JP2018513256A - ポリアルキレンカーボネートおよびポリヒドロキシアルカノエートのブレンド - Google Patents
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Abstract
本発明は、少なくとも1つのポリアルキレンカーボネート(PAC)および結晶化度の低い少なくとも1つのポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を含むポリマブレンドに関する。本発明はまた、本発明のブレンドを調製するためのプロセス、およびこのようなブレンドから得られる物品も記載する。
Description
本発明は、ポリ(アルキレンカーボネート類)とポリヒドロキシアルカノエート類との生分解性ブレンドであって、熱および機械的な特性が改善されたブレンドに関し、ならびに物品および接着剤の調製におけるその使用に関する。
ポリ(アルキレンカーボネート類)(PAC類)は、環境に優しい性質、生分解性、透明性および良好なガスバリア特性のおかげで非常に注目されている。イノウエ(Inoue)(非特許文献1)によって最初に調製されたこれらのポリマは、アルキレンオキシドとCO2との共重合によって容易に得られる。ポリプロピレンカーボネート(PPC)のようなPAC類は、通常は非晶質性であって、かつ生分解性であるが、機械的特性は乏しく、十分な熱安定性を欠いている。それらは脆く、かつ適度な温度で容易に分解し、それらが有用であり得る用途は制限される。それらの機械的特性および熱安定性を改善するために、PAC類はさらなるポリマとブレンドされている。例えば、特許文献1には、特定のPPC系のポリマとポリオレフィン、すなわち低密度および高密度のポリエチレンならびにポリプロピレンとのブレンドが記載されている。
しかしながら、これらのポリマは生分解性ではない。環境への懸念が高まっていることに注意を払うために、PAC類は、ポリ−3−ヒドロキシアルカノエート類、すなわち、ポリ−3−ヒドロキシブチラート(3−PHB)、ポリ(3−ヒドロキシブチラート−co−3−ヒドロキシバレレート)(3−PHBHV)および3−PHBの他のコポリマ(例えば、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシヘキサノエート)−PHBHHx)と混合されている。3−PHBおよびそのコポリマは、発酵によって得ることができる生分解性ポリエステルであり、食品と競合しない供給源から容易に入手可能である。それらは、生分解性のおかげで、PACベースのブレンドにおいて代替品となっている。
しかしながら、3−PHBおよびそのコポリマは、完全に満足できるものではなく、適用性は限られている。例えば、特許文献2はPAC、すなわちPPCを、3−PHBおよび3−PHBHVとブレンドして安定性の改善されたブレンドを生じさせるが、これは不透明であり、その機械的特性をさらに改良する必要がある。この事実は、例えば、透明な混合物を得るためにPPCとポリ乳酸との混合物を提案している特許文献3に注記されている。あるいは、少量の3−PHBVが提案される。
特許文献4は、PAC、熱可塑性セルロース(TPC)および3−PHBまたは3−PHBVの混合物を開示している。得られたブレンドの透明性は言及されておらず、この文書によれば、PACと3−PHBまたは3−PHBVとの混合物は、PAC、TPCおよびPHAの三元混合物に関して強度および延性については性能が劣っている。
特許文献5は、異なるPHA分子の混合物およびそのようなPHA類の混合物を調製する方法を開示している。そこに開示されているPHAの混合物は、他のポリマと組み合わせることができると一般的に言及されているが、そのようなブレンドの特定の例も、そのようなブレンドがもたらす可能性のある利点も開示されていない。
イノウエ・エス(Inoue、S.)ら、ジャーナル・オブ・ポリマ・サイエンス(Journal of Polymer Science)、ポリマ・レター・エディション(Polymer Letter Edition)、1969年、7、p287
したがって、現在までに記載されたPAC類およびポリヒドロキシアルカノエート類の混合物(3−PHB、3−PHBVまたはそれらのコポリマとブレンドされたPAC)が提供するブレンドの持つ特性は不十分である。例えば、それらは透明性がなく、しばしば不透明なブレンドを生じる。他の機械的特性(例えば、シャルピ衝撃)および熱的特性(例えば、熱安定性)にもまた、環境に優しい性質のために別でも興味深い材料であるPACの有用性をさらに拡大するような改善が必要とされる。
本発明は、PACとPHAとの改善されたブレンドを提供することにより上記の問題を解決する。本発明のブレンドは、透明にできるだけでなく、興味深い機械的および熱的特性を有し得、既存の材料を改善し、新しい用途への扉さえ開く。
本発明者らは、低い結晶化度を有するPHAのPAC類に対する添加が、驚くべきことに、後の(例えば、透明性)の肯定的な特性を維持するだけでなく、さらに驚くべきことに、それらの熱的および機械的特性も同時に改善することを見出した。一方で、従来技術で使用されている短い鎖長のPHA類(例えば、3−PHBまたは3−PHBHV)は、高度に結晶性である。したがって、本発明の第1の態様は、少なくとも1つのポリ(アルキレンカーボネート)および少なくとも1つのポリヒドロキシアルカノエートを含む、好ましくは透明なブレンド(本発明のブレンド)を提供することであり、ここで前記少なくとも1種のポリヒドロキシアルカノエートは、40%未満、好ましくは20%未満の結晶化度を有し、ここで結晶化度はDSCによって決定される(本出願では「低結晶化度PHA」または「低い結晶化度を有するPHA」と呼ばれる)。本発明のブレンドの即時的な適用は、包装産業において見出され、PAC類によって提供される透明性が高く評価されるが、その熱的および機械的特性の改善を必要とする。以下に記載するように、本発明のブレンドの透明性は、このような低結晶化度PHA類の大きな負荷(load)に対しても許容可能であり、熱安定性または耐衝撃性などの他の重要な特性も改善される。したがって、本発明のブレンドは、好ましくは透明である(本発明による透明性の説明および決定については以下の詳細な説明および実施例3を参照)。したがって、本発明のブレンドは、既存の製品に対して有意な改善を示す。これらは、本明細書に開示される比較の実施例において、より詳細に理解され得る。
本発明は、低結晶化度PHAの負荷を制御することによって調整し得、したがって、異なる用途において有用であり得る特性を有する生分解性ポリマブレンドの新しいファミリへの扉を開く。例えば、低い結晶化度のPHA(例えば、20重量%未満)の負荷が低いほど、包装に必要なフィルムなどのフィルムを調製するのに有用な、接着性が低いかまたは接着性が無いブレンドが提供される。負荷が高ければ非常に接着性の高い製品が提供される。したがって、本発明のブレンドは、本発明のさらなる態様である物品を製造するのに適している。本発明のさらなる態様は、物品を製造するための本発明のブレンドの使用である。本発明のさらなる態様は、例えば、吹き込み、射出、押出成形または熱成形のような、上記物品を製造する方法である。
本発明のブレンドは、中等度から高い負荷の低結晶化度PHAによる接着性を示しているので、さらに興味深い。したがって、本発明のさらなる態様は、接着剤としての本発明のブレンドの使用である。本発明のさらなる態様は、本発明のブレンドを含む接着剤、例えば感圧性またはホットメルトの接着剤である。
