JP2018530747A - 肺ガンを患っている患者の生存時間を予測するための方法 - Google Patents

肺ガンを患っている患者の生存時間を予測するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、肺ガンを患っている患者の生存時間を予測するための方法に関する。とくに、本発明は、肺ガンを患っている被験体の生存時間を予測するための方法であって、i)該被験体から得られた腫瘍組織サンプルにおける制御性T(Treg)細胞の密度を定量する工程、ii)前記腫瘍組織サンプルにおけるTLS−成熟DC又はTLS−B細胞又はTconv細胞、CD8+T細胞又はCD8+グランザイム−B+T細胞からなる群より選択される免疫細胞の1つのさらなる集団の密度を定量する工程、iii)工程i)及びii)において定量した密度と、それらの対応する所定の基準値とを比較する工程、並びにiv)Treg細胞の密度がその対応する所定の基準値よりも高く、免疫細胞のさらなる集団の密度がその対応する所定の基準値よりも低い場合には、該被験体が短い生存時間を有すると結論するか、又はTreg細胞の密度がその対応する所定の基準値よりも低く、免疫細胞のさらなる集団の密度がその対応する所定の基準値よりも高い場合には、該被験体が長い生存時間を有すると結論する工程を含む方法に関する。

Description

発明の分野
本発明は、肺ガンを患っている患者の生存時間を予測するための方法に関する。
発明の背景:
Dieu-Nosjean et al. (J Clin Oncol 26:4410-4417. 2008)に示されているように、肺ガンは、世界で最も一般的なガン関連死の原因である。症例の約80%〜90%は、腺ガン及び扁平上皮細胞ガンを含む非小細胞肺ガン(NSCLC)を伴う。その腫瘍を完全に切除し得る患者のみが、生存増加の有意な可能性を有する。しかしながら、ステージIの疾患を有する患者の30%もの数が、術後に再発を経験する。腫瘍浸潤免疫細胞と、肺ガンを有する患者の予後との間の相関関係は議論の余地がある。腫瘍は、不均一なネットワークを形成して複雑な相互作用を示す悪性細胞、間質細胞、内皮細胞及び免疫細胞から構成される。多くの場合、免疫系による腫瘍根絶は非効率であるが、多くの発達中のガンは免疫系から無視されないという証拠がある。自己免疫の発現と同時に起こる自然腫瘍退縮と、免疫抑制患者におけるより高い腫瘍発生率とは、腫瘍拒絶における免疫系の関与を示すものである。免疫機能欠損マウスは、自然に腫瘍を発達させる。細胞傷害性表現型及び記憶表現型を有する腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の密度は、多くの固形腫瘍における臨床転帰良好をよく予測するものである。
免疫応答が二次リンパ器官から離れた場所(すなわち、三次リンパ系構造(TLS))において起こり得ることは、今日では十分に立証されている。Dieu-Nosjeanらは、肺ガン患者では、これらのリンパ節様構造が発達し得ることを観察した。それらは、NSCLC患者の非腫瘍組織では全く見られなかったので、「腫瘍誘導性気管支関連リンパ組織(Tumor-induced Bronchus-Associated Lymphoid Tissues)」(Ti−BALT)と当初は命名された。今日では、最新の用語は、「三次リンパ系構造(TLS)」又は「三次リンパ系器官(TLO)」である。Dieu-Nosjeanらは、TLS中に選択的に検出された集団である成熟DCの密度が、初期NSCLCを有する患者における(Dieu-Nosjean et al., J. Clin. Oncol., 2008)及び転移期(Remark et al., Clin Cancer Res. 2013 Jun 19)における臨床転帰良好に関連することを実証したが、これは、肺ガン関連TLSが、腫瘍特異的T細胞の活性化部位に相当することを示唆している。
より最近では、Dieu-Nosjeanのチームはまた、TLSにおける高密度のB細胞(「TLS−B細胞」又は「濾胞性B細胞」と命名された)が、TLSにおける進行中の体液性免疫応答にしたがって、初期及び進行期NSCLCを有する患者の長い生存と相関することを実証している(Germain et al., Am. J. Respir. Crit. Care Med., 2014)。TLS−B細胞とTLS成熟DCとの組み合わせは、最良の臨床転帰を有するNSCLC患者の同定を可能にした。また、TLSでは、胚中心B細胞の密度もまた、内因性腫瘍関連抗原に対する抗体を分泌し得る形質細胞の密度と相関する。これらのデータは、TLSが、肺ガン患者における体液性免疫応答を促進することによって、腫瘍に対して保護的な役割を果たすことを強く示唆している(Germain et al., Frontiers Immunol., 2015)。
限定されないが、結腸直腸ガン(Coppola et al., Am J Pathol., 2011;179(1):37-45 ; McMullen et al., Clin Exp Immunol. 2010;161(1):81-8 ;)、乳ガン(Gobert et al., Cancer Res 2009; 69(5) 2000-2009; Martinet et al., Cancer Res. 2011;71(17) 5678-87 ; Gu-Trantien et al., J Clin Invest. 2013 ;123(7) :2873-92)及びメラノーマ(Martinet et al., Cancer Res. 2011;71(17) 5678-87 ; Cipponi et al., Cancer Res. 2012;72(16):3997-4007)を含む他のヒト腫瘍においてTLSの存在が報告されており、これは、多くの固形腫瘍において、異所性リンパ系構造が生じることを示している(Dieu-Nosjean et al., Trends Immunol., 2014)。
本発明は、肺ガンを患っている患者の生存時間を予測するための方法に関する。特に、本発明は、特許請求の範囲によって定義される。
発明の詳細な説明
本発明の第1の目的は、肺ガンを患っている被験体の生存時間を予測するための方法であって、i)該被験体から得られた腫瘍組織サンプルにおける制御性T(Treg)細胞の密度を定量する工程、ii)前記腫瘍組織サンプルにおけるTLS−成熟DC又はTLS−B細胞又はCD3+Tconv細胞、CD8+T細胞又はCD8+グランザイム−B+T細胞からなる群より選択される免疫細胞の1つのさらなる集団の密度を定量する工程、iii)工程i)及びii)において定量した密度と、それらの対応する所定の基準値とを比較する工程、並びにiv)Treg細胞の密度がその対応する所定の基準値よりも高く、免疫細胞のさらなる集団の密度がその対応する所定の基準値よりも低い場合には、該被験体が短い生存時間を有すると結論するか、又はTreg細胞の密度がその対応する所定の基準値よりも低く、免疫細胞のさらなる集団の密度がその対応する所定の基準値よりも高い場合には、該被験体が長い生存時間を有すると結論する工程を含む方法に関する。
本明細書で使用される用語「肺ガン」は、限定されないが、肺ガン腫、転移性肺ガン、例えば肺腺ガン、扁平上皮細胞ガンのような非小細胞肺ガン(NSCLC)又は小細胞肺ガン(SCLC)のような全ての進行期の全ての種類の肺ガンを含む。いくつかの実施態様では、被験体は、非小細胞肺ガン(NSCLC)を患っている。
前記方法は、ガン被験体の全生存(OS)、無増悪生存(PFS)及び/又は無病生存(DFS)の期間を予測するために特に適切である。当業者であれば、OS生存時間は、一般に、特定の種類のガンから特定の時間克服した者の割合に基づくものであり、前記割合として表されることを認識するであろう。ガン統計は、多くの場合、5年全生存率を使用する。一般に、OS率は、ガン克服者が5年時点で依然として処置を受けているか否か、又は彼らが無ガン状態になった(寛解を達成した)かを規定していない。DSFは、より具体的な情報を与えるものであり、特定のガンを有する者であって、寛解を達成している者の数である。また、無増悪生存(PFS)率(依然としてガンを有するが、疾患が進行していない者の数)は、処置がいくらか成功した可能性があるが、ガンが完全に消失していない者を含む。本明細書で使用される表現「短い生存時間」は、被験体が、前記ガンを患っている被験体の一般集団において観察される中央値(又は平均値)よりも短い生存時間を有することを示す。被験体が短い生存時間を有する場合、それは、被験体が「予後不良」を有することを意味する。反対に、表現「長い生存時間」は、被験体が、前記ガンを患っている被験体の一般集団において観察される中央値(又は平均値)よりも長い生存時間を有することを示す。被験体が長い生存時間を有する場合、それは、被験体が「予後良好」を有することを意味する。
本明細書で使用される用語「腫瘍組織サンプル」は、当技術分野におけるその一般的な意味を有し、摘出されている組織片又は組織切片(外科的腫瘍切除後を含む)を包含する。細胞密度を決定する前に、腫瘍組織サンプルは、様々な周知の採取後調製保存技術(例えば、固定、貯蔵、凍結など)に供され得る。典型的には、腫瘍組織サンプルをホルマリンで固定し、パラフィン(ワックス)又はエポキシなどのリジッドな固定液に包埋し、これを金型に入れ、その後に硬化させて、容易に切断される塊を生産する。次いで、ミクロトームを使用して材料の薄切片を調製し、ガラススライド上に置き、例えば、(染色スライドを得るためのIHC自動機器、例えばBenchMark(登録商標)XT又はAutostainer Dakoを使用した)免疫組織化学(IHC)に付す。
本明細書で使用される用語「腫瘍誘導性リンパ系構造」は、当技術分野におけるその一般的な意味を有し、腫瘍塊の間質における、リンパ節様構造(TLS又はTLOとも称される)への腫瘍浸潤白血球の組織化を指し、成熟DC−T細胞クラスタ(T細胞領域)及びB細胞濾胞(B細胞領域)から構成される。典型的には、腫瘍切片に応じて、2つの領域の一方のみ又は両方の領域が観察され得る。この組織化は、肺ガンにおけるTi−BALT(腫瘍誘導性気管支関連リンパ組織(Tumor-induced Bronchus-Associated Lymphoid Tissues))と称された(Dieu-Nosjean et al., J. Clin. Oncol., 2008)。
本明細書で使用される用語「制御性T細胞」又は「Treg細胞」は、当技術分野におけるその一般的な意味を有し、それが発現するTCRによってインプリントされた所定の抗原特異性を備えるTヘルパー細胞のサブセットであって、従来型Tリンパ球又は他の免疫細胞の応答を抑制する能力によって定義される調節特性を有するTヘルパー細胞のサブセットを指す。このような応答は当技術分野で公知であり、限定されないが、抗原提示ターゲット細胞に対する細胞傷害活性及び異なるサイトカインの分泌が挙げられる。異なる種類のTreg細胞が存在し、限定されないが、CD4+CD25+/高、CD4+CD25+/高CD127−/低などの異なる表現型を単独で、又は限定されないが、FoxP3、ニューロピリン−1(CD304)、グルココルチコイド誘導性TNFR関連タンパク質(GITR)、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA−4、CD152)を含むさらなるマーカーと組み合わせて特徴とする誘導性及び胸腺由来Treg細胞が挙げられる。典型的には、本発明のTreg細胞は、CD3+FoxP3+T細胞である。典型的には、Treg細胞の密度は、いくつかの腫瘍領域:腫瘍全体、TLS及び非TLS領域で測定され得る。
本明細書で使用される用語「TLS成熟樹状細胞」又は「TLS成熟DC」又は「成熟DC」は、当技術分野におけるその一般的な意味を有し、プロセシングされた抗原をT細胞に提示することを専門にする細胞の集団を指す。腫瘍に浸潤する成熟樹状細胞は、腫瘍誘導性リンパ系構造のT細胞リッチ領域において、T細胞と接触した状態で選択的に存在する。典型的には、成熟DCは、それらの細胞表面におけるマーカー、例えばDC−LAMP(すなわち、CD208)の古典的な発現を特徴とする。典型的には、本発明の樹状細胞は、DC−LAMP+成熟DCである。
