JP2018516447A - 注入型及び照射型チャンネルを具備する抵抗ランダムアクセスメモリ - Google Patents

注入型及び照射型チャンネルを具備する抵抗ランダムアクセスメモリ Download PDF

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Abstract

【課題】 一様性を増加させた抵抗RAM(RRAM)装置及び関連する製造方法が記載される。【解決手段】 一層多数のRRAMセルを包含しているチップ全体に亘り性能の一層大きな一様性は、照射損傷の使用を介してスイッチング層内に向上されたチャンネルを一様に形成することにより達成することが可能である。種々の記載する実施例に基づいて、該照射はイオン、電磁フォトン、中性粒子、電子、及び超音波の形式とすることが可能である。【選択図】 図1

Description

関連出願参照
本願は、以下の特許出願に対して可能な範囲で優先権を主張し且つそれらの内容を引用により取り込む。
国際特許出願番号PCT/US14/039990、2014年5月29日出願;
米国仮出願番号62/100028号、2015年1月5日出願;
米国仮出願番号62/112159号、2015年2月4日出願;
米国仮出願番号62/132507号、2015年3月13日出願;
米国仮出願番号62/137282号、2015年3月24日出願;
米国仮出願番号62/144328号、2015年4月7日出願;
米国仮出願番号62/145450号、2015年4月9日出願;
米国仮出願番号62/151394号、2015年4月22日出願;
米国仮出願番号62/171209号、2015年6月4日出願;
米国仮出願番号62/172110号、2015年6月7日出願。
更に、本特許出願は以下の出願の各々に関連しており且つそれを引用により取り込む。
米国仮出願番号61/828667号、2013年5月29日出願;
米国仮出願番号61/859764号、2013年7月29日出願。
本発明は、大略、主に抵抗(resistive)ランダムアクセスメモリ(「抵抗変化型ランダムアクセスメモリ」とも言う)装置に関するものである。更に詳細には、幾つかの実施例は電圧を形成する必要性無しに、荷電種の移動度を向上させるために注入型及び/又は照射型のチャンネルのような通路構造で形成された抵抗ランダムアクセスメモリに関するものである。
抵抗ランダムアクセスメモリ(RRAM,ReRAM,又はメモリスター(memristor)とも言う)装置の製造において、典型的には遷移金属酸化物であるスイッチング層が上部電極と下部電極との間に位置される。そのバルクスイッチング層は初期的には非導通状態である。しかしながら、該上部電極と下部電極との間に十分に大きな電圧(「フォーミング電圧」)を印加することによって、該バルクスイッチング層内に場当たり的な導通経路を形成することが可能である。一般的に物質の品質及びスイッチング層の厚さに依存するフォーミング電圧は、ブレークダウン電圧と等しいものとなることが可能であり且つ数ボルトから数十ボルトの範囲となる場合がある。導通経路が一度形成されると、適宜に印加される電圧(「スイッチング電圧」)によってリセットさせるか(破壊されて高抵抗となる)、又はセット(リフォーム即ち再度フォーミングされてより低い抵抗となる)させることが可能である。フォーミングプロセス及び印加された電界の下で荷電種が移動するための経路の場当たり的な性質は、システム適用のための大規模メモリ/コンピューティングアレイに対して望ましいものではない。
米国特許公開明細書US2008/0090337A1 米国特許公開明細書US2004/0160812A1 米国特許公開明細書US2008/0185572A1 米国特許公開明細書US2008/0296550A1
印加電界の下での荷電イオン/空位(vacancies)/電子によって取られる経路は場当たり的となる傾向があるので、RRAMの電流及び電圧の特性において著しい変動がしばしば観察される。この様な変動は、スイッチング電圧における変動と、状態の抵抗率(高抵抗率状態(HRS)及び低抵抗率状態(LRS))における変動と、の両方の変動を包含している。更に、それらの変動は、しばしば、同一のチップ内の異なるRRAM装置間においてのみならず、同一のRRAM装置の再現性の両方において示される。それらの変動は、システムの観点からは極めて望ましくないものである。というのは、単一のメモリ要素に対してその動作点を動的に決定するために各メモリを尋問するためにアルゴリズム及び多分装置を開発することが必要だからである。数十億個乃至数兆個のメモリ要素を取り扱うことを考慮すると、これらの変動は全体的なデータ格納及び検索プロセスの性能をかなりスローダウンさせる場合がある。
本書においてクレームされる要旨は何らかの特定の欠点を解消するか又は上述したような環境においてのみ動作する実施例に制限されるものではない。寧ろ、この背景は、本書に記載される幾つかの実施例を実施させることが可能な一つの例示的な技術分野を例示するために与えてあるに過ぎない。
幾つかの実施例によれば、
ここに開示される実施例の幾つかは、第1電極と、第2電極と、該第1及び第2電極の間にあるスイッチング領域であって該スイッチング領域内の夫々の位置に延在している1個又はそれ以上の向上された移動度経路構造を有しており且つ荷電種の向上された移動度を提供し且つ該第1及び第2電極間に印加されるスイッチング電圧と共に変化する夫々の電気抵抗を有している形態とされている該スイッチング領域と、を具備しており、前記向上された移動度経路構造体が該スイッチング領域を通過した後に該スイッチング領域の外側にデポジット(deposit)されるイオンを含むイオン注入によって発生された該スイッチング領域内の損傷を有している抵抗ランダムアクセスメモリ装置を有している。
幾つかの実施例においては、該向上された移動度経路構造体は、該スイッチング領域を横断してブレークダウン電圧と等しいか又はそれより大きな電圧の印加よりは寧ろ該イオン注入によって形成される。
幾つかの実施例においては、該抵抗メモリ装置は基板を包含しており、その場合に、該第1電極は該基板の上方で且つ該スイッチング領域の下方に配置される下部電極であり、且つ該第2電極は該スイッチング領域の上方に配置される上部電極である。
幾つかの実施例においては、該イオン注入において使用されるイオンの大多数は該スイッチング領域の下方にデポジットされる。
幾つかの実施例においては、該イオン注入において使用されるイオンの大多数は該下部電極の下側にデポジットされる。
幾つかの実施例においては、該スイッチング領域における損傷の少なくとも幾つかは該イオン注入によって発生される衝突事象に起因するものであり、且つ該衝突事象の大多数は該スイッチング領域の下側で発生する。
幾つかの実施例においては、前記イオン注入において使用されるイオンの分布プロファイルにおける支配的なピークは該スイッチング領域の下側である。
幾つかの実施例においては、該イオン注入は該スイッチング領域の厚さ全体に亘って相当な衝突事象を発生させる。
幾つかの実施例においては、該抵抗メモリ装置は該スイッチング層と該第1電極との間にバリア層を包含しており、そのバリア層は該イオン注入によって機能的に破壊乃至は崩壊されている。
幾つかの実施例においては、該抵抗メモリ装置は、該スイッチング領域と該第2電極との間にバリア層を包含しており、そのバリア層は該イオン注入によって機能的に破壊されている。
幾つかの実施例においては、該イオン注入は該第1及び第2電極を介してのものである。
幾つかの実施例においては、該第2電極は該スイッチング領域の上方であり且つそれを介して前記イオン注入が行われる第1部分とその後に形成される増肉部分とを有している。
幾つかの実施例においては、該抵抗メモリ装置は、第一次(primary)の平坦な上部表面を具備している下側に存在する基板を包含しており、該第1電極と該スイッチング領域との間の第1の平坦な界面及び該スイッチング領域と該第2電極との間の第2の平坦な界面は該下側に存在する基板の該第一次の平坦な上部表面とは平行ではない。
幾つかの実施例においては、該第1及び第2の平坦な界面は該下側に存在する基板の該第一次の平坦な上部表面に対して略垂直である。
幾つかの実施例においては、該イオン注入において、該イオンは、主に、該下側に存在する基板の該第一次の平坦な上部表面に対して垂直である方向に注入される。
幾つかの実施例においては、該抵抗メモリ装置は、該スイッチング領域において該イオン注入によって発生される欠陥を有しており、その欠陥は該第1及び第2の平坦な界面に対して垂直な面に亘って略一様に分布されている。
幾つかの実施例においては、該イオン注入は、主に、該下側に存在する基板の該第一次の平坦な上部表面に対して鋭角である方向においてのものである。
幾つかの実施例においては、該抵抗メモリ装置は、(i)該スイッチング領域と該第1電極との間に形成されており且つ前記イオン注入によって機能的に破壊されているバリア層、及び(ii)該スイッチング領域と該第2電極との間に形成されており且つ前記イオン注入によって機能的に破壊されているバリア層、の内の少なくとも一つを包含している。
幾つかの実施例においては、該スイッチング領域は遷移金属酸化物物質から形成されている。
幾つかの実施例においては、該注入されるイオンは、Ag,Ti,Ta,Hf,O,N,Au,Fe,Ni,Ti,Ta,V,Pb,Bi,W,H,Ar,C,Si,B,P,Ga,As,Te,Al,Zn,In,Snからなるグループから選択される。
幾つかの実施例においては、該スイッチング領域は前記イオン注入によってインシチュに即ちその場において形成される。
幾つかの実施例においては、該注入は該スイッチング領域内に酸素イオンを注入することを包含しており、該スイッチング領域は初期的に一つ又はそれ以上の遷移金属物質から形成される。
幾つかの実施例においては、該スイッチング領域はビルトインストレスを有しており且つ該イオン注入は該スイッチング領域におけるストレス(応力)を増加させ且つ前記向上された移動度経路構造の作成を容易化させる。
幾つかの実施例においては、該スイッチング領域は、前記ビルトインストレスを発生させる不整合型物質層及び大原子質量原子の内の少なくとも一つを有している。
幾つかの実施例においては、少なくとも部分的には、該スイッチング領域における該向上された移動度経路構造は前記イオン注入における衝突事象によって形成され、その衝突事象は該スイッチング領域に亘って実質的に一様に分布されている。
幾つかの実施例は、抵抗ランダムアクセスメモリ装置を製造する方法を包含しており、該方法は、第1電極を形成し、スイッチング層を形成し、該スイッチング層が該第1電極と第2電極との間にあるように該第2電極を形成し、且つイオン注入を行ってそのイオンの一部が該スイッチング層の中に入ると共にそこから出て、それにより該スイッチング領域を介しての前記第1及び第2電極の間の抵抗を該第1及び第2電極の間にスイッチング電圧を印加させることにより増加させ且つ減少させることが可能であるように荷電種の向上された移動度を与える一つ又はそれ以上の向上された移動度経路構造を形成することを容易化させる。
該方法の幾つかの実施例においては、一つ又はそれ以上の向上された移動度経路構造の該形成が、該スイッチング層に対するブレークダウン電圧に等しいか又はそれより大きな電圧を該スイッチング層へ印加させるよりも寧ろ該イオン注入に起因するものである。
該方法の幾つかの実施例においては、該第1電極は基板の上方で且つ該スイッチング層の下側にある下部電極であり、且つ前記第2電極は該スイッチング層の上方にある上部電極である。
該方法の幾つかの実施例においては、該イオン注入において該スイッチング層内に入る該イオンの大多数は該スイッチング層から出る。
該方法の幾つかの実施例においては、該イオン注入は衝突事象を発生させ、且つその衝突事象の大部分は該スイッチング層下側の位置において発生する。
該方法の幾つかの実施例においては、該イオン注入は、該スイッチング層と該第1電極との間に形成されているバリア層、及び該スイッチング層と該第2電極との間に形成されているバリア層、の内の少なくとも一つを機能的に破壊する。
該方法の幾つかの実施例においては、該第1電極と該スイッチング層との間の第1の平坦な界面及び該スイッチング層と該第2電極との間の第2の平坦な界面は、下側に存在する基板の第一次の平坦な上部表面と略垂直である。
該方法の幾つかの実施例においては、イオンの該注入は、主に、該下側に存在する基板の該第一次の平坦な上部表面に対して垂直である方向においてである。
該方法の幾つかの実施例においては、イオンの該注入は、該スイッチング層と該第1電極との間に形成されているバリア層、及び該スイッチング層と該第2電極との間に形成されているバリア層、の内の少なくとも一つを機能的に破壊する。
幾つかの実施例は抵抗ランダムアクセスメモリ装置に関連しており、該装置は、第1電極、第2電極、該第1電極と第2電極との間にあり且つ一つ又はそれ以上の向上された移動度経路構造を有しているスイッチング領域、を有しており、該向上された移動度経路構造は、該スイッチング領域における夫々の位置において延在しており且つ荷電種の向上された移動度を与える形態とされており且つ該一つ又はそれ以上の経路構造を横断して該第1及び第2電極の間に印加されるスイッチング電圧と共に変化する夫々の電気抵抗を有しており、前記向上された移動度経路構造は該スイッチング領域内に指向された電磁照射によって発生される該スイッチング領域内の実質的に一様な損傷を有している。
上述した装置の幾つかの実施例においては、該電磁照射は、X線、ガンマ線、UV光、可視光、及びIR光からなるグループから選択されるタイプの照射を包含している。
上述した装置の幾つかの実施例においては、該電磁照射は、約3KeV乃至約100KeVの範囲のエネルギを有するガンマ線又はX線を包含している。
上述した装置の幾つかの実施例においては、該電磁照射は、約20KeV乃至約27KeVの範囲のエネルギを有するX線を包含している。
上述した装置の幾つかの実施例においては、該電磁照射は、約25KeV乃至約27KeVの範囲のエネルギを有するX線を包含している。
上述した装置の幾つかの実施例においては、該損傷は、該照射が該第1及び第2電極及び該スイッチング層の内の少なくとも一つを介して通過した後にインシチュで発生される。
上述した装置の幾つかの実施例においては、該装置は、更に、該電磁照射の前に、前記第2電極上方に積層して形成した複数個のスイッチング層及び電極を有している。
上述した装置の幾つかの実施例においては、該損傷は、電磁的に同時的に照射される少なくとも3つのスイッチング層内に形成される。
上述した装置の幾つかの実施例においては、該装置は、更に、該第1電極下側に形成された照射バリア層を有しており、その照射バリア層は該電磁照射に対する露呈から前記バリア層下側の領域を保護する形態とされている。
上述した装置の幾つかの実施例においては、該照射バリア層はW,Ta,Bi,Au,Pbからなるグループから選択される物質で構成される。
上述した装置の幾つかの実施例においては、該装置は、(i)該スイッチング領域と該第1電極との間に形成されており且つ前記電磁照射によって機能的に破壊されているバリア層、及び(ii)該スイッチング領域と該第2電極との間に形成されており且つ前記電磁照射によって機能的に破壊されているバリア層、の内の少なくとも1つを包含している。
上述した装置の幾つかの実施例においては、該装置は、第一次の平坦な表面を有している下側に存在する基板を包含しており、該第1電極と該スイッチング領域との間の第1の平坦な界面及び該スイッチング領域と該第2電極との間の第2の平坦な界面は、該下側に存在する基板の該第一次の平坦な上部表面に対して略垂直である。
幾つかの実施例は、抵抗ランダムアクセスメモリ装置を製造する方法に関するものであり、第1電極を形成し、スイッチング領域を形成し、該スイッチング領域が該第1電極との間に位置されるように第2電極を形成し、且つ該スイッチング領域内にエネルギを指向させることにより該スイッチング領域を損傷させ、それにより、該第1及び第2電極間にスイッチング電圧を印加させることにより該スイッチング層を介しての前記第1及び第2電極間の抵抗を増加させ且つ減少させることが可能であるように荷電種の向上された移動度を与える一つ又はそれ以上の向上された移動度の経路を形成することを容易なものとさせる。
上述した方法の幾つかの実施例においては、該損傷させることは衝突事象を発生させ且つ該衝突事象の大多数は該スイッチング領域以外の位置において発生する。
上述した装置の幾つかの実施例においては、該指向されるエネルギはイオン、電子、X線、ガンマ線、UV光とIR光とを含む光、及び超音波の内の一つ又はそれ以上の形態である。
上述した装置の幾つかの実施例においては、該指向されるエネルギは、少なくとも、該第1電極の一部及び該第2電極の一部を介して通過する。
上述した装置の幾つかの実施例においては、該指向されるエネルギは、該スイッチング領域と該第1電極との間に形成されているバリア層及び該スイッチング領域と該第2電極との間に形成されているバリア層の内の少なくとも一つを機能的に破壊する。
幾つかの実施例は、抵抗ランダムアクセスメモリ装置に関するものであって、該装置は、第1電極、第2電極、及び該第1電極と第2電極との間にあるスイッチング領域であって該スイッチング領域内の夫々の位置に延在しており且つ荷電種の向上された移動度を与える形態とされている複数個の向上された移動度の経路構造であって該経路構造に亘って該第1及び第2電極間に印加されるスイッチング電圧で変化する夫々の電気抵抗を有している該複数個の向上された移動度の経路構造を有している該スイッチング領域を有しており、前記向上された移動度の経路構造が、該スイッチング領域内へビーム照射され、それを介して通過し、且つそれを超えて伸びる指向されたエネルギによって該スイッチング領域内に発生される損傷を有している。
上述した装置の幾つかの実施例においては、該向上された移動度の経路構造は、イオン、電子、X線、ガンマ線、UV光とIR光とを含む光、及び超音波の内の一つ又はそれ以上の形態での指向されたエネルギによって該スイッチング領域内に発生される損傷を有している。
上述した装置の幾つかの実施例においては、該向上された移動度の経路構造は、X線、ガンマ線、及び電子の内の少なくとも一つの形態での指向されたエネルギによって該スイッチング領域内に発生される損傷を有している。
上述した装置の幾つかの実施例においては、該向上された移動度の経路構造は、X線のものよりも一層大きな波長を有する照射の形態での指向されたエネルギによって該スイッチング領域内に発生される損傷を有している。
幾つかの実施例は抵抗ランダムアクセスメモリ装置に関するものであって、該装置は、第1電極、第2電極、及び該第1電極と第2電極との間にあるスイッチング領域であって該スイッチング領域内の夫々の位置に延在しており且つ荷電種の向上された移動度を与える形態とされている1個又はそれ以上の向上された移動度の経路構造であって該1個又はそれ以上の経路構造に亘って該第1及び第2電極間に印加されるスイッチング電圧で変化する夫々の電気抵抗を有している該1個又はそれ以上の向上された移動度の経路構造を有している該スイッチング領域を有しており、該向上された移動度の経路構造が該スイッチング領域内へ指向された約3KeV乃至約100KeVの範囲のエネルギを有する電磁照射によって該スイッチング領域内に発生された実質的に一様な損傷を有している。
幾つかの実施例は抵抗ランダムアクセスメモリ装置に関するものであって、該装置は、複数の第1電極からなる積層体、複数の第2電極からなる積層体、及び各々が該複数の第1電極の内の一つと該複数の第2電極の内の一つとからなる夫々の対の間にある複数のスイッチング領域からなる積層体、を有しており、該複数のスイッチング領域の各々は荷電種の向上された移動度を与える形態とされている1個又はそれ以上の向上された移動度の経路構造であって該経路構造に亘って印加されるスイッチング電圧で変化する夫々の電気抵抗を有している該1個又はそれ以上の向上された移動度の経路構造を有しており、且つ前記向上された移動度の経路構造が該積層体の該スイッチング領域内へ及びそれを介して同時的にビーム照射される指向されたエネルギによって該スイッチング領域内に発生される損傷を有している。
上述した装置の幾つかの実施例においては、該指向されたエネルギによって発生される該積層体としての該複数のスイッチング領域に対する損傷はイオン注入の形式での指向されたエネルギによって発生される。
上述した装置の幾つかの実施例においては、該指向されたエネルギによって発生される該積層体としての該複数のスイッチング領域に対する損傷は1−100KeVのエネルギ範囲における照射の形態での指向されたエネルギによって発生される。
上述した装置の幾つかの実施例においては、該複数のスイッチング領域からなる積層体は2−20個のスイッチング領域を有している。
上述した装置の幾つかの実施例は、横方向に離隔された複数の積層体からなるアレイを包含しており、その各積層体は第1及び第2電極とスイッチング領域とを有しており、該横方向に離隔した複数の積層体は電気的配線で相互接続されており且つ集積化メモリ構造を形成している。
本特許明細書の要旨の特徴及び上の及びその他の利点を更に明確化させるために、その実施例の特定例を添付の図面に例示してある。これらの図面は例示的な実施例を図示するに過ぎないものであって、本特許明細書又は添付の特許請求の範囲の範囲を制限するものと考えるべきものではないことを理解すべきである。装置を例示している図面は縮尺通りではなく、且つ表面及び界面を直線で示しているが、それらは、実際の装置においては、直線的であったり又は平面的であったりするものではない場合がある。本要旨を添付の図面を使用して付加的な特定性及び詳細について記載し且つ説明する。
