JP2018526436A - 組織修復および/または皮膚明色化に使用するための3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸アミド - Google Patents

組織修復および/または皮膚明色化に使用するための3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸アミド Download PDF

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Abstract

本発明は、一態様において、組織修復剤として使用するための3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸アミド(PA)に関する。本発明は、第2の態様において、皮膚の明色化剤/淡色化剤としてのPAの使用に関する。

Description

本発明は、リンゴ(Malus domestica)由来の天然の芳香族化合物である3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸アミド(PA)のヒト細胞に対する効果に関し、特に、細胞組織の損傷修復および皮膚色の淡色化/明色化に改善をもたらす見込みのある、細胞運動促進効果および細胞脱色促進効果に関する。
細胞組織の修復は、複数の細胞生化学的な過程を要する複合的なプロセスである。これらの過程には、サイトカインの浸出により損傷部位を殺菌し浄化する過程、細胞の遊走により損傷部を被覆する過程、ならびに新生組織の収縮および肉芽形成の過程が含まれる。細胞の遊走は、主として、アクチン線維の会合と解離との協調により起こる。したがって、細胞が有する能力、すなわち焦点接着班を介して基質に接着し、効率的に移動して組織損傷を回復させる能力を高めることができれば、細胞組織の修復プロセス全体としての効率を向上させることができる。
そばかす、褐色斑や日焼け後の色素沈着は、加齢とともに、発生したり増えたりしやすくなり、また消失しにくくなる傾向があるため、中高年層にとってはスキンケアにおける大きな悩みの種の1つである。
今般、色素すなわちメラニンが沈着した状態の肌をもとの肌の色に戻す作用を持つ薬剤および/または化粧品の需要が高まっている。これまでに数多くの薬剤が開発され、実用化されており、例えば、過酸化物はメラニンを脱色すると考えられていることから、過酸化水素、過酸化亜鉛、過酸化ナトリウム、過酸化ベンゾイルなどの利用が試みられてきた。しかし、これらの過酸化物は化合物として不安定であり、実用条件下では色素形成の抑制効果はほとんど認められなかった。
最近では、優れた還元力を有するビタミンC(L−アスコルビン酸)を含む化粧品が提案されたが、外用による効果はほとんどなかった。さらに、ビタミンCはやや不安定であるため、化粧品に配合する上で問題がある。一方、ヨーロッパやアメリカ合衆国では、ヒドロキノンおよびその誘導体が、肝斑の治療または変色した/褐色を帯びた皮膚の脱色に使用されている。しかし、これらの化合物は安全性に問題(高刺激性、アレルギー性の問題など)があり、場合によっては白斑の原因となるため、医薬/化粧品としての使用には不都合がある。これまでに様々なメラニン阻害剤の使用に関する報告があるものの、実際にメラニン抑制効果が認められた物質はほとんどなかった。
3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸アミド(PA)は、リンゴの樹液に含まれる化合物の1つとして最初に発見された。この化合物は精製後同定され、その後化学合成された。
国際公開第2007046721号に、PAの製造方法およびアンチエイジング組成物の製造におけるPAの利用が開示されている。
細胞遊走過程および細胞脱色過程を促進することができれば、多くの用途において有益であると考えられる。特に、皮膚の修復および皮膚色の明色化をより効率的かつ/またはより確実に行うことができれば、有益であると考えられる。
本明細書中に示す実験データによれば、PAは、ヒト培養細胞において、運動能を向上させるだけでなく、メラニン産生を抑制することが確認されている。
PAを用いて、in vitroでの二方向および一方向の細胞遊走アッセイ、コラーゲン格子収縮アッセイ、ボイデンチャンバーを用いた走化性移動アッセイなどのin vitro細胞遊走モデルシステムで検証を行った。様々な年齢の対象の細胞をPAで前処理したところ、収縮力の増大、細胞遊走の促進および遊走速度の向上が観察され、PAにin vivoにおける組織修復を補助する能力があることが示唆された(実施例2)。