本明細書で使用される用語「濾胞性B細胞」又は「TLS−B細胞」は、当技術分野におけるその一般的な意味を有し、TLSのB細胞濾胞にクラスタリングされるB細胞サブセットを指す。それらは主に、ナイーブ及び胚中心表現型のものである。
本明細書で使用される用語「従来型T細胞」又は「Tconv T細胞」は、当技術分野におけるその一般的な意味を有し、Treg細胞を除くCD3+T細胞(CD4+細胞及びCD8+T細胞を含む)を指す。それらは、CD3の発現及びFoxP3の無発現/低発現によって定義される(CD3+FoxP3−細胞)。いくつかの実施態様では、Tconv細胞は、CD3+T細胞である。
本明細書で使用される用語「CD8+グランザイム−B+T細胞」又は「CD8+Gran−B+T細胞」は、当技術分野におけるその一般的な意味を有し、細胞溶解分子グランザイムBを発現するCD8+CD3+T細胞のサブセットであって、グランザイムB依存的にターゲット細胞を殺傷する能力を有するCD8+CD3+T細胞のサブセットを指す。それらは、エフェクター表現型のものである。
いくつかの実施態様では、それぞれ工程i)及びii)において、制御性T(Treg)細胞の密度及びTLS−成熟DCの密度を定量する。
いくつかの実施態様では、それぞれ工程i)及びii)において、制御性T(Treg)細胞の密度及びTLS−B細胞の密度を定量する。
いくつかの実施態様では、それぞれ工程i)及びii)において、制御性T(Treg)細胞の密度及びTconv細胞の密度を定量する。
いくつかの実施態様では、それぞれ工程i)及びii)において、制御性T(Treg)細胞の密度及びCD8+T細胞の密度を定量する。
いくつかの実施態様では、それぞれ工程i)及びii)において、制御性T(Treg)細胞の密度及びCD8+Gran−B+T細胞の密度を定量する。
いくつかの実施態様では、IHCによって密度の定量を決定する。
例えば、腫瘍組織サンプルと、前記細胞の細胞マーカーに特異的な結合パートナー(例えば、抗体)とを接触させることによって、Treg細胞の密度の定量を実施する。典型的には、組織腫瘍組織サンプルと、それぞれFoxP3(核内マーカー)及びCD3(細胞表面マーカー)に特異的な両方の結合パートナー(例えば、抗体)とを接触させることによって、Treg細胞の密度の定量を実施する。
例えば、腫瘍組織サンプルと、前記細胞の細胞質内細胞マーカーに特異的な結合パートナー(例えば、抗体)とを接触させることによって、TLS−成熟DCの密度の定量を実施する。典型的には、組織腫瘍組織サンプルと、DC−LAMP(CD208、ドット染色)に特異的な結合パートナー(例えば、抗体)とを接触させることによって、TLS−成熟DCの密度の定量を実施する。
例えば、腫瘍組織サンプルと、前記細胞の細胞表面マーカーに特異的な結合パートナー(例えば、抗体)とを接触させることによって、TLS−B細胞の密度の定量を実施する。典型的には、腫瘍組織サンプルと、CD20に特異的な結合パートナー(例えば、抗体)とを接触させることによって、TLS−B細胞の密度の定量を実施する。
例えば、腫瘍組織サンプルと、Treg細胞を除く前記細胞の細胞マーカーに特異的な結合パートナー(例えば、抗体)とを接触させることによって、Tconv細胞の密度の定量を実施する。典型的には、腫瘍組織サンプルと、それぞれCD3(細胞表面マーカー)及びFoxP3(核内マーカー)に特異的な両方の結合パートナー(例えば、抗体)とを接触させることによって、Tconv細胞(CD3+FoxP3−)の密度の定量を実施する。
例えば、腫瘍組織サンプルと、前記細胞の細胞表面マーカーに特異的な結合パートナー(例えば、抗体)とを接触させることによって、CD8+T細胞の密度の定量を実施する。典型的には、腫瘍組織サンプルと、CD8に特異的な結合パートナー(例えば、抗体)とを接触させることによって、CD8+T細胞の密度の定量を実施する。
例えば、腫瘍組織サンプルと、前記細胞の細胞マーカーに特異的な結合パートナー(例えば、抗体)とを接触させることによって、CD8+Gran−B+細胞の密度の定量を実施する。典型的には、腫瘍組織サンプルと、それぞれCD8(細胞表面マーカー)及びグランザイム−B(細胞質内マーカー)に特異的な両方の結合パートナー(例えば、抗体)とを接触させることによって、CD8+Gran−B+細胞の密度の定量を実施する。
典型的には、Treg細胞又はTLS−成熟DC又はTconv細胞、CD8+T細胞又はCD8+Gran−B+T細胞の密度は、組織サンプルの表面積1単位当たりで計数されたこれらの細胞の数(例えば、腫瘍組織サンプルの表面積1mm2当たりで計数された細胞の数)として表される。いくつかの実施態様では、細胞の密度はまた、全細胞(100%に設定)当たりの特定細胞の割合からなり得る。TLS−B細胞は、TLSのB細胞濾胞において細胞凝集体に組織化されるので、TLS−B細胞の密度は、腫瘍の表面積1単位当たりのB細胞濾胞の総表面として(例えば、中倍率視野(元の倍率の100倍)1mm2又は腫瘍の表面積1mm2当たりのB細胞濾胞の表面積として)測定され得る。
免疫組織化学は、典型的には、以下i)腫瘍組織サンプルをホルマリンで固定する工程、ii)前記腫瘍組織サンプルをパラフィンに包埋する工程、iii)染色のために、前記腫瘍組織サンプルを切片に切断する工程、iv)マーカーに特異的な結合パートナーと共に前記切片をインキュベーションする工程、v)前記切片をリンスする工程、vi)典型的にはビオチン化された二次抗体と共に前記切片をインキュベーションする工程、及びvii)典型的にはアビジン−ビオチン−ペルオキシダーゼ複合体を用いて、抗原−抗体複合体を可視化する工程を含む。したがって、最初に、結合パートナーと共に腫瘍組織サンプルをインキュベーションする。洗浄後、目的のマーカーに結合した標識抗体を、標識抗体が有する標識の種類、例えば放射性標識、蛍光標識又は酵素標識に応じて、適切な技術によって可視化する。多重標識を同時に実施し得る。あるいは、本発明の方法は、(染色シグナルを強化するための)増幅系及び酵素分子にカップリングされた二次抗体を使用し得る。このようなカップリング二次抗体は、例えばDako, EnVision systemから市販されている。対比染色、例えばエマトキシリン及びエオシン、DAPI、ヘキストを使用し得る。当業者に明らかであるように、自動システム、半自動システム又は手動システムを含む任意の適切な方法又はシステムを使用して、他の染色方法を達成し得る。例えば、1つ以上の標識を抗体に付着させ、それにより、ターゲットタンパク質(すなわち、マーカー)の検出を可能にし得る。例示的な標識としては、放射性同位体、フルオロフォア、リガンド、化学発光剤、酵素及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施態様では、標識は、量子ドットである。一次及び/又は二次アフィニティーリガンドにコンジュゲートされ得る標識の非限定的な例としては、蛍光色素又は金属(例えば、フルオレセイン、ローダミン、フィコエリトリン、フルオレサミン)、発色色素(例えば、ロドプシン)、化学発光化合物(例えば、ルミノール、イミダゾール)及び生物発光タンパク質(例えば、ルシフェリン、ルシフェラーゼ)、ハプテン(例えば、ビオチン)が挙げられる。様々な他の有用な蛍光剤及び発色団が、Stryer L (1968) Science 162:526-533及びBrand L and Gohlke J R (1972) Annu. Rev. Biochem. 41:843-868に記載されている。アフィニティーリガンドはまた、酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ラクタマーゼ)、放射性同位体(例えば、H、14C、32P、35S又は125I)及び粒子(例えば、金)で標識され得る。様々な化学反応、例えばアミン反応又はチオール反応を使用して、異なる種類の標識がアフィニティーリガンドにコンジュゲートされ得る。しかしながら、アミン及びチオール以外の反応基、例えばアルデヒド、カルボン酸及びグルタミンが使用され得る。目的のタンパク質を検出するために、様々な酵素染色方法が当技術分野で公知である。例えば、酵素相互作用は、異なる酵素、例えばペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ又は異なる色素原、例えばDAB、AEC若しくはFast Redを使用して視覚化され得る。他の例では、抗体は、標識結合パートナー又は抗体を介して検出され得るペプチド又はタンパク質にコンジュゲートされ得る。間接IHCアッセイでは、第1の結合パートナーは標識されないので、その結合を検出するために、二次抗体又は第2の結合パートナーが必要である。得られた染色標本は、検出可能なシグナルを表示し、画像(例えば、染色のデジタル画像)を取得するためのシステムを使用してそれぞれイメージングされる。画像取得のための方法は、当業者に周知である。例えば、サンプルを染色したら、任意の光学イメージングデバイス又は非光学イメージングデバイス、例えば正立光学顕微鏡又は倒立光学顕微鏡、走査型共焦点顕微鏡、カメラ、走査型電子顕微鏡又はトンネル型電子顕微鏡、走査型プローブ顕微鏡及びイメージング赤外検出器などを使用して、染色又はバイオマーカー標識を検出し得る。いくつかの例では、画像をデジタル的にキャプチャし得る。次いで、得られた画像を使用して、サンプルにおけるマーカーの量、又は目的のマーカー(maker)について陽性の細胞の絶対数、又は目的のマーカー(maker)について陽性の細胞の表面を定量的に又は半定量的に決定し得る。IHCと共に使用するために適切な様々な自動サンプル処理システム、スキャニングシステム及び分析システムが当技術分野で利用可能である。このようなシステムは、自動染色及び顕微鏡走査、コンピューター画像分析、連続切片比較(サンプルの方向及びサイズの変動をコントロールするため)、デジタル報告作成、並びにサンプルのアーカイビング及びトラッキング(例えば、組織切片が配置されたスライド)を含み得る。従来の光学顕微鏡とデジタル画像処理システムとを組み合わせて、免疫染色サンプルを含む細胞及び組織の定量分析を実施する細胞イメージングシステムが市販されている。例えば、CAS-200 system (Becton, Dickinson & Co.)を参照のこと。特に、検出は手動で行われ得るか、又はコンピュータプロセッサ及びソフトウェアを伴う画像処理技術によって行われ得る。このようなソフトウェアを使用して、例えば、画像は、当業者に公知の手順を使用して、例えば染色品質又は染色強度を含む因子に基づいて、構成、較正、正規化及び/又は検証され得る(例えば、公開された米国特許出願公開第20100136549号を参照のこと)。画像は、定量的又は半定量的に分析され、サンプルの染色強度に基づいてスコアリングされ得る。定量的又は半定量的な組織化学は、組織化学を受けたサンプルをスキャニング及びスコアリングして、特定のバイオマーカー(すなわち、マーカー)の存在を同定及び定量する方法を指す。定量的又は半定量的な方法は、染色密度若しくは染色量を検出するためのイメージングソフトウェア、又は人間の目によって染色を検出する方法であって、熟練操作者が結果を数値的にランキングする方法を用い得る。例えば、画像は、ピクセルカウントアルゴリズム及び組織認識パターン(例えば、Aperio Spectrum Software、Automated QUantitatative Analysis platform (AQUA(登録商標)platform)又はIlastic及びCalopix softwareを備えるTribvn)及び染色の程度を測定又は定量又は半定量する他の標準的な方法を使用して定量的に分析され得る;例えば、米国特許第8,023,714号;米国特許第7,257,268号;米国特許第7,219,016号;米国特許第7,646,905号;公開された米国特許出願公開第20100136549号及び米国特許出願公開第20110111435号;Camp et al. (2002) Nature Medicine, 8:1323-1327; Bacus et al. (1997) Analyt Quant Cytol Histol, 19:316-328)を参照のこと。