JP2019001662A - 風冷強化用ガラス、および、風冷強化ガラス - Google Patents

風冷強化用ガラス、および、風冷強化ガラス Download PDF

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Abstract

【課題】厚さが2.5mm以下の薄型のガラスとした場合でも、風冷強化により十分な残留応力を加えることができる風冷強化用ガラスの提供。【解決手段】Fe3+含有量がFe2O3換算で0.8質量%以上2.2質量%未満であり、Fe2+含有量がFe2O3換算で0.45質量%以下であり、Fe—Redoxの値が20%以下であり、50〜350℃での平均熱膨張係数α50〜350が75×10-7/℃以上90×10-7/℃以下であり、ガラス転移点が500℃以上600℃以下であり、ガラス転移点と屈伏点の間における熱膨張係数の極大値αmaxが410×10-7/℃以上である、風冷強化用ガラス。【選択図】なし

Description

本発明は、厚さが2.5mm以下の薄型のガラスとした場合でも、風冷強化により十分な残留応力を加えることができる、風冷強化用ガラスに関する。
また、本発明は、本発明の風冷強化用ガラスを風冷強化した風冷強化ガラスに関する。
強化ガラスは、一般的なガラスの課題である割れやすいという欠点が改善されたものであり、輸送機器、建築等に用いられている。輸送機器としては、乗用車、トラック、バス、鉄道、船舶、航空機等が挙げられ、窓、ヘッドライト、テールライト等に用いられている。また、建築としては、ビル、住宅等が挙げられ、ドア、パーテーション等に用いられている。その他、本棚、ショーケース等の家具、調理器具等の電化製品、事務用品等に広く用いられている。
強化ガラスは、例えば、熱強化と呼ばれる方法により製造される。熱強化は、冷却時のガラスの熱収縮を利用したものであり、ガラスを軟化点または屈伏点付近の温度まで加熱した後に冷却する。この際、内部の温度降下に比べて表面の温度降下が早いことから、厚さ方向に温度差が発生して表面に引張応力および内部に圧縮応力が発生し、その後の応力緩和現象に基づく逆転により表面に圧縮応力および内部に引張応力が発生して残留する。表面に圧縮応力が残留していることから、強度が向上し、また傷の進展が抑制されて耐擦傷性が改善する。熱強化としては、フロート法等によって板状のガラスを製造し、切断されたガラス板を軟化点または屈伏点付近の温度まで加熱した後、表面に冷却媒を吹き付けて急冷する風冷強化が代表的なものである。
近年、輸送機器、建築等における強化ガラスの軽量化が求められている。強化ガラスの軽量化は、その厚さを薄くする薄型化によって達成でき、例えば、厚さを2.5mm以下とすることが求められている。しかし、熱強化は冷却時の表面と内部との温度差を利用することから、厚さを薄くすると表面と内部との温度差を大きくできず、本格的な強化が難しい。
薄型の強化ガラスの製造方法として、例えば、所定のガラス組成を有するとともに、50〜350℃における平均線膨張係数が80〜110×10-7/℃のガラス組成物を用いることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このような製造方法では、低温側の平均線膨張係数のみを制御することから、必ずしも厚さが2.5mm以下の薄型のガラスに対し残留応力を有効に付与できない。
また、特許文献2に記載の太陽電池モジュールのように、両面がガラスにより挟まれた構造を持つ太陽電池モジュールでは、ガラス基板の重量がモジュール重量の大半を占めるため、ガラス基板を薄くし、軽量にするメリットはとても大きい。そのため、受光面板および背面板として、化学強化ガラスからなるガラス基板が使用されている。化学強化ガラスであれば、厚さが2.5mm以下であっても十分な残留応力を加えることができるからである。
しかしながら、化学強化ガラスは、風冷強化ガラスに比べて高価であるため、受光面板および背面板として、化学強化ガラスを用いた特許文献2に記載の太陽電池モジュールは、高価なものとなる。