本発明のブレンドは、公知の技術、例えばニート混合または溶媒混合の後に製造してもよく、本発明のさらなる態様は、PACと低結晶化度PHAとを混合するステップを包含する、本発明のブレンドを製造するプロセスである。
<ポリ(アルキレンカーボネート類)(PAC類)>
PAC類は、エーテルおよびカーボネート単位を示すポリマである(Encyclopedia of Polymer Science and Technology、Johnson Wiley and sons、第3巻)。これらは、通常は、1種以上のエポキシドとCO2との共重合によって調製されるが、本発明は、このような方法によって調製されるものに限定されない。PACは当該技術分野において公知であり、かつ当業者は、例えばそれらの構造、分子または物理的性質に関与する広い範囲から選択することができる。
PAC類は、エーテルおよびカーボネート単位を示すポリマである(Encyclopedia of Polymer Science and Technology、Johnson Wiley and sons、第3巻)。これらは、通常は、1種以上のエポキシドとCO2との共重合によって調製されるが、本発明は、このような方法によって調製されるものに限定されない。PACは当該技術分野において公知であり、かつ当業者は、例えばそれらの構造、分子または物理的性質に関与する広い範囲から選択することができる。
本発明の実施形態によれば、PACは、(C2−C20)アルキレンオキシド、(C1−C20)アルキルオキシ、(C6−C20)アリールオキシ、(C6−C20)アリールアルキルオキシ、(C4−C20)シクロアルキルオキシド、(C5−C20)シクロアルキレンオキシドおよびそれらの混合物からなる群より選択される1つ以上のエポキシド類から(実際に用いられることによって、または理論上)誘導される。例示的な非限定的なエポキシド化合物は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテンオキシド、ペンテンオキシド、ヘキセンオキシド、オクテンオキシド、デセンオキシド、ドデセンオキシド、テトラデセンオキシド、ヘキサデセンオキシド、オクタデセンオキシド、ブタジエンモノオキシド、1,2−エポキシ−7−オクテン、エピフルオロヒドリン、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、グリシジルメチルエーテル、グリシジルエチルエーテル、グリシジルノルマルプロピルエーテル、グリシジルsec−ブチルエーテル、グリシジルノルマルまたはイソペンチルエーテル、グリシジルノルマルヘキシルエーテル、グリシジルノルマルヘプチルエーテル、グリシジルノルマルオクチルまたは2−エチル−ヘキシルエーテル、グリシジルノルマルまたはイソノニルエーテル、グリシジルノルマルデシルエーテル、グリシジルノルマルドデシルエーテル、グリシジルノルマルテトラデシルエーテル、グリシジルノルマルヘキサデシルエーテル、グリシジルノルマルオクタデシルエーテル、グリシジルノルマルイコシルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、シクロオクテンオキシド、シクロドデセンオキシド、α−ピネンオキシド、2,3−エポキシノルボルネン、リモネンオキシド、ディルドリン、2,3−エポキシプロピルベンゼン、スチレンオキシド、フェニルプロピレンオキシド、スチルベンオキシド、クロロスチルベンオキシド、ジクロロスチルベンオキシド、1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパン、ベンジルオキシメチルオキシラン、グリシジル−メチルフェニルエーテル、クロロフェニル−2,3−エポキシプロピルエーテル、エポキシプロピルメトキシフェニルエーテル、ビフェニルグリシジルエーテル、グリシジルナフチルエーテル、酢酸グリシジルエステル、グリシジルプロピオネート、グリシジルブタノエート、グリシジルノルマルペンタノエート、グリシジルノルマルヘキサノエート、グリシジルヘプタノエート、グリシジルノルマルオクタノエート、グリシジル2−エチルヘキサノエート、グリシジルノルマルノナノエート、グリシジルノルマルデカノエート、グリシジルノルマルドデカノエート、グリシジルノルマルテトラデカノエート、グリシジルノルマルヘキサデカノエート、グリシジルノルマルオクタデカノエート、およびグリシジルイコサノエートからなる群より選択される1つ以上であってもよい。
本発明の一実施形態によれば、PACは、式(I)
(I)
の化合物であり、
式中、
wは、2〜10の整数であり、
xは、5以上の整数、好ましくは5〜100であり、
yは、0〜100の整数であり、
nは、1〜3の整数であり、かつ
各々のRは、独立して水素、(C1−C4)アルキル、または−CH2−O−R’から選択され、ここでR’は(C1−C8)アルキルであり、
かつ各々の反復単位は、wおよび/またはnに関して同じ値を有してもまたは異なる値を有してもよい。
の化合物であり、
式中、
wは、2〜10の整数であり、
xは、5以上の整数、好ましくは5〜100であり、
yは、0〜100の整数であり、
nは、1〜3の整数であり、かつ
各々のRは、独立して水素、(C1−C4)アルキル、または−CH2−O−R’から選択され、ここでR’は(C1−C8)アルキルであり、
かつ各々の反復単位は、wおよび/またはnに関して同じ値を有してもまたは異なる値を有してもよい。
本発明の実施形態によれば、PACは、C2−C6オキシラン、例えば、C2、C3またはC4、例えば、ポリ(エチレンカーボネート)(PEC)、ポリ(プロピレンカーボネート)(PPC−例えば、Luinstra G.A.;Borchardt E.,Adv Polym Sci(2012)245:29−48およびLuinstra,G.A.,Polymer Reviews(2008)48:192〜219を参照のこと)、ポリ(ブチレンカーボネート)、またはポリ(ヘキシレンカーボネート)に基づいてもよい。環状脂肪族カーボネートの例としては、ポリ(シクロヘキセンカーボネート)、ポリ(ノルボルネンカーボネート)またはポリ(リモネンカーボネート)が挙げられる。PACは、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(エチレンカーボネート)、またはそれらの混合物であってもよい。従って、本発明はまた、種々のPAC類の混合物も含む。このような混合物は、例えば、PPCおよびPECの単位を含むPAC、または、ポリ(ブチレンカーボネート)、ポリ(ヘキシレンカーボネート)、ポリ(シクロヘキセンカーボネート)、ポリ(ノルボルネンカーボネート)もしくはポリ(リモネンカーボネート)のような他のPAC類とのPPCもしくはPECであってもよい。本発明において、「アルキレンオキシド」、「エポキシド」または「オキシラン」は全て等価とみなされる。
PAC類の数平均分子量は重要ではないが、10,000〜500,000Da、例えば40,000〜300,000Daであってもよい。本発明のPAC類の通常のガラス転移(Tg)は、5℃〜140℃、例えば5℃〜100℃または5℃〜40℃である。
<ポリヒドロキシアルカノエート類(PHA)>
