JP2018512485A - 直噴エンジン用潤滑剤組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、油だめに、潤滑粘度の油と過塩基性ナトリウム清浄剤とを含む潤滑剤組成物を供給することにより、火花点火式直噴式内燃機関における低速プレイグニッション事象を低減させる方法に関する。金属過塩基性清浄剤は、少なくとも5の金属比を有するスルホネート清浄剤、フェネート清浄剤、およびサリチレート清浄剤(特にスルホネート清浄剤)から選択され得る。本発明によりさらに、潤滑剤組成物が、無灰分散剤、無灰酸化防止剤、リン含有耐摩耗添加剤、摩擦調整剤、高分子粘度調整剤および過塩基性ナトリウム清浄剤のものとは異なる金属含有清浄剤から選択される少なくとも1つの他の添加剤をさらに含む、本明細書に記載の方法を提供する。

Description

発明の背景
開示した技術は内燃機関用の潤滑剤、特に火花点火式直噴エンジン用の潤滑剤に関する。
現代のエンジン設計は、性能または耐久性を犠牲にすることなく燃費が改善されるように開発されている。従来では、ガソリンはポート噴射式(port−fuel injected)(PFI)、すなわち、吸気によって噴射され、吸気弁により燃焼室内に進入する方式であった。ガソリン直噴(GDI)は燃焼室内へのガソリンの直接噴射を伴うものである。
特定の状況において、内燃機関は異常燃焼を示すことがあり得る。火花開始式内燃機関における異常燃焼は、点火装置以外の点火源による燃焼室内の可燃性要素の着火の結果、燃焼室内で起こる制御不能な爆発と理解され得る。
プレイグニッションは、点火装置による点火以前の空気−燃料混合物の着火に起因する異常な燃焼形態と理解され得る。燃焼室内の空気−燃料混合物が点火装置による点火以前に着火する場合はいずれも、このようなものはプレイグニッションと理解され得る。
特定の理論に拘束されないが、従来、プレイグニッションは、エンジンの高速運転中、シリンダーの燃焼室内の特定の箇所が、エンジンの高速運転中にグロープラグ(例えば、オーバーヒートしたスパークプラグの先端、オーバーヒートした金属のバリ)として充分に有効に機能して空気−燃料混合物が点火装置による点火以前に着火することを引き起こす点火源をもたらすのに充分に高温となり得る場合に発生していた。かかるプレイグニッションは、より一般的にはホットスポットプレイグニッションと称され得、単にホットスポットの位置を特定し、これを排除することによって抑止され得る。
つい最近、車両製造業者により、ターボチャージ式ガソリンエンジンの製造において、特に低速で中負荷から高負荷時に断続的な異常燃焼が観察された。より詳しくは、エンジンを3,000rpmより遅いかまたは3,000rpmに等しい速度および正味平均有効圧力(BMEP)が10バールより大きいかまたは10バールに等しい負荷の下で運転させた場合、低速プレイグニッション(LSPI)と称され得る状態が非常にランダムで確率論的な様式で発生し得る。
開示した技術により、直噴エンジンにおけるLSPI事象を、過塩基性ナトリウム清浄剤を含む潤滑剤を伴って該エンジンを運転させることにより低減させる、抑止するまたはさらには排除する方法を提供する。
発明の概要
開示した技術により、油だめに、潤滑粘度の油と過塩基性ナトリウム清浄剤とを含む潤滑剤組成物を供給することを含む、火花点火式直噴式内燃機関における低速プレイグニッション事象を低減させる方法を提供する。過塩基性ナトリウム清浄剤は、スルホネート清浄剤、フェネート清浄剤およびサリチレート清浄剤から選択され得(特にスルホネート清浄剤)、少なくとも25ppm(重量基準)のナトリウムかつ225ppm(重量基準)以下のナトリウムを送達する量で、潤滑組成物中に存在し得る。
本発明により、火花点火式直噴式内燃機関における低速プレイグニッション事象を低減させる方法であって、該内燃機関に、潤滑粘度の基油と金属過塩基性清浄剤とを含む潤滑剤組成物を供給することを含む方法を提供する。
本発明によりさらに、該内燃機関が、正味平均有効圧力(break mean effective pressure)(BMEP)が10バールより大きいかまたは10バールに等しい負荷の下で運転される、本明細書に記載の方法を提供する。
本発明によりさらに、該内燃機関が、3,000rpmより遅いかまたは3,000rpmに等しい速度で運転される、本明細書に記載の方法を提供する。
本発明によりさらに、該内燃機関が、液状炭化水素燃料、液状非炭化水素燃料またはそれらの混合物を燃料供給される、本明細書に記載の方法を提供する。
本発明によりさらに、該内燃機関が、天然ガス、液化石油ガス(LPG)、圧縮天然ガス(CNG)またはそれらの混合物によって燃料供給される、本明細書に記載の方法を提供する。
本発明によりさらに、過塩基性ナトリウム清浄剤が、スルホネート清浄剤、フェネート清浄剤、サリチレート清浄剤およびそれらの組合せの1つまたはそれより多くを含む、本明細書に記載の方法を提供する。
本発明によりさらに、潤滑剤組成物が、無灰分散剤、無灰酸化防止剤、リン含有耐摩耗添加剤、摩擦調整剤、高分子粘度調整剤および過塩基性ナトリウム清浄剤のものとは異なる金属含有清浄剤から選択される少なくとも1つの他の添加剤をさらに含む、本明細書に記載の方法を提供する。
本発明によりさらに、過塩基性ナトリウム清浄剤が、スルホネート清浄剤を含む、本明細書に記載の方法を提供する。
本発明によりさらに、過塩基性ナトリウム清浄剤が、サリチレート清浄剤を含む、本明細書に記載の方法を提供する。
本発明によりさらに、過塩基性ナトリウム清浄剤が、5〜30の金属比を有する、本明細書に記載の方法を提供する。
本発明によりさらに、過塩基性ナトリウム清浄剤が、潤滑剤組成物の0.2重量%から8重量%までの量で存在する、本明細書に記載の方法を提供する。
本発明によりさらに、潤滑組成物が、該組成物の0.5重量%から4重量%までの量でポリアルケニルスクシンイミド分散剤をさらに含む、本明細書に記載の方法を提供する。
本発明によりさらに、潤滑組成物が、少なくとも50重量%のグループIIの基油、グループIIIの基油またはそれらの混合物を含む、本明細書に記載の方法を提供する。
本発明によりさらに、過塩基性ナトリウム清浄剤が、硫黄連結型フェネート清浄剤を含む、本明細書に記載の方法を提供する。
本発明によりさらに、過塩基性ナトリウム清浄剤が、潤滑組成物に0.1重量%から0.9重量%までの硫酸灰分を提供するための量で存在する、本明細書に記載の方法を提供する。
本発明によりさらに、少なくとも10パーセントのLSPI事象の回数の減少がある、本明細書に記載の方法を提供する。
本発明によりさらに、低速プレイグニッション事象が100,000回の燃焼事象あたり20回未満のLSPI事象まで低減される、本明細書に記載の方法を提供する。
詳細な説明
種々の好ましい特徴および実施形態を、非限定的な実例によって以下に説明する。
上記のように、エンジンを3,000rpmより遅いかまたは3,000rpmに等しい速度および正味平均有効圧力(BMEP)が10バールより大きいかまたは10バールに等しい負荷の下で運転させた場合、エンジン内で低速プレイグニッション(LSPI)事象が発生し得る。LSPI事象は、1回またはそれより多くのLSPI燃焼サイクルからなるものであり得、一般的には連続様式または合間に正常な燃焼サイクルを伴う交互様式で発生する多数回のLSPI燃焼サイクルからなる。特定の理論に拘束されないが、LSPIは、例えば、ピストンのトップランドクレビス容積内またはピストンリング−ランドとリング−グルーブクレビスに蓄積され得る油滴(1滴もしくは複数)または油−燃料混合物の滴(1滴もしくは複数)またはその組合せの燃焼に起因し得る。潤滑油は、異常なピストンリング動作のため該油の下方のコントロールリングからピストントップランド領域に移動することがあり得る。低速、高負荷条件では、シリンダー内圧の力学(圧縮圧力および燃焼圧)は低負荷においてシリンダー内圧と、特に、燃焼位相と高いブースト圧およびピーク圧縮圧力(これはリング運動の力学に影響を及ぼし得る)との強い関連性のため、かなり異なり得る。
前述の負荷の際、LSPIは、その後にデトネーションおよび/または深刻なエンジンノックが付随して起こる場合があり得、すぐに(多くの場合、1〜5エンジンサイクル以内に)エンジンに深刻なダメージを引き起こし得る。エンジンノックは、点火装置による正常な火花がもたらされた後、複数火炎が存在し得ることを考慮すると、LSPIを伴って起こり得る。本発明の目的は、金属過塩基性清浄剤を含む潤滑剤をエンジンに供給することを含む、LSPI事象を抑止するまたは低減させる方法を提供することである。
