JP2018515586A - 骨減少症および骨粗鬆症の治療におけるB7h受容体のリガンド - Google Patents

骨減少症および骨粗鬆症の治療におけるB7h受容体のリガンド Download PDF

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Abstract

骨粗鬆症または骨減少症の治療におけるB7h受容体のリガンドの新規な使用、および骨粗鬆症または骨減少症の治療において有用な薬理活性剤のスクリーニングのためのターゲットとしてのB7h受容体の使用が開示される。

Description

本発明は、骨減少症および骨粗鬆症の治療におけるB7h受容体のリガンドの新規な使用に関する。
破骨細胞は、単球‐マクロファージ前駆体の細胞間融合によって形成される巨細胞であり、多核、豊富な液胞およびリソソームによって特徴付けられる。破骨細胞は、骨の発達およびリモデリング(再構築)において重要な役割を果たし、そこには、骨芽細胞および骨細胞も関わる。破骨細胞は、マクロファージコロニー刺激因子(M‐CSF)および核因子k‐Bリガンドの受容体アクチベータ(RANKL)の影響下、単球から分化する。
破骨細胞の機能は、RANKLが、破骨細胞の膜上に発現する核因子カッパBの受容体アクチベータ(RANK)をトリガすることによって、刺激される。健康な骨においては、RANKLの主要な起源は、骨吸収因子に応答する表面受容体として発現する骨芽細胞であり、それは、メタロプロテイナーゼ(MMP)によって可溶性分子(sRANKL)に分解する。さらに、RANKLは、炎症中に、破骨細胞機能をサポートし得るストローマ細胞、リンパ球およびマクロファージによっても発現する。オステオプロテゲリン(OPG)は、RANKLの可溶性受容体であり、骨芽細胞およびストローマ細胞によって分泌され、RANKの刺激およびRANKLにより誘導される破骨細胞形成を抑制する。M‐CSFが、破骨細胞前駆細胞にあるそのコロニー刺激因子1受容体(c‐fms)に結合すると、これらの細胞におけるRANKの発現をアップレギュレーション(上向き調節)し、破骨細胞形成を促進する。破骨細胞の分化には、波打ち膜の形成を伴う細胞の極性化と、封鎖帯(sealing zone)、または明帯を形成するための破骨細胞の骨への封鎖とが含まれ、封鎖帯は、吸収窩を周囲から分離する。これは、骨の無機成分の脱灰および骨の有機成分の加水分解に導く、酸、酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ(TRAP)、カテプシンおよびMMPの分泌部位である。次に、カップリングメカニズムが、吸収窩において、骨芽細胞の分化およびリクルートメントを促進し、吸収窩において、それらは、骨の有機成分を分泌し、その後、骨の有機成分は、ハイドロキシアパタイトにより石灰化される。マトリックス内に埋め込まれた一部の骨芽細胞が、骨細胞になり、骨芽細胞の機能を抑制し、リモデリングサイクルを終了させるスクレロスチンを分泌する。骨細胞が機械的な力にさらされると、スクレロスチンの発現が抑制され、これは、骨のリモデリングを最大ひずみ領域にターゲットする。
過剰な破骨細胞の活性は、病的な骨量減少につながり、過剰な破骨細胞の活性は、骨粗鬆症、関節リウマチおよび他の自己免疫疾患等の状態において検出され得る。この場合における、重要な役割は、炎症性サイトカインおよび獲得免疫であるとみられている。さらに、多発性骨髄腫等の免疫細胞が関わる一部の腫瘍は、ストローマ細胞、およびおそらくは骨髄腫細胞によるRANKLの高発現が原因とされる強度の限局性骨びらんによって特徴付けられる。固形癌の骨転移も、溶骨性である可能性があり、前立腺癌は、RANKLの可溶性の形態の発現を通して、骨吸収を促進する可能性がある。
TNF‐α、インターロイキン(IL)‐1、IL‐6およびM‐CSF等のいくつかの炎症性サイトカインは、RANKLの発現をアップレギュレーションし、破骨細胞の機能を刺激する。重要な役割は、骨芽細胞および滑膜細胞におけるRANKLの発現を誘導するIL‐17を分泌するタイプ17Tヘルパー(Th17)細胞が、果たしている。さらに、IL‐17は、骨の損傷に寄与し、サイトカインおよび破骨細胞の分化と活性をサポートする他の炎症性分子を生成するいくつかのタイプの免疫細胞のリクルートメントをサポートする。
B7h(CD275、B7H2、B7‐RP1、ICOSL、GL50としても知られる)は、表面受容体のB7ファミリーに属し、B7hは、CD28ファミリー1−5に属するICOS(CD278)に結合する。ICOSが、活性化されたT細胞によって選択的に発現されるのに対し、B7hは、B細胞、マクロファージ、樹状細胞およびT細胞のサブセットを含む様々な細胞タイプによって発現される。しかしながら、B7hは、また、血管内皮細胞、上皮細胞、および線維芽細胞等の非造血起源の細胞によって、並びに多くの原発性腫瘍および腫瘍細胞株においても発現される。B7hの主な既知の機能は、ICOSのトリガであり、それは、活性化されたT細胞のサイトカインの分泌を調節することによって、特に、インターフェロン(IFN)‐γ(ヒトにおける)、IL‐4(マウスにおける)並びにIL‐10、IL‐17およびIL‐21(当該両方の種)の分泌を増加させることによって、活性化されたT細胞のための共刺激分子として機能する。しかしながら、最近の報告によると、B7hとICOSとの相互作用が、B7hを発現させる細胞の応答も調節可能な双方向シグナルをトリガできることが示された。マウスの樹状細胞においては、このB7hが介在する「リバースシグナリング」は、IL‐6の分泌の顕著な増加と共に、部分的な成熟を誘導する。ヒトの樹状細胞においては、これが、サイトカインの分泌を調節し、クラスI MHC分子において、エンドサイトーシス抗原をクロスプレゼンテーションする能力を促進し、並びに内皮細胞への接着および遊走を抑制することが見出された。B7h刺激は、また、内皮細胞および腫瘍細胞株の接着性および遊走性を抑制する。これらの効果には、内皮細胞におけるERKおよびp38のリン酸化の減少、内皮細胞および腫瘍細胞におけるFAKのリン酸化の減少並びにβ‐Pixの下向き調節が伴う。最後に、B7hトリガは、NOD‐SCID‐IL2Rγnullマウスに、CF‐PAC1細胞を注入した際、およびC57BL/6マウスに、B16‐F10細胞を注入した際に、肺転移の進展を抑制する。
[発明の目的および概要]
本説明は、破骨細胞におけるB7h受容体の発現、並びに、破骨細胞の分化、成熟および/または活性の低減および/または抑制をトリガするB7h受容体に関する。
本発明の目的は、骨粗鬆症または骨減少症の治療のための新規な化合物を提供することにある。
本発明によると、上記目的は、以降の特許請求の範囲に記載された方法により達成され、特許請求の範囲は、本説明の不可欠な部分を形成するものとして理解される。
一実施形態において、本開示は、骨粗鬆症および骨減少症の治療におけるB7h受容体のリガンドの新規な使用について開示する。
さらなる実施形態において、本説明は、骨減少症および骨粗鬆症の治療に有用な薬理活性剤のスクリーニングのためのターゲットとしてのB7h受容体の使用に関するものであり、薬理活性剤は、破骨細胞の分化、成熟および/または機能を阻害し、それにより、破骨細胞形成を抑制する。
ここより、本発明は、添付図面を参照して、専ら例示として説明される。
単球由来の破骨細胞(MDOC)における形態学的分析並びにCD14、B7hおよびカテプシン‐Kの発現。A)M‐CSF(25ng/ml)およびRANKL(30ng/ml)の存在下において培養された細胞が、0日目(T0)、14日目(T14)および21日目(T21)に、位相差顕微鏡によって撮影された。B)MDOCにおけるCD14、B7hおよびカテプシン‐Kの発現は、T0、T14およびT21に、フローサイトメトリによって評価された。各パネルの数字は、陽性細胞の割合を示す。パネルは、5つの実験を表わす。 破骨細胞の分化に対するICOS‐Fcの効果。単球は、0日目に加えられたICOS‐Fc(1μg/ml)、ICOS‐msFc(1μg/ml)またはF119SICOS‐Fc(1μg/ml)の存在下または不存在下において、MDOCへの分化を誘導された(T0‐21処理)。A)細胞は、T10およびT21に、位相差顕微鏡によって撮影された。B)MDOCにおけるCD14およびカテプシン‐Kの発現は、T10およびT21に、フローサイトメトリによって評価された。各パネルの数字は、インターナルネガティブコントロールに対する陽性細胞の割合を示す。パネルは、5つの実験を表わす。 破骨細胞の分化に対するICOS‐Fcの効果。単球は、14日目から加えられたICOS‐Fc(1μg/ml)、ICOS‐msFc(1μg/ml)またはF119SICOS‐Fc(1μg/ml)の存在下および不存在下において、MDOCへの分化を誘導された(T14‐21処理)。