JP2018535390A - ハイドロゲルを含む軟性放射線遮蔽材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明のハイドロゲルを含む軟性放射線遮蔽材は、イオン性架橋結合及び共有結合性架橋結合を含む相互侵透性重合体構造の水分含有高分子であるハイドロゲルマトリックスを含む。前記軟性放射線遮蔽材は、厚さを増加させても軟性の特徴を有しながら伸縮性に優れ、振動や衝撃による放射性物質遮蔽材の亀裂が防止されたり最小化して、安定した放射線遮蔽効果を提供することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、ハイドロゲルを含む軟性放射線遮蔽材、及びその製造方法に関する。
放射線には様々な種類があり、その種類によって物質を透過する程度が異なるため、遮蔽可能な物質及び方法もそれぞれ異なる。
一般に、放射線は電離放射線を意味し、電離放射線は、物質を通過する時にイオン化を起こすアルファ、ベータ、陽性子、中性子、ガンマ線、X線などの放射線のことをいう。具体的に、電離放射線は、直接電離する能力があるアルファ線、ベータ線、陽性子などの直接電離放射線と、物質を直接電離する能力はないが、物質との相互作用によって間接的に物質を電離する放射線であるX線、ガンマ線、中性子などの間接電離放射線とに分類される。
アルファ線は、紙の厚さの程度の物質にも吸収されて遮断され、空気中でも瞬時に止めて特別に吸収する必要がなく、ベータ線は、アルファ線よりは大きいと知られているが、一般的には薄いアルミニウムフォイルやプラスチック板の程度でも遮断することができる。一方、ガンマ線は、核の崩壊や変換から発生し、X線よりも高いエネルギーを有する電磁気波であり、透過力が非常に強いという特徴がある。このようなガンマ線は、コンクリート、又は鉄、鉛のような密度の高い金属物質でも遮断できるが、金属物質を使用する場合、それらの高密度によって遮蔽材の重量が大きくなる問題がある。中性子は、核が崩壊したり分裂する時に発生し、電荷を帯びないが、高速中性子の場合は1MeV以上の大きいエネルギーを有するので、高速中性子を減速させるためには、中性子に近似する質量を有する水素が多く含まれている物質(例えば、HO)を共に使用し、このような高速中性子が減速された、エネルギーの少ない熱中性子(〜0.025MeV)を吸収するための放射線遮蔽物質が混合された遮蔽材が要求される。
現在最も広く使われている放射線遮蔽材料には、鉛、ホウ素、鉄、水素、重量コンクリートなどを含む物質があるが、一般に、遮蔽対象がガンマ線である場合、鉛、鉄、タングステン化合物又は混合物のような、原子番号の高い金属が使用されており、中性子を減速して吸収しようとする場合には、水とホウ素が主に使用される。
原子力発電所などから出る様々な放射性廃棄物及び使用後の核燃料の輸送及び保存と関連して、外部振動や長時間地殻変動から放射性物質とこれを遮蔽している多重の構造体を安全に保護しながら、それ自体としても優れた遮蔽性能を持つ軟性放射線遮蔽材料の開発は非常に重要である。特に、中低準位放射性廃棄物処理場の運営が始まりながら、今後、放射性廃棄物に対する輸送/保存と関連して軟性遮蔽材料に対する需要が急増すると予想されるが、現在、これと関連して国内外で確保している技術は僅かな実情である。
現在まで国内外で開発した軟性放射線遮蔽材料は、薄い厚さでは曲がる能力を有するが、放射線遮蔽能力を高めるために遮蔽層の厚さを増加させると、重さ及び体積が増加することによって曲がる特徴が消えるという大きな短所がある。しかしながら、厚さを増加させても軟性の特徴を有しながら伸縮性にも優れた放射線遮蔽性能を有する物質は未だ開発されていない。
韓国登録特許第10−1460691号公報 韓国登録特許第10−1196365号公報
本発明の目的は、ハイドロゲルを含む軟性放射線遮蔽材、その製造方法、及びこれを含む物品を提供することである。
本出願は、2015年11月17日に出願した大韓民国特許出願第10−2015−0161380号公報に基づく優先権の利益を有し、この特許出願に記載された内容は、本出願のために本出願の一部として含まれる。
前記の目的を達成するために、本発明の一実施例に係る軟性放射線遮蔽材は、イオン性架橋結合及び共有結合性架橋結合を含む相互侵透性重合体構造の水分含有高分子であるハイドロゲルマトリックスを含む。
前記イオン性架橋結合は、架橋イオンと該架橋イオンに接する第1高分子の高分子チェーンに存在する反応基によって形成される架橋結合を含むことができ、前記共有結合性架橋結合は、i)架橋剤によって第2高分子の互いに隣り合う高分子チェーンに形成される第1共有結合性架橋結合、及びii)前記第1高分子の高分子チェーンと前記第2高分子の高分子チェーンとの間に存在し、架橋剤によって形成される第2共有結合性架橋結合、を含むことができる。
