4. 図面の簡単な説明
図1は、SCN1AナンセンスコドンW192Xのリードスルー活性のモニタリングに用いるレポーターコンストラクトを示す図である。レポーターコンストラクトで用いるSCN1Aヌクレオチド配列は、(配列番号1)で示し、灰色の影で示したTAGナンセンス変異(W192X)を伴う。
図2は、CDKL5ナンセンスコドンR59Xのリードスルー活性のモニタリングに用いるレポーターコンストラクトを示す図である。レポーターコンストラクトで用いるCDKL5ヌクレオチド配列は、(配列番号2)で示し、灰色の影で示したTGAナンセンス変異(R59X)を伴う。
図3は、CDKL5ナンセンスコドン(R550X)のリードスルー活性のモニタリングに用いるレポーターコンストラクトを示す図である。レポーターコンストラクトで用いるCDKL5ヌクレオチド配列は、(配列番号3)で示し、灰色の影で示したTGAナンセンス変異(R550X)を伴う。
図4は、図1に示すSCN1Aレポーターコンストラクトを包含する細胞中のDMSOと比較した、1,2,4−オキサジアゾール安息香酸化合物、特に3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−安息香酸のリードスルー活性の比の増加を示すグラフである。
図5は、図2(R59X)及び図3(R550X)に示すCDKL5レポーターコンストラクトを包含する細胞中のDMSOと比較した、1,2,4−オキサジアゾール安息香酸化合物、特に3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−安息香酸のリードスルー活性の比の増加を示すグラフである。
図6は、本明細書の実施例6.2に記載する臨床プロトコルの試験デザインの図である。5. 発明を実施するための形態5.1. 定義
本明細書で用いる場合、用語「未熟翻訳終結」は、当業者が通常理解する意味と同じ意味をもつ。或る実施形態では、用語「未熟翻訳終結」は、概して、アミノ酸に対応するコドンが終止コドンに変化する変異の結果を指す。特定の実施形態では、用語「未熟翻訳終結」は、アミノ酸に対応する転写mRNAコドンが未熟終止コドンに変化する、DNAにおけるナンセンス変異の結果として、機能性タンパク質の産生を中止するものである、翻訳中の事象を指す。
本明細書で用いる場合、用語「未熟終結コドン」と「未熟終止コドン」とは、当業者が通常理解する意味と同じ意味をもつ。或る実施形態では、用語「未熟終結コドン」及び「未熟終止コドン」は、アミノ酸に対応するコドンであるべきである、終止コドンの出現を指す。
本明細書で用いる場合、用語「ナンセンス変異」は、当業者が通常理解する意味と同じ意味をもつ。或る実施形態では、用語「ナンセンス変異」は、アミノ酸に対応する、mRNA内のコドンが終止コドンに変化する、DNA内での変異を指す。或る実施形態では、ナンセンス変異は、DNA内で出現し、その後未熟終止コドンとしてmRNAに転写される変異である。
本明細書で用いる場合、用語「ナンセンス抑圧」は、当業者が通常理解する意味と同じ意味をもつ。或る実施形態では、用語「ナンセンス抑圧」は、未熟翻訳終結を阻害又は抑圧することを指し、結果的に機能性タンパク質の産生をもたらす。
本明細書で用いる場合、用語「未熟翻訳終結の変調(modulation)」は、ナンセンス抑圧薬剤の存在下で、未熟終止コドンを読み飛ばす(リードスルー)ことで産生される機能性タンパク質の量の増加を指す。或る実施形態では、ナンセンス変異が介在する疾患を治療、予防、改善又は管理するために、mRNAの翻訳が、ナンセンス抑圧薬剤の使用を介して発生することが可能であるように、未熟終止コドンを伴ったmRNAでコードされたタンパク質の産生を増加させること、すなわち、疾患遺伝子の発現に由来する未熟終止コドンを読み飛ばすことができるようにすることが望ましい。
本明細書で用いる場合、用語「活性薬剤」、「薬物」及び「原薬(drug substance)」は、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−安息香酸(一般名「アタルレン(ataluren)」を有する)又は本明細書において提供される薬剤的に許容されるその塩から選択される1,2,4−オキサジアゾール安息香酸化合物を指し、本明細書ではまとめて「化合物1」と称する。
本明細書で用いる場合、用語「用量」は、一度に投与されようとする活性薬剤の量を意味する。
本明細書で用いる場合、用語「単位剤形」は、例えば錠剤、カプレット、カプセル、ロゼンジ、分散体、散剤、顆粒もしくはゲル等の固形剤形、又は、例えば液剤、懸濁剤、エマルジョンもしくはエリキシル剤等の液状剤形、及び、こうした液状剤形を提供するように再調製可能である散剤もしくは顆粒などの固形形態を含むものであって、こうした単位剤形は、患者への経口又は非経口の投与に好適である。
本明細書で用いる場合、用語「投与レジメン」及び「投与量」は、所与の期間にわたって、患者の体重当たりで投与する活性薬剤の量を意味する。
本明細書で用いる場合、用語「対象」及び「患者」は、感覚及び随意運動力を有し、かつ、酸素及び有機的な食物の存在を必要とする動物又は任意の生体を指すために区別なく用いる。非限定的な例として、ヒト、霊長類、ウマ、ブタ、ウシ、ウサギ、ラット、マウス、イヌ及びネコの種に属するものが挙げられる。一部の実施形態では、対象は、哺乳類又は温血脊椎動物である。或る実施形態では、対象は、非ヒト動物である。特定の実施形態では、対象は、ヒトであり、さらにヒト患者である。或る実施形態では、対象は、胎児(fetus)、胎芽(embryo)、乳幼児、小児、青年又は成人である。一実施形態では、対象は、遺伝子の事前スクリーニングにより、ナンセンス変異を所有することが確認されているものである。別の実施形態では、対象は、遺伝子の事前スクリーニングにより、特定の未熟終止コドン(すなわち、UAA、UGA又はUAG)を有することが確認されているものである。別の実施形態では、対象における未熟終止コドンの構成は、遺伝子の事前スクリーニングより決定されているものである(すなわち、UAAA、UAAC、UAAU、UAAG、UGAA、UGAC、UGAU、UGAG、UAGA、UAGC、UAGU又はUAGG)。
本明細書で用いる場合、機能性リードスルータンパク質の産生の文脈における用語「有効量」は、対象にとって予防上及び/又は治療上の利点をもつものである、機能性リードスルータンパク質の量を指す。特定の実施形態では、機能性リードスルータンパク質の有効量は、以下の効果のうちの1つ、2つ又はそれ以上を有するものである、タンパク質の量である:(1)ナンセンス変異が介在するてんかん疾患の発症、発達及び/又は進行を予防する、(2)ナンセンス変異が介在するてんかん疾患に関連する1又は複数の症状の発症、発達及び/又は進行を予防する、(3)ナンセンス変異が介在するてんかん疾患の継続期間及び/又は重症度を軽減する、(4)ナンセンス変異が介在するてんかん疾患に関連する症状の数を軽減する、(5)ナンセンス変異が介在するてんかん疾患に関連する1又は複数の症状の継続期間を軽減する、(6)ナンセンス変異が介在するてんかん疾患に関連する1又は複数の症状の重症度を軽減する、及び(7)対象の生活の質を向上させる。
ナンセンス変異が介在するてんかん疾患の症状には、意識喪失、痙攣及び筋硬直を特徴とする痙攣発作、失立発作、全般性の一側性(片側の)間代発作又は全般性の強直性(大発作)発作;短時間の意識喪失を特徴とする欠神発作;通常体の両側での突発性の引きつりを特徴とする全般性のミオクローヌス発作;体の両側で同時に起こる反復性の、律動的な引きつりを特徴とする全般性の間代性発作;筋硬直を特徴とする全般性の強直性発作;しばしば結果として意識を失う、特に両腕及び両脚での筋緊張の突然かつ全般的な喪失を特徴とする全般性の脱力発作;意識のある、痙攣、筋硬直、ひきつけ、頭部旋回を特徴とする単純運動部分発作(simple motor partial seizure);視覚、聴覚、嗅覚、味覚又は触覚のいずれかに影響する意識のある異常な感覚を特徴とする単純感覚部分発作(simple sensory partial seizure);意識のある記憶又は感情の障害を特徴とする単純精神的部分発作(simple psychological partial seizure);例えば唇を鳴らすこと、咀嚼、そわそわすること、歩行、及び他の反復性の不随意であるが協調した動作などの意識のある自動運動の機能障害を特徴とする複雑部分発作(焦点性認知障害発作);その後意識の喪失及び痙攣に発展する意識の保持(preservation)を特徴とする二次性全般化を伴う部分発作;てんかんにおける予期せぬ突然死(SUDEP);及び夜間発作が含まれる。
本明細書で用いる場合、本明細書に記載する化合物の投与の文脈における用語「有効量」は、対象にとって予防上及び/又は治療上の利点をもつものである、化合物の量を指す。特定の実施形態では、本明細書に記載する化合物の有効量は、以下の効果のうちの1つ、2つ又はそれ以上を有するタンパク質の量である:(1)ナンセンス変異が介在するてんかん疾患の発症、発達及び/又は進行を予防する、(2)ナンセンス変異が介在するてんかん疾患に関連する1又は複数の症状の発症、発達及び/又は進行を予防する、(3)ナンセンス変異が介在するてんかん疾患の継続期間及び/又は重症度を軽減する、(4)ナンセンス変異が介在するてんかん疾患に関連する症状の数を軽減する、(5)ナンセンス変異が介在するてんかん疾患に関連する1又は複数の症状の継続期間を軽減する、(6)ナンセンス変異が介在するてんかん疾患に関連する1又は複数の症状の重症度を軽減する、及び/又は(7)対象の生活の質を向上させる。本明細書に記載する化合物の有効量の例は、後述のセクション5.4において提供される。或る実施形態では、本明細書に記載する化合物の有効量は、後述のセクション6において本明細書で提供される、症状又はナンセンス変異が介在するてんかん疾患を治療、予防、改善又は管理するために用いるときに、上述の効果の1つ、2つ又はそれ以上を有する。
本明細書で用いる場合、機能性リードスルータンパク質の文脈における用語「機能(性)」は、タンパク質の欠失に由来する疾患を治療、予防又は改善するのに十分な量で産生されるタンパク質を指す。また、この用語は、野生型タンパク質の機能的な活性を十分有して細胞又は対象において有益な効果を有するものであるタンパク質(そうでなければ、タンパク質をコードする核酸配列(例えば、遺伝子)において、変異(例えば、ナンセンス変異)の結果として、野生型タンパク質が産生されない又は産生される量が不十分であることになる)を指す。或る実施形態では、機能性リードスルータンパク質は、完全長の野生型タンパク質の機能、すなわち、疾患を治療、予防、改善又は管理することを実質的に果たす。別の特定の実施形態では、機能性リードスルータンパク質は、完全長の野生型タンパク質の機能のうち、1つ、2つ、3つ又はそれ以上を果たす。或る実施形態では、産生される機能性リードスルータンパク質は、機能性非野生型タンパク質である。或る実施形態では、産生される機能性リードスルータンパク質は、機能性野生型タンパク質である。一部の実施形態では、産生される機能性非野生型タンパク質は、完全長である。一部の実施形態では、産生される機能性野生型タンパク質は、完全長である。他の実施形態では、機能性非野生型タンパク質は、完全長ではない。他の実施形態では、産生される機能性野生型タンパク質は、完全長ではない。
本明細書で用いる場合、完全長のリードスルータンパク質の文脈における用語「完全長の野生型タンパク質の機能を実質的に果たす」は、機能性リードスルータンパク質が、完全長の野生型タンパク質の機能のうち、少なくとも1つ、2つ、3つ又はそれ以上を果たすということを意味する。
本明細書で用いる場合、用語「ナンセンス変異が介在するてんかん疾患」は、遺伝子においてナンセンス変異に直接又は間接的に起因するてんかん疾患又は状態又はてんかんの種類を指すものであって、ナンセンス変異は、影響を受けた細胞内において野生型タンパク質の産生を阻害するものである。例えば、CDKL5遺伝子のナンセンス変異は、野生型CDKL5タンパク質の産生を阻害し、結果的にCDKL5ナンセンス変異が介在するてんかん疾患が生じる。また例えば、SCN1A遺伝子のナンセンス変異は、野生型SCN1Aタンパク質の産生を阻害し、結果的にSCN1Aナンセンス変異が介在するてんかん疾患(特にドラベ症候群)が生じる。ナンセンス変異が介在するてんかん疾患の例としては、ドラベ症候群、乳児重症ミオクローヌスてんかん(SMEI)、CDKL5、SCN1A、全般性てんかん熱性痙攣プラス(GEFS+(Generalized epilepsy with febrile seizures plus))、側頭葉てんかん、難治性小児てんかん、良性家族性新生児/乳児痙攣(BFNIS)、良性家族性新生児痙攣(BFNIS)、若年性ミオクローヌスてんかん(JME)、小児欠神てんかん(CAE)、常染色体優性夜間前頭葉てんかん(ADNFLE)、原因不明全般性てんかん(CGE)、原因不明焦点性てんかん(CFE)、ミオクローヌス失立てんかん(MAE)、乳児重症特発全般性てんかん(SIGEI)、点頭てんかん(IS)及び早発型てんかん性脳症(EOEE)が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で用いる場合、治療を施す文脈における「組み合わせて」は、複数の治療法を使用することを指す。用語「組み合わせて」の使用は、疾患をもつ対象に対して治療を施す順序を制限しない。或る実施形態では、疾患をもつ対象に1つ又は複数の治療法を施すことには、限定することなく、疾患を有する又は疾患に感受性を示す対象に対して、第一の治療を、第二の治療を施すよりも先立って(例えば、1分、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週、2週、3週、4週、5週、6週、8週又は12週前に)、上記第二の治療と同時に、又は、上記第二の治療に続いて(例えば、1分、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週、2週、3週、4週、5週、6週、8週又は12週後に)、施すことが可能である上記第一の治療を含む。これら治療法は、本明細書に記載する単位剤形が、別の単位剤形と共に作用し、単独で治療を施した場合よりも高い利益を提供することが可能であるように、一連で、ある時間間隔内に対象に施す。
本明細書で用いる場合、用語「管理する」、「管理すること」及び「管理」は、患者が3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−安息香酸又はその塩を含む本明細書で提供する薬剤組成物の投与から得るものである有益な効果を指し、それは結果としてナンセンス変異が介在する疾患を治療、予防又は改善することにはならない。
本明細書で用いる場合、用語「予防する」、「予防すること」及び「予防」は、かかる疾患をもつ患者に化合物1又はその塩を投与することを含む本明細書で提供する薬剤組成物を投与することで、患者のナンセンス変異が介在する疾患又はその症状の発症、再発、蔓延又は悪化の予防(例えば、回避)(及び、それによりかかる疾患を治療又は少なくとも改善する)を指す。ナンセンス変異に関連する疾患は、遺伝性又は体細胞性の根拠を有するため、患者はナンセンス変異の存在をスクリーニングする必要である。スクリーニングにより患者がナンセンス変異を有することが確認されると、有効量の3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又は本明細書で提供するその塩を含む有効量の薬剤組成物を該患者に投与し、疾患又はその症状の発症、再発、蔓延又は悪化の予防をすることが可能である。
本明細書で用いる場合、用語「治療する」、「治療すること」及び「治療」は、疾患又は該疾患に関連する症状の根治又は改善を指す。或る実施形態では、かかる用語は、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又は本明細書で提供するその塩を含む本明細書で提供する薬剤組成物を、かかる疾患をもつ患者に投与することで、患者の疾患の蔓延又は悪化を最小限にすることを指す。患者が遺伝性又は体細胞性のナンセンス変異に関連する疾患を有することが確認されると、有効量の3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又は本明細書で提供するその塩を含む有効量の薬剤組成物を患者に投与し、該疾患又はその症状の蔓延又は悪化を根治、改善又は最小化することが可能である。
本明細書で用いる場合、用語「約」又は「およそ」は、当業者によって決定されるような特定の値に対する許容誤差を意味し、それは該値がどのように測定又は決定されたかということに一部依存する。或る実施形態では、用語「約」又は「およそ」は、1、2、3又は4の標準偏差の範囲内を意味する。或る実施形態では、用語「約」又は「およそ」は、所与の値又は範囲のうち50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%又は0.05%以内を意味する。
本明細書で用いる場合、タンパク質の文脈における用語「野生型」は、天然に発見されるタンパク質(しばしば、必ずしもそうではないが、その欠失が疾患に関与しないものである優勢タンパク質であるタンパク質)を指し、標準タンパク質又は参照タンパク質として指定される。
5.2. 化合物
本明細書で提供する薬剤組成物及び塩類の調製に使用する化合物は、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−安息香酸(一般名をアタルレンと称する)であり、一般式(I)の構造を有する:
。
一般式(I)の化合物は、米国特許第6,992,096号、米国特許第7,678,922号及び米国特許第8,367,841号に記載の方法に従って調製することが可能であり、このそれぞれの開示を、参照することによって本明細書において全体に組み入れられるものとする。あるいは、一般式(I)の化合物はまた、本明細書における教示に基づいて、当業者にとって明らかである他の方法に従って調製することも可能である。こうした代替的な方法を全て、本明細書に記載する方法の範囲内に含むことを意図している。本明細書で提供する一般式(I)の化合物及び塩類を、まとめて「化合物1」と称する。
一実施形態において、本明細書で提供する薬剤組成物、工程及び方法で用いる一般式(I)の化合物は、遊離酸である。一実施形態では、この遊離酸は固体である。さらに別の実施形態では、この固体の遊離酸は、米国特許第7,863,456号に記載される結晶形であるものであって、この開示を、参照することによって本明細書において全体に組み入れられるものとする。さらに別の実施形態では、固体の遊離酸は、結晶形Aである。さらに別の実施形態では、固体の遊離酸は、結晶形Bである。これら一般式(I)の化合物の結晶形はまた、米国特許第7,863,456号に記載される方法に従って調製可能であるものであって、この開示を、参照することによって本明細書において全体に組み入れられるものとする。あるいは、一般式(I)の化合物の固体形態はまた、本明細書における教示に基づいて、当業者にとって明らかである他の方法に従って調製することも可能である。
別の実施形態において、一般式(I)の化合物の遊離酸は、薬剤的に許容される溶媒和化合物である。一実施形態では、この遊離酸は水和物である。別の実施形態では、一般式(I)の化合物は、薬剤的に許容される無水物形である。
別の実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物、工程及び方法で用いる化合物1は、薬剤的に許容される一般式(I)の化合物の遊離酸である。別の実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物、工程及び方法で用いる化合物1は、薬剤的に許容される一般式(I)の化合物の塩である。別の実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物、工程及び方法で用いる化合物1は、薬剤的に許容される一般式(I)の化合物の遊離酸又は塩である。
5.3. 塩形態
或る実施形態では、本明細書で提供する方法は、L−アルギニン、L−ヒスチジン、L−リジン、N−メチルグルカミン、マグネシウムメトキシド、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム又はトロメタミンから選択される塩を含む、一般式(I)の塩形態の使用を含む(2015年3月5日出願の、国際公開第WO2015/134711号として公開されている国際出願PCT/US2015/018889号、参照することにより本明細書において全体に組み入れられるものとする。)。より詳細には、本明細書で提供する方法は、L−リジン、ナトリウム及びトロメタミンから選択される、一般式(I)の塩形態の使用を含む。
5.4. 薬剤組成物
有効量の化合物1を含む薬剤組成物及び単回単位剤形を、本明細書で提供する方法で用いることが可能である。個々の剤形は、経口、経皮、粘膜(限定することなく、舌下、頬側、直腸、鼻又は膣を含む)又は非経口(限定することなく、皮下、筋肉内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、滑液包内、膀胱内又は静脈内を含む)又は眼内への投与に好適であるものとしてよい。好ましい薬剤組成物及び単回単位剤形は、経口投与が好適である。
或る実施形態では、薬剤組成物は、化合物1を約0.1重量%から約99重量%、約5重量%から約90重量%、約5重量%から約50重量%、約10重量%から約40重量%、約20重量%から約30重量%、約0.1重量%から約5重量%、約0.1重量%から約2.5重量%、約0.1重量%から約1重量%、又は約0.25重量%から約0.5重量%含む。或る実施形態では、薬剤組成物は、化合物1を約0.1重量%、約0.25重量%、約0.5重量%、約1重量%、約2重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約50重量%、約60重量%、約70重量%、約80重量%、又は約90重量%含む。或る実施形態では、薬剤組成物は、化合物1を約0.25重量%、約0.5重量%、又は約1重量%含む。
或る実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は、約1mgから約5,000mg、約10mgから約2,000mg、約50mgから約1,000mg、約100mgから約1,000mg、又は約100mgから約500mgの化合物1を含む。或る実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は、約125mg、約200mg、約325mg、約400mg、又は約500mgの化合物1を含む。或る実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は、約120mgから約130、約195mgから約205mg、約320mgから約330mg、約395mgから約405mg、又は約495mgから約505mgの化合物1を含む。