これまで、3−PHBまたは3−PHBHVのような高度に結晶性のPHA類がPACとの混合物で使用されてきた。しかし、それらの使用は、得られるブレンドの透明性が劣ることによって制限される。また、このような高度に結晶性のPHAで得られるシャルピ衝撃の改善は限定されており、接着性を全くもたらさない。本発明者らは、PAC類と混合した場合に、低結晶化度のPHAが改善されたブレンドを提供することを発見した。それらは一般的に透明であり、高い負荷でシャルピ衝撃および接着性を改善した。したがって、本発明のPHA類は、40%未満の結晶化度を有するものである。別の実施形態では、本発明のブレンドに使用されるPHA類は、35%未満、好ましくは30%未満、好ましくは25%未満、より好ましくは20%未満の結晶化度を有する。
これまで、3−PHBまたは3−PHBHVのような高度に結晶性のPHA類がPACとの混合物で使用されてきた。しかし、それらの使用は、得られるブレンドの透明性が劣ることによって制限される。また、このような高度に結晶性のPHAで得られるシャルピ衝撃の改善は限定されており、接着性を全くもたらさない。本発明者らは、PAC類と混合した場合に、低結晶化度のPHAが改善されたブレンドを提供することを発見した。それらは一般的に透明であり、高い負荷でシャルピ衝撃および接着性を改善した。したがって、本発明のPHA類は、40%未満の結晶化度を有するものである。別の実施形態では、本発明のブレンドに使用されるPHA類は、35%未満、好ましくは30%未満、好ましくは25%未満、より好ましくは20%未満の結晶化度を有する。
本発明のPHAを含むPHA類は、通常は、広範囲の天然および遺伝子操作された細菌ならびに遺伝子操作された植物作物によって合成される(Brauneggら、1998、J.Biotechnology 65:127−161;MadisonおよびHuisman、1999、Microbiology and Molecular Biology Reviews、63:21−53;Poirier、2002、Progress in Lipid Research 41:131−155)。PHA類を産生するための有用な微生物株としては、限定するものではないが、Alcaligenes eutrophus(Ralstonia eutrophaと改名)、Alcaligenes latus、Azotobacter、Aeromonas、Comamonas、Pseudomonas、ならびにPseudomonas、RalstoniaおよびEscherichia coliのような遺伝子操作された微生物を含む遺伝子操作された生物体が挙げられる。
−80℃〜−5℃の範囲のガラス転移(Tg)を有するPHA類が好ましいことも見出されている。
PHA類は、低い結晶化度を有する(実施例4で説明したように測定したDSCによれば40%未満)限り、使用することができる。本発明の一実施形態によれば、本発明のブレンドに使用されるPHAは、式(II)の結晶化度の低いPHAであって、これにはその立体異性体を含み、
(II)
式中、n、mまたはkは、各々独立して整数であり、
pおよびqは、整数であって、合計して3〜17であり(p and q are integers adding between 3 and 17)、
xおよびzは、整数であって、合計して4〜17であり(x and z are integers adding between 4 and 17)、かつ
R1およびR2の各々は、独立して水素またはメチルから選択される。
式中、n、mまたはkは、各々独立して整数であり、
pおよびqは、整数であって、合計して3〜17であり(p and q are integers adding between 3 and 17)、
xおよびzは、整数であって、合計して4〜17であり(x and z are integers adding between 4 and 17)、かつ
R1およびR2の各々は、独立して水素またはメチルから選択される。
本発明のある実施形態によれば、PHAは、xまたはpが1であるβ置換モノマを含む。本発明のさらなる実施形態によれば、PHAは、xまたはpが2であるガンマ置換モノマを含む。本発明のある実施形態によれば、R1およびR2はメチルであり、pおよびqは整数であり、合計して3〜17であり、かつxおよびzは整数であり、合計して5〜17である。本発明のある実施形態によれば、R1およびR2はメチルであり、pおよびqは整数であり、合計して4〜17であり、かつxおよびzは整数であり、合計して5〜17である。本発明のさらなる実施形態によれば、R1およびR2はメチルであり、pおよびqは整数であり、合計して3〜7であり、かつxおよびzは整数であり、合計して5〜9である。本発明のある実施形態によれば、xは1であり、zは2、3、4、5、6、7、8、9、10または11、好ましくは4、5、6、7または8である。別の実施例によれば、xおよびpは1であり、qは3、4、5または6であり、かつzは4、5、6、7または8である。さらなる実施形態によれば、qは0であり、かつR2は水素である。整数n、mおよびkは、PHAのサイズおよび分子量を決定し、それらの値は本発明にとって重要ではないが、kが少なくとも1であり、かつnおよびmの合計が少なくとも1である限り、それぞれ独立して1〜10,000であってもよく(例えば、10〜8,000)、通常は500〜5,000、より通常は700〜4,000である。
本発明のある実施形態によれば、本発明のブレンドで用いられるPHA類の少なくとも1つの全てのモノマは、6つ以上の炭素原子、好ましくは6〜20個の炭素原子を含む。別の実施形態では、本発明のブレンドに使用される少なくとも1つのPHA類の全てのモノマは、6〜12個の炭素原子、好ましくは6〜9個の炭素原子を含む。あるいは、本発明のブレンドに使用される少なくとも1つのPHA類のモノマの少なくとも1つは7個以上の炭素原子を含み、このようなPHAの全てのモノマは6個を超える炭素原子、好ましくは6〜20個の炭素原子を含み、さらに好ましくは6〜12個の炭素原子、さらに好ましくは6〜9個の炭素原子を含む。
本発明のある実施形態によれば、本発明のブレンドに使用されるPHAは、式(III)の低結晶化度を有するPHAであり、これにはその立体異性体を含み、
(III)
式中、e、fまたはgは、各々独立して整数であり、
cは、0〜10の整数であり、
aは、0〜10の整数であり、
ここでaまたはcのうち少なくとも1つは、2以上であり、
bおよびdは、0〜15から独立して選択される整数であり、かつ
R1およびR2の各々は、独立して水素またはメチルから選択される。
式中、e、fまたはgは、各々独立して整数であり、
cは、0〜10の整数であり、
aは、0〜10の整数であり、
ここでaまたはcのうち少なくとも1つは、2以上であり、
bおよびdは、0〜15から独立して選択される整数であり、かつ
R1およびR2の各々は、独立して水素またはメチルから選択される。
本発明のある実施形態によれば、PHAは、2つのガンマ置換モノマ、すなわちaおよびcが両方とも2であるPHAを含む。本発明のさらなる実施形態によれば、PHAは、bおよびdがそれぞれ独立して0〜10、好ましくは0〜5であるモノマを含む。本発明のある実施形態によれば、R1およびR2は水素である。さらなる実施形態によれば、cおよびaはそれぞれ独立して2または3から選択される。整数e、fおよびgはPHAのサイズおよび分子量を決定し、それらの値は本発明にとって重要ではないが、各々独立して、gが少なくとも1であり、かつeとfの合計が少なくとも1である限り、0〜10,000であってもよく、通常は500〜5,000、より通常は700〜4,000であってもよい。
