JP2010038615A - 放射線遮蔽材及びその製造方法、放射線遮蔽材製造用保存液セット - Google Patents

放射線遮蔽材及びその製造方法、放射線遮蔽材製造用保存液セット Download PDF

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Abstract

【課題】放射線に対する高い遮蔽能力をもち、かつ、コンクリートの亀裂に対する充填性、コンクリートに対する高い密着性をもち、常温で硬化する放射線遮蔽材を得ることができる。
【解決手段】この放射線遮蔽材は、硬化性樹脂原料、ラジカル開始剤、架橋剤、硬化促進剤、放射線遮蔽粉末が混合されて構成される。硬化性樹脂原料は、この放射線遮蔽材の主剤となり、かつ、含有する水素によって熱中性子線を減衰させる。このような水素含有率の高い樹脂原料として、(メタ)アクリル酸の長鎖脂肪族置換基をもつ反応性の樹脂原料(モノマー)がある。この中でも、コンクリート亀裂への充填性及びコンクリートへの密着性が高い材料として、メタクリル酸イソステアリルが特に好ましく用いられる。
【選択図】なし

Description

本発明は、特に放射線遮蔽体の補修に最適な放射線遮蔽材及びその製造方法に関する。また、この放射線遮蔽材を2種類の保存用液から製造することのできる放射線遮蔽材製造用保存液セットに関する。
原子力発電所等においては、原子炉から発生する放射線を遮蔽することが必要である。このためには、一般的な建築材料であるコンクリートを特に厚く形成した壁が用いられている。コンクリート材には適度な放射線遮蔽能力があり、放射化の度合いも小さいため、これを厚くすることにより、こうした用途に用いることができる。
しかしながら、事故や地震等の災害によってこうした壁に亀裂が生じた場合には、その遮蔽能力は低下する。この際、応急処置として、壁を作り直すのではなく、補修剤を亀裂に充填して補修することによって再生することが緊急時対応として望まれる。この場合の補修剤には、コンクリート材と同等以上の高い放射線遮蔽能力が要求される。
こうした補修剤には、放射線を遮蔽する材料として重金属(鉛等)やその酸化物の粉末が添加される。また、一般に、電子線やX線、γ線は重金属を用いて遮蔽することができるが、特に原子炉等から発生する中性子は重金属では充分に遮蔽できず、これを減速させる水素のような軽元素と、中性子吸収断面積の大きな硼素との組み合わせで遮蔽される。一方。中性子が水素によって遮断される際にはγ線が発生するため、このγ線を重金属で遮蔽するという構成が有効である。軽元素を多量に含む材料としては高分子材料を用いることができ、硼素を含む材料としては硼酸が用いられる。
こうした補修剤として用いられる組成物として、例えば特許文献1には、高分子材料である硬化性樹脂原料として例えばメタクリル酸ステアリル等に、ラジカル重合開始剤として例えばN,N−ジメチルアニリンや過酸化ラウロイルを加えた材料に硼酸、鉛粉末を混合して高密度とされた材料が記載されている。この材料においては、高速中性子は高分子材料中に多量に含まれる水素原子によって減速されてから硼酸に吸収され、減速時に発生するγ線は鉛によって遮蔽される。従って、中性子を遮蔽することができる。また、中性子以外の放射線(γ線等)は同様に鉛によって遮蔽されるため、結局、中性子以外の放射線に対しても高い遮蔽能力をもつ。
この材料は、高分子を主成分とする加工性のよい材料であるが、成型して任意の形状、箇所において設けることができる。従って、放射線遮蔽能力をもつ補修材並びに複雑形状部及び貫通孔等の補償遮蔽材として使用することができる。
また、特許文献2には、アクリル酸硼素高分子化合物等中に酸化鉛等を混入させた含浸剤が記載されている。この材料においては、前記と同様の作用により、中性子及びγ線に対する高い遮蔽能力をもつ。この材料は常温で液体であり、これにラジカル重合開始剤を混合することによって硬化させて用いることができる。従って、この材料を塗布したり、他の材料に含浸させて用いることができる。
また、特許文献3には、特に中性子の遮蔽を目的として、2液混合によって製造される透明なエポキシ樹脂を用いた材料が記載されている。エポキシ樹脂は水素含有量が比較的高い高分子で形成されるため、鉛ガラスなどと比較すると中性子遮蔽性能が高い。また、これによって透明性の高い成形体が形成されるため、これを更に様々な用途に用いることができる。
特開2003−255081号公報 昭59−197896号公報 特開2001−310928号公報
しかしながら、前記の通り、補修することが特に要求される放射線遮蔽体は、コンクリート壁である。従って、上記の補修剤を用いる際には、コンクリートの亀裂に対する充填性及びコンクリート材料に対する密着性が要求され、常温においてこれを塗布できる状態であることが好ましい。また、塗布後の加熱や冷却は困難であるため、常温で短時間で硬化することが好ましい。
しかしながら、特許文献1に記載の組成物において、メタクリル酸ステアリル及びその重合体は常温で固体であり、成型して使用するため、これを塗布で形成することは困難であり、特にこれを亀裂に隙間無く充填することは困難であった。すなわち、この点においては、特許文献1に記載の補修剤の特性は不充分であった。
これに対し、特許文献2に記載の材料は、常温で液体であるため、これを塗布して用いることが可能である。しかしながら、この材料は粘度の低い液体であるため、例えばコンクリートの亀裂にこれを充填することは困難である。また、その硬化温度は90℃以上であるため、これを型に入れて硬化させて成形する用途には適しているが、建物に設置されたコンクリート壁の亀裂に充填して硬化させる場合には適さないことは明らかである。
特許文献3に記載の材料は、中性子を遮蔽する遮蔽体における材料の透明度向上を目的としている。従って、透明度を低下させる材料である硼酸や鉛粉末等は添加されていないため、中性子自身は遮蔽できるが、その際に発生するγ線等の遮蔽は不可能である。従って、放射線遮蔽能力としては不充分であることは明らかである。また、エポキシ樹脂の低温(常温)での硬化の際には冷却を必要とし、また硬化性も不充分であるため、緊急の補修用の材料としては適していない。また、エポキシ樹脂の水素含有量も前記のメタクリル酸ステアリル等と比べて低いため、中性子遮蔽能力も不充分である。
