JP2019001758A - カイコ幼虫中部絹糸腺からのセリシンmの製造方法 - Google Patents

カイコ幼虫中部絹糸腺からのセリシンmの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】セリシンを得るには繭の煮沸処理やアルカリ処理が行われるが、セリシンが加水分解し低分子化する問題があった。【解決手段】本発明は、カイコの中部絹糸腺から未分解の高分子セリシンを得る方法であって、セリシンホープハイブリッド種のカイコから取り出した絹糸腺をアルコール系の溶媒に浸漬し、細胞とセリシンを硬化させて分離し、セリシンMのみを分離した。本発明により、未分解の高分子セリシンであるセリシンMをカイコ幼虫の中部絹糸腺から簡便に分離・精製することが可能となった。【選択図】なし

Description

セリシンは、カイコの中部絹糸腺で合成される繭の構成タンパク質である。主要3成分としてセリシンA、M、Pが存在し、セリシンAは中部絹糸腺前区、セリシンMは中区、セリシンPは後区で作られる。分子量はそれぞれ、セリシンAが約250,000、セリシンMが約400,000、セリシンPが約150,000となっている。セリシンは製糸、製織業界において絹糸から除去される廃材であったが、研究が進むにつれて保湿性、抗酸化作用、チロシナーゼ活性阻害作用、細胞生育促進作用など、様々な機能性が見出され、化粧用材、医療分野での利用が期待されている。特に近年、再生医療分野が飛躍的な進歩を遂げており細胞培養基材や凍結保存基材の開発に関しても研究が進められているなかで、セリシンは培養基材や凍結保護基材として注目すべき素材といえる。
特に、未分解セリシンの一つであるセリシンMは、セリシンA、Pよりも高い細胞生育促進効果を持つことが報告されている。
特許文献1の23〜30欄には、カイコ由来の繭糸または繭層を、90℃〜98℃かつ0.05〜0.07Mのアルカリ溶液に浸漬して、セリシンを含む精練液を得る工程、および前記精練液を透析してセリシン溶液を得る工程、を含むセリシンの抽出・精製方法が記載されているが、得られたセリシンが低分子である。
特許文献1の21〜25欄には、セリシンと水との混合物を準備する工程と、該混合物を通気度が1〜7cm3/cm2・Sである濾布により濾過する工程とを含むセリシンの精製方法が記載されているが、高分子量のセリシンが得られているものの他のセリシン(セリシンAおよびセリシンP)との混合物である。
特許文献1の21及び25〜29欄には、蚕体内の絹糸腺から分子量約40万の絹セリシン及び分子量約37万の絹フィブロインを未分解のまま、結晶化させずに水抽出し、フィルム状に乾燥固化する蚕体からの高分子絹タンパクの抽出法が記載されているが、高分子量のセリシンが得られているもののフィブロインとの混合物である。
特開2014−205621号公報 特開2004−26672号公報 特開2007−210902号公報
一般的にセリシンを得るには繭の煮沸処理やアルカリ処理が行われるが、セリシンが加水分解し低分子化するため、未分解の高分子セリシンを得ることが難しい。現在、繭から未分解セリシンを得る方法はあるが、営繭時の空調管理や飼育スペースなどが必要となるため、中部絹糸腺から直接セリシンを回収することが望まれている。
本発明では、セリシンのみからなる繭を作るセリシンホープハイブリッド種の5齢5日目の中部絹糸腺からセリシンのみを採取するために、絹糸腺細胞とセリシンを分離させた。アルコール系の溶媒に摘出した絹糸腺を浸漬することで、細胞とセリシンを硬化させて分離を容易にした。得られたセリシンは高濃度の臭化リチウムで溶解し、SDS−PAGEによりセリシンの分解が生じていないことを確認された。また得られたセリシンは、臭化リチウムに溶解後エタノールを用いてセリシンを沈殿させ、セリシンMのみの分離と精製が可能となった。
