JP2019002194A - 薄型石材パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】薄い石材やタイルを乾式で壁面に取り付けることができる薄型石材パネルを提供する。【解決手段】薄型石材パネルは、正面側が空き背面側に底孔を有する収容部、及び前記収容部の正面側の縁から前記収容部の外部に向かって延設されたフランジを有するインサート金具と、前記収容部の内部に収容され、背面側から前記収容部の底孔を貫通させたボルトを留めるためのナットと、前記フランジより小さく前記収容部が嵌合する嵌込孔を貫通させた下地板と、を有し、前記下地板は、正面側から前記インサート金具が嵌め込まれ、前記フランジの厚さで塗布した接着剤により正面側に仕上材が貼着される、ことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、薄い石材やタイルを乾式で壁面に取り付けるための薄型石材パネルに関する。
建物の外壁には、仕上材又は装飾材として薄い石材やタイル等を貼着することがある。仕上材の貼着方法としては、モルタル等を使用して壁面に仕上材を直接貼り付ける湿式工法と、金具等を介して仕上材を壁面へ間接的に取り付ける乾式工法とがある。湿式工法の場合、職人の技量により品質に差が出る上、乾燥に時間が掛かることから、一定の品質が確保でき、工期も短縮できる乾式工法に移行しつつある。
ただ、非常に薄いシート状の石材に関しては、直接貼り付けたり、目立たないように釘などで留めたりしている。特許文献1に記載されているように、天然石を表面に張り合わせたような自然調の美しい模様面を持った壁面を構成する発明も開示されている。
特開2000−170354号公報
しかしながら、特許文献1に記載の壁面は、外壁として使用するALCパネル等の軽量気泡コンクリートの表面を加工して自然調の美しい凹凸模様にしたものであり、実際に天然石などを使用するものではない。そのため、天然石などを使用した自然調の美しい模様面を持った薄型石材を乾式工法で取り付けたいというニーズも増えている。
そこで、本発明は、薄い石材やタイルを乾式で壁面に取り付けることができる薄型石材パネルを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明である薄型石材パネルは、正面側が空き背面側に底孔を有する収容部、及び前記収容部の正面側の縁から前記収容部の外部に向かって延設されたフランジを有するインサート金具と、前記収容部の内部に収容され、背面側から前記収容部の底孔を貫通させたボルトを留めるためのナットと、前記フランジより小さく前記収容部が嵌合する嵌込孔を貫通させた下地板と、を有し、前記下地板は、正面側から前記インサート金具が嵌め込まれ、前記フランジの厚さで塗布した接着剤により正面側に仕上材が貼着される、ことを特徴とする。
また、前記薄型石材パネルにおいて、前記フランジは、前記嵌込孔の深さが浅いほど大きく設けられる、ことを特徴とする。
また、前記薄型石材パネルにおいて、前記下地板は、正面側からメッシュ材を挟むように前記インサート金具が嵌め込まれ、前記メッシュ材を介して前記フランジの厚さで塗布した接着剤により正面側に仕上材が貼着される、ことを特徴とする。
また、前記薄型石材パネルにおいて、前記ナットは、螺合された前記ボルトが緩まない構造を有する、ことを特徴とする。
本発明によれば、薄い石材やタイルをパネル状にすることにより、乾式で壁面に取り付けることができる。天然石などを使用した自然調の美しい模様面を持った仕上材を用いて、容易に一定の品質のものを短期間で施工することができる。
本発明である薄型石材パネルを取り付けた外壁を側面から見た縦断面図である。 本発明である薄型石材パネルを側面から見た縦断面図である。 本発明である薄型石材パネルを分解した状態を示す縦断面図である。 本発明である薄型石材パネルで使用するインサート金具の正面図である。 本発明である薄型石材パネルの耐久性について説明する縦断面図である。 本発明である薄型石材パネルの強度を向上させた例を示す縦断面図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
