JP2019001929A - ペンタフルオロプロパンと水とを含む共沸又は共沸様組成物、並びにペンタフルオロプロパンの製造方法 - Google Patents

ペンタフルオロプロパンと水とを含む共沸又は共沸様組成物、並びにペンタフルオロプロパンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ペンタフルオロプロパンに含まれる水分を効率よく除去できる方法を提供する。【解決手段】(1)ペンタフルオロプロパン及び水を含む組成物を蒸留することにより、該組成物より水分濃度の高いペンタフルオロプロパンを第1ストリームとして、該組成物より水分濃度の低いペンタフルオロプロパンを第2ストリームとして、それぞれ抜き出す工程を含む、水分含量の低減されたペンタフルオロプロパンの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、ペンタフルオロプロパンと水とを含む共沸又は共沸様組成物、及び該組成物の性質を利用する水分含量の低減されたペンタフルオロプロパンの製造方法に関する。
1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(HFC−125)及びジフルオロメタン(HFC−32)等の代替冷媒は、オゾン層を破壊するCFC及びHCFC等に替わる重要な物質として広く用いられている。しかしながら、これらは強力な温暖化物質であり、その拡散によって地球温暖化に影響を及ぼすことが懸念されている。その対策として使用後の回収が行われているが、すべてを回収できるわけではなく、漏洩などによる拡散も無視できない。COや炭化水素系物質による代替も検討されているが、CO冷媒は効率が悪く、機器が大きくなることから消費エネルギーを含めた総合的な温暖化ガス排出量の削減には課題が多い。また、炭化水素系物質はその燃焼性の高さから安全性の面で問題がある。
1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(HFC−245cb)、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245eb)及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)に代表されるペンタフルオロプロパンは、上記課題を解決する冷媒として期待されると同時に、同様に環境面で好ましい洗浄剤、発泡剤、推進剤、熱移動媒体及び消火剤等としての応用も期待されている。さらに、これらペンタフルオロプロパンの一部は温暖化係数の低いオレフィンのHFCである2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf、CFCF=CH)や1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze、CFCH=CHF)を製造するための中間体としての利用が注目されている。
ペンタフルオロプロパンの製造においては、対応する塩化物原料、例えば1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパン(HCC−240db)、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(HCC−240fa)、1,1,2,3−テトラクロロプロペン(HCO−1230xa)などをHFで気相、もしくは液相プロセスにより、1段から3段程度のステップでフッ素化することにより得ることができる。これらの方法では、副生成物としてHClを生成する他、原料となる塩化物やHFの転化率を100%とすることは困難であるため、それらを反応工程にリサイクルする必要がある。ペンタフルオロプロパンからの脱HF反応を行うにあたっては、生成したHFは新たな脱HF反応を阻害するため、除去する必要があり、その方法としては水洗や蒸留などの方法を取りうる。ペンタフルオロプロパンとHFの混合ガスからHFを取り除く方法として最も簡便な方法は、水によりHFを吸収する方法である。しかしながら、この方法では、処理後のペンタフルオロプロパンには、蒸気ミストや、蒸気圧分の水が必ず混入する。
その他にも、原料中に含まれる水分や、触媒から発生する水分、設備内に残留する水分など、さまざまな由来の水分がペンタフルオロプロパンにしばしば混入する。
ペンタフルオロプロパンに含まれる水分は、それ自身の安定性や装置の腐食性、冷媒としての能力などに影響を及ぼすため、品質管理上も重要なファクターの一つであり、水分を除去する方法は特に重要な技術である。
従来は、モレキュラーシーブなどの吸着剤を用いて脱水する方法が一般的であり、例えば、下記特許文献1には、HFC−245faの乾燥に適用可能なゼオライトについて開示されている。しかしながら、この方法では、一般的に水分濃度が比較的低いガスを高速で処理する必要があるため大きな脱水塔が必要である。しかも、定期的に吸着剤を再生、交換する必要があり、交換の際には多量の産業廃棄物が発生するという問題もある。
特開2011−83726号公報
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、ペンタフルオロプロパンに含まれる水分を効率よく除去できる方法を提供することである。
本発明者らは、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、ペンタフルオロプロパンと水とが最低共沸組成物(液相が2液相を形成する場合は、異相共沸組成物という)を形成するという従来知られていない現象を見出した。そして、この性質を利用することで、ペンタフルオロプロパン中に含まれる水を効率的に除去できることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の共沸又は共沸様組成物、及び水分の除去されたペンタフルオロプロパンを提供するものである。
項1.