セリシンホープハイブリッド種の中部絹糸腺からセリシンを得ることで、飼育期間を短縮化できた。また、簡易的なセリシンの回収方法、セリシンMのみを得る為の精製方法が実現できたことから、労力を抑えた製造プロセスを実現することができた。
本明細書において「カイコ」は、カイコガ科に属する鱗翅目昆虫(絹糸昆虫)と同義であり、その一生において「卵(胚)」(産卵直後より孵化直前までの間)、「幼虫」(孵化直後から繭の形成終了直前(1齢期〜5齢期に分けられる))、「蛹」(繭の形成終了直前から羽化する直前までの間)、ならびに「成虫(蛾)」(羽化直後より死亡までの間)の各状態を経るものであり、その一生にわたる形態のいずれをも含むものとする。
カイコは、卵より孵化した後の幼虫の状態では、桑を食べて発育する期間(齢)と、食べずに脱皮の準備をする期間(眠)を交互に繰り返す。カイコの幼虫において、孵化してから1回目の脱皮までを1齢期、1回目の脱皮から2回目の脱皮までを2齢期といい、通常、4回脱皮して5齢期が終齢である。その後1週間程度でカイコの幼虫は、体が半透明になり絹糸を吐いて繭を形成し始め(この状態は「熟蚕」とも呼ばれる)、繭中で蛹化する。蛹の後、羽化して成虫となる。
本明細書における「絹糸腺」は、カイコ幼虫の両体側において、頭部の下唇先端に位置する吐出口から盲管にまで連なる一対の管状の外分泌腺であり、前部絹糸腺、中部絹糸腺および後部絹糸腺に大きく分けられる。後部絹糸腺は、絹糸の中心部を為すフィブロインを分泌する。また中部絹糸腺は、セリシンを分泌する。フィブロインは中部絹糸腺に蓄積されるとともに、セリシンによってその外周を覆われて、ゲル状の絹物質となる。この絹物質は、前部絹糸腺を通って吐出口から排出され、固体化して絹糸となる。
本発明は、フィブロインを特異的に産生しない突然変異蚕系統あるいはその系統から作製した交雑種の中部絹糸腺を材料として用い、さらにカイコ幼虫から摘出した中部絹糸腺からセリシン成分を得るセリシンMの製造方法である。従来の一般品種(例えば錦秋×鐘和)のカイコ幼虫では、後部絹糸腺においてフィブロインが生産され、中部絹糸腺への移行・蓄積が生じ、それに伴い、中部絹糸腺が肥大するとともに高い粘弾性を有するようになるが、フィブロインを特異的に産生しない突然変異蚕系統あるいはその系統から作製した交雑種の中部絹糸腺では、一般品種と同様に肥大するもののフィブロインの蓄積がほとんど生じないため粘弾性を有さず、セリシン成分を主成分とするため、効率の良いセリシンMの製造方法が実現できた。
本発明に用いるフィブロインを特異的に産生しない突然変異蚕系統としては、セリシンホープ(セリシンC)、セリシンN、Nd蚕、Nd−s蚕、Nd−sD蚕、MCS300、MNS300などがあげられる。また、安定飼育の観点から、これらのフィブロインを特異的に産生しない突然変異蚕系統から作製した交雑種が好ましく、特にセリシンホープから作製した交雑種がより好ましい。
セリシンホープは、中国蚕系統「CS83」に「Nd系統」を交配し、さらに「CS83」の戻し交雑等を行い作製された蚕系統である(特許第3374177号参照)。このセリシンホープは、フィブロイン合成能に異常をおこし、後部絹糸腺が退化していることを特徴としている。
本発明における抽出対象である中部絹糸腺は、カイコ幼虫のどの状態(1齢期〜5齢期)由来であってよい。また、単一の状態(たとえば、5齢期のカイコ幼虫)に限らず、複数の状態(たとえば、3齢期、4齢期、5齢期の各カイコ幼虫)であってもよい。また、中部絹糸腺のみならず他の組織(たとえば、後部絹糸腺)を含んでいてもよいものとする。無論、複数の状態の中部絹糸腺と他の組織を含んでいてもよい。なお、中部絹糸腺は、その組織全体である必要はない。
