JP2019001366A - 車両用駆動力配分装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】左右の副駆動輪に対する駆動力配分用の一対のクラッチの何れか一方が過熱して係合トルクが制限される場合に、所定の走行性能を確保できるようにする。【解決手段】左右のクラッチの何れか一方が過熱した場合に、左右両方のクラッチの係合トルクを同一の制限値にて制限する両クラッチ係合制限(S6)が実行されるため、過熱したクラッチが適切に保護されるとともに、旋回方向の違いによる走行性能の相違が防止される。すなわち、例えば車両の左右の旋回方向の違いで、アンダーステアやオーバーステア等の走行性能が異なるといった、走行性能に対する違和感が抑制される。【選択図】図2

Description

本発明は前後輪駆動車両に係り、特に、駆動力源と左右の副駆動輪との間にそれぞれ摩擦係合式のクラッチが介装された車両用駆動力配分装置に関するものである。
前後輪の何れか一方の左右の駆動輪を主駆動輪とし、前後輪の他方の左右の駆動輪を副駆動輪とした前後輪駆動車両が知られている。そして、このような前後輪駆動車両に関し、(a) 前記副駆動輪を回転駆動する駆動力源と左側の副駆動輪との間の動力伝達経路に介装された摩擦係合式の左クラッチと、(b) 前記駆動力源と右側の副駆動輪との間の動力伝達経路に介装された摩擦係合式の右クラッチと、(c) 前記左クラッチおよび前記右クラッチの係合トルクを制御する駆動力配分制御部と、を備える車両用駆動力配分装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開2003−63265号公報
ところで、このような車両用駆動力配分装置において、左右の何れかのクラッチが長時間や高トルクのスリップ係合で過熱した場合、その過熱したクラッチを保護するために係合トルクを制限することが考えられるが、左右のクラッチの一方だけ係合トルクが制限されると、左右の副駆動輪に対する駆動力の配分状態が変化し、走行状態によっては走行性能が影響を受ける可能性がある。例えば、車両の左右の旋回方向の違いで、左右の副駆動輪に対する駆動力配分が大きく異なり、アンダーステアやオーバーステア等の走行性能が異なる可能性がある。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、左右の副駆動輪に対する駆動力配分用の左右のクラッチの何れか一方が過熱して係合トルクが制限される場合に、所定の走行性能を確保できるようにすることにある。
かかる目的を達成するために、本発明は、前後輪の何れか一方の左右の駆動輪を主駆動輪とし、前後輪の他方の左右の駆動輪を副駆動輪とした前後輪駆動車両に適用され、(a) 前記副駆動輪を回転駆動する駆動力源と左側の副駆動輪との間の動力伝達経路に介装された摩擦係合式の左クラッチと、(b) 前記駆動力源と右側の副駆動輪との間の動力伝達経路に介装された摩擦係合式の右クラッチと、(c) 前記左クラッチおよび前記右クラッチの係合トルクを制御する駆動力配分制御部と、を備える車両用駆動力配分装置において、(d) 前記駆動力配分制御部は、前記左クラッチおよび前記右クラッチの何れか一方が過熱した場合に、その左クラッチおよび右クラッチの両方の係合トルクを同一の制限値にて制限する両クラッチ係合制限部を有することを特徴とする。
このような車両用駆動力配分装置においては、左右の何れか一方のクラッチが過熱した場合に、左右両方のクラッチの係合トルクが同一の制限値にて制限されるため、過熱したクラッチが適切に保護されるとともに、旋回方向の違いによる走行性能の相違が防止される。すなわち、例えば車両の左右の旋回方向の違いで、アンダーステアやオーバーステア等の走行性能が異なるといった、走行性能に対する違和感が抑制される。
本発明が適用された車両用駆動力配分装置を備える前後輪駆動車両の駆動系統の骨子図で、制御系統の要部を併せて示した図である。 図1の電子制御装置が機能的に備えている駆動力配分制御部によって実行される駆動力配分制御を説明するフローチャートである。
