JP2018517436A - 染色体異常の検出方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、生体試料内、好ましくは1つ以上の細胞内および/または1つ以上の細胞核内の染色体領域および/またはDNA領域の検出によるインサイチュハイブリダイゼーションにより染色体異常、特に構造的および/または数的染色体異常、好ましくは構造的染色体異常を検出する方法に関する。【選択図】図1

Description

本発明は染色体不規則、すなわち染色体異常の検出方法の技術分野に関する。
特に、本発明はインサイチュハイブリダイゼーションを用いる染色体異常の検出方法に関する。さらに、本発明は染色体異常の検出に適切な組成物、ならびに本発明によるその組成物の使用に関する。検出標識で標識された座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの使用が本発明のその他の課題である。最後に、染色体異常の検出用キットが本発明の課題である。
多くの腫瘍病が転座、逆位、部分重複、欠失、挿入、重複、異数性、および増幅などの構造的および数的染色体変異に基づく。予測的予後判定マーカーまたは予測的鑑別診断マーカーとしてのこれらの変異の検出は原則としてインサイチュハイブリダイゼーション(ISH)を用いて行われる。
インサイチュハイブリダイゼーションは相補性核酸一本鎖塩基、特にDNA一本鎖塩基のハイブリダイゼーションまたは対合に基づいており、それにより試料内、特に組織調製物内または細胞調製物内の特定の核酸配列を検出することができる。この目的のため、直接的または間接的に標識された合成プローブを試料の核酸一本鎖とハイブリダイズし、その後で検出する。
検出目的で蛍光標識核酸断片または蛍光標識ハイブリダイゼーションプローブを使用することができる(蛍光ISH(FISH))。さらに、抗原標識プローブ、特にハプテン標識プローブを使用することができ、それらのプローブは後に抗体を用いて発色反応により可視化され、それにより光学顕微鏡分析が可能である((明視野ISH(BrISH)、発色性ISH(CISH)、銀ISH(SISH))。
複数のゲノム領域を同時に、且つ、明らかに相互識別されるように検出することができることがFISHの利点である。この目的のため、異なるゲノム領域に対処する、または異なるゲノム領域に特異的な核酸断片が、吸収スペクトルおよび/または発光スペクトルに関して相互に異なる蛍光色素でそれぞれ標識されるか、またはそのような蛍光色素と結合される。それぞれ異なる単一プローブから構成されるマルチカラープローブを中期染色体調製物または間期細胞核調製物に対して使用する場合、それらの色素を励起するためにその調製物に当てられる正確に限定された波長域の光を伝導し、同様にそれらの色素が発した光の正確に限定された波長域を評価器に伝導する特異的な顕微鏡フィルター(シングルバンドパスフィルターセットと呼ばれる)を使用することによりそれぞれの色を相互に分別して表示することができる。さらに、異なる蛍光色素の同時表示、したがって複数の核酸断片の同時表示を可能にするフィルターおよびフィルターセットも存在する。例えば2種類の異なる蛍光色素の場合ではデュアルバンドパスフィルターセットと言う。
しかしながら、特定のプローブによって検出されるゲノム領域毎に1種類の標識だけが使用可能であるので、同時表示には明らかな制限がある。さらに、それらの色素の吸収域と発光域は、それらの顕微鏡フィルターセットによって分別することができないほど互いに近接して存在することが多い。これらの理由のため、通常は2色(オレンジ色/赤色と緑色)または3色(青色細胞核対比染色(DAPI)と同時または一緒にオレンジ色/赤色と緑色)だけがFISHにおいて同時に分析される。FISHについて述べることができる制限とほぼ同じの制限がBrISHにも当てはまる。本技術分野では、ビオチン、ジニトロフェニル(DNP)、およびジゴキシゲニンからなる群より主に選択される2種類のハプテンと2種類の抗体結合酵素、主にアルカリホスファターゼとペルオキシダーゼを使用することが先行技術である。
同時表示または同時分析についての前記制限は構造的および数的染色体異常の検出用プローブの構成(組成)または連携に対して重要な影響を持ち、間期の状態にある細胞を含む腫瘍の診断のためにはいわゆる座位特異的プローブだけを用いて同時表示または同時分析を実施することができ、数的染色体変異の検出のために時にはいわゆる反復配列プローブを使用することもある。
座位特異的プローブは、最大で約1000kbの合計サイズになる染色体の選択されたDNA部分、主に個々の遺伝子、または隣接遺伝子に対処し、遺伝子特異的プローブまたは単一コピープローブと呼ばれるプローブであると理解される。反復配列特異的プローブは、反復配列に対処し、したがって数千kbのサイズを有する領域に対処するプローブである。これらのプローブには例えばセントロメアプローブまたはαサテライトプローブも含まれる。
転座および逆位の検出に関し、基本的に2種類の関連技術および基礎となるプローブ構成、すなわちプローブ組成が存在し、すなわち、一方の融合シグナル発生原理(デュアルカラー・デュアルヒュージョンアプローチと呼ばれる)(国際公開第02/093130(A2)号パンフレット)と他方の融合シグナル分離原理(デュアルカラー・ブレイク・アパートアプローチまたはデュアルカラー・スプリットアプローチと呼ばれる)が存在する。これらの2つの原理についての以下の記載とそれらより導出されるシグナルパターンにおいて、正常な細胞は原則的に二倍体であること、すなわち、各アレルが二つ一組で存在することが特筆されるべきである。原則的には2つのアレルのうちの1つだけが異常の影響を受けるので、原則的に異常なシグナルと共に異常による影響を受けていないアレルの正常なシグナルも見ることができる。より良好な理解のために説明すると、以下では正常なシグナルのシグナルパターンは常に明確にそうであると記載されているわけではない。
デュアルカラー・デュアルヒュージョンアプローチでは染色体の第1切断点領域の近位と遠位に同じ色(例えばオレンジ色)の核酸断片が隣接し、第2切断点領域、すなわち相互転座パートナーの領域の近位と遠位に第2色(例えば緑色)の核酸断片が隣接する。この場合、正常な状況、すなわち、両方の転座パートナーの領域に染色体切断が無い状況は、緑色のシグナルおよび空間的に分かれたオレンジ色のシグナルを特徴とする。
相互転座の場合、両方の転座パートナーの切断点において切断が生じ、一方の転座パートナーの近位領域が他方のパートナーの遠位領域と融合し、一方の転座パートナーの遠位領域が他方のパートナーの近位領域と融合する。異なるように色づけられたシグナルが重なり合うことが多いので、したがって融合シグナルとも呼ばれる2点の緑色/オレンジ色シグナルペアが生じる。それらの2つの転座パートナーの切断点が各標識核酸断片の領域内にある場合でしか融合シグナルが生じないことがこのプローブ技術の欠点である。転座がそれらの2つのパートナーの一方だけに関連する場合では融合シグナルが生じない。この場合、転座によって影響を受けたパートナーに特徴的なシグナルの色を有する追加シグナルの形成が起こる。このことは、緑色フルオロクロームで標識された核酸が範囲とする領域内に転座切断点がある場合には追加の緑色シグナルが生じることを意味する。使用した2色によって単一の転座または逆位の両切断点領域だけが検出可能であり、したがって特定の転座または逆位だけが検出可能であることがこのプローブ構成の欠点である。
デュアルカラー・ブレイク・アパートアプローチの場合では切断点領域の近位と遠位に異なるように標識または発色標識された核酸断片(例えば遠位のオレンジ色、近位の緑色)が隣接する。これに関し、正常な状況、すなわち、この転座パートナーの領域に染色体切断が無い状況は、融合シグナルを特徴とする。異常な状況、すなわちそれらのプローブ断片の間で染色体切断が生じている場合では、それらのシグナルが互いに空間的に分離する。したがって、異なるように色づけられたシグナルとシグナルとの間の距離が、正常な状況と異常な状況との間の差の特徴である。この方法では関与する転座パートナーについて述べることができない。特定の染色体再構成が起きたと結論できるだけである。使用した2色によって単一の切断点領域だけが検出可能であり、したがって特定の転座または逆位だけが検出可能であることがこのプローブ構成の欠点である。
欠失、異数性および増幅に関し、一般的には座位特異的プローブに関連する通常はたった1つの関連技術および基礎となるプローブ構成が使用される。しかしながら、座位特異的プローブは例えばセントロメアプローブまたはαサテライトプローブなどのいわゆる反復配列特異的プローブによって補足されてもよく、欠失、異数性、および増幅の発生により生じるシグナル獲得またはシグナル喪失の検出原理が通常はいわゆるデュアルカラー・プローブアプローチによって行われる。以下に記述されるこの原理およびその原理から導出されるシグナルパターンでも正常な細胞は原則的に二倍体であること、すなわち、各アレルが二つ一組で存在することが特筆されるべきである。
デュアルカラー・プローブアプローチでは2か所の異なる染色体領域が異なる様に標識された、または異なるように色で標識された核酸断片で標識される(例えばゲノム領域1または標的領域1がオレンジ色であり、ゲノム領域2または標的領域2が緑色である)。正常な状態であること、すなわち、これらの領域の獲得または損失が存在しないことは2点のオレンジ色のシグナルと2点の緑色のシグナルによって特徴づけられる。異常な状態では、すなわち、標的領域1および/または標的領域2内のゲノム領域の獲得または損失が起こっている場合、損失の場合は眼に見える緑色および/またはオレンジ色のシグナルが少なくなり、獲得の場合はシグナルが多くなる。大規模な遺伝子増幅またはゲノム領域の増幅の場合、多数の追加シグナルを目視することができ、それらのシグナルはクラスターとしても示され得る。
したがって、2点の標準的シグナルまたは2色の標準的色を用いる前述の標準的方法および標準的組成物を用いると、構造的変化の場合ではたった1例の(あり得る)異常しか検出することができず、数的染色体変異の場合では最大でも2例の(あり得る)異常を検出するだけである。
上記の2色アプリケーションに加え、FISH分析では3色、まれに4色、非常にまれに5色のプローブも使用される。プローブの標識のために対比染色を行わずに少なくとも3種類の異なるリガンドまたはフルオロクロームを同時に使用する方法がマルチカラーFISH法(mFISH法)と定義される。この場合、明らかに比較的に強い標準的蛍光色であるオレンジ色/赤色と緑色に加えて他の利用可能な比較的に弱い色、例えば金色、詳しくはゴールデンイエローもしくは金色、赤色または青色が使用される。したがって、本技術分野では、主に反復配列に対するプローブの標識の場合、例えば青色および金色の色強度を増幅することが可能であるので、4色FISHプローブは、例えば、欠失または増幅の検出のためだけに使用されることが一般的である。そのような方法は、多くの中でも欧州登録特許第1035215(B1)号、国際公開WO2007/028031(A1)号、および欧州登録特許第0549709(B1)に記載されている。
さらに、先行技術では三重FISHアプローチが記載されており、そのアプローチは染色体領域内に互いに隣接してクラスター形成し得る(すなわち、互いに近傍に位置する異なる遺伝子が関与している)様々な転座事象の検出に対処する。この場合、シグナルパターンの対応する評価のためにそれぞれ2色だけが分析され、それらが単一の異常を検出し、3番目の色はどの場合も役割を持たない。3種類の異なる座位特異的プローブが使用され、それらのプローブはそれぞれ異なる標識で標識される。
2色より多くの色を使用する明視野ISH(BrISH)に関し、発色性三重インサイチュハイブリダイゼーションの実施が先行技術に記載されており、そのインサイチュハイブリダイゼーションは3か所の反復性染色体領域の検出を目的としていることが一般的である。先行技術によると、2種類のハプテンを使用し、したがって2種類の色素を使用しただけでBrISHによって転座が検出される。特許出願国際公開WO2012/150022(A1)号では、逆位の検出のため、3種類の異なる色になる3種類の標識であるビオチン、ジゴキシゲニン、およびDNPを使用するBrISH法による3本の異なるプローブの使用について開示する方法が記載されている。
国際公開WO2005/111235(A2)号は検出目的のために3色の使用を含む方法について記載している。しかしながら、プローブの3番目の標識により標識される染色体領域は変異の影響を直接的に受けず、そのために染色体構造変化の場合では第1融合シグナルが除外され、そのために新規スプリットシグナルと新規融合シグナルが生じる。この方法はそれぞれ1種類の標識だけで標識されているプローブを使用する。さらに、それらのプローブによって規定されるたった1例のあり得る転座がこの方法で検出され得る。
国際公開WO02/093130(A3)号は、一例の転座に関与する両方の切断点において切断点の遠位と近位に隣接する2種類、または代わりに4種類の標識または色素を使用する染色体転座の検出方法を開示している。この方法により、それらのプローブが隣接する切断点領域内でその1つの転座より多くの転座を検出する可能性が提供されることはない。
まとめると、したがって、当技術分野から知られている方法ではインサイチュハイブリダイゼーションによって細胞または組織内に存在する複数の染色体異常を一緒に、または同時に効率的に検出することが不可能であると結論することができる。
インサイチュハイブリダイゼーションの範囲内での複数の所定のDNA領域または染色体領域の同時または一緒の割り当ては、今までに、ヒトにおいて約50Mbpと250Mbpの間のサイズを持つ染色体全体、またはより大きな染色体領域、例えば染色体腕を検出するための、「全染色体ペイントプローブ」(WCP)または「部分染色体ペイントプローブ」(PCP)と呼ばれるものを使用する方法の場合においてのみ知られている。基本的技術、例えばmFISH(多重FISH)、SKY−FISH(スペクトル核型分析)、マルチカラーFISH、COBRA−FISH(コンバインド・バイナリ・レシオ・ラベリングFISH)または24カラーFISHでも、約4種類から7種類の異なる蛍光色素を使用して総計で24色の異なる「染色体ペイントプローブ」を標識および識別することが可能である。類似の方法では、いわゆる42色FISHにおいて全ての染色体の染色体腕特異的プローブを異なるように標識することができる。しかしながら、前述の方法は中期にある細胞にしか適切ではない。前述の方法において使用されるプローブでは少なくとも基本的に染色体物質をスーパーインポーズせずに評価できるゲノム領域/染色体領域は中期のものだけであるのでそれらの方法は中期でしか可能ではない。間期の細胞は一般的に固形腫瘍の遺伝物質を分析するために必要とされるが、そのような方法では間期の細胞の分析は可能ではない。さらに、このときに使用されるプローブは大きな領域に対処しているため、それらは比較的に簡単に検出され得る。これらの分析の評価を手作業で、すなわち、蛍光顕微鏡でのシグナルの観察で行うことはできず、むしろ適切な評価ソフトウェアを使用してコンピューターベースの方法でのみ行うことができる。
構造的および数的染色体変異または染色体異常と関連した、特に腫瘍または癌疾患と関連したBrISHおよびFISHのための当技術分野において知られている方法とプローブ組成物は幾つかの欠点を伴う。例えば、複数の異なる可能性がある構造的および/または数的染色体変異または染色体異常の、信頼性があり、簡単であり、且つ、迅速な検出および識別を可能にする座位特異的プローブ組成物と方法が存在しない。
特に、構造的染色体変異の場合、相互に依存しない、すなわちどんな染色体物質も交換しておらず、または相互的ではない複数の異なる染色体変異を同時または一緒に分析することは、特に基本的なブレイク・アパートアプローチにおいて全く不可能であるか、またはわずかに可能であっても非常に困難である。
したがって、本発明は、染色体変異または染色体異常の検出および分析に適切であり、且つ、先行技術の上記の欠点を少なくとも大幅に回避または少なくとも緩和する方法または組成物を提供することを目的とする。
特に、本発明は、相互に異なる複数の染色体異常、特に、互いに無関係の(すなわち、相互的ではない)染色体異常の、特に1回のアプローチでの信頼性のある同時検出を可能にする方法を提供することを目的とする。同様に、本発明は、特定の染色体領域またはDNA領域への染色体異常の割り当てもさらに可能にする方法を提供することを目的とする。
上記の課題を達成するため、本発明は請求項1に記載の方法を提唱する。その他の有利な形態がこれに関する従属請求項の目的である。
さらに、これに関する独立請求項に従う染色体異常の検出のための組成物、すなわち、染色体異常と関連する疾患の予防処置または治療処置または診断または予後判定に使用される組成物が本発明の対象である。
これに関する独立請求項に一致する本発明に従う組成物の使用が本発明のさらに別の対象である。
さらに、本発明は、これに関する独立請求項に従う相互に異なる少なくとも2本、特に少なくとも3本、好ましくは少なくとも4本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの使用に関する。
さらに、これに関する独立請求項に従う少なくとも2種の検出標識で標識された少なくとも1本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの使用が本発明の対象である。
最後に、染色体異常の検出用のキットまたは部分キットまたはセットが本発明の対象であり、さらに、有利な特徴がこれに関する従属請求項の対象である。
以下の本発明の一態様と関連するというだけで記載されている特別な形態、実施形態、またはそのようなものは本発明の別の態様に関しても同様に適用されることが言うまでもなく理解される。
さらに、以下で述べられる全ての相対量、詳しくはパーセンテージ量、特に相対重量について、各成分、活性物質、添加物または補助物質等の合計が常に100%または100重量%になるようにこれらは本発明の範囲内で当業者によって選択されることに注意されたい。しかしながら、このことは当業者には明らかである。
さらに、当業者は、本発明の範囲から逸脱することはないが、用途に応じて、またはケースバイケースで以下に記載される数、範囲、または量に関する情報から逸脱する可能性がある。
さらに、確かなことに、以下で述べられる全てのパラメーター情報等は基本的に、標準的な、または明示された測定方法を用いて、または代わりに当業者には自明である測定方法を用いて測定または調査され得る。
上記の課題を達成するため、本発明は、本発明の第1態様に従い、生体試料内、好ましくは1つ以上の細胞内および/または1つ以上の細胞核内の染色体領域および/またはDNA領域の検出によるインサイチュハイブリダイゼーションにより染色体異常、特に構造的および/または数的染色体異常、好ましくは構造的染色体異常を検出するための方法であって、
間期インサイチュハイブリダイゼーションとして前記インサイチュハイブリダイゼーションを実施し、
それぞれ第1検出標識で標識された相互に異なる少なくとも4本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブを用いて前記インサイチュハイブリダイゼーションを実施し、特に、少なくとも1点の混合シグナルを生成するために前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブのうちの少なくとも1つを、前記各座位特異的ハイブリダイゼーションプローブに関して前記第1検出標識とは異なる少なくとも1種の追加検出標識で標識することでシグナルパターンを生成し、そして前記シグナルパターンを用いて存在する染色体異常を特定し、且つ/または染色体領域および/またはDNA領域に割り当てる
前記方法を提唱する。
換言すると、本発明は、間期インサイチュハイブリダイゼーションにより生成されるシグナルパターンで混合シグナルが目的通りに生成されることにより、生体試料内で相互に異なる複数の染色体異常、特に相互無関係の、すなわち、相互的ではない染色体異常を同時または一緒に検出すること、ならびに検出された染色体領域またはDNA領域にそれらの染色体異常を割り当てることを可能にする基本原理に基づく。
したがって、前記染色体異常が相互無関係の染色体異常であることが本発明の範囲内で特に規定され得る。換言すると、本発明によると、前記染色体異常は相互依存的ではないことが規定され得る。同様に、前記染色体異常が相互的染色体異常ではないことが規定され得る。
本発明の特別な実施形態によると、前記染色体異常は相互的または相互依存的染色体異常と関係ない、またはそれらと関連しないことがさらに好ましい。
本発明は、以下で非限定的に考察され、且つ、本発明の特許性を表すものとして評価されるべき多数の利点および特殊性に関する。
