JP2019000858A - プロジェクション接合装置及びプロジェクション接合方法 - Google Patents

プロジェクション接合装置及びプロジェクション接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アウター部材の内周面の傷つきを防止しつつ、アウター部材とインナー部材との同軸度を適切に維持した状態で、アウター部材とインナー部材とをプロジェクション溶接により接合する。
【解決手段】インナー部材(インナードラム110)と略同軸となるように、アウター部材(アウタードラム13)の内周面を、上記アウター部材の内周面を上記径方向にクランプするための複数のクランプ部52を有するコレットチャック50を備え、クランプ部52には、上記軸方向に対して直交する方向に回転軸を有するとともに、コレットチャック50によって上記アウター部材の内周面が上記径方向にクランプされた状態で、上記アウター部材の内周面に接触しかつ上記アウター部材の、上記クランプ部に対する上記軸方向の相対移動を可能にする転動部材(ローラ57)が設けられている。
【選択図】図5

Description

本発明は、アウター部材とインナー部材とが略同軸になるように、アウター部材とインナー部材とをプロジェクション溶接により接合するためのプロジェクション接合装置及び接合方法に関する技術分野に属する。
一般に、自動車の自動変速機には、多板クラッチ式のクラッチ装置が用いられている。このクラッチ装置は、軸方向の一方側に底部を有しかつ他方側が開放された有底筒状のアウター部材と、上記軸方向に延びかつ該アウター部材内に該アウター部材と略同軸に接合されるインナー部材とを有している。
上記アウター部材と上記インナー部材とを接合する際には、プロジェクション溶接が用いられることがある。例えば、特許文献1には、軸方向の一方側に底部を有しかつ他方側が開放された有底円筒状のアウタードラム(アウター部材)と、該アウタードラムの底部に接合される突条(接合部)を有しかつ上記軸方向に延びるインナードラム(インナー部材)とを、アウタードラムの底部にインナードラムの突条を当接させた状態で、プロジェクション溶接用の一対の電極で上記軸方向に挟持して、その後、一対の電極によって、アウタードラムとインナードラムとを上記軸方向に押圧しながら、一対の電極間に接合電流を流して、アウタードラムの底部とインナードラムの突条とをプロジェクション溶接により接合することが記載されている。
特開2010−71408号公報
ところで、特許文献1のような自動変速機のクラッチ装置では、アウター部材とインナー部材との同軸度を確保する必要があるため、一対の電極でアウタードラムとインナードラムとを挟持する前に、コレットチャックによって、アウター部材の内周面を径方向にクランプして、アウター部材とインナー部材との軸合わせを行うのが一般的である。
コレットチャックにおける、アウター部材の内周面を径方向にクランプするクランプ部は、一般的に、上記径方向の外側に突出する爪部を有しており、実際にアウター部材の内周面を径方向にクランプするときには、クランプ部を上記径方向の外側に向かって変位させて、爪部によって、アウター部材の内周面を上記径方向の外側に向かって押圧する。
ここで、実際にプロジェクション溶接による接合を行う際には、インナー部材の接合部が潰れながら、アウター部材とインナー部材とのプロジェクション溶接が進行するため、爪部によってアウター部材の内周面を押圧したまま接合電流を流すと、インナー部材の突起が潰れたときに、アウター部材が爪部に対して軸方向に相対移動して、該アウター部材の内周面を傷つけてしまうおそれがある。このため、従来のプロジェクション接合装置では、クランプ部を元の位置に戻して、爪部によるアウター部材の内周面のクランプを解除して、アンクランプ状態にしてから接合電流を流してプロジェクション溶接を行っていた。
しかし、上記アンクランプ状態にからプロジェクション溶接を行うと、該プロジェクション溶接の進行中にアウター部材の中心軸とインナー部材の中心軸とがずれることがあり、アウター部材とインナー部材との同軸度を適切に維持することが困難であった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、アウター部材の内周面の傷つきを防止しつつ、アウター部材とインナー合部材との同軸度を適切に維持したまま、アウター部材とインナー部材とをプロジェクション溶接により接合することができるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明は、軸方向の一側に底部を有しかつ他側が開放された有底円筒状のアウター部材と、該アウター部材の上記底部における上記軸方向の上記他側の面に接合される突起状の接合部を有しかつ上記軸方向に延びるインナー部材とを、上記アウター部材と上記インナー部材とが略同軸になるようにプロジェクション溶接により接合するためのプロジェクション接合装置を対象として、上記インナー部材を支持するインナー部材支持部と、上記インナー部材支持部に支持された上記インナー部材と略同軸となるように、上記アウター部材の内周面を径方向にクランプするための複数のクランプ部を有するコレットチャックと、上記アウター部材の上記底部における上記軸方向の上記他側の面に、上記インナー部材の上記接合部が接触した状態で、上記アウター部材を上記インナー部材に向かって加圧する加圧手段と、上記インナー部材に接触する第1電極と、上記アウター部材に接触し、上記第1電極との間に、上記プロジェクション溶接のための接合電流を流す第2電極と、を備え、上記各クランプ部は、上記軸方向に対して直交する方向に回転軸を有するとともに、上記コレットチャックによって上記アウター部材の内周面が上記径方向にクランプされた状態で、上記アウター部材の、上記クランプ部に対する上記軸方向の相対移動を可能にする転動部材を有しており、上記コレットチャックは、上記各クランプ部を上記径方向の外側に変位させて、上記転動部材によって、上記アウター部材の内周面を上記径方向の外側に押圧することで、上記アウター部材の内周面を上記径方向にクランプする、という構成とした。