中部絹糸腺抽出液製造に用いるカイコ幼虫は、1齢期〜5齢期のものであれば、特に制限なく本発明の方法にて製造できるが、特に、5齢期のカイコ幼虫であるのが好ましい。これは、5齢期のカイコ幼虫において、中部絹糸腺が1齢期〜5齢期のうちで最も成熟しており、これを用いることで他の齢期のものと比べて短時間で大量のセリシンが得られるためである。中でも特に、絹糸の成分であるセリシンを活発につくるという観点から、5齢期のカイコ幼虫の中部絹糸腺、中でも5齢期の3日〜6日のカイコ幼虫の中部絹糸腺から抽出を行うことが好ましい。
所望の量の上記抽出物を含有する抽出液を得るためには、通常、複数体のカイコより抽出する必要がある。抽出に供するカイコの数は、使用するカイコの状態や個体差によっても異なるが、カイコ幼虫については、繭の形成期に近づくにつれて組織の成熟に伴って、同量の抽出物を得るために要する数は少なくて済む。特に絹糸腺は、5齢期のカイコ幼虫において日を追うごとに著しく成熟するため、たとえば、5齢期の1日で30匹程度のカイコ幼虫からと同程度の量を5齢期の7日では6匹〜7匹程度のカイコ幼虫から得ることができる。
本発明のセリシンMの製造方法においては、従来の後部絹糸腺や脂肪体を抽出液製造に用いる場合と比べて、野性型カイコ系統の中部絹糸腺を摘出する方法として従来報告されている方法(特開2007−210902参照)で摘出した場合であっても、フィブロインを特異的に産生しないカイコ系統の中部絹糸線を簡便に摘出可能であることを特徴としている。また、発明者らは、以下に述べるように、前記従来の方法と比較してもより短時間にフィブロインを特異的に産生しないカイコ系統の中部絹糸腺を摘出する方法を開発した。具体的には、カイコ幼虫の第六体節の腹側にハサミ、メスなどで切れ込みを入れ、体内から中部絹糸腺を露出させた。露出した中部絹糸腺をピンセット等で中部絹糸腺を摘出することを特徴とする使用器官の摘出方法を用いることで実現できる。
また、切れ込みを入れる位置は、他の場所でもよく、例えば、腹部第3節と第4節の複脚の間の節間膜、又は腹部第2節と第3節の複脚の間の節間膜でもよい。中部絹糸腺より抽出を行うならば、その他の手順には特に制限されるものではないが、たとえば、以下の手順により行うことができる。まず、カイコ幼虫を氷上に数分間置くことで動きを止める。次に、上述の方法にしたがって、たとえばハサミ、メスおよびピンセットなどの器具を使用して、カイコより所望の組織を摘出する。この摘出によって得る後述の抽出に使用する組織量としては、特に制限はないが、通常、1g〜100gの範囲内である。
摘出した中部絹糸腺は、純水または1%塩化ナトリウム水溶液で体液を洗い流した後,冷却した後、アルコール系の溶媒である30%エタノール、30%イソプロパノール、30%グリセリンのいずれかに一晩以上浸漬した。浸漬して硬化した中部絹糸腺を取りだし、絹糸腺細胞を指でこすり落とすように分離し、純水中で細胞片を洗浄してセリシンを得た。エタノール、イソプロパノール、グリセロールのどの溶媒もセリシンMに影響を及ぼさず、絹糸腺細胞とセリシンを分離できる。絹糸腺細胞とセリシンの分離しやすさの比較では、グリセロールが最も分離しやすく、続いてイソプロパノール、エタノールとなった。また、絹糸腺に付着する体液の洗浄において純水もしくは1%塩化ナトリウム水溶液を用いたところ、エタノールに浸漬した絹糸腺は1%塩化ナトリウム水溶液洗浄サンプルが純水洗浄サンプルに比べ分離しにくかった。以上の結果から、絹糸腺細胞とセリシンの分離について、30%グリセロール溶液での浸漬が適していると結論した。
