JP2019001859A - 高分子膜表面の改質方法 - Google Patents

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俊 山下
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Abstract

【課題】UV照射による水に対する濡れ性の変化が大きく、パターニング用基板や、液晶配向膜の製造方法に利用可能な、高分子膜表面の改質方法を提供する。【解決手段】紫外線により酸化分解する官能基を有する高分子膜を作製し、前記高分子膜に230〜400nmの紫外線を250mJ/cm2以上照射する、高分子膜表面の改質方法。前記紫外線照射量に対する、前記高分子膜表面の水の接触角の減少量の比が0.0095°/(mJ/cm2)以上であることが好ましい。前記官能基はフッ素原子または硫黄原子を含むものであってもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、高分子膜表面の改質方法に関する。
ポリイミド樹脂等の、物理的・化学的に優れた特性を示すエンジニアリングプラスチックが、その優れた特性のため、液晶配向膜、フレキシブル配線板、電線被覆材料、絶縁接着シート等、エレクトロニクス分野で広く応用されている(特許文献1、2等)。
特開2008−308579号公報 特開2011−256403号公報
汎用的に用いられるポリイミドは、例えば基板上に塗布した場合、その性質は一様である。これに対し、光により樹脂フィルムの表面状態を調整できると、パターニング用基板、液晶配向膜、絶縁接着テープなどの分野の応用例が広がる可能性がある。しかし、従来使用されているポリイミドではUV照射による水に対する濡れ性の変化は小さく実用に耐えるものではなかった。
本発明が解決しようとする課題は、UV照射による水に対する濡れ性の変化が大きく、パターニング用基板や、液晶配向膜の製造方法に利用可能な、高分子膜表面の改質方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、紫外線により分解する官能基が導入された高分子膜では、濡れの変化が大きくできることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の手段を提供する。
〔1〕紫外線により分解する官能基を有する高分子膜を作製し、前記高分子膜に200〜500nmの紫外線を、250mJ/cm以上照射する、高分子膜表面の改質方法。
〔2〕前記紫外線照射量に対する、前記高分子膜表面の水の接触角の減少量の比が0.0095°/(mJ/cm)以上である、前記〔1〕に記載の高分子膜表面の改質方法。
〔3〕前記官能基がフッ素原子または硫黄原子を含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の高分子膜表面の改質方法。
〔4〕前記官能基が少なくとも一のフルオロアルキル基を有する、前記〔3〕に記載の高分子膜表面の改質方法。
〔5〕前記官能基が少なくとも一のトリフルオロメチル基を有する、前記〔4〕に記載の高分子膜表面の改質方法。
〔6〕前記トリフルオロメチル基が主鎖構造の炭素と直接結合している前記〔5〕に記載の高分子膜表面の改質方法。
〔7〕前記トリフルオロメチル基が側鎖構造と結合している前記〔5〕に記載の高分子膜表面の改質方法。
〔8〕前記官能基における硫黄原子がチオエーテル結合である、前記〔3〕に記載の高分子膜表面の改質方法。
〔9〕前記官能基におけるチオエーテル結合が高分子主鎖に存在する、前記〔8〕に記載の高分子膜表面の改質方法。
〔10〕前記官能基におけるチオエーテル結合が高分子側鎖に存在する、前記〔8〕に記載の高分子膜表面の改質方法。
〔11〕前記高分子膜を構成する高分子の一種類以上の繰り返し単位中に前記官能基を含む、前記〔3〕〜〔10〕のいずれか一項に記載の高分子膜表面の改質方法。
〔12〕前記高分子膜を構成する高分子化合物が、前記官能基を有する、ポリエチレン類 、ポリプロピレン類 、ポリブタジエン類、ポリクロロプレン類、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリビニルアルコール類 、ポリ酢酸ビニル類 、ポリエチレンテレフタレート類、ポリアミド類、ポリイミド類 、ポリ乳酸類 、ポリアクリロニトリル類、ポリスチレン類 、ポリメタクリル酸メチル類 、ポリヒドロキシエチルメタクリレート類、ポリカーボネート類、ポリ塩化ビニル類、ポリ塩化ビニリデン類、ポリフッ化ビニリデン類、ポリテトラフルオロエチレン類、ポリビニルブチラール類 、ポリイソプレン類、ポリウレタン類、ポリ-p-フェニレンベンゾビスオキサゾール類、ポリベンゾイミダゾール類、シリコーン類、セルロース類、セルロースアセテート類 、アミロース類 、ABS類、ポリアクリル酸類、ポリアセタール類、ポリカーカーボネート類、ポリフェニレンエーテル類、ポリブチレンテレフタラート類、ポリアリレート類、ポリサルフォン類、ポリフェニレンサルファイド類、ポリエーテルケトン類、フッ素樹脂類、ポリベンゾオキサゾール類、ポリビニレンサルファイド類、ポリ塩化エチレン類、ポリフッ化エチレン類、エポキシ樹脂類、又はアクリル樹脂類を含む、前記〔1〕〜〔11〕のいずれか一項に記載の高分子膜表面の改質方法。
