JP2018513527A - 多孔質電極並びにそれからの電気化学セル及び液体フロー電池 - Google Patents

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Abstract

本開示は、多孔質電極並びにそれから製造される電気化学セル及び液体フロー電池に関する。本開示は、電極の作製方法を更に提供する。多孔質電極は、ポリマー、例えば非導電性ポリマー粒子状繊維と、導電性炭素微粒子とを含む。非導電性ポリマー粒子状繊維は第1の多孔質基材の形態であってもよく、第1の多孔質基材は、織られた又は織られていない紙、フェルト、マット及び布のうちの少なくとも1つである。多孔質電極は、約100000μOhm・m未満の電気抵抗率を有することができる。多孔質電極は、約10マイクロメートル〜約1000マイクロメートルの厚さを有することができる。電気化学セル及び液体フロー電池は、本開示の多孔質電極から製造することができる。

Description

本発明は、概して、電気化学セル及び電池を作製するのに有用な多孔質電極に関する。本開示は、多孔質電極の作製方法を更に提供する。
電気化学セル及びレドックスフロー電池の形成で有用な様々な構成要素が、当該技術分野において開示されている。このような構成要素は、例えば米国特許第5,648,184号、同第8,518,572号、及び同第8,882,057号に記載されている。
一実施形態において、本開示は、第1の主面及び第2の主面を有する、液体フロー電池用の多孔質電極であって、
第1の多孔質基材の形態の非導電性ポリマー粒子状繊維であって、第1の多孔質基材が、織られた又は織られていない紙、フェルト、マット及び布のうちの少なくとも1つである、非導電性ポリマー粒子状繊維と、
第1の多孔質基材の孔内に埋め込まれ、第1の多孔質基材の非導電性ポリマー粒子状繊維の表面に直接接着された導電性炭素微粒子と、を含み、
約100000μOhm・m未満の電気抵抗率を有する、液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
別の実施形態において、本開示は、第1の主面及び第2の主面を有する、液体フロー電池用の多孔質電極であって、
第1の多孔質基材の形態の非導電性ポリマー粒子状繊維であって、第1の多孔質基材が、織られた又は織られていない紙、フェルト、マット及び布のうちの少なくとも1つである、非導電性ポリマー粒子状繊維と、
第1の多孔質基材の孔内に埋め込まれ、第1の多孔質基材の非導電性ポリマー粒子状繊維の表面に直接接着された導電性炭素微粒子と、を含み、
約10マイクロメートル〜約1000マイクロメートルの厚さを有する、液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
別の実施形態において、本開示は、本明細書に開示される多孔質電極実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの多孔質電極を備える、液体フロー電池用の電気化学セルを提供する。
別の実施形態において、本開示は、本明細書に開示される多孔質電極実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの多孔質電極を備える液体フロー電池を提供する。
液体フロー電池用の多孔質電極並びにそれからの電気化学セル及び液体フロー電池において、非導電性ポリマー粒子状繊維を含む多孔質基材は、その表面に直接接着された導電性微粒子を支持する安価な足場材料としての機能を果たすことができる。この構成体は、多孔質基材の少なくとも所望の量の多孔率を維持しながら、導電性微粒子の大量の活性表面が酸化−還元反応に利用できることを可能にし、これらの両方の特徴は、例えば、液体フロー電池電極用途において必要とされるものである。導電性微粒子がポリマーバインダー樹脂と混合され、導電性微粒子表面の大部分をバインダー樹脂でコーティングし、次いでバインダー樹脂の硬化/乾燥を介して多孔質基材に接合され得る他のアプローチとは異なり、本開示の電極及び対応する膜電極接合体並びにそれらから作製された電極集合体は、導電性微粒子の表面の大部分をコーティングするバインダー樹脂を含まなくてもよい。したがって、本開示の多孔質電極は、導電性微粒子の表面の大部分が酸化−還元反応に利用可能であり、多孔質電極の多孔率が化学反応物、例えば陽極液及び陰極液がこれらの表面に近づくことを可能にするために、改善された電気的及び/又は電気化学的性能を有することができる。
本開示の実施形態において、電極は、シートの形態であってもよい。
本開示の1つの例示的な実施形態による例示的な電極の概略平面図を示す。 図1Aの例示的な電極の領域40’の概略平面図を示す。 本開示の1つの例示的な実施形態による例示的な膜電極接合体の概略側断面図である。 本開示の1つの例示的な実施形態による例示的な膜電極接合体の概略側断面図を示す。 本開示の1つの例示的な実施形態による例示的な膜電極接合体の概略側断面図である。 本開示の1つの例示的な実施形態による例示的な膜電極接合体の概略側断面図である。 本開示の1つの例示的な実施形態による例示的な電極集合体の概略側断面図である。 本開示の1つの例示的な実施形態による例示的な電気化学セルの概略側断面図である。 本開示の1つの例示的な実施形態による例示的な電気化学セルスタックの概略側断面図である。 本開示の1つの例示的な実施形態による例示的な単一セル液体フロー電池の概略図である。 本開示の電気抵抗率試験方法で使用される4つのサーペンタイン型流路を有する黒鉛板の1つの画像である。
本明細書及び図中で繰り返し使用される参照符号は、本開示の同じ又は類似の特徴又は要素を表すことが意図される。図面は、縮尺通りに描かれていない場合がある。本明細書で使用される場合、語「間(between)」は、数値の範囲に適用されるとき、特に定めのない限り、範囲の終点を含む。終点による数値の範囲の記述は、その範囲内の全ての数を含む(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)と共に、その範囲内の任意の範囲を含む。特に断りがない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される特徴的なサイズ、量、及び物理的特性を表す数字は全て、いずれの場合においても「約」なる用語によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、特に反対の記載がない限り、上記の明細書及び添付の特許請求の範囲において説明されている数値パラメータは、本明細書において開示される教示を利用して当業者が得ようとする所望の特性に応じて変わり得る近似値である。
本開示の原理の範囲及び趣旨に含まれる他の多くの改変形態及び実施形態が当業者によって考案され得ることが理解されるべきである。本明細書で用いられる全ての科学的用語及び技術的用語は、特に定めのない限り、当該技術分野において広く用いられている意味を有するものである。本明細書において与えられる定義は、本明細書中で頻繁に使用される特定の用語の理解を助けるためのものであり、本開示の範囲を限定するためのものではない。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、その文脈が特に明確に指示しない限り、複数の指示対象を有する実施形態を包含する。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、用語「又は」は、その文脈が特に明確に指示しない限り、一般的に「及び/又は」を包含する意味で用いられる。
本開示の全体を通して、第1の基材の表面が第2の基材の表面と「接触」している場合、2つの表面のうちの少なくとも一部は、物理的接触状態にあり、すなわち、これら2つの基材の間に配置された介在する基材(複数可)が存在しない。
本開示の全体を通して、層又は層の表面が、第2の層又は第2の層の表面に「隣接」する場合、2つの層の2つの最も近い表面が、互いに対面していると見なされる。これらは、互いに接触していてもよく又はこれらは互いに接触していなくてもよく、介在する第3の層(複数可)又は基材(複数可)がそれらの間に配置されてもよい。
本開示の全体を通して、第1の基材の表面が、第2の基材の表面に「近接」する場合、2つの表面が互いに対面し、互いにごく接近した状態にある、すなわち、500マイクロメートル未満、250マイクロメートル未満、100マイクロメートル未満の範囲内にあるか、又は更に互いに接触していると見なされる。しかしながら、第1の2つの基材表面の間に、1つ以上の介在する基材があってもよい。
液体フロー電池(例えば、レドックスフロー電池)を作製するのに使用することができる単一の電気化学セルは、一般的に、2つの多孔質電極であるアノード及びカソードと、電極間に電気絶縁を提供し、1つ以上の選択イオン種がアノードとカソードの半電池の間を通過するための経路を提供する、2つの電極の間に配置されたイオン透過性膜と、アノード及びカソードフロープレートであって、前者はアノードに隣接して位置付けられ、後者はカソードに隣接して位置付けられ、それぞれが、陽極液及び陰極液の電解溶液がアノード及びカソードのそれぞれに接触かつ貫入することを可能にする1つ以上のチャネルを含む、アノード及びカソードフロープレートと、を含む。セル又は電池のアノード及び/若しくはカソード並びに膜は、本明細書では膜電極接合体(membrane-electrode assembly、MEA)と称するものとする。例えば、単一の電気化学セルを含むレドックスフロー電池において、セルはまた、2つの集電体、1つがアノードフロープレート、例えば単極又は双極プレートの外面と隣接かつ接触し、1つがカソードフロープレート、例えば単極又は双極プレートの外面と隣接かつ接触しているものを含むであろう。集電体は、セル放電中に発生した電子が外部回路に接続し、有用な働きをすることを可能にする。機能レドックスフロー電池又は電気化学セルはまた、陽極液、陽極液収容器、及び陽極液のアノード半電池の流れを容易にするための対応する流体分配システム(配管及び少なくとも1つ以上のポンプ)、並びに陰極液、陰極液収容器、及び陰極液のカソード半電池への流れを容易にするための対応する流体分配システムを含む。通常はポンプが使用されるが、重力供給方式のシステムが使用されてもよい。放電の際に、陽極液中の活性種、例えばカチオンが酸化され、対応する電子が外部回路を通して流れ、カソードでロードされ、ここでこれらが陰極液中の活性種を還元する。電気化学的酸化及び還元用の活性種が陽極液及び陰極液中に含まれるために、レドックスフローセル及び電池はそれらのエネルギーを電気化学セルの主本体の外側に、すなわち、陽極液中に保存することができるという独自の特徴を有する。貯蔵容量の量は、主として、陽極液及び陰極液の量並びにこれらの溶液中の活性種の濃度によって制限される。したがって、レドックスフロー電池は、風力発電所及び太陽光エネルギー発電所に関連する大型エネルギー貯蔵ニーズに、例えば、収容タンクのサイズ及び活性種濃度をそれに応じて拡大縮小することによって使用することができる。レドックスフローセルはまた、それらの貯蔵容量がそれらの電力から独立して有するという利点を有する。レドックスフロー電池又はセルにおける電力は、一般的には、サイズ、電力密度(電圧を乗じた電流密度)、並びに電池内の膜電極接合体及びそれらに伴う対応するフロープレートの数(時として全体で「スタック」と称される)によって決定される。更に、レドックスフロー電池が電力供給網用途に設計されるために、電圧は高くなければならない。しかしながら、単一レドックスフロー電気化学セルの電圧は、一般的には、3ボルト未満である(セルを作り上げる半電池反応の電位における差)。したがって、実用性を有するのに十分に大きい電圧を発生させるために数百個のセルが直列に接続される必要があり、セル又は電池のコストの相当な量が、個々のセルを作製する構成要素のコストに関連する。
レドックスフロー電気化学セル及び電池のコアには、膜電極接合体(アノード、カソード及びそれらの間に配置されたイオン透過性膜)がある。MEAの設計は、レドックスフローセル及び電池の電力出力にとって重要である。次いで、これらの構成要素のために選択される材料が、性能にとって重要である。電極に使用される材料は炭素に基づくことができ、炭素は、酸化/還元反応が生じるために所望の触媒活性を提供し、フロープレートへの電子移動を提供するために導電性である。電極材料は、酸化/還元反応が生じるためのより大きな表面積を提供するために多孔質であり得る。多孔質電極は、炭素繊維系の紙、フェルト、及び布を含むことができる。多孔質電極が使用されるとき、電解液は電極の本体に貫入し、反応のために追加の表面積に接近し、したがって、電極の単位容積当たりのエネルギー発生の割合を増大させ得る。また、陽極液及び陰極液の一方又は双方は、水系、すなわち、水溶液であってもよく、電解液の多孔質電極の本体への浸透を容易にするために、電極が親水性表面を有する必要があり得る。レドックスフロー電極の親水性を改善するために、表面処理が用いられてもよい。このことは、電極及び対応する触媒層/領域に水分が進入することを防止するために、かつ例えば、水素/酸素系燃料セルにおける電極領域から水分の除去を容易にするために、通常、疎水性であるように設計される燃料セル電極とは対照的である。
イオン透過性膜に使用される材料は、1つ以上の選択イオンが膜を通過することを可能にしつつ、良好な電気絶縁体である必要がある。これらの材料は、多くの場合、ポリマーから作製され、膜を通してのイオン移動を容易にするためにイオン種を含んでもよい。したがって、イオン透過性膜を作り上げる材料は、高価な特殊ポリマーであり得る。
セルスタック及び電池ごとに数百個のMEAが必要な場合があるために、電極(アノード及びカソード)及び/又はイオン透過性膜は、MEAの全体的なコスト並びにセル及び電池の全体的なコストに対して重要なコスト要因であり得る。したがって、MEAのコスト並びにセル及び/又は電池の全体的なコストを削減することができる新しい電極に対する要求がある。
更に、MEAのコストを最小限に抑えることが望ましいために、それらのコストを最小限に抑えるための別のアプローチは、その中で使用されるイオン透過性膜の容積を低減することである。しかしながら、セルの電力出力要件は、所定のMEAのサイズ要件、したがって、膜のその長さ及び幅寸法(一般には、より大きな長さ及び幅が好ましい)に対するサイズを画定する助けとなるために、MEAのコストを削減するためには、イオン透過性膜の厚さを減少させることが唯一可能であり得る。しかしながら、イオン透過性膜の厚さを減少させることによって、問題が指摘されている。膜の厚さが減少すると、多孔質電極を作製するために使用される比較的硬い繊維、例えば炭素繊維がより薄い膜を通して貫入し、対向する半電池の対応する電極に接触する可能性があることが分かった。これは、セルの有害な局在化短絡、セルによって発生する電力の損失及び電池全体の電力の損失を引き起こす。したがって、この局在化短絡を防止することができると同時に、それらから作製された電気化学セル及び電池の必要とされる酸化/還元反応を阻害することなく、必要とされる電極を通しての電解液輸送を維持する膜電極接合体で有用な改善された電極に対する要求がある。
本開示は、少なくとも1つのポリマーと、少なくとも1つの導電性炭素微粒子とを含む新しい設計を有する多孔質電極を提供する。ポリマーの付加は、従来の炭素繊維ベースの電極、例えば炭素紙のコストに比べて、多孔質電極のコストを削減することができる。本開示の電極はまた、膜の厚さが低減されるときに問題があることが判明した局在化短絡を低減することができ、より薄い膜が使用されることを可能にする場合があり、MEA並びにそれらから作製される対応するセル及び電池のコスト削減を更に容易にする。本開示の多孔質電極は、膜電極接合体、電極集合体、液体フロー、例えばレドックスフロー電気化学セル及び電池の作製において、有用である。液体フロー電気化学セル及び電池は、液体フロー型である単一の半電池又は液体フロー型である両方の半電池を有するセル及び電池を含んでもよい。電極は膜電極接合体の構成要素であってもよく、又は電極集合体の構成要素であってもよく、これら集合体はまた、液体フロー、例えば、レドックスフロー電気化学セル及び電池を作製するのに有用であり得る。電極集合体は、多孔質電極と、少なくとも1つの微多孔質保護層とを含む。本開示の膜電極接合体はまた、少なくとも1つの微多孔質保護層を含み得る。微多孔質保護層は、膜と電極との間に配置された基材であり、これは、膜を通って貫入する電極の繊維によって生じ得るセルの短絡を低減する。