幾つかの実施例に基づく抵抗ランダムアクセスメモリRRAM装置の基本部品を示している断面図。 幾つかの実施例に基づくRRAM装置における注入されたイオンの経路を示している断面図。 幾つかの実施例に基づいてRRAM装置における選択的区域イオン注入(SAII)に対してどのようにフォーカストイオンビームを使用することが可能であるかを示した概略図。 幾つかの実施例に基づくRRAM装置用の注入マスクと組み合わせたブランクのイオン注入を示した概略図。 幾つかの実施例に基づく注入用の選択した区域を画定するためにマスク無しでのブランケットイオン注入の下でのRRAM装置の基本部品を示した概略図。 幾つかの実施例に基づく注入マスクを介しての複数のイオン注入を施したメモリ装置を示した概略図。 幾つかの実施例に基づく選択的区域イオン注入用の注入マスクを有する結晶性及び/又は殆ど結晶性及び/又は多結晶性スイッチング層を有する抵抗メモリ装置を示した概略図。 幾つかの実施例に基づくクロスバー抵抗メモリアーキテクチャを示した概略図。 幾つかの実施例に基づくイオン注入した経路を具備する積層型RRAM装置を示した概略図。 幾つかの実施例に基づく損傷経路のメッシュネットワークの作成を表している概略図。 幾つかの実施例に基づく損傷のメッシュネットワーク内に形成された導通チャンネルを示した概略図。 幾つかの実施例に基づく複数の層を含むスイッチング層を示した概略図。 幾つかの実施例に基づく注入後のスイッチング層上に形成されたダイオード層を示した概略図。 幾つかの実施例に基づく完成したRRAM装置上に行われる意図的に損傷させる注入又は照射を示した概略図。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づく一層大きな数の積層型装置でのイオン注入を示した各概略図。 幾つかの実施例に基づく物質ストレスを発生する大原子質量原子が組み込まれたスイッチング層を例示した概略図。 幾つかの実施例に基づく不整合物質層によって発生されたストレス欠陥を例示する概略図。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づくビルトインストレスを有するスイッチング層をイオン注入及び/又は照射へ露呈させることを例示した各概略図。 幾つかの実施例に基づく基本RRAM用の基本的な処理ブロックを例示したフローチャート。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づくRRAM装置に対するイオン注入ドーピング対深さプロファイルを示した各概略図。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づくイオン注入によるスイッチング層のインシチュ形成を例示した各概略図。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づくスイッチング層のインシチュ形成の別の例を例示した各概略図。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づく非スイッチング層と組み合わせたスイッチング層のインシチュ形成を例示した各概略図。 幾つかの実施例に基づく相変化メモリ装置でのイオン注入を例示した概略図。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づくスイッチング層内に欠陥を発生させるために使用される強力な超音波及び/又は熱を例示した各概略図。 幾つかの実施例に基づくスイッチング層構造内に欠陥の経路又はチャンネルを形成するためのイオン注入又はその他の照射の使用を例示した概略図。 従来技術において既知のフォーミングプロセスを例示した概略図。 既知のRRAMフォーミングプロセスに基づくスイッチングパラメータの可変性を例示した概略図。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づくRRAM処理の側面を例示した各概略図。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づくイオン注入のために薄いTEを形成し次いで一層厚いTEを形成することを例示した各概略図。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づく金属及び半導体の組み合わせから構成される上部電極及び下部電極を具備するRRAM構造を例示した各概略図。 幾つかの実施例に基づく基本RRAMに対する処理ブロックを例示したフローチャート。 (A)及び(B)は既知のプロセスに従って注入したHfイオンのシミュレーション結果を例示するプロット。 (C)及び(D)は既知のプロセスに従って注入したHfイオンのシミュレーション結果を例示するプロット。 幾つかの実施例に基づく簡単なRRAM構造の1例の相対的な厚さを例示する概略図。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づく600KeVにおいての図34に示した如き構造内へ注入したArイオンのシミュレーション結果を例示するプロット。 (C)及び(D)は幾つかの実施例に基づく600KeVにおいての図34に示した如き構造内へ注入したArイオンのシミュレーション結果を例示するプロット。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づく800KeVにおいての図34に示した如き構造内へ注入したArイオンのシミュレーション結果を例示するプロット。 (C)及び(D)は幾つかの実施例に基づく800KeVにおいての図34に示した如き構造内へ注入したArイオンのシミュレーション結果を例示するプロット。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づく1600KeVにおいての図34に示した如き構造内へ注入したか又は三重イオン化(triply ionized)し且つ533KeVで加速されたXeイオンのシミュレーション結果を例示するプロット。 (C)及び(D)は幾つかの実施例に基づく1600KeVにおいての図34に示した如き構造内へ注入したか又は三重イオン化(triply ionized)し且つ533KeVで加速されたXeイオンのシミュレーション結果を例示するプロット。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づく3200KeVにおいての図34に示した如き1例の構造内へ注入したBiイオンのシミュレーション結果を例示するプロット。 (C)及び(D)は幾つかの実施例に基づく3200KeVにおいての図34に示した如き1例の構造内へ注入したBiイオンのシミュレーション結果を例示するプロット。 1KeVと100KeVとの間のエネルギに対してのシリコンにおけるX線線吸収係数(単位cm−1)とX線フォトンエネルギ(単位KeV)との間の関係を例示した対数−対数プロットで、幾つかの実施例に基づき、X線などの高ドース電磁照射の使用がRRAM製造を容易化させることが示されている。 幾つかの実施例に基づき基板に対して垂直又は略垂直なスイッチング層を有するRRAM構造の簡単な断面を例示する概略図。 幾つかの実施例に基づきイオン注入又はその他の照射が基板に対して垂直又は略垂直に実施される場合のRRAM構造の断面を例示した概略図。 幾つかの実施例に基づきスイッチング層の面が基板の表面に対して垂直及び/又は略垂直である場合の2つ又はそれ以上の積層体を具備する積層型RRAM構造を例示した概略図。 幾つかの実施例に基づきスイッチング層内に沿層方向に入射されるイオン注入及び/又は照射が行われる垂直及び/又は略垂直のスイッチング層を具備する基本的な簡単化したRRAM構造の1例の断面を例示した概略図。 幾つかの実施例に基づきスイッチング層がZnOナノロッドを包含している場合の簡単なRRAM構造を例示した概略図。 幾つかの実施例に基づきRRAM装置の多層の構造を示した概略図。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づき種々のエネルギにおいて図45に示した如き構造内へ注入したAr及びHイオンのシミュレーション結果を例示したプロット。 (C)及び(D)は幾つかの実施例に基づき種々のエネルギにおいて図45に示した如き構造内へ注入したAr及びHイオンのシミュレーション結果を例示したプロット。 (E)及び(F)は幾つかの実施例に基づき種々のエネルギにおいて図45に示した如き構造内へ注入したAr及びHイオンのシミュレーション結果を例示したプロット。 (G)及び(H)は幾つかの実施例に基づき種々のエネルギにおいて図45に示した如き構造内へ注入したAr及びHイオンのシミュレーション結果を例示したプロット。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づき800KeVにおいて図45に示した如き構造内へ注入したArイオンのシミュレーション結果を例示した拡大プロット。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づき1600KeVにおいて図45に示した如き構造内へ注入したArイオンのシミュレーション結果を例示した拡大プロット。 (C)は幾つかの実施例に基づき1600KeVにおいて図45に示した如き構造内へ注入したArイオンのシミュレーション結果を例示した拡大プロット。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づき200KeVにおいて図45に示した如き構造内へ注入したHイオンのシミュレーション結果を例示した拡大プロット。 (C)は幾つかの実施例に基づき200KeVにおいて図45に示した如き構造内へ注入したHイオンのシミュレーション結果を例示した拡大プロット。 幾つかの実施例に基づくRRAM装置の多層の構造を示した概略図。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づき600KeVにおいて図50に示した如き構造内に注入したArイオンのシミュレーション結果を示した概略図。 (C)及び(D)は幾つかの実施例に基づき600KeVにおいて図50に示した如き構造内に注入したArイオンのシミュレーション結果を示した概略図。 (E)は幾つかの実施例に基づき600KeVにおいて図50に示した如き構造内に注入したArイオンのシミュレーション結果を示した概略図。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づき800KeVにおいて図50に示した如き構造内に注入したArイオンのシミュレーション結果を示した概略図。 (C)及び(D)は幾つかの実施例に基づき800KeVにおいて図50に示した如き構造内に注入したArイオンのシミュレーション結果を示した概略図。 (E)は幾つかの実施例に基づき800KeVにおいて図50に示した如き構造内に注入したArイオンのシミュレーション結果を示した概略図。 幾つかの実施例に基づく複数のRRAM装置を垂直に積層させた構造を示した概略図。 幾つかの実施例に基づきシミュレーションの目的のために簡単化させた複数のRRAM装置を垂直に積層させた構造を示した概略図。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づき17.5MeVにおいて図54に示した如き構造内へ注入したArイオンのシミュレーション結果を例示したプロット。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づき540KeVにおいて図54に示した如き構造内へ注入したHイオンのシミュレーション結果を例示したプロット。 幾つかのその他の実施例に基づきシミュレーションの目的のために簡単化した複数のRRAM装置を垂直に積層させた構造を示した概略図。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づき、夫々、17MeV及び520KeVにおいて図57に示した如き構造内へ注入したAr及びHイオンのシミュレーション結果を例示したプロット。 (C)及び(D)は幾つかの実施例に基づき、夫々、17MeV及び520KeVにおいて図57に示した如き構造内へ注入したAr及びHイオンのシミュレーション結果を例示したプロット。 製造公差に起因する上部電極厚さ変化の関数としてのスイッチング層内の空位濃度の感度を調べるために使用したRRAM装置に対する構造を示した概略図。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づき厚さが80,100,120nmの上部電極5940を具備する図59に示した如き構造内へ17 1600KeVにおいて注入したArイオンのシミュレーション結果を例示したプロット。 (C)は幾つかの実施例に基づき厚さが80,100,120nmの上部電極5940を具備する図59に示した如き構造内へ17 1600KeVにおいて注入したArイオンのシミュレーション結果を例示したプロット。 (A)及び(B)は空位フィラメントにおける狭窄を例示した概略図。 (A)は本書に記載される実施例の多くに基づいてスイッチング層内の空位の一様な分布を例示した概略図、(B)は上部電極を形成する前の既知のイオン注入技術から得られる空位分布を例示した概略図。 (A)乃至(D)は幾つかの実施例に基づいてRRAM装置の一部を製造するためのプロセスの簡単化したシーケンスを示した概略図。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づいてTE層を介してイオン注入によってSL層内へ打ち込んだイオンを例示した概略図。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づいてダイオード、半導体、及び/又はトンネル層を付着させたSL層内へ打ち込んだイオンを例示した概略図。 (A)及び(B)は幾つかの実施例に基づいてダイオード、半導体、及び/又はトンネル層、及びTEを付着させたSL層内へ打ち込んだイオンを例示した概略図。 幾つかの実施例に基づいてTEを介しての注入プロセスの簡単化したフローチャート。
好適実施例の複数の例について以下に詳細に説明する。幾つかの実施例について説明するが、この特許明細書に記載される新たな要旨はここに記載されるいずれか一つの実施例又は複数の実施例の組み合わせに制限されるものではなく、多くの代替例、修正例、及び均等物を包囲するものであることを理解すべきである。更に、完全なる理解を与えるために以下の説明においては多くの特定の詳細について記載するが、幾つかの実施例はこれらの詳細の幾つか又は全てが無しで実施することが可能なものである。更に、説明の便宜上、本書に記載される新たな要旨を不必要にぼかすことを回避するために、関連技術において既知の有る技術事項については説明を割愛している。ここに記載される特定の実施例の一つ又は幾つかの個々の特徴を、特徴又はその他の記載される実施例との組み合わせで使用することが可能で有ることは明らかである。更に、種々の図面中の同様の参照番号及び記号は同様の要素を表すものである。
幾つかの実施例によれば、印加されたフォーミング電圧から発生する一層ランダムな導通経路ではなく一層明確な導通経路とするために抵抗ランダムアクセスメモリ、メモリスター、及び相変化メモリ(電子及び正孔経路)に対して向上させたイオン/空位移動度チャンネルが提供される。
幾つかの実施例によれば、フィラメントの形成及び/又はイオン移動及び欠陥及びイオンのホッピングのために一つ又は複数の経路が与えられる。幾つかの実施例によれば、スイッチング層内へ及びスイッチング層を介してイオンが加速され且つ注入される。
既知のメモリスター装置の例は米国特許公開明細書US2008/0090337A1(多層型スイッチング層及びクロスバーアレイメモリアーキテクチャを上部電極と下部電極とが挟み込み);米国特許公開明細書US2004/0160812A1(2端子抵抗メモリ装置):米国特許公開明細書US2008/0185572A1(メモリスター又は抵抗ランダムアクセスメモリ(RRAM)2端子装置及びクロスバーアーキテクチャ);及び米国特許公開明細書US2008/0296550A1(2端子RRAMを使用したマルチレベル積層型クロスバーアーキテクチャ)に記載されている。メモリスターメモリ及びRRAMは類似している。既知の技術においては、フィラメントの開始は支配的にフォーミングプロセスに依存しており、その場合に、「ブレークダウン」を発生させ及び/又はスイッチング層内に欠陥経路を形成させるために比較的高い電圧(動作電圧よりも著しく一層高い)が使用される。このフォーミング電圧はブレークダウン電圧へ近づき且つスイッチング層厚さ及び品質に依存する。典型的には、酸化物のブレークダウン電界は5×10V/cmと8×10V/cmとの間の範囲である。このフォーミングプロセスの後に、メモリスター/RRAM装置において高抵抗状態(HRS)及び低抵抗状態(LRS)が観察される。幾つかの場合においては、メモリスター/RRAMのマルチのHRS及びLRS状態が存在する場合があり、その場合、そのIV(電流電圧)特性は高度に非線形的であり及び/又はマルチの双安定状態が存在する。フォーミングプロセス無しでHRS/LRSが観察される幾つかの場合においては、例えば、スイッチング特性用のフィラメントを形成するためにイオン、空位(種とも呼称される)が横断することが可能な欠陥を存在する場合がある。しかしながら、これらが観察されることは稀であり且つ再現性のないものであって、そのことは大量生産へと導くものではない。更に、同一のプロセス稼動において、幾つかのメモリ装置はフォーミングプロセスを必要とし且つ幾つかは必要としない場合がある。
非再現性を取り除き且つ一様性を増加させるために、幾つかの実施例によれば、高電圧を使用するフォーミングプロセスに依存することが必要ではないように、フィラメントの形成及び/又はイオン/空位/点欠陥拡散/ドリフト/ホッピングのために経路を導入させる。該経路又はチャンネルはイオン注入によって形成されるが、その場合に、該スイッチング層を介してのAu,Pt,Pb,Fe,Bi,U,Ar,O,N,Si,B,P,H,Ti,Ta,C,Zr,Zn,Ga,In,Se等の加速されたイオンの通過が、空位、格子間欠陥、点欠陥等の結晶欠陥を含む欠陥及び格子欠陥を結晶性又は非結晶性のスイッチング層内に形成させる。更に、該イオンは該スイッチング層内に注入させてAu,Pt,C,Bi,Zr,In,Ga等のイオンの導通チャンネルを形成させ及び/又は結晶又は微結晶(非晶質スイッチング層の場合)に対して損傷を形成させて結果的にHRS及びLRSメモリ装置となるフィラメントの形成を助けることが可能な結晶欠陥を形成させることが可能である。
イオン注入の利点は、それが製造可能なプロセスであること、及び上部電極と下部電極との間の略最短距離である略一次元の欠陥経路を発生させること、を包含している。(上部及び下部という用語は便宜上使用されているが、任意の方向における片側とその反対側とを意味するものとして理解すべきである。)略コリニア(collinear)即ち共線状である単一又は複数の経路を発生させることが可能であり、その場合に、印加された電界と共に、イオン及び空位は拡散、ドリフト、ホップして一つのHRS及びLRS及び/又は複数のHRS及びLRSを表すバイステーブル及び/又はマルチステーブル状態を示す「フィラメント」を形成することが可能である。フィラメントは、メインの一つの幹又は複数の幹へ合流する複数の経路を具備している単一のワイヤ状又はツリー状のものとすることが可能である。従って、単一の又は複数のフィラメントは略一次元及び/又は三次元とさせることが可能である。
既知のRRAMは、該スイッチング層に対して及び/又は該スイッチング層(単数又は複数)と該電極との間の界面における不純物に対して、ブレークダウン電圧と同等であるか及び/又は動作電圧よりも約10倍を超えて一層大きい、フォーミング電圧を印加することに依存するフォーミングプロセスを使用する。この様なフォーミング電圧の使用は、バイステーブル及び/又はマルチステーブルHRS及びLRS状態を示すために既知のRRAM装置にとって必要なことである。幾つかの実施例によれば、高いフォーミング電圧の印加を回避することが可能である。その代わりに、バイステーブル及び/又はマルチステーブルHRS及びLRS状態を開始させるために動作電圧よりも一層高いものとすることが可能な開始電圧を印加させることが可能である。幾つかの例においては、該開始電圧は動作電圧よりも十分の数ボルト乃至数ボルト一層高いものとすることが可能であり、それはブレークダウン電圧よりも低いものである。二酸化シリコンは6×10V/cmのブレークダウンを有しており且つ酸化ハフニウムは約5×10V/cmのブレークダウン電界を有している。従って、10nm厚さのHfOxスイッチング層の場合、ブレークダウン電圧は5Vであり、40nm厚さのHfOxスイッチング層の場合は、ブレークダウン電圧は20Vである。更に、幾つかの実施例によれば、著しく増加された一様性特性を有するRRAM装置が提供されるが、そのことは大規模メモリ/コンピューティング適用例に対して高度に望ましいことである。幾つかの実施例によれば、照射損傷の使用を介してスイッチング層内に向上されたチャンネルを一様に作成することによってRRAMチップ全体に亘り性能の一層大きな一様性を達成することが可能である。種々の記載する実施例によれば、該照射はイオン、電磁フォトン、中性粒子、電子、及び超音波の形態とすることが可能である。
図1は幾つかの実施例に基づく抵抗ランダムアクセスメモリRRAM装置の基本的部品を示す断面図である。RRAM装置100は上部電極(TE)140と、スイッチング層(単数又は複数)130と、下部電極(BE)120とを包含している。結晶欠陥からなる経路は、RRAM100の構造全体に浸透し且つ少なくともその幾らかは基板110内に停止するエネルギでイオン150のイオン注入ビームを使用して作成させることが可能である。イオンビーム150によって形成される欠陥は、空位、格子間欠陥、点欠陥、線欠陥、面欠陥、フレンケル(Frenkel)欠陥、アンチサイト欠陥、不純物、非晶質、トポロジー欠陥、転位、F中心等を包含する。これらの結晶欠陥は、電界バイアスの下でイオン/電子及び/又は空位が一層容易に移動すべく導電性とすることが可能なチャンネリング経路を形成する。ビーム150において使用されるイオンはAu,Pb,U,Er,Yt,Zn,O,Pt,Fe,Bi,H,He,Ga,Hf,N,C,V,Ti,Taの内の一つ又はそれ以上を包含することが可能である。
図2は幾つかの実施例に基づいてRRAM装置内に注入したイオンからなる経路を示している断面図である。注入したイオンの経路250は結晶性及び/又は非結晶性のスイッチング層130内に結晶欠陥を形成する。この様な欠陥は空位、点欠陥、及び/又は格子間欠陥とすることが可能である。加速電圧に依存して、加速されたイオンは、或る空間的分布を伴って或る深さにおいて又は或る深さへ注入される。イオン/空位の移動のための経路を形成する目的のために結晶欠陥を発生させるために、イオンをスイッチング層130、電極140及び120、及び基板110の内の一つ又はそれ以上の中に注入させることが可能である。発生される欠陥における空間的広がりを最小とさせるために(例えば、可及的に一次元とさせるために)、図2に示した注入イオンは、それらが基板110の領域252において停止するように注入される。イオン注入における加速されたイオンは、それらが物質と衝突するので、散乱し且つ空間的に散乱したイオンの分布が発生する。しかしながら、加速電圧に基づいて、該イオンは概してそれらの弾道経路に伝播して、該加速されたイオンが該物質内で停止する場合に最大の散乱が発生する。ドーズ即ち照射量は散乱を決定する可能性のある別の要因である。ドーズは、加速エネルギ、イオン質量、及び注入される物質の質量に依存する注入深さに依存して、1.0×10/cm乃至1.0×1016/cm又はそれ以上の範囲とすることが可能である。従って、ドーズ、加速電圧、イオン質量、ターゲット物質は、全て、適切な欠陥経路/チャンネルを達成し且つ適切なフィラメントの形成を助けるための考慮事項である。加速エネルギは、注入深さ及びイオン質量及びターゲット密度に依存して、1KeV(キロ電子ボルト)未満から3200KeV又はそれ以上の範囲とすることが可能である。Auイオンは、例えばAl