1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(HFC−245cb)及び水を含む、共沸又は共沸様組成物。
項2.
1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245eb)及び水を含む、共沸又は共沸様組成物。
項3.
HFC−245cb及び水を組成物全体に対して90〜100質量%含む、項1に記載の共沸又は共沸様組成物。
項4.
HFC−245eb及び水を組成物全体に対して90〜100質量%含む、項1に記載の共沸又は共沸様組成物。
項5.
(1)ペンタフルオロプロパン及び水を含む出発組成物を蒸留することにより、
出発組成物より水分含量の高い、ペンタフルオロプロパンを含む組成物を第1ストリームとして、
出発組成物より水分含量の低い、ペンタフルオロプロパンを含む組成物を第2ストリームとして、それぞれ抜き出す工程
を含む、出発組成物よりも水分含量の低減された、ペンタフルオロプロパンを含む組成物の製造方法。
項6.
大気圧〜2MPaの圧力範囲で前記蒸留を行う、項5に記載の方法。
項7.
さらに、
(2)工程(1)で得られた第1ストリームの組成物を冷却して、水をより多く含む相Aと、ペンタフルオロプロパンをより多く含む相Bとに液液分離する工程
を含む、項5又は6に記載の製造方法。
項8.
さらに、
(3)工程(2)で分離された相Bを、ペンタフルオロプロパン及び水を含む組成物として、工程(1)に供する工程
を含む、項7に記載の方法。
項9.
前記ペンタフルオロプロパンが、HFC−245cb、HFC−245eb及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)からなる群より選択される少なくとも一種のペンタフルオロプロパンである、項5〜8のいずれか一項に記載の方法。
本発明方法によれば、各種の合成方法で得られた水を含むペンタフルオロプロパンについて、ペンタフルオロプロパンと水の共沸現象を利用した蒸留操作を行い、さらに、必要に応じて液液分離を行うによって、効率よく水分を除去することができる。
実施例1及び2の操作の概要を示すフロー図である。
以下、本発明の共沸又は共沸様組成物及び水分の除去されたペンタフルオロプロパンの製造方法について具体的に説明する。
本明細書において、用語「共沸組成物」は、混合液体と平衡にある蒸気が混合液体と同一の組成を示す組成物を意味する。具体的には、液相が均一相である場合、沸点曲線と露点曲線の圧力差がない組成物を指す(沸点曲線の圧力を基準とする)。なお、液相が2液相を形成する異相共沸組成物においては、2液相領域では一定の気相組成を示すため、凝縮した液は共沸組成物であるといえる。本明細書における用語「共沸組成物」には、異相共沸組成物も含まれる。
本明細書において、用語「共沸様組成物」は、混合液体と平衡にある蒸気が混合液体と類似の組成を示す組成物を意味する。
本明細書において、「濃縮」および「除去」なる用語は、相対する概念を意味するものとして使用している。即ち、混合物においてある成分を濃縮することは、その成分以外の他の成分を除去することになる。
1.共沸又は共沸様組成物
本発明の共沸又は共沸様組成物は、HFC−245cb又はHFC−245ebと、水とを少なくとも含み、HFC−245cb又はHFC−245ebと、水とのみからなるものであってもよいし、さらに他の追加的化合物を含むものであってもよい。
本発明者らの検討によれば、HFC−245cb又はHFC−245ebと、水との混合物の蒸留を行う際に、蒸留塔の塔頂に向かって水分が濃縮され、一定の水分濃度に達するとこれ以上濃度が上昇しない現象が見出された。
本発明の共沸様組成物は、好ましくは、液相が均一相である場合、沸点曲線と露点曲線の圧力差が5%以内の組成物である(沸点曲線の圧力を基準とする)。
追加的化合物は限定されず、例えば、飽和又は不飽和のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。飽和又は不飽和のハロゲン化炭化水素としては、フッ化炭化水素及び塩化炭化水素が好ましく、中でも炭素数1〜3のフッ化炭化水素及び塩化炭化水素がより好ましい。
追加的化合物の具体例として、以下の化合物群が挙げられる。本発明の共沸又は共沸様組成物は、これらの一種を単独で含んでいてもよいし、複数種を含んでいてもよい(追加的化合物として、HFC−245cb又はHFC−245ebは、それら自身が必須成分ではない場合に、本発明の共沸又は共沸様組成物に含まれうる)。
CFCF=CH(2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、HFO−1234yf)