強い陽性染色(例えば、褐色染色)と総染色面積の合計との比が計算及びスコアリングされ得る。検出されたバイオマーカー(すなわち、マーカー)の量は定量され、陽性ピクセル及び/又はスコアの割合として示される。例えば、量は、陽性ピクセルの割合として定量され得る。いくつかの例では、量は、染色面積の割合、例えば陽性ピクセルの割合として定量される。例えば、サンプルは、総染色面積と比較して、少なくとも又は約少なくとも又は約0、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又はそれ以上の陽性ピクセルを有し得る。例えば、量は、目的のマーカー(maker)について陽性の細胞の絶対数として定量され得る。いくつかの実施態様では、サンプルの組織化学染色の強度又は量の数値表示であり、サンプル中に存在するターゲットバイオマーカー(例えば、マーカー)の量を表すスコアがサンプルに与えられる。光学密度又は面積率の値は、スケーリングされたスコア、例えば整数スケールで示され得る。したがって、いくつかの実施態様では、本発明の方法は、i)マーカーと選択的に相互作用することができる結合パートナー(例えば、上記抗体)を使用することによって、自動スライド染色システムによって得られた組織切片の1つ以上の免疫染色片を提供すること、ii)高解像度スキャンキャプチャによって、工程i)のスライドのデジタル化を進めること、iii)デジタル画像上で組織切片を検出すること、iv)同じ表面を有する等分布単位のサイズ基準グリッドであって、分析すべき組織切片のサイズに適合されたサイズ基準グリッドを提供すること、並びにv)各ユニットにおける染色細胞の強度又は絶対数を検出、定量及び測定し、それにより、各ユニットの染色細胞の数又は密度を評価することからなる工程を含む。
典型的には、所定の基準値は、閾値又はカットオフ値である。典型的には、「閾値」又は「カットオフ値」は、実験的に、経験的に又は理論的に決定され得る。当業者によって認識されるように、閾値はまた、既存の実験条件及び/又は臨床条件に基づいて任意に選択され得る。例えば、適切に保存された歴史的被験体サンプルにおける細胞密度のレトロスペクティブ測定は、所定の基準値を確立する際に使用され得る。閾値は、試験の機能及びベネフィット/リスクバランス(偽陽性及び偽陰性の臨床結果)に応じて最適な感度及び特異性を得るために決定されなければならない。典型的には、最適な感度及び特異性(及びそれ故に閾値)は、実験データに基づいて受信者動作特性(ROC)曲線を使用して決定され得る。例えば、参照群における細胞密度を定量した後、試験すべきサンプルにおける測定密度の統計処理のためにアルゴリズム的分析を使用して、サンプル分類のための有意性を有する分類基準を得ることができる。ROC曲線の正式名称は受信者動作特性曲線であり、受信者操作特性曲線としても公知である。それは、臨床生化学診断検査に主に使用される。ROC曲線は、真陽性率(感度)及び偽陽性率(1−特異性)の連続変数を反映する包括的な指標である。それは、画像合成法を用いて、感度と特異性の間の関係を明らかにする。一連の異なるカットオフ値(閾値又は臨界値、すなわち、診断検査の正常結果と異常結果との間の境界値)を、一連の感度及び特異性の値を計算するための連続変数として設定する。次いで、感度を垂直座標として使用し、特異性を水平座標として使用して曲線を描写する。曲線下面積(AUC)が多いほど、診断の正確性が高い。ROC曲線上では、座標図の左上端に最も近い点は、高感度の値及び高特異性の値の両方を有する臨界点である。ROC曲線のAUC値は、1.0〜0.5である。AUC>0.5である場合、AUCが1に近づくにつれて、診断結果は良好になる。AUCが0.5〜0.7である場合、正確性は低い。AUCが0.7〜0.9である場合、正確性は中程度である。AUCが0.9よりも高い場合、正確性は非常に高い。このアルゴリズム的方法は、好ましくは、コンピューターを用いて行われる。当技術分野における既存のソフトウェア又はシステム、例えば:MedCalc 9.2.0.1医療統計ソフトウェア、SPSS 9.0、ROCPOWER.SAS、DESIGNROC.FOR、MULTIREADER POWER.SAS、CREATE-ROC.SAS、GB STAT VI0.0 (Dynamic Microsystems, Inc. Silver Spring, Md., USA)が、ROC曲線の描写に使用され得る。
いくつかの実施態様では、所定の基準値は、
a)肺ガンを患っている被験体由来の腫瘍組織サンプルのコレクションを提供する工程;
b)工程a)において提供した各腫瘍組織サンプルについて、対応する被験体の実際の臨床転帰に関する情報(すなわち、無病生存(DFS)及び/又は全生存(OS)の期間)を提供する工程;
c)一連の任意の定量値を提供する工程;
d)工程a)において提供したコレクションに含まれる各腫瘍組織サンプルの細胞密度を定量する工程;
e)工程c)において提供した1つの特定の任意の定量値について、前記腫瘍組織サンプルを2つの群((i)前記一連の定量値に含まれる前記任意の定量値よりも低いレベルで定量値を示す腫瘍組織サンプルを含む第1の群;(ii)前記一連の定量値に含まれる前記任意の定量値よりも高い前記レベルについての定量値を示す腫瘍組織サンプルを含む第2の群)にそれぞれ分類し、それにより、前記特定の定量値について、2つの腫瘍組織サンプル群を得、各群の腫瘍組織サンプルを別々に計数する工程;
f)(i)工程e)において得た定量値と(ii)工程f)において定義した第1の群及び第2の群に含まれる腫瘍組織サンプルが由来する被験体の実際の臨床転帰との間の統計的有意性を計算する工程;
g)工程d)において提供したあらゆる任意の定量値を試験するまで、工程f)及びg)を反復する工程;
h)前記所定の基準値を、工程g)において最も高い統計的有意性(ログランク検定で得られた最も有意なP値、P<0.05の場合に有意)が計算された任意の定量値からなるように設定する工程
を含む方法を行うことによって決定され得る。
例えば、被験体100人の腫瘍組織サンプル100個について、細胞密度が評価されている。細胞密度にしたがって、サンプル100個をランキングする。サンプル1は最も高い密度を有し、サンプル100は最も低い密度を有する。第1のグルーピングは、2つのサブセット(一方ではサンプルNr1及び他方では他のサンプル99個)を提供する。最後のグルーピング(一方ではサンプル1〜99及び他方ではサンプルNr100)まで、次のグルーピングは、一方ではサンプル1及び2を提供し、他方では残りのサンプル98個などを提供する。対応するガン被験体の実際の臨床転帰に関する情報にしたがって、2つのサブセットの各99群について、カプラン・マイヤー曲線を作成する。また、各99群について、両サブセット間のp値を計算した(ログランク検定)。次いで、最小P値の基準に基づく識別が最も強くなるように、所定の基準値を選択する。換言すれば、P値が最小である両サブセット間の境界に対応する細胞密度を、所定の基準値として見なす。所定の基準値は、必ずしも細胞密度の中央値ではないことに留意すべきである。したがって、いくつかの実施態様では、所定の基準値は、被験体のDFS及びOSに関して、予後不良と予後良好との間の識別を可能にする。実際、高い統計的有意値(例えば、低いP値)は、一般に、単一の任意の定量値についてだけではなく、一定範囲の連続する任意の定量値について得られる。したがって、本発明の代替的な一実施態様では、明確な所定の基準値を使用する代わりに、一定範囲の値を提供する。したがって、最小の統計的有意値(有意性の最小閾値、例えば最大閾値のP値)を任意に設定し、工程g)において計算された統計的有意値がより高い(より有意である、例えば、より低いP値)一定範囲の複数の任意の定量値を保持し、一定範囲の定量値が提供される。この範囲の定量値は、上記「カットオフ」値を含む。例えば、「カットオフ」値のこの特定の実施態様によれば、転帰は、細胞密度と、特定された値域とを比較することによって決定され得る。したがって、いくつかの実施態様では、カットオフ値は、例えば、最高の統計的有意値が見られる定量値(例えば、一般に、見られる最小P値)を中心とする一定範囲の定量値からなる。
いくつかの実施態様では、本発明の方法は、以下のように、2つの群における各細胞密度について測定された定量値の分類を含む比較工程を含む:(i)細胞密度の定量値が、対応する所定の基準値よりも高い場合、第1の群は「Hi」と称され、(ii)細胞密度の定量値が、対応する所定の基準値よりも低い場合、第2の群は「Lo」と称される。それは、例から、比較工程の結果が、Treg細胞に関する「Hi(高)」値と、免疫細胞の1つのさらなる集団に関する「Lo(低)」値とからなる場合、予後不良が提供される。反対に、比較工程の結果が、Treg細胞に関する「Lo」値と、免疫細胞の1つのさらなる集団に関する「Hi」値とからなる場合、予後良好が提供される。Treg細胞の密度と、免疫細胞のさらなる集団の密度との複合であるスコアは、以下の表にしたがって計算され得る。
Figure 2018530747
いくつかの実施態様では、本発明の方法は、患者が処置、特に免疫療法剤に適格であるか否かを決定するために適切である。例えば、患者が予後不良を有すると結論された場合、医師は、処置を患者に投与する選択をとり得る。典型的には、処置としては、化学療法、放射線療法及び免疫療法が挙げられる。
いくつかの実施態様では、被験体は、化学療法剤を投与される。用語「化学療法剤」は、腫瘍成長の阻害において有効な化合物を指す。化学療法剤の例としては、アルキル化剤、例えばチオテパ及びシクロホスファミド;アルキルスルホナート、例えばブスルファン、インプロスルファン及びピポスルファン;アジリジン、例えばベンゾドーパ、カルボクオン、メツレドーパ及びウレドーパ;エチレンイミン及びメチラメラミン(アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド及びトリメチロメラミンを含む);アセトゲニン(特に、ブラタシン及びブラタシノン);カンプトセシン(合成類似体トポテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼルシン及びビゼレシン合成類似体を含む);クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体、KW−2189及びCB1−TM1を含む);エリュテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポンギスタチン;ナイトロジェンマスタード、例えばクロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニマスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード;ニトロソウレア、例えばカルマスティン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン;抗生物質、例えばエンジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特にカリケアマイシン(11及びカリケアマイシン211、例えばAgnew Chem Intl. Ed. Engl. 33:183-186 (1994)を参照のこと);ジネマイシン(ジネマイシンAを含む);エスペラミシン;並びにネオカルジノスタチン発色団及び関連色素タンパク質のエンジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン(canninomycin)、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン(モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン(streptomgrin)、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;代謝拮抗物質、例えばメトトレキサート及び5−フルオロウラシル(5−FU);葉酸類似体、例えばデノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサート;プリン類似体、例えばフルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン;ピリミジン類似体、例えばアンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロキシウリジン、5−FU;アンドロゲン、例えばカルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン;抗副腎物質、例えばアミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン;葉酸補充薬、例えばフロリン酸;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル;ビスアントレン;エダトレキサート;デフォファミン;デメコルシン;ジアジクオン;エルフォルニチン;酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダイニン;メイタンシノイド、例えばメイタンシン及びアンサマイトシン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラエリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2”−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特に、T−2毒素、ベラクリンA、ロリジンA及びアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えばパクリタキセル(TAXOL(登録商標)、Bristol-Myers Squibb Oncology, Princeton, N.].)及びドセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、Rhone-Poulenc Rorer, Antony, France);クロランブシル;ゲムシタビン;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;白金類似体、例えばシスプラチン及びカルボプラチン;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP−16);イホスファミド;マイトマイシンC;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;CPT−1 1;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸;カペシタビン;及び上記のいずれかの薬学的に許容し得る塩、酸又は誘導体が挙げられる。また、腫瘍に対するホルモン作用をレギュレーション又は阻害するように作用する抗ホルモン剤、例えば抗エストロゲン薬(例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害性4(5)−イミダゾール、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン及びトレミフェン(Fareston)を含む);並びに抗アンドロゲン薬、例えばフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド及びゴセレリン;並びに上記のいずれかの薬学的に許容し得る塩、酸又は誘導体もこの定義に含まれる。
いくつかの実施態様では、被験体は、ターゲティングガン療法を投与される。ターゲティングガン療法は、ガンの成長、進行及び転移に関与する特定の分子(「分子ターゲット」)に干渉することによって、ガンの成長及び転移を遮断する薬物又は他の物質である。ターゲティングガン療法は、「分子ターゲティング薬物」、「分子ターゲティング療法」、「高精度医療」又は類似の名称で称されることもある。いくつかの実施態様では、ターゲティング療法は、チロシンキナーゼ阻害剤を被験体に投与することからなる。用語「チロシンキナーゼ阻害剤」は、レセプターチロシンキナーゼ及び/又は非レセプターチロシンキナーゼの選択的阻害剤又は非選択的阻害剤として作用する様々な治療剤又は薬物のいずれかを指す。チロシンキナーゼ阻害剤及び関連化合物は当技術分野で周知であり、米国特許出願公開第2007/0254295号(これは、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)に記載されている。当業者であれば、チロシンキナーゼ阻害剤に関連する化合物は、チロシンキナーゼ阻害剤の効果を再現するであろう(例えば、関連化合物は、チロシンキナーゼシグナル伝達経路の異なるメンバーに対して作用して、そのチロシンキナーゼのチロシンキナーゼ阻害剤と同じ効果をもたらすであろう)ことを認識するであろう。本発明の実施態様の方法において使用するために適切なチロシンキナーゼ阻害剤及び関連化合物の例として、限定されないが、ダサチニブ(BMS−354825)、PP2、BEZ235、サラカチニブ、ゲフィチニブ(Iressa)、スニチニブ(Sutent;SU11248)、エルロチニブ(Tarceva;OSI−1774)、ラパチニブ(GW572016;GW2016)、カネルチニブ(CI 1033)、セマキシニブ(SU5416)、バタラニブ(PTK787/ZK222584)、ソラフェニブ(BAY 43−9006)、イマチニブ(Gleevec;STI571)、レフルノミド(SU101)、バンデタニブ(Zactima;ZD6474)、MK−2206(8−[4−アミノシクロブチル)フェニル]−9−フェニル−1,2,4−トリアゾロ[3,4−f][1,6]ナフチリジン−3(2H)−オン塩酸塩)、それらの誘導体、それらの類似体及びそれらの組み合わせが挙げられる。本発明において使用するために適切なさらなるチロシンキナーゼ阻害剤及び関連化合物は、例えば、米国特許出願公開第2007/0254295号、米国特許第5,618,829号、米国特許第5,639,757号、米国特許第5,728,868号、米国特許第5,804,396号、米国特許第6,100,254号、米国特許第6,127,374号、米国特許第6,245,759号、米国特許第6,306,874号、米国特許第6,313,138号、米国特許第6,316,444号、米国特許第6,329,380号、米国特許第6,344,459号、米国特許第6,420,382号、米国特許第6,479,512号、米国特許第6,498,165号、米国特許第6,544,988号、米国特許第6,562,818号、米国特許第6,586,423号、米国特許第6,586,424号、米国特許第6,740,665号、米国特許第6,794,393号、米国特許第6,875,767号、米国特許第6,927,293号及び米国特許第6,958,340号(これらは全て、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)に記載されている。特定の実施態様では、チロシンキナーゼ阻害剤は、経口投与されている低分子キナーゼ阻害剤であって、少なくとも1つの第I相臨床試験、より好ましくは少なくとも1つの第II相臨床試験、さらにより好ましくは少なくとも1つの第III相臨床試験の対象であり、最も好ましくは少なくとも1つの血液学的又は腫瘍学的適応についてFDAによって承認されている低分子キナーゼ阻害剤である。このような阻害剤の例として、限定されないが、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、カネルチニブ、BMS−599626(AC−480)、ネラチニブ、KRN−633、CEP−11981、イマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、AZM−475271、CP−724714、TAK−165、スニチニブ、バタラニブ、CP−547632、バンデタニブ、ボスチニブ、レスタウルチニブ、タンズチニブ、ミドスタウリン、エンザスタウリン、AEE−788、パゾパニブ、アキシチニブ、モテサニブ(Motasenib)、OSI−930、セジラニブ、KRN−951、ドビチニブ、セリシクリブ、SNS−032、PD−0332991、MKC−I(Ro−317453;R−440)、ソラフェニブ、ABT−869、ブリバニブ(BMS−582664)、SU−14813、テラチニブ、SU−6668、(TSU−68)、L−21649、MLN−8054、AEW−541及びPD−0325901が挙げられる。
いくつかの実施態様では、被験体は、免疫療法剤を投与される。本明細書で使用される用語「免疫療法剤」は、ガン細胞に対する体の免疫応答を間接的若しくは直接的に増強し、刺激し若しくは増加させ、及び/又は他の抗ガン療法の副作用を減少させる化合物、組成物又は処置を指す。したがって、免疫療法は、ガン細胞に対する免疫系の応答を直接的若しくは間接的に刺激若しくは増強し、及び/又は他の抗ガン剤によって引き起こされ得る副作用を緩和する治療である。免疫療法はまた、当技術分野では免疫学的療法、生物学的療法、生物学的応答改変物質療法及び生物療法と称される。当技術分野で公知の一般的な免疫療法剤の例としては、限定されないが、サイトカイン、ガンワクチン、モノクローナル抗体及び非サイトカインアジュバントが挙げられる。あるいは、免疫療法処置は、一定量の免疫細胞(T細胞、NK細胞、樹状細胞、B細胞...)を被験体に投与することからなり得る。
免疫療法剤は非特異的であり得るか(すなわち、一般には、ヒトの体が、ガン細胞の成長及び/又は転移と闘う上でより有効になるように免疫系を高め得る)、又はそれらは特異的であり得(すなわち、ガン細胞それ自体にターゲティングされ得る)、免疫療法レジメンは、非特異的免疫療法剤及び特異的免疫療法剤の使用を組み合わせ得る。
非特異的免疫療法剤は、免疫系を刺激するか又は間接的に改善する物質である。非特異的免疫療法剤は、ガン処置の主要療法として単独で使用されており、それに加えて、非特異的免疫療法剤が他の治療(例えば、ガンワクチン)の有効性を増強するアジュバントとして機能する場合の主要療法においても使用されている。非特異的免疫療法剤はまた、この後者の状況では、他の治療の副作用(例えば、特定の化学療法剤によって誘導される骨髄抑制)を軽減するように機能し得る。非特異的免疫療法剤は、重要な免疫系細胞に対して作用し、二次応答(例えば、サイトカイン及び免疫グロブリンの産生増加)を引き起こし得る。あるいは、この薬剤は、それ自体サイトカインを含み得る。非特異的免疫療法剤は、一般に、サイトカインアジュバント又は非サイトカインアジュバントとして分類される。
免疫系を高めるように設計された一般的な非特異的免疫療法として、又は他の治療と共に提供されるアジュバントとして、多くのサイトカインがガンの処置において適用されている。適切なサイトカインとしては、限定されないが、インターフェロン、インターロイキン及びコロニー刺激因子が挙げられる。
本発明によって企図されるインターフェロン(IFN)としては、一般的な種類のIFN、IFN−アルファ(IFN−α)、IFN−ベータ(IFN−β)及びIFN−ガンマ(IFN−γ)が挙げられる。IFNは、例えば、ガン細胞の成長を遅延させること、挙動がより正常な細胞への発達を促進すること、並びに/又はガン細胞の抗原産生を増加させて、免疫系によるガン細胞の認識及び破壊を容易にすることによって、ガン細胞に対して直接的に作用し得る。IFNはまた、例えば、血管新生を遅延させること、免疫系を高めること、並びに/又はナチュラルキラー(NK)細胞、T細胞及びマクロファージを刺激することによって、ガン細胞に対して間接的に作用し得る。リコンビナントIFN−アルファは、ロフェロン(Roche Pharmaceuticals)及びイントロンA(Schering Corporation)として市販されている。
