JP2018532262A - スマートインシュレーションを備えた高温超電導コイル、それに用いられる高温超電導線材、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、絶縁層によって隣接する巻線間を電気的に絶縁する構造の超電導コイルに関する。本発明は、所定幅で長さ方向に延びる超電導線材を積層巻線した超電導コイルであって、前記超電導線材の積層方向に隣接する超電導線材の間を電気的に絶縁するための金属−絶縁体転移物質(MIT)層が介在することを特徴とする超電導コイルを提供する。本発明によれば、応答特性を含む電磁気的特性の制御が容易であり、マグネットの運転時のクエンチ現象等から自己保護機能を有する高い安定性の超電導コイルを提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、超電導線材の巻線によって形成される超電導コイルに関し、より詳しくは、絶縁層によって隣接する巻線間を電気的に絶縁する構造の高温超電導コイルに関する。
液化窒素温度で動作する高温超電導線材は、高磁場において高い臨界電流密度特性を示しており、超電導マグネット等の高磁場の応用として注目されている。
高温超電導線材は、導電性金属外皮内にフィラメントまたは薄膜形態の超電導部が延びる構造を有し、その構造に応じて1世代及び2世代の超電導線材に分けられる。例えば、2世代超電導線材は金属基板、緩衝層、超電導層及び安定化層の積層構造を有し、線材の外郭はCu、Agのような導電性金属またはその合金による被覆構造を備える。それにより、コイルの巻線時に隣接したターンの線材は電気的に接触するようになる。
このような電気的接触を防止するために、超電導線材は、テフロン(登録商標)またはカプトンのような絶縁物質で囲まれた状態で巻線される。
しかし、超電導マグネットを構成する超電導線材の絶縁有無は、超電導マグネットの励起等の電磁気的特性に影響を及ぼす。
また、超電導線材の絶縁有無は、クエンチに対する保護特性に深刻な影響を及ぼす。特に高温超電導線材は低温超電導線材に比べて高い熱容量及び高い臨界温度を備えてクエンチ(quench)の発生可能性が低いと知られているが、実際はクエンチ伝播速度が低いために外部でクエンチ現象の検出が困難な問題点があり、局部的なクエンチ現象によって線材がバーン・アウト(burn out)に達する致命的な欠陥を有している。このような問題点により、超電導マグネットに発生するクエンチ現象の検出及びそれより線材を保護するための様々な技術が開発されてきたものの、現在まで根本的な解決策はない実情である。
前記従来技術の問題点を解決するために、本発明は、高磁場の応用に好適な高温超電導線材からなる超電導コイルを提供することを目的とする。
また、本発明は、マグネットとしての使用時に応答特性を含む電磁気的特性の制御が容易な高温超電導コイルを提供することを目的とする。
なお、本発明は、超電導マグネットの運転時に発生するクエンチ現象から自己保護機能を有する高温超電導コイルを提供することを目的とする。
また、本発明は、前述した高温超電導コイルに用いられるのに好適な超電導線材構造を提供することを目的とする。
なお、本発明は、前述した高温超電導線材の製造方法を提供することを目的とする。
前記技術的課題を達成するために、本発明は、所定幅で長さ方向に延びる高温超電導線材を巻線した高温超電導コイルであって、隣接する前記超電導線材の超電導部の間を電気的に絶縁するための金属−絶縁体転移物質(MIT)層が介在することを特徴とする高温超電導コイルを提供する。
本発明の一実施形態において、前記金属−絶縁体転移物質層は、前記超電導線材の臨界温度以上の転移温度を有することが好ましい。また、前記金属−絶縁体転移物質層は転移温度が臨界温度+100Kよりは低い転移温度を有することが好ましい。
また、本発明の一実施形態によれば、前記金属−絶縁体転移物質層は、転移温度前後に電気伝導度が10倍以上、より好ましくは10倍以上増加することが好ましい。
なお、前記金属−絶縁体転移物質層は、常温以下の転移温度を有するものであってもよい。
本発明の実施形態において、前記金属−絶縁体転移物質層は、VOやV2n−1(ここで、n=2〜9)のようなバナジウム酸化物を含んでもよい。
また、本発明の実施形態において、前記金属−絶縁体転移物質層は、Fe、RNiO(R=La、Sm、NdまたはPr)、La1−xSrNiO(ここで、x<1)、NiS1−xSe(ここで、x<1)及びBaVSからなる群の中から選択された少なくとも1種の物質を含んでもよい。
本発明の実施形態によれば、前記超電導線材は超電導物質及び前記超電導物質を囲む導電性金属外皮を含み、前記金属−絶縁体転移物質層は隣接して積層された超電導線材の前記金属外皮の間に介在するものであってもよい。
また、前記金属−絶縁体転移物質層は、前記巻線された線材の長さ方向に連続的に介在するかまたは断続的に介在するものであってもよい。
本発明の他の技術的課題を達成するために、本発明は、長さ方向に延びる超電導部と前記超電導部を囲む導電性金属外皮、及び前記導電性金属外皮の上面または下面の少なくとも一部にコーティングされ、前記超電導部の延長方向に延びる金属−絶縁体転移物質層を含むことを特徴とする高温超電導線材を提供する。
