JP2018510015A - 改善された組織センシングに基づくエレクトロポレーションのためのシステム及び方法 - Google Patents

改善された組織センシングに基づくエレクトロポレーションのためのシステム及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018510015A
JP2018510015A JP2017550938A JP2017550938A JP2018510015A JP 2018510015 A JP2018510015 A JP 2018510015A JP 2017550938 A JP2017550938 A JP 2017550938A JP 2017550938 A JP2017550938 A JP 2017550938A JP 2018510015 A JP2018510015 A JP 2018510015A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tissue
probe
distal end
central
central probe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017550938A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6860497B2 (ja
JP2018510015A5 (ja
Inventor
バーラミ,アーリア
デニソン,アンディー,イー.
ヘイドン,クリストファー,エス.
コノリー,リチャード,ジェー.
ピアス,ロバート,エイチ.
ブラウン,ダグラス,ダブリュー.
ジョンソン,エリック,ティー.
ラグランド,ロバート,アール.
キャンベル,ジーン
Original Assignee
オンコセック メディカル インコーポレイテッド
オンコセック メディカル インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by オンコセック メディカル インコーポレイテッド, オンコセック メディカル インコーポレイテッド filed Critical オンコセック メディカル インコーポレイテッド
Publication of JP2018510015A publication Critical patent/JP2018510015A/ja
Publication of JP2018510015A5 publication Critical patent/JP2018510015A5/ja
Priority to JP2021054127A priority Critical patent/JP2021094467A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6860497B2 publication Critical patent/JP6860497B2/ja
Priority to JP2023003552A priority patent/JP2023029619A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N1/00Electrotherapy; Circuits therefor
    • A61N1/18Applying electric currents by contact electrodes
    • A61N1/32Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents
    • A61N1/327Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents for enhancing the absorption properties of tissue, e.g. by electroporation
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N1/00Electrotherapy; Circuits therefor
    • A61N1/02Details
    • A61N1/025Digital circuitry features of electrotherapy devices, e.g. memory, clocks, processors
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N1/00Electrotherapy; Circuits therefor
    • A61N1/02Details
    • A61N1/04Electrodes
    • A61N1/0404Electrodes for external use
    • A61N1/0408Use-related aspects
    • A61N1/0412Specially adapted for transcutaneous electroporation, e.g. including drug reservoirs
    • A61N1/0416Anode and cathode
    • A61N1/0424Shape of the electrode

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Surgical Instruments (AREA)
  • Electrotherapy Devices (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Abstract

EPシステムを使用する細胞または組織のエレクトロポレーション(EP)の間にEPパルスパラメータを制御する適応制御方法は、EPパルスパラメータを含むEPパルスパラメータを最適化するように適応制御のためのシステムを提供することと、電圧及び電流励磁信号を細胞に印加することと、電流及び電圧測定からデータを取得することと、データを処理して所望のデータを望ましくないデータと区別することと、所望のデータから関連する特徴を抽出することと、関連する特徴の少なくとも一部をトレーニングされた診断モデルに適用することと、適用された関連する特徴の結果に基づいてEPパルシングパラメータを推定することであって、EPパルシングパラメータを最適化するように、初期化されたEPパルシングパラメータがトレーニングされたモデル及び関連する特徴に基づく、推定することと、発生器によって、第1のパルシングパラメータに基づいて第1のEPパルスを印加することと、を含む。【選択図】図1

Description

関連出願との参照
本出願は、2015年9月4日に出願された「SYSTEM AND METHOD FOR OPTIMIZED ELECTROPORATION」と題する米国仮特許出願第62/214,807号及び2015年9月4日に出願された「SYSTEM AND METHOD FOR OPTIMIZED CATHETER−BASED ELECTROPORATION」と題する米国仮特許出願第62/214,872号に基づく優先権を主張し、これらはそれぞれ2015年3月31日に出願された「FOCUSED PULSE ADDITION ELECTROPORATION」と題する米国仮特許出願第62/141,142号、2015年3月31日に出願された「ELECTROCHEMICAL TISSUE SENSING」と題する米国仮特許出願第62/141,182号、2015年3月31日に出願された「ALL−IN−ONE DEVICE FOR IMPROVED THERAPEUTIC AGENT DELIVERY」と題する米国仮特許出願62/141,256号、及び2015年3月31日に出願された「DEVICE FOR IMPROVED THERAPEUTIC AGENT DELIVERY」と題する米国仮特許出願第62/141,164号の関連出願であり、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に明白に組み込まれている。
本発明は、一般に、エレクトロポレーションプロセスを改善し、細胞の透過性を増加させるための制御システムの使用に関し、より具体的には、細胞穿孔療法(CPT)及び電気化学療法(ECT)としても知られるエレクトロポレーション療法(EPT)による治療部分の細胞への送達のための制御された電界の最適化された適用のための方法及び装置に関する。
電界を使用して、永久的な損傷をもたらすことなく細胞に細孔を作り出すことができることが1970年代に発見された。この発見は、細胞の細胞質への大分子の挿入を可能にした。薬理学的化合物などの治療部分は、エレクトロポレーションとして知られるプロセスによって生細胞内に組み込むことができることが既知である。遺伝子または他の分子が生細胞中に注入され、高電界の短パルスが印加される。過渡的に細胞膜に細孔が作られ、遺伝子または分子が細胞に進入し、それらはそこで細胞のゲノムを修飾することができる。
化学療法での特定の種類の癌の治療において、容認できない多くの数の正常細胞を殺滅することなく癌細胞を殺滅するのに十分に高用量の薬物を使用する必要がある。化学療法剤を癌細胞中に直接挿入することができれば、この目的は達成される。いくつかの抗癌剤、例えばブレオマイシンは、通常、特定の癌細胞の膜を効果的に通過することができない。しかしながら、エレクトロポレーションによって、ブレオマイシンを細胞中に挿入することが可能になる。
治療は、典型的には、抗癌剤を腫瘍中に直接注入し、電極対の間で腫瘍に電界を印加することによって行われる。電界の強度は、腫瘍の細胞のエレクトロポレーションが、任意の正常または健常細胞への損傷を伴わず、または少なくとも最小限の損傷で生じるように、適度に正確に調節しなければならない。これは、通常、外部腫瘍では、電界が電極の間にあるように腫瘍の両側に電極を印加することによって容易に行うことができる。電界が均一となったときに電極間の距離を測定することができ、式E=V/dに従い好適な電圧を電極に印加することができる(E=電界強度(V/cm);V=電圧(ボルト);及びd=距離(cm))。大きい腫瘍または内部腫瘍が治療される場合、電極を適当に位置付け、その間の距離を測定することは容易ではない。