A)細胞は、T21に、位相差顕微鏡によって撮影された。 B)MDOCにおけるCD14およびカテプシン‐Kの発現は、T21に、フローサイトメトリによって評価された。各パネルの数字は、インターナルネガティブコントロールに対する陽性細胞の割合を示す。パネルは、3つの実験を表わす。C)棒グラフは、21日目に、各フィールドで計数された核の数(5つのフィールドからの平均)を示す。データは、3つの独立した実験からの平均値±平均値の標準誤差(SEM)として表されている(コントロールに対し、*:p<0.01)。 破骨細胞の分化に対するICOS‐Fcの効果。単球は、7日目から加えられたICOS‐Fc(1μg/ml)、ICOS‐msFc(1μg/ml)またはF119SICOS‐Fc(1μg/ml)の存在下および不存在下において、MDOCへの分化を誘導された(T7‐21およびT7‐14処理)。A)細胞は、T21に、位相差顕微鏡によって、撮影された。B)MDOCにおけるCD14およびカテプシン‐Kの発現は、T21に、フローサイトメトリによって評価された。各パネルの数字は、インターナルネガティブコントロールに対する陽性細胞の割合を示す。パネルは、3つの実験を表わす。 分化した破骨細胞に対するICOS‐Fcの効果。分化培養から21日後、MDOCは、ICOS‐Fc(1μg/ml)、ICOS‐msFc(1μg/ml)またはF119SICOS‐Fc(1μg/ml)の存在下および不存在下において、さらに3日間培養(T21‐24処理)され、洗浄後、さらに4日間(T25‐T28)培養された。A)細胞は、T24、T25およびT28に、位相差顕微鏡によって撮影された。B)MDOCにおけるCD14およびカテプシン‐Kの発現は、T24、T25およびT28に、フローサイトメトリによって評価された。各パネルの数字は、インターナルネガティブコントロールに対する陽性細胞の割合を示す。パネルは、3つの実験を表わす。 TRAP染色に対するICOS‐Fcの効果。単球から分化したMDOCは、図2で記載の通り、ICOS‐Fc(1μg/ml)、ICOS‐msFc(1μg/ml)またはF119SICOS‐Fc(1μg/ml)を用いて、または用いないで処理された(T14‐21処理)。21日目に、細胞層が、ファーストガーネットGBCベース溶液で染色され、TRAP活性が評価された。A)TRAP陽性細胞(n=3)をモニタリングすべく、染色領域のマイクロ写真が、撮られた。B)棒グラフは、TRAP細胞の割合を示す。データは、3つの独立した実験からの、コントロールに対する抑制の割合を平均値±SEMとして表されている(コントロールに対し、*:p<0.01)。 アクチンリモデリングに対するB7hのトリガの効果。単球から分化したMDOCは、図2で記載の通り、ICOS‐Fc(1μg/ml)、ICOS‐msFc(1μg/ml)またはF119SICOS‐Fc(1μg/ml)を用いて、または用いないで処理された(T14‐21処理)。A)細胞は、フルオレセインイソチオシアナート(FITC)‐ファロイジンマーキングアクチンを用いて染色され、21日目に、蛍光顕微鏡で撮影された。B)棒グラフは、核周囲のFアクチンリング陽性細胞の割合を示す。データは、3つの独立した実験からの、コントロールに対する増加の割合を平均値±SEMとして表されている(コントロールに対し、*:p<0.05)。 破骨細胞の溶骨作用に対するB7hのトリガの効果。単球が、オステオサーフェスプレートに播種され、図2で記載の通り、ICOS‐Fc(1μg/ml)、ICOS‐msFc(1μg/ml)またはF119SICOS‐Fc(1μg/ml)の存在下および不存在下において、破骨細胞への分化が誘導された(T14‐21処理)。21日目に、培養上清が採取され、カルシウム放出について調べられた。データは、2連で行われた4つの独立した実験からの、コントロールに対する抑制の割合を平均値±SEMとして表されている(コントロールに対し、*:p<0.05)。 骨粗鬆症のマウスモデルにおけるICOS‐Fcを用いた処理の効果。 生後7週の雌のC57BL/6マウスに、sRANKL 1mg/Kgを、マウスICOS‐Fc(msICOS‐huFc)(n=3)100μg/ml、またはヒトF119SICOS‐Fc(n=3)100μg/ml、またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS、コントロールグループ、n=3)のいずれかと共に、3日間にわたり、24時間間隔で、腹腔内(i.p.)注射した。マウスは、最後の注射から4時間後に殺された。A)異なる注射がされたグループにおける、脛骨および大腿の非脱灰断面の染色。B)ヒストグラムは、皮質領域における石灰化した骨の割合の平均値±SEMを示す(処理を受けないコントロールマウスに対し、**:p<0.01または***:p<0.001)。 骨粗鬆症のマウスモデルにおけるICOS‐Fcを用いた処理の効果。 生後7週の雌のC57BL/6マウスに、sRANKL 1mg/Kgを、マウスICOS‐Fc(msICOS‐huFc)(n=3)100μg/ml、またはヒトF119SICOS‐Fc(n=3)100μg/ml、またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS、コントロールグループ、n=3)のいずれかと共に、3日間にわたり、24時間間隔で、腹腔内(i.p.)注射した。マウスは、最後の注射から4時間後に殺された。A)異なる注射がされたグループにおける、脛骨および大腿の非脱灰断面の染色。B)ヒストグラムは、皮質領域における石灰化した骨の割合の平均値±SEMを示す(処理を受けないコントロールマウスに対し、**:p<0.01または***:p<0.001)。 ICOS‐Fcコンストラクトのアミノ酸配列(配列ID番号:1)。 ヒトICOSのアミノ酸配列(配列ID番号:29)。下線付きのアミノ酸が、ICOSの細胞外部分(配列ID番号:2)に対応する。 ヒトB7h受容体のアミノ酸配列(配列ID番号:27)。 TRAP染色に対する抗B7h抗体の効果。MDOCは、14日目(T14‐21処理)または21日目(T21‐24処理)において、加えられたICOS‐Fc(1μg/ml)またはα‐B7h/eBioscience(1μg/ml)またはα‐B7h/R&D Systemsを用いて、または用いないで処理された。21日目に、細胞層は、ファーストガーネットGBCベース溶液を用いて染色され、TRAP活性を評価した。A)TRAP陽性細胞を評価すべく、染色領域のマイクロ写真が撮られた。B)データは、4つの異なるフィールドからのTRAP細胞の割合を平均値±SEMとして表されている(コントロールに対し、*:p<0.05、**:p<0.01)。 MDOCにおけるB7hシグナル伝達に対するICOS試薬および抗B7h抗体の効果。分化したMDOCが、A)ICOS‐Fc若しくはICOS‐msFc若しくはF119SICOS‐Fc、またはB)α‐B7h/eBioscience若しくはα‐B7h/R&D Systems抗体(5μg/ml)のいずれかを用いて、21日目に30分間、処理され、または処理されなかった。その後、ホスホ‐p38の発現が、ウエスタンブロッティングによって評価された。また、同一のブロットが、コントロールとして抗p38抗体で、プローブされた。データは、3つの独立した実験からの、ホスホ‐p38発現の割合を平均値±SEMとして表されている(コントロールに対し、*:p<0.05)。 OVXによって誘導されたマウスの骨粗鬆症における、ICOS‐Fcを用いた処理の効果。マウスは、OVXを受け、24時間後、ICOS‐FC(msICOS‐msFc)(n=3)またはPBS(コントロールグループ、n=3)を用いて、4週間にわたり処理された。A)PBSまたはICOS‐Fcで処理されたマウスの皮質骨を表わすイメージである。B)各マウスの6か所(3か所/足)において評価した、皮質領域における石灰化した骨の割合を示す棒グラフである。データは、平均値±SEMとして表されている(コントロールに対し、**:p<0.01)。
以下、本発明について、骨粗鬆症および骨減少症の治療のためのB7h受容体の天然リガンドであるICOSの新規な使用に関し、非限定的な例示によって、詳細に説明する。
本説明の範囲は、ICOSの使用にのみ限定されることは一切なく、B7h受容体の他のリガンド(例えば、モノクローナル抗体および遺伝子組み換え抗体/ヒト化抗体のいずれかの抗体並びにそれらのフラグメント等)が、骨粗鬆症および骨減少症の治療において用いられてよく、このようなリガンドは、破骨細胞の分化、成熟、および/または機能を低減/抑制可能であり、これにより、破骨細胞によって誘導される骨量減少を抑制し、破骨細胞におけるB7h受容体の活性をトリガできることが、明らかである。