特開2003−119048号公報 特開2013−247238号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、厚さが2.5mm以下の薄型のガラスとした場合でも、風冷強化により十分な残留応力を加えることができる、風冷強化用ガラス、および、風冷強化用ガラスを風冷強化した風冷強化ガラスを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明は、Fe3+含有量がFe23換算で0.8質量%以上2.2質量%未満であり、Fe2+含有量がFe23換算で0.45質量%以下であり、Fe―Redoxの値が20%以下であり、50〜350℃での平均熱膨張係数α50〜350が75×10-7/℃以上90×10-7/℃以下であり、ガラス転移点が500℃以上600℃以下であり、ガラス転移点と屈伏点の間における熱膨張係数の極大値αmaxが410×10-7/℃以上である、風冷強化用ガラスを提供する。
本発明の風冷強化用ガラスは、酸化物基準の質量%表示で、
SiO2 66〜75%、
Al23 0〜15%、
23 0〜20%、
MgO+CaO+SrO+BaO 1〜30%、
Li2O+Na2O+K2O 1〜25%
を含むことが好ましい。
また、本発明は、本発明の風冷強化用ガラスを風冷強化した風冷強化ガラスを提供する。
本発明の風冷強化ガラスは、表面圧縮応力値が60MPa以上であることが好ましい。
本発明の風冷強化ガラスは、2.5mm以下の厚さを有することが好ましい。
本発明の風冷強化ガラスは、自動車用途に好ましく使用できる。
本発明の風冷強化ガラスは、建築用途に好ましく使用できる。
本発明の風冷強化ガラスは、太陽電池モジュールに好ましく使用できる。
本発明の風冷強化用ガラスは、厚さが2.5mm以下の薄型のガラスとした場合でも、風冷強化により十分な残留応力を加えることができる。
図1は、実施例で使用した風冷強化設備の冷却用ノズルが設けられた部位の平面図である。
以下、本発明の風冷強化用ガラスについて説明する。
本発明の風冷強化用ガラスは、ガラス転移点が500℃以上である。上述したように、風冷強化処理では、フロート法等によって板状のガラスを製造し、切断されたガラス板を軟化点または屈伏点付近の温度まで加熱した後、表面に冷却媒を吹き付けて急冷することにより、残留応力をガラスに付与するが、ガラス転移点が500℃未満の場合、上述した加熱工程および冷却工程によって表面と内部とに温度差をつけにくく、残留応力を有効に付与できない。ガラス転移点は530℃以上が好ましく、540℃以上がより好ましい。なお、加熱工程時における温度の上限はガラス転移点+200℃であることが好ましい。加熱工程時における温度の上限がガラス転移点+200℃よりも高くなると、高温でガラスが粘性流動変形しやすくなり、最終的な強化ガラスの光学品質が悪化するおそれがある。
一方、ガラス転移点が高すぎると、加熱工程において高温に加熱する必要があり、ガラスを保持するための周辺部材等が高温に晒されることから、これらの寿命が著しく低下するおそれがあり、寿命を延ばすためには耐熱性に優れた高価な部材を用いる必要がある。そのため、ガラス転移点は600℃以下とする。ガラス転移点は590℃以下が好ましく、580℃以下がより好ましい。
本発明の風冷強化用ガラスは、ガラス転移点と屈伏点の間における熱膨張係数の極大値αmax(以下、本明細書において、「高温熱膨張係数αmax」と記載する。)が410×10-7/℃以上である。高温熱膨張係数αmaxが410×10-7/℃未満の場合、厚さが2.5mm以下の薄型のガラスとした場合、一般的な風冷強化装置を用いて、残留応力を有効に付与できないおそれがある。一般に、風冷強化は、ガラス転移点よりも100℃程度高い温度から急冷することにより行われる。高温熱膨張係数αmaxを410×10-7/℃以上とすることで、厚さが2.5mm以下の薄型のガラスとした場合でも、このような温度から、一般的な風冷強化装置を用いて残留応力を有効に付与できる。
ここで、高温熱膨張係数αmaxとは、後述のように熱膨張計によって測定した被処理ガラスの膨張係数曲線において,熱膨張係数がガラス転移点と屈伏点との間における極大値をいう。高温熱膨張係数αmaxは、残留応力を付与する観点からは大きいほど好ましいが、通常は600×10-7/℃もあれば十分である。また、高温熱膨張係数αmaxが大きくなると、冷却の初期において発生する一時歪によってガラスの割れが発生し歩留まりを悪化させる恐れがあることから、高温熱膨張係数αmaxは410×10-7/℃以上600×10-7/℃以下が好ましい。