本発明の一実施形態では、該内燃機関は500rpm〜3000rpm、または800rpm〜2800rpm、またはさらには1000rpm〜2600rpmの速度で運転される。さらに、該内燃機関は10バール〜30バールまたは12バール〜24バールの正味平均有効圧力で運転され得る。
LSPI事象は、比較的珍しいが、本質的に破滅的であり得る。したがって、直接燃料噴射エンジンの通常運転中または持続運転中のLSPI事象の劇的な低減またはさらには排除が望ましい。一実施形態において、本発明の方法は、100,000回の燃焼事象あたりにみられるLSPI事象が20回未満または100.000回の燃焼事象あたりにみられるLSPI事象が10回未満であるようなものである。一実施形態では、100.000回の燃焼事象あたりにみられるLSPI事象が5回未満、100.000回の燃焼事象あたりにみられるLSPI事象が3回未満であり得;または100.000回の燃焼事象あたりにみられるLSPI事象が0であり得る。
一実施形態において、本発明の方法により少なくとも10パーセント、または少なくとも20パーセント、または少なくとも30パーセント、または少なくとも50パーセントのLSPI事象の回数の低減がもたらされる。
燃料
本発明の方法は火花点火式内燃機関を運転させることを伴う。該内燃機関の運転条件および潤滑剤の組成に加えて、燃料の組成もLSPI事象に影響を及ぼし得る。一実施形態において、燃料は、周囲温度で液体であり、火花点火式エンジンへの燃料供給に有用な燃料、周囲温度でガス状である燃料またはそれらの組合せを構成するものであり得る。
液体燃料は、通常、周囲条件で、例えば室温(20〜30℃)で液体である。該燃料は炭化水素燃料、非炭化水素燃料またはそれらの混合物であり得る。
炭化水素燃料は、ASTM規格D4814によって定義されるガソリンであり得る。本発明の一実施形態では燃料はガソリンであり、他の実施形態では燃料は有鉛ガソリンまたは無鉛ガソリンである。
非炭化水素燃料は、アルコール、エーテル、ケトン、カルボン酸エステル、ニトロアルカンまたはそれらの混合物が包含される含酸素組成物であり得る(多くの場合、オキシゲネート(oxygenate)と称される)。非炭化水素燃料としては、例えば、メタノール、エタノール、メチルt−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、植物由来および動物由来のエステル交換油および/または脂、例えば、菜種メチルエステルおよびダイズメチルエステルならびにニトロメタンが挙げられ得る。炭化水素燃料と非炭化水素燃料の混合物としては、例えば、ガソリンとメタノールおよび/またはエタノールが挙げられ得る。本発明の一実施形態において、液体燃料はガソリンとエタノールの混合物であり、このとき、エタノール含有量は燃料組成物の少なくとも5容量パーセント、または該組成物の少なくとも10容量パーセント、または該組成物の少なくとも15容量パーセントもしくは15〜85容量パーセントである。一実施形態において、液体燃料は15容量%未満のエタノール含有量、10容量%未満のエタノール含有量、5容量%未満のエタノール含有量を含むか、またはエタノールを実質的に含有していないもの(すなわち、0.5容量%未満)である。
本発明のいくつかの実施形態において、燃料は、重量基準で5000ppmもしくはそれより少ない、1000ppmもしくはそれより少ない、300ppmもしくはそれより少ない、200ppmもしくはそれより少ない、30ppmもしくはそれより少ない、または10ppmもしくはそれより少ない硫黄分を有するものであり得る。別の実施形態では、燃料は重量基準で1〜100ppmの硫黄分を有するものであり得る。一実施形態において、燃料には約0ppm〜約1000ppm、約0〜約500ppm、約0〜約100ppm、約0〜約50ppm、約0〜約25ppm、約0〜約10ppmまたは約0〜5ppmのアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属またはそれらの混合物が含有されている。別の実施形態では、燃料には1〜10ppm(重量基準)のアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属またはそれらの混合物が含有されている。
ガス状燃料は、通常、周囲条件、例えば室温(20〜30℃)で気体である。好適なガス燃料としては、天然ガス、液化石油ガス(LPG)、圧縮天然ガス(CNG)またはそれらの混合物が挙げられる。一実施形態において、該内燃機関に天然ガスが燃料供給される。
本発明の燃料組成物はさらに、1種類またはそれより多くの性能添加剤を含むものであってもよい。性能添加剤は燃料組成物に、いくつかの要素、例えば内燃機関の型および該内燃機関に使用される燃料の型、燃料の品質ならびに該内燃機関を運転する使用条件に応じて添加され得る。一部の実施形態では、添加される性能添加剤は窒素無含有である。他の実施形態では、該さらなる性能添加剤は含窒素のものである。
性能添加剤としては、酸化防止剤、例えばヒンダードフェノールもしくはその誘導体および/またはジアリールアミンもしくはその誘導体;腐食防止剤、例えばアルケニルコハク酸;および/または清浄/分散添加剤、例えばポリエーテルアミンもしくは含窒素清浄剤、例えば限定されないがポリイソブチレン(PIB)アミン分散剤、マンニッヒ清浄剤、スクシンイミド分散剤、ならびにそのそれぞれの第4級アンモニウム塩が挙げられ得る。
性能添加剤としてはまた、低温流動性向上剤、例えば無水マレイン酸とスチレンのエステル化コポリマーおよび/またはエチレンと酢酸ビニルのコポリマー;消泡剤、例えばシリコーン液;抗乳化剤、例えばポリオキシアルキレンおよび/またはアルキルポリエーテルアルコール;潤滑剤、例えば脂肪カルボン酸、脂肪カルボン酸のエステルおよび/またはアミド誘導体、あるいはヒドロカルビル置換無水コハク酸のエステルおよび/またはアミド誘導体;金属不活性化剤、例えば芳香族トリアゾールまたはその誘導体、例えば限定されないが、ベンゾトリアゾール、例えばトリル(toly)トリアゾール;および/またはバルブシートリセッション用添加剤、例えばアルカリ金属スルホコハク酸塩も挙げられ得る。該性能添加剤としてはまた、殺生剤、静電気防止剤、除氷剤、流動化剤、例えば鉱油および/またはポリ(α−オレフィン)および/またはポリエーテル、ならびに燃焼向上剤、例えばオクタン価またはセタン価向上剤も挙げられ得る。
流動化剤はポリエーテルアミンまたはポリエーテル化合物であり得る。ポリエーテルアミンは式R[−OCHCH(R)]Aで表され得るものであり、式中、Rはヒドロカルビル基であり、Rは、水素、1〜16個の炭素原子のヒドロカルビル基およびそれらの混合物からなる群より選択され、nは2〜約50の数であり、Aは−−OCHCHCHNRおよび−−NRからなる群より選択され、ここで、各Rは独立して水素またはヒドロカルビルであり、各Rは独立して水素、ヒドロカルビルまたは−[RN(R)]であり、ここで、RはC〜C10アルキレンであり、RおよびRは独立して水素またはヒドロカルビルであり、pは1〜7の数である。
流動化剤はポリエーテルであり得、これは式RO[CHCH(R)O]Hで表され得るものであり、式中、Rはヒドロカルビル基であり、Rは、水素、1〜16個の炭素原子のヒドロカルビル基およびそれらの混合物からなる群より選択され、qは2〜約50の数である。流動化剤は米国特許第5,503,644号に記載のヒドロカルビル末端ポリ−(オキシアルキレン(alklene))アミノカルバメートであってもよい。流動化剤はアルコキシレートであってもよく、ここで、アルコキシレートは:(i)2つもしくはそれより多くのエステル末端基を含むポリエーテル;(ii)1つもしくはそれより多くのエステル基と1つもしくはそれより多くの末端エーテル基を含むポリエーテル;または(iii)1つもしくはそれより多くのエステル基と1つもしくはそれより多くの末端アミノ基を含むポリエーテルを含むものであり得、この場合、末端基は、ポリマーの末端から5個以内の連結炭素原子または連結酸素原子に存在する基と定義する。連結は、ポリマー内または末端基内の連結炭素原子と連結酸素原子の合計と定義する。