上記分離された中部絹糸腺は、摘出する部位を選択することで、更に効率の良いセリシンの抽出を行うことが出来る。浸漬して硬化した中部絹糸腺を取りだし、絹糸腺細胞を指でこすり落とすように分離した。この時に中部絹糸腺前区と後区を解剖ハサミで切除し、純水中で細胞片を洗浄して中部絹糸腺中区セリシンのみを得た。この方法により中部絹糸腺前区と後区を除去し中区のみのセリシンから、中区で合成されるセリシンMをほぼ単離できることが出来た。
一方エタノール沈殿法によるセリシン精製を行うことができる。アルコール系の溶媒で浸漬して硬化したセリシンを−80℃で冷凍保存し、完全に凍結したのを確認後、凍結乾燥を行った。乾燥したセリシンは、マルチビーズショッカーを用いてパウダー化した(粉砕条件:3,000rpm,10秒)。このセリシンパウダーを250mg秤量し、8M臭化リチウム水溶液10mLを加えボルテックスミキサーで撹拌後、60℃のヒートブロック上で1時間加熱しセリシンを溶解し、約2.5%のセリシン溶液を調製した。これをビーカーに移し、マグネチックスターラーで撹拌しながらエタノール21mLを徐々に加えた。この時セリシン溶液のエタノール濃度は約68%となる。この溶液を15mL容の遠沈管4本に分注し、15,000rpm、15℃、15分間遠心分離した。上清29mLを回収し、これを撹拌しながらエタノール2mLを加え、遠心分離し沈殿物を回収した。この時生じた沈殿物を8M臭化リチウム水溶液10mLで再度溶解し、沈殿操作を繰り返し、エタノール濃度約71%時沈殿物(90mg)を得た。沈殿物は濾紙で水分をできる限り除いた。エタノール濃度約71%沈殿物でセリシンMにあたるバンドのみが検出し、セリシンMのみ精製されていることが示された。
本発明によって得られたセリシンMから、従来報告されている以下に示す方法(特許4714890号参照)を用いてセリシンハイドロゲル及びセリシン多孔質体を製造することが出来る。
前述した方法によって得られた高分子量セリシン抽出物にアルコールを添加する。アルコールを添加することで、高分子量セリシン抽出物中の高分子量セリシン分子間での水素結合の形成を促進し、三次元網目構造を生じさせることができる。
添加するアルコールとしては、高分子量セリシン分子間での水素結合の形成を促進し、三次元網目構造を生じさせるものではあれば、特に限定されるものではないが、例えば、エタノール、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、エチレングリコール、及びグリセロール等が挙げられる。特にエタノールが好ましい。高分子量セリシン抽出物に例えば、メタノール又は1−ブタノールを添加して得られたセリシンハイドロゲルと比較して、エタノールを添加して得られたセリシンハイドロゲルは強固である。また、エタノールを添加して得られたセリシンハイドロゲルは、沈殿が生じることなく透明である。このように、エタノールを添加し、高分子量セリシン分子間での水素結合の形成を促進し、三次元網目構造を生じさせることで、強固で、かつ透明なセリシンハイドロゲルを得ることができる。
また、添加するアルコール量は、高分子量セリシン抽出物に対して5〜30容量%、特に10〜20容量%であることが好ましい。添加するアルコール量が、高分子量セリシン抽出物に対して10容量%未満では、ハイドロゲルの形成に時間がかかるか、あるいは、良好なセリシンハイドロゲルが形成されない。逆に、添加するアルコール量が、高分子量セリシン抽出物に対して30容量%を超えても、良好なセリシンハイドロゲルが形成されない。
高分子量セリシン抽出物に対してアルコールを添加する場合には、例えば、高分子量セリシン抽出物を撹拌しながら、アルコールをゆっくりと添加する。