以下の説明には、実施形態の完全な理解をもたらすべく、多数の具体的な詳細が、記載されている。実施形態は、具体的な詳細のうちの1または複数を省いても、または他の方法、成分、材料等を用いても実施可能である。他の例においては、実施形態の態様を曖昧にすることを回避すべく、周知の構造、材料または動作については、詳細に図示または説明していない。
本明細書にわたる「一実施形態」または「1つの実施形態」への言及は、当該実施形態に関し記載された特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。故に、本明細書の随所において現れる「一実施形態」または「1つの実施形態」という文言は、必ずしもすべてが同一の実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1または複数の実施形態において、任意の好適な態様で組み合わされてよい。
本明細書に記載の見出しは、専ら便宜上のためのものであり、実施形態の範囲または意味を解釈するものではない。
本説明は、骨粗鬆症および骨減少症の治療におけるB7h受容体のリガンドの新規な使用に関し、このようなリガンドは、好ましくは破骨細胞における、B7h受容体の活性をトリガ/刺激できる。
一実施形態において、骨粗鬆症および骨減少症の治療において有用なB7h受容体のリガンドは、
a)配列ID番号:29に記載のアミノ酸配列を有する、ヒトICOSタンパク質、
b)配列ID番号:29に記載の上記アミノ酸配列と少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%相同な配列を有する、ヒトICOSタンパク質の相同体、
c)B7h受容体への結合能、並びに天然ICOSタンパク質の破骨細胞の分化、成熟および/または機能の抑制能を有する、配列ID番号:29に記載の上記アミノ酸配列のヒトICOS部分、
d)配列ID番号:2に記載のアミノ酸配列を有する、ヒトICOS細胞外領域、
e)B7h受容体への結合能、並びに配列ID番号:2に記載の上記アミノ酸配列の破骨細胞の分化、成熟および/または機能の抑制能を有する、配列ID番号:2に記載の上記アミノ酸配列のヒトICOS細胞外領域部分、または
f)配列ID番号:2に記載の上記アミノ酸配列と少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%相同な配列を有し、且つ、B7h受容体への結合能、並びに配列ID番号:2に記載の上記アミノ酸配列の破骨細胞の分化、成熟および/または機能の抑制能を有する、ヒトICOS細胞外領域の相同体、から選択される。
一実施形態において、本説明は、骨減少症および骨粗鬆症の治療に有用な薬理活性剤のスクリーニングのためのターゲットとしてのB7h受容体の使用に関し、薬理活性剤は、破骨細胞の分化、成熟および/または機能を阻害し、B7h受容体に結合し、B7h受容体の活性をトリガする。
さらなる実施形態において、本説明は、B7h受容体のうちの少なくとも1つのリガンドおよび薬理的に許容される賦形剤を備える、骨粗鬆症および骨減少症の治療における使用のための医薬組成物を提供する。
一実施形態において、医薬組成物は、
a)配列ID番号:29に記載のアミノ酸配列を有する、ヒトICOSタンパク質、
b)配列ID番号:29に記載の上記アミノ酸配列と少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%相同な配列を有する、ヒトICOSタンパク質の相同体、
c)B7h受容体への結合能、並びに天然ICOSタンパク質の破骨細胞の分化、成熟および/または機能の抑制能を有する、配列ID番号:29に記載の上記アミノ酸配列のヒトICOS部分、
d)配列ID番号:2に記載のアミノ酸配列を有する、ヒトICOS細胞外領域、
e)B7h受容体への結合能、並びに配列ID番号:2に記載の上記アミノ酸配列の破骨細胞の分化、成熟および/または機能の抑制能を有する、配列ID番号:2に記載の上記アミノ酸配列のヒトICOS細胞外領域部分、または
f)配列ID番号:2に記載の上記アミノ酸配列と少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%相同な配列を有し、且つ、B7h受容体への結合能、並びに配列ID番号:2に記載の上記アミノ酸配列の破骨細胞の分化、成熟および/または機能の抑制能を有する、ヒトICOS細胞外領域の相同体、
から選択される、B7h受容体のうちの少なくとも1つのリガンドを含有する。
さらなる実施形態において、本説明は、a)試験薬剤を供給する段階と、b)B7h受容体を発現する破骨細胞に、上記試験薬剤を接触するように配置する段階と、c)上記試験薬剤の破骨細胞の成熟、分化および/または機能を低減させる能力を試験する段階と、d)破骨細胞の成熟、分化および/または機能を低減させる上記試験薬剤を、骨減少症または骨粗鬆症の治療に有用な薬理活性剤として選択する段階であって、上記薬理活性剤は、B7h受容体に結合し、B7h受容体の活性をトリガする、選択する段階と、を備える、骨減少症または骨粗鬆症の治療における使用に適した薬理活性剤を識別する方法を提供する。上記方法は、破骨細胞による酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ(TRAP)の分泌、破骨細胞における細胞アクチン細胞骨格組織、および/または破骨細胞によるカルシウム放出を測定する方法を提供することが好ましい。
異なる実施形態において、本説明は、骨粗鬆症または骨減少症を患う患者を供給する段階と、上記患者に、B7h受容体のリガンドを含有する医薬を投与する段階と、それにより、上記患者の骨粗鬆症または骨減少症を軽減する段階と、を備える、骨粗鬆症または骨減少症を治療する方法に関する。
骨のリモデリングは、骨芽細胞および破骨細胞によって処理される複雑なプロセスであり、免疫システムが、サイトカインおよび表面受容体の活性を通して、これらの細胞の機能の調節に関与する。
本説明は、活性化されたT細胞によって発現されるICOSの、破骨細胞によって発現されるそのリガンドB7hへの結合が、破骨細胞の成熟および機能を抑制することを示すことによって、リンパ球/骨細胞の相互作用に関する新規な経路を開示する。これらの効果は、ICOSの組み換え可溶形態であるICOS‐Fcを用いて検出された。これらの効果は、B7hに結合不可能なICOS‐Fcの突然変異型であるF119SICOS‐Fcによっては示されなかったので、特異的であった。
破骨細胞の分化に対する効果は、M‐CSFおよびRANKLによって駆動される単球の破骨細胞へのin vitroでの分化中に、細胞をICOS‐Fcを用いて処理することによって検出された。三週間の分化培養の始まりにおいて処理を開始したとき、ICOS‐Fcは、ほぼ完全に分化を遮断した。しかしながら、最後の週に処理を開始したときもまた、ICOS‐Fcでの処理により誘導された、細胞の多核化の減少並びに破骨細胞の形態学的特性および表現型特性の取得の阻止によって示される通り、ICOS‐Fcは、分化を阻止した。培養が、第4週目に延長された場合ですら、細胞生存は正常であったので、この効果は、細胞毒性に起因するものではなかった。
さらに、培養の最後の週で処理を中断すると、細胞は、破骨細胞の分化経路を再開できたことから、この効果は、可逆的であった。分化の阻止には、アクチン細胞骨格の変化された組織が伴い、それは、ICOS‐Fc処理された細胞において、破骨細胞上に検出されるびらん性裂孔と境界を区切る封鎖帯に典型的な極性化の兆候を有さない、F‐アクチンリングにおける核周囲分布を示した。これらのデータに基づき、in vitroにおいて、ICOS‐Fcで処理された細胞は、TRAPの発現の低減および溶骨作用の低減を示した。
第2の重要な点は、既に分化した破骨細胞に対するICOS‐Fcの効果であり、この場合、ICOS‐Fcを用いた処理は、細胞の生存性への実質的影響なしに、細胞および核のサイズの顕著な減少を誘導した。この場合も、処理を中断すると、細胞は、再び拡大し、破骨細胞表現型を再開したことから、この効果は可逆的であった。
in vitroでの破骨細胞の分化および機能に対するこれらの効果は、ICOS‐Fcでの処理が、可溶性RANKLの大量投与の処理によってマウスに誘導された全身の骨吸収を著しく抑制するということを示す、in vivoでの結果によってサポートされた。これは、骨粗鬆症のマウスモデルであり、骨密度の減少の観点から卵巣摘出モデルと同等である。
免疫システムは、骨の形成を調節可能であり、骨量減少は、いくつかの慢性炎症および自己免疫疾患の共通的な特性である。実際、骨粗鬆症のリスクは、関節リウマチの患者で増大し、炎症性腸疾患または全身性エリテマトーデスおよび侵攻性局所的骨破壊は、特定の自己免疫疾患、癌および感染症の特性であり得る。