すなわち、上記のいずれの技術においても、放射線に対する高い遮蔽能力をもち、かつ、コンクリートの亀裂に対する充填性、コンクリートに対する高い密着性をもち、常温で硬化する放射線遮蔽材を得ることは困難であった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明の請求項1に係る放射線遮蔽材は、メタクリル酸イソステアリルを主成分とする硬化性樹脂原料と、前記硬化性樹脂原料において重合反応を生じさせるラジカル開始剤と、前記硬化性樹脂原料の架橋反応を生じさせる架橋剤と、前記硬化性樹脂原料の硬化反応を促進する硬化促進剤と、放射線遮蔽能力を有する放射線遮蔽粉末と、からなることを特徴とする。
この発明においては、硬化性樹脂原料中の水素によって中性子が減速され、減速した熱中性子や減速時に発生するγ線は放射線遮蔽粉末によって遮蔽される。また、ラジカル開始剤によってゲル状の硬化性樹脂原料重合体が形成されるため、その塗布が特に容易となり、更に架橋剤、硬化促進剤を用いることによって硬化性樹脂原料が硬化する。
また、本発明の放射線遮蔽材において、前記放射線遮蔽粉末には、重金属からなるγ線遮蔽材の粉末が含まれることを特徴とする。
この発明においては、特にγ線が効率的に遮蔽される放射線遮蔽粉末が用いられる。
また、本発明の放射線遮蔽材において、前記γ線遮蔽材は、鉛又は酸化鉛からなることを特徴とする。
この発明においては、特に高いγ線遮蔽能力をもつ鉛がγ線遮蔽材として用いられる。
また、本発明の放射線遮蔽材において、前記放射線遮蔽粉末には、硼素を含む熱中性子吸収材の粉末が含まれることを特徴とする。
この発明においては、特に中性子の吸収断面積が大きな硼素を含む材料が熱中性子吸収材として用いられる。
また、本発明の放射線遮蔽材において、前記熱中性子吸収材は硼酸からなることを特徴とする。
この発明においては、硼素を含む化合物として、安価で取り扱いの容易な硼酸が用いられる。
また、本発明の放射線遮蔽材において、前記架橋剤は、トリメチロールプロパントリメタクリレートを主成分とすることを特徴とする。
この発明においては、前記硬化性樹脂原料における架橋反応を促進させる多官能化合物であるトリメチロールプロパントリメタクリレートが前記架橋剤として用いられる。
また、本発明の放射線遮蔽材において、前記ラジカル開始剤は過酸化ベンゾイルを主成分とすることを特徴とする。
この発明においては、前記硬化性樹脂原料中の重合によるゲル化を促進し、かつ硬化を促進する過酸化ベンゾイルがラジカル開始剤として用いられる。
また、本発明の放射線遮蔽材において、前記硬化促進剤はN,N−ジメチルアニリンを主成分とすることを特徴とする。
この発明においては、前記硬化性樹脂原料の硬化反応を促進するN,N−ジメチルアニリンが硬化促進剤として用いられる。
本発明の請求項9に係る放射線遮蔽材製造用保存液セットは、前記放射線遮蔽材の原料となる2種類の保存用液からなる放射線遮蔽材製造用保存液セットであって、前記硬化性樹脂原料、前記ラジカル開始剤、及び前記架橋剤が配合され、前記放射線遮蔽粉末が分散された第1の保存用液と、前記硬化促進剤からなる第2の保存用液と、からなることを特徴とする。
この発明においては、ゲル状の状態が保存状態においても維持される第1の保存用液と、液体の状態が維持される第2の保存用液とが用いられ、これらが混合されることによって前記放射線遮蔽材が製造される。
本発明の請求項10に係る放射線遮蔽材の製造方法は、前記放射線遮蔽材の製造方法であって、前記硬化性樹脂原料と前記ラジカル開始剤とを混合し、重合反応を生じさせて硬化性樹脂原料重合体を製造する硬化性樹脂原料重合体製造工程と、前記硬化性樹脂原料重合体に前記架橋剤を配合する架橋剤配合工程と、前記硬化性樹脂原料重合体中に前記放射線遮蔽粉末を分散させる放射線遮蔽粉末分散工程と、前記架橋剤が配合され、前記放射線遮蔽粉末が分散された前記硬化性樹脂原料重合体に、前記硬化促進剤を配合する硬化促進剤配合工程と、を具備することを特徴とする。
この発明によれば、硬化性樹脂原料重合体製造工程によってゲル状の硬化性樹脂原料重合体が形成され、架橋剤配合工程によって架橋剤が配合され、放射線遮蔽粉末分散工程によってその中に放射線遮蔽粉末が分散される。そして、硬化促進剤配合工程によって前記硬化促進剤が配合されることによって、前記放射線遮蔽材が製造される。
また、本発明の放射線遮蔽材の製造方法において、前記硬化性樹脂原料重合体製造工程は、前記硬化性樹脂原料と前記ラジカル開始剤とを混合し、重合反応を生じさせて第1の重合体を製造する重合工程と、前記重合工程よりも低い温度で前記硬化性樹脂原料と前記ラジカル開始剤とを混合した液を前記第1の重合体に混合することにより、前記硬化性樹脂原料と前記ラジカル開始剤の組成を所望の値とする組成調整工程とからなることを特徴とする。
この発明においては、重合工程によって粘度の高いゲル状の第1の重合体が製造され、組成調整工程によって、硬化性樹脂原料とラジカル開始剤との組成を所望の値とする硬化性樹脂原料重合体が製造される。
また、本発明の放射線遮蔽材の製造方法は、前記重合工程、前記硬化性樹脂原料重合体製造工程、前記架橋剤配合工程、及び前記放射線遮蔽粉末分散工程を行って製造された第1の保存用液と、前記硬化促進剤からなる第2の保存用液とを、それぞれ保存し、常温において前記第1の保存用液と前記第2の保存用液とを配合して前記硬化促進剤配合工程を行うことを特徴とする。
本発明の放射線遮蔽材は以上のように構成されているので、放射線に対する高い遮蔽能力をもつ。特に、硬化性樹脂原料であるメタクリル酸イソステアリルの水素含有率が高いために、中性子に対しても高い遮蔽能力をもつ。また、メタクリル酸イソステアリルの分岐構造を有しているため融点、ガラス転移点が引き下げられ、常温で液状であるため扱いが容易で、この分岐構造が架橋反応にも寄与できる。また、ラジカル開始剤により重合化した状態、また架橋剤により架橋反応を生じた状態も常温でゲル状であり放射線遮蔽粉末を分散させるに当たって、該粉末の沈殿が防止でき、分散性が良いものとなる。さらにゲル状であるため、コンクリートの亀裂等に対する充填性が良好である。また、コンクリートに対する高い密着性をもち、常温でも短時間で硬化する放射線遮蔽材となる。
また、放射線遮蔽材として重金属からなる材料の粉末、例えば鉛、酸化鉛からなるγ線遮蔽材の粉末が用いられた場合には、特に安価で高いγ線遮蔽効果が得られる。
また、放射線遮蔽材として硼素を含む熱中性子吸収材の粉末、例えば硼酸からなる粉末が用いられた場合には、特に高い熱中性子線遮蔽効果が得られる。