細胞穿孔療法を使用する対象の治療は、抗癌剤または細胞傷害剤の投与に典型的に関連付けられる有害作用を回避する手段を提供する。かかる治療は、周囲の健常細胞または組織を回避しながら望ましくない細胞を選択的に損傷または殺滅するためのこれらの薬剤の導入を可能にする。しかしながら、エレクトロポレーション技法の使用における1つの問題は、疾患組織、とりわけ癌性組織は、非常に不均質であり得、エレクトロポレーション条件の調節が必要とされる。したがって、本発明は、組織損傷を最小化しながら所望の組織のエレクトロポレーションを最大化するための、EPのための適応制御方法と組み合わせた電気化学インピーダンス分光分析法の使用を提供する。
したがって、各EPパルス前及びその間に得られる腫瘍特異測定によってEPプロセスを最適化するために、組織センシングに基づくフィードバックを使用する制御システムを実装する必要がある。
いくつかの実施形態に従い、エレクトロポレーション(EP)パルスパラメータを最適化するように、EPデバイスを使用する細胞及び組織のEPの間に適応制御を提供するためのシステムは、測定デバイス、初期化モジュール、発生器、制御器、及びメモリモジュールを備える。測定デバイスは、細胞及び組織の誘電特性及び導電特性を測定するように構成され、組織に印加された励磁信号及びEPパルスのそれぞれから生じる組織間の電圧を測定する電圧センサを含む。初期化モジュールは、細胞または組織においてエレクトロポレーションを実施するためのEPパルシングパラメータを初期化するように構成され、初期化されたEPパルシングパラメータは、少なくとも1つのトレーニングされたモデルに少なくとも部分的に基づく。発生器は、励磁信号及びEPパルスのうちの少なくとも1つを組織に印加するように構成されている。測定デバイスの電圧センサ及び電流センサは、励磁信号の印加に応じた組織の細胞間の電圧及び電流を測定する。制御器は、励磁信号及びEPパルスのうちの少なくとも1つに対応する、測定デバイスからの測定されたセンサデータに関する信号を受け取り、データを少なくとも1つのトレーニングされたモデルに当てはめ、データを処理して診断及び最新制御パラメータにするように構成されている。制御器は、電流及び電圧測定からのデータに関する前記信号を受け取り、データを処理して所望のデータを望ましくないデータと区別するための前処理モジュールと、所望のデータから関連する特徴を抽出するための特徴抽出モジュールと、所望のデータの関連する特徴の少なくとも一部を少なくとも1つのトレーニングされた診断モデルに適用するための診断モジュールと、測定されたデータ、診断モジュール、及び特徴抽出モジュールのうちの少なくとも1つの結果に基づいて、初期化されたパルシングパラメータ及び後続のパルシングパラメータのうちの少なくとも1つを推定するためのパルスパラメータ推定モジュールと、を備える。メモリモジュールは、制御器による特徴抽出のための所望のデータ及び望ましくないデータ、センサデータ、ならびにトレーニングされたモデルを格納する。
いくつかの実施形態では、EPデバイスは、中心プローブ、アプリケータ、及び少なくとも2つの逆帯電エレクトロポレーション電極(EPE)を備える。中心プローブは、少なくとも中心内腔を画定し、近位端部から遠位端部に延出し、中心プローブの少なくとも一部は、組織への治療部分の送達のためのチャネルを作り出すための螺旋幾何学形状を有する。中心プローブの一部は、螺旋幾何学形状に沿って位置付けられた少なくとも1つの吐出口を有する。中心プローブの近位端部は、中心プローブに送達された治療部分を受け取るように構成され、中心プローブの遠位端部は、組織への治療部分の送達のための開口部を画定するように開放され、組織を貫通するように構成された形状を有する。アプリケータは、中心プローブを少なくとも部分的に収容し、遠位端部を有し、該遠位端部を通して中心プローブの一部がアプリケータの外側に延出して組織と接触し、かつアプリケータ内に引っ込むように構成されている。少なくとも2つの逆帯電EPEは、組織を囲んで位置付けられるように構成され、近位端部から遠位端部に延出するように適合されている。遠位端部は、組織を貫通するように構成された針形状を有する。測定デバイスはEPEに結合し、EPEは発生器に結合して、EPパルスのための励磁信号及び電気波形のうちの少なくとも1つを受け取るように適合されている。
いくつかの実施形態では、EPデバイスは、中心プローブ、少なくとも1つのチャネリングワイヤ、傾斜板、電気コネクタ、小口径コネクタ、ハンドル、及び少なくとも2つの逆帯電電極を備える。中心プローブは、少なくとも中心内腔を画定し、近位端部及び遠位閉端部を有する。遠位端部の先端は、組織を貫通するように構成された針形状を有し、遠位端部から所定の位置に位置付けられた少なくとも1つの出口ポートを有する。出口ポートは、中心内腔を中心プローブの外側に流体接続する。該少なくとも1つのチャネリングワイヤは、中心内腔内に位置付けられ、中心内腔内で摺動可能であり、中心プローブ内に位置付けられた近位端部、及び出口ポートを介して中心プローブの外側に延出し中心内腔内に引っ込むように構成された遠位端部を有する。チャネリングワイヤの遠位端部の先端は、組織を貫通し、かつ開口部を画定するように構成された形状を有し、該開口部を通してチャネリングワイヤの少なくとも一部が組織に進入して流体チャネルを作り出し、該流体チャネルを通して治療部分が組織に送達される。治療部分は、中心内腔から出口ポートを介してチャネルへと送達される。傾斜板は、中心プローブの内面と一体で形成されているか、またはそれに結合し、内面は、中心内腔を画定し、傾斜板は、チャネリングワイヤと接触し、かつそれを中心プローブから中心プローブの外側に退出するように誘導するように構成されている。電気コネクタは、中心プローブ及びチャネリングワイヤを発生器に電気的に接続する。治療部分の送達のために中心プローブに接続された小口径コネクタ。ハンドルは、電気コネクタを少なくとも部分的に収容し、中心プローブ及びチャネリングワイヤの近位端部に結合して中心プローブ及びチャネリングワイヤの遠位端部の貫通の深度を容易にする。該少なくとも2つの逆帯電電極は、組織を囲んで位置付けられるように構成され、近位端部から遠位端部に延出する。遠位端部の先端は、組織を貫通するように構成された針形状を有する。電極は、発生器に結合し、発生器から少なくとも1つの電気波形を受け取り、少なくとも1つの励磁信号及び少なくとも1つのEPパルスを組織に供給するように適合されている。測定デバイスは、電極に結合している。
いくつかの実施形態では、EPデバイスは、カニューレ及び閉塞具を含むトロカール、少なくとも2つの逆帯電電極、ならびに中心プローブを備える。カニューレは、近位端部から遠位開端部に延出し、閉塞具を受けるように構成された第1の内腔を画定する。閉塞具は、近位端部から遠位端部に延出する。遠位端部は、皮膚を貫通し、体腔内に進入し、かつ経路を形成するように構成された鋭く尖った形状を有し、該経路を通してカニューレが体腔内に少なくとも部分的に挿入され得る。閉塞具は、第1の内腔内で摺動可能であるように構成され、閉塞具の遠位端部は、カニューレの遠位開端部を通して第1の内腔の外側に延出するように構成されている。少なくとも2つの逆帯電電極は、アンカーの遠位端部に引き込み可能に配置され、組織を囲んで位置付けられるように構成されている。測定デバイスは電極に結合し、電極は発生器に結合して、発生器から少なくとも1つの電気波形を受け取り、かつ少なくとも1つの励磁信号及びEPパルスをゾーンに供給するように適合されている。中心プローブは、アンカーの遠位端部に引き込み可能に配置され、中心内腔を画定し、アンカーの遠位端部から延出する内面を有する。中心プローブの少なくとも一部は、組織への治療部分の送達のためのチャネルを作り出すように構成された螺旋幾何学形状を有する。中心プローブの遠位端部は、組織を貫通するように構成された形状を有し、組織への治療部分の送達のために開口部を画定するように開放されている。
いくつかの実施形態では、EPデバイスは、エレクトロポレーション(EPE)のアレイ、電気測定電極(EME)のアレイを備え、EPE及びEMEはずらされているエレクトロポレーションワンド収容部、及び第1の内腔を画定する少なくとも1つの注入プローブを備えるワンド送達システムを備える。注入プローブは、その近位端部から遠位端部に延出し、細長い円筒形状を有する。注入プローブの遠位端部は、針形状を有し、細胞へ治療部分を送達するために開放されている。発生器は、EPEのアレイに複数の波形でEPパルスを供給するように構成され、EMEのアレイに複数の波形で励磁信号を供給するように構成されている。EPデバイスは、EPEのアレイ及びEMEを発生器に電気的に接続する電気コネクタ、及び電気コネクタと発生器との間のスイッチング機構をさらに備える。
いくつかの実施形態では、EPE及びEMEはどちらもEPEとして構成され、すなわち、電極は全て、EPと電気化学インピーダンス分光(EIS)モードとの間で切り替えることができるEPEである。発生器は、EPEに、EPモードにおいて複数の波形でEPパルスを供給し、EISモードにおいて複数の波形で励磁信号を供給するように構成され、測定デバイスはEPEに結合し、スイッチング機構は、発生器をEISモードとEPモードとの間で切り替えるように適合されている。
いくつかの実施形態に従い、EPシステムを使用する細胞または組織のエレクトロポレーション(EP)の間にEPパルスパラメータを制御する適応制御方法は、a)本明細書に記載されるEPデバイスのいずれか1つと、b)細胞または組織においてEPを実施するためのEPパルスパラメータを前記初期化モジュールによって初期化することであって、初期化されたEPパルスパラメータが、少なくとも1つのトレーニングされたモデルに少なくとも部分的に基づく、初期化することと、c)電圧及び電流励磁信号を発生器によって細胞及び組織に印加し、印加された励磁信号に対応する細胞及び組織間の電圧及び電流を測定デバイスによって測定することと、d)制御器によって電流及び電圧測定からのデータを取得し、データを処理して所望のデータを望ましくないデータと区別することと、e)制御器によって所望のデータから関連する特徴を抽出することと、f)制御器によって、所望のデータの関連する特徴の少なくとも一部を少なくとも1つのトレーニングされた診断モデルに適用することと、g)制御器によって、トレーニングされたモデルに適用された関連する特徴の結果に基づいてEPパルシングパラメータを推定することであって、EPパルシングパラメータを最適化するように、初期化されたEPパルシングパラメータが少なくとも1つのトレーニングされたモデル及び関連する特徴に基づく、推定することと、h)第1のパルシングパラメータに基づいて、発生器によって第1のEPパルスを印加することと、を含む。