等の結晶物質におけるnm(ナノメートル)深さ当たり約4.8キロ電子ボルト(KeV)の加速エネルギでイオン注入させることが可能である。Kinoshita et al.、日本の応用物理ジャーナル(Journal of Applied Physics)50(2011)01BE01、Fe及びAuイオン注入Al単結晶の構造的及び磁気的特性(Structural and Magnetic Properties of Fe and Au Ion−implanted Al Single Crystals)を参照のこと、そしてそれを引用により本書に取り込む。4−20nmスイッチング層厚さの典型的なRRAM/メモリスター構造の場合、たとえば数ナノメートルの上部電極でスイッチング層全体を浸透させるためにAu等のイオン(たとえば、Feが同じ深さを達成するためにはAuに対しての加速エネルギの約0.4が必要であるに過ぎない)に対して約20乃至100KeVの加速エネルギが使用される。Auに対して50KeVにおいて1×1014イオン/cmよりも一層大きなドーズは約1×1020Auイオン/cmのAuの濃度となる。特定の適用例に対して所望のIV特性に対する欠陥の最適濃度を達成するためにドーズを調節することが可能である。例えば、非常に高い濃度の欠陥の領域を形成するために5×1016イオン/cm程度に高いか又はそれより一層高いドーズは、極めて低いスイッチング電圧とさせる。欠陥濃度がより低いと(たとえば、Auイオンの一層低い注入ドーズにおいて)、スイッチング電圧は一層高い場合がある。
図3は、幾つかの実施例に基づいて、RRAM装置における選択的区域イオン注入(SAII)のためにどのようにしてフォーカストイオンビームを使用することが可能であるかを示す概略図である。この例においては、フォーカストイオンビーム350を使用してスイッチング層130内に幅狭の欠陥経路/チャンネル354を形成している。スイッチング層130は結晶性とすることが可能であり、又はそれは、例えば、未だに微結晶構造を有しているが非晶質等の非結晶性とすることが可能である。欠陥経路/チャンネル354は、高いフォーミング電圧を使用すること無しにRRAMの一様なスイッチング特性を発揮することが可能なフィラメントを形成するために、例えば、イオン、空位、及び/又は点欠陥の移動を容易化させる。該イオンビームはTE140、スイッチング層130内へ及びBE120内へ且つ基板110内へ浸透することが可能である。
図4は、幾つかの実施例に基づいて、RRAM装置に対しての注入マスクと組み合わせたブランクのイオン注入を示している概略図である。ブランケットイオン注入は、通常、フォーカストイオンビームを使用するよりも一層製造可能性がある。注入マスク410は、例えば、Au,ポリマー、SiOxとすることが可能である。一般的に、注入したイオンの殆どを拘束するのに十分な厚さの任意の物質が適切である。典型的には、注入イオンの殆どを停止させるためには、Au等の稠密な物質で高原子番号のものは、稠密性が低く低原子番号のものよりも一層薄い層を必要とする。マスク410における開口412はイオンが通り抜け且つ加速エネルギに依存してRRAM装置100の所望の領域内へ注入することを許容する。加速エネルギ即ちイオンへ付加されるエネルギはE=ZeVで与えられ、尚Eはイオンへ付加されるエネルギ、即ち加速エネルギ、であり、Zはイオン荷電番号(単独イオン化、二重イオン化、三重イオン化)であり、eは電子電荷であり且つVは加速電圧である。注入されるイオンの量はドーズである。図4において、イオンが基板110内に注入され、それらの経路は上部電極140及びスイッチング層130を介して通過し且つ欠陥454を発生させる。該欠陥は、フォーミング電圧を使用すること無しにスイッチングが一様に発生することが可能であるように、フィラメントの形成における空位及びイオンの拡散/ホッピング/ドリフトを助ける。この欠陥経路/チャンネルの先在が、そうでなければフォーミング又はブレークダウン電圧を必要とするようなフィラメントの形成のランダム性を減少させる。
図5は、幾つかの実施例に基づいて、注入マスクを介しての複数のイオン注入を有するメモリ装置を示している概略図である。幾つかの実施例によれば、注入マスク410無しでのブランケット注入を使用することも可能である。スイッチング層130の結晶性、非結晶性、又は非晶質(微結晶性及び/又はナノ結晶性)構造における欠陥経路の形成のために基板110の領域652内にイオンを注入させる。層130内の欠陥経路は、1個のフィラメント、複数のフィラメント、及び/又はフォーミング電圧の印加無しで一様なスイッチング特性を示すフィラメント状構造の形成のために印加した電界の下で、イオン、空位の移動、酸化及び還元、を助ける。メモリ特性を開始させるためのプロセスを尚且つ使用することが可能であるが、既知の抵抗メモリ装置のフォーミング電圧よりも著しく一層低い電圧においてである。幾つかの実施例によれば、スイッチング層内に欠陥経路を形成するために使用される注入プロセスは異なるイオンの複数の注入を含むことが可能である。異なるイオンの例としては、Au,Pt,Pb,H,O,N,C,Ar,Ti,Ta,Ga,Inを包含する。幾つかの実施例によれば、O,N,Ti,Taのイオン注入は、例えば、領域654内においてスイッチング層130内に部分的に又は全体に注入させてTiOxスイッチング層抵抗メモリ装置におけるスイッチング/酸化及び還元のためのイオンを与えることが可能である。欠陥を発生し且つスイッチングプロセスを助けるためのイオン注入のための注入の順番は交換可能である。イオン注入は、上部電極140を介して且つスイッチング層130内へ且つ下部電極120内へ且つ基板110へのものとすることが可能である。
図7は、幾つかの実施例に基づいて、選択的区域イオン注入用の注入マスクを有する結晶性及び/又は略結晶性及び/又は多結晶性のスイッチング層を具備する抵抗メモリ装置を示している概略図である。十分なエネルギのイオンが該構成を介して且つ基板110及び/又は下部電極120内へ十分なドーズで注入されて、表面に対して略垂直な欠陥経路を発生させる。その結果発生する欠陥経路は、注入されたイオンが結晶性及び/又は略結晶性のスイッチング層(単数又は複数)730を横断することによって発生される損傷に起因して非晶質性であると考えることが可能である。或る場合には、このことが有益的である。何故ならば、イオン/空位/点欠陥/欠陥/酸化−還元、及び電気化学的プロセスは、結晶性/多結晶性及び/又は略結晶性である層730の非損傷領域、又は化学量論的である領域及びより化学量論的ではないTiOxスイッチング層におけるO,H,Tiなどのフィラメントプロセスに参加するイオンの付加した注入を伴うか又は伴わない損傷領域におけるよりも、損傷領域754において印加電界の下で一層容易に酸化−還元/ドリフト/拡散/ホップすることが可能だからである。例えば、結晶性スイッチング層730はTiO化学量論的とすることが可能であり、且つO又はTiイオンを具備するか又は具備することのない注入損傷領域754はTiOx非化学量論的である。非化学量論的領域754はフィラメント及びHRS及びLRSのバイステーブル/マルチステーブル状態の形成を容易化させることが可能である。
更に、該化学量論的領域は該電極の端部において発生する高電界領域においての絶縁破壊に犯される蓋然性が低い場合があり、そのことは本RRAMの信頼性を改善させる。スイッチング動作は、該端部から離れて且つ殆どが該イオン注入したイオンが欠陥及び格子における破壊、空位、点欠陥、格子間欠陥等の結晶損傷を発生した領域において行われる。
図8は、幾つかの実施例に基づいて、クロスバー抵抗メモリアーキテクチャを示している概略図である。水平電極と垂直電極との間の各交差点が抵抗メモリ装置を表している。幾つかの実施例によれば、クロスバーメモリアーキテクチャ800を製造し且つイオン注入及び/又は照射は注入マスク無しでのブランケット注入とすることが可能であり、及び/又はそれは選択的区域イオン注入及び/又は照射のための注入マスクを有することが可能である。更に、該スイッチング層を注入させることが可能であり、その場合に、BE及びTEのみが形成される。BEがTiである場合には、例えば、Oイオンを部分的にBE内に注入させてTiOxスイッチング層を形成することが可能である。TiNはBEとすることが可能であり、且つHf及びOは部分的にTiN内に注入させてHfOxを形成することが可能であり、その場合に、上部電極はMo,Pt,Au,Ti等とすることが可能である。更に、BEは、例えば、原子層付着(ALD)によって成長させたTiN及びHf酸化物とすることが可能であり、それに続いてMoの上部電極とすることが可能である。電極端部に起因して高電界が集中する該装置の端部から離れた領域においての選択的区域イオン注入は抵抗メモリ装置の信頼性を増加させることが可能である。注入マスクと共に選択的区域イオン注入を使用して、装置端部から離れた領域はフィラメント形成のための経路/チャンネルと共に及び、例えば、O,H,Hf,Tiイオンの注入物と共に注入させることが可能である。その注入は、印加電界の下での空位ホッピング及び/又はドリフトなどの欠陥を介してのフィラメント形成を助け、且つ酸化−還元プロセスを助ける。空位は、又、酸化物以外の、例えばTiN,AlN,SiN等の窒化物、例えばSiC,WC,NbC,TiC等の炭化物、例えばCaFx,MgFx,WFxなどの弗化物に基づくSiNx,SiCx,弗化物におけるN,C,Fなどの非遷移金属酸化物物質において、又は、窒化物、弗化物、炭化物等の酸化物の任意の組合せにおいて、形成させることが可能である。
図9は、幾つかの実施例に基づく、イオン注入した経路を具備している積層型RRAM装置を示している概略図である。積層型装置アーキテクチャ900は、例えば、クロスバー抵抗メモリ装置を使用して実現することが可能である。例えば図示した如く、所望の深さへ浸透すべく注入するイオンの加速エネルギを単に増加させることにより選択的区域イオン注入又は非選択的区域イオン注入を使用することが可能であり、基板110へ注入されスイッチング層930及び130の両方を浸透するイオンによって欠陥経路チャンネル954が発生される。注意すべきことであるが、加速エネルギを調節することにより注入されるイオンによって2つを超えるスイッチング層を浸透させることが可能である。典型的な商用のイオン注入装置は600キロボルト(KV)で加速させることが可能であり、且つ二重イオン化又は三重イオン化したイオン等の一層高いイオン化数を使用することによって、イオンの加速エネルギを二倍又は三倍とさせることが可能である。加速エネルギを調節することにより、RRAM#1(TE940,SL930及びBE920から構成されている)及びRRAM#2(TE140,SL130及びBE120から構成されている)においてイオンを完全に及び/又は部分的に注入させることが可能である。イオン注入の代わりに又はそれと共に照射を使用することも可能である。
イオン注入は性質的に統計的分布であるから、イオンはターゲット物質中において深さ及び幅において分布される。注入したイオンのピーク分布は、例えば、基板内とすることが可能であり、尚且つ、例えば、スイッチング層及びTE及びBE内において幾らかのストラグリングイオン(straggling ion)を有する場合がある。
注意すべきことであるが、従来のイオン注入手順に続いて、高温度においてのアニールがしばしば実施されてイオン注入プロセスに起因する結晶欠陥及び損傷を除去する(半導体のイオン注入、ジェー.エス.ウイリアムズ、物質科学及びエンジニアリング(Ion implantation of semiconductors、J.S.Williams,Materials Science and Engineering)A253(1998)8−15を参照のこと)。しかしながら、幾つかの実施例によれば、この様な欠陥は印加電界の下でのイオン及び空位の電気化学的移動を容易化させ、結果的にLRS及びHRSとなるものであって、望ましいものである。注意すべきことであるが、本書において使用される如く、「結晶性(crystalline)」という用語は「化学量論的(stoichiometric)」を含む場合があり、従って、結晶領域と言われる場合には何時でも化学量論的領域のことを意味する場合がある。
イオン注入期間中、損傷が整然としている場合もあればそうでない場合もある。このことは、プロトン注入、電子ビーム、任意の粒子ビーム、X線、ガンマ線、光学的ビーム等の結晶性、非結晶性、化学量論的、及び/又は非化学量論的な物質を損傷させる任意のその他の方法の場合にもそうである。例えば、図1−7及び9において、損傷経路は便宜上直線として模式的に示されている。実際には、損傷は交差する損傷領域のネットワークである場合がある。
図10は、幾つかの実施例に基づいて、損傷経路のメッシュネットワークの形成を表している概略図である。注入された粒子の該粒子が注入された物質との衝突が、図示した如く交差する経路の稠密なメッシュネットワークを形成することが可能である。該粒子又はエネルギは、イオン、プロトン、電子、X線、ガンマー線、遠紫外線(UV)乃至赤外線(IR)からの光等とすることが可能である。該スイッチング層は、スイッチングのため及びダイオード及び最適なメモリ及び/又は論理演算のためのその他の抵抗性及び半導体層等の非線形電気的導通のための複数の層から構成することが可能である。損傷がメッシュであるとしても、スイッチング層内の最短の経路は、フィラメント用の導通チャンネル又はブレークダウンプロセスとしても知られているフォーミングプロセスの必要性を取り除くフィラメント形成用のチャンネルを形成するために見出すことが可能である。この様なフォーミング/ブレークダウンプロセスは、しばしば、5−20ボルトを越えることがあり、且つスイッチング層の厚さに依存して30ボルト又はそれ以上となる場合がある。酸化物のブレークダウン電界は、典型的には、5×10V/cm乃至6×10V/cmである。ブレークダウン電圧は、又、酸化物の品質に依存する。一層高い濃度の欠陥及び/又はグレインを有する酸化物は実効的に一層薄い厚さの高品質酸化物を有しており、従って、一層低いブレークダウン電圧を有している。電気的に及び/又は電気化学的に、最短の経路を常に見出すことが可能であるから、IV特性はより少ない変動を有している。
図11は、幾つかの実施例に基づいて、損傷のメッシュネットワーク内に形成された導通チャンネルを示している概略図である。図示した如く、導通チャンネル1154は損傷区域に沿い短い経路に沿って形成することが可能であるが、それは完全な直線ではない場合がある。しかしながら、これは意図的な損傷であって、既知のRRAMデザインにおけるフォーミングプロセス等のブレークダウンプロセスではない。意図的に損傷させた体積は稠密なメッシュネットワークであるから、スイッチング層(単数又は複数)を介しての最短経路は、基本的に、点線で示した経路の最短の又は略最短の距離を接続する経路1154によって示した如く直線で近似させることが可能である。酸素、イオン、空位、電子(遷移金属酸化物スイッチング層の場合であって、窒化物、炭化物等のその他のタイプのスイッチング層の場合にはその他の種も適用される)などの種の走行時間は最も短い。何故ならば、スイッチング層を介しての経路が最短だからである。従って、意図的に損傷させたRRAMは、意図的に損傷させた経路よりも一層短いものではない場合がある導通経路及び/又は損傷した経路となるフォーミングプロセスに依存する既知のRRAM装置よりも一層高速である。
図12は、幾つかの実施例に基づいて、複数の層を包含しているスイッチング層を示している概略図である。スイッチング層130は、化学量論的であるか及び/又は非化学量論的であるか、結晶性であるか、非結晶性であるか及び/又は微結晶性とすることが可能な複数の層を含むことが可能である。スイッチング層130は、又、スイッチングに関与することのない複数の層を含むことが可能である。例えば、遷移金属酸化物スイッチング層(単数又は複数)の場合、非スイッチング層は、窒化物層、非晶質シリコン等の半導体層、炭化物層、塩化物及び弗化物層等を包含することが可能である。これらの層は、ブレークダウン電圧無しで最短経路に沿って導通チャンネルを形成することが可能であるように意図的な損傷を形成するために最初に注入させることが可能である。酸素イオン、窒素、H,Ar,C,Cl,F,Ne,He,Xeイオン、電子、Ar,Pt,Ag,Fe,Ni,In,Ga,Zr,Ta,Ti,Zn,Sn,Sb,Hf,Er,Yb,Gd,Pb,Bi,W,Zr,Os等の金属イオン等の種をスイッチング層(単数又は複数)内及び/又は該電極及び基板内に注入させることが可能である。イオンは、例えば、遷移金属酸化物スイッチング層(単数又は複数)の場合における電子化学的反応のための酸素リッチなリザーバー及び/又は空位を形成するためにドーピングの目的とすることが可能であり、且つイオンはフィラメントの形成のための経路を作成するために意図的に物質を損傷させるために使用することが可能である。イオンは、又、物質を変化させるために使用することが可能であり、例えば、Ti,Ta,Mo,W,V,Zr,Ni,Fe等の遷移金属電極の場合には、酸素イオンを該電極内に部分的に及び/又は完全に注入させて該遷移金属電極をスイッチ層のための遷移金属酸化物へ変換させることが可能である。このスイッチング層のインシチュでの形成は、スイッチング層が別に形成され且つ上部又はその後の電極が形成されてRRAM装置を完成する前に大気へ露呈される場合に発生することのある汚染を回避する。該インシチュスイッチング層を最適化させるために熱処理が望ましいか又は必要である場合もそうでない場合もある。
図13は、幾つかの実施例に基づいて、注入後のスイッチング層上に形成されるダイオード層を示している概略図である。スイッチング層130は、イオン、粒子、プロトン、電子、X線やガンマ線等の光線、超音波や青、緑、赤、赤外波長等の光波等で注入して、応力、熱、不均一熱膨張、又は照射によって損傷を発生する。幾つかの実施例によれば、共スパッタリング又は共デポジットによって物質内に大原子質量原子を挿入させることにより損傷を発生させることが可能である。この様な損傷の形成に続いて、一つ又は複数のダイオード層1310及び抵抗層等の電流の流れを制御するための何らかの非スイッチング層を、意図的に損傷させた層の上に成長させて良好なダイオード及び/又は抵抗特性とさせることが可能である。上部電極がこの簡単化したRRAMを完成する。更に、上部電極140及びダイオード層1310及び/又はダイオード層1310及びスイッチング層130の間に存在することのある非意図的なバリア層を緩和させるためにイオン注入及び/又は照射処理を使用することが可能である。
図14は、幾つかの実施例に基づいて、完成したRRAM装置上で発生する意図的に損傷する注入又は照射を示している概略図である。この場合には、全ての必要なダイオード及び抵抗層1310、スイッチング層130及び上部電極140が形成される。本装置は、次いで、深さにおける損傷を調節するために単一又は複数のエネルギでKeV未満乃至MeVの十分なエネルギで且つイオン、粒子、照射の単一又は複数のドーズで、イオン、プロトン、電子注入、UV乃至IRの照射、へ露呈される。例えば、ダイオード層1310は非晶質シリコンとすることが可能であり且つスイッチング層(単数又は複数)を遷移金属酸化物から構成することが可能である場合の遷移金属酸化物スイッチングプロセスに参画することは無い。このことは製造を著しく簡単化させる。何故ならば、クロスバーを最初に構成し且つ意図的な損傷を、単独で又は複数の種、複数のエネルギ、ドーズ及び方法の任意の組み合わせで、イオン、粒子、プロトン、及び/又は照射へ露呈させることによって後で導入させることが可能だからである。
図15A及び15Bは、幾つかの実施例に基づいて、より多数の積層型装置でのイオン注入を示している概略図である。メモリ密度を増加させるために、図15Aに示した如きクロスバーアーキテクチャを2乃至20を越える数のクロスバーで互いに積層させることが可能である。図15Bは単一のイオン注入経路1554を有する複数の装置の積層体を示している。各クロスバーの平均厚さは約0.1乃至2ミクロンの間である。20個又はそれ以上のクロスバーを積層することは約2乃至40ミクロンの範囲の厚さとなる。イオン及び電子は、複数のRRAM装置の積層体を浸透するために、約KeV(キロ電子ボルト)乃至MeV(メガ電子ボルト)で加速させることが可能である。約1−10MeVのプロトンは、その物質に依存して、該物質の数十ミクロンを超えて浸透することが可能である。例えば、シリコンの場合には、浸透は1MeV及び10MeVを使用した場合に、夫々、約25乃至250ミクロンとすることが可能である。金の場合には、浸透は約5−7倍少ない。
幾つかのその他の実施例によれば、夫々の層がデポジットされ且つパターン化されるに連れて層毎にイオン注入を実施する。この場合には、イオン/粒子注入及び/又はX線、ガンマ線、UV乃至IRなどの照射に対する露呈のためには約0.1−1200KeVの加速エネルギが必要であるに過ぎない。
図16は、幾つかの実施例に基づいて、物質の応力を発生させる大原子質量原子を組み込んだスイッチング層を例示している概略図である。スイッチング層(単数又は複数)1630は、結果的に欠陥となる物質内に局所的歪みを発生させるスイッチング層(単数又は複数)1630内に大きな原子質量を有する原子1610等の原子を含むことによって処理することが可能である。その大きな原子は幾つかの方法の内のいずれかで組み込ませることが可能である。一つの方法においては、スイッチング層(単数又は複数)をデポジットさせながら、Au,Pb,Bi,Ga等の大原子質量原子を、層1630のその他の物質のデポジットと同時的に共デポジットさせる。該大原子質量原子は原子の形態か、又はスパッタリングによってデポジットされる場合の如くクラスターの形態とすることが可能である。1例はTiOxとPt又はAuの両方の共スパッタリングであり、その場合に、Au又はPt原子及び/又はクラスターがTiOxスイッチング層(単数又は複数)内に埋め込まれる。このことは該スイッチング層内に欠陥を発生することが可能であり、その結果、酸素イオン、空位、及び電子が伝播するための導通チャンネル用の経路のネットワークとなる。該チャンネルは、酸化及び還元を介してを包含して、フィラメントを形成し、その場合に、空位及びイオンは、酸素イオン及び空位の量に依存して、遷移金属酸化物を多かれ少なかれ導電性のものとさせることが可能である。例えば、高い酸素イオンと低い空位を有するTiOxは、少ない酸素イオンとより多くの空位を有するTiOxよりも導電性はより低い。HfOx,Vox,TaOx,WOx,及びGaOx又はPbOxなどのその他のスイッチング層(単数又は複数)はALD及び/又はPECVDによって共デポジット又は逐次的にデポジットさせることが可能である。
スイッチング物質内にイオンを導入させるためにイオン注入を使用することも可能であり、それにより応力と歪みとを発生させて欠陥のネットワークとさせる。それを介して荷電イオン及び空位が伝播するその結果得られるチャンネルはフィラメントを形成し、該フィラメントの抵抗率はイオン及び空位の濃度によって変化させることが可能である。注入したイオンは、O,H,He,Ar,Ne,Xe,Au,Pt,Mn,W,Mo,Zn,Pb,Bi,Ti,Taを含むことが可能である。更に、注入したイオンがスイッチング層(単数又は複数)内に部分的に存在する場合には、該イオンは、又、スイッチング層の外側に支配的に存在する場合があり、その場合に、該イオンは該スイッチング層を通過することによって、該スイッチング層及び該イオンが通過したその他の層内の物質に対して欠陥を発生させることが可能である。