本発明の燃料添加剤組成物および燃料組成物に存在し得る性能添加剤としてはまた、ジカルボン酸(酒石酸など)および/またはトリカルボン酸(クエン酸など)をアミンおよび/またはアルコールと、任意選択で既知のエステル化触媒の存在下で反応させることにより調製されるジ−エステル、ジ−アミド、エステル−アミドおよびエステル−イミド摩擦調整剤も挙げられる。このような摩擦調整剤は、多くの場合、酒石酸、クエン酸またはその誘導体から誘導されるものであり、摩擦調整剤自体がその構造内に存在する有意な量の分枝状ヒドロカルビル基を有するように、分枝状であるアミンおよび/またはアルコールから誘導されるものであってもよい。このような摩擦調整剤を調製するために使用される好適な分枝状アルコールの例としては、2−エチルヘキサノール、イソトリデカノール、ゲルベアルコールまたはそれらの混合物が挙げられる。
種々の実施形態において、燃料組成物は、以下の表に記載の組成を有するものであり得る:
Figure 2018512485
潤滑粘度の油
潤滑組成物は潤滑粘度の油を含む。かかる油としては、天然油および合成油、水素化分解、水素化および水素化仕上げにより得られる油、未精製油、精製油、再精製油またはそれらの混合物が挙げられる。未精製油、精製油および再精製油のさらに詳細な説明は、国際公開WO2008/147704の段落[0054]〜[0056]に示されている(同様の開示が米国特許出願公開第2010/0197536号に示されており、[0072]〜[0073]を参照のこと)。天然および合成の潤滑剤のさらに詳細な説明はWO2008/147704のそれぞれ段落[0058]〜[0059]に記載されている(同様の開示が米国特許出願公開第2010/0197536号に示されており、[0075]〜[0076]を参照のこと)。また、合成油はフィッシャー・トロプシュ反応によって作製されるものであってもよく、典型的には水素化異性化フィッシャー・トロプシュ炭化水素またはワックスであり得る。一実施形態において、油は、フィッシャー・トロプシュ・ガス・ツー・リキッド合成手順によって調製されるものならびに他のガス・ツー・リキッド油であり得る。
また、潤滑粘度の油は、“Appendix E − API Base Oil Interchangeability Guidelines for Passenger Car Motor Oils and Diesel Engine Oils”の2008年4月版,セクション1.3の小見出し1.3.“Base Stock Categories”に明記されたとおりに定義されるものであり得る。このAPI Guidelinesは米国特許US7,285,516にも要約されている(第11欄第64行〜第12欄第10行参照)。一実施形態において、潤滑粘度の油はAPIグループII、グループIIIもしくはグループIVの油またはそれらの混合物であり得る。5つの基油グループは以下のとおりである:
Figure 2018512485
存在する潤滑粘度の油の量は、典型的には、100重量%(wt%)から本発明の化合物とその他の性能添加剤の量の合計を減算した後の残部である。
潤滑組成物は濃縮物および/または完全配合潤滑剤の形態であり得る。本発明の潤滑組成物(本明細書に開示した添加剤を含む)が、完成潤滑剤の全体または一部を構成するためにさらなる油と合わされ得る濃縮物の形態である場合、潤滑粘度の油および/または希釈油に対するこのような添加剤の比としては1:99〜99:1(重量基準)または80:20〜10:90(重量基準)の範囲が挙げられる。
一実施形態において、基油は、100℃において2mm/s(センチストーク−cSt)〜16mm/s、3mm/s〜10mm/s、またはさらには4mm/s〜8mm/sの動粘度を有するものである。
基油が溶剤として作用する能力(すなわち、溶解力)は、直接燃料噴射式エンジンの運転中のLSPI事象の頻度の増大における寄与因子であり得る。基油の溶解力は、無添加基油が極性構成成分に対して溶剤として作用する能力として測定され得る。一般に、基油の溶解力は、基油グループがグループIからグループIV(PAO)に移行するにつれて低下する。すなわち、基油の溶解力は、所与の動粘度の油について以下のとおりにランク付けされ得る:グループI>グループII>グループIII>グループIV。また、基油の溶解力は、基油グループ内で粘度が上がるにつれて低下し;低粘度の基油は高粘度の同様の基油よりも良好な溶解力を有する傾向にある。基油の溶解力をアニリン点によって測定してもよい(ASTM D611)。
一実施形態において、基油は少なくとも30wt%のグループIIまたはグループIIIの基油を含む。別の実施形態では、基油は少なくとも60重量%のグループIIもしくはグループIIIの基油、または少なくとも80wt%のグループIIもしくはグループIIIの基油を含む。一実施形態において、潤滑剤組成物は20wt%未満のグループIV(すなわち、ポリアルファオレフィン)基油を含む。別の実施形態では、基油は10wt%未満のグループIVの基油を含む。一実施形態において、潤滑組成物はグループIVの基油を実質的に含有していない(すなわち、含有されているのは0.5wt%未満)。
エステルベース流体(ester base fluid)は、グループVの油として特徴づけられるものであり、その極性の性質の結果、高レベルの溶解力を有する。低レベル(典型的には、10wt%未満)のエステルを潤滑組成物に添加することにより、得られる基油混合物の溶解力が有意に増大し得る。エステルは2つのカテゴリー:合成系と天然系に大別され得る。エステルベース流体は、100℃においてエンジンオイル潤滑剤における使用に適した動粘度、例えば2cSt〜30cStまたは3cSt〜20cStまたはさらには4cSt〜12cStの動粘度を有するものであり得る。
合成エステルには、ジカルボン酸(例えば、フタル酸、コハク酸、アルキルコハク酸およびアルケニルコハク酸、マレイン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、アジピン酸、リノール酸二量体、マロン酸、アルキルマロン酸およびアルケニルマロン酸)とさまざまな一価アルコールのいずれか(例えば、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、ドデシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノエーテルおよびプロピレングリコール)のエステルが含まれ得る。このようなエステルの具体例としては、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)、フマル酸ジ−n−ヘキシル、セバシン酸ジオクチル、アゼライン酸ジイソオクチル、アゼライン酸ジイソデシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジデシル、セバシン酸ジエイコシル、リノール酸二量体の2−エチルヘキシルジエステル、および1モルのセバシン酸と2モルのテトラエチレングリコールと2モルの2−エチルヘキサン酸を反応させることにより形成される複合エステルが挙げられる。他の合成エステルとしては、C5〜C12モノカルボン酸とポリオールとポリオールエーテル、例えばネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールおよびトリペンタエリスリトールから作製されるものが挙げられる。また、エステルはモノ−カルボン酸と一価アルコールのモノエステルであってもよい。
天然(または生物由来の)エステルは、石油または等価な原料に由来する物質とは相違する再生可能な生物学的供給源、生物体または実体に由来する物質をいう。天然エステルとしては、脂肪酸トリグリセリド、加水分解もしくは部分加水分解トリグリセリド、またはエステル交換トリグリセリドエステル、例えば脂肪酸メチルエステル(もしくはFAME)が挙げられる。好適なトリグリセリドとしては、限定されないが、パーム油、ダイズ油、ヒマワリ油、菜種油、オリーブ油、アマニ油および関連物質が挙げられる。他のトリグリセリド源としては、限定されないが、藻類、動物獣脂および動物性プランクトンが挙げられる。天然のトリグリセリドからバイオ潤滑剤を作製する方法は、例えば米国特許出願公開第2011/0009300A1号に記載されている。
一実施形態において、潤滑組成物は少なくとも2wt%のエステルベース流体を含む。一実施形態では、本発明の潤滑組成物は少なくとも4wt%のエステルベース流体、または少なくとも7wt%のエステルベース流体、またはさらには少なくとも10wt%のエステルベース流体を含む。