この構成によると、アウター部材とインナー部材とをプロジェクション溶接により接合すべく、アウター部材の底部における上記軸方向の上記他側の面に、インナー部材の接合部が当接した状態で、アウター部材をインナー部材に向かって上記軸方向に加圧しながら、第1電極と第2電極との間にプロジェクション溶接のための接合電流を流したときには、インナー部材の接合部が加圧方向(軸方向)に潰れるため、アウター部材は、該接合部が潰れた分だけ上記加圧方向に移動する。このとき、アウター部材の内周面は、転動部材によって、上記径方向の外側に押圧されることで、該径方向にクランプされているため、アウター部材は、上記転動部材が転動することによって、その内周面がほとんど傷つけられることなく、該クランプ部に対して上記軸方向に相対移動することができる。よって、アウター部材の内周面を傷つけないようにするために、接合電流を流す際に、上記クランプ部によるアウター部材の内周面の上記径方向のクランプを解除する必要がなく、上記クランプ部によってアウター部材の内周面を上記径方向にクランプしたまま、アウター部材とインナー部材とのプロジェクション溶接を行うことができる。この結果、アウター部材の内周面の傷つきを防止しつつ、アウター部材とインナー合部材との同軸度を適切に維持したまま、アウター部材とインナー部材とをプロジェクション溶接により接合することができる。
また、アウター部材とインナー部材との同軸度を適切に維持することができるようになることによって、アウター部材とインナー部材との同軸度のバラツキが小さくなるため、アウター部材とインナー部材との同軸度の検査を簡略化することができる。これにより、アウター部材とインナー部材とを有するワークの製造コストを抑えることができる。
上記プロジェクション接合装置の一実施形態では、上記アウター部材は、自動車の自動変速機のクラッチ装置におけるクラッチドラムの一構成要素であるアウタードラムであり、上記インナー部材は、上記クラッチドラムにおける他の構成要素であるインナードラムである。
すなわち、自動変速機のクラッチ装置では、アウタードラムとインナードラムとの高い同軸度が求められる。また、後述する如く、一般に、アウタードラムの内周面は、ピストンのシール部材が摺動するシール摺動面とされるため、アウタードラムの内周面とシール部材との密着性を確保するために、アウタードラムの内周面を傷つけないようにする必要がある。これらのことに対して、上記の構成によると、コレットチャックのクランプ部によって、アウタードラムの内周面をクランプしたままであっても、接合電流を流して、インナードラム(インナー部材)の接合部が上記軸方向に潰れたときには、転動部材が転動することによって、アウタードラムは、その内周面がほとんど傷つけられることなく、クランプ部に対して上記軸方向に相対移動する。したがって、アウタードラムの内周面の傷つきを防止しつつ、アウタードラム(アウター部材)とインナードラム(インナー部材)との同軸度を適切にしたまま、アウタードラムとインナードラムとをプロジェクション溶接により接合することができる。
上記アウター部材と上記インナー部材とが、上記クラッチ装置の構成要素であるプロジェクション接合装置おいて、上記転動部材は、転動面の幅方向の形状が、該幅方向の中央が該幅方向の両側の端よりも上記回転軸の径方向の外側に位置するような曲面形状であるローラ本体、を有するローラであり、上記ローラ本体の上記転動面の上記曲面形状は、上記アウター部材の上記内周面と同曲率か、又は大きい側に略同曲率の曲面形状である、ことが望ましい。
すなわち、アウター部材の内周面の傷つきを抑えるためには、該内周面と転動部材との接触面積を出来る限り広くして、アウター部材の内周面にかかる圧力を出来る限り小さくすることが望ましい。そこで、転動部材を、転動面の幅方向の形状が、アウター部材の内周面と同曲率か又は大きい側に略同曲率の曲面形状であるローラ本体、を有するローラとすることによって、アウター部材の内周面と転動部材との接触面積を出来る限り広くすることができるため、転動部材が該内周面に沿って上記軸方向に転動したときに、該内周面の傷つきを効果的に抑制することができる。特に、ローラ本体の曲面形状が、上記内周面の曲率よりも僅かに大きい曲率の曲面をなしているときには、アウター部材の内周面とローラ本体との接触面積を出来る限り広くするとともに、ローラ本体の幅方向の両側にそれぞれ位置するエッジが、アウター部材の内周面に接触しないようにすることができるため、アウター部材の内周面の傷つきを一層効果的に防止することができる。
また、アウター部材の内周面と転動部材との接触面積を出来る限り広くすることで、アウター部材の内周面を安定してクランプすることができるため、プロジェクション接合時の、アウター部材とインナー部材との同軸度についても維持しやすくなる。
上記アウター部材と上記インナー部材とが、上記クラッチ装置の構成要素であるプロジェクション接合装置の一実施形態では、上記クラッチ装置は、上記軸方向に対して直交する方向における、上記アウター部材と上記インナー部材との間に配置されかつ上記アウター部材の上記内周面にシール部材を介して接続されかつ上記軸方向に移動可能なピストンをさらに有し、上記アウター部材の上記内周面は、上記シール部材が摺動するシール摺動面である。
この構成によると、アウター部材の内周面が、ピストンのシール部材が摺動するシール摺動面として構成されているため、上記内周面の傷つきを一層抑制する必要がある。このため、アウター部材の内周面が、シール摺動面として構成されている場合には、本発明のプロジェクション接合装置を用いることによって、アウター部材の内周面の傷つきを効果的に抑制しつつ、アウター部材とインナー部材との同軸度を維持したまま、アウター部材とインナー部材とをプロジェクション溶接により接合するという効果が、より適切に発揮される。