前記第1高分子は、アルギン酸(alginate)、キトサン(chitosan)、ヒアルロン酸(hyaluronicacid)及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか一つであってもよい。
前記第2高分子は、ポリアクリルアミド(Polyacrylamide)、ポリビニルアルコール(Polyvinylalcohol)、ポリエチレン(Polyethylene)、ポリアクリル酸(Polyacrylicacid)及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか一つであってもよい。
前記ハイドロゲルマトリックスは、その内部に分散される金属粒子、金属合金粒子、金属酸化物粒子及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか一つの金属含有粒子又は放射線遮蔽粒子をさらに含むことができる。
前記金属含有粒子は、ボロン、リチウム、ガドリニウム、サマリウム、ユウロピウム、カドミウム、ジスプロシウム、鉛、鉄、タングステン、及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか一つ又はそれを含む化合物を含むことができる。
本発明の他の実施例に係る軟性放射線遮蔽材の製造方法は、イオン性架橋結合を形成する高分子の前駆体成分と共有結合性架橋結合を形成する高分子の前駆体成分を溶媒に混合してマトリックス製造用前駆体溶液を準備する前駆体準備段階と、前記マトリックス製造用前駆体溶液に、架橋結合開始剤、架橋剤、架橋促進剤、イオン性架橋剤及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか一つを含む添加剤を入れてマトリックス製造用溶液を製造する溶液製造段階と、前記マトリックス製造用溶液を成形用モールドに入れて硬化してイオン性架橋結合及び共有結合性架橋結合を含む相互侵透性重合体構造の水分含有高分子であるハイドロゲルマトリックスを製造するマトリックス製造段階と、を有し、前記ハイドロゲルマトリックスを含む軟性放射線遮蔽材を製造する。
前記マトリックス製造用前駆体溶液は、前記イオン性架橋結合を形成する高分子の前駆体成分と前記共有結合性架橋結合を形成する高分子の前駆体成分を1:3〜19の重量比で含有することができる。
前記マトリックス製造用溶液に含まれるイオン性架橋剤は、前記イオン性架橋結合を形成する高分子の前駆体成分と前記イオン性架橋剤に含まれるイオンの比が1:0.1〜0.2のモル比となるように含有することができる。
前記前駆体準備段階のマトリックス製造用前駆体溶液又は前記溶液製造段階のマトリックス製造用溶液は、金属粒子、金属合金粒子、金属酸化物粒子及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか一つの金属含有粒子又は放射線遮蔽粒子をさらに含むことができ、前記マトリックス製造段階のハイドロゲルマトリックスはその内部に分散して存在する前記金属含有粒子又は放射線遮蔽粒子をさらに含むことができる。
本発明の更に他の実施例に係る放射性物質の収容方法は、上述した軟性放射線遮蔽材を含む放射性物質遮蔽体を適用して、放射性物質又は放射線物質で汚染された廃棄物が収容された第1空間と、前記第1空間以外の空間である第2空間とを分離する過程を含む。
以下、本発明をより詳しく説明する。
前記の目的を達成するために、本発明の一実施例に係る軟性放射線遮蔽材は、イオン性架橋結合及び共有結合性架橋結合を含む相互侵透性重合体構造の水分含有高分子であるハイドロゲルマトリックスを含む。
前記ハイドロゲルマトリックスは、純粋なハイドロゲル内の水分含有率が80重量%、86重量%、又は90重量%以上程度であって、非常に多量の水分を含むことができる。また、高分子鎖が、架橋剤による共有結合だけでなく、架橋イオンが媒介するイオン性架橋結合も共に含むことにより、優れた軟性を有し、且つタフハイドロゲルと呼ばれるほど強度に優れるため、初期の長さから約20倍まで増え得るという長所がある。また、約8,700J/mレベルと非常に大きい引張強度を有し、製造過程で溶液に粉末を混合し、粉末が混入した形態でも製造可能であるという長所がある。
本発明では、このようなハイドロゲルマトリックスを多量の水分を含有する状態単独で又は多量の水分を含有するマトリックス内に粒子を混入して、ガンマ線遮蔽効果があることを確認し、厚さによってガンマ線遮蔽効果が上昇するという点を確認し、軟性放射線遮蔽材料として活用しようとする。