前後輪駆動車両は、前輪が主駆動輪で後輪が副駆動輪であっても良いし、後輪が主駆動輪で前輪が副駆動輪であっても良い。主駆動輪は、例えば要求駆動力に応じて常時回転駆動されて駆動力を発生する一方、副駆動輪は、例えば発進時や主駆動輪のスリップ時等に走行性能を確保したり、旋回時や直進走行時等に走行姿勢を安定させたりするために、左右個別に補助的に回転駆動されて駆動力を発生する。主駆動輪を回転駆動する主駆動力源は、エンジン等の内燃機関であっても良いし電動モータでも良く、或いはその両方を備えたハイブリッド式の駆動力源を用いることもできる。また、内燃機関に遊星歯車装置等の分割機構を介して接続されたジェネレータの回生制御で内燃機関の出力を主駆動輪に伝達するものでも良いなど、種々の態様が可能である。副駆動輪を回転駆動する駆動力源は、主駆動力源であっても良いし、主駆動力源とは別に設けられた副駆動力源であっても良い。副駆動力源についても、主駆動力源と同様に種々の態様が可能であるが、応答性の点で電動モータや、電動モータおよび発電機として択一的に機能させることができるモータジェネレータ等の駆動モータが好適に用いられる。
駆動力配分制御部は、摩擦係合式の左右のクラッチの係合トルク制御により、左右の副駆動輪の駆動力配分を制御することができる。左右のクラッチは、それぞれ係合トルクや左右のクラッチに入力される入力トルクに応じて完全係合状態(固定状態)、解放状態、或いはスリップ状態とされる。
両クラッチ係合制限部による両クラッチの係合トルクの制限値(上限)は、予め定められた一定値であっても良いし、過熱状態に応じて可変設定されても良い。両クラッチ係合制限部は、左右のクラッチの何れか一方が過熱したと判断された場合に、常に左右のクラッチの両方の係合トルクを制限する両クラッチ係合制限を実行しても良いが、他の実行条件を満足する場合だけ両クラッチ係合制限を実行するようにしても良いし、所定の実行禁止条件(例えば副駆動力源の出力制限時など)を満たす場合はその両クラッチ係合制限の実行が禁止されても良いなど、種々の態様が可能である。例えば、左右の副駆動輪に対する駆動力の配分状態の変化が特に問題になる車両の旋回走行時だけ、両クラッチ係合制限部による両クラッチの係合制限が実行され、直進走行時には過熱したクラッチのみ係合トルクを制限し、非過熱の他方のクラッチについては最大トルクまで可能な通常の係合トルク制御を継続する片クラッチ係合制限部を設けることもできる。すなわち、直進走行時には、非過熱クラッチに対して通常の係合トルク制御を行なうことにより、副駆動輪側の駆動力配分の低下をできるだけ小さくし、過熱クラッチを保護しつつ通常の直進走行時に近い前後輪の駆動力性能を確保することができる。
両クラッチ係合制限部または片クラッチ係合制限部によってクラッチの係合トルクが制限される場合には、その係合トルクの制限に応じて副駆動力源の出力トルクを制限することが望ましい。例えば、両クラッチの実際の係合トルクの合計トルクに応じて、それ等のクラッチにより伝達可能な出力トルクに制限する。その場合は、両クラッチにより伝達可能な駆動力で副駆動輪を回転駆動しつつ、副駆動力源の無駄な出力が節減されて燃費等のエネルギー効率を向上させることができる。すなわち、駆動モータ等の副駆動力源や左右のクラッチはそれぞれ異なる条件で過熱する可能性があるとともに、過熱した場合には、それぞれ個別にフェールセーフ機能が定められているため、クラッチの過熱でその係合トルクが制限される場合でも、通常は副駆動力源については何等トルク制限が行なわれない。このため、クラッチによる伝達可能なトルクに比べて必要以上に大きな無駄なトルクが副駆動力源から出力される可能性があり、その出力トルクを発生させるために燃料や電力等が無駄に消費されて、燃費等のエネルギー効率が悪化する恐れがある。副駆動輪が主駆動輪と共通の駆動力源によって回転駆動されるとともに、例えば副駆動輪側の動力伝達経路に設けられた摩擦クラッチにより前後輪の駆動力配分が行なわれる場合にも、同様の制御を行なうことが可能である。