本開示はまた、液体フロー電気化学セル及び電池、本開示の少なくとも1つの多孔質電極を含む膜電極接合体及び/又は電極集合体を含む。本開示は、液体フロー電気化学セル及び電池の作製に有用な多孔質電極、膜電極接合体及び電極集合体を作製する方法を更に提供する。
本開示は、ポリマー、例えばポリマー微粒子と、導電性炭素微粒子とを含む、液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。一実施形態において、本開示は、ポリマー微粒子を含む、第1の主面及び第2の主面を有するポリマー電極であって、ポリマー微粒子が、第1の多孔質基材の形態の非導電性ポリマー粒子状繊維であり、第1の多孔質基材が、織られた又は織られていない基材のうちの少なくとも1つであり、導電性炭素微粒子が、第1の多孔質基材の孔内に埋め込まれており、すなわち、孔内に入れられ、第1の多孔質基材の非導電性ポリマー粒子状繊維の表面に直接接着されており、多孔質電極が、約100000μOhm・m(マイクロオームメートル)未満の電気抵抗率を有する、多孔質電極を提供する。
本開示はまた、ポリマー、例えばポリマー微粒子と、導電性炭素微粒子とを含む、液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。一実施形態において、本開示は、ポリマー微粒子を含む、第1の主面及び第2の主面を有する多孔質電極であって、ポリマー微粒子が、第1の多孔質基材の形態の非導電性ポリマー粒子状繊維であり、第1の多孔質基材が、織られた又は織られていない基材のうちの少なくとも1つであり、導電性炭素微粒子が、第1の多孔質基材の孔内に埋め込まれており、すなわち、孔内に入れられ、第1の多孔質基材の非導電性ポリマー粒子状繊維の表面に直接接着されており、多孔質電極が、約10マイクロメートル〜約1000マイクロメートルの厚さを有する、多孔質電極を提供する。
いくつかの実施形態において、織られた又は織られていない基材のうちの少なくとも1つは、織られた又は織られていない紙、フェルト、マット及び布のうちの少なくとも1つであってもよい。いくつかの実施形態において、第1の多孔質基材は、織られた基材から本質的になり、例えば、織られた紙、フェルト、マット及び布のうちの少なくとも1つから本質的になる。いくつかの実施形態において、第1の多孔質基材は、織られていない基材から本質的になり、例えば、織られていない紙、フェルト、マット及び布のうちの少なくとも1つから本質的になる。多孔質電極の導電性炭素微粒子は、炭素粒子、炭素フレーク、炭素繊維、カーボンデンドライト、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つであってもよい。多孔質電極の導電性炭素微粒子は、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つであってもよく、又はこれらのうちの少なくとも1つから本質的になってもよい。多孔質電極の導電性炭素微粒子は、炭素粒子、炭素フレーク、及びカーボンデンドライトのうちの少なくとも1つであってもよく、又はこれらのうちの少なくとも1つから本質的になってもよい。多孔質電極の導電性炭素微粒子は、黒鉛粒子、黒鉛フレーク、黒鉛繊維及び黒鉛デンドライトのうちの少なくとも1つであってもよく、又はこれらのうちの少なくとも1つから本質的になってもよい。いくつかの実施形態において、第1の多孔質基材の非導電性ポリマー粒子状繊維の少なくとも一部は、コア−シェル構造を有し、コア−シェル構造は、第1のポリマーを含む内部コアと第2のポリマーを含む外部シェルとを含み、任意に、第2のポリマーは、第1のポリマーの軟化温度よりも低い軟化温度を有する。いくつかの実施形態において、多孔質電極は、約0.1g/cm〜約1g/cmの密度を有する。いくつかの実施形態において、多孔質電極に含まれる導電性炭素微粒子の量は、約5〜約99重量パーセントである。いくつかの実施形態において、多孔質電極に含まれる導電性炭素微粒子の量は、約40〜約80重量パーセントである。
電極は、液体を、多孔質電極材料を含む3次元多孔質電極構造の1つの外面から3次元構造の対向する表面の外部まで流れさせる場合、「多孔質」と見なされる。
本開示の1つの例示的な実施形態による例示的な電極の概略平面図である図1Aは、第1の主面の40aと第2の主面40bとを有する多孔質電極40を示す。多孔質電極40は、多孔質基材1300を含む。多孔質基材1300は、非導電性ポリマー粒子状繊維130から形成される。多孔質電極40はまた、第1の多孔質基材の孔内に埋め込まれている、すなわち孔内に入れられている導電性炭素微粒子(図示せず)を含む。図1Aの例示的な電極の領域40’の概略平面図である図1Bは、非導電性ポリマー粒子状繊維130a、130b、及び130cを含む非導電性ポリマー粒子状繊維130と、導電性炭素粒子120a、120b、及び120cを含む導電性炭素微粒子120とを示す。導電性炭素微粒子120は、第1の多孔質基材1300の孔150内に埋め込まれ、すなわち孔内に入れられ、第1の多孔質基材1300の非導電性ポリマー粒子状繊維130の表面に直接接着される、例えば、導電性炭素粒子120a、120b、及び120cは、非導電性ポリマー粒子状繊維130の表面に直接接着される。
各々の個々の導電性炭素微粒子の表面積のごく一部のみが、導電性炭素微粒子を非導電性ポリマー粒子状繊維に接着させるために必要とされるために、導電性炭素微粒子を非導電性ポリマー粒子状繊維に直接接着させることは、導電性炭素微粒子の表面積の大部分が、例えば液体フロー電池において使用するために必要とされる電気化学反応のために利用可能である。これは、バインダー樹脂を使用し、通常は、導電性微粒子をバインダー樹脂と混合し、次いでバインダー樹脂を、導電性微粒子を多孔質基材に接着/接合するために用いる先行技術のアプローチとは対照的である。導電性微粒子を多孔質基材の表面に直接接着しない、例えば、多孔質基材を形成する繊維の表面に直接接着しないこの先行のアプローチにおいては、バインダー樹脂の使用は、導電性微粒子の表面、すなわち表面積の相当な部分、通常は、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%又は更には100%を、バインダー樹脂でコーティングし、電気化学反応に利用可能な導電性微粒子の表面積の量を著しく低下させる。
いくつかの実施形態において、非導電性ポリマー粒子状繊維の表面に直接接着された導電性炭素微粒子の表面、すなわち表面積の少なくとも約40%〜約85%、約40%〜約90%、約40%〜約95%、約40%〜約98%、約50%〜約85%、約50%〜約90%、約50%〜約95%、約50%〜約98%、約60%〜約85%、約60%〜約90%、約60%〜約95%、約60%〜約98%、約70%〜約85%、約70%〜約90%、約70%〜約95%、又は更には約70%〜約98%が、樹脂、例えば、ポリマー樹脂及び/又はポリマーバインダー樹脂を含まない。電気化学反応に利用可能な導電性炭素微粒子の非常に大きい表面積を有することは、本開示の多孔質電極の電気化学性能を改善する。
図1Bの非導電性ポリマー粒子状繊維130に関して、繊維130cは、内部コア130c’と外部シェル130c’’とを有するコア−シェル構造を有するように示されている。内部コアは第1のポリマーを含むことができ、外部シェルは第2のポリマーを含むことができる。第1のポリマーの組成は、第2のポリマーの組成と異なってもよい。
導電性炭素微粒子及びポリマー微粒子の両方についての用語「微粒子」は、粒子、フレーク、繊維、デンドライト等を含むことを意味する。粒子状粒子は、一般的に、長さ対幅のアスペクト比及び長さ対厚さのアスペクト比が共に約1〜約5である微粒子を含む。粒径は、約0.001マイクロメートル〜約100マイクロメートル、約0.001マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.001マイクロメートル〜約25マイクロメートル、約0.001マイクロメートル〜約10マイクロメートル、約0.001マイクロメートル〜約1マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約100マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.01〜約25マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約10マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約1マイクロメートル、約0.05マイクロメートル〜約100マイクロメートル、約0.05マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.05〜約25マイクロメートル、約0.05マイクロメートル〜約10マイクロメートル、約0.05マイクロメートル〜約1マイクロメートル、約0.1マイクロメートル〜約100マイクロメートル、約0.1マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.1〜約25マイクロメートル、約0.1マイクロメートル〜約10マイクロメートル、又は更には約0.1マイクロメートル〜約1マイクロメートルであってもよい。粒子は球状であってもよい。粒子状フレークは、一般的に、そのそれぞれがフレークの厚さを大幅に超える長さ及び幅を有する微粒子を含む。フレークは、長さ対厚さのアスペクト比及び幅対厚さのアスペクト比がそれぞれ約5を超える微粒子を含む。フレークの長さ対厚さ及び幅対厚さのアスペクト比に関する特定の上限はない。フレークの長さ対厚さ及び幅対厚さのアスペクト比の両方は、約6〜約1000、約6〜約500、約6〜約100、約6〜約50、約6〜約25、約10〜約500、10〜約150、10〜約100、又は更には約10〜約50であってもよい。フレークの長さ及び幅は、それぞれ、約0.001マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.001〜約25マイクロメートル、約0.001マイクロメートル〜約10マイクロメートル、約0.001マイクロメートル〜約1マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.01〜約25マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約10マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約1マイクロメートル、約0.05マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.05〜約25マイクロメートル、約0.05マイクロメートル〜約10マイクロメートル、約0.05マイクロメートル〜約1マイクロメートル、約0.1マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.1〜約25マイクロメートル、約0.1マイクロメートル〜約10マイクロメートル、又は更には約0.1マイクロメートル〜約1マイクロメートルであってもよい。フレークは板状晶状であってもよい。
粒子状デンドライトは、分枝構造を有する微粒子を含む。デンドライトの粒径は、上述された粒子状粒子について開示されたものと同様であってもよい。
粒子状繊維は、一般的に、長さ対幅のアスペクト比及び長さ対厚さのアスペクト比が共に約10を超える、並びに幅対厚さのアスペクト比が約5未満である微粒子を含む。円形の形状である断面積を有する繊維について、幅及び厚さは同一であるだろうし、円形断面の直径に等しいであろう。繊維の長さ対幅及び長さ対厚さのアスペクト比に関する特定の上限はない。繊維の長さ対厚さ及び長さ対幅のアスペクト比の両方は、約10〜約1000000、10〜約100000、10〜約1000、10〜約500、10〜約250、10〜約100、約10〜約50、約20〜約1000000、20〜約100000、20〜約1000、20〜約500、20〜約250、20〜約100、又は更には約20〜約50であってもよい。繊維の幅及び厚さは、それぞれ、約0.001〜約100マイクロメートル、約0.001マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.001〜約25マイクロメートル、約0.001マイクロメートル〜約10マイクロメートル、約0.001マイクロメートル〜約1マイクロメートル、約0.01〜約100マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約25マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約10マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約1マイクロメートル、約0.05〜約100マイクロメートル、約0.05マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.05〜約25マイクロメートル、約0.05マイクロメートル〜約10マイクロメートル、約0.05マイクロメートル〜約1マイクロメートル、約0.1〜約100マイクロメートル、約0.1マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.1〜約25マイクロメートル、約0.1マイクロメートル〜約10マイクロメートル、又は更には約0.1マイクロメートル〜約1マイクロメートルであってもよい。いくつかの実施形態において、線維の厚さ及び幅は、同一であってもよい。
本開示の粒子状繊維は、織られた又は織られていない紙、フェルト、マット及び/又は布のうちの少なくとも1つに作製されてもよい。織られていない、例えば織られていないマットは、メルトブローン繊維法、スパンボンド法、カーディング法等によって作製されてもよい。いくつかの実施形態において、粒子状繊維の長さ対厚さ及び長さ対幅のアスペクト比の両方のアスペクト比は、1000000を超えても、約10000000を超えても、約100000000を超えても、又は更には1000000000を超えてもよい。いくつかの実施形態において、粒子状繊維の長さ対厚さ及び長さ対幅のアスペクト比の両方のアスペクト比は、約10〜約1000000000、約10〜約100000000、約10〜約10000000、約20〜約1000000000、約20〜約100000000、約20〜約10000000、約50〜約1000000000、約50〜約100000000、又は更には約50〜約10000000であってもよい。
導電性炭素微粒子としては、ガラス様カーボン、非晶質炭素、グラフェン、黒鉛、例えば黒鉛化炭素、カーボンデンドライト、カーボンナノチューブ、分枝カーボンナノチューブ、例えばカーボンナノツリーが挙げられるが、これらに限定されない。導電性炭素微粒子型の組合せが使用されてもよい。いくつかの実施形態において、導電性炭素微粒子は、炭素粒子、炭素フレーク、炭素繊維、カーボンデンドライト、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブ、例えば、カーボンナノツリーのうちの少なくとも1つである。多孔質電極の導電性炭素微粒子は、炭素粒子、炭素フレーク、及びカーボンデンドライトのうちの少なくとも1つを含んでもよく、又はこれらのうちの少なくとも1つから本質的になってもよい。いくつかの実施形態において、導電性炭素微粒子は、黒鉛粒子、黒鉛フレーク、黒鉛繊維及び黒鉛デンドライトのうちの少なくとも1つを含んでもよく、又はこれらのうちの少なくとも1つから本質的になってもよい。いくつかの実施形態において、黒鉛は、黒鉛粒子、黒鉛フレーク、及び黒鉛デンドライトのうちの少なくとも1つを含んでもよく、又はこれらのうちの少なくとも1つから本質的になってもよい。いくつかの実施形態において、導電性炭素微粒子は、炭素繊維、例えば黒鉛繊維を含まない。