次いで得られた高分子量セリシン抽出物及びアルコールを含む混合物を放置又は静置する。室温又は冷却下(例えば、冷蔵庫中)で、数時間〜数日間放置又は静置することで、セリシンハイドロゲルを得ることができる。なお、室温で当該混合物を数時間静置するか、あるいは数秒間、当該混合物を超音波処理に供することで、混合物中の気泡を除去した後に、当該混合物を放置又は静置することができる。
さらに、得られたセリシンハイドロゲルを、過剰量のエタノール等のアルコールに浸漬して、12〜48時間放置又は静置しておくと、強度及び弾性の増したセリシンハイドロゲルを得ることができる。
さらに、上述のように得られたセリシンハイドロゲルを過剰量の水に浸漬することで、含有するアルコールを除去したセリシンハイドロゲルを得ることができる。例えば、過剰量のエタノール等のアルコールに浸漬し、放置又は静置した後に得られたセリシンハイドロゲルを、室温又は冷却下(例えば、冷蔵庫中)で、1〜2日間平衡化させる。平衡化の際に、水を頻繁に交換することで、アルコールを除去できる。含有するアルコールを除去したセリシンハイドロゲルは、実質的に高分子量セリシン及び水のみからなるセリシンハイドロゲルとなる。ここで、「実質的」とは、セリシンハイドロゲル中に含まれる高分子量セリシン及び水以外の他の成分量(アルコール等)が1%未満、好ましくは0%であることを意味する。例えば、細胞培養等にセリシンハイドロゲルを使用する場合において、アルコールの存在が問題となる場合には、高分子量セリシン及び水のみからなるセリシンハイドロゲルを有効に使用できる。
次いで得られたセリシンハイドロゲルを凍結乾燥することでセリシン多孔質体を製造することができる。ここで、凍結乾燥とは、凍結状態にある水を、減圧下昇華させることにより物質を乾燥させる手法を意味する。例えば、セリシンハイドロゲルを−10℃以下、好ましくは−20℃以下の温度(例えば、冷凍庫中)で十分に凍結させる。次いで、凍結したセリシンハイドロゲルを、凍結乾燥機で凍結乾燥し、水分を除去することでセリシン多孔質体を得ることができる。その他の凍結乾燥方法としては、凍結乾燥に準ずる方法ではあればいずれの方法であってよい。
また、セリシンハイドロゲルのみを凍結乾燥すると、収縮等を引き起こし良好なセリシン多孔質体が得られない場合がある。そこで、セリシンハイドロゲルを過剰量の水共存下で凍結乾燥させることが好ましい。
本発明に係る製造方法で得られたセリシンハイドロゲルは、水中ではしばらくの蔵保存が可能である。また、当該セリシンハイドロゲルをエタノール等のアルコールに浸漬して保存する場合には、長期保存が可能である。アルコールに浸漬したセリシンハイドロゲルは大きく収縮し、ゴム状となり白濁する。アルコールに浸漬したセリシンハイドロゲルを水に浸漬すると、再膨潤し、本来のセリシンハイドロゲルに戻すことができる。一方、本発明に係る製造方法で得られたセリシン多孔質体は、セリシンハイドロゲルと同様に、エタノール等のアルコールに浸漬して保存する場合には、安定して保存できる。
以上に説明した本発明に係る製造方法によれば、成形性に優れたセリシンハイドロゲルを得ることができる。本発明に係る製造方法では、高分子量セリシン抽出物を使用することから、高分子量セリシンを主成分とするセリシンハイドロゲル(以下、「本発明に係るセリシンハイドロゲル」という)を得ることができる。
得られた本発明に係るセリシンハイドロゲルの成形性は、弾性率等の測定により評価することができる(Koob,T.J.ら,Biomaterials,2003,24,1285−1292)。あるいは、例えば、セリシンハイドロゲルがカッター等により任意の形状に加工可能である場合に、成形性が良好であると判断することができる。
一方、本発明に係る製造方法によれば、親水性及び湿潤状態における柔軟性を有するセリシン多孔質体を得ることができる。本発明に係る製造方法では、高分子量セリシン抽出物を使用することから、高分子量セリシンを主成分とするセリシン多孔質体(以下、「本発明に係るセリシン多孔質体」という)を得ることができる。