また、トリメチロールプロパントリメタクリレートを主成分とする架橋剤を用いた場合には、架橋構造をとりやすくなるために、硬化が促進される。
また、過酸化ベンゾイルを主成分とするラジカル開始剤を用いた場合には、特に常温での硬化性が向上し、かつ硬化性樹脂原料重合体あるいは第1の保存用液の粘度が適度に調整される。
また、N,N−ジメチルアニリンを主成分とする硬化促進剤を用いた場合にも、常温での硬化性が向上し、かつこれを第2の保存用液として長期間にわたり保存することができる。
また、本発明の放射線遮蔽材製造用保存液セットは以上の構成とされているので、放射線遮蔽材の原料として上記2種類の保存用液を用いることにより、この放射線遮蔽材を特に容易に製造することができる。この際、上記の架橋剤を用いることにより、硬化性樹脂原料重合体が含まれる側の保存用液の貯蔵安定性を高めることができ、結局、上記2種類の保存用液の貯蔵安定性を共に良好とすることができる。
また、本発明の放射線遮蔽材の製造方法は以上の構成とされているので、メタクリル酸イソステアリルの分岐構造を有しているため融点、ガラス転移点が引き下げられ、常温で液状であるため扱いが容易で、この分岐構造が架橋反応にも寄与でき、架橋剤の量を低減できる。また、ラジカル開始剤により重合化した状態、また架橋剤により架橋反応を生じた状態も常温でゲル状であり放射線遮蔽粉末を分散させるに当たって、該粉末の沈殿が防止でき、分散性が良いものとなる。さらに、常温で硬化促進剤を配合するだけで、特に加熱や冷却を必要としないで、常温でも短時間で硬化する放射線遮蔽材となる。この放射線遮蔽材をゲル状の状態で塗布することができ、その後にこれが硬化するため、亀裂等にこれを充填させることが特に容易となる。
また、硬化性樹脂原料重合体を製造する際に、重合工程と組成調整工程とを用いることにより、この硬化性樹脂原料重合体の粘度及び組成を特に容易に調整することができる。
また、前記第1の保存用液と、前記第2の保存用液とを、それぞれ保存し、これらを混合することによってこの放射線遮蔽材を製造する構成とすれば、特に放射線施設におけるコンクリート壁等の補修をより迅速に行うことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態となる放射線遮蔽材について説明する。この放射線遮蔽材においては、放射線を遮蔽する能力を持つ放射性遮蔽粉末が硬化性樹脂原料中に添加されている。この放射線遮蔽材は2液混合で形成する(硬化させる)ことができ、コンクリートの亀裂に充填して用いることができる。この際、このうち一方の液はゲル状に保たれて保存することができ、これにこれよりも少量の他方の液を混合して用いられるため、ゲル状の状態で塗布し、常温で硬化させることができる。この際、原料となる2液の保存性(貯蔵安定性)にも優れている。
(放射線遮蔽材の組成)
まず、この放射線遮蔽材の組成につき説明する。この放射線遮蔽材は、硬化性樹脂原料、ラジカル開始剤、架橋剤、硬化促進剤、放射線遮蔽粉末が混合されて構成される。放射線遮蔽粉末は、遮蔽する放射線がγ線である場合にはγ線遮蔽材からなる粉末であり、中性子である場合には、熱中性子吸収材からなる粉末とγ線遮蔽材からなる粉末の混合粉末である。
硬化性樹脂原料は、この放射線遮蔽材の主剤となり、かつ、含有する水素によって熱中性子線を減衰させる。このような水素含有率の高い樹脂原料として、(メタ)アクリル酸の長鎖脂肪族置換基をもつ反応性の樹脂原料(モノマー:単量体)がある。この中でも、コンクリート亀裂への充填性及びコンクリートへの密着性が高い材料として、メタクリル酸イソステアリルが特に好ましく用いられる。
また、この硬化性樹脂原料中において重合反応を生じさせるため、ラジカル開始剤が添加される。ラジカル開始剤としては、過酸化ベンゾイルや過酸化ラウロイル、過酸化デカノイル、過酸化オクタノイル、過酸化アセチル、過酸化プロピオニル、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3、3−5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルオアーオキシアセテート、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2メチルプロピオネート)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、1,[(シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2'−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2'−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピンアミド)等のいずれか、あるいはこれらを混合したものが用いられる。
また、この放射線遮蔽材料においては、硬化性樹脂原料の架橋反応を生じさせる架橋剤として多官能化合物が更に配合される。これにより、この放射線遮蔽材をゲル状とすることができ、かつ配合によっては硬化させることもできる。ここでいう多官能化合物とは、1分子中に重合反応に対しての官能基を2個以上有するものを指す。具体的には、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、ジ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、ジ(メタ)アクリル酸エチレン、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸デカエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ペンタデカエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ペンタコンタヘクタエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1、4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1、6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1、9−ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1、10−デカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸グリセリン、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、(メタ)アクリル酸アリル、ジ(メタ)アクリル酸フタル酸ジエチレングリコール、アルキル変性ジペンタエリスリトールの(メタ)アクリレート、イプシロン−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールの(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル酸カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、ジ(メタ)アクリル酸ジグリシジルビスフェノールA、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸1、4−プロパンジオール、2−プロペノイックアシッド〔2−〔1,1−ジメチル−2−〔(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ〕エチル〕−5−エチル−1、3−ジオキサン−5−イル〕メチルエステル、リン酸2−(メタ)アクリロイロキシエチル、ジビニルベンゼン、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、等が挙げられる。
また、この硬化性樹脂原料の硬化をより行いやすくする硬化促進剤が配合される。この硬化促進剤としては、第3級アミンが好ましく用いられる。具体的には、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルトルイジン、トリ−n−オクチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等が用いられる。
この放射線遮蔽材における主剤は硬化性樹脂原料となるが、硬化特性や硬化後のこの硬化性樹脂原料の特性はラジカル開始剤、架橋剤、硬化促進剤の配合比率によって異なるため、上記の配合比率はこれに応じて適宜決定される。
熱中性子吸収材としては、中性子吸収断面積が大きく、放射化の割合が低いという観点から、硼素を含む炭化硼素、窒化硼素、硼酸、無水硼酸、硼酸鉛等の各々の粉体を用いることが好ましい。この中でも、安価で取り扱いの容易な硼酸が特に好ましい。ただし、カドミウム、ガドリニウム、ユーロピウム、サマリウム等の化合物の粉体も同様に使用することができる。その粒子径は、硬化性樹脂原料への分散性をよくするために、小さいことが好ましい。粒子形状は任意であるが、この放射線遮蔽材が中性子を遮蔽するために用いられる際に、熱中性子吸収材の粒子によって熱中性子が充分に遮蔽されるように、その大きさ及び数密度が設定される。
γ線遮蔽材としては、例えばウラン、タングステン、鉛、ビスマス、鉄等の原子番号が22以上の重金属、又は原子番号が22以上の重金属を含む化合物、例えば酸化物の粉体が用いられる。実用性(安価であること)と中性子遮蔽効果のみを考慮すれば鉄が好ましいが、実用性、低放射化性とγ線遮蔽性能の観点からは鉛が好ましい。鉛を含む化合物としては、鉛粉、酸化鉛、硝酸鉛、硼酸鉛等が使用できる。γ線遮蔽材においても、硬化性樹脂原料への分散性をよくするために、その粒子径は小さいことが好ましいが、粒子形状は任意である。ただし、この放射線遮蔽材が外部からのγ線等を遮蔽するために用いられる際には、γ線遮蔽材の粒子によってγ線等が充分に遮蔽されるようにその大きさ及び数密度が設定される。また、中性子を遮蔽するために用いられる際には、放射線遮蔽材内部で発生したγ線(2次γ線)等がγ線遮蔽材の粒子によって遮蔽され、外部に放射されないことが必要である。また、γ線遮蔽材の量が多いほど、その遮蔽能力は高くなる。従って、硬化性樹脂原料100質量部に対して、γ線遮蔽材中の重金属元素量として100〜1000質量部含まれることが好ましく、γ線遮蔽材の平均粒径が200μm以下であることが好ましく、平均粒径が50μm以下であることが更に好ましい。
また、中性子の遮蔽は主に硬化性樹脂原料中の水素及び熱中性子吸収材により行われ、2次γ線を含むγ線等の遮蔽はγ線遮蔽材によって行われる。この放射線遮蔽体の密度はこれらの組成比によって異なり、硬化性樹脂原料の組成比が大きい場合にはこの放射線遮蔽体の密度(重量密度)は低く、γ線遮蔽体の組成比が大きい場合にはその密度は高くなる。一般的には、高い照射量の熱中性子線に対しては、この放射線遮蔽材の密度を2g/cm〜3g/cmの範囲とすることが望ましい。ただし、遮蔽すべき放射線の種類によって、これを最も効率よく遮蔽するための組成は異なり、適宜決定される。
なお、熱中性子の遮蔽を考慮せず、γ線やX線等の遮蔽のみを考慮するなら、熱中性子吸収材は不要であり、γ線遮蔽材の粉末のみを放射線遮蔽粉末として硬化性樹脂原料に添加した構成としてもよい。この場合、硬化性樹脂原料中にγ線遮蔽材の粉末が充分に固定される限りにおいて、γ線遮蔽材の添加量を多くして、この放射線遮蔽材の密度を高くすることが好ましい。
(製造方法)
次に、この放射線遮蔽材の製造方法について説明する。
硬化性樹脂原料としてここで用いられるメタクリル酸イソステアリル(以下、isoSMAと呼称)の化学式の一例は以下の通りである。
Figure 2010038615
この材料は、分岐構造を有するイソステアリル基を含有し、融点、ガラス転移点が引き下げられ常温で液状であり、またその重合体は、同じ鎖長のステアリル基を有する特許文献1に記載のメタクリル酸ステアリルよりも固化しにくい。一方、分岐構造が架橋反応に寄与した重合反応が起きるため、架橋剤を少なくしても常温でゲル状とすることができる。また、元素構成はメタクリル酸ステアリルと同様であるが、中性子を減衰させる作用をもつ水素原子の含有量はこの1.1倍程度であり、高い。従って、中性子を減衰させる能力はメタクリル酸ステアリルよりも高い。更に、その水素含有量はエポキシ樹脂の1.9倍であるため、特許文献3に記載のエポキシ樹脂よりも中性子遮蔽能力は高い。すなわち、高い中性子遮蔽能力が得られる。
この材料として、具体的には、商品名NKエステルS−1800M(新中村化学製)を用いることができる。この材料は常温では液体であり、その粘度は28mPa・s程度と小さい。また、重合禁止剤としてメトキシヒドロキノン(MEHQ)が100ppm添加されており、この粘度状態が長期間にわたって維持されている。