さらに、メラニン産生に対するPAの効果についても検討した。ここで行った色素形成実験は、皮膚の色を決定する重要な因子であるメラニン色素に関する実験であった。メラニン色素は、人体の皮膚において真皮と表皮とを隔てる基底層に存在するメラノサイトにより産生される色素である。チロシナーゼという酵素は、皮膚細胞の色素形成に関わるメラニン色素生合成経路の種々の段階を触媒する役割を担っている。PAで前処理したマウス由来のメラノサイトを用いて、PAに皮膚を淡色化/明色化する作用があるか否かを調べた(実施例3)。
PAにより生理的変化が促され、チロシナーゼが分解されることが明確に示された。このチロシナーゼ阻害により、皮膚の色素形成抑制が亢進されることから、PAは皮膚色の明色化剤として強力な作用を有すると考えられる。
PAは植物の汁液に含まれることが知られていることから、天然物と見なされうるということも、PAのさらなる利点である。
上述したように、PAは、ヒト細胞において、細胞運動とメラニン産生の両方に影響を及ぼす化合物である。
したがって、本発明の目的は、in vivoおよびin vitroにおいて細胞遊走/細胞運動を促進しうる化合物を提供することである。
本発明の別の目的は、皮膚の明色化/皮膚の淡色化/皮膚の白色化を促進しうる化合物を提供することである。
したがって、本発明の一態様は、組織修復剤および/または組織回復剤として、例えば、運動選手の筋肉回復などに使用するための、化学式(I):
の化合物または化学式(I)の化合物を含む組成物に関する。
本発明の別の態様は、皮膚の明色化剤としての、化学式(I):
の化合物または化学式(I)の化合物を含む組成物の使用に関する。
さらに、本発明の別の態様は、チロシナーゼ阻害剤としての、化学式(I):
の化合物または化学式(I)の化合物を含む組成物の使用に関する。
さらに、本発明の別の態様は、細胞運動および/または表面細胞遊走の促進剤として使用するための、化学式(I):
の化合物または化学式(I)の化合物を含む組成物を提供することである。
in vivoにおける組織修復の各過程を反映するin vitroアッセイを示した図である。 二方向スクラッチアッセイにおける、ヒト線維芽細胞の遊走率に対するPA処理の効果を示した図である。線維芽細胞をPA(80μM)で3日間前処理し、その後スクラッチアッセイを実施した。細胞の遊走は、マイクロメートルオーダーで定量的に計測した(図3参照)。 AおよびBは、図2の実験結果を定量化したものである。PAにより、組織遊走が非処理群と比べて約37%亢進していることが分かる。 一方向スクラッチアッセイにおける、ヒト線維芽細胞の遊走率に対するPA処理の効果を示した図である。線維芽細胞をPA(80μM)で3日間前処理し、その後スクラッチアッセイを実施した。 図4の実験結果を定量化したものである。24時間後、一方向の細胞遊走により測定したin vitroにおける遊走(組織修復)は、PAによって60%を超えて亢進していることが分かる。上のグラフ:細胞遊走距離。下のグラフ:細胞遊走率。 細胞の走化性遊走を評価するためのボイデンチャンバーアッセイの原理を示した図である。 独立して3回実施したボイデンチャンバーアッセイの結果を示した図である。移動した細胞は、チャンバーの下部にあるポリカーボネート膜に付着し染色される(図中の複数の点)。別々に実施した3回の実験を示す。上段:コントロール。下段:PA処理。 ボイデンチャンバーアッセイの結果を定量化したものである。PAにより、in vitroにおける化学誘引物質に対する走化性遊走が2.7倍に亢進していることが分かる。 浮遊コラーゲン格子アッセイの原理を示したものである。 浮遊コラーゲン格子アッセイの一例において、包埋線維芽細胞に対するPAによる前処理の効果を示したものである。上段:コントロールおよびPA前処理。下段:収縮後のコラーゲン格子の測定。 複数回実施した浮遊コラーゲン格子アッセイの定量的結果を示したものである。X軸:時間。Y軸:表面積(%)。2つのグラフは、それぞれ独立して実施した実験において測定された、PAによるコラーゲン格子の収縮の程度を示したものである。PAにより、コラーゲンの収縮が85%増大していることが分かる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
組織損傷の修復
第1の態様において、本発明は、組織修復剤および/または組織回復剤として、例えば、運動における筋肉回復などに使用するための、化学式(I):
の化合物または化学式(I)の化合物を含む組成物に関する。実施例2に示すように、遊走/運動アッセイにおいて、PAを添加すると遊走が促進されることが明らかであり、組織修復が促進されることが明確に示されている。
したがって、PAで処理した細胞は、損傷組織へと移動して該組織を被覆する能力が大幅に向上していることは明らかである。PAの処理は、開放創および瘢痕に対して効果を示すだけでなく、酷使されて断裂した筋線維などの比較的軽度の組織損傷に対しても効果を示すと考えられる。
本明細書において、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸アミドは、化学式(I)