関節リウマチ患者は、骨粗鬆症、関節周囲の骨量減少および関節びらんといった、3つのタイプの骨の病変を示す。関節周囲の骨量減少および関節びらんは、関節リウマチに特有であり、自己免疫応答が襲う部位に作用する。IL‐1、IL‐6およびTNF‐α等の炎症性サイトカインは、滑液および滑膜内に豊富に存在し、滑膜線維芽細胞およびストローマ細胞上でRANKLを誘導し得る。さらに、RANKLは、関節リウマチ患者の滑膜組織および滑液中に存在するT細胞およびB細胞によって発現され、RANKLは、破骨細胞活性化に関与し得、関節リウマチマーカであるシトルリン化タンパク質に対する抗体は、破骨細胞に対する刺激効果を有し得る。対照的に、骨粗鬆症は、関節リウマチに特有ではなく、乾癬、強直性脊椎炎、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、炎症性腸疾患、尋常性天疱瘡等の慢性炎症性疾患およびその他において一般的に見られるものである。骨粗鬆症は、また、移植および加齢に関連する慢性炎症においても典型的である。慢性炎症においては、骨粗鬆症は、血液中の高レベルの炎症性サイトカイン、およびしばしばステロイド治療を含む複数の要因が原因であるとされている。
更年期エストロゲン欠乏は、破骨細胞の分化および機能に対するエストロゲンの抑制効果がなくなることに起因する、破骨細胞の活性の増大を伴い得るが、TNF‐αおよびIL‐17等の炎症性サイトカインの生成の増加並びにB細胞およびT細胞のRANKLの発現の増加も伴い得る。
骨の形成の免疫制御における、重要な役割は、Tヘルパー細胞であるとみられている。Th1細胞およびTh2細胞は、それぞれIFN‐γおよびIL‐4を分泌し、これらは、抗破骨細胞形成性サイトカインである。対照的に、Th17細胞は、高レベルのRANKLを発現し、間葉細胞上のRANKLの発現および炎症細胞のリクルートメントを誘導するIL‐17を分泌する。さらに、Th17細胞は、また、炎症部位において骨の形成を高める骨芽細胞の分化を誘導し得るIL‐22も分泌する。これらの細胞は、表面受容体を用いることによっても機能し得る。というのは、それらのCD40Lが、ストローマ細胞上のCD40を刺激して、これらの細胞がRANKLを発現することを誘導し得、RANKL/RANK軸の活性をダウンレギュレーション(下向き調節)するOPGの発現を抑制し得るからである。さらに、破骨細胞形成は、また、制御性T細胞(Treg)によっても、トランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)の放出、および細胞傷害性Tリンパ球抗原4(CTLA4)の表面発現を通して抑制可能であり、CTLA4は、単球上に発現したそのリガンドB7.1およびB7.2に結合することによって、且つ、それらの破骨細胞への分化を防止することによって、破骨細胞の形成を抑制可能である。CTLA4およびICOSの両方が、共刺激受容体のCD28ファミリーに属し、B7ファミリーに属する表面受容体を結合させるので、この発見は、興味深いものである。さらに、ICOSもTreg機能に関与する。なぜなら、適切な条件においては、ICOSトリガは、ナイーブTh細胞からのTreg分化およびTGFβ分泌を誘導でき、Treg細胞のサブセットが、高レベルのICOSを発現するからである。破骨細胞に対するB7hのトリガよって示される効果は、B7.1/B7.2トリガによって示される効果より広範に思われる。理由は、B7hは、また、分化した破骨細胞の機能を可逆的に抑制するからである。
ヒトB7h受容体は、配列ID番号:27に記載のアミノ酸配列を有する。
B7h受容体の天然リガンドであるヒトICOSタンパク質は、配列ID番号:29に記載のアミノ酸配列を有する。
骨粗鬆症および骨減少症の治療に有用なB7h受容体のリガンドは、天然、合成、または組み換え起源のB7h受容体のリガンドから選択されてよく、これらとしては、例えば、ICOSまたはその部分、低分子化合物、アプタマー、抗体、ペプチド、B7h受容体優性陽性等が挙げられ、このようなリガンドは、B7h受容体に結合し、B7h受容体の活性をトリガ可能である。
B7h受容体のリガンドは、分解を低減または防止すべく、半減期および/または可溶性を増大させるべく、毒性および/または免疫原性を低減すべく、1または複数の安定化分子に融合またはコンジュゲートされてよい。
哺乳類へのタンパク質の投与のために、タンパク質を安定化できる分子の使用は、当該技術分野において広く知られる技術である。
B7h受容体のリガンドは、特異性、薬物動態および/または生体内分布を増大させるべく、抗体または抗体フラグメントにコンジュゲートされてよく、破骨細胞または別の骨成分に特異的に結合する抗体の特性を利用する。
B7h受容体のリガンドにコンジュゲート可能な安定化分子は、とりわけ、以下から選択されてよい。
‐ポリエチレングリコール(PEG)またはそれらの誘導体。B7h受容体のリガンド上に存在するアミノ基に結合可能なPEG誘導体としては、とりわけ、エポキシドPEG、アルデヒドPEG、ニトロフェニルカーボネートPEGおよびスクシンイミジルエステルPEGが挙げられる。B7h受容体のリガンド上に存在するチオール基に結合可能なPEG誘導体としては、とりわけ、オルトピリジルジスルフィドPEGが挙げられる。B7h受容体のリガンド上に存在するヒドロキシル基に結合可能なPEG誘導体としては、とりわけ、N‐ヒドロキシスクシンイミドまたはヒドロキシベンゾトリアゾールで活性化されたPEG‐COOHが挙げられる。他のPEG誘導体は、pH依存の加水分解性を持つPEGポリアセタール、およびPEG‐デキストリン(ポリマー‐マスキング‐アンマスキング‐タンパク質治療(PUMPT(polymer‐masking‐unmasking‐protain therapy))が典型である。
‐ポリ‐L‐リジンシトルアミド(リジンまたはエチルカルバミン酸スペーサーを介した)、スチレンマレイン酸無水物およびポリ‐ヒドロキシプロピルメタクリルアミド。
‐ヒトFc抗体領域。
B7h受容体のリガンドの、治療部位、すなわちB7h受容体を発現する破骨細胞への送達を増大すべく、B7h受容体のリガンドは、また、ハイパーグリコシル化またはマンノース残基にコンジュゲートされてよい。
ハイパーグリコシル化は、in situでの化学反応または部位特異的突然変異誘発法のいずれかによって、行われてよく、N結合型またはO結合型のいずれかのタンパク質グリコシル化をもたらす。N結合型グリコシル化においては、糖鎖は、トリペプチド配列Asn‐X‐Ser/Thrのアスパラギンに結合され、ここで、Xは、プロリン以外のアミノ酸を表わす。ポリシアル酸(PSA)は、ハイパーグリコシル化に頻繁に使用される。高分子量のPSAが、低分子量の薬およびペプチドの送達に好適である一方、より低分子量のPSAが、粒子状薬物送達システムに加え、巨大タンパク質に用いられてよい。
マンノース残基へのコンジュゲートは、マンノース受容体へのコンジュゲートの結合を利用し、マンノース受容体は、クッパー細胞、マクロファージ、肺胞、単球由来の樹状細胞並びに血管およびリンパ内皮細胞のサブセット上で発現されると報告されている。マンノシル化タンパク質は、マンノース特異的レクチン、すなわち、マンノース受容体およびMBPによって認識されてよい。
また、B7h受容体のリガンドの送達は、当該技術分野において既知のコロイド状薬物送達システムを利用して増大されてよく、コロイド状担体は、とりわけ、ミクロ粒子、ナノ粒子およびリポソームから選択されてよい。ミクロ粒子は、一般的に、生分解性ポリマーで構成され、このようなものとしては、例えば、澱粉、アルギン酸塩、コラーゲン、ポリ(ラクチド‐co‐グリコライド)(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)等が挙げられる。通常、ナノ粒子は、キトサン、アルギン酸塩、PCL、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(グリコライド)、PLGA等の天然ポリマーまたは合成ポリマーから製造される。細網内皮系による認識および摂取を阻害すべく、並びに循環時間を延長すべく、リポソームは、また、PEGで表面修飾されてよい。さらに、in situで、感熱性ヒドロゲルは、温度変化に応答して、ゾル‐ゲル相転移を経る。
[材料および方法]
[細胞]