本発明の風冷強化用ガラスの屈伏点は、必ずしも制限されないが、600℃を超えることが好ましい。屈伏点が600℃以下の場合、切断されたガラス板を軟化点または屈伏点付近の温度まで加熱する際に、加熱温度、すなわち強化開始温度が低くなり、残留応力を有効に付与できないおそれがある。屈伏点は750℃以下が好ましい。屈伏点が750℃を超えると、高温に加熱する必要があり、ガラスを保持するための周辺部材等が高温下に晒されることから、これらの寿命が著しく低下するおそれがあり、寿命を延ばすためには耐熱性に優れた高価な部材を用いる必要がある。本発明の風冷強化用ガラスの屈伏点は、700℃以下がより好ましい。
本発明の風冷強化用ガラスは、50〜350℃での平均熱膨張係数α50〜350が大きいほうが、残留応力を付与する観点からは好ましいが、大きすぎると、現行の他部材との膨張不整合が問題になったり、熱衝撃に対して弱くなったりする可能性がある。そのため、本発明の風冷強化用ガラスは、50〜350℃での平均熱膨張係数α50〜350が75×10-7/℃以上であり、77×10-7/℃以上であることがより好ましく、79×10-7/℃以上であることがさらに好ましい。一方、本発明の風冷強化用ガラスは、50〜350℃での平均熱膨張係数α50〜350が110×10-7/℃以下であり、100×10-7/℃以下であることがより好ましく、95×10-7/℃以下であることがさらに好ましい。
本発明の風冷強化用ガラスは、高温熱膨張係数αmaxと、50〜350℃での平均熱膨張係数α50〜350と、の熱膨張係数差(Δα(=αmax−α50〜350))が、345×10-7/℃以上が好ましい。低温から高温までの熱膨張係数、すなわち高温熱膨張係数αmax、および、50〜350℃での平均熱膨張係数α50〜350を単純に大きくした場合、加熱工程および冷却工程の際、熱衝撃による割れ、他部材との熱膨張の不整合、現行プロセスとの不適合等が発生しやすくなる。
熱膨張係数差(Δα)を345×10-7/℃以上とすることで、すなわち、50〜350℃での平均熱膨張係数α50〜350を一定にしたまま、高温熱膨張係数αmaxを相対的に大きくすることで、厚さが2.5mm以下の薄型のガラスとした場合でも、一般的な風冷強化装置を用いて残留応力を有効に付与できるとともに、熱衝撃による割れ等の発生も抑制できる。熱膨張係数差(Δα)は、360×10-7/℃以上がより好ましく、370×10-7/℃以上がさらに好ましい。熱膨張係数差(Δα)は、基本的に大きいほど好ましいが、通常は500×10-7/℃もあれば十分である。
ここで、ガラス転移点、屈伏点、熱膨張係数(αmax、α50〜350)は、以下の要領で測定する。すなわち、直径5mm、長さ20mmの円柱状サンプルを作製し、熱膨張計を用いて5℃/分の昇温速度、10gの荷重条件下で熱膨張を測定し、ガラス転移点、屈伏点、熱膨張係数(αmax、α50〜350)を求める。
風冷強化ガラスは、上述した加熱工程および冷却工程を実施することによって生じる、表面と内部との温度差を利用することから、厚さを薄くすると表面と内部との温度差を大きくできず、十分な残留応力を加えることが困難であった。この点について、本願発明者は鋭意検討した結果、風冷強化用ガラスの三価の鉄(Fe3+)の含有量、二価の鉄(Fe2+)の含有量、および、Fe−Redoxの値が特定の条件を満たす場合に、αmaxを大きくすることができ、その結果、風冷強化されたガラスの残留応力が向上することを見出した。
本発明の風冷強化用ガラスは、Fe3+含有量がFe23換算で0.8質量%以上2.2質量%未満であることにより、厚さが2.5mm以下の薄型のガラスとした場合でも、一般的な風冷強化装置を用いて残留応力を有効に付与できる。Fe3+含有量がFe23換算で0.8質量%未満だと、厚さが2.5mm以下の薄型のガラスとした場合、一般的な風冷強化装置を用いて、残留応力を有効に付与できないおそれがある。Fe3+含有量がFe23換算で2.2質量%以上だと、黄色味が強くなり外観が悪化するため好ましくない。
本発明の風冷強化用ガラスは、Fe3+含有量がFe23換算で0.9質量%以上2.1質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1.0質量%以上2.0質量%以下である。
本発明の風冷強化用ガラスは、Fe2+含有量がFe23換算で0.45質量%以下である。Fe2+含有量がFe23換算で0.45質量%よりも高いと、溶融窯の温度が低くなり、ガラスの溶解性が低下する。