本発明の範囲内において、全く驚くべきことに、間期インサイチュハイブリダイゼーションの範囲内において、一方で複数のあり得る構造的または数的染色体異常の明確な検出を、他方でこれらの染色体異常間の明確な識別、すなわち、検出された染色体異常の特定の染色体領域またはDNA領域への明確な割り当てを一回のハイブリダイゼーションアプローチで可能にする染色体異常の検出方法を提供することが可能である。特に、それらの染色体異常は相互無関係の染色体異常であって、相互依存的ではなく、且つ、相互的ではない染色体異常であり得る。これは今まで当技術分野において、特に間期インサイチュハイブリダイゼーションの範囲内では不可能であった。
したがって、本発明の方法を用いることにより、一つの試料を相互に異なる複数の染色体異常について同時に、すなわち1回のアプローチで検査することができるので、例えば組織切片、特に腫瘍組織切片などの特に染色体異常について検査される生体試料を明らかにより迅速に、且つ、より効率的に分析することができる。さらに、検出されるあらゆる染色体異常を限定された、すなわち特定のDNA領域または染色体領域に割り当てることができる。
さらに、本発明の方法を用いると染色体異常の検出に必要な試料の量を著しく減らすことができる。検査目的の組織切除、特に癌疾患の診断、すなわち、癌疾患の特定または更なる分析との関連での組織切除は現在ではたいてい限られた量の試料の採取しかできない細針生検により行われており、一方でより大量の組織の採取を可能にする開放生検の実施は増々まれになってきているという背景を考えると、このことは特に有利である。
さらに、本発明の方法の高い効率性のため、酵素、蛍光色素等のような時には高価な材料の必要量を前記インサイチュハイブリダイゼーションの実施のために減らすことができ、したがって本方法は経済面および環境面の点でも有利である。
本発明のより良好な理解のため、本発明の方法の中心的な用語と名称を以下で定義する。
本発明によると、染色体異常という用語は同義語として染色体不規則とも呼ばれ、特に構造的および数的染色体異常を意味することが理解される。構造的染色体異常の場合、染色体の構造に変異が存在し、そのためにこれは染色体変異とも呼ばれる。特に、この染色体異常は逆位、転座、欠失、部分重複、挿入、重複、または増幅を含み得る。対照的に、数的染色体異常は染色体の数の変化に至る。ゲノム変異という用語が同義的に使用される。数的染色体異常、すなわちゲノム変異の場合、これらの染色体異常は特に異数性または倍数性を含み得る。本発明の方法は構造的染色体異常の検出に特に適切である。
本発明に従って使用されるインサイチュハイブリダイゼーションは核酸一本鎖、特にDNA一本鎖の相補的塩基のハイブリダイゼーション、すなわち対合に基づいており、それにより組織または細胞調製物などの試料内で特定の核酸配列を検出することができる。インサイチュハイブリダイゼーションの範囲内において、直接的または間接的に標識された合成ハイブリダイゼーションプローブ、特に座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが試料の核酸一本鎖とハイブリダイズし、その後で検出される。
基本的に、検査される異なるステージの細胞周期の細胞または細胞核に対してインサイチュハイブリダイゼーションを行う、または実施することができ、染色体が凝縮した状態で存在する中期、または染色体が脱凝縮した状態で存在する間期においてこのインサイチュハイブリダイゼーションを実施することが確立している。インサイチュハイブリダイゼーションの目標または目的によっては、特に、例えば、染色体異常についての固形腫瘍の細胞の検査の場合には、中期の凝縮した染色体に対してインサイチュハイブリダイゼーションを実施することが常に可能であるわけではない。したがって、本発明によると間期にある細胞または細胞核に対してインサイチュハイブリダイゼーションを実施することが規定される。
本発明の範囲内において、座位特異的ハイブリダイゼーションプローブは、検査される試料内のDNA物質、すなわち遺伝物質の特定の染色体領域もしくはDNA領域に対して特異的であるプローブ、またはその特定の染色体領域もしくはDNA領域に対して相補的なプローブであると理解される。通常、本発明に従って使用されるハイブリダイゼーションプローブは核酸または核酸断片をベースとしており、検出されるべき染色体領域またはDNA領域に特異的に結合またはハイブリダイズすることが可能である。検出されるべきその染色体領域またはDNA領域は様々な長さであり得る。特に、検出されるべき染色体領域またはDNA領域は単独、すなわち単一の遺伝子を全体的または部分的に含むことが規定され得る。同様に、検出されるべき染色体領域またはDNA領域は複数の遺伝子、好ましくは隣り合う遺伝子、好ましくは2つの遺伝子を全体的または部分的に含むことも規定され得る。
特にハイブリダイゼーションプローブの本発明による形態に関し、座位特異的ハイブリダイゼーションプローブは複数の、特に多数の核酸断片(同義語としてはプローブ断片ともいう)をベースとしており、それらの核酸断片をまとめて座位特異的ハイブリダイゼーションプローブと呼ぶことが特に規定され得る。さらに、あまり好ましくはないが、それらの座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが単一の核酸断片だけをベースとする、または単一の核酸断片だけから形成される場合があり得る。
本発明の範囲内において、検出標識は発見目的または検出目的のために核酸または核酸断片に結合している材料または物質を指す。適切な検出標識の選択は通常は当業者の能力の範囲内にあり、この点に関しては他のあらゆる説明を必要としない。検出標識で標識され、且つ、インサイチュハイブリダイゼーションにより発見または検出されるDNA部分または染色体部分と結合またはハイブリダイズした核酸断片は、当業者には自明であり、且つ、使用される検出標識に適応した方法によって直接的または間接的に検出可能であり、例えば、蛍光顕微鏡観察によって直接的に検出可能であり、または特に酵素反応の後、すなわち、酵素的に反応した色素基質による視覚化の後に明視野顕微鏡観察によって間接的に検出可能である。特に、インサイチュハイブリダイゼーションの範囲内の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブ上の検出標識によってシグナルパターンが生成され、あり得る染色体異常について試料を検査する基礎としてそのシグナルパターンが機能する。
さらに、本発明に従って使用される「検出標識」という用語は以下において検出標識分子の数を表すのではなく、検出標識の種類またはタイプを表し、すなわち、「少なくとも1種の検出標識」といった語句は検出標識のある特定の種類を意味するか、または検出標識の特定の選択を意味する。したがって、「複数の検出標識」という用語は、同様に、異なる種類の相互に異なる検出標識の選択に関し、使用される検出標識分子の数に関するわけではない。ハイブリダイゼーションプローブの標識の範囲内において、通常、これらのプローブが1つより多くの検出標識分子と結合していることは当業者にとって明らかである。
したがって、本発明に従って使用される座位特異的ハイブリダイゼーションプローブ、特にプローブ断片または核酸断片は、試料内の遺伝物質の選択されたDNA領域または染色体領域と特異的にハイブリダイズし、インサイチュハイブリダイゼーションの範囲内において結合検出標識に基づいてシグナルパターンを生成する。本発明の範囲内において、シグナルパターンとは、検出標識で標識された座位特異的ハイブリダイゼーションプローブに基づいたインサイチュハイブリダイゼーションによって生成されたあらゆるシグナルであることが理解される。
この背景で、少なくとも2種の相互に異なる検出標識での座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの標識により、良好に検出可能であり、且つ、他のシグナルと容易に識別可能である混合シグナルをシグナルパターンとして生成することができ、生じていた染色体異常の検出DNA領域または検出染色体領域への割り当てがそれらの混合シグナルにより可能になることが驚くべきことに本発明の範囲内で示された。したがって、本発明の意味での混合シグナルは、座位特異的ハイブリダイゼーションプローブ上に位置する相互に異なる少なくとも2種の検出標識によって生成されるシグナルであるが、同様に、より多くの検出標識によって生成されるシグナルでもある。座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの少なくとも2種、特にそれより多くの検出標識によって混合シグナルが生成されるので、これらの検出標識は染色体異常の場合であってもインサイチュハイブリダイゼーションのシグナルパターンとして可視化されており、且つ、染色体異常の場合であっても存在し続ける。混合シグナルを生成するための座位特異的ハイブリダイゼーションプローブのあり得る実施形態または形態を以下において詳しくさらに説明する。
本発明の方法の好ましい実施形態を以下において詳しく説明する。
本発明の第1の実施形態によると、使用される複数の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの第1検出標識はそれぞれ同じであることが規定され得る。本発明の同様に好ましい第2の実施形態によると、使用される複数の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブはそれぞれ相互に異なる第1検出標識で標識されることが規定され得る。
換言すると、本発明によると、単なる例であって、限定するものではないが、使用される複数の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブは、例えば、第1検出標識と同じ蛍光色素または同じハプテンを有することが規定され得る。
同様に、これも例であって、限定するものではないが、使用される複数の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブはそれぞれ第1検出標識として相互に異なる蛍光色素、相互に異なるハプテン、またはそのようなものを有することができる。相互に異なる第1検出標識での標識が特に転座または逆位などの染色体切断に伴う染色体異常の検出の点で有利であることが示されている。
さらに本発明による染色体異常の検出に関し、複数のあり得る染色体異常の中から少なくとも1例の染色体異常、特に相互に異なる複数の染色体異常が試料中に検出および/または特定されることが本発明によると好ましい。
同様に、複数のあり得る染色体異常の中から少なくとも2例の染色体異常、特に相互に異なる複数の染色体異常が一緒に、特に同時に試料中に検出されることが規定され得る。
本発明のさらに好ましい実施形態によると、相互に異なる複数の染色体異常の同時検出のための多重方法として本発明の方法が実施されることが規定され得る。
したがって、先行技術において知られているインサイチュハイブリダイゼーションによる染色体異常の検出方法に対する本発明の方法の既に上で説明したような特別な利点は、試料、特に間期にある細胞または細胞核に基づく試料を複数のあり得る染色体異常について一回のハイブリダイゼーションアプローチで同時に、または一緒に検査し、これらの異常を特定のDNA領域または染色体領域に割り当て得ることである。
この背景で、染色体異常は少なくとも1点の混合シグナル、特に複数の混合シグナルによるシグナルパターンとして特定され、且つ、検出染色体領域および/または検出DNA領域に割り当てられることが特に規定され得る。これに関し、増幅という形での染色体異常の本発明による検出を例として示す図7を特に参照する。図7によると、4か所の異なる染色体領域が検査されており、4本のうちの3本のハイブリダイゼーションプローブがそれぞれ特定の混合シグナルの生成のために少なくとも1種の追加検出標識で標識されている相互に異なるハイブリダイゼーションプローブが使用されている(図7(a)参照)。それらの4か所の染色体領域のうちの3か所のそれぞれ特定の混合シグナルによる標識に基づき、シグナルパターンとしての検出染色体領域の増幅により生成された「クラスター」をハイブリダイゼーションプローブに、すなわち検出染色体領域に割り当てることができる(図7(b)参照)。
したがって、本発明によると、少なくとも1種の追加検出標識で標識された座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが相互に異なる混合シグナルをシグナルパターンとしてそれぞれ生成するように少なくとも1種の追加検出標識を用いる追加の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの標識が行われることが特に規定され得る。
同様に、特に染色体切断から生じたわけではない染色体異常、例えば、増幅または欠失が検出される場合、少なくとも1種の追加検出標識で標識されている各座位特異的ハイブリダイゼーションプローブによって染色体領域および/またはDNA領域に特異的な混合シグナルがシグナルパターンとして生成されるように少なくとも1種の追加検出標識で追加の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの標識が行われることが規定され得る。したがって、この背景では、座位特異的ハイブリダイゼーションプローブによって検出される各領域がシグナルパターン内の特定のシグナル、特に混合シグナルに割り当てられ得る場合が本発明の範囲内で好ましい。
さらに、本発明によると、特定の混合シグナルによるシグナルパターンとしての各検出染色体異常が検出染色体領域および/または検出DNA領域に割り当てられるように少なくとも1種の追加検出標識で追加の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの標識が行われる場合が好ましい。
少なくとも1種の追加検出標識で標識された座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの数に関し、この数は変更可能であり、特に検出または検査される染色体異常の数に左右される。
本発明によると、少なくとも2本、特に少なくとも3本、好ましくは少なくとも4本、好ましくは少なくとも5本、特に好ましくは少なくとも6本、非常に特に好ましくは少なくとも7本の追加の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが第1検出標識とは異なる少なくとも1種の追加検出標識で標識されている場合が好ましい。同様に、染色体領域および/またはDNA領域に特異的な混合シグナルが少なくとも2本、特に少なくとも3本、好ましくは少なくとも4本、好ましくは少なくとも5本、特に好ましくは少なくとも6本、非常に特に好ましくは少なくとも7本の追加の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブによってシグナルパターンとして生成されることが規定され得る。
上記の本発明のこの手法は、染色体切断から生じたわけではない染色体異常、例えば、増幅または欠失が検出されるべきである場合に特に適切である。少なくとも1種の追加検出標識、好ましくは複数の検出標識で標識されているハイブリダイゼーションプローブであって、それぞれ個々の混合シグナルを生成するプローブの数が増えることにより、一緒に検出または発見される染色体異常の数もそれに応じて増加する。
本発明の追加の特別な実施形態によると、染色体切断により生じる染色体異常、例えば、転座または逆位等を検出すること、およびそれらの染色体異常を特定の染色体領域またはDNA領域に割り当てることが可能である。
本発明のこの実施形態によると、それぞれ2本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが染色体部分、特に切断点領域に隣接し、染色体部分、特に切断点領域に隣接するそれぞれ2本の前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブを相互に異なる検出標識で標識し、それによりそれぞれ染色体部分、特に切断点領域に隣接する前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが、特に染色体異常が存在しない場合にシグナルパターンとして融合シグナルを生成することが規定され得る。
この背景で、「隣接する」とは、好ましくは、染色体部分または切断点領域に最も近接するハイブリダイゼーションプローブの末端がその染色体部分または切断点領域から0〜1Mbpの距離、特に0〜500kbの距離、好ましくは0〜100kbの距離、好ましくは0〜10,000bpの距離、および特に好ましくは0〜1,000bpの距離を有する塩基とハイブリダイズすることを意味する。
換言すると、本発明のこの実施形態によれば、検出されるDNA領域または染色体領域は特に選択された染色体部分、特に染色体上の潜在的な切断点領域から遠位および近位に位置することが規定される。このとき、遠位または代わりに近位に位置する染色体部分は第1検出標識とは異なる少なくとも1種の追加検出標識で標識されたハイブリダイゼーションプローブを用いて検出されることが特に規定され得る。
本発明の範囲内において、切断点領域とは染色体切断によって影響され得る染色体の領域のことであると理解されている。染色体切断の結果として構造的再構成に基づく染色体異常、特に転座または逆位が起こり得る。一連の疾患について染色体切断、特に転座または逆位に基づく疾患特異的染色体異常がそれぞれ知られている。したがって、本発明の方法を用いることにより、染色体異常の存在について試料、特に組織試料の遺伝物質内の複数の、特に既知の切断点領域を検査することができる。
本発明のこの実施形態において、ある切断点領域にそれぞれ隣接する2本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブによって融合シグナルが生成され、その第1および第2座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの相互に異なる2種の検出標識に基づいてその融合シグナルが、特に染色体異常が存在しない場合に生成される。
座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの異なる検出標識によって生成される前記混合シグナルとは対照的に、融合シグナルは、試料中の遺伝物質、すなわちDNAにハイブリダイズして互いの近くに存在する相互に異なる座位特異的ハイブリダイゼーションプローブによって生成される。
換言すると、本発明の方法の範囲内において、隣接する切断点に染色体異常が存在せず、且つ、使用される座位特異的ハイブリダイゼーションプローブがすぐ近傍で試料中の遺伝物質、すなわちDNAとハイブリダイズする場合に融合シグナルが生成される。対照的に切断点領域に染色体異常が存在する場合、使用される複数の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブはDNA部分の構造的再構成のためにもはやすぐ近傍に結合することができない。融合シグナルの代わりに、好ましくは相互に異なる2点の個々のシグナル(同義語としては「スプリットシグナル」ともいう)がシグナルパターンとして検出される。
さらに、第1検出標識とは異なる少なくとも1種の追加検出標識で標識されたハイブリダイゼーションプローブは、各ハイブリダイゼーションプローブのその第1検出標識およびその少なくとも1種の追加検出標識に基づいて混合シグナルを生成する。したがって、これらのハイブリダイゼーションプローブは、染色体異常が存在しない場合に染色体部分、特に切断点領域に隣接する第2ハイブリダイゼーションプローブと共にシグナルパターンとして混合および融合シグナルを形成することができる。対照的に、染色体異常の場合では、正常細胞または正常細胞核の染色体部分、特に切断点領域に隣接するハイブリダイゼーションプローブであって、それらのうちの1つが少なくとも1種の追加検出標識で標識されている前記プローブに基づいて、単一のシグナル、ならびに混合シグナルを伴う単一のシグナルが生成される。
したがって、本発明の範囲内において、少なくとも1種の追加検出標識で標識された座位特異的ハイブリダイゼーションプローブに基づく混合シグナルにより、染色体異常を限定された切断点領域または検出された染色体領域もしくはDNA領域に割り当てることが可能である。
したがって、本発明によると、特に染色体異常が存在しない場合に第1検出標識とは異なる少なくとも1種の追加検出標識で標識された前記ハイブリダイゼーションプローブが染色体部分、特に切断点領域に隣接する前記第2座位特異的ハイブリダイゼーションプローブと共にシグナルパターンとして混合および融合シグナルを生成する場合が好ましい。