得られた本発明に係るセリシン多孔質体の親水性は、含水率・保水時間の測定等により評価することができる(Katoh,K.ら,Biomaterials,2004,25,4255−4262)。あるいは、例えば、水中に浸漬した時、セリシン多孔質体の内部にまで水が取り込まれる場合に、親水性が良好であると判断することができる。
得られた本発明に係るセリシン多孔質体の湿潤状態における柔軟性は、弾性率等の測定により評価することができる(Li,H.ら,Biomaterials,2004,25,5473−5480)。あるいは、例えば、セリシン多孔質体が容易に変形し、ある程度の物理的な変形が自然に解消される特性を有する場合に、湿潤状態における柔軟性が良好であると判断することができる。
本発明に係る製造方法によれば、エタノール等のアルコールを高分子量セリシンに添加することで、高分子量セリシンでの分子間水素結合の形成を促進することで、従来にはない成形性に優れたセリシンハイドロゲルを得ることができる。本発明に係る製造方法により得られたセリシンハイドロゲルは、保湿性等の上述したセリシンの機能性を有することから、それ自体又材料として、例えば、薬物徐放担体、組織再生材料及び土壌保水剤等に利用することができる。また、本発明に係る製造方法では、ハイドロゲルを構成する他成分とのブレンド、薬剤(例えば、架橋試薬)又は放射線照射等の装置等を用いることなく、セリシンハイドロゲルを簡便に製造できる。さらに、本発明に係る製造方法では、ハイドロゲルを構成する他成分とのブレンド又は薬剤(例えば、架橋試薬)を用いないので、セリシンハイドロゲルにおける残留物の危険性はない。
一方、本発明に係る製造方法によりセリシンハイドロゲルから製造したセリシン多孔質体は、それ自体又材料として、例えば、組織再生のための支持体及び土壌保水剤等として利用することができる。
試験項目1
中部絹糸腺由来セリシンの簡易取得方法
セリシンホープ×日604ハイブリッド種のカイコ幼虫中部絹糸腺から簡易的にセリシンを得る方法の探索を行った。
セリシンホープハイブリッド種からの中部絹糸腺摘出とセリシンの採取
5齢5〜6日目の生育ステージに到達したカイコ幼虫の腹部を解剖ハサミで切開し、中部絹糸腺を摘出した。絹糸腺を純水または1%塩化ナトリウム水溶液で体液を洗い流した後,冷却した30%エタノール、30%イソプロパノール、30%グリセリンのいずれかに一晩以上浸漬した。浸漬して硬化した中部絹糸腺を取りだし、絹糸腺細胞を指でこすり落とすように分離し、純水中で細胞片を洗浄してセリシンを得た。セリシンは−80℃で冷凍保存し、完全に凍結したのを確認後、凍結乾燥を行った。乾燥したセリシンは、マルチビーズショッカーを用いてパウダー化した(粉砕条件:3,000rpm,10秒)
SDS−PAGE
パウダー化したセリシン20mgを1.5mLチューブに秤量し、8M臭化リチウム水溶液を1mL添加した。直ちにボルテックスミキサーで撹拌した後、60℃のヒートブロック上で1時間加熱処理し、セリシンを溶解した。得られたセリシン溶液は遠心分離(10,000×g,4℃,15分)を行い、上清を得た。上清は8M尿素水溶液で20倍希釈し、試料用緩衝液と混合して50℃のヒートブロック上で30分還元処理を行った。還元処理をしたサンプルを3‐10%グラジエントゲルに5μLアプライし80分間泳動し、その後クイック−CBBプラス(WAKO)で染色した。