また、副駆動力源がモータジェネレータの場合に、そのモータジェネレータを回生制御しつつ走行する回生走行時には、過熱クラッチの係合トルクを0にして解放するとともに非過熱の他方のクラッチを完全係合させ、片方の副駆動輪のみでモータジェネレータを被駆動回転させて回生させる片クラッチ回生制御部を設けることもできる。すなわち、一方のクラッチの過熱時に、両方のクラッチを何れも解放状態にして駆動力配分装置の機能を全停止すると、回生走行時にも発電できなくなるが、非過熱クラッチを完全係合させることで、モータジェネレータを被駆動回転させて発電する回生走行を実施することができる。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された前後輪駆動車両10の駆動系統の骨子図で、制御系統の要部を併せて示した図である。この前後輪駆動車両10は、主駆動輪である左右の前輪12L、12Rを回転駆動する主駆動力源14と、副駆動輪である左右の後輪16L、16Rを回転駆動するモータジェネレータMGとを備えている。主駆動力源14は、例えば内燃機関であるエンジンおよび電動モータを有するハイブリッド式の駆動力源であり、図示しない差動歯車装置等を介して左右の前輪12L、12Rに駆動力が伝達される。モータジェネレータMGは、電動モータおよび発電機として択一的に機能させることができるもので、副駆動力源として機能する駆動モータに相当し、副駆動輪である左右の後輪16L、16Rを回転駆動する駆動力源である。
モータジェネレータMGは、小歯車20および大歯車22から成る減速機構を介してドライブシャフト24に連結され、そのドライブシャフト24から左右のクラッチ26、28を介して左右の後輪16L、16Rに駆動力が伝達される。左右のクラッチ26、28は、何れも摩擦係合式のクラッチで、例えば油圧によって係合させられる単板式或いは多板式のクラッチや、電磁式クラッチをパイロットクラッチとしてカムを介して多板式のメインクラッチを係合させる電磁カップリングなどであり、油圧制御ソレノイド弁や電磁ソレノイドの励磁電流等を制御することで係合トルクを連続的に制御することができる。
このような前後輪駆動車両10は、電子制御装置30を備えている。電子制御装置30は、車両全体の駆動力を制御したり、前後輪の駆動力配分を制御したり、左右の後輪16L、16Rの駆動力配分を制御したりするコントローラとして機能するもので、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等を有するマイクロコンピュータを備えて構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って各種の信号処理を実行する。電子制御装置30には、例えばアクセル操作量センサ40や車輪速センサ42、舵角センサ44、ヨーセンサ46、前後Gセンサ48等からアクセルペダルの操作量であるアクセル操作量θacc、左右の前輪12L、12Rおよび後輪16L、16Rの各車輪回転速度ωi、ステアリングホイールの操舵角Φ、車両のヨー角速度Y、車両の前後方向G(加速度)など、制御に必要な各種の情報が供給されるようになっている。車輪回転速度ωiから車速Vを算出することができる。電子制御装置30にはまた、MG温度センサ50、左クラッチ温度センサ52、右クラッチ温度センサ54から、モータジェネレータMGのモータ温度Tm、左クラッチ温度Tcl、右クラッチ温度Tcrを表す信号が供給されるようになっている。左クラッチ温度Tcl、右クラッチ温度Tcrは、左右のクラッチ26、28の摩擦材或いはその近傍部分の温度である。
電子制御装置30は、駆動力制御や駆動力配分制御に関連して主駆動力源制御部32および駆動力配分制御部34を機能的に備えている。主駆動力源制御部32は、基本的にアクセル操作量θaccおよび車速V等から求められる要求駆動力が得られるように主駆動力源14のトルクを制御するもので、駆動力配分制御部34によってモータジェネレータMGが駆動される場合は、その駆動力分を要求駆動力から差し引いた駆動力が得られるように主駆動力源14を制御する。また、駆動走行中にモータジェネレータMGが回生制御されて発電する場合は、その回生制御による制動力分を要求駆動力に加えた駆動力が得られるように主駆動力源14を制御する。