の化合物に該当する。
本明細書において、化学式(I)の化合物はPAと記載することもある。化学式(I)の化合物は、(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸アミド、3−(P−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド、または単にフロレタミドとしても知られている。
本発明は、別の言い方をすれば、組織修復剤、組織再生剤として、例えば、運動における筋肉回復などに使用するための医薬の製造における、化学式(I):
の化合物または化学式(I)の化合物を含む組成物の使用に関するとも言える。
前記化合物または前記組成物は、対象に様々な経路で提供することができる。したがって、一実施形態において、前記化合物または前記組成物は、局所投与、全身投与および/または経口投与される。
さらに別の一実施形態において、前記化合物または前記組成物は、組織修復が必要と考えられる皮膚の部位に局所的に適用される。
さらなる一実施形態において、組織修復が必要と考えられる前記組織は、創傷、手術後瘢痕、内部損傷もしくは外部損傷を受けた組織、炎症性瘢痕、潰瘍、日焼け、熱傷、床ずれおよび/または糖尿病性創傷である。
前記化合物および/または前記組成物の皮膚への適用は、様々な方法で行うことができる。したがって、さらなる一実施形態において、前記局所適用は、包帯剤または貼付剤を用いて行われる。
別の一実施形態において、前記化合物または前記組成物は、ヒトなどの哺乳動物に提供される。
前記組成物は、様々な形態で提供することができる。したがって、一実施形態において、前記組成物は、ローション剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、スティック剤、有機溶媒に溶解した液剤、パック剤、トニック剤またはゲル剤の形態である。
皮膚の明色化剤
前記化合物または前記組成物は、皮膚の明色化剤/淡色化剤としても使用することができる。したがって、別の態様において、本発明は、皮膚の明色化剤としての、化学式(I):
の化合物または化学式(I)の化合物を含む組成物の使用に関する。
本明細書において、「皮膚の明色化剤」、「皮膚の淡色化剤」または「皮膚の白色化剤」とは、皮膚を明るくすることができる化合物または組成物を指す。PAは、ヒトなどの哺乳動物のメラニン合成における重要因子の1つであるチロシナーゼを抑制する作用を有する。したがって、上述の効果は、皮膚中のメラニン量の低下に起因している可能性がある。
さらに別の態様において、本発明は、皮膚の明色化剤として使用するための、化学式(I):
の化合物または化学式(I)の化合物を含む組成物に関する。
さらに別の態様において、本発明は、皮膚の明色化剤として使用するための医薬の製造における、化学式(I):
の化合物または化学式(I)の化合物を含む組成物の使用に関する。
前記組成物は、様々な形態で提供することができる。したがって、一実施形態において、前記組成物は、化粧品、ローション剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、スティック剤、有機溶媒に溶解した液剤、パック剤、トニック剤またはゲル剤の形態である。
より具体的な一実施形態において、前記組成物における化学式(I)の化合物の濃度は、0.01〜50wt%の範囲、例えば1〜20wt%または5〜10wt%の範囲である。
別の一実施形態において、前記組成物は、油性物質、湿潤剤、増粘剤、防腐剤、乳化剤、薬用成分、香料、乳化安定剤、アラントイン、ビタミンE酢酸エステル、グリチルリチン、サリチル酸、尿素、ヨクイニンおよび紫外線吸収剤からなる群から選択される1以上の成分をさらに含む。
前記化合物または前記組成物は、対象に様々な経路で提供することができる。したがって、一実施形態において、前記化合物または前記組成物は、局所的に適用される。
さらに別の一実施形態において、前記化合物または前記組成物は、皮膚の明色化/淡色化が必要と考えられる皮膚の部位、例えば、周囲の部位より褐色が強い皮膚の部位に局所的に適用される。
さらなる一実施形態において、前記化合物は、そばかす、褐色斑、肝斑、瘢痕および/または日焼け後の色素沈着に適用される。
さらに別の一実施形態において、前記局所適用は、包帯剤または貼付剤を用いて行われる。
前記化合物または前記組成物は、好ましくはヒトに提供される。したがって、一実施形態において、前記化合物または前記組成物は、ヒトなどの哺乳動物に適用される。
前記化合物または前記組成物を経口投与に使用する場合、様々な形態とすることができる。したがって、一実施形態において、前記経口投与は、食品、食品成分、栄養補助食品、栄養補助化粧品(neutracosmetic)、丸剤またはカプセル剤の形態で行われる。
チロシナーゼ阻害剤
