JP2018516600A - 高いpHを使用してステビオールグリコシドを産生するための発酵方法及びそこから得られる組成物 - Google Patents

高いpHを使用してステビオールグリコシドを産生するための発酵方法及びそこから得られる組成物 Download PDF

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Abstract

遺伝子操作酵母を使用して、レバウジオシドD及びレバウジオシドMなどのステビオールグリコシドを産生するための方法が開示されている。一部の実施形態では、この方法は、酵母を用いて約5.8以上などの高いpHにて発酵させる方法を含む。一部の実施形態では、この方法は、最初に第1のより低いpHにて酵母を増殖させ、次により高いpHにpHを調整することによって行うことができる。

Description

配列表の参照
本出願は、2016年5月27日に作成され、92KBのサイズのASCIIテキストファイルとして本明細書と同時に提出された、「CAR0210WO_Sequence_Listing.txt」という名称のアミノ酸配列及び/または核酸配列への参照を含む。配列表は、米国特許法施行規則1.52条(e)(5)に従って、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2015年5月29日出願の米国仮出願第62/168,345号の優先権を主張する。
本発明は、ステビオールグリコシドを産生するための発酵方法、発酵組成物、及び発酵によって産生されるステビオールグリコシド組成物に関する。
スクロース、フルクトース及びグルコースなどの糖は、飲料、食品、医薬品、及び口腔衛生/化粧製品に心地良い食味を提供するために利用される。特に、スクロースは消費者に好まれる食味を付与する。スクロースは優れた甘味特性を提供するが、高カロリーである。消費者の需要を満たすためにノーカロリーまたは低カロリー甘味料が導入されており、食味特性が好ましいこうしたタイプの甘味料に対する需要が存在する。
ステビアは、北西アメリカから南アメリカにかけての亜熱帯及び熱帯地域を原産とするヒマワリ科(Asteraceae)における草及び低木約240種に属する。スイートリーフ(sweetleaf)、スイートリーフ(sweet leaf)、シュガーリーフ(sugarleaf)、または単にステビアとして一般に知られるStevia rebaudiana種は、甘味のある葉を利用するために広く栽培されている。ステビアベースの甘味料は、葉から1つ以上の甘味化合物を抽出することによって得ることができる。こうした化合物の多くはステビオールグリコシドであり、これらはジテルペン化合物であるステビオールのグリコシドである。これらのジテルペングリコシドは、甘味が砂糖の約150〜450倍である。ステビオールグリコシドは、甘味が互いに異なることに加えて、苦み、後味の引きなどのような、食味性質に寄与する感覚的特徴も互いに異なる。Kinghorn,A.D.,Stevia:The genus Stevia,Taylor & Francis,London(2002)を参照。
ステビオールグリコシドの例は、WO2013/096420(例えば、図1の一覧を参照)及びOhta et.al.の”Characterization of Novel Steviol Glycosides from Leaves of Stevia rebaudiana Morita,”J.Appl.Glycosi.,57,199−209(2010)(例えば、p.204の表4を参照)に記載されている。構造上、ジテルペングリコシドは、単一の塩基、ステビオールによって特徴づけられ、また図2a〜2kに提示されるように、C13位及びC19位における炭水化物残基の存在によって異なる。PCT特許公開第WO/2013/096420号も参照。
通常、ステビアの葉に見いだされる4つの主要なステビオールグリコシドは、乾燥重量に基づきズルコシドA(0.3%)、レバウジオシドC(0.6〜1.0%)、レバウジオシドA(3.8%)及びステビオシド(9.1%)である。ステビア抽出物中で識別される他のグリコシドとしては、レバウジオシドB、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、ステビオールビオシド及びルブソシドのうちの1つ以上が挙げられる。
主要なステビオールグリコシドReb Aは、飲料用途における甘味料として一般に使用されているが、異味の問題を有する。より最近では、より良好な食味特徴を有するいくつかの少数のステビオールグリコシドが注目されている。例えば、レバウジオシドMは他のステビオールグリコシドよりも甘味強度が高く、強力である(例えば、Prakash,I.,et al.(2013)Nat.Prod.Commun.,8:1523−1526及びWO2013/096420を参照)。レバウジオシドDは、甘味がスクロースの約200〜220倍であり、官能評価においては、甘味の開始が遅く、非常にすっきりとしており、すなわち全体的にスクロースより甘く、スクロースに比べて甘味の後味の引きが短かった(例えば、Prakash,I.,et al.(2012)Int.J.Mol.Sci.,13:15126−15136を参照)。
発酵を介したステビオールグリコシド合成が可能な組み換え生物を用意するために、分子的手法が使用されてきた。例えば、レバウジオシドM及びレバウジオシドDを産生するため、ステビオールグリコシド合成に関与する酵素をコードする複数の導入遺伝子を有するS.cerevisiaeの組み換え株が使用されてきた(例えば、WO2014/122227を参照)。
本発明は、概して、遺伝子操作酵母を使用してステビオールグリコシドを産生する方法、それに加えて発酵組成物、及び1つ以上のステビオールグリコシドを含む発酵産生物に関する。本開示における発酵条件によって、遺伝子操作酵母からのステビオールグリコシドの産生増加を促進することができ、また、レバウジオシドD:レバウジオシドMの比率が高い発酵組成物のような望ましいステビオールグリコシド比率をもたらすこともできる。例えば、本発明の一部の実施形態では、発酵組成物は、1:20以上のレバウジオシドD:レバウジオシドMの比率を含むことができる。さらに他の実施形態では、レバウジオシドD:レバウジオシドMの比率は、1:20〜1:1の範囲である。他の実施形態では、第2のpHにおけるレバウジオシドD:レバウジオシドMの比率は、発酵の終始にわたり遺伝子操作酵母が第1のpHにて維持された場合に産生されるレバウジオシドD:レバウジオシドMの比率よりも大きい。
一実施形態では、本発明は、ステビオールグリコシドを産生するための方法であって、ステビオールグリコシド(複数可)の産生のために発酵中に培地をより高いpH条件に変更することを伴う方法を提供する。
この方法は、第1の培地中で第1のpHにて、1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)を産生できる遺伝子操作酵母を増殖させるステップを含む。「遺伝子操作酵母」とは、細胞に導入され、細胞のゲノムに組み込まれている、またはプラスミドもしくはエピソームなどの染色体外コンストラクト上に存在する、少なくとも1つの外因性DNA配列を有する酵母細胞を指す。次に、第1の培地に組成物を添加して、第1のpHよりも高い第2のpHを有する第2の培地を用意する。遺伝子操作酵母は、第2の培地中で発酵して1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)を産生する。培地に添加する組成物は、窒素含有化合物、例えば水酸化アンモニウム、尿素、硫酸アンモニウムから選択される化合物を含むことができる。培地に添加する組成物は、pHを制御するために使用することができる。また、pHは、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムまたは水酸化カルシウムなどの非窒素含有塩基によって制御することもでき、培地中に酵母窒素ベース、硫酸アンモニウム、尿素、酵母抽出物または他の窒素含有栄養分で窒素を補給することによって制御することもできる。
第2の培地において、pHは約5より高く、約5.5より高く、または約5.8より高く、例えば約5.8〜7.5または5.8〜6.2の範囲に調整することができる。培地に添加する窒素含有化合物は、水酸化アンモニウムなどの塩基とすることができ、第2の、より高いpH条件の形成に使用することができる。代替的に、窒素含有化合物は、より高いpHを提供するために非窒素塩基と共に使用することができる。窒素含有化合物、例えば酵母抽出物、水酸化アンモニウム、尿素、硫酸アンモニウム、またはこれらの組み合わせは、発酵条件中の第2の培地における主な窒素構成成分とすることができる。非窒素塩基としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カルシウムを挙げることができる。
代表的な方法は、(a)炭水化物(例えば、グルコース)を有する培地中で、より低いpH、例えば5.8未満にて遺伝子操作酵母を増殖させること、次に(b)培地に、窒素含有化合物、例えば水酸化アンモニウム、尿素、硫酸アンモニウム、またはこれらの組み合わせ、及び任意選択により非窒素含有塩基、を含む組成物を、追加の炭水化物、及び任意選択により他の発酵化合物、と共に添加して5.8以上のpHを有する培地を用意し、次に遺伝子操作酵母を用いて培地を発酵させてステビオールグリコシド(複数可)を産生すること、を伴う。
別の実施形態では、本発明は、pHシフトを必要とせず、むしろ任意選択的である、ステビオールグリコシドを産生するための方法を提供する。したがって、別の実施形態は、ステビオールグリコシドを産生するための方法であって、窒素源を含む培地中で、遺伝子操作酵母を用いて5.8以上のpHの培地にて増殖させ発酵させるステップを含む、方法である。窒素源は、水酸化アンモニウム、尿素、及び硫酸アンモニウム、酵母抽出物から選択され、これらの化合物の1つまたは組み合わせが発酵中における主要窒素源である。発酵中、遺伝子操作酵母は1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)を産生する。例えば、ステビオールグリコシドには、レバウジオシドD、レバウジオシドMまたは、レバウジオシドD及びレバウジオシドMが含まれる。一部の実施形態では、レバウジオシドD:レバウジオシドMのモル比率は1:20以上である。
別の実施形態では、本発明は、遺伝子操作酵母において、第1の低分子量ステビオールグリコシドの産生を、第2の高分子量ステビオールグリコシドに対して増加させる方法を提供する。この方法は、1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)を産生できる遺伝子操作酵母を、発酵培地中で5.8以上のpHにて発酵させるステップを含み、遺伝子操作酵母は、5.8未満のpHにて産生される第1及び第2ステビオールグリコシドの比率よりも大きい比率の第1及び第2のステビオールグリコシドを、5.8以上のpHにて産生する。例えば、この方法は、5.8以上のpHにて、第1及び第2のステビオールグリコシドの比率を、遺伝子操作酵母をより低いpHにて増殖させた場合の比率に対して約10%以上増加させることができる。
別の実施形態では、本発明は、発酵プロセスによって産生されたステビオールグリコシドを含む組成物も提供する。したがって、別の実施形態では、本発明は、発酵プロセスから得られたレバウジオシドD及びレバウジオシドMを含む組成物であって、レバウジオシドD:レバウジオシドMのモル比が1:20以上である、組成物を提供する。
代表的なメバロン酸経路を示す図である。
代表的な非メバロン酸経路を示す図である。
ステビオール産生の代表的な経路を示す図である。
ステビオールからステビオールグリコシドを生合成するための代表的な経路を示す図である。
本明細書に記載された本開示における実施形態は、網羅的であることを意図するものではなく、また、以下の発明を実施するための形態に開示されている形態と全く同じものに本発明を限定することを意図するものでもない。むしろ、選ばれかつ記載されている実施形態の目的は、他の当業者が本発明の原理及び実施を容易に認識及び理解できるようにするためのものである。
本開示の発酵方法は、ステビオールグリコシドを産生できる遺伝子操作酵母を使用する。ステビオールグリコシドを産生できる遺伝子操作酵母は、細胞中で1つ以上のステビオールグリコシドの形成を促進する酵素(複数可)をコードする、1つ以上の外因性核酸を含むことができる。例えば、遺伝子操作酵母は、ステビオールグリコシドRebM及びRebDを合成するための経路を提供する酵素のセットを有することができる。
本明細書で使用する「ステビオールグリコシド(複数可)」という用語は、ステビオールのグリコシドを指す。代表的なステビオールグリコシドとしては、以下に限定するものではないが、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドG、レバウジオシドH、レバウジオシドI、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドL、レバウジオシドM、レバウジオシドN、レバウジオシドO、ステビオシド、ステビオールビオシド、ズルコシドA、ルブソシドが挙げられる。遺伝子操作酵母は、天然に見いだされる(天然に存在する)ステビオールグリコシドと同じステビオールグリコシドを産生することができることに加えて、天然に見いだされないステビオールグリコシドも産生することができる。ステビオールグリコシドは、遺伝子操作酵母において酵素的プロセスによって形成することができる。
構造的には、ステビオールグリコシドは、単一のステビオール塩基である中央の分子部分と、以下に示す原子ナンバリングによるところの、ステビオール塩基のC13及び/またはC19原子に付着したグルコピラノシル残基とを有する。すなわち、グルコピラノシル残基は、以下の式におけるR基及びR基に相当する。
Figure 2018516600
下の表Aは、様々なステビオールグリコシド及び対応するR基及びR基を示している。
表A
Figure 2018516600
本開示によれば、ステビオールグリコシドは、典型的な酵母の発酵条件よりも高いpHにて遺伝子操作酵母を発酵させることを含むプロセスで産生される。比較のため述べると、酵母Saccharomyces cerevisiaeは、典型的には4〜5の範囲のpHにて発酵させる。
