JP2019000867A - 高酸化チタン系被覆アーク溶接棒 - Google Patents

高酸化チタン系被覆アーク溶接棒 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接作業性等の諸性能に優れ、特に耐棒焼け性、ビード外観及びビード形状に優れる高酸化チタン系被覆アーク溶接棒を提供する。
【解決手段】鋼心線に被覆剤が被覆されている高酸化チタン系被覆アーク溶接棒において、被覆剤全質量に対する質量%で、Ti酸化物のTiO2換算値の合計:35〜55%、Si酸化物のSiO2換算値の合計:10〜25%、金属炭酸塩の1種または2種以上の合計:3〜12%、Al酸化物のAl23換算値の合計:1〜7%、Zr酸化物のZrO2換算値の合計:1〜7%、Na2O換算値及びK2O換算値の合計:1〜7%、Mn:2〜12%、有機物の1種または2種以上の合計:2〜8%を含有することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、溶接作業性等の諸性能を確保すると共に特に耐棒焼け性に優れ、かつ、ビード外観及びビード形状が良好な高酸化チタン系被覆アーク溶接棒に関するものである。
非低水素系被覆アーク溶接棒は、低水素系被覆アーク溶接棒等に比べ、安定したアーク状態が得られ、ビード外観が良好で、スパッタ発生量が少なく、再アーク性が良好であるなど溶接作業性に優れるため、車両、建築等の一般構造物の溶接に広く使用されている。
しかし近年では、更なる溶接作業能率の向上が要求されることから、溶接部の融合不良やブローホール等の溶接欠陥の抑制が重要課題となっており、深い溶込みが得られ、かつ、優れた溶接作業性をも有する非低水素系被覆アーク溶接棒が要望されている。
中でも高酸化チタン系被覆アーク溶接棒は、他の非低水素系被覆アーク溶接棒に比べてアークの安定性に優れ、スラグ剥離性が良好なことから、様々な環境下での溶接に適用される。しかしながら、この高酸化チタン系被覆アーク溶接棒は、耐棒焼け性及び薄板の溶接時にビード外観及びビード形状が悪化してしまうという問題点がある。
このため、従来より高酸化チタン系被覆アーク溶接棒の耐棒焼け性、ビード外観及びビード形状の改善に対しては、種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、非低水素系被覆アーク溶接棒の被覆剤中に放熱作用に有効な特定のガス発生剤の量を所定範囲内に定めることで、放熱作用を活発にして耐棒焼け性を改善する技術が開示されている。
また、特許文献2には、酸化チタン原料の成分においてAl及びSiの原子百分率を規定することで、酸化チタン原料の融点が適度となり、ビード形状が良好となる技術が開示されている。また特許文献2には、被覆アーク溶接棒の被覆剤中のZrO2を所定範囲内に定めることで、ビード表面の光沢を向上させる技術が開示されている。
しかしながら、これら特許文献1及び特許文献2の開示技術によれば、従来からの高酸化チタン系溶接棒の課題とされてきた耐棒焼け性、ビード外観及びビード形状を改善することはできるものの、スパッタの発生量の低減及びアークの安定性を維持することは困難であった。
特開2008−6446号公報 特開2014−28390号公報
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、スパッタ発生量が少なく、優れたアークの安定性やスラグ剥離性、再アーク性等を確保すると共に、高電流の溶接条件で溶接をしても耐棒焼け性に優れ、薄板の溶接時でも良好なビード外観及びビード形状が得られる高酸化チタン系被覆アーク溶接棒を提供することを目的とする。
本発明の要旨は、
(1)鋼心線に被覆剤が被覆されている高酸化チタン系被覆アーク溶接棒において、前記被覆剤は、被覆剤全質量に対する質量%で、Ti酸化物のTiO2換算値の合計:35〜55%、Si酸化物のSiO2換算値の合計:10〜25%、金属炭酸塩の1種または2種の合計:3〜12%、Al酸化物のAl23換算値の合計:1〜7%、Zr酸化物のZrO2換算値:1〜7%、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計:1〜7%、Mn:2〜12%、有機物の1種または2種以上の合計:2〜8%を含有し、残部は鉄合金のFe分及び不可避不純物からなることを特徴とする高酸化チタン系被覆アーク溶接棒。