この時、前記導電性金属外皮は、前記超電導部が形成される金属基板及び前記超電導部を保護する金属層を含んでもよい。また、前記導電性金属外皮は、前記超電導部を囲む金属層を含んでもよい。また、前記金属−絶縁体転移物質層は断続的に延びてもよい。
本発明の実施形態において、前記金属−絶縁体転移物質層は、支持体及び前記支持体に担持された金属−絶縁体転移物質を含んでもよい。この時、前記支持体はメッシュ構造であってもよい。
また、前記金属−転移体物質層は、金属−転移体物質粉末及び前記金属−転移体物質粉末を結合するバインダーを含んでもよい。
前記技術的課題を達成するための本発明の他の側面によれば、本発明は、長さ方向に延びる超電導部と前記超電導部を囲む導電性金属外皮、前記導電性金属外皮の上面または下面の少なくとも一部にコーティングされ、前記超電導部の延長方向に延びる金属−絶縁体転移物質層、及び前記金属−絶縁体転移物質層上の導電性保護層を含むことを特徴とする高温超電導線材を提供する。
この時、前記導電性保護層は、前記導電性金属外皮とは電気的に絶縁される。また、前記導電性保護層は金属材質であることが好ましい。
また、前記金属−絶縁体転移物質層は、前記導電性金属外皮の少なくとも一部を囲むように形成されてもよい。
なお、前記また他の技術的課題を達成するために、本発明は、所定幅を持って長さ方向に延びる超電導部と前記超電導部を囲む導電性金属外皮とを含む超電導線材を提供するステップ、及び前記超電導線材の金属外皮の上面または下面の少なくとも一部に金属−絶縁体転移物質層を提供するステップを含む高温超電導線材の製造方法を提供する。
本発明において、前記金属−絶縁体転移物質層の提供ステップは、金属−絶縁体転移物質が分散した溶液を提供するステップ、及び前記溶液を前記金属外皮の上面または下面の少なくとも一部に塗布するステップを含んでもよい。
本発明によれば、高磁場の応用に好適な高温超電導コイルを提供することができる。また、本発明の超電導コイルは、マグネットとしての使用時に応答特性を含む電磁気的特性の制御が容易であり、マグネットの運転時のクエンチ現象等から自己保護機能を有する高い安定性の超電導コイルを提供することができる。
本発明の一実施形態による超電導コイル100を模式的に示す図である。 図1のコイルをA−A’方向に切断した断面を示す図である。 図1のコイルに対する他の実施形態の断面を示す図である。 本発明のMIT物質の一例としてVO及びVの温度に応じた電気伝導度特性を概略的に示すグラフである。 本発明の他の実施形態によるバナジウム酸化物の転移温度を示すものである。 本発明の一実施形態による超電導線材の断面構造を模式的に示す図である。 本発明の他の実施形態による超電導線材の断面構造を模式的に示す図である。 本発明のまた他の実施形態による超電導線材の断面構造を模式的に示す図である。 (a)及び(b)は本発明の実施形態によるMIT層塗布装置を例示的に示す図である。 (a)及び(b)は本発明の一実施形態によるMITテープの一例を説明するための図である。 本発明の他の実施形態による超電導コイルの構造を示す図である。 図9のコイル構造を実現するのに好適な超電導線材を模式的に示す図である。 MITバルクの温度変化に応じた電圧変化を示すグラフである。 本発明の実施形態によりMITコーティングが適用された超電導コイルの電圧、電流及び磁束密度の測定結果を示すグラフである。 図14の一部区間を拡大して示す図である。 本発明との対比のためにカプトンテープによって絶縁された超電導コイルの電圧、電流及び磁束密度の測定結果を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明することによって本発明を詳述する。
本発明の明細書において、高温超電導コイルは、高温超電導線材を巻線して形成されたコイルをいう。
以下にて説明される本発明の実施形態は主に2世代高温超電導線材を基準に説明し図示されるが、本発明はこれに限定されず、1世代高温超電導線材にも適用される。また、本発明の高温超電導コイルは、超電導発電機の界磁コイル、MRIの超電導マグネット等の電流印加モードまたは永久電流モード等の任意の運転モードで動作するマグネットに適用可能である。
図1は、本発明の一実施形態による超電導コイル100を模式的に示す図である。
図示されたように、長さ方向に延びるテープ形態の超電導線材110が時計方向に巻線されて積層構造を形成している。前記超電導コイル100を形成する巻線の巻数(turn number)は、求められるコイルの特性に応じて適切に設計できる。図1は個別巻線が断面上同心円をなす基本的なコイル巻線を示すものであるが、本発明の超電導コイルは図示された構造に限定されるものではない。例えば、パンケーキ(pan cake)、ダブルパンケーキ(double pan cake)、トロイダル(toroidal)等の形態を問わず、超電導線材が積層及び/又は巻線される全ての巻線に適用されることができる。
本実施形態において、前記超電導線材110の積層方向に隣接する各ターンの巻線間には、金属−絶縁体転移物質(Metal−Insulator Transition;MIT)の層120が介在している。