過塩基性ナトリウム清浄剤
金属過塩基性清浄剤(これ以外には過塩基性清浄剤、金属含有過塩基性清浄剤または超塩基性塩と称される)は、金属と特定の酸性有機化合物(すなわち金属と反応する基質)との化学量論に従う中和に必要な金属含有量より多くの金属含有量によって特徴づけられる。過塩基性ナトリウム清浄剤は、非含硫フェネート、含硫フェネート、スルホネート、サリチレートおよびそれらの混合物の1つまたはそれより多くを含み得る。
超過した金属の量は、一般に金属に対する基質の比によって表される。専門用語「金属比」は、先行技術および本明細書において、過塩基性塩における金属の全化学当量の、過塩基化されるヒドロカルビル置換された有機酸;ヒドロカルビル置換されたフェノールまたはその混合物と、塩基性金属化合物との公知の化学反応性および2つの反応物の化学量論に従った反応から結果として生じると考えられる塩における金属の化学当量に対する比を定義するのに用いられる。従って、正塩または中性塩(すなわち、石けん)において、金属比は1であり、過塩基性塩において、金属比は1より大きく、特に1.3より大きい。本発明の過塩基性ナトリウム清浄剤は、5〜30の金属比、または7〜22の金属比、または少なくとも11の金属比を有し得る。
ナトリウム含有清浄剤としてはまた、フェネート成分および/またはスルホネート成分を含む混合界面活性剤系、例えば、フェネート−サリチレート、スルホネート−フェネート、スルホネート−サリチレート、スルホネート−フェネート−サリチレートを用いて形成される「ハイブリッド」清浄剤も挙げられ得る(例えば、米国特許第6,429,178号;同第6,429,179号;同第6,153,565号;および同第6,281,179号に記載)。例えば、ハイブリッドスルホネート/フェネート清浄剤が使用される場合、該ハイブリッド清浄剤は、それぞれ同量のフェネートセッケンおよびスルホネートセッケンが導入される個々のフェネート清浄剤およびスルホネート清浄剤の量と等価量であるとみなされる。過塩基性フェネートおよびサリチレートは典型的には、180〜450の全塩基価(TBN)を有するものである。過塩基性スルホネートは典型的には、250〜600または300〜500の全塩基価を有するものである。過塩基性清浄剤は当該技術分野で公知である。
アルキルフェノールは、多くの場合、過塩基性清浄剤中の構成要素および/または過塩基性清浄剤のためのビルディングブロックとして用いられる。アルキルフェノールは、フェネート、サリチレート、サリキサレートもしくはサリゲニン清浄剤またはそれらの混合物を調製するために用いられ得る。好適なアルキルフェノールとしては、パラ置換されたヒドロカルビルフェノールが挙げられ得る。ヒドロカルビル基は、1〜60個の炭素原子、8〜40個の炭素原子、10〜24個の炭素原子、12〜20個の炭素原子または16〜24個の炭素原子の直鎖状または分枝状の脂肪族基であり得る。一実施形態において、アルキルフェノール過塩基性清浄剤は、p−ドデシルフェノールを含有していない、または実質的に含有していない(すなわち、0.1重量%未満含有する)アルキルフェノールまたはその混合物から調製される。一実施形態において、本発明の潤滑組成物は、0.3重量%未満のアルキルフェノール、0.1重量%未満のアルキルフェノール、または0.05重量%未満のアルキルフェノールを含有する。
過塩基性ナトリウム清浄剤は、フェネート、含硫フェネート、スルホネート、サリキサレートおよびサリチレートの塩であり得る。一実施形態において、過塩基性ナトリウム清浄剤は、少なくとも25ppm(重量基準)のナトリウム、少なくとも50ppm(重量基準)のナトリウムまたは少なくとも85ppm(重量基準)のナトリウムを潤滑組成物に送達する量で存在し得る。一実施形態において、過塩基性ナトリウム清浄剤は、225ppm(重量基準)以下のナトリウム、200ppm(重量基準)以下のナトリウム、200ppm(重量基準)以下のナトリウム、185ppm(重量基準)以下のナトリウムまたは150ppm(重量基準)以下のナトリウムを潤滑組成物に送達する量で存在し得る。
一実施形態において、潤滑組成物は、本発明の過塩基性ナトリウム清浄剤に加えて、少なくとも1つのナトリウムを含まない金属含有清浄剤を含む。ナトリウムを含まない過塩基性金属含有清浄剤は、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩であり得る。一実施形態において、過塩基性清浄剤は、フェネート、含硫フェネート、スルホネート、サリキサレートおよびサリチレートのカルシウム塩、マグネシウム塩またはそれらの混合物であり得る。一実施形態において、ナトリウムを含まない過塩基性清浄剤は、カルシウム清浄剤、マグネシウム清浄剤またはそれらの混合物である。一実施形態において、過塩基性カルシウム清浄剤は、少なくとも500ppm(重量基準)のカルシウムおよび2000ppm(重量基準)以下のカルシウム、または少なくとも700ppm(重量基準)のカルシウム、または少なくとも1100ppm(重量基準)のカルシウムまたは1700ppm(重量基準)以下のカルシウムを潤滑組成物に送達する量で存在し得る。一実施形態において、1つまたはそれより多くのナトリウムを含まない過塩基性清浄剤は、1200ppm(重量基準)以下、または800ppm(重量基準)以下、または600ppm(重量基準)以下、または200ppm(重量基準)以下または45ppm(重量基準)以下のマグネシウムを潤滑組成物に送達する量で存在し得る。一実施形態において、潤滑組成物は、過塩基性清浄剤から結果として生じるマグネシウムを本質的に含有していない(すなわち、10ppm未満含有する)。一実施形態において、少なくとも1つのナトリウムを含まない過塩基性清浄剤は、少なくとも200ppm(重量基準)のマグネシウム、または少なくとも450ppm(重量基準)のマグネシウム、または少なくとも700ppm(重量基準)のマグネシウムを潤滑組成物に送達する量で存在し得る。一実施形態において、ナトリウム過塩基性清浄剤に加えて、カルシウムとマグネシウムの両方を含む清浄剤が、潤滑組成物中に存在し得る。ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム清浄剤は、ナトリウム:カルシウム:マグネシウムの重量比が1:9:0〜4:6:0、または1:8:1〜2:4:4または1:0:9〜4:2:4であるように、存在し得る。
一実施形態において、スルホネート清浄剤は、主に、少なくとも8の金属比を有する直鎖状アルキルベンゼンスルホネート清浄剤であり得る(米国特許出願公開第2005/065045号(そして米国特許第7,407,919号として特許付与)の段落[0026]〜[0037]に記載)。直鎖状アルキルベンゼンスルホネート清浄剤は、燃費の改善の補助に特に有用であり得る。直鎖状アルキル基はベンゼン環に、該アルキル基の直鎖上のどこで結合されてもよいが、多くの場合では該直鎖の2、3または4位、一部の場合では主に2位に結合され、直鎖状アルキルベンゼンスルホネート清浄剤を得る。
サリチレート清浄剤および過塩基性サリチレート清浄剤は、少なくとも2つの異なる様式で調製され得る。p−アルキルフェノールのカルボニル化(カルボキシル化とも称される)は、米国特許第8,399,388号を含む多くの参考文献に記載される。カルボニル化に続いて過塩基化して、過塩基性サリチレート清浄剤を形成し得る。好適なp−アルキルフェノールとしては、1〜60個の炭素原子の直鎖状および/または分枝状ヒドロカルビル基を有するp−アルキルフェノールが挙げられる。サリチレート清浄剤はまた、サリチル酸のアルキル化と続く過塩基化によって調製され得る(米国特許第7,009,072号に記載のとおり)。この様式で調製されるサリチレート清浄剤は、6〜50個の炭素原子、10〜30個の炭素原子または14〜24個の炭素原子を含有する直鎖状および/または分枝状アルキル化剤(通常1−オレフィン)から調製され得る。一実施形態において、本発明の過塩基性清浄剤は、サリチレート清浄剤である。一実施形態において、本発明のサリチレート清浄剤は、未反応のp−アルキルフェノールを含有していない(すなわち、0.1重量%未満含有する)。一実施形態において、本発明のサリチレート清浄剤は、サリチル酸のアルキル化によって調製される。