或る実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物における化合物1は、本明細書で提供するような、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−安息香酸の遊離酸又は3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−安息香酸の塩である。
本明細書で提供する薬剤組成物は、ある単位剤形又は複数回剤形で提供可能である。本明細書で用いる場合、ある単位剤形は、この分野で公知の包装を用いた、ヒト又は動物対象に投与するのに好適な、物理的に別個であるユニットを指す。各単位用量は、必要な薬剤の担体又は賦形剤を伴って、所望の治療効果を生じるのに十分である所定の量の活性成分を含有する。単位剤形の例には、限定することなく、個別に包装した小包、小袋又は瓶又は点眼容器が挙げられる。単位剤形は、分割で又はその複数で投与してよい。複数回剤形は、単一の容器中に包装した複数の同一単位剤形であり、別個の又は組み合わせた単位剤形として投与されるものである。複数回剤形の例には、顆粒もしくは散剤の小包もしくは小袋や、錠剤もしくはカプセルのバイアルもしくは瓶、又は、非経口で、経口で、もしくは点眼容器による眼内でのいずれかへの投与用の液量オンス、パイントもしくはガロンの液剤ボトルが挙げられる。
本明細書で提供する薬剤組成物は、ある期間にわたる分割用量として投与可能である。明確な投与量及び治療期間は、治療対象の患者の年齢、体重、状態で変更してよく、公知の試験プロトコルを用いて、又はin vivoもしくはin vitroの試験もしくは診断データからの外挿によって、又は特定の臨床学的因子の観察によって、経験的に決定してよいということが理解される。任意の特定の個人に関して、或る投与レジメンを、個人の要望及び薬剤組成物の投与を管理又は監督する人物の専門的な判断に従って、経時的に調節してよいということがさらに理解される。
5.4.1. 局所製剤
或る実施形態において、本明細書で提供する薬剤組成物は、例えばジメチルスルホキシド、プロピレングリコール等であるが、これらに限定されない、共溶媒中の局所製剤として処方する。
5.4.2. 経口製剤
或る実施形態において、本明細書で提供する薬剤組成物は、経口投与用で処方する。或る実施形態では、本明細書で提供する経口投与用の薬剤組成物は、経口投与用の固形、半固形又は液状の剤形で提供する。本明細書で用いる場合、経口投与はまた、頬側、舌、舌下の投与を含む。好適な経口剤形には、錠剤、舌下もしくは頬側フィルム(すなわち、「迅速溶解(fast−melt)」)、チュアブル錠、発泡錠、分散錠(dispersible tablet)、ミニタブレット、カプセル、丸剤、ストリップ剤、トローチ、ロゼンジ、パステル剤、経口フィルム、オブラート嚢、ペレット、薬用チューインガム、混合散剤もしくは顆粒、発泡もしくは非発泡の散剤もしくは顆粒、経口ミスト、液剤、エマルジョン、懸濁液、ウエハー(wafer)、スプリンクル(sprinkle)、エリキシル剤及びシロップが含まれるが、これらに限定されない。薬剤組成物は、活性成分に加えて、結着剤、賦形剤、希釈剤、崩壊剤、浸潤剤、界面活性剤、潤滑剤、流動促進剤、pH調整剤、着色料、色素移動阻害剤(dye−migration inhibitor)、甘味料、香味料、乳化剤、懸濁拡散剤、保存料、溶媒、溶媒和剤、非水系液体、有機酸、及び炭酸ガス源を含むがこれらに限定されないものである、薬剤的に許容される1つ又は複数の担体又は賦形剤を含有可能である。
結着剤や造粒機(granulator)により、錠剤に結合力が与えられ、圧縮後も錠剤をそのままの状態であることを確実にする。好適な結着剤又は造粒機は、例えばコーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルファ化デンプン(例えば、STARCH 1500)などのデンプン;ゼラチン;例えばショ糖、グルコース、ブドウ糖(dextrose)、糖蜜及び乳糖などの糖類;例えばアカシア、アルギン酸、アルギン酸塩、アイルランドゴケエキス、パンワーガム(panwar gum)、ガッティガム(ghatti gum)、イサゴールハスク(isabgol husk)の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビーガム(Veegum)、カラマツのアラボガラクタン(arabogalactan)、トラガント末及びグアーガムなどの天然ゴム及び合成ゴム;例えばエチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロース;例えばAVICEL(登録商標)−PH−101、AVICEL(登録商標)−PH−103、AVICEL(登録商標)RC−581、AVICEL(登録商標)−PH−105(FMCコーポレーション、ペンシルベニア州マルクス・フック)などの微結晶性セルロース;及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。好適な賦形剤には、タルク、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、セルロース末、デキストレート(dextrate)、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
好適な希釈剤には、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、乳糖、ソルビトール、ショ糖、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン及び粉糖を含むが、これらに限定されない。例えばマンニトール、乳糖、ソルビトール、ショ糖及びイノシトールである或る希釈剤は、十分な量で存在する場合、一部の圧縮錠剤に、咀嚼により口内で崩壊させるような特性を与えることが可能である。こうした圧縮錠剤は、チュアブル錠として使用することが可能である。
好適な崩壊剤には、寒天;ベントナイト;例えばメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースなどのセルロース;木産物;海綿;カチオン交換樹脂;アルギン酸;例えばグアーガム及びビーガム(VEEGUM(登録商標))HVなどのゴム;柑橘果肉;例えばクロスカルメロースなどの架橋セルロース;例えばクロスポビドンなどの架橋ポリマー;架橋デンプン;炭酸カルシウム;例えばデンプングリコール酸ナトリウムなどの微結晶性セルロース;ポラクリリンカリウム(polacrilin potassium);例えばコーンスターチ、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン及びアルファ化デンプンなどのデンプン;クレイ;アライン(align);及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。本明細書で提供する薬剤組成物は、崩壊剤を約0.5から約15重量%又は約1から約5重量%含有し得る。
好適な潤滑剤には、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;例えばグリセロールベヘネート及びポリエチレングリコール(PEG)などのグリコール類;ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及びダイズ油を含む硬化植物油;ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;エチルラウリエート(ethyl laureate);寒天;デンプン;セキショウシ;例えばAEROSIL(登録商標)200(W.R.グレース社(W.R. Grace Co.)、メリーランド州ボルチモア)及びCAB−O−SIL(登録商標)(キャボット社(Cabot Co.)、マサチューセッツ州ボストン)などのシリカ又はシリカゲル;及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。本明細書で提供する薬剤組成物は、潤滑剤を約0.1から約5重量%含有し得る。
好適な流動促進剤には、コロイド状二酸化ケイ素、CAB−O−SIL(登録商標)(キャボット社(Cabot Co.)、マサチューセッツ州ボストン)及びアスベスト不使用のタルクを含むが、これらに限定されない。好適な着色料には、承認され、保証された、水溶性FD&Cの色素、及びアルミナ水和物(alumina hydrate)に懸濁する水不溶性のFD&Cの色素、及び染色レーキ及びこれらの混合物のいずれかを含むが、これらに限定されない。染色レーキは、水溶性色素の重金属水和酸化物との吸着による結合であり、結果的に不溶性形態の色素をもたらす。好適な香味料には、例えば果物などの植物から抽出した天然香味、ならびに、例えばハッカ及びサリチル酸メチルなど良好な味覚を生じる化合物の合成混合物を含むが、これらに限定されない。好適な甘味料には、ショ糖、乳糖、マンニトール、シロップ、グリセリン、ならびに例えばサッカリン及びアスパルテームなどの人工甘味料を含むが、これらに限定されない。好適な乳化剤には、ゼラチン、アカシア、トラガント、ベントナイト、ならびに例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(TWEEN(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80(TWEEN(登録商標)80)及びトリエタノールアミンオレアートなどの界面活性剤を含むが、これらに限定されない。好適な懸濁拡散剤には、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガント、ビーガム、アカシア、カルボメチルセルロースナトリウム(sodium carbomethylcellulose)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリドンを含むが、これらに限定されない。好適な保存料には、グリセリン、メチルパラベン及びプロピルパラベン、ベンゾインアド(benzoic add)、安息香酸ナトリウム及びアルコールを含むが、これらに限定されない。好適な浸潤剤には、モノステアリン酸プロピレングリコール、ソルビタンモノオレエート、モノラウリン酸ジエチレングリコール(diethylene glycol monolaurate)及びポリオキシエチレンラウリルエーテルを含むが、これらに限定されない。好適な溶媒には、グリセリン、ソルビトール、エタノール及びシロップを含むが、これらに限定されない。エマルジョンに利用する好適な非水系液体には、鉱油及び綿実油を含むが、これらに限定されない。好適な有機酸には、クエン酸、フマル酸、アスコルビン酸及び酒石酸を含むが、これらに限定されない。好適な炭酸ガス源には、重炭酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムを含むが、これらに限定されない。
同じ製剤内であっても、多くの担体及び賦形剤が複数の機能を果たし得るということを理解されたい。
経口投与用の錠剤として本明細書で提供する薬剤組成物は、圧縮錠剤、湿製錠剤、チュアブルロゼンジ、迅速溶解錠剤、発泡錠剤、ミニタブレット、ビーズ、被覆ビーズ、多層錠剤もしくは腸溶錠剤、糖衣錠剤又はフィルムコート錠剤として提供可能である。腸溶錠剤は、胃酸の働きに耐性があるが、腸で溶解又は分解する物質で被覆した圧縮錠剤であるため、胃の酸性環境から有効成分が保護される。腸溶錠剤には、脂肪酸、脂肪、サリチル酸フェニル、ワックス、シェラック、アンモニア化シェラック及び酢酸フタル酸セルロースを含むが、これらに限定されない。糖衣錠剤は、砂糖の被覆により覆われた圧縮錠であり、不快な味や臭いを包むことと、錠剤を酸化から保護することとに役立ち得る。フィルムコート錠剤は、水溶性物質の薄層又は膜で被覆した圧縮錠剤である。フィルム被覆には、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000及び酢酸フタル酸セルロースを含むが、これらに限定されない。フィルム被覆は、砂糖の被覆と同じ概略的な特徴をもたらす。多層圧縮錠剤は、層状錠剤及び加圧コーティング錠剤又は有核錠剤を含む、複数回の圧縮周期で製造した圧縮錠剤である。
錠剤剤形は、本明細書に記載する1つ又は複数の担体又は賦形剤を単独で又は組み合わせて、粉末状、結晶又は顆粒の形態の活性成分から調製することが可能であり、結着剤、崩壊剤、放出制御ポリマー、潤滑剤、希釈剤及び/又は着色剤を含む。香味料及び甘味料は、チュアブル錠剤及びロゼンジの剤形で特に有用である。
本明細書で提供する経口投与用の薬剤組成物は、ゼラチン、メチルセルロース、デンプン又はアルギン酸カルシウムより製造できる、軟カプセル剤又は硬カプセル剤として提供可能である。硬ゼラチンカプセル剤は、一方が他方を包み込む2つの部分よりなることで、活性成分を完全に包含した有核錠(DFC(dry−filled capsule))としても知られる。軟カプセル剤(SEC(soft elastic capsule))は、例えばゼラチン殻などの軟らかい球状の殻であり、グリセリン、ソルビトール又は同様のポリオールを添加することで可塑化されている。軟ゼラチン殻は、微生物の増殖を防ぐ防腐剤を含有してもよい。好適な防腐剤は、本明細書に記載するものであり、メチルパラベン及びプロピルパラベンならびにソルビン酸を含む。本明細書で提供する液状、半固形及び固形の剤形は、カプセル内にカプセル化することができる。好適な液状及び半固形の剤形は、炭酸プロピレン、植物油又はトリグリセリド中での液剤及び懸濁剤を含む。該カプセルはまた、活性成分の分解を制限又は分解に耐えるために、当業者により公知であるように被覆してもよい。
本明細書で提供する経口投与用の薬剤組成物は、液状及び半固形の剤形で提供可能であり、エマルジョン、液剤、懸濁剤、エリキシル剤及びシロップが含まれる。エマルジョンは、一方の液体がもう一方の液体の全体にわたって細球状で分散するものである二相系であって、水中油型又は油中水型とすることが可能である。エマルジョンは、薬剤的に許容される非水系液体又は溶媒、溶媒和剤又は乳化剤、及び防腐剤を含むことができる。懸濁剤は、薬剤的に許容される懸濁化剤及び防腐剤を含むことができる。水性のアルコール液剤は、例えば低アルキルアルデヒドのジ(低アルキル)アセタールなどであり、例えばアセトアルデヒドジエチルアセタールである、薬剤的に許容されるアセタールと、1つ又は複数の水酸基を有する、例えばプロピレングリコール及びエタノールなどの水混和性溶媒とを含み得る。エリキシル剤は、透明で、甘味付けした水性アルコール液剤である。シロップは、例えばショ糖などの糖類の濃縮水溶液であり、防腐剤を含有していてもよい。液状剤形に関しては、例えば、ポリエチレングリコールによる液剤は、投与の際に簡便に計測されるように、薬剤的に許容される例えば水などの十分な量の液体担体で希釈してよい。
他の有用な液状及び半固形の剤形には、本明細書で提供する活性成分、及び1,2−ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール−350−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−550−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−750−ジメチルエーテル(ここで350、550及び750は、ポリエチレングリコールのおよその平均分子量を指す)を含むジアルキル化されたモノ−又はポリ−アルキレングリコールを含有するもの含むが、これらに限定されない。これら剤形は、例えばブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、セファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、亜硫酸水素塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸及びそのエステル類ならびにジチオカルバメートなどの1つ又は複数の抗酸化剤をさらに含むことが可能である。
本明細書で提供する経口投与用の薬剤組成物はまた、リポソーム、ミセル、ミクロスフェア又はナノシステム(nanosystem)の形態で提供することも可能である。
本明細書で提供する経口投与用の薬剤組成物は、液状剤形に再調製することとなる、非発泡錠又は発泡である錠剤又は顆粒及び散剤のいずれかとして提供することが可能である。非発泡の顆粒又は散剤中に用いる薬剤的に許容される担体及び賦形剤は、希釈剤、甘味料及び浸潤剤を含んでもよい。発泡の顆粒又は散剤中に用いる薬剤的に許容される担体及び賦形剤は、有機酸及び炭酸ガス源を含んでもよい。
或る実施形態では、薬剤組成物は、固形の経口剤形で処方する。或る実施形態では、薬剤組成物は、液状の経口剤形で処方する。或る実施形態では、単位剤形は、水、牛乳、炭酸飲料、ジュース、果汁、フルーツポンチ、アップルソース、ヨーグルト、プディング、アイスクリーム、離乳食、粉ミルク又はダイズもしくは穀物ベースの産物を含むが、これらに限定されない、薬剤的に許容される液体又は半固形溶媒和剤中に混合した懸濁剤として提供する。
或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又は薬剤的に許容されるその塩、及び1つ又は複数の薬剤的に許容される追加的な賦形剤を含む薬剤組成物を、本明細書で提供する。一実施形態では、薬剤組成物は散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物は微粉化散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物はナノ粒子として処方する。一実施形態では、薬剤組成物は顆粒として処方する。別の実施形態では、1つ又は複数の賦形剤は、ポリデキストロース、マンニトール、ポロクサマー、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、クロスポビドン、人工香味料及びステアリン酸マグネシウムよりなる群から選択する。或る実施形態では、人工香味料は人工バニラ風味である。
また、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−安息香酸又は薬剤的に許容されるその塩を約25重量%と、コロイド状二酸化ケイ素を約1重量%と、1つ又は複数の薬剤的に許容される追加的な賦形剤とを含む薬剤組成物を、本明細書で提供する。或る実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−安息香酸又は薬剤的に許容されるその塩と、ポリデキストロース、ポロクサマー(例えば、ポロクサマー407)、ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール3350)、マンニトール、ヒドロキシエチルセルロース、人工バニラ風味、クロスポビドン、コロイド状二酸化ケイ素及びステアリン酸マグネシウム(例えば、野菜由来の)から選択される1つ又は複数の賦形剤とを含む。或る実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−安息香酸又は薬剤的に許容されるその塩と、懸濁化剤、味を隠すことも可能である結着剤、界面活性剤、崩壊剤から選択される1つ又は複数の賦形剤とを含み、他の賦形剤を存在させることが可能である。一実施形態では、薬剤組成物は散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物は微粉化散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物はナノ粒子として処方する。一実施形態では、薬剤組成物は顆粒として処方する。別の実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−安息香酸又は薬剤的に許容されるその塩が、例えば約25重量%の量で存在する。別の実施形態では、1つ又は複数の賦形剤は、ポリデキストロース、マンニトール、ポロクサマー、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、クロスポビドン、人工バニラ風味及びステアリン酸マグネシウムからなる群から選択される。別の実施形態では、1つ又は複数の賦形剤(及び製剤重量全体のうちのそれらの割合)は、例えば約26重量%のリテッセ(Litesse(登録商標))ウルトラ[精製ポリデキストロース]である懸濁化剤、例えば約26重量%のマンニトールである結着剤、例えば約10.0重量%のポリエチレングリコール3350及び約4重量%のルトロール(Lutrol(登録商標))マイクロF127[ポロクサマー407粉末]である界面活性剤、例えば約5重量%のクロスポビドンである崩壊剤、及びそれぞれ約2重量%未満の例えばCAB−O−SIL、ヒドロキシエチルセルロース、約1重量%のステアリン酸マグネシウム[非ウシ由来(non−bovine)]及び約1重量%のコロイド状二酸化ケイ素である他の賦形剤よりなる群から選択される。
約25重量%の3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−安息香酸又は薬剤的に許容されるその塩、約26重量%のポリデキストロース、約26重量%のマンニトール、約3重量%のポロクサマー、約10重量%のポリエチレングリコール、約2重量%のヒドロキシエチルセルロース、約5重量%のクロスポビドン、約1重量%の人工バニラ風味、約1重量%のコロイド状二酸化ケイ素及び約1重量%のステアリン酸マグネシウムを含む薬剤組成物を、本明細書でさらに提供する。一実施形態では、薬剤組成物は散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物は微粉化散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物はナノ粒子として処方する。一実施形態では、薬剤組成物は顆粒として処方する。