ハイドロゲルマトリックスは優れた軟性を有し、一般的なプラスチック高分子素材に比べて厚い厚さで形成しても振動や衝撃によって破られない衝撃抵抗性に優れているという長所がある。このような長所は、プラスチック高分子素材の場合、その厚さが増加すると、プラスチック自体の軟性特性が消え、よく破られたり割れたりすることから、ガンマ線遮蔽に十分な程度の厚さでプラスチック遮蔽材を適用し難いという既存技術の問題点を解決できるハイドロゲルの長所であり、ハイドロゲルマトリックスの場合には、その厚さが増加してもマトリックス自体の軟性が消えないため、厚さを増加させる方式によって高ガンマ線遮蔽能を有する軟性放射能遮蔽材を得ることができる。
このような相互侵透性重合体構造のハイドロゲルマトリックスは、異なる2種類の架橋結合された高分子が混合された形態で製造される。
具体的に、前記相互侵透性重合体構造のハイドロゲルマトリックスは、図1の概念図に示すように、イオン性架橋結合、イオン性架橋結合をしない高分子間になされる第1共有結合性架橋結合、そしてイオン性架橋結合をする高分子とイオン性架橋結合をしない高分子との間になされる第2共有結合性架橋結合を含む。
前記イオン性架橋結合は、架橋イオンと前記架橋イオンに接する第1高分子の高分子チェーンに存在する反応基によって形成される架橋結合を含み、前記共有結合性架橋結合は、i)架橋剤によって第2高分子の互いに隣り合う高分子チェーンに形成される第1共有結合性架橋結合、及びii)前記第1高分子の高分子チェーンと前記第2高分子の高分子チェーンとの間に存在し、架橋剤によって形成される第2共有結合性架橋結合を含む。
このとき、イオン性架橋結合を形成する高分子(第1高分子)は、アルギン酸(alginate)、キトサン(chitosan)、ヒアルロン酸(hyaluronicacid)及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか一つであり、前記共有結合性架橋結合を形成する高分子(第2高分子)は、ポリアクリルアミド(Polyacrylamide)、ポリビニルアルコール(Polyvinylalcohol)、ポリエチレン(Polyethylene)、ポリアクリル酸(Polyacrylicacid)及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか一つであってもよい。
また、架橋剤は、前記第1共有結合性架橋結合と前記第2共有結合性架橋結合の形成に同一の架橋剤が適用されてもよく、異なる架橋剤が適用されてもよいが、具体的に、前記架橋剤には、N,N−メチレンビスアクリルアミド(N,N−methylenebisacrylamide)、ジアルデヒド(dialdehyde)、シュウ酸(oxalicacid)、ゲニピン(genipin)、グリオキサル(glyoxal)及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか一つを適用することができる。
イオン性架橋結合の場合、架橋イオンを媒介にして高分子チェーンの架橋結合が形成され、このとき、イオン性架橋結合を媒介する架橋イオンには、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Fe2+、Fe3+、Al3+、Mg2+、Zn2+、Pb2+、Cu2+、Mn2+、Mn3+、Cr2+、Cr3+及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか一つのイオンを適用することができる。
前記第1高分子と第2高分子がハイドロゲルマトリックス内に含まれる比率によってハイドロゲルマトリックスの機械的な特性を調節することができるが、前記ハイドロゲルマトリックスは、第1高分子と第2高分子を1:3〜19重量比で含有することができ、1:4〜10重量比で含有することができる。前記第1高分子1重量部を基準に第2高分子を3重量部未満で含有する場合には、マトリックスの軟性と破壊エネルギーが低下することがあり、19重量部を超える場合には、軟性と破壊エネルギーが減少する他、弾性係数も減少することがある。前記第1高分子と第2高分子の含量比が1:4〜10重量比で含まれる場合に、弾性エネルギー、軟性、及び破壊エネルギーがいずれも一定レベル以上に維持される、優れた物性のハイドロゲルマトリックスを得ることができる。
前記第1高分子と前記架橋イオンは1:0.1〜0.2のモル比となるように含有することができ、この場合、軟性、破壊エネルギー、及び弾性係数のいずれにも優れたマトリックスを得ることができる。
特に、図2を参照して、前記第1高分子と第2高分子としてアルギン酸とポリアクリルアミド、そして架橋剤としてN,N−メチレンビスアクリルアミドが適用される場合、イオン性架橋結合と共有結合性架橋結合の具体的な形態について説明する。