金属含有過塩基性清浄剤は、0.2wt%〜15wt%、または0.3wt%〜10wt%、または0.3wt%〜8wt%または0.4wt%〜3wt%で存在し得る。例えば、ヘビーデューティディーゼルエンジンでは、該清浄剤は潤滑組成物の2wt%〜3wt%で存在し得る。乗用車のエンジンには、該清浄剤は潤滑組成物の0.2wt%〜1wt%で存在し得る。
金属含有清浄剤は、潤滑組成物に硫酸灰分を与える。硫酸灰分はASTM D874によって測定され得る。一実施形態において、本発明の潤滑組成物は、該組成物全体に対して少なくとも0.4重量パーセントの硫酸灰分が送達される量で、金属含有清浄剤を含む。別の実施形態では、金属含有清浄剤は、潤滑組成物に対して少なくとも0.6重量パーセントの硫酸灰分、または少なくとも0.75重量パーセントの硫酸灰分、またはさらには少なくとも0.9重量パーセントの硫酸灰分が送達される量で存在する。一実施形態において、金属含有過塩基性清浄剤は、潤滑組成物に対して0.1重量%〜0.8重量%の硫酸灰分が送達される量で存在する。
灰分とTBNに加えて、過塩基性清浄剤は、清浄剤石けん(detergent soap)(中性清浄剤塩(neutral detergent salt)とも称される)を潤滑組成物に与える。石けんは基質の金属塩であり、潤滑組成物において界面活性剤として作用し得る。一実施形態において、潤滑組成物は、0.05重量%〜1.5重量%の清浄剤石けんまたは0.1重量%〜0.9重量%の清浄剤石けんを含む。一実施形態において、潤滑組成物は0.5重量%以下の清浄剤石けんを含む。過塩基性清浄剤は、5:1〜1:2.3、または3.5:1〜1:2、または2.9:1〜1:1:7の灰分:石けんの重量比を有し得る。
他の性能添加剤
本発明の組成物は、必要に応じて1つまたはそれより多くのさらなる性能添加剤を含み得る。これらのさらなる性能添加剤として、金属不活性化剤、粘度調整剤、酸化防止剤、摩擦調整剤、耐摩耗剤、腐食防止剤、分散剤、分散性粘度調整剤、極圧剤、酸化防止剤(本発明のもの以外)、消泡剤、抗乳化剤、流動点降下剤、シール膨潤剤の1つまたはそれより多くおよびそれらの任意の組合せまたは混合物が挙げられ得る。典型的には、完全配合潤滑油は、これらの性能添加剤の1つまたはそれより多く、多くの場合、複数の性能添加剤のパッケージを含有する。
一実施形態において、本発明により、分散剤、耐摩耗剤、分散性粘度調整剤、摩擦調整剤、粘度調整剤、酸化防止剤、清浄剤(本発明のものとは異なる)またはそれらの組合せをさらに含む潤滑組成物を提供し、ここで、列挙した添加剤の各々は、上記種類の添加剤の2つまたはそれより多くの混合物であり得る。一実施形態において、本発明により、ポリイソブチレンスクシンイミド分散剤、耐摩耗剤、分散性粘度調整剤、摩擦調整剤、粘度調整剤(典型的にはエチレン−プロピレンコポリマーなどのオレフィンコポリマー)、酸化防止剤(フェノール系酸化防止剤およびアミン系酸化防止剤を含む)、過塩基性清浄剤(過塩基性スルホネートおよび過塩基性フェネートを含む)またはそれらの組合せをさらに含む潤滑組成物を提供し、ここで、列挙した添加剤の各々は、上記種類の添加剤の2つまたはそれより多くの混合物であり得る。
一実施形態において、本発明により、無灰酸化防止剤をさらに含む潤滑組成物を提供する。無灰酸化防止剤は、アリールアミン、ジアリールアミン、アルキル化アリールアミン、アルキル化ジアリールアミン、フェノール、ヒンダードフェノール、硫化オレフィンの1つもしくはそれより多くまたはそれらの混合物を含み得る。一実施形態において、潤滑組成物は、酸化防止剤またはその混合物を含む。該酸化防止剤は、潤滑組成物の0wt%〜15wt%、または0.1wt%〜10wt%、または0.5wt%〜5wt%、または0.5wt%〜3wt%または0.3wt%〜1.5wt%で存在し得る。
ジアリールアミンまたはアルキル化ジアリールアミンは、フェニル−α−ナフチルアミン(PANA)、アルキル化ジフェニルアミンもしくはアルキル化フェニルナフチル(napthyl)アミンまたはそれらの混合物であり得る。アルキル化ジフェニルアミンとしては、ジ−ノニル化ジフェニルアミン、ノニルジフェニルアミン、オクチルジフェニルアミン、ジ−オクチル化ジフェニルアミン、ジ−デシル化ジフェニルアミン、デシルジフェニルアミンおよびそれらの混合物が挙げられ得る。一実施形態において、ジフェニルアミンとしては、ノニルジフェニルアミン、ジノニルジフェニルアミン、オクチルジフェニルアミン、ジオクチルジフェニルアミンまたはそれらの混合物が挙げられ得る。一実施形態では、アルキル化ジフェニルアミンとしては、ノニルジフェニルアミンまたはジノニルジフェニルアミンが挙げられ得る。アルキル化ジアリールアミンとしては、オクチルフェニルナフチルアミン、ジ−オクチルフェニルナフチルアミン、ノニルフェニルナフチルアミン、ジ−ノニルフェニルナフチルアミン、デシルフェニルナフチルアミンまたはジ−デシルフェニルナフチルアミンが挙げられ得る。
本発明のジアリールアミン酸化防止剤は、重量基準で本潤滑組成物の0.1%〜10%、0.35%〜5%、またはさらには0.5%〜2%で存在し得る。
フェノール系酸化防止剤はシンプルアルキルフェノール、ヒンダードフェノールまたは連結型フェノール系化合物であり得る。
ヒンダードフェノール酸化防止剤は、多くの場合、立体障害性基として第2級ブチルおよび/または第3級ブチル基を含む。フェノール基は、ヒドロカルビル基(典型的には、直鎖状もしくは分枝状のアルキル)および/または第2の芳香族基に連結している橋かけ基でさらに置換されていてもよい。好適なヒンダードフェノール酸化防止剤の例としては、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−エチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−プロピル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノールもしくは4−ブチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−ドデシル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、または3−(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸ブチルが挙げられる。一実施形態において、ヒンダードフェノール酸化防止剤はエステルであり得、例えばIrganox(商標)L−135(Ciba製)が挙げられ得る。
連結型フェノールは、多くの場合、アルキレン基と連結されてビスフェノール化合物を形成している2つのアルキルフェノールを含む。好適な連結型フェノール化合物の例としては、4,4’−メチレンビス−(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,2’−ビス−(6−t−ブチル−4−ヘプチルフェノール);4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、および2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)が挙げられる。
本発明のフェノールにはまた、多価芳香族化合物およびその誘導体も包含される。好適な多価芳香族化合物の例としては、没食子酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシナフトエ酸、3,7−ジヒドロキシナフトエ酸のエステルおよびアミドならびにそれらの混合物が挙げられる。
一実施形態において、フェノール系酸化防止剤はヒンダードフェノールを含む。別の実施形態では、ヒンダードフェノールが、2,6−ジtertブチルフェノールから誘導される。
一実施形態において、本発明の潤滑組成物は、潤滑組成物の0.01wt%〜5wt%、または0.1wt%〜4wt%、または0.2wt%〜3wt%、または0.5wt%〜2wt%の範囲でフェノール系酸化防止剤を含む。
硫化オレフィンは周知の市販の物質であり、実質的に窒素無含有である、すなわち、窒素官能基が含まれていないものが容易に入手可能である。硫化されたものであり得るオレフィン系化合物は性質が多様である。該化合物は少なくとも1つのオレフィン性二重結合(これは非芳香族性二重結合と定義する;すなわち、2個の脂肪族炭素原子を連結しているもの)を含む。このような物質は一般的に、1〜10個、例えば1〜4個または1個もしくは2個の硫黄原子を有するスルフィド結合を有するものである。
