JP2018518965A - 腫瘍浸潤リンパ球の凍結保存方法 - Google Patents

腫瘍浸潤リンパ球の凍結保存方法 Download PDF

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Abstract

本発明は以下のステップ:i)IIIまたはIV期のメラノーマを有する患者からの、in−transit皮膚結節、ガングリオンまたは転移の試料収集を用いる腫瘍浸潤リンパ球のin vitro培養であって、前記ステップが、in−transit皮膚結節、ガングリオンまたは転移の試料に含有される腫瘍浸潤リンパ球の発生、その後の発生ステップによって生じる腫瘍浸潤リンパ球の刺激、および続いて、刺激を受けた腫瘍浸潤リンパ球の増幅を含む培養、ii)ステップ(i)において得られる少なくとも1種の試料の生理学的に許容可能な培地中に、a)ヒトアルブミン血清、b)少なくとも1種の糖類、ならびにc)DMSO、L−システイン、補酵素Q10およびC3〜C5アルカンジオールの中から選択される少なくとも2種の成分を含む組成物との混合、ならびに続いてiii)ステップ(ii)において得られる混合物の凍結を含む、腫瘍浸潤リンパ球の少なくとも1種の試料の凍結保存のための方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、以下のステップ:
i)特有のステップを含む、3または4期メラノーマを患っている患者からのin−transit皮膚結節、リンパ節または転移の試料からの腫瘍浸潤リンパ球のin vitro培養、
ii)ステップi)において得られる少なくとも1種の試料を、生理学的に許容可能な培地中に、
a)ヒト血清アルブミン、
b)少なくとも1種の糖類、ならびに
c)DMSO、L−システイン、補酵素Q10およびC3〜C5アルカンジオールから選択される少なくとも2種の成分
を含む組成物と混合するステップ、
次いで
iii)ステップii)において得られる混合物を凍結するステップ
を含む、腫瘍浸潤リンパ球の少なくとも1種の試料の凍結保存方法に関する。
凍結保存は、生物試料が極低温において貯蔵される方法である。生物材料の凍結保存は一般に、ガラスまたはプラスチック材料で作られているチューブまたはバイアルなどの(凍結保存の分野において一般には「ストロー」またはクライオチューブと呼ばれる)、適切な支持体であって、低温における長期貯蔵のために適している前記支持体において、前記材料を凍結することによって実行される。
しかしながら、凍結保存は、一定数の問題および技術的制約をもたらす。細胞損傷は、特に解凍時に発生する場合があり、アポトーシスまたは細胞の破裂に繋がる。さらに、凍結保存された細胞の生存は、凍結時に用いられた条件および技法に依存し得る。冷却の速度を制御することは重要であり、低速での冷却は、細胞の外での凍結可能な水の規則正しい結晶化を可能にし、細胞は脱水され、収縮し、かつ水は細胞を離れる。逆のシナリオでは、細胞内の氷の形成が、細胞には致命的である、膜構造の破壊に繋がる。
哺乳類の細胞の大部分について、細胞療法のための生成物および薬剤の場合のように、細胞が遺伝子改変されていてもいなくても、細胞統合性および機能性を保存するために凍結防止剤を使用することも不可欠である。
現在、細胞療法のための生成物の産業規模での製造(特に、欧州または世界規模)は、投与された最終生成物の安定性および開始生物材料に関連したばらつきなどの、新規の問題をもたらす。
大半の場合において、最終生成物は、
− 保存が数時間または数日に限定されて(アルブミンまたは食塩溶液型の)液体培地中に保存加工せずに、さもなければ
− 長期において非常に安定してはおらずかつ非常に効果的ではない、DMSOを基材とする簡単な製剤中に凍結して、パッケージ化される。潜在的に免疫原性作用を有する細片のわずかではない量の死細胞、および一般的に使用される賦形剤の患者に対する毒性は、全て制限要因である。これらの毒性要素(生物学的であってもなくても)を除去するために細胞を洗浄することは、一般的に推奨されるが、これらの解決策は、産業規模での流通とは適合しない。さらに、それらは薬剤の他の「従来型の」分類とは異なって、投与および貯蔵に関してあまり柔軟性をもたらさない。
したがって長期(すなわち数か月)において安定であり、使用が容易であり、直接注射されてよく、かつ非毒性である、細胞療法のための生成物および/または薬剤を開発する需要がある。
本発明は、これらの需要を満たすことを可能にする。実際に、本発明による凍結保存方法は、すぐに使用でき(すなわち洗浄をすることなくすぐに注射でき、これは生存度の減少および細胞の損失を引き起こす全ての追加の取扱い作業を回避する)、長期において安定であり、使用が容易であり、かつ非毒性である、腫瘍浸潤リンパ球を含む細胞療法のための生成物を取得することを可能にする。
本発明は、したがって以下のステップ:
i)腫瘍浸潤リンパ球の少なくとも1種の試料を取得するために、in−transit皮膚結節、リンパ節または転移の試料に含有される前記腫瘍浸潤リンパ球の発生、次いで発生ステップによって生じる腫瘍浸潤リンパ球の刺激、次いで最終的に刺激を受けた腫瘍浸潤リンパ球の増幅を含む、3または4期メラノーマを患っている患者からのin−transit皮膚結節、リンパ節または転移の試料からの腫瘍浸潤リンパ球のin vitro培養、
ii)ステップi)において得られる少なくとも1種の試料を、生理学的に許容可能な培地中に、
a)ヒト血清アルブミン、
b)少なくとも1種の糖類、ならびに
c)DMSO、L−システイン、補酵素Q10およびC3〜C5アルカンジオールから選択される少なくとも2種の成分
を含む組成物と混合するステップ、次いで
iii)ステップii)において得られる混合物を凍結するステップ
を含む、腫瘍浸潤リンパ球の少なくとも1種の試料の凍結保存方法に関する。
本発明は、腫瘍浸潤リンパ球(TILとも呼ばれる)の少なくとも1種の試料の凍結保存のために、生理学的に許容可能な培地中に、
a)ヒト血清アルブミン、
b)少なくとも1種の糖類、ならびに
c)DMSO、L−システイン、補酵素Q10およびC3〜C5アルカンジオールから選択される少なくとも2種の成分
を含み、
前記試料が、3または4期メラノーマを患っている患者からのin−transit皮膚結節、リンパ節または転移の試料からの腫瘍浸潤リンパ球のin vitro培養であって、in−transit皮膚結節、リンパ節または転移の試料に含有される前記腫瘍浸潤リンパ球の発生、次いで発生ステップによって生じる腫瘍浸潤リンパ球の刺激、次いで最終的に刺激を受けた腫瘍浸潤リンパ球の増幅を含む前記培養によって得られる、組成物の使用にも関する。
腫瘍浸潤リンパ球(TIL)は、遺伝子改変されていてもいなくても、腫瘍浸潤リンパ球を意味することが意図される。
本発明による凍結保存方法(ステップii))において用いられる組成物はしたがって、生理学的に許容可能な培地中に、
a)ヒト血清アルブミン、
b)少なくとも1種の糖類、ならびに
c)DMSO、L−システイン、補酵素Q10およびC3〜C5アルカンジオールから選択される少なくとも2種の成分
を含む。
「生理学的に許容可能な培地」は、電解質を含む水性培地を意味することが意図される。電解質は、例えば、塩化物、炭酸塩、水酸化物またはカプリル酸塩型のアニオンとの、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、および/またはカルシウムの塩である。薬学的に許容可能な培地は、好ましくは塩化ナトリウムおよびカプリル酸ナトリウムを含む水性培地である。
本発明による凍結保存方法において用いられる組成物は、ヒト血清アルブミン(化合物a))を含む。このタンパク質は、高分子量(約65kDa)血漿タンパク質である。これは血漿において最も豊富なタンパク質であり、その正常平均濃度は38から48g/lである。これは、pHを緩衝することおよびモル浸透圧濃度を維持することを可能にする。その純度は、好ましくは95%である。これは、1種または複数のフラグメントおよび/またはヒト血清アルブミンの誘導体であって、非免疫原性でありかつヒト血清アルブミンと同様の膨張特性を有する前記フラグメントまたは誘導体を使用することも可能にする。
好ましくは、ヒト血清アルブミン、フラグメントおよび/またはそれらの誘導体は、組成物の総重量に対して2から10重量%、好ましくは2.5から6重量%、好ましくは3.5から4.5重量%の量で存在する。
本出願において、特に指示のない限り、量は、組成物の総重量に対する重量で述べられる。
本発明による凍結保存方法において用いられる組成物は、少なくとも1種の糖類(化合物b))も含む。糖類は、浸透圧平衡を保存することによって細胞生存および機能を改善する。破片は、細胞に浸透しかつ膜構造を安定化することを可能にする。糖類は、好ましくは単糖類、二糖類および三糖類から選択される。
単糖類は、好ましくはグルコース、ガラクトース、フルクトースおよびマンノースから選択される。
二糖類は、好ましくは式A−Bを有する(式中、AおよびBは、それぞれ独立にグルコース、フルクトースおよびマンノースから選択される)。糖類は、好ましくは二糖類である。二糖類は、好ましくはグルコース二量体である。より優先的には、二糖類は、トレハロースおよびスクロースから選択される。より優先的には、二糖類は、トレハロースである。
三糖類は、好ましくはラフィノース(ガラクトース、グルコースおよびフルクトースの三量体)、マルトトリオースおよびイソマルトトリオース(グルコース三量体)から選択される。
糖類は、好ましくは0.05Mから1M、好ましくは0.07Mから0.5M、好ましくは0.08Mから0.12Mの濃度で本発明による組成物中に存在する。
本発明による凍結保存方法において用いられる組成物は、最終的にDMSO、L−システイン、補酵素Q10およびC3〜C5アルカンジオールから選択される少なくとも2種の成分(化合物c))を含む。
DMSO、またはジメチルスルホキシドは、式CH−SO−CHの極性非プロトン性有機溶媒である。これは、細胞内凍結防止剤であり、その主要目的は、細胞内液を交換し、かつしたがって膜構造の破裂を引き起こす凍結/解凍の段階に固有の氷結晶の形成および浸透圧ストレスを防ぐことを可能にすることである。これは、好ましくは2から15重量%、好ましくは2.5から4.5重量%の量で本発明による組成物中に存在する。