本発明の別の態様は、軸方向の一側に底部を有しかつ他側が開放された有底円筒状のアウター部材と、該アウター部材の上記底部における上記軸方向の上記他側の面に接合される突起状の接合部を有しかつ上記軸方向に延びるインナー部材とを、上記アウター部材と上記インナー部材とが略同軸になるようにプロジェクション溶接によって接合するプロジェクション接合方法の発明であって、この発明は、インナー部材支持部に上記インナー部材をセットするインナー部材セット工程と、上記インナー部材セット工程の後、上記インナー部材の上記接合部が、上記アウター部材の上記底部における上記軸方向の上記他側の面に当接するように上記アウター部材をセットするアウター部材セット工程と、上記アウター部材セット工程の後、上記アウター部材の径方向の外側に向かって突出ように転動部材がそれぞれ配設された複数のクランプ部を備えるコレットチャックの当該各クランプ部を上記径方向の外側に向かって変位させて、上記転動部材によって、上記アウター部材の内周面を上記径方向の外側に向かって押圧して、上記アウター部材と上記インナー部材とが略同軸になるように、上記アウター部材の上記内周面を上記径方向にクランプするクランプ工程と、上記クランプ工程の後、上記コレットチャックによって上記アウター部材の上記内周面を上記径方向にクランプした状態で、上記アウター部材を上記インナー部材に向かって上記軸方向に加圧する加圧工程と、上記アウター部材を上記インナー部材に向かって上記軸方向に加圧しながら、上記インナー部材に接触する第1電極と上記アウター部材に接触する第2電極との間に、上記プロジェクション溶接のための接合電流を流して、上記アウター部材の上記底部における上記軸方向の上記他側の面と上記インナー部材の上記接合部とをプロジェクション溶接により接合する接合工程とを含む。
このプロジェクション接合方法により、上記プロジェクション接合装置と同様に、コレットチャックのクランプ部によって、アウター部材の内周面を上記径方向にクランプしたままであっても、インナー部材の接合部が上記軸方向に潰れたときには、アウター部材は、転動部材の転動によって、その内周面がほとんど傷つけられることなく、該クランプ部に対して上記軸方向に相対移動することができる。よって、アウター部材の内周面を傷つけないようにするために、接合電流を流す際に、クランプ部によるアウター部材の内周面のクランプを解除する必要がなく、コレットチャックのクランプ部によってアウター部材の内周面を上記径方向にクランプしたまま、該アウター部材とインナー部材とのプロジェクション溶接を行うことができる。これにより、アウター部材の内周面の傷つきを防止しつつ、アウター部材とインナー部材との同軸度を適切に維持したまま、アウター部材とインナー部材とをプロジェクション溶接により接合することができる。
以上説明したように、本発明に係るプロジェクション接合装置及び接合方法によると、コレットチャックのクランプ部によって、アウター部材の内周面を径方向にクランプしたままであっても、インナー部材の接合部が軸方向に潰れたときには、アウター部材は、クランプ部に設けられた転動部材の転動によって、その内周面がほとんど傷つけられることなく、上記クランプ部に対して上記軸方向に相対移動することができるため、コレットチャックのクランプ部によってアウター部材の内周面をクランプしたまま、アウター部材とインナー部材とのプロジェクション溶接を行うことができる。この結果、アウター部材の内周面の傷つきを防止しつつ、アウター部材とインナー部材との同軸度を適切に維持したまま、アウター部材とインナー部材とをプロジェクション溶接により接合することができる。
本発明の実施形態に係るプロジェクション接合装置によって接合されるアウタードラム及びインナードラムを有する、自動変速機のクラッチ装置の一部を示す断面図である。 上記プロジェクション接合装置の要部を示す概略断面図である。 上記プロジェクション接合装置のコレットチャックを、アウタードラムの軸方向の一側から見た図である。 上記コレットチャックのクランプ部がアウタードラムの内周面をクランプした状態において、上記クランプ部の1つを上記軸方向の上記一側から見た図である。 上記プロジェクション接合装置における、上記クランプ部周辺を拡大した拡大断面図であって、上記クランプ部がアウタードラムの内周面をクランプした状態を示す。 図5の状態から、アウタードラムとインナードラムとのプロジェクション溶接による接合が完了した状態を示す拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、実施形態に係るプロジェクション接合装置A(図2参照)によってプロジェクション溶接により接合される、アウター部材としてのアウタードラム13及びインナー部材としてのインナードラム110を有する、自動車の自動変速機のクラッチ装置の一部を示す。本実施形態では、アウタードラム13は、上記クラッチ装置におけるクラッチドラムの一構成要素であり、インナードラム110は、上記クラッチ装置おけるクラッチドラムの他の構成要素である。
上記クラッチ装置は、湿式多板式クラッチ装置であって、摩擦要素としての複数の摩擦板と、該複数の摩擦板同士を係合させるために、アウタードラム13の軸方向の摩擦板側(後述する、軸方向の他側)に進出するピストン14とを有している。詳しくは後述するが、ピストン14は、アウタードラム13とインナードラム110とにシール部材14a,14bを介して組み付けられている。該ピストン14に対して上記摩擦板とは上記軸方向の反対側(後述する、軸方向の一側)には、アウタードラム13と、インナードラム110と、ピストン14と、シール部材14a,14bとで画成される締結油圧室15が形成される。この締結油圧室15に油圧が供給されることによって、ピストン14が上記軸方向の上記摩擦板側に向かって進出して、上記摩擦板同士が締結されるようになっている。