無灰酸化防止剤は別々に、または組合せで使用され得る。本発明の一実施形態では、2種類またはそれより多くの異なる酸化防止剤が組合せで、該少なくとも2種類の酸化防止剤の各々が少なくとも0.1重量パーセント存在するように使用され、このとき、無灰酸化防止剤の合計量は0.5〜5重量パーセントである。一実施形態では、各無灰酸化防止剤が少なくとも0.25〜3重量パーセント存在し得る。
一実施形態において、本発明により、モリブデン化合物をさらに含む潤滑組成物を提供する。モリブデン化合物は、ジアルキルジチオリン酸モリブデン、ジチオカルバミン酸モリブデン、モリブデン化合物のアミン塩およびそれらの混合物からなる群より選択され得る。モリブデン化合物により潤滑組成物に0〜1000ppm、または5〜1000ppm、または10〜750ppm、または5ppm〜300ppm、または20ppm〜250ppmのモリブデンがもたらされ得る。
本発明の組成物における使用のための好適な分散剤としてはスクシンイミド分散剤が挙げられる。一実施形態において、分散剤は1種類の分散剤として存在し得る。一実施形態では、分散剤は2種類または3種類の異なる分散剤の混合物として存在し得、このとき、少なくとも1種類はスクシンイミド分散剤であり得る。
スクシンイミド分散剤は脂肪族ポリアミンの誘導体またはそれらの混合物であり得る。脂肪族ポリアミンは脂肪族ポリアミン、例えば、エチレンポリアミン、プロピレンポリアミン、ブチレンポリアミンまたはそれらの混合物であり得る。一実施形態において、脂肪族ポリアミンはエチレンポリアミンであり得る。一実施形態では、脂肪族ポリアミンは、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、さらにポリアミンスチルボトム(polyamine still bottom)、およびそれらの混合物からなる群より選択され得る。
分散剤は、N−置換長鎖アルケニルスクシンイミドであり得る。N−置換長鎖アルケニルスクシンイミドの例として、ポリイソブチレンスクシンイミドが挙げられる。典型的には、ポリイソブチレン(ポリイソブチレンコハク酸無水物が、そこから誘導される)は、350〜5000または550〜3000または750〜2500の数平均分子量を有する。スクシンイミド分散剤およびその調製は、例えば米国特許第3,172,892号;同第3,219,666号;同第3,316,177号;同第3,340,281号;同第3,351,552号;同第3,381,022号;同第3,433,744号;同第3,444,170号;同第3,467,668号;同第3,501,405号;同第3,542,680号;同第3,576,743号;同第3,632,511号;同第4,234,435号;米国再発行特許発明第26,433号;および米国特許第6,165,235号;同第7,238,650号、ならびに欧州特許第0355895B1号に開示されている。
また、分散剤を、任意のさまざまな剤との反応による慣用的な方法によって後処理してもよい。中でも、このようなものは、ホウ素化合物、尿素、チオ尿素、ジメルカプトチアジアゾール、二硫化炭素、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、炭化水素置換無水コハク酸、無水マレイン酸、ニトリル、エポキシドおよびリン化合物である。
分散剤は、潤滑組成物の0.01wt%〜20wt%、または0.1wt%〜15wt%、または0.1wt%〜10wt%、または1wt%〜6wt%で存在し得る。
一実施形態において、本発明の潤滑組成物は分散粘度調整剤をさらに含む。分散粘度調整剤は、潤滑組成物の0wt%〜5wt%、または0wt%〜4wt%、または0.05wt%〜2wt%で存在し得る。
好適な分散粘度調整剤としては、官能基化されたポリオレフィン、例えば、アシル化剤、例えば無水マレイン酸およびアミンを用いて官能基化されたエチレン−プロピレンコポリマー;アミンを用いて官能基化されたポリメタクリレート、またはアミンと反応されたエステル化スチレン−無水マレイン酸コポリマーが挙げられる。分散粘度調整剤のさらに詳細な説明は、国際公開WO2006/015130または米国特許第4,863,623号;同第6,107,257号;同第6,107,258号;および同第6,117,825号に開示されている。一実施形態において、分散粘度調整剤としては、米国特許第4,863,623号(第2欄第15行〜第3欄第52行参照)または国際公開WO2006/015130(第2頁、段落[0008]参照、調製例は段落[0065]〜[0073]に記載されている)に記載のものが挙げられ得る。
一実施形態において、本発明により、リン含有耐摩耗剤をさらに含む潤滑組成物を提供する。典型的には、リン含有耐摩耗剤は、ジアルキルジチオリン酸亜鉛であり得る。ジアルキルジチオリン酸亜鉛は、当該分野で公知である。耐摩耗剤は、潤滑組成物の0wt%〜3wt%、または0.1wt%〜1.5wt%、または0.5wt%〜0.9wt%で存在し得る。
一実施形態において、本発明により、摩擦調整剤をさらに含む潤滑組成物を提供する。摩擦調整剤の例としては、アミン、脂肪エステルもしくはエポキシドの長鎖脂肪酸誘導体;脂肪イミダゾリン、例えば、カルボン酸とポリアルキレン−ポリアミンの縮合生成物;アルキルリン酸のアミン塩;脂肪アルキルタルトレート;脂肪アルキルタルトリミド(fatty alkyl tartrimide);または脂肪アルキルタルトラミド(fatty alkyl tartramide)が挙げられる。脂肪(fatty)という用語は、本明細書で用いる場合、C8〜22の直鎖状アルキル基を有することを意味し得る。
摩擦調整剤にはまた、硫化された脂肪化合物およびオレフィン、ジアルキルジチオリン酸モリブデン、ジチオカルバミン酸モリブデン、ヒマワリ油またはポリオールと脂肪族カルボン酸のモノエステルなどの物質も包含され得る。
一実施形態では、摩擦調整剤は、アミン、長鎖脂肪エステルまたは長鎖脂肪エポキシドの長鎖脂肪酸誘導体;脂肪イミダゾリン;アルキルリン酸のアミン塩;脂肪アルキルタルトレート;脂肪アルキルタルトリミド;および脂肪アルキルタルトラミドからなる群より選択され得る。摩擦調整剤は、潤滑組成物の0wt%〜6wt%、または0.05wt%〜4wt%、または0.1wt%〜2wt%で存在し得る。
一実施形態において、摩擦調整剤は長鎖脂肪酸エステルであり得る。別の実施形態では、長鎖脂肪酸エステルはモノエステルもしくはジエステルまたはそれらの混合物であり得、別の実施形態では、長鎖脂肪酸エステルはトリグリセリドであり得る。
腐食防止剤などの他の性能添加剤としては、米国特許出願US05/038319(WO2006/047486として公開)の第5段落〜第8段落に記載のもの、オクチルオクタンアミド、ドデセニルコハク酸または無水物の縮合生成物、およびポリアミンを有する脂肪酸(例えばオレイン酸)が挙げられる。一実施形態において、腐食防止剤としてはSynalox(登録商標)(Dow Chemical Companyの登録商標)腐食防止剤が挙げられる。Synalox(登録商標)腐食防止剤はプロピレンオキシドのホモポリマーまたはコポリマーであり得る。Synalox(登録商標)腐食防止剤は、Dow Chemical Companyによって発行された製品カタログに型番118−01453−0702 AMSで、さらに詳細に説明されている。この製品カタログのタイトルは「SYNALOX Lubricants,High−Performance Polyglycols for Demanding Applications」である。
潤滑組成物にはさらに、金属不活性化剤、例えば、ベンゾトリアゾール(典型的にはトリルトリアゾール)の誘導体、ジメルカプトチアジアゾール誘導体、1,2,4−トリアゾール、ベンゾイミダゾール、2−アルキルジチオベンゾイミダゾール、または2−アルキルジチオベンゾチアゾール;消泡剤、例えば、アクリル酸エチルとアクリル酸2−エチルヘキシルのコポリマーおよびアクリル酸エチルとアクリル酸2−エチルヘキシルと酢酸ビニルのコポリマー;抗乳化剤、例えば、リン酸トリアルキル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドおよび(エチレンオキシド−プロピレンオキシド)ポリマー;ならびに流動点降下剤、例えば、無水マレイン酸−スチレンのエステル、ポリメタクリレート、ポリアクリレートまたはポリアクリルアミドが含められ得る。