約120mgから約1005mgの範囲の3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−安息香酸又は薬剤的に許容されるその塩、約133mgから約1030mgの範囲のポリデキストロース、約137mgから約901mgの範囲のマンニトール、約19mgから約147mgの範囲のポロクサマー、約52mgから約402mgの範囲のポリエチレングリコール、約7mgから約59mgの範囲のヒドロキシエチルセルロース、約26mgから約201mgの範囲のクロスポビドン、約3mgから約29mgの範囲の人工バニラ風味、約5mgから約39mgの範囲のコロイド状二酸化ケイ素及び約5mgから約39mgの範囲のステアリン酸マグネシウムを含む薬剤組成物を、本明細書でさらに提供する。一実施形態では、薬剤組成物は散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物はある散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物は微粉化散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物はナノ粒子として処方する。一実施形態では、薬剤組成物は顆粒として処方する。
約130mgの3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−安息香酸又は薬剤的に許容されるその塩、約133mgのポリデキストロース、約137mgのマンニトール、約19mgのポロクサマー、約52mgのポリエチレングリコール、約7mgのヒドロキシエチルセルロース、約26mgのクロスポビドン、約3mgの人工バニラ風味、約5mgのコロイド状二酸化ケイ素及び約5mgのステアリン酸マグネシウムを含む薬剤組成物を、本明細書でさらに提供する。一実施形態では、薬剤組成物は散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物は微粉化散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物はナノ粒子として処方する。一実施形態では、薬剤組成物は顆粒として処方する。
約205mgの3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−安息香酸又は薬剤的に許容されるその塩、約210mgのポリデキストロース、約216mgのマンニトール、約30mgのポロクサマー、約82mgのポリエチレングリコール、約12mgのヒドロキシエチルセルロース、約41mgのクロスポビドン、約6mgの人工バニラ風味、約8mgのコロイド状二酸化ケイ素及び約8mgのステアリン酸マグネシウムを含む薬剤組成物を、本明細書でさらに提供する。一実施形態では、薬剤組成物は散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物は微粉化散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物はナノ粒子として処方する。一実施形態では、薬剤組成物は顆粒として処方する。
約330mgの3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−安息香酸又は薬剤的に許容されるその塩、約338mgのポリデキストロース、約348mgのマンニトール、約48mgのポロクサマー、約132mgのポリエチレングリコール、約19mgのヒドロキシエチルセルロース、約66mgのクロスポビドン、約9mgの人工バニラ風味、約13mgのコロイド状二酸化ケイ素及び約13mgのステアリン酸マグネシウムを含む薬剤組成物を、本明細書でさらに提供する。一実施形態では、薬剤組成物は散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物は微粉化散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物はナノ粒子として処方する。一実施形態では、薬剤組成物は顆粒として処方する。
約405mgの3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−安息香酸又は薬剤的に許容されるその塩、約415mgのポリデキストロース、約427mgのマンニトール、約59mgのポロクサマー、約162mgのポリエチレングリコール、約24mgのヒドロキシエチルセルロース、約81mgのクロスポビドン、約12mgの人工バニラ風味、約16mgのコロイド状二酸化ケイ素及び約16mgのステアリン酸マグネシウムを含む薬剤組成物を、本明細書でさらに提供する。一実施形態では、薬剤組成物は散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物は微粉化散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物はナノ粒子として処方する。一実施形態では、薬剤組成物は顆粒として処方する。
約505mgの3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−安息香酸又は薬剤的に許容されるその塩、約518mgのポリデキストロース、約453mgのマンニトール、約74mgのポロクサマー、約202mgのポリエチレングリコール、約30mgのヒドロキシエチルセルロース、約101mgのクロスポビドン、約15mgの人工バニラ風味、約20mgのコロイド状二酸化ケイ素及び約20mgのステアリン酸マグネシウムを含む薬剤組成物を、本明細書でさらに提供する。一実施形態では、薬剤組成物は散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物は微粉化散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物はナノ粒子として処方する。一実施形態では、薬剤組成物は顆粒として処方する。
約1005mgの3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−安息香酸又は薬剤的に許容されるその塩、約1030mgのポリデキストロース、約901mgのマンニトール、約147mgのポロクサマー、約402mgのポリエチレングリコール、約59mgのヒドロキシエチルセルロース、約201mgのクロスポビドン、約29mgの人工バニラ風味、約39mgのコロイド状二酸化ケイ素及び約39mgのステアリン酸マグネシウムを含む薬剤組成物を、本明細書でさらに提供する。一実施形態では、薬剤組成物は散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物は微粉化散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物はナノ粒子として処方する。一実施形態では、薬剤組成物は顆粒として処方する。
或る実施形態では、単位剤形は、約35mgから約5,600mgの化合物1、約35mgから約2800mgの化合物1、約35mgから約1,400mgの化合物1、約125mgから約1,000mgの化合物1、約250mgから約1,000mgの化合物1、約325mgから約1,000mgの化合物1、又は約500mgから約1,000mgの化合物1を含む。
或る実施形態では、単位剤形は、約35mg、約50mg、約70mg、約100mg、約125mg、約140mg、約175mg、約200mg、約250mg、約280mg、約325mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約560mg、約700mg、約750mg、約1,000mg、約1,400mg、約2800mg、又は約5600mgの化合物1を含む。
特定の実施形態では、単位剤形は、約125mg、約250mg、又は約1,000mgの化合物1を含む。
さらに特定の実施形態では、単位剤形は、125mg、250mg、又は1,000mgの化合物1を含む。
或る実施形態では、薬剤組成物は散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物は微粉化散剤として処方する。一実施形態では、薬剤組成物はナノ粒子として処方する。別の実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は顆粒として処方する。或る実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は小包又は小袋に包装する。或る実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は熱封止したアルミラミネートの小包又は小袋に包装する。或る実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は小児安全小包又は小袋に包装する。或る実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエテリエン(polyethelyene)、アルミニウム箔、接着剤及び封着フィルムの層を含む、小包又は小袋に包装する。或る実施形態では、薬剤組成物は、高密度ポリエチレン(HDPE)瓶を含むが、これに限定されない瓶で提供し得る。
或る実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は再調製用の顆粒として処方する。或る実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は、経口用懸濁剤に再調製用の顆粒として処方する。
或る実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は、水、牛乳、炭酸飲料、ジュース、果汁、フルーツポンチ、アップルソース、ヨーグルト、プディング、アイスクリーム、離乳食、粉ミルク又はダイズもしくは穀物ベースの産物を含むが、これらに限定されない、薬剤的に許容される液体又は半固形の溶媒和剤との懸濁剤となるように混合することで、投与前に再調製する。
或る実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は、水との懸濁剤となるように混合することで、投与前に再調製する。一実施形態では、化合物1の125mg単位剤形の再調製は、化合物1を含有する瓶に少なくとも約5mLの水を直接加えて、懸濁剤の全量中で少なくとも約25mg/mLの調製濃度を達成することでなされる。別の実施形態では、化合物1の250mg単位剤形の再調製は、化合物1を含有する瓶に少なくとも約10mLの水を直接加えて、懸濁剤の全量中で少なくとも約25mg/mLの調製濃度を達成することでなされる。別の実施形態では、化合物1の500mg単位剤形の再調製は、化合物1を含有する瓶に少なくとも約20mLの水を直接加えて、懸濁剤の全量中で少なくとも約25mg/mLの調製濃度を達成することでなされる。別の実施形態では、化合物1の1000mg単位剤形の再調製は、化合物1を含有する瓶に少なくとも約40mLの水を直接加えて、懸濁剤の全量中で少なくとも約25mg/mLの調製濃度を達成することでなされる。
他の実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物を含有する単位剤形は、用量調製の時点でのみ開封する。各単位剤形の全内容物を、液体又は半固形の溶媒和剤との懸濁剤となるように混合させるものであって、該液体は少なくとも30mL(1オンス)であり、又は、該半固形は少なくとも3匙分である。調製された用量は、投与前に十分に混合されたい。液体又は半固形の溶媒和剤の量は、患者の好みに応じて増量することが可能である。
或る実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は、遊離酸又は薬剤的に許容される塩として化合物1を含むものであって、該薬剤的に許容される塩は、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、トロメタミン塩、L−リジン塩、L−アルギニン塩、N−メチルグルカミン塩又はL−ヒスチジン塩である。
5.4.3. 非経口製剤及び投与
本明細書で提供する化合物1を含む薬剤組成物は、局所又は全身投与用の注射、点滴、又は植え込みにより非経口的に投与可能である。本明細書で用いる場合、非経口投与には、限定することなく、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液包内、膀胱内及び皮下への投与を含む。
本明細書で提供する非経口投与用の薬剤組成物は、非経口投与に好適である任意の剤形で処方可能であり、それは、限定することなく、液剤、懸濁剤、エマルジョン、ミセル、リポソーム、ミクロスフェア、ナノシステム、及び注射前の液体への溶解又は懸濁に好適な固形形態を含む。こうした剤形は、薬学分野の当業者に公知の従来の方法に従って調製可能である(上記Remington:The Science and Practice of Pharmacyを参照のこと)。
非経口投与を意図した薬剤組成物は、水性溶剤、水混和性溶剤、非水性溶剤、微生物の増殖を防ぐ抗菌剤又は防腐剤、安定剤、溶解性促進剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔剤、懸濁拡散剤、浸潤剤又は乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤又はキレート化剤、凍結保護物質、抗凍結剤、粘稠化剤、pH調整剤、及び不活性ガスを含むが、これらに限定されない、薬剤的に許容される1つ又は複数の担体及び賦形剤を含むことが可能である。
好適な水性溶剤には、水、食塩水、生理食塩水又はリン酸緩衝食塩水(PBS)、塩化ナトリウム液、リンゲル液、等張ブドウ糖液、滅菌水液、ブドウ糖・乳酸リンゲル液を含むが、これらに限定されない。好適な非水性溶剤には、植物由来の固定油、ヒマシ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、ピーナッツ油、ハッカ油、ヒマワリ油、ゴマ油、ダイズ油、硬化植物油、硬化ダイズ油、ならびに、ココナッツ油及びパームシード油の中鎖トリグリセリドを含むが、これらに限定されない。好適な水混和性溶剤には、エタノール、1,3−ブタンジオール、液体ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール300及びポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド及びジメチルスルホキシドを含むが、これらに限定されない。
好適な抗菌剤又は防腐剤には、フェノール、クレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、p−オキシ安息香酸メチル及びp−オキシ安息香酸プロピル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム(例えば、塩化ベンゼトニウム)、メチルパラベン及びプロピルパラベン、ならびにソルビン酸を含むが、これらに限定されない。好適な等張剤には、塩化ナトリウム、グリセリン、及びブドウ糖を含むが、これらに限定されない。好適な緩衝剤には、リン酸塩及びクエン酸塩を含むが、これらに限定されない。好適な抗酸化剤には、亜硫酸水素塩及びメタ重亜硫酸ナトリウムを含むが、これらに限定されない。好適な局所麻酔剤には、塩酸プロカインを含むが、これらに限定されない。好適な懸濁拡散剤には、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリドンを含むが、これらに限定されない。好適な乳化剤は、本明細書に記載のものであり、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80及びトリエタノールアミンオレアートを含む。好適な金属イオン封鎖剤又はキレート化剤には、EDTAを含むが、これに限定されない。好適なpH調整剤には、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸及び乳酸を含むが、これに限定されない。好適な錯化剤には、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン及びスルホブチルエーテル7−β−シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標))、CyDex社、カンザス州レネックサ)を含む、シクロデキストリンを含むが、これに限定されない。
本明細書で提供する薬剤組成物を複数回用量の投与用に処方する場合、複数回剤形の非経口製剤は、静菌又は静真菌濃度で抗菌剤を含有する必要がある。非経口製剤は全て、この分野で公知であり実施されているように、滅菌する必要がある。
一実施形態では、非経口投与用の薬剤組成物は、すぐに使用できる滅菌液剤として提供する。別の実施形態では、薬剤組成物は、使用前に溶剤で再調製するものである凍結乾燥散剤及び皮下注射用錠剤を含む、滅菌して乾燥した可溶性物質として提供する。さらに別の実施形態では、薬剤組成物は、すぐに使用できる滅菌懸濁剤として提供する。さらに別の実施形態では、薬剤組成物は、使用前に溶剤で再調製するものである、滅菌して乾燥した不溶性物質として提供する。また別の実施形態では、薬剤組成物は、すぐに使用できる滅菌エマルジョンとして提供する。
本明細書で提供する非経口投与用の薬剤組成物は、遅延型、持効性、パルス型、放出制御型、標的型及び徐放性の放出形態を含む、即時放出剤形又は放出制御剤形として処方可能である。
本明細書で提供する非経口投与用の薬剤組成物は、植え込みデポーとして投与する、懸濁剤、固形、半固形又は揺変性液剤として処方可能である。一実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は、外側高分子膜で覆われた固状内側基剤中に分散させるものであって、該外側高分子膜は、体内で不溶であるが薬剤組成物中の活性成分を浸透圧的に又はイオン的に拡散させることができる。
好適な内側基剤には、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化又は非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーン−炭酸塩共重合体(silicone carbonate copolymer)、例えばアクリル酸及びメタクリル酸のエステルのハイドロゲル、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール、及び一部加水分解された架橋ポリ酢酸ビニルなどの親水性ポリマーを含むが、これに限定されない。
好適な外側高分子膜には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニルをもつ塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコール三量体、及びエチレン/ビニルオキシエタノール(vinyloxyethanol)共重合体を含むが、これに限定されない。
5.4.4. 粒径
或る実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は、高い溶解性を有する、微粉化形態の化合物1を含む。或る実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は、高い溶解性及び/又は溶出速度を有する、ナノ粒子形態の化合物1を含む。
或る実施形態、本明細書で提供する薬剤組成物は、微粉化形態の化合物1を含むものであって、化合物1の粒子のうち>90%が、高い溶解性を有する約1から10ミクロンの間の直径(D90値)を有する。或る実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は、高い溶解性を有する約10ミクロン、約9ミクロン、約8ミクロン、約7ミクロン、約6ミクロン、約5ミクロン、約4ミクロン、約3ミクロン、約2ミクロン又は約1ミクロンのD90値を有する、微粉化形態の化合物1を含む。或る実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は、高い溶解性及び/又は溶出速度を有する、約1から5ミクロンの間のD90値を有する、微粉化形態の化合物1を含む。或る実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は、高い溶解性及び/又は溶出速度を有する、約5ミクロン、約4ミクロン、約3ミクロン、約2ミクロン又は約1ミクロンのD90値を有する、微粉化形態の化合物1を含む。或る実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は、高い溶解性を有する、ナノ粒子形態の化合物1を含む。特定の実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は、ナノ粒子形態の化合物1を含むものであって、化合物1の粒子のうち>90%が、約0.1ミクロン、約0.09ミクロン、約0.08ミクロン、約0.07ミクロン、約0.06ミクロン、約0.05ミクロン、約0.04ミクロン、約0.03ミクロン、約0.02ミクロン又は約0.01ミクロンのD90値を有する。
約2μmから約12μmである体積加重平均直径(volume weighted mean diameter)D[4,3]を有する微粉化形態の化合物1を、本明細書で提供する。約1μmから約3μmである表面加重平均直径(surface weighted mean diameter)D[3,2]を有する微粉化形態の化合物1もまた、本明細書で提供する。約5μmから約26μmの範囲のD90粒径、約1μmから約6μmの範囲のD50粒径、又は約0.1μmから約1.5μmの範囲のD10粒径を有する化合物1の形態を、本明細書でさらに提供する。
5.4.5. キット
本明細書で提供する薬剤組成物は、当業者にとって周知の包装材料を用いて製造した物品として提供可能である。薬剤包装材料の例としては、ブリスターパック、瓶、小包、小袋、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、シリンジ、点滴器、ならびに選択した剤形と意図する投与及び治療の形式とに好適である任意の包装材料が挙げられるが、これらに限定されない。
医師が使用する場合に、対象に対して適正量の活性成分の投与を簡単化することが可能であるキットを、本明細書で提供する。或る実施形態では、本明細書で提供するこのキットは、本明細書で提供する、容器及びある剤形の製剤とその使用上の指示を含む。或る実施形態では、キットに含まれる該指示により、化合物1投与のための投与量及び/又は投与レジメンに関する案内を提供する。
或る実施形態では、キットは、本明細書で提供するある剤形の製剤を含む容器、本明細書に記載する1つ又は複数の他の治療薬を含む容器を含む。或る実施形態では、該製剤は、経口懸濁剤用の白色からオフホワイトの散剤として提供する。或る実施形態では、該製剤は、基剤及び/又は懸濁化剤、界面活性剤及び/又は賦形剤を含む。或る実施形態では、該製剤は、経口懸濁剤用の顆粒として提供する。或る実施形態では、経口懸濁剤用の製剤は、有効原薬を125、250又は1000mg含有する用量力価で、アルミホイル箔の小児安全小袋(小包)に包装する。或る実施形態では、キットは、経口懸濁剤用の1回分又は複数回分の投与力価の製剤(125、250又は1000mg、又は一致するプラセボ)を含んだ小包又は小袋を備える。