(2)前記金属炭酸塩の平均粒径が45〜130μmであることを特徴とする(1)に記載の高酸化チタン系被覆アーク溶接棒。
(3)被覆剤全質量に対する質量%で、前記金属炭酸塩中にMnCO3及びFeCO3の1種または2種の合計:1〜5%を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の高酸化チタン系被覆アーク溶接棒。
(4)被覆剤全質量に対する質量%で、砂鉄:1〜6%をさらに含有することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の高酸化チタン系被覆アーク溶接棒である。
本発明の高酸化チタン系被覆アーク溶接棒によれば、スパッタ発生量が少なく、優れたアークの安定性やスラグ剥離性、再アーク性等を確保でき、特に高電流の溶接条件で溶接をしても耐棒焼け性に優れ、薄板の溶接時でも良好なビード外観及びビード形状が得られるので、溶接作業能率の向上に大いに貢献できる。
本発明者らは、上述した課題を解決するために、高酸化チタン系被覆アーク溶接棒を試作し、スパッタ発生量、アークの安定性、スラグ剥離性、再アーク性、耐棒焼け性、ビード外観及びビード形状等の溶接作業性について詳細に調査した。その結果、適正溶接電流範囲の上限付近の電流にて溶接を行うと、溶接棒の温度が上昇し、保護筒の形成が不均一となり、ビード形状不良を引き起こすことがわかった。また、上述と同様の溶接電流で薄板の溶接を行うと、溶融池を被包する溶融スラグの被包状態が不均一で、溶融スラグがビード表面に焼き付きやすく、金属光沢を得るのが困難であった。
そこで、高酸化チタン系被覆アーク溶接棒の特徴である優れたアークの安定性やスラグ剥離性、再アーク性等の溶接作業性を維持しながら耐棒焼け性及びビード外観及びビード形状を改善する方法を種々検討した結果、被覆剤中に、Ti酸化物、Si酸化物、金属炭酸塩、Al酸化物、Na化合物及びK化合物、有機物を適量添加することでアークの安定性を向上し、有機物を適量添加することでスパッタ発生量を低減し、Ti酸化物、Si酸化物、Al酸化物、Zr酸化物を適量添加することでスラグ剥離性を良好にし、Si酸化物、Na化合物及びK化合物、有機物を適量添加することで再アーク性を向上し、金属炭酸塩及びMnを適量添加することでブローホール等の溶接欠陥を防止できることを見出した。
一方、耐棒焼け性に関しては、金属炭酸塩を適量添加することで、被覆剤が燃焼し、金属炭酸塩が分解されCO2ガスが発生した時に放熱作用が働くので、被覆剤の温度上昇を抑制でき、十分な耐棒焼け性が得られることを見出した。
ビード外観及びビード形状に関しては、Ti酸化物、Si酸化物、Zr酸化物を適量添加することで、溶融スラグの融点が上がり、かつ、溶融スラグの流動性が良くなり、溶融池を均一に被包するので良好なビード外観及びビード形状が得られることを見出した。
また、金属炭酸塩の平均粒径を調整することにより、さらにビード形状が良好になり、MnCO3及びFeCO3の1種または2種の添加量を調整することにより、さらに耐棒焼け性が良好になることを見出した。さらに、砂鉄の添加量を調整することでさらにアークの安定性が良好になることを見出した。
以下、本発明における高酸化チタン系被覆アーク溶接棒の被覆剤の成分組成と、その成分組成の限定理由について詳細に説明する。なお、各成分組成の含有量は、被覆剤全質量に対する質量%で表すこととし、その質量%を表すときには単に%と記載することとする。
[Ti酸化物のTiO2換算値の合計:35〜55%]
Ti酸化物は、ルチール、酸化チタン、チタン酸ソーダ、チタンスラグ等から添加され、スラグ生成剤及びアーク安定剤として作用し、アーク安定性、ビード外観やビード形状を改善する効果を有する。Ti酸化物のTiO2換算値の合計が35%未満であると、アークが弱くなって不安定になるとともに、スラグ流動性が悪くなってビード外観やビード形状が不良となる。一方、Ti酸化物のTiO2換算値の合計が55%を超えると、スラグが緻密になってスラグ剥離性が不良となる。したがって、被覆剤中のTi酸化物のTiO2換算値の合計は35〜55%とする。
[Si酸化物のSiO2換算値の合計:10〜25%]