本発明の実施形態によれば、本発明のブレンドに使用されるPHAは、式(IV)の低結晶化度を有するPHAであり、これには、その立体異性体を含み、
(IV)
式中、h、iまたはjは、各々独立して整数であり、
sは、1〜5の整数であり、
uは、1〜5の整数であり、
rおよびtは、0〜15から独立して選択される整数であり、かつ
ここでsおよびuが1であり、かつrおよびtの各々が0または1であるとき、sおよびuの少なくとも1つは、2以上である。
式中、h、iまたはjは、各々独立して整数であり、
sは、1〜5の整数であり、
uは、1〜5の整数であり、
rおよびtは、0〜15から独立して選択される整数であり、かつ
ここでsおよびuが1であり、かつrおよびtの各々が0または1であるとき、sおよびuの少なくとも1つは、2以上である。
したがって、本発明のブレンドに使用されるPHA類のポリエステル骨格は、カルボニル単位に関して、通常ベータまたはガンマ位置にある脂肪族ペンディング基(それぞれポリ−3−またはポリ−4−ヒドロキシアルカノエート)を含んでもよい。本発明で使用されるPHA類はまた、ポリ−5−またはポリ−6−ヒドロキシアルカノエートを含んでもよい。本発明のブレンドに使用されるポリマ類は、本発明の目的を達成するために重要ではないが、種々の分子量および分子量分布を有してもよい。ポリマは、通常は300Daを超える数平均分子量、例えば300〜107Da、および好ましい実施形態では10,000〜1,000,000ダルトンの数平均分子量を有する。偏向RI検出器を装備したBruker 3800を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によってPS標準に対して、数平均分子量(Mn)および多分散指数(Mw/Mn)を決定した。1mL/分の流速で、テトラヒドロフランまたはクロロホルムを溶離液として室温で使用した。
本発明の実施形態によれば、本発明のブレンドに使用されるPHA類の少なくとも1つは、式(II)のPHA、またはその立体異性体であり、式中、kは、50〜50,000の間に含まれる整数である。さらなる実施形態によれば、nおよびmは、独立して10〜8,000である整数である。
本発明のブレンドに使用されるPHA類は、いずれかのホモポリマまたはコポリマ、例えば、3−ヒドロキシアルカノエートのコポリマおよび/または4−ヒドロキシアルカノエートのコポリマであってもよい。
一般に、PHAは、生細胞内の1つ以上のモノマ単位の酵素的な重合によって形成される。本発明のブレンドに使用されるPHAを作ることができる、モノマ単位の例としては、それらが必要な程度の結晶化度を有する限り、グリコール酸、3−ヒドロキシプロピオネート、3−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシヘプタノエート、3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシノナノエート、3−ヒドロキシデカノエート、3−ヒドロキシドデカノエート、4−ヒドロキシブチレート、4−ヒドロキシバレレート、5−ヒドロキシバレレート、および6−ヒドロキシヘキサノエートが挙げられる。本発明のある実施形態では、PHAは、ポリ−3−ヒドロキシヘキサノエートのコポリマ、例えば、ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート−co−3−ヒドロキシオクタノエート)(PHOHHx)である。さらなる実施形態によれば、PHAはまた、ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート−co−3−ヒドロキシノナノエート)(PHNHHx)、ポリ(3−ヒドロキシオクタノエート)(PHO)、ポリ(3−ヒドロキシデカノエート)(PHD)、またはそれらの混合物であってもよい。本発明の別の実施形態では、PHAは、ポリ−4−ヒドロキシブチラートのコポリマ、例えば、ポリ(3−ヒドロキシブチラート−co−4−ヒドロキシブチレート)である。
<ブレンド>
本発明全体を通して、重量パーセント(「重量%(wt%)」)とは、指定された成分と、同じ単位のブレンドの総重量との間の重量比(例えば、グラムまたはキログラム)の100倍である。
本発明全体を通して、重量パーセント(「重量%(wt%)」)とは、指定された成分と、同じ単位のブレンドの総重量との間の重量比(例えば、グラムまたはキログラム)の100倍である。
本発明のブレンドは、広範囲のPHAの負荷を包含する。後述する表1に示すように、結晶化度の低いPHAは少量でも、高度に結晶性のPHA(例えば、3−PHBまたは3−PHBHV)を使用する公知の混合物よりも有意に透明なブレンドを提供する。また、それらは改良された熱安定性を提供する(表3参照)。また、低い結晶化度を有するPHAの高い負荷は、接着剤製品を提供する。本発明の一実施形態では、ブレンド中のPHAの量は、ブレンドの総重量に対して、0.05〜30重量%、好ましくは0.1〜25重量%、好ましくは0.2〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%である。ブレンドの全重量に対して0.05%から5重量%未満の程度の低量の40%未満の結晶化度を有するPHAの負荷はまた、本発明の改善された光学的および機械的特性を提供する。例えば、本発明のブレンドは、ブレンドの全重量に対して1重量%〜4.5重量%または1.5重量%〜4重量%の量で、40%未満の結晶化度を有するPHAを含んでもよい。これらの量のPHAを有するブレンドは、優れた透明性、ならびに改善された熱特性およびさらなる機械的特性、例えばシャルピ衝撃および流動性を有する。
さらなる実施形態によれば、本発明のブレンド中のPHAの量は、ブレンドの全重量に対して、10重量%〜60重量%、好ましくは15重量%〜55重量%、好ましくは20重量%〜50重量%、好ましくは30重量%〜50重量%である。低い結晶化度を有するPHAの負荷が高いほど接着性を増加させ、本発明のさらなる実施形態は、低い結晶化度を有するPHAが、ブレンドの総重量に対して、10重量%を超える、好ましくは15重量%を超える、好ましくは20重量%を超える。
本発明のさらなる実施形態によれば、本発明のブレンド中のPACの量は、75重量%〜99.9重量%、80重量%〜99.8重量%、または85重量%〜99.5重量%の間である。本発明のさらなる実施形態によれば、本発明のブレンド中のPACの量は、40重量%〜90重量%、45重量%〜85重量%または50重量%〜80重量%、すなわち好ましくは85重量%未満または80重量%未満である。
任意の割合のPHAおよびPACを、本発明のブレンドの成分の新しい範囲を作るために組み合わせてもよい。
PACまたはPHAが1つ以上の不斉中心を含む場合、本発明はエナンチオマまたはジアステレオ異性体の混合物、ならびにそのエナンチオマ的に純粋な化合物を含む。したがって、本発明は、PACまたはPHAのすべての可能な異性体を包含し、「異性体」とは、同じ順序で、ただし異なる空間分布で結合された原子を有する種を意味し、例えば、本発明は、シス異性体およびトランス異性体、E−およびZ−異性体、R−およびS−エナンチオマ、ジアステレオマ、それらのラセミ混合物、または立体化学的に富化された混合物を含む。