本明細書で提供するキットは、活性成分の投与に用いるデバイスをさらに含むことが可能である。かかるデバイスの例としては、シリンジ、無針注射器、点滴バッグ、パッチ、点滴器、及び吸入器が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で提供するキットは、活性成分の投与に用いることが可能である薬剤的に許容される溶剤をさらに含むことが可能である。例えば、活性成分が、非経口投与の際に再調製の必要がある固形形態で提供されていれば、キットは、活性成分が溶解して非経口投与に好適である無粒子の無菌溶液を形成することが可能であるか、又は、活性成分を経口投与用の懸濁剤として再調製することが可能であるのに好適な溶剤の密封容器を含むことが可能である。薬剤的に許容される溶剤の例としては、これらに限定されるものではないがUSPの注射用蒸留水、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、ブドウ糖注射液、ブドウ糖・塩化ナトリウム注射液及び乳酸リンゲル注射液を含む、水性溶剤;これらに限定されるものではないがエタノール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールを含む、水混和性溶剤;ならびにこれらに限定されるものではないがコーン油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル及び安息香酸ベンジルを含む非水性溶剤が挙げられるが、これらに限定されない。
5.5. 使用方法
ナンセンス変異が介在するてんかん疾患を治療、予防、改善又は管理する方法であって、ナンセンス変異が介在するてんかん疾患を有する患者に1,2,4−オキサジアゾール安息香酸を投与することを含むものである該方法を、本明細書で提供する。特に、ナンセンス変異が介在するてんかん疾患を治療、予防、改善又は管理する方法であって、ナンセンス変異が介在するてんかん疾患を有する患者に有効量の1,2,4−オキサジアゾール安息香酸を投与することを含むものである該方法を、本明細書で提供する。また、ナンセンス変異又は未熟終止コドンに関連するてんかん疾患を治療、予防、改善又は管理する方法であって、ナンセンス変異又は未熟終止コドンに関連するてんかん疾患を有する患者に有効量の1,2,4−オキサジアゾール安息香酸を投与することを含むものである該方法を、本明細書で提供する。
未熟翻訳終結の変調によってナンセンス変異が介在するてんかん疾患を治療、予防、改善又は管理する方法であって、未熟翻訳終結の変調によって改善が可能であるナンセンス変異が介在するてんかん疾患の一種を有する患者に、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩及び本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む有効量の薬剤組成物を投与することを含むものである該方法もまた、本明細書で提供する。
或る実施形態では、有効量の1,2,4−オキサジアゾール安息香酸の対象への投与により、ナンセンス変異が介在するてんかん疾患を有する患者において以下に示す効果のうち1つ、2つ又はそれ以上の効果を奏する:(1)ナンセンス変異が介在するてんかん疾患の発症、発達及び/又は進行を予防する;(2)ナンセンス変異が介在するてんかん疾患に関連する1又は複数の症状の発症、発達及び/又は進行を予防する;(3)ナンセンス変異が介在するてんかん疾患の継続期間及び/又は重症度を軽減する;(4)ナンセンス変異が介在するてんかん疾患に関連する症状の数を軽減する;(5)ナンセンス変異が介在するてんかん疾患に関連する1又は複数の症状の継続期間を軽減する;(6)ナンセンス変異が介在するてんかん疾患に関連する1又は複数の症状の重症度を軽減する;及び(7)前記対象の生活の質が向上する。
或る実施形態では、有効量の1,2,4−オキサジアゾール安息香酸を対象へ投与することにより、後述のセクション6において本明細書に記載するようなナンセンス変異が介在するてんかん疾患を有する患者において以下に示す効果のうち1つ、2つ又はそれ以上の効果を奏する:(1)例えば痙攣発作、失立発作、運動発作、強直間代発作、片側痙攣発作、転倒発作、強直発作、局所運動発作及びミオクローヌス発作である、発作の頻度をベースラインより軽減する;(2)例えばミオクローヌス発作及び凝視(欠神又は複雑部分)発作である小型発作タイプの頻度を軽減する;(3)認知、運動、行動機能及び/又は生活の質が向上する;(4)けいれん発作が10分より長く続くと定義される、てんかん重積状態の発症数を軽減する;(5)救済薬物治療の使用回数を軽減する;(6)救急治療室への来院/入院の回数を軽減する。
本明細書に記載の方法に従って治療しようとするナンセンス変異が介在するてんかん疾患には、乳児重症ミオクローヌスてんかん(SMEI)としても知られるドラベ症候群、CDKL5、熱性痙攣(FS)、全般性てんかん熱性痙攣プラス(GEFS+)、家族性側頭葉てんかん、難治性小児てんかん、良性家族性新生児乳児痙攣(BFNIS)、良性家族性新生児痙攣(BFNIS)、若年性ミオクローヌスてんかん(JME)、小児欠神てんかん(CAE)、常染色体優性夜間前頭葉てんかん(ADNFLE)、原因不明全般性てんかん(CGE)、原因不明焦点性てんかん(CFE)、家族性焦点性てんかん、多彩な焦点を示す家族性焦点性てんかん(FFEVF)、家族性内側側頭葉てんかん(FMTLE)、常染色体優性外側側頭葉てんかん(ADLTE)、ミオクローヌス失立てんかん(MAE)、乳児重症特発全般性てんかん(SIGEI)、点頭てんかん(IS)及び早発型てんかん性脳症(EOEE)を含むが、これらに限定されない。或る実施形態では、本明細書に記載の方法に従って治療しようとする患者は、薬剤耐性てんかんを有する。
ナンセンス変異が介在するてんかん疾患の症状には、意識喪失、痙攣及び筋硬直を特徴とする痙攣発作、失立発作、全般性の一側性(片側の)間代発作又は全般性の強直性(大発作)発作;短時間の意識喪失を特徴とする欠神発作;通常体の両側での突発性の引きつりを特徴とする全般性のミオクローヌス発作;体の両側で同時に起こる反復性の、律動的な引きつりを特徴とする全般性の間代性発作;筋肉の硬直を特徴とする全般性の強直性発作;しばしば結果として意識を失う、特に両腕及び両脚での筋緊張の突然かつ全般的な喪失を特徴とする全般性の脱力発作;意識のある、痙攣、筋硬直、ひきつけ、頭部旋回を特徴とする単純運動部分発作(simple motor partial seizure);視覚、聴覚、嗅覚、味覚又は触覚のいずれかに影響する意識のある異常な感覚を特徴とする単純感覚部分発作(simple sensory partial seizure);意識のある記憶又は感情の障害を特徴とする単純精神的部分発作(simple psychological partial seizure);例えば唇を鳴らすこと、咀嚼、そわそわすること、歩行、及び他の反復性の不随意であるが協調した動作などの意識のある自動運動の機能障害を特徴とする複雑部分発作(焦点性認知障害発作);その後意識の喪失及び痙攣に発展する意識の保持(preservation)を特徴とする二次性全般化を伴う部分発作;てんかんにおける予期せぬ突然死(SUDEP);及び夜間発作が含まれる。
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患は、SCN1A、CDKL5、SCN2A、GABRG2、DEPDC5及びNAPBを含むがこれに限定されない、1つ又は複数の遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるナンセンス変異に由来する。
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患は、SCN1A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子における1又は複数のナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、SCN1A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子における1又は複数のナンセンス変異は、W192X、R222X、R568X、R701X、R854X、K1017X、W1261X、R1213X、W1408X、W952X、W1284X、S219fsX275、K1100fsX1107、L1670fsX1107及び/又はS1846fsX1856である。或る実施形態では、SCN1Aの一方又は両方の対立遺伝子におけるナンセンス変異に由来し、本発明の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患は、乳児重症ミオクローヌスてんかん(SMEI)としても知られるドラベ症候群である。一部の実施形態では、SCN1A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるW192Xナンセンス変異に由来するドラベ症候群を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、SCN1A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR222Xナンセンス変異に由来するドラベ症候群を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、SCN1A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR568Xナンセンス変異に由来するドラベ症候群を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、SCN1A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR701Xナンセンス変異に由来するドラベ症候群を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、SCN1A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR854Xナンセンス変異に由来するドラベ症候群を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、SCN1A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるL1017Xナンセンス変異に由来するドラベ症候群を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、SCN1A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるW1261Xナンセンス変異に由来するドラベ症候群を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、SCN1A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR1213Xナンセンス変異に由来するドラベ症候群を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、SCN1A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるW1408Xナンセンス変異に由来するドラベ症候群を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、SCN1A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるW952Xナンセンス変異に由来するドラベ症候群を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、SCN1A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるW1284Xナンセンス変異に由来するドラベ症候群を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、SCN1A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるS219fsX275ナンセンス変異に由来するドラベ症候群を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、SCN1A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるK1100fsX1107ナンセンス変異に由来するドラベ症候群を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、SCN1A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるL1670fsX1107ナンセンス変異に由来するドラベ症候群を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、SCN1A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるS1846fsX1856ナンセンス変異に由来するドラベ症候群を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患は、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子における1又は複数のナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子における1又は複数のナンセンス変異は、R59X、R550X、Q834X、R79X、Q118X、R134X、L142X、Q347X、R559X及び/又はR970Xである。或る実施形態では、CDKL5の一方又は両方の対立遺伝子におけるナンセンス変異に由来し、本発明の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患は、CDKL5である。一部の実施形態では、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR59Xナンセンス変異に由来するCDKL5が、本発明の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患である。一部の実施形態では、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR550Xナンセンス変異に由来するCDKL5が、本発明の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患である。一部の実施形態では、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるQ834Xナンセンス変異に由来するCDKL5が、本発明の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患である。一部の実施形態では、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR79Xナンセンス変異に由来するCDKL5が、本発明の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患である。一部の実施形態では、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるQ118Xナンセンス変異に由来するCDKL5が、本発明の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患である。一部の実施形態では、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR134Xナンセンス変異に由来するCDKL5が、本発明の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患である。一部の実施形態では、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるL142Xナンセンス変異に由来するCDKL5が、本発明の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患である。一部の実施形態では、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるQ347Xナンセンス変異に由来するCDKL5が、本発明の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患である。一部の実施形態では、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR559Xナンセンス変異に由来するCDKL5が、本発明の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患である。一部の実施形態では、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR970Xナンセンス変異に由来するCDKL5が、本発明の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患である。一部の実施形態では、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR59Xナンセンス変異に由来するCDKL5を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR550Xナンセンス変異に由来するCDKL5を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるQ834Xナンセンス変異に由来するCDKL5を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR79Xナンセンス変異に由来するCDKL5を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるQ118Xナンセンス変異に由来するCDKL5を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR134Xナンセンス変異に由来するCDKL5を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるL142Xナンセンス変異に由来するCDKL5を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるQ347Xナンセンス変異に由来するCDKL5を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR559Xナンセンス変異に由来するCDKL5を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR970Xナンセンス変異に由来するCDKL5を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患は、SCN2A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子における1又は複数のナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、SCN2A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子における1又は複数のナンセンス変異は、R102Xである。或る実施形態では、SCN2Aの一方又は両方の対立遺伝子におけるナンセンス変異に由来し、本発明の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患は、難治性小児てんかんである。一部の実施形態では、SCN2A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR102Xナンセンス変異に由来する難治性小児てんかんを有する患者を、本発明の方法に従って治療する。