本開示における方法は、1つ以上のステビオールグリコシドへの経路を提供するように遺伝子操作された、様々な酵母宿主細胞を使用することができる。本開示における方法で使用されるこのような細胞は、ステビオールグリコシド合成のための酵素をコードする1つ以上のDNAコンストラクト(複数可)を用いて形質転換することができる。ステビオールグリコシド経路酵素をコードする外因性DNAコンストラクトのための宿主に使用することができる代表的な酵母としては、以下に限定するものではないが、Candida、Kloeckera(Hanseniaspora)、Kluyveromyces、Lipomyces、Pichia(Hansenula)、Rhodotorula、Saccharomycete、Saccharomyces、Schizosaccharomyces、Torulopsis、Torulaspora、Yarrowia、及びZygosaccharomycesの種を挙げることができる。代表的な種は、Candida albicans、Pichia pastoris、Saccharomyces cerevisiae、及びSchizosaccharomyces pombe、及びYarrowia lipolyticaである。さらに、宿主細胞は、ステビオールグリコシド経路の遺伝子組み換え以外の、発酵中の性能向上をもたらし得る遺伝子組み換えも含むことができる。
「外因性」という用語は、宿主酵母に導入される、核酸などの分子、または酵素活性などの活性を指す。外因性核酸は、周知の手法によって酵母宿主に導入することができ、宿主の染色体材料の外部で維持する(例えば、組み込まれていないベクターで維持する)ことも、組み換えなどによって酵母の染色体に組み込むこともできる。概して、遺伝子操作酵母のゲノムは、1つ以上の組み換え遺伝子の安定的導入によって増強される。外因性核酸は、酵母に対して相同または異種である酵素または酵素の一部をコードすることができる。外因性核酸は、分子的手法により1つ以上の方法で天然に存在しない形態になるように操作された核酸を指す、「組み換え遺伝子またはDNAコンストラクト」の形態をとることができる。
「異種」(例えば、「非ネイティブ」)という用語は、言及された分子または生物とは異なる源からの分子または活性を指す。したがって、言及された生物に対し異種である遺伝子またはタンパク質とは、その生物に見いだされない遺伝子またはタンパク質である。本開示の文脈における「異種グリコシルトランスフェラーゼ」は、宿主生物に固有のものであり得るいかなるグリコシルトランスフェラーゼポリペプチドとも異なる、グリコシルトランスフェラーゼポリペプチドを指す。例えば、第1の種に見いだされ、第1の種とは異なる宿主酵母に外因的に導入された特定のグリコシルトランスフェラーゼは、その宿主酵母に対し「異種」である。
遺伝子操作酵母は、ステビオールグリコシド経路酵素をコードする核酸を有する形質転換体の選択に好適な栄養要求マーカーを使用することができる。宿主酵母は、LYS2、LEU2、HIS3、URA3、URA5、及びTRP1などの、栄養要求性を制御する1つ以上の遺伝子において修飾(欠失など)を含むことができる。1つ以上の外因性遺伝子導入において望ましい遺伝子的背景を有する宿主細胞を使用して、1つ以上の遺伝子コンストラクト(複数可)が細胞に導入されて、ゲノムに組み込まれるか、または安定的に維持され発現が可能になる。遺伝子コンストラクトを宿主細胞に導入する方法としては、形質転換、形質導入、形質移入、同時形質移入、及び電子穿孔が挙げられる。特に、酵母の形質転換は、酢酸リチウム法、プロトプラスト法などを使用して行うことができる。導入の対象となる遺伝子コンストラクトは、プラスミドの形態で、または宿主の遺伝子への挿入によって、または宿主の遺伝子との相同組み換えによって、染色体に組み込むことができる。遺伝子コンストラクトが導入された形質転換酵母は、選択マーカー(例えば、上述の栄養要求マーカー)によって選択することができる。さらなる確認は、発現タンパク質の活性の測定、または導入された遺伝子(複数可)に関連する生物学的産物(例えば、ステビオールグリコシド)の産生の測定によって、行うことができる。
ステビオール経路遺伝子を含めた外因性核酸配列の形質転換は、当技術分野で周知の方法を使用して確認することができる。このような方法としては、例えば、mRNAのノーザンブロットもしくはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅などの核酸分析、または遺伝子産物の発現についてのイムノブロッティング、または導入核酸配列またはその対応する遺伝子産物の発現を試験するための他の好適な分析方法が挙げられる。当業者は、外因性核酸が望ましい産物の産生に十分な量で発現されることを理解し、さらに、発現レベルは、当技術分野で周知の方法及び本明細書に開示の方法を使用して、十分な発現を得るように最適化され得ることを理解する。
テルペノイド化合物、イソペンテニル二リン酸(IPP)及びジメチルアリル二リン酸(DMAPP)は、遺伝子操作酵母中のステビオールグリコシドに対する化学的前駆体として働くことができる。植物、昆虫及び一部の微生物種を含めた一部の生物は、アセチル−CoAを一連の化学的中間体を経てIPP及びDMAPPに変換するメバロン酸(MVA)経路を有する。一部の生物は、グリセルアルデヒド−3−リン酸(G3P)及びピルビン酸(PYR)により開始する非メバロン酸経路(メチルD−エリトリトール4−リン酸経路、すなわちMEP経路としても知られる)を通じて、IPP及びDMAPPを産生する。
酵母Saccharomyces cerevisiaeは、生来的にメバロン酸経路の遺伝子を発現する。酵素をコードするメバロン酸経路遺伝子としては、以下のものが挙げられる:(a1)アセトアセチルCoAチオラーゼ(EC2.3.1.9)、(b1)3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−コエンザイムA(HMG−CoA)シンターゼ(EC4.1.3.5);(c1)HMG−CoAレダクターゼ(EC1.1.1.34);(d1)メバロン酸キナーゼ(EC2.7.1.36);(e1)ホスホメバロン酸キナーゼ(EC 2.7.4.2);及び(f1)ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ(EC4.1.1.33)。メバロン酸経路の酵素は、以下のようにしてアセチル−CoAをIPPに変換する:アセチル−CoA→アセトアセチル−CoA→3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoA→メバロン酸→メバロン酸−5−リン酸→メバロン酸−5−ピロリン酸→IPP。図1も参照。
一部の実施形態では、遺伝子操作酵母は、アセチル−CoAからIPP及び/またはDMAPPへの流動を増加させ、それによってステビオールへの経路で使用するIPP及び/またはDMAPPのプールの増加をもたらすための、1つ以上の修飾を含むことができる。この修飾には、例えば、1つ以上のメバロン酸経路酵素(a1)〜(f1)の発現または活性を増加させることが含まれ得、これは例えば、発現増加をもたらすプロモーターの制御下で、酵母に対し相同または異種の酵素をコードする核酸を設置するか、核酸の複数のコピーを使用するか、及び/または異種の酵素、変種の酵素(例えば、1つ以上のアミノ酸置換を含むもの)、もしくは天然の酵素に比べて高レベルの酵素活性をもたらす変種かつ異種の酵素を使用することによって、行われる。
代替的に、非メバロン酸(MEP)経路は、ステビオールグリコシド産生に対する前駆体としてIPP及びDMAPPをもたらすために使用することができる。酵母Saccharomyces cerevisiaeは、生来的にはMEP経路の遺伝子を発現しないが、任意選択により、MEP経路遺伝子をもたらすように遺伝子操作することができる。理論的には、MEP経路は概してエネルギー効率がより高く、それはMVA経路に比べてCO2としての炭素の損失が少ないためである(MEP経路:1CO2/IPP;MVA経路:4CO2/IPP;炭素源は糖)。
特に、非メバロン酸(MEP)経路では、化合物のイソペンテニル二リン酸(IPP)、ジメチルアリル二リン酸(DMAPP)は、グリセルアルデヒド−3−リン酸(G3P)及びピルビン酸(PYR)から通じる一連の中間体を経て生成され、複数の酵素がこの変換を担当している。G3P及びPYRからIPP及びDMAPPに至る生合成経路に関与する酵素としては、(a2)1−デオキシ−D−キシルロース−5−リン酸シンターゼ(DXS)、(b2)1−デオキシ−D−キシルロース−5−リン酸レダクトイソメラーゼ(ispC)−、(c2)4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリトリトールシンターゼ(IspD)、(d2)4−ジホスホシチジル−2−C−メチル−D−エリトリトールキナーゼ(IspE)、(e2)2C−メチル−D−エリトリトール−2,4−シクロ二リン酸シンターゼ(IspF)、(f2)1−ヒドロキシ−2−メチル−2−(E)−ブテニル−4−二リン酸シンターゼ(IspG)、(g2)4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(E)−ブテニル−4−二リン酸レダクターゼ(IspH)、及び(h2)イソペンテニル−二リン酸イソメラーゼ(IDI)が挙げられる(図2を参照)。
発酵によってステビオールグリコシド(複数可)を産生するための本開示の方法は、G3P及びPYRからIPP及び/またはDMAPPへの流動を増加させ、それによってステビオールへの経路で使用するIPP及び/またはDMAPPのプールの増加をもたらすための1つ以上の遺伝子的修飾を有する、遺伝子操作酵母を使用してもよい。この修飾には、例えば、1つ以上の酵素(a2)〜(h2)の発現または活性を増加させることが含まれ得、これは例えば、発現増加をもたらすプロモーターの制御下で、酵母細胞に対し異種の酵素をコードする核酸の設置、核酸の複数のコピーの使用、及び/または異種の酵素、変種の酵素(例えば、1つ以上のアミノ酸置換を含むもの)、もしくは高レベルの酵素活性をもたらす変種かつ異種の酵素の使用によって、行われる。
発酵によってステビオールグリコシド(複数可)を産生するための本開示の方法は、IPP及び/またはDMAPPをステビオールに変換する経路も含むことができる遺伝子操作酵母を使用してもよい。例えば一部の態様では、遺伝子操作酵母は、以下の酵素を発現する外因性核酸を含むことができる:(a3)ゲラニルゲラニル二リン酸シンターゼ(GGPPS)、(b3)コパリル二リン酸シンターゼ(CDPS)、(c3)カウレンシンターゼ(KS)、(d3)カウレンオキシダーゼ(KO)、及び(e3)カウレン酸13−ヒドロキシラーゼ(KAH)。メバロン酸経路の酵素は、以下のようにしてIPP及び/またはDMAPPをステビオールに変換する:IPP/DMAPP→ゲラニルゲラニル二リン酸→コパリル二リン酸→カウレン→カウレン酸→ステビオール。(図3を参照)酵母細胞に対し異種である酵素(a3)〜(e3)をコードする外因性核酸は、発現増加をもたらすプロモーターの制御下で、核酸の複数のコピーの使用、及び/または変種の酵素(例えば、1つ以上のアミノ酸置換を含むもの)、もしくは高レベルの酵素活性をもたらす変種かつ異種の酵素の使用によって、配置することができる。
発酵によってステビオールグリコシド(複数可)を産生するための本開示の方法は、ステビオールをステビオールグリコシドに変換する任意の経路を有する遺伝子操作酵母を使用してもよい。2つ以上のステビオールグリコシド経路酵素が遺伝子操作酵母中に存在する場合、この遺伝子操作酵母は種々のステビオールグリコシドを産生できる可能性がある。例えば、この酵母は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11種以上の異なるステビオールグリコシド種を産生できる可能性がある。
ステビオールグリコシド経路は、グリコシル残基の活性化ヌクレオチド糖から受容体分子への移行を媒介する、1つ以上のウリジン二リン酸(UDP)グリコシルトランスフェラーゼ(UGT)を含むことができる。ステビオールグリコシド経路の場合、単糖単位は、ステビオール分子もしくはステビオールグリコシド分子上のヒドロキシル部分もしくはカルボキシル部分に移行するか、またはステビオールの基部に付着したグルコース基上のヒドロキシ基に移行することができる。図4を参照。UGTは、配列相同性に基づいたファミリー及びサブファミリーに分類されている。Li,et al.,2001,J.Biol.Chem.276:4338−4343を参照。モデル植物であるArabidopsis thalianaにおいて、UGTをコードする100種を超える遺伝子であって、それぞれが42アミノ酸共通配列を含有する、遺伝子のスーパーファミリーが同定され、また、いくつかの他の上位植物種においてもUGTをコードする遺伝子が同定された。
代表的なUDP−グルコシルトランスフェラーゼは、ステビオール及び/またはステビオールグリコシド基質に少なくとも1つのグルコース単位を添加して目標のステビオールグリコシドをもたらすことが可能な、任意のUDP−グルコシルトランスフェラーゼとすることができる。一実施形態では、遺伝子操作酵母は、UGT74G1(配列番号1)、UGT85C2(配列番号2)、UGT76G1(配列番号3)、UGT91D2(配列番号4)、及びこれらのポリペプチドに対する実質的同一性(例えば、>85%、>75%、>65%、>55%、>45%及び>35%)を有するUGTの群から選択される、1つ以上のUDP−グルコシルトランスフェラーゼを含むことができる。遺伝子操作酵母は、これらのUGTをコードする1つ以上の外因性核酸分子(複数可)を含むことができる。