〔13〕前記〔1〕〜前記〔12〕のいずれか一項に記載の高分子膜表面の改質方法を利用する基板の製造方法。
〔14〕前記〔1〕〜前記〔12〕のいずれか一項に記載の高分子膜表面の改質方法を利用する液晶配向膜の製造方法。
本発明によれば、UV照射による水に対する濡れ性の変化が大きく、パターニング用基板や、液晶配向膜の製造方法に利用可能な、高分子膜表面の改質方法が提供される。
PI(BTDA/SDA)フィルムにUV光を照射した前後のXPS測定結果を表すグラフである。 PI(BTDA/6FAP)フィルムにUV光を照射した前後のXPS測定結果を表すグラフである。
本発明の高分子膜表面の改質方法は、紫外線により分解する官能基を有する高分子膜を作製し、前記高分子膜に200〜500nmの紫外線を、250mJ/cm以上照射することを特徴とする。前記高分子膜に好ましくは220〜450nmの紫外線を、より好ましくは240〜400nmの紫外線を、特に好ましくは254〜365nmの紫外線を照射することができ、好ましくは250mJ/cm〜250J/cm、より好ましくは500mJ/cm〜50J/cm、特に好ましくは1000mJ/cm〜50J/cm照射することができる。高分子膜は紫外線により酸化分解する官能基を有するので、高分子膜表面を、水の接触角が減少し、改質することができる。
本発明の高分子膜表面の改質方法において、前記紫外線照射量に対する、前記高分子膜表面の水の接触角の減少量の比は0.0095°/(mJ/cm)以上とすることができ、0.010°/(mJ/cm)以上とすることができ、0.10°/(mJ/cm)以上とすることができる。
高分子膜表面の濡れ性の改質においては、少ない紫外線照射量で大きく変化させることが、産業上の利用において、製造時間の短縮の観点から好適である。
本発明の高分子膜表面の改質方法において、前記官能基が下記式(4−1)〜(4−5)及び(5−1)〜(5−6)からなる群から選ばれる少なくとも一で表される4価の官能基であってよく、下記式(8−1)〜(8−13)及び(9−1)〜(9−19)からなる群から選ばれる少なくとも一で表される2価の官能基であってよい。*は結合手を示す(以下本明細書において同じ)。
Figure 2019001859
Figure 2019001859
Figure 2019001859
Figure 2019001859
Figure 2019001859
また、(4−1)から(4−6)、(8−1)から(8−13)の構造中のベンゼン環上の水素は下記構造(G)によって置換されていても良い。
Figure 2019001859
Aは、それぞれ独立にトランス−1,4−シクロヘキシレン基、トランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、1,4−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、2,5−チオフェニレン基、2,5−フラニレン基又は1,4−フェニレン基を表し、これらは無置換であるか又は一個以上の水素原子がフッ素原子、炭素原子数1〜20の直鎖若しくは分岐のアルキル基(当該アルキル基中の非隣接の1つ以上の−CH−は独立して−O−、―COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CFO−、−OCF−、−CFCF−、−C≡C−、−CO−、−S−、−Si(CH−O−Si(CH−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−又は−O−CO−O−(式中、R’は独立して水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)で置き換わっていてもよく、さらに前記炭素原子数1〜20のアルキル基の一つ以上の水素原子はフッ素原子、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。)によって置換されていてもよく、
Zは、それぞれ独立に、単結合、炭素原子数1〜40の直鎖若しくは分岐のアルキレン基を表し、当該アルキレン基中の、非隣接の−CH−の一つ以上は独立して、−O−、―COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CFO−、−OCF−、−CFCF−、−C≡C−、−CO−、−S−、−Si(CH−O−Si(CH―、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−又は−O−CO−O−(式中、R’は独立して水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)で置き換わっていてもよく、さらに前記アルキレン基中の−CH−の一つ以上の水素原子はフッ素原子、ヒドロキシ基で置換されていてもよく、
nは、それぞれ独立に0から20の整数を表し、