L−システインは、チオール基−SHを有するアミノ酸である。これは、好ましくは0.05mMから5mM、好ましくは0.5mMから2mMの濃度で組成物中に存在する。
ユビキノンとも呼ばれる、補酵素Q10は、キノン基を含む化学化合物である。その化学名は、2,3−ジメトキシ−5−メチル−6−デカプレニルベンゾキノンである。これは、好ましくは0.005から1重量%、好ましくは0.007から0.5重量%、好ましくは0.007から0.1重量%の量で組成物中に存在する。
C3〜C5アルカンジオールは、好ましくは3から5個の炭素原子、および2個のヒドロキシル基を含む直鎖、分岐または環状アルカンである。これは、好ましくは3から5個の炭素原子、および2個のヒドロキシル基を含む直鎖アルカンから選択される。より優先的には、これは、プロパン−1,2−ジオール、ペンタン−1,5−ジオールおよびブタン−2,3−ジオールから選択される。C3〜C5アルカンジオールは、好ましくはプロパン−1,2−ジオール(プロピレングリコールとも呼ばれる)である。
C3〜C5アルカンジオールは、好ましくは3から10体積%、好ましくは3から7体積%の量で組成物中に存在する。
本発明による凍結保存方法において用いられる組成物は好ましくは、化合物c)として少なくとも2種の次の成分:
− DMSOおよびL−システイン、または
− 補酵素Q10およびC3〜C5アルカンジオール、好ましくはプロピレングリコール
を含む。
本発明による凍結保存方法のステップii)において用いられる組成物は、好ましくは生理学的に許容可能な培地中に、
a)好ましくは2.5から6重量%の量の、ヒト血清アルブミン、
b)好ましくは0.07Mから0.5Mの濃度の糖類、好ましくはトレハロース、ならびに
c)好ましくはそれぞれ2から5重量%の量および0.5mMから2mMの濃度の、DMSOおよびL−システイン
を含む。
あるいは、本発明による凍結保存方法のステップii)において用いられる組成物は、好ましくは生理学的に許容可能な培地中に、
a)好ましくは2.5から6重量%の量の、ヒト血清アルブミン、
b)好ましくは0.07Mから0.5Mの濃度の糖類、好ましくはトレハロース、ならびに
c)好ましくはそれぞれ0.007から0.1重量%の量および3から10体積%の量の、補酵素Q10およびプロパン−1,2−ジオール
を含む。
本発明による凍結保存方法は、具体的には腫瘍浸潤リンパ球の少なくとも1種の試料を凍結保存するために有益であり、かつそれを目的とする。実際には、実施例において実証されるように、本発明による凍結保存方法のステップii)において用いられる組成物は、耐久的にかつ効果的にTILを凍結保存することを可能にする(特に解凍後最大4か月)。
腫瘍浸潤リンパ球(またはTIL)は、典型的には進行期メラノーマ(3または4期)を患っている患者からのin−transit皮膚結節、リンパ節または転移において見られるリンパ球である。それらは、腫瘍細胞の死に関与し、かつ現在細胞療法のための生成物として種々の臨床試験において試験されている。TILは、一般には患者自身に由来し、それらは自家性である。このために、それらは患者から採取され、腫瘍から単離されかつin vitroで増殖される。
より具体的には、本発明による方法において用いられるTILの試料は、次のステップを含むin vitro培養のステップi)によって得られる:
− in−transit皮膚結節、リンパ節または転移の試料に含有される腫瘍浸潤リンパ球の発生。この発生は、「初代培養」または「エグジット(exit)」とも呼ばれ、これは、最初はin−transit皮膚結節、リンパ節または転移の試料に含有される腫瘍浸潤リンパ球が、その間に培養培地内に移動して、in vitroで培養されるステップである、
− 発生ステップによって生じる腫瘍浸潤リンパ球の刺激、次いで最終的に
− 刺激ステップによって生じる腫瘍浸潤リンパ球の増幅。
TILの発生のステップは、好ましくは3または4期メラノーマを患っている患者からのin−transit皮膚結節、リンパ節または転移の試料の初代培養によって、好ましくは密閉培養容器内で実行される。実際には、TILの供給源は、3または4期メラノーマを患っている患者からのin−transit皮膚結節、リンパ節または転移の試料であり、生検によって試料抽出され得る(腫瘍から採取された試料)。初代培養は、好ましくはインターロイキン−2(IL−2)を補ったX−VIVO 15(登録商標)型(Cambrex Corpから販売)の無血清選択培養培地において実行される。
「密閉培養容器」は、細胞が外部環境と直接接触すること無く、適した培地における培養において前記細胞を維持することを可能にする系を意味することが意図される。したがって、容器は密閉され、すなわちその内部容量は、特にTILおよび培養培地が容器内に導入される、培養中に、外気と接触しない。