図示されたように、前記MIT層120は、巻線に沿って連続的に延びることができる。図1には隣接するターン間に一つのMIT層120が介在するのを図示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、超電導コイルの隣接するターン間には二つのMIT層が介在することができる。この時、介在した二つのMIT層は連接してもよいが、二つのMIT層の間に第3の導電層が介在した構造を有してもよい。本発明において、前記MIT層120は前記超電導線材の超電導状態で前記巻線のターン間を絶縁し、それを達成できる任意の構造を有することができる。
ポリイミド、テフロン(登録商標)、カプトン等の絶縁材を用いてコイル巻線のターン間が絶縁される従来の絶縁コイル(insulated coil)は、コイルの時定数を下げ、マグネットの速い応答特性を保障する。しかし、このような従来の絶縁コイルは、電気的安定性が低いという短所を有する。例えば、超電導マグネットの運転中にクエンチが発生した場合、絶縁コイルのターン間に存在する絶縁層は、超電導部においてクエンチが発生する時にターン間のバイパス電流を輸送することができない。
このような問題点により、無絶縁コイル(non−insulated Coil)が用いられている。無絶縁コイルはターン間電流のバイパス経路を提供して電気的安定性を向上させるが、電流の増減に応じた応答特性を悪くする。例えば、発電機の超電導界磁コイルとして無絶縁コイルを用いると、コイルが有する高い時定数により、印加電流に対する速い応答特性を示すことができない。
本発明において、MIT層は、コイルの動作状態に応じて無絶縁コイルと絶縁コイルの長所を発現する。すなわち、超電導線材の臨界温度以下の超電導状態で、MITはコイル間を絶縁してコイルが速い応答特性(充放電特性)を示すようにする。そうするうちに、クエンチまたはその他の異常発熱に起因して超電導コイルが常電導状態に転移すると、前記MIT層は高い電気伝導度を示し、電流のバイパス経路を提供する。
図2は、図1のコイルをA−A’方向に切断した断面の一例を示す図である。
図2に示すように、コイルは、超電導線材110a、110b、110cが積層巻線して形成される。前記超電導線材110a、110b、110cは、MIT層120を介在して巻線される。前記超電導線材100a、100b、100cは、線材の超電導部が超電導層114によって実現される2世代超電導線材である。
後述するように、超電導線材との良好な電気的及び機械的な密着性を確保するために、前記MIT層120は、超電導線材の表面にコーティングされた形態で提供されることができる。
図示されたように、前記超電導線材110a、110b、110cは、金属基板112、超電導層114、キャッピング層116及び安定化層118を含むことができる。前記金属基板112上には超電導層114の成長のための緩衝層が形成されるが、便宜上、ここでは別に図示しない。超電導層112を保護するための前記キャッピング層116は超電導層114の上部に形成されるものとして図示されているが、超電導層の側部及び基板112を囲むように延びてもよい。また、前記安定化層118は前記超電導層114の上部で基板112を囲むように延びているが、その形態は本技術分野の当業者が適切に設計することができる。また、図面において、金属基板を除いた残りの層の厚さは図示されたものに比べて非常に薄いが、図示の便宜のために誇張して示した。
通常、前述した超電導線材110の金属基板112は、RABiTS(Rolling Assisted Biaxially Substrate)基板のような2軸配向性金属基板であるか、またはIBAD(Ion Beam Assisted Deposition)基板のような多結晶金属基板であってもよい。前記基板は、ニッケル合金またはステンレススチールのような材質から構成されることができる。緩衝層は、2軸配向された金属酸化物層で構成されることができる。緩衝層としては、Y、YSZ、CeO、MgOのような物質が用いられることができる。また、前記緩衝層は、2以上の物質層からなる積層構造を有することもできる。前記超電導層130は、ReBCO(ReBaCu、ここで、ReはNd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho及びYからなる金属元素のうち少なくとも一つ)系の高温超電導物質が用いられることができる。
前記安定化層118は、銀、銅またはその合金からなる導電性金属で形成されることができる。したがって、前記MIT層120は、隣接する超電導線材110の導電性金属の間を電気的に絶縁し、超電導線材の正常動作状態で、電流は超電導層112を通して流れるようになる。
その反面、前記超電導層112の特定地点がクエンチ等で常電導状態に転移すると、この時、安定化層118は電流のバイパス経路として作動する。また、この時、クエンチ現象によって発生する熱により、MIT層120は金属状態に転移し、電流は一つの超電導線材110aからMIT層120を通過して隣接する超電導線材110bに輸送される。
図3は、本発明の他の実施形態による超電導コイルの断面構造を示す図である。
図3を参照すれば、超電導線材110a、110b、110cは、金属安定化部16のような金属マトリクスの内部にフィラメント形態の超電導部14が配列された1世代線材の構造を有する。前記超電導部は、例えば、Bi2223のような超電導物質によって製造されることができる、図2と同様に、線材110a、110b、110cの間にはMIT層120が介在している。