CFCH=CHF(1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、HFO−1234ze)
CFCHFCH(1,1,1,2,3−テトラフルオロプロパン、HFC−254eb)
CFCH=CH(3,3,3−トリフルオロプロペン、HFO−1243zf)
CFCHFCHF(1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、HFC−245eb)
CFCHCHF(1,1、1,3,3−ペンタフルオロプロパン、HFC−245fa)
CFCFCH(1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、HFC−245cb)
CFCHFCHF(1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、HCFC−236ea)
CFCHCF(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、HFC−236fa)
CFCF=CHF(1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、HFO−1225ye)
CFCCH(3,3,3−トリフルオロプロピン)
CHF(フルオロメタン、HFC−23)
CH(ジフルオロメタン、HFC−32)
CFCHF(ペンタフルオロプロペン、HFC−125)
CFCHF(テトラフルオロエタン、HFC−134a)
CFCH(トリフルオロプロペン、HCFO−1243zf)
CFCF=CF(ヘキサフルオロプロペン、FC−1216)
CHCl(トリクロロメタン)
例えば、HFC−245cb又はHFC−245ebの脱HF反応によりHFO−1234yfを得る反応の生成物から水洗によりHFを除去し、蒸留することにより、本発明の共沸又は共沸様組成物が得られる。この例においては、この共沸又は共沸様組成物に含まれる、HFO−1234zeが追加的化合物となり得る。
追加的化合物の合計の、組成物全体に対する含有割合は、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である。追加的化合物は、通常、合計で、0.1質量%以上含まれており、好ましくは、0.01質量%以上含まれており、より好ましくは、0.001質量%以上含まれている。
ある好ましい態様において、本発明の共沸又は共沸様組成物は、HFC−245cb及び水のみからなる二成分系の、共沸又は共沸様組成物と、その他の追加的化合物とのみからなる。この態様において、追加的化合物の合計の、組成物全体に対する含有割合は、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下である。追加的化合物の合計の含有割合が上記範囲内に抑えられていることにより、本発明の共沸又は共沸様組成物は、全体として共沸又は共沸様組成物としての特性を示す。
共沸組成物において、共沸組成は温度及び圧力によって一定の値を示し、それらが変われば共沸組成も変わりうる。例えば、HFC−245cb及び水のみからなる組成物は、圧力0.57MPa、温度32℃においては、HFC−245cb 99.12質量%及び水 0.88質量%のみからなる組成が共沸組成となる。また、HFC−245eb及び水のみからなる組成物は、圧力0.129MPa、温度25℃においては、HFC−245eb 75.5質量%及び水 24.5質量%のみからなる組成が共沸組成となる。また、その周辺の組成では、実質的に共沸組成物と同様の取扱ができる(すなわち、共沸様組成物である)。
HFC−245cb及び水のみからなる二成分系の、共沸又は共沸様組成物は、二成分系組成物の全体に対して、2〜99.995質量%、又は96〜99.995質量%のHFC−245cbを含むことがより好ましい。この範囲内においては、大気圧(0.1013MPa)〜2MPaの圧力範囲で、組成物が共沸(異相共沸を含む)となるか、あるいは液相が均一相である場合、沸点曲線と露点曲線の圧力差が5%以内、すなわち共沸様となる(沸点曲線の圧力を基準とする)。また、二成分系の、共沸又は共沸様組成物は、二成分系組成物の全体に対して、95〜100質量%、又は99〜100質量%のHFC−245cbを含むことがさらに好ましい。この範囲内においては、大気圧(0.1013MPa)〜2MPaの圧力範囲で、組成物が共沸(異相共沸を含む)となるか、あるいは液相が均一相である場合、沸点曲線と露点曲線の圧力差が5%以内、すなわちより共沸様となる(沸点曲線の圧力を基準とする)。