Rは、水素原子又は炭素原子数1〜40の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表し、当該アルキル基中の、非隣接の−CH−の一つ以上は独立して、−O−、―COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CFO−、−OCF−、−CFCF−、−C≡C−、−CO−、−S−、−Si(CH−O−Si(CH―、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−又は−O−CO−O−(式中、R’は独立して水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)で置き換わっていてもよく、さらに前記炭素原子数1〜40のアルキル基中の−CH−の一つ以上の水素原子はフッ素原子、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。)
本発明の高分子膜表面の改質方法において、式(4−1)〜(4−6)、(8−1)〜(8−13)からなる群から選ばれる少なくとも一で表される官能基の質量割合が、高分子膜を構成する高分子の繰り返し単位100%に対して、5〜95%であることが好ましく、10〜90%であることがより好ましく、15〜85%であることが特に好ましい。
本発明の高分子膜表面の改質方法において、前記官能基が、少なくとも2個のベンゼン環がチオエーテル基を介して結合する下記式(4)で表される骨格を有することが好ましく、このような官能基としては、前記式(4−1)〜(4−5)及び(8−1)〜(8−13)が挙げられる。
Figure 2019001859
本発明の高分子膜表面の改質方法において、前記官能基が、少なくとも2個のベンゼン環がチオエーテル基を介して直接結合する骨格を有することがより好ましく、このような官能基としては、前記式(4−1)〜(4−5)及び(8−1)〜(8−2)、(8−5)、(8−8)〜(8−13)が挙げられる。
本発明の高分子膜表面の改質方法において、前記官能基が、その他硫黄結合を含む骨格(側鎖にチオエーテル結合を持つ骨格)を有していてもよい。
本発明の高分子膜表面の改質方法において、前記官能基が、少なくとも2個のベンゼン環が4級炭素を介して結合する下記式(5)で表される骨格を有することが好ましく、このような官能基としては、前記式(5−4)、(9−1)〜(9−2)、及び(9−17)〜(9−19)が挙げられる。
Figure 2019001859
Figure 2019001859
Figure 2019001859
Figure 2019001859
Figure 2019001859
また、(5−1)から(5−6)、(9−1)から(9−19)の構造中のベンゼン環上の水素は下記構造(G)によって置換されていても良い。
Figure 2019001859
Aは、それぞれ独立にトランス−1,4−シクロヘキシレン基、トランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、1,4−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、2,5−チオフェニレン基、2,5−フラニレン基又は1,4−フェニレン基を表し、これらは無置換であるか又は一個以上の水素原子がフッ素原子、炭素原子数1〜20の直鎖若しくは分岐のアルキル基(当該アルキル基中の非隣接の1つ以上の−CH2−は独立して−O−、―COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2CF2−、−C≡C−、−CO−、−S−、−Si(CH3)2−O−Si(CH3)2−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−又は−O−CO−O−(式中、R’は独立して水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)で置き換わっていてもよく、さらに前記炭素原子数1〜20のアルキル基の一つ以上の水素原子はフッ素原子、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。)によって置換されていてもよく、
Zは、それぞれ独立に、単結合、炭素原子数1〜40の直鎖若しくは分岐のアルキレン基を表し、当該アルキレン基中の、非隣接の−CH−の一つ以上は独立して、−O−、―COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CFO−、−OCF−、−CFCF−、−C≡C−、−CO−、−S−、−Si(CH−O−Si(CH―、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−又は−O−CO−O−(式中、R’は独立して水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)で置き換わっていてもよく、さらに前記アルキレン基中の−CH−の一つ以上の水素原子はフッ素原子、ヒドロキシ基で置換されていてもよく、
nは、それぞれ独立に0から20の整数を表し、