いくつかの実施形態では、適応制御方法は、第1のEPパルスが印加された後に、制御器によって、前のEPパルス及び印加されたEPパルス間の関連する特徴のうちの少なくとも1つにおける変化に基づいて、トレーニングされたモデルを使用して後続のEPパルシングパラメータを予測することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、適応制御方法は、制御器によって、印加に部分的に基づいて診断応答を生成することをさらに含む。診断応答は、a)組織検出、b)腫瘍型検出、c)針位置付け検出、d)共局在検出、及びe)細胞透過処理検出を含む。
いくつかの実施形態では、適応制御方法は、f)発生器によって、後続のEPパルシングパラメータに基づいて後続のEPパルスを印加することと、g)電圧及び電流励磁信号を印加することを繰り返し、細胞または組織を測定することを繰り返し、データを取得すること及び所望のデータを望ましくないデータと区別することを繰り返し、関連する特徴を抽出することを繰り返し、適用することを繰り返すことであって、これらをi)EPパルスシーケンスまたはEPパルスのサイクルの所定の限界数が達成されるまで、またはii)診断応答が、適応制御方法を終了する診断決定を促すまで、繰り返すことと、をさらに含む。
いくつかの実施形態では、適応制御方法は、メモリモジュール内に所望のデータを格納することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、該少なくとも1つのトレーニングされたモデルは、固定EPパルスパラメータを使用するEPシステムの初期動作の間に認められた経験的データを使用してトレーニングされる。
いくつかの実施形態では、適応制御方法は、印加された励磁信号から生じる細胞及び組織の誘電特性及び導電特性を判定することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、誘電特性及び導電特性は、固定周波数域内で繰り返される帯域制限信号を印加することによって判定される。
いくつかの実施形態では、適応制御方法は、データの品質を評価するために測定されたデータが取得される測定デバイスの電流及び電圧センサを有効化することであって、測定されたデータの品質を統計学的に分析することを含む、有効化することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、所望のデータを望ましくないデータと区別することは、a)センサ信号のノイズ除去することと、b)センサ信号から直流(DC)バイアスを除去することと、c)標準値に基づいてデータをスケーリングすることであって、標準値は標準偏差を含む、スケーリングすることと、d)平均フィルタリング、及びe)データから外れ値を除去することとのうちの少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態では、該特徴は、細胞内抵抗、細胞外抵抗、溶液抵抗、膜電気容量、アドミタンス、定位相要素指数、及び充電時定数からなる群から選択される電圧及び電流信号の振幅及び位相測定のパラメトリックモデル適合から得られる。
いくつかの実施形態では、細胞及び組織に印加された電圧及び電流信号の振幅及び位相測定のパラメトリックモデル適合は、励磁電圧及び電流信号をメモリモジュール内に格納された既知の参照信号と相互相関することによって判定される。
いくつかの実施形態では、細胞または組織の誘電特性及び導電特性は、細胞または組織に印加された励磁電圧及び電流の振幅比及び位相差によって判定される。
いくつかの実施形態では、該特徴は、例示電圧及び電流信号の振幅比または位相差から得られる。該特徴は、a)固定周波数での励磁電圧及び電流信号の振幅比及び位相差の値と、b)i)狭周波数帯域での前記励磁電圧及び電流信号振幅の振幅比または位相差、及びii)広周波数帯域での励磁電圧及び電流信号振幅位相の振幅比または位相差の平均値、中央値、最大値、及び最小値のうちの少なくとも1つと、c)周波数に関連する励磁電圧及び電流信号の振幅比または位相差の曲率、勾配、及びノイズと、を含む。
いくつかの実施形態に従い、対象の組織における細胞のエレクトロポレーション(EP)のためのシステムは、a)i)エレクトロポレーション電極(EPE)のアレイ、及びii)電気化学インピーダンス分光(EIS)電極(EISE)のアレイを備え、EPE及びEISEはずらされているエレクトロポレーションワンド収容部と、b)EPEのアレイに複数の波形で電気信号を供給するように構成されたEP電源と、c)EISEのアレイに複数の波形で電気信号を供給するよう構成されたEIS電源と、d)EPEのアレイを該EP電源に電気的に接続する電気コネクタと、e)EISEのアレイを該EIS電源に電気的に接続する電気コネクトと、を備える。
いくつかの実施形態に従い、システムは、細胞に治療部分を送達するように構成されたワンド送達システムをさらに備え、送達システムは、第1の内腔を画定する少なくとも1つの注入プローブを備え、注入プローブはその近位端部から遠位端部に延出し、細長い円筒形状を有し、注入プローブの遠位端部は針形状を有し、細胞へ治療部分を送達するために開放されている。
いくつかの実施形態に従い、対象の組織における細胞のエレクトロポレーション(EP)のためのシステムは、a)電極のアレイを備えるエレクトロポレーションワン収容部と、b)電極のアレイに複数の波形で電気信号を供給するように構成されたEP電源と、c)電極のアレイに複数の波形で電気信号を供給するように構成されたEIS電源と、d)電極のアレイをEP電源に電気的に接続する電気コネクタと、e)電極のアレイをEIS電源に電気的に接続する電気コネクタと、f)電気コネクタと電源との間のスイッチング機構と、g)EISセンサと、を備える。
いくつかの実施形態では、システムは、細胞に治療部分を送達するように構成されたワンド送達システムをさらに備え、送達システムは、第1の内腔を画定する少なくとも1つの注入プローブを備え、注入プローブはその近位端部から遠位端部に延出し、細長い円筒形状を有し、注入プローブの遠位端部は針形状を有し、細胞へ治療部分を送達するために開放されている。
いくつかの実施形態では、電極は、皮膚を貫通し、かつ電界ゾーン内で細胞と接触するように構成された針である。
いくつかの実施形態では、電極は、非貫通接触である。
いくつかの実施形態に従い、患者における組織の細胞をエレクトロポレーションするための方法は、a)本発明に記載されるEPシステムのうちのいずれか1つを提供することと、b)組織内に電極を挿入することと、c)EIS電源からの少なくとも1つの電圧パルスをEIS電極に印加して組織パラメータを判定することと、d)電子信号処理デバイスを使用してエレクトロポレーションに使用される電圧パルスを計算することと、e)組織内に挿入されたEP電極アレイ中の複数の電極対の間に少なくとも1つの電圧パルスを印加して、組織における細胞のエレクトロポレーションを引き起こすのに十分な電界を組織の細胞内に確立することと、を含む。
いくつかの実施形態では、該方法は、a)細胞に治療部分(TM)を送達するように構成されたワンド送達システムを提供することであって、送達システムは、第1の内腔を画定する少なくとも1つの注入プローブを備え、注入プローブはその近位端部から遠位端部に延出し、細長い円筒形状を有し、注入プローブの遠位端部は針形状を有し、細胞へ治療部分を送達するために開放されている、提供することと、b)細胞にTMを送達することと、をさらに含む。
いくつかの実施形態では、TMは、エレクトロポレーションの前に、それと同時に、またはその後のいずれかに送達される。
いくつかの実施形態では、TMは、組織内に局所的に注入される。
いくつかの実施形態では、該方法は、インビボである。
いくつかの実施形態では、TMは、核酸である。
いくつかの実施形態では、細胞は、腫瘍細胞である。
いくつかの実施形態では、細胞は、黒色腫または基底細胞癌細胞である。
いくつかの実施形態では、電界は、およそ10V/cm〜約2000V/cmの範囲である。
いくつかの実施形態では、印加される電気パルスの数は、1〜100の範囲である。
いくつかの実施形態では、各電気パルスの持続時間は、約10μs〜約100msの持続時間の範囲である。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電気パルスは、矩形パルス、指数波形パルス、単極の振動波形、及び双極の振動波形からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、各電気パルスは、矩形パルスで構成される。
いくつかの実施形態に従い、組織の細胞内に薬剤をエレクトロポレーションする方法は、a)治療を必要とする患者の組織内に治療剤を導入することと、b)組織インピーダンスセンシングを実施して、好適なEPプロトコルを判定することと、c)組織と接触して設置された電極装置を使用して、エレクトロポレーションによって細胞内に治療剤を導入するのに十分な電界を確立する電圧パルスを送達することと、を含み、電極装置は、i)支持部材であって、電極アレイを形成するように互いに対して配向された2つ以上の対向する針電極対がその上に配置されている、支持部材と、ii)支持部材内に配置された針電極対と電気通信している電源であって、少なくとも2つの対向する針電極対に電圧パルスを供給してエレクトロポレーションをもたらす電源と、を備える。
いくつかの実施形態では、組織の治療ゾーン内の細胞への治療部分の送達のためのデバイスは、a)少なくとも中心内腔を画定し、近位端部から遠位端部に延出する中心プローブを備え、中心プローブの少なくとも一部は、組織への治療部分の送達のためのチャネルを作り出すために螺旋幾何学形状を有し、中心プローブの一部は、螺旋幾何学形状に沿って位置付けられた少なくとも1つの吐出口を有する。中心プローブの近位端部は開放され、第1の中心内腔を注入器の内腔に流体接続し、それを通して治療剤が中心プローブに送達される。中心プローブの遠位端部は、組織への治療部分の送達のための開口部を画定するように開放され、組織を貫通するように構成された形状を有する。送達のためのデバイスは、b)中心プローブを少なくとも部分的に収容するアプリケータをさらに備え、アプリケータは、遠位端部を有し、中心プローブの一部がそれを通してアプリケータの外側に延出して組織と接触し、アプリケータ内に引っ込むように構成されている。
いくつかの実施形態では、デバイスは、中心プローブの一部に位置付けられた少なくとも1つの電極対をさらに備える。
いくつかの実施形態では、中心プローブの遠位端部は閉じている。
いくつかの実施形態では、中心プローブの第1の内腔の直径、外径、螺旋直径、及び中心プローブの勾配は、送達された治療部分の分布及び体積を変更するために調節可能である。