この材料(モノマー)は常温で液体であるため、これに熱中性子吸収材やγ線遮蔽材の粉末を分散させることができ、あるいはこれを塗布することもできる。しかしながら、その粘度は低く、混合後にこれらは沈殿するために、均一に分散された状態を維持することは困難である。また、これを塗布した場合にも、定形性がないため、補修剤として使用することは困難である。従って、この材料を重合体(オリゴマー)とし、粘度の高いゲル状とすることがより好ましい。
このため、この材料を重合させ、重合体とすることによりゲル化を行う工程について説明する。このため、isoSMAに、ラジカル開始剤である過酸化ベンゾイル(ベンゾイルパーオキサイド:以下BPOと呼称)を配合してオリゴマー化(重合化)反応を生じさせる。これによって、液体である硬化性樹脂原料はゲル化するため、熱中性子吸収材やγ線遮蔽材の粉末を均一に分散させることができる。また、この際のゲル化温度や融点は、BPOの混合比率によって変わるため、その粘度をこの混合比率によって変えることができるため、特にこの混合を容易に行うことができる。すなわち、ラジカル開始剤であるBPOは前記の通り、硬化を促進するために用いられるが、重合体を形成してこの材料をゲル化させるためにも用いられる。
ここで、BPOの化学式は以下の通りであり、常温で固体(粉末)の材料である。また、その半減期は常温(20℃)で300日程度であるため、その貯蔵安定性が高い。BPOは、ラジカル重合を開始させるラジカル開始剤として機能する。後述するように、BPOが添加されたisoSMA重合体においては、そのゲル状態が長く保たれる、すなわち、そのポットライフが長いために、BPOが特に好ましく用いられる。
Figure 2010038615
以上の材料を用いて、この放射線遮蔽材を製造するためには、まず、isoSMA(硬化性樹脂原料)とBPO(ラジカル開始剤)とを混合し、重合反応を生じさせてゲル状のisoSMA重合体(硬化性樹脂原料重合体)を製造する硬化性樹脂原料重合体製造工程を行う。ここで、この放射線遮蔽材を常温で硬化させるためには、重合体中の重量比で2%程度のラジカル開始剤を添加することが好ましい。ここで、isoSMA重合体中への常温でのBPOの溶解性は低いため、加熱してこれを行うことが必要となる。しかしながら、一方でこの場合には重合反応が進んで流動性がなくなるために、結局、実際にはisoSMA重合体中にBPOを2%溶解させることは困難である。ただし、isoSMAモノマーへのBPOの溶解性は高い。従って、ここでは、硬化性樹脂原料重合体製造工程において、BPO添加組成の小さなisoSMA重合体を製造する重合工程と、その後でこのisoSMA重合体中のBPOの添加組成を適正にする組成調整工程を行う。
まず、重合工程において、isoSMA重合体を得るためには、例えば、SUS容器中でisoSMA1000gに対して、BPO8gを配合して、ウォーターバス中で温度を93℃とすることにより、重合反応が生ずる。これにより、この混合物の粘度が高まり、反応が進むにつれてその粘度が高くなる。なお、この際に反応熱が生ずるため、これに応じて加熱状態を調整することが必要である。粘度が高くなった状態で、更にisoSMAを500g添加し、氷水浴とドライアイス/メタノール浴を併用して冷却し、重合反応が適度に進んだ状態で粘度の高いisoSMA重合体の状態として重合反応を停止させることができる。
なお、同様に重合反応を生じ、ゲル状のisoSMA重合体を得ることのできるラジカル開始剤であれば、BPO以外にも同様に用いることができる。この際、2種類以上を同時に用いることもできる。
ただし、このisoSMA重合体においては、BPO添加量は重量比で1%以下であり、小さい。また、前記の通り、この状態で更にBPOを追加することは困難である。そこで、次に、組成調整工程において、これを所望の値とするために別途isoSMAとBPOを配合した混合液を準備し、これを前記のisoSMAの重合体と混合する。例えば、この混合液として、isoSMA(モノマー)500gに対してBPO48gを、前記の重合工程よりも低い温度である70℃で加え、ウォーターバス中で数分間攪拌することにより、これらの均一な混合液を形成することができる。この場合には、温度が低いために重合反応が生じにくいため、isoSMAに重合反応が生じない段階でBPOを充分に溶解させることができる。この混合液を前記の条件で作成したisoSMA重合体に混合した場合には、粘度が1Pa・s以上のゲル状のisoSMA重合体が得られる。この粘度は、熱中性子吸収材やγ線遮蔽材の粉末を均一に分散させるためには好ましい粘度である。
なお、例えばこの放射線遮蔽材の硬化温度を特に低くする必要がない場合には、BPO(ラジカル開始剤)の添加量を少なくすることができる。この場合、前記の重合工程の後でisoSMA中のBPO組成が所望の値となっている場合にはこの組成調整工程を行う必要はない。
以上により、ゲル化した所望の粘度をもつisoSMA重合体(硬化性樹脂原料重合体)が得られる。
次に、架橋剤配合工程において、架橋剤として、多感能モノマーであるトリメチロールプロパントリメタクリレート(以下、TMPTMと呼称)を10g配合する。ここで、TMPTMの化学式は以下の通りであり、常温で液体の材料であるため、容易にこの工程は行われる。また、この量は前記のisoSMA重合体の量と比べると極めて少ないために、この添加によってisoSMA重合体自身の粘度が小さくなることはない。この架橋剤を用いることにより、重合体したオリゴマーの架橋が促進される。
Figure 2010038615
次に、放射線遮蔽粉末分散工程において、熱中性子吸収材として硼酸粉末、γ線遮蔽材としての鉛粉末を混合し、均一に分散させる。硼酸粉末の平均粒径は10μm、鉛粉末の平均粒径は44μm以下とし、これらの粉末を篩を通して混合し、その後で攪拌することが粉末粒子の凝集体を形成しにくくなるため、好ましい。この混合比率は、例えば、前記のisoSMA重合体1028gに対して、硼酸粉末35.5g、鉛粉末2017.0gとする。なお、硼酸粉末及び鉛粉末によってisoSMA重合体において何らかの反応が生ずることはない。また、硼酸粉末、鉛粉末を分散させるに当たって、オリゴマーにさらに架橋されたゲル状体への分散となっているため、これらの粉末の沈殿が防止でき、分散性が良いものとなる。なお、この架橋剤配合工程と放射線遮蔽粉末分散工程行う順序は、架橋剤反応が遅い場合等は放射線遮蔽粉末分散工程を行った後に、架橋剤を配合してもよい。