図2及び図3にて説明されるMITは、通常、所定温度(転移温度;Transition Temperature)未満では低い電気伝導度を持って絶縁体として挙動するが、転移温度以上で電気伝導度(electrical conductivity)の急激な増加を示す物質をいう。
本発明の明細書においても、MITはその用語の通常的な用法と実質的に同一な意味として用いられる。但し、本発明において好適なMITは、超電導線材の臨界温度以上の転移温度を有し、転移温度を含む区間前後の電気伝導度比率が、好ましくは10以上、より好ましくは10以上であることが良い。
本発明において前記MITは、線材に用いられる超電導物質の臨界温度以上である転移温度を有する。好ましくは、MITの転移温度は、超電導物質の臨界温度+150K未満、より好ましくは臨界温度+100K未満、さらに好ましくは臨界温度+50K未満であることが良い。また、クエンチ発生時、コイルのバーン・アウトを誘発する程度の高熱が発生することを考慮すれば、本発明で使用可能なMITの転移温度は常温付近であっても構わない。勿論、前記MITの転移温度は超電導物質の臨界温度以上であってもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
本発明において好適な例示的なMIT物質としては、バナジウム酸化物(Vanadium Oxide)が挙げられる。前記バナジウム酸化物のうちV相の場合は典型的な絶縁体に区分されるが、VO、VO、V2n−1(ここで、n=2〜9)組成のバナジウム酸化物は、転移温度を有し、電気的に金属−絶縁体転移特性を示す。
図4は、本発明のMIT物質の一例としてVO及びVの温度に応じた電気伝導度特性を模式的に示すグラフである。
図4を参照すれば、MITは、昇温及び減温過程の電気伝導度の変化は、ヒステリシスループのような互いに異なる経路に進行される。VOの場合は昇温時に転移温度である123K(−150℃)付近で電気伝導度が10倍レベル以上に急激に増加し、Vの場合は163K(−110℃)付近で10倍レベル以上の電気伝導度の急激な増加を示している。
図5は、本発明の他の実施形態によるバナジウム酸化物の転移温度を示すものである。
2n−1(n=2〜9)で表されるバナジウム酸化物の転移温度値は適切なモデルにより計算されることができる。図4は、その一例として、A.L.Pergamentの「Metal−Insulator Transition Temperatures and Excitonic Phases in Vanadium Oxides」、International Scholarly Research Network ISRN Condensed Matter Physics Volume 2011、Article ID 605913、5 pages)で提示された転移温度(T)値を示すものである。
一方、本発明において、MIT(Metal−Insulator Transition)物質としては、下記に例示するように様々な物質が用いられることができる。
Figure 2018532262
以下では、図1の超電導コイルを実現するのに好適な超電導線材の一実施形態について説明する。
図6(a)〜(d)は、本発明の一実施形態による超電導線材の断面構造を模式的に示す図である。
図6(a)を参照すれば、超電導線材210は、緩衝層213が形成された金属基板212、超電導層214、キャッピング層216及び安定化層217を含んで構成されている。前記超電導線材210の上面には、MIT層218がコーティングされている。
前記MIT層218は、適切な塗布技法によってコーティングされることができる。一例として、前記MIT層218はスパッタリングによって形成されることができる。これとは異なり、前駆体溶液から求められるMIT層218を形成する湿式法が使用できることは勿論である。
また、これとは異なり、別途に製造されたストリップ形態のMIT層を溶接(welding)または接合(joining)する方法によって前記MIT層が形成されることもできる。また、柔軟性を有するMITストリップが前記線材の一面または両面に接着されることもできる。このために高分子物質をMIT物質のバインダーとして用いることもでき、なお、この時、高分子バインダーは導電性高分子を含むこともできる。
また、本発明において、前記MIT層218の厚さは、コーティング層の電気的・機械的特性を考慮して適切に選択されることができる。
前述したように、前記MIT層218は、通常のMIT物質、例えば、VO及びV2n−1(n=2〜9)等のバナジウム酸化物、その混合組成物またはこれらの相の複合物から形成されることができる。場合により、前記MIT層218には付加的な化合物が含まれてもよい。
図6(b)に示すように、MIT層218は超電導線材110の下面に形成されてもよく、図6(c)に示すように、超電導線材110の上面及び下面の全てに形成されてもよい。また、図5(d)に示すように、前記MIT層218は、超電導線材の上面、下面及び側面を囲むように形成されてもよい。
図7(a)〜(d)は、本発明の他の実施形態による超電導線材の断面構造を模式的に示す図である。
図6と対比すると、図7の超電導線材は、MIT層218上に形成された導電性保護層219を備えているといる点で異なる。前記導電性保護層219は前記MIT層218を保護する。前記導電性保護層219は、MIT層218が金属状態である時に導電経路を提供するために良好な導電性を有する。例えば、Cu、Ag、Alのような導電性金属または合金が前記保護層の形成物質として用いられることができる。
図8は、本発明のまた他の実施形態による超電導線材の断面構造を模式的に示す図である。
図8を参照すれば、超電導線材は、図6(a)と同様に、緩衝層213が形成された金属基板212、超電導層214、キャッピング層216及び安定化層217を含んで構成されている。但し、図8の線材の内部にMIT層218が形成されており、特に超電導層の上面にMIT層218が直接接触する方式で形成されているという点で異なる。
以上で説明した本発明の超電導線材は様々な方式により製造されることができる。従来の超電導線材の製造方法に加えて、MIT層218を形成する様々な方式が用いられることができる。スパッタリング、化学気相蒸着のような乾式コーティング方法が適用されてもよく、フローコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、スプレーコーティング等の通常の湿式コーティング工程等の様々な塗布工程が適用されてもよい。
図9(a)は、本発明の一実施形態によるMIT層塗布装置を例示的に示す図である。
ロール310に巻き取られた超電導線材110,210が一定速度で解かれて塗布器320に供給される。塗布器320は、MIT溶液を前記超電導線材110上に提供する。前記塗布器320は、例えば、スプレイヤー(sprayer)またはディスペンサー(dispenser)を備えることができる。前記塗布器320は、MIT溶液供給装置(図示せず)から連続的または断続的にMIT溶液の供給を受ける。勿論、スプレイヤーやディスペンサーに加えて、またはその代わりに、任意の膜塗布用道具(applicator)が塗布器として用いられることができる。
図示されたように、MIT物質が塗布された超電導線材は、ローラのような加圧手段によって加圧されて均一な厚さのMIT層が成形されることができる。前記ローラには、ヒータのような加熱手段が内蔵されることができる。また、付加的に、MIT層が成形された超電導線材210は、乾燥器370を通過して乾燥されることができる。
図9(b)は、本発明の他の実施形態によるMIT層塗布装置を例示的に説明した図である。
図9(b)を参照すれば、塗布装置には、超電導線材巻取りロール310と共にMIT供給ロール330が備えられる。MIT供給ロール310はテープ形態のMIT層を供給する。前記MIT層は、MIT物質及びテープ形態の成形のための適切な添加剤を含むことができる。MIT供給ロール330からのMITテープ400は、超電導線材巻取りロール310から供給される超電導線材110と加圧ローラ等の加圧手段によって合着される。合着された超電導線材210は、乾燥器370によって乾燥等の付加的な工程をさらに経ることができる。
以上、図9を参照して超電導線材110の一面にMIT層を形成することを説明したが、前述した塗布器320は超電導線材110の両面または外郭全体にかけてMIT層を形成することができ、そのために2以上の噴射ノズルを備えた塗布器が用いられることができる。また、図7(b)に図示された2以上の巻取りロール330を用いて超電導線材の両面にMIT層を形成することもできる。
図10は、本発明の一実施形態によるMITテープの一例を説明するための図である。
図10(a)はMITテープの平面図であり、図10(b)は超電導線材410上にMITテープが合着された後の断面を示す図である。断面は図10(a)においてB−B’方向の断面を示した。
図10(a)を参照すれば、MITテープ400は、メッシュ構造の支持体410及びMIT物質層420を含む。前記MIT物質層420はメッシュの開孔部に主に形成される。構造の安定性及び電気的特性を考慮して、メッシュ構造の開孔部大きさ、支持体の太さは適切に選択されることができる。
本実施形態のMITテープ400は様々な方法により製造されることができる。例えば、メッシュ構造の支持体410にMIT溶液を含浸または塗布した後に適切に乾燥することによって製造されることができる。このような方式により製造されたMITテープ400が図6(b)に示された装置に供給されることができる。また、これとは異なり、MITを含まないテープ支持体が図6(b)のような装置に供給され、超電導線材と合着した後に別途の塗布手段によってMIT溶液の含浸または塗布が行われることができる。
図10を参照して支持体構造に基づいたMITテープの一例を説明したが、本発明はこれに限定されない。前記MITテープは前述したものとは異なる骨格(skeleton)に基づいたものであってもよい。例えば、MIT粉末とそれを支持するバインダーとから構成されるMITテープが用いられることもできる。この場合、前記バインダーとしては導電性バインダーが用いられることもできる。
以上、本発明の実施形態を説明するにおいて基板、緩衝層、超電導層、キャッピング層及び安定化層を含んで構成される2世代線材を基準に説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、複数の超電導フィラメントが導電性金属層内に組み込まれた1世代超電導線材からなる超電導コイルにも上述した本発明の技術的思想が適用できるのは本発明が属する技術分野の通常の技術者であれば明らかなことである。