遺伝子操作酵母は、1つ以上のUGT及びUDP−グルコース再利用酵素(glucose recycling enzyme)(複数可)も含むことができる。ルブソシドに少なくとも1つのグルコース単位を添加してステビオシドの形成が可能な代表的UDP−グルコシルトランスフェラーゼは、UGT91D2(配列番号4)である。ステビオシドに少なくとも1つのグルコース単位を添加してレバウジオシドAの形成が可能な代表的UDP−グルコシルトランスフェラーゼは、UGT76G1(配列番号3)である。レバウジオシドAに少なくとも1つのグルコース単位を添加してレバウジオシドDの形成が可能な代表的UDP−グルコシルトランスフェラーゼは、UGT91D2(配列番号4)である。レバウジオシドDに少なくとも1つのグルコース単位を添加してレバウジオシドMの形成が可能な代表的UDP−グルコシルトランスフェラーゼは、UGT76G1(配列番号3)である。
ステビオールグリコシド産生及びステビオールグリコシド経路酵素のための遺伝子操作微生物について記載されている代表的な刊行物としては、例えば、US2014/0357588、WO2014/193934、WO2014/193888、及びWO2014/122227が挙げられ、それぞれ、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
一実施形態では、ステビオールグリコシドの産生に有用な遺伝子操作酵母は、以下の酵素を発現する:ゲラニルゲラニル二リン酸シンターゼ(GGPPS)、ent−コパリル二リン酸シンターゼ(CDPS)、カウレンオキシダーゼ(KO)、カウレンシンターゼ(KS);ステビオールシンターゼ(KAH)、シトクロムP450レダクターゼ(CPR)、UGT74G1、UGT76G1、UGT91D2、UGT85C2及びEUGT11。WO2014/122227には、これらの酵素を発現する遺伝子操作酵母株について記載されている。UDP−グルコシルトランスフェラーゼは、ポリペプチド、例えば、UGT74G1(配列番号1)、UGT85C2(配列番号2)、UGT76G1(配列番号3)、UGT91D2(配列番号4)、及びEUGT11(配列番号13)をコードする遺伝子とすることができ、こういった遺伝子は、複数の反応が可能なポリペプチドをコードし、例えば、a)ステビオールグリコシドにおける19−OグルコースのC2’のベータ1,2グリコシル化が可能なポリペプチドをコードする遺伝子;(b)ステビオールグリコシドにおける13−OグルコースのC2’のベータ1,2グリコシル化が可能なポリペプチドをコードする遺伝子;(c)ステビオールグリコシドにおける19−OグルコースのC3’のベータ1,3グリコシル化が可能なポリペプチドをコードする遺伝子;(d)ステビオールグリコシドにおける13−OグルコースのC3’のベータ1,3グリコシル化が可能なポリペプチドをコードする遺伝子;(i)ステビオールまたはステビオールグリコシドにおける13−OHのグリコシル化が可能なポリペプチドをコードする遺伝子;(j)ステビオールまたはステビオールグリコシドのC−19カルボキシルのグリコシル化が可能なポリペプチドをコードする遺伝子である。例えば、UGT85C2は反応(i)を行い、UGT74G1は反応(j)を行い、UGT91D2は反応(a;弱)、(b)を行い、UGT76G1は反応(c)及び(d)を行い、EUGT11は反応(a)、(b;不十分)を行う。
本開示の態様は、細胞培養の段階を参照しながら説明することができる。例えば、プロセスには、遺伝子操作酵母を培養する1つ以上の「段階(stage)」または「期(phase)」が含まれ得る。例えば、プロセスには、「播種/増殖期」が含まれ得る。本明細書で使用する「播種期」とは、細胞が培地中で増殖して、次の増殖期で使用され細胞数を増加させるための培地構成成分(炭水化物、窒素源、塩、ビタミン、微量金属)に順化する期間を指す。本明細書で使用する「増殖期」とは、細胞が(例えば、指数関数的に)繁殖する期間を指す。播種/増殖期中、遺伝子操作酵母は出芽によって繁殖を開始することができ、これは酵母分割(yeast division)と呼ばれる。
播種/増殖期は、遺伝子操作酵母の急速な繁殖によって特徴づけることができる。播種/増殖期は、遺伝子操作酵母の倍加時間の観点から説明することができる。本開示の一部の実施形態では、遺伝子操作酵母の増殖は、より低い(第1の)pH(例えば、約5.8以下または約5.0以下)にて行うことができ、次に、増殖期の後の方の時点、または次の発酵期の時点にて、pHをより高い(第2の)pH(例えば、約5.8以上または約6.0以上)に増加させることができる。本開示の別の実施形態では、遺伝子操作酵母の増殖をより高い(第2の)pHにて行うことができ、そのため、増殖期及び発酵期中に、より高いpHに調整する必要がない。
増殖期の後、遺伝子操作酵母は「発酵期」に入ることができ、発酵期では増殖の速度が少なくとも低下し、遺伝子操作酵母は活発に炭水化物を取り込み、望ましい産物、例えばステビオールグリコシド(複数可)を産生する。本明細書で使用する「発酵」、「発酵する」、またはこれらの変形形態は、酵母によって基質を変換することによりステビオールグリコシド(複数可)が著しく産生される期を説明するために使用され、発酵は半好気条件、好気条件、または嫌気条件下で発生し得る。半好気条件下では、発酵経路及び呼吸経路の両方が活性となる可能性があり、多少の細胞増殖が発生し得る。半好気条件下では、消費される酸素量が播種/増殖期中よりも少量であり得る。本明細書で使用する「プロセスの終始にわたり(throughout the process)」または「終始(throughout)」という表現は、様々な期または処理に関して使用される場合、増殖期から産物の形成までを意味する。
一部の実施様式では、発酵期中の培地のpHは、増殖期中または増殖期の開始時に培地のpHが増加した場合、より高いpHであり得る。他の実施様式では、pHは、発酵期中の所定のポイントにてより高いpHに調整され得る。pHが発酵中に増加する場合、発酵期の終わりよりは発酵期の開始付近で増加することが好ましく、発酵期の開始時または開始に非常に近いところで増加することがより好ましい。
一部の実施様式では、増殖期中の培地のpHは、発酵期と同じpHにて行う。例えば、増殖期はより高い(第2の)pHにて行う。例えば、より高い(第2の)pHは、約5.8以上である。
一部の実施形態では、ステビオールグリコシド(複数可)を産生するための本開示の方法は、遺伝子操作細胞が中に存在する培地を、発酵及びステビオールグリコシド(複数可)の産生のためにより高いpHに変更することを伴う。そのため、この方法における一ステップは、第1の培地における遺伝子操作酵母を、第1のより低いpH(例えば、pH5.8以下またはpH5.0以下)にて増殖させることを伴い、次に、第1のより低いpHにおけるある期間後、遺伝子操作酵母を、培地中で第1のpHよりも高い第2のpHにて発酵させる。遺伝子操作酵母を第2のより高いpH(例えば、pH5.8以上、またはpH6.0以上)にて発酵させて1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)を産生させる。より高いpH条件により、ステビオールグリコシドの量が増加するだけでなく、産物におけるステビオールグリコシド比率がより望ましくシフトする。
「培地」という用語は、遺伝子操作酵母が維持され得る、増殖し得る、発酵し得る、またはこれらの組み合わせができる液体組成物を指す。「培地」は、「ブロス」または「細胞培養物」とも呼ぶことができ、「開始」または「発酵」などの用語は、培地において発生している培地及び細胞の活性をより具体的に定義するために使用することができる。培地は、培地中に存在する構成成分及びその量に関して定義することができ、構成成分は、例えば以下のものである:炭素源、(a)グルコース及びマルトデキストリンなどのデンプン製品のような炭水化物を含む;(b)窒素源、例えば酵母窒素塩基、水酸化アンモニウム、尿素、硫酸アンモニウム、酵母抽出物またはこれらの任意の組み合わせ;(c)塩、例えばリン酸カリウム(リン酸一カリウム、リン酸二カリウム)、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、及び塩化カルシウム;(d)ビタミン、例えばビオチン、パントテン酸カルシウム、葉酸、(ミオ)−イノシトール、ニコチン酸、p−アミノ安息香酸、ピリドキシンHCl、リボフラビン、チアミンHCl、及びクエン酸;(e)微量金属、例えばホウ酸、硫酸銅、塩化コバルト、塩化カルシウム、ヨウ化カリウム、塩化鉄、硫酸マグネシウム、塩化マンガン、モリブデン酸ナトリウム、及び硫酸亜鉛。培地における構成成分は、乾燥重量に基づいて定義することができる。さらに、培地は水ベースの、すなわち「水性」組成物である。また、培地は、そのpH、ならびに培地におけるpH制御に使用される生体適合性の酸、塩基、及び緩衝液に関して定義することもできる。
遺伝子操作酵母の発酵は、デンプン及び/または糖を含有する、塊茎、根、茎、葉及び種子などの任意の植物及び植物の一部から誘導可能な植物材料を有する培地を使用して、行うことができる。デンプン及び/または糖を含有する植物材料は、穀物、例えばオオムギ、コムギ、トウモロコシ、ライムギ、モロコシ、キビ、オオムギ、ジャガイモ、キャッサバ、またはコメ、及びこれらの任意の組み合わせ、から得ることができる。デンプン及び糖を含有する植物材料は、例えば、製粉、モルト処理、または半モルト処理などの方法によって処理することができる。一部の実施形態では、培地(より高いpHの場合もより低いpHの場合も)は、加工デンプンを含む。例えば、増殖及び/または発酵用の培地は、部分加水分解デンプンを含んでもよい。部分加水分解デンプンには、高分子量のデキストリン及び高分子量のマルトデキストリンが含まれ得る。ステビオールグリコシド産生に有益な望ましい範囲内の量でデンプン及びデンプン分解産物を有する部分加水分解デンプン製品を使用することができる。
任意選択により、遺伝子操作酵母によって利用され得るグルコースなどの単糖の濃度を増加させるために、デンプン材料を含む培地にデンプン分解酵素を添加してもよい。代表的なデンプン分解酵素としては、グリコアミラーゼ及びアミラーゼなどのアミロース分解酵素が挙げられる。
一部の実施様式では、発酵は、ステビオール含有化合物を含む培地中で行うことができる。このような化合物は、遺伝子操作酵母中のグリコシルトランスフェラーゼによって直接使用され得る。例えば、任意選択により、発酵は、ステビオール、ステビオール−13−O−グルコシドまたはステビオール−19−O−グルコシドを含有する培地中で行うことができる。この培地を使用して、微生物は、機能的EUGT11(配列番号13)、機能的UGT74G1(配列番号1)、機能的UGT85C2(配列番号2)、機能的UGT76G1(配列番号3)、及び機能的UGT91D2(配列番号4)をコードする遺伝子を含有及び発現することができる。レバウジオシドA、レバウジオシドD、及びレバウジオシドMなどの化合物を発酵培地から得ることができる。別の選択として、発酵は、ルブソシドを含有する培地で行うことができる。この培地を使用して、微生物は、機能的EUGT11(配列番号13)、機能的UGT76G1(配列番号3)、及び機能的UGT91D2(配列番号4)をコードする遺伝子を含有及び発現することができる。レバウジオシドA、D、及びMなどの化合物を発酵後の培地から得ることができる。本明細書で使用する「レバウジオシドDM」、「Reb DM」、及びこれらの変形形態は、主にレバウジオシドD及びレバウジオシドMである(「DM」はこのためである)グリコシド、その関連異性体(例えば、天然または合成で)、及び/またはその塩を指す。この用語形式は、グリコシドの任意の他の組み合わせを有するグリコシドに使用することができ、例えば、以下に限定するものではないが、Reb DA、Reb MA、Reb DMAなどのように使用することができる。
場合によっては、経済的利益及び制御を実生産スケールで達成するために、発酵を産業規模の発酵槽中で行う。一実施形態では、発酵を、約10,000リットル以上の容量を有する発酵槽中で行う。
「第1の培地」及び「第2の培地」(及び任意選択により、必要な場合は「第3の」、「第4の」、「第5の」など)という用語は、ステビオールグリコシドを産生する方法の態様を説明するために、使用することができる。一実施様式では、より低いpH(例えば、5.8未満または5.0未満)であり遺伝子操作酵母を含有する第1の培地を用意し、ある期間の間、培地中の遺伝子操作酵母を培養する。次に、細胞を含まない液体組成物(例えば、「フィード組成物」)を第1の培地に添加して、同じまたはより高いpHを有する第2の培地を用意する。これは、遺伝子操作酵母の発酵に使用することができる。フィード組成物は、連続的プロセスまたはバッチプロセスで第1の培地に添加することができる。好ましい実施様式では、培地における発酵条件をより正確に制御するために、フィード組成物を連続的プロセスで添加する。一部の実施形態では、フィード組成物は、同じ組成の第1の培地に添加されるフィード及び第2の培地に添加されるフィードである。
別の例として、低いpH(例えば、5.8未満または5.0未満)であり遺伝子操作酵母を含む第1の培地は、ある期間の間、培養することができる。次に、第1の培地は、細胞を含まない所定の体積の液体組成物にバッチステップまたはバルクステップで添加して、より高いpH(例えば、5.8以上または6.0以上)を有する第2の培地を作り出すことができる。この第2の培地は、遺伝子操作酵母及びステビオールグリコシドの発酵に使用することができる。様々な方法により、より低いpHを有する第1の培地から開始して、より高いpHを有する第2の培地を用意できることを理解されたい。そのため、第2の培地の形成は、1つ以上のフィード構成成分のバルク添加または連続的添加を使用した「添加する」、「中に添加する」、または「混合する」プロセスによるものであり得る。フィード構成成分は、液体形態または固体形態をとることができる。場合によっては、第2の培地の形成は、マルチステッププロセスによるものであり得る。他の場合には、第1の培地及び第2の培地の形成は、より高いpHの第2の培地を有する。
一部の実施様式では、第1の培地はある容器中に存在し、次に培地のpHを調整してより高いpHの第2の培地を用意し、同じ容器中で第2の培地を形成する。別の実施様式では、第1の培地を第1の容器で形成し、次に第1の培地を第2の容器に移し、第1の培地を他の構成成分または材料と合わせることによって、より高いpHの第2の培地を形成する。