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患は、GABRG2遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子における1又は複数のナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、GABRG2遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子における1又は複数のナンセンス変異は、R136X、W429X、Q40X、Q390X、Q1X、Q351X、W390X及び/又はY444Mfs51Xである。或る実施形態では、GABRG2の一方又は両方の対立遺伝子におけるナンセンス変異に由来し、本発明の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患は、全般性てんかん熱性痙攣プラス(GEFS+)、ドラベ症候群又は熱性痙攣(FS)である。一部の実施形態では、GABRG2遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR136Xナンセンス変異に由来するナンセンス変異が介在するてんかん疾患を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、GABRG2遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるW429Xナンセンス変異に由来するナンセンス変異が介在するてんかん疾患を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、GABRG2遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるQ40Xナンセンス変異に由来するナンセンス変異が介在するてんかん疾患を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、GABRG2遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるQ390Xナンセンス変異に由来するナンセンス変異が介在するてんかん疾患を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、GABRG2遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるQ1Xナンセンス変異に由来するナンセンス変異が介在するてんかん疾患を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、GABRG2遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるQ351Xナンセンス変異に由来するナンセンス変異が介在するてんかん疾患を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、GABRG2遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるW390Xナンセンス変異に由来するナンセンス変異が介在するてんかん疾患を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、GABRG2遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるY444Mfs51Xナンセンス変異に由来するナンセンス変異が介在するてんかん疾患を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患は、DEPDC5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子における1又は複数のナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、DEPDC5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子における1又は複数のナンセンス変異は、R555X及び/又はY306Xである。或る実施形態では、DEPDC5の一方又は両方の対立遺伝子におけるナンセンス変異に由来し、本発明の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患は、家族性焦点性てんかん、多彩な焦点を示す家族性焦点性てんかん(FFEVF)、家族性内側側頭葉てんかん(FMTLE)又は常染色体優性外側側頭葉てんかん(ADLTE)である。一部の実施形態では、DEPDC5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR555Xナンセンス変異に由来するナンセンス変異が介在するてんかん疾患を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。一部の実施形態では、DEPDC5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるY306Xナンセンス変異に由来するナンセンス変異が介在するてんかん疾患を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患は、NAPB遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子における1又は複数のナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、NAPB遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子における1又は複数のナンセンス変異は、S160Xである。或る実施形態では、NAPBの一方又は両方の対立遺伝子におけるナンセンス変異に由来し、本発明の方法に従って治療するナンセンス変異が介在するてんかん疾患は、早発型てんかん性脳症(EOEE)である。一部の実施形態では、NAPB遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるS160Xナンセンス変異に由来するナンセンス変異が介在するてんかん疾患を有する患者を、本発明の方法に従って治療する。
未熟翻訳終結の変調によってナンセンス変異が介在するてんかん疾患の症状を治療、予防、改善又は管理する方法であって、未熟翻訳終結の変調によって改善が可能であるナンセンス変異が介在するてんかん疾患の症状を有する患者に、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩及び本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む有効量の薬剤組成物を投与することを含むものである該方法を、本明細書でさらに提供する。
CDKL5関連てんかんを治療、予防、改善又は管理する方法であって、CDKL5関連てんかんを有する患者に、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩及び本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む有効量の薬剤組成物を投与することを含むものである該方法を、本明細書でさらに提供する。CDKL5関連てんかんの症状を治療、予防、改善又は管理する方法であって、CDKL5関連てんかんの症状を有する患者に、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩及び本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む有効量の薬剤組成物を投与することを含むものである該方法を、本明細書でさらに提供する。或る実施形態では、CDKL5関連てんかんは、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子における或る変異に由来する。或る実施形態では、CDKL5関連てんかんは、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR59Xナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、CDKL5関連てんかんは、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR550Xナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、CDKL5関連てんかんは、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるQ834Xナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、CDKL5関連てんかんは、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR79Xナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、CDKL5関連てんかんは、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるQ118Xナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、CDKL5関連てんかんは、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR134Xナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、CDKL5関連てんかんは、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるL142Xナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、CDKL5関連てんかんは、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるQ347Xナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、CDKL5関連てんかんは、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR559Xナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、CDKL5関連てんかんは、CDKL5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR970Xナンセンス変異に由来する。
SCN1A関連てんかんを治療、予防、改善又は管理する方法であって、SCN1A関連てんかんを有する患者に、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩及び本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む有効量の薬剤組成物を投与することを含むものである該方法を、本明細書でさらに提供する。SCN1A関連てんかんの症状を治療、予防、改善又は管理する方法であって、SCN1A関連てんかんの症状を有する患者に、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩及び本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む有効量の薬剤組成物を投与することを含むものである該方法を、本明細書でさらに提供する。或る実施形態では、SCN1A関連てんかんは、SCN1A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子における或る変異に由来する。
例えばドラベ症候群などのSCN1A関連てんかんを治療、予防、改善又は管理する方法を、本明細書でさらに提供する。ドラベ症候群を治療、予防、改善又は管理する方法であって、ドラベ症候群を有する患者に、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩及び本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む有効量の薬剤組成物を投与することを含むものである該方法もまた、本明細書で提供する。ドラベ症候群の症状を治療、予防、改善又は管理する方法であって、ドラベ症候群の症状を有する患者に、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩及び本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む有効量の薬剤組成物を投与することを含むものである該方法を、本明細書でさらに提供する。或る実施形態では、ドラベ症候群は、SCN1A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子における或る変異に由来する。或る実施形態では、ドラベ症候群は、SCN1A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるW192Xナンセンス変異に由来する。
SCN2A関連てんかんを治療、予防、改善又は管理する方法であって、SCN2A関連てんかんを有する患者に、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩及び本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む有効量の薬剤組成物を投与することを含むものである該方法を、本明細書でさらに提供する。SCN2A関連てんかんの症状を治療、予防、改善又は管理する方法であって、SCN2A関連てんかんの症状を有する患者に、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩及び本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む有効量の薬剤組成物を投与することを含むものである該方法を、本明細書でさらに提供する。或る実施形態では、SCN2A関連てんかんは、SCN2A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子における或る変異に由来する。或る実施形態では、SCN2A関連てんかんは、SCN2A遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR102Xナンセンス変異に由来する。
GABRG2関連てんかんを治療、予防、改善又は管理する方法であって、GABRG2関連てんかんを有する患者に、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩及び本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む有効量の薬剤組成物を投与することを含むものである該方法を、本明細書でさらに提供する。GABRG2関連てんかんの症状を治療、予防、改善又は管理する方法であって、GABRG2関連てんかんの症状を有する患者に、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩及び本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む有効量の薬剤組成物を投与することを含むものである該方法を、本明細書でさらに提供する。或る実施形態では、GABRG2関連てんかんは、GABRG2遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子における或る変異に由来する。或る実施形態では、GABRG2関連てんかんは、GABRG2遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR136Xナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、GABRG2関連てんかんは、GABRG2遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるW429Xナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、GABRG2関連てんかんは、GABRG2遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるQ40Xナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、GABRG2関連てんかんは、GABRG2遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるQ390Xナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、GABRG2関連てんかんは、GABRG2遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるQ1Xナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、GABRG2関連てんかんは、GABRG2遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるQ351Xナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、GABRG2関連てんかんは、GABRG2遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるW390Xナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、GABRG2関連てんかんは、GABRG2遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるY444Mfs51Xナンセンス変異に由来する。
DEPDC5関連てんかんを治療、予防、改善又は管理する方法であって、DEPDC5関連てんかんを有する患者に、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩及び本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む有効量の薬剤組成物を投与することを含むものである該方法を、本明細書でさらに提供する。DEPDC5関連てんかんの症状を治療、予防、改善又は管理する方法であって、DEPDC5関連てんかんの症状を有する患者に、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩及び本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む有効量の薬剤組成物を投与することを含むものである該方法を、本明細書でさらに提供する。或る実施形態では、DEPDC5関連てんかんは、DEPDC5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子における或る変異に由来する。或る実施形態では、DEPDC5関連てんかんは、DEPDC5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるR555Xナンセンス変異に由来する。或る実施形態では、DEPDC5関連てんかんは、DEPDC5遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるY306Xナンセンス変異に由来する。
NAPB関連てんかんを治療、予防、改善又は管理する方法であって、NAPB関連てんかんを有する患者に、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩及び本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む有効量の薬剤組成物を投与することを含むものである該方法を、本明細書でさらに提供する。NAPB関連てんかんの症状を治療、予防、改善又は管理する方法であって、NAPB関連てんかんの症状を有する患者に、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩及び本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む有効量の薬剤組成物を投与することを含むものである該方法を、本明細書でさらに提供する。或る実施形態では、NAPB関連てんかんは、NAPB遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子における或る変異に由来する。或る実施形態では、NAPB関連てんかんは、NAPB遺伝子の一方又は両方の対立遺伝子におけるS160Xナンセンス変異に由来する。
ナンセンス変異の存在に関して、ナンセンス変異が介在するてんかん疾患又は1又は複数のナンセンス変異が介在するてんかん疾患の症状を有する対象をスクリーニングする方法であって、ナンセンス変異が特定された場合に、有効量の3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又は本明細書で提供するその塩を含む有効量の薬剤組成物を患者に投与し、該疾患又はその症状の発症、再発、蔓延又は悪化の予防をすることが可能である該方法もまた、本明細書で提供する。ナンセンス変異の存在に関して、対象をスクリーニングする方法には、患者から得たサンプルの全エクソーム解析が含まれる。或る実施形態では、スクリーニングにより、対象がナンセンス変異を有することが確認されている。或る実施形態では、スクリーニングにより、患者がどの未熟終止コドンを有するか(すなわち、UAA、UGA又はUAG)が確認されている。
或る実施形態では、本明細書で提供する方法に従って治療する患者については、後述のセクション6において記載するものである。
或る実施形態では、本明細書で提供する方法に従って治療する患者は、年齢が2歳である。或る実施形態では、本明細書で提供する方法に従って治療する患者は、年齢が2歳より上である。或る実施形態では、本明細書で提供する方法に従って治療する患者は、年齢が12歳未満である。或る実施形態では、本明細書で提供する方法に従って治療する患者は、年齢が12歳である。或る実施形態では、本明細書で提供する方法に従って治療する患者は、年齢が2歳から12歳である。
或る実施形態では、本明細書で提供する方法に従って治療する患者は、1つ又は複数の対立遺伝子において、SCN1A欠損(特に、ドラベ症候群)であるナンセンス変異をもつと診断されている。或る実施形態では、本明細書で提供する方法に従って治療する患者は、1つ又は複数の対立遺伝子において、CDKL5欠損であるナンセンス変異をもつと診断されている。或る実施形態では、本明細書で提供する方法に従って治療する患者は、1つ又は複数の対立遺伝子において、SCN2A欠損であるナンセンス変異をもつと診断されている。或る実施形態では、本明細書で提供する方法に従って治療する患者は、1つ又は複数の対立遺伝子において、GABRG2欠損であるナンセンス変異をもつと診断されている。或る実施形態では、本明細書で提供する方法に従って治療する患者は、1つ又は複数の対立遺伝子において、DEPDC5欠損であるナンセンス変異をもつと診断されている。或る実施形態では、本明細書で提供する方法に従って治療する患者は、1つ又は複数の対立遺伝子において、NAPB欠損であるナンセンス変異をもつと診断されている。
或る実施形態では、本明細書で提供する方法に従って治療する患者は、薬剤耐性てんかんを有する。或る実施形態では、本明細書で提供する方法に従って治療する患者は、複数の抗てんかん薬での治療に反応しない。或る実施形態では、本明細書で提供する方法に従って治療する患者は、以下に示す抗てんかん薬のうちの1つ又は複数による治療に反応しない:バルプロ酸、ジバルプロックスナトリウム、フェニトイン、プリミドン、フェノバルビタール、カルバマゼピン、ジアゼパム、クロナゼパム、エトスクシミド、エスリカルバゼピン(Eslicarbazepine)、フェルバメート、ペランパネル、チアガビン、トピラメート、レベチラセタム及び/又はラモトリジン。