図11は、本発明の他の実施形態による超電導コイルの構造を示す図である。
この実施形態の超電導線材110は、長さ方向に延びるテープ形態の超電導線材110が巻線され、断面上同心円形態の積層構造を形成しているという点では図1と関連して説明したとおりである。しかし、前記超電導線材110の間に介在するMIT層120は超電導線材の長さ方向に連続的に延びない。
前記MIT層120は、隣接した超電導線材のターン間に部分的に介在する。このような構造は、部分絶縁コイル(partially insulated coil)と類似した構造を有する。例えば、前記MIT層が介在するターンは任意に選択されることができる。また、n回の超電導線材ターンに対して1ターンのMIT層120が繰り返されるようにMIT層120が介在できる。本実施形態の超電導コイルは、コイルの応答特性よりはコイルの安定性が求められる場合に用いられるのにさらに好適である。
図12は、図11のコイル構造を実現するのに好適な超電導線材を模式的に示す図である。
図12は、超電導線材の側面を示す図である。図12を参照すれば、超電導線材の上面には、非連続的なMIT層218がコーティングされている。隣接するMIT層218間の間隔は、ターンの長さ、求められるコイル特性に応じて定められることができる。
以上、超電導コイル及びそれに適用可能な超電導線材を中心に本発明を説明した。しかし、例えば、複数の線材が積層または巻線される場合の超電導ケーブルにも本発明が適用可能であるのは当業者であれば明らかなことである。
以下では本発明の好ましい実施形態について説明する。
A.MIT溶液及び超電導コイルの製造
粉末をPVDF(Polyvinylidene Fluoride)とNMP(N−Methyl−2−Pyrrolidone)をバインダーとして適切な比率で混合した。混合物の粘度は、バインダーの含量を調節して制御することができる。本実施形態においては、97重量%のVと3重量%のPVDF+NMPを混合してコーティングスラリーを製造した。
B.金属−絶縁体の転移温度の測定
製造されたコーティング溶液を住友社製のDI−BSCCO高温超電導線材の両面にコーティングして各々製造された別個の線材を重ねて配置した後、各線材の両端に導電性リードを連結した。次に、導電性リードの両端にかかる電圧を測定した。上記の配置を液体窒素内に浸して所定時間維持した後に外部に取り出して温度及び電圧を測定した。
図13は、MITバルクの温度変化に応じた電圧変化を示すグラフである。
図13を参照すれば、Vバルクの電圧値の変化から液体窒素温度から転移温度(約160K)に達する時までVバルクが所定の抵抗値を有することが分かり、転移温度付近で抵抗値が急激に減少することが分かる。
C.超電導コイルの製造
前述したものと同様に、住友社製のDI−BSCCO高温超電導線材の両面にVスラリーをコーティングしつつ直径140mmのボビンに超電導線材を巻線した。積層された超電導線材の巻線数は8ターンにした。巻線されたコイルを110℃の温度で18時間熱処理して溶媒を除去した。次に、コイルの外面にエポキシをコーティングして空気中に3日間硬化して超電導コイルを製造した。
本発明との対比のために、MIT層がコーティングを適用していない超電導線材を用いて同一形態の超電導コイルを製造した。超電導線材をカプトンテープによって絶縁し巻線した後、エポキシでコーティングして硬化した。
製造された超電導コイルの電圧、電流、温度及び磁束密度を測定した。測定装置としては、ナショナルインスツルメンツ(National Instrument)社製のDAQ(Data Acquisition)とLabVIEWプログラムを使った。この時、コイルに各ターンごとに電圧タップを設けて各ターン別及び全体ターンに対する電圧を測定した。また、電流は、電源(Power supply)出力端子にシャント(Shunt)抵抗を設けて電流を測定した。極低温で測定可能なホールセンサ(hall sensor)をコイルの中心に位置させて磁場を測定した。また、E−type熱電対を4番目のターンと5番目のターンの間に挿入してコイルの温度を測定した。
図14は、MITコーティングが適用された超電導コイルの電圧、電流及び磁束密度の測定結果を示すグラフである。
図14に示すように、電圧印加後から約210sec経過後に急激な電圧の増加が観察され、その後の区間で電圧が一定時間増減する様相を示した。
図15は、図12の時間区間を拡大して示す図である。
図15より、約210sec経過後から約20sec間電圧の増減が観察されることが分かる。また、この区間で磁束密度は緩やかに下落していることが分かる。
上記のグラフは以下のとおりに解釈できる。電圧印加後から210sec経過時点で超電導線材の所定位置にクエンチが発生し、それに応じた発熱は該当領域に形成されたMIT物質層を加熱し、MIT物質層を電導状態に相転移させる。相転移により、電流は一時的にMIT物質層に迂回し、クエンチ部位の発熱は抑制される。勿論、約20sec後には、持続的な発熱によって超電導線材が破壊に達するようになる。
すなわち、本実施形態のMIT物質層は、超電導線材の抵抗の急激な増加を抑制し、線材の破壊を遅延できることを示している。さらに、本実施形態に現れた電圧増加の遅れは、電圧及び磁束密度の変化を測定することによってクエンチを検出可能にする。また、コイルの動作中止等のコイルの能動的な制御に十分な時間を与えることができるようにする。