アウタードラム13は、軸方向の上記一側(図1の上側)に底部13aを有しかつ上記軸方向の上記他側(図1の下側)が開放された有底円筒状部材である。アウタードラム13は、上記複数の摩擦要素の一部が取り付けられる摩擦板取付部13bと、上記底部13aの上記径方向の外側の端と上記摩擦板取付部13bの上記軸方向の上記一側の端とを連結する連結部13cとを有している。
インナードラム110は、上記軸方向に延びる円筒状の部材であって、アウタードラム13内に位置しかつ該アウタードラム13の底部13aにおける上記軸方向の上記他側の面に接合される。詳しくは後述するが、アウタードラム13とインナードラム110とは、後述するプロジェクション接合装置Aによって、略同軸となるようにプロジェクション溶接されることで接合される。インナードラム110は、アウタードラム13の底部13aにおける上記軸方向の上記一側の面に接合される突起状の接合部110aを有している。尚、ここでいう「略同軸」とは、アウタードラム13の中心軸とインナードラム110の中心軸とが一致した状態である同軸状態を含み、上記自動変速機の機能に悪影響を及ぼさない程度に、アウタードラム13の中心軸とインナードラム110の中心軸とがずれている状態も含むものである。
ピストン14は、図1に示すように、アウタードラム13とインナードラム110との間、特に、上記軸方向と直交する方向(アウタードラム13及びインナードラム110の径方向と一致する)における、アウタードラム13とインナードラム110との間に配置されている。ピストン14は、アウタードラム13の連結部13cの内周面にシール部材14aを介して接続されるとともに、インナードラム110の外周面にシール部材14bを介して接続されている。締結油圧室15に油圧が供給又は該締結油圧室15から油圧が排出されることで、ピストン14が、上記軸方向に移動するときには、シール部材14aがアウタードラム13の連結部13cの内周面を摺動するとともに、シール部材14bがインナードラム110の外周面を摺動する。つまり、アウタードラム13の連結部13cの内周面は、ピストン14のシール部材14aが摺動するシール摺動面13dとして構成されている。ピストン14は、アウタードラム13とインナードラム110とがプロジェクション溶接により接合されて、上記クラッチドラムが形成された後に、上記軸方向と直交する方向における、アウタードラム13とインナードラム110との間に組み付けられる。
次に、図2〜図6を参照しながら、アウタードラム13の底部13aにおける上記軸方向の上記他側の面とインナードラム110の接合部110aとをプロジェクション溶接により接合する過程について説明する。尚、アウタードラム13とインナードラム110とをプロジェクション溶接により接合する際には、図2、図5及び図6に示すように、アウタードラム13の上記軸方向の上記一側が上側、アウタードラム13の上記軸方向の上記他側が下側となるように配置されるため、以下の説明では、アウタードラム13の軸方向を上下方向といい、アウタードラム13の上記軸方向の上記一側を上側といい、アウタードラム13の上記軸方向の上記他側を下側という。
図2は、アウタードラム13とインナードラム110とをプロジェクション溶接により接合するためのプロジェクション接合装置Aの要部を示す。
上記プロジェクション接合装置Aは、図2に示すように、アウタードラム13のシール摺動面13d(内周面)を径方向にクランプするためのコレットチャック50と、アウタードラム13の底部13aとインナードラム110の接合部110aとをプロジェクション溶接するための溶接機構60とを有している。
コレットチャック50は、円筒部材56と、該円筒部材56に支持軸53を介して回動可能に支持されたコレット部51と、コレット部51の上側端部に設けられたクランプ部52と、上下方向に移動してコレット部51を支持軸53回りに回動させるための押圧部材54と、該押圧部材54を上記軸方向に移動させるエアシリンダ55とを有している。尚、アウタードラム13のシール摺動面13d(内周面)が、コレットチャック50によって上記径方向にクランプされた状態では、図2に示すように、アウタードラム13の径方向と円筒部材56の径方向とは一致する。
コレット部51は、図3に示すように、複数(本実施形態では6つ)設けられており、各コレット部51の上側端部にクランプ部52がそれぞれ設けられている。つまり、コレットチャック50は複数のクランプ部52を有している。複数のコレット部51は、円筒部材56の周方向に等間隔に並ぶようにそれぞれ配設されており、これにより、図3に示すように、クランプ部52が円筒部材56の周方向に等間隔に並ぶ。
各クランプ部52は、図3及び図4に示すように、コレット部51の上側端部における上記周方向の両側の面に、それぞれボルト80によって固定された、2つの板状部材52aと、上下方向と直交する方向に延びる回転軸57aを有しかつ各クランプ部52における2つの板状部材52aの間に配設されたローラ57(転動部材)を有している。
板状部材52aは、図5及び図6に示すように、上記周方向から見て、上側端部が上記径方向の外側に突出するようなL字状をそれぞれなしている。各クランプ部52における2つの板状部材52aにおける上記径方向の外側に突出した部分は、図3及び図4に示すように、回転軸57aによって連結されており、この回転軸57aにローラ本体57bが回転可能に支持されることで、ローラ57が構成されている。
ローラ本体57bは、図4に示すように、太鼓状をなしている。より具体的には、ローラ本体57bは、転動面の幅方向の形状が、該幅方向の中央が該幅方向の両側の端よりも回転軸57aの径方向の外側に位置するような曲面形状をなしている。ローラ本体57bの転動面の上記曲面形状は、アウタードラム13のシール摺動面13dの曲率よりも僅かに大きい曲率の曲面形状である。このため、ローラ本体57bの径は、幅方向の中央が最も大きく、該幅方向の両側の端に向かうに連れて小さくなるようになっている。