駆動力配分制御部34は、前後輪の駆動力配分および左右後輪16L、16Rの駆動力配分を制御するもので、所定の駆動力配分となるようにモータジェネレータMGの出力トルク、および左右のクラッチ26、28の係合トルクを制御する。また、モータジェネレータMGや左クラッチ26、右クラッチ28の過熱による損傷を防止するために、それ等の作動を制限するようになっている。すなわち、この駆動力配分制御部34は、モータジェネレータMGの出力トルクやクラッチ26、28の係合トルクを制限する両クラッチ係合制限部、片クラッチ係合制限部等を機能的に備えており、具体的には図2のフローチャートのステップS1〜S10(以下、単にS1〜S10という)に従って信号処理を行なう。S6は両クラッチ係合制限部に相当し、S7は片クラッチ係合制限部に相当し、S8は片クラッチ回生制御部に相当し、S10は通常制御部に相当する。駆動力配分制御部34、モータジェネレータMG、および左右のクラッチ26、28によって駆動力配分システム60が構成されている。この駆動力配分システム60は、車両用駆動力配分装置に相当する。
図2のS1では、クラッチ温度Tcl、Tcrの少なくとも一方が予め定められた過熱判定値以上か否かを判断し、何れか一方でも過熱判定値以上の過熱状態と判断した場合はS2以下を実行するが、何れも過熱判定値より低い場合はS10で通常の駆動力配分制御を実行する。クラッチ温度Tcl、Tcrは、クラッチ温度センサ52、54によって検出されるが、クラッチ26、28の係合トルクや係合時間等からクラッチ温度Tcl、Tcrを推定して過熱状態か否かを判断することもできる。クラッチ26、28は、旋回走行時にスリップ係合させられる際に過熱するため、クラッチ温度TclおよびTcrが同時に過熱判定値以上になる可能性は低く、通常は何れか一方のクラッチ26または28が過熱状態となる。
S10の通常駆動力配分制御は、前後輪の駆動力配分および左右後輪16L、16Rの駆動力配分を制御する。前後輪の駆動力配分については、例えばアクセル操作量θaccや各車輪回転速度ωi、操舵角Φ、前後方向G、或いは雪道走行モード等の選択走行モード等に基づいて、予め定められた配分割合等から後輪側分担駆動力を算出し、その分担駆動力が得られるようにモータジェネレータMGの出力トルクを制御するとともに、その分担駆動力を左右後輪16L、16Rに伝達できるように一対の左クラッチ26および右クラッチ28の係合トルクを制御する。左右後輪16L、16Rの駆動力配分については、合計の駆動力が上記後輪側分担駆動力になることを条件として、例えば直進走行時には左右後輪16L、16Rに対する駆動力配分が互いに等しい等配分状態となるように、一対の左クラッチ26および右クラッチ28の係合トルクが互いに等しくなるように制御する。具体的には、上記後輪側分担駆動力の1/2の等配分駆動力が得られるように、一対の左クラッチ26および右クラッチ28の係合トルクを制御する。また、旋回走行時には、合計の駆動力が上記後輪側分担駆動力となることを条件として、左右後輪16L、16Rに対する駆動力配分が相違する不等配分状態となるように、一対の左クラッチ26および右クラッチ28の係合トルクを互いに異なるトルク値に制御する。この配分比は、旋回方向に応じて予め一定値が定められても良いが、操舵角Φやヨー角速度Y等の走行状態などに基づいて可変設定されても良い。なお、S1とS10との間に、S3のように駆動モータ温度すなわちモータジェネレータMGのモータ温度Tmが予め定められた過熱判定値よりも低いか否かを判断するステップを設け、モータ温度Tmが過熱判定値よりも低い場合に、S10の通常の駆動力配分制御を実行するようにしても良い。
S1でクラッチ温度Tcl、Tcrの少なくとも一方が過熱判定値以上の過熱状態と判断した場合に実行するS2では、その過熱状態と判断したクラッチ26または28の負荷率すなわち最大係合トルクに対する許容可能な係合トルクの割合を制限し、その制限値以下になるように係合トルクを補正する。これにより、その過熱状態と判断されたクラッチ26または28が保護されて損傷が防止される。上記負荷率すなわち係合トルクの制限値(上限)は、予め一定値が定められても良いが、過熱判定値以上のクラッチ温度Tcl、Tcr等に応じて可変設定されても良い。なお、以下の説明では、便宜的に左クラッチ26が過熱状態と判断された場合を例として説明する。すなわち、必要に応じて左クラッチ26を過熱クラッチ26と表現し、右クラッチ28を非過熱クラッチ28と表現する。