本発明によって企図されるインターロイキンとしては、IL−2、IL−4、IL−11及びIL−12が挙げられる。市販のリコンビナントインターロイキンの例としては、Proleukin(登録商標)(IL-2; Chiron Corporation)及びNeumega(登録商標)(IL-12; Wyeth Pharmaceuticals)が挙げられる。Zymogenetics, Inc. (Seattle, Wash.)は、現在、リコンビナント型のIL−21を試験しており、これも、本発明の組み合わせにおける使用に企図される。
本発明によって企図されるコロニー刺激因子(CSF)としては、顆粒コロニー刺激因子(G−CSF又はフィルグラスチム)、顆粒マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF又はサルグラモスチム)及びエリスロポエチン(エポエチンアルファ、ダルベポエチン)が挙げられる。1つ以上の成長因子による処置は、伝統的な化学療法を受けている被験体における新たな血液細胞の生成の刺激を支援し得る。したがって、CSFによる処置は、化学療法に関連する副作用の低減において有用であり得、より高用量の化学療法剤の使用を可能にし得る。様々なリコンビナントコロニー刺激因子、例えば、Neupogen(登録商標)(G−CSF; Amgen)、Neulasta (ペグフィルグラスチム; Amgen)、Leukine (GM−CSF; Berlex)、Procrit (エリスロポエチン; Ortho Biotech)、Epogen (エリスロポエチン; Amgen)、Arnesp (エリスロポエチン)が市販されている。
特異的ターゲット又は非特異的ターゲットを有することに加えて、免疫療法剤は能動的であり得るか(すなわち、体自体の免疫応答を刺激し得る)、又はそれらは受動的であり得る(すなわち、体外に生成された免疫系成分を含み得る)。
受動的特異的免疫療法は、典型的には、ガン細胞において発現される特定の抗原に特異的な、又は特定の細胞成長因子に特異的な1つ以上のモノクローナル抗体の使用を伴う。モノクローナル抗体は、例えば、特定の種類のガンに対する被験体の免疫応答を増強するために、特定の細胞成長因子(例えば、血管新生に関与するもの)をターゲティングすることによって、又は化学療法剤、放射性粒子若しくは毒素などの薬剤に連結若しくはコンジュゲートされる場合には、ガン細胞への他の抗ガン剤の送達を増強することによってガン細胞の成長を妨害するために、ガンの処置において多くの方法で使用され得る。
いくつかの実施態様では、免疫療法剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。本明細書で使用される用語「免疫チェックポイント阻害剤」は、1つ以上のチェックポイントタンパク質を完全に又は部分的に低減、阻害、干渉又はモデュレーションする分子を指す。チェックポイントタンパク質は、T細胞の活性化又は機能をレギュレーションする。CTLA−4及びそのリガンドCD80及びCD86;並びにPD1とそのリガンドPDLl及びPDL2などの多数のチェックポイントタンパク質が公知である(Pardoll, Nature Reviews Cancer 12: 252-264, 2012)。これらのタンパク質は、T細胞応答の共刺激相互作用又は阻害相互作用に関与する。免疫チェックポイントタンパク質は、自己寛容と、生理学的免疫応答の持続時間及び振幅とをレギュレーション及び維持する。免疫チェックポイント阻害剤は抗体を含むか、又は抗体に由来する。いくつかの実施態様では、免疫チェックポイント阻害剤は、抗CTLA4抗体(例えば、イピリムマブ)、抗PD1抗体(例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ)、抗PDL1抗体、抗TIM3抗体、抗LAG3抗体、抗B7H3抗体、抗B7H4抗体、抗BTLA抗体及び抗B7H6抗体からなる群より選択される抗体である。抗CTLA−4抗体の例は、米国特許第5,811,097号;米国特許第5,811,097号;米国特許第5,855,887号;米国特許第6,051,227号;米国特許第6,207,157号;米国特許第6,682,736号;米国特許第6,984,720号;及び米国特許第7,605,238号に記載されている。1つの抗CTLA−4抗体は、トレメリムマブ(チシリムマブ、CP−675,206)である。いくつかの実施態様では、抗CTLA−4抗体は、イピリムマブ(10D1、MDX−D010としても公知である)(CTLA−4に結合する完全ヒトモノクローナルIgG抗体)である。別の免疫チェックポイントタンパク質は、Programmed cell death1(PD−1)である。PD−1及びPD−L1遮断薬の例は、米国特許第7,488,802号;米国特許第7,943,743号;米国特許第8,008,449号;米国特許第8,168,757号;米国特許第8,217,149号並びに国際公開公報第03042402号、国際公開公報第2008156712号、国際公開公報第2010089411号、国際公開公報第2010036959号、国際公開公報第2011066342号、国際公開公報第2011159877号、国際公開公報第2011082400号及び国際公開公報第2011161699号に記載されている。いくつかの実施態様では、PD−1遮断薬は、抗PD−L1抗体を含む。特定の他の実施態様では、PD−1遮断薬は、抗PD−1抗体及び類似結合タンパク質、例えばニボルマブ(MDX 1106、BMS 936558、ONO 4538)(PD−1に結合して、そのリガンドPD−Ll及びPD−L2によるその活性化を遮断する完全ヒトIgG4抗体);ランブロリズマブ(MK−3475又はSCH 900475)(PD−1に対するヒト化モノクローナルIgG4抗体;CT−011(PD−1に結合するヒト化抗体);AMP−224(B7−DCの融合タンパク質);抗体Fc部分;PD−Ll(B7−H1)遮断のためのBMS−936559(MDX−1105−01)を含む。他の免疫チェックポイント阻害剤は、リンパ球活性化遺伝子−3(LAG−3)阻害剤、例えばIMP321(可溶性Ig融合タンパク質)を含む(Brignone et al., 2007, J. Immunol. 179:4202-4211)。他の免疫チェックポイント阻害剤は、B7阻害剤、例えばB7−H3及びB7−H4阻害剤を含む。特に、抗B7−H3抗体MGA271(Loo et al., 2012, Clin. Cancer Res. July 15 (18) 3834)。TIM3(T細胞免疫グロブリンドメイン及びムチンドメイン3)阻害剤(Fourcade et al., 2010, J. Exp. Med. 207:2175-86及びSakuishi et al., 2010, J. Exp. Med. 207:2187-94)も含まれる。いくつかの実施態様では、Nicholas P. Restifo, Mark E. Dudley and Steven A. Rosenberg (“Adoptive immunotherapy for cancer: harnessing the T cell response, Nature Reviews Immunology, Volume 12, April 2012)に記載されているように、免疫療法処置は、養子免疫療法からなる。養子免疫療法では、患者の循環リンパ球又は腫瘍浸潤リンパ球をin vitroで単離し、IL−2などのリンフォカインによって活性化し、再投与する(Rosenberg et al., 1988; 1989)。活性化リンパ球は、最も好ましくは、血液サンプルから早期に単離されてin vitroで活性化された(又は「エクスパンションされた」)患者自身の細胞である。
免疫療法処置は、特に造血幹細胞HSCを有する同種移植片を同種移植することからなり得る。Nicholas P. Restifo, Mark E. Dudley and Steven A. Rosenberg (“Adoptive immunotherapy for cancer: harnessing the T cell response, Nature Reviews Immunology, Volume 12, April 2012)に記載されているように、免疫療法処置はまた、養子免疫療法からなり得る。養子免疫療法では、被験体の循環リンパ球、NK細胞を単離し、ex vivoで増幅し、被験体に再投与する。活性化リンパ球又はNK細胞は、最も好ましくは、血液又は腫瘍サンプルから事前に単離されてex vivoで活性化された(又は「エクスパンションされた」)被験体自身の細胞である。
いくつかの実施態様では、被験体は、放射線療法剤を投与される。本明細書で使用される用語「放射線療法剤」は、限定されないが、ガンを処置又は改善するために有効であることが当業者に公知の任意の放射線療法剤を指すことを意図する。例えば、放射線療法剤は、小線源治療又は放射性核種治療において投与されるものなどの薬剤であり得る。このような方法は、場合により、1つ以上のさらなるガン治療、例えば限定されないが、化学療法及び/又は別の放射線療法の投与をさらに含み得る。
以下の図面及び実施例によって、本発明をさらに説明する。しかしながら、これらの実施例及び図面は、本発明の範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。
高密度の腫瘍浸潤Tregは、肺ガン患者の臨床転帰不良に関連する。パラフィン包埋NSCLC腫瘍切片243個に対して、免疫染色を実施した。染色及びスキャンした組織画像に対して、自動計数を実施した。NSCLC患者のOS率を決定するために、カプラン・マイヤー生存グラフをプロットした。ログランク検定を使用して、データの統計的有意性を決定した。A:グラフは、FoxP3+Tregの密度に基づく生存曲線を示す。高密度のTregは、患者の生存不良に関係する(P=0.0049)。B:n=患者100人について、腫瘍のTLS領域において別々に計数したFoxP3+Treg。TLS領域におけるTregを有する患者を高群及び低群によって分類し、生存を決定した。TLSにおける高密度のTregは、患者の生存不良に関連する(P=0.0245)。C、E、G;組織の連続切片を使用して、Dc−lamp+成熟DC、CD20+B細胞及びCD8+T細胞の密度を決定したところ、密度は、患者の臨床転帰良好に関連することが見出された(それぞれP=0.0002、P=0.0020及びP=0.0027)。D、F、H;DC−Lamp+成熟DC、CD20+B細胞及びCD8+T細胞の密度とFoxP3+Tregの密度とを組み合わせると、患者を4つの異なる群に分類することができた(それぞれP<0.0001、P<0.0001及びP=0.0002)。 CD3+T細胞、FoxP3+Tregの密度、CD3+T細胞又はCD8+T細胞又は成熟DCとTregとの比率、及び最後にTLS−Tregの密度に基づいて高群及び低群を識別するための最適なカットオフ値の決定。最適なカットオフ値は、898.793 CD3+FoxP3−Tconv(A)、21.997 CD3+FoxP3+Treg(B)、17.94117 CD3+Tconv/Treg(C)、12.41506 CD8+T細胞/Treg(D)、0.06297162 DC−Lamp+成熟DC/Treg(E)及び127.0348 TLS−Treg(F)である。 全CD3+T細胞のカプラン・マイヤー曲線、及びそれぞれCD3+T細胞、CD8+T細胞及び成熟DCとTregとの比率。パラフィン包埋NSCLC腫瘍切片243個に対して、免疫染色を実施した。染色及びスキャンした組織画像に対して、自動計数を実施した。患者のOS率を決定するために、カプラン・マイヤー生存グラフをプロットした。ログランク検定を使用して、データの統計的有意性を決定した。A:グラフは、全CD3+T細胞の密度に基づく生存曲線を示す。高密度のCD3+T細胞は、患者の生存良好に関係する(CD3高のOS92カ月間対CD3低のOS41カ月間 P=0.0073)。B:高比率のCD3+T細胞/FoxP3+Tregは、低比率(OS=40カ月間、P=0.0008)と対比して、患者に有益である(OS=92カ月間)。C;高比率の成熟DC細胞/FoxP3+Tregは、低比率(OS=46カ月間、P=0.0003)と対比して、患者の予後良好を示す。