Rは、水素原子又は炭素原子数1〜40の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表し、当該アルキル基中の、非隣接の−CH−の一つ以上は独立して、−O−、―COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CFO−、−OCF−、−CFCF−、−C≡C−、−CO−、−S−、−Si(CH−O−Si(CH―、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−又は−O−CO−O−(式中、R’は独立して水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)で置き換わっていてもよく、さらに前記炭素原子数1〜40のアルキル基中の−CH−の一つ以上の水素原子はフッ素原子、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。)
本発明の高分子膜表面の改質方法において、前記官能基が、下記式(5)で表される骨格を有することが好ましく、このような官能基としては、前記式(9−1)〜(9−2)及び(9−18)〜(9−19)が挙げられる。
Figure 2019001859
(Xはハロゲン原子を表し、フッ素原子であることが好ましい。)
本発明の高分子膜表面の改質方法において、前記官能基が、1級炭素(水素は全てフッ素で置換)を有していてもよい。
本発明の高分子膜表面の改質方法において、前記官能基が、2級炭素(水素は全てフッ素で置換)を有していてもよい。
本発明の高分子膜表面の改質方法において、前記官能基が、ベンゼン環の水素原子の少なくとも一が置換基(−X)を有する下記式(6)で表される骨格を有していることが好ましい。
Figure 2019001859
(−Xは下記式(G’)で表される置換基である。)
Figure 2019001859
Aは、それぞれ独立にトランス−1,4−シクロヘキシレン基、トランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、1,4−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、2,5−チオフェニレン基、2,5−フラニレン基又は1,4−フェニレン基を表し、これらは無置換であるか又は一個以上の水素原子がフッ素原子、炭素原子数1〜20の直鎖若しくは分岐のアルキル基(当該アルキル基中の非隣接の1つ以上の−CH2−は独立して−O−、―COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2CF2−、−C≡C−、−CO−、−S−、−Si(CH3)2−O−Si(CH3)2−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−又は−O−CO−O−(式中、R’は独立して水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)で置き換わっていてもよく、さらに前記炭素原子数1〜20のアルキル基の一つ以上の水素原子はフッ素原子、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。)によって置換されていてもよく、
Z’は、それぞれ独立に、単結合、炭素原子数1〜40の直鎖若しくは分岐のアルキレン基を表し、当該アルキレン基中の、非隣接の−CH−の一つ以上は独立して、−O−、―COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CFO−、−OCF−、−CFCF−、−C≡C−、−CO−、−S−、−Si(CH−O−Si(CH―、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−又は−O−CO−O−(式中、R’は独立して水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)で置き換わっていてもよく、さらに前記アルキレン基中の−CH−の一つ以上の水素原子はフッ素原子、ヒドロキシ基で置換されていてもよく、
nは、それぞれ独立に0から20の整数を表し、
R’は、水素原子又は炭素原子数1〜40の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表し、当該アルキル基中の、非隣接の−CH−の一つ以上は独立して、−O−、―COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CFO−、−OCF−、−CFCF−、−C≡C−、−CO−、−S−、−Si(CH−O−Si(CH―、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−又は−O−CO−O−(式中、R’は独立して水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)で置き換わっていてもよく、さらに前記炭素原子数1〜40のアルキル基中の−CH−の一つ以上の水素原子はフッ素原子、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。