いくつかの実施形態において、導電性微粒子は、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つである。カーボンナノチューブは、円筒形のナノ構造を有する炭素の同素体である。カーボンナノチューブは、炭素繊維を含む任意の他の材料に関するものよりも著しく大きい、最大132,000,000:1の長さ対直径比で生成され得る。カーボンナノチューブは、5〜約10マイクロメートルの直径を有し得る炭素及び/又は黒鉛繊維よりも数桁小さい約1〜5ナノメートルの直径を有することができる。カーボンナノチューブは、約0.3ナノメートル〜約100ナノメートル、約0.3ナノメートル〜約50ナノメートル、約0.3ナノメートル〜約20ナノメートル、約0.3ナノメートル〜約10ナノメートル、約1ナノメートル〜約50ナノメートル、約1ナノメートル〜約20ナノメートル、又は更には約1ナノメートル〜約10ナノメートルの直径を有してもよい。カーボンナノチューブは、約0.25マイクロメートル〜約1000マイクロメートル、約0.5マイクロメートル〜約500マイクロメートル、又は更には約1マイクロメートル〜約100マイクロメートルの長さを有してもよい。分枝カーボンナノチューブ、例えばナノツリーは、約0.3ナノメートル〜約100ナノメートルの直径を有してもよい。分枝カーボンナノチューブは、主カーボンナノチューブ、すなわち、カーボンナノチューブ茎部と共有結合している複数のカーボンナノチューブ側枝を含む。分枝カーボンナノチューブは木に似た樹枝状形状を有し、広く大きな表面積を有し得る。このような複雑に構造化した複数の末端を有するカーボンナノチューブを作製するために、テンプレート法、カーボンナノチューブ溶接法、固体繊維炭化、並びに直流プラズマ強化化学蒸着(chemical vapor deposition、CVD)及びいくつかの他の添加剤、触媒、又は流量変動ベースのCVD法が挙げられるが、これらに限定されない様々な合成方法が開発されている。いくつかの実施形態において、分枝カーボンナノチューブの主カーボンナノチューブの直径及びカーボンナノチューブ側枝の直径は、約0.3ナノメートル〜約100ナノメートル、約0.3ナノメートル〜約50ナノメートル、約0.3ナノメートル〜約20ナノメートル、約0.3ナノメートル〜であってもよい。
いくつかの実施形態において、導電性微粒子は、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つを含んでもよく、又はこれらのうちの少なくとも1つから本質的になってもよい。いくつかの実施形態において、導電性炭素微粒子は、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブを含んでもよく、又はこれらから本質的になってもよく、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブの総重量に対する分枝カーボンナノチューブの重量分画は、約0.1〜約1、約0.1〜約0.9、約0.1〜0.8、約0.2〜約1、約0.2〜約0.9、約0.2〜0.8、約0.3〜約1、約0.3〜約0.9、約0.3〜0.8、約0.4〜約1、約0.4〜約0.9、約0.4〜0.8、約0.5〜約1、約0.5〜約0.9、又は更には約0.5〜0.8であってもよい。カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つを含み並びに/又はカーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブを含む導電性微粒子は、黒鉛微粒子を更に含んでもよい。これらの実施形態において、導電性炭素微粒子の総重量に対する黒鉛微粒子の重量分画は、約0.05〜約1、約0.05〜約0.8、約0.05〜約0.6、約0.05〜約0.5、約0.05〜約0.4、約0.1〜約1、約0.1〜約0.8、約0.1〜約0.6、約0.1〜約0.5、約0.1〜約0.4、約0.2〜約1、約0.2〜約0.8、約0.2〜約0.6、約0.2〜約0.5、又は更には約0.2〜約0.4であってもよい。
いくつかの実施形態において、導電性炭素微粒子は表面処理されてもよい。表面処理は、多孔質電極の所定の陽極液若しくは陰極液に対する湿潤性を改善するために、又は、所定の陽極液又は陰極液の化学組成に関連付けられる酸化−還元反応に対する電極の電気化学活性を提供若しくは改善することができる。表面処理としては、化学処理、熱処理、及びプラズマ処理のうちの少なくとも1つが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、導電性炭素微粒子は、化学処理、熱処理、及びプラズマ処理のうちの少なくとも1つによって生じた改善された電気化学活性を有する。用語「改善された」とは、導電性炭素微粒子の電気化学活性が、処理前の導電性炭素微粒子の電気化学活性と比較して、処理後に選択的に増加されることを意味する。改善された電気化学活性は、定義された電位における電流密度の増加、酸素発生の低減、及び水素発生の低減のうちの少なくとも1つを含むことができる。改善された電気化学活性を測定する1つの方法は、導電性炭素微粒子を含有する電気化学セルの構築を通してのものである(処理前後の)。定義された印加電圧において発生した電流を監視することによって、サンプル間の差別化が行われる。酸素及び水素の発生における改善は、半電池配列におけるサイクリック・ボルタンメトリなどの電気化学的技法の使用を通して監視することができる。この試験において、改善された性能は、電解液破壊が観察される前に必要とされるより小さなレドックスピーク分離及びより高い電圧をもたらす。いくつかの実施形態において、導電性微粒子は、親水性である。
いくつかの実施形態において、多孔質電極内に含まれる導電性炭素微粒子の量は、重量基準で、約5〜約99パーセント、約5〜約95パーセント、約5〜約90パーセント、約5〜約80パーセント、約5〜約70パーセント、約10〜約99パーセント、約10〜約95パーセント、約10〜約90パーセント、約10〜約80パーセント、約10〜約70パーセント、約25〜約99パーセント、25〜約95パーセント、約25〜約90パーセント、約25〜約80パーセント、約25〜約70パーセント、約30〜約99パーセント、約30〜約95パーセント、約30〜約90パーセント、約30〜約80パーセント、約30〜約70パーセント、約40〜約99パーセント、約40〜約95パーセント、約40〜約90パーセント、約40〜約80パーセント、約40〜約70パーセント、約50〜約99パーセント、50〜約95パーセント、約50〜約90パーセント、約50〜約80パーセント、約50〜約70パーセント、約60〜約99パーセント、60〜約95パーセント、約60〜約90パーセント、約60〜約80パーセント、又は更には約60〜約70パーセントであってもよい。
多孔質電極のポリマーは、ポリマー微粒子、例えば、非導電性ポリマー微粒子であり得る。いくつかの実施形態において、ポリマー微粒子は非導電性ポリマー粒子状繊維である。いくつかの実施形態において、ポリマー微粒子は融合ポリマー微粒子である。融合ポリマー微粒子は、隣接するポリマー微粒子の接触面を一緒に融合させる温度にしたポリマー微粒子から形成することができる。融合後に、融合ポリマー微粒子を形成する個々の微粒子は、更に特定することができる。融合ポリマー微粒子は多孔質である。融合ポリマー微粒子は、完全に融解され、固体基材、すなわち、非多孔質基材を形成した微粒子ではない。いくつかの実施形態において、ポリマー微粒子は、ポリマー微粒子の最も低いガラス転移温度よりも低い、約60℃以上、約50℃以上、約40℃以上、約30℃以上、約20℃以上、又は更には約10℃以上である温度で融合することができる。ポリマー微粒子は、例えば、ポリマー微粒子が、ブロックコポリマー、ポリマーブレンド又はコア−シェルポリマーである場合、複数のガラス転移温度を有してもよい。ポリマー粒子状繊維について、用語「コア−シース」は、第1のポリマーを含有する内部コアと第2のポリマーを含有する外部シェル又はシースとを有する繊維を説明するために使用することができる。しかしながら、本開示の全体を通して、用語コア−シェルは、全てのポリマー微粒子型、すなわち、ポリマー粒子状粒子、ポリマー粒子状フレーク、ポリマー粒子状繊維及びポリマー粒子状デンドライトを包含することを意味し、これらは、コアとして作用する第1のポリマー型と、シェル又はシースとして作用する第2のポリマー型とを含む。いくつかの実施形態において、ポリマー微粒子は、ポリマー微粒子の最も高い融解温度よりも低い温度で融合することができるか、又はポリマー微粒子が非晶質ポリマーであるとき、ポリマー微粒子の最も高いガラス転移温度よりも高い、50℃以下、30℃以下、又は更には10℃以下で融合することができる。
いくつかの実施形態において、ポリマー微粒子は、第1の多孔質基材の形態の非導電性ポリマー粒子状繊維であり、第1の多孔質基材は、織られた又は織られていない紙、フェルト、マット及び布(すなわち、布地)のうちの少なくとも1つの形態であってもよい。当該技術分野において既知の従来の織られた又は織られていない紙、フェルト、マット及び布は、多孔質電極並びにこの多孔質電極を含む膜電極接合体、電極集合体、電気化学セル及び電池で使用することができる。第1の多孔質基材を形成するために使用される非導電性ポリマー粒子状繊維の型、すなわちポリマー型の数は、特に限定されない。非導電性ポリマー粒子状繊維は、少なくとも1つのポリマー、例えば、1つのポリマー組成又はポリマー型を含む。非導電性ポリマー粒子状繊維は、少なくとも2つのポリマー、すなわち、2つのポリマー組成又は2つのポリマー型を含んでもよい。例えば、第1の多孔質基材を形成するために使用される非導電性ポリマー粒子状繊維は、ポリエチレンから構成される繊維の1つのセットと、ポリプロピレンから構成される繊維の別のセットとを含んでもよい。少なくとも2つのポリマーが使用される場合、第1のポリマーは、第2のポリマーよりも低いガラス転移温度を有してもよい。第1のポリマーは、多孔質基材の機械的特性を改善するために、又は導電性炭素微粒子の、第1の多孔質基材の非導電性ポリマー粒子状繊維の表面への接着、例えば接合を容易にするために、第1の多孔質基材の非導電性ポリマー粒子状繊維を一緒に融合させるために使用することができる。
多孔質電極のポリマー、例えば、非導電性ポリマー粒子状繊維は、電解液の選択イオン(複数可)の電極を通しての移動を容易にするように選択されてもよい。これは、電解液に所定のポリマーを容易に湿潤させることによって達成することができる。ポリマーの材料特性、特に、表面湿潤特性は、陽極液及び陰極液溶液の種類に基づいて、すなわち、これらが水性ベースであるか又は非水性ベースであるかどうかによって、選択することができる。本明細書に開示されるように、水性ベースの溶液は、溶媒が少なくとも50重量%の水を含む溶液として定義される。非水性ベースの溶液は、溶媒が50重量%未満の水を含有する溶液として定義される。いくつかの実施形態において、多孔質電極のポリマーは親水性であってもよい。これは、電極が水性陽極液及び/又は陰極液溶液と共に使用されるべきときに、特に有益であり得る。いくつかの実施形態において、ポリマーは、90度未満の水、陰極液及び/又は陽極液との表面接触角を有することができる。いくつかの実施形態において、ポリマーは、約85度〜約0度、約70度〜約0度、約50度〜約0度、約30度〜約0度、約20度〜約0度、又は更には約10度〜約0度にて、水、陰極液及び/又は陽極液と表面接触することができる。
多孔質電極のポリマー、例えば、非導電性ポリマー粒子状繊維は、熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマーが含まれる)、熱硬化性樹脂(ガラス状及びゴム状材料が含まれる)及びこれらの組合せを含んでもよい。有用な熱可塑性樹脂としては、ポリアルキレン、例えば、ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、高分子量ポリプロピレンのうちの少なくとも1つのホモポリマー、コポリマー及びブレンド;ポリアクリレート;ポリメタクリレート、スチレン並びにスチレン系ランダム及びブロックコポリマー、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン;ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート;ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアミド−アミン;ポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール;ポリウレタン;ポリエーテル;塩素化ポリ塩化ビニル;全フッ素置換フルオロポリマー、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)、及び部分的フッ素置換フルオロポリマー、例えばポリビニリデフルオリドが含まれるフルオロポリマー(これらのそれぞれが半結晶性及び/又は非晶質であってもよい);ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン;ポリフェニレンオキシド;並びにポリケトンが挙げられるが、これらに限定されない。有用な熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン樹脂のうちの少なくとも1つのホモポリマー、コポリマー及び/又はブレンドが挙げられるが、これらに限定されない。多孔質電極のポリマー、例えばポリマー粒子状繊維は、Bステージポリマー、例えば、1つ以上の硬化メカニズム、例えば、熱硬化及び/又は化学線硬化を含み得る二段階硬化プロセスを介して網目構造を形成することができるポリマーであってもよい。
いくつかの実施形態において、多孔質電極のポリマー、例えば、非導電性ポリマー粒子状繊維は、約20℃〜約400℃、約20℃〜約350℃、約20℃〜約300℃、約20℃〜約250℃、約20℃〜約200℃、約20℃〜約150℃、約35℃〜約400℃、約35℃〜約350℃、約35℃〜約300℃、約35℃〜約250℃、約35℃〜約200℃、約35℃〜約150℃、約50℃〜約400℃、約50℃〜約350℃、約50℃〜約300℃、約50℃〜約250℃、約50℃〜約200℃、約50℃〜約150℃、約75℃〜約400℃、約75℃〜約350℃、約75℃〜約300℃、約75℃〜約250℃、約75℃〜約200℃、又は更には約75℃〜約150℃の軟化温度、例えばガラス転移温度及び/又は融解温度を有する。
いくつかの実施形態において、ポリマー微粒子、例えば、非導電性ポリマー粒子状繊維は、2つ以上のポリマーから構成され、コア−シェル構造、すなわち、第1のポリマーを含む内部コア及び第2のポリマーを含む外部シェルを有する。別の実施形態において、少なくとも1つの第1のポリマー(これは、ホモポリマー、コポリマー又はポリマーブレンドを含んでもよい)から構成される少なくとも1つの繊維型の非導電性ポリマー粒子状繊維は、第1の多孔質コア基材を形成するために使用されてもよく、ポリマー溶液及び反応性ポリマー前駆体溶液のうちの少なくとも1つを含むコーティング組成物は、第1の多孔質コア基材上に配置されてもよい。コーティング組成物は、第1の多孔質基材を形成するために乾燥され硬化されたもののうちの少なくとも1つであってもよく、第1の多孔質基材の繊維の少なくとも一部はコア−シェル構造を有する。コアは少なくとも1つの第1のポリマーから構成され、シェルは第2のポリマーから形成され、すなわち、コーティング組成物から形成された乾燥及び/又は硬化されたポリマーから形成される。コーティング組成物の乾燥及び/又は硬化の前、その間に及び/又はその後に、導電性炭素微粒子が、次いで、コア−シェル構造を有する、第1の多孔質基材の非導電性ポリマー粒子状繊維の表面に直接接着され得る。