D;高比率のCD8+T細胞/FoxP3+Tregは、低比率(OS=41カ月間、P=0.0005)と対比して、患者の予後良好を示す。 高密度の腫瘍浸潤Tregは、肺ガン患者の臨床転帰不良に関連し、DC−Lamp+DC及びCD8+T細胞と組み合わせると、高い死亡リスクを有する患者の同定を可能にする。パラフィン包埋NSCLC腫瘍切片338個に対して、免疫染色を実施した。NSCLC患者のOSを決定するために、カプラン・マイヤー生存グラフをプロットした。ログランク検定を使用して、データの統計的有意性を決定した。(A)腫瘍領域において、FoxP3+Tregを計数した(n=患者338人)。(B)腫瘍のTLS領域においても、FoxP3+Tregを別々に計数した(n=100)。Tregの密度によって患者を高群及び低群に分類し、生存を決定した。(C、E、G)組織の連続切片を使用して、CD3+T細胞、CD8+T細胞及びDC−Lamp+成熟DCの密度も決定した。(D、F、H)CD3+T細胞、CD8+T細胞及びDC−Lamp+成熟DCの密度とFoxP3+Tregの密度とを組み合わせると、患者を4つの異なる群に分類することができた(全ての場合においてP<0.001)。各カプラン・マイヤー曲線グラフの下の表は、リスクを有する患者の数、イベントの数、及び細胞密度群に応じた打ち切りを示す。表はまた、患者群に応じたそれぞれ24カ月間、60カ月間及び120カ月間のOS率(%)を示す。 高密度の腫瘍浸潤Tregは、肺ガン患者の臨床転帰不良に関連し、TLS−B細胞又はCD8グランザイム−BT細胞と組み合わせると、高い死亡リスクを有する患者の同定を可能にする。パラフィン包埋NSCLC腫瘍切片338個に対して、免疫染色を実施した。NSCLC患者のOSを決定するために、カプラン・マイヤー生存グラフをプロットした。ログランク検定を使用して、データの統計的有意性を決定した。全FoxP3CD3Tregを、全腫瘍切片(A、C;n=腫瘍338個)に対して、又は選択的にTLS(「TLS−Treg」と称される、B、D;n=腫瘍100個)に対して計数した。組織の連続切片を使用して、選択的にTLSにおいて腫瘍浸潤CD20B細胞(TLS−B細胞)を計数し、全腫瘍切片において腫瘍浸潤CD8グランザイム−BT細胞を計数した。免疫集団の密度によって患者を高(Hi)群及び低(Lo)群に分類し、生存を決定した。TLS−B細胞と全Tregとの組み合わせ(A)、TLS−B細胞とTLS−Tregとの組み合わせ(B)、CD8グランザイム−BT細胞と全Tregとの組み合わせ(C)、及びCD8グランザイム−BT細胞とTLS−Tregとの組み合わせ(D)により、4つのNSCLC患者群が生じる。1群当たりの患者数は、括弧内に記載されている。
材料及び方法:
患者:
外科的完全切除後、Institut Mutualiste Montsouris, Hotel Dieu and Cochin hospitals (Paris, France)のNSCLC患者から、原発性肺腫瘍サンプルを得た。2001〜2005年に手術を受けたHotel Dieu Hospital (Paris)のNSCLC患者243人のレトロスペクティブコホートが本研究に参加した。ネオアジュバント化学療法及び放射線療法で処置された患者は、このコホートから除外した。手術と最終経過観察又は死亡との間の時間をこのコホートの観察時間とみなす。対話後に、当局の記録簿又は患者の家族から、長期転帰のデータを得た。このプロトコールは、フランス国法の第L.1121−1条を適用して地方倫理委員会(n° 2008-133及びn° 2012-0612)によって承認された。プロスペクティブコホートについては、NSCLC患者55人から、新鮮腫瘍生検を得た。手術を受けた患者から、非腫瘍遠隔肺標本(NTDL)及びリンパ節(LN)標本も得た。書面による同意を得た患者から、サンプルを得た。レトロスペクティブコホート及びプロスペクティブコホートの患者の主な臨床的及び病理学的特徴は、それぞれ表2及び3に示されている。
Figure 2018530747

表2:レトロスペクティブコホートのNSCLC患者の臨床的及び病理学的特徴。NSCLC患者243人において、全てのパラメータを評価した。新たなTNM病期分類46にしたがって、肺ガンの病期を決定した。WHO47の分類にしたがって、組織学的サブタイプを決定した。略語:ADC、腺ガン;ND、未決定;SCC、扁平上皮細胞ガン
Figure 2018530747

表2:プロスペクティブコホートのNSCLC患者の臨床的及び病理学的特徴。NSCLC患者55人において、全てのパラメータを評価した。新たなTNM病期分類46にしたがって、肺ガンの病期を決定した。WHO47の分類にしたがって、組織学的サブタイプを決定した。略語:ADC、腺ガン;ND、未決定;SCC、扁平上皮細胞ガン
免疫組織化学:
CD3、FoxP3、DC−Lamp、CD8、CD20、CD21及びパンサイトケラチンの免疫組織化学二重染色のために、厚さ5μmのホルマリン固定パラフィン包埋連続組織切片を使用した。簡潔に言えば、組織切片を脱パラフィン処理し、水で元に戻し、抗原回復バッファーTRS(Dako)で処置した。protein bloc (Dako)中で切片を30分間インキュベーションしてから、適切な一次抗体及び二次抗体を追加した。基質キットを使用して、酵素活性を実施した。NDPviewソフトウェアを備えるNanozoomer (Hamamatsu)を使用して、画像を取得した。
細胞の定量:
Calopixソフトウェア(Tribvn)を使用して全腫瘍切片において、免疫細胞を定量し、目的の領域1mm2当たりの細胞数として表した。同じソフトウェアを使用して、目的の領域の表面積も決定した。二重DC−Lamp/CD3(TLSのT細胞領域)及びCD20/CD21(TLSのB細胞領域)染色を参照して、TLSの領域を手動で決定した。自動計数を用いて、TLSにおけるCD3+FoxP3+細胞の密度を決定した。以前に記載されているように7,(22)、TLS−DC−Lamp+DC、CD3+T細胞、CD8+T細胞、TLS−CD20+B細胞の定量を決定した。
フローサイトメトリー:
合計34個のNSCLC新鮮腫瘍サンプルが本研究に参加した。腫瘍組織標本及び非腫瘍組織標本を機械的に細断し、非酵素溶液(細胞回収溶液、BD Biosciences)で消化した。フィコール勾配の後、全単核細胞を得た。蛍光標識抗体及びそれらのマッチアイソタイプコントロールの複数のパネルで、単核細胞を染色した。さらに、細胞内染色のための固定/パーマキット(ebioscience)を使用して、細胞を固定及び透過処理した。細胞を洗浄し、Fortessa cytometer (BD Biosciences)によってデータを取得した。flow Jo 9.7.6 (Tree Star Inc, Ashland, OR)及びSpice 5.3.5 (Mario Roederer, Vaccine Research Center, NIAID, NIHによる開発)ソフトウェアプログラムを使用して、データを分析した。
細胞選別:
4つの細胞集団(すなわち、CD62L+及びCD62L−Treg、CD62L+及びCD62L−CD4+従来型T細胞(Tconv))について、インハウス設計のプロトコールを使用して、新鮮腫瘍標本及び非腫瘍組織標本(n=20)からを選別した。簡潔に言えば、Easysep(商標)untouched human CD4+ T cell kit (stem cell technologies Ref. No.)とフローサイトメトリー細胞選別との組み合わせを使用して、高純度の細胞サブセットを達成した。最高の品質及び量のmRNAを得るために、RLT+10%β−メルカプトエタノールを含有するバイアルに細胞を直接選別した。
RNA抽出及び逆転写:
製造業者の説明書にしたがってRNeasy micro kit (Qiagen)を用いて、選別細胞由来の全mRNAを抽出し、2100 Bioanalyzer (Agilent Technologies)を使用してRNAの量及び品質を決定した。superscript VILO kit (Life Technologies)を使用して、mRNAをcDNAに逆転写した。Taqman PreAmp 2x及びMTEプライマー(NanoString technologies, Seatle, USA)を使用して、mRNAが1ng未満のサンプルを9サイクル増幅し、mRNA 1ng超を有するサンプルを7サイクルのPCRによって増幅した。
遺伝子発現分析:
nCounter analysis system (Nanostring Technologies)を使用して、遺伝子発現を実施した。目的の各遺伝子のための2つの特異的プローブ(キャプチャ及びレポーター)を適用した。製造業者の説明書(Nanostring Technologies, Seattle, USA)にしたがって、5つのハウスキーピングコントロール(β−アクチン、GAPDH、EEF1G、OAZ1及びRPL19)及び細胞系統コントロール(CD3、CD4、CD8、CD19、CD138及びEpCAM)を含む選択遺伝子125個の特注レポータープローブ及びキャプチャプローブコードセットをハイブリダイゼーションに使用した。水をネガティブコントロールとして使用して、バックグラウンドノイズをチェックした。NanoString Prep-stationを使用して、ハイブリダイゼーションしたサンプルを回収し、デジタルnCounterを用いてmRNA分子を計数した。計数の数は、遺伝子の発現を表していた。ポジティブコントロール及びネガティブコントロールと、内部コントロールとして1つの患者RNAサンプルとを使用して、異なるバッチの実験中の技術的整合性をチェックした。
統計分析:
マンホイットニーU検定及びウィルコクスン順位検定(P<0.05*、P<0.01**、P<0.001***)を使用して、異なる腫瘍における細胞の密度を比較した。カプラン・マイヤー法によって全生存(OS)曲線を推定し、ログランク検定を使用して患者群間の差異を計算した。以前に公開されているように(7、22)、「最小P値」アプローチを使用して、高密度及び低密度の免疫細胞によって患者を2つの群に分類した。最適なカットオフ値は、898.793 CD3+FoxP3−Tconv、21.997 CD3+FoxP3+Treg、127.0348 TLS Treg、1.248 DC−Lamp+DC、226.5 CD8+T細胞/mm2であり、腫瘍領域のTLS−CD20+B細胞は0.3256%である(図2)。Prism 5 (GraphPad)、Statview (Abacus system)及びR (http: //www.r-project.org/)ソフトウェアを用いて、全ての分析を実施した。遺伝子発現研究及びヒートマップデモンストレーションのために、ソフトウェア「nSolver」(Nanostring Technologies)及びRを使用した。「nSolver」ソフトウェアを使用して、5つのハウスキーピング遺伝子の平均数によって、生データを正規化した。スチューデントT検定及びANOVA検定を使用して、それぞれデータ群間の遺伝子発現を比較した。偽陽性結果が含まれることを回避するために、本発明者らは、偽発見率(FDR)法を用いてP値を算出した。ヒートマップ、ボルケーノプロット及び相関マトリックス形式で、データを表した。
結果
Tregは、TLSを含む異なる肺腫瘍領域に浸潤し、活性化記憶表現型を示す。
本発明者らは、NSCLC患者における腫瘍浸潤Tregの存在、局在性及び頻度を評価した。免疫組織化学によって、CD3+FoxP3+T細胞の存在が異なる腫瘍領域において検出された。CD8+T細胞のような他のT細胞サブセットについては、珍しいCD3+FoxP3+T細胞が腫瘍母地において観察された。実際、腫瘍間質では、T細胞の大部分は、CD3+FoxP3+及びCD8+T細胞と共に検出された。間質反応によるより深い特性評価により、本発明者らは、DC−Lamp+成熟DC及びCD3+T細胞クラスタの存在によって実証されているように、TLSのT細胞リッチ領域におけるTregを視覚化することができた。