より低いpHを有する第1の培地は、炭水化物(複数可)、窒素源(例えば、酵母窒素塩基、水酸化アンモニウム、尿素、硫酸アンモニウム、酵母抽出物、またはこれらの任意の組み合わせ)、塩、ビタミン、及び微量金属を含む液体組成物にシード培養物を添加することによって形成することができる。一部の実施様式では、第1の培地は、水酸化アンモニウム、尿素、硫酸アンモニウム、またはこれらの組み合わせを、培地における唯一の窒素源として含む。遺伝子操作酵母が構成成分を消費するにつれて、第1の培地における構成成分の濃度が経時的に減少し得るという理解によれば、第1の培地における構成成分の「初期」濃度が記載され得る。より高いpH(例えば、5.8以上、または6.0以上)の第2の培地を形成する場合、水酸化アンモニウム、尿素、または硫酸アンモニウムが培地における唯一の窒素源であり得る。
一部の実施様式では、第1の培地、例えば酵母増殖が生じる培地のpHは、約6.0未満、約5.9未満、約5.8未満、約5.7未満、約5.6未満、約5.5未満、約5.4未満、約5.3未満、約5.2未満、約5.1未満、約5.0未満、例えば約3.0〜約5.5、約3.5〜約5.3、または約4.0〜約5.0の範囲内とすることができる。第1の培地における代表的なpHは、約5.0である。第1の培地における増殖期間中、このpHは変動する可能性がある。例えば、酵母細胞の増殖によって、ある期間後に第1の培地の酸性が強くなる可能性がある。任意選択により、第1の培地におけるpHは、経時的にpHを監視することによって制御することができ、そして必要な場合は、第1の培地における増殖中にpHが望ましい範囲内でとどまるように、塩基または緩衝液などを用いてpHを調整することによって制御することができる。例えば、第1の培地のpHは、pHが約4.8〜約5.2の範囲内で維持されるように、水酸化アンモニウムなどの窒素含有塩基を使用して制御することができる。第1の培地で使用される窒素含有塩基は、第2の培地で使用される窒素含有塩基(例えば、水酸化アンモニウム)と同じであってもよいが、第2の培地で使用される塩基は、より高いpHをもたらすためにより高い濃度にするという違いを伴う。
一部の実施様式では、第1の培地のグルコース初期濃度は、約50g/L未満、25g/L未満、例えば約5g/L〜約50g/L、または約10g/L〜約35g/Lの範囲内とすることができる。また、第1の培地におけるグルコース濃度は、第2の培地におけるグルコース濃度との相対比較で定義することもできる。
代表的な実施様式では、第1の培地における増殖は、約25〜35℃、または28〜32℃の範囲内の温度、最も好ましくは約30℃にて実施される。
また、遺伝子操作酵母の増殖は、通気を伴って、及び攪拌を伴って実施することもできる。
例えば、第1の培地における増殖期中に、通気を実施することができる。通気は、培地に対する溶存酸素移動速度(mg分−1リットル−1を単位とする)の観点から説明することができる(例えば、Anderlei,T.,and Buchs,J.(2000)Biochem.Engin.J.3478:1−6を参照)。望ましい通気をもたらすために、微細気泡の形成を促進する噴霧手法を実施してもよい。一部の実施様式では、第1の培地における増殖期中に、例えば段階的方式で、攪拌及び通気を増加させる。通気条件は、培地中に溶解する酸素の量、つまり遺伝子操作酵母が利用可能な酸素に影響を及ぼし得る。遺伝子操作酵母による酸素摂取量は、酸素が供給される速度及び培地における酸素の小気泡形成によって制御することができ、これは攪拌及び/または噴霧によって達成することができる。発酵期中に限定的な通気を実施することもできる。
第1の培地における遺伝子操作酵母の増殖は、望ましい期間の間、より高いpHの第2の培地に調整する前に行うことができる。一部の実施様式では、第1の培地及び第2の培地がより高いpHを有する場合において、第1の培地における遺伝子操作酵母増殖は、望ましい期間の間、第2の培地に調整する前に行うことができる。例えば、第1の培地における増殖は、約2時間以上、または約10時間以上、例えば約2時間〜約30時間、または約10時間〜約24時間の範囲内の期間の間、行うことができる。第1の培地における時間は、全てまたは一部の増殖の遅滞期及び、全てまたは一部の増殖の対数(指数関数)期を網羅することができる。さらに、より低いpHの第1の培地における時間中に、遺伝子操作酵母は所定の増殖速度を有することができる。例えば、第1の培地における遺伝子操作酵母の倍加時間は、約2.31時間〜約13.86時間、または約2.77時間〜約7.3時間の範囲内とすることができる。代替的に、増殖速度は希釈速度として表現することができ、希釈速度は約0.05〜0.31/h、または約0.095〜0.251/hとすることができる。
遺伝子操作酵母の増殖は、望ましい量の生物体量をもたらすために実施することができる。本明細書で使用する「生物体量」とは、遺伝子操作酵母の重量を指し、培地1リットル当たりの乾燥細胞重量をグラムで測定することができる(DCW/L)。一部の実施様式では、遺伝子操作酵母は、約20g dcw/L以上、約30g dcw/L以上、例えば約20g dcw/L〜約120g dcw/L、または約40g dcw/L〜約80g dcw/Lの範囲内の生物体量に増殖する。
第2の培地を形成する際に第1の培地に塩基を添加することができ、これによってより低いpHからより高いpHへの増加がもたらされる。塩基を添加する時期は、遺伝子操作酵母が第1の培地で費やした時間、特定の時点での第1の培地における構成成分の濃度、または特定の時点での遺伝子操作酵母の増殖特性などの見地、またはこれらの見地の組み合わせに基づいて、選択することができる。一部の実施様式では、第1の培地のpHは、第1の培地における遺伝子操作酵母の指数関数(増殖)期の少なくとも半ばを過ぎた時期に上昇させる。例えば、第1の培地のpHは、遺伝子操作酵母が指数関数期を脱して増殖の速度が低下したときに、約5.8以上、または約6.0以上に上昇させることができる。そのため、pHを上昇させるための塩基添加は、遺伝子操作酵母が増殖速度の低下を伴って発酵期に入る前に実施することができる。そのため、培地のpHは、発酵期における遺伝子操作酵母による任意の著しいステビオールグリコシド(複数可)産生の後に上昇させることができる。ただし、高いpHの条件は、遺伝子操作酵母によるステビオールグリコシド(複数可)産生をもたらす発酵期間に含めることが好ましい。代替的に、pHを上昇させるための塩基添加は、遺伝子操作酵母が発酵期に入った後に実施することができる。
塩基は、水酸化アンモニウムなどの窒素含有塩基、または発酵培地での使用に好適な非窒素塩基とすることができる。窒素含有塩基及び非窒素含有塩基の混合物を含む組成物も任意選択により使用することができる。第2の培地で使用することができる他の任意選択による窒素含有塩基は、無水アンモニアまたは水酸化アンモニウム/水酸化カリウムのブレンドとすることができる。第2の培地で使用することができる他の任意選択による非窒素含有塩基は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カルシウムとすることができる。濃縮形態で窒素含有塩基を含む組成物(例えば、約15%(w/v)まで、またはそれ以上の水酸化アンモニウム)を、pHを変化させるために使用してもよい。
塩基は、第2の培地の形成のために、液体組成物として第1の組成物に添加してもよく、または固体として添加してもよい。塩基は、バルク方法または連続的プロセスで、第1の組成物に添加することができる。一部の実施様式では、望ましい期間にわたって望ましいpHを達成するために、塩基を連続的プロセスで添加する。例えば、第1のpHから第2のpHへの変化は、短い期間(分)、長い時間(時間)、またはその間の任意の時間にわたって行うことができる。例えば、この変化は、約2分〜約4時間、約5分〜約4時間、または約30分〜約3時間の範囲内の期間の間、発生し得る。代表的な実施様式では、約pH5.0〜約pH7.0の変化は、約30分〜約180分の範囲内の期間において発生し得る。
第2の培地の形成には、第1の培地にフィード培地を提供することも含まれる。一部の実施様式では、第1の培地に塩基を添加してpHをより低いpHからより高いpHに上昇させ、次により高いpHの培地にフィード組成物を添加する。別の実施様式では、フィード培地は塩基を含み、かつより高いpHを有し、そして第1の培地にフィード培地を添加すると、フィード培地はpHを増加させて第2の培地をもたらす。塩基を有するまたは有しないフィード培地は、遺伝子操作酵母が増殖する第1の培地と同じであっても異なってもよい。一部の実施形態では、第1の培地に添加されるフィード培地は、第2の培地に添加されるフィード培地と同じである。
フィード培地は、炭水化物(複数可)、窒素源、例えば酵母抽出物、水酸化アンモニウム、尿素、硫酸アンモニウム、またはこれらの任意の組み合わせ;塩、ビタミン、及び微量金属を含むことができる。フィード培地における構成成分の濃度は、第1の培地における構成成分の濃度よりも高いものとすることができ、そのため、フィード培地を添加すると、フィード培地は、第2の培地において遺伝子操作酵母の発酵に好適な、望ましい量の構成成分をもたらす。代表的な実施形態では、フィード培地におけるまたは発酵中の(例えば、第2の培地)グルコース濃度は、約0g/L〜約5g/L、または0g/L〜約2g/Lの範囲内に保たれる。代表的な実施形態では、フィード培地における酵母抽出物、窒素塩基、水酸化アンモニウム、尿素、硫酸アンモニウムなど窒素源の濃度(総量)は、約5g/L〜約40g/Lの範囲内に保たれる。代表的な実施形態では、フィード培地における塩の濃度(総量)は、例えば、約0g/L〜約12g/Lの範囲内の硫酸マグネシウム、及び約0g/L〜約22g/Lの範囲内のリン酸カリウムを含む塩。代表的な実施形態では、フィード培地における微量金属濃度(総量)は、約0g/L〜約0.4g/L、または0g/L〜約0.2g/Lの範囲内に保たれる。
遺伝子操作酵母が第2の培地中に存在する期間中、例えば発酵の期間中、pHは変動し得る。ただし、pHは、約pH5.8以上、または約pH6.0以上、例えば約pH5.8〜約pH8.0、pH5.8〜約pH7.5またはそれ以上、約pH6.0〜約pH7.0、約5.8〜約6.5または約5.8〜約6.2の範囲内で保たれることが好ましい。第2の培地における期間中にpHを監視してもよく(例えば、定期的または連続的に)、pHが望ましい範囲外に降下した場合は第2の培地を調整することができる。例えば、pHが5.8未満に下がった場合は、pHを約5.8以上に調整できるように第2の培地に追加の水酸化アンモニウムを添加することができる。代表的な実施形態では、発酵中におよそ0.17kg〜約0.2kgの12%のNH4OHを添加してpHを5.0に維持し、発酵中におよそ0.20kg〜約0.24kgの12%のNH4OHを添加してpHを6.0に維持する。典型的な発酵においては、フィード期中におよそ1.18kg〜約1.21kgのフィード培地を添加する。
代表的な実施形態では、フィード培地の流量を制御することによってグルコース濃度を限定的に保った。2期のフィード方式は、10時間時にて例えばu=0.12l/hの増殖速度で開始する初期の指数関数期を含むことができ、一方第2のフィード(すなわちフィードII期)は、33時間で例えば0.180ml/分の一定流量で開始することができる。フィードは、約120時間までに約1.95リットルの最終量を得ることができるまで継続することができる。望ましいステビオールグリコシドを産生するためのフィード速度についての他の方法は、「Fermentation Methods for Producing Steviol Glycosides with Multi−phase Feeding」というタイトルの出願、米国特許出願第62/168,372号、「Fermentation Methods for Producing Steviol Glycosides with Multi−phase Feeding」というタイトルの、本出願と同時に出願された国際PCT出願、代理人整理番号N00293USP1(CAR0212/WO)に記載されており、各出願はその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
遺伝子操作酵母が第2の培地に存在する期間は、望ましい量のステビオールグリコシド産生に十分な程度の時間行われる発酵期間を含むことができる。例えば、より高いpHの第2の培地は、遺伝子操作酵母の初期培養から2時間以降、10時間以降、または24時間以降の時間にて形成することができ、遺伝子操作酵母の初期培養から150時間の時間まで、96時間まで、または72時間まで延長することができる。遺伝子操作酵母の発酵及びステビオールグリコシド(複数可)の産生は、第2の培地中に遺伝子操作酵母が滞留する間のあるポイントにて開始することができる。遺伝子操作酵母がより高いpHの第2の培地中に存在する間に、ステビオールグリコシドの多く(すなわち、50%より多く)が遺伝子操作酵母によって産生されることが好ましい。
代表的な実施様式では、第2の培地における発酵及び(任意選択により)増殖は、約25〜35℃、または28〜32℃の範囲内の温度、最も好ましくは約30℃にて実施される。また、第2の培地における遺伝子操作酵母の発酵及び(任意選択により)増殖は、通気を伴って、及び攪拌を伴って実施することもできる。
任意選択により、第2の培地におけるpHは、経時的にpHを監視することによって制御することができ、そして必要な場合は、発酵中にpHが望ましい範囲内でとどまるように、塩基または緩衝液などを用いて第2の培地におけるpHを調整することによって制御することができる。例えば、第2の培地のpHは、水酸化アンモニウムなどの窒素含有塩基を使用して制御することもでき、pHは約5.8以上、例えば約pH5.8〜約pH7.5またはそれ以上、約pH6.0〜約pH7.0、約5.8〜約6.5または5.8〜約6.2の範囲内に維持される。第2の培地で使用される窒素含有塩基は、第1の培地で使用される窒素含有塩基と同じであってもよい(例えば、水酸化アンモニウム)。
遺伝子操作酵母は、1つ以上のステビオールグリコシド産生に十分な程度の期間の間、第2の培地で維持することができる。例えば、遺伝子操作酵母は、プロセスにおける増殖期及び発酵期を含み得る約150時間までの期間の間、第2の培地中に存在することができる。第2の培地における代表的な期間は、約20時間〜約150時間、約30時間〜約120時間、または約40時間〜約90時間の範囲内である。第2の培地における期間は、増殖期の大部分及び発酵期の全て、増殖期の一部及び発酵期の全て、発酵期の全て、または発酵期の大部分であり得る。