書面によるインフォームドコンセントに署名した健康なドナーから得たヒトの血液サンプルから、末梢血単核細胞(PBMC)が、密度勾配遠心分離法によって得られた。破骨細胞が、CD14単球から作成され、EasySep(商標)ヒトCD14ネガティブセレクションキット(cod.19059、カナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーにあるStemCells Techologies社)を用いて、PBMCから単離された。具体的には、0.5×10の単球が、24ウェルプレート(cod.662160、米国ノースカロライナ州キャピタルドライブモンローにあるGreiner Bio‐One社)に播種され、分化培地で21日間培養された。分化培地は、DMEM(cod.41966‐029 カナダのオンタリオ州バーリントン、米国にあるインビトロゲン社)および10%のウシ胎児血清(FBS:cod.10270、インビトロゲン社)から構成され、組み換えヒトM‐CSF(25ng/ml、cod.216‐MC、米国ミネソタ州ミネアポリスにあるR&D Systems社)およびRANKL(30ng/ml、cod.390‐TN、R&D Systems社)が添加されている。分化培地は、3日ごとに交換された。異なる時点において、細胞は、1μg/mlのICOS‐Fc(配列ID番号:1‐ヒトIgG1 Fc(配列ID番号:3)に融合されたヒトICOSの細胞外部分(配列ID番号:2)を含有する融合タンパク質)、または、ICOS‐msFc(配列ID番号:4‐マウスIgG1 Fc(配列ID番号:5)に融合されたヒトICOSの細胞外部分(配列ID番号:2)を含有するキメラ分子)で処理された。コントロールは、F119SICOS‐Fc(配列ID番号:6‐F119S置換を保持するヒトICOSの細胞外部分の突然変異型(配列ID番号:7)が、ヒトIgG1 Fc(配列ID番号:3)に融合されたもの)、および、msICOShuFc(配列ID番号24:‐ヒトIgG1 Fc(配列ID番号:3)に融合されたマウスICOSの細胞外部分(配列ID番号:28)を含有する融合タンパク質)を用いて行われた。
[ICOSクローニングおよび生成]
ヒトICOSまたはマウスICOSの細胞外部分が、pCDNA3.1/Hygro(+)プラスミド(cod.V870‐20、インビトロゲン社)由来の修飾された真核細胞発現ベクターにクローニングされ、Di Niro Rその他によってpミニボディ(pMB‐SV5)として報告された(PubMed ID:17678525)。このベクターは、元のものとは、次の点が異なる。すなわち、真核細胞における翻訳の開始に必要なKozak配列(5' CCACATGG 3'‐配列ID番号:8)、培養上清中のタンパク質の放出を可能にすべく導入された分泌リーダー配列(5' GCTGGAGCCTGATCCTCCTGTTCCTCGTCGCTGTGGCTACA 3'‐配列ID番号:9)、タンパク質発現レベルを増大させるためのミニイントロン配列(5'GTAAGGGGCTCACAGTAGCAGGCTTGAGGTCTGGACATATATATG GGTGACAATGACATCCACTTTGCCTTTCTCTCCACAG 3'‐配列ID番号:10)。生成されるタンパク質をターゲットするためのタグ配列が、導入された。これは、シミアン(Simian)ウイルス‐5(SV5タグ)(5' GGCAAACCAATCCCAAACCCACTGCTGGGCCTGGATAGTACT 3'‐配列ID番号:11)に由来し、タンパク質のモノクローナル抗体認識に有用である。このベクターは、目的のフラグメントを、配列ID番号30および31にそれぞれ記載のヌクレオチド配列を有する、免疫グロブリンIgG1(Fc)領域のヒトまたはマウスの定常フラグメントのコード配列を持つフレームへのクローニングを可能にした。
ICOS‐Fcコンストラクト(配列ID番号:1)を生成するため、ヒトICOSの細胞外部分をコードするヌクレオチド配列(配列ID番号:12)が、特異的プライマであるICOSフォワードBsshIIプライマ(5' GGCGCGCATGCCGAAATCAATGGTTCTGCC 3' ‐配列ID番号:13、米国テキサス州ウッドランズにあるSigma−Genosys社)およびICOSリバースNheIプライマ(5' GCTAGCAAGTTGTGATTCATAAATATGC 3'‐配列ID番号:14、Sigma−Genosys社)で増幅された。増幅されたフラグメントは、BssHII(cod.R0199S、米国マサチューセッツ州イプスウィッチにあるNew England Biolabs社)酵素、および、NheI(cod.R0131S、New England Biolabs社)酵素でダイジェストされた。ダブルダイジェストされたフラグメントは、上記のpMB‐SV5プラスミドにクローニングされた。ヌクレオチド配列が、シークエンシングによって決定された。
ICOS‐Fcをコードする発現ベクターのヌクレオチド配列は、配列ID番号:21に記載されている。
ICOS‐msFc(配列ID番号:4)クローニングの場合、pMB‐SV5ベクターが、マウスFc領域のコード配列(配列ID番号:31)を含む点を除いては、上記と同一のプロトコールに従った。
ICOS‐msFcをコードする発現ベクターのヌクレオチド配列は、配列ID番号:22に記載されている。
ヒトの突然変異F119SICOS‐Fcコンストラクト(配列ID番号:6)を生成するため、ヒトICOSの細胞外部分における突然変異F119Sが、BseRIダイジェスト部位でアニーリングするフォワードプライマ(5' TCAATTTTTGATCCTCCTCCTTCTAAAGTAACTCTTACAGG 3'‐配列ID番号:15、Sigma−Genosys社)、および、ICOSヒトリバースNheIプライマ(5' GCTAGCAAGTTGTGATTCATAAATATGC 3'‐配列ID番号:14、Sigma−Genosys社)を用いて導入された。ヒトの突然変異F119SICOSの細胞外部分のヌクレオチド配列は、配列ID番号:26に記載されている。突然変異されたフラグメントは、BseRI(cod.R0581、New England Biolabs社)酵素およびNheI酵素を用いてのダイジェスト後、ヒトFc領域のコード配列を持つpMB‐SV5プラスミドにクローニングされた。
F119SICOS‐Fcをコードする発現ベクターのヌクレオチド配列は、配列ID番号:23に記載されている。
ヒトFcに融合されたマウスICOS(msICOS‐huFC)コンストラクト(配列ID番号:24)を生成するために、マウスICOSの細胞外部分をコードするヌクレオチド配列(配列ID番号:16)が、特異的プライマであるICOSマウスフォワードBsshIIプライマ(5' TTGGCGCGCATGCCGAAATCAATGGCTCGGCCGATC 3'‐配列ID番号:17、Sigma−Genosys社)、および、ICOSマウスリバースNheIプライマ(5' CTAGCTAGCTAGCCAGAGCTTCAGCTGGC 3'‐ 配列ID番号:18、Sigma−Genosys社)で増幅された。このクローニングで使用されたベクターは、マウスFc領域のコード配列を持つpMB‐SV5であった。
msICOS‐huFcをコードする発現ベクターのヌクレオチド配列は、配列ID番号:25に記載されている。
プラスミドDNAが、One Shot(登録商標) TOP10 Chemically Competent Escherichia Coli細胞細菌(大腸菌;cod.C4040‐03、米国カリフォルニア州のカールズバッドにあるLife Technologies社)に形質転換された。得られたコロニーは、特異的プライマであるPハイグロセンス(5' CTGCTTACTGGCTTATCG 3'‐配列ID番号:19、Sigma−Genosys)、および、Pハイグロアンチセンス(5' CAGATGGCTGGCAACTAG 3'‐配列ID番号:20、Sigma−Genosys)を用いてスクリーニングされ、コンストラクトが、シークエンシングによって確認された。最後に、プラスミドDNAが、FreeStyle(商標)MAX試薬(cod.16447100、Life technologies社)を用いて、チャイニーズハムスターオヴァリアン‐サスペンション(ovarian‐suspension)細胞株(CHO‐s)(cod.R8/00‐07、インビトロゲン社)に、トランスフェクションされた。ベクター内のハイグロマイシン耐性の存在のおかげで、安定したクローンが得られた。この目的のために、クローンは、トランスフェクションされた細胞の完全選択を可能にする濃度0.2mg/mlでのハイグロマイシン‐B(cod.10687−010、インビトロゲン社)の選択の下、増殖された。細胞は、無血清のIMDM培地(cod.BE12‐915F01、スイスのバーゼルにあるロンザ社)で増殖され、無血清培養上清が、Protein G Sepharose(商標)4 Fast Flowカラム(cod.17‐0618‐01、米国ニュージャージー州ピスカタウェイタウンシップにあるGEヘルスケア社)を使用して、精製された。
[免疫蛍光]