TILの発生後、最後は、好ましくは区画化された密閉培養容器において、刺激のステップを受ける。これは、開放または非区画化系において実行された同一の技法と比較してTILの全体収量の有意の定量的な増加を可能にする(最大2.5倍)。これは、産生されたTILの定性的な増加も可能にする。実際には、産生されたTILの中で、CD8+TILの割合は、従来型の条件下で産生されたものより大きく(85%対60%)かつ自己由来腫瘍系統に関してより大きい特有の細胞毒性活性を有する(14%対2%)。
好ましい実施形態に従って、TILは、少なくとも非増殖性の照射同種フィーダー細胞の存在下で刺激を受ける。これらの同種フィーダー細胞は、例えば、照射によって非増殖性にされる。TILは好ましくは、健康なヒトドナー血液由来の(非増殖性)単核細胞およびエプスタイン・バールウイルス(Epstein−Barr virus)、好ましくはLAZ388系統によって形質転換された(非増殖性)B細胞の形成された混合物との共培養によって刺激を受ける。
非増殖性同種フィーダー細胞およびTILは、好ましくはインターロイキン−2(IL−2)を補った、X−VIVO 15(登録商標)型(Cambrex Corpから販売)の無血清選択培養培地において共培養される。さらに、刺激ステップの間、リンパ球の増幅を促進する、PHA−L(L型フィトヘマグルチニン)などの分裂剤が、好ましくはリンパ球と並行して密閉刺激容器内に導入される。
一般には、区画化された密閉培養容器は、1つは技術チャンバー(technical chamber)と呼ばれ、もう一方は沈静チャンバー(pacification chamber)と呼ばれる、互いに連通する、少なくとも2つの区画、および区画のうちの1つの中への少なくとも1つの開口ポートを含む。TILおよび非増殖性の照射同種フィーダー細胞は、前記ポートによって培養培地に導入されて懸濁されかつ培養培地は、その、または別の、ポートによって交換される。
TILを刺激するステップの後に増幅ステップが続く。典型的には、刺激を受けたTILは、採取され次いで培養系内に移される。バッグはインキュベートされ、かつIL−2が添加された新しい培地が、それぞれのバッグに週に2回加えられる。
バッグは、したがって1.10から3.10リンパ球/mlであるTILの濃度で得られる。
1つのステップから別のステップへ異なる密閉培養容器において発生、刺激および増幅のステップを実行することは可能である。この場合、1つの密閉容器から別の密閉容器への移動は、例えばポートとして役立つ配管、TerumoによるSCD(登録商標)型の無菌接続器具により、接続することによって、無菌条件下で実行される。変形形態として、発生、刺激および増幅のための密閉容器は、密閉系を形成するように、製造の時に互いに予備接続される。
こうした系は、密閉系においてTリンパ球の完全培養を実行することを可能にし、それによって汚染の危険を制限する。
本発明による凍結保存方法において、TILの試料の上述の組成物との混合のステップii)は、典型的には希釈によって実行される。TILの試料は、好ましくは体積の50%について、好ましくは液状形態の化合物a)内に取られ、次いで好ましくは2x濃度溶液を得るためにあらかじめ一緒に混合された、化合物b)およびc)が加えられる。ステップi)の混合は、約4℃、または室温(すなわち20℃)で実行され得る。
TILの試料は、好ましくは遠心分離を受け、上清は回収され、ペレットは上述の組成物内に懸濁される。
本発明による凍結保存方法の凍結(ステップiii))に関して、これは好ましくは、+4℃または室温から−100℃から−160℃までの温度への温度の降下にわたって実行される。凍結のステップ(ステップii))は、好ましくは−100℃から−180℃、好ましくは−140℃から−160℃の温度まで低下して実行される。
試料は、次いで一般には−130℃未満の温度で貯蔵される。
好ましくは、凍結iii)は、全てが−70℃から−100℃の温度になっている、ステップii)において得られる混合物を+4℃のイソプロピルアルコールの混合物に水没させた容器内に置くことによって実行される。この系(「ナルゲンボックス(Nalgene box)における凍結」)は、アルコールの徐冷の長所によって、毎分−1℃から−2℃の温度の実質的に直線的な降下を可能にする。あるいは、好ましくは、凍結iii)は、プログラムフリーザーによって実行される。こうしたフリーザーは、特にAir LiquideまたはCryobiosystemによって販売されている。それらは、特により再現可能な温度の降下およびより複雑なスキームを可能にする。
好ましくは、凍結iii)は、次のステップ:
− ステップii)において得られる混合物を、+4℃の温度に置くこと、次いで
− 温度を+4℃から−40℃まで毎分1℃下げること、次いで
− 液体または気体窒素の容器において、平均で約−150℃の最終貯蔵温度に達するために、−40℃から−150℃まで、温度を毎分10℃下げること
に従って、特にプログラムフリーザーによって実行される。
したがって得られる凍結した生成物は、約−150℃で数か月維持され得る。
本発明は、ここで以下の非限定的な実施例によって例示される。