但しZ’及びR’中の、1つ以上の−CH−は−S−に置換されるか、または、1つ以上の水素原子がフッ素原子に置換されていなければならない。)
本発明の高分子膜表面の改質方法において、前記官能基が、シクロブタン骨格を有していることが好ましい。
本発明の高分子膜表面の改質方法において、前記官能基が、ベンゼン環または高分子の側鎖に硫黄またはフルオロアルキル基を含む構造を有していてもよい。
前記高分子膜を構成する高分子化合物が、前記官能基を有する、ポリエチレン類 、ポリプロピレン類 、ポリブタジエン類、ポリクロロプレン類、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリビニルアルコール類 、ポリ酢酸ビニル類 、ポリエチレンテレフタレート類、ポリアミド類、ポリイミド類 、ポリ乳酸類 、ポリアクリロニトリル類、ポリスチレン類 、ポリメタクリル酸メチル類 、ポリヒドロキシエチルメタクリレート類、ポリカーボネート類、ポリ塩化ビニル類、ポリ塩化ビニリデン類、ポリフッ化ビニリデン類、ポリテトラフルオロエチレン類、ポリビニルブチラール類 、ポリイソプレン類、ポリウレタン類、ポリ-p-フェニレンベンゾビスオキサゾール類、ポリベンゾイミダゾール類、シリコーン類、セルロース類、セルロースアセテート類 、アミロース類 、ABS類、ポリアクリル酸類、ポリアセタール類、ポリカーカーボネート類、ポリフェニレンエーテル類、ポリブチレンテレフタラート類、ポリアリレート類、ポリサルフォン類、ポリフェニレンサルファイド類、ポリエーテルケトン類、フッ素樹脂類、ポリベンゾオキサゾール類、ポリビニレンサルファイド類、塩化エチレン類、フッ化エチレン類、エポキシ樹脂類、又はアクリル樹脂類を含む、前記いずれかに記載の高分子膜表面の改質方法。
高分子膜を構成する高分子化合物が、下記式(1)で表される構成単位を有するポリイミドであってもよい。
Figure 2019001859
Xはテトラカルボン酸無水物から酸無水物基を除いた4価の残基構造を示す。Yはジアミン化合物からアミノ基を除いた2価の残基構造を示す。
高分子膜を構成する高分子化合物の重量平均分子量(Mw)は1000〜500000であってもよく、10000〜500000であってもよく、10000〜200000であってもよい。高分子膜を構成する高分子化合物の多分散度(Mw/Mn)1〜10であってもよく、1〜5であってもよく、5〜10であってもよい。
式(1)で表されるポリイミドは、残基構造Xが紫外線を吸収する官能基であって、残基構造Yが酸化分解する官能基であってもよく、残基構造Yが紫外線を吸収する官能基であって、残基構造Xが酸化分解する官能基であってもよく、残基構造Xが紫外線を吸収して酸化分解する官能基であってもよく、残基構造Yが紫外線を吸収して酸化分解する官能基であってもよく、残基構造X及び残基構造Yの両方が紫外線を吸収して酸化分解する官能基であってもよい。これらのうち、残基構造Xが紫外線を吸収する官能基であって、残基構造Yが酸化分解する官能基であるか、又は、残基構造Yが紫外線を吸収する官能基であって、残基構造Xが酸化分解する官能基であることが好ましく、残基構造Xが紫外線を吸収する官能基であって、残基構造Yが酸化分解する官能基であることが特に好ましい。
式(1)で表されるポリイミドのうち、残基構造Xが紫外線を吸収するもののとき、残基構造Xとしては、一般のポリイミドのテトラカルボン酸無水物から酸無水物基を除いた4価の残基構造のうち、下記の4価の官能基であってもよい。
Figure 2019001859
Figure 2019001859
式(1)で表されるポリイミドのうち、残基構造Yが紫外線を吸収して酸化分解するもののとき、残基構造Xとしては、一般のポリイミドのテトラカルボン酸無水物から酸無水物基を除いた4価の残基構造であってよい。このとき、残基構造Xは、下記の4価の官能基であってもよい。
Figure 2019001859
式(1)で表されるポリイミドのうち、残基構造Xが酸化分解するもののとき、残基構造Xとしては、一般のポリイミドのテトラカルボン酸無水物から酸無水物基を除いた4価の残基構造のうち、硫黄原子を有するものであってよい。このとき、残基構造Xは、下記の4価の官能基であってもよい。
Figure 2019001859
Figure 2019001859
Figure 2019001859
高分子膜がこれらの硫黄原子を有する4価の官能基を有するとき、高分子膜に紫外線を照射すると、これらの官能基は紫外線により酸化分解し、高分子膜表面の水の接触角は小さくなる。これらの硫黄原子を有する4価の官能基は、酸化分解してスルホン酸基及びチオール基を生ずると考えられる。
式(1)で表されるポリイミドのうち、残基構造Xが酸化分解するもののとき、残基構造Xとしては、一般のポリイミドのテトラカルボン酸無水物から酸無水物基を除いた4価の残基構造のうち、フッ素原子を有するものであってもよい。このとき、残基構造Xは、下記の4価の官能基であってもよい。
Figure 2019001859
高分子膜がこれらのフッ素原子を有する4価の官能基を有するとき、高分子膜表面は撥水性を有し水の接触角は大きい。高分子膜に紫外線を照射すると、これらの官能基は紫外線により酸化分解し、高分子膜表面の水の接触角は小さくなる。