いくつかの実施形態において、外部シェルのポリマー、例えば第2のポリマーは第1のポリマーの軟化温度よりも低い軟化温度、例えばガラス転移温度及び/又は融解温度を有する。いくつかの実施形態において、第2のポリマーは、約20℃〜約400℃、約20℃〜約350℃、約20℃〜約300℃、約20℃〜約250℃、約20℃〜約200℃、約20℃〜約150℃、約35℃〜約400℃、約35℃〜約350℃、約35℃〜約300℃、約35℃〜約250℃、約35℃〜約200℃、約35℃〜約150℃、約50℃〜約400℃、約50℃〜約350℃、約50℃〜約300℃、約50℃〜約250℃、約50℃〜約200℃、約50℃〜約150℃、約75℃〜約400℃、約75℃〜約350℃、約75℃〜約300℃、約75℃〜約250℃、約75℃〜約200℃、又は更には約75℃〜約150℃の軟化温度、例えばガラス転移温度及び/又は融解温度を有する。
多孔質電極のポリマー、例えば非導電性ポリマー微粒子は、イオン性ポリマー又は非イオン性ポリマーであってもよい。イオン性ポリマーは、繰り返し単位の一部が電気的に中性であり、繰り返し単位の一部がイオン性官能基、すなわち、イオン性繰り返し単位を有するポリマーを含む。いくつかの実施形態において、ポリマーはイオン性ポリマーであり、イオン性ポリマーは、約0.005〜約1のイオン性官能基を有する繰り返し単位のモル分率を有する。いくつかの実施形態において、ポリマーは非イオン性ポリマーであり、非イオン性ポリマーは、約0.005未満〜約0のイオン性官能基を有する繰り返し単位のモル分率を有する。いくつかの実施形態において、ポリマーは非イオン性ポリマーであり、非イオン性ポリマーは、イオン性官能基を有する繰り返し単位を有さない。いくつかの実施形態において、ポリマーは、イオン性ポリマーから本質的になる。いくつかの実施形態において、ポリマーは、非イオン性ポリマーから本質的になる。イオン性ポリマーとしては、イオン交換樹脂、アイオノマー樹脂及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。イオン交換樹脂が特に有用な場合がある。
本明細書で広義に定義されるように、イオン性樹脂は、繰り返し単位の一部が電気的に中性であり、繰り返し単位の一部がイオン性官能基を有する樹脂を含む。いくつかの実施形態において、イオン性樹脂は、約0.005〜1のイオン性官能基を有する繰り返し単位のモル分率を有する。いくつかの実施形態において、イオン性樹脂は、カチオン性樹脂、すなわち、そのイオン性官能基が、負に帯電され、カチオン、例えばプロトンの移動を容易にするものであり、任意に、カチオン性樹脂はプロトンカチオン性樹脂である。いくつかの実施形態において、イオン性樹脂は、アニオン性交換樹脂、すなわち、そのイオン性官能基が正に帯電され、アニオンの移動を容易にするものである。イオン性樹脂のイオン性官能基としては、カルボキシレート、スルホネート、スルホンアミド、四級アンモニウム、チウロニウム、グアニジニウム、イミダゾリウム、及びピリジニウム基を挙げることができるが、これらに限定されない。イオン性官能基の組合せが、イオン性樹脂で使用されてもよい。
アイオノマー樹脂は、繰り返し単位の一部が電気的に中性であり、繰り返し単位の一部がイオン性官能基を有する樹脂を含む。本明細書で定義される場合、アイオノマー樹脂は、約0.15以下のイオン性官能基を有する繰り返し単位のモル分率を有する樹脂であると見なされるであろう。いくつかの実施形態において、アイオノマー樹脂は、約0.005〜約0.15、約0.01〜約0.15、又は更には約0.03〜約0.15のイオン性官能基を有する繰り返し単位のモル分率を有する。いくつかの実施形態において、アイオノマー樹脂は、陽極液及び陰極液のうちの少なくとも1つで不溶性である。アイオノマー樹脂のイオン性官能基としては、カルボキシレート、スルホネート、スルホンアミド、四級アンモニウム、チウロニウム、グアニジニウム、イミダゾリウム、及びピリジニウム基を挙げることができるが、これらに限定されない。イオン性官能基の組合せが、アイオノマー樹脂で使用されてもよい。アイオノマー樹脂の混合物が使用されてもよい。アイオノマー樹脂は、カチオン性樹脂又はアニオン性樹脂であってもよい。有用なアイオノマー樹脂としては、DuPont(Wilmington,Delaware)から入手可能なNAFION、SOLVAY(Brussels,Belgium)から入手可能なAQUIVION、ぺルフルオロスルホン酸、旭硝子(東京、日本)からのFLEMION及びSELEMION、フルオロポリマーイオン交換樹脂、FUMASEPイオン交換樹脂、例えばFumatek(Bietigheim−Bissingen,Germany)から入手可能なFKS、FKB、FKL、FKEカチオン交換樹脂、並びにFAB、FAA、FAP及びFADアニオン性交換樹脂、ポリベンズイミダゾール、並びにその全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,348,088号に記載されているイオン交換材料及び膜が挙げられるが、これらに限定されない。
イオン交換樹脂は、繰り返し単位の一部が電気的に中性であり、繰り返し単位の一部がイオン性官能基を有する樹脂を含む。本明細書で定義される場合、イオン交換樹脂は、約0.15を超えかつ約1.00未満のイオン性官能基を有する繰り返し単位のモル分率を有する樹脂であると見なされるであろう。いくつかの実施形態において、イオン交換樹脂は、約0.15を超えかつ約0.90未満、約0.15を超えかつ約0.80未満、約0.15を超えかつ約0.70未満、約0.30を超えかつ約0.90未満、約0.30を超えかつ約0.80未満、約0.30を超えかつ約0.70未満、約0.45を超えかつ約0.90未満、約0.45を超えかつ約0.80未満、及び更には約0.45を超えかつ約0.70未満のイオン性官能基を有する繰り返し単位のモル分率を有する。イオン交換樹脂は、カチオン性交換樹脂であってもよく、又はアニオン性交換樹脂であってもよい。イオン交換樹脂は、任意に、プロトンイオン交換樹脂であってもよい。イオン交換樹脂の型は、イオン透過性膜を通って陽極液と陰極液との間を輸送されるために必要なイオンの型に基づいて選択されてもよい。いくつかの実施形態において、イオン交換樹脂は、陽極液及び陰極液のうちの少なくとも1つで不溶性である。イオン交換樹脂のイオン性官能基としては、カルボキシレート、スルホネート、スルホンアミド、四級アンモニウム、チウロニウム、グアニジニウム、イミダゾリウム、及びピリジニウム基を挙げることができるが、これらに限定されない。イオン性官能基の組合せが、イオン交換樹脂で使用されてもよい。イオン交換樹脂の混合物が使用されてもよい。有用なイオン交換樹脂としては、フッ素化イオン交換樹脂、例えば、ペルフルオロスルホン酸コポリマー及びペルフルオロスルホンイミドコポリマー、スルホン化ポリスルホン、四級アンモニオウム基を含有するポリマー又はコポリマー、グアニジニウム又はチウロニウム基のうちの少なくとも1つを含有するポリマー又はコポリマー、イミダゾリウム基を含有するポリマー又はコポリマー、ピリジニウム基を含有するポリマー又はコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。ポリマーは、アイオノマー樹脂とイオン交換樹脂との混合物であってもよい。
いくつかの実施形態において、多孔質電極に含まれるポリマー微粒子、例えば非導電性粒子状繊維の量は、重量基準で、約1〜約95パーセント、約5〜約95パーセント、約10〜約95パーセント、約20〜約95パーセント、約30〜約95パーセント、約1〜約90パーセント、約5〜約90パーセント、約10〜約90パーセント、約20〜約90パーセント、約30〜約90パーセント、約1〜約75パーセント、約5〜約75パーセント、約10〜約75パーセント、約20〜約75パーセント、約30〜約75パーセント、約1〜約70パーセント、約5〜約70パーセント、約10〜約70パーセント、約20〜約70パーセント、約30〜約70パーセント、約1〜約60パーセント、約5〜約60パーセント、約10〜約60パーセント、約20〜約60パーセント、約30〜約60パーセント、約1〜約50パーセント、約5〜約50パーセント、約10〜約50パーセント、約20〜約50パーセント、約30〜約50パーセント、約1〜約40パーセント、約5〜約40パーセント、約10〜約40パーセント、約20〜約40パーセント、又は更には約30〜約40パーセントであってもよい。
いくつかの実施形態において、本開示の多孔質電極は非導電性無機微粒子を含有してもよい。非導電性無機微粒子としては、当該技術分野において既知の鉱物及び粘土が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、非導電性無機微粒子は金属酸化物であってもよい。いくつかの実施形態において、非導電性無機微粒子は、シリカ、アルミナ、チタニア、及びジルコニアのうちの少なくとも1つを含む。
前に説明したように、ポリマー微粒子は線維の形態であってもよく、繊維は、織られた又は織られていない紙、フェルト、マット及び布のうちの少なくとも1つの形態であってもよい。繊維の複数の型が、織られた又は織られていない紙、フェルト、マット又は布のうちの少なくとも1つを形成するために使用されてもよい。いくつかの実施形態において、導電性微粒子は、織られた又は織られていない紙、フェルト、マット及び布のうちの少なくとも1つの孔内に埋め込まれ、多孔質電極を形成する織られた又は織られていない紙、フェルト、マット又は布のうちの少なくとも1つを含む繊維の表面に、圧力と組み合わせてもよい撹拌を介して、埋め込まれてもよい。導電性微粒子は、繊維、例えば非導電性ポリマー粒子状繊維の表面上に、例えば剪断力を介して、導電性炭素板状晶、例えば黒鉛板状晶の薄層を形成する薄片になってもよく、又は繊維、例えば非導電性ポリマー粒子状繊維の表面内に埋め込まれてもよい。次いで、多孔質電極は、ポリマー繊維(複数可)の軟化温度、例えばポリマー繊維のガラス転移温度及び/又は融解温度の近辺で、この温度で又はこの温度よりも高い温度で熱処理され得る。熱処理は、導電性炭素微粒子を織られた又は織られていない紙、フェルト、マット又は布のうちの少なくとも1つのポリマー繊維の表面に接着させることで補助することができる。熱処理は、圧力下で、例えば、熱プレスで又は加熱ローラーの間で行われてもよい。プレス及び/又は加熱ローラーは、特定の所望のギャップをもたらすように設定することができ、ギャップは、ポリマーが熱処理中に更に一緒に融合することができるために、所望の電極厚を得ることを容易にする。多孔質電極は、シートの形態であってもよい。
一実施形態において、本開示は多孔質電極を作製する方法を提供し、方法は、第1の多孔質基材の形態の非導電性ポリマー粒子状繊維を容器に提供することであって、第1の多孔質基材が、織られた又は織られていない紙、フェルト、マット及び布のうちの少なくとも1つである、非導電性ポリマー粒子状繊維を提供することと、導電性炭素微粒子を容器に提供することと、粉砕媒体を容器に提供することと、容器を撹拌して、導電性炭素微粒子を第1の多孔質基材の孔内に促し、導電性炭素微粒子の少なくとも一部を第1の多孔質基材の非導電性ポリマー粒子状繊維の表面に直接接着させて、多孔質電極を形成することとを含む。多孔質電極を作製する方法は、非導電性ポリマー粒子状繊維の少なくとも一部を一緒に融合させるように加熱する任意のステップを含んでもよい。多孔質電極を作製する方法は、導電性炭素微粒子の少なくとも一部を、第1の多孔質基材の非導電性ポリマー粒子状繊維の表面に直接接着させるように加熱する任意のステップを含んでもよい。多孔質電極を作製する方法は、第1の多孔質基材又は第1の多孔質電極に圧力を与える任意のステップを含んでもよい。いくつかの実施形態において、非導電性ポリマー粒子状繊維の少なくとも一部を一緒に融合させるように加熱するステップと、導電性炭素微粒子の少なくとも一部を、第1の多孔質基材の非導電性ポリマー粒子状繊維の表面に直接接着させるように加熱するステップとは、逐次的に又は同時に行われてもよい。いくつかの実施形態において、第1の多孔質基材又は第1の多孔質電極に圧力を与えるステップは、非導電性ポリマー粒子状繊維の少なくとも一部を一緒に融合させるように加熱するステップと、導電性炭素微粒子の少なくとも一部を、第1の多孔質基材の非導電性ポリマー粒子状繊維の表面に直接接着させるように加熱するステップとのいずれか一方又は双方と逐次的に又は同時に行われてもよい。
本開示の多孔質電極を作製するのに使用される粉砕媒体は、金属及びセラミックス形状構造物が含まれるがこれらに限定されない当該技術分野において既知であるものであってよく、形状は、ビーズ、ボール、立方体、棒、直角プリズム等を含んでもよい。本開示の多孔質電極を作製するのに使用される加熱としては、従来のオーブン加熱、例えば空気流動式オーブン、赤外線(infrared、IR)加熱、紫外線(ultraviolet、UV)加熱及びマイクロ波加熱を挙げることができるが、これらに限定されない。その撹拌と共に粉砕媒体を使用することは、作製プロセス中に摩擦熱を創出するのに十分な力学的エネルギーも提供し、これによって、更なる加熱ステップの必要性を排除することができる。
一実施形態において、少なくとも1つのコア−シェル型繊維から構成される織られていないマット片が、容器内に配置される。導電性炭素微粒子、例えば黒鉛粒子を、織られていないマットの上部に広げることができる。粉砕媒体、例えばセラミックビーズ及び/又はスチールビーズを、導電性炭素微粒子上に置いてもよい。容器を密封し、約4分の1時間〜約48時間の時間にわたって振蕩することで、多孔質電極を形成することができる。電極は、第2のポリマー、すなわち、コア−シェルポリマーのシェルの軟化温度近辺で、軟化温度で、又はそれよりも高い温度で、約4分の1時間〜約48時間の時間にわたって熱処理を受けることができる。熱処理は、導電性炭素微粒子をポリマー繊維の表面に接着させることで補助することができる。電極は、第2の熱処理を同様な温度及び同様な時間で受けてもよく、第2の熱処理は、電極の厚さを調整するために圧力下で行われる。
本開示の多孔質電極は、遊離した炭素微粒子を除去するために、従来の技術を用いて洗浄されてもよい。洗浄技術は、遊離炭素微粒子の除去の助けとなるように、適切な溶媒、例えば水、及び/又は界面活性剤を含んでもよい。本開示の電極は、電極シートがまかれてロール物品を形成する、連続ロールツーロール工程によって作製されてもよい。
いくつかの実施形態において、多孔質電極は親水性であってもよい。これは、多孔質電極が水性陽極液及び/又は陰極液溶液と共に使用されるべきときに、特に有益であり得る。液体、例えば水、陰極液及び/又は陽極液の液体フロー電池の孔内への取り込みは、液体フロー電池の最適な動作のために重要な特性と見なすことができる。いくつかの実施形態において、電極の孔の100パーセントが液体によって満たされ、液体と電極表面との間の最大の界面を作り出す。他の実施形態において、電極の孔の約30パーセント〜約100パーセント、約50パーセント〜約100パーセント、約70パーセント〜約100パーセント、又は更には約80パーセント〜100パーセントが液体で満たされてもよい。いくつかの実施形態において、多孔質電極は、90度未満の水、陰極液及び/又は陽極液との表面接触角を有することができる。いくつかの実施形態において、多孔質電極は、約85度〜約0度、約70度〜約0度、約50度〜約0度、約30度〜約0度、約20度〜約0度、又は更には約10度〜約0度で、水、陰極液及び/又は陽極液と表面接触することができる。
いくつかの実施形態において、多孔質電極は、多孔質電極の所定の陽極液若しくは陰極液に対する湿潤性を改善するために、又は、所定の陽極液若しくは陰極液の化学組成に関連付けられる酸化−還元反応に対する電極の電気化学活性を提供若しくは改善するために、表面処理されてもよい。表面処理としては、化学処理、熱処理、及びプラズマ処理のうちの少なくとも1つが挙げられるが、これらに限定されない。