さらに、第1検出標識とは異なる少なくとも1種の追加検出標識で標識された前記ハイブリダイゼーションプローブ、および染色体部分、特に切断点領域に隣接する前記第2座位特異的ハイブリダイゼーションプローブがそれぞれシグナルパターンとして単一のシグナルを生成し、特に少なくとも1種の追加検出標識で標識された前記ハイブリダイゼーションプローブが、特に染色体異常が存在する場合にシグナルパターンとして混合シグナルをさらに生成することが規定され得る。
したがって、前記シグナルパターンにおいて混合シグナルによって検出染色体領域および/または検出DNA領域、および/または染色体部分、特に切断点領域に染色体異常を割り当てることが本発明の方法の範囲内において特に規定され得る。
したがって、本発明の方法のこの好ましい実施形態によると間期インサイチュハイブリダイゼーションによって単一の試料内の一連の潜在的な切断領域を同時に示す、または標識することが可能である。標識された切断点に染色体異常が生じていなかった場合にシグナルパターンとして融合シグナルが生成され、一方で単一のシグナルまたはスプリットシグナルの発生は染色体異常の存在を示す。追加的に生成された混合シグナルに基づいて異常な単一のシグナルまたはスプリットシグナルを特定のハイブリダイゼーションプローブに割り当てることができ、したがって特定の切断点領域に割り当てることができる(図1参照)。
特に、一つの染色体部分、特に切断点領域毎にそれぞれ2本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが隣接する少なくとも6本、好ましくは少なくとも8本、好ましくは少なくとも10本、特に好ましくは少なくとも12本、さらにより好ましくは少なくとも14本の異なる座位特異的ハイブリダイゼーションプローブを使用し、または一つの染色体部分、特に切断点領域毎にそれぞれ2本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが隣接する最多でも24本の異なる座位特異的ハイブリダイゼーションプローブを使用することが本発明の範囲において規定され得る。
さらに、本発明によると、各隣接染色体部分、特に切断点領域、ならびに/または検出される各染色体領域および/もしくはDNA領域が、シグナルパターンとして融合および混合シグナルによって特定および/または割り当てられ得るように第1検出標識とは異なる少なくとも1種の追加検出標識での追加の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの標識が行われる場合が好ましい。
この背景で、本発明によると、検査される第1切断点領域に2本のハイブリダイゼーションプローブが隣接し、それらのハイブリダイゼーションプローブがそれぞれ1種の検出標識しか有しないことでシグナルパターン内のこの切断点領域が融合シグナル、または2点の個々のシグナルもしくはスプリットシグナルだけで可視化されている場合が特に好ましい。対照的に、2本の隣接ハイブリダイゼーションプローブのうちの少なくとも1つを少なくとも1種の追加検出標識によって標識することによってシグナルパターン内の特定の混合シグナル、または個々の混合シグナルが追加の検出される各切断点領域に割り当てられ、それにより全体として複数の染色体領域またはDNA領域、特に切断点領域をシグナルパターンとして相互に識別可能であるように示すことができる。
本発明の方法の特に好ましい実施形態によると、
(a)検出標識Aで標識された第1座位特異的ハイブリダイゼーションプローブおよび検出標識Bで標識された第2座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが染色体部分、特に切断点領域に隣接し、且つ、インサイチュハイブリダイゼーションによって生成される前記シグナルパターンにおいて融合シグナルA−Bを生成し、
(b)2〜12本の追加の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブがさらに6か所の染色体部分、特に切断点に隣接し、同様に、一つの染色体部分、特に切断点領域に隣接する2本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの1つずつを検出標識Aで標識し、且つ、一つの染色体部分、特に切断点領域に隣接する2本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの1つずつを検出標識Bで標識し、それにより染色体部分、特に切断点領域にそれぞれ隣接する前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブがインサイチュハイブリダイゼーションによって生成される前記シグナルパターンにおいて融合シグナルA−Bを生成し、且つ
(c)それらの座位特異的ハイブリダイゼーションプローブのうちの少なくとも1つ、好ましくは複数のプローブを少なくとも1種の追加検出標識Xで標識し、それにより少なくとも1種の追加検出標識で標識されたそれらの座位特異的ハイブリダイゼーションプローブがインサイチュハイブリダイゼーションによって生成される前記シグナルパターンにおいて融合および混合シグナルA−B/Xを生成し、
染色体異常の場合での前記融合および混合シグナルA−B/Xは、インサイチュハイブリダイゼーションによって生成される前記シグナルパターンにおいて混合シグナルA/Xおよび/または混合シグナルB/Xに変化し、且つ/または
染色体異常の場合での前記融合シグナルA−Bは、インサイチュハイブリダイゼーションによって生成される前記シグナルパターンにおいて単独のシグナルAおよび/またはシグナルBに変化し、それにより、そのインサイチュハイブリダイゼーションによって生成された前記シグナルパターンを用いて染色体異常を2本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが隣接する染色体領域および/またはDNA領域および/または染色体部分、特に切断点領域に割り当てる
ことが規定され得る。
さらに前記実施形態において規定された検出標識Xに関し、この実施形態は単一の検出標識、特に検出標識Xによって形成され得る。
さらに、検出標識Xは相互に異なる複数の検出標識、好ましくは検出標識X、X、...および/またはXからなる群より選択される検出標識により形成され、指数「n」は1から20まで、特に1から10、好ましくは1から5までの自然数を表すことが規定され得る。このとき、検出標識X、X、...および/またはXを使用して相互に異なる混合シグナル、特に互いに対して比率が異なる特定の混合シグナルが生成されることがさらに規定され得る。
追加の実施形態によると、相互に異なる、好ましくは検出標識X、X、X、X、Xおよび/またはXからなる群より選択される複数の検出標識によって検出標識Xを形成することも可能である。この背景で、相互に異なる混合シグナル、特に互いに対して比率が異なる特定の混合シグナルを生成するために検出標識X、X、X、X、Xおよび/またはXを使用する場合が好ましい。
したがって、驚くべきことに、混合シグナルを生成するために座位特異的ハイブリダイゼーションプローブを少なくとも1種の追加検出標識で標識し、混合シグナルを生成するために相互に異なる複数の検出標識で標識することにより、少数の個々の検出標識に基づいても多数の混合シグナルを生成することが本発明の範囲内で可能である。
特に、本発明によると、座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの標識の範囲内において、混合シグナルを生成するために複数の、特に2〜6種の相互に異なる検出標識をそれぞれ相互に異なる比率(量)で使用することが規定され得る。限定するものではないが例として、座位特異的ハイブリダイゼーションプローブは第1検出標識と共に3種の追加検出標識を有することができ、このときそれらの3種の追加検出標識に対して第1検出標識の割合が20%になり、第2検出標識の割合が60%になり、第3検出標識の割合が20%になる。
本発明のさらに別の実施形態によると、
(a)検出標識Aで標識された第1座位特異的ハイブリダイゼーションプローブおよび検出標識Bで標識された第2座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが第1染色体部分、特に第1切断点領域に隣接し、且つ、インサイチュハイブリダイゼーションによって生成される前記シグナルパターンにおいて融合シグナルA−Bを生成し、
(b)検出標識Aで標識された第3座位特異的ハイブリダイゼーションプローブおよび検出標識Bで標識された第4座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが第2染色体部分、特に第2切断点領域に隣接し、且つ、インサイチュハイブリダイゼーションによって生成される前記シグナルパターンにおいて融合シグナルA−Bを生成し、且つ
(c)その第3座位特異的ハイブリダイゼーションプローブおよび/または第4座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが追加の検出標識Xで標識されており、且つ、インサイチュハイブリダイゼーションによって生成される前記シグナルパターンにおいて融合および混合シグナルA−B/Xを生成し、
前記シグナルパターンにおいて、単独のシグナルAおよび/またはシグナルBによって第1染色体部分、特に第1切断点領域の染色体異常が特定され、および/または混合シグナルA/Xおよび/またはB/Xによって第2染色体部分、特に第2切断点領域の染色体異常が特定され、且つ/または第2染色体部分、特に第2切断点領域に割り当てられる
ことがさらに規定され得る。
インサイチュハイブリダイゼーションによって生成されるシグナルパターンにおける染色体異常の分析手法に関し、第1ステップにおいて第1検出標識によって生成された前記融合シグナルを検出および/または分析し、そして後続のステップにおいて単一のシグナルが生じる場合は混合シグナルの検出および/または分析と検出された染色体領域および/またはDNA領域へのその混合シグナルの割り当てを行う場合が特に効率的であることが示されている。
特に、これは、第1検出標識によって生成されたシグナル、すなわち融合シグナルまたは潜在的な個々のシグナルだけを可視化するフィルターをシグナルパターンの分析において使用することにより行うことができる。シグナルパターンにおいて個々のシグナルが生じているときにのみ、より詳細な分析を必要とする染色体異常が存在するので、混合シグナルは、特に、異なるフィルター、特に混合シグナルの表示に適切なフィルターを使用することにより表示され、これによりシグナルパターンにおける融合シグナルまたは個々のシグナルの位置に関連して染色体異常を特定の染色体領域またはDNA領域に割り当てることができる。
さらに、本発明の方法の特別な実施形態によると、コンピューター支援分析により前記シグナルパターンの検出を行うことが規定され得る。これは、混合シグナルを生成するためにハイブリダイゼーションプローブが少なくとも1種の追加検出標識より多くの検出標識、好ましくは少なくとも2種の追加検出標識、好ましくはより多くの追加の検出標識によって相互に異なる、または規定の比率で標識される場合に特に有利である。コンピューター支援分析により、裸眼では、すなわち蛍光顕微鏡下で観察したときに相互に区別できない混合シグナルの識別も基礎となる色成分または色の測定によって可能になる。
したがって、本発明によると、切断点領域毎にそれぞれ2本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが遠位と近位に隣接し、且つ、これらのプローブペアの個々の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが追加の検出標識で標識されている最大で24本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブを使用して転座または逆位の検出が行われることが特に規定され得る。したがって、好ましいことに、最大で12例の転座または逆位の表示のために最大で12か所の異なる切断点領域を1回のアプローチで、最大で12回の異なるブレイク・アパートアプローチにより検出することができる。特定の転座の検出は、プローブペアの分離またはプローブペアの融合シグナルの分離の特定により、各混合色または混合シグナルを用いて行われる。
それぞれ2本のプローブが各切断点領域の遠位と近位に隣接し、且つ、これらのプローブペアが同じラベルAおよびラベルBでそれぞれ標識されており、それぞれ一方のプローブが標識Aで標識されており、他方のプローブが標識Bで標識されており、且つ、同時にこれらのプローブペアの個々のプローブが追加の検出標識Xで標識されている最大で24本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブを使用して転座および逆位を検出することも可能である。特定の転座および/または逆位は、染色体異常の場合に特定の融合および混合シグナルA−B/Xが新規、且つ、分離した混合シグナルA/Xおよび/またはB/Xに変化することにより検出される。このとき、プローブペアに追加の標識Xを使用しないことも可能であり、それにより根底にある異常の場合に通常の分離したシグナルAおよび/またはシグナルBがこのプローブペアについてのみ生じる。
したがって、複数の異なる潜在的に検出可能な構造的染色体変異の第1分析において、シグナルAとBを可視化するが追加の標識Xを可視化しない特定のフィルターシステム、例えばシグナルAおよびB用の二重フィルターを使用することでシグナルAとBのみにより、融合シグナルA−Bのブレイク・アパートが起きているかどうか、一般化すると、転座または逆位が存在するかどうかを迅速に判定することができるということも初めて可能になる。分離したシグナルAおよび/またはシグナルBの発生が明確である場合にのみ、標識Xの関与を伴う混合シグナルの評価が行われ、それにより根底にある転座の明確な割り当てが行われる。
上記の本発明の方法の全てのあり得る形態に同様に適用される本発明の方法のその他の特徴または可能な実施形態を以下でさらに説明する。
それぞれ単一の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブによって検出されるべき個々の染色体領域またはDNA領域に関し、これらの領域は本発明の範囲において5Mbp未満、特に2Mbp未満、好ましくは1Mbp未満、好ましくは750kbp未満、特に好ましくは500kbp未満の長さを有することが好ましい。同様に、単一の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブによって検出される染色体領域および/またはDNA領域は少なくとも500bp、特に少なくとも1kbp、好ましくは少なくとも5kbp、好ましくは少なくとも10kbpの長さを有することが規定され得る。最後に、単一の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブによって検出される染色体領域および/またはDNA領域は500bpから5Mbpまでの範囲、特に1kbpから2Mbpまでの範囲、好ましくは5kbpから1Mbpまでの範囲、好ましくは10kbpから750kbpまでの範囲、特に好ましくは10kbpから500kbpまでの範囲の長さであることも規定され得る。
さらに、本発明に従って使用される座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの追加の形態に関し、これらのハイブリダイゼーションプローブは核酸断片の形態、特にポリヌクレオチド、修飾型ポリヌクレオチド、修飾型核酸断片、オリゴヌクレオチド、および/またはオリゴヌクレオチドの形態で存在することが好ましい。特に修飾型核酸断片に関し、これらの核酸断片は特にロックド核酸(LNA)またはペプチド核酸(PNA)であり得る。
本発明の第1実施形態によると、座位特異的ハイブリダイゼーションプローブは、検出予定の染色体領域および/またはDNA領域をそれぞれ包含する単一の核酸断片によってそれぞれ形成されることがさらに規定され得る。
本発明の別の、且つ、さらに好ましい実施形態によると、座位特異的ハイブリダイゼーションプローブは、複数の核酸断片(「プローブ断片」)によってそれぞれ形成され、それらの核酸断片が検出予定の染色体領域および/またはDNA領域をそれぞれ包含することも規定され得る。このとき、座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの個々の核酸断片(「プローブ断片」)が5〜2,000bpまでの範囲、特に10〜1,500bpまでの範囲、好ましくは50〜1,000bpまでの範囲の長さである場合がさらに好ましい。
さらに、混合シグナルの生成を対象とした第1検出標識とは異なる少なくとも1種の追加検出標識での座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの標識による混合シグナルの生成に関し、これを異なる方法で行うことができる。
本発明の第1実施形態によると、このとき、混合シグナルを生成するために座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの核酸断片(「プローブ断片」)が第1検出標識で標識されると共に、前記第1検出標識とは異なる1種の追加検出標識で標識されることが規定され得る。したがって、このように標識されたハイブリダイゼーションプローブは相互に異なる2種の検出標識にだけ基づいている混合シグナルを生成する。
さらに、本発明の追加の実施形態によると、特に、特定の混合シグナルの帯域幅を増加させる背景、すなわち、特定の混合シグナル、または相互に識別可能な混合シグナルの数を増やす背景に基づいて、混合シグナルを生成するために座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの核酸断片(「プローブ断片」)が第1検出標識で標識されると共に、第1検出標識とは異なる複数の検出標識、特に2〜20種の検出標識、好ましくは2〜10種の検出標識、好ましくは2〜6種の検出標識で標識されることが規定され得る。このとき、相互に異なる量でそれらの検出標識が使用されることが特に規定され得る。
したがって、本発明によると、混合シグナルを生成するため、座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの標識の範囲内において、相互に異なる複数の検出標識をそれぞれ相互に異なる比率で使用することが規定され得る。限定するものではないが例として、座位特異的ハイブリダイゼーションプローブは第1検出標識と共に3種の追加検出標識を有することができ、それらの3種の追加検出標識に対して第1検出標識の割合が20%になり、第2検出標識の割合が60%になり、第3検出標識の割合が20%になる。
したがって、この実施形態によると、前記ハイブリダイゼーションプローブは第1検出標識と共に少なくとも2つ、好ましくはさらに多くの相互に異なる検出標識を有することが規定され得る。相互に異なる比率の異なる検出標識を使用することにより、特定の混合シグナル、特に相互に識別可能なシグナルの数を全体として増加させることができ、これにより次により多数の検出可能な染色体異常の検出が可能になる。
座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの標識の範囲内において、本発明によれば、さらに原則的に、ハイブリダイゼーション特異的プローブの個々の核酸断片がたった1種類の検出標識で標識されることが規定され得る。このとき、この検出標識は第1検出標識および/または他のあらゆる検出標識であり得る(図2(I)参照)。
換言すると、したがって、本発明によると、座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの核酸断片の第1部分が第1検出標識だけで標識され、座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの核酸断片のその他の部分が第1検出標識とは異なる追加の検出標識でそれぞれ標識されることがあり得る。したがって、混合シグナルの生成は、本発明の実施形態によると、混合シグナル用の相互に異なる検出標識がハイブリダイゼーション特異的プローブの相互に異なる核酸断片上に存在することで達成され得る(図2(I)参照)。
さらに、ハイブリダイゼーション特異的プローブの個々の核酸断片は相互に異なる複数の検出標識で標識され、特にこれには第1検出標識および/または他のあらゆる検出標識が関与し得ることが規定され得る(図2(II)参照)。
したがって、本発明のこの実施形態によると、混合シグナルを形成し、且つ、相互に異なる検出標識はハイブリダイゼーション特異的プローブの同じ核酸断片上に存在する、またはハイブリダイゼーション特異的プローブの同じ核酸断片上に連結して存在する(「混合プローブ」と呼ばれる)ことが規定され得る(図2(II)参照)。