式(1)で表されるポリイミドのうち、残基構造Yが紫外線を吸収するもののとき、残基構造Yとしては、一般のポリイミドのテトラカルボン酸無水物から酸無水物基を除いた4価の残基構造のうち、下記の2価の官能基であってもよい。
Figure 2019001859
式(1)で表されるポリイミドのうち、残基構造Xが紫外線を吸収して酸化分解しないもののとき、残基構造Yとしては、一般のポリイミドのジアミン化合物からアミノ基を除いた2価の残基構造であってもよい。このとき、残基構造Yは、下記の2価の官能基であってもよい。
Figure 2019001859
式(1)で表されるポリイミドのうち、残基構造Yが酸化分解するもののとき、残基構造Yとしては、一般のポリイミドのジアミン化合物からアミノ基を除いた2価の残基構造のうち、硫黄原子を有するものであってもよい。このとき、残基構造Yは、下記の2価の官能基であってもよい。
Figure 2019001859
Figure 2019001859
Figure 2019001859
高分子膜がこれらの硫黄原子を有する2価の官能基を有するとき、高分子膜に紫外線を照射すると、これらの官能基は紫外線により酸化分解し、高分子膜表面の水の接触角は小さくなる。これらの硫黄原子を有する2価の官能基は、紫外線を吸収して酸化分解し、スルホン酸基またはチオール基を生ずると考えられる。
式(1)で表されるポリイミドのうち、残基構造Yが酸化分解するもののとき、残基構造Yとしては、一般のポリイミドのジアミン化合物からアミノ基を除いた2価の残基構造のうち、フッ素原子を有するものであってもよい。このとき、残基構造Yは、下記の2価の官能基であってもよい。
Figure 2019001859
Figure 2019001859
Figure 2019001859
Figure 2019001859
高分子膜がこれらのフッ素原子を有する2価の官能基を有するとき、高分子膜表面は撥水性を有し水の接触角は大きい。高分子膜に紫外線を照射すると、これらの官能基は紫外線により酸化分解し、高分子膜表面の水の接触角は小さくなる。
上述の4価の残基構造及び2価の残基構造は、式(1)で表される構成単位を有するポリイミドの中の構成単位の一部として例示したが、ポリイミドに限らず、前記高分子膜を構成する高分子化合物として、ポリアミド、又はポリエステルの中の構成単位の一部とすることもできる。
以下、実施例により、本発明についてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
窒素置換した300 mlセパラブルフラスコにビス(4−アミノフェニル)スルフィド(SDA、3.240 g、1.5 mmol)とN−メチルピロリドン(NMP、32 ml)を加え、10 分間氷浴撹絆してジアミン(SDA)溶液を得た。
Figure 2019001859
その後、3,3’,4,4’‐ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物 (BTDA 、4.833g 、1.5 mmol)を加え10 分間氷浴撹拌した。
Figure 2019001859
その後、8 mlのNMPを加え室温で24時間撹拌し、下記式PAA(BTDA/SDA)で表される構成単位を有する、16.8 wt%のポリアミック酸溶液(PAA(BTDA/SDA)溶液)を得た。
GPCにより求めた重量平均分子量Mwは240,000であった。
Figure 2019001859
得られたPAA(BTDA/SDA)溶液をバーコート法でガラス基板上にキャストした。キャスト後70℃で30分間ホットプレートを用いてプリベイクを行い、膜厚10μmのPAA(BTDA/SDA)膜を得た。株式会社いすゞ製作所製マッフル炉きらめきで、120℃、170℃、220℃で各30分間、ステップ加熱し、下記式PI(BTDA/SDA)で表される構成単位を有する膜厚9μmのポリイミド塗膜(PI(BTDA/SDA)塗膜)を得た。
Figure 2019001859
得られたPI(BTDA/SDA)塗膜をガラス基板上から剥離してポリイミドフィルム(PI(BTDA/SDA)フィルム)とした。PI(BTDA/SDA)フィルムの膜厚は9μmであった。
得られたPI(BTDA/SDA)フィルムに、高圧水銀灯(HLR100T-2, セン特殊光源株式会社)を用いて0、15、30、45、60分間、光学フィルターを用いることなくUV照射した。その後、接触角計(ドロップマスター300M、協和界面科学株式会社)を用いて、UV照射後のPI(BTDA/SDA)フィルム上の水の接触角を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2019001859
UV照射前と、60分間UV照射後の、実施例1のPI(BTDA/SDA)フィルムについて、表下部に示す測定条件にてXPS測定をした。結果を図1に示し、その概要を表2上部に示す。
Figure 2019001859