別の実施形態では、本開示は、遺伝子操作酵母を使用してステビオールグリコシドを産生するための方法であって、増殖期の初めなどの、プロセスの早期ポイントにおいてより高いpH条件が存在する、方法を提供する。例えば、プロセスの増殖期及び発酵期の両方は、pHが約pH5.8以上、約pH6.0以上、例えば約pH5.8〜約pH8.0、pH5.8〜約pH7.5超、約pH6.0〜約pH7.0、約5.8〜約6.5または約5.8〜約6.2の範囲内である培地において存在し得る。培地は、水酸化アンモニウム、尿素、及び硫酸アンモニウムから選択される窒素源を含むことができる。これらの化合物のうちの1つまたは組み合わせは、プロセスにおける増殖段階及び発酵段階の主要な窒素源とすることができる。
高いpHで開始するプロセスでは、遺伝子操作酵母がその期間中に増殖及び発酵しており、pHは変動し得る。ただし、pHは、増殖期間及び発酵期間中、約pH5.8以上、または約pH6.0以上、例えば約pH5.8〜約8.0、pH5.8〜約7.5以上、または約pH6.0〜約pH7.0の範囲内で保たれることが好ましい。これらの期間中にpHを監視してもよく(例えば、定期的または連続的に)、pHが望ましい範囲外に降下した場合は培地を調整することができる。例えば、pHが5.8未満または6.0未満に下がった場合は、pHを約5.8以上に調整できるように培地に追加の水酸化アンモニウムを添加することができる。
遺伝子操作酵母が、増殖期の初めまたは早期に、より高いpH培地中に存在する一部の実施様式では、1つ以上のステビオールグリコシドの産生のために十分な期間の間、遺伝子操作酵母を培地中に維持することができる。例えば、遺伝子操作酵母は、約150時間、またはさらにそれ以上の期間の間、より高いpHの培地中に存在していてもよい。第2の培地における代表的な期間は、約40時間〜約150時間、約50時間〜約130時間、または約60時間〜約110時間の範囲内である。
発酵中、より高いpHの培地におけるステビオールグリコシドの産生について監視してもよい。発酵は、ステビオールグリコシドの望ましい総量及びプロファイルが生じたポイントで停止することができる。
「総ステビオールグリコシド」(TSG)とは、発酵期間後の培地中に存在する全てのステビオールグリコシドを指し、液体培地中のステビオールグリコシド及び遺伝子操作酵母から得られるステビオールグリコシドの量を含む。ステビオールグリコシドの含有量は、培地中の総ステビオールグリコシド量について、または培地中の1つ以上の、ただし全てではない、ステビオールグリコシドの量について、表現することができる。組成物中のステビオールグリコシドの量は、互いに対して、またはステビオールグリコシドの総量に対して表現することができ、例えばステビオールグリコシドの総量に対する重量百分率、または、重量パーセントまたはモルパーセントとして表される比率もしくは比率の範囲として表現することができる。組成物中の全てのステビオールグリコシド含有量の合計は、通常、乾燥(無水)ベースで行われる。
ステビオールグリコシドの量は、対照試料との相対比較で、例えば、より低いpHで発酵させる対照試料との相対比較で表現することもできる。代表的な比較は、約5.0のpHにて増殖させ、次に発酵のために5.8〜7.5の範囲内のpHに調整される遺伝子操作酵母と、より高いpHに調整することなく約5.0のpHにて増殖及び発酵させる遺伝子操作酵母との比較である。別の代表的な比較は、5.8〜7.5の範囲内のpHにて増殖及び発酵させる遺伝子操作酵母と、約5.0のpHにて増殖及び発酵させる遺伝子操作酵母との比較である。
例えば、より高いpH条件にて発酵させる遺伝子操作酵母、またはより高いpH条件にて増殖及び発酵の両方をさせる遺伝子操作酵母は、より低いpH条件(例えば、pH5.0)にて増殖させる遺伝子操作酵母株との相対比較で、総ステビオールグリコシド量における約1.2X以上、約1.3X以上、約1.4X以上、約1.5X以上、約1.6X以上、約1.7X以上、約1.8X以上、約1.9X以上、または約2.0X以上の増加を示すことができる。
ある特定のステビオールグリコシド、例えばレバウジオシドD及びレバウジオシドM、のより高いpH条件での産生も、より低いpH条件にて増殖させる遺伝子操作酵母との相対比較で説明することができる。例えば、より高いpH条件にて発酵させる遺伝子操作酵母、またはより高いpH条件にて増殖及び発酵の両方をさせる遺伝子操作酵母は、より低いpH条件(例えば、pH5.0)にて増殖させる遺伝子操作酵母株との相対比較で、レバウジオシドD量において約1.4X以上、約1.5X以上、約1.6X以上、約1.7X以上、約1.8X以上、約1.9X以上、約2.0X以上、約2.1X以上の増加を示すことができる。発酵培地におけるレバウジオシドDの代表的な力価は、約1g/L以上、約1.25g/L以上、約1.5g/L以上、約1.75g/L以上、または約2.0g/L以上である。
別の例として、より高いpH条件にて発酵させる遺伝子操作酵母、またはより高いpH条件にて増殖及び発酵の両方をさせる遺伝子操作酵母は、より低いpH条件(例えば、pH5.0)にて増殖させる遺伝子操作酵母株との相対比較で、レバウジオシドM量において約1.1X以上、約1.2X以上、約1.3X以上、約1.4X以上、約1.5X以上、または約1.6X以上の増加を示すことができる。
高いpH条件にて発酵させる遺伝子操作酵母は、産生されるステビオールグリコシドの相対量における変化も示し得る。例えば、低いpHでは、遺伝子操作酵母は、ある比率(例えば、X:Y)での第1及び第2のステビオールグリコシドの産生を示すことができる。より高いpHの発酵条件に変更すると、遺伝子操作酵母は、より多くの量の第1及び第2のグリコシドを含めたグリコシドを産生できるようになり得るだけでなく、より低いpHでの産生とは異なる比率にて第1及び第2のグリコシドを産生できるようになり得る。一部の実施様式では、第1のステビオールグリコシドは、第2のステビオールグリコシドよりも分子量が低い。例えば、レバウジオシドD及びレバウジオシドMに関すれば、より高いpH(例えば、5.8〜7.5の範囲内)での発酵によって、reb D:reb Mの比率を、低いpH(例えば、pH5.0)にて増殖させるreb D:reb Mの比率と比べて増加させることができる。
一部の実施様式では、この方法は、ステップ(b)におけるレバウジオシドD:レバウジオシドMの比率が約1:20以上、例えば以下のような比率である、発酵組成物を提供する。
約1:20〜約1:1、約1:5〜約1:1、約1:2〜約1:1、約1:1.75〜約1:1、または約1:1.5〜約1:1。例えば、より高いpH条件にて発酵させる遺伝子操作酵母、またはより高いpH条件にて増殖及び発酵の両方をさせる遺伝子操作酵母は、レバウジオシドD:レバウジオシドMの比率を約1:20以上として、例えば、約1:20〜約1:1、約1:10〜約1:1、約1:7.5〜約1:1、約1:5〜約1:1、約1:3〜約1:1、約1:2〜約1:1、約1:1.75〜約1:1、または約1:1.5〜約1:1の範囲内として、示すことができる。
例えば、より高いpH条件にて発酵させる遺伝子操作酵母、またはより高いpH条件にて増殖及び発酵の両方をさせる遺伝子操作酵母は、より低いpH条件(例えば、pH5.8以下、またはpH5.0以下)にて遺伝子操作酵母株を増殖させた時のreb D:reb Mの比率との相対比較で、reb D:reb Mの比率にいて約10%以上、約20%以上、約30%以上、または約40%以上の増加を示すことができる。
より高いpHでの発酵期間の後、様々な手法を使用して、培地から1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)を含有する組成物を得ることができる。一部の実施形態では、透過剤などの化合物を培地に添加して、細胞から培地へのステビオールグリコシドの移動を強化することができる。
次に、培地を遠心処理または濾過して遺伝子操作酵母を除去することができる。培地は、任意選択により、低分子量の構成成分(グルコース、塩基栄養分、及び塩)を除去するように、例えば膜透析によって処理してもよい。望ましい使用に応じて、1つ以上のステビオールグリコシド化合物(複数可)を含む組成物を使用することができる。
発酵後、遺伝子操作酵母は、任意選択により、ステビオールグリコシドの回収を強化するように熱処理法を使用して処理してもよい。発酵後、ただし任意の熱処理前、培地は、遺伝子操作酵母内にある望ましいステビオールグリコシドの一部と共に、準最適量のステビオールグリコシドを含有し得る。ステビオールグリコシドの回収を増加させるため、一部の実施様式では、組成物(例えば遺伝子操作酵母の発酵を行ったより高いpHの培地)を、50℃〜95℃、または70℃〜95℃の範囲内の温度に、5分〜48時間の範囲内の期間の間、加熱する。
濃縮もしくは精製された形態でステビオールグリコシド含む組成物、またはある特定のステビオールグリコシドが互いに分離された形態でステビオールグリコシドを含む組成物をもたらすことが望ましい場合、さらなる精製を行うことができる。ステビオールグリコシドにおけるこのような濃縮または精製は、発酵が行われる培地上で行ってもよく、あるいはその際に培地を乾燥させてから精製してもよい。例えば、培地は凍結乾燥を使用して乾燥させて、ステビオールグリコシドを含む乾燥組成物(例えば、粉末またはフレーク)を形成することができ、ステビオールグリコシドは次に処理にかけることができる。
一部の実施様式では、ステビオールグリコシドについて濃縮された乾燥発酵ブロスは、精製の出発材料として使用する。例えば、乾燥発酵ブロスに溶媒または溶媒の組み合わせを添加して、ステビオールグリコシドを含む材料を溶解または懸濁させてもよい。ステビオールグリコシドを溶解させるための代表的な組み合わせは、水及びアルコールの混合物(例えば、50:50のエタノール:水)である。溶解または懸濁を容易にするために、乾燥ブロス材料は室温を超える温度、例えば40℃〜60℃の範囲内で加熱することができる。乾燥ブロス材料の機械的破壊も、例えば超音波処理によって実施することができる。溶解または懸濁したブロス材料は、ミクロンまたはサブミクロンを使用して濾過し、その後に、例えば分取クロマトグラフィーによって、さらに精製することができる。
ステビオールグリコシド化合物について濃縮された乾燥発酵ブロスは、例えば逆相液体クロマトグラフィーによって、精製にかけることができる。ステビオールグリコシド化合物をカラム中に保持するために好適な樹脂を使用することができ、親水性化合物は、水などの液体によってカラムを経て洗い流され、除去される。カラムからのステビオールグリコシドの溶離は、好適な溶媒または溶媒の組み合わせ、例えばアセトニトリルまたはメタノールによって遂行することができる。
逆相カラムからのステビオールグリコシドの溶離は、様々な目的のうちのいずれか1つに有用であり得る組成物をもたらし得る。例えば、精製されたステビオールグリコシド組成物は、経口摂取または経口使用のための甘味料組成物として使用することができる。この組成物は、組成物中のステビオールグリコシドに関して定義することができる。
ステビオールグリコシドを産生するS.cerevisiae株を、WO2011/153378、WO2013/022989、WO2014/122227、及びWO2014/122328(それぞれの全体が参照によって組み込まれる)に記載されている方法を使用して構築した。親株(株A)を構築するために、以下の配列を使用した:Synechococcus sp GGPPSポリペプチドをコードする組み換え遺伝子(配列番号6)、切断型Zea mays CDPSポリペプチドをコードする組み換え遺伝子(配列番号7)、Arabidopsis thaliana KSポリペプチドをコードする組み換え遺伝子(配列番号8)、組み換えStevia rebaudiana KOポリペプチドをコードする組み換え遺伝子(配列番号9、配列番号10)、A. thaliana ATR2ポリペプチドをコードする組み換え遺伝子(配列番号11、配列番号12)、Oryza sativa EUGT11ポリペプチドをコードする組み換え遺伝子(配列番号13)、SrKAHe1ポリペプチドをコードする組み換え遺伝子(配列番号14、配列番号15)、Stevia rebaudiana CPR8ポリペプチドをコードする組み換え遺伝子(配列番号16、配列番号17)、Stevia rebaudiana UGT85C2ポリペプチドをコードする組み換え遺伝子(配列番号2)、Stevia rebaudiana UGT74G1ポリペプチドをコードする組み換え遺伝子(配列番号1)、Stevia rebaudiana UGT76G1ポリペプチドをコードする組み換え遺伝子(配列番号3)、及びStevia rebaudiana UGT91D2変異体(または機能的ホモログ)、UGT91D2e−b、(配列番号4)ポリペプチドをコードする組み換え遺伝子は、ステビオールグリコシドを産生した。
UGT91D2のUGT91D2e−b変異体(PCT/US2012/050021からの配列番号5)は、211位におけるロイシンからメチオニンへの置換及び、286位におけるバリンからアラニンへの置換を含む。(PCT/US2012/050021の表12及び実施例11に記載の、T144S、M152L、L213F、S364P、及びG384C変異体以外の追加の変異体も使用できると思われる。)アミノ酸修飾L211M及びV286Aを含むStevia rebaudiana UGT91D2e−bをコードするGeneArtコドン最適化配列(アミノ酸配列は配列番号4;コドン最適化ヌクレオチド配列は配列番号5に示される)。
株Bは上述の親株に由来し、Stevia rebaudianaからのコドン最適化CPR1(アミノ酸配列番号19に対応する配列番号18)を追加的に含む。
株Cは株Bに由来し、配列番号20によるKOポリペプチドをコードする遺伝子を追加的に含む。
株Dは株Cに由来し、配列番号21によるKAHポリペプチドをコードする遺伝子を追加的に含む。
株Eは株Cに由来し、配列番号22によるCPR4497ポリペプチドをコードする遺伝子を追加的に含む。
本開示の典型例をさらに示すために、以下にいくつかの追加の非限定的な実施形態を提供する。
1.ステビオールグリコシドを産生する方法であって、
(a)第1の培地中で第1のpHにて、1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)を産生できる遺伝子操作酵母を増殖させることと、