HFC−245eb及び水のみからなる二成分系の、共沸又は共沸様組成物は、二成分系組成物の全体に対して、10〜99.995質量%、又は98〜99.995質量%のHFC−245ebを含むことがより好ましい。この範囲内においては、大気圧(0.1013MPa)〜2MPaの圧力範囲で、組成物が共沸(異相共沸を含む)となるか、あるいは液相が均一相である場合、沸点曲線と露点曲線の圧力差が5%以内、すなわち共沸様となる(沸点曲線の圧力を基準とする)。また、二成分系の、共沸又は共沸様組成物は、二成分系組成物の全体に対して、95〜100質量%、又は99〜100質量%のHFC−245ebを含むことがさらに好ましい。この範囲内においては、大気圧(0.1013MPa)〜2MPaの圧力範囲で、組成物が共沸(異相共沸を含む)となるか、あるいは液相が均一相である場合、沸点曲線と露点曲線の圧力差が5%以内、すなわちより共沸様となる(沸点曲線の圧力を基準とする)。
なお、蒸留は大気圧(0.1013MPa)〜2MPaの圧力範囲で行うことが好ましい。大気圧以上であれば、還流温度が低くなり塔内で分液する可能性を低減できるため好ましい。また、2MPa以下であれば、運転温度が高くなり、加熱量が多くなるため非効率となる可能性を低減できるため好ましい。
2.水分含量の低減されたペンタフルオロプロパンの製造方法
本発明の水分含量の低減されたペンタフルオロプロパンの製造方法は、
(1)ペンタフルオロプロパン及び水を含む組成物を蒸留することにより、
該組成物より水分含量の高い、ペンタフルオロプロパンを含む組成物を第1ストリームとして、
該組成物より水分含量の低い、ペンタフルオロプロパンを含む組成物を第2ストリームとして、それぞれ抜き出す工程
を含む。
ペンタフルオロプロパンは、HFC−245cb、HFC−245eb及びHFC−245faからなる群より選択される少なくとも一種のペンタフルオロプロパンであれば好ましい。ペンタフルオロプロパン及び水を含む組成物は、ペンタフルオロプロパンとして、これらのうちの一種を単独で含んでいてもよいし、複数種を含んでいてもよい。
ペンタフルオロプロパン及び水を含む組成物は、好ましくは、ペンタフルオロプロパンとして、いずれか一種の含有割合が、その他のペンタフルオロプロパンの含有割合よりも高くなるように含む。この場合において、ペンタフルオロプロパン及び水を含む組成物は、その他のペンタフルオロプロパンの組成物全体に対する合計含有割合が、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは2質量%以下である。他のペンタフルオロプロパンの含有割合よりも含有割合が高くなるように含まれる、上記一種のペンタフルオロプロパンは好ましくはHFC−245cbである。
ペンタフルオロプロパン及び水を含む組成物は、上記1.で説明した追加的化合物を、さらに含有していてもよい。この場合において、ペンタフルオロプロパン及び水を含む組成物が、ペンタフルオロプロパンとして、いずれか一種の含有割合が、その他のペンタフルオロプロパンの含有割合よりも高くなるように含むとき、追加的化合物と、その他の上記ペンタフルオロプロパンとの合計含有割合が、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である。
蒸留の圧力は、特に限定されず、幅広く設定することができる。一例として、大気圧(0.1013MPa)〜2MPa程度とすることができる。蒸留の圧力を0.4MPa〜2MPaの範囲内とすることにより、圧力が低すぎて還流温度が低くなり塔内で分液する可能性を低減できるため好ましい。
この蒸留操作によって、水分含量が上記した共沸組成を下回るペンタフルオロプロパンと水とを含む組成物を蒸留することにより、水分が濃縮された、ペンタフルオロプロパンを含む組成物、即ち、蒸留塔に供給された組成物より水分含量が高い、ペンタフルオロプロパンを含む組成物が、蒸留塔の塔頂部から得られる(第1ストリーム)。
工程(1)において、塔頂部から得られる、水分の濃縮された、ペンタフルオロプロパンを含む組成物(第1ストリーム)を、モレキュラーシーブ等の吸着剤を用いて乾燥すれば、従来の乾燥方法に比べて乾燥に必要な乾燥塔を小さくすることができる。
工程(1)において、塔底部から得られる、水分含量の低減された、ペンタフルオロプロパンを含む組成物(第2ストリーム)についても、モレキュラーシーブ等の吸着剤を用いて乾燥することができる。
なお、ペンタフルオロプロパン及び水を含む組成物を蒸留する際においては、追加的化合物をペンタフルオロプロパンと一緒に抜き出して、別の蒸留塔で追加的化合物を分離することもできる。