ポリマがペンディング基を含むモノマからできている場合、ペンディング基は、相互に異なる配向で空間的に配列してもよく、これは本出願においてはその通常の意味をとり、「立体規則性(tacticity)」として知られる特性であり、ポリマの骨格に対するペンディング基の配向の立体規則性を指す。アイソタクチックポリマでは、すべての置換基は、ポリマの骨格の同じ側に位置する。100%アイソタクチックな高分子は、100%メソ型の二連子からなる。シンジオタクチックポリマでは、置換基は、ポリマの骨格に沿って交互の位置を有する。100%シンジオタクチックポリマは、100%ラセモ型の二連子からなる。したがって、本発明は、アイソタクチックポリマおよびシンジオタクチックポリマの両方、ならびに両者の間の中間状況、すなわちアタクチックポリマを包含する。本発明のある実施形態は、アイソタクチックまたはシンジオタクチックまたはアタクチックであるPAC、例えば、PPCを包含する。
また、本発明のポリマは、異なる程度の交互性、すなわちコポリマのモノマが互い違いになる程度を有してもよい。本発明の一実施形態では、PAC、例えば、PPCは実質的に交互にされており、すなわち各アルキレンオキシド単位の後に1つの二酸化炭素単位が続く程度は100%である(例えばMacromolecules 2012,45,8604〜8613を参照のこと)。従って、本発明によれば、100%の交互性とは、当然ながら鎖の終わりは除くが、アルキレンオキシドのすべての単位の後に1単位の二酸化炭素が続き、二酸化炭素の全ての単位の後に1単位のアルキレンオキシドが続く二酸化炭素とアルキレンオキシドの共重合の生成物であるとみなされる。あるいは、PAC中の交互交替の程度は、PACの全モルに対してモル%で75%超、好ましくは80%超、好ましくは90%超である。この微細構造の特徴付けは、NMRにおける代表的なピークの面積を測定することによって測定した。1Hおよび13CのNMRスペクトルは、Bruker AV500分光計および溶媒としてのクロロホルムを用いて周囲温度で収集した。スペクトルは、内部標準(1H NMRスペクトルについてはTMSおよび13C NMRについてはCDCl3)に対して参照した。
本発明のブレンドは、当該技術分野において一般的に使用される他のポリマおよび添加剤を含んでもよい。これらとしては、限定するものではないが、可塑剤、酸化防止剤(例えば、ヒンダードフェノール)、難燃剤、加工助剤、充填剤(例えば、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、シリカまたはデンプン)または着色剤が挙げられる。これらの添加剤の性質および量は、それぞれの場合に使用される用途に依存する。当業者は、当技術分野で公知の広範な種類の中から、例えば、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、第2版、第14巻、p327〜410または他の参照情報から、選択し得る。添加剤は、その機能を達成するのに適した任意の量で存在してもよく、必要な用途に応じて変化してもよい。通常の量は、ブレンドの総重量に対して、0.001重量%〜30重量%、例えば0.1重量%〜25重量%、または1重量%〜15重量%である。
好ましい実施形態によれば、本発明のブレンドは、75重量%〜99.9重量%のPAC、25重量%までの低い結晶化度のPHA、および必要に応じて0.001重量%〜15重量%の添加剤を含む。さらなる実施形態によれば、本発明のブレンドは、85重量%〜98重量%のPAC、15重量%までの低い結晶化度のPHA、および必要に応じて0.001重量%〜10重量%の添加剤を含む。さらなる実施形態によれば、本発明のブレンドは、40重量%〜90重量%のPAC、60重量%までの低い結晶化度のPHA、および必要に応じて0.001重量%〜25重量%の添加剤を含む。さらなる実施形態によれば、本発明のブレンドは、50重量%〜80重量%のPAC、50重量%までの低い結晶化度のPHA、および必要に応じて0.001重量%〜25重量%の添加剤を含む。
さらなる実施形態によれば、本発明のブレンドはさらに、ポリ乳酸(PLA)を含む。PLAの量は、通常は、1重量%〜20重量%含まれる。あるいは、本発明のブレンドは、PLAを含まない。
本発明のブレンドはまた、ポリビニルアルコールを含んでもよく、このブレンドは、酸素透過性の低下を示す。ポリビニルアルコールの量は、通常は1重量%〜20重量%含まれる。本発明の一実施形態によれば、ブレンドは相溶化剤を必要とせず、これによって、その調製はより容易に、より環境にやさしく経済的になる。
本発明のブレンドの成分は、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、第2版、第14巻、Polymer Blendsの章、第9ページに記載されるような、当該分野の通常のプロセスに従って混合され得る。当業者に周知の手順は、ブレンド成分の溶液を、押出機またはニーダなどの中で、ローラ混合することによって、または配合することによって、組み合わせるステップである。一実施形態では、PHAおよびPACは、好ましくは高剪断ミキサ中で、ポリマを溶融させるのに十分な温度、例えば20℃〜250℃、通常は100℃〜200℃の範囲で混合される。本発明のほとんどのブレンドは、140℃〜190℃の温度で混合される。サンプル中の他の添加物は、PHAおよびPACを混合する前に添加されても、または混合した後に添加されてもよい。本発明のさらなる態様において、この成分は適切な溶媒中で混合される。すべての成分を溶解し得る任意の溶媒が適切であり、揮発性の溶媒が好ましい(例えば、THF、ジクロロメタンまたはアセトン)。混合が完了した後、溶媒を除去して混合物を得る。
本発明のブレンドの独特な性質および環境に優しい性質によって、多くの異なる分野において、それらの適用が可能になる。本発明のブレンドを含む物品は、当該分野における通常の方法に従って調製し得る。これらとしては、限定するものではないが、射出成形;押し出し成形、溶融加工、吹き付け、熱成形、発泡およびキャスティングが挙げられる。本発明の一実施形態では、本発明のブレンドは、フィルム、好ましくは透明フィルム、機械的構造部品、電子部品、自動車部品、光学デバイス、構造部品またはその他の日常的な使用の物体などの物品の製造に使用される。本発明の実施形態は、例えば、PHA含量がブレンドの総重量に対して0.1重量%〜15重量%、好ましくは0.5重量%〜12重量%および必要に応じて0.001〜10重量%の添加剤であり、残りは1つ以上のPACである本発明のブレンドを含むPACフィルムである。そのように形成されたフィルムは、優れた透明性および改善された熱安定性および耐性を有し、包装産業において、例えば食品および飲料の包装における媒体障壁単層(medium barrier monolayer)として使用することさえできる。
本発明のさらなる実施形態では、本発明のブレンドは、ブレンドの総重量に対して20重量%を超える、好ましくは30重量%を超える、例えば50重量%〜95重量%のPHA含有量、および残りが1つ以上のPACおよび必要に応じて0.001〜15重量%の添加剤を有し、接着剤として使用される。本発明者らは、本発明のブレンドが、低い結晶化度を有する、より高い負荷のPHAが使用される場合、驚くほど高度の接着性を示すことを観察した。したがって、このようなブレンドは、適切なホットメルトまたは感圧接着剤(PSA)である。