S3では、駆動モータ温度すなわちモータジェネレータMGのモータ温度Tmが予め定められた過熱判定値より低いか否かを判断し、過熱判定値より低い場合はS4以下を実行するが、過熱判定値以上の場合は過熱状態と判断してS5を実行する。モータ温度Tmは、MG温度センサ50によって検出されるが、モータジェネレータMGの出力トルクや使用継続時間等からモータ温度Tmを推定して過熱状態か否かを判断することもできる。S5では、モータジェネレータMGを回生制御して発電しながら走行する回生走行中か否かを判断し、回生走行中であればS8を実行するが、回生走行中でない場合はS9を実行する。S8では、過熱クラッチ26を解放するとともに非過熱クラッチ28を完全係合させ、その非過熱クラッチ28を介してモータジェネレータMGに連結された右後輪16RによりモータジェネレータMGを被駆動回転させるとともに、そのモータジェネレータMGを回生制御して発電しながら走行する。S3の判断がYES(肯定)の場合でも、回生走行か否かを判断し、回生走行時にはS8を実行するようにしても良い。また、S9では、過熱状態のモータジェネレータMGおよび過熱クラッチ26を保護するため、モータジェネレータMGの出力トルクを0にするとともに、左右のクラッチ26、28を何れも解放して、駆動力配分システム60の機能を全停止する。なお、左右のクラッチ26、28を何れも完全係合させるようにしても良い。過熱クラッチ26を完全係合させても、それ以上の過熱を防止することができる。
モータ温度Tmが過熱判定値よりも低い場合に実行するS4では、旋回走行中か否かを例えば車速Vが一定値以上で且つ操舵角Φが予め定められた旋回判定値以上か否か等によって判断し、旋回走行中であればS6を実行する。S6では、両クラッチ26、28の係合トルクを同一の制限値、すなわちS2で定められた制限値にて制限することにより過熱クラッチ26を保護するとともに、その制限値にて伝達可能なトルク以下にモータジェネレータMGの出力トルクを制限する。具体的には、両クラッチ26、28の係合トルクの制限値の2倍の大きさの伝達可能トルクを、減速機構として機能する小歯車20と大歯車22とのギヤ比で割り算して求められる許容出力トルク以下になるように、モータジェネレータMGの出力トルクを制限する。同一の制限値によって制限された両クラッチ26、28の実際の係合トルクの合計トルクに応じて、それ等のクラッチ26、28により伝達可能なトルク以下になるようにモータジェネレータMGの出力トルクを制限しても良い。S10の通常制御では、旋回走行中は左右の後輪16L、16Rに対する駆動力が不等配分制御されるため、過熱クラッチ26の係合トルクのみが制限されると、旋回方向の違い、すなわち右旋回か左旋回かによって駆動力配分が変化し、アンダーステアやオーバーステア等の走行性能が異なってしまう可能性がある。これに対し、両クラッチ26、28の係合トルクを同じ制限値で制限すれば、旋回方向の違いによる走行性能の相違を防止することができる。また、クラッチ26、28の係合トルクの制限値に応じてモータジェネレータMGの出力トルクが制限されることにより、両クラッチ26、28により伝達可能な駆動力で左右の後輪16L、16Rを回転駆動しつつ、モータジェネレータMGの無駄な出力が節減されて燃費等のエネルギー効率が向上する。
S4の判断がNO(否定)の場合、すなわち旋回走行中でない略直進走行時には、S7を実行する。S7では、過熱クラッチ26の係合トルクのみをS2で定められた制限値に従って制限することにより、その過熱クラッチ26を保護する一方、非過熱クラッチ28については通常通りの係合トルク制御を行なうとともに、それ等の両クラッチ26、28により伝達可能なトルク以下になるようにモータジェネレータMGの出力トルクを制限する。直進走行時には、通常は左右の後輪16L、16Rに対する駆動力が等配分制御されるため、過熱クラッチ26の係合トルクのみが制限されると、その駆動力の配分状態が変化するが、旋回走行時に比べて運転者に与える違和感は少ない。