さらに、前記範囲内において、混合シグナルを生成するため前述の2つの実施形態を一緒に組み合わせること、すなわち、混合シグナルを形成する座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの核酸断片の一部を1種の検出標識だけで標識し、ハイブリダイゼーションプローブの核酸断片の1つ以上の追加の部分を少なくとも2種の異なる検出標識で標識することも規定され得る。
さらに、少なくとも1種の追加検出標識で標識されている座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの個々のハイブリダイズした核酸断片と核酸断片の間に最大で3Mbp、特に最大で2.5Mbp、好ましくは最大で2Mbp、好ましくは最大で1Mbp、特に好ましくは最大で500kb、さらにより好ましくは最大で200kbの距離が存在する場合に混合シグナルが生成されることもあり得る。換言すると、したがって、本発明によると、少なくとも1種の追加検出標識で標識されている座位特異的ハイブリダイゼーションプローブのハイブリダイズした個々の核酸断片と核酸断片の間に、ハイブリダイズした状態で、最大で3Mbp、特に最大で2.5Mbp、好ましくは最大で2Mbp、好ましくは最大で1Mbp、特に好ましくは最大で500kb、さらにより好ましくは最大で200kbの「ギャップ」が存在する場合に混合シグナルが生成されることもあり得る(図2(III)参照)。
したがって、特に、単独のプローブの「混合標識」を使用することによって混合シグナルが生成され得る。特に、染色体領域またはゲノム部分に特異的な混合シグナルの形成のため、所望により、I)プローブの全ての断片、または所望によりプローブの個々の断片のみを複数の標識で標識するか、またはII)同一の断片を異なる標識でそれぞれ標識するか、またはIII)交互に断片を異なる標識で標識することにより、この場合も最終的に1点の混合シグナルだけが可視化されている、または検出可能である(図2(I)〜(III)参照)。
本発明の方法の意味での混合標識および混合シグナルは(I)〜(III)において記載された断片の1つずつ、または全てが部分的にのみ重複している場合にも生じ得る。
混合標識は、少なくとも1種の標識で標識されているあるプローブの個々の断片または断片群と少なくとも1種の追加標識で標識されているそのプローブの他の個々の断片または断片群が2Mbpの距離、所望により1Mbpの距離、所望により500kbの距離、および所望により200kbの距離を有する場合に本発明の方法の意味で生じることもできる。
本発明の方法の意味での混合標識および混合シグナルは、したがって、同じ配列、またはほぼ同じ配列を有する2つ以上のプローブが使用される場合、すなわち、2つ以上のプローブが同じ特定の染色体領域または同じゲノム部分に対処するが、異なる標識で標識されている場合に生じることもでき、その場合にそれらのプローブは95%、所望により90%、所望により80%、所望により70%、所望により60%、所望により50%だけ一致していてもよく、基本的に類似するそれらの配列の配列変異によって、またはそれらのプローブの個々の領域のみを部分的に重複させることによって相違が生じる。
適切な検出標識の選択は当業者の技術範囲内にあり、インサイチュハイブリダイゼーションを実施するために使用される方法に応じて行われる。通常、ハイブリダイゼーションプローブの直接標識または間接標識は適切な検出標識を選択することで行われ得る。
特に、本発明の範囲内では、検出標識が色素;色素基質;化学発光色素、特にアクリジニウム;放射性同位体;スピン標識;酵素、特にアルカリホスファターゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、大豆ペルオキシダーゼおよび/またはβガラクトシダーゼ;ハプテン、特にジゴキシゲニン、ビオチン、2,4−ジニトロフェノール、5(6)−カルボキシフルオレセイン、ローダミン、ブロモデオキシウリジン、アセチルアミノフルオレン、トリニトロフェノール、トリニトロフェノール誘導体、エストラジオールおよび/または2,4−ジニトロフェノール;カンタムドット;ビーズ;アミノヘキシレン;ピレン類;および/または蛍光色素、特にフルオレセイン、フルオレセイン誘導体、5(6)−カルボキシフルオレセイン、クマリン、クマリン誘導体、ローダミン、ローダミン誘導体、テトラメチルローダミン、リサミン、テキサスレッド、AMCA、TRITC、IR色素、Alexa色素、Dyomics色素、フィコエリトリン、カスケードブルー、オレゴングリーン488、パシフィックブルーおよび/またはローダミングリーンからなる群より選択される場合に良好な結果が得られる。
インサイチュハイブリダイゼーションの実施に関し、異なる方法でインサイチュハイブリダイゼーションを行うことができる。
特に、本インサイチュハイブリダイゼーションの第1の好ましい実施形態によると、ハイブリダイゼーションプローブの直接標識によって、特に蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)によって本インサイチュハイブリダイゼーションが行われる。
同様に、ハイブリダイゼーションプローブを蛍光色素、特に可視光領域、赤外線領域、および/または紫外線領域向けの蛍光色素、好ましくは緑色、オレンジ色/赤色、赤色、金色、および/または青色の発光領域向けの蛍光色素で標識することによって本インサイチュハイブリダイゼーションが行われることが規定され得る。
本インサイチュハイブリダイゼーションのさらに好ましい実施形態によると、ハイブリダイゼーションプローブの間接標識によって、特に明視野/インサイチュハイブリダイゼーション(BrISH)によって本インサイチュハイブリダイゼーションが行われることが同様に規定され得る。
さらに、本発明によると、ハプテン、特にビオチン、ジゴキシゲニン、および/またはDNPでのハイブリダイゼーションプローブの標識と後続の抗体結合アルカリホスファターゼ、抗体結合ペルオキシダーゼ、および/または抗体結合βガラクトシダーゼによる検出によって本インサイチュハイブリダイゼーションが行われることが規定され得る。
蛍光ベースのインサイチュハイブリダイゼーションの分析に関し、特定の単独の、または複数のフィルターセット、特に、融合および混合シグナルの対象とする表示を可能にするフィルターセットを使用してこの分析が行われることが好ましい。
さらに、特に少なくとも1種の追加検出標識より多くの検出標識に基づく混合シグナルの生成において、特に相互に異なる、または規定の比率の少なくとも2種の追加検出標識、好ましくはより多くの追加の検出標識に基づく混合シグナルの生成において、コンピューター支援分析による評価を行うことが有利であり得る。さらに、特に、異なる単独の、または複数のフィルターセットのシグナルパターンを結合した表示を可能にするコンピューター支援分析によりスーパーインポーズされた画像を利用可能にすることも規定され得る。
基本的に、本発明の方法を用いて多数の異なるタイプの染色体異常を検出することが可能である。特に、転座、逆位、部分重複、欠失、挿入、重複、異数性、および増幅、特に転座および/または逆位の検出のために本発明の方法を用いることができる。
本発明の方法の範囲内において、このとき、染色体異常が疾患、特に悪性腫瘍、好ましくは癌腫、肉腫、および/または白血病と関連することが規定され得る。
潜在的な染色体異常について検査される遺伝子は、好ましくは、ALK、ROS1、RET、NRG1、NTRK1、CARS、EML4、FGFR2、FGFR3、KIF5B、TGF、BCR、ABL、ALK、BCL2、BCL6、BIRC3、CCND1、EGR1、ETV6、FGFR1、FGFR3、IGH、KMT2A、MYC、PML、RARA、RUNX1、RUNX1T1、EWSR1、CHOP、FUS、COL1A1、DDIT3、JAZF1、NR4A3、FOXO1、FUS、PAX3、PAX7、PDGFB、SS18、TFE3、USP6、WT1、HER2/ERBB2、FGFR1、ALK、CCND1、CDK4、CD274、PDCD1LG2、EGR1、EGFR、ESR1、ETV1、FGF3、4、19、FGFR2、FGFR3、FHIT(RCC)、KRAS、MDM2、MDM4、MET、MYB、MYC、MYCN、PIK3CA、PTEN、SMARCB1、SOX2、TERT、TOP2A、TP53、TYMS、および/またはVHLからなる群より選択される。
本発明の方法の範囲内において、逆位および/または転座の検出に本発明の方法が用いられる場合に特に良好な結果が達成される。
本発明の好ましい実施形態の範囲内において、本発明の方法は特に肺腫瘍、特に、遺伝子ALK、ROS1、RET、NRG1、NTRK1、CARS、EML4、FGFR2、FGFR3、KIF5B、および/またはTGFが影響を受けている肺腫瘍の場合に様々な転座および/または逆位の検出に用いられる。
さらに、本発明の方法は特にリンパ腫および白血病、特に、遺伝子BCR、ABL、ALK、BCL2、BCL6、BIRC3、CCND1、EGR1、ETV6、FGFR1、FGFR3、IGH、KMT2A、MYC、PML、RARA、RUNX1、および/またはRUNX1T1が影響を受けているリンパ腫および白血病の場合に様々な転座および/または逆位の検出に用いられることが規定され得る。
本発明のさらに好ましい実施形態によると、本発明の方法は特に肉腫、特に、遺伝子EWSR1、CHOP、FUS、COL1A1、DDIT3、JAZF1、NR4A3、FOXO1、FUS、PAX3、PAX7、PDGFB、SS18、TFE3、USP6、および/またはWT1が影響を受けている肉腫の場合に様々な転座および/または逆位の検出に用いられる。
本発明によると、本発明の方法は特に遺伝子ALKおよびROS1が影響を受けている場合に逆位および/または転座の検出に用いられることも規定され得る。
さらに、本発明の範囲内において、本発明の方法が増幅および/または欠失の検出に用いられる場合に良好な結果が達成される。
各プローブが各ゲノム領域に対応し、且つ、異なるプローブが異なる組合せおよび比率で異なる標識によって標識されている最大で24本の異なる座位特異的プローブを増幅または欠失の検出のために使用することができる。シグナルパターンとして得られている混合シグナルに基づき、異なる座位特異的プローブを互いに明確に識別することができる。したがって、単一の方法を用いて問題となっているゲノム領域の最大で24種類の異なる増幅事象および/または欠失事象を調査することができる。異なる混合シグナルまたは混合色を計数することにより特定の増幅または欠失の検出が行われる。
好ましくは、本発明の方法は特に乳房腫瘍、結腸腫瘍、および肺腫瘍、特に、遺伝子HER2/ERBB2、FGFR1、ALK、CCND1、CDK4、CD274、PDCD1LG2、EGR1、EGFR、ESR1、ETV1、FGF3、4、19、FGFR2、FGFR3、FHIT(RCC)、KRAS、MDM2、MDM4、MET、MYB、MYC、MYCN、PIK3CA、PTEN、SMARCB1、SOX2、TERT、TOP2A、TP53、TYMS、および/またはVHLが影響を受けている乳房腫瘍、結腸腫瘍、および肺腫瘍の場合に様々な増幅および欠失の検出に用いられる。
したがって、まとめると、本発明の範囲内において、驚くべきことに、混合標識を有する座位特異的プローブを使用することで異常の影響を受けた染色体領域の明確な特定を可能にする混合シグナルであって、良好、且つ、確かに検出可能および評価可能な混合シグナルが生成されることが分かった。したがって、本発明の方法により初めて、且つ、驚くべきことに、複数の異なる構造的および/または数的染色体変異の検出が可能になる。これは先行技術では不可能である。
本発明の第2態様によると本発明の追加の対象は、インサイチュハイブリダイゼーション、特に生体試料内、好ましくは1つ以上の細胞内および/または1つ以上の細胞核内の染色体領域および/またはDNA領域の検出によるインサイチュハイブリダイゼーションにより、特に前述の請求項のいずれか1項に記載の方法により染色体異常、特に構造的および/または数的染色体異常、好ましくは構造的染色体異常を検出するための組成物であって、それぞれ第1検出標識で標識された相互に異なる少なくとも2本、特に少なくとも3本、好ましくは少なくとも4本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブを含み、且つ、各座位特異的ハイブリダイゼーションプローブに関して、それらの座位特異的ハイブリダイゼーションプローブのうちの少なくとも1本のプローブが第1検出標識とは異なる少なくとも1種の追加検出標識で標識されている前記組成物である。
同様に、本発明のこの態様によると、予防処置および/または治療処置および/または染色体異常と関連する疾患、特に悪性腫瘍、好ましくは癌腫、肉腫、および/または白血病、特に好ましくは肺腫瘍、リンパ腫、白血病、肉腫、乳癌、および/または結腸癌の予防処置および/または治療処置および/または診断および/または予後判定に使用される組成物が本発明の対象であり、その組成物はそれぞれ第1検出標識で標識された相互に異なる少なくとも2本、特に少なくとも3本、好ましくは少なくとも4本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブを含み、且つ、各座位特異的ハイブリダイゼーションプローブに関して、それらの座位特異的ハイブリダイゼーションプローブのうちの少なくとも1本のプローブが第1検出標識とは異なる少なくとも1種の追加検出標識で標識されている。
この背景で、本発明による組成物は上で記載されたような方法の実施を目的とされているか、またはそのような方法の実施のために使用されることが特に規定され得る。
本発明のこの態様に関するこの他の詳細について、本発明のこの態様についても同様に適用される本発明の他の態様についての上記の説明を参照することができる。
さらに、本発明の第3の態様に従うと本発明の対象は、インサイチュハイブリダイゼーション、特に生体試料内、好ましくは1つ以上の細胞内および/または1つ以上の細胞核内の染色体領域および/またはDNA領域の検出によるインサイチュハイブリダイゼーションにより、特に上記の方法により染色体異常、特に構造的および/または数的染色体異常、好ましくは構造的染色体異常を検出するための組成物、特に上で記載されたような組成物の使用である。
本発明のこの態様に関するこの他の詳細について、本発明のこの態様についても同様に適用される本発明の他の態様についての上記の説明を参照することができる。
さらに、本発明の第4の態様によると本発明の追加の対象は、それぞれ第1検出標識で標識された相互に異なる少なくとも2本、特に少なくとも3本、好ましくは少なくとも4本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの使用であって、各座位特異的ハイブリダイゼーションプローブに関して、それらの座位特異的ハイブリダイゼーションプローブのうちの少なくとも1本のプローブが第1検出標識とは異なる少なくとも1種の追加検出標識で標識されている前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの、インサイチュハイブリダイゼーション、特に生体試料内、好ましくは1つ以上の細胞内および/または1つ以上の細胞核内の染色体領域および/またはDNA領域の検出によるインサイチュハイブリダイゼーションにより、好ましくは上記の方法により染色体異常、特に構造的および/または数的染色体異常を検出するための前記使用である。
同様に、本発明のこの態様によると本発明の対象は、それぞれ第1検出標識で標識された相互に異なる少なくとも2本、特に少なくとも3本、好ましくは少なくとも4本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの使用であって、各座位特異的ハイブリダイゼーションプローブに関して、それらの座位特異的ハイブリダイゼーションプローブのうちの少なくとも1本のプローブが第1検出標識とは異なる少なくとも1種の追加検出標識で標識されている前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの、染色体異常と関連する疾患、特に悪性腫瘍、好ましくは癌腫、肉腫、および/または白血病、特に好ましくは肺腫瘍、リンパ腫、白血病、肉腫、乳癌、および/または結腸癌の診断および/または予後判定における好ましくは本発明の前述の方法の範囲内での使用である。
本発明のこの態様に関するこの他の詳細について、本発明のこの態様についても同様に適用される本発明の他の態様についての上記の説明を参照することができる。
さらに、本発明の第5の態様によると本発明の別の対象は、少なくとも2種類の検出標識で標識された少なくとも1種類の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの、それぞれ第1検出標識で標識された相互に異なる少なくとも1つ、特に少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3本の追加の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブと一緒の使用であって、インサイチュハイブリダイゼーション、特に生体試料内、好ましくは1つ以上の細胞内および/または1つ以上の細胞核内の染色体領域および/またはDNA領域の検出によるインサイチュハイブリダイゼーションにより、好ましくは上記の方法により染色体異常、特に構造的および/または数的染色体異常、好ましくは構造的染色体異常を検出するための前記使用である。
本発明のこの態様に関するこの他の詳細について、本発明のこの態様についても同様に適用される本発明の他の態様についての上記の説明を参照することができる。
最後に、本発明の第6の態様によると本発明の対象は、インサイチュハイブリダイゼーション、特に生体試料内、好ましくは1つ以上の細胞内および/または1つ以上の細胞核内の染色体領域および/またはDNA領域の検出によるインサイチュハイブリダイゼーションにより染色体異常、特に構造的および/または数的染色体異常、好ましくは構造的染色体異常を検出するためのキットまたは部分キットまたはセットであって、それぞれ第1検出標識で標識された相互に異なる少なくとも2本、特に少なくとも3本、好ましくは少なくとも4本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブを含み、且つ、各ハイブリダイゼーションプローブに関して、それらの座位特異的ハイブリダイゼーションプローブのうちの少なくとも1本のプローブが第1検出標識とは異なる少なくとも1種の追加検出標識で標識されている前記キットまたは部分キットまたはセットであり、特に上記の方法の実施を目的としており、且つ/またはその方法の実施に使用される前記キットである。
この背景で、相互に異なる少なくとも2本、特に少なくとも3本、好ましくは少なくとも4本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが共通の組成物、特に上記の組成物内に存在することが特に規定され得る。同様に、相互に異なる少なくとも2本、特に少なくとも3本、好ましくは少なくとも4本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが互いに分かれた別々の組成物内に存在することが規定され得る。
本発明のこの態様に関するこの他の詳細について、本発明のこの態様についても同様に適用される本発明の他の態様についての上記の説明を参照することができる。
以下、図面および実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。
2例の転座を検出するための本発明による方法の模式図。 混合標識および混合シグナルを表示するための複数の標識の使用に関しての本発明による方法の模式図。 ZytoVision GmbH社の四重FISHプローブ「ZytoLight SPEC ALK & ROS1ブレイク・アパート・デュアルミックスNG−FISHプローブ」を使用したときのシグナルパターンの模式図。 ZytoVision GmbH社の四重FISHプローブ「ZytoLight SPEC ALK & ROS1ブレイク・アパート・シングルミックスNG−FISHプローブ」を使用したときのシグナルパターンの模式図。 ZytoVision GmbH社の六重FISHプローブ「ZytoLight SPEC ALK & ROS1 & RETブレイク・アパート・シングルミックスNG−FISHプローブ」を使用したときのシグナルパターンの模式図。 ZytoVision GmbH社の六重FISHプローブ「ZytoLight SPEC ALK & ROS1 & RETブレイク・アパート・シングルミックスII NG−FISHプローブ」を使用したときのシグナルパターンの模式図。 4例の数的異常の検出のための本発明による方法の模式図。 7例の転座または増幅の検出のための本発明による方法の模式図。 ZytoVision GmbH社の四重FISHプローブ「ZytoLight SPEC ALK & ROS1ブレイク・アパート・シングルミックスNG−FISHプローブ」を使用する6q22のROS1領域の転座を検出するためのFISH分析を示す図である。 ZytoVision GmbH社の四重CISHプローブ「ZytoDot SPEC ALK & ROS1ブレイク・アパート・シングルミックスNG−FISHプローブ」を使用する2p23のALK領域の転座を検出するためのCISH分析を示す図である。 ZytoVision社の五連FISHプローブ「ZytoLight SPEC ERBB2, EGFR, FGFR1, MET & SOX2 FiveCheck(商標)NG−FISHプローブ」を使用するERBB2領域の増幅を検出するためのFISH分析を示す図である。