本発明の組成物に有用であり得る流動点降下剤としてはさらに、ポリアルファオレフィン、無水マレイン酸−スチレンのエステル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアクリレートまたはポリアクリルアミドが挙げられる。
種々の実施形態において、潤滑組成物は以下の表に記載の組成を有するものであり得る:
Figure 2018512485
本発明は、燃焼室への直接ガソリン噴射に起因するプレイグニッション事象により運転中のエンジンに対するダメージを抑制することができるという驚くべき能力を提供する。これは、ますます厳しくなっている政府の規制によって求められる、燃費性能、低い硫酸灰分レベル、改善された堆積制御、および他の制限が維持されたまま達成される。
上記のように、本発明により、内燃機関に本明細書に開示した潤滑組成物を供給することを含む、内燃機関を潤滑する方法を提供する。一般的に、該潤滑剤は内燃機関の潤滑システムに添加され、次いで、該システムが潤滑組成物を、該内燃機関の運転中に潤滑が必要とされるその重要なパーツに送達する。
上記の潤滑組成物は内燃機関に使用され得る。エンジン部材は鋼鉄またはアルミニウムの表面(典型的には、鋼鉄の表面)を有するものであり得、また、例えばダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティングでコーティングされていてもよい。
アルミニウム表面は、共晶または過共晶アルミニウム合金(例えば、ケイ酸アルミニウム、酸化アルミニウムまたは他のセラミック材料から誘導されるもの)であり得るアルミニウム合金で構成されたものであり得る。アルミニウム表面は、アルミニウム合金またはアルミニウム複合材を有するシリンダーボア、シリンダーブロックまたはピストンリング上に存在し得る。
内燃機関には排出物質浄化装置またはターボチャージャーが取り付けられ得る。排出物質浄化装置の例としては、ディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)または選択接触還元(SCR)が使用されたシステムが挙げられる。
本発明の内燃機関はガスタービンと相違する。内燃機関では、個々の燃焼事象は線形の往復運動の力がロッドおよびクランクシャフトによって回転トルクに変換される。対照的に、ガスタービン(これはジェットエンジンとも称され得る)では、連続燃焼プロセスによって回転トルクが変換を伴うことなく連続的に発生し、また、排出口にスラストも発生する場合があり得る。このようなガスタービンと内燃機関の運転条件の違いにより、異なる運転環境およびストレスがもたらされる。
内燃機関用の潤滑剤組成物は、硫黄、リンまたは硫酸灰分(ASTM D−874)含有量に関係なく、任意のエンジン潤滑剤に好適であり得る。該エンジンオイル用潤滑剤の硫黄分は1wt%もしくはそれより少ない、または0.8wt%もしくはそれより少ない、または0.5wt%もしくはそれより少ない、または0.3wt%もしくはそれより少ない量であり得る。一実施形態において、硫黄分は0.001wt%〜0.5wt%または0.01wt%〜0.3wt%の範囲であり得る。リン含有量は0.2wt%もしくはそれより少ない、または0.12wt%もしくはそれより少ない、または0.1wt%もしくはそれより少ない、または0.085wt%もしくはそれより少ない、または0.08wt%もしくはそれより少ない、またはさらには0.06wt%もしくはそれより少ない、0.055wt%もしくはそれより少ない、または0.05wt%もしくはそれより少ない量であり得る。一実施形態では、リン含有量は100ppm〜1000ppmまたは200ppm〜600ppmであり得る。総硫酸灰分含有量は2wt%もしくはそれより少ない、または1.5wt%もしくはそれより少ない、または1.1wt%もしくはそれより少ない、または1wt%もしくはそれより少ない、または0.8wt%もしくはそれより少ない、または0.5wt%もしくはそれより少ない、または0.4wt%もしくはそれより少ない量であり得る。一実施形態において、硫酸灰分含有量は0.05wt%〜0.9wt%、または0.1wt%〜0.2wt%もしくは〜0.45wt%であり得る。
一実施形態において、潤滑組成物はエンジンオイルであってもよく、この場合、該潤滑組成物は(i)0.5wt%もしくはそれより少ない硫黄分、(ii)0.1wt%もしくはそれより少ないリン含有量、(iii)1.5wt%もしくはそれより少ない硫酸灰分含有量の少なくとも1つ、またはそれらの組合せを有すると特徴づけられ得る。
実施例
さらに本発明を、特に好都合な実施形態を示す以下の実施例によって例示する。本実施例は本発明を例示するために示しているが、本実施例は本発明を限定することを意図するものではない。
潤滑組成物
潤滑粘度のグループIIの基油で一連の5W−20エンジン潤滑剤を、上記の添加剤ならびに慣用的な添加剤、例えば高分子粘度調整剤、無灰スクシンイミド分散剤、過塩基性清浄剤、酸化防止剤(フェノール系エステルとジアリールアミンの組合せ)、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)、ならびに下記の表1の他の性能添加剤を含有させて調製する。また、一部において、各実施例がこれらの物質を同様の量で有し、したがって比較例と本発明の実施例との適正な比較がなされていることを示すために、各実施例のリン含有量、硫黄分および灰分も表中に示す。
Figure 2018512485
1−特に記載のない限り、上記に示した量はすべて、単位:重量パーセントであり、オイルフリーベースである。
2−Caスルホネート1:520のオイルフリーTBNを有する過塩基性カルシウムスルホネート;10の金属比
3−Caスルホネート2:690のオイルフリーTBNを有する過塩基性カルシウムスルホネート;18の金属比
4−Caスルホネート3:160のオイルフリーTBNを有する過塩基性カルシウムスルホネート;2.8の金属比
5−Caフェネート:200のオイルフリーTBNを有する「中性」カルシウムフェネート;1.2の金属比
6−Naスルホネート:650のオイルフリーTBNを有する過塩基性Naスルホネート
7−Mgスルホネート:600のオイルフリーTBNを有する過塩基性Mgスルホネート
8−アルキル化ジアリールアミン酸化防止剤とヒンダードフェノール酸化防止剤との組合せ
9−分散剤:2000 Mn PIBから調製されたPIBスクシンイミド
10−本実施例で使用したさらなる添加剤には摩擦調整剤、流動点降下剤、消泡剤、腐食防止剤が含まれ、若干量の希釈油も含まれる。
Figure 2018512485
1−特に記載のない限り、上記に示した量はすべて、単位:重量パーセントであり、オイルフリーベースである。
2−Caスルホネートは、少なくとも300のTBNと少なくとも10の金属比とを有する1種類またはそれより多くの過塩基性カルシウムアルキルベンゼンスルホン酸である。
3−約600のTBNを有する過塩基性マグネシウムスルホネート
4−約200のTBNを有する硫黄連結型フェネートのカルシウム塩
5−無灰酸化防止剤−ノニル化ジフェニルアミンおよびジノニル化ジフェニルアミン、ヒンダードフェノールエステルならびに硫化オレフィンの混合物
6−本実施例で使用したさらなる添加剤には摩擦調整剤、流動点降下剤、消泡剤、腐食防止剤が含まれ、若干量の希釈油も含まれる。
試験
低速プレイグニッション事象を2種類のエンジン、Ford 2.0L EcoboostエンジンとGM 2.0L Ecotecにおいて測定する。これらのエンジンはどちらもターボチャージ式ガソリン直噴(GDI)エンジンである。Ford Ecoboostエンジンは2段階で運転させる。第1段階では、エンジンを1500rpmおよび14.4バールの正味平均有効圧力(BMEP)で運転させる。第2段階中は、エンジンを1750rpmおよび17.0バールのBMEPで運転させる。各段階でエンジンを25,000回の燃焼サイクルで実験し、LSPI事象をカウントする。
GM Ecotecエンジンを100℃の油だめの温度において2000rpmで22.0バールのBMEPにて運転する。この試験は、9相の15,000回の燃焼サイクルからなり、各相間に休止期間を設ける。したがって、燃焼事象を135,000回にわたる燃焼サイクルにおいてカウントする。