図16は、本発明との対比のために、カプトンテープによって絶縁された超電導コイルの電圧、電流及び磁束密度の測定結果を示すグラフである。
図16に示すように、約80sec経過後に現れた電圧増加によってコイルは一瞬間に破壊されることが分かる。この場合、クエンチ発生を検出するか、またはコイル動作を制御するのは不可能となる。
以上、添付された図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態で実施できるということを理解するはずである。したがって、以上で記述した実施形態は全ての面で例示的なものであって、限定的なものではないことを理解しなければならない。
本発明は、超電導線材、超電導コイル及び超電導ケーブル等に応用可能である。
本発明の一実施形態による超電導コイル100を模式的に示す図である。 図1のコイルをA−A’方向に切断した断面を示す図である。 図1のコイルに対する他の実施形態の断面を示す図である。 本発明のMIT物質の一例としてVO及びVの温度に応じた電気伝導度特性を概略的に示すグラフである。 本発明の他の実施形態によるバナジウム酸化物の転移温度を示すものである。 本発明のまた他の実施形態による超電導線材の断面構造を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態による超電導線材の断面構造を模式的に示す図である。 本発明の他の実施形態による超電導線材の断面構造を模式的に示す図である。 (a)及び(b)は本発明の実施形態によるMIT層塗布装置を例示的に示す図である。 (a)及び(b)は本発明の一実施形態によるMITテープの一例を説明するための図である。 本発明の他の実施形態による超電導コイルの構造を示す図である。 図9のコイル構造を実現するのに好適な超電導線材を模式的に示す図である。 MITバルクの温度変化に応じた電圧変化を示すグラフである。 本発明の実施形態によりMITコーティングが適用された超電導コイルの電圧、電流及び磁束密度の測定結果を示すグラフである。 図14の一部区間を拡大して示す図である。 本発明との対比のためにカプトンテープによって絶縁された超電導コイルの
図2に示すように、コイルは、超電導線材110a、110b、110cが積層巻線して形成される。前記超電導線材110a、110b、110cは、MIT層120を介在して巻線される。前記超電導線材110a、110b、110cは、線材の超電導部が超電導層114によって実現される2世代超電導線材である。
(a)〜(d)は、本発明の一実施形態による超電導線材の断面構造を模式的に示す図である。
(a)を参照すれば、超電導線材210は、緩衝層213が形成された金属基板212、超電導層214、キャッピング層216及び安定化層217を含んで構成されている。前記超電導線材210の上面には、MIT層218がコーティングされている。
(b)に示すように、MIT層218は超電導線材110の下面に形成されてもよく、図(c)に示すように、超電導線材110の上面及び下面の全てに形成されてもよい。また、図(d)に示すように、前記MIT層218は、超電導線材の上面、下面及び側面を囲むように形成されてもよい。
(a)〜(d)は、本発明の他の実施形態による超電導線材の断面構造を模式的に示す図である。
と対比すると、図の超電導線材は、MIT層218上に形成された導電性保護層219を備えているといる点で異なる。前記導電性保護層219は前記MIT層218を保護する。前記導電性保護層219は、MIT層218が金属状態である時に導電経路を提供するために良好な導電性を有する。例えば、Cu、Ag、Alのような導電性金属または合金が前記保護層の形成物質として用いられることができる。
は、本発明のまた他の実施形態による超電導線材の断面構造を模式的に示す図である。
を参照すれば、超電導線材は、図(a)と同様に、緩衝層213が形成された金属基板212、超電導層214、キャッピング層216及び安定化層217を含んで構成されている。但し、図の線材の内部にMIT層218が形成されており、特に超電導層の上面にMIT層218が直接接触する方式で形成されているという点で異なる。
本実施形態のMITテープ400は様々な方法により製造されることができる。例えば、メッシュ構造の支持体410にMIT溶液を含浸または塗布した後に適切に乾燥することによって製造されることができる。このような方式により製造されたMITテープ400が図(b)に示された装置に供給されることができる。また、これとは異なり、MITを含まないテープ支持体が図(b)のような装置に供給され、超電導線材と合着した後に別途の塗布手段によってMIT溶液の含浸または塗布が行われることができる。

Claims (30)

  1. 所定幅で長さ方向に延びる超電導部を含む高温超電導線材を巻線した高温超電導コイルであって、
    隣接する前記高温超電導線材の超電導部の間に介在する金属−絶縁体転移物質(MIT)層を含むことを特徴とする超電導コイル。
  2. 前記金属−絶縁体転移物質層は、前記高温超電導線材の臨界温度以上の転移温度を有することを特徴とする、請求項1に記載の超電導コイル。