実施例1:本発明の方法によるTILの試料の調製および凍結保存
TIL生成物は、自己由来の性質の先端医療医薬品(ATMP)を構成している。これは、出発原料(この場合は患者から採取されたリンパ節)のドナーである患者だけを対象とする生存細胞からなる。ex vivoでの増幅後、患者からのTILは、この同じ患者に注射され、これは自己由来系である。
方法は次の通りである:
出発原料は、皮膚の悪性メラノーマを患っている患者のリンパ節から単離された腫瘍浸潤リンパ球の浸潤転移性腫瘍からなる。
患者は、事前にウイルス学的スクリーニングを受ける(CMV、肝炎BおよびC、HIV、HTLV、EBVおよびパルボウイルスB19)。
方法のステップi):TILの試料の取得
転移期メラノーマ細胞によって浸潤された、(皮膚、肺および/またはリンパ節から)採取した試料の断片(1つまたは複数)を、有効な方法によって(per−operatively)無菌的に収集し次いで無菌容器内の「乾燥」に(輸送培地におけるコンディショニング無しで)置く。
それらを、次いで1から2mmのフラグメントに切断する。採取したそれぞれの腫瘍試料のフラグメントを、次いでそれらの調製を待つために、クライオチューブにおいて凍結する。
TILの発生のステップ
腫瘍フラグメントのクライオチューブを、解凍してX VIVO 15(登録商標)培養培地およびIL−2を含有する12−ウェル培養プレートのウェル内に置く。プレートを、37℃および5%COにおいてインキュベートする。
ウェルを倒立顕微鏡下で検査してそれに加えたIL−2を含む培養培地は、週に2回、体積の半分を交換する。
培養の10〜12日間後、腫瘍断片を抜け出す全てのTILを採取して、これらのTILの規定された量を刺激のために用いる。
TILの刺激のステップ
事前に得られる生存TILを、PHA−Lの存在下で、同種リンパ球(3人の健常ドナーのCPAドネーションキットの環状残基から構成される単核細胞の安全なバンク由来)から構成される照射フィーダー細胞および照射LAZ細胞(エプスタイン・バールウイルス:LAZ388系統によって形質転換された同種B系統)と共培養する。
フィーダー細胞の照射は、TILの活性化および増殖において重要である、それらのフィーダー効果に有害に影響(可溶性因子の生成、それらの表面でのマーカーの発現など)することなくこれらの細胞の増殖をブロックするために必要である。
TIL(1.8.10細胞)およびフィーダー細胞(同種リンパ球:240.10細胞、LAZ388:120.10細胞)を、X VIVO 15(登録商標)培養培地およびIL−2において60個の96−ウェルプレート内で培養する。プレートを、37℃および5%COにおいてインキュベートする。
週に2回、ウェル内に存在する培地の上部3分の1を除去して新しい培地およびIL−2と交換する。10から13日後、TILは増殖しウェルの底部において不透明ペレットを形成する。次いで全てのウェルの内容物を収集する。
TILの増幅のステップ
96−ウェルプレートから採取したTILを、培養バッグに移して細胞濃度を再調整する。バッグをインキュベートして、新しいX VIVO 15(登録商標)培地およびIL−2を、バッグにおけるTILの濃度を1.10リンパ球/mlに調整するようにそれぞれのバッグに週に2回加える。
方法のステップii):TILの試料の凍結保存組成物との混合
バッグ培養(増幅ステップ)の10日後、TILを濃縮するためにTILのバッグから採取した細胞懸濁液の体積を遠心分離によって減少し、これを緩衝生理食塩水(0.9%NaCl)中で洗う。細胞を含有するペレットを、次いで次の組成物:
− 3.5%DMSO、1mM L−システイン、0.1Mトレハロースおよび4%ヒト血清アルブミン(HSA)を含む、「組成物A」、または
− 5%プロピレングリコール、0.01%補酵素Q10、0.1Mトレハロースおよび4%ヒト血清アルブミン(HSA)を含む、「組成物B」
のうちの1つと混合する。
方法のステップiii):得られる混合物の凍結
ステップii)の最後に得られるそれぞれの混合物を、−150℃で凍結する。
それぞれの生成物を、解凍および患者への投与を待つために、−150℃未満の温度で、気体窒素の容器において凍結形態で貯蔵する。
生成されたそれぞれのクライオチューブは、
1.75×10の生存細胞
2.75×10の生存細胞/mlで固定された一定細胞濃度。
3.生成物の体積は、1mlである。
4.その細胞の組成は、次の通りである:
a.活性物質:
i.99%より多いCD45細胞。
ii.CD3CD25活性化に応答してIFNgおよびCD107aを共発現する50%より多いCD45CD3CD8免疫応答性Tリンパ球(=潜在的可能性試験)。
b.不純物
i.微量のHMB45腫瘍細胞(用いた分析法の検出限界1%超)。
ii.微量のCD45CD3CD19Bリンパ球様細胞(用いた分析法の検出限界1%超)。
iii.微量のCD45CD3CD56および/またはCD16NK細胞(用いた分析法の検出限界1%超)。
iv.細胞片(=フローサイトメトリーまたは残留DNAアッセイによる検出)を含有する。