Si酸化物は、珪砂、長石、水ガラス等から添加され、スラグ生成剤及びアーク安定剤として作用し、アーク安定性及びスラグ剥離性を改善する効果を有する。Si酸化物のSiO2換算値の合計が10%未満であると、アークが弱くなって不安定になるとともに、生成したスラグのガラス質が少なくなり、スラグ剥離性が不良になる。一方、Si酸化物のSiO2換算値の合計が25%を超えると、スラグの粘性が高くなってビード形状が不良となる。またSi酸化物のSiO2換算値の合計が25%を超えると、被覆剤の電気伝導性が低くなって再アーク性が不良となる。したがって、被覆剤中のSi酸化物のSiO2換算値の合計は10〜25%とする。
[金属炭酸塩の1種または2種以上の合計:3〜12%]
金属炭酸塩は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸マンガン、炭酸鉄、炭酸リチウム等から添加され、アーク中で分解してCO2ガスを発生させて溶着金属を大気から遮蔽して保護する効果を有する。金属炭酸塩の1種または2種以上の合計が3%未満であると、シールド効果が不足してブローホールが発生しやすくなる。また、CO2ガスの発生量が不十分となり、被覆剤の放熱作用が不足することで耐棒焼け性が劣化する。一方、金属炭酸塩の1種または2種以上の合計が12%を超えると、アークが弱くなって不安定になる。したがって、被覆剤中の金属炭酸塩の1種または2種以上の合計は3〜12%とする。
[Al酸化物のAl23換算値の合計:1〜7%]
Al酸化物は、アルミナ、長石、珪砂、マイカ等から添加され、アークを安定にする効果を有する。Al酸化物のAl23換算値の合計が1%未満では、アークが弱くなって不安定になる。一方、Al酸化物のAl23換算値の合計が7%を超えると、スラグ剥離性が不良になる。したがって、被覆剤中のAl酸化物のAl23換算値の合計は1〜7%とする。
[Zr酸化物のZrO2換算値の合計:1〜7%]
Zr酸化物は、ジルコンサンド、ジルコンフラワー、酸化ジルコニウム等から添加されビード外観に光沢が付与する効果を有する。Zr酸化物のZrO2換算値の合計が1%未満では、ビード外観に十分な光沢が得られない。一方、Zr酸化物のZrO2換算値の合計が7%を超えるとスラグが緻密になってスラグ剥離性が不良になる。したがって、被覆剤中のZr酸化物のZrO2換算値の合計は1〜7%とする。
[Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計:1〜7%]
Na化合物及びK化合物は、水ガラス中の珪酸ソーダ及び珪酸カリウム、カリ長石、カリガラス及びソーダ長石等から添加され、アーク安定性を改善する効果を有する。Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計が1%未満では、アークが不安定になる。一方、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計が7%を超えると、再アーク性が不良になる。したがって、被覆剤中のNa化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計は1〜7%とする。
[Mn:2〜12%]
Mnは、金属Mn、Fe−Mn、Fe−Si−Mn等から添加され、脱酸剤として添加する他、溶接金属の強度及び靭性向上に有効である。Mnが2%未満では、脱酸不足となり、ブローホールが発生しやすくなり、また溶接金属の強度及び靭性が低下する。一方、Mnが12%を超えると、溶接金属の強度が過剰に高くなり、靭性が低下する。したがって、被覆剤中のMnは2〜12%とする。
[有機物の1種または2種以上の合計:2〜8%]
有機物は、セルロース、デキストリン、小麦粉、澱粉、コーンスターチ等から添加され、再アーク性を改善に有効である。有機物の1種または2種以上の合計が2%未満であると、良好な再アーク性が得られない。一方、有機物の1種または2種以上の合計が8%を超えると、アークが強くなりすぎてスパッタ発生量が多くなる。したがって、被覆剤中の有機物の1種または2種以上の合計は2〜8%とする。
[金属炭酸塩の平均粒径:45〜130μm]
金属炭酸塩の平均粒径は、ビード止端部のなじみを改善してビード形状を良好にする効果を有する。金属炭酸塩の平均粒径が45μm未満であると、ビード止端部のなじみを改善する効果が得られない。一方、金属炭酸塩の平均粒径が130μmを超えると、アークが強くなりすぎてスパッタ発生量が増加多くなる。したがって、被覆剤中の金属炭酸塩の平均粒径は45〜130μmとする。