多孔質電極の厚さは、約10マイクロメートル〜約10000マイクロメートル、約10マイクロメートル〜約5000マイクロメートル、約10マイクロメートル〜約5000マイクロメートル、約10マイクロメートル〜約1000マイクロメートル、約10マイクロメートル〜約750マイクロメートル、約10マイクロメートル〜約500マイクロメートル、約10マイクロメートル〜約250マイクロメートル、約10マイクロメートル〜約100マイクロメートル、約25マイクロメートル〜約10000マイクロメートル、約25マイクロメートル〜約5000マイクロメートル、約25マイクロメートル〜約1000マイクロメートル、約25マイクロメートル〜約750マイクロメートル、約25マイクロメートル〜約500マイクロメートル、約25マイクロメートル〜約250マイクロメートル、約25マイクロメートル〜約100マイクロメートル、約40マイクロメートル〜約10000マイクロメートル、約40マイクロメートル〜約5000マイクロメートル、約40マイクロメートル〜約1000マイクロメートル、約40マイクロメートル〜約750マイクロメートル、約40マイクロメートル〜約500マイクロメートル、約40マイクロメートル〜約250マイクロメートル、又は更には約40マイクロメートル〜約100マイクロメートルであってもよい。多孔質電極の多孔率は、容積基準で、約5パーセント〜約95パーセント、約5パーセント〜約90パーセント、約5パーセント〜約80パーセント、約5パーセント〜約70パーセント、約10パーセント〜約95パーセント、約10パーセント〜90パーセント、約10パーセント〜約80パーセント、約10パーセント〜約70パーセント、約10パーセント〜約70パーセント、約20パーセント〜約95パーセント、約20パーセント〜約90パーセント、約20パーセント〜約80パーセント、約20パーセント〜約70パーセント、約20パーセント〜約70パーセント、約30パーセント〜約95パーセント、約30パーセント〜約90パーセント、約30パーセント〜約80パーセント、又は更には約30パーセント〜約70パーセントであってもよい。多孔質電極の多孔率は、多孔質電極を通して一定であってもよく、又は、例えば所定の方向で勾配を有してもよく、例えば、多孔率は、多孔質電極の厚さ全体で変化してもよい。多孔質電極の密度は、約0.1g/cm〜約1g/cm、約0.1g/cm〜約0.9g/cm、約0.1g/cm〜約0.8g/cm、約0.1g/cm〜約0.7g/cm、約0.2g/cm〜約1g/cm、約0.2g/cm〜約0.9g/cm、約0.2g/cm〜約0.8g/cm、約0.2g/cm〜約0.7g/cm、約0.3g/cm〜約1g/cm、約0.3g/cm〜約0.9g/cm、約0.3g/cm〜約0.8g/cm、又は更には約0.3g/cm〜約0.7g/cmであってもよい。より低い密度が多孔質電極には望ましい場合があり、なぜなら、これが、多孔質電極のコスト及び/又は重量を低下させる導電性炭素微粒子の効率活用を示すからである。
多孔質電極は、単一層又は多層であってもよい。多孔質電極が多層を含むとき、使用され得る層の数に関しては特定の制限はない。しかしながら、一般に電極及び膜電極接合体の厚さはできる限り薄く維持することが望ましいために、電極は、約2〜約20個の層、約2〜約10個の層、約2〜約8個の層、約2〜約5個の層、約3〜約20個の層、約3〜約10個の層、約3〜約8個の層、又は更には約3〜約5を含んでもよい。いくつかの実施形態において、電極が多層を含むとき、各層の電極材料は同じ電極材料であってもよく、すなわち、各層の電極材料の組成は同じである。いくつかの実施形態において、電極が多層を含む場合、少なくとも1つの層から層の全てを含む電極材料は異なってもよく、すなわち、少なくとも1つの層から全ての層を含む電極材料の組成は、別の層の電極材料の組成とは異なる。
本開示の多孔質電極は、約0.1μOhm・m〜約100000μOhm・m、約1μOhm・m〜約100000μOhm・m、10μOhm・m〜約100000μOhm・m、約0.1μOhm・m〜約50000μOhm・m、約1μOhm・m〜約50000μOhm・m、10μOhm・m〜約50000μOhm・m、約0.1μOhm・m〜約30000μOhm・m、約1μOhm・m〜約30000μOhm・m、10μOhm・m〜約30000μOhm・m、約0.1μOhm・m〜約20000μOhm・m、約1μOhm・m〜約20000μOhm・m、10μOhm・m〜約20000μOhm・m、約0.1μOhm・m〜約15000μOhm・m、約1μOhm・m〜約15000μOhm・m、10μOhm・m〜約15000μOhm・m、約0.1μOhm・m〜約10000μOhm・m、約1μOhm・m〜約10000μOhm・m、10μOhm・m〜約10000μOhm・m、約0.1μOhm・m〜約1000μOhm・m、約1μOhm・m〜約1000μOhm・m、10μOhm・m〜約1000μOhm・m、約0.1μOhm・m〜約100μOhm・m、約1μOhm・m〜約100μOhm・m、又は更には約10μOhm・m〜約100μOhm・mの電気抵抗率を有してもよい。いくつかの実施形態において、本開示の多孔質電極は、約100000μOhm・m未満、10000μOhm・m、約1000μOhm・m未満、又は更には約100μOhm・m未満の電気抵抗率を有してもよい。
本開示の多孔質電極は、例えば、液体フロー電池で使用するための膜電極接合体を形成するために使用することができる。膜電極接合体は、第1の表面と対向する第2の表面とを有するイオン交換膜、及び本開示の実施形態のうちのいずれか1つによる多孔質電極を含み、多孔質電極の主面は、イオン交換膜の第1の表面に隣接する。いくつかの実施形態において、多孔質電極の主面は、イオン交換膜の第1の表面に近接する。いくつかの実施形態において、多孔質電極の主面は、イオン交換膜の第1の表面と接触している。膜電極接合体は、本開示の多孔質電極のうちのいずれか1つによる、第1の主面と第2の主面とを有する第2の多孔質電極を更に含んでもよく、第2の多孔質電極の主面は、イオン交換膜の対向する第2の表面に隣接し、近接し、又は接触している。本開示の膜電極接合体のいくつかの特定の実施形態であるが、非限定的な実施形態を、図2A〜2Dに示す。
図2Aは、第1の主面40aと、対向する第2の主面40bとを有する第1の多孔質電極40、及び第1の主面20aと、対向する第2の主面20bとを有する第1のイオン交換膜20を含む膜電極接合体100の概略側断面図を示す。いくつかの実施形態において、第1の多孔質電極40の第1の主面40aは、イオン交換膜20の第1の表面20aに近接する。いくつかの実施形態において、第1の多孔質電極40の第1の主面40aは、イオン交換膜20の第1の主面20aと接触している。いくつかの実施形態において、第1の多孔質電極40の第1の主面40aは、イオン交換膜20の第1の主面20aに隣接する。電極集合体100は、1つ以上の任意の剥離ライナー30、32を更に含んでもよい。任意の剥離ライナー30及び32は、イオン交換膜及び電極の外側表面をほこり及びゴミから保護するために、セル又は電池でそれが使用されるまで、膜電極接合体に留まることができる。剥離ライナーはまた、膜電極接合体の作製前に、機械的支持を提供し、イオン交換膜及び電極の引き裂き並びに/又はそれらの表面の傷付きを防止することも可能である。当該技術分野において既知の従来の剥離ライナーを、任意の剥離ライナー30及び32に使用することができる。
図2Bは膜電極接合体101の別の実施形態を示し、前に記載した図2Aの膜電極接合体と同様であり、第1の主面42aと、対向する第2の主面42bとを有する第2の多孔質電極42を更に含む。いくつかの実施形態において、第2の多孔質電極42の第1の主面42aは、イオン交換膜20の第2の主面20bに近接する。いくつかの実施形態において、第2の多孔質電極42の第1の主面42aは、イオン交換膜20の第2の主面20bと接触している。いくつかの実施形態において、第2の多孔質電極42の第1の主面42aは、イオン交換膜20の第2の主面20bに隣接する。
本開示の膜電極接合体は、イオン交換膜(図2A及び2Bの要素20)を含む。当該技術分野において既知のイオン交換膜を使用してもよい。イオン交換膜は、多くの場合セパレータと称され、イオン交換樹脂、例えば本明細書で前に説明されたものから作製され得る。いくつかの実施形態において、イオン交換膜はフッ素化イオン交換樹脂を含んでもよい。本開示の実施形態において有用なイオン交換膜は、当該技術分野において既知のイオン交換樹脂から作製されてもよく、又は膜フィルムとして市販されている場合があり、これらとしては、DuPont(Wilmington,Delaware)から入手可能なNAFION PFSA MEMBRANE、SOLVAY(Brussels,Belgium)から入手可能なAQUIVION PFSA、ペルフルオロスルホン酸、旭硝子(東京、日本)から入手可能なFLEMION及びSELEMION、フルオロポリマーイオン交換膜、Fumatek(Bietigheim−Bissingen,Germany)から入手可能な、FKS、FKB、FKL、FKEカチオン交換膜並びにFAB、FAA、FAP及びFADアニオン交換膜が含まれるFUMASEPイオン交換膜FUMASEP、並びにその全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,348,088号に記載されているイオン交換膜及び材料が挙げられるが、これらに限定されない。イオン交換膜を作製するのに有用なイオン交換樹脂は、本明細書でここまでに開示されたイオン交換樹脂であってもよい。
本開示のイオン交換膜は、商用部品製造業者から自立フィルムとして得られてもよく、又は適切な溶媒中の適切なイオン交換膜樹脂の溶液をコーティングし、次いで加熱し、溶媒を除去することによって作製されてもよい。イオン交換膜は、剥離ライナー上に溶液をコーティングし、次いでイオン交換膜コーティング溶液のコーティングを乾燥させて、溶媒を除去することによって、イオン交換膜コーティング溶液から形成されてもよい。得られたイオン交換膜の第1の主面は、次いで、圧力及び熱のうちの少なくとも1つを含み得る従来の積層技術を用いて多孔質電極の第1の主面に積層され、図2Aに示す膜電極接合体を形成することができる。第2の多孔質電極の第1の主面42aが、次いで、イオン交換膜20の第2の主面20bに積層され、図2Bに示す膜電極接合体101を形成することができる。任意の剥離ライナー30、32は、電極の外側表面をほこり及びゴミから保護するために、膜電極接合体を作製するために使用されるまで接合体に留まることができる。剥離ライナーはまた、膜電極接合体の作製前に、機械的支持を提供し、電極の引き裂き及び/又はその表面の傷付きを防止することも可能である。イオン交換膜コーティング溶液は、電極の表面上に直接コーティングされてもよい。イオン交換膜コーティング溶液のコーティングは、次いで乾燥され、イオン交換膜及び図2Aの対応する膜電極接合体を形成する。第2の電極が、形成されたイオン交換膜の露出面上に積層されるか又はコーティングされる場合、2つの電極を備えた膜電極接合体が形成され得る。図2Bを参照されたい。別の実施形態において、イオン交換膜コーティング溶液は、2つの電極間にコーティングされ、次いで乾燥されて膜電極接合体を形成してもよい。
コーティングの任意の好適な方法を、イオン交換膜コーティング溶液を剥離ライナー又は電極のいずれかにコーティングするために使用してもよい。典型的な方法としては、手動方法及び機械方法の両方が含まれ、例えばハンドブラッシング、ノッチバーコーティング、流体ベアリングダイコーティング、巻線ロッドコーティング、流体ベアリングコーティング、スロット供給ナイフコーティング、及び3ロールコーティングが含まれる。最も典型的には、3ロールコーティングが使用される。好都合なことに、コーティングは、電極のコーティング側からコーティングされていない側までのイオン交換膜コーティングの表面滲みなく行うことができる。コーティングは、1回の作業又は複数回の作業で行うことができる。複数回の作業でのコーティングは、イオン交換膜の亀裂を対応して増加させることなくコーティング重量を増加させるのに有用であり得る。
イオン交換膜コーティング溶液中の溶媒の量は、重量基準で、約5〜約95パーセント、約10〜約95パーセント、約20〜約95パーセント、約30〜約95パーセント、約40〜約95パーセント、約50〜約95パーセント、約60〜約95パーセント、約5〜約90パーセント、約10〜約90パーセント、約20〜約90パーセント、約30〜約90パーセント、約40〜約90パーセント、約50〜約90パーセント、約60〜約90パーセント、約5〜約80パーセント、約10〜約80パーセント、約20〜約80パーセント、約30〜約80パーセント、約40〜約80パーセント、約50〜約80パーセント、約60〜約80パーセント、約5〜約70パーセント、約10〜約70パーセント、約20〜約70パーセント、約30〜約70パーセント、約40〜約70パーセント、又は更には約50〜約70パーセントであってもよい。
イオン交換膜コーティング溶液中のイオン交換樹脂の量は、重量基準で、約5〜約95パーセント、約5〜約90パーセント、約5〜約80パーセント、約5〜約70パーセント、約5〜約60パーセント、約5〜約50パーセント、約5〜約40パーセント、約10〜約95パーセント、約10〜約90パーセント、約10〜約80パーセント、約10〜約70パーセント、約10〜約60パーセント、約10〜約50パーセント、約10〜約40パーセント、約20〜約95パーセント、約20〜約90パーセント、約20〜約80パーセント、約20〜約70パーセント、約20〜約60パーセント、約20〜約50パーセント、約20〜約40パーセント、約30〜約95パーセント、約30〜約90パーセント、約30〜約80パーセント、約30〜約70パーセント、約30〜約60パーセント、又は更には約30〜約50パーセントであってもよい。
本開示の多孔質電極、膜、例えばイオン交換膜、膜電極接合体並びに電気化学セル及び液体フロー電池は、1つ以上の微多孔質保護層を含んでもよい。微多孔質保護層は、電極の材料による膜の破壊を防止する目的で、電極及び膜のうちの少なくとも1つの上にコーティング若しくは積層され得るか、又は膜と電極との間に配置され得る層である。導電性電極による膜の破壊を防止することによって、セル又は電池の対応する局在化短絡が防止され得る。微多孔質保護層は、「Membrane Assemblies,Electrode Assemblies,Membrane−Electrode Assemblies and Electrochemical Cells and Liquid Flow Batteries Therefrom」と題された米国仮特許出願第62/137,504号に開示されており、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示の膜電極接合体は、多孔質電極とイオン交換膜との間に配置された微多孔質保護層を更に含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1の多孔質電極と第2の多孔質電極とを含む膜電極接合体では、膜電極接合体は、イオン交換膜と第1の多孔質電極との間に配置された第1の微多孔質保護層と、イオン交換膜と第2の多孔質電極との間に配置された第2の微多孔質保護層とを更に含んでもよい。微多孔質保護層は、ポリマー樹脂と、導電性炭素微粒子と、任意に、非導電性微粒子とを含んでもよい。微多孔質保護層の組成は、多孔質電極の組成とは異なる。いくつかの実施形態において、第1の微多孔質保護層及び第2の微多孔質保護層のポリマー樹脂は、存在するならば、イオン性樹脂を含む。本開示の膜電極接合体のいくつかの特定の実施形態であるが非限定的な実施形態を、図2C及び2Dに示す。
図2Cは、膜電極接合体102の概略側断面図を示し、この膜電極接合体は前に記載された図2Aの膜電極接合体と同様であり、イオン交換膜20と第1の多孔質電極40との間に配置された、第1の主面70aと第2の主面70bとを有する第1の微多孔質保護層70を更に含む。第1の微多孔質保護層70の第1の主面70aは、第1の多孔質電極40の第1の主面40aに隣接し、近接し、又は接触してもよい。第1の微多孔質保護層70の第2の主面70bは、イオン交換膜20の第1の主面20aに隣接し、近接し、又は接触してもよい。第1の微多孔質保護層は、ポリマー樹脂と、導電性炭素微粒子と、任意に、非導電性微粒子とを含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1の微多孔質保護層のポリマー樹脂は、イオン性樹脂である。