図17は、幾つかの実施例に基づいて、不整合な物質層によって発生される応力欠陥を例示している概略図である。複数の物質層1730は、それらが格子、熱膨張、又は温度、圧力、化学量論、又は物質組成などの付着パラメータにおいて不整合であるようにエピタキシャル的に又は非エピタキシャル的に成長することによって形成させることが可能である。例えば、層1730は、物質層厚さが0.1乃至3nmの範囲である超格子(superlattice)とすることが可能であり、その場合には物質A及び物質Bは異なる付着方法を使用して形成される。異なる方法は、例えば、温度、レート、圧力、及び/又は物質Aと物質Bとの間の応力を発生させる物質組成等の異なる付着パラメータを包含している。幾つかの場合には、反復又は非反復パターンで織り交ぜられた2つを超える物質が存在する場合がある。例えば、該スイッチング層(単数又は複数)は、物質AB,ABABABAB,又はABCDBDAC,又はABCDEFG等である場合があり、その場合に、各文字は、異なる付着パラメータ、付着方法、及び/又は物質の組成に起因して特性において他の物質とは異なる物質層を表している。その結果発生する応力は欠陥ネットワークを発生する場合があり、該ネットワークは、イオン、空位、電子に対して導通チャンネル1750を形成してRRAMにおけるメモリ効果に必要なフィラメントを形成することが可能である。
図18A及び18Bは、幾つかの実施例に基づいて、ビルトイン応力を有するスイッチング層をイオン注入及び/又は照射に露呈させることを例示している概略図である。図18Aにおいて、スイッチング層1630は埋め込まれた大きな原子を有しており、且つ、図18Bにおいて、スイッチング層1730は、超格子、又は異なる物質組成及び/又は付着方法及び/又はその他の応力を発生させるパラメータに起因して応力を発生する特性が異なる複数の層からなる層型構造を有している。両方の場合において、該構造はイオン注入、UV乃至IRによる照射に露呈させて応力を更に悪化させ且つ該物質内に欠陥を形成することを助けることが可能であり、従って、欠陥経路のネットワークがブレークダウン電圧を使用することの必要性無しにRRAMの動作においてフィラメント形成のためのチャンネルを形成することが可能である。
図19は、幾つかの実施例に基づいて、基本的なRRAMに対する基本的な処理ブロックを例示しているフローチャートである。ブロック1910において、プロセスは基板で開始する。幾つかの実施例によれば、該基板はRRAMを該基板から電気的に絶縁するための二酸化シリコン等の一つの層又は複数の層を包含している。該基板は、又、RRAMへ電気的に接続させることが可能なCMOS回路を包含することが可能である。ブロック1912において、下部電極が画定され且つデポジット即ち付着される。このことは、金属の蒸着又は金属のスパッタリング、フォトリソグラフィ、ウエット及び/又は反応性イオンエッチ等のドライエッチング、イオンミリング等の金属付着が関与する場合がある。幾つかの実施例によれば、ナノインプリント(nanoimprintig)を使用して電極を画定する。Ti,Mo,W,Ni,Pt,Al,Zr,Ta,V等の金属及び/又はTiN,TaN,GaN,AlN,InN,WN等の金属窒化物、及びNiSi,PtSi,WSiなどのシリサイドを使用することが可能である。ブロック1914において、該スイッチング層(単数又は複数)を、電流制御用のダイオード層及び/又は抵抗層等のその他の層と共にデポジット即ち付着させる。前述した如く、イオン注入及び/又は照射もこの処理ブロックにおいて実施することが可能である。TiOx,TaOx,VOx,HfOx,ZnOx,GaOx,InOx,PbOx,FeOx,CrOx,NiOx等のスイッチング層(単数又は複数)は化学量論的及び/又は非化学量論的とすることが可能である。該スイッチング層(単数又は複数)は、原子層付着(ALD)、プラズマエンハンスト化学蒸着(PECVD)、スパッタリング、蒸着、分子ビームエピタキシ(MBE)等の幾つかの方法でデポジットさせることが可能である。ブロック1916はブロック1912と類似している。この場合には、上部電極をデポジットし且つフォトリソグラフィ的に及び/又はナノインプリントによって画定する。該電極は蒸着するか、スパッタするか、PECVD,ALD等とすることが可能である。TI,Mo,W,Ni,Pt,Al,Zr,Ta,V等の金属及び/又はTiN,TaN,GaN,AlN,InN,WN等の金属窒化物、及び/又はNiSi,PtSi,WSi等のシリサイドを使用することが可能である。ブロック1918において、イオン注入及び/又はX線、ガンマ線等の照射、UV乃至IRからの光線を使用してスイッチング層(単数又は複数)内に欠陥を意図的に発生させる。該スイッチング層が化学量論的である場合には、酸素等のドーパントイオンを注入して過剰な酸素イオンを供給して該フィラメントの抵抗率に影響を与えることが可能である。Hイオンも該フィラメントの抵抗率に影響を与えることが可能な空位を発生させるために注入させることが可能である。幾つかの実施例によれば、該スイッチング層を介して注入される重いイオン及び/又は欠陥を発生させるイオンを使用して欠陥が発生される。該重いイオンは該スイッチング層(単数又は複数)を介して通過し且つその多く又は殆どは該スイッチング層(単数又は複数)の外側に埋め込まれる。注入された粒子は、電子、H(プロトン)、O,Ti,Ta,N,F,Cl,C,Li,Na,K,He,Ne,Xe,Ar,Au,Be,Mg,Mn,Si,B,Ge,Ga,Ni,V,Au,Pt,Fe,Pb,Bi,In,W,Mo,Hf,Ag,Cr等のイオンを包含することが可能である。注入エネルギは約1KeV未満から数十MeVより大きなものとすることが可能であり、且つ或る場合にはGeVとすることが可能である。ドーズは1×10/cm乃至1×1017/cm又はそれ以上とすることが可能である。幾つかの実施例によれば、複数のイオン種、エネルギ及びドーズが使用される。幾つかの実施例によれば、ブロック1918はX線、ガンマ線による照射、及び/又はUV乃至IRの光線を包含している。幾つかの実施例によれば、物質内に欠陥を形成し且つ修正するために電子ビームが使用される。
積層型RRAMクロスバーの場合には、イオン注入/照射プロセスブロック1918を最後に実施することが可能であり、及び/又はそれは或る数の積層、例えば5個の積層毎、の後に実施することが可能である。幾つかの場合には、ブロック1918は全てのRRAM層及び/又はサブ層(その場合、該スイッチング層(単数又は複数)がデポジットされる)において実施される。注意すべきことであるが、ブロック1918はKeV以下乃至数百KeV及びMeVにおけるエネルギを具備する電子を包含することも可能であり、且つ可変ドーズは1×10/cm乃至1×1017/cm又はそれ以上の範囲に亘る場合がある。
図20A及び20Bは、幾つかの実施例に基づいて、2個のRRAM装置に対するイオン注入ドーピング対深さ分布を示している概略図である。図20Aにおいて、曲線2010は該スイッチング層におけるOイオンに対するイオン注入分布であり、且つ曲線2012はTi/TiOx/Pt構造の下部電極に殆ど埋め込まれているB又はPイオンに対するイオン注入分布である。図20Bにおいて、曲線2020は該スイッチング層におけるOイオンに対するイオン注入分布であり、且つ曲線2022はTiN/HfOx/Ti構造の下部電極に殆ど埋め込まれているAr又はIrイオンに対するイオン注入分布である。これらは可能な注入イオン及び分布を有する2つのRRAM構造の例に過ぎない。
図21A及び21Bは、幾つかの実施例に基づいて、イオン注入によるスイッチング層(単数又は複数)のインシチュ形成を例示している概略図である。図21AはBE2120及びTE2140のみを示している。2120及び2140の内の一方又は両方は遷移金属である。図21Bにおいて、イオン注入プロセス2150は略界面において及び/又は支配的に電極2120及び2140の内の一つの中に酸素イオンを注入してインシチュ遷移金属酸化物層2130を形成し、それが該スイッチング層である。幾つかの実施例によれば、電極において異なる金属の層を使用することにより複数のスイッチング層を形成することが可能である。一つの実施例においては、BE2120はPt/Ti/Vの層から構成され、且つTE2140はMoである。酸素イオンを注入することにより、結果的に得られるスイッチング層2130はTiOx/VOx/MoOxである。注意すべきことであるが、この場合には、TE2140の一部のみがMoOxへ変換される。その他の実施例によれば、その他のイオンでのイオン注入を使用することが可能であり、例えば、Au,Pt,Xe,H,N,Cl,F,Si等があり、該スイッチング層内に部分的に埋め込むか、及び/又は殆どを該スイッチング層の外側に埋め込んでフィラメント形成用の意図的な欠陥を形成させる。同様に、例えば、Ti,Al,又はInの電極内へのNイオン注入を使用して、TiN,AlN,InN,GaN等のその他のインシチュスイッチング層を製造させることが可能である。
図22A及び22Bは、幾つかの実施例に基づく、スイッチング層(単数又は複数)のインシチュ形成の別の例を例示している概略図である。この例においては、BE2220及びTE2240は遷移金属である必要性は無い。何故ならば、それらの間に一つ又はそれ以上の遷移金属層2200及び2202が挟持されているからである。幾つかの実施例によれば、上部電極2220及び下部電極2240は、Pt,Au,Al,Cu,Ag,TiN,GaN,InN,シリサイド、窒化物、炭化物、炭素、及び/又は半導体等の物質とすることが可能である。中間層2200及び2202は、Ti,Ta,V,Ni、Hf,Zr,Cr,Zn,Mn,W,Mo,Ir,Os,Al等の遷移金属とすることが可能である。酸素イオン注入2250を、遷移金属酸化物層2230及び2232を形成しそれらを次いでスイッチングのために使用することが可能であるのに十分なドーズで、層2200及び2202内に実施する。酸素イオン注入ドーズは、数KeV乃至800KeV又はそれ以上のエネルギにおいて約1×1010/cm乃至5×1020/cmの範囲である。幾つかの実施例によれば、その他のイオンのイオン注入もフィラメント形成のための欠陥を作成する場合を助けるために使用することが可能である。窒化物をベースとしたスイッチング層も製造させることが可能であり、例えば、層2202はTi,In,又はAlとすることが可能であり、且つNイオンを注入する。更に、遷移金属酸化物及び遷移金属窒化物等の複数の異なる種類のスイッチング層をO及びNイオン注入でインシチュで製造させることが可能である。
本書において使用されている如く、「フィラメント形成」とはそれを介して物質欠陥に沿って電流が流れる1個又は複数のチャンネルの形成のことを意味しており、その場合に、該チャンネルの抵抗率は荷電イオン及び空位によって修正させることが可能である。注意すべきことであるが、各チャンネルの幅はRRAMの横方向寸法の大きさの小さな割合からRRAMの実際の横方向寸法の範囲となる場合がある。
図23A及び23Bは、幾つかの実施例に基づいて、非スイッチング層と結合したスイッチング層のインシチュ形成を例示している概略図である。酸素イオン注入2350によって遷移金属層2300及び2302から遷移金属酸化物スイッチング層2330及び2332のインシチュ形成に加えて、その他の層も形成することが可能である。例えば、数nm厚さのトンネル二酸化シリコン層2334をSi層2304の付加によって形成することが可能であり、それは、次いで、酸素イオン注入2350によって二酸化シリコン及び/又はSiOxへ酸化させることが可能である。幾つかの実施例によれば、酸化物を形成する代わりに、GaAs,GaN,InN等の層の電気的特性を変化させるその他の層を使用することも可能である。この様な場合には、注入された酸素イオンは電流制御のために該層の抵抗率を増加させることが可能であり、又、クロスバーRRAMアーキテクチャにおける漏洩電流を最小化させることが可能な非線形IV特性を有することも可能である。
注意すべきことであるが、ここで議論されるRRAM装置は殆どが遷移金属酸化物をベースとしたものであるが、幾つかの実施例によれば、ここに記載する技術は、スイッチングのために遷移金属酸化物をベースとするものではないその他の抵抗メモリ装置に適用されるものであり、例えば、遷移金属窒化物、遷移金属炭化物、金属硫化物、金属塩化物、金属弗化物、硫化物、塩化物、弗化物、ダイアモンド状炭素、炭素、ポリマー、及び相変化非揮発性メモリ装置等がある。
注意すべきことであるが、メモリスターとしても知られている抵抗ランダムアクセスメモリ(RRAM)は、又、論理演算において使用することも可能である。幾つかの実施例によれば、本書に記載される技術はメモリ装置に制限されるものではなく、論理演算に適用することも可能である。例えば、「ネイチャー ナノ技術(NATURE NANOTECHNOLOGY)」、8巻、2013年1月、www.nature.com/naturenanotechnology、コンピューティング用メモリスター装置(memristive devices for computing)、を参照のこと。
幾つかの実施例によれば、相変化メモリ(PCM)において、Geが上部電極と下部電極との間に挟持され、例えば図4に示した如く、選択的区域イオン注入のためにイオン注入マスクが使用される。相変化物質Ge−Sb−Teをインシチュで形成することが可能であるようにSb及びTeを注入させることが可能である。相変化物質が所望されない区域において酸素イオンを注入させることが可能であり、例えば、低電流動作等の電気的性能を改善させるために相変化区域の寸法を減少させるために選択的区域イオン注入領域においてイオン注入マスクを使用することが可能である。その他のPCM物質、例えば、CuS,AgS,Sb−Te,Sb−Te−TiN等を使用することも可能であり、その場合に、Sイオン注入でCu電極を部分的にCuSへ変換させることが可能である。
図24は、幾つかの実施例に基づいて、相変化メモリ装置でのイオン注入を例示している概略図である。この例において、Ge−Sb−Te相変化メモリ領域2452が下部電極120と上部電極140との間に挟持されているGe層2430内に形成される。該Ge2430を高度に抵抗性とさせるために、Sb及びTeが注入される箇所を除いて該Ge領域における全ての箇所に注入マスク(不図示)を使用してOイオンを最初に注入させることが可能である。自己整合プロセスを使用して、第2注入マスク2410を使用することが可能である。該マスク2410は第1注入マスクに自己整合されており、その場合に、該第1注入マスクが除去されてアパーチャーを露出させる。次いで、注入プロセス2450が該Ge内に選択的にSbおよびTeイオンを注入して、メモリ用のGe−Sb−Te相変化物質2452を完全にインシチュで形成する。例えば、エムアールエス・ブレティン(MRS BULLETIN)、39巻、2014年8月、www.mrs.org/bulletin、「相変化物質及び相変化メモリ(Phase change materials and phase change memory)」、を参照のこと。装置性能を最適化させるためには熱処理が望ましいか又は必要であるか又はそうではない場合がある。
幾つかの実施例によれば、欠陥経路又はチャンネルは、イオンビーム、電子ビーム、電磁波、超音波、内部応力、及び/又は、結晶性か、非結晶性か、微結晶性か、及び/又は非晶質物質とすることが可能なスイッチング物質におけるビルトイン応力によって形成される。遷移金属酸化物スイッチング層内で、金属と酸素との間の化学結合が顕微鏡的に破壊されて空位が形成される。該空位は、例えば、酸素空位及び/又は金属空位とすることが可能である。これらの欠陥は、電界及び/又は電位の影響下において空位及びイオンがドリフトすることが可能であるような経路又はチャンネルを形成することが可能である。
既知の技術において、該結合が破壊される結晶欠陥の経路/チャンネルが、上部電極と下部電極との間に約5−50V(スイッチング層の厚さに依存する)の大きな電圧が印加されるフォーミングプロセス期間中に形成される。幾つかの実施例によれば、結合が破壊された欠陥の経路が、イオン注入、電子ビーム、電磁波、熱、超音波、ビルトイン応力を使用して形成される。欠陥は、空位、格子間欠陥、点欠陥、線欠陥、面欠陥、フランケル欠陥、アンチサイト欠陥、不純物、非晶質領域、トポロジー欠陥、転位、及び/又はF中心の形態を取ることが可能である。非晶質及び多結晶物質は微細な結晶構造を有しており且つ結晶物質は巨視的な結晶構造を有している。例えば、結合破壊などの欠陥は、抵抗ランダムアクセスメモリ(RRAM)の上部電極と下部電極との間に印加される電界及び/又は電位の下での空位、イオン、電子拡散及びドリフトのための経路/チャンネルを提供することが可能である。
記載した如く、既知のフォーミングプロセスをTEとBEとの間に大きな電圧を印加した状態で結合破壊を発生させるために使用することが可能であり、その結果スイッチング層内が高電界となり高い電流密度となる。約2−60nm厚さのスイッチング層を横断して1−30ボルトの電圧で、ブレークダウン電界が5×10V/cmで数μA乃至数十ミリアンペアの電流が使用されることが既知である。フィラメント直径はナノメートル乃至数百ナノメートルとすることが可能である。フィラメントは長さの関数として直径が非一様なものとすることが可能であり且つ複数の分岐を有することが可能である。更に、フォーミングプロセス期間中に複数のフィラメントを形成させることが可能である。多結晶スイッチング層において、グレイン境界に沿って欠陥が形成される場合がある。本書に記載する欠陥チャンネル及び/又は経路を故意に導入させることによって、故意に導入させた欠陥経路/チャンネルに沿って殆どのフィラメントが形成される。故意に形成した欠陥経路/チャンネルを使用することにより、高電界の下での既知のフォーミングプロセスは不要となる。幾つかの場合には、フィラメントを形成するために空位、イオン、電子のドリフトを開始させるための印加電圧をその代わりに使用することが可能である。しかしながら、この開始電圧は数ボルトの近傍であり且つフォーミングプロセスのために必要な結合破壊電圧未満である。
図25A及び25Bは、幾つかの実施例に基づいて、スイッチング層内に欠陥を発生させるために使用される強力な超音波及び/又は熱を例示している概略図である。図25Aは、物質内に局所的歪みを発生させる大原子質量原子を組み込んでいるスイッチング層1630を示している。超音波2550が局所的欠陥を伝播させる外部励起を与える。同様に、図25Bにおいては、層1730が隣会う層間において応力を発生する複数の不整合物質層を包含している。超音波2552が局所的欠陥1750を伝播させるための外部励起を与える。幾つかの実施例によれば、欠陥を伝播させるための外部励起を与えるために超音波と共に又は無しで熱が使用される。幾つかの実施例によれば、該スイッチング層はビルトイン内部応力を有するものではないが、超音波が十分に強力であるため該スイッチング層内において欠陥を発生させ且つ伝播させる。
図26は、幾つかの実施例に基づいて、スイッチング層構造内に欠陥の経路又はチャンネルを形成させるためにイオン注入又はその他の照射を使用することを例示している概略図である。ビーム150は、Au,Pb,U,Er,Yt,Zn,O,Pt,Fe,Bi,H,He,Ga,Hf,N,C,V,Ti,Ta,Ar,Xe,ポジトロン、及び電子等のイオンとすることが可能である。幾つかの実施例においては、上部電極140を配置した状態で、一方その他の実施例においては、上部電極を未だに形成していない状態で、スイッチング層130内に及び/又はそれを介して該注入を行うことが可能である。該注入は金属と酸素との間の化学結合を崩壊及び/又は破壊して欠陥性金属−酸化物結合及び/又は空位を形成する。遷移金属酸化物スイッチング物質の例は、TiOx,HfOx,TaOx,VOx,WOx,及びZnOxを含む。その他のスイッチング層物質も可能であり、例えばC,S,F,及びN等がある。幾つかの実施例によれば、エネルギはKeV未満から数千KeV、及び更にMeVまでの範囲に亘ることが可能である。ドーズは1×10/cm未満から1×1020/cmを越える範囲に亘ることが可能である。該注入はブランケットイオン注入又は選択的区域注入とすることが可能である。
図27は、従来技術において既知のフォーミングプロセスを例示している概略図である。図27は「将来の非揮発性メモリとしてのRRAMの進化(Progress on RRAM as a future non volatile memory)」(NVM)、P.D.Kirsh、2011年10月28日、Sematech、からのものである。図27は、既知のRRAM製造技術においては、RRAMが高及び低の抵抗状態などのメモリ効果をRRAMが示す前にフォーミングプロセスが使用されることを示している。該フォーミングプロセスは、上部電極と下部電極との間に大きな電圧を印加し、ブレークダウンを発生させてその場合に金属イオンと酸素イオンとの間の結合を破壊させることを包含している。このプロセスは、印加電界の下で、空位、イオン、及び/又は電子がドリフトするための行き当たりばったりの経路を発生させる。この破壊された結合の欠陥経路におけるイオン、空位、及び/又は電子の移動は高及び低の抵抗状態を発生させる。空位、イオン、及び/又は電子が拡散するか、ドリフトするか、及び/又はホッピングするこの欠陥経路は、しばしば、文献においては、フィラメントとして呼称される。RRAMにおいてのこの様なフォーミングプロセスの使用は長年に亘り知られている。しかしながら、今日まで、既知の商用製品は未だに現れていない。このことは、一部には、大型のメモリチップにおける全てのメモリ要素のフォーミング電圧を印加することの製造不可能性に起因しており、且つ又、一部には、フォーミングプロセス期間中における結合破壊の場当たり的な特性に起因するものと考えられる。結果的に得られる装置は再現性が悪く且つ装置毎の一貫性に欠け、且つ信頼性が悪い。本書に記載する幾つかの実施例によれば、イオン注入又はその他の照射を使用して結合を破壊させる。このことは一層一様な欠陥経路/チャンネルとなり、その結果、再現性があり且つ一層製造可能性があり且つ信頼性のあるRRAMとなる。
幾つかの実施例によれば、我々は、イオン注入、粒子ビーム、電子ビーム、電磁照射、熱、超音波等によって課される損傷を利用するものである。イオン注入の例においては、イオンは結合破壊などの欠陥を発生させる。該欠陥は空位、イオン、及び/又は電子が移動するための経路又はチャンネルとなり、その組合せが「フィラメント」と呼称される。幾つかの実施例によれば、或るイオンを活性化させるための熱処理を使用することが可能である。次いで、その後のイオン注入は、イオン、空位、及び/又は電子が移動するための欠陥経路/チャンネルを発生させることが可能である。或る温度においての熱処理は幾つかの実施例においての部分的活性化のために使用することが可能である。幾つかの場合には、部分的アニーリング及び/又は熱処理を、該欠陥の全てではなく幾らかを除去するために使用することが可能である。RRAMの抵抗率を最適化させ、ダイオード特性を活性化させ、且つ電流電圧特性の非線形性を最適化させるために、熱処理を使用することが可能である。RRAM内にフィラメントを有するために損傷又は欠陥の幾らかの量が残存すべきであるが、該フィラメントの特性を最適化させるために熱処理を使用することが可能である。