或る実施形態では、本明細書で提供する方法は、以下の式に従って24時間に3つの用量で、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物を投与することを含む:1X、1X、2X、ここでXは、活性薬剤の特定の用量(例えば、2mg/kg、5mg/kg、8mg/kg、10mg/kg、15mg/kg又は20mg/kg)である。或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物が、約1mg/kgから約3mg/kg(例えば、約2mg/kg)、約3mg/kgから約7mg/kg(例えば、約5mg/kg)、約6mg/kgから約10mg/kg(例えば、約8mg/kg)、約7mg/kgから約13mg/kg(例えば、約10mg/kg)、約13mg/kgから約17mg/kg(例えば、約15mg/kg)又は約18mg/kgから約22mg/kg(例えば、約20mg/kg)の用量の3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤として、複数の24時間の周期にわたって、24時間ごとに3回を持続的に投与されるものであり、複数の24時間の周期には、数日、数週間、数ヶ月又は数年を含むが、これに限定されない。別の或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物は、数週間、数ヶ月間又は数年間、約5mg/kgから約9mg/kg(例えば、約7mg/kg)と、約5mg/kgから約9mg/kg(例えば、約7mg/kg)と、約12mg/kgから約16mg/kg(例えば、約14mg/kg)とである用量の活性薬剤で、24時間ごとに3回を持続的に投与する。或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物は、数日間、数週間、数ヶ月間又は数年間、約8mg/kgから約12mg/kg(例えば、約10mg/kg)と、約8mg/kgから約12mg/kg(例えば、約10mg/kg)と、約18mg/kgから約22mg/kg(例えば、約20mg/kg)とである用量の活性薬剤で、24時間ごとに3回を持続的に投与する。或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物は、数日間、数週間、数ヶ月間又は数年間、約18mg/kgから約22mg/kg(例えば、約20mg/kg)と、約18mg/kgから約22mg/kg(例えば、約20mg/kg)と、約38mg/kgから約42mg/kg(例えば、約40mg/kg)とである用量の活性薬剤で、24時間ごとに3回を持続的に投与する。活性薬剤を投与するものである24時間の各周期においては、およそ6−、6及び12−時間の間隔(例えば、朝食後午前7:00頃、昼食後午後1:00頃、夕食後午後7:00頃)で3回投与するのが好ましい。
別の或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物は、数日間、数週間、数ヶ月間又は数年間、2mg/kgと、2mg/kgと、4mg/kgとである用量の活性薬剤で、24時間ごとに3回を持続的に投与する。活性薬剤を投与するものである24時間の各周期においては、およそ6−、6及び12−時間の間隔(例えば、朝食後午前7:00頃、昼食後午後1:00頃、夕食後午後7:00頃)で3回投与するのが好ましい。別の或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物は、数日間、数週間、数ヶ月間又は数年間、朝2mg/kgと、昼2mg/kgと、夕4mg/kgとである用量で、24時間ごとに3回を持続的に投与する。さらに別の或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物は、12週間、朝2mg/kgと、昼2mg/kgと、夕4mg/kgとである用量で、24時間ごとに3回を持続的に投与する。
別の或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物は、数日間、数週間、数ヶ月間又は数年間、5mg/kgと、5mg/kgと、10mg/kgとである用量の活性薬剤で、24時間ごとに3回を持続的に投与する。活性薬剤を投与するものである24時間の各周期においては、およそ6−、6及び12−時間の間隔(例えば、朝食後午前7:00頃、昼食後午後1:00頃、夕食後午後7:00頃)で3回投与するのが好ましい。別の或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物は、数日間、数週間、数ヶ月間又は数年間、朝5mg/kgと、昼5mg/kgと、夕10mg/kgとである用量で、24時間ごとに3回を持続的に投与する。さらに別の或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物は、12週間、朝5mg/kgと、昼5mg/kgと、夕10mg/kgとである用量で、24時間ごとに3回を持続的に投与する。
別の或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物は、数日間、数週間、数ヶ月間又は数年間、8mg/kgと、8mg/kgと、16mg/kgとである用量の活性薬剤で、24時間ごとに3回を持続的に投与する。活性薬剤を投与するものである24時間の各周期においては、およそ6−、6及び12−時間の間隔(例えば、朝食後午前7:00頃、昼食後午後1:00頃、夕食後午後7:00頃)で3回投与するのが好ましい。別の或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物は、数日間、数週間、数ヶ月間又は数年間、朝8mg/kgと、昼8mg/kgと、夕16mg/kgとである用量で、24時間ごとに3回を持続的に投与する。さらに別の或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物は、12週間、朝8mg/kgと、昼8mg/kgと、夕16mg/kgとである用量で、24時間ごとに3回を持続的に投与する。
別の或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物は、数日間、数週間、数ヶ月間又は数年間、10mg/kgと、10mg/kgと、20mg/kgとである用量の活性薬剤で、24時間ごとに3回を持続的に投与する。活性薬剤を投与するものである24時間の各周期においては、およそ6−、6及び12−時間の間隔(例えば、朝食後午前7:00頃、昼食後午後1:00頃、夕食後午後7:00頃)で3回投与するのが好ましい。別の或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物は、数日間、数週間、数ヶ月間又は数年間、朝10mg/kgと、昼10mg/kgと、夕20mg/kgとである用量で、24時間ごとに3回を持続的に投与する。さらに別の或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物は、12週間、朝10mg/kgと、昼10mg/kgと、夕20mg/kgとである用量で、24時間ごとに3回を持続的に投与する。
別の或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物は、数日間、数週間、数ヶ月間又は数年間、15mg/kgと、15mg/kgと、30mg/kgとである用量の活性薬剤で、24時間ごとに3回を持続的に投与する。活性薬剤を投与するものである24時間の各周期においては、およそ6−、6及び12−時間の間隔(例えば、朝食後午前7:00頃、昼食後午後1:00頃、夕食後午後7:00頃)で3回投与するのが好ましい。別の或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物は、数日間、数週間、数ヶ月間又は数年間、朝15mg/kgと、昼15mg/kgと、夕30mg/kgとである用量で、24時間ごとに3回を持続的に投与する。さらに別の或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物は、12週間、朝15mg/kgと、昼15mg/kgと、夕30mg/kgとである用量で、24時間ごとに3回を持続的に投与する。
別の或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物は、数日間、数週間、数ヶ月間又は数年間、20mg/kgと、20mg/kgと、40mg/kgとである用量の活性薬剤で、24時間ごとに3回を持続的に投与する。活性薬剤を投与するものである24時間の各周期においては、およそ6−、6及び12−時間の間隔(例えば、朝食後午前7:00頃、昼食後午後1:00頃、夕食後午後7:00頃)で3回投与するのが好ましい。別の或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物は、数日間、数週間、数ヶ月間又は数年間、朝20mg/kgと、昼20mg/kgと、夕40mg/kgとである用量で、24時間ごとに3回を持続的に投与する。さらに別の或る実施形態では、3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸又はその塩ならびに本明細書で提供する1つ又は複数の薬剤的に許容される担体及び賦形剤を含む薬剤組成物は、12週間、朝20mg/kgと、昼20mg/kgと、夕40mg/kgとである用量で、24時間ごとに3回を持続的に投与する。
或る実施形態では、本明細書で提供する薬剤組成物は、後述のセクション6において本明細書で提供する治療レジメンに従って、患者に投与する。
化合物1の治療効果は、釣鐘状の用量反応曲線となるものであり、特定の範囲内で或る定常状態の血漿中濃度を達成して維持することにより、結果的に最大活性となる。このため、化合物1の治療上有効な血漿中濃度を達成するために、それぞれの患者で、特定の投与量(すなわち、1X、1X、2Xであって、ここでXは例えば2mg/kg、5mg/kg、8mg/kg、10mg/kg、15mg/kg又は20mg/kgなどの特定の用量)を必要とし得ると考えられる。
或る実施形態では、本明細書で提供する方法は、少なくとも約2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、8、12又は24時間以上の間、患者体内で約0.1μg/mL、約0.5μg/mL、約2μg/mL、約5μg/mL、約10μg/mL、約20μg/mL、約25μg/mL、約40μg/mL、約50μg/mL、約100μg/mL、約150μg/mL、約200μg/mL、約250μg/mL又は約500μg/mLを超える、化合物1の血漿中濃度を維持することを含む。血漿中の化合物1の濃度は、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定可能である。
別の実施形態では、本明細書で提供する方法は、少なくとも約2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、8、12又は24時間以上の間、患者体内で約0.1μg/mLから約500μg/mL、約2μg/mLから約40μg/mL、約2μg/mLから約20μg/mL、約2μg/mLから約10μg/mL又は約10μg/mLから約20μg/mLを超える、化合物1の血漿中濃度を維持することを含む。
一部の実施形態では、化合物1は、少なくとも1つの追加の治療薬と組み合わせて投与する。一部の実施形態では、該追加の治療薬は、化合物1の投与前、化合物1の投与後、化合物1の投与と同時に、又はそれらを組み合わせて投与する。一部の実施形態では、該追加の治療薬は、ラロニダーゼ(より詳細には、α−L−イズロニダーゼ)及び/又は1つもしくは複数の抗ヒスタミン剤である。
或る実施形態では、化合物1を、1又は複数の治療法と組み合わせて用いて、ナンセンス変異が介在するてんかん疾患を治療する。或る実施形態では、化合物1又は本明細書で提供する薬剤組成物と組み合わせて、ナンセンス変異が介在するてんかん疾患を治療、予防、改善又は管理するために用いる1又は複数の治療法は、抗痙攣薬である。或る実施形態では、化合物1又は本明細書で提供する薬剤組成物と組み合わせて、ナンセンス変異が介在するてんかん疾患を治療、予防、改善又は管理するために用いる1又は複数の治療法は、バルプロ酸、ジバルプロックスナトリウム、フェニトイン、プリミドン、フェノバルビタール、カルバマゼピン、ジアゼパム、クロナゼパム、エトスクシミド、エスリカルバゼピン、フェルバメート、ペランパネル、チアガビン、トピラメート、レベチラセタム及び/又はラモトリジンである。
必要な患者に投与する薬剤組成物又は活性薬剤の量は、当該患者の実際の体重又は当該患者母集団(例えば、成人及び小児を含む、男性又は女性)の平均体重に基づいて算出する、又は算出することが可能である、ということが理解されるであろう。
6. 実施例
6.1. アタルレンが、SCN1A及びCDKL5のmRNA配列において、未熟終止コドンの濃度依存性リードスルーを促す。
SCN1A及びCDKL5のmRNA配列に存在する未熟終止コドンにおける、化合物がもつリードスルー活性を評価するために、ルシフェラーゼレポーターコンストラクトを生成した。図1は、SCN1Aナンセンス変異W192X(UAG未熟終止)のリードスルー活性のモニタリングに用いるレポーターコンストラクトの図である。図2は、CDKL5ナンセンス変異R59X(UGA未熟終止)のリードスルー活性のモニタリングに用いるレポーターコンストラクトの図である。図3は、CDKL5ナンセンス変異R550X(UGA未熟終止)のリードスルー活性のモニタリングに用いるレポーターコンストラクトの図である。各コンストラクトにおいて、ルシフェラーゼレポーターは、アミノ末端には3XHAエピトープ標識を、C末端にはFLAGエピトープ標識を伴う。TPI遺伝子からのイントロンを、ルシフェラーゼ遺伝子に挿入した。疾患関連ナンセンス変異を包含するSCN1A(図1を参照)及びCDKL5(図2及び3を参照)の配列を、未熟終止コドンでのリードスルーにより結果的に機能性ルシフェラーゼタンパク質の産生をもたらすように、レポーター配列にインフレームで導入した。
SCN1A−Trp192xコンストラクト(図1)、CDKL5−R59Xコンストラクト(図2)又はCDKL5−R550Xコンストラクト(図3)のいずれかを、293H細胞に形質移入した。該細胞は、溶媒(DMSO)又は3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸(アタルレン)(漸減濃度、3uMで開始)で、24時間処理した。各コンストラクトで、未熟終止コドンにおけるリードスルーを促すアタルレンの能力を測定し、相体発光量(relative light unit)(y軸)としてまとめた。その結果を図4(SCN1A)及び図5(CDKL5)に示している。SCN1A及びCDKL5のmRNAの配列に挿入した未熟終止コドンの濃度依存性リードスルーを、アタルレンが促すことを結果が示している。
6.2. ナンセンス変異CDKL5又はドラベ症候群をもつ患者における薬剤耐性てんかんに関する、アタルレンの安全性及び忍容性についての第II相ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験のプロトコル
この実施例には、ヒト研究試験のための臨床研究プロトコルを記載する。この試験は、プロトコル、米国(US)政府研究基準、ならびに優良臨床試験基準(GCP(Good Clinical Practice))の適用可能な国際標準、及び機関の研究方針及び手順に従って進める。臨床プロトコルの概要については、以下の表1を参照されたい。略語の列記については、以下の表2を参照されたい。
表1:臨床プロトコルの概要
表2:略語リスト
6.2.1. アタルレン
この試験に用いるアタルレン(3−[5−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]安息香酸)は、アルミホイル箔の小児安全小包又は小袋に包装した懸濁剤用の白色からオフホワイトの散剤/顆粒の形態である。各小包又は小袋は、剤形重量全体の25%である、125、250又は1000mgの原薬を含有する。
6.2.1.1. プラセボ
プラセボ対照臨床試験用のプラセボは、懸濁剤用の白色からオフホワイトの散剤/顆粒として提供する。プラセボ散剤/顆粒は、125、250又は1000mgの原薬を含有する活性薬物の充填重量と一致する小包又は小袋で与えられる。プラセボは、活性薬物と同様であるが、いずれも約50%の散剤/顆粒を含むものであるさらなる賦形剤(微結晶性セルロース)及び増量したマンニトールでアタルレンを置き換えた点が異なる。
6.2.2. 試験デザイン
クロスオーバー試験デザインは通常、統計学的に効率がよいため、必要な対象数は、より少ない。さらに、クロスオーバーする患者はそれぞれ、彼ら自身の対照として機能するため、共変量の交絡における影響は軽減される。12週の治療期間により、患者の発作の挙動及びQOLにおける変化を評価するのに十分な時間が与えられる一方で、患者の適切なモニタリングをも可能にする。この患者母集団に対する治療の選択肢は最小限であるため、このクロスオーバー試験における脱落率は低いことが予想される。
この試験は、第II相の介入試験であり、以下を含む:スクリーニング(第−4週から第0週/1日目)、治療期間1(第0週/1日目から第12週)、休薬期間(第12週から第16週)、治療期間2へのクロスオーバー(第16週から第28週)及び経過観察(第28週から第32週)。
試験デザインを図6に示している。事象のスケジュールは、表3に提供している。
6.2.2.1. 薬物投与計画
患者に、各治療期間の間、アタルレン又はプラセボを12週間投与する。治療期間1の後、4週間の休薬期間が続く。アタルレンPK及び薬力学試験データに基づいて、4週間の休薬期間は、アタルレンのあらゆる薬効が除去されるのに適切な長さの期間であるとみなされる。休薬期間に次いで、治療期間2の間、患者をクロスオーバーしてこれまでと反対の治療を受ける。
・治療期間1の間アタルレンを投与した患者は、治療期間2の間プラセボを投与する
・治療期間1の間プラセボを投与した患者は、治療期間2の間アタルレンを投与する
試験薬物は1日に3回(TID)投与する。投与すべき用量は:朝10mg/kg、昼10mg/kg及び夕20mg/kgである。
投与は、ベースライン時の患者の体重に基づく。体重は、診療所来院ごとに評価する。患者の体重が、ベースラインから≧10%で変化していれば、実際の用量を再計算してもよい。
試験薬物の初回投与を、診療所で投与し、投与日時を記録する。各治療期間の終わりに、診療所来院前夜に(すなわち、第6回来院/第12週の前夜[治療期間1の終わり]及び第18回来院/第28週の前夜[治療期間2の終わり])、試験薬物の最終投与を行う。
6.2.2.2. 試験上のリスク及び利点
6.2.2.2.1. 試験薬物のリスク
全ての患者は、試験全体を通して、有害事象に関して厳重にモニタリングされる。
アタルレンは、CYP2C9及びCYP2C8に対する弱い阻害剤である。アタルレンと、CYP2C8及びCYP2C9の基質との間における臨床薬物相互作用試験は行われていない。アタルレンは、主にCYP2C8又はCYP2C9により代謝される薬物の血漿中濃度を増加させる可能性を有し、それにはCYP2C8又はCYP2C9の基質である狭い治療指数(narrow therapeutic index)の薬物が含まれる。これら酵素系により代謝される他の併用AED及び他の薬物濃度の影響はわかっていないが、それらの濃度の増加は潜在毒性につながり得る。したがって、AED血漿中濃度は、ベースライン時と、各治療期間の初回のアタルレン投与後の4週目(すなわち、第4回来院/第4週及び第14回来院/第20週)とに測定する。AEDは、毒性の兆候及び症状ならびに/又は薬物濃度の変化に基づいて、必要に応じて調節してよい。
6.2.3. 試験の目的
この試験の主要目的は以下のとおりである:
・ ナンセンス変異に由来する例えばドラベ症候群などのCDKL5関連てんかん又はSCN1A関連てんかんをもつ患者における、アタルレンの安全性プロファイルの明らかにすること
この試験の副次的目的は以下のとおりである:
・ ナンセンス変異に由来する例えばドラベ症候群などのCDKL5関連てんかん又はSCN1A関連てんかんをもつ患者における、アタルレン治療後の、痙攣発作及び/又は失立発作の頻度のベースラインからの変化を評価すること
・ ナンセンス変異に由来する例えばドラベ症候群などのCDKL5関連てんかん又はSCN1A関連てんかんをもつ患者における、アタルレン治療後の、小型発作の種類(欠神、ミオクローヌス、複雑部分/焦点性認知障害)における変化を確認すること
この試験の探索的目的は以下のとおりである:
・ナンセンス変異に由来する例えばドラベ症候群などのCDKL5関連てんかん又はSCN1A関連てんかんをもつ患者における、アタルレン治療後の、認知、運動、行動機能及び生活の質(QOL)のベースラインからの変化を評価すること
6.2.4. 評価項目
6.2.4.1. 主要評価項目
この試験の主要試験評価項目は以下を含む:
・あらゆる有害事象又は重篤有害事象(SAE)の種類、頻度、重症度、タイミング及び試験薬物との関係性を特徴とするアタルレンの全体的な安全性プロファイル;有害事象又はSAEに起因する、身体的検査、検査結果及び薬物中断における変化
6.2.4.2. 主要評価項目の副次的評価項目
この試験の副次的評価項目は以下のとおりである:
・ ベースラインからの発作頻度の変化 計測対象の運動発作は、強直間代発作、片側痙攣発作、転倒発作、強直発作及び局所運動発作である。
・ ミオクローヌス発作における効果(すなわち、永続的か非永続的か)もまた評価する。
・ データは、ベースラインとベースライン後4週ごとの来院時との間に収集し、以下における変化を特定する:
o 10分より長く続く痙攣として定義されている、てんかん重積状態の発症数
o 救済薬物治療の使用回数
o 救急治療室への来院/入院の回数
6.2.4.3. 探索的評価項目
探索的評価項目は以下を含む:
・ 小型発作タイプにおける変化
o ミオクローヌス発作の回数
o 凝視(欠神又は複雑部分)発作の回数
さらに、てんかんの重症度、認知及び運動尺度、QOLならびに安全性及び忍容性を、以下の手段を用いて評価する。
1. Behavior Assessment System for Children:Third Edition(Sabaz et al.Epilepsy Behav.2003,4(6):680−91)を用いた、人格及び行動の臨床的測定及び適応測定の評価。
2. Preschool Language Scale,Fourth Edition(PSL−4)(Zimmerman et al 2002)で測定する言語能力。
3. Vineland Adaptive Behavior Scales,Second Edition(VABS−II)(Sparrow et al 2005)で測定する行動機能の適応レベル。