図2を参照すると、イオン性架橋結合を説明する上側の図(イオンは赤色の円で表示)は、Mと表示したマンヌロン酸ユニット(mannuronic acid;M unit)とグルロン酸ユニット(guluronic acid;G unit)で構成され、Gユニットの場合には、異なるアルギン酸チェーンが二価陽イオンによってイオン架橋結合を形成する。一方、第1共有結合性架橋結合を説明する左下端の図(結合を緑色の四角で表示)は、ポリアクリルアミドにおいて高分子チェーンは架橋剤によって架橋結合を形成する。また、第2共有結合性架橋結合を説明する右下端の図(結合を紺色で表示)は、アルギン酸とポリアクリルアミドの異なる2種類の高分子が絡み合っていながら一部の共有結合によって架橋結合が形成される。このように2種類以上の高分子が絡み合って比較的に緩い結合を形成し、これらの間に種々の架橋結合が形成されて、本発明で達成しようとする振動や衝撃に強い軟性を有し、且つ、ハイドロゲルの特性の上、多量の水分を含有して放射線遮蔽性能を有するようになる。
前記ハイドロゲルマトリックスは、その内部に分散される金属粒子、金属合金粒子、金属酸化物粒子及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか一つの金属含有粒子、又は放射線遮蔽粒子をさらに含むことができる。前記ハイドロゲルマトリックスがこのような粒子をさらに含む場合、このような粒子による放射線遮蔽効果を得ることができ、ハイドロゲルマトリックスの特性の上、高分子チェーンの間に粒子を位置させて、軟性の損失を最小化することができる。
前記金属含有粒子としてボロン、リチウム、ガドリニウム、サマリウム、ユウロピウム、カドミウム、ジスプロシウム及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか一つ又はこれを含む化合物を含む場合、前記軟性放射線遮蔽材の中性子遮蔽効果を向上させることができ、前記金属含有粒子として鉛、鉄、タングステン及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか一つ、又はこれを含む化合物を含む場合には、前記軟性放射線遮蔽材のガンマ線遮蔽効果を向上させることができる。
前記ハイドロゲルマトリックスは、5mm以上、20mm以上、又は40mm以上の厚さで製造することができ、前記金属含有粒子又は放射線遮蔽粒子の大きさは前記ハイドロゲルマトリックスの厚さより小さければ適用可能である。
前記ハイドロゲルマトリックスは、前記金属含有粒子又は放射線遮蔽粒子を0.05モル/L以下で含むことができ、この場合、ハイドロゲルマトリックスの軟性に優れながらも、金属含有粒子が含まれているハイドロゲルマトリックスを得ることができる。また、ハイドロゲルマトリックスは、前記金属含有粒子又は放射線遮蔽粒子を3.3モル/L以下で含むことができ、この場合、金属含有粒子を比較的多量含有しながらも、破裂引張特性や応力がある程度維持され、優れた引張特性を有する金属含有粒子含有ハイドロゲル遮蔽体を得ることができる。
本発明の他の実施例に係る軟性放射線遮蔽材の製造方法は、イオン性架橋結合を形成する高分子の前駆体成分と共有結合性架橋結合を形成する高分子の前駆体成分を溶媒に混合してマトリックス製造用前駆体溶液を準備する前駆体準備段階と、前記マトリックス製造用前駆体溶液に架橋結合開始剤、架橋剤、架橋促進剤、イオン性架橋剤及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか一つを含む添加剤を入れてマトリックス製造用溶液を製造する溶液製造段階と、前記マトリックス製造用溶液を成形用モールドに入れて硬化し、イオン性架橋結合及び共有結合性架橋結合を含む相互侵透性重合体構造の水分含有高分子であるハイドロゲルマトリックスを製造するマトリックス製造段階と、を有し、前記ハイドロゲルマトリックスを含む軟性放射線遮蔽材を製造する。
前記イオン性架橋結合を形成する高分子の前駆体成分は、上述した第1高分子の単量体又はオリゴマーを適用することができ、必要時に、高分子自体が前記前駆体成分に導入されてもよい。
前記共有結合性架橋結合を形成する高分子の前駆体成分は、上述した第2高分子の単量体又はオリゴマーを適用することができ、必要時に、高分子自体が前記前駆体成分に導入されてもよい。
前記前駆体準備段階の溶媒は、軟性放射線遮蔽材の適用に適当な水素イオン含有量が多い溶媒を適用するとよく、例えば、水を適用することができる。
前記前駆体準備段階の混合は、前記高分子の前駆体成分が十分に溶解されるように進行すればよく、マトリックス製造用前駆体溶液の表面に泡が生成されない程度に安定した状態になれば良い。
前記架橋促進剤としては、例えば、TEMED(Tetramethylethylenediamine)を適用することができ、架橋結合開始剤としてAPS(ammonium persulphate)を適用することができ、このような架橋促進剤又は架橋結合開始剤は、適用する高分子の種類や硬化システムの種類などによって適切に変形して適用することができる。前記架橋剤と前記イオン性架橋剤については上述したので、その説明を省略する。