各溶媒で分離したセリシンの泳動結果は図1の通り。エタノール、イソプロパノール、グリセロールのどの溶媒もセリシンMに影響を及ぼさず、絹糸腺細胞とセリシンを分離できることがわかった。絹糸腺細胞とセリシンの分離しやすさの比較では、グリセロールが最も分離しやすく、続いてイソプロパノール、エタノールとなった。また、絹糸腺に付着する体液の洗浄において純水もしくは1%塩化ナトリウム水溶液を用いたところ、泳動結果に差は見られなかったが、30%エタノールに浸漬した絹糸腺は1%塩化ナトリウム水溶液洗浄サンプルが純水洗浄サンプルに比べ分離しにくかった。以上の結果から、絹糸腺細胞とセリシンの分離について、30%グリセロール溶液での浸漬が適していると結論した。
(図1)
試験項目2
セリシンMの単離法(中部絹糸腺前・後区切除法)
試験項目1で確立したセリシンの分離法を用いて、セリシンMの単離法を検討した。
セリシンホープハイブリッド種からの中部絹糸腺摘出とセリシンの採取
5齢5〜6日目の生育ステージに到達したカイコ幼虫の腹部を解剖ハサミで切開し、中部絹糸腺を摘出した。絹糸腺を純水で体液を洗い流した後,冷却した30%グリセロール水溶液に一晩以上浸漬した。浸漬して硬化した中部絹糸腺を取りだし、絹糸腺細胞を指でこすり落とすように分離した。この時に中部絹糸腺前区と後区を解剖ハサミで切除し、純水中で細胞片を洗浄して中部絹糸腺中区セリシンのみを得た。セリシンは−80℃で冷凍保存し、完全に凍結したのを確認後、凍結乾燥を行った。乾燥したセリシンは、マルチビーズショッカーを用いてパウダー化した(粉砕条件:3,000rpm,10秒)。
SDS−PAGE
パウダー化したセリシン20mgを1.5mLチューブに秤量し、8M臭化リチウム水溶液を1mL添加した。直ちにボルテックスミキサーで撹拌した後、60℃のヒートブロック上で1時間加熱処理し、セリシンを溶解した。得られたセリシン溶液は遠心分離(10,000×g,4℃,15分)を行い、上清を得た。上清は8M尿素水溶液で20倍希釈し、試料用緩衝液と混合して50℃のヒートブロック上で30分還元処理を行った。還元処理をしたサンプルを3‐10%グラジエントゲルに5μLアプライし80分間泳動し、その後クイック−CBBプラス(WAKO)で染色した。
得られたセリシンの泳動結果は図2の通り。中部絹糸腺前区と後区を除去し中区のみのセリシンから、中区で合成されるセリシンMをほぼ単離できることが示された。
(図2)
試験項目3
セリシンMの単離法2
さらにセリシンMを単離する方法として、農業生物試資源研究所研究資料「高須陽子(2008)家蚕セリシンの主要成分の分離および構造解明と利用に関する研究」を参考にエタノール沈殿法によるセリシン精製を行った。今回の実験ではセリシンMのみが精製されているかを確認するため、試験項目1で得た全区セリシンを使用した。
セリシン溶液の調製とエタノールによるセリシンの沈殿
試験項目1で得たセリシンパウダーを250mg秤量し、8M臭化リチウム水溶液10mLを加えボルテックスミキサーで撹拌後、60℃のヒートブロック上で1時間加熱しセリシンを溶解し、約2.5%のセリシン溶液を調製した。これをビーカーに移し、マグネチックスターラーで撹拌しながらエタノール21mLを徐々に加えた。この時セリシン溶液のエタノール濃度は約68%となる。この溶液を15mL容の遠沈管4本に分注し、15,000rpm、15℃、15分間遠心分離した。上清29mLを回収し、これを撹拌しながらエタノール2mLを加え、遠心分離し沈殿物を回収した。この時生じた沈殿物を8M臭化リチウム水溶液10mLで再度溶解し、沈殿操作を繰り返し、エタノール濃度約68%時沈殿物1(161mg)、エタノール濃度約71%時沈殿物2(90mg)を得た。沈殿物は濾紙で水分をできる限り除いた。
SDS−PAGE