本発明の風冷強化用ガラスは、Fe2+含有量がFe23換算で0.43質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.41質量%以下である。
本発明の風冷強化用ガラスは、Fe−Redoxの値が20%以下である。ここで、Fe−Redoxとは、Fe23換算の全鉄含有量に対するFe23換算のFe2+含有量の割合である。Fe−Redoxの値が20%より大きいと、太陽光でソラリゼーションが起こり、色味が変化してしまうため長期での使用時に色の変化が起きるという問題がある。
本発明の風冷強化用ガラスは、Fe−Redoxの値が16%以下であることが好ましく、より好ましくは13%以下、さらに好ましくは10%以下である。
本発明の風冷強化用ガラスは、酸化物基準の質量%表示で、
SiO2 66〜75%、
Al23 0〜15%、
23 0〜20%、
MgO+CaO+SrO+BaO 1〜30%、
Li2O+Na2O+K2O 1〜25%
を含むことが好ましい。以下、酸化物基準の質量%を、単に%と表示する。
このような組成によれば、強化ガラスの製造に一般的に用いられるソーダライムガラスの構成成分と基本的な構成成分が同じであることから、生産性が良好となる。また、このような組成によれば、ガラス転移点が500℃以上600℃以下、かつ高温熱膨張係数αmaxが410×10-7/℃以上のものが得られる。以下、各成分の組成の範囲について説明する。
SiO2の含有量は66%以上75%以下である。66%未満ではガラスの密度が大きくなる、熱膨張係数が大きくなる、耐擦傷性が悪化する、等の不具合が発生する。SiO2の含有量は、好ましくは67%以上、より好ましくは68%以上である。また、SiO2の含有量が75%を超えると、粘性が高くなりガラスが溶解しにくくなる。SiO2の含有量は、好ましくは73%以下である。
Al23は必要に応じて含有させることができ、その含有量は15%以下である。Al23の含有量が15%を超えると、ガラス転移点以上での熱膨張係数が大きくなりにくく、残留応力を大きくすることが困難になるおそれがある。Al23の含有量は、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
23は必要に応じて含有させることができ、その含有量は20%以下である。B23の含有量が20%を超えると、ガラス転移点以上での熱膨張係数が大きくなりにくく、残留応力を大きくすることが困難になるおそれがある。B23の含有量は、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下である。
アルカリ土類金属酸化物、すなわち、MgO、CaO、SrO、およびBaOの含有量の合計(MgO+CaO+SrO+BaO)は、1%以上である。MgO+CaO+SrO+BaOが1%未満であると、ガラスの高温での溶解性と適度な熱膨張係数を維持するために、アルカリ金属酸化物、すなわち、Li2O、Na2O、K2Oを多量に添加する必要があり、その結果、歪点と屈伏点の温度差が小さくなり、残留応力が小さくなるおそれがある。MgO+CaO+SrO+BaOは、3%以上が好ましく、5%以上がより好ましく、10%以上がさらに好ましい。MgO+CaO+SrO+BaOは、30%以下が好ましい。30%を超えると、ガラスの失透傾向が強まり生産性が悪化する。MgO+CaO+SrO+BaOは、25%以下が好ましい。
MgOの含有量は0.1%以上である。MgOは、熱膨張係数を適度に維持するために必要であり、また耐擦傷性を向上できる。MgOの含有量は、好ましくは2%以上、より好ましくは3%以上である。また、MgOの含有量は25%以下である。MgOの含有量が25%を超えると、ガラスの失透傾向が強まり生産性が悪化する。MgOの含有量は、好ましくは23%以下、より好ましくは21%以下、さらに好ましくは20%以下である。
CaOの含有量は0.1%以上である。CaOは、ガラスの熱膨張係数を適度に維持するために必要である。CaOの含有量は、好ましくは2%以上、より好ましくは3%以上である。CaOの含有量は15%以下である。CaOの含有量が15%を超えると、ガラスの失透傾向が強まり生産性が悪化する。CaOの含有量は、好ましくは14%以下、より好ましくは13%以下である。