破骨細胞表現型が、CD14(cod.21270146、ドイツのFriesoytheにあるImmunotools社)、カテプシン‐K(cod.BS1611R‐FITC、米国マサチューセッツ州ウーバンにあるBioss社)およびB7h(cod.FAB165P、R&D Systems社)にコンジュゲートされた適切なFITC、PE、およびAPCモノクローナル抗体(mAb)を使用して、免疫蛍光およびフローサイトメトリ(米国カリフォルニア州サンディエゴにあるBDバイオサイエンス社)によって評価された。製造元の指示に従い、FIXおよびPERMキット(cod.GAS003、インビトロゲン社)を用いた細胞透過を行った後、カテプシン‐Kのレベルが評価された。
4%のパラホルムアルデヒド(cod.76240、米国ミズーリ州セントルイスにあるSigma−Aldrich社)を用いて、ガラスカバースリップ上に固定された細胞に対し、アクチン染色を行い、洗浄後、5%のFBS、1%のウシ血清アルブミン(BSA、cod.05479−250G、Sigma−Aldrich社)および0.1%のトリトンX‐100(cod.T9284、Sigma−Aldrich社)を含有する溶液を用いて、室温にて1時間、透過処理された。その後、カバースリップが、0.1%のトリトンX‐100、1%のBSA、2%のFBSの溶液中のFITC‐コンジュゲートされたファロイジン(cod.F432、インビトロゲン社)を用いて染色された。2時間後、細胞は、0.1%のトリトンX‐100を加えたPBSを用いて10分間洗浄され、位相差顕微鏡Axiovert40 CFL(ドイツのオーバーコッヘンにあるカールツァイス社)によって観察され、Retiga 200Rデジタルカメラ(カナダのブリティッシュコロンビア州サリーにあるQImaging社)で撮影され、マイクロイメージング用イメージプロプラスソフトウェア(米国メリーランド州ベテスダにあるMedia Cybernetics社、バージョン5.0)を用いて分析された。
[酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ(TRAP)アッセイ]
25%のクエン酸塩溶液(クエン酸18mmol/l、クエン酸ナトリウム9mmol/l、塩化ナトリウム12mmol/l、pH3.6)、65%のアセトンおよび10%のホルムアルデヒド(37%)で構成された市販キット(cod.387A−1KT,Sigma−Aldrich社)を用いて、ガラスカバースリップ上に、約30秒間固定された細胞に対し、TRAP活性が、評価された。その後、カバースリップは、脱イオン水で洗浄され、ファーストガーネットGBCベース溶液(7mg/ml、Sigma−Aldrich社)を用いて染色され、コントラスト位相差顕微鏡によって観察された。TRAP陽性は、イメージングシステム(イメージプロプラス)を用いて分析された。
[カルシウム放出アッセイ]
単球(0.5×10)が、24ウェルオステオアッセイ表面培養プレート(cod.CLS3987、米国ニューヨーク州コーニングにあるコーニング社)に播種され、上記のように、14日目にICOS試薬を加え、MDOCに分化させた。培養の21日目に、細胞は、洗浄され、新鮮培地を用いて、さらに24時間、インキュベートされた。その後、上清が回収され、カルシウムレベルが、カルシウム比色アッセイキット(cod.MAK022−1KT、Sigma−Aldrich社)によって評価された。
[in vivo分析]
Tomimori Yその他によって報告されているように、可溶性RANKL(cod.GWB−P0945I、米国カリフォルニア州サンディエゴにあるGenWay Biotech社:1mg/kg)が、単独で、または100μgのmsICOS‐huFc(ヒトIgG1 Fc(配列ID番号:3)に融合されたマウスICOSの細胞外部分(配列ID番号:28)を含有する融合タンパク質)若しくはF119SICOS‐Fcと組み合わせて、生後7週のC57BL/6雌マウス(cod.057、米国インディアナ州インディアナポリスにあるHarlan Laboratories社)に、3日間にわたり毎日、腹腔内注射された。コントロールのマウスには、PBS、またはRANKLを含まない100μgのICOS‐msFcまたはF119SICOS‐Fcが注射された。マウスは、最後の注射から4時間後に殺され、分析のため、血液サンプル、脛骨、および大腿骨が採取された。マウスは、保険科学省(Department of Health Sciences)の動物施設の中で、病原体のない状態で育てられ、大学倫理委員会(University Ethical Committee)に従い、扱われた。
脛骨および大腿骨のサンプルが、PBSで4%に希釈されたpH6.9の濃縮中性緩衝ホルマリン(cod.F0033、イタリアのベルガモ県マルティネンゴにあるDiapth社)中に、2日間にわたり、室温にて固定され、上昇する濃度(ascending concentration)のエタノール(cod.02860‐2.5L、Sigma−Aldrich社)中で、一晩脱水された後、少なくとも3日間にわたり、メチルメタクリレート(MMA)モノマー(cod.8005902500、ドイツのダルムシュタットにあるMerck社)にて、3ステップ含浸を行った。埋め込みについては、試料ブロックが、真空下、蓋なしのバイアルの中で、80%(vol/vol)の安定化されたMMA、20%(vol/vol)のプラストイドN(cod.5866、ドイツにあるロームファーマ社)に、2時間含浸され、蓋付きの10mLのガラスバイアル(ウォーターバス、cod.BR778012、Sigma‐Aldrich社)中で、37℃にて一晩埋め込まれた。重合後、ガラスバイアルが除去され、湿った部分(50mm)が、顕微鏡分析用の硬質材料の高品質なサンプル調製のための回転ダイアモンドソーブレードを備えたライカSP1600ソーミクロトーム上で切断され、ポリエチレンスライドの上に載せられた。切断は、骨の長軸に対し行われ、組織学的評価のために、断面は、ライトグリーン(cod.1159410025、メルク社)および塩基性フクシン(cod.47860、Sigma−Aldrich社)を用いて染色された。その後、断面は、材料の内容に対し知らされていない検査担当者によって、組織形態学的および形態計測学的に試験された。これらの測定は、光学顕微鏡を用いて行われ、ライカイメージングソフトウェア(DFC320ライカデジタルカメラおよびソフトウェアライカQWinPlusv2.6)を用いて分析された。すべての測定は、倍率20Xで行われた。皮質骨形態には、組織量、髄質量(Me.V)および骨量(Bv=組織量−Me.v)が含まれた。皮質骨および骨膜骨表面も測定された。
[ウエスタンブロッティング]
T21において、MDOCは、ICOS‐FcまたはICOS‐msFcまたはF119SICOS‐Fcまたは2つの異なる抗B7h抗体、抗ヒトB7h(cod.BMS16−5889−82、米国カリフォルニア州サンディエゴにあるeBioscience社;クローンMIH12)および抗ヒトB7h(cod.MAB1651、R&D Systems社;クローン136716)のいずれかを用いて処理された。MDOCは、50mMトリス‐HCl pH7.4、150mM NaCl(cod.S7653、Sigma−Aldrcih社)、5mM EDTA(cod.E6758、Sigma Aldrich社)、ホスファターゼインヒビターカクテルおよびプロテアーゼインヒビターカクテル(cod.P2850およびcod.P8340、Sigma−Aldrich社)を含む1% NP‐40(cod.74385 Sigma‐Aldrich)に、溶解された。その後、30μgのタンパク質が、10%SDS PAGEゲルで分離され、Hybond‐C Extraニトロセルロースメンブレン(cod.10600016、米国ニュージャージー州ピスカタウェイにあるGEヘルスケア社)に転写された。その後、当該メンブレンは、ホスホ‐p38‐MAPK(cod.9211、米国マサチューセッツ州デンバーにあるCell Signaling Technology社)およびp38‐MAPK(cod.9212、Cell Signaling Technology社)に対する抗体を用いて、次に、抗ウサギHRP‐コンジュゲートされた二次抗体(cod.A0545、Sigma−Aldrich社)を用いて、プローブされた。VersaDocイメージングシステム(米国カリフォルニア州ハーキュリーズにあるBio‐Rad Laboratories社)を用いて、化学発光を介して、バンドが検出され、マルチアナリストソフトウェア(バージョン1.1、Bio−Rad Laboratories社)を用いて、デンシトメトリック(densitometric)分析が行われた。
[卵巣摘出]
Zoletil(登録商標)(60mg/kg)およびXilazina(登録商標)(20mg/kg)の混合物を用いて、腹腔内麻酔をかけられた生後6/8週の雌C57BL/6マウスに、両側卵巣摘出(OVX)が行われた。手術から1日後、マウスは、PBSまたはmsICOS‐msFc(400μg)のいずれかの腹腔内注射を7回処理された(4日に1回を4週間にわたり)。マウスは、最後の注射から4日後に殺され、分析のために、器官および骨が、回収された。