実施例3に示すように、本発明の化合物または組成物は、チロシナーゼ阻害剤としても機能する。したがって、一態様において、本発明は、チロシナーゼ阻害剤としての、化学式(I):
の化合物または化学式(I)の化合物を含む組成物の使用に関する。チロシナーゼ阻害は、医薬分野および化粧品分野に限らず、これら以外の分野にも関連する可能性がある。例えば、チロシナーゼ阻害は、野菜や果物などの食品の褐変などの防止に関連する可能性がある。
細胞遊走/細胞運動
例えば実施例2に示すように、本発明の化合物または組成物は、細胞遊走を促進する。
したがって、一態様において、本発明は、細胞運動および/または表面細胞遊走の促進剤として使用するための、化学式(I):
の化合物または化学式(I)の化合物を含む組成物に関する。本明細書において、「表面細胞遊走」とは、細胞がマトリックス(例えば、細胞基質)などの表面上を遊走することを指す。
さらに同様の態様において、本発明は、細胞運動および/または表面細胞遊走の促進剤として使用するための、化学式(I):
の化合物または化学式(I)の化合物を含む組成物の使用に関する。特定の理論に縛られるものではないが、細胞遊走/細胞運動の促進は、表面への細胞の接着促進が寄与していると考えられる。このことは、例えば、がん細胞が原発巣から循環器系へと遊出してがん転移が起こるという現象を阻止する上でも重要な特徴の1つと考えられている。したがって、一態様において、前記化合物または前記組成物は、(in vivoおよびin vitroにおける)細胞接着を促進するために使用してもよい。
さらにこのような使用は、ex vivoにおける使用、in vitroにおける使用のいずれであってもよい。したがって、一実施形態において、前記使用は、in vitro(またはex vivo)における使用である。より具体的な一実施形態において、in vitro(またはex vivo)における使用は、皮膚または臓器などの組織の増殖のための使用である。
本発明の各態様に記載された実施形態および特徴は、本発明の異なる態様にも適用されることに留意されたい。
本願において引用された特許文献および非特許文献はすべて、参照によりその全体が本明細書に援用される。
これより、本発明について以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1−方法:
真皮等価物における線維芽細胞の特異的機構
浮遊コラーゲン格子
目的:線維芽細胞によるECM分子の収縮を調べる。
プロトコール:
ウシの皮膚由来のI型コラーゲンは、IBFB Pharma社(ライプチヒ、ドイツ)から購入することができる。このI型コラーゲンを頒布物に記載の方法に従って調製する。
細胞をトリプシンで処理して、完全増殖培地に懸濁し、コラーゲン溶液(0.9×DMEM、10%FCS、0.2mM NaOH中に含まれるコラーゲン、室温で調製)に加えて慎重に混和する。細胞の最終濃度は0.8×10〜3×10個/mL格子となるようにする。コラーゲンの最終濃度は0.3〜0.6mg/mL格子となるようにする。
混和した液を細菌実験用ペトリ皿に添加し、速やかにインキュベーターに戻す。
インキュベーターで重合反応を行った30分後に、ピペットチップを用いて、ディッシュの縁からコラーゲン格子を慎重に剥離する。この浮遊コラーゲン格子(Free Floating Collagen Lattices)が培地中で自由に「浮遊している」ことが重要である。
コラーゲン格子の直径を、細胞の種類および播種した細胞数に応じて異なる複数の時点で測定する。直径の測定は、スケール紙を用いることによって行うことができる。測定した直径から、コラーゲン格子の面積を求めることができ、各時点におけるコラーゲン格子の大きさを比較することができる。
コラーゲン格子の形成:
*20個の格子形成にかかる推定所要時間=1時間誘導+培地添加まで1時間静置。
*1回のアッセイにつき、20枚の空の35mm細胞培養ディッシュを準備し、これらを37℃に予め加温した。使用するプラスチック製ディッシュの種類によって、ゲルの接着強度は大きく変わる可能性がある。
*細胞をトリプシンで処理し、2.5mLの培地に約10.0×10個の細胞が含まれるように再懸濁した。実験開始時の細胞数は、細胞の種類および増殖時間に合わせて調整する必要がある。
*コラーゲン溶液を準備する間、準備した細胞懸濁液は氷上で保存した。
*コラーゲン溶液は、予め冷却しておいた滅菌済みの各試薬を用いて氷上で調製した。
*使用するI型コラーゲンは、First Link社の、0.6%酢酸に溶解したコラーゲン溶液である。他社(例えば、Sigma社)のラット尾腱由来のコラーゲンを使用してもよいが、その場合は、酢酸濃度およびコラーゲン原液濃度に合わせてプロトコールを変更する必要がある。