図2Dは、膜電極接合体103の概略側断面図を示し、この膜電極接合体は前に記載された図2Cの膜電極接合体と同様であり、イオン交換膜20と第2の多孔質電極42との間に配置された、第1の主面70a’と第2の主面70b’とを有する第2の微多孔質保護層70’を更に含む。第2の微多孔質保護層70’の第1の主面70a’は、第2の多孔質電極42の第1の主面42aに隣接し、近接し、又は接触してもよい。第2の微多孔質保護層70’の第2の主面70b’は、イオン交換膜20の第2の主面20bに隣接し、近接し、又は接触してもよい。第2の微多孔質保護層は、ポリマー樹脂と、導電性炭素微粒子と、任意に、非導電性微粒子とを含んでもよい。いくつかの実施形態において、第2の微多孔質保護層のポリマー樹脂は、イオン性樹脂である。いくつかの実施形態において、第1の微多孔質保護層の組成は、第2の微多孔質保護層の組成と同じである。いくつかの実施形態において、第1の微多孔質保護層の組成は、第2の微多孔質保護層の組成とは異なる。
本開示の多孔質電極は、液体フロー電池用の電極集合体を形成するために使用することができる。電極集合体は、本開示の多孔質電極のうちのいずれか1つによる第1の多孔質電極と、第1の微多孔質保護層とを含む。第1の多孔質電極は、第1の主面と、対向する第2の主面とを含み、第1の微多孔質保護層は、第1の表面と、対向する第2の表面とを含む。第1の多孔質電極の主面は、第1の微多孔質保護層の第2の表面に隣接し、近接し又は接触している。いくつかの実施形態において、第1の多孔質電極の第1の主面は、第1の微多孔質保護層の第2の表面に隣接し、近接し又は接触している。いくつかの実施形態において、第1の多孔質電極の第2の主面は、第1の微多孔質保護層の第2の表面に隣接し、近接し又は接触している。いくつかの実施形態において、第1の微多孔質保護層は、ポリマー樹脂と、導電性炭素微粒子と、任意に、非導電性微粒子とを含む。微多孔質保護層の組成は、多孔質電極の組成とは異なる。いくつかの実施形態において、第1の微多孔質保護のポリマー樹脂は、イオン性樹脂である。イオン性樹脂は、本明細書で前に記載された通りであり得る。本開示の電極集合体の特定の実施形態であるが非限定的な実施形態を、図3に示す。
図3の本開示の一実施形態による例示的な電極集合体の概略側断面図を参照すると、電極集合体140は、前に記載したように、第1の主面40aと第2の主面40bとを有する第1の多孔質電極40、及び第1の主面70aと対向する第2の主面70bとを有する第1の微多孔質保護層70を含む。いくつかの実施形態において、第1の多孔質電極40の第1の主面40aは、第1の微多孔質保護層70の第1の主面70aに隣接する。いくつかの実施形態において、第1の多孔質電極40の第1の主面40aは、第1の微多孔質保護層70の第1の主面70aに近接する。いくつかの実施形態において、第1の多孔質電極40の第1の主面40aは、第1の微多孔質保護層70の第1の主面70aと接触している。いくつかの実施形態において、第1の微多孔質保護層70は、ポリマー樹脂と、導電性炭素微粒子と、任意に、非導電性微粒子とを含む。
微多孔質保護層の導電性炭素微粒子は、粒子、フレーク、繊維、デンドライト等のうちの少なくとも1つであり得る。これらの微粒子型は、導電性炭素微粒子及びポリマー微粒子の両方に関して前に定義されており、微多孔質保護層の導電性炭素微粒子に対して同じ定義が使用される。微多孔質保護層の導電性微粒子としては、金属、金属化誘電体、例えば、金属化ポリマー微粒子又は金属化ガラス微粒子、導電性ポリマー並びに炭素、例えば、ガラス様炭素、非晶質炭素、グラフェン、黒鉛、カーボンナノチューブ及びカーボンデンドライト、例えば分枝カーボンナノチューブ、例えばカーボンナノツリーが挙げられる。微多孔質保護層の導電性微粒子は、半導体材料、例えば、BN、AlN、及びSiCを含んでもよい。いくつかの実施形態において、微多孔質保護層は、金属微粒子を含まない。
いくつかの実施形態において、微多孔質保護層の伝導性微粒子は、微多孔質保護層の所定の陽極液若しくは陰極液に対する湿潤性を改善するために、又は所定の陽極液若しくは陰極液の化学組成に関連付けられる酸化−還元反応に対する微多孔質保護層の電気化学活性を提供若しくは改善するために、表面処理されてもよい。表面処理としては、化学処理、熱処理、及びプラズマ処理のうちの少なくとも1つが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、微多孔質保護層の導電性微粒子は、親水性である。
いくつかの実施形態において、微多孔質保護層のポリマー樹脂中に含まれる導電性微粒子の量は、重量基準で、約5〜約95パーセント、約5〜約90パーセント、約5〜約80パーセント、約5〜約70パーセント、約10〜約95パーセント、約10〜約90パーセント、約10〜約80パーセント、約10〜約70パーセント、25〜約95パーセント、約25〜約90パーセント、約25〜約80パーセント、約25〜約70パーセント、約30〜約95パーセント、約30〜約90パーセント、約30〜約80パーセント、約30〜約70パーセント、40〜約95パーセント、約40〜約90パーセント、約40〜約80パーセント、約40〜約70パーセント、50〜約95パーセント、約50〜約90パーセント、約10〜約80パーセント、又は更には約50〜約70パーセントであってもよい。
微多孔質保護層の非導電性微粒子としては、非導電性無機微粒子及び非導電性ポリマー微粒子が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、微多孔質保護層の非導電性微粒子は、非導電性無機微粒子を含む。非導電性無機微粒子としては、当技術分野において既知の鉱物及び粘土が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、非導電性無機微粒子は、シリカ、アルミナ、チタニア、及びジルコニアのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、非導電性微粒子はイオン導電性であってもよく、例えば、ポリマーアイオノマーであってもよい。いくつかの実施形態において、非導電性微粒子は、非導電性ポリマー微粒子を含む。いくつかの実施形態において、非導電性ポリマー微粒子は、非イオン性ポリマー、すなわち、イオン性官能基を有する繰り返し単位を含まないポリマーである。非導電性ポリマーとしては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン、スチレン並びにスチレン系ランダム及びブロックコポリマー、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン、ポリ塩化ビニル、及びフッ素化ポリマー、例えば、フッ化ポリビニリデン並びにポリテトラフルオロエチレンが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、非導電性微粒子は、非導電性ポリマー微粒子を実質的に含まない。実質的に含まないとは、非導電性微粒子が、重量で約0%〜約5%、約0%〜約3%、約0%〜約2%、約0%〜約1%、又は更には約0%〜約0.5%の非導電性ポリマー微粒子を含有することを意味する。
いくつかの実施形態において、微多孔質保護層のポリマー樹脂中に含まれる非導電性微粒子の量は、重量基準で、約1〜約99パーセント、約1〜約95パーセント、約1〜約90パーセント、約1〜約80パーセント、約1〜約70パーセント、約5〜約99パーセント、約5〜約95パーセント、約5〜約90パーセント、約5〜約80パーセント、約5〜約70パーセント、約10〜約99パーセント、約10〜約95パーセント、約10〜約90パーセント、約10〜約80パーセント、約10〜約70パーセント、約25〜約99パーセント、約25〜約95パーセント、約25〜約90パーセント、約25〜約80パーセント、約25〜約70パーセント、約30〜約99パーセント、約30〜約95パーセント、約30〜約90パーセント、約30〜約80パーセント、約30〜約70パーセント、約40〜約99パーセント、約40〜約95パーセント、約40〜約90パーセント、約40〜約80パーセント、約40〜約70パーセント、約50〜99パーセント、約50〜約95パーセント、約50〜約90パーセント、約10〜約80パーセント、又は更には約50〜約70パーセントであってもよい。
いくつかの実施形態において、微多孔質保護層のポリマー樹脂中に含まれる導電性微粒子及び非導電性微粒子の量、すなわち、微粒子の総量は、重量基準で、約1〜約99パーセント、約1〜約95パーセント、約1〜約90パーセント、約1〜約80パーセント、約1〜約70パーセント、約5〜約99パーセント、約5〜約95パーセント、約5〜約90パーセント、約5〜約80パーセント、約5〜約70パーセント、約10〜約99パーセント、約10〜約95パーセント、約10〜約90パーセント、約10〜約80パーセント、約10〜約70パーセント、約25〜約99パーセント、25〜約95パーセント、約25〜約90パーセント、約25〜約80パーセント、約25〜約70パーセント、約30〜約99パーセント、約30〜約95パーセント、約30〜約90パーセント、約30〜約80パーセント、約30〜約70パーセント、約40〜約99パーセント、約40〜約95パーセント、約40〜約90パーセント、約40〜約80パーセント、約40〜約70パーセント、約50〜約99パーセント、約50〜約95パーセント、約50〜約90パーセント、約50〜約80パーセント、又は更には約50〜約70パーセントであってもよい。
いくつかの実施形態において、微多孔質保護層のポリマー樹脂の重量の微多孔質保護層の微粒子の総重量(導電性微粒子及び非導電性微粒子の和)に対する比は、約1/99〜約10/1、約1/20〜約10/1、約1/10〜約10/1、約1/5〜約10/1、約1/4〜約10/1、約1/3〜約10/1、約1/2〜約10/1、約1/99〜約9/1、約1/20〜約9/1、約1/10〜約9/1、約1/5〜約9/1、約1/4〜約9/1、約1/3〜約9/1、約1/2〜約9/1、約1/99〜約8/1、約1/20〜約8/1、約1/10〜約8/1、約1/5〜約8/1、約1/4〜約8/1、約1/3〜約8/1、約1/2〜約8/1、約1/99〜約7/1、約1/20〜約7/1、約1/10〜約7/1、約1/5〜約7/1、約1/4〜約7/1、約1/3〜約7/1、約1/2〜約7/1、約1/99〜約6/1、約1/20〜約6/1、約1/10〜約6/1、約1/5〜約6/1、約1/4〜約6/1、約1/3〜約6/1、又は更には約1/2〜約6/1である。
微多孔質保護層、電極集合体及びぞれらの作製方法は、「Membrane Assemblies,Electrode Assemblies,Membrane−Electrode Assemblies and Electrochemical Cells and Liquid Flow Batteries Therefrom」と題された米国仮特許出願第62/137,504号に開示されており、これは以前に、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。電極集合体は、例えば、前に形成された多孔質電極の主面を前に形成された微多孔質保護層の表面に積層することによって(熱及び/又は圧力が積層プロセスを容易にするために使用されてもよい)、又は多孔質電極の少なくとも1つの主面を微多孔質保護層コーティングでコーティングし、次いでコーティングを硬化及び/若しくは乾燥させて、微多孔質保護層、その後電極集合体を形成することによって、作製することができる。
本開示の多孔質電極、膜電極接合体及び電極集合体は、改善されたセル短絡抵抗及びセル抵抗を提供することができる。セル短絡抵抗は、例えば、電極の導電性繊維による膜の破壊のために、電気化学セルが短絡せねばならない抵抗の尺度である。いくつかの実施形態において、本開示の電極又は膜電極接合体のうちの少なくとも1つを含む試験セルは、1000ohm−cmを超える、5000ohm−cmを超える、又は更には10000ohm−cmを超えるセル短絡抵抗を有し得る。いくつかの実施形態において、セル短絡抵抗は、10000000ohm−cm未満であってもよい。セル抵抗は、電気化学セルの膜電極接合体を通る、すなわち図4に示すようにセルを横方向横断する電気抵抗の尺度である。いくつかの実施形態において、本開示の電極及び膜電極接合体のうちの少なくとも1つを含む試験セルは、約0.01〜約10ohm−cm、0.01〜約5ohm−cm、約0.01〜約1ohm−cm、約0.04〜約0.5ohm−cm、又は更には約0.07〜約0.1ohm−cmのセル抵抗を有し得る。
本開示のいくつかの実施形態において、液体フロー電池は、レドックスフロー電池、例えば、バナジウムレドックスフロー電池(vanadium redox flow battery、VRFB)であってもよく、ここでは、V3+/V2+硫酸塩溶液が負電解液(「陽極液」)として機能し、V5+/V4+硫酸塩溶液が正電解液(「陰極液」)として機能する。しかしながら、他のレドックス化学が想定され、本開示の範囲内であり、例えば、V2+/V3+対Br/ClBr、Br/Br対S/S2−、Br/Br対Zn2+/Zn、Ce4+/Ce3+対V2+/V3+、Fe3+/Fe2+対Br/Br、Mn2+/Mn3+対Br/Br、Fe3+/Fe2+対Ti2+/Ti4+及びCr3+/Cr2+の酸性/塩基性化学が含まれるが、これらに限定されないことが理解されるべきである。液体フロー電池で有用な他の化学は、配位化学、例えば、米国特許出願第2014/028260号、同第2014/0099569号及び同第2014/0193687号に開示されるもの、並びに有機複合体、例えば、米国特許公開第2014/370403号及び特許協力条約の下で国際出願公開された国際公開第WO2014/052682号が含まれ、これらの全ては、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
膜電極接合体を作製する方法は、膜、例えばイオン交換膜の露出面を、本開示の多孔質電極実施形態のうちのいずれか1つによる多孔質電極の第1の主面に積層することを含む。これは、手によって、及び/又は従来の積層装置を用いて熱及び/若しくは圧力下で行うことができる。更に、膜電極接合体は、電気化学セル又は電池の作製中に形成されてもよい。セルの構成要素は、所望の順序で、例えば、第1の多孔質電極、膜、すなわち、イオン交換膜、及び第2の多孔質電極の順序で、互いの上部に層状にされてもよい。次いで、構成要素が、例えば、単一セルのエンドプレート又は複数のセルを有するスタックの双極プレートの間に、任意の他の必要とされるガスケット/密封材と共に組み立てられる。膜アセンブリをそれらの間に有するプレートが、次いで、通常は機械的手段、例えばボルト、クランプ等によって互いに連結され、このプレートは、膜アセンブリを互いにかつセル内の定位置に保持する手段を提供する。電極集合体もまた、多孔質電極及び微多孔質保護層が電気化学セル又は電池の隣接構成要素として含まれる状態で、上述したように、電気化学セル又は電池の作製中に形成されてもよい。