実施例2:本発明によるTILの凍結保存における組成物の有効性
ここで用いる細胞は、実施例1のステップi)に記載のように得られるTILである。
製剤:
本発明による組成物を、
− 単純な製剤(陰性対照)は、造血細胞移植部門(hematopoietic cell transplantation units)において既知でありかつ広く用いられるが、貯蔵能力が限定される。これは、10%DMSO+4%ヒト血清アルブミン(HSA)の混合物である、および
− 陽性対照である、細胞が4%ヒト血清アルブミン中に置かれかつ直接分析される、保存加工されていない製剤
と比較して試験する。
本発明による2種の組成物を評価する:
− 3.5%DMSO、1mM L−システイン、0.1Mトレハロースおよび4%ヒト血清アルブミン(HSA)を含む、「組成物A」、ならびに
− 10%プロピレングリコール、0.01%補酵素Q10、0.1Mトレハロースおよび4%ヒト血清アルブミン(HSA)を含む、「組成物B」。
凍結の方法:
− ナルゲンボックスにおける凍結は、既知の参考マニュアルである:チューブを、+4℃のイソプロパンアルコールの混合物で満たされている密封したボックス内に置き、次いで全てを−80℃に置いてアルコールの徐冷によって毎分−1℃から−2℃の温度の実質的に直線的な降下を可能にする。
− 凍結収量を最適化するために、CRF(プログラムフリーザー)による自動化された凍結を電子的に制御し、これは直線的または非直線的曲線の生成を可能にする。この方法は、再現可能である。
細胞を、最大−150℃での凍結形態での1か月の貯蔵に続く解凍後の最終点で評価する。
材料および方法
凍結防止剤および試薬
器具
方法
連続的な細胞培養/通常プロセスによって生じる保存加工されていない細胞懸濁液である、単一出発原料から開始し、4種の調査群を想定する:
− 共通T0群=これは、培養培地中の遠心分離前に分析された保存加工されていないT0細胞に関する。
− 参照群(陰性対照)(チューブ1)=これは、ナルゲンボックス(マニュアル法)による、段階分けされた方法に従う、10%DMSO+4%HSA中の凍結した細胞に関する。この方法は、非凍結陽性対照細胞と比較すると、前の調査の間の適度な細胞のストレスであるとされている。
− 陽性対照群T1=これは、保存加工されていない、注射可能な製剤を刺激するために4%ヒト血清アルブミン内に維持された非凍結細胞に関する。
− 試験群(チューブ2)=これは、CRF凍結(チューブ3)による方法によって本発明による組成物(組成物AまたはB)中で凍結された細胞に関する。
より具体的には、プロトコルは以下の通りである:
・T0の保存加工されていない細胞は、ナントUTCG(細胞および遺伝子療法部門(unit for cell and gene therapy))によって定義されている、適した培養条件下にある。TIL細胞を計数し、それらの生存度およびそれらの増殖を測定し(700.10生存細胞は、全ての条件について必要である)、これはT0=非製剤未保存加工細胞参照を確立する
・この実験は、(3人の異なるドナー由来の3種の最終生成物で)独立に3回実行した
・それぞれの条件について75.10細胞の3つのクライオチューブを生成する
・T0およびT1を、単一回生成する(条件ごとに10細胞)
・1つの250mlフラスコ内に懸濁液を分散させる、すなわち1チューブ当り225.10の生存細胞
・400gで8分間遠心分離機にかける
・それぞれのクライオチューブは、1mlの最終懸濁液体積および75×10の生存細胞/mlの細胞濃度を有する
・遠心分離後、マイクロピペットまたは吸引ポンプによって注意深く上清を除去する
・細胞をチューブ1および2の条件のために1.5mlの4%HSA内に取る
・細胞懸濁液(=500μl)を、3つの番号付けしたクライオチューブに移す
・500μlの凍結培地を2×濃度で滴下で加える
・クライオチューブを閉じる
・チューブ2を、本発明による組成物中に置き次いでDMSOを基材とする製剤については+4℃で10分間およびC3〜C5アルカンジオールを基材とする製剤については+4℃で30分間インキュベートし、次いでCRF中で凍結する。
・チューブ1を、+4℃であらかじめ安定させた、ナルゲンボックスにおいて凍結する。
試験群のクライオチューブを、それらが+4℃での前のインキュベーション後、−40℃の段階まで低下する毎分−1℃の、プログラムされた温度の降下、次いで貯蔵温度(−130℃)まで低下する−10℃/分の急速凍結を受ける、レート制御フリーザー(CRF)によって凍結する。貯蔵は、次いで−150℃で気体窒素の容器において実行される。
参照群のクライオチューブを、+4℃に置かれた、ナルゲンボックス(=凍結ボックス)内に置く。全てを、直接−80℃のフリーザーに一晩移す。クライオチューブを、最大48時間後に貯蔵のために気体窒素の容器に移す。
解凍:
少なくとも1か月後、クライオチューブを、急速法によって解凍する。この目的のために、クライオチューブを窒素容器から取り出し次いで−80℃のナルゲンボックスを用いてクオリティコントロールセンターに輸送する。到着したら、これを直ちに+37℃の水浴に全ての氷が消失するまで(約1分後)水没させる。下記の「評価基準」の段落に記載されている試験に従って全てを直接番号付けして分析する。同分析を、ヒト血清アルブミン中に製剤された、陽性対照T1について4時間後に実行する。