次に、本発明者らは、マルチカラーフローサイトメトリーによって、腫瘍及び非腫瘍遠隔部位に浸潤するCD3+FoxP3+T細胞の表現型を解明した。本発明者らは、この集団がCD4(CD8ではなく)、高レベルのCD25を専ら発現し、CD127−/Loであったことを観察した。この観察結果は、文献(23、24)において実証されているヒト天然CD4+Tregの表現型と一致していた。NSCLC患者間のCD3+FoxP3+Tregが不均一であっても、全CD4+T細胞におけるTregの割合は、腫瘍(14.49+1.34%)では常に、NTDL(4.98+0.63%)、LN(8.24+0.95%)及び末梢血(6.26+1.48%)におけるそれらの割合と比較して高かったが、これは、腫瘍におけるこのT細胞サブセットの能動的なリクルートを示唆している。CD62LはTLS−T細胞の特異的マーカーであるので(7、25)、本発明者らは次に、TregとCD4+Tconvとについて、腫瘍のTLS領域(CD62L+)と非TLS領域(CD62L−)とにおける分化段階を研究及び比較した。CD4+Tconv(CD3+CD4+CD62L+/全CD4+Tconv(Tregを除く)の16.07+4.58%)について観察されるように、Tregの一部は、腫瘍誘導性TLSにホーミングする(CD3+CD4+CD25++FoxP3+CD62L+/全Tregの28.90+4.58%)。CCR7、CD45ra、CD27及びCD28のディファレンシャルな発現に基づくと、TLS−Tregは主に、中心記憶(CM)及びエフェクター記憶型1(EM1)表現型のものであった;非常に珍しいことに、CD4+Tconvについて観察されるように、ナイーブTregは全て、TLSにおいて検出された。しかしながら、CD4+Tconvと比較したTregの頻度に関して、実質的な差異が観察され、TLSでは、CD4+TconvよりもナイーブTreg及びCM Tregが少なく、EM1 Tregが多かった。非TLS領域では、Treg及びCD4+Tconvについて、同じ優勢な分化段階が検出されたが、分布は異なっていた。実際、非TLS Tregは主にEM1表現型であり、そして比較的程度は少ないがCM及びEM4であったのに対して、CD4+T convでは、これら3つの段階が等しく分布していた。注目すべきことに、腫瘍では、ターミナルEM(TEMRA)Treg(CCR7−CD45ra+)は検出されなかった。興味深いことに、腫瘍及び非腫瘍遠隔部位(NTDL、LN及び血液)における4つのT細胞段階の分布分析により、腫瘍及びNTDL(これは、LN及び血液と区別される)では、Tregの表現型は同じものであり、主な差異は、CM集団及びEM集団の頻度であったことが示された。
要するに、Tregは、異なる分化段階で、TLSと一緒に異なる腫瘍領域に浸潤するが、これは、それに応じて、それらが異なる機能を示し得ることを示唆している。
Tregは、腫瘍における従来型CD4+T細胞と比較して、活性化表現型及び異なる遺伝子シグネチャーを示す
異なる分化段階のTregが異なる腫瘍領域に存在することから、本発明者らは、それらの活性化、免疫抑制及び免疫チェックポイント(ICP)状態の性質を調査した。したがって、Tregにおいて分子(n=169)及びタンパク質(n=14)レベルで、活性化マーカー及び免疫調節マーカーの発現を調査し、それらの表現型と、腫瘍におけるCD4+Tconvのものとを比較した。FoxP3、IL2Rα及びIL2Rβと一緒に、腫瘍浸潤Tregは、CD4+Tconvと比較して、いくつかの転写因子(Helios及びIRF4)、ケモカイン(CCL22)及びレセプター(CXCR3、CCR4及びCCR8)、サイトカイン(IL10、IL27及びIFNα)及びレセプター(TNFR2、IL1R1及びIL1R2)、活性化レセプター(GITR、4−1BB、ICOS及びOX40)及びいくつかのICP分子(膜及び可溶性CTLA−4、LAG−3、Tim−3、TIGIT、CD39、B7H3、GARP及びPDL2)を有意に過剰発現していた。遺伝子発現レベルによれば、タンパク質レベルでGITR、ICOS、4−1BB、OX40、CTLA−4、Tim−3及びTIGITについて陽性のTregの割合は、CD4+Tconvよりも顕著に高かったのに対して、2つのT細胞サブセット間では、LAG−3に関する統計的差異は測定されなかった。
TLSは、T細胞の活性化のための特権部位と考えられるので、本発明者らは次に、TLSの存在にしたがって、TregとCD4+Tconvとの遺伝子発現プロファイルを比較した。TLS及び非TLSでは、Treg上で有意に過剰発現されている遺伝子は同様であった。しかしながら、TLS(Tim−3、IL6、CCR5及びCXCR3)及び非TLS(ICOS−L、PDL2、B7H3、GATA3及びFoxA1)で、わずかな特異性を認めることができるのみであり、これは、TLS及び非TLSにおけるTregが共通の調節機能を共有し得ることを示唆している。
結論として、Tregは、腫瘍におけるCD4+Tconvと比較して、活性化及びICP分子を含む特異的な分子パターンを示す。
腫瘍浸潤Tregの機能的配向は、NTDL由来ではなく血液由来のそれらのカウンターパートと顕著に異なる
ほとんどのTregは、異なる部位において推定エフェクター機能を有する記憶表現型であったが、それらは腫瘍に広く浸潤していたので、本発明者らは、それらの局在性が何であっても、それらが同じ分子パターンを示すかを決定した。以前に実施されているように、本発明者らは、NSCLC患者のTreg浸潤腫瘍、NTDL、LN及び血液における活性化マーカー、免疫抑制マーカー及びICPマーカーの遺伝子及びタンパク質発現レベルを比較した。驚くべきことに、腫瘍では、NTDLと対比して、非常にわずかな遺伝子(試験した遺伝子120個のうちの11個)がTregによってディファレンシャルに発現されていたが、これは、それらが、腫瘍性肺及び非腫瘍性肺において同様の遺伝子発現シグネチャーを示すことを示している。これらの遺伝子のほとんどは、走化性及びICP(PD−1、BTLA、B7−H3、IL−27、BCL6、STAT4、CD44)に関係する。腫瘍及びLNにおけるTregを比較したところ、本発明者らは、より過剰発現されている遺伝子を観察し(n=21、そのうち腫瘍において17個及びLNにおいて4個)、それらのほとんどは腫瘍におけるTreg及びCD4+Tconvを比較したときに既に同定されていた。Treg上でディファレンシャルに発現される最も重要な遺伝子の数は、腫瘍と血液との間であった。1個を除いて、それらの全てが腫瘍において過剰発現されており、以前に強調されていた遺伝子を含む(腫瘍とLNとの対比)。腫瘍Tregにおける腫瘍関連遺伝子は、転写因子(FoxP3、FoxA1、STAT4)、活性化(ICOS、GITR、Ox−40、4−1BB、TNFR2、CD26)、ICP(mCTLA4、PD1、PDL1、B7−H3、BTLA、TIGIT、Tim3、LAG−3)、走化性(CCL20、CCL22、CXCL5、CX3CL1、CXCR3、CD200、CX3CR1、LTβR)、免疫抑制(IL−10、CD39、GARP)及び細胞傷害性(グランザイムB、グラニュリシン、FasL)分子に関係する。タンパク質レベルにおいて、本発明者らは、異なる部位におけるTregが、活性化分子及びICP分子の同じセットを発現せず、血液が、腫瘍と最も重要な差異を示すことを確認した。フローサイトメトリー分析により、本発明者らは、研究したマーカーの潜在的な同時発現を研究することができた。したがって、CD38、CD40L、CD69及びGITR発現の多重分析は、これらの分子全てについて陰性のTregの割合が、血液における80%から腫瘍における8%に大きく減少したことを示している。1個又は2個のマーカーを発現するTregの割合は、それが20%に低下した血液を除いて、全ての部位において非常に安定していた(約60%)。したがって、3〜4個のマーカーについて陽性のTregの頻度は、血液における0%から腫瘍における35%に劇的に増加した。少なくとも2個の分子を発現する細胞の分析は、ほとんどの場合において、単一陽性細胞が主にCD69であり(優先的CD38発現を有する血液を除く)、二重陽性細胞がCD69及びGITRであり、三重陽性細胞がCD69、GITR及びCD38であることを示している。4.1BB、ICOS及びOX40の発現についても、同じ状況が生じた。三重陰性Tregの割合は、血液における65%から腫瘍における26%に有意に減少したのに対して、三重陽性Tregについては、それは2%から22%に増加した。ほとんどの場合において、単一陽性細胞から三重陽性細胞に、最初にICOSが発現され、続いてOX40が発現され、次いで4.1BBが発現された。活性化マーカーについては、ICPを全く発現しないTregの割合は、血液における56%から腫瘍における10%に劇的に低下した。1個のマーカーのみを発現するTregについても同じ結果である。対照的に、少なくとも2個のマーカーについて陽性の細胞の頻度は、血液における8%から腫瘍における70%に有意に増加した。TIGIT、次いでTim−3又はCTLA−4がTregによって連続的に発現された。
要するに、肺Tregは、遠隔部位(すなわち、LN及び血液)と比較して、特異的な遺伝子パターンを示す。そして、肺ガン微小環境は主に、活性化分子及びICP分子を発現するTregによって浸潤されるのに対して、血液Tregは、むしろ休止状態を示す。
高密度の腫瘍浸潤Tregは短い生存に関連し、CD8+T細胞、TLS−成熟DC又はTLS−B細胞との組み合わせは、最悪の臨床転帰を有する患者の同定を可能にした
カプラン・マイヤー曲線は、高密度の腫瘍内Tregが、NSCLC患者の臨床転帰不良と相関していたことを表している(「Treg低」では、平均OSが達成されなかったのに対して、「Treg高」患者では、それは51カ月間であった。P=0.0049、図1A)。高密度のTLS−成熟DC、TLS−B細胞及びエフェクターCD8+T細胞は、NSCLCを有する患者の長い生存に関連していたので(4、7、22、図1C、E、G)、本発明者らはさらに患者の生存に対するこれらの免疫細胞とTregとの複合的な影響を試験した。本発明者らは、成熟DC、TLS−B細胞又はCD8+T細胞の密度が何であっても、低密度のTregが好ましい臨床転帰に関連していたことを観察した。対照的に、高密度のTregと、低密度の成熟DC(平均OS=25カ月間;P<0.0001、図1D)、TLS−B細胞(平均OS=24カ月間;P<0.0001、図1F)又はCD8+T細胞(平均OS=40カ月間;P=0.0002、図1H)とを有する患者は最悪の転帰を有しており、各変数のみの場合と比較して、平均生存が最短であった。「Treg高/成熟DC、TLS−B又はCD8+T高」の患者は、中程度の死亡リスクを有していたが、これは、一方では成熟DC、TLS−B及びCD8+T細胞、そして他方ではTregが、NSCLC患者の転帰に対して二重の影響を有することを示唆している。異なる腫瘍領域におけるTregが、乳ガン患者の生存に対して異なる影響を有することが示されているので(16)、本発明者らは、NSCLC患者100人のTLS領域及び非TLS領域におけるTregを別々に計算した。高密度のTLS−Treg及び非TLS−Tregは、全Tregと同様に、臨床転帰不良と相関していたことが観察された(それぞれ「TLS−Treg低」及び「TLS−Treg高」患者について、平均OS=57カ月間対34カ月間;P=0.0245、図1B)。本発明者らはまた、全CD3+T細胞又はCD8+T細胞又は成熟DC/Tregの密度の比率を決定したところ、「高比率」のこれらのマーカーは全て、「低比率」と比較してNSCLC患者に有益であったことが見出された(図3)。
結論として、Tregと、成熟DC、TLS−B細胞、CD8+T細胞のような他の免疫細胞とのバランスは、NSCLC患者の性質に重要である。Tregと他の免疫サブセットの1つとの組み合わせは、各サブセットのみの場合よりも、生存に関する優れた患者分類を可能にし、高い死亡リスクを有するNSCLC患者群の同定を可能にする。