(b)前記第1の培地に組成物を添加して、前記第1のpHよりも高い第2のpHを有する第2の培地を用意することと、
(c)前記遺伝子操作酵母を発酵させて、前記第2の培地中で前記第2のpHにて、前記1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)を産生することと、を含む前記方法。
2.前記第1のpHが6.0未満である、実施形態1に記載の方法。
3.前記第1のpHが4.0〜5.5の範囲である、実施形態2に記載の方法。
4.前記第2のpHが5.0より大きい、実施形態1に記載の方法。
5.前記第2のpHが5.5〜8の範囲である、実施形態4に記載の方法。
6.前記第2のpHが5.8〜7.5の範囲である、実施形態5に記載の方法。
7.前記組成物が、水酸化アンモニウム、尿素、及び硫酸アンモニウムからなる群から選択される窒素含有化合物を含む、実施形態1に記載の方法。
8.水酸化アンモニウム、尿素、または硫酸アンモニウムが、前記培地における前記遺伝子操作酵母の発酵のための主要窒素源である、実施形態7に記載の方法。
9.水酸化アンモニウムまたは尿素が、前記第2の培地における前記遺伝子操作酵母の発酵のための前記窒素源の90%(wt)以上、または95%(wt)以上である、実施形態8に記載の方法。
10.ステップ(b)において、前記組成物が非窒素塩基を含む、実施形態1に記載の方法。
11.前記非窒素塩基が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カルシウムからなる群から選択される、実施形態10に記載の方法。
12.水酸化アンモニウム、尿素、または硫酸アンモニウムが、前記第2の培地における前記遺伝子操作酵母の発酵のための窒素源の90%(wt)以上、または95%(wt)以上である、実施形態8に記載の方法。
13.ステップ(a)において、前記第1の培地が、水酸化アンモニウム、尿素、硫酸アンモニウム、またはこれらの任意の組み合わせを含み、ステップ(b)において、前記第2の培地が、前記第1の培地に、水酸化アンモニウム、尿素、硫酸アンモニウム、またはこれらの任意の組み合わせ、及び任意選択により非窒素塩基、を含む組成物を添加することによって達成される、実施形態7に記載の方法。
14.前記第1の培地が25g/L以下の濃度でグルコースを含む、実施形態1に記載の方法。
15.前記第1の培地が、グルコース、水酸化アンモニウムまたは尿素以外の窒素源、カリウム源、マグネシウム源、微量金属、及びビタミンを含む、実施形態1に記載の方法。
16.ステップ(b)において、前記第2の培地が400g/L〜750g/Lの範囲の濃度でグルコースを含む、実施形態1に記載の方法。
17.ステップ(b)において、前記第2の培地が、グルコース、窒素源、カリウム源、マグネシウム源、リン酸源、マグネシウム源、微量金属、ビタミン、及び消泡剤を含む、実施形態1に記載の方法。
18.ステップ(b)が、前記遺伝子操作酵母を含む前記第2の培地に対する、追加の発酵材料の連続的添加またはバッチ添加を含む、実施形態1に記載の方法。
19.ステップ(b)が、前記遺伝子操作酵母の初期培養から2時間以降に実施される、実施形態1に記載の方法。
20.ステップ(b)が、前記遺伝子操作酵母の初期培養から最長150時間までに実施される、実施形態1に記載の方法。
21.ステップ(b)が、前記遺伝子操作酵母の初期培養から10時間以降または最長96時間までに実施される、実施形態20に記載の方法。
22.ステップ(b)が、前記遺伝子操作酵母の初期培養から24時間以降または最長72時間までに実施される、実施形態21に記載の方法。
23.前記遺伝子操作酵母がステップ(b)において前記第2のpHにて産生する前記1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)の量は、発酵の終始にわたり遺伝子操作酵母が前記第1のpHにて維持された場合に産生する前記1つ以上のステビオールグリコシドの量よりも10%以上多い、実施形態1に記載の方法。
24.前記遺伝子操作酵母がステップ(b)において前記第2のpHにて産生する前記1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)の量は、発酵の終始にわたり遺伝子操作酵母が前記第1のpHにて維持された場合に産生する前記1つ以上のステビオールグリコシドの量よりも20%以上多い、実施形態23に記載の方法。
25.前記1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)が、レバウジオシドM、レバウジオシドD、またはレバウジオシドM及びレバウジオシドDの両方を含む、実施形態1に記載の方法。
26.前記遺伝子操作酵母がステップ(b)において前記第2のpHにて産生するレバウジオシドD:レバウジオシドMの比率は、発酵の終始にわたり遺伝子操作酵母が前記第1のpHにて維持された場合に産生するレバウジオシドD:レバウジオシドMの比率よりも大きい、実施形態25に記載の方法。
27.ステップ(b)における前記レバウジオシドD:レバウジオシドMの比率が1:20以上である、実施形態26に記載の方法。
28.ステップ(b)における前記レバウジオシドD:レバウジオシドMの比率が1:20〜1:1の範囲である、実施形態27に記載の方法。
29.前記遺伝子操作酵母が、Candida、Kloeckera(Hanseniaspora)、Kluyveromyces、Lipomyces、Pichia(Hansenula)、Rhodotorula、Saccharomycete、Saccharomyces、Schizosaccharomyces、Torulopsis、Torulaspora、Yarrowia、及びZygosaccharomycesからなる群から選択される、実施形態1に記載の方法。
30.前記遺伝子操作酵母がSaccharomyces cerevisiaeである、実施形態29に記載の方法。
31.前記遺伝子操作酵母が、前記酵母に対して異種である以下のタンパク質のうちの1つ以上をコードする1つ以上の外因性核酸(複数可)を発現する、実施形態1に記載の方法:GGPPSポリペプチド、enf−コパリル二リン酸シンターゼ(CDPS)ポリペプチド、カウレンオキシダーゼ(KO)ポリペプチド、カウレンシンターゼ(KS)ポリペプチド;ステビオールシンターゼ(KAH)ポリペプチド、シトクロムP450リダクターゼ(CPR)ポリペプチド、UGT74G1ポリペプチド、UGT76G1ポリペプチド、UGT91 d2ポリペプチド、及びEUGT11ポリペプチド。
32.前記遺伝子操作酵母が、前記酵母に対して異種である以下のタンパク質のうちの1つ以上をコードする1つ以上の外因性核酸(複数可)を発現する、実施形態1に記載の方法:GGPPSポリペプチド、切断型Zea mays CDPSポリペプチド、A.thaliana KSポリペプチド、S.rebaudiana KOポリペプチド、A.thaliana ATR2ポリペプチド、O.sativa EUGT11ポリペプチド、SrKAHe1ポリペプチド、S.rebaudiana CPR8ポリペプチド、S.rebaudiana UGT85C2ポリペプチド、S.rebaudiana UGT74G1ポリペプチド、S.rebaudiana UGT76G1ポリペプチド、S.rebaudiana UGT91D2変異体または機能的ホモログ、及びUGT91D2e−bポリペプチド。
33.前記遺伝子操作酵母を含むシード培地を用意するステップをさらに含み、続いて前記シード培地が、前記培地を前記第1のpHにて形成するために使用される、先行実施形態のいずれかに記載の方法。
34.ステップ(a)〜(c)が単一の容器中で実施される、先行実施形態のいずれかに記載の方法。
35.ステップ(a)〜(c)が2つ以上の異なる容器中で実施される、実施形態1から33のいずれか1つに記載の方法。
36.ステビオールグリコシドを産生する方法であって、
1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)を産生する遺伝子操作酵母を、発酵培地中で6.0以上のpHにて発酵させるステップを含む、前記方法。
37.前記発酵培地が、水酸化アンモニウム、尿素、及び硫酸アンモニウムから選択される窒素源を含む、実施形態36に記載の方法。
38.前記pHが6.0〜7.5の範囲である、実施形態37に記載の方法。
39.前記pHが6.5〜7.5の範囲である、実施形態38に記載の方法。
40.水酸化アンモニウムまたは尿素が、前記培地における前記遺伝子操作酵母の発酵のための窒素源の90%(wt)以上、または95%(wt)以上である、実施形態36に記載の方法。
41.前記培地が、グルコース、窒素源、カリウム源、マグネシウム源、リン酸源、マグネシウム源、微量金属、ビタミン、及び消泡剤を含む、実施形態36に記載の方法。
42.前記遺伝子操作酵母を含む前記培地に対する、追加の発酵材料の連続的添加またはバッチ添加をさらに含む、実施形態36に記載の方法。
43.最長150時間までの期間の間実施される、実施形態36に記載の方法。
44.8〜88時間の範囲の期間の間実施される、実施形態43に記載の方法。
45.22〜48時間の範囲の期間の間実施される、実施形態44に記載の方法。
46.前記1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)が、レバウジオシドM、レバウジオシドD、またはレバウジオシドM及びレバウジオシドDの両方を含む、実施形態36に記載の方法。
47.前記発酵培地が、20〜120g dcw/Lの範囲の生物体量を有する、実施形態33に記載の方法。
48.遺伝子操作酵母において、第1の低分子量ステビオールグリコシドの産生を、第2の高分子量ステビオールグリコシドに対して増加させる方法であって、1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)を産生できる遺伝子操作酵母を、発酵培地中で6.0以上のpHにて発酵させるステップを含み、前記遺伝子操作酵母がpH6.0以上で産生する前記第1及び第2のステビオールグリコシドは、pH6.0未満で産生される前記第1及び第2のステビオールグリコシドの比率よりも大きい、前記方法。
49.6.0以上のpHにおける前記第1及び第2のステビオールグリコシドの前記比率が、6.0未満のpHにて産生される前記第1及び第2のステビオールグリコシドの前記比率の10%以上である、実施形態48に記載の方法。
50.6.0以上のpHにおける前記第1及び第2のステビオールグリコシドの前記比率が、6.0未満のpHにて産生される前記第1及び第2のステビオールグリコシドの前記比率の25%以上である、実施形態49に記載の方法。
51.前記第1のステビオールグリコシドがレバウジオシドDであり、前記第2のステビオールグリコシドがレバウジオシドMである、実施形態48に記載の方法。
52.前記1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)を産生するために遺伝子操作酵母を使用する発酵方法に由来する組成物であって、レバウジオシドD及びレバウジオシドMをそれぞれ1:20以上の比率で含む、前記組成物。
53.レバウジオシドD及びレバウジオシドMをそれぞれ1:5〜1:1の範囲の比率で含む、実施形態52に記載の組成物。
54.レバウジオシドD及びレバウジオシドMをそれぞれ1:1.75〜1:1の範囲の比率で含む、実施形態53に記載の組成物。
55.レバウジオシドD及びレバウジオシドMをそれぞれ1:1.5〜1:1の範囲の比率で含む、実施形態54に記載の組成物。
56.発酵培地である、実施形態52から55のいずれか1つに記載の組成物。
57.前記発酵培地が、1g/L以上、1.25g/L以上、1.5g/L以上、1.75g/L以上、または2.0g/L以上のレバウジオシドD濃度を有する、実施形態56に記載の組成物。
実施例1
主要N源として尿素または水酸化アンモニウムを用いた、より高いpHでの流下発酵におけるReb D及びReb Mの産生
接種物調製のため、酵母株B及び株Cを、1リットルの振とうフラスコ中の150mLのシードフラスコ培地中で、250rpm及び30℃にて20〜24時間培養した。
Figure 2018516600
発酵のため、75mLのシード培養物を開始量0.75リットルの初期発酵培地(表2、3及び4)に移した。2LのNew Brunswick BioFlo310発酵槽中で発酵を行った。温度を終始30℃に維持した。溶解酸素が20%未満であるように空気流量を維持し、攪拌速度は、発酵中、400rpmから900rpmに段階的に増加するよう自動制御した。フィード培地の流量を制御することによってグルコース濃度を限定的に保った(表5)。2期のフィード方式は、10時間時にてu=0.12l/hの増殖速度で開始する初期の指数関数期を伴い、一方第2のフィード期(すなわちフィードII期)は、33時間時にて0.180ml/分の一定流量で開始した。フィードは、120時間までに1.95リットルの最終量を得るまで継続した。
株B処理のあるセットでは、12%のNH4OHを用いてpHを5に制御した。次に、第2のフィード期において、NH4OHを用いて、pHを5に制御するか、またはpH6もしくはpH7まで増やした。消泡剤の添加は、10wt%の消泡剤溶液(Ivanhoe1163B)と共に発泡制御プローブを利用することによって制御した。表6の結果を参照。
12%のNH4OHを用いてpH5でのpH制御を行った株Cの結果を表7に示す。
株B処理の別のセットでは、発酵を、1)12%のNH4OHを用いてpH5.0に、2)6.2NのKOHのみを用いて(pHは7まで変動)培地中に存在する尿素と共に、制御した。結果を表8に示す。
培地は、Verduyn et al(Verduyn C,Postma E,Scheffers WA,Van Dijken JP.Yeast.1992 Jul;8(7):501−17)を表2〜5に記載のように改変したものに基づいた。尿素処理については、初期発酵培地において硫酸アンモニウムを15g/Lに増加させ、発酵フィード培地において尿素を39g/Lに添加した。KOHは、尿素処理におけるpH制御用の塩基として、NHOHの代わりに使用した。
Figure 2018516600
Figure 2018516600