PI(BTDA/SDA)フィルムのXPS測定では、UV照射前、チオエーテル基に相当する163eV(S)、164eV(S)のピーク、カルボニル基に相当する284eV(S)、288eV(S)のピークが観測されたが、UV照射により、チオエーテル基は169eV(S)のスルホン酸基に変化し、カルボニル基は288eV(M)の水酸基に変化した。また、401eV(M)の肩ピークは、電子吸引基(SO3)による電子欠損の結果であると考えられる。これにより、親水性が増大し、水の接触角が小さくなったと考えられる。チオエーテル基の分解反応に際しては、BTDA基のベンゾフェノンが紫外線を吸収し、紫外線のエネルギーがチオエーテル基に移動して励起状態を作り、空気中の酸素と反応することにより酸化分解してスルホン酸基が生成したと考えられる。
[実施例2]
窒素置換された300 mlセパラブルフラスコに2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(6FAP、2.27g、6.207mmol)とNMP(12ml)を加え10分間撹拌し6FAP溶液を作製した。
Figure 2019001859
10分間氷冷したのち減圧加熱乾燥したBTDA(2g、6.207mmol)を加え、30分間氷浴撹拌した。その後室温で20時間撹拌し、下記式PAA(BTDA/6FAP)で表される構成単位を有するポリアミック酸溶液(PAA(BTDA/6FAP) 溶液)を得た。
Figure 2019001859
得られたPAA(BTDA/6FAP) 溶液を用いて、実施例1と同様の方法でガラス基板上にキャストし、PAA(BTDA/6FAP)膜とした後、加熱し、下記式PI(BTDA/6FAP)で表される構成単位を有するポリイミド塗膜(PI(BTDA/6FAP)塗膜)を得た。
Figure 2019001859
得られたPI(BTDA/6FAP)塗膜をガラス基板上から剥離してポリイミドフィルム(PI(BTDA/6FAP)フィルム)とした。
得られたPI(BTDA/6FAP)フィルムに、実施例1と同様の方法でUV照射した後、PI(BTDA/6FAP)フィルム上の水の接触角を測定した。測定結果を表3に示す。
Figure 2019001859
UV照射前と、60分間UV照射後の、実施例2のPI(BTDA/6FAP)フィルムについて、島津製作所とKRATOS analytical製のKRATOS Nova を用いて垂直方向からXPS測定をした。測定光源はAlKα線で、真空度は1.0×10−8 Torr、出力は15KVで10mAであった。結果を図2に示し、その概要を表4に示す。
Figure 2019001859
PI(BTDA/6FAP)フィルムのXPS測定では、UV照射前、CF基に相当する292eV(M)のピーク、カルボニル基に相当する284eV(S)、288eV(M)のピークが観測されたが、UV照射により、CF基に相当する292eVのピークが消失し、カルボニル基に相当する284eV(S)、288eV(M)のピークは変化しなかった。また、401eV(M)の肩ピークは、電子吸引基(CO2)による電子欠損の結果であると考えられる。UV照射により、CF基が分解し、カルボン酸に変化したことによって親水性が増大し、水の接触角が小さくなったと考えられる。
[実施例3]
実施例1と同様の方法で作成したPI(BTDA/SDA)フィルムにアルミ板をマスクとして使用して、実施例1と同様の装置で45分間、UV照射して、PI(BTDA/SDA)フィルム上の、マスクなし面(UV照射面)と、マスクあり面(UV照射されない面)の、水の接触角を測定したところ、マスクなし面の接触角は49.1°、マスクあり面の接触角は72.3°であった。UV照射を行った部分は選択的に親水性化できるので、本発明の高分子膜表面の改質方法を、パターニング用基板の製造に利用し、得られたパターニング用基板にインクを滴下した際に、位置選択的にインクを濡れ広がらせることができる。特に、従来ではインクの濡れ広がりの際に、インクを濡らしたい部分とそうでない部分の境界があいまいになり、インクで濡れる部分がギザギザ状に本来濡らしたくない部分まで広がる現象を抑制できる。
[比較例1]
窒素置換された500 mlセパラブルフラスコに4,4’−ジアミノジフェニルエーテル (ODA、11.5g、51.4mmol)とNMP(220ml)を加え10分間概搾しODA溶液を作製した。
Figure 2019001859
10分間氷冷したのち無水ピロメリト酸(PMDA、6.28g、25.7mmol)とビフェニルテトラカルボン酸無水物(BPDA、7.56g,25.7mmol)を加え、30分間氷浴撹拌した。
Figure 2019001859
その後室温で20時間撹拌し、15wt%のポリアミック酸溶液(PAA(PMDA/BPDA/ODA)溶液)を得た。得られたPAA(PMDA/BPDA/ODA)溶液を用いて、実施例1と同様の方法でガラス基板上にキャストし、PAA(PMDA/BPDA/ODA)膜とした後、加熱し、下記式PI(PMDA/BPDA/ODA)でそれぞれ表される構成単位を有する、ポリイミド塗膜(PI(PMDA/BPDA/ODA)塗膜)を得た。
Figure 2019001859
得られたPI(PMDA/BPDA/ODA)塗膜をガラス基板上から剥離してポリイミドフィルム(PI(PMDA/BPDA/ODA)フィルム)とした。
得られたPI(PMDA/BPDA/ODA)フィルムに、0分間及び60分間、実施例1と同様の方法でUV照射し、PI(PMDA/BPDA/ODA)フィルム上の水の接触角を測定した。測定結果を表5に示す。