いくつかの実施形態では、中心プローブは、中心プローブの遠位端部に向かって、及びそれを通して、かつ組織を通して前進するように作動される。
いくつかの実施形態では、デバイスは、a)中心プローブを電源に電気的に接続する電気コネクタと、b)電気コネクタを収容し、アプリケータに結合するハンドルとをさらに備える。
いくつかの実施形態では、中心プローブ近位端部は、一部での電界の発生を阻止または低減するために、非導電材料で形成されるか、またはそれで被覆されている。
いくつかの実施形態では、デバイスは、ゾーンを囲んで位置付けられるように構成された少なくとも2つの逆帯電エレクトロポレーション電極を備えるエレクトロポレーションシステムをさらに備え、電極は、近位端部から遠位端部に延出するように適合され、遠位端部の先端は、組織を貫通するように構成された針形状を有する。電極は、電極電源に結合し、電源から少なくとも1つの波形を受け取り、エレクトロポレーションに十分なパルス電界をゾーンに供給するように適合されている。
いくつかの実施形態では、電極は、アプリケータ内に少なくとも部分的に収容され、中心プローブの周囲に位置付けられ、ゾーンを囲むようにアプリケータから展開されるように構成されている。
いくつかの実施形態では、ハンドルは、中心プローブの延出及び引き込みを作動させるため、かつエレクトロポレーション電極の延出及び引き込みを作動させるための電力を電源から供給するための電源インターフェースを含む。
いくつかの実施形態では、デバイスは、細胞膜の電気容量を検知するように構成されたセンサシステムをさらに備える。センサシステムは、a)低電圧電源によって動力供給される電気容量またはEISセンシング電極対と、b)細胞膜間の電圧または電圧降下を検知するように構成された電圧センサと、c)細胞膜間の電流を検知するように構成された電流センサと、d)細胞膜間の電圧降下及び電流を処理し、細胞膜の電気容量を判定するように構成された電子信号処理デバイスと、を備える。
いくつかの実施形態では、中心プローブは、エレクトロポレーションを容易にするために中心プローブとエレクトロポレーション電極との間に電界を発生するように構成された電極電源に接続された電極プローブである。
いくつかの実施形態では、デバイスは、少なくとも第2の内腔を画定し、他のプローブの近位端部から遠位端部に延出する少なくとも第2のプローブをさらに備え、他のプローブの少なくとも一部は、組織への治療部分の送達のための少なくとも第2のチャネルを作り出すように構成された螺旋幾何学形状を有する。他のプローブの近位端部は開放され、第2の内腔を注入器の内腔に流体接続し、それを通して治療剤が他のプローブに送達される。他のプローブの遠位端部は、組織への治療部分の送達のための開口部を画定するように開放され、組織を貫通するように構成された形状を有する。他のプローブは、アプリケータ内に収容され、他のプローブの一部は、アプリケータの外側に延出して組織と接触し、アプリケータ内に引っ込むように構成されている。
いくつかの実施形態に従い、組織の治療ゾーン内の細胞への治療部分の送達のためのデバイスは、a)少なくとも第1の内腔を画定し、近位端部から遠位端部に延出する中心プローブを備え、中心プローブの少なくとも一部は、中心プローブの組織内での固着を増強し、かつ組織への治療部分の送達のためのチャネルを作り出すように構成された螺旋幾何学形状を有する。中心プローブの一部は、導電材料で形成されるか、またはそれによって被覆されている。中心プローブの近位端部は開放され、第1の内腔を注入器の内腔に流体接続し、それを通して治療剤が中心プローブに送達される。中心プローブの遠位端部は、組織への治療部分の送達のための開口部を画定するように開放され、組織を貫通するように構成された形状を有する。デバイスは、b)中心プローブを収容するアプリケータであって、該アプリケータは遠位端部を有し、それを通して中心プローブの一部がアプリケータの外側に延出して組織と接触し、アプリケータ内に引っ込む、アプリケータと、c)アプリケータの遠位端部に位置付けられ、中心プローブの一部で電界を発生するように構成された少なくとも1つの遠位電極と、をさらに含む。
いくつかの実施形態では、該少なくとも1つの遠位電極は、環状構成、直線状ワイヤ構成、螺旋状ワイヤ構成、または折り畳み可能なフープ構成に基づいて構成されている。
いくつかの実施形態では、デバイスは、中心プローブの一部に位置付けられた少なくとも1つの吐出口をさらに備える。
いくつかの実施形態では、遠位電極は、組織の外部に位置付けられるように構成されている。
いくつかの実施形態では、遠位電極は、組織の表面の下に位置付けられるように構成されている。
いくつかの実施形態では、遠位電極は、螺旋状ワイヤ構成に形成され、組織の表面の下に位置付けられ、中心プローブ及び遠位電極の螺旋は、反対方向に巻かれている。
いくつかの実施形態では、デバイスは、ゾーンを囲んで位置付けられるように構成された少なくとも2つの逆帯電エレクトロポレーション電極を備えるエレクトロポレーションシステムをさらに備え、電極は、近位端部から遠位端部に延出するように適合され、遠位端部の先端は、組織を貫通するように構成された針形状を有する。電極は、電極電源に結合し、電源から少なくとも1つの波形を受け取り、エレクトロポレーションに十分なパルス電界をゾーンに供給するように適合されている。
いくつかの実施形態では、電極はアプリケータ内に収容され、中心プローブの周りに位置付けられ、ゾーンを囲むようにアプリケータから展開されるように構成されている。
いくつかの実施形態では、デバイスは、細胞膜の電気容量を検知するように構成されたセンサシステムをさらに備える。センサシステムは、a)低電圧電源によって動力供給される電気容量センシングまたはEIS電極対と、b)細胞膜間の電圧または電圧降下を検知するように構成された電圧センサと、c)細胞膜間の電流を検知するように構成された電流センサと、d)細胞膜間の電圧降下及び電流を処理し、細胞膜の電気容量を判定するように構成された電子信号処理デバイスと、を備える。
いくつかの実施形態では、ハンドルは、中心プローブの延出及び引き込みを作動させるため、かつエレクトロポレーション電極の延出及び引き込みを作動させるための電力を電源から供給するための電源インターフェースを含む。
いくつかの実施形態では、デバイスは、細胞膜の電気容量を検知するように構成されたセンサシステムをさらに備える。センサシステムは、a)低電圧電源によって動力供給される電気容量またはEISセンシング電極対と、b)細胞膜間の電圧または電圧降下を検知するように構成された電圧センサと、c)細胞膜間の電流を検知するように構成された電流センサと、d)細胞膜間の電圧降下及び電流を処理し、細胞膜の電気容量を判定するように構成された電子信号処理デバイスと、を備える。
いくつかの実施形態に従い、組織の治療ゾーン内の細胞への治療部分の送達のためのデバイスは、a)少なくとも第1の中心内腔を画定する内面を有し、中心プローブの近位端部から遠位端部に延出する中心プローブを備え、中心プローブの少なくとも一部は、中心プローブの組織内での固着を増強し、かつ組織への治療部分の送達のためのチャネルを作り出すように構成された螺旋幾何学形状を有し、中心プローブの一部は、導電材料で形成されるか、またはそれによって被覆されている。中心プローブの近位端部は開放され、中心内腔を注入器の内腔に流体接続し、それを通して治療剤が中心プローブに送達される。中心プローブの遠位端部は、組織への治療部分の送達のための開口部を画定するように開放され、組織を貫通するように構成された形状を有する。デバイスは、b)中心プローブを収容するアプリケータであって、遠位端部を有し、それを通して中心プローブの一部が、アプリケータの外側に延出して組織と接触し、アプリケータ内に引っ込むように構成されている、アプリケータと、c)組織への治療部分の送達のための近位開端部及び遠位開端部と、中心プローブの直径の中心軸と同軸に整列し、中心プローブの一部で電界を発生するように構成された垂直軸とを有する少なくとも1つの直線状プローブと、をさらに備える。
いくつかの実施形態では、デバイスは、中心プローブの一部に位置付けられた少なくとも1つの吐出口をさらに備える。
いくつかの実施形態では、螺旋状プローブは、アプリケータの遠位端部に載置された音響ホーンから受け取った音響エネルギーを伝送するように構成されている。
いくつかの実施形態では、デバイスは、細胞膜の電気容量を検知するように構成されたセンサシステムをさらに備え、センサシステムは備える。
いくつかの実施形態にいくらか従い、組織の治療ゾーンへの治療部分の送達のための方法は、a)組織の治療ゾーンへの治療部分の送達のためのデバイスを提供することを含む。デバイスは、i)中心プローブとii)アプリケータとを備える。中心プローブは、少なくとも第1の中心内腔を画定し、近位端部から遠位端部に延出し、中心プローブの少なくとも一部は、中心プローブの組織内での固着を増強し、組織への治療部分の送達のためのチャネルを作り出すための螺旋幾何学形状を有する。中心プローブの一部は、螺旋幾何学形状に沿って位置付けられた複数の吐出口を有する。中心プローブの近位端部は開放され、中心内腔を注入器の内腔に流体接続し、それを通して治療剤が中心プローブに送達される。中心プローブの遠位端部は、組織への治療部分の送達のための開口部を画定するように開放され、組織を貫通するように構成された形状を有する。アプリケータは、中心プローブを収容し、遠位端部を有し、それを通して中心プローブの一部がアプリケータの外側に延出して組織と接触し、アプリケータ内に引っ込むように構成されている。該方法は、b)中心プローブを組織の治療ゾーン内の疾患細胞と接触させることと、c)中心プローブを作動させて、アプリケータから軸方向に延出することと、d)中心プローブの少なくとも一部で組織を貫通して開口部を作り出し、それを通して中心プローブの少なくとも一部が組織に進入し、組織への治療部分の送達のための流体チャネルを作り出すことと、e)第1の中心内腔内に治療部分を注入し、少なくとも1つの吐出口及び中心プローブの遠位開端部を通して組織に治療部分を送達することと、をさらに含む。
いくつかの実施形態では、該方法は、f)ゾーンを囲んで位置付けられるように構成された少なくとも2つの逆帯電エレクトロポレーション電極を備えるエレクトロポレーションシステムを提供することをさらに含む。エレクトロポレーション電極は、近位端部から遠位端部に延出するように適合され、遠位端部の先端は、組織を貫通するように構成された針形状を有し、エレクトロポレーション電極は、電源に結合するように適合されている。該方法は、g)組織のゾーンをエレクトロポレーション電極と接触させることと、h)電源から電極に電気パルスを送達することと、i)エレクトロポレーションに十分なパルス電界をエレクトロポレーション電極からゾーンに印加することと、をさらに含む。