さらなる物品が、本発明のブレンドを用いて調製され得る。いくつかの非限定的な例は、食品用の発泡トレイ、または電子産業のような異なる商品の保護要素としての発泡トレイである。さらに非限定的な例は、押出ブロー成形ボトルまたは押出衛生品、および一般的な生物医薬品(biomedical product)である。さらに非限定的な例は、玩具、包装製品または家具である。
以下の実施例は、さらなる参考のために本出願の特定の実施態様を例示するものであり、いかなる場合においても本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
[用語の解説]
PPC1:>75%交互ポリプロピレンカーボネート、Tg=19℃、Mw=120,000Da。
PEC1:100%交互ポリエチレンカーボネート、Tg=18℃、Mw=240,000Da。
PPC−co−PHC:>75%交互ターポリマポリプロピレンカーボネート/ポリシクロヘキサンカーボネート、Tg=118℃、Mw=150,000Da。
PPC2:100%交互ポリプロピレンカーボネート、Tg=24℃、Mw=50,000Da。
PPC3:>75%交互ポリプロピレンカーボネート、Tg=24℃、Mw=240,000Da。
PHOHHx:ポリ−3−ヒドロキシオクタノエート−co−ポリ−3−ヒドロキシヘキサノエート、Tg=−40℃、Mw=100,000Da、Xc=17.50%。
P(3HB−co−4HB):ポリ3−ヒドロキシブチレート−co−ポリ−4−ヒドロキシブチレート、Tg=−29℃、Mw=340,000Da、Xc=2%。
PHOHD:ポリ−3−ヒドロキシオクタノエート−co−ポリ−3−ヒドロキシデカノエート、Tg=−60℃、Mw=115,000Da、Xc=4%。
3−PHB:ポリ−3−ヒドロキシブチラートBIOMER、Tg=10℃、Mw=250,000Da、Xc=73%。
3−PHBHV:ポリ−3−ヒドロキシブチラート−co−ヒドロキシバレレートENMAT Yp1000樹脂、Tg=4℃、Mw=374,000Da、Xc=60%。
PLA:PLA NW 2003D、Tg=60℃、Mw=120000Da;Xc=40%(実施例4に従って算出)、このΔH°m値は、Fischer,E.W.、H.J.Sterzel、およびG.Wegner、「化学反応によるラクチドコポリマの溶液成長結晶の構造の研究(Investigation Of Structure Of Solution Grown Crystals Of Lactide Copolymers By Means Of Chemical−Reactions)」、Kolloid−Zeitschrift And Zeitschrift Fur Polymere、1973年、251(11):980〜990ページから得た。
PPC1:>75%交互ポリプロピレンカーボネート、Tg=19℃、Mw=120,000Da。
PEC1:100%交互ポリエチレンカーボネート、Tg=18℃、Mw=240,000Da。
PPC−co−PHC:>75%交互ターポリマポリプロピレンカーボネート/ポリシクロヘキサンカーボネート、Tg=118℃、Mw=150,000Da。
PPC2:100%交互ポリプロピレンカーボネート、Tg=24℃、Mw=50,000Da。
PPC3:>75%交互ポリプロピレンカーボネート、Tg=24℃、Mw=240,000Da。
PHOHHx:ポリ−3−ヒドロキシオクタノエート−co−ポリ−3−ヒドロキシヘキサノエート、Tg=−40℃、Mw=100,000Da、Xc=17.50%。
P(3HB−co−4HB):ポリ3−ヒドロキシブチレート−co−ポリ−4−ヒドロキシブチレート、Tg=−29℃、Mw=340,000Da、Xc=2%。
PHOHD:ポリ−3−ヒドロキシオクタノエート−co−ポリ−3−ヒドロキシデカノエート、Tg=−60℃、Mw=115,000Da、Xc=4%。
3−PHB:ポリ−3−ヒドロキシブチラートBIOMER、Tg=10℃、Mw=250,000Da、Xc=73%。
3−PHBHV:ポリ−3−ヒドロキシブチラート−co−ヒドロキシバレレートENMAT Yp1000樹脂、Tg=4℃、Mw=374,000Da、Xc=60%。
PLA:PLA NW 2003D、Tg=60℃、Mw=120000Da;Xc=40%(実施例4に従って算出)、このΔH°m値は、Fischer,E.W.、H.J.Sterzel、およびG.Wegner、「化学反応によるラクチドコポリマの溶液成長結晶の構造の研究(Investigation Of Structure Of Solution Grown Crystals Of Lactide Copolymers By Means Of Chemical−Reactions)」、Kolloid−Zeitschrift And Zeitschrift Fur Polymere、1973年、251(11):980〜990ページから得た。
<実施例1:Haakeチャンバにおける一般的な手順>
それぞれのPACおよびPHAを、それぞれの場合に示した割合で用いた。それらは、均一な混合物を得るのに十分な時間および温度で、通常は170℃および50rpmで8分間混合した。ミキサからのサンプルを、Collinポリマプレスを用いて170℃および100barで3分間圧縮成形して、さらなる特徴付けのための四角いプレートを形成した。
それぞれのPACおよびPHAを、それぞれの場合に示した割合で用いた。それらは、均一な混合物を得るのに十分な時間および温度で、通常は170℃および50rpmで8分間混合した。ミキサからのサンプルを、Collinポリマプレスを用いて170℃および100barで3分間圧縮成形して、さらなる特徴付けのための四角いプレートを形成した。
<実施例2:溶液中での混合のための一般的手順>
異なる重量比を有するポリヒドロキシアルカノエート/ポリアルキレンカーボネートブレンドを、クロロホルムからの溶液流涎法によって調製し、80℃で一定重量まで真空乾燥して、フィルムを得た。
異なる重量比を有するポリヒドロキシアルカノエート/ポリアルキレンカーボネートブレンドを、クロロホルムからの溶液流涎法によって調製し、80℃で一定重量まで真空乾燥して、フィルムを得た。
<実施例3:透明性の測定と決定>
Gardner Haze−Gard Plus装置を用いて、UNE−EN 2155−9:1992およびUNE−EN ISO 13468−1:1997(2mm厚のプレート)に従ってサンプルの曇り度、透明度および可視光透過率を測定した。サンプルは75%以上、好ましくは80%以上、好ましくは85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の透過率について透明であるとみなした。
Gardner Haze−Gard Plus装置を用いて、UNE−EN 2155−9:1992およびUNE−EN ISO 13468−1:1997(2mm厚のプレート)に従ってサンプルの曇り度、透明度および可視光透過率を測定した。サンプルは75%以上、好ましくは80%以上、好ましくは85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の透過率について透明であるとみなした。
結果を以下の表1にまとめる。