LSPI事象は、シリンダー内のチャージ燃料のピークシリンダー圧(PP)と質量燃焼割合(MFB)をモニタリングすることにより測定する。両方の基準がみたされたとき、LSPI事象が発生したと判定する。ピークシリンダー圧の閾値は典型的には9,000〜10,000kPaである。MFBの閾値は典型的には、チャージ燃料の少なくとも2%が遅れて、すなわち上死点後(ATDC)5.5度のときに燃焼するようなものである。LSPI事象は、100,000回の燃焼サイクルあたりの事象数、1サイクルあたりの事象数および/または事象1回あたりの燃焼サイクル数として報告され得る。
Figure 2018512485
該データは、1重量パーセント未満の総清浄剤灰分における低減は、LSPI事象における低減という結果になることを示す。カルシウム清浄剤のナトリウム清浄剤および必要に応じたマグネシウム清浄剤への部分的な置き換えにより、LSPI事象における観測された低減も提供する。加えて、スルホネート清浄剤のフェネートベースの清浄剤への部分的な置き換えは、観測できるLSPI事象における低減という結果になった。
上記の物質の一部のものは最終配合物中で相互作用する場合があり得ることが公知であり、そのため、最終配合物の成分は最初に添加したものと異なっている場合があり得る。これによって形成される製品、例えば本発明の潤滑剤組成物をその意図された用途に使用すると形成される製品は説明が容易にできない場合があり得る。とはいえ、かかる変形例および反応生成物はすべて本発明の範囲に含まれ;本発明は、上記の成分を混合することにより調製される潤滑剤組成物を包含している。
上記で言及した文献は各々、引用により本明細書に組み込まれ、本出願が恩典を主張する優先権書類およびすべての関連出願(あれば)も引用により本明細書に組み込まれる。本実施例を除き、またはそうでないことを明示している場合を除き、物質の量、反応条件、分子量、炭素原子の数などを指定する本記載における数量はすべて、「約」という語で修飾されていると理解されたい。特に記載のない限り、本明細書で言及している各化学物質または組成物は、異性体、副生成物、誘導体および市販品等級品に存在していると通常理解されている他のかかる物質を含有している場合があり得る市販品等級の物質であると解釈されたい。しかしながら、特に記載のない限り、各化学成分の量は、市販の物質中に慣用的に存在し得る任意の溶媒または希釈油を除いて示している。本明細書に示した量、範囲および比率の上限値および下限値は独立して組み合わされ得ることを理解されたい。同様に、本発明の各要素に関する範囲および量は、その他の要素のいずれかに関する範囲または量と一緒に使用され得る。
本明細書で用いる場合、用語「ヒドロカルビル置換基」または「ヒドロカルビル基」は、その通常の意味で用いており、当業者に周知である。具体的には、これは、分子の残部に直接結合される炭素原子を有し、主として炭化水素の特性を有する基をいう。ヒドロカルビル基の例としては、i)炭化水素置換基、すなわち、脂肪族(例えば、アルキルまたはアルケニル)、脂環式(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル)置換基、ならびに芳香族置換、脂肪族置換および脂環式置換芳香族置換基、ならびに環が分子の別の部分によって完成する環状置換基(例えば、2つの置換基が一体になって環を形成している);(ii)置換炭化水素置換基、すなわち、非炭化水素基(これは、本発明の解釈上、該置換基の主として炭化水素の性質を改変しないものである)(例えば、ハロ(特に、クロロおよびフルオロ)、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルメルカプト、ニトロ、ニトロソならびにスルホキシ)を含有している置換基;(iii)ヘテロ置換基、すなわち、本発明の解釈上の主として炭化水素の特性を有しているとともに、炭素以外のものを、炭素以外のものがない(otherwise)炭素原子で構成された環内または鎖中に含有している置換基が挙げられる。
ヘテロ原子としては硫黄、酸素および窒素が挙げられ、ピリジル、フリル、チエニルおよびイミダゾリルとしての置換基が包含される。一般に、2つより多くない、好ましくは1つより多くない非炭化水素置換基がヒドロカルビル基内の炭素原子10個毎に存在する;典型的には、ヒドロカルビル基に非炭化水素置換基は存在していない。
本発明をその好ましい実施形態に関して説明したが、当業者には、本明細書を読むとその種々の変形例が自明となることは理解されよう。したがって、本明細書に開示した発明は、添付の特許請求の範囲の範囲に含まれるかかる変形例も包含していることを意図していることは理解されよう。

Claims (18)

  1. 火花点火式直噴式内燃機関における低速プレイグニッション事象を低減させる方法であって、該内燃機関に、潤滑粘度の基油と、25ppm〜225ppm(重量基準)のナトリウムを潤滑剤組成物に送達する量で過塩基性ナトリウム清浄剤とを含む潤滑剤組成物を供給することを含む、方法。
  2. 前記内燃機関が、正味平均有効圧力(BMEP)が10バールより大きいかまたは10バールに等しい負荷のもとで運転される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記内燃機関が、3,000rpmより遅いかまたは3,000rpmに等しい速度で運転される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記内燃機関が、液状炭化水素燃料、液状非炭化水素燃料またはそれらの混合物を燃料供給される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記内燃機関が、天然ガス、液化石油ガス(LPG)、圧縮天然ガス(CNG)またはそれらの混合物によって燃料供給される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記過塩基性ナトリウム清浄剤が、スルホネート清浄剤、フェネート清浄剤、サリチレート清浄剤の1つもしくはそれより多く、およびそれらの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記潤滑剤組成物がさらに、無灰分散剤、無灰酸化防止剤、リン含有耐摩耗添加剤、摩擦調整剤、高分子粘度調整剤およびナトリウム以外の金属含有清浄剤から選択される他の添加剤を少なくとも1つ含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記過塩基性ナトリウム清浄剤がスルホネート清浄剤を含む、請求項6に記載の方法。
  9. 前記過塩基性ナトリウム清浄剤がサリチレート清浄剤を含む、請求項6に記載の方法。
  10. 前記過塩基性ナトリウム清浄剤が5〜30の金属比を有する、請求項1に記載の方法。
  11. 前記過塩基性ナトリウム清浄剤が、前記潤滑剤組成物の0.2重量%から8重量%までの量で存在する、請求項1に記載の方法。
  12. カルシウム清浄剤、マグネシウム清浄剤、またはそれらの組合せから選択される少なくとも1つの金属含有清浄剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記潤滑組成物が、前記組成物の0.5重量%から4重量%までの量でポリアルケニルスクシンイミド分散剤をさらに含む、請求項3に記載の方法。
  14. 前記潤滑組成物が、少なくとも50重量%の、グループIIの基油、グループIIIの基油またはそれらの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
  15. 前記過塩基性ナトリウム清浄剤が、硫黄連結型フェネート清浄剤を含む、請求項1に記載の方法。
  16. 前記過塩基性ナトリウム清浄剤が、前記潤滑組成物に0.1重量%から0.9重量%までの硫酸灰分を提供するための量で存在する、請求項1に記載の方法。
  17. 少なくとも10パーセントのLSPI事象の回数の減少がある、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記低速プレイグニッション事象が100,000回の燃焼事象あたり20回未満のLSPI事象まで低減される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
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