いくつかの実施形態では、該方法は、細胞膜の電気容量を検知するためのセンサシステムを提供することをさらに含む。電気容量センシングは、a)組織を、低電圧電源によって動力供給される少なくとも1つの電気容量センシング電極対と接触させることと、b)低電圧電源によって少なくとも1つの電気容量センシング電極対に低電力質問信号を伝送して、ゾーン内で低強度電界励起を発生させることと、c)電圧センサによって細胞膜間の電圧または電圧降下を検知することと、d)電流センサによって細胞膜間の電流を検知することと、e)電子信号処理デバイスによって、細胞膜間の電圧降下及び電流に基づいて、細胞膜の電気容量を判定することと、を含む。
いくつかの実施形態に従い、組織の治療部分への治療部分の送達のための方法は、a)組織の治療ゾーンへの治療部分の送達のためのデバイスを提供することを含む。デバイスは、i)電源に接続された中心プローブであって、少なくとも第1の中心内腔を画定し、中心プローブの遠位近位端部から遠位端部に延出する内面を有する中心プローブを備える。中心プローブの少なくとも一部は、中心プローブの組織内での固着を増強し、かつ組織への治療部分の送達のためのチャネルを作り出すように構成された螺旋幾何学形状を有する。中心プローブの一部は、導電材料で形成されるか、またはそれで被覆されている。中心プローブの近位端部は開放され、中心内腔を注入器の内腔に流体接続し、それを通して治療剤が中心プローブに送達される。中心プローブの遠位端部は、組織への治療部分の送達のための開口部を画定するように開放され、組織を貫通するように構成された形状を有する。デバイスは、ii)中心プローブを収容するアプリケータであって、該アプリケータは遠位端部を有し、それを通して中心プローブの一部がアプリケータの外側に延出して組織と接触し、アプリケータ内に引っ込む、アプリケータと、iii)電源に接続されたアプリケータの遠位端部に位置付けられ、中心プローブの一部で電界を発生するように構成された少なくとも1つの遠位電極と、をさらに備える。該方法は、b)中心プローブ及び遠位電極を組織の治療ゾーン内の疾患細胞と接触させることと、c)中心プローブ及び遠位電極を作動させて、アプリケータから軸方向に延出することと、d)遠位電極及び中心プローブの少なくとも一部によって組織を貫通して開口部を作り出し、それを通して中心プローブの少なくとも一部が組織に進入し、組織への治療部分の送達のための流体チャネルを作り出すことと、e)第1の中心内腔内に治療部分を注入し、少なくとも1つの吐出口及び中心プローブの遠位開端部を通して組織に治療部分を送達することと、f)電源から遠位電極及び中心プローブに電気パルスを送達することと、g)エレクトロポレーションに十分なパルス電界を遠位電極及び中心プローブからゾーンに印加することと、h)組織から遠位電極及び中心プローブを引っ込むことと、をさらに含む。
いくつかの実施形態に従い、組織の標的細胞のゾーンへの治療部分の送達のためのデバイスは、a)少なくとも第1の内腔を画定し、近位端部及び遠位閉端部を有する中心プローブであって、遠位端部の先端が、組織を貫通するように構成された針形状を有し、遠位端部から所定の位置に位置付けられた少なくとも1つの出口ポートを有し、出口ポートは、第1の内腔を中心プローブの外側に流体接続する、中心プローブと、b)第1の内腔内に位置付けられ、中心プローブ内で摺動可能な少なくとも1つのチャネリングワイヤであって、該チャネリングワイヤが、中心プローブ内に位置付けられた近位端部、及び出口ポートを介して中心プローブの外側に延出し第1の内腔内に引っ込むように構成された遠位端部を有し、該チャネリングワイヤの遠位端部の先端が、組織を貫通し、かつ開口部を画定するように構成された形状を有し、該開口部を通してチャネリングワイヤの少なくとも一部が組織に進入して流体チャネルを作り出し、該流体チャネルを通して治療部分が組織に送達される、少なくとも1つのチャネリングワイヤと、を備える。治療部分は、第1の内腔から出口ポートを介してチャネルへと送達される。デバイスは、c)第1の内腔と一体で形成されているか、またはそれに結合した傾斜板であって、該傾斜板は、チャネリングワイヤと接触して、それを中心プローブから中心プローブの外側に退出するように誘導するように構成されている、傾斜板と、d)中心プローブ及びチャネリングワイヤを電源に電気的に接続する電気コネクタと、e)中心プローブを治療部分の送達のためのシリンジに接続する小口径コネクタと、f)電気コネクタを少なくとも部分的に収容し、中心プローブ及びチャネリングワイヤの近位端部に結合して中心プローブ及びチャネリングワイヤの遠位端部の貫通の深度を容易にするハンドルと、をさらに備える。
いくつかの実施形態では、デバイスは、標的細胞のゾーンを囲んで位置付けられるように構成された少なくとも2つの逆帯電電極を備えるエレクトロポレーションシステムをさらに備え、該電極は、近位端部から遠位端部に延出するように適合され、遠位端部の先端が、組織を貫通するように構成された針形状を有し、電極は、電源に結合し、電源から電気波形を受け取り、エレクトロポレーションに十分なパルス電界を標的細胞のゾーンに供給するように適合されている。
いくつかの実施形態では、電極は、中心プローブを囲む。
いくつかの実施形態では、デバイスは、中心プローブの外側に同時に延出するように構成され、出口ポートを介して中心プローブの中心内腔内に引っ込むように構成された複数の出口ポート及び複数のチャネリングワイヤを備える。
いくつかの実施形態では、ハンドルは、チャネリングワイヤの延出及び引き込みを作動させるため、かつ電極の延出及び引き込みを作動させるための電力を電源から供給するための電源インターフェースを含む。
いくつかの実施形態では、デバイスは、中心プローブの外面を囲み、組織を有する体内への挿入の間に中心プローブを支持及び保護するカテーテルシャフトをさらに備える。
いくつかの実施形態では、チャネリングワイヤは、チャネリングワイヤの遠位端部の先端に切断刃を含む。
いくつかの実施形態では、遠位端部の切断刃は、組織に進入するように構成され、切断刃の中心軸の周りを回転して流体チャネルを形成するように構成されている。
いくつかの実施形態では、傾斜板がチャネリングワイヤと接触する角度は、中心内腔を退出するチャネリングワイヤの軌道角度を変えるために調節可能である。
いくつかの実施形態に従い、組織の標的細胞のゾーンへの治療部分の送達のためのデバイスは、a)少なくとも第1の内腔を画定し、近位端部及び遠位開端部を有する中心プローブであって、遠位端部の先端が、組織を貫通するように構成された針形状を有し、遠位開端部が、第1の内腔を中心プローブの外側に流体接続する、中心プローブと、b)第1の内腔内に位置付けられ、中心プローブ内で摺動可能な少なくとも1つのチャネリングワイヤであって、中心プローブ内に位置付けられた近位端部、及び中心プローブの外側に延出し、中心プローブの遠位端部を通して中心内腔内に引っ込むように構成された遠位端部を有し、該チャネリングワイヤが曲線を伴ってヒートセットされるように構成され、該チャネリングワイヤが、中心内腔に位置付けられたときに弾力的に真っ直ぐに伸びるように適合され、中心プローブの外側に延出したときに曲線を伴って湾曲して、細胞に延出するチャネルを形成するように適合された超弾性材料を備え、該チャネリングワイヤは、細長い円筒形状を有し、その遠位端部は、組織を貫通し、かつ開口部を画定するようにさらに構成され、該開口部を通してチャネリングワイヤの少なくとも一部が組織に進入して流体チャネルを作り出し、該流体チャネルを通して治療部分が組織に送達される、チャネリングワイヤと、を備える。治療部分は、第1の内腔から出口ポートを介してチャネルへと送達される。デバイスは、b)中心プローブの内面と一体で形成されているか、またはそれに結合した傾斜板であって、該傾斜板は、チャネリングワイヤと接触して、それを中心プローブから中心プローブの外側に退出するように誘導するように構成されている、傾斜板と、c)中心プローブ及びチャネリングワイヤを電源に電気的に接続する電気コネクタと、d)中心プローブを治療部分の送達のためのシリンジに接続する小口径コネクタと、e)電気コネクタを少なくとも部分的に収容し、中心プローブ及びチャネリングワイヤの近位端部に結合して中心プローブ及びチャネリングワイヤの遠位端部の貫通の深度を容易にするハンドルと、をさらに備える。
いくつかの実施形態では、超弾性材料は、NiTi、Cu−Al−Ni、Fe−Mn−Si、NiTi−Zr、Cu−Zr、Ni−Al、及びCu系合金からなる群から選択される材料のいずれか1つまたは組み合わせである。
いくつかの実施形態では、デバイスは、中心プローブの外側に同時に延出するように構成され、出口ポートを介して中心プローブの中心内腔内に引っ込むように構成された複数の出口ポート及び複数のチャネリングワイヤを備える。
いくつかの実施形態では、デバイスは、細胞の治療のための標的細胞のゾーンを囲んで位置付けられるように構成された少なくとも2つの逆帯電電極をさらに備え、電極は、近位端部から遠位端部に延出するように適合され、遠位端部の先端は、組織を貫通するように構成された針形状を有し、電極は、電源に結合し、電源から電気波形を受け取り、エレクトロポレーションに十分なパルス電界を標的組織領域に供給するように適合されている。
いくつかの実施形態では、ハンドルは、チャネリングワイヤの延出及び引き込みを作動させるため、かつ電極の延出及び引き込みを作動させるための電力を電源から供給するための電源インターフェースを含む。
いくつかの実施形態では、デバイスは、中心プローブの外面を囲み、組織を有する体内への挿入の間に中心プローブを支持及び保護するカテーテルシャフトをさらに備える。