まず、本発明である薄型石材パネルの構造について説明する。図1は、薄型石材パネルを取り付けた外壁を側面から見た縦断面図である。図2は、薄型石材パネルを側面から見た縦断面図である。図3は、薄型石材パネルを分解した状態を示す縦断面図である。図4は、薄型石材パネルで使用するインサート金具の正面図である。なお、縦断面図において、図の左側が正面側(前側、表側)であり、図の右側が背面側(後側、裏側)である。
図1に示すように、本実施例における外壁100は、建物等の外側に面した壁面110に対して、薄い石材やタイルを所定の大きさのパネル状にした薄型石材パネル200を乾式工法により取り付けたものである。壁面110に薄型石材パネル200をモルタル等で直接貼り付けるのではなく、アンカーやネジ等を含む取付金具120を介して間接的に取り付ければ良い。
壁面110は、RC造(鉄筋コンクリート構造)のものでも良いし、ALC(高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート)パネルやECP(押出成形セメント板)パネルを並べ繋げたもの等、壁状に形成されたものであれば良い。
取付金具120の例としては、壁面110に対して固定する後片と、薄型石材パネル200に対して固定する前片と、後片と前片とを繋ぐ連結片とからなる構造とし、連結片により壁面110と薄型石材パネル200の間に間隙140を確保する。なお、間隙140には部分的に弾性接着剤などを注入して、壁面110と取付金具120と薄型石材パネル200とをそれぞれ固着させても良い。
取付金具120を使用する場合は、後片を壁面110にネジ留めし、前片を薄型石材パネル200のインサート金具300に小ネジやボルト130等を使用してネジ留めすれば良い。また、壁面110からアンカーボルトを表側に向かって延ばし、インサート金具300に螺合させるようにしても良い。
図2に示すように、薄型石材パネル200は、下地板210にインサート金具300を埋め込んだ上で、薄い石材やタイルなどを仕上材220として、下地板210の表面に接着剤230等を使用して貼り付けたものである。
下地板210は、取付金具120に薄い仕上材220を直接固定することは困難であるため、取付金具120に固定するためのインサート金具300を埋設するとともに、仕上材220を取り付けるための基板として使用する。下地板210としては、耐食性及び耐熱性に優れたマグネシアセメント板などを使用すれば良い。
図3に示すように、インサート金具300は、横向きの円筒状の容器で内部にナット310を収容可能な収容部330、及び収容部330の側周面における前端の縁から外方に向かって直角に折れ曲がるように延設されたフランジ320等を有する。なお、収容部330は、前面(正面側)が空いた状態であり、後面(背面側)に底があるが、中央にボルト130が貫通可能な径を有する底孔340が空く。
下地板210には、任意の位置に嵌込孔240が空けられる。嵌込孔240は、インサート金具300の収容部330の周径に合わせて貫通させれば良い。また、取付金具120が配置される場所に合わせて空ければ良い。なお、嵌込孔240は、インサート金具300のフランジ320まで貫通しないように、フランジ320よりも小さい径にする。フランジ320によりインサート金具300が背面側に抜けることを防止する。
下地板210の嵌込孔240に、前側からインサート金具300の収容部330を嵌合させると、下地板210の背面と収容部330の底面とが連になり、下地板210の表面とフランジ320とが接する。なお、下地板210の背面に対し、収容部330の底面が凹んだり、突出したりしても、取付金具120と接続できれば問題はない。
図4に示すように、フランジ320に複数の留穴350を空けておき、留穴350から下地板210にネジ等の留具で固定しても良い。下地板210に埋設された収容部330には、前側からナット310を収容しておく。収容部330は、ナット310が収容される径以上の大きさであれば良いが、ナット310は着脱及び回転可能に収容しても良いし、ナット310が回転しないように保持しても良い。
ナット310は、インサート金具300と取付金具120にボルト130を通して締結することにより、インサート金具300を取付金具120に固着させるために使用する。ボルト130は、インサート金具300の底孔340と螺合させても良いし、単に底孔340を貫通するだけでも良い。ナット310は、六角ナット等を使用すれば良いが、ボルト130を螺合させたときに、締付けが緩まない構造を有する緩み止めナットを用いても良い。