別の実施形態において、本開示は、本開示の多孔質電極のうちのいずれか1つによる少なくとも1つの多孔質電極を含む電気化学セルを提供する。更に別の実施形態において、本開示は、本開示の膜電極接合体のうちのいずれか1つによる膜電極接合体を含む電気化学セルを提供する。別の実施形態において、本開示は、本開示の電極集合体のうちのいずれか1つによる少なくとも1つの電極集合体を含む電気化学セルを提供する。図4は、電気化学セル200の概略側断面図を示し、この電気化学セルは、膜電極接合体100又は102、それぞれ流体入口ポート51a及び51a’と、それぞれ流体出口ポート51b及び51b’とを有するエンドプレート50及び50’、それぞれ流路55及び55’、並びにそれぞれ第1の表面50a及び52aを含む。電気化学セル200は、集電体60及び62も含む。膜電極接合体100又は102は、それぞれ図2A及び2Cに記載されている通りである(任意の剥離ライナー30及び32を含まず)。電気化学セル200は、全てが前に記載された通りの多孔質電極40及び42と、イオン交換膜20とを含む。エンドプレート50及び50’は、それぞれ表面50a及び52aを通して、それぞれ多孔質電極40及び42と電気導通する。多孔質電極40は、本開示の電極集合体のうちのいずれか1つによる電極集合体、例えば、本開示の電極集合体を含む電気化学セルを作り出す電極集合体140で置き換えられてもよい。第2の多孔質電極42は、本開示の多孔質電極のうちのいずれか1つであってもよく、又は本開示の電極集合体のうちのいずれか1つによる電極集合体、例えば、電極集合体140で置き換えられてもよい。電極集合体が使用される場合、電極集合体の微多孔質保護層は、イオン交換膜20に隣接し、近接し又は接触している。支持プレートは、図示されていないが、集電体60及び62の外部表面に隣接して置かれてもよい。支持プレートは集電体から電気絶縁され、セルアセンブリの圧縮を容易にするために機械的強度及び支持を提供する。エンドプレート50及び50’は、陽極液及び陰極液溶液が電気化学セルを通して循環されることを可能にする流体入口及び出口ポートと流路とを含む。陽極液がプレート50を通って流れ、陰極液がプレート50’を通って流れると仮定すると、流路55は、陽極液が多孔質電極40に接触しかつこれに流れることを可能にし、セルの酸化−還元反応を容易にする。同様に、陰極液については、流路55’は、陰極液が多孔質電極42に接触しかつこれに流れることを可能にし、セルの酸化−還元反応を容易にする。集電体は、外部回路に電気接続することができる。
本開示の電気化学セルは、本開示の多孔質電極実施形態のうちの少なくとも1つから作製された複数の膜電極接合体を含んでもよい。本開示の一実施形態において、電気化学セルは、本明細書に記載される膜電極接合体のうちのいずれか1つによる少なくとも2つの膜電極接合体を含むように提供される。図5は、電気化学セルスタック210の概略側断面図を示し、この電気化学セルは、例えば、双極プレート50’’によって分離された膜電極接合体101又は103(前に記載されたような)と、流路55及び55’を有するエンドプレート50及び50’とを含む。双極プレート50’’は、例えば、陽極液が1つの流路55のセットを通って流れ、陰極液が流路55’の第2のセットを通って流れることを可能にする。セルスタック210は複数の電気化学セルを含み、各セルは膜電極接合体並びに対応の隣接する双極プレート及び/又はエンドプレートによって代表される。支持プレートは、図示されていないが、集電体60及び62の外部表面に隣接して置かれてもよい。支持プレートは集電体から電気絶縁され、セルアセンブリの圧縮を容易にするために、機械的強度及び支持を提供する。陽極液及び陰極液入口及び出口ポートと、対応する流体分配システムは図示されていない。これらの特徴部は、当該技術分野において既知であるように提供され得る。
本開示の多孔質電極は、液体フロー電池、例えばレドックスフロー電池を作製するために使用することができる。一実施形態において、本開示は、本開示の多孔質電極実施形態のうちのいずれか1つによる少なくとも1つの多孔質電極を含む液体フロー電池を提供する。スタック内のセルの数に相関し得る液体フロー電池の多孔質電極の数は、特に制限されない。いくつかの実施形態において、液体フロー電池は、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、又は更には少なくとも20個の多孔質電極を含む。いくつかの実施形態において、液体フロー電池の多孔質電極の数は、1〜約500個、2〜約500個、5〜約500個、10〜約500個、又は更には20〜約500個の範囲である。別の実施形態において、本開示は、本開示の膜電極接合体実施形態のうちのいずれか1つによる少なくとも1つの膜電極接合体を含む液体フロー電池を提供する。スタック内のセルの数に相関し得る液体フロー電池の膜電極接合体の数は、特に制限されない。いくつかの実施形態において、液体フロー電池は、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、又は更には少なくとも20個の膜電極接合体を含む。いくつかの実施形態において、液体フロー電池の膜電極接合体の数は、1〜約500個、2〜約500個、5〜約500個、10〜約200個、又は更には20〜約500個の範囲である。更に別の実施形態において、本開示は、本開示の電極集合体実施形態のうちのいずれか1つによる少なくとも1つの電極集合体を含む液体フロー電池を提供する。スタック内のセルの数に相関し得る液体フロー電池の電極集合体の数は、特に制限されない。いくつかの実施形態において、液体フロー電池は、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、又は更には少なくとも20個の電極集合体を含む。いくつかの実施形態において、液体フロー電池の集合体の数は、1〜約500個、2〜約500個、5〜約500個、10〜約500個、又は更には20〜約500個の範囲である。
図6は、膜電極接合体100又は102を含む例示的な単一セルの液体フロー電池300の概略図を示し、この液体フロー電池は、イオン交換膜20と、多孔質電極40及び42と、エンドプレート50及び50’と、集電体60及び62と、陽極液収容器80及び陽極液流体分配80’と、陰極液収容器82及び陰極液流体分配システム82’とを含む。流体分配システムのためのポンプは図示されていない。第1の多孔質電極40は、本開示の多孔質電極のうちのいずれか1つであってもよく、又は本開示の電極集合体のうちのいずれか1つによる電極集合体、例えば、本開示の電極集合体を含む液体フロー電池を作り出す電極集合体140で置き換えられてもよい。第2の多孔質電極42は、本開示の多孔質電極のうちのいずれか1つであってもよく、又は本開示の電極集合体のうちのいずれか1つによる電極集合体、例えば、本開示の電極集合体を含む液体フロー電池を作り出す電極集合体140で置き換えられてもよい。電極集合体が使用される場合、電極集合体の微多孔質保護層は、イオン交換膜20に隣接し、近接し又は接触している。集電体60及び62は、電気負荷を含む外部回路(図示せず)に接続されてもよい。単一セルの液体フロー電池が図示されているが、液体フロー電池が、複数の電気化学セル、すなわち、セルスタックを含んでもよいことは、当該技術分野において既知である。更に、複数のセルスタックは、例えば直列で接続された複数のセルスタックは、液体フロー電池を形成するために使用されてもよい。本開示の多孔質電極、イオン交換膜、及びそれらの対応する膜電極接合体は、複数のセル、例えば図5の複数のセルスタックを有する液体フロー電池を作製するために使用することができる。流れ場が存在し得るが、これは必要条件ではない。
本開示の選択実施形態は、以下を含むがそれらに限定されない。
第1の実施形態において、本開示は、第1の主面及び第2の主面を有する、液体フロー電池用の多孔質電極であって、
第1の多孔質基材の形態の非導電性ポリマー粒子状繊維であって、第1の多孔質基材が、織られた又は織られていない紙、フェルト、マット及び布のうちの少なくとも1つである、非導電性ポリマー粒子状繊維と、
第1の多孔質基材の孔内に埋め込まれ、第1の多孔質基材の非導電性ポリマー粒子状繊維の表面に直接接着された導電性炭素微粒子と、を含み、約100000μOhm・m未満の電気抵抗率を有する、液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第2の実施形態において、本開示は、約10マイクロメートル〜約1000マイクロメートルの厚さを有する、第1の実施形態による液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第3の実施形態において、本開示は、多孔質電極の導電性炭素微粒子が、炭素粒子、炭素フレーク、炭素繊維、カーボンデンドライト、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つである、第1又は第2の実施形態による液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第4の実施形態において、本開示は、多孔質電極の導電性炭素微粒子が、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つである、第1又は第2の実施形態による液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第5の実施形態において、本開示は、多孔質電極の導電性炭素微粒子が、炭素粒子、炭素フレーク、及びカーボンデンドライトのうちの少なくとも1つである、第1又は第2の実施形態による液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第6の実施形態において、本開示は、多孔質電極の導電性炭素微粒子が、黒鉛粒子、黒鉛フレーク、黒鉛繊維、及び黒鉛デンドライトのうちの少なくとも1つである、第1又は第2の実施形態による液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第7の実施形態において、本開示は、第1の多孔質基材の非導電性ポリマー粒子状繊維の少なくとも一部が、コア−シェル構造を有し、コア−シェル構造が、第1のポリマーを含む内部コアと第2のポリマーを含む外部シェルとを含む、第1〜第6の実施形態による液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第8の実施形態において、本開示は、第2のポリマーが、第1のポリマーの軟化温度よりも低い軟化温度を有する、第7の実施形態による液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第9の実施形態において、本開示は、多孔質電極に含まれる導電性炭素微粒子の量が、約40〜約80重量パーセントである、第1〜第8の実施形態による液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第10の実施形態において、本開示は、第1の主面及び第2の主面を有する、液体フロー電池用の多孔質電極であって、
第1の多孔質基材の形態の非導電性ポリマー粒子状繊維であって、第1の多孔質基材が、織られた又は織られていない紙、フェルト、マット及び布のうちの少なくとも1つである、非導電性ポリマー粒子状繊維と、
第1の多孔質基材の孔内に埋め込まれ、第1の多孔質基材の非導電性ポリマー粒子状繊維の表面に直接接着された導電性炭素微粒子と、を含み、約10マイクロメートル〜約1000マイクロメートルの厚さを有する、液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第11の実施形態において、本開示は、多孔質電極の導電性炭素微粒子が、炭素粒子、炭素フレーク、炭素繊維、カーボンデンドライト、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つである、第10の実施形態による液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第12の実施形態において、本開示は、多孔質電極の導電性炭素微粒子が、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つである、第10の実施形態による液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第13の実施形態において、本開示は、多孔質電極の導電性炭素微粒子が、炭素粒子、炭素フレーク、及びカーボンデンドライトのうちの少なくとも1つである、第10の実施形態による液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第14の実施形態において、本開示は、多孔質電極の導電性炭素微粒子が、黒鉛粒子、黒鉛フレーク、黒鉛繊維、及び黒鉛デンドライトのうちの少なくとも1つである、第10の実施形態による液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第15の実施形態において、本開示は、第1の多孔質基材の非導電性ポリマー粒子状繊維の少なくとも一部が、コア−シェル構造を有し、コア−シェル構造が、第1のポリマーを含む内部コアと第2のポリマーを含む外部シェルとを含む、第10〜第14の実施形態のいずれか1つによる液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第16の実施形態において、本開示は、第2のポリマーが、第1のポリマーの軟化温度よりも低い軟化温度を有する、第15の実施形態による液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第17の実施形態において、本開示は、多孔質電極に含まれる導電性炭素微粒子の量が、約5〜約99重量パーセントである、第10〜第16の実施形態のうちのいずれか1つによる液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第18の実施形態において、本開示は、多孔質電極に含まれる導電性炭素微粒子の量が、約40〜約80重量パーセントである、第10〜第16の実施形態のうちのいずれか1つによる液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第19の実施形態において、本開示は、第1〜第18及び第21の実施形態のうちのいずれか1つによる少なくとも1つの多孔質電極を備える、液体フロー電池用の電気化学セルを提供する。
第20の実施形態において、本開示は、第1〜第18及び第21の実施形態のうちのいずれか1つによる少なくとも1つの多孔質電極を備える液体フロー電池を提供する。
第21の実施形態において、本開示は、導電性炭素微粒子が、化学処理、熱処理、及びプラズマ処理のうちの少なくとも1つによって生じる改善された電気化学活性を有する、第1〜第18の実施形態のうちのいずれか1つによる液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
電気抵抗率試験方法
電極サンプルを、導電率試験用に、7cm×7cmの正方形に切断した。サンプルを、それぞれが4つのサーペンタイン流路を有する、2枚の黒鉛プレートの間に配置した。流路は、約1.0mmの深さ、約0.78mmの幅、約1.58mmのピッチ(隣接する流路間の中心間の距離)を有し、サーペンタイン流路によって覆われた全領域は、約6.9cm×約6.9cmの寸法の正方形であった(図7を参照)。電極サンプルと共に、ガスケットをプレート間かつプレートの外周に沿って(電極の周囲に)配置した。ガスケットの厚さは、最初の多孔質電極の厚さ(表1)に基づいて、所望の圧縮を得るように選択した。電極サンプルを、両プレートのサーペンタイン流路の正方形領域と整列させ、かつこれと接触させた。プレートを、両プレートの表面がガスケットに接触するまで圧縮させて、表1に示すような電極の厚さでの圧縮をもたらした。TDKラムダ(東京、日本)からの商品名ZUP10−40で入手可能な電源を使用して、35Aの定電流をサンプルに対して供給し、2枚のプレート間の電圧を、KEITHLEY(Cleveland,Ohio)から197A AUTORANGING MICROVOLT DMMの商品名で入手可能なデジタルマルチメータを使用して測定した。サンプルにわたる電圧降下に基づいて、サンプルの抵抗率を算出し、報告した。
抵抗率=R(A/L)
式中、
Rは、例えば、オームで測定された材料の電気抵抗であり、
Aは、例えば、平方メートルで測定された電極の断面積であり、
Lは、例えば、メートルで測定された電極の長さである。
織られていないマットの形態の多孔質基材の作製
Stein Fibers,Ltd.(Albany New York)から商品名TAIRILIN L41 131−00451N2Aで入手可能な非導電性ポリマー粒子状繊維、4デニール、二成分、50mmの切断長の短繊維、6.5mmクリンプ/25.4mm線状、0.2%の仕上げをプレオープンし、その後繊維層を形成するための投入として用いた。これらの繊維はコア−シース型である。プレオープン繊維(100%のTAIRILIN L41)は、繊維がコンデンサ上に引き込まれる従来のウェブ成形機(Rando Machine Corporation(Macedon,New York)から商品名「RANDO WEBBER」で市販されている)に供給する前には配合されなかった。60グラム毎平方メートルの基本重量及び4mmの平均厚さを有する繊維層を形成するように条件を調整した。