いくつかの実施形態に従い、組織の標的細胞のゾーンへの治療部分の送達のためのデバイスは、a)少なくとも第1の内腔を画定する注入プローブであって、該注入プローブは、その近位端部から遠位端部に延出し、細長い円筒形状を有し、遠位端部は、針形状を有し、ゾーンに治療部分を送達するために開放されている、注入プローブと、b)注入プローブに結合し、少なくとも第2の内腔を画定する内面を有する中心プローブであって、該中心プローブが、近位端部及び遠位閉端部を有し、遠位端部の先端は、組織を貫通するように構成された針形状を有し、中心プローブの遠位端部と近位端部との間の所定の距離に位置付けられた少なくとも1つの出口ポートを有し、該出口ポートが、第2の内腔を中心プローブの外側に流体接続する、中心プローブと、c)第2の内腔内に位置付けられ、中心プローブ内で摺動可能な少なくとも1つのチャネリングワイヤであって、該チャネリングワイヤが、中心プローブ内に位置付けられた近位端部、及び中心プローブの外側に延出し、出口ポートを介して第2の内腔内に引っ込むように構成された遠位端部を有し、該チャネリングワイヤの遠位端部の先端が、組織を貫通し、かつ開口部を画定するように構成され、該開口部を通してチャネリングワイヤの少なくとも一部が組織に進入して流体チャネルを作り出し、該流体チャネルを通して注入プローブによって治療部分がゾーンに注入される、少なくとも1つのチャネリングワイヤと、d)第2の内腔の内面を画定する中心プローブの内面と一体で形成されているか、またはそれに結合した傾斜板であって、該傾斜板が、チャネリングワイヤと接触して、それを中心プローブから中心プローブの外側に退出するように誘導するように構成されている、傾斜板と、e)中心プローブ及びチャネリングワイヤと電源に電気的に接続する電気コネクタと、f)電気コネクタを少なくとも部分的に収容し、中心プローブの近位端部及び注入プローブの近位端部、ならびにチャネリングワイヤに結合して、注入プローブ及び中心プローブの遠位端部の貫通の深度を容易にするハンドルと、を備える。
いくつかの実施形態では、デバイスは、中心プローブの外側に同時に延出するように構成され、出口ポートを介して中心プローブの中心内腔内に引っ込むように構成された複数の出口ポート及び複数のチャネリングワイヤを備える。
いくつかの実施形態では、デバイスは、細胞の治療のための標的組織領域を囲んで位置付けられるように構成された少なくとも2つの逆帯電電極をさらに備え、該電極は、近位端部から遠位端部に延出するように適合され、遠位端部の先端は、組織を貫通するように構成された針形状を有し、電極は、電源に結合し、電源から電気波形を受け取り、エレクトロポレーションに十分なパルス電界を標的組織領域に供給するように適合されている。
いくつかの実施形態では、傾斜板がチャネリングワイヤと接触する角度は、第2の内腔を退出するチャネリングワイヤの対応する軌道角度を変えるために調節可能である。
いくつかの実施形態に従い、組織内の標的細胞のゾーンへの治療部分の送達のための方法は、a)組織の標的細胞のゾーンへの治療部分の送達のためのデバイスを提供することを含む。デバイスは、i)少なくとも第1の中心内腔を画定する内面を有し、近位端部及び遠位閉端部を有する中心プローブであって、遠位端部の先端が、組織を貫通するように構成された針形状を有し、遠位端部から所定の位置に位置付けられた少なくとも1つの出口ポートを有し、出口ポートは、中心内腔を中心プローブの外側に流体接続する、中心プローブと、ii)中心内腔内に位置付けられ、中心プローブ内で摺動可能な少なくとも1つのチャネリングワイヤであって、該チャネリングワイヤが、中心プローブ内に位置付けられた近位端部、及び中心プローブの外側に延出し、出口ポートを介して中心内腔内に引っ込むように構成された遠位端部を有する、少なくとも1つのチャネリングワイヤと、を備える。チャネリングワイヤの遠位端部の先端は、組織を貫通し、かつ開口部を画定するように構成された形状を有し、該開口部を通してチャネリングワイヤの少なくとも一部が組織に進入して流体チャネルを作り出し、該流体チャネルを通して治療部分が組織に送達される。治療部分は、第1の中心内腔から出口ポートを介してチャネルへと送達される。デバイスは、iii)中心プローブの内面と一体で形成されているか、それに結合した傾斜板であって、該内面が中心内腔を画定し、該傾斜板がチャネリングワイヤと接触して、それを中心プローブから中心プローブの外側に退出するように誘導するように構成されている、傾斜板と、iv)中心プローブ及びチャネリングワイヤを電源に電気的に接続する電気コネクタと、v)中心プローブを治療部分の送達のためのシリンジに接続する小口径コネクタと、vi)電気コネクタを収容し、中心プローブの近位端部に結合して中心プローブ及びチャネリングワイヤの遠位端部の貫通の深度を容易にするハンドルと、をさらに備える。該方法は、b)中心プローブを標的細胞のゾーン内の疾患細胞内に挿入することと、c)チャネリングワイヤを作動させて、中心内腔から中心プローブの軸方向に延出することであって、チャネリングワイヤの遠位端部の先端が、組織を貫通して開口部を作り、それを通してチャネリングワイヤの少なくとも一部が組織に進入して流体チャネルを作り出し、それを通して治療部分が送達される針形状を有する、延出することと、d)中心プローブの内面と一体で形成されているか、それと結合した傾斜板を作動させることであって、該傾斜板が、チャネリングワイヤと接触して、中心プローブの遠位端部に向かって出口ポートを介してチャネリングワイヤの軌道を誘導し、該出口ポートは、中心内腔を中心プローブの外側に流体接続している、作動させることと、e)チャネリングワイヤで組織を貫通して開口部を作り出し、それを通してチャネリングワイヤの少なくとも一部が組織に進入して組織への治療部分の送達のための流体チャネルを作り出すことと、f)チャネリングワイヤを中心内腔内に引っ込むことと、g)治療部分を中心内腔内に注入し、流体チャネルを通して組織へ治療部分を送達することと、をさらに含む。
いくつかの実施形態では、該方法は、a)治療部分の注入及び流体チャネルを通した組織への治療部分の送達の前に、送達のためのデバイスを少なくとも1回回転させ、チャネリングワイヤで組織を貫通して、組織への治療部分の送達のための追加の流体チャネルを作り出すことをさらに含む。
いくつかの実施形態では、該方法は、a)標的細胞のゾーンを囲んで位置付けられるように構成された少なくとも2つの逆帯電エレクトロポレーション電極を備えるエレクトロポレーションシステムを提供することであって、エレクトロポレーション電極が、近位端部から遠位端部に延出するように適合され、遠位端部の先端が、組織を貫通するように構成された針形状を有し、エレクトロポレーション電極が、電源に結合するように適合されている、提供することと、b)標的細胞のゾーンをエレクトロポレーション電極と接触させることと、c)電源から電極に電気パルスを送達することと、d)エレクトロポレーションに十分なパルス電界をエレクトロポレーション電極から標的細胞のゾーンに印加することと、をさらに含む。
いくつかの実施形態に従い、組織内の標的細胞のゾーンへの治療部分の送達のための方法は、a)組織の標的細胞のゾーンへの治療部分の送達のためのデバイスを提供することを含む。デバイスは、a)少なくとも第1の内腔を画定する注入プローブであって、該注入プローブは、その近位端部から遠位端部に延出し、細長い円筒形状を有し、遠位端部は、針形状を有し、ゾーンに治療部分を送達するために開放されている、注入プローブと、b)注入プローブに結合し、少なくとも第2の内腔を画定する内面を有する中心プローブであって、該中心プローブが、近位端部及び遠位閉端部を有し、遠位端部の先端は、組織を貫通するように構成された針形状を有し、中心プローブの遠位端部と近位端部との間の所定の距離に位置付けられた少なくとも1つの出口ポートを有し、該出口ポートが、第2の内腔を中心プローブの外側に流体接続する、中心プローブと、c)第2の内腔内に位置付けられ、中心プローブ内で摺動可能な少なくとも1つのチャネリングワイヤであって、該チャネリングワイヤが、中心プローブ内に位置付けられた近位端部、及び中心プローブの外側に延出し、出口ポートを介して第2の内腔内に引っ込むように構成された遠位端部を有し、該チャネリングワイヤの遠位端部の先端が、組織を貫通し、かつ開口部を画定するように構成され、該開口部を通してチャネリングワイヤの少なくとも一部が組織に進入して流体チャネルを作り出し、該流体チャネルを通して注入プローブによって治療部分がゾーンに注入される、少なくとも1つのチャネリングワイヤと、d)第2の内腔の内面を画定する中心プローブの内面と一体で形成されているか、またはそれに結合した傾斜板であって、該傾斜板が、チャネリングワイヤと接触して、それを中心プローブから中心プローブの外側に退出するように誘導するように構成されている、傾斜板と、e)中心プローブ及びチャネリングワイヤと電源に電気的に接続する電気コネクタと、f)電気コネクタを少なくとも部分的に収容し、中心プローブの近位端部及び注入プローブの近位端部、ならびにチャネリングワイヤに結合して、注入プローブ及び中心プローブの遠位端部の貫通の深度を容易にするハンドルと、を備える。該方法は、b)中心プローブを標的細胞のゾーン内の疾患細胞内に挿入することと、c)チャネリングワイヤを作動させて、中心内腔から中心プローブの軸方向に延出することであって、チャネリングワイヤの遠位端部の先端が、組織を貫通して開口部を作り、それを通してチャネリングワイヤの少なくとも一部が組織に進入して流体チャネルを作り出し、それを通して治療部分が送達される針形状を有する、延出することと、d)中心プローブの内面と一体で形成されているか、それと結合した傾斜板を作動させることであって、該傾斜板が、チャネリングワイヤと接触して、中心プローブの遠位端部に向かって出口ポートを介してチャネリングワイヤの軌道を誘導し、該出口ポートは、中心内腔を中心プローブの外側に流体接続している、作動させることと、e)チャネリングワイヤで組織を貫通して開口部を作り出し、それを通してチャネリングワイヤの少なくとも一部が組織に進入して組織への治療部分の送達のための流体チャネルを作り出すことと、f)チャネリングワイヤを中心内腔内に引っ込むことと、g)治療部分を中心内腔内に注入し、流体チャネルを通して組織へ治療部分を送達することと、をさらに含む。
該方法は、a)治療部分の注入及び流体チャネルを通した組織への治療部分の送達の前に、送達のためのデバイスを少なくとも1回回転させ、チャネリングワイヤで組織を貫通して、組織への治療部分の送達のための追加の流体チャネルを作り出すことをさらに含む。
該方法は、a)標的細胞のゾーンを囲んで位置付けられるように構成された少なくとも2つの逆帯電エレクトロポレーション電極を備えるエレクトロポレーションシステムであって、その中でエレクトロポレーション電極が、近位端部から遠位端部に延出するように適合されている、エレクトロポレーションシステムを提供することをさらに含む。遠位端部の先端は、組織を貫通するように構成された針形状を有する。エレクトロポレーション電極は、電源に結合するように適合されている。該方法は、b)標的細胞のゾーンをエレクトロポレーション電極と接触させることと、c)電源から電極に電気パルスを送達することと、d)エレクトロポレーションに十分なパルス電界をエレクトロポレーション電極から標的細胞のゾーンに印加することと、をさらに含む。