図1は1本のプローブが2種の標識で同時に標識されている4本のプローブと3種の標識を使用する2例の転座を検出するための本発明による方法の模式図を示している。その図は正常細胞の場合のシグナルパターンならびに2p23にあるALK遺伝子の転座または6q22にあるROS1遺伝子の転座を有する細胞の場合のシグナルパターンを示している。
それらの2か所の切断点領域(ALKおよびROS1)には四重ISHプローブの標識Aおよび標識Bがそれぞれ隣接し、それぞれの場合で融合シグナルA−Bを生じる。ALK切断点領域の一方の側には標識Cがさらに隣接し、それにより混合標識A/Cが生じる。
正常細胞(ALKまたはROS1の異常を持たない)の間期では、ROS1遺伝子座は融合シグナルA−Bによって標識され、ALK遺伝子座は融合シグナルA−Bによって標識され、そのシグナルにA/C混合シグナルが付随する。ALK転座の影響を受けた細胞の間期では、転座の影響を受けたALK遺伝子が分離した標識Bのシグナルならびに前者から分離した混合シグナルA/Cによって標識される。ROS1転座の影響を受けた細胞の間期では、転座の影響を受けたROS1遺伝子が分離した標識Aのシグナルならびに分離した標識Bのシグナルによって標識される。
図2は混合標識および混合シグナルを表示するための複数の標識の使用に関しての本発明による方法の模式図を示している。明確に説明するために2種の標識だけが例示されている。座位特異的プローブに特異的であり、したがって染色体領域またはゲノム部分に特異的である混合シグナルが、I)プローブの断片がそれぞれ異なる標識で標識されている場合に生じることができ、および/またはII)プローブの全ての断片が複数の標識されている場合、または所望によりプローブの個々の断片だけが複数の標識されている場合にも生じることができ、および/またはIII)交互に断片が異なる標識で標識されている場合に生じることができ、この場合も最終的に1点の混合シグナルだけが可視化されている、または検出可能である。このとき、(I)〜(III)に従う全ての断片を、または個々の断片だけをもスーパーインポーズ、すなわち重ね合わせることができ(示さず)、(I)〜(III)に従う個々の断片または断片群が例えば表示されている「ギャップ」に最大で2Mbpの長さを有する場合には混合標識を生成することもできる。
図3はZytoVision社の対応する四重FISHプローブ「ZytoLight SPEC ALK & ROS1ブレイク・アパート・デュアルミックスNG−FISHプローブ」を使用したときのシグナルパターンの模式図を示している。そのプローブは、2p23にあるALK切断点領域の近位に位置する配列と6q22にあるROS1切断点領域の近位に位置する配列に対する緑色標識ポリヌクレオチド(503nmでの吸光、および528nmでの発光)、2p23にあるALK切断点領域の遠位に位置する配列と6q22にあるROS1切断点領域の遠位に位置する配列に対するオレンジ色標識ポリヌクレオチド(547nmでの吸光、および572nmでの発光)、ならびに領域2p23にあるALK切断点領域の遠位と近位に位置する配列に対する青色標識ポリヌクレオチド(426nmでの吸光、および480nmでの発光)からなる。
適切なフィルターセットを使用すると、再構成されていないALK遺伝子のハイブリダイゼーションシグナルは緑色−オレンジ色蛍光融合シグナルとして現れ、それらの融合混合シグナルは緑色/青色蛍光混合シグナルとオレンジ色/青色蛍光混合シグナルから構成される。再構成されていないROS1遺伝子のハイブリダイゼーションシグナルは緑色−オレンジ色蛍光融合シグナルとして現れる。
正常細胞(ALKまたはROS1の異常を持たない)の間期では、適切な緑色−オレンジ色デュアルバンドパスフィルターセットを使用すると4点の緑色−オレンジ色融合シグナルが生じ、適切なシングルバンドパスフィルターセットを使用すると2点の青色シグナルが生じ、適切なトリプルバンドパスフィルターセットを使用すると2点の緑色−オレンジ色融合シグナルおよび2点の緑色−オレンジ色/青色融合および混合シグナルが生じる(図3a参照)。
ALK転座の影響を受けた2p23座位は分離した緑色/青色混合シグナルおよび分離したオレンジ色/青色混合シグナルを特徴とする(図3b参照)。
ROS1転座の影響を受けた6q22座位は分離した緑色シグナルおよび分離したオレンジ色シグナルを特徴とする(図3c参照)。
緑色シグナルおよびオレンジ色シグナルに適切なデュアルバンドパスフィルターセットを使用すると、緑色シグナルおよびそれから分離したオレンジ色シグナルは最初には基本的にALKまたはROS1の転座が存在するという判定を下すだけである。青色蛍光シグナルが内包されることでALK転座またはROS1転座の間での診断的にあり得る適切な区別が生じ得る。分離した緑色シグナルが青色シグナルに重なる(緑色/青色混合シグナル)場合、または分離したオレンジ色シグナルが青色シグナルに重なる(オレンジ色/青色混合シグナル)場合、これはALK転座を表す。分離した緑色シグナルおよび分離したオレンジ色シグナルが青色シグナルと重ならない場合、これはROS1転座を表す。
図4はZytoVision社の対応する四重FISHプローブ「ZytoLight SPEC ALK & ROS1ブレイク・アパート・シングルミックスNG−FISHプローブ」を使用したときのシグナルパターンの模式図を示している。そのプローブは、2p23にあるALK切断点領域の近位に位置する配列と6q22にあるROS1切断点領域の近位に位置する配列に対する緑色標識ポリヌクレオチド(503nmでの吸光、および528nmでの発光)、2p23にあるALK切断点領域の遠位に位置する配列と6q22にあるROS1切断点領域の遠位に位置する配列に対するオレンジ色標識ポリヌクレオチド(547nmでの吸光、および572nmでの発光)、ならびに領域2p23にあるALK切断点領域の遠位に位置する配列に対する青色標識ポリヌクレオチド(426nmでの吸光、および480nmでの発光)からなる。
適切なフィルターセットを使用すると、再構成されていないALK遺伝子のハイブリダイゼーションシグナルは緑色−オレンジ色蛍光融合シグナルとして現れ、それらの融合シグナルは緑色シグナルとオレンジ色/青色蛍光混合シグナルから構成される。再構成されていないROS1遺伝子のハイブリダイゼーションシグナルは緑色−オレンジ色蛍光融合シグナルとして現れる。
正常細胞(ALKまたはROS1の異常を持たない)の間期では、適切な緑色−オレンジ色デュアルバンドパスフィルターセットを使用すると4点の緑色−オレンジ色融合シグナルが現れ、適切なシングルバンドパスフィルターセットを使用すると2点の青色シグナルが現れ、適切なトリプルバンドパスフィルターセットを使用すると2点の緑色−オレンジ色融合シグナルおよび2点の緑色−オレンジ色/青色融合および混合シグナルが現れる(図4a参照)。
ALK転座の影響を受けた2p23座位は分離した緑色シグナルおよび分離したオレンジ色/青色混合シグナルを特徴とする(図4b参照)。
ROS1転座の影響を受けた6q22座位は分離した緑色シグナルおよび分離したオレンジ色シグナルを特徴とする(図4c参照)。
緑色シグナルおよびオレンジ色シグナルに適切なデュアルバンドパスフィルターセットを使用すると、緑色シグナルおよびそれから分離したオレンジ色シグナルは最初には基本的にALKまたはROS1の転座が存在するという判定を下すだけである。青色蛍光シグナルが内包されることでALK転座またはROS1転座の間での診断的にあり得る適切な区別が生じ得る。分離したオレンジ色シグナルが青色シグナルに重なる(オレンジ色/青色混合シグナル)場合、これはALK転座を表す。分離したオレンジ色シグナルが青色シグナルと重ならない場合、これはROS1転座を表す。
図5はZytoVision社の対応する六重FISHプローブ「ZytoLight SPEC ALK & ROS1 & RETブレイク・アパート・デュアルミックスNG−FISHプローブ」を使用したときのシグナルパターンの模式図を示している。そのプローブは、2p23にあるALK切断点領域の近位に位置する配列、6q22にあるROS1切断点領域の近位に位置する配列、および10q11にあるRET切断点領域の近位に位置する配列に対する緑色標識ポリヌクレオチド(503nmでの吸光、および528nmでの発光)、2p23にあるALK切断点領域の遠位に位置する配列、6q22にあるROS1切断点領域の遠位に位置する配列、および10q11にあるRET切断点領域の遠位に位置する配列に対するオレンジ色標識ポリヌクレオチド(547nmでの吸光、および572nmでの発光)、ならびに領域2p23にあるALK切断点領域の遠位に位置する配列、および10q11にあるRET切断点領域の近位に位置する配列に対する青色標識ポリヌクレオチド(426nmでの吸光、および480nmでの発光)からなる。
適切なフィルターセットを使用すると、再構成されていないALK遺伝子のハイブリダイゼーションシグナルは緑色−オレンジ色蛍光融合シグナルとして現れ、それらの融合シグナルは緑色シグナルとオレンジ色/青色蛍光混合シグナルから構成される。再構成されていないRET遺伝子のハイブリダイゼーションシグナルは緑色−オレンジ色蛍光融合シグナルとして現れ、それらの融合シグナルは緑色/青色混合シグナルおよびオレンジ色シグナルから構成される。再構成されていないROS1遺伝子のハイブリダイゼーションシグナルは緑色−オレンジ色蛍光融合シグナルとして現れる。
正常細胞(ALK、ROS1またはRETの異常を持たない)の間期では、適切な緑色−オレンジ色デュアルバンドパスフィルターセットを使用すると6点の緑色−オレンジ色融合シグナルが現れ、適切なシングルバンドパスフィルターセットを使用すると4点の青色シグナルが現れ、適切なトリプルバンドパスフィルターセットを使用すると2点の緑色−オレンジ色融合シグナル、2点の緑色−オレンジ色/青色融合および混合シグナル、および2点の緑色/青色−オレンジ色融合および混合シグナルが現れる(図5a参照)。
ALK転座の影響を受けた2p23座位は分離した緑色シグナルおよび分離したオレンジ色/青色混合シグナルを特徴とする(図5b参照)。
ROS1転座の影響を受けた6q22座位は分離した緑色シグナルおよび分離したオレンジ色シグナルを特徴とする(図5c参照)。
RET転座の影響を受けた10q11座位は分離したオレンジ色シグナルおよび分離した緑色/青色混合シグナルを特徴とする(図5d参照)。
緑色シグナルおよびオレンジ色シグナルに適切なデュアルバンドパスフィルターセットを使用すると、緑色シグナルおよびそれから分離したオレンジ色シグナルは最初には基本的にALK転座、ROS1転座、またはRET転座が存在するという判定を下すだけである。青色蛍光シグナルが内包されることでALK転座、ROS1転座、またはRET転座の間での診断的にあり得る適切な区別が生じ得る。分離したオレンジ色シグナルが青色シグナルに重なる(オレンジ色/青色混合シグナル)場合、これはALK転座を表す。分離した緑色シグナルが青色シグナルに重なる(緑色/青色混合シグナル)場合、これはRET転座を表す。分離したオレンジ色シグナルも分離した緑色シグナルも青色シグナルと重ならない場合、これはROS1転座を表す。
図6はZytoVision GmbH社の対応する六重FISHプローブ「ZytoLight SPEC ALK & ROS1 & RETブレイク・アパート・デュアルミックスII NG−FISHプローブ」を使用したときのシグナルパターンの模式図を示している。そのプローブは、2p23にあるALK切断点領域の近位に位置する配列、6q22にあるROS1切断点領域の近位に位置する配列、および10q11にあるRET切断点領域の近位に位置する配列に対する緑色標識ポリヌクレオチド(503nmでの吸光、および528nmでの発光)、2p23にあるALK切断点領域の遠位に位置する配列、6q22にあるROS1切断点領域の遠位に位置する配列、および10q11にあるRET切断点領域の遠位に位置する配列に対する赤色標識ポリヌクレオチド(580nmでの吸光、および599nmでの発光)、領域2p23にあるALK切断点領域の遠位に位置する配列に対する青色標識ポリヌクレオチド(426nmでの吸光、および480nmでの発光)、ならびに領域10q11にあるRET切断点領域の近位に位置する配列に対するゴールデンイエロー標識ポリヌクレオチド(532nmでの吸光、および553nmでの発光)からなる。
適切なフィルターセットを使用すると、再構成されていないALK遺伝子のハイブリダイゼーションシグナルは緑色−赤色蛍光融合シグナルとして現れ、それらの融合シグナルは緑色シグナルおよび赤色/青色蛍光混合シグナルから構成される。再構成されていないRET遺伝子のハイブリダイゼーションシグナルは緑色−赤色蛍光融合シグナルとして現れ、それらの融合シグナルは緑色/ゴールデンイエロー混合シグナルおよび赤色シグナルから構成される。再構成されていないROS1遺伝子のハイブリダイゼーションシグナルは緑色−赤色蛍光融合シグナルとして現れる。
正常細胞(ALK、ROS1またはRETの異常を持たない)の間期では、適切な緑色−赤色デュアルバンドパスフィルターセットを使用すると6点の緑色−赤色融合シグナルが現れ、適切なシングルバンドパスフィルターセットを使用すると2点の青色シグナルが現れ、適切なシングルバンドパスフィルターセットを使用すると2点のゴールデンイエローシグナルが現れる(図6a参照)。
ALK転座の影響を受けた2p23座位は分離した緑色シグナルおよび分離した赤色/青色混合シグナルを特徴とする(図6b参照)。
ROS1転座の影響を受けた6q22座位は分離した緑色シグナルおよび分離した赤色シグナルを特徴とする(図6c参照)。
RET転座の影響を受けた10q11座位は分離した赤色シグナルおよび分離した緑色/ゴールデンイエロー混合シグナルを特徴とする(図6d参照)。
緑色シグナルおよび赤色シグナルに適切なデュアルバンドパスフィルターセットを使用すると、緑色シグナルおよびそれから分離した赤色シグナルは最初には基本的にALK転座、ROS1転座、またはRET転座が存在するという判定を下すだけである。青色蛍光シグナルまたはゴールデンイエロー蛍光シグナルが内包されることでALK転座、ROS1転座、またはRET転座の間での診断的にあり得る適切な区別が生じ得る。分離した赤色シグナルが青色シグナルに重なる(赤色/青色混合シグナル)場合、これはALK転座を表す。分離した緑色シグナルがゴールデンイエローシグナルに重なる(緑色/ゴールデンイエロー混合シグナル)場合、これはRET転座を表す。分離した赤色シグナルも分離した緑色シグナルも青色シグナルまたはゴールデンイエローシグナルと重ならない場合、これはROS1転座を表す。
図7は、3本のプローブがそれぞれ異なる組合せの2種の標識を使用して同時に標識されている4本のプローブと4種の標識を使用する、4例の数的異常を検出するための本発明による方法の模式図を示している。その図は正常細胞の場合のシグナルパターンおよび7q31にあるMET遺伝子の増幅を有する細胞の場合シグナルパターンを示している。ERBB2遺伝子の領域17q11.2−q12が標識Aによって被覆され、EGFR遺伝子の領域7p12が標識Aとさらに標識Dで被覆されることにより混合標識A/Dが生じ、FGFR1遺伝子の領域8p11.23−p11.22が標識Aとさらに標識Cで被覆されることにより混合標識A/Cが生じ、MET遺伝子の領域7q31が標識Aとさらに標識Bで被覆されることにより混合標識A/Bが生じる。
正常細胞(ERBB2、EGFR、FGFR1またはMETの数的異常を持たない)の間期では、全ての座位が標識Aのシグナルによって標識される。標識Aのシグナルの標識Bのシグナルとの共局在により混合標識A/Bが生じ、その共局在がMET遺伝子座を標識する。したがって、混合標識A/CはFGFR1遺伝子座を標識し、混合標識A/DはEGFR遺伝子座を標識する。ERBB2遺伝子座は別の標識との共局在が生じないことを特徴とする。MET遺伝子増幅を有する細胞の間期では、標識Bのシグナルと共局在する標識Aのシグナルの増加が生じ、したがって混合標識A/Bのシグナルの増加が生じる。
図8は、プローブ毎に量比が異なる2種の標識でプローブが同時に標識されているそれぞれ14本のプローブと5種の標識を使用する、7例の転座または増幅を検出するための本発明による方法の模式図を示している。それらのプローブは、図8の左上部と右上部に示されているように、それぞれ切断点領域(「切断点」)に隣接し、または増幅領域(「増幅」)に対処し、ならびに同じ染色体上の追加の領域(例えばセントロメア領域)に対処する。一本の染色体のそれらの2本のプローブは2種の異なる標識と1種の同じ標識で標識されている(例えば、プローブ1:25%の緑色、75%の青色、およびプローブ2:25%黄色と75%青色)。したがって、それぞれ切断点領域に隣接するそれらの2本のプローブは、転座の影響を受けていない細胞において3種の標識から融合シグナルと混合シグナルをそれぞれ生成する。したがって、それぞれ増幅領域および同じ染色体上の追加の領域に対処するそれらの2本のプローブは、(それらの2本のプローブ間の距離が、融合および混合シグナルが生じるほどわずかではない場合に)増幅の影響を受けていない細胞において分離した混合シグナルをそれぞれ生成する。プローブを標識するために使用する2種の標識の間の量比を変えることにより同じ標識を使用して識別可能であるように複数のプローブを標識することができ、それにより様々な混合シグナルが生じる(例えば、示されている例では切断点領域1〜4の4本のプローブは25%〜75%、50%〜50%、75%〜25%、および100%〜0%である)。
正常細胞(転座を持たない)の間期では、遺伝子の切断点領域が混合シグナルA−BおよびC−Bによって標識され、それらの混合シグナルが組み合わさってA/B/C融合シグナルを生成する。正常細胞(増幅を持たない)の間期では、遺伝子の増幅領域が混合シグナルA−Bによって標識され、同じ染色体上の追加の領域、例えばセントロメア領域が混合シグナルC−Bによって標識される。転座の影響を受けた細胞の間期では、転座の影響を受けたその遺伝子が分離した標識A−Bのシグナルおよびそれから分離した混合シグナルC−Bによって標識される。増幅の影響を受けた細胞の間期では、増幅の影響を受けたその遺伝子が標識ペア、例えばA−Bの複製混合シグナルによって標識される。
図9はZytoVision社の四重FISH−プローブ「ZytoLight SPEC ALK & ROS1ブレイク・アパート・シングルミックスNG−FISHプローブ」を使用する6q22のROS1領域の転座を検出するためのFISH分析を示している。そのプローブは、2p23にあるALK切断点領域の近位に位置する配列と6q22にあるROS1切断点領域の近位に位置する配列に対する緑色標識ポリヌクレオチド(503nmでの吸光、および528nmでの発光)、2p23にあるALK切断点領域の遠位に位置する配列と6q22にあるROS1切断点領域の遠位に位置する配列に対するオレンジ色標識ポリヌクレオチド(547nmでの吸光、および572nmでの発光)、ならびに領域6q22にあるROS1切断点領域の近位に位置する配列に対する青色標識ポリヌクレオチド(426nmでの吸光、および480nmでの発光)からなる。
適切なフィルターセットを使用すると、再構成されていないROS1遺伝子および/またはALK遺伝子のハイブリダイゼーションシグナルは緑色−オレンジ色蛍光融合シグナルとして現れ、再構成されたROS1遺伝子および/またはALK遺伝子のハイブリダイゼーションシグナルは分離した緑色シグナルおよび分離したオレンジ色シグナルとして現れる(緑色およびオレンジ色の蛍光シグナルを示している図9Aを参照のこと)。このとき、ROS1特異的緑色シグナルは青色蛍光シグナルと共局在し(青色蛍光シグナルを示している図9Bを参照のこと)、それにより再構成されていないROS1遺伝子がオレンジ色シグナルおよび緑色/青色蛍光混合シグナルから構成される。再構成されていないALK遺伝子のハイブリダイゼーションシグナルは緑色−オレンジ色蛍光融合シグナルとして現れ、青色蛍光シグナルを含む混合シグナルを有しない。ROS1転座の影響を受けた6q22座位は分離した緑色シグナルおよび分離したオレンジ色シグナル(図9AおよびCの矢印)を特徴とする。このとき、分離した緑色シグナルが青色シグナルと重なる。この緑色/青色混合シグナルは転座の影響を受けた遺伝子としてALKではなくROS1を示す(青色、緑色、およびオレンジ色の蛍光シグナルを示している図9Cを参照のこと)。適切なフィルターセットを使用して前記シグナルパターンを容易に可視化することが可能である。