前記溶液製造段階で、前記イオン性架橋剤は前記添加剤の中で最後に投入されることが好ましく、イオン性架橋剤が投入によって始まるゲル化現象を調節しながら所望の形態のマトリックスを製造するためには、前記イオン性架橋剤の投入時期をマトリックス製造段階の直前とすることがよい。
前記マトリックス製造段階の硬化は、例えば、紫外線硬化などの方法を適用することができるが、これに限定されるものではない。ただし、前記マトリックス製造用溶液に粒子がさらに含まれている場合には、粒子の重さによってマトリックス内で粒子が部分的に偏る現象が起きることがあり、これを防止するために、経過過程において周期的にマトリックスの上面と下面をひっくり返す過程がさらに含まれてもよい。
前記マトリックス製造用前駆体溶液は、前記イオン性架橋結合を形成する高分子の前駆体成分と前記共有結合性架橋結合を形成する高分子の前駆体成分を1:3〜19の重量比で含有することができ、1:4〜10の重量比で含有することができる。前記共有結合性架橋結合を形成する高分子の前駆体成分を、前記イオン性架橋結合を形成する高分子の前駆体成分1を基準に3未満の重量比で含む場合、軟性と破壊エネルギーが低下することがあり、19を超える重量比で含む場合、軟性と破壊エネルギーが低下し、弾性係数が減少することがある。また、前記含量比が1:4〜10重量比で含まれる場合、弾性エネルギー、軟性、及び破壊エネルギーがいずれも一定のレベル以上に維持される、優れた物性のハイドロゲルマトリックスを得ることができる。
前記マトリックス製造用溶液に含まれているイオン性架橋剤は、前記イオン性架橋結合を形成する高分子の前駆体成分と前記イオン性架橋剤に含まれるイオンの比が1:0.1〜0.2のモル比で含有することができる。前記イオン性架橋結合を形成する高分子の前駆体成分を基準に前記イオン性架橋剤に含まれるイオンの比が1:0.1〜0.2のモル比となるように含有する場合、軟性、破壊エネルギー、及び弾性係数のいずれにも優れたマトリックスを得ることができる。
本発明の更に他の実施例に係る放射性物質の収容方法は、上述した軟性放射線遮蔽材を含む放射性物質遮蔽体を適用して、放射性物質又は放射線物質で汚染された廃棄物が収容された第1空間と、前記第1空間以外の空間である第2空間とを分離する過程を含む。前記軟性放射線遮蔽材は、軟性の特性から、振動や衝撃などによっても放射線物質遮蔽体に亀裂などによる破損が発生しなく、発生しても、一部自己修復(回復)可能であり、安全性が向上した放射性物質の収容方法を提供することができる。
本発明の軟性放射線遮蔽材は、厚さを増加させても軟性の特徴を有しながら伸縮性に優れ、多量の水分を含有するハイドロゲルマトリックスを含むことにより、ガンマ線、中性子などを遮蔽可能な金属含有粒子又は放射線遮蔽粒子と共に又は単独で放射性物質のパッキング用又は放射性物質の保管容器の遮蔽層の一部として活用するとき、振動や衝撃による放射性物質遮蔽材の亀裂を防止したり最小化して、安定した放射線遮蔽効果を提供することができる。
本発明の一実施例に係るハイドロゲルマトリックスの相互侵透性重合体構造を説明する概念図である(a:イオン性架橋結合、b:第1共有結合性架橋結合、c:第2共有結合性架橋結合)。 本発明の製造例1で製造したハイドロゲルマトリックスのイオン性架橋結合と2種類の共有結合性架橋結合の構造を、図1の概念図と関連付けて説明する図である。 本発明の製造例1及び製造例2で製造する金属粒子を含有するハイドロゲルマトリックスの構造を説明する概念図である。 本発明の製造例1で製造したハイドロゲルマトリックス(左側、透明)及び製造例2で製造したFe粒子が含まれているハイドロゲルマトリックス(右側、赤色)のサンプル写真である。 本発明の製造例3で製造したWO粒子が含まれているハイドロゲルマトリックスのサンプル(黄色)写真である。 本発明の評価例1の評価方法において適用したガンマ線が遮蔽物質を透過する値を求めるための実験装置を説明する概念図である。 本発明の評価例1において、本発明の製造例1〜3で製造されたサンプルの厚さに従うガンマ線透過率測定結果をログスケールで示すグラフである(サンプルの表示 − Pure:ハイドロゲルマトリックス、Fe:酸化鉄粒子を含むハイドロゲルマトリックス、WO:酸化タングステン粒子を含むハイドロゲルマトリックス、PbO:酸化鉛粒子を含むハイドロゲルマトリックス)。 図7の勾配を用いて測定した各サンプルの減衰係数を示すグラフである。 本発明の評価例2において説明する引張力評価過程を例示的に示す写真である。 本発明の評価例2においてFe粒子含有量に従うハイドロゲルマトリックスの破裂引張力評価結果を示すグラフである。 本発明の評価例2においてWO粒子含有量に従うハイドロゲルマトリックスの破裂引張力評価結果を示すグラフである。 本発明の評価例2においてPbO粒子含有量に従うハイドロゲルマトリックスの破裂引張力評価結果を示すグラフである。 本発明の評価例2においてFe粒子含有量に従うハイドロゲルマトリックスの応力変化評価結果を示すグラフである。 本発明の評価例2においてWO粒子含有量に従うハイドロゲルマトリックスの応力変化測定結果を示すグラフである。 本発明の評価例2においてPbO粒子含有量に従うハイドロゲルマトリックスの応力変化測定結果を示すグラフである。