次に、硬化促進剤配合工程において、この混合物に、硬化促進剤であるN,N−ジメチルアニリン(以下、DMAと呼称)を例えば10g配合する。ここで、DMAの化学式は以下の通りであり、常温で液体の材料であるため、容易にこの工程は行われる。この量も前記のisoSMA重合体の量と比べると極めて少ないために、この添加によってisoSMA重合体自身の粘度が小さくなることはなく、これによって硬化反応が生ずる。
Figure 2010038615
また、前記の重合工程においてはラジカル開始剤であるBPOを配合したが、硬化を促進するために、更にここで新たにラジカル促進剤を配合してもよい。この場合には、重合工程で配合したラジカル開始剤(この場合にはBPO)と異なるラジカル開始剤を添加してもよい。
また、架橋剤、硬化促進剤としてそれぞれTMPTM、DMA以外のものを用いてもよく、それぞれに1種類以上のものを同時に用いることもできる。
以上により、所望の組成の放射線遮蔽材が形成される。この際、前記の通りに配合後のこの放射線遮蔽剤はゲル状であるため、コンクリート壁の亀裂に塗布して充填することが特に容易であり、これが亀裂から流れ出ることもない。その後、常温でも短時間で硬化反応が生じ、亀裂が機械的に補修されていると同時に、放射線遮蔽能力も保たれる。
この放射線遮蔽材のγ線遮蔽能力は主にその密度によって決まるが、その硬化後の密度は2.2g/cm程度であり、コンクリート材とほぼ同程度であるが、鉛が含まれているためそのγ線遮蔽能力はコンクリート材よりも若干高い。また、水素原子が硬化性樹脂原料中に多量に含まれ、かつ熱中性子吸収材である硼酸も含まれているため、熱中性子をコンクリート材よりも効率的に遮蔽することができる。従って、放射線を遮蔽する壁となるコンクリート材を補修する材料として使用することができる。
なお、この放射線遮蔽材においては、硬化促進剤配合工程後に硬化反応が進むが、放射線遮蔽能力は、硬化性樹脂原料中の水素原子及び放射線遮蔽粉末によってもたらされ、これらの量は硬化の前後で変わらない。従って、この放射線遮蔽材は、硬化しているか否かに関わらず、高い放射線遮蔽能力をもつ。
(保存方法)
上記のisoSMA重合体自身400gを常温で保存したところ、3週間後には内部において硬化が発生した。しかしながら、これを5℃で保存したところ、5ヶ月後においてもゲル状態が保たれた。すなわち、このisoSMA重合体を冷蔵庫等で5℃で保管すれば、最低でも5ヶ月はこれを使用可能な状態に保持することができる。なお、前記の通り、熱中性子吸収材、γ線遮蔽材はisoSMA(重合体)と反応を生じないため、これをisoSMA重合体に分散させた場合でも同様である。
すなわち、前記の製造方法において、硬化性樹脂原料重合体製造工程、架橋剤配合
よりも先に放射線遮蔽粉末分散工程を行った直後にこれよりも後の工程を行う必要はない。isoSMA重合体(あるいは放射線遮蔽粉末が分散されたisoSMA重合体)を保存後に、架橋剤配合工程、硬化促進剤配合工程を行うことができる。しかしながら、実際に使用する際にDMAやTMPTMを混合する作業を行うことは非常に効率が悪い。特に、この放射線遮蔽材は、コンクリート壁に亀裂が生じた際の応急修理に用いるため、この作業を短時間で行うことが要求される。従って、上記の組成の混合物を2液に分けて各々保存し、これらを使用時に混合することが好ましい。
ここで、この2液のうちの一方の保存用液をisoSMA重合体、架橋剤(TMPTM)、放射線遮蔽粉末の混合液とし、これを5℃で5ヶ月保存した場合には、硬化は全く生じず、ゲル状の状態が維持された。従って、これらを第1の保存用液とした場合には、これを5℃中で長期間保存することが可能である。この場合の他方の保存用液となる硬化促進剤(DMA)は、前記の通り、常温で液体であり、少なくとも5℃において保存すれば、5ヶ月以上の期間にわたり安定して保存することが可能である。従って、この組み合わせの2液においては、それぞれを長期間保存することが可能であり、使用直前にこれらを混合して用いることができる。
比較のため、isoSMA重合体、放射線遮蔽粉末、硬化促進剤(DMA)の混合液を一方の保存液とした場合には、5℃で5ヶ月保管後には、粘度の上昇が認められた。これは、この温度で重合反応が進んだことに起因する。すなわち、上記の系においては、重合反応に対しては架橋剤(TMPTM)よりも、硬化促進剤(DMA)の効果の方が影響が大きい。従って、保存液をこの組み合わせとすることは適切ではない。なお、この場合における他方の保存液となる架橋剤(TMPTM)については、5℃で5ヶ月保存した場合においても変化は見られなかった。
以上より、この放射線遮蔽材を使用する際には、一方の保存用液として、isoSMAと架橋剤(TMPTM)と放射線遮蔽粉末との混合液とし、他方の保存用液を硬化促進剤(DMA)として、これらを混合して使用することが好ましい。この組み合わせをこの放射線遮蔽材製造用保存液セットとすれば、これらの保存液を少なくとも5℃以下の温度で5ヶ月以上保存することが可能である。こうした高い貯蔵安定性は、上記の硬化性樹脂原料、ラジカル開始剤、架橋剤、硬化促進剤を、上記の組み合わせで保存用液とすることによって得られる。特に、長期貯蔵安定性は、市販されている一般の架橋剤(例えば共栄社化学製ライトエステルTMP)を用いた場合、その中に微量に含まれる重合禁止剤の作用が期待できる。一方の保存用液として、isoSMAと架橋剤(TMPTM)と放射線遮蔽粉末との混合液とした組み合わせの場合、架橋剤(TMPTM)として市販されている一般の架橋剤を用いることにより、この保存溶液の高い貯蔵安定性をさらに長期間にわたって維持できる。
なお、放射線遮蔽粉末(熱中性子吸収材、γ線遮蔽材)をisoSMA重合体中(isoSMA重合体が含まれる一方の保存用液中)ではなく、他方の保存用液に混合する場合には、前記の通り、放射線遮蔽粉末の組成比がDMAと比べて大きく、かつDMAはゲル状ではないため、これらが均一に分散された状態とすることが困難である。従って、これらをゲル状のisoSMA中に前記の通り予め混合しておくことが好ましい。
(使用方法)
上記の放射線遮蔽材を実際に使用するに際しては、常温で前記の保存用液2液を混合し、型に入れて成形する、あるいは所望の箇所に塗布して、これを硬化させればよい。ただし、これらを混合した後で真空ポンプ等を用いてその雰囲気を減圧し、脱泡することがより好ましい。これにより、硬化後の放射線遮蔽材中の気泡を減少させ、これをより高密度とすることができ、より高い放射線遮蔽能力が得られ、かつその機械的強度も高めることができる。