アニーリング及び/又は熱処理温度は、ミリ秒乃至数時間の期間に対して、200℃未満から1800℃を超える範囲に亘ることが可能である。該アニールは、Ar等の不活性環境において、又はO又はH等の反応性環境において行うことが可能である。該アニーリングプロセスはN及びH、Ar及びH,Ar及びN等のガスの組合せを有することが可能である。該アニーリングプロセスは、又、プラズマ環境におけるものとすることが可能であり、その場合には、N,O,H又はガスの組み合わせ等のガス放電をグロー放電において使用することが可能である。
図28は、既知のRRAMフォーミングプロセスに基づくスイッチングパラメータの可変性を例示している概略図である。図28は「制御可能なフィラメントによる高度に一様な抵抗性スイッチングReRAMのための2段階セット動作(A Two−Step Set Operation for Highly Uniform Resistive Switching ReRAM)」、Sangheon Lee et al.、2013年9月18日、ルーマニアにおけるESSDEARC2013,から採ったものである。上部電極と下部電極との間にブレークダウン電圧が印加される既知のフォーミングプロセスを使用するフィラメント形成の場当たり的な特性に起因して、RRAMのスイッチングパラメータは、しばしば、RRAMがHRSからLRSへ移行する場合の電圧であるVset2810における可変性、その勾配が抵抗であるLRS2820の値の可変性、HRS勾配2822の可変性、及びLRSからHRSへ移動する電圧であるVreset2812の可変性を示す。それと対比して、本書に記載する多くの実施例によれば、イオン注入、電子ビーム、電磁照射、超音波、熱、及び/又はビルトイン応力によって形成される故意に導入した欠陥経路/チャンネルを使用して、スイッチングパラメータの可変性を著しく減少させることが可能である。
図29A及び29Bは、幾つかの実施例に基づく、RRAM処理の側面を例示している概略図である。RRAMが処理されるに連れて、BE120とスイッチング層(単数又は複数)130との間の界面が、ホトレジスト剥離、ドライ/ウエットエッチング、処理装置間のウエハハンドリング、及び/又は真空破壊などの処理環境に露呈される。これらのステップの幾らか又は全てが、BE120とSL130との間の界面において意図しないバリア層(UBL)2920を形成させ、且つSL130とTE140との間にUBL2920を形成させる場合がある。これらのUBL2910及び2920は酸化物、ホトレジスト処理からの残留物等の有機物層、ポンプ油残留物、プラズマエッチング期間中の真空室内に再付着した物質に起因する汚染物等である場合があり、且つ電流の流れを阻害することが可能なバリアとなる場合がある。幾つかの実施例によれば、これらのUBL2910及び2920はTE140を介して且つRRAM装置内へのイオン注入2950によって崩壊される。幾つかの実施例によれば、注入はBE120及び/又は基板110に対するものとすることが可能である。崩壊されたUBLは、図29Bにおいて、暗い点線2912及び2922で示してある。UBLの崩壊は電流の流れ及びRRAM動作用のフィラメントの形成を可能とさせ、その場合に、空位、イオン、及び/又は電子はイオン注入によって形成された欠陥経路に沿って移動、拡散、ドリフト、ホップすることが可能である。円は欠陥2900等の欠陥を表している。注意すべきことであるが、図29Aに示した如くイオン注入前には、幾らかの生来の欠陥が存在している。イオン注入の後、図29Bに示される如く、欠陥濃度が増加する。該円は、又、金属及び非金属イオン等の注入されたイオンを表している場合がある。
図30A及び30Bは、幾つかの実施例に基づいて、イオン注入用の薄いTEを形成し次いで一層厚いTEを形成することを例示している概略図である。図30Aにおいて、薄いTE3040は、イオンがTE3040、SL(単数又は複数)130、BE120、及び/又は基板110を介して浸透するのに必要なエネルギを減少させるためにRRAM構造を介してのイオン注入のために使用することが可能である。この薄いTE3040は10nm未満乃至100nmを越える範囲の厚さを有することが可能である。BE120とSL130との間(図29AにおけるUBL2910)及びSL130とTE3040との間(図29AにおけるUBL2920)に形成するUBLは上述した如くに形成させることが可能である。該UBLは、次いで、薄いTE3040を介して且つSL130,BE120、及び/又は基板110内へイオン注入2950によって崩壊される。崩壊されたUBL2922及び2912が示されている。該UBLは、電流バリアとして動作し、これらの領域内へのイオン注入及び/又はこれらの領域を介して通過するイオンによって化学結合が破壊されるように崩壊される。金属、酸素、非金属イオンを注入させることが可能であり、又該イオンは該界面を介して横断することが可能である。更に、薄いTE3040及びSL130におけるイオンは汚染されたUBL内へ叩き込ませることが可能である。崩壊されたUBL2912及び2922は電流の流れを一層容易に許容することが可能である。イオン注入プロセス、及び/又はX線等の照射プロセス、の後に、TE140は、直列抵抗を減少させるために物質3042を付加させることによって厚くさせることが可能である。
図31A及び31Bは、幾つかの実施例に基づいて、金属と半導体との組合せから構成されている上部電極及び下部電極を具備しているRRAM構造を例示している概略図である。TE(薄い部分3040及び注入後に厚くさせたTE140の両方)及びBE120は、金属と半導体との組合せ、例えばシリサイド(NiSi,PtSi),窒化物(TiN)、多結晶シリコン、高度にドープした非晶質シリコン、及びTi/Pt,Ta/Pt/Au,Ni/Ti,及びPt/Ni/Pt等、から構成することが可能である。薄いTE3040を介してのイオン注入の後に、図31Bに示した如くに、直列抵抗を減少させるために、例えばAl等の金属3142でTEを厚くさせることが可能である。
幾つかの実施例によれば、イオン注入及び/又は照射が欠陥を形成させ、該欠陥が界面UBLを崩壊させ且つ電流を一層容易に通過させることを許容する。イオン注入は、更に、金属及び非金属の両方のイオンを意図的ではない界面UBL内へ導入させ及び/又はTE及びSLからイオンをUBL内へ叩き込ませ、それらを崩壊させて電流を一層容易に流れることを許容させることが可能である。幾つかの実施例によれば、本RRAMは従来技術のフォーミング電圧及びそれに付随しRRAMを損傷する場合があり且つその信頼性を現象させる場合がある高電流無しで製造される。
幾つかの文献、例えば米国特許第8,062,918号、8,420,478号、8,465,996号、8,872,151号等は欠陥濃度を増加させるために部分的にSL内へのイオンを注入することを言及している。しかしながら、これらの文献はTEを形成するためにイオンを注入することを提案しており、そのことはSLとTEとの間の界面にUBLが形成することを許容する。このUBLの厚さはスイッチング層の大きな割合部分となる場合がある。例えば、スイッチング層は2nm程度に低い厚さを有する場合があり、一方UBLは1−20nmの範囲内の厚さを有する場合がある。従って、UBLはその厚さ及び組成でもってスイッチング層の特性を劇的に変化させる場合がある。UBLは汚染と考えることが可能である。このことは更なるフォーミングプロセスを必要とし、そのことはRRAMの信頼性を低下させ且つその可変性を増加させる。更に、該文献等はイオン/欠陥が支配的にSLの一部内に留まるように該イオン/欠陥を注入させることを教示している。注入したイオン/欠陥は大部分がSL及びBEの界面内に到達するものではないので、これらの技術はSLとBEとの間に存在することのあるUBLを崩壊させる上で効果的なものではない。SLのいずれの側においてもUBLを効果的に崩壊させることはないので、該バリアを打ち破るために高フォーミング電圧が必要とされる場合がある。
米国特許第8,809,159号は、照射前に形成することが可能な照射に対してトランスペアレントな20nmの薄いTEについて言及している。このトランスペアレントなTEが必要とされる理由は、照射のために使用されるエネルギは非常に低いものであり且つTEを介して且つSL内へ照射させることが必要だからである。主にSLにおいての照射を調節するこの低いエネルギは発生される欠陥を非一様な分布とさせ且つSLとBEとの界面に形成されるUBLを崩壊させるものではない場合がある。
幾つかの実施例によれば、意図的でないバリア層(UBL)内へ及び/又はそれを介してのイオン注入/照射は、各々がTE,UBL,SL,BEに対して調節されている複数の注入エネルギを有するイオンを使用して、及び/又は該UBLを介して且つ該BE及び/又は基板内へ実施される。該イオン注入プロセス及び照射プロセスの後には、電流の流れを意図的ではなく阻害する場合のある何らの更なる臨界的な界面が形成されることはない。
幾つかの実施例によれば、注入されたイオンの複数のエネルギはKeV乃至MeVの範囲に亘る。例えば、200KeVにおいてプロトンを2ミクロン注入させることが可能であり、そのことは、単一層RRAMクロスバーアーキテクチャの場合、該プロトンの大部分を基板内に入れ込む。TE,SL及びBEを介して及び基板内への該プロトンの通過は、空位、イオン、及び/又は電子が移動してフィラメントを形成するための欠陥チャンネル/経路の一様な分布を形成する。プロトン以外のその他のイオンを使用することも可能であり、金属及び/又は非金属イオンを包含している。照射及び/又はイオン注入損傷の使用を介してスイッチング層内に向上されたチャンネルを一様に形成させることによって多数のRRAMセルを包含するチップ全体に亘り性能の一層大きな一様性を達成することが可能である。
図32は、幾つかの実施例に基づく、基本RRAM用の処理ブロックを例示しているフローチャートである。RRAM装置/クロスバー用の処理ステップはブロック3210で開始することが示されており、その場合に、該基板は、CPU等のその他の情報処理ユニットに対して本RRAMをインタフェースさせるための能動的及び多分受動的な装置からなるCMOS集積回路を包含する場合がある。ブロック3212において、下部電極が形成され、次いで、ブロック3214において、スイッチング層(単数又は複数)が形成される。幾つかの実施例によれば、該スイッチング層は抵抗、トンネル及び/又はダイオード層を包含することも可能である。ブロック3216において、上部電極が形成される。ブロック3218において、全RRAM構造を介してイオン注入及び/又は照射が実施される。積層型RRAMアーキテクチャの場合には、ブロック3218の注入又は照射は、該RRAM及び/又はRRAM積層体全体を浸透するのに十分なエネルギで積層型RRAM構造全体を介してのものとすることが可能である。幾つかのその他の実施例によれば、一つ又はそれ以上の積層の形成に続いて中間の注入/照射ステップを実施することが可能である。ブロック3220において、所望により上部電極を厚くさせる。ブロック3218のイオン注入及び/又は照射は、複数のエネルギ、ドーズ、及び異なるイオン、電子、及びプロトンを包含することが可能である。幾つかの実施例によれば、一様な分布の欠陥チャンネルが上部電極から、スイッチング層(単数又は複数)を介して下部電極内へ及び/又は基板内へ延在する。照射及び/又はイオン注入に露呈される区域を適切にマスキングすることにより(選択的区域照射及び/又はイオン注入)、シリコンウエハ全体が照射及び/又はイオン注入され、そのことは大量のシリコンウエハ処理に通じる。
幾つかのその他の実施例によれば、本装置をインシチュで照射させる。即ち、例えば図32に示した如く、BE,SL,及びTEの付着の後に照射を実施する。幾つかの実施例によれば、高ドーズ(シリコンにおいて100rad乃至10,000,000rad)の電磁放射、例えば約3KeV乃至約100KeVの範囲におけるX線、を使用してSLを介して一層一様なチャンネルの欠陥を形成させる。シリコンにおける1rad、即ち1rad(Si)、は、通常、シリコンの1グラム当たりに吸収される100エルグのエネルギとして定義される。一般的に、イオン、X線、ガンマ線、又は電子の形態に拘わらずに、一層大きな深さ浸透を伴う一層高いKeVエネルギにおいての一層高い照射は、SL等の薄い層内に一層一様な欠陥を与えることが可能であり、特にかなり一層厚い上部層TEが存在する場合にそうである。このSLにおける欠陥の高い一様性は、処理性能に対しての変動を低くし、非常に多数の要素を具備する装置の製造に対して重要である。このインシチュ照射は、高エネルギ電磁照射又はイオンについて後に示すように、単純な単一層RRAM構造において、複数の層を積層させたクロスバーRRAM構造において、又は垂直RRAM構造において実施することが可能である。複数の層を積層させたRRAM構造及び垂直RRAM構造の場合には、本書における別の箇所に記載している如く、一層高い照射エネルギを使用することが可能である。
以下の部分において、電磁照射を使用して厚い上部電極TE(例えば,100nmを越える)でインシチュでSL内に発生された一様な欠陥を具備している実際的な装置について説明する。より詳細に説明すると、幾つかの実施例によれば、3KeV乃至10KeVの範囲のプロトンエネルギを具備するX線照射を使用する。電磁照射でSL内に欠陥を発生させる実際的ではない試みが以前なされていた。例えば、一つの従来技術の提案、即ち米国特許第8,809,159号では、非常に低い照射プロトンエネルギ(200−600nmの波長、即ち6.2乃至2.1eV)を使用することを言及しているが、その結果はSL内においての欠陥の発生は極めて狭い範囲の深さのものとなっている。この低エネルギアプローチは、上部電極を付着させる前に照射を実施すること、又は非常に薄い層の上部電極(10乃至20nmの厚さ)を使用することを必要とする。このことは非現実的なアプローチであり、そのことは、チップ全体にわたりSL及び/又はTEにおける比較的小さな厚さ変動からSLにおいて大きな欠陥の変動となる場合がある。この様な従来の提案は、複数層クロスバー構造又は垂直構造のインシチュ照射を提供することも不可能である。幾つかの実施例によれば、100nm又はそれ以上の程度の厚いTEに続いて、米国特許第8,809,159号において使用されているものよりも100乃至1000倍一層高いエネルギでの照射が行われる。
図33A−Dは、既知の技術に基づいて注入したHfイオンのシミュレーション結果を例示しているプロットである。米国特許第8,872,151号は、50KeV及び22.5KeVにおいて上部電極無しで30nmのHfOxスイッチング層内にHfイオンを注入することを記載している。プロット3310,3312,3314,3316は、これらの条件のモンテカルロシミュレーションである。お分かりのように、スイッチング層内に発生される空位は非常に非一様である。この空位の無い区域での非一様性は一貫性が無く且つ再現性の無いRRAMスイッチング特性を発生する場合があり且つ空位を欠如するボリューム(体積)は空位を発生させるためにフォーミングを必要とするので、スイッチングを開始させるために更なるフォーミングを必要とする。フォーミングは、又、HfOxと下部電極との間、及び上部電極とイオン注入プロセス後にデポジットさせたHfOxとの間のUBLを破壊させるためにも必要とされる場合がある。空位分布の非一様性はスイッチング層内において95%を越えている。この非一様性は空位濃度において狭窄を発生させて移動度劣化を発生させる場合があり、そのことは究極的にはHRS(高抵抗状態)とLRS(低抵抗状態)との間での多数のサイクルの後にRRAM故障となる場合がある。空位の一層低い濃度は、又、低空位移動度及び一層低い導電度となる場合がある。
図34は、幾つかの実施例に基づく、単純なRRAM構造の電極及びスイッチング層の相対的な厚さを例示している概略図である。TE140は50nmのPtであり、SL130は10nmのTiOxであり、BE120は100nmのTi(又は幾つかの場合にはPt)であり、且つ基板110は5000nmのSiOである。注入プロセス3450は様々なイオン種、様々な注入エネルギ、及び様々なドーズを使用して実施することが可能である。図34に示した構造内への幾つかの注入例についてシミュレーションを行い、その結果を図35A−D、36A−D、37A−D、38A−Dに例示してある。イオンの大多数が基板110内に十分に注入されるように比較的深い注入プロセスを与えることは、欠陥分布の一様性を著しく増加させることとなることが判明した。この一様な欠陥分布及びそれと関連する一様な空位濃度分布は、RRAM再現性を著しく増加させ、RRAM可変性を減少させ、且つRRAM信頼性を改善させる。この場合におけるスイッチング層内の空位濃度一様性は10%よりも一層良好である。幾つかの実施例によれば、該イオンの大多数はスイッチング層外部に注入され、そのことは許容可能な空位濃度一様性を与えることが可能である。幾つかの実施例によれば、該イオンの90%又はそれ以上が該スイッチング層外部に注入される。幾つかの実施例によれば、70%又はそれ以上のイオンがスイッチング層の外部に注入される。幾つかの実施例によれば、該イオンの50%又はそれ以上が該スイッチング層の外部に注入される。幾つかの実施例によれば、該イオンの30%又はそれ以上が該スイッチング層の外部に注入される。幾つかの場合には、該イオンの10%又はそれ以上が該スイッチング層の外部に注入される。該スイッチング層内の空位濃度の一様性は、平均値についての変動において、5%を越えるものから80%を越えるものの範囲である場合がある。幾つかの場合においては、それは10%よりも一層良いものである場合がある。幾つかの場合においては、それは20%よりも一層良いものである場合がある。幾つかの場合においては、空位濃度一様性は30%よりも一層良いものである場合がある。幾つかの場合においては、それは40%−50%よりも一層良いものである場合がある。幾つかの場合においては、空位一様性は平均値についての変動において60−80%よりも一層良いものである場合がある。幾つかの実施例によれば、RRAM再現性を改善し、可変性を減少させ、且つ信頼性を改善させるために、異なるイオン種、エネルギ、及び/又はドーズでの複数のイオン注入物を使用する。幾つかの実施例によれば、深いイオン注入と浅いイオン注入との組合せが使用される。例えば、第1の一層浅いイオン注入は、TEとSL及び/又はSLとBE層との間のUBLを効果的に崩壊させる。これに続く第2の一層深い注入は、SL層全体に亘り一様な欠陥分布を発生させる場合に効果的なものである。イオン注入のその他の組合せをRRAM製造プロセスに組み込むことが可能であり、例えば、遷移金属をインシチュで遷移金属酸化物へ変換させる注入物である(窒化物、炭化物、弗化物、塩化物、酸化物及びそれらの任意の組合せがその他の例である)。
図35A−35Dは、600KeVにおいて図34に示した如き構造内に注入したArイオンのシミュレーション結果を例示しているプロットである。該Arイオンは、単独イオン化で且つ600KeVで加速させることが可能であり、又は二重イオン化で且つ300KeVで加速させることが可能である。プロット3510に見られる如く、該ArイオンピークはSiO層内へ500nm未満である。プロット3512は、TE140、SL130,及びBE120の上部部分の展開プロットである。プロット3514及び3516は注入によって発生された空位を示している衝突イベントプロットである。発生された空位の展開プロット3516は、スイッチング層130において空位の欠乏無しで10nm厚さのTiOxスイッチング層130内の良好な一様性を示している。更に、UBLが形成されやすい箇所であるTE140対SL130の界面において、及びSL130対BE120の界面において、空位の欠乏が存在していないことを理解することが可能である。空位は衝突イベントに直接的に比例しており、r×衝突イベント×ドーズ×10/cmによって近似的に与えられ、尚「r」は1乃至0.01の範囲の値をとることが可能である。以下の空位濃度計算の全てにおいては、「r」=1の値が選択される。もしも「r」が1未満である場合には、空位濃度は一層高いドーズで補正させることが可能である。「r」=1を選択することは、各注入イオン衝突イベントが1個の空位を発生させる重いイオンに対して略正確である。
図36A−Dは、800KeVにおいて図34に示した如き構造内に注入させたArイオンのシミュレーション結果を例示しているプロットである。プロット3610において、該ArイオンピークはSiO層内に500nmよりも一層深い。プロット3612はTE140、SL130、及びBE120の上部部分の展開プロットである。プロット3614及び3616は衝突イベントプロットであり、それらは該注入によって発生された空位を示している。展開プロット3616は、50%よりも一層良好な一様性でスイッチング層130内において空位が略一様に発生されることを示している。シミュレーションのアーチファクト、即ち人工的効果、である可能性があるPt及びTiとのTiOx境界における空位の降下及びピークを考慮に入れなければ、該スイッチング層における空位濃度の一様性は3%よりも一層良好である。更に、UBLが形成される傾向がある箇所であるSL130対BE120界面において及びTE140対SL130界面において、空位の欠乏が存在しないことを理解することが可能である。Arは不活性イオンであって、主に、空位及び欠陥を発生させ、且つ電極イオンを該界面内に叩き込んでRRAM装置をしてブレークダウンレベルのフォーミングプロセスを必要とさせるような処理期間中に形成することのあるUBLを崩壊させるために使用される。
図37A−Dは、1600KeVにおいて、又は三重イオン化させ且つ533KeVで加速させて図34に示した如き構造内に注入させたXeイオンのシミュレーション結果を例示しているプロットである。プロット3710から、イオン分布ピークは表面から約500nmであることを理解することが可能である。プロット3714及び3716から、スイッチング層130内において及びTE/SL及びSL/BE界面において発生される空位/欠陥は10%未満の空位濃度における変動で略一様であることを理解することが可能である。シミュレーションにおけるアーチファクトに起因する場合があるスイッチング層における空位の降下及びピークを考慮に入れること無しに、一様性は2%よりも一層良好である。略一様な分布、及び/又はスイッチング層内の空位/欠陥の界面において及び該界面においてボイドが無い分布は、低可変性RRAMスイッチング特性とさせることが可能であり、且つ再現性及び信頼性を改善させることが可能である。1600KeVの加速エネルギがこの例において使用されているが、1600KeV未満であるか又はそれより一層大きなその他のエネルギを使用することも可能である。幾つかの実施例によれば、多重イオン化イオンは対応的に一層低い加速電圧を使用することが可能であり、且つ同様の深さの注入を達成することが可能である。E(エネルギ)=ZeVの関係を使用することが可能であり、尚、Zはイオン電荷番号であり、Vは加速電圧であり、eは電子電荷である。例えば、600KeV加速電圧を有する三重イオン化Arイオンは1800KeVのエネルギを有している。又、イオンピークが下部電極内に存在するエネルギを使用することも可能であり、RRAM下側に存在することのあるCMOS回路及び/又は装置を考慮に入れて、該CMOS内へのイオン注入を最小とさせるべくエネルギを調節することが可能である。