[データ分析]
Dunnett法によるANOVAを用いて、統計分析が行われた。p<0.05が、有意であると考えられた。統計分析は、GraphPad Instatソフトウェア(米国カリフォルニア州サンディエゴにあるGraphPad Software社)を用いて行われた。
[結果]
[破骨細胞におけるB7h発現]
CD14単球をM‐CSFおよびRANKLを含有する分化培地で、21日間培養することによって、単球由来の破骨細胞(MDOC)が得られた。MDOCの分化を評価し且つB7h発現をモニタリングすべく、本発明者らは、細胞形態を光学顕微鏡によって評価し、表面のCD14(単球をマーキング)、細胞内カテプシンK(破骨細胞をマーキング)およびB7hの発現を、MDOC分化培養の初日(0日、T0)および最終日(21日、T21)および中間の14日目(T14)に行われた3色免疫蛍光およびフローサイトメトリによって評価した(図1)。
[分化中の破骨細胞に対するB7hのトリガの効果]
MDOC分化培養中に、B7hは発現するので、本発明者らは、ICOS‐Fcを用いて、分化中のMDOCに対するB7hのトリガの効果を評価した。ICOS効果の特異性を評価すべく、細胞は、また、B7hに結合不可能なICOSの突然変異型であるF119SICOS‐Fc、または、ヒトFcγ受容体との相互作用を最小化すべく、ヒトICOSがマウスFcγ部分に融合されているICOS‐msFcのいずれかを用いて処理された。分化中のMDOCの処理は、培養のT0またはT14に、ICOS試薬を分化培地に加えることによって、開始された。培養をT21まで継続することで、T0‐21およびT14‐21の処理を行った。
結果は、ICOS‐FcまたはICOS‐msFcを用いるT0‐21の処理は、MDOCの分化を強く抑制することを示した。10日目(T10)に、細胞は円形形状を呈し、T21に、細胞は、紡錘状形態を獲得した。さらに、細胞は、破骨細胞の分化をマークするCD14ダウンレギュレーション(下向き調節)およびカテプシンKアップレギュレーションの不全を示した。対照的に、F119SICOS‐Fcを用いて処理された細胞は、MDOC形態および表現型に向かう典型的な進展を示し、未処理細胞との差異を示さなかった(図2)。
ICOS‐FcまたはICOS‐msFcのいずれかを用いたT14‐21の処理は、MDOCの分化の顕著な低速を示した。なぜなら、T21において、細胞は、細胞サイズの低減および核濃縮、培養ウェルへの接着能力の低下、未処理細胞と比較し、1つの核のみを有する細胞数の増加、3より多い核を持つ細胞数の減少、並びにカテプシンKのアップレギュレーション不全、とりわけ、CD14ダウンレギュレーション不全を示した。さらに、いくつかの細胞は、未処理細胞には検出されなかった星状形態を呈した。対照的に、F119SICOS‐Fcを用いて処理された細胞は、未処理細胞と同様であった(図3)。
ICOS‐Fc効果の可逆性を評価するために、細胞は、7日目(T7)に、ICOS‐Fc、ICOS‐msFc、またはF119SICOS‐Fcを用いて処理され、T14に洗浄され、その後、T21まで、ICOS‐Fc、ICOS‐msFc、またはF119SICOS‐Fcの存在下(T7‐21処理)または不存在下(T7‐14処理)下でインキュベートされた。結果は、ICOS‐FcまたはICOS‐msFcを用いたT7‐21処理は、T14‐21処理について上記したものと同様の形態および表現型を誘導することを示した。F119SICOS‐Fcで処理された細胞は、未処理細胞との差異を呈さなかった。対照的に、T7‐14処理は、未処理細胞によって呈されたものに収束する形態および表現型を誘導した(図4)。
[分化した破骨細胞に対するB7hのトリガの効果] 既に分化したMDOCの処理は、T21に、細胞をICOS試薬で処理することで行われ、3日後(T24)にそれらを分析することによって、T21‐24処理が行われた。結果は、ICOS‐FcまたはICOS‐msFcを用いたT21‐24処理は、細胞および核のサイズの著しい減少を誘導し、および未処理細胞と比較して、カテプシンKの発現が減少したことを示した。トリパンブルー色素排除試験による細胞の生存性の分析は、細胞は生存可能であることを示した。対照的に、F119SICOS‐Fcを用いたT21‐24処理は、効果を示さなかった(図5)。
ICOS効果の可逆性を評価するために、T21‐24処理がなされた細胞は、T24に、洗浄され、1日(T25)または4日間(T28)にわたり、ICOS‐Fcの不存在の分化培地でインキュベートされた。結果は、ICOS‐FcまたはICOS‐msFcを用いて処理され、その後、ICOS‐Fcの不存在下で増殖された細胞は、T25に、拡大し始め、カテプシンKをアップレギュレーションし、MDOC様の形態を呈し、T28に、未処理細胞によって呈される形態に収束することを示した(図5)。トリパンブルー色素排除試験による細胞の生存性の分析は、細胞は生存可能であることを示した。対照的に、未処理であった細胞またはF119SICOS‐Fcで処理された細胞は、T25およびT28において、それらの形態および表現型を維持した。
[破骨細胞の機能に対するB7hのトリガの効果]
破骨細胞の骨の溶解作用は、TRAPを含むいくつかの溶菌酵素を含有する細胞質内顆粒の内容物分泌するそれらの能力に関連することから、本発明者らは、ICOS試薬を用いたT14‐21処理の、TRAP酵素アッセイによって評価されるTRAP発現に対する効果を評価した。結果は、ICOS‐FcまたはICOS‐msFcで処理されたMDOCは、未処理細胞およびF119SICOS‐Fcで処理された細胞よりも、TRAP細胞数の観点およびそれらの染色強度の観点から、低いTRAP活性を呈することを示した。この結果は、主に、3個より多い核を持つ細胞において明白であった(図6)。
破骨細胞の機能の重要な側面は、封鎖帯によって境界を区切られるびらん領域(erosion area)において、波状縁を形成する細胞骨格組織であるので、本発明者らは、T14‐21処理がなされたMDOC細胞に、FITC‐ファロイジンで細胞内染色を行い、細胞アクチン組織に対するICOS試薬の効果を分析した。結果は、未処理のMDOCにおいては、アクチンは、破骨細胞のびらん性裂孔と境界を区切る封鎖帯に典型的なパターンで、極性化されることを示した。対照的に、ICOS‐FcまたはICOS‐msFcで処理された細胞においては、アクチンは、極性化の兆候なしで、典型的なF‐アクチンリング内の核周囲分布を呈した。F119SICOS‐Fcで処理された細胞は、未処理細胞のものと同様のパターンを呈した(図7)。
MDOCの溶骨作用に対するICOSの効果を評価すべく、本発明者らは、in vitroで、結晶リン酸カルシウムからのカルシウム放出を促進するそれらの能力を評価した。MDOCの分化は、T14‐21プロトコールを用いて、ICOS試薬の存在下および不存在下で、生体骨材を模倣した無機結晶リン酸カルシウムで作られた合成界面で被覆されたウェルで、誘導された。T21に、細胞は、洗浄され、新鮮培地でさらに24時間培養され、その後、比色アッセイを用いて、培養上清中のカルシウムの放出が、評価された。結果は、ICOS‐FcまたはICOS‐msFcを用いたT14‐21処理は、未処理のMDOCと比較して、カルシウム放出の顕著な低減を示し、これに対し、F119SICOS‐Fcは、効果を示さなかったことを示した(図8)。
最後に、本発明者らは、マウスに可溶性RANKLの大量投与を処理することによって、誘導された骨粗鬆症のモデルを使用して、in vivoで、B7hのトリガの効果を評価した。雌のC57BL/6マウス(生後7週)に、3日間にわたり毎日、RANKLE(1mg/kg)を単独で、またはmsICOS‐huFc(マウスICOSおよびヒトFcで形成された)若しくはF119SICOS‐Fc(100μg/マウス)のいずれかと組み合わせて、腹腔内注射した。マウスは、最後の注射から4時間後に殺された。フクシンおよびライトグリーンで染色された脛骨の組織学的分析は、RANKLが注入されたマウスにおいて、著しい骨量減少を示した。これは、msICOS‐huFcの併用処理によって著しく抑制されたが、F119SICOS‐Fcの併用処理ではなされなかった(図9‐1および図9‐2)。