[MnCO3及びFeCO3の1種または2種の合計:1〜5%]
MnCO3及びFeCO3は、耐棒焼け性を向上させる効果を有する。MnCO3及びFeCO3の1種または2種の合計が1%未満であると、耐棒焼け性を向上させる効果が得られない。一方、MnCO3及びFeCO3の1種または2種の合計が5%を超えると、アークが強くなりすぎてスパッタ発生量が多くなる。したがって、被覆剤中のMnCO3及びFeCO3の1種または2種の合計は1〜5%とする。
[砂鉄:1〜6%]
砂鉄は、アーク安定剤として作用し、アーク安定性を改善する効果を有する。砂鉄が1%未満であると、アーク安定性を改善させる効果が得られない。一方、砂鉄が6%を超えると、スラグが緻密になってスラグ剥離性が不良となる。したがって、被覆剤中の砂鉄は1〜6%とする。
なお、本発明の高酸化チタン系被覆アーク溶接棒の被覆剤の残部は、Fe−Mn、Fe−Si−Mn等の鉄合金からのFe分及び不可避不純物である。
また、使用する軟鋼心線は、JIS G3523 SWY11を用いることが好ましい。さらに、軟鋼心線中のCは、軟鋼心線全質量に対する質量%で0.05〜0.08%、高酸化チタン系被覆アーク溶接棒全質量に対する質量%で、軟鋼心線と被覆剤の合計でCは0.06〜0.20%、Pは靭性が低化するので0.010%以下であることが好ましい。また、被覆剤の軟鋼心線への被覆率(アーク溶接棒全質量に対する被覆剤の質量%)は、25〜40%であることが好ましい。
本発明の効果を実施例により具体的に説明する。
表1に示す各種成分組成の被覆剤を直径3.2mm、長さ350mmのJIS G3523 SWY11の軟鋼心線(軟鋼心線全質量に対して、C:0.07質量%、Si:0.01質量%、Mn:0.48質量%、P:0.009質量%、S:0.005質量%)に被覆率32%で塗装することで被覆した後に乾燥して各種高酸化チタン系被覆アーク溶接棒を試作した。
Figure 2019000867
表1に示す試作溶接棒を使用し、耐棒焼け性、ビード外観及びビード形状等の溶接作業性について調査した。
溶接作業性の評価は、板厚3.2mmのJIS G 3101 SS400の軟鋼板を、用い、二次側無負荷電圧が60Vの小型溶接機を使用し、溶接電流120〜140Aで下向のビードオンプレート溶接を行い、アーク安定性、スパッタ発生量、耐棒焼け性、スラグ剥離性、ビード形状及びビード外観を評価した。また、再アーク性は、10秒間溶接した後、直ちにアークが発生したものを合格とし、試験本数を20本とし、20本中16本合格したものを良好とした。
機械性能の評価は、板厚16mmのJIS G 3106 SM490Aを用い、JIZ Z3111に準じて交流溶接機で溶着金属試験を行い、引張試験片(A2号)と衝撃試験片(Vノッチ試験片)を採取して引張試験及び衝撃試験を行った。
引張試験の評価は、引張強さが400〜560MPaを良好とした。また、靭性の評価は、試験温度0℃でシャルピー衝撃試験を行い、各々繰り返し3回の吸収エネルギーの平均値が30J以上を良好とした。
溶接欠陥の評価は、溶着金属試験後の試験体を、JIS Z 3106に準じてX線透過試験を実施し、ブローホール及び融合不良等の有無を調査した。これらの調査結果を表2にまとめて示す。
Figure 2019000867
表1及び表2中、溶接棒No.1〜No.12が本発明例、溶接棒No.13〜No.21は比較例である。本発明例である溶接棒No.1〜No.12は、被覆剤中のTi酸化物のTiO2換算値の合計、Si酸化物のSiO2換算値の合計、金属炭酸塩の合計、Al酸化物のAl23換算値の合計、Zr酸化物のZrO2換算値の合計、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計、Mn、有機物の合計が適正であるので、アークが安定で、スパッタ発生量が少なく、再アーク性、スラグ剥離性、ビード外観及びビード形状が良好であった。また、耐棒焼性も良好で、ブローホールもなく、溶着金属の引張強さ及び吸収エネルギーも良好であるなど極めて満足な結果であった。