本発明者らは、より多くの患者を用いて、特に2001〜2005年に手術を受けたNSCLC患者338人のコホートを用いて研究を継続している。図4及び5に示されているように、本発明者らは、Tregと、CD3+T細胞のような他の免疫細胞とが、CD8+T細胞、CD8+グランザイム−B+T細胞、TLS−B細胞及びTLS−成熟DCと一緒に存在することが、NSCLC患者の生存に重要であることを確認した。Tregと他の免疫サブセットとの組み合わせは、各サブセットのみの場合よりも、生存に関する優れたNSCLC患者分類を可能にし、高い死亡リスクを有する患者のサブグループの同定を可能にした。
考察
文献には、異なる固形ガンにおけるTregの予後関連性について議論されている多くの研究があるが、不一致の原因となる様々な要因により、それは常に論争中であった。腫瘍の種類、病期及び組織型に応じて、Tregの予後的重要性が異なることが見出された(15)。それらの局所性に基づいて、Tregは、抗腫瘍応答を抑制又は支援し得る。最近、胚中心において、Tregは、Tfh分化を支援し得ることが観察されている(26)。したがって、異なる腫瘍領域におけるTregの異なる役割及び表現型を推測することは興味深いものであった。利用可能な先進技術を用いて、本発明者らは、総数としての、さらには、異なる肺腫瘍サブ領域におけるそれらの局在性に応じたTregの予後的価値を再検討した。
本発明者らは、異なるNSCLC腫瘍領域におけるCD3+FoxP3+T細胞の存在を初めて実証した。本発明者らは、CD3+FoxP3+T細胞が、腫瘍間質(特に、間質におけるTLS)において主に見られることを観察した;癌巣では、CD3+FoxP3+T細胞はほとんどない。文献(27、28)で言及されているように、本発明者らは、CD3+FoxP3+T細胞が、CD4+CD25hiCD127−/loFoxP3+という表現型によるTregであることをフローサイトメトリーによって確認した。
本発明者らは、Tregが、非腫瘍組織と比較して肺腫瘍(TLS領域及び非TLS領域の両方)に多く浸潤することを観察したので、本発明者らは、それらの表現型を初めて詳細に研究した。本発明者らは、一般に、Tregが、CD4+Tconvと比較して同じ分化状態を有することを観察した(7)。腫瘍浸潤Tregは主に、CM表現型及びEM表現型を示す。非常にわずかなナイーブTregが腫瘍に浸潤するが、興味深いことに、それらは全てTLSにホーミングする。重要なことに、TLS TregはCM及びEM1である;それに対して、非TLS Tregは、EM1及びEM4のようなさらなる分化段階を示した。Tregの分化状態は、腫瘍では、血液又はリンパ節と比較して、同じものではなかった。Tregは、遠位肺及び腫瘍では同様の表現型を示したが、血液及びリンパ節では、エフェクター記憶細胞がより少なかった。これらの結果により、本発明者らは、Tregの活性化状態のさらなる研究を開始した。
(NTDL、LN及び血液と比較した)肺腫瘍におけるTregの高浸潤は、腫瘍内TregによるケモカインCCL22及びレセプター、例えばCCR8、CCR4及びCX3CL1の高発現に反映される。本発明者らはまた、TLS TregにおけるCXCR3のより高い発現(これは、それらを炎症部位にリクルートするための可能な方法であり得る)を観察した(29)。成熟DCは、CCR4+Tregをリクルートし得るCCL22を産生し得る(30)。炎症部位へのTregの化学誘引におけるCCR4、CCL17及びCCL22の役割は、マウス研究及びヒト研究において十分に議論されている(16、31)。
全腫瘍内Tregの約25%がTLSに浸潤するので、TLS−Tregは、腫瘍のTLS領域及び非TLS領域におけるTAA特異的T細胞を抑制し得ると推測され得る。腫瘍のTLS領域及び非TLS領域におけるTregの遺伝子発現を比較したところ、本発明者らは、全Tregについて同様のプロファイルを見出した。TLS Tregは、より多くの転写因子GATA3、PDL2、B7H3及びICOSLを過剰発現していた非TLS Tregと比較して、Tim3、IL6、CCR5及びCXCR3のような分子を選択的に発現していた。驚くべきことに、本発明者らは、CD4+Tconvと比較して、TregにおけるIL−2 Rα及びIL−2Rβ、共刺激(ICOS、OX40、4−1BB及びGITR)並びにICP(CTLA4、TIGIT、PD1及びPDL2)分子の過剰発現を観察した。これは、タンパク質レベルで確認された。過去数年間に、TregによるIL−10産生におけるICOSの役割が実証されている(32)。形質細胞様DCによるICOSL及びOX−40の発現は、メラノーマ及び乳ガンにおけるTregのリクルートに関与する(33、34)。メラノーマにおけるIL−2処置は、ICOS+Treg集団をエクスパンションすることが見出された(35)。TregにおけるGITRの役割は議論の余地があるが、TregはGITRを構成的に発現することが見出された。全てのTi−TregがHLA−DRを発現していたが(データは示さず)、これは、Tregが接触依存的な抑制機構を使用することを示唆している。TNFR2、4−1BB及びOx−40のようなTNFスーパーファミリーレセプターは、それらの抑制能力を支援し得る。GITR、OX−40及びTNFR2とTCRシグナリングとの共発現は、Tregの胸腺分化を促すことが見出された(36)。
最も重要なことに、Tregの一部はICPを発現する。本発明者らは、腫瘍におけるTregが、高レベルのCTLA4、TIGIT、Tim−3、B7−H3、PD1並びにそのリガンドPDL1及びPDL2を発現することを見出した。TregにおけるCTLA4の発現、並びにAPCにおけるCD80分子及びCD86分子とのその相互作用(37)が大いに議論されている。CTLA4は、CD80及びCD86と相互作用することによって、DCにおける酵素IDOの誘導をトリガーし得る(38)。CTLA4遮断薬及びPD1遮断薬は、メラノーマにおいて有効であることが見出されており(39)、おそらくは、CD4+Tconvと比較して高レベルを発現するTregに対して作用するので、NSCLCにおいて有望な結果も示している。本発明者らの研究では、CTLA4及びTIGITの発現は、Ti−Tregにおいて常に相関することが見出された。Tregに対するTIGITのライゲーションは、Th1及びTh17による炎症促進性応答を阻害し得る(40)。TIGIT及びFCRL3を発現するHelios+記憶Tregは、非常に抑制的なTregであることも観察されている(41、42)。本発明者らは、肺腫瘍におけるTregがHelios陽性であり、それらがFoxA1及びGATA3のような他の転写因子も発現することを観察した。CD8+T細胞において観察されるように、TregのIRF4発現は、Tregの増殖及び活性化の維持におけるその役割を示唆している可能性がある(43)。
本発明者らは、CD4+Tconv(特に、TLS CD4+Tconv)が、Tregと対比してCD40Lを過剰発現することを観察したが、これは、TLSにおける成熟DCとの相互作用後のT細胞活性化の結果(すなわち、Tregによる免疫抑制の反作用)である可能性がある。驚くべきことに、本発明者らは、Ti−Treg、特にTLS Tregが、NTDL及び血液とは異なって、リンパ節Tregと比較してPDL2を過剰発現することを見出した。胚中心において、PD1−PDL1のライゲーションは、CXCR5+濾胞性Treg及びin vivo抗体産生を阻害することが見出されたが(44)、PDL2を介したレギュレーションはほとんど研究されていない。
腫瘍内TregはIL−6、IL−10及びTGF−βを発現し、これが、T細胞機能の抑制並びにDCの分化及び活性化につながり得る。本発明者らは、TregがIL−27(これは、腫瘍微小環境におけるTh17分化のネガティブレギュレーターであると推測された)を高発現することを観察した。NSCLC患者における別の研究では、IL−27は、Th17細胞及びRORγt発現と負に相関していたことが観察されている(45)。
本発明者らは、高密度のTregが、NSCLC患者におけるより短い全生存と相関していたことを観察した。文献ではほとんどの場合において、Tregが臨床転帰良好、臨床転帰不良に関連することも臨床転帰に関連しないことも示されていない。乳ガン患者では、リンパ球凝集体におけるTregの存在は生存不良に関連するのに対して、腫瘍におけるそれらの存在は患者の生存に関連しないが(16)、これらの証拠では、これらのリンパ球凝集体が機能的TLSであることが示されていない。本発明者らは、TLS及び全腫瘍における多数のTregの存在が患者の生存に影響を及ぼし、これが、異なる腫瘍領域(主に、TLS及び間質領域)におけるTregの排他的浸潤と、TLSにおけるTregの分化及び活性化と、Tconv及びAPCに対するそれらの免疫抑制機能とによるものであり得ることを示す。本発明者らは、Tregが、NTDL、LN及び血液と比較して腫瘍において活性化される証拠を提供する。
本発明者らは、肺ガン患者において、TLSが存在し、抗免疫応答生成において好ましい役割を果たすことを既に実証した(4、7、22)。HEVは、T細胞のリクルートに関与することが見出され、成熟DCは、TLSにおけるT細胞の活性化に関与することが見出された。TLSは、Th1及び細胞傷害性遺伝子シグネチャーの組織化に関与することが見出されている。本発明者らは、TregがT−betを発現し、おそらくはTh1細胞の転写因子発現を利用して、Th1応答を抑制し得ることを観察した。
Tregの密度と、DC−Lamp+成熟DC、CD20+TLS−B細胞及びCD8+T細胞とを組み合わせると、最高の生存を有する群の分類を決定することができた。CD3+T細胞又は成熟DC又はCD8+T細胞とTregとの比率は、各変数のみの場合よりも強力な予後因子であることが見出され、Tregと比較して高割合のT細胞又は成熟DCは、肺ガン患者のより良好な生存をインプリントすることが示された。
参考文献:
本出願を通して、様々な参考文献が、本発明が関係する技術水準について説明している。これらの参考文献の開示は、参照により本開示に組み入れられる。
Figure 2018530747

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Claims (8)

  1. 肺ガンを患っている被験体の生存時間を予測するための方法であって、
    i)該被験体から得られた腫瘍組織サンプルにおける制御性T(Treg)細胞の密度を定量する工程、
    ii)前記腫瘍組織サンプルにおけるTLS−成熟DC又はTLS−B細胞又はTconv細胞又はCD8+T細胞又はCD8+Gran−B+T細胞からなる群より選択される免疫細胞の1つのさらなる集団の密度を定量する工程、
    iii)工程i)及びii)において定量した密度と、それらの対応する所定の基準値とを比較する工程、並びに
    iv)Treg細胞の密度がその対応する所定の基準値よりも高く、免疫細胞のさらなる集団の密度がその対応する所定の基準値よりも低い場合には、該被験体が短い生存時間を有すると結論するか、又はTreg細胞の密度がその対応する所定の基準値よりも低く、免疫細胞のさらなる集団の密度がその対応する所定の基準値よりも高い場合には、該被験体が長い生存時間を有すると結論する工程
    を含む、方法。
  2. それぞれ工程i)及びii)において、制御性T(Treg)細胞の密度及びTLS−成熟DCの密度を定量する、請求項1に記載の方法。
  3. それぞれ工程i)及びii)において、制御性T(Treg)細胞の密度及びTLS−B細胞の密度を定量する、請求項1に記載の方法。
  4. それぞれ工程i)及びii)において、制御性T(Treg)細胞の密度及びTconv細胞の密度を定量する、請求項1に記載の方法。
  5. それぞれ工程i)及びii)において、制御性T(Treg)細胞の密度及びCD8+T細胞の密度を定量する、請求項1に記載の方法。
  6. それぞれ工程i)及びii)において、制御性T(Treg)細胞の密度及びCD8+グランザイム−B+T細胞の密度を定量する、請求項1に記載の方法。
  7. IHCによって密度の定量を決定する、請求項1に記載の方法。
  8. 被験体が非小細胞肺ガン(NSCLC)を患っている、請求項1に記載の方法。
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