図10はZytoVision社の四重CISH−プローブ「ZytoDot SPEC ALK & ROS1ブレイク・アパート・シングルミックスNG−FISHプローブ」を使用する2p23のALK領域の転座を検出するためのCISH分析を示している。そのプローブは、2p23にあるALK切断点領域の近位に位置する配列と6q22にあるROS1切断点領域の近位に位置する配列に対するジゴキシゲニン標識ポリヌクレオチド、2p23にあるALK切断点領域の遠位に位置する配列と6q22にあるROS1切断点領域の遠位に位置する配列に対するDNP標識ポリヌクレオチド、ならびに領域6q22にあるROS1切断点領域の遠位に位置する配列に対するビオチン標識ポリヌクレオチドからなる。それらの標識の検出は一次(非標識)抗体(抗DIG/抗DNP/抗BIO)によって行われ、それらの一次抗体は二次ポリマー化酵素結合抗体(HRPポリマー/APポリマー/βGAL)ならびに基質(AP−RED/HRP−GREEN/βGAL−BLUE)の酵素反応によって検出され、その酵素反応は強い恒久的な赤色(R)、緑色(G)、および青色(B)のシグナルの形成につながり、例えば40倍のドライレンズを使用する光学顕微鏡観察によりそれらのシグナルを表示することができる。
図11はZytoVision社の五連FISHプローブ「ZytoLight SPEC ERBB2, EGFR, FGFR1, MET & SOX2 FiveCheck(商標)NG−FISHプローブ」を使用するERBB2領域の増幅を検出するためのFISH分析を示している。そのプローブは、ERBB2遺伝子の領域17q11.2−q12、EGFR遺伝子の領域7p12、FGFR1遺伝子の領域8p11.23−p11.22、MET遺伝子の領域7q31、およびSOX2遺伝子の領域3q26.3−q27に対する緑色標識ポリヌクレオチド(503nmでの吸光、および528nmでの発光)、ならびにEGFR遺伝子の領域とSOX2遺伝子の領域に対する青色標識ポリヌクレオチド(426nmでの吸光、および480nmでの発光)、FGFR1遺伝子の領域に対するゴールデンイエロー標識ポリヌクレオチド(532nmでの吸光、および553nmでの発光)、およびMET遺伝子の領域とSOX2遺伝子の領域に対する赤色標識ポリヌクレオチド(580nmでの吸光、および599nmでの発光)からなる。
適切なシングルバンドパスフィルターセットをすると、9点の個々の緑色シグナルおよび複数の個々の緑色シグナルの面積に匹敵する1点の緑色シグナルクラスター(図11A参照)、4点の青色シグナル(図11B参照)、2点のゴールデンイエローシグナル(図11C参照)、および4点の赤色シグナル(図11D参照)が表示される。
それらの画像のスーパーインポーズ(図11E参照)は、一点の単独の緑色シグナルと緑色シグナルクラスターが異なる色のシグナルと共局在していない(矢印)ことを示している。その単一の緑色シグナルは非増幅ERBB2遺伝子であり、緑色シグナルクラスターはERBB2遺伝子増幅を表している。共局在による緑色/青色混合シグナルは2コピーのEGFR遺伝子を特定し、共局在による緑色/ゴールデンイエロー混合シグナルは2コピーのFGFR1遺伝子を特定し、共局在による緑色/赤色混合シグナルは2コピーのMET遺伝子を特定し、共局在による緑色/青色/赤色混合シグナルは2コピーのSOX2遺伝子を特定する(図11E参照)。
本発明の方法の特徴をさらに証明するため、以下に記載されるインサイチュハイブリダイゼーションをさらに実施した。
実施例1:ZytoVision GmbH社の五連FISHプローブ「SPEC ERBB2, EGFR, FGFR1, MET & SOX2 FiveCheck(商標)NG−FISHプローブ」を使用する様々な細胞種における複数の数的異常を検出するためのFISH分析
ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)肺癌標本および乳癌標本であって、以前にERBB2遺伝子の増幅がそれぞれ診断されていない標本と診断された標本の3〜5μm厚の切片を被覆ガラス支持体上に配置し、58℃で一晩にわたって焼き付けたものに対してFISHを実施した。
パラフィンを除くため、それらの標本を最初に70℃のホットプレート上で10分間にわたって加熱し、その後で2回にわたって100%キシレン中でそれぞれ10分間、室温(RT)で保温した。その後、濃度低下エタノールシリーズ(RTで96%、96%、90%、70%の変性エタノール中においてそれぞれ5分間)と超純水(2回にわたってRTでそれぞれ2分間)中での定温放置により標本を再水和した。細胞の透過処理のため、この後に加熱前処理用クエン酸溶液(ZytoVision GmbH)中における98℃で15分間にわたる加熱前処理が続き、その後に超純水中におけるRTでそれぞれ2分間の2回の追加保温ステップが続く。ペプシン溶液(ペプシンソリューション、ZytoVision GmbH)を標本に滴下し、その後に加湿チャンバー内において37℃で25分間にわたって保温することによりタンパク質分解性前処理を行った。その後のウォッシュバッファーSSC(ZytoVision GmbH)内での5分間にわたる保温の後、標本を脱水した(超純水、70%、90%、96%のエタノール中においてRTでそれぞれ1分間)。標本の風乾後、それぞれ10μlのFISHプローブZytoLight SPEC ERBB2, EGFR, FGFR1, MET & SOX2 FiveCheck(商標)NG−FISHプローブ(ZytoVision GmbH)をピペットによってそれらの切片に直接アプライした。
そのプローブは5本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブに基づく混合物であり、その混合物は、ERBB2遺伝子の領域17q11.2−q12、EGFR遺伝子の領域7p12、FGFR1遺伝子の領域8p11.23−p11.22、MET遺伝子の領域7q31、およびSOX2遺伝子の領域3q26.3−q27に対する緑色標識ポリヌクレオチド(503nmでの吸光、および528nmでの発光)、ならびにEGFR遺伝子の領域とSOX2遺伝子の領域に対する青色標識ポリヌクレオチド(426nmでの吸光、および480nmでの発光)、FGFR1遺伝子の領域に対するゴールデンイエロー標識ポリヌクレオチド(532nmでの吸光、および553nmでの発光)、およびMET遺伝子の領域とSOX2遺伝子の領域に対する赤色標識ポリヌクレオチド(580nmでの吸光、および599nmでの発光)からなった。その後、空気の泡が無いようにカバーグラスをかけ、端をFixogum(Marabu)で封止した。ホットプレート上で標本を75℃で10分間にわたって変性した後に 加熱オーブン中の37℃の予熱加湿チャンバー内においてハイブリダイゼーションを一晩(約16時間)にわたって行った。
ハイブリダイゼーション後、Fixogumを取り外し、標本をガラスキュベット内の洗浄バッファー(1×ウォッシュバッファーA、ZytoVision GmbH)中において37℃で3分間にわたって保温した。カバーグラスを取り除いた後、洗浄バッファー(1×ウォッシュバッファーA、ZytoVision GmbH)中において37℃でそれぞれ5分間のストリンジェントな洗浄を2回行った。その後、濃度上昇エタノールシリーズ中で標本を脱水(RTで70%、90%、96%中においてそれぞれ1分間)し、そして乾燥し、そのときに試料を直射光から保護した。対比染色用色素(20μlのDAPI DuraTectソリューション(ZytoVision GmbH))をアプライした後、空気の泡が無いようにカバーガラスをかけ、標本を光から保護してRTで少なくとも30分間にわたって定温放置した。
その後、適切なフィルターセット(Sp. Green HC mFISHフィルターセット、Sp. Red HC mFISHフィルターセット、Sp. Aqua HC mFISHフィルターセット、ZyGold HC mFISHフィルターセット(全て、AHF Analysentechnik AG))を使用して蛍光顕微鏡(HXP 120V照明ユニットを装着したAxio Scope.A1、Carl Zeiss Microscopy GmbH)による評価を行った。
このようにして、緑色フィルターを使用するとERBB2増幅が無い標本では細胞核中にそれぞれ10点の緑色シグナルが見出された(ERBB2増幅の場合ではより多くの緑色シグナルが見られる(図11A参照)。ZyGoldフィルターを使用すると(図11Cに見られるように)細胞核当たりそれぞれ2点のゴールデンイエローシグナルが見られ、それらのシグナルの空間的位置が2点の緑色シグナルの空間的位置と同じであった。赤色フィルターを使用すると(図11Dに見られるように)細胞核当たりそれぞれ4点の赤色シグナルが見られ、それらのシグナルの空間的位置が4点の緑色シグナルの空間的位置と同じであった。水色フィルターを使用すると(図11Dに見られるように)細胞核当たりそれぞれ4点の水色シグナルが見られ、それらのシグナルの空間的位置が4点の緑色シグナルの空間的位置と同じであり、同様にそれぞれ2点のシグナルについては2点の赤色シグナルと同じでもあった。次のようにシグナルパターンを解釈することができた。局在が別の色のシグナルと空間的に同じではない2点の緑色シグナルによって二倍体細胞の2コピーのERBB2遺伝子が特定された。局在が2点の水色シグナルと空間的に同じである2点の緑色シグナルによって2コピーのEGFR遺伝子が特定され、局在が2点のゴールデンイエローシグナルと空間的に同じである2点の緑色シグナルによって2コピーのFGFR1遺伝子が特定され、局在が2点の赤色シグナルと空間的に同じである2点の緑色シグナルによって2コピーのMET遺伝子が特定され、局在が2点の赤色シグナルおよび2点の水色シグナルと空間的に同じである2点の緑色シグナルによって2コピーのSOX2遺伝子が特定された。
ERBB2増幅を有する標本の細胞核では、9点の緑色シグナルに加え、分けることができないほど近接している約15点のシグナルからなる緑色シグナルクラスターまたはシグナルパターンが観察されたことを除き、上記のシグナルパターンと同様のシグナルパターンが示された(図11A参照)。この緑色シグナルパターンは異なる色のシグナルと共局在せず、したがってERBB2遺伝子増幅を表した。
実施例2:ZytoVision GmbH社の四重FISHプローブ「ZytoLight SPEC ALK & ROS1ブレイク・アパート・シングルミックスNG−FISHプローブ」を使用する様々な細胞種におけるALK領域およびROS1領域の転座を検出するためのFISH分析
Hela細胞株(ATCC(登録商標)CCL−2(商標))、HCC78細胞株(ゲッティンゲンのシルトハウス教授により提供された)、およびH3122細胞株(ゲッティンゲンのシルトハウス教授により提供された)のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)細胞の3〜5μm厚の切片を被覆ガラス支持体上に配置し、58℃で一晩にわたって焼き付けたものに対してFISHを実施した。
パラフィンを除くため、それらの標本を最初に70℃のホットプレート上で10分間にわたって加熱し、その後で2回にわたって100%キシレン中でそれぞれ10分間、室温(RT)で保温した。その後、濃度低下エタノールシリーズ(RTで96%、96%、90%、70%の変性エタノール中においてそれぞれ5分間)と超純水(2回にわたってRTでそれぞれ2分間)中での定温放置により標本を再水和した。細胞の透過処理のため、この後に加熱前処理用クエン酸溶液(ZytoVision GmbH)中における98℃で15分間にわたる加熱前処理が続き、その後に超純水中におけるRTでそれぞれ2分間の2回の追加保温ステップが続いた。ペプシン溶液(ペプシンソリューション、ZytoVision GmbH)を標本に滴下し、その後に加湿チャンバー内において37℃で15分間にわたって保温することによりタンパク質分解性前処理を行った。その後の洗浄緩衝液(ウォッシュバッファーSSC、ZytoVision GmbH)内での5分間にわたる保温の後、標本を脱水した(超純水、70%、90%、96%のエタノール中においてRTでそれぞれ1分間)。標本の風乾後、それぞれ10μlのFISHプローブZytoLight SPEC ALK & ROS1ブレイク・アパート・シングルミックスNG−FISHプローブ(ZytoVision GmbH)をピペットによってそれらの切片に直接アプライした。
そのプローブは4本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブに基づく混合物であり、その混合物は、2p23にあるALK切断点領域の近位に位置する配列と6q22にあるROS1切断点領域の近位に位置する配列に対する緑色標識ポリヌクレオチド(503nmでの吸光、および528nmでの発光)、2p23にあるALK切断点領域の遠位に位置する配列と6q22にあるROS1切断点領域の遠位に位置する配列に対するオレンジ色標識ポリヌクレオチド(547nmでの吸光、および572nmでの発光)、ならびに領域6q22にあるROS1切断点領域の近位に位置する配列に対する青色標識ポリヌクレオチド(426nmでの吸光、および480nmでの発光)からなった。その後、空気の泡が無いようにカバーグラスをかけ、端をFixogum(Marabu)で封止した。ホットプレート上で標本を75℃で10分間にわたって変性した後に加熱オーブン中の37℃の予熱加湿チャンバー内においてハイブリダイゼーションを一晩(約16時間)にわたって行った。
ハイブリダイゼーション後、Fixogumを取り外し、標本をガラスキュベット内の洗浄バッファー(1×ウォッシュバッファーA、ZytoVision GmbH)中において37℃で3分間にわたって保温した。
カバーグラスを取り除いた後、洗浄バッファー(1×ウォッシュバッファーA、ZytoVision GmbH)中において37℃でそれぞれ5分間のストリンジェントな洗浄を2回行った。その後、濃度上昇エタノールシリーズ中で標本を脱水(RTで70%、90%、96%のエタノール中においてそれぞれ1分間)し、そして風乾し、そのときに試料を直射光から保護した。対比染色用色素(20μlのDAPI DuraTectソリューション、ZytoVision GmbH)をアプライした後、空気の泡が無いようにカバーガラスをかけ、標本を光から保護してRTで少なくとも30分間にわたって定温放置した。
その後、適切なフィルターセット(Dualband Green / Orange−Redフィルターセット、AHF Analysentechnik;Sp. Aqua HC mFISHフィルターセット、AHF Analysentechnik)を使用して蛍光顕微鏡(HXP 120V照明ユニットを装着したAxio Scope.A1、Carl Zeiss Microscopy GmbH)による評価を行った。
このようにして、オレンジ色/緑色二重フィルターをHeLa細胞株の細胞核に使用すると分析した核の大部分においてそれぞれ6点のオレンジ色/緑色融合シグナルが見られ、個々の緑色シグナルおよび/またはオレンジ色シグナルは見られなかった。水色フィルターを使用すると細胞核当たりそれぞれ3点の水色シグナルが見られ、それらの水色シグナルの空間的位置は前記融合シグナルの空間的位置と同じであった。そのシグナルパターンは3コピーのALK遺伝子および3コピーのROS1遺伝子として解釈され、文献と一致した。ALKまたはROS1の転座は存在しなかった。
ALK遺伝子の転座が文献に記載されている細胞株H3122の細胞核では,オレンジ色/緑色二重フィルターを使用すると分析した核の大部分においてそれぞれ7点のオレンジ色/緑色融合シグナルと単一のオレンジ色シグナルが見られた。水色フィルターを使用すると細胞核当たりそれぞれ2点の水色シグナルが見られ、それらの水色シグナルの空間的位置が前記融合シグナルのうちの2つと同じであった。そのシグナルパターンは1コピーが転座の影響を受けている6コピーのALK遺伝子、および2コピーのROS1遺伝子として解釈され、文献と一致した。
ROS1遺伝子の転座が文献に記載されている細胞株HCC78の細胞核では、オレンジ色/緑色二重フィルターを使用すると分析した核の大部分においてそれぞれ4点のオレンジ色/緑色融合シグナル、2点の個々のオレンジ色シグナル、および2点の個々の、すなわち後者から分離した緑色シグナルが見られた。水色フィルターを使用すると細胞核当たりそれぞれ4点の水色シグナルが見られ、それらの水色シグナルの空間的位置が前記融合シグナルのうちの2つ、および2点の分離した緑色シグナルと同じであった。そのシグナルパターンは2コピーが転座の影響を受けている4コピーのROS1遺伝子、および2コピーのALK遺伝子として解釈され、文献と一致した。
実施例3:ZytoVision GmbH社の四重FISHプローブ「ZytoLight SPEC ALK & ROS1ブレイク・アパート・シングルミックスNG−FISHプローブ」を使用する6q22にあるROS1領域の転座を検出するためのFISH分析
ZytoVision GmbH社の四重FISHプローブ「ZytoLight SPEC ALK & ROS1ブレイク・アパート・シングルミックスNG−FISHプローブ」を使用して6q22にあるROS1領域の転座を検出するためのFISH分析を実施した。そのプローブは4本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブに基づく混合物であり、その混合物は、2p23にあるALK切断点領域の近位に位置する配列と6q22にあるROS1切断点領域の近位に位置する配列に対する緑色標識ポリヌクレオチド(503nmでの吸光、および528nmでの発光)、2p23にあるALK切断点領域の遠位に位置する配列と6q22にあるROS1切断点領域の遠位に位置する配列に対するオレンジ色標識ポリヌクレオチド(547nmでの吸光、および572nmでの発光)、ならびに領域6q22にあるROS1切断点領域の近位に位置する配列に対する青色標識ポリヌクレオチド(426nmでの吸光、および480nmでの発光)からなった。
適切なフィルターセットを使用すると、再構成されていないROS1遺伝子および/またはALK遺伝子のハイブリダイゼーションシグナルは緑色−オレンジ色蛍光融合シグナルとして現れ、再構成されたROS1遺伝子および/またはALK遺伝子のハイブリダイゼーションシグナルは分離した緑色および分離したオレンジ色シグナルとして現れた。このとき、ROS1特異的緑色シグナルは青色蛍光シグナルと共局在し、それにより再構成されていないROS1遺伝子がオレンジ色シグナルおよび緑色/青色蛍光混合シグナルから構成された。再構成されていないALK遺伝子のハイブリダイゼーションシグナルは緑色−オレンジ色蛍光融合シグナルとして現れ、青色蛍光シグナルを含む混合シグナルを有しなかった(図9A)。ROS1転座の影響を受けた6q22座位は分離した緑色シグナルおよび分離したオレンジ色シグナルを特徴とした(図9A矢印)。このとき、分離した緑色シグナルが青色シグナルと重なった(図9Bの青色シグナル)。この緑色/青色混合シグナルは転座の影響を受けた遺伝子としてALKではなくROS1を示した。適切なフィルターセットを使用して前記シグナルパターンを容易に可視化することができた。
実施例4:ZytoVision GmbH社の四重CISHプローブ「ZytoDot SPEC ALK & ROS1ブレイク・アパート・シングルミックスNG−FISHプローブ」を使用する2p23にあるALK領域の転座を検出するためのCISH分析
さらに、ZytoVision GmbH社の四重CISHプローブ「ZytoDot SPEC ALK & ROS1ブレイク・アパート・シングルミックスNG−FISHプローブ」を使用して2p23にあるALK領域の転座を検出するためのCISH分析を実施した。そのプローブは4本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブに基づく混合物であり、その混合物は、2p23にあるALK切断点領域の近位に位置する配列と6q22にあるROS1切断点領域の近位に位置する配列に対するジゴキシゲニン標識ポリヌクレオチド、2p23にあるALK切断点領域の遠位に位置する配列と6q22にあるROS1切断点領域の遠位に位置する配列に対するDNP標識ポリヌクレオチド、ならびに領域6q22にあるROS1切断点領域の遠位に位置する配列に対するビオチン標識ポリヌクレオチドからなった。それらの標識の検出は一次(非標識)抗体(抗DIG/抗DNP/抗BIO)によって行われ、それらの一次抗体は二次ポリマー化酵素結合抗体(HRPポリマー/APポリマー/βGAL)ならびに基質(AP−RED/HRP−GREEN/βGAL−BLUE)の酵素反応によって検出され、その酵素反応は強い恒久的な赤色、緑色、および青色のシグナルの形成につながり、例えば40倍のドライレンズを使用する顕微鏡観察によりそれらのシグナルを表示することが可能であった。