  3. 前記金属−絶縁体転移物質層は、転移温度が臨界温度+100Kよりは低いことを特徴とする、請求項1に記載の超電導コイル。
  4. 前記金属−絶縁体転移物質層は、転移温度前後に電気伝導度が10倍以上増加することを特徴とする、請求項2または3に記載の超電導コイル。
  5. 前記金属−絶縁体転移物質層は、転移温度前後に電気伝導度が10倍以上増加することを特徴とする、請求項2または3に記載の超電導コイル。
  6. 前記金属−絶縁体転移物質層は常温以下の転移温度を有することを特徴とする、請求項2または3に記載の超電導コイル。
  7. 前記金属−絶縁体転移物質層はバナジウム酸化物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の超電導コイル。
  8. 前記金属−絶縁体転移物質層はVOを含むことを特徴とする、請求項7に記載の超電導コイル。
  9. 前記金属−絶縁体転移物質層はV2n−1(ここで、n=2〜9)からなる群の中から選択された少なくとも1種の物質を含むことを特徴とする、請求項7に記載の超電導コイル。
  10. 前記金属−絶縁体転移物質層は、Fe、RNiO(R=La、Sm、NdまたはPr)、La1−xSrNiO(ここで、x<1)、NiS1−xSe(ここで、x<1)及びBaVSからなる群の中から選択された少なくとも1種の物質を含むことを特徴とする、請求項7に記載の超電導コイル。
  11. 前記高温超電導線材は超電導部及び前記超電導物質を囲む導電性金属外皮を含み、
    前記金属−絶縁体転移物質層は隣接して積層された高温超電導線材の前記金属外皮の間に介在することを特徴とする、請求項1に記載の超電導コイル。
  12. 前記金属−絶縁体転移物質層は、前記巻線された線材の長さ方向に連続的に介在することを特徴とする、請求項1に記載の超電導コイル。
  13. 前記金属−絶縁体転移物質層は、前記巻線された線材の長さ方向に断続的に介在することを特徴とする、請求項1に記載の超電導コイル。
  14. 長さ方向に延びる超電導部と前記超電導部を囲む導電性金属外皮、及び
    前記導電性金属外皮の上面または下面の少なくとも一部にコーティングされ、前記超電導部の延長方向に延びる金属−絶縁体転移物質層を含むことを特徴とする高温超電導線材。
  15. 前記導電性金属外皮は、
    前記超電導部が形成される金属基板及び前記超電導部を保護する金属層を含むことを特徴とする、請求項14に記載の高温超電導線材。
  16. 前記導電性金属外皮は、
    前記超電導部を囲む金属層を含むことを特徴とする、請求項15に記載の高温超電導線材。
  17. 前記金属−絶縁体転移物質層は断続的に延びることを特徴とする、請求項14に記載の高温超電導線材。
  18. 前記金属−絶縁体転移物質層はバナジウム酸化物を含むことを特徴とする、請求項14に記載の高温超電導線材。
  19. 前記金属−絶縁体転移物質層は、VO及びV2n−1(ここで、n=2〜9)からなる群の中から選択された少なくとも1種の物質を含むことを特徴とする、請求項18に記載の高温超電導線材。
  20. 前記金属−絶縁体転移物質層は、
    支持体及び前記支持体に担持された金属−絶縁体転移物質を含むことを特徴とする、請求項14に記載の高温超電導線材。
  21. 前記支持体はメッシュ構造であることを特徴とする、請求項20に記載の高温超電導線材。
  22. 前記金属−絶縁体転移物質層は、
    金属−絶縁体転移物質粉末、及び
    前記金属−絶縁体転移物質粉末を結合するバインダーを含むことを特徴とする、請求項14に記載の高温超電導線材。
  23. 前記金属−絶縁体転移物質層上の導電性保護層をさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載の高温超電導線材。
  24. 前記導電性保護層は、前記超電導部の臨界温度以下で前記導電性金属外皮とは電気的に絶縁されることを特徴とする、請求項23に記載の高温超電導線材。
  25. 前記導電性保護層は金属材質であることを特徴とする、請求項23に記載の高温超電導線材。
  26. 前記金属−絶縁体転移物質層は、前記導電性金属外皮の少なくとも一部を囲むことを特徴とする、請求項23に記載の高温超電導線材。
  27. 前記金属−転移体物質層は、前記超電導部の上面に形成されて前記超電導部の延長方向に延びることを特徴とする、請求項23に記載の高温超電導線材。
  28. 前記金属−絶縁体転移物質層は、前記超電導部の上面と接触することを特徴とする、請求項27に記載の高温超電導線材。
  29. 所定幅を持って長さ方向に延びる超電導部と前記超電導部を囲む導電性金属外皮とを含む高温超電導線材を提供するステップ、及び
    前記超電導線材の金属外皮の上面または下面の少なくとも一部に金属−絶縁体転移物質層を提供するステップを含む高温超電導線材の製造方法。
  30. 前記金属−絶縁体転移物質層の提供ステップは、
    金属−絶縁体転移物質が分散した溶液を提供するステップ、及び
    前記溶液を前記金属外皮の上面または下面の少なくとも一部に塗布するステップを含むことを特徴とする、請求項29に記載の高温超電導線材の製造方法。
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