縮側の減衰力は、リアサスペンション524が圧縮方向にストロークする際に発生する減衰力であり、伸び側の減衰力はリアサスペンション524が伸びる方向にストローク際に発生する減衰力である。
伸び側の減衰力及び圧縮側の減衰力は、ストロークスピードが高いほど、大きくなる。
自動二輪車1の制御部65は、エアージャッキ580のバルブ585の開閉によるコイルスプリング554のバネレートの変更に連動して、減衰特性調整部560aを駆動し、減衰力を調整する。すなわち、減衰特性調整部560aは、エアージャッキ580によるスペーサー570の移動の規制状態に同期して調整される。
ここでは、制御部65は、バルブ585の開閉状態によってスペーサー570の移動の規制状態を判定するが、リアサスペンション524に設けられるセンサ(不図示)によってスペーサー570の位置を検出することでスペーサー570の移動の規制状態を判定しても良い。
制御部65は、バルブ585が開かれた状態では、減衰特性調整部560aの調整により、伸び側の減衰力を特性R1にし、圧縮側の減衰力を特性C1にする。
制御部65は、バルブ585が閉じられた状態では、減衰特性調整部560aの調整により、伸び側の減衰力を特性R1よりも高い特性R2にし、圧縮側の減衰力を特性C1よりも高い特性C2にする。
すなわち、制御部65は、バルブ585が閉じられて第2のコイルスプリング562のバネレートが高くなると、減衰特性調整部560aを操作して、伸び側の減衰力及び圧縮側の減衰力を高くする。このため、バネレートの大きさに応じた減衰力を得ることができ、リアサスペンション524のストロークを適切に減衰できる。
以上説明したように、本発明を適用した第5の実施の形態によれば、リアサスペンション524は、第1のコイルスプリング561及び第2のコイルスプリング562の圧縮に伴うスペーサー570の移動を所定量に規制するストッパー部材として、エアージャッキ580を備える。これにより、エアージャッキを用いる簡単な構造でバネレートを変更できる。さらに、エアージャッキ580は、第1のコイルスプリング561及び第2のコイルスプリング562の圧縮に伴って微小に撓む空気ばねとしても作用するため、エンジン10の振動や路面に起因する振動をエアージャッキ580によっても緩和できる。なお、エアージャッキ580に替えて、油圧式のジャッキを用いても良い。
また、リアサスペンション524は、第1のコイルスプリング561及び第2のコイルスプリング562の動作を減衰する減衰機構560を備え、減衰機構560は、減衰特性を調整可能な減衰特性調整部560aを備える。減衰特性調整部560aは、エアージャッキ580によるスペーサー570の移動の規制状態に同期して調整可能である。これにより、リアサスペンション524のバネレートの変更に合わせて適正な減衰特性を得ることができる。
なお、上記第1〜第5の実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記第1〜第5の実施の形態に限定されるものではない。
上記第1の実施の形態では、コイルスプリング54は、第1のコイルスプリング61及び第2のコイルスプリング62を備えるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図2を参照し、第2のコイルスプリング62とロッド側受け部材55との間に第3のコイルスプリング(不図示)を設け、第2のコイルスプリング62と第3のコイルスプリングとの間に、図11のスペーサー70のような態様で、第2のスペーサーを介装しても良い。この構成では、ロッド側受け部材55に設けられた係合凸部(図11の係合凸部475が相当)で、第2のスペーサーの移動が規制される。このように、スペーサー70に加えて、第2のスペーサーを設けても良い。第2のスペーサーは、スペーサー70の移動が規制されるストロークよりも大きなストロークで移動を規制される。スペーサーは、複数直列に設けられるコイルスプリングの間に少なくとも1つ介装されていれば良い。
また、上記第1の実施の形態では、ストッパー部材として係合凸部75を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図2において、係合凸部75を設けずに、リアサスペンション24が所定のストロークに達するとスペーサー70の下端がシリンダ側受け部材56のフランジ部56bに当接するように構成し、スペーサー70の移動を規制しても良い。この場合、フランジ部56bがストッパー部材である。
また、上記第1の実施の形態では、図4に示すように係合凸部75が第1の係合凹部71aにセットされた状態では、第1のコイルスプリング61が密着長になるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものでなない。例えば、第1のコイルスプリング61が密着長になる前に、係合凸部75がスペーサー70の移動を規制する構成としても良い。この場合、第1のコイルスプリング61の巻き部同士の密着を避けることができる。
また、第5の実施の形態の減衰機構560及び減衰特性調整部560aを、第1〜第4の実施の形態のリアサスペンションに設けた構成としても良い。
さらに、上記実施の形態では車両として自動二輪車1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、前輪または後輪を2つ備えた3輪の鞍乗り型車両、4輪以上を備えた鞍乗り型車両、及び、スクーターなどの鞍乗り型車両に適用可能である。
1 自動二輪車(車両)
3 後輪(車輪)
24,324,424,524 リアサスペンション(車両用サスペンション)
12 スイングアーム(車輪側の部材)
50 シリンダ
51 ピストン
52 ピストンロッド
54a 軸線
60,560 減衰機構
61,561 第1のコイルスプリング
61a 一端
61b 他端
62,362,562 第2のコイルスプリング
64 プリロード調整機構
70,570 スペーサー
71 内側筒部(筒部)
71a 第1の係合凹部
71b 第2の係合凹部
71c 第3の係合凹部
75,475 係合凸部 係合凸部(ストッパー部材)
362c 小ピッチ部
560a 減衰特性調整部
580 エアージャッキ(ストッパー部材)
F 車体フレーム(車体)
K4 合成バネレート
P1 ピッチ
P2 ピッチ
P3 ピッチ