SrOは必要に応じて含有させることができ、その含有量は10%以下である。SrOを含有させることにより、ガラスの高温での溶解性と熱膨張係数を調整できる。SrOの含有量が10%を超えると、ガラスの密度が大きくなり、ガラスの重量が大きくなる。SrOを含有させる場合、1%以上が好ましく、より好ましくは1.5%以上である。SrOの含有量は、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは5%以下である。
BaOは必要に応じて含有させることができ、その含有量は10%以下である。BaOを含有させることにより、ガラスの高温での溶解性と熱膨張係数を調整できる。一方、BaOを含有すると、ガラスの密度が大きくなることから、ガラスの重量が大きくなりやすい。また、BaOを含有すると、ガラスが脆くなることから、クラック・イニシエーション・ロードが低くなり、傷つきやすくなる。このため、BaOの含有量は7%以下であり、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下である。
アルカリ金属酸化物、すなわち、Li2O、Na2O、K2Oの含有量の合計(Li2O+Na2O+K2O)は、1%以上である。Li2O+Na2O+K2Oが1%未満であると、ガラスの高温での溶解性と適度な熱膨張係数を維持するために、アルカリ土類金属酸化物、すなわち、MgO、CaO、SrO、およびBaOを多量に添加する必要があり、その結果、ガラスの失透傾向が強まり生産性が悪化する。Li2O+Na2O+K2Oは、3%以上が好ましく、5%以上がより好ましく、8%以上がさらに好ましく、10%以上が特に好ましい。Li2O+Na2O+K2Oは、25%以下が好ましい。25%を超えると、歪点と屈伏点の温度差が小さくなり、残留応力が小さくなるおそれがある。Li2O+Na2O+K2Oは、25%以下が好ましく、20%以下がより好ましい。
Na2Oの含有量は8%以上である。Na2Oはガラスの密度が低くても、熱膨張係数が大きくなる成分であるため、熱膨張係数を調整する目的でガラス組成中に含有させる。Na2Oの含有量は、9%以上が好ましく、10%以上がより好ましい。Na2Oの含有量は20%以下である。Na2Oの含有量が20%を超えると、歪点と屈伏点の温度差が小さくなるために強化応力が小さくなり、また熱膨張係数が大きくなり過ぎる。Na2Oの含有量は、好ましくは17%以下、より好ましくは15%以下である。
2Oは、必要に応じて含有させることができるが、その含有量は0.1%以上が好ましい。K2Oの含有量が0.1%以上の場合、ガラスの高温での溶解性と適度な熱膨張係数を維持できる。K2Oの含有量は、より好ましくは0.5%以上、特に好ましくは1%以上である。K2Oの含有量は、4%以下である。K2Oの含有量が4%を超えると、ガラスの密度が大きくなり、ガラスの重量が大きくなる。K2Oの含有量は、好ましくは3.5%以下、より好ましくは3%以下である。
本発明の風冷強化用ガラスは、実質的に上記成分からなることが好ましいが、必要に応じて、かつ本発明の趣旨に反しない限度において、他の成分を合計で10%まで含有してもよい。他の成分としては、例えば、ZrO2、Y23、CeO2、MnO、CoO等が挙げられる。また、PbO等を含有することもできるが、これらは実質的に含有しないことが好ましい。なお、実質的に含有しないとは、0.01%未満を示す。
さらに、ガラスの溶融の際の清澄剤として、SO3、塩化物、フッ化物、ハロゲン、SnO2、Sb23、As23等を適宜含有してもよい。さらに、色味の調整のため、Ni、Cr、V、Se、Au、Ag、Cdなどを含有してもよい。被処理ガラスは、As、Sb、Pbを実質的に含まないことが好ましい。これらのものは毒性があることから、環境への影響を防ぐために、ガラス中には含まれないことが好ましい。なお、実質的に含有しないとは、0.01%未満を示す。
本発明の風冷強化用ガラスは、厚さが2.5mm以下の薄型のガラスとした場合でも、一般的な風冷強化装置を用いて残留応力を有効に付与できるため、ガラスを軽量化することができる。軽量化の観点からは、厚さが2.4mm以下であることが好ましく、2.3mm以下がより好ましい、2.0mm以下、1.5mm以下、1.3mm以下がさらに好ましい。但し、残留応力を有効に付与する観点からは、その板厚が0.5mm以上であることが好ましく、0.7mm以上であることがより好ましい。