ALK遺伝子またはROS1遺伝子の再構成または転座を持たない二倍体細胞核または二染色体性細胞核はそれぞれ赤色シグナルと緑色シグナルからなる2点のシグナルを示し、それらのシグナルは分けることができないほど近接しており、または部分的に重複もしくは混合しており、2コピーのALK遺伝子に特異的であった(図10)。さらに、それぞれ赤色シグナル,緑色シグナル,および青色シグナルからなり、且つ、分けることができないほど近接しており、または部分的に重複もしくは混合しており、2コピーのROS1遺伝子に特異てきな2点のシグナルが見出された。
ROS1アレルではなくALK遺伝子の再構成または転座を有する二倍体細胞核または二染色体性細胞核は再構成されていないALKアレルに特異的な赤色−緑色シグナルを示した(図10)。さらに、それらの細胞核は個々の緑色シグナルおよび再構成されたALKアレルに特異的である前者から分離した個々の赤色シグナルを示した(図10、矢印「G」=緑色および「R」=赤色)。さらに、2コピーのROS1遺伝子に特異的である2点の赤色−緑色−青色シグナルが見出された。
ALKアレルではなくROS1遺伝子の再構成または転座を有する二倍体細胞核または二染色体性細胞核は再構成されていないROS1アレルに特異的な赤色−緑色−青色シグナルを示した。さらに、それらの細胞核は個々の緑色シグナルおよび再構成されたROS1アレルに特異的である前者から分離した個々の赤色−青色シグナル、ならびに2コピーのALK遺伝子に特異的である2点の赤色−緑色シグナルを示した。
実施例5:ZytoVision社の五連FISHプローブ「ZytoLight SPEC ERBB2, EGFR, FGFR1, MET & SOX2 FiveCheck(商標)NG−FISHプローブ」を使用するERBB2領域の増幅を検出するためのFISH分析
最後に、ZytoVision社の五連FISHプローブ「ZytoLight SPEC ERBB2, EGFR, FGFR1, MET & SOX2 FiveCheck(商標)NG−FISHプローブ」を使用してERBB2領域の増幅を検出するためのFISH分析を実施した。そのプローブは5本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブに基づく混合物であり、その混合物は、ERBB2遺伝子の領域17q11.2−q12、EGFR遺伝子の領域7p12、FGFR1遺伝子の領域8p11.23−p11.22、MET遺伝子の領域7q31、およびSOX2遺伝子の領域3q26.3−q27に対する緑色標識ポリヌクレオチド(503nmでの吸光、および528nmでの発光)、ならびにEGFR遺伝子の領域とSOX2遺伝子の領域に対する青色標識ポリヌクレオチド(426nmでの吸光、および480nmでの発光)、FGFR1遺伝子の領域に対するゴールデンイエロー標識ポリヌクレオチド(532nmでの吸光、および553nmでの発光)、およびMET遺伝子の領域とSOX2遺伝子の領域に対する赤色標識ポリヌクレオチド(580nmでの吸光、および599nmでの発光)からなった。
適切なシングルバンドパスフィルターセットをすると、9点の個々の緑色シグナルおよび複数の個々の緑色シグナルの面積に匹敵する1点の緑色シグナルクラスター、4点の青色シグナル、2点のゴールデンイエローシグナル、および4点の赤色シグナルが見出された。
それらの画像のスーパーインポーズは、一点の単独の緑色シグナルと緑色シグナルクラスターが異なる色のシグナルと共局在していない(矢印)ことを示した。その単一の緑色シグナルは非増幅ERBB2遺伝子であり、緑色シグナルクラスターはERBB2遺伝子増幅を表した。共局在による緑色/青色混合シグナルは2コピーのEGFR遺伝子を特定し、共局在による緑色/ゴールデンイエロー混合シグナルは2コピーのFGFR1遺伝子を特定し、共局在による緑色/赤色混合シグナルは2コピーのMET遺伝子を特定し、共局在による緑色/青色/赤色混合シグナルは2コピーのSOX2遺伝子を特定した。
本発明のその他の態様:
第1態様:
第1態様によると、本発明は、直接的または間接的に標識された核酸断片(プローブ)に基づいた、(複数の)構造的および/または数的染色体異常を検出(および識別)するために細胞内の複数の異なる染色体領域またはDNA領域を検出する方法であって、4〜24本の座位特異的プローブを1〜24種の異なる標識のうちの1つでそれぞれ標識し、且つ、また同時に少なくとも1本の座位特異的プローブを少なくとも1種の追加標識(最大で6種の追加標識)で標識し、それにより混合シグナルがこれらの混合標識によって生じ、所望により、同じ混合標識を有する個々のプローブを個々の標識の異なる比率に基づいて生じる異なる混合シグナルによって識別することもでき、染色体異常の場合の異常シグナルパターンを、影響を受けた座位に明確に割り当てることができ、すなわち、異常の影響を受けた座位をその混合シグナルパターンに基づいて特定することができ、a)プローブの全ての断片、または所望によりプローブの個々の断片のみを複数の標識で標識する、および/またはb)同一の断片を異なる標識で標識する、および/またはc)交互に断片を異なる標識で標識する場合に混合シグナルが生じることができ、前記断片をスーパーインポーズすることもでき、または前記断片がゲノム領域に最大で2Mbpの長さを有することもできることを特徴とする前記方法に関する。
第2態様:
追加の態様によると、本発明は、同時に少なくとも2本、所望により3本、所望により4本、所望により5本、所望により6本、所望により7本、所望により8本、所望により9本、および所望により10本の座位特異的プローブを少なくとも1種の追加標識、最大で6種の追加標識で標識することによりこれらの混合標識によって混合シグナルが生じる第1態様に記載の方法に関する。
第3態様:
追加の態様によると、本発明は、少なくとも5〜24本、所望により6〜24本、所望により7〜24本、および所望により8〜24本の座位特異的プローブを1〜24種の異なる標識のうちの1つでそれぞれ標識する第1態様に記載の方法に関する。
第4態様:
追加の態様によると、本発明は、直接的または間接的に標識された核酸断片(プローブ)に基づいた、構造的染色体異常を検出するために細胞内の複数の異なる染色体領域またはDNA領域を検出するための方法であって、
標識Aで標識された第1プローブ(プローブ1)および標識Bで標識された第2プローブ(プローブ2)が切断点領域1に隣接し、それらのプローブが融合シグナルA−Bを形成すること、および
同じ原理に基づいて2〜12本の追加のプローブ(プローブ3〜14)が1〜6つの追加の切断点領域(切断点領域2〜7)に隣接し、それらも融合シグナルA−Bをそれぞれ形成すること、および
同時に前述のプローブうちの少なくとも1本の追加のプローブを追加の標識でも、特に標識C〜Fから選択される標識でも標識するか、または所望によりこれらの標識の相互に異なる比率で標識し,それによりそれらのプローブが特定の融合および混合シグナルA−B/Xを形成し、
a)Xである標識Cおよび/または標識Dおよび/または標識Eおよび/または標識Fはそれぞれ異なる比率であってよく、およびb)特定の融合および混合シグナルA−B/Xが染色体異常の場合に変化して新しい分離した混合シグナルA/XまたはB/Xが形成され、c)加えて、所望により(プローブペアに追加の標識Xが使用されていない場合に)特定の融合シグナルが変化して新しい分離したシグナルAまたはBが形成され、d)影響を受けた切断点領域がこれらの変化したシグナルパターンに基づいて明確に検出され得る
ことを特徴とする前記方法に関する。
第5態様:
追加の態様によると、本発明は、直接的または間接的に標識された核酸断片(プローブ)に基づいた、構造的染色体異常を検出するために細胞内の複数の異なる染色体領域またはDNA領域を検出するための方法であって、
標識Aで標識された第1プローブ(プローブ1)および標識Bで標識された第2プローブ(プローブ2)が切断点領域1に隣接し、それらのプローブが融合シグナルA−Bを形成すること、および
標識Aで標識された第3プローブ(プローブ3)および標識Bで標識された第4プローブ(プローブ4)が切断点領域2に隣接し、これも融合シグナルA−Bを形成し、且つ、プローブ3および/またはプローブ4が同時に追加の標識Cでも標識され、それにより融合シグナルA−B/Cを形成し、
前述のシグナルが染色体異常の場合に変化して分離したシグナルAおよび/またはシグナルB(切断点1)または融合シグナルA/Cおよび/またはB/C(切断点2)が形成される
を特徴とする前記方法に関する。
第6態様:
追加の態様によると、本発明は、適切なフィルターを使用すると標識Aおよび/または標識Bだけを用いることでシグナルAおよび/またはシグナルBだけがまず考慮され、およびAおよび/またはBの異常なシグナルパターンが存在する場合にのみ影響を受けた染色体領域の明確のために追加の標識C〜Fが考慮される、前述の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
第7態様:
追加の態様によると、本発明は、座位特異的プローブによって検出されるゲノム領域が5Mbp未満、所望により2Mbp未満、所望により1Mbp未満、所望により750kb未満、所望により500kb未満、所望により250kb未満、所望により100kb未満、所望により10kb未満、および所望により1kb未満である、前述の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
第8態様:
追加の態様によると、本発明は、異なる標識を有する複数の同じプローブであって、所望により少なくとも90%、所望により少なくとも80%、所望により少なくとも70%、所望により少なくとも60%、および所望により少なくとも50%一致する場合に同じものであると見なされるそれらの同じプローブを一本のプローブの混合標識の代わりに使用する、前述の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
第9態様:
追加の態様によると、本発明は、悪性腫瘍、好ましくは癌腫、好ましくは肉腫、および好ましくは白血病において染色体異常が検出され得ることが好ましい、前述の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
第10態様:
追加の態様によると、本発明は、プローブがポリヌクレオチド、修飾型ポリヌクレオチド、または修飾型核酸断片、またはオリゴヌクレオチド、または修飾型オリゴヌクレオチドである、前述の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
第11態様:
追加の態様によると、本発明は、標識が色素、色素基質、化学発光色素(例えばアクリジニウム)、放射性同位体、スピン標識、酵素(例えばアルカリホスファターゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、大豆ペルオキシダーゼおよび/またはβガラクトシダーゼ)、ハプテン(例えばジゴキシゲニン、ビオチン、5(6)−カルボキシフルオレセイン、ローダミン、ブロモデオキシウリジン、アセチルアミノフルオレン、トリニトロフェノール、トリニトロフェノール誘導体、エストラジオール、および/またはDNP)、カンタムドット、ビーズ、アミノヘキシル類、ピレン類および蛍光色素(例えばフルオレセイン、フルオレセイン誘導体、5(6)−カルボキシフルオレセイン、クマリン、クマリン誘導体、ローダミン、ローダミン誘導体、テトラメチルローダミン、リサミン、テキサスレッド、AMCA、TRITC、IR色素、Alexa色素、Dyomics色素、フィコエリトリン類、カスケードブルー、オレゴングリーン488、パシフィックブルーおよび/またはローダミングリーン)からなる群より選択される、前述の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
第12態様:
追加の態様によると、本発明は、完全可視光領域、赤外線領域、および紫外線領域向けの、好ましくは緑色、オレンジ色/赤色、赤色、金色、および青色の発光領域向けの直接的に組み込まれた蛍光色素を使用するFISH法によって本方法が実施される、前述の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
第13態様:
追加の態様によると、本発明は、抗体結合アルカリホスファターゼ、抗体結合ペルオキシダーゼ、および抗体結合βガラクトシダーゼと組み合わせてビオチン、ジゴキシゲニンおよびDNPを使用するBrISH法によって本方法が実施される、前述の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
第14態様:
追加の態様によると、本発明は、遺伝子ALK、ROS1、RET、NRG1、NTRK1、CARS、EML4、FGFR2、FGFR3、KIF5B、TGF、BCR、ABL、ALK、BCL2、BCL6、BIRC3、CCND1、EGR1、ETV6、FGFR1、FGFR3、IGH、KMT2A、MYC、PML、RARA、RUNX1、RUNX1T1、EWSR1、CHOP、FUS、COL1A1、DDIT3、JAZF1、NR4A3、FOXO1、FUS、PAX3、PAX7、PDGFB、SS18、TFE3、USP6、WT1、HER2/ERBB2、FGFR1、ALK、CCND1、CDK4、CD274、PDCD1LG2、EGR1、EGFR、ESR1、ETV1、FGF3、4、19、FGFR2、FGFR3、FHIT(RCC)、KRAS、MDM2、MDM4、MET、MYB、MYC、MYCN、PIK3CA、PTEN、SMARCB1、SOX2、TERT、TOP2A、TP53、TYMSおよび/またはVHLが染色体異常について検査される、前述の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
第15態様:
追加の態様によると、本発明は、直接的または間接的に標識された核酸断片(プローブ)に基づいた、好ましくは複数の構造的および/または数的染色体異常を検出および識別するために細胞内の複数の異なる染色体領域またはDNA領域を検出するための調製物であって、
4〜24本の座位特異的プローブが1〜24種の異なる標識のうちの1つでそれぞれ標識されており、且つ
同時に少なくとも1本の座位特異的プローブが少なくとも1種の追加標識、最大で6種の追加標識でも標識されており、それによりこれらの混合標識によって混合シグナルが生じ、所望により、同じ混合標識を有する個々のプローブを個々の標識の異なる比率に基づいて生じる異なる混合シグナルによって識別することもでき、それにより染色体異常の場合の異常シグナルパターンを、影響を受けた座位に明確に割り当てることができ、且つ/またはそれにより異常の影響を受けた座位をその混合シグナルパターンに基づいて特定することができ、a)プローブの全ての断片、または所望によりプローブの個々の断片のみを複数の標識で標識する、および/またはb)同一の断片を異なる標識で標識する、および/またはc)交互に断片を異なる標識で標識する場合に混合シグナルが生じることができ、前記断片をスーパーインポーズすることもでき、または前記断片がゲノム領域に最大で2Mbの長さを有することもできる
前記調製物に関する。
第16態様:
追加の態様によると、本発明は、プローブが第1態様から第13態様に従って構成される、第15態様に記載の調製物に関する。

Claims (15)

  1. 生体試料内、好ましくは1つ以上の細胞内および/または1つ以上の細胞核内の染色体領域および/またはDNA領域の検出によるインサイチュハイブリダイゼーションにより染色体異常、特に構造的および/または数的染色体異常、好ましくは構造的染色体異常の検出方法であって、
    前記インサイチュハイブリダイゼーションを間期インサイチュハイブリダイゼーションとして実施すること
    それぞれ第1検出標識で標識された相互に異なる少なくとも2本、特に少なくとも3本、好ましくは少なくとも4本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブを用いて前記インサイチュハイブリダイゼーションを実施し、特に、少なくとも1点の混合シグナルを生成するために前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブのうちの少なくとも1つを、前記各座位特異的ハイブリダイゼーションプローブに関して前記第1検出標識とは異なる少なくとも1種の追加検出標識で標識し、それによりシグナルパターンを生じさせること、および
    前記シグナルパターンを用いて存在する染色体異常を特定すること、および/または存在する染色体異常を染色体領域および/またはDNA領域に割り当てること
    を特徴とする前記方法。
  2. 前記第1検出標識がそれぞれ同一であるか、または相互に異なっており、且つ/または
    前記染色体異常が相互無関係の染色体異常であり、且つ/または前記染色体異常が相互的染色体異常ではなく、且つ/または前記染色体異常が相互的染色体異常および/または相互関連染色体異常と関係および/または関連しておらず、且つ/または
    少なくとも1例の染色体異常、特に相互に異なる複数の染色体異常が複数のあり得る染色体異常の中から前記試料中に検出および/または判定され、且つ/または少なくとも2例の染色体異常、特に相互に異なる複数の染色体異常が複数のあり得る染色体異常の中から一緒に、特に同時に前記試料中に検出および/または判定され、且つ/または前記方法が相互に異なる複数の染色体異常の同時検出のための多重方法として実施される、
    請求項1に記載の方法。
  3. 染色体異常が前記少なくとも1点の混合シグナル、特に複数の混合シグナルによるシグナルパターンとして特定され、且つ/または検出される前記染色体領域および/またはDNA領域に割り当てられ、且つ/または
    少なくとも1種の追加検出標識を用いて追加の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの標識を行い、追加の検出標識で標識された前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブがシグナルパターンとして相互に異なる混合シグナルをそれぞれ生成し、且つ/または少なくとも1種の追加検出標識を用いて追加の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの標識を行い、少なくとも1種の追加検出標識で標識されている各座位特異的ハイブリダイゼーションプローブによって染色体領域および/またはDNA領域に特異的な混合シグナルがシグナルパターンとして生成され、且つ/または少なくとも1種の追加検出標識を用いて追加の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの標識を行い、特定の混合シグナルによるシグナルパターンとしての各検出染色体異常が検出染色体領域および/または検出DNA領域に割り当てられ、且つ/または
    少なくとも2本、特に少なくとも3本、好ましくは少なくとも4本、好ましくは少なくとも5本、特に好ましくは少なくとも6本、非常に特に好ましくは少なくとも7本の追加の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブを前記第1検出標識とは異なる少なくとも1種の追加検出標識で標識し、且つ/または染色体領域および/またはDNA領域に特異的な混合シグナルが少なくとも2本、特に少なくとも3本、好ましくは少なくとも4本、好ましくは少なくとも5本、特に好ましくは少なくとも6本、非常に特に好ましくは少なくとも7本の追加の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブによってシグナルパターンとして生成される
    請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. それぞれ2本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが染色体部分、特に切断点領域に隣接し、染色体部分、特に切断点領域に隣接するそれぞれ2本の前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブを相互に異なる検出標識で標識し、それによりそれぞれ染色体部分、特に切断点領域に隣接する前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが、特に染色体異常が存在しない場合にシグナルパターンとして融合シグナルを生成し、