なお、溶接棒No.2、No.5、No.7、No.8、No.11、No.12は、金属炭酸塩の平均粒径が適正であるのでビード形状が非常に良好であった。また、溶接棒No.1、No.5、No.6、No.8は、MnCO3及びFeCO3の1種または2種を適量含むので耐棒焼け性が非常に良好であった。さらに、溶接棒No.1、No.3、No.7、No.8は、砂鉄を適量含むためアークが非常に安定していた。
比較例中溶接棒No.13は、TiO2換算値が少ないので、アークが不安定で、ビード外観及びビード形状が不良であった。また、Al23換算値が多いので、スラグ剥離性が不良であった。さらに、金属炭酸塩の平均粒径が細かいので、ビード形状を改善する効果が得られなかった。
溶接棒No.14は、TiO2換算値が多いので、スラグ剥離性が不良であった。また、SiO2換算値が多いので、ビード形状及び再アーク性が不良であった。
溶接棒No.15は、SiO2換算値が少ないので、アークが不安定で、スラグ剥離性も不良であった。また、金属炭酸塩の1種または2種以上の合計が少ないので、耐棒焼け性が不良で、ブローホールも発生した。さらに、MnCO3及びFeCO3の1種または2種の合計が少ないので、耐棒焼け性を改善する効果が得られなかった。
溶接棒No.16は、金属炭酸塩の1種または2種以上の合計が多いので、アークが不安定であった。また、ZrO2換算値が多いので、スラグ剥離性が不良であった。さらに、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計が多いので、再アーク性が不良であった。
溶接棒No.17は、Al23換算値が少ないので、アークが不安定であった。また、有機物の1種または2種以上の合計が少ないので、再アーク性が不良であった。さらに、砂鉄が少ないので、アーク安定性を改善する効果が得られなかった。
溶接棒No.18は、ZrO2換算値が少ないので、ビード外観が不良であった。また、MnCO3及びFeCO3の1種または2種の合計が多いので、アークが不安定でスパッタ発生量が多かった。
溶接棒No.19は、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計が少ないので、アークが不安定であった。また、Mnが多いので、溶着金属の引張強さが高く、吸収エネルギーが低かった。
溶接棒No.20は、有機物の1種または2種以上の合計が多いので、アークが不安定で、スパッタ発生量が多かった。また、砂鉄が多いので、スラグ剥離性が不良であった。
溶接棒No.21は、Mnが少ないので、ブローホールが発生し、溶着金属の引張強さが低く、吸収エネルギーも低かった。さらに、金属炭酸塩の平均粒径が粗いので、アークが不安定でスパッタ発生量が多かった。

Claims (4)

  1. 鋼心線に被覆剤が被覆されている高酸化チタン系被覆アーク溶接棒において、
    前記被覆剤は、被覆剤全質量に対する質量%で、
    Ti酸化物のTiO2換算値の合計:35〜55%、
    Si酸化物のSiO2換算値の合計:10〜25%、
    金属炭酸塩の1種または2種以上の合計:3〜12%、
    Al酸化物のAl23換算値の合計:1〜7%、
    Zr酸化物のZrO2換算値の合計:1〜7%、
    Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計:1〜7%、
    Mn:2〜12%、
    有機物の1種または2種以上の合計:2〜8%を含有し、
    残部は鉄合金のFe分及び不可避不純物からなることを特徴とする高酸化チタン系被覆アーク溶接棒。
  2. 前記金属炭酸塩の平均粒径が45〜130μmであることを特徴とする請求項1に記載
    の高酸化チタン系被覆アーク溶接棒。
  3. 被覆剤全質量に対する質量%で、前記金属炭酸塩中にMnCO3及びFeCO3の1種または2種の合計:1〜5%を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高酸化チタン系被覆アーク溶接棒。
  4. 被覆剤全質量に対する質量%で、砂鉄:1〜6%をさらに含有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の高酸化チタン系被覆アーク溶接棒。
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