以下、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施例について添付の図面を参照して詳しく説明する。ただし、本発明は他の様々な形態で具現されてもよく、ここで説明する実施例に限定されない。
<製造例1:ハイドロゲルマトリックスの製造>
アルギン酸(alginate)パウダーとアクリルアミド(acrylamide)パウダーを脱イオン水に溶かしてマトリックス製造用前駆体溶液を製造した。
ここに、ポリアクリルアミド形成のための光開始剤としてAPS(ammonium persulphate)を、ポリアクリルアミドの架橋剤としてMBAAm(N,N−methylenebisacrylamide)を前記マトリックス製造用前駆体溶液に添加した。また、ポリアクリルアミドの架橋結合促進剤としてTEMED(Tetramethylethylenediamine)を、そしてイオン性架橋剤としてCaSOを前記マトリックス製造用前駆体溶液にさらに添加して、マトリックス製造用溶液を製造した。このマトリックス製造用溶液を脱気処理した後、75.0*150.0*3.0mmのガラスモールドに入れて3mm厚のガラス板で覆った後、紫外線を照射して硬化させて、製造例1のハイドロゲルマトリックスを製造した。前記製造例1のハイドロゲルマトリックスは、5mm、10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、及び35mmの厚さでそれぞれ製造し(図4の左側写真を参照)、下記の評価に使用した。
<製造例2:酸化鉄粒子が含まれているハイドロゲルマトリックスの製造>
30mlの脱イオン水にアクリルアミド(acrylamide)パウダーとアルギン酸(alginate)パウダーを8:1の重量比で溶かしてマトリックス製造用前駆体溶液を製造した。
金属含有粒子を含有している水溶液を準備し、この水溶液にTEMEDと0.1MのMBAAmを入れて混合して粒子分散水溶液を製造し、前記マトリックス製造用前駆体溶液と混合して粒子分散−前駆体溶液を製造した。
前記粒子分散−前駆体溶液に0.2MのAPSと1.22MのCaSOを入れて混合してマトリックス製造用溶液を製造した。
前記マトリックス製造用溶液をガラスモールドに入れて紫外線を照射して高分子を硬化させ、高分子硬化過程で溶液内の粒子が均一に分散されるように、周期的にガラスモールドをひっくり返しつつ経過過程を進行し、製造例2のハイドロゲルマトリックスを製造した。
ここで使われた金属含有粒子は酸化鉄(Fe)であり、上の製造例1と同様に、ハイドロゲルマトリックスの厚さをそれぞれ5mm、10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、及び35mmとし(図4の右側写真を参照)、下記の評価に使用した。
<製造例3:金属含有粒子が含まれているハイドロゲルマトリックスの製造>
前記の製造例2と同一にしてマトリックス製造用溶液を製造するが、Feの代わりにWOとPbOをそれぞれ適用して直径7cm*厚さ5mmのハイドロゲルマトリックスを製造し、この時の金属酸化物含量は0.1モルだった。また、ハイドロゲルマトリックスの厚さに変化を与えて、10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、及び35mmのものをそれぞれ製造し(図5の写真を参照)、下記の評価に使用した。
<評価例1:放射線遮蔽性能評価>
1.放射線遮蔽性能評価方法
ガンマ線が遮蔽物質を透過する正確な値を求めるために、図6のような形態の実験装置を配置して実験を行った。検出器に入る散乱線をできるだけ防ぐために、線源支持台を鉛で製作し、内径5mm、縦40mm、横25mmとした。遮蔽物質は検出器と線源支持台との間に置いて測定した。使用した線源はCs−137(0.662MeV)であって、2011年11月に製作され、線源強度は5μCiである線源を使用した。
ハイドロゲルの厚さ別透過率値を用いてexponential fittingして減衰係数μ値を求めた。透過率を求める関連式を次に示す。
2.製造例1〜製造例3のハイドロゲルマトリックスを用いた評価結果