*コラーゲン溶液にNaOHを黄色のピペットチップを用いて滴下(約8〜9滴で100μL相当)して酢酸を中和した。pH7.4で培地中のフェノールが黄色からピンク色に変化し、コラーゲンが重合し始めるため、コラーゲン会合体の形成やゲル化が起こらないように、この操作は素早く行う。
*このようにして準備したコラーゲン溶液(1.5mL)を室温で細胞懸濁液(2.5mL)と穏やかに混和した。細胞の最終濃度は2.5×10個/mL、コラーゲンの最終濃度は0.72mg/mLとした。このコラーゲン濃度も、プロトコールの適宜変更により、0.5mg/mL(緩め)〜約2mg/mL(堅め)の範囲で変更してもよい。
*予温した35mmの細胞培養ディッシュの中央に、ディッシュ1枚あたり200μLのコラーゲンと細胞との混合液をピペットでゆっくり滴下し、37℃で60分間重合反応を行った。液滴が流れるのを防ぐとともに、液滴をきれいな円形に保つために、ディッシュを振動させないようにする。
*60〜180分後に2mLの培地を加え、さらに最大5日間、その間培地交換は行わずに、コラーゲン格子のインキュベーションを行った。
ボイデンチャンバー:
線維芽細胞の化学誘引物質に対する走化性移動を調べる。
Neuro Probe AP48
48ウェル Microchemotaxis Chamberプロトコール
注記:以下の手順は、ポリカーボネートフィルターを用いた場合を想定したものである。
チャンバーの準備
1.1mmのチップを装着した容量可変マイクロピペットを、チャンバーの下側ウェルを満たす液量が吐出されるように調節する。各ウェルの容量は25〜26μLである。液をウェルに添加した際に、わずかに正のメニスカスが形成されるようにする。これにより、フィルターを置く際に気泡が混入するのを防ぐことができる。
2.下側プレートを、商標のNPが左上になるように、平らな面に配置する。化学誘引物質またはコントロール試薬を約37℃に温めて、ボルテックスまたは吸引器を用いて脱気する。この試験液を下側ウェルに添加する。試験液の過剰な蒸発を防ぐために、48個すべてのウェルへの添加作業は5分以内に完了する。
3.フィルター膜の角から1mmを切り落とし、切り落とした角が左上に来るようにする。フィルターの端部を2つのピンセットで挟んでフィルターを持ち上げ、平らな状態にして、試験液が満たされたウェルの上から降ろしていき、最初にフィルターの中央部分を接触させるようにしてウェルの上に置く。必要であれば、この時点でフィルターの位置を調節することは可能であるが、過度に動かすとウェル間のコンタミネーションの原因となるので注意する。
4.下側プレートの上に、切り落とした角が左上になるようにシリコーンガスケットを置き、次いで上側プレートを、上下のプレートに印字された商標のNPが一致するように置く。上側プレートを上からしっかりと押し付け、そのまま手を離さずに押さえ続ける。これにより下側ウェルへの気泡の混入を防ぐことができる。空いている方の手で、つまみナットを取り付け、手締めで締まるところまでねじ込む。つまみナットの締めつけにペンチなどの道具は使用しない。
反応細胞の調製および添加
1.上側ウェルにおいては、1ウェルあたりの液量50μLに所望の細胞数が含まれるように、細胞懸濁液の細胞濃度を調節する。例えば、各ウェルのフィルターの露出面積は8mmであるので、50μL中に8,000個の細胞が含まれるように懸濁液を調節すれば、各ウェルの細胞密度は1,000個/mmとなる。また、50μL中に50,000個の細胞が含まれるように懸濁液を調節すれば、各ウェルの細胞密度は約6,000個/mmとなる。
2.上側の各ウェルに細胞懸濁液をピペットで添加する。各ウェルの液量は、懸濁液で満たされたウェルがわずかに正のメニスカスを有するように調節する。ピペットは角度をつけて保持し、ピペットチップの先端がフィルターのすぐ上のチャンバーの壁面に当たり、チップの側面がウェルの上縁部に当たるようにする。また、懸濁液を素早く吐出することにより、ウェルの底面にある空気を除去する。
3.上側ウェルに気泡の混入がないか確認する。例えば、メニスカスに映る頭上からの光の反射を見ることで、気泡の混入を簡単に確認できる。ウェルに異常に大きな正のメニスカスが見られる場合は、通常、気泡が混入している。気泡が混入している場合は、気泡を除くために、吸引チューブと使い捨てのピペットチップを用いてウェル内の液を吸引除去し、完全に乾燥させた後、再び液を満たす。
4.走化性アッセイでは、通常、液を充填したチャンバーを、5%COを含む湿潤空気中、37℃でインキュベートする。インキュベーション時間は使用する細胞の種類および走化性因子により大きく異なる。最適なインキュベーション時間を決定するのに好適な方法としては、6〜12個のブラインドウェルチャンバー(例えば、在庫管理#BW100)をネガティブコントロールとして準備し、これらを同時にインキュベーター内に静置する方法が挙げられる。所定の時間(例えば、30分)が経過したところで、ブラインドウェルチャンバーを1個取り出し、その後、残りのブラインドウェルチャンバーを5分おきに順次取り出す。フィルターを染色し、刺激下に置かれていない細胞がフィルターを通過するのに要した時間を調べる。また、硝酸セルロースフィルターを使用した場合は、細胞が特定の最適深度に達するまでに要した時間を調べる。