表1に示すように、本発明によるブレンド、すなわち結晶化度の低いPHAを有するブレンドは透明であったが、結晶化度の高いPHAを有するもの(3−PHB、3−PHBHV)は透明ではなかった。さらに驚くべきことに、より高いシャルピ値によって証明されるように、透明性が、匹敵する衝撃耐性、またはさらに増大した耐衝撃性を伴うことを観察した。シャルピ衝撃は、CEAST Resil Impactor 18342を用いて、UNE−EN ISO 179−1:2011(ISO179−1/1eA)標準法の下、23℃で、湿度50%、80×10×4mm(幅×長さ×厚さ)というサンプル寸法で分析した。シャルピ衝撃のこのような改善は、それ自体、高結晶性PHA(例えば、PHBHV、PLA)を有する混合物に関する改善を表す。表2の比較ブレンド1対本発明のブレンド3を参照のこと。これらの特性は、表2に示すように、より少量または多量の結晶化度が低いPHAで観察され、幅広い用途への扉を開く驚くべき挙動である。
さらに、本発明のブレンドは、異なる負荷で異なるPACに対して有用であることが証明されており、例えば、表1に示されるように、ポリエチレンカーボネートはまた、下の表3および図2に示すように、熱安定性を改善しながら、透明なブレンドを提供する。
比較の実施例3およびブレンド4とブレンド10とを比較するとき、低結晶化度PHAおよびPLAが一緒になって、熱安定性の相乗的改善をもたらすことが理解できる。比較例3(10%PLA)は、熱安定性を278.15℃に改善し、ブレンド4(10%PHOHHx)は熱安定性を279.48℃までにさらに改善するが、ブレンド22(5%PLA+5%PHOHHx)は、熱安定性を、それらをさらに上回って279.92℃まで改善する。
<実施例4:使用したPHAの結晶化度の測定と決定>
DSCを用いて10℃/分(−85℃〜200℃)での第1の加熱から結晶化度(Xc)を得た(発明の詳細な説明を参照のこと)。結晶化度は、以下の式:
Xc=(ΔHm/ΔH°PHB)×100
を用いて算出し、ΔH°PHBは、純粋な3−PHB結晶の融解エンタルピ 146Jg−1であり(L.M.W.K.Gunaratne、R.A.Shanks Thermochimica Acta 430(2005)183−190)、ΔHmは各ポリマの測定された融解エンタルピである。
DSCを用いて10℃/分(−85℃〜200℃)での第1の加熱から結晶化度(Xc)を得た(発明の詳細な説明を参照のこと)。結晶化度は、以下の式:
Xc=(ΔHm/ΔH°PHB)×100
を用いて算出し、ΔH°PHBは、純粋な3−PHB結晶の融解エンタルピ 146Jg−1であり(L.M.W.K.Gunaratne、R.A.Shanks Thermochimica Acta 430(2005)183−190)、ΔHmは各ポリマの測定された融解エンタルピである。
ポリマ(1g)を100mLのクロロホルムに溶解し、真空下で濾過して、不溶性画分または不純物を除去した。室温で溶媒流涎法により半結晶性フィルムを得た。得られたフィルムを真空中で、50℃で3時間さらに乾燥させて、残留溶媒および水分を除去した。フィルムは、使用前は窒素雰囲気下でデシケータ中に保管した。
サンプルのDSC融解走査は、−85〜180℃の10℃/分の平均加熱速度で得た。面積法を用いて、DSC走査の熱流応答からの比熱計算を行った。各等温セグメントのデータは、0.005mWs−1ベースライン基準内に収集した。DSC走査からの熱流データを使用して、見かけの熱力学的熱容量(Cp、ATD)およびIsoKベースライン熱容量(Cp、IsoK)を計算した。比熱容量曲線に変換するときに、一致する空のアルミニウムパンを用いて同一条件下で記録した適切なベースラインを使用して、すべてのDSC曲線を補正した。DSC加熱走査から、融解のエンタルピ(ΔHm)を測定した。
<実施例5:使用したPHAおよびブレンドのTgの測定および決定>
ガラス転移温度(Tg)は、次の手順に従って示差走査熱量計(DSC)実験における第2の加熱から得た。非等温性(−85から200℃まで10℃/分)実験は、窒素流下でDSC TA Instruments Q2000を用いて行い、これは、窒素流下で、冷却器内で操作した。温度および熱流較正は、標準としてインジウムを用いて行った。ガラス転移温度は、第2の加熱から得た。
ガラス転移温度(Tg)は、次の手順に従って示差走査熱量計(DSC)実験における第2の加熱から得た。非等温性(−85から200℃まで10℃/分)実験は、窒素流下でDSC TA Instruments Q2000を用いて行い、これは、窒素流下で、冷却器内で操作した。温度および熱流較正は、標準としてインジウムを用いて行った。ガラス転移温度は、第2の加熱から得た。
<実施例6:熱安定性の測定>
本発明のブレンドの熱安定性は、良好な透明性または許容可能な透明性を維持しながら、高結晶性PHAを有するブレンドと比較して驚くほど改善されることが見出された。3−PHBまたは3−PHBHVのPPCブレンド(比較ブレンド2および1)をPHOHHxの同じ負荷(本発明によるブレンド3および4)と比較すると、上の表3に示されるとおり、後者の方がより高いTGA値を示し、透明であった。Mettler TGA装置を熱重量測定に使用した。非等温性実験は、窒素雰囲気中で5℃/分の加熱速度で30〜700℃の温度範囲で行った。TGA値は、誘導体熱重量分析曲線(DTG)の最初の最大値から取る。
本発明のブレンドの熱安定性は、良好な透明性または許容可能な透明性を維持しながら、高結晶性PHAを有するブレンドと比較して驚くほど改善されることが見出された。3−PHBまたは3−PHBHVのPPCブレンド(比較ブレンド2および1)をPHOHHxの同じ負荷(本発明によるブレンド3および4)と比較すると、上の表3に示されるとおり、後者の方がより高いTGA値を示し、透明であった。Mettler TGA装置を熱重量測定に使用した。非等温性実験は、窒素雰囲気中で5℃/分の加熱速度で30〜700℃の温度範囲で行った。TGA値は、誘導体熱重量分析曲線(DTG)の最初の最大値から取る。
熱安定性は、本発明による低い結晶化度を有するPHAのより高い含有量を有するブレンドにおいてさらに増大したが、透明性に有意な影響を与えなかった。表3のブレンド1、2、3、4、5および6(図1も参照)によって、良好な透明性を依然として維持するPHA負荷の驚くほど広い範囲で熱安定性の増大が観察され得ることが示される。PHOHHxの0.5重量%の負荷(ブレンド1)は既にTGAを270.64℃に上昇させ、30重量%の負荷(ブレンド6)はさらにTGAを293.87℃に増加させるが、透明度は維持している。高い結晶化度PHAを有する少数のブレンドが許容可能な熱安定性を示したが、しかし不透明であり、従って多くの用途では役に立たなかったことは重要である。
表3に示すように、熱安定性の増大は一般的傾向であり、他のPPCもまた、本発明のブレンドに使用される低結晶化度を有するPHAとのブレンドの恩恵を受けることがさらに観察された。
上記の表3および図2に示すように、PECについても同様の一般的傾向が観察された。
<実施例7:接着性の測定>
本発明のブレンドはまた、接着特性を有することが判明している。接着性の程度を測定するための実験を行った。
本発明のブレンドはまた、接着特性を有することが判明している。接着性の程度を測定するための実験を行った。