前記製造例1で製造した金属含有粒子を含有していないハイドロゲルマトリックスサンプルの遮蔽体(pureで表示)と前記製造例2で製造した酸化金属粒子を含有したハイドロゲルマトリックス遮蔽体(Fe、WO、PbOを適用したハイドロゲルマトリックスをそれぞれ、Fe、WO、PbOと表示する。)の厚さ別ガンマ線透過量を測定して下記の表1に示す。
また、製造例1〜3で製造したハイドロゲルマトリックス遮蔽体の厚さ別透過率を評価して図7に示した。
表1及び図7の結果を参照すると、ハイドロゲルマトリックスに酸化金属粉末(10μm以下)が含まれている試験片に対する放射線遮蔽実験の結果、原子番号の高い金属粉末が入るほど、放射線透過率が低くなることが確認できた。
ハイドロゲルマトリックスに含まれている酸化金属別遮蔽体の減衰係数値を求めるために図6の勾配を利用したが、Cs−137(ガンマ線)に対するハイドロゲルの減衰係数値は、純粋ハイドロゲル遮蔽体の場合、0.216cm−1、そしてそれぞれ酸化鉄、酸化タングステン、酸化鉛が含まれているハイドロゲル遮蔽体の場合、それぞれ0.246、0.251、0.294cm−1と表され、その結果を図8に示した。図8には、比較例としてAl、Fe、Cuの減衰係数も共に示した。
図7を参照すると、純粋なハイドロゲルマトリックス遮蔽体の場合も、アルミニウムより高い減衰係数を有し、また、製造したハイドロゲルマトリックス遮蔽体の中でも酸化鉛を含有するハイドロゲルマトリックス遮蔽体の場合が最高の減衰係数値を有している。
このような結果は、純粋なハイドロゲルマトリックス遮蔽体、又はこれに金属酸化物粒子のような金属含有粒子を含むハイドロゲルマトリックス遮蔽体が、鉄や銅のような金属遮蔽体よりは低いが、アルミニウムよりは大きい減衰係数を有するということを示す。このような放射能遮蔽性能と共に軟性特性を有するハイドロゲル基盤放射能遮蔽体は、軟性である特性の上、振動や衝撃にも放射能遮蔽効果を持続することができる。
<評価例2:ハイドロゲルマトリックス遮蔽体の引張力特性評価>
1.機械的性質評価方法
マトリックス形態の軟性遮蔽体の機械的性質を測定するために引張器(Instron3343 50−N load cell)を用いて常温で引張実験を行った。
それぞれの軟性遮蔽体の試験片は、上述した製造例と同じ方法で10.0*10.0*3mmの大きさで製作し、引張速度は6mm/minと固定した。アクリル板の間に接着剤を用いて軟性遮蔽体を固定させ、完全に破裂されるまで引張実験を行ったた(図9参照、PbOを含有するハイドロゲルマトリックス遮蔽体を適用した例)。
引張実験に適用するサンプルを変更しながら、マトリックス形態の軟性遮蔽体に含まれた金属含有粒子の量に従う破裂引張率の変化及び応力変化を分析した。
2.引張率変化測定結果
図10〜図12はそれぞれ、Fe粒子、WO粒子、及びPbO粒子含有量に従うハイドロゲルマトリックス遮蔽体の破裂引張力評価結果を示すグラフである。
前記グラフを参照すると、Feを含む軟性遮蔽体は、Feが体積30mL当たり0.001molから0.1molに至るまで全体的に均一な破裂引張率を示した。WOを含む軟性遮蔽体は、体積30mL当たり0.001molから0.05molまでは、Feに類似する均一な破裂引張率を示したが、0.1mol含まれたときには破裂引張率が急減した。PbOを含む軟性遮蔽体は、体積30mL当たり0.001molから0.1molに至るまで破裂引張率が引き続き減少した。
金属含有粒子の含量によって破裂引張率に多少の変化はあるが、遮蔽体自体の引張特性は、金属含有粒子が含まれても、ある程度まで維持される様相を示し、これは、金属含有粒子を含むハイドロゲルマトリックスを遮蔽材として適用するとき、遮蔽性能と共に引張特性が発揮されるという点を示す結果である。
3.応力変化測定結果
軟性遮蔽材料の酸化物量に対する応力変化を測定し、その結果を図13〜図15に示した。
図13〜図15を参照すると、Feを含む軟性遮蔽体の場合、酸化物量の増加による応力−変形率曲線の差異は明瞭でなかったが、WOを含む軟性遮蔽体とPbOを含む軟性遮蔽体は、たいてい、含まれた酸化物の量が増加するすることによってモジュラスは増加し、破裂が起きる時の変形率は減少することが確認できた。
すなわち、金属酸化物が含まれていない純粋ハイドロゲルに比べて、金属酸化物を添加するほど軟性遮蔽体はより硬く(Stiff)なり、伸縮性(Stretchability)は減少するが、軟性特性がある程度まで維持されるという点が確認できた。
以上、本発明の好ましい実施例について詳しく説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の種々の変形及び改良の形態も本発明の権利範囲に属する。