ローラ本体57bの最大径、すなわち、ローラ本体57bの幅方向の中央における径は、図5及び図6に示すように、回転軸57a(図3及び図4参照)に支持された状態で、該ローラ本体57bの転動面における幅方向の中央部分が、板状部材52aにおける、円筒部材56の径方向の外側の端よりも、該径方向の外側に位置するような径に設定されている。より具体的には、ローラ本体57bの最大径は、コレットチャック50のクランプ部52によってアウタードラム13のシール摺動面13dを上記径方向にクランプした状態で、クランプ部52を構成する板状部材52aの上記径方向の外側の端が上記シール摺動面13dに接触しないような径に設定されている。
尚、詳しくは後述するが、ローラ57は、コレットチャック50によってアウタードラム13の内周面が上記径方向にクランプされた状態で、該アウタードラム13の、クランプ部52に対する相対移動を可能にするためのものである。
コレット部51の下側の部分は、図2に示すように、上記径方向の外側に突出しており、該突出した部分の突出先端面は、下側に向かって上記径方向の外側に傾斜したテーパー面51aとなっている。
上記押圧部材54は、図2に示すように、上下方向に延びかつ上下方向に移動したときにコレット部51を押圧する押圧部54aと、該押圧部54aの上下方向の中間から、円筒部材56の径方向の外側に突出しかつエアシリンダ55からの上下方向の力が作用する作動部54bとを有している。
上記押圧部54aの上側の部分における、上記径方向の内側の面は、上記コレット部51のテーパー面51aと対応するように、上側に向かって径が小さくなるテーパー面54cとなっている。尚、図2では、見やすくするために、コレット部51のテーパー面51aと押圧部材54のテーパー面54cとを比較的大きく離間させて示しているが、実際には、コレット部51のテーパー面51aと押圧部材54のテーパー面54cとは、押圧部材54が下側に移動していない状態において、接触しない程度に僅かに離れているだけである。
上記エアシリンダ55は、図2に示すように、圧縮空気が供給及び排出されかつ該圧縮空気によって上下方向に移動可能なピストン(図示省略)を有するシリンダ駆動部55aと、押圧部材54の作動部54bが載置されるテーブル55bと、該テーブル55bとシリンダ駆動部55aの上記ピストンとを連結するシリンダロッド55cとを有している。
上記テーブル55bには、押圧部材54がテーブル55bに対して相対移動しないように、該押圧部材54を固定するためのボルト81が取り付けられる補助部材58が設けられている。補助部材58は、図2に示すように、テーブル55bの上面から上側に延びた後、上記径方向の内側に向かって延びるような、断面L字状をなしている。該補助部材58の、上記径方向の内側の部分、詳しくは、押圧部材54の作動部54bと上記径方向に重複する部分に、上側から下側に向かってボルト81が挿通されている。該ボルト81の下側の端部は、上記作動部54bの上面と当接しており、上記テーブル55bの上面と該ボルト81の下側の端部とで、作動部54bを上下方向に挟持している。これにより、押圧部材54は、テーブル55bに固定され、シリンダ駆動部55aによって、テーブル55bが上下動したときには、押圧部材54がテーブル55bとともに上下動する。
上記接合機構60は、図2、図5及び図6に示すように、インナードラム110を支持するインナードラム支持部61(インナー部材支持部)と、インナードラム110に接触する下部電極65(第1電極)と、アウタードラム13の底部13aの上面と接触し、下部電極62との間に、接合部110aを底部13aにプロジェクション溶接するための接合電流を流す上部電極68(第2電極)と、を有している。
インナードラム支持部は、上下方向に移動しないよう固定された基台62と、該基台62の上部に固定された円筒状のセンタリング部63とを有している。基台62及びセンタリング部63は、図2に示すように、コレットチャック50の円筒部材56の内側に配置されている。プロジェクション接合装置Aにおいて、センタリング部63の中心軸と円筒部材56の中心軸とは一致している。
センタリング部63の内周面における上下方向の中間には、インナードラム110の中心軸がセンタリング部63の中心軸と一致するようにセンタリングを行うためのインナードラムセンタリングガイド64(以下、単にセンタリングガイド64という)が設けられている。センタリングガイド64は、上下方向に延びる筒状をなしており、インナードラム110の外周面の一部が、センタリングガイド64の内周面に接触しながら案内されることで、インナードラム110の上記センタリングが行われるようになっている。
下部電極65は、図2、図5及び図6に示すように、上下方向に延びるように配設された円筒部66と、該円筒部66の下側端から径方向の外側に延びる水平部67とを有している。下部電極65は、水平部67がセンタリング部63の上面に固定されることで、インナードラム支持部61に固定されている。また、下部電極65は、図2、図5及び図6に示すように、円筒部66が、コレットチャック50の円筒部材56の上面よりも上側に突出するようになっている。インナードラム110は、下部電極65の円筒部66の上面に、接合部110aが上向きになるようにセットされる。下部電極65にインナードラム110がセットされた状態で、下部電極65の円筒部66の内周面は、図2、図5及び図6に示すように、インナードラム110の外周面における、センタリングガイド64と接触した部分よりも上側の部分と接触する。これにより、下部電極65は、インナードラム110の上記センタリングを補助する役割も果たしている。