ホットタックテクスチャ(hot tack texture)の測定のために、分析装置:TA.XT2iテクスチャアナライザ(Stable Microsystems、Surrey、England)を使用した。サンプルは、アルミニウムで覆われた断熱チャンバ内に置いて、その温度は外部熱電対によって制御することができる。粘着性(タック)の測定は、23℃〜100℃の異なる温度で行い、その温度は、サンプルと接触させて配置した熱電対によって決定した。
円柱状のステンレス鋼ロッド(直径3mm)を使用し(滑らかな接触で)、試験する実験条件は次のとおりである。
・ロッドのサンプルへの接近速度:0.1mm/秒
・サンプルに加えられる力:5N
・力の適用時間:1秒
・サンプルからのロッドの分離速度:1mm/秒
・ロッドのサンプルへの接近速度:0.1mm/秒
・サンプルに加えられる力:5N
・力の適用時間:1秒
・サンプルからのロッドの分離速度:1mm/秒
サンプルは、180℃で加熱されたスチールプレート(7×7×0.01cm)上に約2gの接着剤を付着させることによって調製し、次いで平滑な表面上で冷却させて、均一なフィルム厚を達成した。
これらの測定の結果を表4に示す。
高結晶性PHAを有する比較ブレンド1、2および3は、接着性を欠いている。比較ブレンド1および2はまた、透明性も欠く。一方で、低結晶化度PHAを有する本発明のブレンドは、比較的低い負荷の低結晶性PHAでさえ接着性を示す。
さらに、高い負荷の低結晶性PHAを検討した。
特許請求の範囲および/または明細書において「含む(comprising)」という用語と共に使用される場合、単数名詞または代名詞の使用は、「1つ」を意味し、また「1つ以上」、「少なくとも1つ」および「1つまたは1つ超」をも包含する。本願を通して、本明細書に示されるか、または示された任意の値を特定するために使用される「約」という用語は、変更されてもよいし、逸脱されてもよい。様々な値を決定するために使用される装置および方法の誤差によって、変動または偏差が引き起こされる場合がある。
用語「備える、含む、包含する(comprise)」、「有する、備える(have)」、および「備える、含む、包含する(include)」は、オープンエンドの連結動詞である。「備える」、「〜を備える」、「有する」、「〜を有する」、「含む」、「〜を含む」などのこれらの動詞の1つ以上の形態もまたオープンエンドである。例えば、1つ以上のステップを「備える」、「有する」、または「含む」任意の方法は、1つ以上のステップのみを有することに限定されず、全ての特定されないステップもカバーする。
Claims (15)
- 少なくとも1つのポリ(アルキレンカーボネート)および少なくとも1つのポリヒドロキシアルカノエートを含む透明なブレンドであって、ここで前記少なくとも1つのポリヒドロキシアルカノエートは、40%未満の結晶化度を有し、ここで結晶化度は、10℃/分の加熱傾斜で−85℃〜200℃までサンプルを加熱すること、および式Xc=(ΔHm/ΔH°PHB)×100を適用することによって測定されるとき、DSCによって決定され、ここでΔH°PHBは、146Jg−1であり、かつΔHmは、前記ポリヒドロキシアルカノエートの測定されたエンタルピである、透明なブレンド。
- 前記少なくとも1つのポリヒドロキシアルカノエートが、35%未満、好ましくは30%未満、好ましくは25%未満、さらに好ましくは20%未満の結晶化度を有する、請求項1に記載の透明なブレンド。
- 前記少なくとも1つのポリヒドロキシアルカノエートが、−80℃〜−5℃の範囲のTgを有し、ここで前記TgがDSCによって決定される、請求項1または2に記載の透明なブレンド。
- 前記ポリヒドロキシルアルカノエートの少なくとも1つのモノマが、7個以上の炭素原子を含み、かつ前記ポリヒドロキシルアルカノエートの全てのモノマが、6個を超える炭素原子を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の透明なブレンド。
- ポリ乳酸を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明なブレンド。
- 前記少なくとも1つのポリヒドロキシアルカノエートが、前記ブレンドの総重量に対して0.05重量%と30重量%との間である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明なブレンド。
- 前記少なくとも1つのポリヒドロキシアルカノエートが、前記ブレンドの総重量に対して30重量%と50重量%との間である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明なブレンド。
- 前記少なくとも1つのポリヒドロキシアルカノエートが、式(II)のポリマまたはその立体異性体
であり、
式中、n、mまたはkは、各々独立して整数であり、
pおよびqは、整数であって、合計して3と17との間であり、
xおよびzは、整数であって、合計して4と17との間であり、かつ
R1およびR2の各々は、独立して水素またはメチルから選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の透明なブレンド。 - 前記少なくとも1つのポリヒドロキシアルカノエートが、式(III)のポリマ、またはその立体異性体
であって、
式中、e、fまたはgは、各々独立して整数であり、
cは、0と10との間の整数であり、
aは、0と10との間の整数であり、
ここでaまたはcのうち少なくとも1つは、2以上であり、
bおよびdは、0〜15から独立して選択される整数であり、かつ
R1およびR2の各々は、独立して水素またはメチルから選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の透明なブレンド。 - 前記少なくとも1つのポリヒドロキシアルカノエートがコポリマである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の透明なブレンド。
- 前記ポリ(アルキレンカーボネート)が、前記ポリ(アルキレンカーボネート)の総量に対して75モル%を超えて交互に存在する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の透明なブレンド。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の透明なブレンドを含む物品。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の透明なブレンドを製造するプロセスであって、少なくとも1つのポリ(アルキレンカーボネート)と、40%未満の結晶化度を有する少なくとも1つのポリヒドロキシアルカノエートとを混合するステップを包含し、ここで結晶化度が、10℃/分の加熱傾斜で−85℃〜200℃までサンプルを加熱すること、および以下の式Xc=(ΔHm/ΔH°PHB)×100を適用することによって測定されるとき、DSCによって決定され、ここでΔH°PHBは、146Jg−1であり、かつΔHmは、前記ポリヒドロキシアルカノエートの測定されたエンタルピである、プロセス。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の透明なブレンドを成形するステップを包含する、物品製造のためのプロセス。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載のブレンドを含む接着剤。
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