4. 小児期てんかんにおける生活の質(QOLCE(Quality of Life in Childhood Epilepsy))(Sabaz et al.Epilepsy Behav.2003,4(6):680−91)で評価する生活の質。
6.2.4.4. 選択(inclusion)の脱落
この試験に選ばれる患者は、以下の基準に適合していなくてはならない:
1. 第0週で(インフォームドコンセントの時点/賛意書に署名の時点)、年齢≧2、≦12歳の男性又は女性。
2. 診療記録、遺伝子検査及び次の臨床兆候により明示されるような、SCN1A欠損(特に、ドラベ症候群)又はCDKL5欠損に関する1つの対立遺伝子でのナンセンス変異についての診断文書の提示:
a. 治療量での2以上のAEDによる適切な試験にもかかわらず、発作の制御の不良
3. 最低でもスクリーニング来院の前の4週間、安定用量での1つから3つのベースラインAED
a. 迷走神経刺激療法(VNS)、ケトン食療法及び修正アトキンス食療法は、この制限に計数しないが、登録前の3ヶ月間は変更してはならない。
4. VNSは、最低でもスクリーニング来院の前の3ヶ月の間、安定な設定値でなければならない。
5. ケトン食療法及び修正アトキンス食療法であれば、最低でもスクリーニング来院の前の3ヶ月の間、安定比とするものでなければならない。
6. 患者又は患者の法定代理人より得られる書面同意は、あらゆる試験手順を行う前に得られていなければならない。
7. ランダム化前の、4週間の日誌スクリーニングの間、継続時間が3秒より長い痙攣発作又は失立発作が最低6回。
6.2.4.5. 除外基準
以下の除外基準のいずれかに適合している場合、この試験に患者を含むことができない:
1. 患者の年齢が2歳未満又は12歳より上である。
2. SCN1A欠損(特に、ドラベ症候群)又はCDKL5欠損以外の遺伝子欠損に関連したてんかんである。
3. 患者が有するSCN1A(ドラベ)又はCDKL5遺伝子変異が、ナンセンス変異ではない。
4. 登録(ベースライン来院)前、過去12ヶ月以内にフェルバトールが開始されている。
5. 患者が、現在臨床試験に関与している、又は、登録(ベースライン来院)前、過去30日に臨床試験に関与している。
6. 研究実施者の見解において、患者の安全性に不利に影響するおそれがあるような事前又は進行中の病状(例えば、付随する疾患、精神状態)、病歴、身体的所見又は臨床所見の異常により、試験薬物の投与又は経過観察の過程が完了されない可能性がある、又は、試験結果の評価を害するおそれがある。
6.2.4.6. 患者の募集及びスクリーニング
試験のために、主任研究実施者(PI)又はサブ研究実施者の臨床診療より、ナンセンス変異SCN1A(ドラベ症候群)患者8人及びナンセンス変異CDKL5患者8人を募集する。定期的な来院の間で、試験の基準を満たす患者/両親/法定後見人に、試験への参加を希望するか否かを質問する。2歳から12歳の間の任意の民族の男性及び女性の患者を、選択に関して評価する。定期的な来院の間で、研究実施者が、見込みのある患者/両親/法定後見人それぞれに試験の特徴を伝え、可能性のあるリスク及び試験に関連する手順を説明する。患者/両親/法定後見人は、同意であれば、いずれの試験手順を開始する前に、インフォームドコンセントの書類が手渡され、一読し署名する。患者の情報を利用するのは、PI、サブ研究実施者及びこの試験に列記された他の人員のみである。試験患者/両親/法定後見人がインフォームドコンセントに署名したら、スクリーニング手順を開始することができる。
6.2.4.7. ランダム化
患者が必要なスクリーニング評価を完了し、研究実施者によって適格であることを確認した後、患者は試験に対してランダム化されることが可能である。
16人の患者(CDKL5ナンセンス変異をもつ8人、SCN1Aナンセンス変異をもつ8人)を登録する。各欠損グループ内で、患者を、1対1の割合で、治療期間1の間の可能性のある2つの治療割付のうちの一方にランダム化する。
・ プラセボ
・ アタルレン(10、10、20mg/kg/日)
6.2.4.8. 盲検
外観、味、臭い、包装、ラベル、投与日程が活性薬物と一致するようなプラセボの使用により、治療の正体を隠す。中間のDMCレビューの時点及び試験の終了時点でDMCによって要求された場合、試験の終了前に、患者の非常事態の場合にのみ、非盲検を行う。非常事態の非盲検以外は、アタルレン臨床開発プログラム全体に関するこうしたデータを明らかにすることの示唆が研究実施者によって決定されるまで、個々の患者、両親/介護人及び医療機関人員に対して、ランダム化された治療割りつけを通知しない。
6.2.5. 患者の早期の治療中止
6.2.5.1. 患者を治療中止するとき及び患者の治療中止方法
患者もしくは患者の法廷後見人又は研究実施者が、継続することが患者の利益にならないことを感じた場合はいつでも、患者の試験薬物を中断することができる。以下に、可能性のある試験薬物中断理由を列記する:
1. 両親/後見人による同意の撤回
2. 患者が試験手順に協力的でない
3. プロトコル違反により試験薬物の中断が必要となる
4. 深刻な認知もしくは行動毒性、肝機能及び腎機能障害又は造血障害などの重要な毒性を含む、深刻な有害事象
5. 他の既知の誘発因子を原因としない、発作の悪化
6. 容認できない毒性につながる併用AEDレジメンとの相互作用 可能であれば、薬物治療の調節を回避し、研究実施者の裁量で、対象を試験から外すことが求められ得る。
患者が試験薬物を中断しなければならない場合、試験薬物からの中断方法は、反応の種類及び/又は中止理由に基づいて決定する。例えば、患者が急速進行性の発疹を経験しているのであれば、試験薬物を唐突に中止することとなるが、患者が過度の疲労を経験しているのであれば、試験薬物を徐々に中止することができる。中止方法の話し合いは、患者及び/又は患者の両親/法定後見人及び医師の間で行う。
6.2.5.2. 中止患者に関するデータ収集及び経過観察
試験を中止した全ての患者に、試験薬物の最終投与後の4週目に、最後の来院が1回ある。患者/両親/法定後見人が患者/両親/法定後見人に対する4回の電話連絡で連絡をとることができない場合は、公認の書面を患者/両親/法定後見人に送付する。
6.2.6. 試験薬物
6.2.6.1. アタルレン
アタルレンは、経口懸濁剤用の白色からオフホワイトの散剤として提供する。原薬及び薬物産物は、医薬品適正製造基準(cGMP(current Good Manufacturing Practices))の条件下で製造する。剤形は、製造工程で役立つ基剤及び懸濁化剤、界面活性剤ならびに様々な賦形剤を含む。経口懸濁剤用の散剤/顆粒は、アルミホイル箔の小児安全小袋(小包)に包装し、125、250又は1000mgの有効原薬を含有する用量力価で供給する。賦形剤は全て、薬剤的に又は食品グレードで試験し、概して安全であると認められている。
6.2.6.2. プラセボ
白色からオフホワイトの散剤/顆粒のプラセボ剤形は、経口懸濁剤用で提供する。プラセボ剤形は、cGMP条件下で製造した。乾燥散剤/顆粒及び薬物の懸濁剤は、外観、臭い及び味が活性剤形と一致する。プラセボ剤形は、活性薬物において用いるものと同様の賦形剤を含有する。プラセボは、125、250又は1000mgの用量力価の活性薬物の小袋それぞれと一致する、同様のアルミホイル箔の小児安全小袋(小包)に包装する。
6.2.6.3. 薬物キット
薬物キットが提供され、そのそれぞれが、用量力価(125、250又は1000mg、又は一致するプラセボ)のうちの1つの小包又は小袋を65包含有する。
6.2.6.4. 治療レジメン
患者に、各治療期間の間、盲検化されたアタルレン又はプラセボを12週間投与する。各患者は、彼らのキログラムでの体重に基づいた用量で開始する。試験薬物は、10mg/kg、10mg/kg及び20mg/kg(それぞれ朝、昼及び夕)をTIDで投与する。該用量は、125、250及び1000mgの箔小包又は箔小袋から投与する。
用量は、ベースライン時の患者の体重に基づく。体重は、診療所来院ごとに評価する。患者の体重が、ベースラインから≧10%で変化していれば、実際の用量を再計算してもよい。
試験薬物の初回投与を、診療所で投与し、投与日時を記録する。各治療期間の終わりに、診療所来院前夜に(すなわち、第6回来院/第12週の前夜[治療期間1の終わり]及び第18回来院/第28週の前夜[治療期間2の終わり])、試験薬物の最終投与を行う。
各投与は、食前又は食後のおよそ30分以内に行われるべきである。投与の間隔は、朝と昼の投与の間をおよそ6時間(±1時間)とし、昼と夜の投与の間をおよそ6時間(±1時間)とし、夜の投与と翌朝の投与との間をおよそ12時間(±1時間)とする。
6.2.6.5. 投与の遅延に関する指示
試験薬物(盲検化されたアタルレン又はプラセボ)投与における投与遅延は、以下のガイドラインを忠実に遵守されたい:
・ 試験薬物の投与が≦1時間で遅延した場合、予定した用量を投与し、続く用量スケジュールに何も変更のないものとされたい。
・ 試験薬物の投与の遅延が1時間を超えるが≦4時間であった場合、予定した用量を投与すべきであるが、その日の全てのその後の用量は、概ね対応する量で後にずらすべきである。
・ 試験薬物の投与が4時間遅延した場合、その用量は投与すべきではない。試験薬物の投与は継続できるが、投与し損じた用量は投与すべきではなく、予定した続く試験薬物の投与のタイミングは変更するべきではない。
6.2.6.6. 試験薬物の調製及び保存
試験薬物の小袋は、室温で、再調製の時まで小児の届かないところで保存するべきであり、用量調製の時点でのみ開封するべきである。各包の全内容物を少なくとも30mL(1オンス)の液体(水、牛乳、フルーツポンチ)又は3匙の半固形食(ヨーグルト又はアップルソース)と混合されたい。小袋の全内容物を少なくとも30mL(1オンス)の液体(例えば、水、牛乳)又は3匙の半固形食(ヨーグルト、プディング又はアップルソース)と混合されたい。投与前に調製した薬剤を十分に混合する。患者の好みに応じて液体又は半固形食を増量してよい。
調製後の各薬剤は調製後速やかに投与するのが最良である。調製後の薬剤は、冷蔵(2から8°C)では調製後24時間以内、室温(15から30°C)では3時間以内に投与しない場合、廃棄すること。診療所スタッフは、用量ごとに各キットから取り出すべき小袋の特定の数について各患者又は両親/介護人に指示し、薬物調製に関して詳細な口頭の指示を提供する。さらに、詳細な書面による薬物の混合及び投与の指示を、薬品を調剤するときに、患者又は両親/介護人に提供する。
6.2.6.7. 治療グループへの患者の割付方法
この介入試験には、患者が現存のバックグラウンドのAEDレジメンを越えて活性薬物療法を受けることのない、プラセボ試験を包含する。アタルレン及びプラセボの治療数の割付は、盲検化でのランダム化スケジュールに従って完成する。
ランダム化は、偏りを軽減するために許容されている手段であり、治療効果の記録において最高水準のエビデンスを可能にする。置換ブロックランダム化法を使用する。かかる方法により、所定の層別因子に関してのみならず各治療群における患者数に関して、治療群を均衡させることができる。この方法は、熟練の開発業務受託機関(CRO(clinical research organization))によって確立及び実行されて、音声自動応答システム/ウェブ自動応答システム(IVRS/IWRS)のシステムを介して、ランダム化の完全性及び安全性が最大化され、研究医療機関による適切な利用及び便宜を確実にする。該方法は、既知のブロックサイズに基づく治療の割付に関して、医療機関人員による推測を妨げるのに十分であるべきである。不均衡なランダム化による検出力の低下を回避するために、アタルレン:プラセボの1:1でのランダム化を計画している。
試験薬物の盲検化の失敗(compromise)の可能性を最小化するため、かつ、家族内で活性薬物とプラセボとを混合するという不注意な投与過誤又は意図的な試みの機会を軽減するために、そうしたことが発生する場合には、ランダム化システムは、続いて登録した家族のメンバー(例えば、きょうだい)を、最初に登録している家族のメンバーと同じ治療グループに割り当てる。このアプローチには過去に先例がある[Ballard 2006]。
この試験において患者をランダム化し、試験薬物を開始する準備ができたら、PI又は権限のある被指名者が、適切な量の盲検化された試験薬剤を調剤し、患者及び/又は患者の両親/法定後見人に配布する。予約を取る前に、正確な投与量の投与及びスケジュールについての徹底的な指示を説明し、完全に理解される。
6.2.6.8. 患者のコンプライアンスの監視
試験チームは、試験薬物レジメンに対する患者のコンプライアンスを、臨床評価、及び経過観察のメール又は電話連絡により評価及び追跡する。患者は、試験治療の初回投与後の最初の2週間の来院から、試験薬物レジメンにおけるその後最大10ヶ月間、毎月臨床評価に関して確認される。試験薬物レジメンに対して有意にノンコンプライアンス(<80%、又は>120%)である患者はいずれも、PIにより試験から除外する。
6.2.6.9. 事前治療及び併用治療
試験全体を通して、試験薬物を投与する治療期間中を含み、患者は、ベースライン来院前の少なくとも4週間、1つから3つの薬物よりなる患者の現在のAEDレジメンを安定用量で継続する。併用AED濃度を、ベースライン来院時と試験中とに収集し、相互作用の可能性を評価する。患者がVNSを有する場合、この設定値は、ベースライン来院前の最低4週間は、安定比とするものでなければならない。また、患者がケトン食療法を行っている場合、ベースライン来院前の少なくとも3ヶ月間、安定比であったものでなければならない。試験中、併用AEDの全てを許可するが、フェルバトールは、登録前(ベースライン)に≧12ヶ月である間、安定用量での投与であったのであれば許容される。可能であれば、薬物治療の調節は避け、研究実施者の裁量で、対象を試験から外すことが求められ得る。
6.2.6.10. 保存
試験薬物を含有する小袋は、試験人員のみが利用可能である施錠された部屋に、制御室温(およそ15から30°C)で保存する。代表サンプルの利用可能な安定性データによれば、室温保存の場合には、48ヶ月間の薬物の使用が支持されている。臨床試験サンプル又は代表サンプルの安定性は、必要に応じて監視し、臨床試験を支持してよい。
6.2.6.11. 試験薬物の調剤
アタルレンの用量は、mg/kgで、患者の体重に基づいて、利用可能な小袋の用量力価(125mg、250mg及び/又は1000mg)のうち最大3つまでの用量が許容されるように調節される。小袋の全内容物を調製用溶剤で調製し、投与する。試験薬品は、患者の体重に基づいて計算し、PI又は権限のある被指名者が提供する。各試験患者に配布する試験薬物の小袋の量は、調剤時の試験記録に記載する。標準試験薬物の照合が行われ、割り当てた薬物及び残った薬物を記録する。この照合は、試験チームが薬物照合フォームに記録し、署名し、日付を記入する。
6.2.6.12. 過剰投与の注意
過剰投与(このプロトコルの予定した1日の合計投与量の4倍を超えるアタルレン用量の投与[すなわち、>160mg/kg/日])を経験した患者はいずれも、あらゆる症候性の副作用の観察が行われるべきであり、バイタルサインならびに生化学的及び血液学的なパラメータを厳重に追跡すべきである(プロトコルに従って、又は必要であればさらに頻繁に)。有害作用を鎮める適切な補助的治療を開始するべきである。ヒトとしての薬物経験を十分に得ていない状態では、特に、胃洗浄の使用又は嘔吐の誘導は、推奨されない又は禁忌である。
6.2.7. 事象のスケジュール
記録すべきデータの種類及びタイミングを、表3にまとめた。
表3:事象のスケジュール
略語:AED=抗てんかん薬;BUN=血中尿素窒素;CBC=全血球数;CMP=包括的代謝パネル;EOS=試験終了;HCG=ヒト絨毛性ゴナドトロピン;LFT=肝機能検査;PK=薬物動態
a. スクリーニングは第-4週から第0週まで(すなわち、28日間)行われる 来院の±7日の枠は、スクリーニング期間に適用しない
b. 示していない奇数回の来院は、電話及び/又はメールでの評価で行われる
c. 治療期間2の間、患者をクロスオーバーし、治療期間1の間に投与していたのと反対である盲検化された試験薬物の投与を開始する(すなわち、患者が前に盲検化されたアタルレンを投与していれば、ここでプラセボを投与し、患者が前にプラセボを投与していれば、ここでアタルレンを投与する)
d. 試験が完了した全ての患者に対して、また早期に試験を中断したあらゆる患者に対して、EOS来院を完了する
e. EOS来院後又は試験薬物の最終投与後の4週目に、経過観察来院を行う
f. 第2回来院をベースライン来院とする 第2回来院は第1回来院の後、28日経過後すぐ、42日目までに行わなければならない 全ての試験及び検査の評価は、試験薬物投与の初回投与の前に完了していなければならない
g. 第2回来院(ベースライン)及び第10回来院(第16週)での試験薬物の初回投与は、診療所で与えるべきである
h. 第8回来院/第12週(治療期間1)及び第18回来院/第28週(EOS来院)前の試験薬物の最終投与は、自宅で前夜に行うべきである 診療所来院前に投与すべき朝の投与はない
i. 血清HCGサンプルは、出産可能な女性の患者のみから採取する
j. 試験薬物の朝の投与の直前に取得すべきサンプル(トラフ濃度のみ)
6.2.7.1. スクリーニング、治療及び経過観察の期間
試験に関するスクリーニングの評価は、臨床試験施設において行う。試験の関係者は、予定した医療機関の来院の朝に毎回診療所に報告し、全ての試験関連手順が完了して研究実施者が解放するまで診療所に残り、患者は薬物の保存、再調製及び投与に関して指示される。
有害事象は、インフォームドコンセントの時点から経過観察期間の終了まで評価する。
患者は、最終投与後の4週目に、経過観察評価のために診療所を再訪しなければならない。
6.2.7.1.1. 第1回来院(スクリーニング、ベースラインの第2回来院の4週前)
スクリーニング来院(第1回来院)は、定期的な来院中の、ベースラインの第2回来院の4週前に行われる。スクリーニング手順は、以下のとおりに進める:
・ 書面によるインフォームドコンセント/賛意を得る
・ 患者が事前の適格基準を満たすかどうか判断する
o 人口統計学的情報を収集する
o 現在の及び関連の病歴を収集する
o 使用している併用薬剤を特定する
o 安定使用のAED薬剤を特定及び確認する
患者が事前の適格基準を満たす場合、以下の評価を行う:
・ バイタルサイン(収縮期血圧及び拡張期血圧、橈骨動脈拍動速度ならびに体温):座位で行う
・ 身体的検査
・ 身長及び体重
・ 臨床検査での評価用の採血
o 血中尿素窒素(BUN)、全血球数(CBC)、包括的代謝パネル(CMP)、肝機能検査(LFT)
o 血清HCG、該当する場合(サンプルは、出産可能な女性の患者のみから採取する)
o 血清ウイルス検査
・ 検尿
・ 患者又は患者の両親/法定後見人に、次の4週間で、以下の情報を含む発作日誌を取るように指示する:
o 発作の種類、期間、強度
o チアノーゼの有無
o 救済薬物治療の使用
6.2.7.1.2. 第2回来院(ベースライン、第0週)
4週間のスクリーニング期間後、スクリーニング来院で提供された日誌カードを検討し、全ての選択基準/除外基準を確認する。適格な患者は、以下のようにベースライン来院(第2回来院/第0週)を完了する:
・ 身体的検査
・ 身長及び体重
・ バイタルサイン(収縮期血圧及び拡張期血圧、橈骨動脈拍動速度ならびに体温):患者が座位で3から5分経過したら行う
・ 発作日誌を回収し、内容を検討する
・ 最後の来院以降に発生したあらゆる有害事象と、この来院中に発生したあらゆる有害事象とを記録する
・ 併用薬剤のあらゆる変更を記録する
・ 以下のQOL評価を完了する:
o 小児用行動評価システム(Behavior Assessment System for Children)
o 就学前言語尺度
o Vineland適応行動尺度
o QOLCE
・ 臨床検査での評価用の採血
o CBC、CMP、LFT、BUN、クレアチニン、血清HCG
o AED濃度評価用血漿PK
・ 検尿
・ 新しい発作日誌を用意し、完成に関する指示を概説する
・ 盲検化された試験薬物を調剤し、投与指示を概説する
o TIDでの投与10mg/kg、10mg/kg、20mg/kg(朝、昼、夕)
o 試験薬物の初回投与は、この来院で必要な他の評価および手順が全て完了した後で、診療所で投与すべきである
6.2.7.1.3. 第3回来院(第2週)
第3回来院のため、患者は医療機関を再訪する。第3回来院の手順は以下のとおり進める:
・ 身長及び体重
・ バイタルサイン(収縮期血圧及び拡張期血圧、橈骨動脈拍動速度ならびに体温):患者が座位で3から5分経過したら行う
・ 発作日誌を回収し、内容を検討する
・ 最後の来院以降に発生したあらゆる有害事象と、この来院中に発生したあらゆる有害事象とを記録する
・ 併用薬剤のあらゆる変更を記録する
・ 新しい発作日誌を用意し、完成に関する指示を概説する
・ 盲検化された試験薬物を調剤し、投与指示を概説する
TIDでの投与10mg/kg、10mg/kg、20mg/kg(朝、昼、夕)
6.2.7.1.4. 第4回来院(第4週)
第4回来院のため、患者は医療機関を再訪する。第4回来院の手順は以下のとおり進める:
・ 身長及び体重
・ バイタルサイン(収縮期血圧及び拡張期血圧、橈骨動脈拍動速度ならびに体温):患者が座位で3から5分経過したら行う
・ 発作日誌を回収し、内容を検討する
・ 最後の来院以降に発生したあらゆる有害事象と、この来院中に発生したあらゆる有害事象とを記録する
・ 併用薬剤のあらゆる変更を記録する
・ AED濃度評価用血漿PKを採血
・ 新しい発作日誌を用意し、完成に関する指示を概説する
・ 盲検化された試験薬物を調剤し、投与指示を概説する
TIDでの投与10mg/kg、10mg/kg、20mg/kg(朝、昼、夕)
6.2.7.1.5. 第6回来院(第8週)
第6回来院のため、患者は医療機関を再訪する。第6回来院の手順は以下のとおり進める:
・ 身長及び体重
・ バイタルサイン(収縮期血圧及び拡張期血圧、橈骨動脈拍動速度ならびに体温):患者が座位で3から5分経過したら行う
・ 発作日誌を回収し、内容を検討する
・ 最後の来院以降に発生したあらゆる有害事象と、この来院中に発生したあらゆる有害事象とを記録する
・ 併用薬剤のあらゆる変更を記録する
・ 新しい発作日誌を用意し、完成に関する指示を概説する
・ 盲検化された試験薬物を調剤し、投与指示を概説する
・ TIDでの投与10mg/kg、10mg/kg、20mg/kg(朝、昼、夕)
・ 次回の診療所来院(第8回来院)の前に、来院前夜に患者が試験薬物の最終投与を行うべきであることを、患者/両親/法定後見人に思い出させる
6.2.7.1.6. 第8回来院(第12週[4週間の休薬期間開始])
第8回来院のため、患者は医療機関を再訪する。第8回来院は以下のように進める:
・ 身体的検査
・ 身長及び体重
・ バイタルサイン(収縮期血圧及び拡張期血圧、橈骨動脈拍動速度ならびに体温):患者が座位で3から5分経過したら行う