図38A−Dは、3200KeVにおいて図34に示した如き1例の構造内に注入させたBiイオンのシミュレーション結果を例示しているプロットである。プロット3810から、Biイオンは約500nmの深さへ注入されていることを理解することが可能である。プロット3812は、TE140、SL130、及びBE120の上部部分の展開プロットである。スイッチング層130内及び該界面においての空位はプロット3814及び3816に示されているように略一様である。加速電圧を減少させるためにBiイオンを多重イオン化させることが可能である。更に、3200KeV以外のエネルギを使用することが可能である。例えば、Biイオンを下部電極及び/又は上部電極界面内、該スイッチング層内、及び/又は下部電極界面に注入させることが可能であり、及びそれに続いて、一層高いエネルギのBi及び/又はその他のイオン注入を行ってボイドの無い空位及び/又はスイッチング層(複数又は単数)及び該界面内に略一様な空位を発生させることが可能である。空位濃度の一様性は略5%未満である。シミュレーションのアーチファクトに起因する場合がある部分を考慮に入れること無しに、空位濃度一様性において2%よりも一層良好なものが達成される。一層高いエネルギのイオン注入は、又、例えば処理によって発生される場合があるRRAM装置の厚さにおける変動に起因するイオン分布、欠陥、空位の一様性に対して一層少ない変動を有することが可能である。
図39は、1KeVと100KeVとの間のエネルギに対して、シリコンにおけるX線リニア吸収係数(cm−1の単位)とX線フォトンエネルギ(KeVの単位)との間の関係を例示している対数・対数プロットである。X線等の高ドーズ電磁照射の使用が、以下の例において、RRAM製造を容易化させるために示されている。X線における如く、100rad(Siにおいて)乃至10,000,000rad(Siにおいて)の範囲における電磁照射はスイッチング層(単数又は複数)において望ましい損傷を発生させる場合がある。図39において、シリコンにおけるリニア吸収係数が、説明の便宜上、2つの曲線3910及び3912に分割して示されている。詳細な参照のためには、NISTのシリコンに対するX線質量減衰係数(NIST X−ray mass attenuation coefficient for Silicon)を参照のこと。3KeV乃至100KeVの範囲におけるX線の場合、リニア吸収係数μは1000乃至0.4/cm(又はcm−1)である。吸収(ABS)は従って、ABS=1−e−μTであり、尚、Tはcm単位でのシリコン厚さである。例えば、200nm即ち0.2×10−4cmの厚さを有するインシチュRRAM装置は、26KeVにおいてμが5cmである場合に、μT=1×10−4及びABS=0.0001である。従って、ABSはRRAM装置厚さに事実上直線的に比例する。RRAM厚さにおける数%の変化はABSを数%だけ変化させるに過ぎない。従って、26KeV又は20−30KeVの範囲におけるこの照射は厚さ変動に対して非常に鈍感であり且つ変動に対して殆ど許容性の無い積層型クロスバーRRAM装置のインシチュ照射に対して特に良く適している。3個のRRAM構造の積層型構造の1例を図45に示してあり、上述した範囲を使用して容易にインシチュで照射させることが可能である。幾つかの実施例によれば、一層多くの積層型装置を有するRRAM構造のインシチュ照射は、20−30KeVのエネルギ範囲を使用しても実際的である。幾つかの実施例においては、5乃至15個又はそれ以上の積層型RRAM装置の積層体を20−30KeVのエネルギ範囲を使用してインシチュで照射させる。垂直RRAM構造の1例は図53に示してあるが、それも特に20−30KeVの範囲における電磁エネルギを使用してのインシチュ照射に良く適している。幾つかの実施例によれば、X線は制動放射(Bremsstrahlung)装置(医学的目的のために使用されるもの等)又は電子シンクロトロン装置で供給することが可能である。更に、スイッチング層のインシチュ照射前に両方の電極が形成されるので、その照射は処理期間中の汚染を介して無意識的に形成される全てのUBLを崩壊させることが可能である。
幾つかの実施例によれば、CMOSがRRAMクロスバーの下側及び/又は回りに存在するかもしれない場合には、例えばW,Ta,Bi,Au,Pb等の重金属の例えば数μ厚さの薄い層によって照射に対する露呈に対してこれらの敏感な領域をマスクするために予防策を取ることが可能である。例えば、図32に示した如く、該クロスバーの製造プロセスを開始する前に、ステップ3212において、W,Ta,Bi,Au,Pb及び/又はその他の金属の層を最初にデポジットさせてこの位置の下側又は周りに有るその他の部品を遮蔽させる。このことは、60KeVをかなり越えるX線フォトンエネルギに対しては実際的ではない厚さの遮蔽が必要とされることを暗示している。この影響は米国特許第8,809,159号などの従来技術の提案においては認識されておらず、その場合には、コバルト60ガンマ線での照射が提案されているように思われる。この様に高い浸透性の照射は該装置内の全ての部品を崩壊させることとなる。幾つかの実施例によれば、より少ない積層型で一層薄いRRAM構造の場合、10KeVより低い範囲における一層低いエネルギのX線での照射が有用である場合がある。この様な実施例の利点はかなり一層薄い重金属遮蔽を使用することが可能であるということである。
図40は、幾つかの実施例に基づいて、基板に対して垂直か又は略垂直であるスイッチング層(単数又は複数)を有するRRAM構造の簡単な断面を例示している概略図である。一般的に、RRAMスイッチング層は水平(基板に対して平行及び/又は略水平)及び/又は垂直(基板に対して垂直及び/又は略垂直)及び基板に対して垂直から平行の間の任意の角度とさせることが可能である。スイッチング層を基板に対して垂直に配置させる場合の更なる詳細については、例えば米国特許公開番号第2015/0090948号を参照すると良い。X線/ガンマ線でのイオン注入及び/又は照射は、基板に対して垂直から垂直からずれたものの範囲の角度、例えば基板に対して直角から鋭角又は鈍角、でRRAM構造へ入射することが可能である。図40に示した例においては、照射4050(例えば、イオン注入及び/又は照射)は垂直からずれた角度、例えば45度、でRRAM構造に指向され、上部電極140を介して且つスイッチング層4030,4032,4034内へ、下部電極120及び/又は基板110内へ進む。イオン注入及び/又は照射4050は、基板110に対して垂直又は略垂直とさせ且つスイッチング層(単数又は複数)及び界面(単数又は複数)内に空位/欠陥を発生させることも可能である。幾つかの実施例によれば、イオン注入又はその他の照射の角度は5度未満乃至80度又は更に垂直からずれたものの範囲とすることが可能である。
図41は、幾つかの実施例に基づいて、基板の第一次の平坦な表面に対して垂直又は略垂直にイオン注入及び/又はその他の照射が実施される場合のRRAM構造の断面を例示している概略図である。そのRRAM構造は図40に示した如きものである。X線/ガンマ線4150によるイオン注入及び/又は照射は基板の第一次の平坦な表面に対して垂直及び/又は略垂直である角度で入射することが可能である。その場合のエネルギは、イオン及び/又は照射が、電極を介して且つスイッチング層(単数又は複数)及び界面内へ、下部電極内へ及び/又は基板内へ空位/欠陥を発生させるように選択される。この例においては、スイッチング層と電流制御用のその他の層との間の界面及び下部電極120及び上部電極140等の電極を製造した後に、イオン及び/又は照射がスイッチング層4030,4032,4034を沿層方向に浸透する。この様に、イオン及び/又は照射4450は処理期間中に汚染を介して無意識的に形成される全てのUBLを崩壊させることが可能である。この崩壊は、装置に対して略ブレークダウン電圧−電流を印加させるフォーミングプロセスに依存すること無しに、RRAMスイッチング特性を改善させる。スイッチング層4030,4032,4034中には空位及び欠陥が発生される。幾つかの実施例によれば、O等のイオン、遷移金属イオン、その他の非遷移金属イオン、Ar,Xe等の不活性イオン、H,Cl,N,F等の非不活性イオン、及びLi,Na,K,C等のその他のイオンも該スイッチング層内に沿層方向に及び/又は略沿層方向に注入させることが可能である。イオン及び/又は空位/欠陥の分布は入射イオンの方向に沿ってである。殆どの場合、スイッチング層の幅はスイッチング層の厚さよりも一層大きく、それは約2乃至約40nmの範囲である。空位及び/又はイオンの分布は、従って、スイッチング層(単数又は複数)の深さではなくスイッチング層(単数又は複数)の幅に沿って配置させることが可能である。この技術は該スイッチング層(単数又は複数)の幅内の空位/イオンを有益的に局所化させることが可能であり、そのことは該スイッチング領域を更に該スイッチング層(単数又は複数)内に閉じ込めて再現性及び信頼性を改善することを可能とさせる。
図42は、幾つかの実施例に基づいて、スイッチング層の面が基板の表面に対して垂直及び/又は略垂直である場合の2個又はそれ以上の積層体を具備している積層型RRAM構造を例示している概略図である。X線/ガンマ線等のイオン注入及び/又は照射に対するエネルギは、該イオン及び/又は照射が、電極4240,4220,140,150を介して、スイッチング層4230,4232等内へ、及び基板110内へ積層体4200全体に浸透するように選択される。該イオン及び/又は照射は、又、UBLが存在する場合がある電極及びスイッチング層の間の界面を介して浸透して、その際に該UBLを崩壊させる。入射するイオン及び/又は照射の角度は、該スイッチング層(単数又は複数)が沿層方向に浸透されるように、例示した注入4252のように基板に対して垂直及び/又は略垂直とさせることが可能である。幾つかのその他の実施例によれば、該入射するイオン及び/又は照射は例示した注入4250におけるように垂直からずれたものとさせることが可能である。
図43は、幾つかの実施例に基づいて、垂直及び/又は略垂直なスイッチング層(単数又は複数)を具備しておりイオン注入及び/又は照射が該スイッチング層内に沿層方向に入射する場合の基本的な簡単化したRRAM構造の断面を例示している概略図である。イオン注入の場合には、該沿層方向は、該スイッチング層の深さ即ち厚さに沿ってではなく該スイッチング層の幅に沿う領域においてイオン/空位/欠陥の局所化を可能とさせる。注意すべきことであるが、空位濃度は電流の流れの方向に沿って略一様である。イオン及び/又は欠陥の分布の1例を挿入図4360に示してある。十分に高いエネルギを有するイオンは該スイッチング層の全幅に沿って浸透して下部電極120及び/又は基板110内に注入することが可能である。幾つかの実施例によれば、複数のイオン種、エネルギ、及び/又はドーズを使用してRRAMスイッチング特性、再現性、及び信頼性を最適化させ且つRRAM可変性を減少させることが可能である。幾つかの実施例によれば、X線及びガンマ線等の照射をイオン注入と共に及び/又は別に使用してスイッチング層の全幅に沿って欠陥を発生させることが可能である。幾つかの実施例によれば、該スイッチング層の端部内へのイオン注入及び/又は照射は、該電極及び/又は非スイッチング層(電流制御層、非線形ダイオード及び/又はトンネル層等)が該スイッチング層と接触した後に、実施される。このことは、例えば、界面として形成される全てのUBLの崩壊のために有益的である場合がある。その他の実施例によれば、イオン注入及び/又は照射は、スイッチング層を下部電極上に付着させた時で上部電極を付着させる前に開始させることが可能である。
該スイッチング層は、典型的に、該電極よりも一層低密度の物質であるから、該スイッチング層(単数又は複数)の端部内へのイオン注入及び/又は照射は、全体的に一層低いエネルギを必要とする場合があり尚且つイオン及び/又は空位のエネルギ分布に依存して局所化したか又は局所化していない一様性を達成する。幾つかの実施例によれば、複数のイオン種、エネルギ、及び/又はドーズをRRAM特性を最適化させるために使用することが可能である。イオン注入及び/又は照射のための一層低いエネルギは、RRAMクロスバー下側及び/又は周りに存在する場合があるCMOS回路の無意識による影響を最小とさせ且つイオン注入及び/又は照射器間中における遮蔽条件を減少させる。
幾つかの実施例によれば、端部イオン注入及び/又は照射は、RRAM特性に悪影響を与える可能性のある処理期間中に形成する場合があるUBLを崩壊させるべく作用する。UBLの崩壊は電極とスイッチング及び/又は非スイッチング層との間のより良い接触とすることを可能とさせる。
図44は、幾つかの実施例に基づいて、スイッチング層がZnOナノロッドを包含している場合の簡単なRRAM構造を例示している概略図である。ZnOナノロッドは、HfOxなどのその他のスイッチング層及び/又は抵抗層、ダイオード層、及び/又はトンネル層等のその他の電流制御層を具備しているコアシェルとすることが可能である。簡単化のために、下部電極4420と上部電極4440との間のスイッチング層4430内にZnOナノロッドのみが示されている。この例において、BE4420はアルミニウムをドープしたZnO(AZO)であり、且つTE4440はAuである。注入プロセス4450は、上部電極4440を介して、ZnOナノロッド内へ、下部電極4420内へ及び/又は基板110内へ注入された水素イオンを包含することが可能である。該HイオンはZnOナノロッド内にO空位を形成するために使用することが可能である。熱アニール/熱処理と共に又は無しで、ZnOナノロッドをHイオンで一様に及び/又は非一様にドーピングすることは、RRAMのスイッチング特性を調節させることが可能である。更に、上部電極を介して注入することにより、界面における全ての意図しないバリア層(UBL)を崩壊されて良好な電気的特性が提供される。幾つかの実施例によれば、該ナノロッドと下部電極との間の界面におけるUBLを崩壊させるために一層高いエネルギのイオン注入を使用することも可能である。幾つかの実施例によれば、他のナノロッドとのナノロッド界面に沿って及びその中においてドーピングし及び/又は欠陥及び/又は空位を形成するためにZn,O,Ar,Xe,Al,Au,Ti,Hf等のその他のイオンを該イオン注入において使用することが可能である。幾つかの実施例によれば、RRAMのスイッチング特性を最適化させるために、複数のエネルギ、ドーズ、及び/又は種を使用することが可能である。
幾つかの実施例に基づいて、幾つかの特定例の構造及びプロセスについて説明する。幾つかの例においては、TE140は50nmの厚さのPtであり、SL130は20nmの厚さのハフニウム酸化物であり、BE120は100nmの厚さのTi又はWであり、且つ基板110はSiウエハ上の2000−4000nmの厚さの二酸化シリコンである。代替例は、SL130に対して、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、タングステン酸化物、タンタル酸化物、バナジウム酸化物、又はこれら酸化物の組合せを置換させることを包含している。電極TE及びBEは厚さが異なるものとすることが可能であり且つTiN,AlN,シリサイド、W,Ni,Au,Pt,Cr,V,Ta,Nb,Al,Cu、又はこれらの組合せから構成することが可能である。下記のものは、上述した構造で使用することが可能な特定の注入例である。
1.アルゴン、600KeV、1×1012/cm乃至5×1014/cmのドーズ、
2.アルゴン、600KeV、1×1012/cm乃至5×1014/cmのドーズ、
次いで、酸素注入、100KeV、1×1014/cm乃至5×1016/cmのドーズ
3.アルゴン、600KeV、1×1012/cm乃至5×1014/cmのドーズ、
次いで、酸素注入、100KeV、1×1014/cm乃至5×1016/cmのドーズ、及び水素注入、10KeV、1×1014/cm乃至5×1016/cmのドーズ、
4.アルゴン、600KeV、1×1014/cm乃至5×1016/cmのドーズ、
5.アルゴン、150KeV、1×1012/cm乃至5×1014/cmのドーズ、
6.アルゴン、150KeV、1×1014/cm乃至5×1016/cmのドーズ、
7.キセノン、1600KeV、1×1012/cm乃至5×1014/cmのドーズ、
8.キセノン、300KeV、1×1012/cm乃至5×1014/cmのドーズ、
9.キセノン、300KeV、1×1012/cm乃至5×1014/cmのドーズ、
次いで、酸素注入、100KeV、1×1014/cm乃至5×1016/cmのドーズ、
10.キセノン、1600KeV、1×1012/cm乃至5×1014/cmのドーズ、
次いで、酸素注入、100KeV、1×1014/cm乃至5×1016/cmのドーズ、
11.キセノン、1600KeV、1×1010/cm乃至5×1013/cmのドーズ、
12.Au、650KeV、1×1014/cm乃至5×1016/cmのドーズ、
13.Au、650KeV、1×1015/cm乃至5×1017/cmのドーズ、
次いで、酸素注入、100KeV、1×1014/cm乃至5×1016/cmのドーズ、
14.Au、400KeV、1×1015/cm乃至5×1017/cmのドーズ、
次いで、酸素注入、100KeV、1×1014/cm乃至5×1016/cmのドーズ
幾つかの実施例によれば、水素注入は、上の注入例1−3及び5−14の内のいずれかに付加させることが可能である。更に、上の注入例のいずれのエネルギ及びドーズは±50%だけ変化させることが可能である。
図45は、幾つかの実施例に基づく、多層RRAM装置の構造を示した概略図である。図45に示した構造4500は、3つの垂直に積層させたRRAM装置の1例である。幾つかの実施例によれば、TE4540,4542,4544は100nmのPtから構成されており、スイッチング層(SL)4530,4532,4534は20nmのTiOxから構成されており、且つBE4520,4522,4524は100nmのTiから構成されている。従って、多層構造4500は、例えばSi上に形成することが可能なSiO4510上の3個のRRAM装置から構成されている。イオン注入4550が実施される。幾つかの実施例によれば、Arイオンが800及び/又は1600KeVで注入される。幾つかのその他の実施例によれば、Hイオンが基板4500内に100及び/又は200KeVで注入される。Arイオンは不活性であり且つどの物質とも反応することは無い。寧ろ、物質中におけるそれらの存在は欠陥及び空位を形成するために使用される。Hは反応性である場合があり且つHイオンの大多数は200KeVでSiO層4510内にデポジットされる。一方、800及び1600KeVにおけるArイオンの大多数は第2及び第3RRAM装置内に夫々存在する。
図46A−46Hは、幾つかの実施例に基づいて、種々のエネルギにおいて図45に示した如き構造内に注入させたAr及びHイオンのシミュレーション結果を例示している概略図である。プロットはイオンの範囲及び衝突イベントを示している。イオン範囲プロット(図46B,46D,46H)において、イオン数/cmのドーピング濃度はドーズ(イオン数/cm)を(原子数/cm)(原子数/cm)の縦軸で乗算することにより得ることが可能である。衝突イベントプロット(図46A,46DC,46E,46G)において、空位濃度は、(ドーズ)(r)(10)を数/(オングストローム−イオン)の縦軸で乗算することにより近似させることが可能であり、尚「r」は1個の空位を形成するためのイオン数である。幾つかの場合には、「r」は1に等しいと仮定することが可能であり、且つその他の場合には、「r」は0.01であり且つ注入条件に依存すると仮定することが可能である。全てのわれわれの近似においては、「r」=1が仮定されている。「r」が1以外の場合には、我々のドーズはそれに応じて調節させることが可能である。例えば、r=0.01である場合には、r=1が仮定された場合の空位濃度と同一のレベルを達成するためにドーズを100倍だけ増加させることが可能である。図46A及び46Bにおいて、800KeVにおけるArは2個のRRAM装置を浸透することが可能であるに過ぎないことを理解することが可能である。図46C及び46Dにおいて、1600KeVにおけるArは3個全てのRRAM装置を浸透することを理解することが可能である。図46E−46Hにおいて、100及び200KeVにおけるHは3個全てのRRAM装置を浸透することが可能であることを理解することが可能である。
図47A−47Bは、幾つかの実施例に基づいて、800KeVにおいて図45に示されている如き構造内に注入されたArイオンのシミュレーション結果を例示している展開プロットである。理解されるように、Arが800KeVにおいて、最初の2個のRRAMのスイッチング層内に空位が発生される。第1RRAMスイッチング層4534は空位濃度において20%よりも良好な一様性を有しており、且つ第2RRAMスイッチング層4532は10%よりも良好な空位濃度一様性を有している。装置から装置への空位濃度変動は10%よりも良好である。
図48A−48Cは、幾つかの実施例に基づいて、1600KeVにおいて図45に示した如き構造内に注入したArイオンのシミュレーション結果を例示している展開プロットである。RRAM1,RRAM2,RRAM3に対する夫々のスイッチング層4534,4532,4530は全て20%よりも良好な空位濃度変動を有していることを理解することが可能である。スイッチング層の境界近くでの蓋然性のあるシミュレーションアーチファクトを無視すると、各RRAMスイッチング層内での空位濃度の一様性は5%よりも良い。空位濃度における装置毎の変動は15%よりも良い。
図49A−49Cは、幾つかの実施例に基づいて、200KeVにおいて図45に示した如き構造内に注入したHイオンのシミュレーション結果を例示している展開プロットである。空位濃度一様性は3個の全てのRRAMのSL(4534,4532,4530)において60%よりも良く、且つ装置毎の一様性は約60%か又はそれより良い。
図50は、幾つかの実施例に基づく、RRAM装置の多層の構造を示している概略図である。図50に示されている構造5000は3個の垂直に積層したRRAM装置の1例である。幾つかの実施例によれば、TE5044,5042,5040は100nmのAlから構成されており、SL5034,5032,5030は20nmのTiOxから構成されており、且つBE5042,5040,5020は100nmのAlから構成されている。注意すべきであるが、この形態においては、電極層5040及び5042は異なるRRAM装置に対してTE及びBEの両方の機能として作用する。3000nmのSiOがRRAM装置の下側に存在している。該構造は600及び800KeVのエネルギを使用してArイオンで注入される。100及び200KeVのエネルギを使用してHイオンを注入させることも可能である。図50の積層型RRAM構造は簡単化のために最も基本的な構造を示しているに過ぎない。その他の層を包含させることが可能であり、且つAr,H,Xe,Ti,Hf等のイオンの注入エネルギはイオン及び空位の分布の一様性を増加させるためにそれに応じて調節させることが可能である。