いくつかの実施形態に従い、対象における組織内の電界ゾーンのエレクトロポレーション位置内の細胞のエレクトロポレーションのためのシステムは、a)エレクトロポレーションワンド収容部を備える。収容部は、i)第1のエレクトロポレーション電極対と、ii)ワンド収容部内に収容された第2のエレクトロポレーション電極対とを備え、第1及び第2のエレクトロポレーション電極対は、逆帯電するように構成され、互いに所定の角度だけずらされており、電界ゾーンの外周を画定するように構成されている。システムは、b)第1及び第2のエレクトロポレーション電極対に複数の波形で電気信号を供給するように構成された電源と、c)第1及び第2のエレクトロポレーション電極対のそれぞれを電源に電気的に接続する電気コネクタと、をさらに備える。
いくつかの実施形態では、システムは、エレクトロポレーション位置に治療部分を送達するように構成されたワンド送達システムをさらに備え、該送達システムは、第1の内腔を画定する少なくとも1つの注入プローブを備え、注入プローブはその近位端部から遠位端部に延出し、細長い円筒形状を有し、注入プローブの遠位端部は、針形状を有し、エレクトロポレーション位置への治療部分の送達のために開放されている。
いくつかの実施形態では、システムは、2対のエレクトロポレーション電極を有し、角度は約90度である。
いくつかの実施形態では、第1のエレクトロポレーション電極対は、第1の波形によって表される第1の電気信号を電源から受け取るように構成され、第2のエレクトロポレーション電極対は、第2の波形によって表される第2の電気信号を電源から受け取るように構成されている。
いくつかの実施形態では、第1及び第2のエレクトロポレーション電極対は、皮膚を貫通し、電界ゾーン内で細胞と接触するように構成された針である。
いくつかの実施形態では、第1及び第2のエレクトロポレーション電極対は、非貫通接触である。
いくつかの実施形態に従い、対象における組織内の電界ゾーンのエレクトロポレーション位置内の細胞をエレクトロポレーションするための方法は、a)i)エレクトロポレーションワンド収容部であって、1)第1のエレクトロポレーション対と、2)ワンド収容部に収容された少なくとも第2のエレクトロポレーション電極対であって、第1及び第2のエレクトロポレーション電極対は逆帯電され、互いに所定の角度だけずらされており、電界ゾーンの外周を画定するように構成されている、エレクトロポレーションワンド収容部と、ii)第1及び少なくとも第2のエレクトロポレーション電極対に複数の波形で電気シグナルを供給するように構成された電源と、iii)エレクトロポレーション電極対を電源に電気的に接続する電気コネクタと、を備えるエレクトロポレーションシステムを提供することを含む。方法は、b)電界ゾーンがエレクトロポレーション電極対の間にあるようにエレクトロポレーションワンド収容部を組織と接触させることと、c)第1のエレクトロポレーション電極対に第1の波形で電源からの第1の信号を印加し、第2のエレクトロポレーション電極対に第2の波形で電源からの第2の信号を印加することであって、第1の波形が、第2の波形との所定の位相差を有する、印加することと、d)第1のエレクトロポレーション電極対から電界ゾーンにパルス電界を印加することであって、パルス電界が第1の信号に基づき、パルス電界及び各後続の第1のエレクトロポレーション電極対のパルス電界は、エレクトロポレーションのための最小閾値よりも低い電圧及び持続時間を有する、印加することと、e)第2のエレクトロポレーション電極対から電界ゾーンに別のパルス電界を印加することであって、該他のパルス電界が第2の信号に基づき、該他のパルス電界及び後続の第2のエレクトロポレーション電極対のパルス電界は、エレクトロポレーションのための最小閾値よりも低い電圧及び持続時間を有する、印加することと、をさらに含む。第1及び第2のエレクトロポレーション電極対のパルス電界の経路は、エレクトロポレーション位置で交差し、第1のエレクトロポレーション電極対の各パルス電界のエレクトロポレーション位置への印加は、第2のエレクトロポレーション電極対の各パルス電界のエレクトロポレーション位置への印加と交互に繰り返され、エレクトロポレーション位置内の細胞にエレクトロポレーションを印加するのに十分な電圧及び持続時間を有する連続的なパルス電界となる。第1のエレクトロポレーション電極対に隣接し、エレクトロポレーション位置の外側にある組織への第1のエレクトロポレーション電極対の各パルス電界の印加は、休止時間と交互に繰り返され、それにより第1のエレクトロポレーション電極対に隣接し、エレクトロポレーション位置の外側にある組織が、第1のエレクトロポレーション電極対のエレクトロポレーションのための最小閾値よりも低い電圧及び持続時間を有する交互のオン及びオフのパルス電界を受け取る。第2のエレクトロポレーション電極対に隣接し、エレクトロポレーション位置の外側にある組織への第2のエレクトロポレーション電極対の各パルス電界の印加は、休止時間と交互に繰り返され、それにより第2のエレクトロポレーション電極対に隣接し、エレクトロポレーション位置の外側にある組織が、第2のエレクトロポレーション電極対のエレクトロポレーションのための最小閾値よりも低い電圧及び持続時間を有する交互のオン及びオフのパルス電界を受け取る。
いくつかの実施形態では、該方法は、第1の内腔を画定する少なくとも1つの注入プローブを備え、該注入プローブがその近位端部から遠位端部に延出し、細長い円筒形状を有するワンド送達システムによって、エレクトロポレーション位置に治療部分を送達することをさらに含む。注入プローブの遠位端部は、針形状を有し、エレクトロポレーション位置へ治療部分を送達するために開放されている。
いくつかの実施形態では、該方法は、細胞膜の電気容量を検知するためのセンサシステムを提供することをさらに含む。電気容量センシングは、a)組織を、低電圧電源によって動力供給される少なくとも1対の電気容量センシング電極と接触させることと、b)低電圧電源によって少なくとも1対の電気容量センシング電極に低電力質問信号を伝送して、エレクトロポレーション位置内で低強度電界励起を発生させることと、c)電圧センサによって細胞膜間の電圧または電圧降下を検知することと、d)電流センサによって細胞膜間の電流を検知することと、e)電子信号処理デバイスによって、細胞膜間の電圧降下及び電流に基づいて、細胞膜の電気容量を判定することと、を含む。
いくつかの実施形態では、細胞膜の電気容量は、パルス電界の印加の前、かつパルス電界の間に判定される。
いくつかの実施形態では、該方法は、パルス電界間の細胞膜の電気容量の判定に際して、膜電気容量に関連付けられる時定数に基づいてパルス電界のパルス幅を調節することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、第1及び第2の波形は、同じ波長を有する。
いくつかの実施形態では、電源の電圧は、約50V〜1000Vで可変である。
いくつかの実施形態では、第1及び第2の電極対の各パルス電界は、1μs〜1msで可変のパルス幅を有する。
いくつかの実施形態では、各エレクトロポレーション電極対は、各対応する波形の波長周期の1/(電極対の数)の時間にわたって各パルス電界を発射する。
いくつかの実施形態では、細胞は、膵臓、喉頭、咽頭、口唇、咽喉、肺、腎臓、筋肉、乳房、結腸、子宮、前立腺、胸腺、精巣、皮膚、及び卵巣細胞からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、細胞は、前立腺腫瘍細胞である。
いくつかの実施形態では、細胞は、哺乳動物細胞である。
いくつかの実施形態では、細胞は、ヒト細胞である。
いくつかの実施形態では、第1及び第2のエレクトロポレーション電極対のパルス電界は、約200〜500mVの範囲である。
いくつかの実施形態では、第1及び第2のエレクトロポレーション電極対のパルス電界は、約1〜約5電気パルスとして印加される。
いくつかの実施形態では、第1及び第2のパルス電界は、矩形パルス、指数波形パルス、持続時間が制限された単極の振動波形、及び持続時間が制限された双極の振動波形からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、第1及び第2のパルス電界は、矩形パルスを含む。
いくつかの実施形態では、治療部分は、核酸、ポリペプチド、及び化学療法剤からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、化学療法剤は、ブレオマイシン、シスプラチン、及びマイトマイシンCからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、電極ワンド収容部は、非導電固定具からなる。
いくつかの実施形態では、非導電固定具は、プラスチック製である。
いくつかの実施形態では、各エレクトロポレーション電極対は、対応する電界の電界ベクトル及び電流経路を判定する。
いくつかの実施形態では、第1及び第2の波形は、所定の位相差を有する。
いくつかの実施形態に従い、対象の組織内の細胞のエレクトロポレーション(EP)のためのシステムは、a)トロカールと、b)EPデバイスと、を備える。トロカールは、i)近位端部から遠位開端部に延出し、閉塞具を受けるように構成された第1の内腔を画定するカニューレと、ii)近位端部から遠位端部に延出する閉塞具であって、近位端部が、そこに載置されたハンドルを含み、遠位端部が、皮膚を貫通し、体腔内に進入し、経路を形成して、それを通してカニューレが体腔内に少なくとも部分的に挿入され得るように構成された刃を含む、閉塞具と、を備える。閉塞具は、第1の内腔内で摺動可能であるように構成され、閉塞具の遠位端部は、カニューレの遠位開端部を通して第1の内腔の外側に延出するように構成されている。EPデバイスは、癌性細胞に接近するためにカニューレ内で摺動可能に載置可能かつ引き込み可能であり、i)近位端部から遠位端部に延出するアンカーと、ii)アンカーの遠位端部に引き込み可能に配置され、標的細胞のゾーンを囲んで位置付けられるように構成された少なくとも2つの逆帯電電極と、を備える。電極は、発生器に結合し、発生器から少なくとも1つの電気波形を受け取り、かつ励磁信号及びEPパルスのうちの少なくとも1つを供給するように適合されている。EPデバイスは、iii)アンカーの遠位端部に引き込み可能に配置され、少なくとも中心内腔を画定する内面を有し、アンカーの遠位端部から延出する中心プローブをさらに備え、中心プローブの少なくとも一部は、中心プローブの組織内での固着を増強し、かつ組織への治療部分の送達のためのチャネルを作り出すように構成された螺旋幾何学形状を有する。中心プローブの遠位端部は、組織への治療部分の送達のための開口部を画定するように開放され、組織を貫通するように構成された形状を有する。