クライオチューブの命名
評価基準
評価基準は、
・解凍時および4時間後自動化法による生存度(ヌクレオカウンター型)。
・解凍時および4時間の生存細胞の番号付け。
・3日間にわたる細胞の増殖の試験(再培養後2日間にわたって維持:CFSE試験による)。
細胞を、+37℃に温度制御された水浴中で急速解凍後に分析する。解凍は、全ての氷が消失するまで、急速であり(これはヒト注射に適した生成物の調製を刺激する)、次いでチューブを、解凍安定性を確認するために室温に(15℃〜25℃)4時間維持する。
結果
下表1から3に結果を示す。
組成物をTILのために保持するために、これは陽性対照(T1:4%血清アルブミン、HSA中に製剤された細胞)の85%より大きい結果および解凍時に陰性対照(10%DMSO+4%HSA)より有意に大きい結果を与えなければならず、かつ減少は4時間後に陽性対照の20%を超えてはならない。
最終生成物における細胞集団の安定性を記録する、CD8/CD4比率については、比率は40%より大きく変化してはならない。
室温(RT)で4時間後、組成物Aで得られる平均生存度は、69.20%(T1の87.6%)および組成物Bで得られる平均生存度は、70.97%(T1の89.9%)であり、これは陰性対照の生存度(53.00%)より有意に大きい。
結論として、試験した2種の製剤は、規定セットを達成する(注射可能な溶液である、4%血清アルブミン中に製剤された陽性対照:未保存加工細胞に対して15%未満の差)。
製剤Aに関して:
・生存度は、解凍時に陽性対照の値の97.3%を達成しかつ4時間後に87.6%を維持する(絶対値として解凍時76.8%、次いで4時間後69.2%)。これは、製剤が有効でありかつ死細胞片の量が限定されることを立証する。
・解凍再培養の2日後の細胞の増殖能力は、陽性対照より大きく(+10.3%)、解凍後のそれらの回復/持続の能力を立証する。
・細胞の機能性は、それらの脱顆粒の能力(=CD3/CD28活性化に応答して、それらの免疫活性を仲介するサイトカインの合成)が維持されるので、維持される(回復率に関して陽性対照の91.0%)。
・CD25+活性化細胞の割合(IL−2受容体の部分)は、陽性対照より大きく(+94.6%)かつ細胞の活性化/増殖の能力も反映する。
・凍結/解凍サイクルにより感受性であることが既知である、細胞毒性CD8リンパ球の割合の減少に起因してCD8/CD4比率のみ悪影響を受ける(0.55の代わりに0.36)。この中程度の減少は、生成物にとって許容的である。
製剤Bに関して:
・生存度は、陽性対照の102.6%を達成しかつ4時間後に89.9%を維持する(すなわち解凍時に生存細胞の81%、および4時間後に71%)。
・解凍後の2日間にわたる細胞の増殖能力は、陽性対照より大きい(回復率に関して112.4%)。
・細胞の機能性は、脱顆粒の能力(CD3/CD28活性化に応答したサイトカインの合成)が87.0%であるので、維持される。
・活性化された細胞の割合は、陽性対照より大きい(+88.6%)。
・細胞の機能性に悪影響を与えない、細胞毒性CD8+リンパ球の死亡率の増加に起因してCD8/CD4比率のみ悪影響を受ける(0.55の代わりに0.36)。
結論:
本調査は、製剤AおよびBが、
・その凍結有効性および安定性が限定される、ナルゲンボックスにおいて実行される10%DMSO+4%HSA陰性対照より良好であること、ならびに
・非凍結陽性対照の規定と同様であること(4%ヒトアルブミン中の未保存加工細胞に対して15%未満の差)
を実証する。
これは、相乗的化合物との複合製剤の使用が、解凍時の細胞の全体的特徴を有意に改善することを可能にすることを実証する。
これらの製剤の利点は、次の特性にある:
・非毒性、すなわち、解凍後すぐに使用でき、これは病院での任意の医薬品の取扱い作業を克服することを可能にする、
・細胞の長期持続凍結安定性(数か月)、
・調製および患者の注射前の取扱い時間を含む、4時間の解凍安定性、
・産業貯蔵制約との適合性、ならびに
・細胞の全体的および機能的特徴の保存。
それらはしたがって細胞療法において直面する共通の問題に応える。

Claims (14)

  1. 以下のステップ:
    i)腫瘍浸潤リンパ球の少なくとも1種の試料を取得するために、in−transit皮膚結節、リンパ節または転移の試料に含有される前記腫瘍浸潤リンパ球の発生、次いで発生ステップによって生じる腫瘍浸潤リンパ球の刺激、次いで最終的に刺激を受けた腫瘍浸潤リンパ球の増幅を含む、3または4期メラノーマを患っている患者由来のin−transit皮膚結節、リンパ節または転移の試料からの腫瘍浸潤リンパ球のin vitro培養、
    ii)ステップi)において得られる少なくとも1種の試料を、生理学的に許容可能な培地中に、
    a)ヒト血清アルブミン、
    b)少なくとも1種の糖類、ならびに