ポリカーボネートフィルターの染色
1.上側ウェルから液を吸引除去する。あるいは、流し台または適当な容器の上でチャンバーを振ってウェル内の液を捨てて空にする。
2.上側プレートを押さえながらつまみナットを取り外し、チャンバー全体をペーパータオルの上に逆さまにして置く。上側プレート(この時点では下側にある)の四隅を持って、実験台に着くまで水平な状態が保たれるよう、均等に押し下げる。ガスケットが金属製支柱の途中で引っ掛かってプレートと一緒に落ちなかった場合は、慎重にプレートの上へと均等に押し下げる。ガスケットに付着しているフィルターに触れないように注意する。(金属製スタッドが取り付けられた)もう一方のプレートを冷却した蒸留水に浸漬する。
3.この時点で、移動した細胞はフィルターの上面に存在している。以降、フィルターのこの面を細胞面と呼ぶ。フィルターの一端をピンセットで挟んで持ち上げ、大きなフィルタークランプで端部を1mm挟む。フィルターを持ち上げて、大きなフィルタークランプで挟んでいない反対側の端部に小さいフィルタークランプを速やかに取り付ける。細胞面を上に向けた状態で、PBSの入ったディッシュ内で、フィルターの下面(移動しなかった細胞が存在する面)を湿らせる。このとき、PBSでフィルターの細胞面が洗い流されないようにする。
4.大きなクランプでフィルターを保持し、小さいクランプが他端に取り付けられてぶら下がっている状態で、フィルターをワイパーブレード上で上方に引っ張り、移動しなかった細胞が存在するフィルター面からこれらの細胞を拭い取る。ブレードはまず幅広のクランプのあご部直下のフィルター部分から接触するようにする。ブレードにはごくわずかに圧力をかけ、ワイパーより上にあるフィルター部分は垂直軸から約30°傾いた状態を維持する。細胞がフィルター上で乾燥することのないよう、この細胞を拭い取る作業は慎重かつ速やかに行うことが重要である。細胞は10〜20秒で乾燥してしまい、一旦乾燥すると、移動しなかった細胞を完全に除去することができなくなる。
5.Qチップでワイパーを清拭し、再度、PBSでフィルターの下面を湿らせ、ステップ3を繰り返す。再度、ワイパーを清拭して、PBSでフィルターを湿らせ(3回目)、ステップ3を繰り返す。
6.次いで、顆粒球および単球を使用した場合は、十分に注意しながらフィルターをメタノールに浸漬し、フィルターをリントフリーの使い捨てタオルの上に細胞面が上になるように置き、風乾させる。チャンバーを構成するすべての部品を冷却した蒸留水で洗浄する。他の細胞を使用した場合は、各細胞に適した染色法が記載されている文献を参照する。
7.フィルターが乾燥したところで、大きなフィルタークランプで一端の端を挟み、小さいフィルタークランプで他端に重みを加え、Diff−Quik(登録商標)や同様の色素を用いてメーカーの使用説明書に従って染色する。チャンバーの構成部品に染色液が付着しないように、2組のフィルタークランプを用意し、ガスケットからフィルターを取り外す時と、染色する時とで使い分けると便利である。
8.50×75mmの顕微鏡用スライド上に、湿った状態のフィルターを細胞面が上になるように置き、乾燥させる。乾燥後、フィルターがスライドの中央に位置するように調整して、フィルター上に油浸オイルを一滴落とす。滴下した油浸オイルを、表面が滑らかで鋭利な部分がない道具を用いてフィルター全体に広げ、気泡やしわのない状態にする。このようにして、計数の準備が整ったフィルターが得られる。
実施例2−一方向および二方向の細胞遊走
目的:3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸アミド処理による線維芽細胞の遊走に対する効果を確認する。
序論
コンフルエント状態にあるデリケートな単層の細胞層に物理的に傷をつけ、細胞の存在しない領域を作成する。本実験は、細胞を「掻き取った」後、周辺の細胞が物理的に移動して、この細胞のない領域に進出してくる様子を顕微鏡で観察するという手順で実施する。この被覆の過程は、細胞の種類によって、数時間で終了する場合もあれば、長い場合には1日近くかかることもある。この被覆にかかる時間は、もっぱら細胞の種類および掻き取りを行った範囲に依存する。細胞の遊走率または遊走度(しばしば修復率(repopulation rate)と呼ばれる)は、連続して撮影した複数の顕微鏡写真から求めることができる。
プロトコール
*線維芽細胞を、35mmの組織培養プレート1枚あたり1×10個の細胞密度で播種し、新規の試験化合物を用いて、37℃、5%COに制御された条件下で3日間インキュベートする。
*コンフルエントに達した段階で、単層の細胞層を滅菌ピペットチップで一掻きして、一部の細胞を剥離する。