本発明の製造方法は、必要に応じて、さらに以下の工程(2)を含んでいてもよい。
(2)工程(1)で得られた第1ストリームの組成物を冷却して水をより多く含む相Aと、ペンタフルオロプロパンをより多く含む相Bとに液液分離する工程
このように、塔頂部から得られたペンタフルオロプロパンを含む組成物(第1ストリーム)について、デカンタ等を用いて冷却して、水をより多く含む相Aと、ペンタフルオロプロパンをより多く含む相Bに液液分離することにより、効率的に水分の分離を行うことができる。
デカンタにおいては、蒸留塔から抜き出したペンタフルオロプロパンを含む組成物よりも低い温度に冷却して液液分離を行えばよい。温度は分液した水が凍らない範囲で幅広く選択することができ、例えば、5〜50℃とすることができる。
上記した蒸留操作と液液分離を連続した操作として行うことによって、効率良く水分を分離することができる。
上記方法で分離された水を多く含む相Aは廃棄することもできる。また、ペンタフルオロプロパンを多く含む相Bについては、精留塔に戻して再度精留することもできるし、これのみモレキュラーシーブで乾燥すれば、乾燥に必要な乾燥塔を大幅に小さくすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
表1に0.57MPaにおけるHFC−245cbと水の相平衡のデータを示す。
Figure 2019001929
表1に示される通り、245cbが5%と99%との間の割合となる組成において、2相となっていることが分かる。
表2に入口水分濃度200ppmの水を含むHFC−245cbを理論段20段の蒸留塔を用いて蒸留した結果を示す。蒸留塔の概略図は図1に示す。圧力は0.57MPa、塔頂温度32℃、塔底温度35℃である。図1中、F11は供給されたガス、S11〜14はそれぞれのストリームを示す。
Figure 2019001929
運転圧力;0.47MPaG
トップ温度:32℃
ボトム温度:35℃
実施例2
表3に25℃におけるHFC−245ebと水の相平衡のデータを示す。
Figure 2019001929
各純物質よりも245ebと水との組成物の蒸気圧のほうが上昇していることから、これらの組成物が共沸していることが分かる。少なくとも245ebが10%と90%との間の割合となる組成は異相共沸となっているといえる。
1 精留塔
2 リボイラー
3 コンデンサー
4 デカンタ

Claims (9)

  1. 1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(HFC−245cb)及び水を含む、共沸又は共沸様組成物。
  2. 1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245eb)及び水を含む、共沸又は共沸様組成物。
  3. HFC−245cb及び水を組成物全体に対して90〜100質量%含む、請求項1に記載の共沸又は共沸様組成物。
  4. HFC−245eb及び水を組成物全体に対して90〜100質量%含む、請求項1に記載の共沸又は共沸様組成物。
  5. (1)ペンタフルオロプロパン及び水を含む出発組成物を蒸留することにより、
    出発組成物より水分含量の高い、ペンタフルオロプロパンを含む組成物を第1ストリームとして、
    出発組成物より水分含量の低い、ペンタフルオロプロパンを含む組成物を第2ストリームとして、それぞれ抜き出す工程
    を含む、出発組成物よりも水分含量の低減された、ペンタフルオロプロパンを含む組成物の製造方法。
  6. 大気圧〜2MPaの圧力範囲で前記蒸留を行う、請求項5に記載の方法。
  7. さらに、
    (2)工程(1)で得られた第1ストリームの組成物を冷却して、水をより多く含む相Aと、ペンタフルオロプロパンをより多く含む相Bとに液液分離する工程
    を含む、請求項5又は6に記載の製造方法。
  8. さらに、
    (3)工程(2)で分離された相Bを、ペンタフルオロプロパン及び水を含む組成物として、工程(1)に供する工程
    を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記ペンタフルオロプロパンが、HFC−245cb、HFC−245eb及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)からなる群より選択される少なくとも一種のペンタフルオロプロパンである、請求項5〜8のいずれか一項に記載の方法。
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