本発明の風冷強化用ガラスは、フロート法、フュージョン法、ダウンロード法、およびロールアウト法などのガラス板成形方法のうち、いずれかの方法によって製造される。フロート法によれば、大面積のガラス板を生産することが容易であり、かつ厚さ偏差を小さくしやすいために好ましい。
本発明の風冷強化用ガラスは、厚さが2.5mm以下の薄型のガラスとした場合でも、一般的な風冷強化装置を用いて残留応力を有効に付与できる。厚さが2.5mm以下の薄型のガラスとした場合に、風冷強化後のガラスの表面圧縮応力値が110MPa以上であることが好ましく、より好ましくは、122MPa以上、さらに好ましくは130MPa以上である。
厚さが2.0mm以下の薄型のガラスとした場合に、風冷強化後のガラスの表面圧縮応力値が70MPa以上であることが好ましく、より好ましくは、78MPa以上、さらに好ましくは85MPa以上である。
厚さが1.5mm以下の薄型のガラスとした場合に、風冷強化後のガラスの表面圧縮応力値が60MPa以上であることが好ましく、より好ましくは、65MPa以上、さらに好ましくは70MPa以上である。
本発明の風冷強化ガラスは、本発明の風冷強化用ガラスを風冷強化したものである。
本発明の風冷強化ガラスの厚さは、用途により異なるが、上述した本発明の風冷強化用ガラスの特徴により、2.5mm以下の厚さを有することが好ましい。
本発明の風冷強化ガラスの表面圧縮応力値は、風冷強化ガラスの厚さにより異なるが、厚さが2.5mm以下の場合、表面圧縮応力値が110MPa以上であることが好ましく、より好ましくは、122MPa以上、さらに好ましくは130MPa以上である。厚さが2.0mm以下の場合は、表面圧縮応力値が70MPa以上であることが好ましく、より好ましくは、78MPa以上、さらに好ましくは85MPa以上である。厚さが1.5mm以下の場合は、表面圧縮応力値が60MPa以上であることが好ましく、より好ましくは、65MPa以上、さらに好ましくは70MPa以上である。
本発明の風冷強化ガラスは、強化ガラスが用いられる各種用途に好ましく使用できる。具体的には、自動車用途、建築用途に好ましく使用できる。また、太陽電池モジュールの受光面板若しくは背面板として好ましく使用できる。
太陽電池モジュールの背面板として用いる場合、風冷強化ガラスの透明性が高いと配線などが目視され意匠性が悪くなる。意匠性を良くするためには、風冷強化ガラスは、ISO−9050(2003)規定の可視光透過率(D65光源)Tv_D65が82%以下であることが好ましく、80%以下であることがより好ましく、77%以下であることがさらに好ましい。
以下、実施例を用いて本発明をさらに説明する。
表1に示すようなガラス組成となるように、酸化物等の一般的に使用されるガラス原料を適宜選択し、混合物を白金るつぼに入れ、1600℃の抵抗加熱式電気炉に投入し、3時間溶融し、脱泡、均質化した後、型材に流し込み、ガラス転移点から約30℃高い温度にて1時間以上保持した後、毎分0.3〜1℃の冷却速度にて室温まで徐冷し、実施例1〜5、比較例1〜6の板状のガラスサンプルを作製した。
得られたガラスサンプルについて、分光光度計により測定したガラスサンプルのスペクトル曲線から下式(1)を用いてFe−Redoxを算出した。
Fe−Redox(%)=−loge(T1000nm/91.4)/(Fe23量×t×20.79)×100 ・・・(1)。
ただし、
1000nmは、分光光度計(Perkin Elmer社製、Lambda950)により測定した波長1000nmの透過率(%)であり、
tは、ガラスサンプルの厚さ(cm)であり、
Fe23量は、蛍光X線測定によって求めた、Fe23換算の全鉄含有量(%=質量百分率)である。
上記Fe−Redoxは、分光光度計により測定したガラスサンプルのスペクトル曲線から求める方法であるが、この値は、同じガラス中のFe23換算の全鉄含有量に対するFe23換算のFe2+含有量の割合と等しいとみなしてよい。
そして、JIS R 3103−3:2001の規格に基づき、ガラスサンプルから、直径5mm、長さ20mmの円柱状サンプルを作製し、熱膨張計(ブルカー・エイエックスエス社製、TMA4000SA)を用いて5℃/分の昇温速度、10gの荷重で熱膨張を測定し、ガラス転移点(Tg)を求めた。
また、JIS R 1618:2002の規格に基づき、被処理ガラスについて、ガラス転移点の測定と同様に熱膨張計(ブルカー・エイエックスエス社製、TMA4000SA)を用いて5℃/分の昇温速度で熱膨張を測定し、50〜350℃における平均熱膨張係数α50〜350、および、高温熱膨張係数αmaxを求めた。