図51A−51Eは、幾つかの実施例に基づいて、600KeVにおいて図50に示した如き構造内に注入したArイオンのシミュレーション結果を例示しているプロットである。図51A−51Eにおいて、各装置内で10%より良い空位濃度変動を達成することが可能であることを理解することが可能である。蓋然性の有るシミュレーション界面アーチファクトを無視すると、空位濃度は5%よりも良い。装置毎の変動は600KeVでのArイオン注入の場合には20%よりも良い。
図52A−52Eは、幾つかの実施例に基づいて、800KeVにおいて図50に示した如き構造内に注入したArイオンのシミュレーション結果を例示しているプロットである。図51A−51Eにおいて、1個の装置内及び装置毎の20%より良い空位濃度変動を図50に示した如き組成を有する3RRAM積層体内への800KeVのArイオン注入を使用して達成することが可能であることを理解することが可能である。幾つかの場合には、蓋然性のあるシミュレーションアーチファクトを取り除けば空位濃度変動において15%より良いものを達成することが可能である。
図53は、幾つかの実施例に基づいて、垂直に積層させたRRAM装置の構造を示している概略図である。図53に示した構造5300は、垂直電極5320、水平電極5340,5342,5344,5346,5448、該水平電極と該垂直電極との間に配置されているスイッチング層5330を具備している5個のRRAM装置の垂直RRAM積層体(VRRAM)の1例である。図53に示した如く、スイッチング層5330は基板5310に対して略垂直である。水平電極5340,5342,5344,5346,5348の間には電気的に絶縁性のスペーサ層5362,5364,5366,5368が存在している。更に、絶縁層5314は水平電極5348の下側に設けられており、且つ絶縁層5360は水平電極5340の上側に設けられている。或る場合には、CMOSエレクトロニクスが基板5310内で該VRRAMの下側に存在している場合があり、且つイオン及び/又は照射が該CMOS層内に浸透することを阻止するためにW(タングステン)、Mo(モリブデン)、Hf及び/又はTa等の物質からなる層5312を該CMOSエレクトロニクスと該VRRAMとの間にデポジットさせる場合がある。電極5340,5340,5342,5344,5346,5348の厚さは50乃至200nmの範囲とすることが可能であり、且つ該絶縁性スペーサ層は50乃至200nmの範囲とすることが可能である。重金属停止層5312は100乃至2000nmの範囲とすることが可能である。VRRAMの積層体全体は略550nm乃至2200nmの範囲とすることが可能である。幾つかの場合において、それは約4500nmとすることが可能である。垂直及び/又は垂直からずれた角度でのいずれの該スイッチング層の端部内へ浸透することが可能な表面に対して略垂直なイオン注入5350は該スイッチング層の全長に沿って一様な欠陥を発生させる。該垂直電極及び該水平電極が配置された場合であるが垂直接続ワイヤを付加する前に、イオン注入及び/又は照射を実施することが可能である。幾つかの場合には、該垂直電極用の接続ワイヤを配置した後にイオン注入及び/又は照射を実施することが可能である。幾つかのその他の場合には、該VRRAM構造全体が形成された後にイオン注入及び/又は照射を実施することが可能である。幾つかのその他の場合には、選択的区域イオン注入及び/又は照射用の何らかのマスキングを実施することが可能である。選択的区域イオン注入及び/又は照射用のマスク物質はHf,Ta,W,Pb,Au等の金属とすることが可能である。幾つかの実施例によれば、選択的区域イオン注入及び/又は照射は、該垂直電極と該水平電極との間に直接的である区域等の該スイッチング層の或る区域上で選択的区域イオン注入及び/又は照射を実施することが可能である。幾つかの場合には、該VRRAM又はRRAM積層体に隣接しておりイオン注入及び/又は照射から遮蔽することが可能なCMOSエレクトロニクスが存在している場合がある。選択的区域イオン注入及び/又は照射において該CMOSを遮蔽するために重金属を使用することが可能である。幾つかの実施例に基づいて、ポリイミド等のその他の厚い物質を使用することも可能である。
VRRAM及び3DクロスバーRRAM(水平RRAMとも呼称される)における垂直及び水平電極用の接続金属の更なる詳細については、Park et al.、高密度垂直抵抗メモリ(VRRAM)用の1μA未満の超低動作電流での非線形ReRAMセル(A Non−Linear ReRAM Cell with sub−1μA Ultralow Operating Current for High Density Vertical Resistive Memory(VRRAM))、IEDM12−501,(202);Baek et al.、費用効果的な3Dプロセスを使用した垂直抵抗メモリ(VRRAM)の実現(Realization of Vertical Resistive Memory(VRRAM) using cost effective 3D Proess)、IEDM11−737(2011);米国特許公開番号第2013/0009122;及び米国特許公開番号第8,525,247号を参照すると良い、尚、これらの各々を引用により本書に取り込む。
図54は、幾つかの実施例に基づいて、シミュレーションのために簡単化した垂直に積層したRRAM装置の構造を示している概略図である。この場合には、VRRAM構造5400は、2500nmの厚さのHfOxからなるスイッチング層5330と、それに続くSiOからなる2000nmの絶縁層5314と、10000nm厚さのSi層5310とを有している。イオンが約4500nmの深さへ注入されてHfOxスイッチング層5330内の空位濃度分布の一様性を最大とさせている。VRRAM及びその他のメモリ機能を制御するCMOSエレクトロニクスを包含している場合があるSi層5310内にイオンが浸透することを阻止するためにW層5312が使用されている。
図55A−55Bは、幾つかの実施例に基づいて、17.5MeVで図54に示した如き構造内にArイオンを注入したシミュレーション結果を例示しているプロットである。これらのプロットは、Arイオンが約4500nmの深さへ浸透していることを示している。HfOxスイッチング層5330の2500nm長さに沿っての空位濃度分布はArイオンに対して60%よりも良く、且つ蓋然性のあるシミュレーションアーチファクトを除去すると局所的に任意の小さな領域において2%の変動よりも良い。W層5312は、CMOS回路及びエレクトロニクスを包含している場合があるSi層へのイオンの浸透を阻止する上で効果的である。
図56A−56Bは、幾つかの実施例に基づく、540KeVにおいて図54に示した如き構造内にHイオンを注入したシミュレーション結果を例示しているプロットである。これらのプロットは、Arイオンが約4500nmの深さへ浸透していることを示している。HfOxスイッチング層5330の2500nm長さに沿っての空位濃度分布は、Hイオンに対して20%よりも良く、且つ蓋然性のあるシミュレーションアーチファクトを取り除いて局所的に任意の小さな領域において2%変動よりも良い。W層5312は、CMOS回路及びエレクトロニクスを包含している場合があるSi層内にイオンが浸透することを阻止する上で効果的である。
図57は、幾つかのその他の実施例に基づいて、シミュレーションの目的のために簡単化した垂直積層型RRAM装置の構造を示している概略図である。この場合には、VRRAM構造5700は2500nmのTiOxから構成されているスイッチング層5730を包含している。絶縁層5314は2000nmのSiOであり、層5312は2000nmのWであり、且つ層5710は10000nmのSiである。W層5312又は同様の重金属層は、CMOS回路及びエレクトロニクスを包含している場合があるSi層5710内へのイオンの浸透を阻止するために使用される。W層5312の厚さは、イオンエネルギに依存して、約500乃至2000nmの範囲とすることが可能である。該シミュレーション条件は17MeVにおけるArイオン及び520KeVにおけるHイオンを包含しており、そのことは約4500nmのイオン範囲となっている。該イオン範囲のピークはスイッチング層5730の外側に配置されていて、該VRRAM構造が異なるレベルにあるRRAM間において可変性が比較的低いものであるように該スイッチング層の長さに沿っての空位濃度分布の一様性を最大化させている。
図58A−58Dは、幾つかの実施例に基づいて、17MeV及び520KeVにおいて図57に示した如き構造内にAr及びHイオンを夫々注入したシミュレーション結果を例示しているプロットである。その結果得られるTiOxスイッチング層5730の長さに沿っての空位濃度分布は、蓋然性のあるシミュレーションアーチファクトを除去した状態で、Ar注入に対する一様性において40%変動よりも良く且つH注入エネルギに対する一様性において約30%変動である。W層5312は、VRRAMメモリ積層体及びその他のメモリ機能を制御するCMOS回路及びエレクトロニクスを包含している場合があるSi層5710内へイオンが浸透することを効果的に阻止する。
図59は、製造に起因する上部電極厚さ変動の関数としてのスイッチング層内の空位濃度の感度を調べるために使用したRRAM装置の構造を示した概略図である。構造5900は、可変厚さを有するPtからなる上部電極9540を有している。この調査の場合、該厚さは80,100,120nmから20%だけ変化させた。スイッチング層5930は20nmのTiOxから構成されており、下部電極5920は100nmのTiから構成されており、SiO層5910は2000nmの厚さである。Arイオンの範囲又はピークがスイッチング層5930の外側となるようにArイオンを1600KeVのエネルギへ加速させた。
図60A−60Cは、幾つかの実施例に基づいて、80,100,120nmの厚さの上部電極5940を具備している図59に示した如き構造内に1600KeVでArイオンを注入させたシミュレーション結果を例示しているプロットである。特に、図60A,60B,60Cは、夫々、80nm,100nm,120nmの厚さのTE(Pt)層5940に対するシミュレーション結果を示している。Pt上部電極(5940)厚さ変動に起因するスイッチング層(5030)における空位濃度の変動は5%より良いものであることが判明した。各スイッチング層において、空位濃度変動は、蓋然性のあるシミュレーションアーチファクトを除去して、3%よりも良いものであることが判明した。
図61A及び61Bは、空位フィラメントにおける狭窄の例を例示している概略図である。それらはChen et al.の「空位移動度劣化を介してのスケールしたHfO2に基づく1T1RRRAMにおける耐久性障害の理解(Understanding of the Endurance Failure in Scaled HfO2−based 1T1R RRAM through Vacancy Mobility Degradation)」、IEDM12−482、2012、から採用したものであって、その文献は引用により本書に取り込む。その遷移金属酸化物スイッチング層の場合における酸素空位の非一様な分布は、空位フィラメントにおける狭窄となる場合がある。狭窄6134及び6138は、RRAMの劣化に通じる空位濃度の劣化となる場合がある。空位濃度の劣化は一層高い抵抗率となり、その結果一層高いジュール熱を発生し、それは欠陥を更にアニールして空位数を減少させその結果LRSとなって一層抵抗性のものとなる場合がある。酸素空位、金属欠陥、酸素イオン、中和した酸素空位での導電性フィラメントの形成についてはSyu et al.の「Pt/CoSiOTiN構造を具備するRRAM装置におけるレドックス反応スイッチング機構(Redox Reaction Switching Mechanism in RRAM Device With Pt/CoSiOTiN Structure)」、IEEEエレクトロンデバイシーズレターズ、32巻、4番、2011年4月(以後、「Syu2011」という)において説明されており、尚その文献を引用により本書に取り込む。
水平及び垂直RRAMにおける電極間のスイッチング層を横断しての電流の流れの方向における非一様分布はフィラメントにおける狭窄となる場合があり、それは空位移動度における劣化となる。この空位の移動度における劣化はLRSの劣化となり、そのことはRRAMの信頼性における劣化を発生させる。更に、フォーミングプロセスに起因する空位の非一様分布における空位濃度の変動は、HRS、LRS、Vset、Vreset、及びVフォーミング等のRRAMの全てのスイッチングパラメータの可変性となる。Vread(メモリがHRSであるかLRSであるかを調べられる電圧)に関連する電流も、単一のRRAM及び/又は数百万個乃至数兆個のRRAMセルを包含している場合があるメモリセルに関するその他のRRAM装置内において変動する場合がある。この可変性は極めて望ましくないものである。フォーミングプロセスによって形成されたフィラメントは場当たり的であり且つグレイン境界やスイッチング層の付着における欠陥等の局所的欠陥を接続する経路に追従する。例えば、Raghavan et al.の「酸素空位変調型高jを基礎とした抵抗スイッチングメモリ装置におけるフォーミングプロセスに対する可変性モデル(Variability model for forming process in oxygen vacancy modulated high−j based resistive switching memory devices)」、マイクロエレクトロニスクリライアビィリティ(Microelectronics Rliability)54(2014)2266−2271を参照すると良い、尚この文献を引用により本書に取り込む。このフィラメントの場当たり的な長さ及び空位の濃度は、空位の移動度に影響を与える場合があり且つRRAMの電圧及び電流の可変性を増加させ、そのことは、HRS、LRS、Vset、Vreset、Vread、Vformingに影響を与える。更に、長さ及び空位の移動度における変動は装置の速度、例えば、HRS及びLRSのメモリ状態の間のスイッチング時間、に影響を与える場合もある。空位濃度における狭窄が存在する可能性があるフィラメントにおけるねじれは、空位の一層低い移動度となり、従って一層長いスイッチング時間となる場合がある。2−20nmのスイッチング層厚さの場合、1V/cmの印加電界での約10cm/V−sの移動度は2−20nS(ナノ秒)のスイッチング時間となる。該フィラメントは部分的に非導通性である場合があり、そのことはHRSとなる。この様な場合には、該非導通セグメントは20nmのスイッチング層厚さ内の2−4nmである場合がある。その移動度は数十ナノ秒のスイッチング時間で10cm/V−sである場合がある。空位の移動度も約10−2cm/V−s又はそれ未満である場合があり、そのことはマイクロ秒のスイッチング時間となる。
図62Aは、本書に記載した実施例の多くに基づいて、スイッチング層内の空位の一様な分布を例示している概略図である。図62Aの一様な空位分布6232は、例えば、図34,35A−D,36A−D,38A−Dに関してシミュレーションし且つ説明した技術を使用して達成することが可能である。
図62Bは、上部電極を形成する前のイオン注入の既知の技術から発生する空位分布を例示している概略図である。図62Bにおける空位6234の分布は図33A−Dに例示した如き既知のイオン注入技術から発生する場合がある。空位6234は、空位移動度の劣化となる場合があり且つ究極的にRRAMの信頼性の劣化となる場合がある狭窄を具備する電流経路の方向において該スイッチング層内において非一様である。空位の数における狭窄も一層低い空位移動度となる場合があり、従ってRRAMのスイッチング時間に悪影響を与える場合がある。更に、既知のイオン注入方法においては、イオン注入に起因する空位及び/又は欠陥が下部電極まで完全に延在するものではない場合がある。この様な場合には、フィラメントを形成するためにはフォーミングプロセスが必要となる。図33A−Dに例示したシミュレーション結果から、一つのケースにおいては、空位が0−2.4の範囲であることを理解することが可能である。垂直スケールから空位/cmへ変換させるためには、(0−2.4)×ドーズ/オングストロームであり、例えば、1×1012イオン/cmのドーズは0乃至2.4×1020/cmの空位濃度となり、尚、その場合に、各イオン衝突が1個の空位を発生するものと仮定している。そうではないことがしばしばであって、100個のイオン衝突毎に1個の空位が発生される。
本書に記載した技術を使用して、空位分布における変動を80%未満に維持することが可能であり、且つ幾つかの場合においては、20%未満に維持することが可能である。空位濃度は2×1017/cm乃至5×1022/cmの範囲とすることが可能である。或る場合には、5×1021/cm乃至5×1022/cmの範囲を達成することが可能である。一層低い電流に対する別の場合には、5×1020/cm乃至5×1021/cmを達成することが可能である。非常に低い電流動作の場合で、数マイクロアンペ及び/又はマイクロアンペア未満の範囲においては、5×1019/cm乃至5×1020/cmを達成することが可能である。超低エネルギRRAMに対する高ナノアンペア範囲においては、空位濃度は1×1017/cm乃至5×1019/cmの範囲とすることが可能である。
単位体積当たりの空位数が低ければ低いほど、電圧は一層高い。空位は、近似的に、半導体における「正孔」と対比することが可能であり、従ってフィラメントの導電度は空位の数と移動度とによって決定される。従って、一層高い欠陥濃度は一層高い移動度となる。注意すべきことであるが、このことは高い移動とするために欠陥を低く維持する従来の半導体製造技術とは反対のことである。欠陥濃度が高い場合には、イオン及び/又は電子が欠陥から欠陥へホップすることが一層容易である。Syu2011において議論されているように、酸素空位、酸素イオン、電子が存在している。非導通性金属欠陥及び中性化された空位も存在している。図62Aに示されているように、スイッチング層内で80%未満の濃度変動を有する空位濃度6232の連続的な分布を達成することが可能である。HRS,LRS,Vset,Vreset,Vread等のRRAMパラメータの可変性が減少される。何故ならば、空位濃度及び移動度が一様であり且つ狭窄が無いからである。幾つかの場合には、空位濃度はスイッチング層内における変動において60%よりも良い場合があり、幾つかの場合には、40%よりも良い場合があり、幾つかの場合には、20%よりも良い場合があり、且つ幾つかの場合には、10%よりも良い場合がある。単一スイッチング層イオン注入物の場合の図35A−D,36A−D,37A−D,38A−Dを参照のこと。極度に重いイオン注入物はスイッチング層内において最も一様な空位濃度を発生させる。スイッチング層における空位の一様な濃度は一様な空位の移動度を発生し、そのことは、HRS,LHS,Vset,Vreset,Vread等のRRAMスイッチングパラメータの可変性を減少させるばかりか、スイッチング時間を減少させ且つHRS及びLRSのメモリ状態間のサイクリング期間中の信頼性を改善する。20%又はそれより良好な空位濃度の場合、Vset及びVreset、HRS及びLRS、Vread及びスイッチング時間の一様性は、単一装置内において約10%未満の可変性を有するものであることを期待することが可能である。一様なイオン注入で且つエネルギ及びドーズの注入変動において10%未満の変動である場合、RRAMのセル毎の変動も約10%よりも良いものである。幾つかの場合には、RRAMパラメータの可変性は、単一のRRAM及びセル毎のRRAM内において5%よりも良いものである場合がある。或る場合には、2%よりも良いRRAMパラメータ可変性を達成することが可能である。
図63A−63Dは、幾つかの実施例に基づいて、RRAM装置の一部を製造するプロセスの簡単化したシーケンスを示している概略図である。図63Aにおいて、上部電極(TE)6340を介してイオンが注入される。注入エネルギは、TE6340を浸透し且つスイッチング層(SL)又は複数の層6330内へ且つ下部電極(BE)6320内へ入るのに十分なものである。イオンは、例えばAr,He,Xe等の不活性のものとすることが可能である。遷移金属スイッチング層(単数又は複数)(例えば、TiOx,HfOx,TaOx,ZrOx,WOx)の場合、Oイオン又はTi,Ni,Hf,W,Zr,Ta等の遷移金属イオンを使用することも可能である。H及びNは、欠陥、空位、又はイオンを発生させてフィラメントに沿っての電気的導通のための経路を与えるために使用することも可能である。欠陥/空位に沿っての電子ホッピング、トンネリング、空間電荷は低抵抗状態(LRS)を与え、且つ空位がギャップを有する場合には、RRAMの高抵抗状態(HRS)を与える。上部電極を介してイオンが注入される場合、上部電極イオンの幾らかはスイッチング層内に叩き込まれてTE−SL界面において一層導電性の層を形成する。図63Bにおいて、TEは典型的にエッチングによって除去されるか又は部分的に除去される。図63Cにおいて、1個又は複数の非線形層6360がSL6330上に付着されてRRAMの電流・電圧特性に非線形性を与え、そのことは、クロスバーRRAMアーキテクチャにおいて、又は垂直RRAM(VRRAM)などのメモリに使用されるRRAMの任意のアレイにおいて、漏洩電流を最小化させるために有用である。非線形層6360は、例えば、非晶質Siにおけるp及びnドーピングしたダイオード層、又は金属又は略金属の表面と接触してショットキーバリア接合を形成することが可能な半導体物質の層、とすることが可能である。非線形層6330はトンネル層とすることが可能であり、複数の層及び/又はショットキー接合、金属酸化物半導体接合及び/又はトンネル接合を具備するトンネル層とダイオード層との組合せから構成することが可能である。図63Dにおいて、TE6342はRRAMセルを完成させるためにダイオード層6360上に再付着されている。
SL界面内に叩き込まれた金属イオンの役割は、該ダイオード層の次に金属のような接触又は一層高い導電度の層とさせることを可能とする点で重要である。このことは、例えば、SLとショットキバリアー接合などの半導体接合との間に金属の様な界面を形成する場合、及び/又はダイオード層がp及びnのドーパントでドープされる場合に、重要である場合がある。SLにおける金属の様な界面は、例えば、低抵抗接触を与えることが可能である。TEは薄くさせることが可能であり(例えば、2−50nmの程度)又は100−200nmの一層厚いTEとすることが可能である。TE−SL界面において形成される金属の様な界面は、ダイオード層等のその後の非線形層と良好な半導体接触を与えることが可能である。或る場合には、TE6340は1nmの厚さの程度とさせることが可能であり、その場合には、イオン注入の後に、SLと接触している区域においてTEを除去することは必要ではない。該ダイオード層及び/又はその他の非線形層を該SL上に付着させて、該ダイオード層又は半導体層のドーピングに依存して、ショットキバリア接合及び/又は略オーミック又はオーミック接合を形成することが可能である。注意すべきことであるが、該ダイオード層はp及びnでドーピングした半導体層であるが、半導体層はp又はnのみでドープさせることが可能である。