    特に、前記第1検出標識とは異なる少なくとも1種の追加検出標識で標識された前記ハイブリダイゼーションプローブが染色体部分、特に切断点領域に隣接する前記第2座位特異的ハイブリダイゼーションプローブと共に、特に染色体異常が存在しない場合にシグナルパターンとして混合および融合シグナルを生成し、且つ/または
    特に、前記第1検出標識とは異なる少なくとも1種の追加検出標識で標識された前記ハイブリダイゼーションプローブ、および染色体部分、特に切断点領域に隣接する前記第2座位特異的ハイブリダイゼーションプローブがそれぞれシグナルパターンとして単一のシグナルを生成し、特に少なくとも1種の追加検出標識で標識されている前記ハイブリダイゼーションプローブが、特に染色体異常が存在する場合にシグナルパターンとして混合シグナルをさらに生成し、且つ/または
    特に、前記シグナルパターンにおいて混合シグナルによって検出染色体領域および/または検出DNA領域、および/または染色体部分、特に切断点領域に染色体異常を割り当てる
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 一つの染色体部分、特に切断点領域毎にそれぞれ2本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが隣接する少なくとも6本、好ましくは少なくとも8本、好ましくは少なくとも10本、特に好ましくは少なくとも12本、さらにより好ましくは少なくとも14本の異なる座位特異的ハイブリダイゼーションプローブを使用し、且つ/または一つの染色体部分、特に切断点領域毎にそれぞれ2本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが隣接する最多でも24本の異なる座位特異的ハイブリダイゼーションプローブを使用し、且つ/または
    各隣接染色体部分、特に切断点領域、ならびに/または検出される各染色体領域および/もしくはDNA領域が、シグナルパターンとして融合および混合シグナルによって特定および/または割り当てられ得るように第1検出標識とは異なる少なくとも1種の追加検出標識で追加の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの標識を行う、
    請求項4に記載の方法。
  6. (a)検出標識Aで標識された第1座位特異的ハイブリダイゼーションプローブおよび検出標識Bで標識された第2座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが染色体部分、特に切断点領域に隣接し、且つ、インサイチュハイブリダイゼーションによって生成される前記シグナルパターンにおいて融合シグナルA−Bを生成し、
    (b)2〜12本の追加の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブがさらに6か所の染色体部分、特に切断点に隣接し、同様に、一つの染色体部分、特に切断点領域に隣接する2本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの1つずつを検出標識Aで標識し、且つ、一つの染色体部分、特に切断点領域に隣接する2本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの1つずつを検出標識Bで標識し、それにより染色体部分、特に切断点領域にそれぞれ隣接する前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブがインサイチュハイブリダイゼーションによって生成される前記シグナルパターンにおいて融合シグナルA−Bを生成し、且つ、
    (c)前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブのうちの少なくとも1つ、好ましくは複数のプローブを少なくとも1種の追加検出標識Xで標識し、それにより少なくとも1種の追加検出標識で標識された前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブがインサイチュハイブリダイゼーションによって生成される前記シグナルパターンにおいて融合および混合シグナルA−B/Xを生成し、
    染色体異常の場合での前記融合および混合シグナルA−B/Xは、インサイチュハイブリダイゼーションによって生成される前記シグナルパターンにおいて混合シグナルA/Xおよび/または混合シグナルB/Xに変化し、且つ/または
    染色体異常の場合での前記融合シグナルA−Bは、インサイチュハイブリダイゼーションによって生成される前記シグナルパターンにおいて単独のシグナルAおよび/またはシグナルBに変化し、
    それにより、前記インサイチュハイブリダイゼーションによって生成された前記シグナルパターンを用いて染色体異常を2本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが隣接する染色体領域および/またはDNA領域および/または染色体部分、特に切断点領域に割り当て、
    特に前記検出標識Xを単一の検出標識、特に検出標識Xにより形成し、且つ/または
    特に、前記検出標識Xを相互に異なる複数の検出標識、好ましくはX、X、...および/またはXからなる群より選択される検出標識により形成し、指数「n」は1から20まで、特に1から10、好ましくは1から5までの自然数を表し、特に前記検出標識X、X、...および/またはXを使用して相互に異なる混合シグナル、特に互いに対して比率が異なる特定の混合シグナルを生成し、且つ/または
    特に、前記検出標識Xを相互に異なる複数の検出標識、好ましくは前記検出標識X、X、X、X、Xおよび/またはXからなる群より選択される複数の検出標識により形成し、特に前記検出標識X、X、X、X、Xおよび/またはXを使用して相互に異なる混合シグナル、特に互いに対して比率が異なる特定の混合シグナルを生成し、且つ/または
    第1ステップにおいて、前記第1検出標識によって生成された前記融合シグナルが検出および/または分析され、そして後続のステップにおいて単独のシグナルが生じる場合は前記混合シグナルの検出および/または分析と検出された染色体領域および/またはDNA領域への前記混合シグナルの割り当てを行い、且つ/またはコンピューター支援分析により前記シグナルパターンの検出を行う、
    請求項4または請求項5に記載の方法。
  7. 単一の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブによって検出される前記染色体領域および/またはDNA領域が5Mbp未満、特に2Mbp未満、好ましくは1Mbp未満、好ましくは750kbp未満、特に好ましくは500kbp未満の長さを有し、且つ/または単一の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブによって検出される前記染色体領域および/またはDNA領域が少なくとも500bp、特に少なくとも1kbp、好ましくは少なくとも5kbp、好ましくは少なくとも10kbpの長さを有し、且つ/または単一の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブによって検出される前記染色体領域および/またはDNA領域が500bpから5Mbpまでの範囲、特に1kbpから2Mbpまでの範囲、好ましくは5kbpから1Mbpまでの範囲、好ましくは10kbpから750kbpまでの範囲、特に好ましくは10kbpから500kbpまでの範囲の長さであり、且つ/または
    前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが核酸断片の形態、特にポリヌクレオチド、修飾型ポリヌクレオチド、修飾型核酸断片、オリゴヌクレオチド、および/またはオリゴヌクレオチドの形態で存在し、且つ/または前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが、検出予定の前記染色体領域および/またはDNA領域をそれぞれ包含する単一の核酸断片によってそれぞれ形成され、且つ/または
    前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが、検出予定の前記染色体領域および/またはDNA領域をそれぞれ包含する複数の核酸断片(「プローブ断片」)によってそれぞれ形成され、特に座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの前記個々の核酸断片(「プローブ断片」)が5〜2,000bpまでの範囲、特に10〜1,500bpまでの範囲、好ましくは50〜1,000bpまでの範囲の長さであり、且つ/または
    混合シグナルを生成するために座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの核酸断片(「プローブ断片」)が前記第1検出標識で標識されると共に、前記第1検出標識とは異なる1種の追加検出標識で標識され、且つ/または
    混合シグナルを生成するために座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの核酸断片(「プローブ断片」)が前記第1検出標識で標識されると共に、前記第1検出標識とは異なる複数の検出標識、特に2〜20種の検出標識、好ましくは2〜10種の検出標識、好ましくは2〜5種の検出標識で標識され、特に相互に異なる量で前記検出標識が使用される、
    請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の方法。
  8. (i)ハイブリダイゼーション特異的プローブの個々の核酸断片がたった1種の検出標識で標識され、特にこの検出標識が前記第1検出標識および/または他のあらゆる検出標識であり得、且つ/または
    (ii)ハイブリダイゼーション特異的プローブの個々の核酸断片が相互に異なる複数の検出標識で標識され、特にこの検出標識が前記第1検出標識および/または他のあらゆる検出標識であり得、
    特に、前記可能性(i)と(ii)の組合せによっても混合シグナルが生じ、且つ/または
    特に、最大で3Mbp、特に最大で2.5Mbp、好ましくは最大で2Mbp、好ましくは最大で1Mbp、特に好ましくは最大で500kb、さらにより好ましくは最大で200kbの距離であっても、少なくとも1種の追加検出標識で標識されている座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの個々のハイブリダイズした核酸断片を用いて混合シグナルが生成され、且つ/または
    特に、相互に異なる座位特異的ハイブリダイゼーションプローブにおいて相互に異なる量比で同じ検出標識を使用することにより、相互に識別可能である混合シグナルを生成することができる
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記検出標識が色素;色素基質、化学発光色素、特にアクリジニウム;放射性同位体;スピン標識;酵素、特にアルカリホスファターゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、大豆ペルオキシダーゼおよび/またはβガラクトシダーゼ;ハプテン、特にジゴキシゲニン、ビオチン、2,4−ジニトロフェノール、5(6)−カルボキシフルオレセイン、ローダミン、ブロモデオキシウリジン、アセチルアミノフルオレン、トリニトロフェノール、トリニトロフェノール誘導体、エストラジオールおよび/または2,4−ジニトロフェノール;カンタムドット;ビーズ;アミノヘキシレン;ピレン類;且つ/または蛍光色素、特にフルオレセイン、フルオレセイン誘導体、5(6)−カルボキシフルオレセイン、クマリン、クマリン誘導体、ローダミン、ローダミン誘導体、テトラメチルローダミン、リサミン、テキサスレッド、AMCA、TRITC、IR色素、Alexa色素、Dyomics色素、フィコエリトリン類、カスケードブルー、オレゴングリーン488、パシフィックブルーおよび/またはローダミングリーンからなる群より選択され、且つ/または
    前記インサイチュハイブリダイゼーションが前記ハイブリダイゼーションプローブの直接標識によって、特に蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)によって行われ、且つ/または前記インサイチュハイブリダイゼーションが、蛍光色素、特に可視光領域、赤外線領域、および/または紫外線領域向けの蛍光色素、好ましくは緑色、オレンジ色/赤色、赤色、金色および/または青色の発光領域向けの蛍光色素での前記ハイブリダイゼーションプローブの標識によって行われ、且つ/または前記インサイチュハイブリダイゼーションが前記ハイブリダイゼーションプローブの間接標識によって、特に明視野インサイチュハイブリダイゼーション(BrISH)によって行われ、且つ/または前記インサイチュハイブリダイゼーションがハプテン、特にビオチン、ジゴキシゲニン、および/またはDNPでの前記ハイブリダイゼーションプローブの標識と後続の抗体結合アルカリホスファターゼ、抗体結合ペルオキシダーゼ、および/または抗体結合βガラクトシダーゼによる検出によって行われ、且つ/または
    前記染色体異常が転座、逆位、部分重複、欠失、挿入、重複、異数性および増幅、特に転座および/または逆位であり、且つ/または
    前記染色体異常が疾患、特に悪性腫瘍、好ましくは癌腫、肉腫、および/または白血病と関連し、且つ/または
    前記染色体異常が以下の遺伝子、ALK、ROS1、RET、NRG1、NTRK1、CARS、EML4、FGFR2、FGFR3、KIF5B、TGF、BCR、ABL、ALK、BCL2、BCL6、BIRC3、CCND1、EGR1、ETV6、FGFR1、FGFR3、IGH、KMT2A、MYC、PML、RARA、RUNX1、RUNX1T1、EWSR1、CHOP、FUS、COL1A1、DDIT3、JAZF1、NR4A3、FOXO1、FUS、PAX3、PAX7、PDGFB、SS18、TFE3、USP6、WT1、HER2/ERBB2、FGFR1、ALK、CCND1、CDK4、CD274、PDCD1LG2、EGR1、EGFR、ESR1、ETV1、FGF3、4、19、FGFR2、FGFR3、FHIT(RCC)、KRAS、MDM2、MDM4、MET、MYB、MYC、MYCN、PIK3CA、PTEN、SMARCB1、SOX2、TERT、TOP2A、TP53、TYMS、および/またはVHLのうちの1つ以上に存在する、
    請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の方法。
  10. インサイチュハイブリダイゼーション、特に生体試料内、好ましくは1つ以上の細胞内および/または1つ以上の細胞核内の染色体領域および/またはDNA領域の検出によるインサイチュハイブリダイゼーションにより、特に請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法により染色体異常、特に構造的および/または数的染色体異常、好ましくは構造的染色体異常を検出するための組成物であって、それぞれ第1検出標識で標識された相互に異なる少なくとも2本、特に少なくとも3本、好ましくは少なくとも4本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブを含み、且つ、前記の各座位特異的ハイブリダイゼーションプローブに関して、前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブのうちの少なくとも1本のプローブが前記第1検出標識とは異なる少なくとも1種の追加検出標識で標識されている、前記組成物。
  11. 染色体異常と関連する疾患、特に悪性腫瘍、好ましくは癌腫、肉腫、および/または白血病、特に好ましくは肺腫瘍、リンパ腫、白血病、肉腫、乳癌、および/または結腸癌の予防処置および/または治療処置および/または診断および/または予後判定に使用される組成物であって、
    それぞれ第1検出標識で標識された相互に異なる少なくとも2本、特に少なくとも3本、好ましくは少なくとも4本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブを含み、且つ、前記の各座位特異的ハイブリダイゼーションプローブに関して、前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブのうちの少なくとも1本のプローブが前記第1検出標識とは異なる少なくとも1種の追加検出標識で標識されている、前記組成物。
  12. 前記組成物が請求項10に従って構成されており、且つ/または前記組成物が請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法の実施を目的とされており、且つ/またはその方法の実施のために使用される、請求項10または請求項11に記載の組成物。
  13. インサイチュハイブリダイゼーション、特に生体試料内、好ましくは1つ以上の細胞内および/または1つ以上の細胞核内の染色体領域および/またはDNA領域の検出によるインサイチュハイブリダイゼーションにより、特に請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法により染色体異常、特に構造的および/または数的染色体異常、好ましくは構造的染色体異常を検出するための組成物の使用、特に請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の組成物の使用。
  14. それぞれ第1検出標識で標識された相互に異なる少なくとも2本、特に少なくとも3本、好ましくは少なくとも4本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブであって、前記の各座位特異的ハイブリダイゼーションプローブに関して、前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブのうちの少なくとも1本のプローブが前記第1検出標識とは異なる少なくとも1種の追加検出標識で標識されている前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブの、染色体異常と関連する疾患、特に悪性腫瘍、好ましくは癌腫、肉腫、および/または白血病、特に好ましくは肺腫瘍、リンパ腫、白血病、肉腫、乳癌、および/または結腸癌の診断および/または予後判定のための好ましくは請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法の範囲内での使用。
  15. インサイチュハイブリダイゼーション、特に生体試料内、好ましくは1つ以上の細胞内および/または1つ以上の細胞核内の染色体領域および/またはDNA領域の検出によるインサイチュハイブリダイゼーションにより染色体異常、特に構造的および/または数的染色体異常、好ましくは構造的染色体異常を検出するためのキット(部分キットまたはセット)であって、それぞれ第1検出標識で標識された相互に異なる少なくとも2本、特に少なくとも3本、好ましくは少なくとも4本の座位特異的ハイブリダイゼーションプローブを含み、前記の各ハイブリダイゼーションプローブに関して、前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブのうちの少なくとも1本のプローブが前記第1検出標識とは異なる少なくとも1種の追加検出標識で標識されている前記キットであり、
    特に、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法の実施を目的とされており、且つ/またはその方法のために使用される前記キットであり、特に、相互に異なる少なくとも2本、特に少なくとも3本、好ましくは少なくとも4本の前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが共通の組成物、特に請求項10に記載の組成物内に存在し、または相互に異なる少なくとも2本、特に少なくとも3本、好ましくは少なくとも4本の前記座位特異的ハイブリダイゼーションプローブが互いに分かれた別々の組成物内に存在する、前記キット。
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