このため、非過熱クラッチ28については通常の係合トルク制御を行なうことにより、後輪側の駆動力配分の低下をできるだけ小さくしたのであり、これにより、過熱クラッチ26を保護しつつ通常の直進走行時に近い前後輪の駆動力性能を確保できる。また、両クラッチ26、28により伝達可能なトルクに応じてモータジェネレータMGの出力トルクが制限されることにより、両クラッチ26、28により伝達可能な駆動力で左右の後輪16L、16Rを回転駆動しつつ、モータジェネレータMGの無駄な出力が節減されて燃費等のエネルギー効率が向上する。なお、直進走行時においても、過熱クラッチ26の係合トルクのみが制限されると駆動力の配分状態が変化するため、S4の判断およびS7を省略して旋回走行中か否かに拘らずS6の両クラッチ係合制限を実施するようにしても良い。
このように本実施例の前後輪駆動車両10の駆動力配分システム60によれば、左右の何れか一方のクラッチ26または28が過熱した場合に、左右両方のクラッチ26、28の係合トルクを同一の制限値にて制限する両クラッチ係合制限(S6)が実行されるため、過熱したクラッチ26または28が適切に保護されるとともに、旋回方向の違いによる走行性能の相違が防止される。すなわち、例えば車両の左右の旋回方向の違いで、アンダーステアやオーバーステア等の走行性能が異なるといった、走行性能に対する違和感が抑制される。
また、直進走行時には、過熱クラッチ26の係合トルクのみが制限されて非過熱クラッチ28については通常の係合トルク制御を行なう片クラッチ係合制限(S7)が実行されるため、後輪16L、16R側の駆動力配分の低下が抑制され、過熱クラッチ26を保護しつつ通常の直進走行時に近い前後輪の駆動力性能を確保できる。
また、上記両クラッチ係合制限(S6)、片クラッチ係合制限(S7)の何れの場合も、両クラッチ26、28により伝達可能なトルクに応じてモータジェネレータMGの出力トルクが制限されるため、両クラッチ26、28により伝達可能な駆動力で左右の後輪16L、16Rを回転駆動しつつ、モータジェネレータMGの無駄な出力が節減されて燃費等のエネルギー効率が向上する。
また、モータジェネレータMGを回生制御しつつ走行する回生走行時には、過熱クラッチ26の係合トルクを0にして解放するとともに非過熱クラッチ28を完全係合させ、右後輪16RのみでモータジェネレータMGを被駆動回転させて回生させる片クラッチ回生制御(S8)が実行されるため、過熱クラッチ26を保護しつつ、非過熱クラッチ28を完全係合させることでモータジェネレータMGを確実に被駆動回転させて回生制御により発電することができる。
なお、上記説明では便宜的に左クラッチ26が過熱状態と判断された場合を例として説明したが、右クラッチ28が過熱状態と判断された場合は、右クラッチ28が過熱クラッチで左クラッチ26が非過熱クラッチとなるだけで、実質的に同様の作用効果が得られる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:前後輪駆動車両 12L、12R:前輪(主駆動輪) 16L、16R:後輪(副駆動輪) 26:左クラッチ 28:右クラッチ 34:駆動力配分制御部 60:駆動力配分システム(車両用駆動力配分装置) MG:モータジェネレータ(駆動力源) S6:両クラッチ係合制限部

Claims (1)

  1. 前後輪の何れか一方の左右の駆動輪を主駆動輪とし、前後輪の他方の左右の駆動輪を副駆動輪とした前後輪駆動車両に適用され、
    前記副駆動輪を回転駆動する駆動力源と左側の副駆動輪との間の動力伝達経路に介装された摩擦係合式の左クラッチと、
    前記駆動力源と右側の副駆動輪との間の動力伝達経路に介装された摩擦係合式の右クラッチと、
    前記左クラッチおよび前記右クラッチの係合トルクを制御する駆動力配分制御部と、
    を備える車両用駆動力配分装置において、
    前記駆動力配分制御部は、前記左クラッチおよび前記右クラッチの何れか一方が過熱した場合に、該左クラッチおよび該右クラッチの両方の係合トルクを同一の制限値にて制限する両クラッチ係合制限部を有する
    ことを特徴とする車両用駆動力配分装置。
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