Claims (11)

  1. 車輪(3)側の部材(12)と車体(F)との間で圧縮されるコイルスプリング(61,62,362,561,562)を備える車両用サスペンションにおいて、
    前記コイルスプリング(61,62,362,561,562)は複数設けられるとともに、複数の前記コイルスプリング(61,62,362,561,562)が直列に接続され、
    複数の前記コイルスプリング(61,62,362,561,562)の間には、複数の前記コイルスプリング(61,62,362,561,562)の反力を受けるスペーサー(70,570)が少なくとも1つ介装され、
    前記コイルスプリング(61,62,362,561,562)の圧縮に伴う前記スペーサー(70,570)の移動を所定量に規制するストッパー部材(75,475,580)を備えることを特徴とする車両用サスペンション。
  2. 前記ストッパー部材(75,475)は、1つの前記コイルスプリング(61)の一端(61a)と他端(61b)との間の位置に設けられる係合凸部(75,475)であり、
    前記スペーサー(70)は、前記コイルスプリング(61,62)の圧縮方向に移動して前記係合凸部(75,475)に係合する係合凹部(71a,71b,71c)を備えることを特徴とする請求項1記載の車両用サスペンション。
  3. 前記スペーサー(70)は、前記コイルスプリング(61)の軸線(54a)周りに回転可能な筒部(71)を備え、
    前記係合凹部(71a,71b,71c)は、前記筒部(71)の周方向に複数設けられ、
    複数の前記係合凹部(71a,71b,71c)の深さは互いに異なることを特徴とする請求項2記載の車両用サスペンション。
  4. 前記コイルスプリング(61,62,362,561,562)は、第1のコイルスプリング(61,561)と、前記第1のコイルスプリング(61,561)よりも全長が長い第2のコイルスプリング(62,362,562)とが直列に接続され、
    前記ストッパー部材(75,475,580)は、前記第1のコイルスプリング(61,561)の側に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両用サスペンション。
  5. 前記第1のコイルスプリング(61,561)の巻き部のピッチ(P1)は、前記第2のコイルスプリング(62,362,562)の巻き部のピッチ(P2)よりも小さいことを特徴とする請求項4記載の車両用サスペンション。
  6. 前記第2のコイルスプリング(362)は、巻き部のピッチ(P3)が前記第2のコイルスプリング(362)の他の部分よりも小さい小ピッチ部(362c)を備えることを特徴とする請求項4または5記載の車両用サスペンション。
  7. 複数の前記コイルスプリング(61,62)のバネレートを合成した合成バネレート(K4)は、前記車両用サスペンションのストローク範囲の全域に亘って一定であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の車両用サスペンション。
  8. 前記コイルスプリング(61,62,362,561,562)に付与されるプリロードを調整可能なプリロード調整機構(64)を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の車両用サスペンション。
  9. シリンダ(50)と、前記シリンダ(50)の内部を摺動するピストン(51)を支持するピストンロッド(52)とを備え、前記コイルスプリング(61,62,362)は、前記シリンダ(50)及び前記ピストンロッド(52)の周囲に巻装され、
    前記ストッパー部材(75)は、前記シリンダ(50)の外周側に設けられることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の車両用サスペンション。
  10. 前記コイルスプリング(61,62,362,561,562)の動作を減衰する減衰機構(60,560)を備え、前記減衰機構(60,560)は、減衰特性を調整可能な減衰特性調整部(560a)を備え、
    前記減衰特性調整部(560a)は、前記ストッパー部材(75,475,580)による前記スペーサー(70,570)の移動の規制状態に同期して調整可能であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の車両用サスペンション。
  11. 前記ストッパー部材(580)は、エアージャッキ(580)であることを特徴とする請求項1記載の車両用サスペンション。
JP2017116744A 2017-06-14 2017-06-14 車両用サスペンション Active JP6636479B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017116744A JP6636479B2 (ja) 2017-06-14 2017-06-14 車両用サスペンション