[抗B7h抗体によるTRAP染色に対するB7hのトリガの効果] 本発明者らは、2つの異なる抗B7h抗体(α‐B7h/eBioscienceおよびα‐B7h/R&D Systems)を用いて、分化中(T14‐21処理)のMDOCおよび既に成熟した(T21‐24処理)MDOCに対するB7hのトリガの効果を評価した。MDOCは、TRAPのための染色がなされた。T14‐21処理は、未処理のMDOCは、濃くTRAP染色がされた巨細胞として現われることを示した。αB7h/eBioscienceでの処理は、多核TRAP陽性細胞の低減された形成と共に、MDOCの分化の顕著な抑制を示し、ICOS‐Fcで得られた結果に相当するものであった。対照的に、α‐B7h/R&D Systemsを用いた処理は、最小の抑制効果を示した。T21‐24処理は、未処理のMDOCは、濃くTRAP染色がされた巨細胞として現われることを示した。αB7h/eBioscienceでの処理は、MDOCのサイズの顕著な抑制および多核TRAP陽性細胞の低減された陽性を示し、ICOS‐Fcで得られた結果に相当するものであった。対照的に、α‐B7h/R&D Systemsを用いた処理は、抑制効果を示さなかった。結果は、図13に示されている。
[MDOCシグナル伝達に対するB7hのトリガの効果]
B7hリガンドのMDOCの分化および活性に対する抑制効果が、それらのB7hに対するアゴニスト作用と相互関連するかどうかを調べるため、本発明者らは、MDOCへのp38のリン酸化反応の誘導として評価し、B7hシグナル伝達に対するそれらの効果を評価した。T21に、MDOCは、ICOS‐FcまたはICOS‐msFcまたはF119SICOS‐Fcまたはα‐B7h/eBioscienceまたはα‐B7h/R&D Systems(5μg/ml)のいずれかの不存在下または存在下において、30分間処理された。その後、ホスホ‐p38MAPKの発現レベルが、ウエスタンブロッティングによって評価され、トータルp38MAPKの発現が、コントロールとして評価された。結果は、未処理細胞と比較し、ホスホ‐p38は、ICOS‐FcおよびICOS‐msFcを用いた処理ではアップレギュレーションされ、F119SICOS‐Fcを用いた処理では、アップレギュレーションされないことを示した。抗B7h抗体で得られた結果は、ホスホ‐p38は、α‐B7h/eBioscienceを用いた処理では、ICOS‐Fcで得られたものと同等のレベルで、アップレギュレーションされたことを示した。対照的に、α‐B7h/R&Dを用いた処理は、最小の効果を示した。結果は、図14に示されている。
[骨粗鬆症の慢性マウスモデルでのICOS‐Fcを用いた処理の効果]
生後6/8週の雌のC57BL/6マウスがOVXを受け、その24時間後に、PBSまたはトータルマウスICOS‐Fc(マウスICOSおよびマウスFcによって形成された)のいずれかを、4週間にわたり4日ごとに、腹腔内注射した。マウスは、最後の注射から4日後に殺された。石灰化した骨組織の形態計測によると、PBSが注射されたマウスにおいては、顕著な骨量減少が示され、骨量減少は、ICOS‐Fcを用いた処理によって、顕著に抑制された。結果は、図15に示されている。
本発明の原理は同一のまま、本発明の範囲から逸脱することなく、構造および実施形態の詳細は、専ら例示として説明および図示されたものに対し、広範囲な変更がなされてよいことは当然のことである。
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Claims (14)

  1. 骨減少症または骨粗鬆症を患う被験者の治療における使用のためのB7h受容体のリガンド。
  2. 前記リガンドは、
    a)配列ID番号:29に記載のアミノ酸配列を有する、ヒトICOSタンパク質、
    b)配列ID番号:29に記載の前記アミノ酸配列と少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%相同な配列を有する、ヒトICOSタンパク質の相同体、
    c)B7h受容体への結合能、並びに破骨細胞の分化、成熟および機能のうちの少なくとも1つの抑制能を有する、配列ID番号:29に記載の前記アミノ酸配列のヒトICOS部分、
    d)配列ID番号:2に記載のアミノ酸配列を有する、ヒトICOS細胞外領域、
    e)B7h受容体への結合能、並びに配列ID番号:2に記載の前記アミノ酸配列の破骨細胞の分化、成熟および機能のうちの少なくとも1つの抑制能を有する、配列ID番号:2に記載の前記アミノ酸配列のヒトICOS細胞外領域部分、または
    f)配列ID番号:2に記載の前記アミノ酸配列と少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%相同な配列を有し、且つ、B7h受容体への結合能、並びに配列ID番号:2に記載の前記アミノ酸配列の破骨細胞の分化、成熟および機能のうちの少なくとも1つの抑制能を有する、ヒトICOS細胞外領域の相同体、
    から選択される、請求項1に記載の使用のためのB7h受容体のリガンド。
  3. 前記リガンドは、可溶性の形態である、請求項1または2に記載の使用のためのB7h受容体のリガンド。
  4. 前記リガンドは、注射、輸液によって投与される、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用のためのB7h受容体のリガンド。
  5. 前記リガンドは、安定化分子に融合またはコンジュゲートされる、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用のためのB7h受容体のリガンド。
  6. 前記リガンドは、ハイパーグリコシル化される、またはマンノース残基にコンジュゲートされる、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用のためのB7h受容体のリガンド。
  7. 骨減少症または骨粗鬆症の治療に有用な薬理活性剤のスクリーニングのためのターゲットとしてのB7h受容体の使用。
  8. 前記薬理活性剤は、破骨細胞の分化、成熟および機能のうちの少なくとも1つを阻害する、請求項7に記載の使用。
  9. 前記薬理活性剤は、B7h受容体に結合する、請求項7または8に記載の使用。
  10. 骨粗鬆症または骨減少症の治療における使用のための、B7h受容体の少なくとも1つのリガンドおよび薬理的に許容される賦形剤を備える医薬組成物。
  11. 前記B7h受容体の少なくとも1つのリガンドは、
    a)配列ID番号:29に記載のアミノ酸配列を有する、ヒトICOSタンパク質、
    b)配列ID番号:29に記載の前記アミノ酸配列と少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%相同な配列を有する、ヒトICOSタンパク質の相同体、
    c)B7h受容体への結合能、並びに破骨細胞の分化、成熟および機能のうちの少なくとも1つの抑制能を有する、配列ID番号:29に記載の前記アミノ酸配列のヒトICOS部分、
    d)配列ID番号:2に記載のアミノ酸配列を有する、ヒトICOS細胞外領域、
    e)B7h受容体への結合能、並びに配列ID番号:2に記載の前記アミノ酸配列の破骨細胞の分化、成熟および機能のうちの少なくとも1つの抑制能を有する、配列ID番号:2に記載の前記アミノ酸配列のヒトICOS細胞外領域部分、または
    f)配列ID番号:2に記載の前記アミノ酸配列と少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%相同な配列を有し、且つ、B7h受容体への結合能、並びに配列ID番号:2に記載の前記アミノ酸配列の破骨細胞の分化、成熟および機能のうちの少なくとも1つの抑制能を有する、ヒトICOS細胞外領域の相同体、
    から選択される、請求項10に記載の医薬組成物。
  12. a)試験薬剤を供給する段階と、
    b)B7h受容体を発現する破骨細胞に、前記試験薬剤を接触するように配置する段階と、
    c)破骨細胞の成熟、分化および機能のうちの少なくとも1つを低減させる前記試験薬剤の能力を試験する段階と、
    d)破骨細胞の成熟、分化および機能のうちの少なくとも1つを低減させる前記試験薬剤を、骨減少症または骨粗鬆症の治療に有用な薬理活性剤として選択する段階であって、前記薬理活性剤は、B7h受容体に結合する、選択する段階と、を備える、骨減少症または骨粗鬆症の治療における使用に適した薬理活性剤を識別する方法。
  13. 前記試験する段階c)は、破骨細胞による酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ(TRAP)の分泌、破骨細胞における細胞アクチン組織および破骨細胞によるカルシウム放出のうちの少なくとも1つを測定する段階を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 骨粗鬆症または骨減少症を患う患者を供給する段階と、
    前記患者に、B7h受容体のリガンドを含有する医薬を投与する段階と、
    それにより、前記患者の骨粗鬆症または骨減少症を軽減する段階と、を備える、骨粗鬆症または骨減少症を治療する方法。
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