図64A−64Bは、幾つかの実施例に基づいて、TE層を介してのイオン注入によってSL層内に叩き込まれたイオンを例示している概略図である。図64Aは、TEを除去した後のSL層6430の界面に叩き込まれているイオン6442を示している。図64Bは、部分的な除去によるか及び/又は注入前に非常に薄いTEを有することによるかのいずれかによって、残留TE6444が残存していることを示している。例えば、TE層は約1ナノメートルとすることが可能であり、且つSL上のTEはイオン注入の後に除去されていない。叩き込まれたイオン6442はTEを介してのイオン注入に起因してTEからのものである。例えば、TEがWから構成されている場合には、叩き込まれるイオンはTE−SL界面におけるWイオンであり、幾らかのWイオンがSL層内に存在する。このことは、又、金属イオンが熱及びその他の化学反応によって半導体内に押し込まれる半導体オーミック接触における合金化に類似するものとして簡単化した態様で考えることが可能であり、一方、この場合には、イオンがTEを介して注入されるのであり、例えば、WのTEを介してArイオンが注入されて弾道的態様でWイオンをSL内に物理的に叩き込むものである。SL6430及びBE6420内に注入されたArイオンは欠陥及び空位を発生させ、それらはフィラメントを形成すべく導電性であって、酸素、空位、及び電子等のイオン種が電界中を拡散、ドリフト、又はホップする。これらの拡散、ドリフト、及び/又はホッピングは、電流の流れに伴うジュール熱と共に発生する。何故ならば、散逸されるパワーは電流の自乗と抵抗との積に比例するからである。
図65A−65Bは、幾つかの実施例に基づいて、ダイオード、半導体、及び/又はトンネル層を付着させたSL層内に叩き込まれたイオンを例示している概略図である。図65Aは、TEの殆どが除去されており且つダイオード層6460がSL6430と接触している状態を示している。図65Bにおいて、残留TE6444が残されていて約1nmであり、且つDL6460が残留TE及びSL6430内に叩き込まれた金属イオン6442の上に付着されている。或る場合には、ダイオード又は半導体層6460を付着させる前に、残留TE6444を介して付加的な金属イオン及び/又は酸素イオンを注入させることが可能である。
図66A−66Bは、幾つかの実施例に基づいて、ダイオード、半導体、及び/又はトンネル層、及びTEが付着されているSL層内に叩き込まれたイオンを例示している概略図である。図64A−B及び65A−Bの場合におけるように、図66Aは、TEが除去された後にSL層6430の界面における叩き込まれたイオン6442を示しており、一方図66Bは残留6444が残存する状態を示している。各々の場合において、上部電極6462はダイオード及び/又は半導体層6460上に付着される。ダイオード及び/又は半導体層6460はRRAMに対して非線形な電流・電圧特性を与えることが可能であり、そのことは、クロスバー及び複数のRRAMセルからなる3DVRRAM積層体等の高密度アレイアーキテクチャにおける隣接するRRAMセル間の漏洩電流を減少する上で有益的である。金属のTE6462はダイオード/半導体層6460とショットキー接合を形成することが可能である。SL6430とDL6460との間の金属の様な界面は叩き込まれた金属イオンを有することが可能であり、且つ該残留TE金属も、ダイオード/半導体層のドーピングレベルに依存して、ショットキーコンタクト、MOSコンタクト及び/又はオーミックコンタクトを形成することが可能である。
図67は、幾つかの実施例に基づいて、TEを介しての注入プロセスの簡単なフローチャートである。ブロック6710において、BEを基板上に付着させる。ブロック6712において、SL(単数又は複数)を付着させる。ブロック6714において、第1TEを付着させる。ブロック6716において、TEを介してイオンを注入させる。ブロック6718において、TEの厚さに依存して、TEはその場所に残存させるか又は全体的に又は部分的に除去することが可能である。ブロック6720において、ダイオード/半導体層を付着させる。ブロック6722において、TEの付着(又は再付着)でRRAMセルを完成させる。SLとDLとの間の金属の様な界面は2つの機能を分離させ、即ち、該SLは空位の形成及び消滅を提供してHRS及びLRSを発生させ且つ該ダイオード/半導体層はRRAMセルの非線形電流・電圧特性を与える。
幾つかの実施例によれば、説明した叩き込みイオン技術は垂直RRAMに適用することが可能である。図53に示した如きVRRAMにおいて、垂直電極5320は、初期的には、例えばスパッタリング、原子層付着によって付着させることが可能なW,TiN,Mo,Al,Ni等の薄いコンフォーマル層とすることが可能である。次いで、例えばウエハを回転させて垂直からずれた角度でイオン注入を実施して、金属イオンをSL5330の界面内に叩き込むことが可能である。例えば約1nm等の初期的に非常に薄い垂直電極5320の場合には、該電極をそのまま残したままでダイオード/半導体層をSL5330に対してコンフォーマルに付着させ、次いで電極5320の完全な形とさせることが可能である。
本特許出願は装置の性質及び動作を説明する上で或る理論に言及しているが、この様な理論は現在の理解に基づくものであって、たとえ将来の開発がその理論が誤りであることを証明することになったとしてもここに開示した装置の実際の動作に影響を与えるものではないことは明らかである。この特許明細書は、又、パラメータの数値範囲について言及しており、且つこの様な範囲からの非実質的な逸れは尚且つここに開示した発明性の精神から逸脱するものではないことを理解すべきである。
以上は明確性のために幾らか詳細に説明しているが、その原理を逸脱すること無しに或る程度の変更及び修正を行うことが可能であることは明らかである。ここに記載したプロセス及び装置の両方を実現する多くの代替的な態様が存在することに注意すべきである。従って、本実施例は例示的なものであって制限的なものではないものとして考慮されるべきであり、ここに記載されている発明の実体は本書に与えられている詳細事項に制限されるべきものではなく、それは特許請求の範囲及び均等物の範囲内において修正することが可能なものである。

Claims (62)

  1. 抵抗ランダムアクセスメモリ装置において、
    第1電極、
    第2電極、及び
    該第1及び第2電極の間のスイッチング領域であって、該スイッチング領域内の夫々の位置に延在しており且つ荷電種の向上された移動度を与える形態とされており且つ該第1及び第2電極間に印加されるスイッチング電圧で変化する夫々の電気抵抗を有している1個又はそれ以上の向上された移動度経路構造を具備している該スイッチング領域、
    を有しており、前記向上された移動度経路構造が該スイッチング領域を介して通過した後に該スイッチング領域の外側に付着されるイオンを包含するイオン注入によって該スイッチング領域内に発生される損傷を有している、抵抗ランダムアクセスメモリ装置。
  2. 前記向上された移動度経路構造が、ブレークダウン電圧に等しいか又はそれより大きな電圧を該スイッチング領域を横断して印加するのではなく該イオン注入によって形成される請求項1記載の抵抗メモリ装置。
  3. 基板を有しており、前記第1電極が該基板上で且つ該スイッチング領域下方に付着された下部電極であり、且つ前記第2電極が該スイッチング領域の上方に配設された上部電極である請求項1記載の抵抗メモリ装置。
  4. 前記イオン注入において使用されるイオンの大部分が該スイッチング領域下側に付着されている請求項3記載の抵抗メモリ装置。
  5. 前記イオン注入において使用されるイオンの大部分が該下部電極下側に付着されている請求項4記載の抵抗メモリ装置。
  6. 該損傷の内の少なくとも幾らかが該イオン注入によって起こされる衝突イベントに起因するものであり、且つ該衝突イベントの大部分が該スイッチング領域下側で発生している請求項3記載の抵抗メモリ装置。
  7. 前記イオン注入において注入されたイオンの分布プロファイルにおける支配的なピークが該スイッチング領域の下側にある請求項3記載の抵抗メモリ装置。
  8. 前記イオン注入が該スイッチング領域の厚さを介しての実質的な衝突イベントを発生させる請求項3記載の抵抗メモリ装置。
  9. 該スイッチング層と該第1電極との間にバリア層を有しており、そのバリア層が該イオン注入によって機能的に崩壊されている請求項1記載の抵抗メモリ装置。
  10. 該スイッチング領域と該第2電極との間にバリア層を有しており、そのバリア層が該イオン注入によって機能的に崩壊されている請求項1記載の抵抗メモリ装置。
  11. 前記イオン注入が該第1及び第2電極を介してのものである請求項1記載の抵抗メモリ装置。
  12. 前記第2電極が該スイッチング領域の上方にあり、且つそれを介して前記イオン注入が行われる第1部分及びその後に形成される厚くなる部分を有している請求項1記載の抵抗メモリ装置。
  13. 第一次の平坦な上部表面を具備している下側に存在する基板を有しており、該第1電極と該スイッチング領域との間の第1の平坦な界面及び該スイッチング領域と該第2電極との間の第2の平坦な界面が該下側に存在する基板の該第一次の平坦な上部表面と非平行である請求項1記載の抵抗メモリ装置。
  14. 該第1及び第2の平坦な界面が該下側に存在する基板の該第一次の平坦な上部表面に対して略垂直である請求項13記載の抵抗メモリ装置。
  15. 前記イオン注入において、該イオンが該下側に存在する基板の該第一次の平坦な上部表面に対して垂直である方向に主に注入される請求項14記載の抵抗メモリ装置。
  16. 前記イオン注入によって発生された該スイッチング領域内の欠陥を有しており、その欠陥は該第1及び第2の平坦な界面に対して垂直な面を横断して略一様に分布されている請求項15記載の抵抗メモリ装置。
  17. 該イオン注入が、主に、該下側に存在する基板の該第一次の平坦な上部表面に対して鋭角である方向である請求項14記載の抵抗メモリ装置。
  18. (i)該スイッチング領域と該第1電極との間に形成されており且つ前記イオン注入によって機能的に崩壊されているバリア層、及び
    (ii)該スイッチング領域と該第2電極と間に形成されており且つ前記イオン注入によって機能的に崩壊されているバリア層、
    の内の少なくとも一つを有している請求項13記載の抵抗メモリ装置。
  19. 該スイッチング領域が遷移金属酸化物物質から形成されている請求項1記載の抵抗メモリ装置。
  20. 該注入されるイオンが、Ag,Ti,Ta,Hf,O,N,Au,Fe,Ni,Ti,Ta,V,Pb,Bi,W,H,Ar,C,Si,B,P,Ga,As,Te,Al,Zn,In,Snからなるグループから選択されるものである請求項1記載の抵抗メモリ装置。
  21. 該スイッチング領域が前記イオン注入によってインシチュで形成される請求項1記載の抵抗メモリ装置。
  22. 該注入が該スイッチング領域内への酸素イオンの注入を包含しており、該スイッチング領域が初期的に一つ又はそれ以上の遷移金属物質から形成されている請求項21記載の抵抗メモリ装置。
  23. 該スイッチング領域がビルトイン応力を有しており且つ該イオン注入が該スイッチング領域内の該応力を増加させ且つ前記向上された移動度の経路構造の形成を容易化させる請求項1記載の抵抗メモリ装置。
  24. 該スイッチング領域が、大原子質量原子及び前記ビルトイン応力を発生させる不整合物質層の内の少なくとも一つを有している請求項23記載の抵抗メモリ装置。
  25. 該向上された移動度経路構造が前記イオン注入における衝突イベントによって少なくとも部分的に形成されており、その衝突イベントは該スイッチング領域を介して実質的に一様に分布されている請求項1記載の抵抗メモリ装置。
  26. 抵抗ランダムアクセスメモリ装置を製造する方法において、
    第1電極を形成し、
    スイッチング層を形成し、
    該スイッチング層が該第1電極との間にあるように第2電極を形成し、
    イオン注入を実施して、イオンの一部が該スイッチング層に入り且つそこから出て、それにより該第1及び第2電極間にスイッチング電圧を印加させることによって該スイッチング層を介しての前記第1及び第2電極間の抵抗を増加させ且つ減少させることが可能であるように荷電種の向上された移動度を与える一つ又はそれ以上の向上された移動度の経路構造を形成することを容易化させる、
    ことを包含している方法。
  27. 該一つ又はそれ以上の向上された移動度の経路構造を形成することが、該スイッチング層に対するブレークダウン電圧に等しいか又はそれより大きな電圧を該スイッチング層へ印加させるのでは無く該イオン注入に起因するものである請求項26記載の方法。
  28. 前記第1電極が基板の上方で且つ該スイッチング層の下側にある下部電極であり、且つ前記第2電極が該スイッチング層の上方にある上部電極である請求項26記載の方法。
  29. 前記イオン注入において該スイッチング層内に入るイオンの大部分が該スイッチング層から出る請求項28記載の方法。
  30. 該イオン注入は衝突イベントを発生させ且つ該衝突イベントの大部分は該スイッチング層の下側の位置で発生する請求項28記載の方法。
  31. 該イオン注入は、該スイッチング層と該第1電極との間に形成されているバリア層、及び該スイッチング層と該第2電極との間に形成されているバリア層、の内の少なくとも一つを機能的に崩壊させる請求項26記載の方法。
  32. 該第1電極と該スイッチング層との間の第1の平坦な界面及び該スイッチング層と該第2電極との間の第2の平坦な界面が、下側に存在する基板の第一次の平坦な上部表面と略垂直である請求項26記載の方法。
  33. 該イオン注入が、主に、該下側に存在する基板の該第一次の平坦な上部表面に対して垂直な方向におけるものである請求項32記載の方法。
  34. 該イオン注入が、該スイッチング層と該第1電極との間に形成されているバリア層及び該スイッチング層と該第2電極との間に形成されているバリア層の内の少なくとも一つを機能的に崩壊させる請求項32記載の方法。
  35. 抵抗ランダムアクセスメモリ装置において、
    第1電極、
    第2電極、
    該第1及び第2電極間にあるスイッチング領域
    を有しており、該スイッチング領域は該スイッチング領域における夫々の位置において延在している一つ又はそれ以上の向上された移動度の経路構造を有しており、且つ該経路構造は、荷電種の向上された移動度を与える形態とされており、且つ該一つ又はそれ以上の経路構造を横断して該第1及び第2電極間に印加されるスイッチング電圧で変化する夫々の電気抵抗を有しており、
    前記向上された移動度の経路構造は、該スイッチング領域内に指向された電磁照射によって該スイッチング領域内に発生された実質的に一様な損傷を有している、抵抗ランダムアクセスメモリ装置。
  36. 該電磁照射が、X線、ガンマ線、UV光、可視光、及びIR光からなるグループから選択されるタイプの照射を包含している請求項35記載の抵抗メモリ装置。
  37. 該電磁照射が、約3KeV乃至約100KeVの範囲のエネルギを有するガンマ線又はX線を包含している請求項35記載の抵抗メモリ装置。
  38. 該電磁放射が約20KeV乃至約30KeVの範囲のエネルギを有するX線を包含している請求項37記載の抵抗メモリ装置。
  39. 該電磁照射が約25KeV乃至約27KeVの範囲のエネルギを有するX線を包含している請求項38記載の抵抗メモリ装置。
  40. 前記損傷が、該第1及び第2電極及び該スイッチング層の内の少なくとも一つを介して通過した後に該照射によってインシチュで発生される請求項35記載の抵抗メモリ装置。
  41. 更に、該電磁照射の前に前記第2電極上方に積層状に形成されている複数個のスイッチング層及び電極を有している請求項40記載の抵抗メモリ装置。
  42. 前記損傷が、同時的に電磁的に照射される少なくとも3個のスイッチング層内に形成される請求項41記載の抵抗メモリ装置。
  43. 更に、該第1電極下側に形成されている照射バリア層を有しており、その照射バリア層は該電磁照射に対する露呈から前記バリア層下側の領域を保護する形態とされている請求項35記載の抵抗メモリ装置。
  44. 該照射バリア層がW,Ta,Bi,Au,Pbからなるグループから選択される物質から構成されている請求項43記載の抵抗メモリ装置。
  45. (i)該スイッチング層と該第2電極との間に形成されており且つ前記電磁照射によって機能的に崩壊されているバリア層、及び(ii)該スイッチング層と該第2電極との間に形成されており且つ該電磁照射によって機能的に崩壊されているバリア層、の内の少なくとも一つを包含している請求項35記載の抵抗メモリ装置。
  46. 第一次の平坦な表面を有している下側に存在している基板を包含しており、且つ該第1電極と該スイッチング領域との間の第1の平坦な界面及び該スイッチング領域と該第2電極との間の第2の平坦な界面が、該下側に存在している基板の該第一次の平坦な上部表面に対して略垂直である請求項35記載の抵抗メモリ装置。
  47. 抵抗ランダムアクセスメモリ装置を製造する方法において、
    第1電極を形成し、
    スイッチング領域を形成し、
    該スイッチング領域が該第1電極との間に位置されるように第2電極を形成し、
    該スイッチング領域内にエネルギを指向させることにより該スイッチング領域を損傷させ、それにより該第1及び第2電極間にスイッチング電圧を印加させることにより該スイッチング領域を介して前記第1及び第2電極間の抵抗を増加させ且つ減少させることが可能であるように荷電種の向上された移動度を与える一つ又はそれ以上の向上された移動度の経路構造を形成することを容易化させる、
    ことを包含している方法。
  48. 該指向されるエネルギがイオン、電子、X線、ガンマ線、UV及びIR光を含む光、及び超音波の内の一つ又はそれ以上の形式にある請求項47記載の方法。
  49. 該損傷が衝突イベントを発生し且つ該衝突イベントの大部分が該スイッチング領域以外の位置において発生する請求項48記載の方法。
  50. 該指向されるエネルギが、少なくとも、該第1電極の一部及び該第2電極の一部を介して通過する請求項47記載の方法。
  51. 該指向されるエネルギが、該スイッチング領域と該第1電極と間に形成されているバリア層及び該スイッチング領域と該第2電極との間に形成されているバリア層の内の少なくとも一つを機能的に崩壊させる請求項50記載の方法。
  52. 抵抗ランダムアクセスメモリ装置において、
    第1電極、
    第2電極、
    該第1及び第2電極間にあるスイッチング領域、
    を有しており、該スイッチング領域は、該スイッチング領域における夫々の位置において延在しており且つ荷電種の向上された移動度を与える形態とされている複数の向上された移動度の経路構造であって該経路構造を横断して該第1及び第2電極間に印加されるスイッチング電圧で夫々の電気抵抗が変化する該経路構造を有しており、
    前記向上された移動度の経路構造は、該スイッチング領域内へ照射され、該スイッチング領域を通過し、且つ該スイッチング領域を超えて延在する指向されたエネルギによって該スイッチング領域内に発生される損傷を有している、抵抗ランダムアクセスメモリ装置。
  53. 該向上された移動度の経路構造が、イオン、電子、X線、ガンマ線、UV及びIR光を含む光、及び超音波の内の一つ又はそれ以上の形式での指向されたエネルギによって該スイッチング層内に発生される損傷を有している請求項52記載の抵抗メモリ装置。
  54. 該向上された移動度の経路構造が、該スイッチング領域内へのイオン注入によって該スイッチング領域内に発生される損傷を有している請求項52記載の抵抗メモリ装置。
  55. 該向上された移動度の経路構造が、X線、ガンマ線、及び電子の内の少なくとも一つの形式での指向されたエネルギによって該スイッチング領域内に発生される損傷を有している請求項52記載の抵抗メモリ装置。
  56. 該向上された移動度の経路構造が、X線の波長よりも一層長い波長を有する照射の形式での指向されたエネルギによって該スイッチング領域内に発生される損傷を有している請求項52記載の抵抗メモリ装置。
  57. 抵抗ランダムアクセスメモリ装置において、
    第1電極、
    第2電極、
    該第1及び第2電極間にあるスイッチング領域、
    を有しており、該スイッチング領域は該スイッチング領域内の夫々の位置において延在している一つ又はそれ以上の向上された移動度の経路構造を有しており、該経路構造は荷電種の向上された移動度を与える形態とされており且つ該一つ又はそれ以上の経路構造を横断して該第1及び第2電極間に印加されるスイッチング電圧で変化する夫々の電気抵抗を有しており、
    前記向上された移動度の経路構造は、該スイッチング領域内へ指向される約3KeV乃至約100KeVの範囲のエネルギを有している電磁照射によって該スイッチング領域内に発生される実質的に一様な損傷を有している、抵抗ランダムアクセスメモリ装置。
  58. 抵抗ランダムアクセスメモリ装置において、
    複数の第1電極からなる積層体、
    複数の第2電極からなる積層体、
    各々が該複数の第1電極の内の一つと該複数の第2電極の内の一つとの夫々の対の間にある複数のスイッチング層からなる積層体、
    を有しており、
    該複数のスイッチング領域の各々が、荷電種の向上された移動度を与える形態とされている一つ又はそれ以上の向上された移動度の経路構造を有しており、該経路構造は該経路構造を横断して印加されるスイッチング電圧で変化する夫々の電気抵抗を有しており、
    前記向上された移動度の経路構造は、該積層体における該複数のスイッチング領域内へ及び該複数のスイッチング領域を介して同時的に照射される指向されたエネルギによって該複数のスイッチング領域内に発生された損傷を有している、
    抵抗ランダムアクセスメモリ装置。
  59. 該指向されたエネルギによって発生された前記損傷はイオン注入の形式での指向されたエネルギによって発生されたものである請求項58記載の抵抗メモリ装置。
  60. 該指向されたエネルギによって発生された前記損傷は1−100KeVのエネルギ範囲における照射の形式での指向されたエネルギによって発生されたものである請求項58記載の抵抗メモリ装置。
  61. 該スイッチング領域の積層体は2−20個のスイッチング領域を有している請求項58記載の抵抗メモリ装置。
  62. 各々が第1及び第2電極とスイッチング領域とを有している横方向に離隔されている複数の積層体からなるアレイを包含しており、該横方向に離隔されている積層体は電線によって相互接続されており且つ統合されたメモリ構造を形成している請求項58記載の抵抗メモリ装置。
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