この際、常温で数時間程度でこの材料は硬化し、定形性が保たれる。従って、
これをコンクリート壁の亀裂部等に塗布して、加熱や冷却を要さずに常温で硬化させることが特に容易である。
更に、後述するように、この放射線遮蔽材をコンクリート壁に塗布した場合の硬化後の密着性は良好である。従って、この放射線遮蔽材はコンクリート壁の補修用に特に適している。
この際、コンクリート壁の亀裂にこれを塗布して充填することが特に容易である。また、密着性が良好な材料であれば、金属や木材等、他の材料に対しても同様にこの放射線遮蔽材を塗布して用いることができる。
なお、この硬化の際に、放射線遮蔽材の全体が一様に硬化することは必要ではなく、亀裂を充填するだけの定形性が保たれれば充分である。その表面が完全に硬化しなくとも、その粘着性によってこの放射線遮蔽材がコンクリートに安定して付着している状態とされればよい。この場合においても、硬化性樹脂原料の水素含有量、及び熱中性子吸収材、γ線遮蔽材の濃度は硬化の有無によって変わらないため、同様の放射線遮蔽能力が得られる。また、同様に、硬化が生ずる前においてもその放射線遮蔽能力は変わらないため、これを塗布した直後から充分な放射線遮蔽能力が得られる。従って、コンクリート壁に亀裂が生じた場合の放射線漏れに対する応急修理のためにこの放射線遮蔽材を好ましく用いることができる。ここで、硬化に時間がかかる場合には、硬化するまでの間にγ線遮蔽材である鉛粉末が沈殿することがあるため、液体が適度な粘度を有し(ゲル状)、常温で短時間で硬化することが望ましい。この点については後述するように、この放射線遮蔽材は良好な特性を有している。
また、亀裂に充填させて用いるだけでなく、この放射線遮蔽体を板状にして用いることもできる。この場合、広い面積にわたってこの放射線遮蔽材が必要な場合には、所望の形状の型に硬化前のこの放射線遮蔽材を流し込み、これが全体にわたって硬化した後にこれを型から取り出して用いることができる。こういった場合でも、この放射線遮蔽材は常温でゲル状であり、硬化に当たっても特に加熱や冷却を要しないため、取り扱いが容易である。
なお、一般家屋におけるコンクリート壁の亀裂の補修は一般的にはモルタル等で行われている。しかしながら、この放射線遮蔽材料はこれとは全く異なる組成の高分子材料で構成され、かつこれを補修用に容易に用いることができる。この際、前記の通り、その放射線遮蔽能力は高いため、特に原子力施設においてこれを特に好ましく用いることができる。また、第1の保存用液に対して第2の保存液を少量添加する作業は容易であるため、モルタルを用いる場合よりもその補修は容易である。
(硬化性樹脂原料の選択)
硬化性樹脂原料として、メタクリル酸イソステアリルを用いた重合体試料1を上記の製造方法によって製造した。また、メタクリル酸イソステアリルと元素構成が同様で水素含有率が同等であり、中性子遮蔽効果の高い材料であるメタクリル酸ステアリルをこの代わりに用いた重合体比較試料1を製造した。同様の性質をもち、モノマーもオリゴマーも液体であるメタクリル酸ラウリルを用いた重合体比較試料2、粘着剤として使用されるアクリル酸ブチルと類似しているために粘着性が高いと予想されるメタクリル酸ブチルを用いた重合体比較試料3を同様の製造方法で製造した。また、メタクリル酸イソステアリルとメタクリル酸ステアリルを1:1の重量比で配合したものを硬化性樹脂原料として用いた重合体比較試料4、メタクリル酸イソステアリルとメタクリル酸ラウリルを1:1の重量比で配合したものを硬化性樹脂原料として用いた重合体比較試料5もそれぞれ製造した。なお、メタクリル酸ラウリルの水素含有率はメタクリル酸ステアリルよりも更に小さいため、中性子遮蔽能力はisoSMAよりも劣る。
その結果、表1に示すように、これらにBPOを配合した重合工程において、重合体試料1についてはゲル状、重合体比較試料2、4、5については、いずれも液状の重合体を得ることができた。メタクリル酸ステアリルを用いた重合体比較試料1においては、得られた重合体がもはやゲル状ではなく、蝋状の固体であった。メタクリル酸ブチルを用いた重合体比較試料3においては、液の蒸発量が大きく、所望の重合体を得ることは困難であった。
Figure 2010038615
従って、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ブチル単体を用いた場合には、isoSMA重合体と同様のゲル状の硬化性樹脂原料重合体を得ることはできなかった。また、メタクリル酸ラウリルの場合には液状の硬化性樹脂原料重合体を得ることができるが、前記の通り、中性子遮蔽能力がisoSMAと比べて劣る。
次に、実際に製造したisoSMA重合体について調べた。ここでは、isoSMA1000gに対してBPO8gを配合し、93℃に加熱して、重合反応を進めた。これによって粘度が上昇したところで、更にisoSMA500gを投入して重合反応を停止させ、更に、氷水浴、ドライアイス、メタノール浴で放冷した。この際、配合したBPOは全てisoSMA中に溶解され、重合体が得られた(重合工程)。
次に、上記とは別にisoSMA500gとBPO48gを、前記の重合工程よりも低い70℃の温度で混合した液をウォーターバス中で数分間攪拌することにより、これらの均一な混合液を形成した。この混合液においても、isoSMAモノマー中に添加したBPOは全て溶解された。この混合液を前記の条件で作成したisoSMA重合体に混合してisoSMA重合体を得た(組成調整工程)。
このisoSMA重合体の試料を5つ製造し、各々の試料について異なる箇所で4点、その粘度をE型粘度計で測定した結果を表2に示す。
Figure 2010038615
この結果より、どの試料においても粘度が1.6〜9.2Pa・sの範囲であり、ゲル状態のisoSMAが得られることが確認できた。なお、前記の通り、この状態は、5℃、5ヶ月の間にわたり維持され、かつ、これに架橋剤(TPMTM)、放射線遮蔽粉末を配合した後においても2.0Pa・s程度の粘度が維持されていた。
(硬化特性)