Figure 2018516600

Figure 2018516600
グルコースにおけるRed DM収率を、利用された総グルコースに基づいて算出した。生物体量におけるReb DMの収率は、細胞乾燥重量に基づいた。Reb DMの産生力は、Reb D及びReb Mの濃度の合計を、最終発酵時間(フィード培地が空になった時間として決定された)で割って算出した。細胞乾燥重量の生物体量決定は、当技術分野で一般的な濾過/オーブン法(filtration/oven method)に基づいた。ステビオールグリコシドの定量化は、以下に記載する高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析によって行い、Chromadexから購入した真正の標準物質を使用して得られる較正曲線と比較することができる。
100μLの発酵培地をピペットで2mLの微量遠心機チューブに移した。900μLの61%メタノール(抽出溶媒)を2mLの微量遠心機チューブに添加し、試料回転機に設置することにより10分間攪拌してステビオールグリコシドを抽出した。次に、試料を微量遠心機中で10K rpmにて3分間遠心処理し、分析のため、清澄化した上清をピペットでオートサンプラーのバイアルに移した。
グリコシド分離のためのUHPLC法
ステビオールグリコシドの分離は、2つの直列のAgilent SB−C18 RRHDカラム(2.1mmx150mm、1.8um)及びプレカラムフィルターとして取り付けられたOptimize Technologiesのステムフィルターアセンブリーを使用して行った。使用した移動相は、チャネルA:水中0.01%トリフルオロ酢酸(TFA)及びチャネルBのアセトニトリルであった。流量は0.38mL/分、カラム温度は65℃であり、検出を210nmの紫外線吸収にて実施した。グラジエント溶離プロファイルを以下に示す。

Figure 2018516600
Cargill,Inc lot1008−005のReb A(純度98.85%)を55%のMeOHにおいて以下の濃度で較正を実施した:0.35、0.175、0.07、0.035、0.014、0.007mg/mL。全てのグリコシドをReb A曲線に基づいて定量化する。Reb D、Reb M、及びReb BのReb Aに対する実験的補正係数を決定し、一方で他の全ての分析物を分子量に基づいて補正する。典型的な発酵ブロスの例を添付する。
Figure 2018516600

Figure 2018516600
表6a及び6bでは、グルコースにおけるReb DM収率%=Reb DM(g/L)/消費されたグルコース(g/L)*100である。生物体量におけるReb DM収率%=Reb DM(g/L)/産生された生物体量(g細胞乾燥重量(CDWまたはDCW)/L)*100である。Reb D及びReb Mの力価は元々g/Lで測定された。対照との比較は、処理の値÷対照の値*100%である。例えば、処理のReb D(g/L)÷対照のReb D*100%は、対照の%に等しい。
Figure 2018516600

Figure 2018516600

Figure 2018516600

Figure 2018516600
より高いpHでの遺伝子操作酵母の発酵により、力価、産生速度及び収率の増加、ならびにステビオールグリコシドReb D及びReb Mの比速度の増加がもたらされた。また、より高いpHでの発酵により、ステビオールグリコシドのReb D:Reb Mの比率の増加ももたらされた。Reb D及びReb Mの力価の増加は、より高いpH条件における複数の株で観察された。
実施例2
より高いpHでの流下発酵におけるReb D及びReb Mの産生
2L(仕込量)の発酵槽において好気的に流下発酵を行った。同じ培地中で増殖させたシード培地を使用して、500mLの初期ミネラル培地(表9)を接種して、0.2の初期ODに到達させた。4相の指数関数的フィードプロファイル及び表2に記載のフィード培地を使用して、培養物をバッチモードで18時間運転し、次に流下発酵モードで約110時間運転した。グルコースを炭素源及びエネルギー源として利用し、完全な呼吸代謝を可能にする(エタノール形成を最小限に抑える)ため、流量を制御することによってグルコースの濃度を限定的に保った。全体のプロセス中、空気流を約1vvmに保ち、最初の42時間は攪拌を800rpmに設定し、次に残りのプロセスについては増加させ1200rpmにて維持した。発酵の終始にわたり、温度を30℃に制御した。
デフォルトの発酵セットアップでは、最初の42時間は8%のNH4OHを使用してpHをpH5.0にて制御し、次に残りのプロセスについては16%のNH4OHに切り替える。
ある処理のセットでは、最初の42時間は8%のNH4OHを使用して、初めは発酵をpH5.0にて制御し、次に、16%のNH4OHを使用して5時間の時間間隔でpH6.0に増やして(1時間当たり0.2pH単位の増加)プロセスの最後まで至る。表13に示す結果を参照。第2の処理のセットでは、最初の42時間はNH4OHを使用し、それ以降は16%のNH4OHを使用して、プロセスの終始にわたり発酵のpHをpH6.0にて制御する。表14に示す結果を参照。
上述の条件のセット全てにおいて、700mLのフィード培地を用いた。
実施例1に記載のようにReb D及びReb Mのレベルを調べるため、培養物試料全体を(細胞除去なしで)取り出し、等体積のDMSO中で煮沸した。
Figure 2018516600

Figure 2018516600

Figure 2018516600

Figure 2018516600
pH5.0(対照)vs.高いpHの酵母株Eを使用して実施した発酵についての結果概要を表13に示す。全ブロス試料において測定された全てのステビオールグリコシドについて、正規化された結果を提示する。
Figure 2018516600
pH5.0(対照)vs.高いpHで酵母株Dを使用して実施した発酵についての結果概要を表14に示す。全ブロス試料において測定された全てのステビオールグリコシドの正規化された結果を、下の表に提示する。
Figure 2018516600
この実施例では、全ケースにおいて、全ての発酵経過時間が同等であり、供給された基質(グルコース)の量も同じであった。そのため、pH6.0での発酵プロセスの操作を、バッチ期の開始から行う場合及び最初の42時間の後に増加を実施する場合の両方において、追加の株によるReb D及びMの力価の増加、グルコースにおける収率の増加、及び産生速度の増加がもたらされたことになる。

Claims (68)