インサート金具300を装着した下地板210の前面に接着剤230を用いて仕上材220が貼着されるが、インサート金具300のフランジ320の厚さで下地板210に接着剤230を塗布すれば、フランジ320の位置で盛り上がることもない。なお、フランジ320が厚い場合は、下地板210にフランジ320が収まるように溝などを設けても良い。
仕上材220は、表面はデザインを重視した状態で良いが、裏面は下地板210に貼着しやすい状態にする。なお、壁面110に直接貼り付けることが難しい仕上材220でも、薄型石材パネル200にすることで容易に取り付けることが可能となる。
図5は、薄型石材パネルの耐久性について説明する縦断面図である。図5に示すように、薄型石材パネル200は、インサート金具300が壁面110から出たボルト130に固着されているので、外側(壁面110と反対側)へ引っ張るような荷重250が掛かると、仕上材220が剥がれ、破壊部260を残して下地板210が崩れる可能性がある。
下地板210において、破壊部260をインサート金具300のフランジ320の先端から斜め45度外方へ拡がる範囲の内側としたとき、破壊部260が大きくなるほど下地板210の耐久性は向上する。下地板210が厚いほど破壊部260も大きくなり、また、フランジ320が大きく(広く)なるほど破壊部260も大きくなる。すなわち、下地板210が薄く、嵌込孔240の深さが浅いほど、フランジ320を大きくすれば良い。なお、フランジ320が下地板210の内部に埋設されるような場合も同様である。
図6は、薄型石材パネルの強度を向上させた例を示す縦断面図である。図6に示すように、網状のメッシュ材270を用いて薄型石材パネル200の強度を向上させても良い。下地板210の表面に、インサート金具300のフランジ320と挟まるようにメッシュ材270を設ける。その上で接着材230を用いて仕上材220を貼着すれば、接着材230がメッシュ材270に絡むことで、接着力も向上する。
このように、薄い石材やタイルをパネル状にすることにより、乾式で壁面に取り付けることができる。天然石などを使用した自然調の美しい模様面を持った仕上材を用いて、容易に一定の品質のものを短期間で施工することができる。
以上、本発明の実施例を述べたが、これらに限定されるものではない。
100:外壁
110:壁面
120:取付金具
130:ボルト
140:間隙
200:薄型石材パネル
210:下地板
220:仕上材
230:接着剤
240:嵌込孔
250:荷重
260:破壊部
270:メッシュ材
300:インサート金具
310:ナット
320:フランジ
330:収容部
340:底孔
350:留穴

Claims (4)

  1. 正面側が空き背面側に底孔を有する収容部、及び前記収容部の正面側の縁から前記収容部の外部に向かって延設されたフランジを有するインサート金具と、
    前記収容部の内部に収容され、背面側から前記収容部の底孔を貫通させたボルトを留めるためのナットと、
    前記フランジより小さく前記収容部が嵌合する嵌込孔を貫通させた下地板と、を有し、
    前記下地板は、正面側から前記インサート金具が嵌め込まれ、前記フランジの厚さで塗布した接着剤により正面側に仕上材が貼着される、
    ことを特徴とする薄型石材パネル。
  2. 前記フランジは、前記嵌込孔の深さが浅いほど大きく設けられる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の薄型石材パネル。
  3. 前記下地板は、正面側からメッシュ材を挟むように前記インサート金具が嵌め込まれ、前記メッシュ材を介して前記フランジの厚さで塗布した接着剤により正面側に仕上材が貼着される、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の薄型石材パネル。
  4. 前記ナットは、螺合された前記ボルトが緩まない構造を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の薄型石材パネル。
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