*細胞を掻き取った後、19時間の間隔をあけて位相差顕微鏡下で撮影する。
*各時点における掻き取り部分の大きさは、接眼マイクロメーターを用いて計測する。
*統計学的有意性は、スチューデントt検定により判定する。
*線維芽細胞をPAで前処理した場合の、掻き取り部分の修復効果の有意差を確認する。
結果
図1は、上記実験で採用した各in vitroアッセイがそれぞれin vivoの過程を反映したものであることを示す概略図である。
図2および図3に示す二方向スクラッチアッセイの結果から明らかなように、PAの添加により、細胞遊走が促進された。
図4および図5に示す一方向スクラッチアッセイの結果から明らかなように、PAの添加により、細胞遊走が促進された。
図7および図8に示す走化性遊走アッセイ(ボイデンチャンバーアッセイ)の結果から明らかなように、PAの添加により、細胞遊走が促進された。図6に、ボイデンチャンバーアッセイの概略を示す。
図10および図11に示す浮遊コラーゲン格子アッセイの結果から明らかなように、PAの添加により、細胞遊走/細胞運動が促進された。図9に、浮遊コラーゲン格子アッセイの概略を示す。
結論
以上の一連の細胞遊走アッセイにより得られた結果から、PAで処理した細胞において細胞運動が顕著に促進されることが明らかとなり、PAにはヒト細胞の組織損傷修復能を大いに向上させる可能性があることが示された。
実施例3−皮膚脱色アッセイ
ヒト細胞におけるメラニン産生に対する3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸アミドの効果を調べる。
序論
皮膚の色を決定する重要な因子であるメラニン色素は、人体の皮膚において真皮と表皮を隔てる基底層に存在するメラノサイトにより産生される。チロシナーゼという酵素は、皮膚細胞の色素形成に関わるメラニン色素生合成経路の種々の段階を触媒する役割を担っている。したがって、チロシナーゼを阻害すると、皮膚の色素形成抑制(皮膚の淡色化)が亢進される。
実験の目的
本実験は、in vitroで動物モデル系を用いて、皮膚の淡色化効果を調べることを目的とする。
アッセイの標準化
B10F16マウス由来のメラノサイトを、1mLあたり5×10〜1×10個の細胞密度で準備して、アッセイの標準化を行った。その結果、10個の細胞が含まれていれば、十分な細胞ペレットが得られることが分かった。この細胞を、複数のペトリ皿に同数ずつ播種した。翌日、細胞に80μM PAまたは10μMコントロール化合物を添加し、2時間、24時間、72時間または96時間の前処理を行った。
その後、細胞を回収して細胞数を計測し、サンプルごとの細胞数を揃えてペレット状にした。各細胞ペレットの色の強度を目視で確認し、定量化した。
その後、同じ細胞ペレットを用いて、タンパク質の抽出および免疫ブロット分析を行った。
材料および方法
試験液の準備:各試験化合物をDMSOに溶解して、ストック溶液を調製する。ストック溶液は、フィルター滅菌して、冷蔵庫に4℃で保存した。これを必要に応じて細胞培養培地で希釈し、実験に使用した。
細胞株:マウス由来のメラノサイト(B10F16細胞株)を、10%ウシ胎児血清(v/v;Invitrogen社)、2mMグルタミンおよび1%非必須アミノ酸を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEΜ;Invitrogen社)で維持した。
培養条件:細胞は、37℃、5%COおよび95%湿度の条件下で継代培養を行い、各アッセイの約16時間前に仕込み、Coulter Z2計数装置(Beckman Coulter社)を用いて、2回ずつ計数した。マウス由来のメラノサイトの継代培養は、コンフルエントに達した時点で、1:4に分割して行った。
タンパク質定量のためのブラッドフォードアッセイ:
1μg/μLのBSAストック溶液を調製した。
アッセイ用試薬−アッセイ用試薬は、色素原液を4倍量の蒸留水で希釈して調製する。調製したアッセイ用試薬を褐色ボトルに入れて、4℃で保存する。
タンパク質標準液−分析サンプルと同じ緩衝液を用いて、タンパク質標準液を調製した。マイクロアッセイに適した検量線は、0μg/mL、2μg/mL、4μg/mL、6μg/mL、8μg/mL、10μg/mL、15μg/mLおよび20μg/mLの濃度のウシ血清アルブミン(BSA)を用いて作成することができる。
標準のタンパク質アッセイ方法:
0μg/mL、2μg/mL、4μg/mL、6μg/mL、8μg/mL、10μg/mL、15μg/mLおよび20μg/mLのBSAを含む8種類の標準液(各1mL)を用いて検討を行った。分光光度計の測定波長を595nmに設定した。蒸留水を満たした4mLのプラスチックキュベットを用いて、分光光度計の設定波長におけるブランク値を測定した。プラスチックキュベットの中味をすべて試験管に移して空にし、よく振って液が残らないようにした。4μLのタンパク質標準液と1mLのアッセイ用試薬をキュベットに加えた。この操作は、タンパク質濃度が最も低いものから順に、その後、分析サンプルについて行った。400〜700nmの波長範囲におけるサンプルの吸光スペクトルを記録し、595nmの吸光度を読み取った。タンパク質標準液と分析サンプルのそれぞれにおいて、上記のステップを繰り返した。すべての標準液およびサンプルのスペクトルを測定した。吸光度から各サンプルのタンパク質濃度を求めるために、作成した検量線からサンプルと同じ吸光度を示す標準液の濃度を読み取る。
結果:
結論
化合物PAにより、褐色が薄くなるという明瞭な色の変化が確認されたことより、PAにはメラニン産生に対する顕著な抑制効果があることが示された。

Claims (19)

  1. 組織修復剤および/または組織再生剤として、例えば、運動選手の筋肉再生に使用するための、化学式(I):
    の化合物または化学式(I)の化合物を含む組成物。
  2. 前記組成物が、局所投与、全身投与および/または経口投与されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  3. 組織修復が必要と考えられる皮膚の部位に局所的に適用されることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の化合物または組成物。
  4. 組織修復が必要と考えられる前記組織が、創傷、手術後瘢痕、内部損傷もしくは外部損傷を受けた組織、炎症性瘢痕、潰瘍、日焼け、熱傷、床ずれおよび/または糖尿病性創傷であることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の化合物。
  5. 前記局所適用が、包帯剤または貼付剤を用いて行われることを特徴とする、請求項3または4に記載の化合物または組成物。
  6. 前記組成物が、ローション剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、スティック剤、有機溶媒に溶解した液剤、パック剤、トニック剤またはゲル剤の形態であることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の化合物。
  7. 皮膚の明色化剤としての、化学式(I):
    の化合物または化学式(I)の化合物を含む組成物の使用。
  8. 前記組成物が、化粧品、ローション剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、スティック剤、有機溶媒に溶解した液剤、パック剤、トニック剤またはゲル剤の形態であることを特徴とする、請求項7に記載の使用。
  9. 前記組成物における化学式(I)の化合物の濃度が、0.01〜50wt%の範囲、例えば1〜20wt%または5〜10wt%の範囲であることを特徴とする、請求項7または8に記載の使用。
  10. 油性物質、湿潤剤、増粘剤、防腐剤、乳化剤、薬用成分、香料、乳化安定剤、アラントイン、ビタミンE酢酸エステル、グリチルリチン、サリチル酸、尿素、ヨクイニンおよび紫外線吸収剤からなる群から選択される1以上の成分をさらに含むことを特徴とする、請求項7〜9のいずれかに記載の使用。
  11. 前記化合物または前記組成物が局所的に適用されることを特徴とする、請求項7〜10のいずれかに記載の使用。
  12. 前記化合物または前記組成物が、皮膚の明色化が必要と考えられる皮膚の部位、例えば、周囲の部位より褐色が強い皮膚の部位に局所的に適用されることを特徴とする、請求項7〜11のいずれかに記載の使用。
  13. 前記化合物が、そばかす、褐色斑、肝斑、瘢痕および/または日焼け後の色素沈着に適用されることを特徴とする、請求項11または12に記載の使用。
  14. 前記局所適用が、包帯剤または貼付剤を用いて行われることを特徴とする、請求項11〜13のいずれかに記載の使用。
  15. チロシナーゼ阻害剤としての、化学式(I):
    の化合物または化学式(I)の化合物を含む組成物の使用。
  16. 細胞運動および/または表面細胞遊走の促進剤として使用するための、化学式(I):
    の化合物または化学式(I)の化合物を含む組成物。
  17. 細胞運動および/または表面細胞遊走の促進剤として使用するための、化学式(I):
    の化合物または化学式(I)の化合物を含む組成物の使用。
  18. 前記使用が、in vitro(またはex vivo)における使用である、請求項17に記載の使用。
  19. 前記in vitro(またはex vivo)における使用が、皮膚または臓器などの組織の増殖のための使用である、請求項18に記載の使用。
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