上部電極68は、不図示のシリンダ(油圧シリンダやエアシリンダ等)によって上下方向に移動可能にされている。上部電極68は、図2に示すように、インナードラム110がインナードラム支持部61に支持されかつ該インナードラム110の接合部110aが、アウタードラム13の底部13aの下面(つまり、内側の面)に当接するように、該アウタードラム13がセットされた状態(厳密には、後述するように、アウタードラム13をセットし、さらにアウタードラム13の内周面が上記径方向にクランプされた状態)で、アウタードラム13の底部13aの上面(つまり、外側の面)に接触するとともに、上記シリンダによっての下側へ進出することによって、アウタードラム13をインナードラム110に向かって、より具体的には、アウタードラム13の底部13aをインナードラム110の接合部110aに向かって加圧する。つまり、上部電極68は、アウタードラム13をインナードラム110に向かって上下方向(軸方向)に加圧する加圧手段を構成する。
実際のプロジェクション溶接の際には、アウタードラム13の底部13aにおける下側の面(つまり、底部13aのアウタードラム13の内側における面)に、インナードラム110の接合部110aの突出先端部が接触した状態で、上部電極68によって、アウタードラム13の底部13aを加圧する。上述したように、下部電極65は、インナードラム支持部に固定されていて、インナードラム110を下側に移動しないように支持しているため、上部電極68がアウタードラム13の底部13aを加圧したときには、下部電極65は上部電極68による加圧力を受ける。これにより、上部電極68がアウタードラム13の底部13aを加圧したときには、下部電極65が、上部電極68による加圧力の反力でもってインナードラム110の接合部110aをアウタードラム13側に加圧するようになる。
上記下部電極65は、不図示の電源のマイナス端子に接されている一方、上記上部電極68は、上記電源のプラス端子に接続されている。
次に、上記構成のプロジェクション接合装置Aを用いて、アウタードラム13とインナードラム110とをプロジェクション溶接により接合する方法を説明する。尚、初期状態では、上部電極68は、アウタードラム13及びインナードラム110をプロジェクション接合装置Aにセットできる程度に上側に位置している。
先ず、下部電極65の上面に、インナードラム110を、その接合部110を上向きにした状態でインナードラム支持部61にセットする。このとき、インナードラム110は、センタリング部63のセンタリングガイド64及び下部電極65の円筒部66によって、該インナードラム110の中心軸が、センタリング部63の中心軸(つまり、コレットチャック50の円筒部材56の中心軸)と一致するようにセットされる。
続いて、インナードラム110の接合部110aの突出先端部が、アウタードラム13の底部13aの下側の面に当接するようにアウタードラム13をセットする。これにより、コレット部51のローラ57の高さ位置に、アウタードラム13のシール摺動面13dが位置するようになる。
次に、エアシリンダ54を駆動して、押圧部材54を下方向に移動させる。これにより、押圧部材54のテーパー面54cが、コレット部51のテーパー面51aに当接して、コレット部51を下向きに押圧する。コレット部51のテーパー面51aが押圧されることによって、押圧部材54がコレット部51を押圧する力は、上記径方向の内側に向かう力に変換され、コレット部51の支持軸53よりも下側の部分が、支持軸53を支点にして上記径方向の内側に向かって回動する。
コレット部51の支持軸53よりも下側の部分が、支持軸53を支点にして上記径方向の内側に向かって回動することにより、コレット部51におけるクランプ部52は、支持軸53を支点にして上記径方向の外側に向かって変位(回動)する。これにより、ローラ57が、アウタードラム13のシール摺動面13d(内周面)を上記径方向の外側に向かって押圧する。この結果、アウタードラム13のシール摺動面13dが上記径方向にクランプされる。アウタードラム13のシール摺動面13dが上記径方向にクランプされることによって、アウタードラム13とコレットチャック50の円筒部材56とが同軸になり、これにより、アウタードラム13とインナードラム110とが同軸になる。
続いて、上部電極68を下側に移動させて、上部電極68の下面を、アウタードラム13の底部13aの上面と接触させ、該底部13aをインナードラム110の接合部110aに向かって加圧する。
そして、上部電極68による加圧の時点と略同時に、下部電極65と上部電極68との間に、プロジェクション溶接のための接合電流を流し始める。接合電流が流れている間も、上部電極68による上記底部13aの加圧は継続される。上記接合電流及び上記加圧によって、アウタードラム13の底部13aの下側の面とインナードラム110の接合部110aの突出先端部との接触部分、特に、該接合部110aの突出先端部が軟化して、該接合部110aが加圧方向(つまり、下側)に潰れていく(図6参照)。このとき、アウタードラム13の底部13aの下側の面とインナードラム110の接合部110aの突出先端部とに塑性流動が発生して、融点以下の温度で急速な拡散接合がなされる。
以上によって、アウタードラム13とインナードラム110との、プロジェクション溶接による接合が完了する。
ここで、インナードラム110の接合部110aが下側に潰れるときには、図6に示すように、アウタードラム13は上記接合部110aが潰れた分だけ下側に移動する。一方で、コレットチャック50のコレット部51は、支持軸53によって円筒部材56に支持されているため、上下方向に移動しない。よって、アウタードラム13は、コレット部51のクランプ部52に対して上下方向に相対移動するようになる。
従来のプロジェクション接合装置のように、クランプ部に上記径方向の外側に突出するような爪部を形成し、該爪部によって、アウタードラム13のシール摺動面13dを押圧することで、アウタードラム13のシール摺動面13dを上記径方向にクランプする場合には、アウタードラム13の上記爪部に対する相対移動によって、該アウタードラム13のシール摺動面13dが上記爪部により傷つけられるおそれがある。このため、従来は、シール摺動面13dの傷つきを防止するために、プロジェクション溶接のための接合電流を流す直前に、上記爪部によるアウタードラム13のシール摺動面13dの上記径方向のクランプを解除するようにしていた。しかし、上記爪部による上記クランプを解除にすると、インナードラム110の接合部110aの形状のバラツキや、アウタードラム13の底部13aの下側の面とインナードラム110の接合部110aの突出先端部との接触部分に流れる接合電流のバラツキ等によって、プロジェクション溶接中に、アウタードラム13の中心軸とインナードラム110の中心軸とがずれてしまい、アウタードラム13とインナードラム110との同軸度が低下してしまう可能性が高い。