次に、この放射線遮蔽材の硬化特性について調べた。表2におけるisoSMA重合体(#1〜#5)1028g、架橋剤(TMPTM)を10g、平均粒径10μmの硼酸粉末を35.5g、鉛粉末を2017.0g配合したものを、第1の保存液とし、第2の保存液となる硬化促進剤(DMA)を10g添加し、常温でのその硬化状態を調べた。この際、脱泡した後に31cm角、5.0cm深さの型にこれを入れた試料を5個作成した。この際、打ち継ぎ性も確認するため、4層に分けてこれを形成し、下層が硬化した後に上層を形成した。なお、この4層は表2における測定番号に対応している。この際の硬化は常温で1日で行われた。その結果、層間の剥離等は発生せず、良好な成形体が得られた。従って、この放射線遮蔽材は常温での良好な硬化性をもつことが確認された。この硬化性は、ラジカル開始剤であるBPOと硬化促進剤であるDMAの組み合わせの場合に特に優れている。
次に、この放射線遮蔽材のコンクリートへの密着性について調べた。ここでは、図1に示すように、ポリプロピレン(PP)容器10中に混合後の上記と同様の硬化前の放射線遮蔽材20(ゲル状)を入れた後、コンクリート板30上にPP容器5を逆さまにして伏せた状態で常温で1日放置した。その結果、硬化後の放射線遮蔽材20は、PP容器10及びコンクリート板30に粘着していた。従って、この放射線遮蔽材のコンクリートに対する密着性も良好である。
(耐放射線性)
前記の通り、この放射線遮蔽材においては、硬化性樹脂原料中の水素、放射線遮蔽粉末によって放射線遮蔽能力を有する。このうち、特に硬化性樹脂原料における高分子に放射線、特にγ線に対する耐性がなければ、これを用いた補修後にこの放射線遮蔽材の剥離等を発生することがある。そこで、厚さ3mm、15mm角のこの放射線遮蔽材について、その耐性を調べた。
ここでは、γ線源である60Coからのγ線をこの放射線遮蔽材に51.1Gy照射し、その前後の変化を調べた。その結果、この放射線遮蔽材(硬化性樹脂原料)の色、硬化後の硬度についての有意な変化は見られなかった。従って、少なくともこの吸収線量における耐放射線性は充分あることが確認された。
上記の放射線遮蔽材は、上記の通り、高い放射線遮蔽能力をもち、塗布して使用することが容易であるため、特に原子力施設や輸送容器における放射線遮蔽体の補修に好適に用いることができる。原子力施設以外にも、放射線を遮蔽することが必要である各種の施設、例えば医療施設や加速器を用いる施設における放射線防護壁にも用いることができる。また、放射線遮蔽体の補修のほか、複雑形状部及び貫通孔等の補償遮蔽材としても用いることができる。
本発明の実施例におけるコンクリートへの密着性評価の実験の形態を示す図である。
符号の説明
10 ポリプロピレン容器
20 放射線遮蔽材
30 コンクリート板

Claims (12)

  1. メタクリル酸イソステアリルを主成分とする硬化性樹脂原料と、
    前記硬化性樹脂原料において重合反応を生じさせるラジカル開始剤と、
    前記硬化性樹脂原料の架橋反応を生じさせる架橋剤と、
    前記硬化性樹脂原料の硬化反応を促進する硬化促進剤と、
    放射線遮蔽能力を有する放射線遮蔽粉末と、
    からなることを特徴とする放射線遮蔽材。
  2. 前記放射線遮蔽粉末には、重金属からなるγ線遮蔽材の粉末が含まれることを特徴とする請求項1に記載の放射線遮蔽体。
  3. 前記γ線遮蔽材は、鉛又は酸化鉛からなることを特徴とする請求項2に記載の放射線遮蔽材。
  4. 前記放射線遮蔽粉末には、硼素を含む熱中性子吸収材の粉末が含まれることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の放射線遮蔽材。
  5. 前記熱中性子吸収材は硼酸からなることを特徴とする請求項4に記載の放射線遮蔽材。
  6. 前記架橋剤は、トリメチロールプロパントリメタクリレートを主成分とすることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の放射線遮蔽材。
  7. 前記ラジカル開始剤は過酸化ベンゾイルを主成分とすることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の放射線遮蔽材。
  8. 前記硬化促進剤はN,N−ジメチルアニリンを主成分とすることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の放射線遮蔽材。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の放射線遮蔽材の原料となる2種類の保存用液からなる放射線遮蔽材製造用保存液セットであって、
    前記硬化性樹脂原料、前記ラジカル開始剤、及び前記架橋剤が配合され、前記放射線遮蔽粉末が分散された第1の保存用液と、
    前記硬化促進剤からなる第2の保存用液と、
    からなることを特徴とする放射線遮蔽材製造用保存液セット。
  10. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の放射線遮蔽材の製造方法であって、
    前記硬化性樹脂原料と前記ラジカル開始剤とを混合し、重合反応を生じさせて硬化性樹脂原料重合体を製造する硬化性樹脂原料重合体製造工程と、
    前記硬化性樹脂原料重合体に前記架橋剤を配合する架橋剤配合工程と、
    前記硬化性樹脂原料重合体中に前記放射線遮蔽粉末を分散させる放射線遮蔽粉末分散工程と、
    前記架橋剤が配合され、前記放射線遮蔽粉末が分散された前記硬化性樹脂原料重合体に、前記硬化促進剤を配合する硬化促進剤配合工程と、
    を具備することを特徴とする放射線遮蔽材の製造方法。
  11. 前記硬化性樹脂原料重合体製造工程は、
    前記硬化性樹脂原料と前記ラジカル開始剤とを混合し、重合反応を生じさせて第1の重合体を製造する重合工程と、
    前記重合工程よりも低い温度で前記硬化性樹脂原料と前記ラジカル開始剤とを混合した液を前記第1の重合体に混合することにより、前記硬化性樹脂原料と前記ラジカル開始剤の組成を所望の値とする組成調整工程と、
    からなることを特徴とする請求項10に記載の放射線遮蔽材の製造方法。
  12. 前記重合工程、前記硬化性樹脂原料重合体製造工程、前記架橋剤配合工程、及び前記放射線遮蔽粉末分散工程を行って製造された第1の保存用液と、
    前記硬化促進剤からなる第2の保存用液とを、それぞれ保存し、
    常温において前記第1の保存用液と前記第2の保存用液とを配合して前記硬化促進剤配合工程を行うことを特徴とする請求項10又は11に記載の放射線遮蔽材の製造方法。

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