60グラム毎平方メートルの繊維層は、支持体(例えば、スクリム)を必要とすることなくニードルパンチ機に移動させるのに十分なハンドリング強度を有した。従来のニードルパンチ装置(Dilo Group(Eberbach,Germany)から商品名「DILO」で市販されている)と共にバーブ付き針(Foster Needle Company,Inc.(Manitowoc,Wisconsin)から入手可能)を用いて、バーブ付き針を繊維層を通してパンチングし、引き抜くことによって繊維層を圧縮し、これによって、織られていないマットの形態の多孔質基材を、非導電性ポリマー粒子状繊維から形成した。
このニードルパンチ動作は、これが、二成分短繊維中の低融点繊維成分(シース)の熱活性化を必要としないために、繊維層の強度を増大させるために好ましいアプローチであった。したがって、低融点シース成分は、その後続のコーティング及び熱圧縮ステップ(以下に記載)中に、導電性炭素微粒子により良好な接着をもたらすのに利用可能であるだろう。しかしながら、オーブン、熱源、カレンダー又は当業者に既知の他のアプローチの使用により、線維層を加熱して低融点成分を活性化することもまた、強度を増大させるために使用することができた。
次いで、織られていないマットに、導電性炭素微粒子、この場合は、黒鉛微粒子が、以下の手順によって埋め込まれた。
実施例1a
7.5cm×10cmの織られていないマットのサンプルを切断し、アルミニウム(Al)パンの底部に、SCOTCH両面テープを用いて固定した。1.5グラムの合成黒鉛粉末は、Sigma−Aldrich Co(St.Louis,Missouri)から製品番号28,286−3で入手可能である。黒鉛粉末を400℃で40時間、空気中で熱処理し、冷却後に、織られていないマットの上部に注入した。次に、6.35mmの直径のクロム鋼ボール(Royal Steel Ball Products,Inc.(Sterling,Illinois)から)を、媒体が3層のボールを有するまで黒鉛及び織られていないマットの上部に注入した。次いで、パンの上部にフィルムを貼ることによって、パンを密閉した。次いで、パンを軌道振とう器台上に置き、およそ180rpmで24時間振とうし、黒鉛微粒子を織られていないマットの孔内に埋め込んだ。次いで、黒鉛微粒子を含む織られていないマットを、Alパンから取り出し、2枚のAlプレートの間に置き、プレートを織られていないと共にオーブン内に配置し、150℃で30分間加熱した。織られていないマットの上面のAlプレートは、3840グラムの質量を有した。この加熱/圧縮ステップ後に、織られていないマットをオーブンから取り出し、Alプレートの間に挟んだまま冷却させて、本開示の多孔質電極、実施例1aを形成した。実施例1aの密度は、約0.44g/cmであった。
実施例1b
7.5cm×10cmの織られていないマットのサンプルを切断し、プラスチックバッグに配置した。1.5グラムの合成黒鉛粉末(Sigma−Aldrich Co(St.Louis,Missouri)から製品番号28,286−3で入手可能)を、織られていないマットを含むバッグに注入し、バッグを閉じて封止した。バッグを手で振とうし、織られていないウェブが均一に見えるようになるまで、黒鉛微粒子を織られていないマットの孔内に埋め込んだ。黒鉛微粒子が埋め込まれた織られていないマットを、次いで、バッグから取り出し、2枚のAlプレートの間に置き、150℃で30分間加熱した。織られていないマットの上面のAlプレートは、3840グラムの質量を有した。この加熱/圧縮ステップ後に、サンプルを取り出し、Alプレートの間に挟んだまま冷却させて、本開示の多孔質電極、実施例1bを形成した。実施例1bの密度は、約0.44g/cmであった。
比較例2(CE−2)
CE−1は、米国特許公開第2013/0037481(A1)号の実施例1aに従って製造された活性炭ウェブであって、サンプルは、30×60 CTC60型の活性炭(クラレケミカル株式会社(大阪、日本)から市販されている)並びに1.3デニール及び6mmの長さを有するTREVIRA T255型の二成分繊維(Trevira GmbH,Bobingen,Germanyから市販されている)の間の9対1の重量比で、1000g/m2の平均基本重量を有する。CE−2の密度は、0.18g/cmであった。
比較例3(CE−3)
CE−3は、SGL Carbon GmbH(Wiesbaden、Germany)から商品名SIGRACET GDL 39AAで入手可能な黒鉛紙であった。SIGRACET GDL 39AAを、電気抵抗率試験の前に、425℃の炉内で24時間熱処理した。CE−3の密度は、0.19g/cmであった。
実施例1a及び1b並びに比較例CE−2及びCE−3を、上述した電気抵抗率試験方法を用いて電気抵抗率について試験した。この試験の結果を表1に示す。
Figure 2018513527
実施例4
多孔質電極を、織られていないマットの作製において、プロセス条件を、135グラム/cmの基本重量を有する織られていないマットを製造するように調整した以外は、実施例1aと同様に作製した。実施例4の多孔質電極は、0.836mmの平均厚さを有した。
実施例5
膜電極接合体(MEA)を、3M Company(St Paul,Minnesota)から商品名3M OPTICALLY CLEAR ADHESIVE 8146−4で入手可能な接着剤の5mmの幅のフレームを、実施例4の電極の6cm×10cmの小片に積層することによって、実施例4の電極を用いて作製した。次いで、商品名NAFION112で(DuPont Fuel Cells(Wilmington,DE)から)入手可能なペルフルオロ化膜の6cm×10cmの小片を、接着剤の露出面を介して電極に手で積層して、実施例5のMEAを製造した。
実施例6
レドックスフロー電池での使用をシミュレートするために、以下の半電池装置を用いて電流を発生させた。
電気化学セルハードウェア:
使用されたハードウェアは、2枚の黒鉛双極プレート、2つの金メッキされた銅集電体及びアルミニウムエンドプレートを利用する修正燃料セル試験装置、モデル番号5SCH(Fuel Cell Technologies(Albuquerque,New Mexico)から入手可能)であった。黒鉛双極プレートは、入口ポートを上部に及び出口ポートを底部に有する5cmの単一のサーペンタイン流路を有した。
電気化学セルの組立て:
テストセルを、中心から取り外された5cmの面積を有するガスケット材料の20.8ミル(0.528mm)の厚さの小片を1枚の黒鉛プレート上に配置することによって組み立てた。実施例1bの電極材料の小片を適切なサイズに切断し、5cmの面積のキャビティ内に配置した。800EW 3M膜の商品名の50マイクロメートルの厚さのプロトン交換膜(その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,348,088号の実施例のセクションに記載される膜作製手順に従って作製された800当量のプロトン交換膜)を、電極/ガスケットアセンブリの上方に配置した。次に、開放キャビティを備えた20.8(0.528mm)ミルのガスケット材料の別の小片を、膜に配置し、実施例1bからの電極材料の別の小片をガスケット材料のキャビティ内に配置した。第2の黒鉛プレートを積層された成分の上に配置し、テストセルを完成させた。次いで、テストセルを、集電体を備えた2枚のアルミニウムエンドプレートの間に配置し、8個の一連のボルトで、120in・lbs(13.6N・m)で締めて固定した。
電気化学セルの動作:
テストセルの入口及び出口ポートを、膜型ポンプ(KNF Neuberger GmbH(Frieburg,Germany)からのモデルNF B5膜型ポンプ)を用いて、電解液、2.7MのHSO/1.5MのVOSO電解液(HSO及びVOSOは、Sigma Aldrich(St.Louis,MO)から入手)を、54.6ml/分の流速で送達させる管材に接続した。試験の前に、電解液は、V+5原子価状態に電気化学的に酸化させた。これは、電解液を記載したポンプで循環させて、酸化電流を80mA/cmで、系が1.8Vに達するまで印加することによって達成した。次いで、発生した電流が5mA/cmの値に減衰するまで、系を1.8Vで保持した。酸化されたら、調製した電解液を試験に用いた。管材は、電解液が電解液貯蔵器から双極プレートのうちの1つ(第1の双極プレート)の上部までテストセルを通って送り込まれ、その後双極プレートの底部から出るように接続された。第1の双極プレートの底部から出る電解液は、次いで第2の双極プレートの底部に供給され、テストセルを通過し、第2の双極プレートの上部から出て、電解液貯蔵器に戻った。この系は、逆流モードで動作する単一の電解液を使用し、一方の半電池においてV+5分子がV+4に還元され、他方の半電池では、これがその後V+5に酸化された。
電気化学セル試験:
電気化学セルを、アノードとして機能する一方の集電体及びカソードとして機能する他方の集電体を備えた生物学的MPG−205ポテンショ/ガルバノスタット(Bio−Logic Science Instruments(Claix,France)から入手可能)に接続した。電気化学的試験手順は次の通りであった。
1)電解液がセルを通って流れることを確実にする。
2)開路電圧(open circuit voltage、OCV)を180秒間監視する。
3)20kHz〜10mHzの周波数を用いて、10mVの系全体にわたる信号電圧をセルに印加し、得られた電流を記録する。
4)50mVの還元電位(対OCV)を系に180秒間印加し、発生した電流を記録する。
5)開路電圧(OCV)に対比して50mV〜300mVの範囲の50mVの増分でステップ3及び4を繰り返す。
この試験手順を用いて、分極電圧の関数としての電流密度を実施例1bの多孔質電極について決定した。結果を表2に示す。
Figure 2018513527

Claims (21)

  1. 第1の主面及び第2の主面を有する、液体フロー電池用の多孔質電極であって、
    第1の多孔質基材の形態の非導電性ポリマー粒子状繊維であって、前記第1の多孔質基材が、織られた又は織られていない紙、フェルト、マット及び布のうちの少なくとも1つである、非導電性ポリマー粒子状繊維と、
    前記第1の多孔質基材の孔内に埋め込まれ、前記第1の多孔質基材の前記非導電性ポリマー粒子状繊維の表面に直接接着された導電性炭素微粒子と、を含み、
    約100000μOhm・m未満の電気抵抗率を有する、液体フロー電池用の多孔質電極。
  2. 約10マイクロメートル〜約1000マイクロメートルの厚さを有する、請求項1に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  3. 前記多孔質電極の前記導電性炭素微粒子が、炭素粒子、炭素フレーク、炭素繊維、カーボンデンドライト、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  4. 前記多孔質電極の前記導電性炭素微粒子が、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  5. 前記多孔質電極の前記導電性炭素微粒子が、炭素粒子、炭素フレーク、及びカーボンデンドライトのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  6. 前記多孔質電極の前記導電性炭素微粒子が、黒鉛粒子、黒鉛フレーク、黒鉛繊維、及び黒鉛デンドライトのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  7. 前記第1の多孔質基材の前記非導電性ポリマー粒子状繊維の少なくとも一部が、コア−シェル構造を有し、前記コア−シェル構造が、第1のポリマーを含む内部コアと第2のポリマーを含む外部シェルとを含む、請求項1に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  8. 前記第2のポリマーが、前記第1のポリマーの軟化温度よりも低い軟化温度を有する、請求項7に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  9. 前記多孔質電極に含まれる前記導電性炭素微粒子の量が、約40〜約80重量パーセントである、請求項1に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  10. 第1の主面及び第2の主面を有する、液体フロー電池用の多孔質電極であって、
    第1の多孔質基材の形態の非導電性ポリマー粒子状繊維であって、前記第1の多孔質基材が、織られた又は織られていない紙、フェルト、マット及び布のうちの少なくとも1つである、非導電性ポリマー粒子状繊維と、
    前記第1の多孔質基材の孔内に埋め込まれ、前記第1の多孔質基材の前記非導電性ポリマー粒子状繊維の表面に直接接着された導電性炭素微粒子と、を含み、
    約10マイクロメートル〜約1000マイクロメートルの厚さを有する、液体フロー電池用の多孔質電極。
  11. 前記多孔質電極の前記導電性炭素微粒子が、炭素粒子、炭素フレーク、炭素繊維、カーボンデンドライト、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つである、請求項10に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  12. 前記多孔質電極の前記導電性炭素微粒子が、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つである、請求項10に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  13. 前記多孔質電極の前記導電性炭素微粒子が、炭素粒子、炭素フレーク、及びカーボンデンドライトのうちの少なくとも1つである、請求項10に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  14. 前記多孔質電極の前記導電性炭素微粒子が、黒鉛粒子、黒鉛フレーク、黒鉛繊維、及び黒鉛デンドライトのうちの少なくとも1つである、請求項10に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  15. 前記第1の多孔質基材の前記非導電性ポリマー粒子状繊維の少なくとも一部が、コア−シェル構造を有し、前記コア−シェル構造が、第1のポリマーを含む内部コアと第2のポリマーを含む外部シェルとを含む、請求項10に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  16. 前記第2のポリマーが、前記第1のポリマーの軟化温度よりも低い軟化温度を有する、請求項15に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  17. 前記多孔質電極に含まれる前記導電性炭素微粒子の量が、約5〜約99重量パーセントである、請求項10に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  18. 前記多孔質電極に含まれる前記導電性炭素微粒子の量が、約40〜約80重量パーセントである、請求項10に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  19. 前記導電性炭素微粒子が、化学処理、熱処理、及びプラズマ処理のうちの少なくとも1つによって生じる改善された電気化学活性を有する、請求項1又は10に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  20. 請求項1又は10に記載の少なくとも1つの多孔質電極を備える、液体フロー電池用の電気化学セル。
  21. 請求項1又は10に記載の少なくとも1つの多孔質電極を備える液体フロー電池。
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