これに対して、本実施形態では、クランプ部52がローラ57を有しており、該ローラ57によって、アウタードラム13のシール摺動面13dを上記径方向の外側に押圧することで、アウタードラム13のシール摺動面13dを上記径方向にクランプするため、コレットチャック50のクランプ部52によって、アウタードラム13のシール摺動面13dを上記径方向にクランプしたままであっても、ローラ57が転動することによって、アウタードラム13は、シール摺動面13dがほとんど傷つけられることなく、クランプ部52に対して相対移動することができる。よって、アウタードラム13のシール摺動面13dを傷つけないようにするために、クランプ部52によるアウタードラム13のシール摺動面13dの上記径方向のクランプを解除する必要がなく、コレットチャック50のクランプ部52によって、アウタードラム13のシール摺動面13dを上記径方向にクランプしたまま、アウタードラム13とインナードラム110とのプロジェクション溶接を行うことができる。これにより、アウタードラム13のシール摺動面13dの傷つきを防止しつつ、アウタードラム13とインナードラム110との同軸度を適切に維持したまま、アウタードラム13とインナードラム110とをプロジェクション溶接により接合することができる。
また、アウタードラム13とインナードラム110との同軸度を適切に維持することができるようになることによって、アウタードラム13とインナードラム110との同軸度のバラツキが小さくなるため、上記クラッチ装置の製造時において、アウタードラム13とインナードラム110との同軸度の検査を簡略化することができる。これにより、上記クラッチ装置の製造コストを向上させることができる。
さらに、本実施形態では、ローラ57のローラ本体57bは、転動面の幅方向の形状が、アウタードラム13のシール摺動面13dの曲率よりも僅かに大きい曲率の曲面形状をなしているため、アウタードラム13のシール摺動面13dとローラ本体57bとの接触面積を出来る限り広くすることができる。これにより、ローラ57からアウタードラム13のシール摺動面13dにかかる荷重が分散されるため、ローラ本体57bが上記シール摺動面13dに沿って上下方向に摺動したときに、該シール摺動面13dの傷つきを効果的に抑制することができる。特に、本実施形態では、ローラ本体57bの転動面の曲面形状は、シール摺動面13dの曲率よりも僅かに大きい曲率の曲面形状であるため、アウタードラム13のシール摺動面13dとローラ本体57bとの接触面積を出来る限り広くするとともに、ローラ本体57bの回転軸方向(幅方向)の両側にそれぞれ位置するエッジが、アウタードラム13のシール摺動面13dに接触しないようにすることができるため、プロジェクション溶接時のアウタードラム13のシール摺動面13dの傷つきを一層効果的に防止することができる。
また、アウタードラム13のシール摺動面13dとローラ本体57bとの接触面積を出来る限り広くすることで、アウタードラム13のシール摺動面13dを安定してクランプすることができるため、プロジェクション溶接時の、アウタードラム13とインナードラム110との同軸度についても維持しやすくなる。
さらに、本実施形態では、コレットチャック50の複数のクランプ部52は、円筒部材56の周方向に等間隔に並ぶように配設されているため、アウタードラム13のシール摺動面13dを一層安定してクランプすることができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上記実施形態では、アウター部材をアウタードラム13とし、インナー部材をインナードラム110として本発明を説明したが、アウター部材が、軸方向の一側に底部を有しかつ他側が開放された有底円筒状の部材であり、インナー部材が、該アウター部材の上記底部における上記軸方向の上記他側の面に接合される突起状の接合部を有しかつ上記軸方向に延びる部材であれば、アウター部材及びインナー部材は、どのようなものであってもよい。
上記実施形態では、ローラ57のローラ本体57bは、転動面の幅方向の形状が、アウタードラム13のシール摺動面13dの曲率よりも僅かに大きい曲率の曲面形状をなしていたが、これに限らず、ローラ本体57bの転動面の幅方向の形状が、シール摺動面13dの曲率と同じ曲率の曲面形状をなしていてもよい。この構成によれば、ローラ本体57bとシール摺動面13dとの接触面積を最大限大きくすることができる。また、ローラ本体57bは球状であってもよい。この場合、ローラ本体57bが太鼓状をなしている場合と比較すると、ローラ本体57bとシール摺動面13dとの接触面積は小さくなるが、プロジェクション溶接時のアウタードラム13のシール摺動面13dの傷つきについては防止することが可能である。
また、上記実施形態では、コレットチャック50の各クランプ部52は、L字状の板状部材52aによって構成されていたが、これに限らず。板状部材52aの形状は、ローラ57を、板状部材52aよりも上記径方向の外側に突出するように設けることができる形状であれば、L字状でなくてもよい。また、ローラ57を、板状部材52aよりも上記径方向の外側に突出するように設けることができるのであれば、クランプ部52をコレット部51と一体形成してもよい。