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017116744A JP6636479B2 (ja) 2017-06-14 2017-06-14 車両用サスペンション

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019002459A true JP2019002459A (ja) 2019-01-10
JP6636479B2 JP6636479B2 (ja) 2020-01-29

Family

ID=65005728

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017116744A Active JP6636479B2 (ja) 2017-06-14 2017-06-14 車両用サスペンション

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6636479B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020164030A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 本田技研工業株式会社 鞍乗り型車両
EP3885605A1 (en) * 2020-03-27 2021-09-29 Fox Factory, Inc. Wear sleeve for a shock body

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS466447Y1 (ja) * 1966-11-25 1971-03-06
JPS5477887U (ja) * 1977-11-11 1979-06-02
JPS62115539U (ja) * 1986-01-14 1987-07-22
JP2008044569A (ja) * 2006-08-21 2008-02-28 Yamaha Motor Co Ltd 車両
JP2012207773A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Showa Corp 車両用懸架装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS466447Y1 (ja) * 1966-11-25 1971-03-06
JPS5477887U (ja) * 1977-11-11 1979-06-02
JPS62115539U (ja) * 1986-01-14 1987-07-22
JP2008044569A (ja) * 2006-08-21 2008-02-28 Yamaha Motor Co Ltd 車両
JP2012207773A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Showa Corp 車両用懸架装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020164030A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 本田技研工業株式会社 鞍乗り型車両
EP3885605A1 (en) * 2020-03-27 2021-09-29 Fox Factory, Inc. Wear sleeve for a shock body

Also Published As

Publication number Publication date
JP6636479B2 (ja) 2020-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2043909B1 (en) Bicycle suspension damping system
US20090121448A1 (en) System to control the trim of motorcycles with three or four wheels
CN103707994B (zh) 自行车变速器
US10315483B2 (en) Vehicle damping system and vehicle
CA2956616C (en) Snowmobile
US7052027B2 (en) Steering damper apparatus, and motorcycle including same
JP2019002459A (ja) 車両用サスペンション
JP2002308176A (ja) 自転車用の自動サスペンションロックアウト
CN111133220B (zh) 悬架装置
US11459058B2 (en) Suspension for vehicle
US9126651B2 (en) Bicycle suspension adjustor
JP4417345B2 (ja) 自転車
JP6871707B2 (ja) ショックアブソーバ、車両、雪上車
JP2008247184A (ja) 車両用サスペンション装置
US5577761A (en) Suspension system of vehicle having damping means by rotary damper
JP4786463B2 (ja) 車両
JPH0361856B2 (ja)
JP6826487B2 (ja) フロントフォーク
JP7373519B2 (ja) 車両用サスペンション
US11535336B2 (en) Saddle riding vehicle
JP3874389B2 (ja) エアサスペンション用油圧緩衝器
JP3415937B2 (ja) フロントフォークの車高調整機構
JP6916757B2 (ja) フロントフォーク
WO2021019721A1 (ja) 緩衝器及び鞍乗型車両
JP2021095938A (ja) フロントフォークおよび懸架装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190521

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190717

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6636479

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150