  1. ステビオールグリコシドを産生する方法であって、
    1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)を産生する遺伝子操作酵母を用いて5.8以上のpHにて発酵培地を発酵させることを含み、前記1つ以上のステビオールグリコシドが、レバウジオシドD、レバウジオシドMまたはD:M比率が1:20以上であるレバウジオシドDMを含む、前記方法。
  2. 前記pHが5.8〜8の範囲である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記pHが6.0〜7.5の範囲である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記pHが6.5〜7.5の範囲である、請求項2に記載の方法。
  5. 前記pHが5.8〜6.5の範囲である、請求項2に記載の方法。
  6. 前記pHが5.8〜6.2の範囲である、請求項2に記載の方法。
  7. 前記発酵培地が、水酸化アンモニウム、酵母抽出物、尿素、及び硫酸アンモニウムから選択される窒素源を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 水酸化アンモニウムまたは尿素が、前記培地における前記遺伝子操作酵母の発酵のための窒素源の90%(wt)以上、または95%(wt)以上である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記培地が、グルコース、窒素源、カリウム源、マグネシウム源、リン酸源、マグネシウム源、微量金属、ビタミン、及び消泡剤を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記遺伝子操作酵母を含む前記培地に対する、追加の発酵材料の連続的添加またはバッチ添加をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  11. 最長150時間までの期間の間実施される、請求項1に記載の方法。
  12. 8〜88時間の範囲の期間の間実施される、請求項11に記載の方法。
  13. 22〜48時間の範囲の期間の間実施される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記発酵培地が、20〜120g dcw/Lの範囲の生物体量を有する、請求項1に記載の方法。
  15. 前記遺伝子操作酵母の産生する1つ以上のグリコシド(複数可)が、発酵の終始にわたり遺伝子操作酵母が第1のpHにて維持された場合に産生される前記1つ以上のステビオールグリコシドの量よりも10%以上多い、請求項1に記載の方法。
  16. 前記遺伝子操作酵母が産生する、前記1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)が、発酵の終始にわたり遺伝子操作酵母が前記第1のpHにて維持された場合に産生される前記1つ以上のステビオールグリコシドの量よりも20%以上多い、請求項15に記載の方法。
  17. 前記遺伝子操作酵母がpH5.8以上で産生するレバウジオシドD:レバウジオシドMの比率が、発酵の終始にわたり遺伝子操作酵母が第1のpHにて維持された場合に産生されるレバウジオシドD:レバウジオシドMの比率よりも大きいを、請求項1に記載の方法。
  18. 前記レバウジオシドD:レバウジオシドMの比率が1:20〜1:1の範囲である、請求項1に記載の方法。
  19. 前記遺伝子操作酵母を、第1の培地中で第1のpHにて増殖させることをさらに含み、前記第1のpHが前記発酵培地の前記pHと同じである、請求項1に記載の方法。
  20. ステビオールグリコシドを産生する方法であって、
    (a)第1の培地中で第1のpHにて、1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)を産生可能な遺伝子操作酵母を増殖させることと、
    (b)前記第1の培地に組成物を添加して、前記第1のpHよりも高い第2のpHを有する第2の培地を用意することと、
    (c)前記遺伝子操作酵母を用いて第2の培地を発酵させて、前記第2の培地中で前記第2のpHにて、前記1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)を産生することと、を含む前記方法。
  21. 前記第1のpHが5.8未満である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記第1のpHが4.0〜5.5の範囲である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記第2のpHが5.0より大きい、請求項21に記載の方法。
  24. 前記第2のpHが5.8〜8の範囲である、請求項21に記載の方法。
  25. 前記第2のpHが5.8〜7.5の範囲である、請求項21に記載の方法。
  26. 前記pHが6.5〜7.5の範囲である、請求項21に記載の方法。
  27. 前記pHが5.8〜6.5の範囲である、請求項21に記載の方法。
  28. 前記pHが5.8〜6.2の範囲である、請求項21に記載の方法。
  29. 前記組成物が、前記第2のpHを調整するための塩基を含む、請求項20に記載の方法。
  30. 前記塩基が、水酸化アンモニウム、酵母抽出物、尿素、及び硫酸アンモニウムからなる群から選択される窒素含有化合物を含む、請求項29に記載の方法。
  31. 水酸化アンモニウム、酵母抽出物、尿素、または硫酸アンモニウムが、前記培地における前記遺伝子操作酵母の発酵のための主要窒素源である、請求項20に記載の方法。
  32. 水酸化アンモニウムまたは尿素が、前記第2の培地における前記遺伝子操作酵母の発酵のための窒素源の90%(wt)以上、または95%(wt)以上である、請求項31に記載の方法。
  33. ステップ(b)において、前記組成物が非窒素塩基を含む、請求項20に記載の方法。
  34. 前記非窒素塩基が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カルシウムからなる群から選択される、請求項33に記載の方法。
  35. 水酸化アンモニウム、尿素、または硫酸アンモニウムが、前記第2の培地における前記遺伝子操作酵母の発酵のための前記窒素源の90%(wt)以上、または95%(wt)以上である、請求項29に記載の方法。
  36. ステップ(a)において、前記第1の培地が、水酸化アンモニウム、尿素、硫酸アンモニウム、またはこれらの任意の組み合わせを含み、ステップ(b)において、前記第2のpHが、前記第1の培地に、水酸化アンモニウム、尿素、硫酸アンモニウム、またはこれらの任意の組み合わせ、及び任意選択により非窒素塩基、を含む前記組成物を添加することによって達成される、請求項20に記載の方法。
  37. 前記第1の培地が25g/L以下の濃度でグルコースを含む、請求項20に記載の方法。
  38. 前記第1の培地が、グルコース、水酸化アンモニウムまたは尿素以外の窒素源、カリウム源、マグネシウム源、微量金属、及びビタミンを含む、請求項20に記載の方法。
  39. 前記第2の培地が400g/L〜750g/Lの範囲の濃度でグルコースを含む、請求項20に記載の方法。
  40. ステップ(b)において、前記第2の培地が、グルコース、窒素源、カリウム源、マグネシウム源、リン酸源、マグネシウム源、微量金属、ビタミン、及び消泡剤を含む、請求項20に記載の方法。
  41. ステップ(b)が、前記遺伝子操作酵母を含む前記第2の培地に対する、追加の発酵材料の連続的添加またはバッチ添加を含む、請求項20に記載の方法。
  42. ステップ(b)が、前記遺伝子操作酵母の初期培養から2時間以降に実施される、請求項20に記載の方法。
  43. ステップ(b)が、前記遺伝子操作酵母の初期培養から最長150時間までに実施される、請求項20に記載の方法。
  44. ステップ(b)が、前記遺伝子操作酵母の初期培養から10時間以降または最長96時間までに実施される、請求項42に記載の方法。
  45. ステップ(b)が、前記遺伝子操作酵母の初期培養から24時間以降または最長72時間までに実施される、請求項42に記載の方法。
  46. 前記遺伝子操作酵母がステップ(b)において前記第2のpHにて産生する、前記1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)は、発酵の終始にわたり遺伝子操作酵母が前記第1のpHにて維持された場合に産生する前記1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)の量よりも10%以上多い、を、請求項20に記載の方法。
  47. 前記遺伝子操作酵母がステップ(b)において前記第2のpHにて産生する前記1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)は、発酵の終始にわたり遺伝子操作酵母が前記第1のpHで維持された場合に産生する前記1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)の量よりも20%以上多い、請求項45に記載の方法。
  48. 前記1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)が、レバウジオシドM、レバウジオシドD、またはレバウジオシドM及びレバウジオシドDの両方を含む、請求項20に記載の方法。
  49. 前記遺伝子操作酵母がステップ(b)において前記第2のpHにて産生するレバウジオシドD:レバウジオシドMの比率は、発酵の終始にわたり遺伝子操作酵母が前記第1のpHにて維持された場合に産生するレバウジオシドD:レバウジオシドMの比率よりも大きい、請求項47に記載の方法。
  50. ステップ(b)における前記レバウジオシドD:レバウジオシドMの比率が1:20以上である、請求項47に記載の方法。
  51. ステップ(b)における前記レバウジオシドD:レバウジオシドMの比率が1:20〜1:1の範囲である、請求項49に記載の方法。
  52. 前記遺伝子操作酵母が、Candida、Kloeckera(Hanseniaspora)、Kluyveromyces、Lipomyces、Pichia(Hansenula)、Rhodotorula、Saccharomycete、Saccharomyces、Schizosaccharomyces、Torulopsis、Torulaspora、Yarrowia、及びZygosaccharomyces由来である、請求項1から50のいずれか1項に記載の方法。
  53. 前記遺伝子操作酵母がSaccharomyces cerevisiaeである、請求項51に記載の方法。
  54. 前記遺伝子操作酵母が、前記酵母に対して異種である以下のタンパク質のうちの1つ以上をコードする1つ以上の外因性核酸(複数可)を発現する、請求項1から53のいずれか1項に記載の方法:GGPPSポリペプチド、ent−コパリル二リン酸シンターゼ(CDPS)ポリペプチド、カウレンオキシダーゼ(KO)ポリペプチド、カウレンシンターゼ(KS)ポリペプチド;ステビオールシンターゼ(KAH)ポリペプチド、シトクロムP450リダクターゼ(CPR)ポリペプチド、UGT74G1ポリペプチド、UGT76G1ポリペプチド、UGT91−D2ポリペプチド、及びEUGT11ポリペプチド
  55. 前記遺伝子操作酵母が、前記酵母に対して異種である以下のタンパク質のうちの1つ以上をコードする1つ以上の外因性核酸(複数可)を発現する、請求項1から54のいずれか1項に記載の方法:GGPPSポリペプチド(配列番号6)、切断型Zea mays CDPSポリペプチド(配列番号7)、Arabidopsis thaliana KSポリペプチド(配列番号8)、Stevia rebaudiana KOポリペプチド(配列番号9)、Arabidopsis thaliana ATR2ポリペプチド(配列番号11)、Oryza sativa EUGT 11ポリペプチド(配列番号13)、SrKAHe1ポリペプチド(配列番号14)、Stevia rebaudiana CPR8ポリペプチド(配列番号16)、Stevia rebaudiana UGT85C2(配列番号2)ポリペプチド、Stevia rebaudiana UGT74G1ポリペプチド(配列番号1)、Stevia rebaudiana UGT76G1ポリペプチド(配列番号3)、Stevia rebaudiana UGT91D2(配列番号4)、変異体または機能的ホモログ、及びUGT91D2e−bポリペプチド(配列番号5)。
  56. 前記遺伝子操作酵母を含むシード培地を用意するステップをさらに含み、続いて前記シード培地が、前記第1のpHの前記第1培地を形成するために使用される、先行請求項のいずれかに記載の方法。
  57. ステップ(a)〜(c)が単一の容器中で実施される、先行請求項のいずれかに記載の方法。
  58. ステップ(a)〜(c)が2つ以上の異なる容器中で実施される、請求項20から56のいずれか1項に記載の方法。
  59. 遺伝子操作酵母において、第1の低分子量ステビオールグリコシドの産生を、第2の高分子量ステビオールグリコシドに対して増加させる方法であって、1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)を産生できる遺伝子操作酵母を、発酵培地中で5.8以上のpHにて発酵させるステップを含み、前記遺伝子操作酵母が、5.8未満のpHにて産生される前記第1及び第2ステビオールグリコシドの比率よりも大きい比率の前記第1及び第2のステビオールグリコシドを5.8以上のpHにて産生する、前記方法。
  60. 5.8以上のpHにおける前記第1及び第2のステビオールグリコシドの前記比率が、5.8未満のpHにて産生される前記第1及び第2のステビオールグリコシドの前記比率の10%以上である、請求項58に記載の方法。
  61. 5.8以上のpHにおける前記第1及び第2のステビオールグリコシドの前記比率が、5.8未満のpHにて産生される前記第1及び第2のステビオールグリコシドの前記比率の25%以上である、請求項59に記載の方法。
  62. 前記第1のステビオールグリコシドがレバウジオシドDであり、前記第2のステビオールグリコシドがレバウジオシドMである、請求項58に記載の方法。
  63. 前記1つ以上のステビオールグリコシド(複数可)を産生するために遺伝子操作酵母を使用する発酵方法に由来する組成物であって、レバウジオシドD及びレバウジオシドMをそれぞれ1:20以上の比率で含む、前記組成物。
  64. レバウジオシドD及びレバウジオシドMをそれぞれ1:5〜1:1の範囲の比率で含む、請求項62に記載の組成物。
  65. レバウジオシドD及びレバウジオシドMをそれぞれ1:1.75〜1:1の範囲の比率で含む、請求項63に記載の組成物。
  66. レバウジオシドD及びレバウジオシドMをそれぞれ1:1.5〜1:1の範囲の比率で含む、請求項64に記載の組成物。
  67. 発酵培地である、請求項58から65のいずれか1項に記載の組成物。
  68. 前記発酵培地が、1g/L以上、1.25g/L以上、1.5g/L以上、1.75g/L以上、または2.0g/L以上のレバウジオシドD濃度を有する、請求項66に記載の組成物。
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