さらに、上記実施形態では、上部電極68が加圧手段を構成していたが、これに限らず、上部電極68とは別の加圧手段を設けてもよい。ただし、この場合、別の加圧手段が必要となるため、プロジェクション接合装置Aが大型化することになる。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、軸方向の一側に底部を有しかつ他側が開放された円筒状のアウター部材と、該アウター部材の上記底部における上記軸方向の上記他側の面に接合される突起状の接合部を有しかつ上記軸方向に延びるインナー部材とを、アウター部材とインナー部材とが略同軸になるようにプロジェクション溶接により接合する際に有用である。
13 アウタードラム(アウター部材)
13a 底部(アウター部材の底部)
13d シール摺動面(アウター部材の内周面)
14 ピストン
14a シール部材
50 コレットチャック
52 爪部
57 ローラ(転動部材)
57a 回転軸
57b ローラ本体
61 インナードラム支持部(インナー部材支持部)
65 下部電極(第1電極)
68 上部電極(第2電極、加圧手段)
110 インナードラム(インナー部材)
110a 接合部
A プロジェクション接合装置

Claims (5)

  1. 軸方向の一側に底部を有しかつ他側が開放された有底円筒状のアウター部材と、該アウター部材の上記底部における上記軸方向の上記他側の面に接合される突起状の接合部を有しかつ上記軸方向に延びるインナー部材とを、上記アウター部材と上記インナー部材とが略同軸になるようにプロジェクション溶接により接合するためのプロジェクション接合装置であって、
    上記インナー部材を支持するインナー部材支持部と、
    上記インナー部材支持部に支持された上記インナー部材と略同軸となるように、上記アウター部材の内周面を径方向にクランプするための複数のクランプ部を有するコレットチャックと、
    上記アウター部材の上記底部における上記軸方向の上記他側の面に、上記インナー部材の上記接合部が接触した状態で、上記アウター部材を上記インナー部材に向かって加圧する加圧手段と、
    上記インナー部材に接触する第1電極と、
    上記アウター部材に接触し、上記第1電極との間に、上記プロジェクション溶接のための接合電流を流す第2電極と、を備え、
    上記各クランプ部は、上記軸方向に対して直交する方向に回転軸を有するとともに、上記コレットチャックによって上記アウター部材の内周面が上記径方向にクランプされた状態で、上記アウター部材の、上記クランプ部に対する上記軸方向の相対移動を可能にする転動部材を有しており、
    上記コレットチャックは、上記各クランプ部を上記径方向の外側に変位させて、上記転動部材によって、上記アウター部材の内周面を上記径方向の外側に押圧することで、上記アウター部材の内周面を上記径方向にクランプすることを特徴とするプロジェクション接合装置。
  2. 請求項1に記載のプロジェクション接合装置おいて、
    上記アウター部材は、自動車の自動変速機のクラッチ装置におけるクラッチドラムの一構成要素であるアウタードラムであり、
    上記インナー部材は、上記クラッチドラムにおける他の構成要素であるインナードラムであることを特徴とするプロジェクション接合装置。
  3. 請求項2に記載のプロジェクション接合装置おいて、
    上記転動部材は、転動面の幅方向の形状が、該幅方向の中央が該幅方向の両側の端よりも上記回転軸の径方向の外側に位置するような曲面形状であるローラ本体、を有するローラであり、
    上記ローラ本体の上記転動面の上記曲面形状は、上記アウター部材の上記内周面と同曲率か、又は大きい側に略同曲率の曲面形状であることを特徴とするプロジェクション接合装置。
  4. 請求項2又は3に記載のプロジェクション接合装置おいて、
    上記クラッチ装置は、上記軸方向に対して直交する方向における、上記アウター部材と上記インナー部材との間に配置されかつ上記アウター部材の上記内周面にシール部材を介して接続されかつ上記軸方向に移動可能なピストンをさらに有し、
    上記アウター部材の上記内周面は、上記シール部材が摺動するシール摺動面であることを特徴とするプロジェクション接合装置。
  5. 軸方向の一側に底部を有しかつ他側が開放された有底円筒状のアウター部材と、該アウター部材の上記底部における上記軸方向の上記他側の面に接合される突起状の接合部を有しかつ上記軸方向に延びるインナー部材とを、上記アウター部材と上記インナー部材とが略同軸になるようにプロジェクション溶接によって接合するプロジェクション接合方法であって、
    インナー部材支持部に上記インナー部材をセットするインナー部材セット工程と、
    上記インナー部材セット工程の後、上記インナー部材の上記接合部が、上記アウター部材の上記底部における上記軸方向の上記他側の面に接触するように上記アウター部材をセットするアウター部材セット工程と、
    上記アウター部材セット工程の後、上記アウター部材の径方向の外側に向かって突出ように転動部材がそれぞれ配設された複数のクランプ部を備えるコレットチャックの当該各クランプ部を上記径方向の外側に向かって変位させて、上記転動部材によって、上記アウター部材の内周面を上記径方向の外側に向かって押圧して、上記アウター部材と上記インナー部材とが略同軸になるように、上記アウター部材の上記内周面を上記径方向にクランプするクランプ工程と、
    上記クランプ工程の後、上記コレットチャックによって上記アウター部材の上記内周面を上記径方向にクランプした状態で、上記アウター部材を上記インナー部材に向かって上記軸方向に加圧する加圧工程と、
    上記アウター部材を上記インナー部材に向かって上記軸方向に加圧しながら、上記インナー部材に接触する第1電極と上記アウター部材に接触する第2電極との間に、上記プロジェクション溶接のための接合電流を流して、上記アウター部材の上記底部における上記軸方向の上記他側の面と上記インナー部材の上記接合部とをプロジェクション溶接により接合する接合工程とを含むことを特徴とするプロジェクション接合方法。
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