・ 発作日誌を回収し、内容を検討する
・ 最後の来院以降に発生したあらゆる有害事象と、この来院中に発生したあらゆる有害事象とを記録する
・ 併用薬剤のあらゆる変更を記録する
・ 以下のQOL評価を完了する:
小児用行動評価システム(Behavior Assessment System for Children)
就学前言語尺度
Vineland適応行動尺度
QOLCE
・ 新しい発作日誌を用意し、完成に関する指示を概説する
・ この来院での試験薬物の調剤はなし
6.2.7.1.7. 治療期間2、第10回来院(第16週[クロスオーバー来院])
第10回来院のため、患者は医療機関を再訪する。患者はクロスオーバーし、治療期間1の間に投与していたのとは反対の盲検化された試験薬物の投与を開始する(すなわち、患者が前に盲検化されたアタルレンを投与していれば、ここでプラセボを投与し、患者が前にプラセボを投与していれば、ここでアタルレンが投与する)。第10回来院は以下のように進める:
・ 身体的検査
・ 身長及び体重
・ バイタルサイン(収縮期血圧及び拡張期血圧、橈骨動脈拍動速度ならびに体温):患者が座位で3から5分経過したら行う
・ 発作日誌を回収し、内容を検討する
・ 最後の来院以降に発生したあらゆる有害事象と、この来院中に発生したあらゆる有害事象とを記録する
・ 併用薬剤のあらゆる変更を記録する
・ 臨床検査での評価用の採血
CBC、CMP、LFT、BUN、クレアチニン、血清HCG
・ 検尿
・ 新しい発作日誌を用意し、完成に関する指示を概説する
・ 盲検化された試験薬物を調剤し、投与指示を概説する
TIDでの投与10mg/kg、10mg/kg、20mg/kg(朝、昼、夕)
試験薬物の初回投与は、この来院で必要な他の評価および手順が全て完了した後で、診療所で投与すべきである
6.2.7.1.8. 第12回来院(第18週)
第12回来院のため、患者は医療機関を再訪する。第12回来院は以下のように進める:
・ 身長及び体重
・ バイタルサイン(収縮期血圧及び拡張期血圧、橈骨動脈拍動速度ならびに体温):患者が座位で3から5分経過したら行う
・ 発作日誌を回収し、内容を検討する
・ 最後の来院以降に発生したあらゆる有害事象と、この来院中に発生したあらゆる有害事象とを記録する
・ 併用薬剤のあらゆる変更を記録する
・ 新しい発作日誌を用意し、完成に関する指示を概説する
・ 盲検化された試験薬物を調剤し、投与指示を概説する
TIDでの投与10mg/kg、10mg/kg、20mg/kg(朝、昼、夕)
6.2.7.1.9. 第14回来院(第20週)
第14回来院のため、患者は医療機関を再訪する。第14回来院は以下のように進める:
・ 身長及び体重
・ バイタルサイン(収縮期血圧及び拡張期血圧、橈骨動脈拍動速度ならびに体温):患者が座位で3から5分経過したら行う
・ 発作日誌を回収し、内容を検討する
・ 最後の来院以降に発生したあらゆる有害事象と、この来院中に発生したあらゆる有害事象とを記録する
・ AED濃度評価用血漿PKを採血
・ 併用薬剤のあらゆる変更を記録する
・ 新しい発作日誌を用意し、完成に関する指示を概説する
・ 盲検化された試験薬物を調剤し、投与指示を概説する
TIDでの投与10mg/kg、10mg/kg、20mg/kg(朝、昼、夕)
6.2.7.1.10. 第16回来院(第24週)
第16回来院のため、患者は医療機関を再訪する。第16回来院が以下のように進める:
・ 身長及び体重
・ バイタルサイン(収縮期血圧及び拡張期血圧、橈骨動脈拍動速度ならびに体温):患者が座位で3から5分経過したら行う
・ 発作日誌を回収し、内容を検討する
・ 最後の来院以降に発生したあらゆる有害事象と、この来院中に発生したあらゆる有害事象とを記録する
・ 併用薬剤のあらゆる変更を記録する
・ 新しい発作日誌を用意し、完成に関する指示を概説する
・ 盲検化された試験薬物を調剤し、投与指示を概説する
TIDでの投与10mg/kg、10mg/kg、20mg/kg(朝、昼、夕)
・ 次回の診療所来院(第18回来院)の前に、来院前夜に患者が試験薬物の最終投与を行うべきであることを、患者/両親/法定後見人に思い出させる
6.2.7.1.11. 第18回来院(第28週、試験来院の終了[又は早期終了の来院])
第18回来院のため、患者は医療機関を再訪する。この来院は、試験終了(EOS)来院とみなし、全ての患者について終了すべきである。患者は、診療所来院前夜に試験薬物の最終投与を行うべきである。
さらに、早期に試験を中断するいずれの患者についてもこの来院で終了とすべきである。
第18回来院は以下のように進める:
・ 身体的検査
・ 身長及び体重
・ バイタルサイン(収縮期血圧及び拡張期血圧、橈骨動脈拍動速度ならびに体温):患者が座位で3から5分経過したら行う
・ 発作日誌を回収し、内容を検討する
・ 最後の来院以降に発生したあらゆる有害事象と、この来院中に発生したあらゆる有害事象とを記録する
・ 併用薬剤のあらゆる変更を記録する
・ 以下のQOL評価を完了する:
小児用行動評価システム(Behavior Assessment System for Children)
就学前言語尺度
Vineland適応行動尺度
QOLCE
・ 臨床検査での評価用の採血
CBC、CMP、LFT、BUN、クレアチニン、血清HCG
・ 検尿
・ この来院での試験薬物の調剤はなし
6.2.7.1.12. 第20回来院(第32週[経過観察来院])
第20回来院のため、患者は医療機関を再訪する。この来院は、試験薬物の最終投与及びEOS来院の後の4週目に行うべきである。第20回来院は以下のように進める:
・ 身体的検査
・ 身長及び体重
・ バイタルサイン(収縮期血圧及び拡張期血圧、橈骨動脈拍動速度ならびに体温):患者が座位で3から5分経過したら行う
・ 最後の来院以降に発生したあらゆる有害事象と、この来院中に発生したあらゆる有害事象とを記録する
・ 併用薬剤のあらゆる変更を記録する
・ 以下のQOL評価を完了する:
小児用行動評価システム(Behavior Assessment System for Children)
就学前言語尺度
Vineland適応行動尺度
QOLCE
・ 臨床検査での評価用の採血
CBC、CMP、LFT、BUN、クレアチニン、血清HCG
・ 検尿
6.2.7.1.13. 電話/メール 第5回、第7回、第9回、第11回、第13回、第15回、第17回及び第19回来院
患者は、彼らの試験薬物投与量についてコンプライアンスと彼らがそれをどの程度許容しているかの確認を訊ねられる。有害事象を評価し、患者が抱え得るあらゆる懸念に対処する。
第7回来院及び第17回来院の連絡の際に、患者/両親/法定後見人に、次回診療所来院前夜に試験薬物の最終投与を行うべきであり、また来院の朝(すなわち、第8回来院又は第18回来院)に投与すべき試験薬物はない旨を思い出させるべきである。
6.2.7.1.14. 血清ウイルス検査
B型肝炎表面抗原、C型肝炎抗体、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)を含むスクリーニングの試験を行った。この試験の手引きは、採取、処理及び発送の情報を参照する。
6.2.7.1.15. 身体的検査
スクリーニング、第2回来院(ベースライン)、第8回来院、第10回来院、第18週(EOS又は早期終了)及び経過観察の際、身体的検査(全体的な外観、頭、目、耳、鼻、口、咽喉、心臓、甲状腺、胸部及び肺、腹部、四肢、筋神経系、皮膚及びリンパ節)が行われる。
身体的検査はまた、臨床的に必要であれば、試験の間にいつでも行ってよい。
6.2.7.1.16. バイタルサイン
バイタルサイン(収縮期血圧及び拡張期血圧、橈骨動脈拍動速度ならびに体温)を、診療所来院ごとにモニタリングする。
6.2.7.1.17. 身長及び体重
身長(cmで)を診療所来院ごとに測定する。体重(kgで)を診療所来院ごとに測定する。
6.2.7.1.18. 有害事象
予定した診療所来院ごとに、スクリーニングのはじめに、有害事象を評価及び記録する。予定した日に患者が診療所に来院しない場合、権限がある医療機関人員が電話で患者を呼び出し、有害事象を評価する必要がある。また、対象/介護人は、有害事象の懸念について来院間の合間にいつでも報告することが推奨される。
臨床的に必要であれば、異常結果の重大性又は原因を証明するため又は有害事象の過程をモニタリングするために必要なさらなる試験又は他の評価が得られる。患者は、試験薬物の投与の最終投与の後少なくとも28日間、又は、薬物関連有害事象及び/又は進行中のSAEが解決又は安定するまで(より遅い方のどちらでも)、有害事象を追跡される。
6.2.7.1.19. 併用薬剤
予定した診療所来院ごとに、併用薬剤情報を収集及び記録する。試験過程の間に使用するあらゆる併用薬物(処方による又はOTC(オーバーザカウンター))と使用理由とを記録する。タイミング、種類及び量に関する情報を、CRFに記録する。
6.2.8. 統計
6.2.8.1. サンプル規模の決定
この試験は、ナンセンス変異に由来するCDKL5又はSCN1A(ドラベ症候群)てんかん疾患をもつ患者におけるアタルレンの安全性プロファイルを明らかにすることを主要目的とするため、統計的検査に関して力をもたない。この試験には、16人の患者(CDKL5ナンセンス変異をもつ8人、SCN1Aナンセンス変異[ドラベ症候群]をもつ8人)を含む。
6.2.8.2. ランダム化
16人の患者(CDKL5ナンセンス変異をもつ8人、SCN1Aナンセンス変異[ドラベ症候群]をもつ8人)を登録する。各欠損グループ内で、患者を、1対1の割合で、治療期間1の間の可能性のある2つの治療割付のうちの一方にランダム化する。
・ プラセボ
・ アタルレン(10、10、20mg/kg/日)
治療期間1及び4週間の休薬期間の終了後、患者をクロスオーバーし、治療期間1の間に投与していたのとは反対の盲検化された試験薬物の投与を開始する(すなわち、患者が前に盲検化されたアタルレンを投与していれば、ここでプラセボを投与し、患者が前にプラセボを投与していれば、ここでアタルレンを投与する)。
6.2.8.3. 分析の集団数
Intent−to−Treat解析(ITT)集団−ランダム化された患者は全て、ITT集団に包含される。
6.2.8.4. 有効性評価項目の定義
6.2.8.4.1. 発作
発作の挙動は、以下のものに関してILAE基準に基づいて評価する:
・ 運動発作は、強直間代発作、片側痙攣発作、転倒発作、強直発作、局所運動発作を含む
・ 凝視発作は、欠神発作又は複雑部分発作である
・ ミオクローヌス発作は、永続的又は非永続的な発作である
・ てんかん重積状態の発症:痙攣状態が10分より長く続く
ベースラインにおける発作/ERへの来院/入院の総数を、4週間のスクリーニング期間(第−4週から第0週(第1日))における発作/ERへの来院/入院の総数として定義する。
6.2.8.4.2. 人格及び行動の臨床的測定及び適応測定
Behavior Assessment System for Children(第3版)を用いて、人格及び行動の臨床的測定及び適応測定の評価を行う。これは、PI又は臨床試験看護師/臨床試験コーディネーターが行う、行動及び感情の強さ及び弱さを測定するスクリーニングシステムである。
6.2.8.4.2.1. 言語能力
Preschool Language Scale,Fourth Edition (PSL−4)(Zimmerman et al 2002)によって言語能力を測定する。この評価は、幼児における基本的なコミュニケーション能力及び言語能力を評価するために用いられ、PI又は臨床研究看護師/コーディネーターが行う。
6.2.8.4.2.2. 行動機能の適応レベル
Vineland Adaptive Behavior Scales,Second Edition(VABS−II)(Sparrow et al 2005)によって行動機能の適応レベルを測定する。この評価は、環境的な需要に関して機能し満たすために必要となる、実用的な日常の能力に適応する小児の能力を評価するために用いる。この評価は、PI又は臨床試験看護師/臨床試験コーディネーターが行う。
6.2.8.4.2.3. 生活の質
QOLCE(Sabaz et al.Epilepsy Behav.2003,4(6):680−91)によって生活の質を評価する。この質問票は、てんかんとともに生活する小児のQOLを評価するために用い、両親に配布して完成させる。
6.2.8.5. 統計的分析
存在する場合、事象数が少なくとも5であれば、正規近似を用いて、割合に関して信頼区間(CI)を計算する。そうでなければ、厳密法を用いたCIを提供する。安全性の要約に関しては、別に特定されていなければ、CIは存在しない。要約統計量は、各疾患群内で分析する。分析は全て、統計的分析システム(SAS(登録商標))(Version 9.0又はそれ以上)を用いて行う。
6.2.8.5.1. 試験の管理
プロトコルからの逸脱は全て列記して要約する。
6.2.8.5.2. 試験集団
患者の性質、人口統計、ベースライン特性及び病歴に関する度数分布又は要約統計量を集計する。
6.2.8.5.2.1. 患者の内訳
スクリーニングされる患者数、ランダム化される患者数、少なくとも1回分用量の試験薬物を投与されたランダム化された患者数及び中途で試験薬物を中断した患者数を含む、患者の内訳を集計にする。
6.2.8.5.2.2. 人口統計及びベースライン特性
患者の人口統計及びベースライン特性を、連続変数に関する手段及び標準偏差ならびに分類変数に関する度数分布により、記述的に要約する。要約は、ランダム化した患者全員に基づいて行う(すなわち、ITT集団)。
6.2.8.5.2.3. 病歴及び事前薬物治療
病歴及び事前薬物治療の情報を要約する。
6.2.8.6. 曝露の程度
アタルレン治療の曝露の程度は、最終投与日から初回投与日を引いて1日足した日数として定義する。この頻度は、継続する範囲(日数)で表す:≦28(≦4週)、29から56(4から8週)、57から84(8から12週)及び>84(>12週)。各群の患者数と平均期間もまた表示する。
6.2.8.6.1. 試験治療の中断
ITT集団を用いて、試験薬物の中断と共に、中途での試験薬物の終了の理由を要約する。試験薬物を中断した患者の割合は、点推定及び95%CIを用いて要約する。
6.2.8.6.2. 治療コンプライアンス
試験薬物のコンプライアンスは、報告された未使用試験薬物の分析によって評価する。この情報を用いて、欠損グループ及び治療群で、コンプライアンスを記述して要約する。コンプライアンスは、試験中に投与すべき量に対する、実際に投与した薬物の百分率によって評価する。
6.2.8.7. 安全性分析
全ての安全性の提示は、ITT集団に基づき、関心の分析期間に含まれるデータのみに基づく。全ての有害事象の列記もまた、予定された分析時点での利用可能なデータの全てに基づく。SAE及びAEの要約を、以下の期間の間に表す:
・ 第8回来院(第12週)の終了まで
・ 第18回来院(第28週、EOS来院)の終了まで
・ 第13週の開始及び第28週の終了の間
関心の分析期間終了後に、AE及びSAEの発生を要約するさらなる度数分布表もまた提供する。AE及びSAEは全て、治療グループで要約する。印づけられた検査所見の異常もまた、記述的に要約する。AE又は印づけられた検査所見の異常に関しては、統計的検査は何も行わない。
6.2.8.7.1. 有害事象
以下に関して、要約情報(治療する患者の数及び百分率)を集計する:
・ 臨床及び検査での有害事象を含むTEAE
・ 治療関連有害事象
・ 重症度によるTEAE
・ 重症度による治療関連有害事象
・ 重篤有害事象
・ 中断につながる有害事象
要約は、治療グループで表し、器官別大分類(System Organ Class)及び基本語(Preferred Term)で分類する。表示する有害事象の頻度は、有害事象を経験した患者数を全患者数で除算することにで表現した粗率である。
6.2.8.7.2. 有害事象の検査パラメータ
臨床検査試験におけるベースラインからの変化(ランダム化前の最後の測定)及び所定の異常性基準を用いて印づけた検査所見の異常(臨床的有害事象)を、記述的に要約する。患者ごとの分析においては、複数回の同じ異常性を有する患者は、観察したもののうち重篤度が最も高いものに基づいて1回のみ計数する。
6.2.8.7.3. 他のパラメータ
身長、体重、バイタルサイン及び身体的検査データを記述的に要約する。第12週と第28週までの併用薬物治療を要約する。
6.2.8.8. 有効性分析
有効性評価項目を全て、各欠損グループ(ドラベ又はCDKL5)範囲内で、治療グループで要約する。
第1日以降の全ての4週間の期間中(第0週から第4週、第4週から第8週等、第4×X週(X=1、2、・・・、6)で規定されるもの)での、以下の測定値の全数に関する要約統計量を、ベースラインからの変化と共に、次のものに関して集計する:
・ 運動発作
・ 凝視発作
・ ミオクローヌス発作
・ 救済薬物治療の使用
・ ERへの来院/入院
各治療期間(治療期間1[ベースラインから第12週]及び治療期間2[第10回来院からEOS来院])における運動発作の総数における変化を評価するために、共変量としてのベースラインにおける運動発作の総数、体重及び年齢、ならびに因子としての治療グループとともに、ANCOVAモデルを用い得る。不均衡度が高い状況では、混合効果モデルを検討する。必要に応じて運動発作の総数のベースラインからの変化に関して、反復測定データを分析するための統計的方法を探索してもよい。
各測定時点における要約統計量を、ベースラインからの変化と共に、以下に関して集計する:
・ 小児用行動評価システム(Behavior Assessment System for Children)
・ 就学前言語尺度
・ Vineland適応行動尺度
・ QOLCE
6.2.9. 安全性及び有害事象
6.2.9.1. 定義
6.2.9.1.1. 患者又は他者に及ぶ危険に関与する予期せぬ問題
以下の基準の全てに適合するあらゆる出来事、経験又は結果:
・ 性質、重症度又は頻度において予期されないもの(すなわち、例えば施設内審査委員会(IRB(Institutional Review Board))承認プロトコル又は同意書、IB等の試験関連書類に記載していないもの)
・ 研究の関係者に関連するもの又は関連するおそれのあるもの(すなわち、関連するおそれのあるとは、出来事、経験又は結果が、研究に関与する手順が引き起こし得たという合理的な可能性が存在するという意味である)
・ 研究が、患者又は他者に大きな危害(身体的、心理的、経済的又は社会的な害を含む)の危険性をもたらすということの示唆
6.2.9.1.2. 有害事象
有害事象は、試験過程における重症度が増す又は悪化する、あらゆる症状、兆候、疾患又は経験である。併発の疾患又は怪我は、有害事象としてみなすべきである。診断手順の異常な結果は、その異常性が以下のものであれば、有害事象であるものとして考える:
・ 結果として試験が中止となる
・ 深刻な有害事象と関連する
・ 臨床的な兆候又は症状と関連する
・ さらなる治療又はさらなる診断試験につながる
・ 研究実施者によって臨床的意義のものであると考えられる
このプロトコルに関して、異常事象として報告すべき好ましくない医療上の出来事には以下が含まれる:
・ 試験薬物が原因であると疑われる又は試験薬物が原因であると疑われない全ての有害事象
・ 試験薬物の過剰投与(このプロトコルで意図した1日の合計用量の最大量の4倍を超える試験薬物用量の投与[>160mg/kg/日])
・ 薬物治療の誤用、乱用、中止、感受性又は毒性による全ての反応
・ 薬物治療の誤り、又はプロトコルに記載していること以外での試験薬物の使用による全ての反応
・ 先存の疾患の悪化を含む、明らかに無関連の疾患
・ 怪我又は事故。病状が怪我又は事故(眩暈に続く転倒)を引き起こすことがわかっている場合は、病状(眩暈)及び事故(転倒)は、2つの独立した有害事象として報告されるべきであることに留意されたい。事故の結果(転倒に続く股関節部骨折)は、原文書に記録するべきである。
・ 臨床的介入又はさらなる検査(反復[検証的な]試験の順序を越えての)が必要な生理的試験又は身体的検査の所見における異常性
・ 先存の症状(例えば、アレルギー性鼻炎)は、第1回来院の際に適切なCRFに記載しなければならないが、有害事象報告期間中に症状の悪化又は発症頻度の増加がなければ、有害事象として報告されるべきではない。例えば手術などの、診断上及び治療上の非侵襲的又は侵襲的な処置は、有害事象として報告されるべきではない。しかしながら、処置を施した病状については、それが有害事象の定義に当てはまる場合は、報告されるべきである。例えば、有害事象報告期間中に始まった急性虫垂炎は、有害事象として報告されるべきであり、結果としての虫垂切除について原文書に記録すべきである。試験に入る前に外科手術が計画されており、ベースライン状態より悪化したことを理由に手術を実行しなくなった場合、このことは有害事象として報告すべきではない。以下のSAEの段落に記載するように、試験期間中の有害事象の結果として生じた入院患者の入院はいずれもSAEとして報告すべきであることに留意されたい。
各有害事象は、研究実施者が、医療上及び科学的な判断を用いて重篤であるか又は重篤でないかを分類するものである。
6.2.9.1.3. 重篤有害事象
有害事象は、重篤であるか又は重篤でないかで分類する。重篤有害事象は、以下であるようなあらゆるAEである:
・致命的
・命にかかわる
・入院が必要である又は延長される
・持続する又は有意な障害又は無能力をもたらす
・先天性異常又は出生時欠損
・重要な医学的事象
重要な医学的事象は、直ぐの命にかかわるものでなくてもよいが、重大な臨床的意義が明らかであるものである。それらは、患者を危険にさらし得、上記に示した他の重篤な結果のうちのひとつを防ぐための介入を必要とし得る。例えば、試験薬物又は他の薬物の過剰投与又は乱用、患者の入院に至らなかった発作や、救急治療部での気管支痙攣の集中治療が典型的に重篤であるとされる。
試験薬物の過剰投与は、このプロトコルで意図している1日の合計用量の4倍を超える試験薬物用量の投与(>160mg/kg/日)であるとものとする。重篤であることの基準のいずれにも当てはまらない有害事象は全て、非重篤有害事象をみなされるべきである。最終投与の日の4週以内に起こったあらゆるSAEは、研究実施者に報告すべきものであることに留意されたい。
説明のために、本発明の特定の実施形態を本明細書に記載したが、本明細書に記載した発明は、本明細書で開示した特定の実施形態によってその範囲を限定されるものではないということがわかるであろう。これら実施形態は、この発明のいくつかの態様を説明するものとして意図している。均等な実施形態はいずれも、この発明の範囲内にあるものであることを意図している。実際に、当業者にとっては、本明細書で示したもの及び記載したものに加えて、本発明の様々な変形例が、前述の記載から明らかとなることとなり、そうした変形例もまた、この発明の範囲内にあるものであることを意図している。