Figure 2019001859
ポリイミドフィルムを構成する高分子中に、フッ素原子または硫黄原子がない場合は、UV照射の前後で、接触角変化が小さいことが分かる。
本発明の高分子膜表面の改質方法は、例えば、プリンテッドエレクトロニクス等のパターニング用基板の製造に利用することができる。UV照射を行った部分は選択的に親水性化できるので、本発明の高分子膜表面の改質方法を、パターニング用基板の製造に利用し、得られたパターニング用基板にインクを滴下した際に、位置選択的にインクを濡れ広がらせることができる。特に、従来ではインクの濡れ広がりの際に、インクを濡らしたい部分とそうでない部分の境界があいまいになり、インクで濡れる部分がギザギザ状に本来濡らしたくない部分まで広がる現象を抑制できる。
また、本発明の高分子膜表面の改質方法は、液晶配向膜の製造に利用することができる。高分子膜に紫外線を照射して、親水性の表面を有する液晶配向膜とすることで、液晶分子は、親水性の液晶配向膜の表面に対して、液晶分子の両端のアルキル鎖の接触面積を最小になろうとするために、配向膜に対して垂直に配向しようとする。このため、配向膜の面外方向への配向性が増大するため液晶の揺らぎが減少して、黒輝度を低減できるのでコントラストを改善できる。
親水性の表面を有する液晶配向膜では、液晶パネル製造工程におけるODF(One Drop Fill)プロセスにおいて、液晶滴下後にすぐに液晶分子が配向膜全体に均一に広がるため、プロセスタクトを短くできると考えられる。

Claims (14)

  1. 紫外線により分解する官能基を有する高分子膜を作製し、前記高分子膜に200〜500nmの紫外線を、250mJ/cm以上照射する、高分子膜表面の改質方法。
  2. 前記紫外線照射量に対する、前記高分子膜表面の水の接触角の減少量の比が0.0095°/(mJ/cm)以上である、請求項1に記載の高分子膜表面の改質方法。
  3. 前記官能基がフッ素原子または硫黄原子を含む、請求項1又は2に記載の高分子膜表面の改質方法。
  4. 前記官能基が少なくとも一のフルオロアルキル基を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の高分子膜表面の改質方法。
  5. 前記官能基が少なくとも一のトリフルオロメチル基を有する、請求項4に記載の高分子膜表面の改質方法。
  6. 前記トリフルオロメチル基が主鎖構造の炭素と直接結合している請求項5に記載の高分子膜表面の改質方法。
  7. 前記トリフルオロメチル基が側鎖構造と結合している請求項5に記載の高分子膜表面の改質方法。
  8. 前記官能基における硫黄原子がチオエーテル結合である、請求項3に記載の高分子膜表面の改質方法。
  9. 前記官能基におけるチオエーテル結合が高分子主鎖に存在する、請求項8に記載の高分子膜表面の改質方法。
  10. 前記官能基におけるチオエーテル結合が高分子側鎖に存在する、請求項8に記載の高分子膜表面の改質方法。
  11. 前記高分子膜を構成する高分子の一種類以上の繰り返し単位中に前記官能基を含む、請求項3〜10のいずれか一項に記載の高分子膜表面の改質方法。
  12. 前記高分子膜を構成する高分子化合物が、前記官能基を有する、ポリエチレン類 、ポリプロピレン類 、ポリブタジエン類、ポリクロロプレン類、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリビニルアルコール類 、ポリ酢酸ビニル類 、ポリエチレンテレフタレート類、ポリアミド類、ポリイミド類 、ポリ乳酸類 、ポリアクリロニトリル類、ポリスチレン類 、ポリメタクリル酸メチル類 、ポリヒドロキシエチルメタクリレート類、ポリカーボネート類、ポリ塩化ビニル類、ポリ塩化ビニリデン類、ポリフッ化ビニリデン類、ポリテトラフルオロエチレン類、ポリビニルブチラール類 、ポリイソプレン類、ポリウレタン類、ポリ-p-フェニレンベンゾビスオキサゾール類、ポリベンゾイミダゾール類、シリコーン類、セルロース類、セルロースアセテート類 、アミロース類 、ABS類、ポリアクリル酸類、ポリアセタール類、ポリカーカーボネート類、ポリフェニレンエーテル類、ポリブチレンテレフタラート類、ポリアリレート類、ポリサルフォン類、ポリフェニレンサルファイド類、ポリエーテルケトン類、フッ素樹脂類、ポリベンゾオキサゾール類、ポリビニレンサルファイド類、ポリ塩化エチレン類、ポリフッ化エチレン類、エポキシ樹脂類、又はアクリル樹脂を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の高分子膜表面の改質方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の高分子膜表面の改質方法を利用する基板の製造方法。
  14. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の高分子膜表面の改質方法を利用する液晶配向膜の製造方法。
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