本発明の軟性放射線遮蔽材は、厚さを増加させても軟性の特徴を有しながら伸縮性に優れ、ガンマ線、中性子などの遮蔽性能に優れているため、放射性物質のパッキング用又は放射性物質の保管容器の遮蔽層の一部として活用することができ、振動や衝撃による放射性物質遮蔽材の亀裂を防止したり予防しているため、安定した放射線遮蔽効果を希望する分野において活用度が高い。

Claims (11)

  1. イオン性架橋結合及び共有結合性架橋結合を含む相互侵透性重合体構造の水分含有高分子であるハイドロゲルマトリックスを含む、軟性放射線遮蔽材。
  2. 前記イオン性架橋結合は、架橋イオンと前記架橋イオンに接する第1高分子の高分子チェーンに存在する反応基によって形成される架橋結合を含み、前記共有結合性架橋結合は、i)架橋剤によって第2高分子の互いに隣り合う高分子チェーンに形成される第1共有結合性架橋結合、及びii)前記第1高分子の高分子チェーンと前記第2高分子の高分子チェーンとの間に存在し、架橋剤によって形成される第2共有結合性架橋結合、を含む、請求項1に記載の軟性放射線遮蔽材。
  3. 前記第1高分子は、アルギン酸(alginate)、キトサン(chitosan)、ヒアルロン酸(hyaluronicacid)及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか一つである、請求項2に記載の軟性放射線遮蔽材。
  4. 前記第2高分子は、ポリアクリルアミド(Polyacrylamide)、ポリビニルアルコール(Polyvinylalcohol)、ポリエチレン(Polyethylene)、ポリアクリル酸(Polyacrylicacid)及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか一つである、請求項2に記載の軟性放射線遮蔽材。
  5. 前記ハイドロゲルマトリックスは、その内部に分散される金属粒子、金属合金粒子、金属酸化物粒子及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか一つの金属含有粒子、又は放射線遮蔽粒子をさらに含む、請求項1に記載の軟性放射線遮蔽材。
  6. 前記金属含有粒子は、ボロン、リチウム、ガドリニウム、サマリウム、ユウロピウム、カドミウム、ジスプロシウム、鉛、鉄、タングステン、及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか一つ又はこれを含む化合物を含む、請求項5に記載の軟性放射線遮蔽材。
  7. イオン性架橋結合を形成する高分子の前駆体成分と共有結合性架橋結合を形成する高分子の前駆体成分を溶媒に混合してマトリックス製造用前駆体溶液を準備する前駆体準備段階と、
    前記マトリックス製造用前駆体溶液に架橋結合開始剤、架橋剤、架橋促進剤、イオン性架橋剤及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか一つを含む添加剤を入れてマトリックス製造用溶液を製造する溶液製造段階と、
    前記マトリックス製造用溶液を成形用モールドに入れて硬化して、イオン性架橋結合及び共有結合性架橋結合を含む相互侵透性重合体構造の水分含有高分子であるハイドロゲルマトリックスを製造するマトリックス製造段階と、
    を有し、前記ハイドロゲルマトリックスを含む軟性放射線遮蔽材を製造する、軟性放射線遮蔽材の製造方法。
  8. 前記マトリックス製造用前駆体溶液は、前記イオン性架橋結合を形成する高分子の前駆体成分と前記共有結合性架橋結合を形成する高分子の前駆体成分を1:3〜19の重量比で含有する、請求項7に記載の軟性放射線遮蔽材の製造方法。
  9. 前記マトリックス製造用溶液に含まれるイオン性架橋剤は、前記イオン性架橋結合を形成する高分子の前駆体成分と前記イオン性架橋剤に含まれるイオンの比が1:0.1〜0.2のモル比率となるように含有する、請求項7に記載の軟性放射線遮蔽材の製造方法。
  10. 前記前駆体準備段階のマトリックス製造用前駆体溶液又は前記溶液製造段階のマトリックス製造用溶液は、金属粒子、金属合金粒子、金属酸化物粒子及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか一つの金属含有粒子又は放射線遮蔽粒子をさらに含み、前記マトリックス製造段階のハイドロゲルマトリックスは、その内部に分散して存在する前記金属含有粒子又は放射線遮蔽粒子をさらに含む、請求項7に記載の軟性放射線遮蔽材の製造方法。
  11. 請求項1に記載の軟性放射線遮蔽材を含む放射性物質遮蔽体を適用して、放射性物質又は放射線物質で汚染された廃棄物が収容された第1空間と、前記第1空間以外の空間である第2空間とを分離する、放射性物質の収容方法。
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