濾紙で水分を除去した沈殿物1、2各50mgを秤量し1.5mLチューブに入れ、8M臭化リチウム水溶液を1mL添加した。直ちにボルテックスミキサーで撹拌した後、60℃のヒートブロック上で1時間加熱処理し、沈殿物を溶解した。得られた溶液は遠心分離(10,000rpm,15分)を行い、上清を得た。上清は8M尿素水溶液で20倍希釈し、試料用緩衝液と混合して50℃のヒートブロック上で30分還元処理を行った。還元処理をしたサンプルを3‐10%グラジエントゲルに5μLアプライし80分間泳動し、その後クイック−CBBプラス(WAKO)で染色した。
得られた沈殿物1、2の泳動結果は図3の通り。エタノール濃度約68%沈殿物でセリシンAとM、そしてセリシンPと思われるバンドが表れた。また、エタノール濃度約71%のとき、セリシンMにあたるバンドのみが検出し、セリシンMのみ精製されていることが示された。
(図3)
試験項目4
電子線照射滅菌によるセリシンパウダーへの影響
試験項目2で得たセリシンパウダーについて、低分子化を起こさずに滅菌する方法を検討した。今回は電子線照射による滅菌を行い、滅菌前と滅菌後のセリシン分子量をSDS−PAGEで比較した。
セリシンパウダーの電子線照射滅菌
電子線照射は、日本電子照射サービス株式会社に委託した。試験項目2で得たセリシンパウダーは、1.5mLチューブに500mgずつ分注した状態で送付した。電子線照射条件は別ページに記載。
SDS−PAGE
未滅菌セリシンパウダーおよび電子線照射滅菌セリシンパウダーは、各20mgずつ1.5mLチューブに秤量し、8M臭化リチウム水溶液を1mL添加した。直ちにボルテックスミキサーで撹拌した後、60℃のヒートブロック上で1時間加熱処理し、セリシンを溶解した。得られたセリシン溶液は遠心分離(10,000×g,4℃,15分)を行い、上清を得た。上清は8M尿素水溶液で20倍希釈し、試料用緩衝液と混合して50℃のヒートブロック上で30分還元処理を行った。還元処理をしたサンプルを3‐10%グラジエントゲルに5μLアプライし80分間泳動し、その後クイック−CBBプラス(WAKO)で染色した。
未滅菌セリシンおよび電子線照射滅菌セリシンの泳動結果は図4の通り。未滅菌セリシンは分子量マーカー460,000より上部のセリシンM部分にバンドが検出された。一方で、電子線照射滅菌セリシンはバンドが薄くスメアとなり、セリシンが低分子化している傾向が見られた。これらの結果から、電子照射による滅菌ではセリシンが分解、低分子化することが確認された。
(図4)
本発明により効率良く製造されたセリシンは保湿性、抗酸化作用、チロシナーゼ活性阻害作用、細胞生育促進作用など様々な機能性が見出され、化粧用材、医療分野での利用が期待されており、一部化粧品等で商品化されている。また、培養基材や凍結保護基材としても注目すべき素材である。
特にセリシンMは、セリシンA、Pよりも高い細胞生育促進効果を持つことが報告されており、有用性が期待される。

Claims (5)

  1. フィブロインを特異的に産生しない突然変異蚕系統又はその交雑種の中部絹糸腺をアルコール系の溶媒に浸漬し、細胞とセリシンを硬化させて分離することを特徴とするセリシンMの製造方法
  2. 前記アルコール系の溶媒がグリセロール、イソプロパノール、エタノールである、請求項1に記載されたセリシンMの製造方法
  3. 前記フィブロインを特異的に産生しない突然変異蚕系統又はその交雑種がセリシンホープハイブリッド種である、請求項1〜2に記載されたセリシンMの製造方法
  4. 前記中部絹糸腺が、中部絹糸腺前区及び後区を除去した中部絹糸腺中区のみからなることを特徴とする、請求項1〜3に記載されたセリシンMの製造方法
  5. 前記細胞とセリシンを硬化させて分離する工程の後、高濃度の臭化リチウムで溶解後、エタノールを用いてセリシンを沈殿させることを特徴とする、請求項1〜4に記載されたセリシンMの製造方法
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