また、可視光透過率(Tv_D65については分光光度計(Perkin Elmer社製、Lambda950)を用いて測定した。
さらに、実施例1〜5、比較例1〜6のガラスサンプルについて、風冷強化のしやすさを評価するため、風冷強化後の表面残留応力を以下に示す方法で測定した。
ガラスサンプルを550mm×550mmの大きさに切断し、面取り加工を施した。風冷強化処理には一般的なローラー搬送式の風冷強化設備を用いた。図1は、この風冷強化設備の冷却用ノズルが設けられた部位の平面図であり、図中左側には該冷却用ノズルが設けられた部位の端面の形状を示している。図1に示すように、複数の冷却用ノズル20,30,40は段違いに配列されている。ノズル20は、被処理ガラス板の被処理面に垂直な向きに設けられている。ノズル20は、直径が3.1mmであり、ノズル20間のピッチは24mmである。ノズル30,40は、被処理ガラス板の被処理面に対し斜めの向きに設けられている。ノズル30,40は、それぞれ直径が3.9mmであり、ノズル30間のピッチ、ノズル40間のピッチは、それぞれ24mmである。ノズル30に対し、直近のノズル20のピッチ、直近のノズル40のピッチは、それぞれ8mmである。ノズル20と被処理ガラス板の被処理面との距離は10mmである。ノズル20,30,40から冷却媒として供給する空気の温度は60℃、風圧(吹口風圧)は18〜19kPaとし、被処理ガラス板を630〜635℃に加熱した状態から被処理ガラス板の被処理面に対し、冷却媒として空気を吹き付けて冷却した。このようにして作製された風冷強化ガラスの表面圧縮応力値をガラス表面応力計(折原製作所製FSM−7000H)にて測定した。各サンプルの表面圧縮応力値を比較例5の表面圧縮応力値で除した値を相対表面圧縮応力値とした。
Fe3+含有量がFe23換算で0.8質量%以上2.2質量%未満、Fe2+含有量がFe23換算で0.45質量%以下であり、Fe―Redoxの値が20%以下の実施例1〜5のガラスは、高温熱膨張係数αmaxが410×10-7/℃以上であり、風冷強化後のガラスの相対表面圧縮応力値が1.1以上であった。Fe23を含有しない比較例1、2のガラス、Fe3+含有量がFe23換算で0.8質量%未満、Fe―Redoxの値が20%超の比較例3〜6のガラスは、高温熱膨張係数αmaxが410×10-7/℃未満であり、風冷強化後のガラスの相対表面圧縮応力値が1.1未満であった。
20,30,40 ノズル

Claims (9)

  1. Fe3+含有量がFe23換算で0.8質量%以上2.2質量%未満であり、Fe2+含有量がFe23換算で0.45質量%以下であり、Fe―Redoxの値が20%以下であり、50〜350℃での平均熱膨張係数α50〜350が75×10-7/℃以上110×10-7/℃以下であり、ガラス転移点が500℃以上600℃以下であり、ガラス転移点と屈伏点の間における熱膨張係数の極大値αmaxが410×10-7/℃以上である、風冷強化用ガラス。
  2. 酸化物基準の質量%表示で、
    SiO2 66〜75%、
    Al23 0〜15%、
    23 0〜20%、
    MgO+CaO+SrO+BaO 1〜30%、
    Li2O+Na2O+K2O 1〜25%
    を含む、請求項1に記載の風冷強化用ガラス。
  3. 請求項1または2に記載の風冷強化用ガラスを風冷強化した風冷強化ガラス。
  4. 表面圧縮応力値が60MPa以上である、請求項3に記載の風冷強化ガラス。
  5. 2.5mm以下の厚さを有する、請求項3または4に記載の風冷強化ガラス。
  6. 自動車用途に使用される、請求項3〜5のいずれか1項に記載の風冷強化ガラス。
  7. 建築用途に使用される、請求項3〜5のいずれか1項に記載の風冷強化ガラス。
  8. 太陽電池モジュールに使用される、請求項3〜5のいずれか1項に記載の風冷強化ガラス。
  9. 太陽電池モジュールの背面板に使用され、ISO−9050(2003)規定の可視光透過率(D65光源)Tv_D65が82%以下である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の風冷強化ガラス。
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