    c)DMSO、L−システイン、補酵素Q10およびC3〜C5アルカンジオールから選択される少なくとも2種の成分、
    を含む組成物と混合するステップ、
    iii)ステップii)において得られる混合物を凍結するステップ
    を含む、腫瘍浸潤リンパ球の少なくとも1種の試料の凍結保存方法。
  2. 前記糖類が、単糖類、二糖類および三糖類から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の凍結保存方法。
  3. 前記糖類が、トレハロースおよびスクロースから選択される二糖類であることを特徴とする、請求項2に記載の凍結保存方法。
  4. 前記C3〜C5アルカンジオールが、プロパン−1,2−ジオール、ペンタン−1,5−ジオールおよびブタン−2,3−ジオールから選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の凍結保存方法。
  5. 前記ヒト血清アルブミンが、組成物の総重量に対して2から10重量%、好ましくは2.5から6重量%の量で存在することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の凍結保存方法。
  6. 前記糖類が、0.05Mから1M、好ましくは0.07Mから0.5Mの濃度で存在することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の凍結保存方法。
  7. ステップii)において用いられる前記組成物が、
    a)好ましくは2.5から6重量%の量の、ヒト血清アルブミン、
    b)好ましくは0.07Mから0.5Mの濃度の、トレハロース、ならびに
    c)好ましくはそれぞれ2から15重量%の量および0.5mMから2mMの濃度の、DMSOおよびL−システイン
    を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の凍結保存方法。
  8. ステップii)において用いられる前記組成物が、
    a)好ましくは2.5から6重量%の量の、ヒト血清アルブミン、
    b)好ましくは0.07Mから0.5Mの濃度の、トレハロース、ならびに
    c)好ましくはそれぞれ0.007から0.1重量%の量および3から10体積%の量の、補酵素Q10およびプロパン−1,2−ジオール
    を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の凍結保存方法。
  9. 前記凍結するステップiii)が、−100℃から−180℃、好ましくは−140℃から−160℃の温度まで低下して実行されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の凍結保存方法。
  10. 前記凍結するステップiii)が、全てが−70℃から−100℃の温度になっている、ii)において得られる混合物を+4℃のイソプロピルアルコールの混合物に水没させた容器内に置くことによって実行されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の凍結保存方法。
  11. 前記凍結するステップiii)が、プログラムフリーザーによって実行されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の凍結保存方法。
  12. 腫瘍浸潤リンパ球の少なくとも1種の試料の凍結保存のために、生理学的に許容可能な培地中に、
    a)ヒト血清アルブミン、
    b)少なくとも1種の糖類、ならびに
    c)DMSO、L−システイン、補酵素Q10およびC3〜C5アルカンジオールから選択される少なくとも2種の成分
    を含む組成物の使用であって、
    前記試料が、3または4期メラノーマを患っている患者由来のin−transit皮膚結節、リンパ節または転移の試料からの腫瘍浸潤リンパ球のin vitro培養であって、in−transit皮膚結節、リンパ節または転移の試料に含有される前記腫瘍浸潤リンパ球の発生、次いで前記発生ステップによって生じる腫瘍浸潤リンパ球の刺激、次いで最終的に刺激を受けた腫瘍浸潤リンパ球の増幅を含む前記培養によって得られる、使用。
  13. 前記発生ステップによって生じる前記腫瘍浸潤リンパ球が、少なくとも非増殖性照射同種フィーダー細胞の存在下で刺激を受ける、請求項1から11のいずれか一項に記載の凍結保存方法、または請求項12に記載の使用。
  14. 前記発生ステップによって生じる前記腫瘍浸潤リンパ球が、全て非増殖性の、健常なヒトドナー血液由来の単核細胞およびエプスタイン・バールウイルス、好ましくはLAZ388系統によって形質転換されたB細胞から形成された混合物との共培養によって刺激を受ける、請求項1から11もしくは13のいずれか一項に記載の凍結保存方法、または請求項12もしくは13に記載の使用。

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