いくつかの実施形態では、閉塞具の刃は、カニューレの遠位端部にある開口部を通してカニューレの外側に延出するように構成されている。
いくつかの実施形態では、EPデバイス電極は、近位端部から遠位端部に延出するように適合され、遠位端部の先端は、組織を貫通するように構成された針形状を有する。電極は、電源に結合し、電源から電気波形を受け取り、かつ励磁信号及びEPパルスのうちの少なくとも1つを標的細胞のゾーンに供給するように適合されている。
いくつかの実施形態に従い、EPシステムを使用する細胞または組織のエレクトロポレーション(EP)の間にEPパルスパラメータを制御する適応制御方法は、a)本明細書に記載されるEPデバイスのいずれかを使用して細胞及び組織のエレクトロポレーション(EP)の間にEPパルスパラメータを最適化するように適応制御を提供するための任意のシステムを提供することと、b)細胞または組織においてEPを実施するためのEPパルスパラメータを前記初期化モジュールによって初期化することであって、初期化されたEPパルスパラメータが、少なくとも1つのトレーニングされたモデルに少なくとも部分的に基づく、初期化することと、c)電圧及び電流励磁信号を発生器によって細胞及び組織に印加し、印加された励磁信号に対応する細胞及び組織間の電圧及び電流を測定デバイスによって測定することと、d)制御器によって電流及び電圧測定からのデータを取得し、データを処理して所望のデータを望ましくないデータと区別することと、e)制御器によって所望のデータから関連する特徴を抽出することと、f)制御器によって、所望のデータの関連する特徴の少なくとも一部を少なくとも1つのトレーニングされた診断モデルに適用することと、g)制御器によって、トレーニングされたモデルに適用された関連する特徴の結果に基づいてEPパルシングパラメータを推定することであって、EPパルシングパラメータを最適化するように、初期化されたEPパルシングパラメータが少なくとも1つのトレーニングされたモデル及び関連する特徴に基づく、推定することと、h)第1のパルシングパラメータに基づいて、発生器によって第1のEPパルスを印加することと、を含む。
いくつかの実施形態では、該方法は、第1のEPパルスが印加された後に、制御器によって、前のEPパルス及び印加されたEPパルス間の関連する特徴のうちの少なくとも1つにおける変化に基づいて、後続のEPパルシングパラメータを予測することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、該方法は、制御器によって、印加に部分的に基づいて診断応答を生成することをさらに含み、診断応答は、a)組織検出、b)腫瘍型検出、c)針位置付け検出、d)共局在検出、及びd)細胞透過処理検出を含む。
いくつかの実施形態では、適応制御方法は、a)発生器によって、後続のEPパルシングパラメータに基づいて後続のEPパルスを印加することと、b)電圧及び電流励磁信号を印加することを繰り返し、細胞または組織を測定することを繰り返し、データを取得すること及び所望のデータを望ましくないデータと区別することを繰り返し、関連する特徴を抽出することを繰り返し、適用することを繰り返すことであって、これらをi)EPパルスシーケンスまたはEPパルスのサイクルの所定の限界数が達成されるか、またはii)診断応答が、適応制御方法を終了する診断決定を促すかのいずれかまで、繰り返すことと、をさらに含む。
本発明に従うEISのための電気パルスの印加に使用されるEPデバイスのいくつかの構成要素を描写する簡易概略図である。 4電極(2つの対またはセット)EP電極アレイ及び4電極(2つの対またはセット)のEM電極アレイを描写し、これらはそれぞれコネクタ及び回路を介して適切な電源に取り付けられている。再度、各アレイは、4電極アレイであるが、より多くの電極を使用してもよい。さらに、2つの異なる電極アレイが使用されるこれらの実施形態において、電極の数が各事例において等しい必要はなく、例えば、4電極のEPアレイ及び6電極のEMアレイを使用してもよい。 4EP及び4EME電極を使用するEIS判定の概略図を描写する。図3は、血管及び不規則形状腫瘍を含む仮定的な組織内に挿入されたデバイスの電極の上面図を描写する(EMは、非貫通電極デバイスにおいても使用可能であることに留意されたい)。非限定的な例証目的で、2セットのエレクトロポレーション電極(EPE)及び2セットの電気化学インピーダンス分光電極(EME)が示されるが、他の数及び幾何学形状も企図される。これらの電極セットは、図3において基本的に等距離で示されるが、当業者には理解されるように、本発明に適うように任意の数のセットを使用してもよい。 図4A及び4Bは、異なる電界ゾーンを作り出すために絶縁材料を含むEP電極の挿入を利用する2つの実施形態を示す(簡易性のため、単一の電極対のみが示される)。図4Aは、絶縁材料及び裸電極の交互の領域を有する単一の電極対を示し、言い換えれば、電極は、電極の長さに沿って等間隔で交互に置かれた導体を有し、各導体は絶縁材料によって分けられている。図4Bは、同様のセットを示すが、この事例において、非対称電界を発生することができるように、各導体は等間隔で置かれていない。 EPE対A及びBへのパルス電界の発生のためのEP発生器のハードウェアアーキテクチャの例示である。EPデバイスは、デジタル信号処理器(DSP)、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路、中央処理装置(CPU)、またはアナログ/デジタルデータを入力として受け付け、メモリ内に格納された指令に従ってそれを処理し、結果として出力を提供する任意の多目的プログラマブルデバイスに基づき得る。電極対A及びBのスイッチングシーケンスルーチンは、プログラミングされ、メモリ内に格納されている。データバスを使用して、パルシングパラメータを表示及び修正してもよい。高電圧絶縁は、ハードウェアをPCに接続しながら高電圧電源と共に使用することを可能にする。低電圧電源を使用して、全ての補助回路、例えば、電気容量及びインピーダンス測定のためのEME、アナログデジタル変換器、デジタルアナログ変換機、リレー、DSP、光スイッチ等に動力供給してもよい。 図6A、6B、及び6Cは、EPE及びEMEの3つの異なる構成を描写する。図6Cにおいて、スイッチング機構を介してそれぞれにEPE及びEME電源に接続された単一の電極セットが使用されている。スイッチング機構は、小さな励起電圧がその制御端末間に印加されたときにオン及びオフに切り替える。これらのスイッチは、電磁機構、電気機械的機構、圧電機構、及び光電機構を含む結合機構を使用する。図6Aにおいて、2セットの電極、EPE及びEMEが使用され、これらはそれぞれ構成され、適切な電源に接続されている。図6Bは、使用される各電極型の数によって、EPE及びEMEが所定の角度だけずらされていることを除いて、同様である。この実施形態では、ゾーン内の組織は、異なる様式で質問され得る。例えば、EPEに対する組織は、損傷を受ける可能性がある(例えば、組織は、「殺滅ゾーン」にある)。図6Bにおいて、EME#1とEME#2との間のインピーダンス(電気容量を含む)を測定することによって、例えば、EPE#1での組織損傷の判定を援助するか、あるいは、以下にEMと関連してより十分に記載されるように、「電子腫瘍断層撮影」の一種に使用することができる。 図7A、7B、7C及び7Dは、異なるEPE構成を描写するが、簡易性のために、単一の電極対のみが描写されている。図7Aは、皮膚の表面に局所的に印加された1対の非貫通固体EPEを描写する。追加のEPEセットは示されていないが、含まれる。図7Bは、組織内に貫通している1対の固体EPEを描写し、この実施形態では、EPEの先端は、組織内への挿入を容易にするために概して尖っており、例えば固体針先端である。この実施形態では、電界ゾーンは、組織内で「より深く」、例えば、表面の下にある。これは、電極間の長さ及び径方向に沿った三次元電界をもたらす。一般にこれらの貫通EPEは、約1〜約20mmであり得、これは、治療される組織の幾何学形状及び生理機能に左右される。図7Cにおいて、貫通固体EPEは、電極の遠位部分のみが露出するように、絶縁(非導電性)材料で被覆されている。図7A、7B、及び7Cの実施形態において、TM送達システムは、一般に、EPE間のEP位置に浅く挿入された針であることになる(示されない)。図7Dにおいて、貫通EPEは、中空であり、TM送達のための内腔と、内腔に接続する尖って、開放された先端を有する。左手側に、貫通電極は、絶縁材料で被覆された部分を軸に沿って有する。当業者には理解されるように、電気容量測定が完了したとき、EPEが電気測定電極(EME)として使用され得るか、図6に概して描写されるようにEMEの別のセットがあり得るかのいずれかである。 図8A、8B、8C及び8Dは、本発明のEPデバイスの構成要素を描写する(そのすべては、円筒状針に依拠するが、他の幾何学形状を使用してもよく、また、単一のEP電極対のみが描写されている)。図8A及び8Bは、TM送達(TMD)システムを有する1セットのEPE(第2のセットは示されない)を描写する。図8Aは、開端部を有するTMD中空、TMを送達するための内腔、及びむら気に送達されるTMと共に、組織内に挿入されたEPE及びTM送達システムを示す。図8Bは、ワンドの遠位端部にあり得るデバイスの下側を示す。あるいは、図8Cに示されるように、TMDシステムは、主治医によって手順の間に手動で挿入された標準シリンジを備え得る。この実施形態では、シリンジは、より深い貫通を物理的に阻止するための任意の針止めを、電界ゾーンの深度と相関する深度に有し得る。図8Dは、TMを送達するための複数の開口部を有するTM送達針を描写する。これは、より大きい分子(加えて、これらは通常、充電している)が一般に他の分子よりも組織内でより緩徐に放散するため、プラスミド及び抗体等のより大きい生体分子が送達される場合に役に立ち得る。したがって、EP位置内で複数の送達場所を有することによって、ゾーン内のより高い割合の細胞がTMを吸収することを可能にし得る。図8Dは、3つの開口部またはポートを描写するが、任意の数が使用され得る。さらに、図8Dは、針の1つの「側面」上の開口部を描写するが、開口部は、針の外面の任意の部分上に螺旋または他の形状を形成して位置付けられてもよい。 本発明に従う第1及び第2の電極対を有する、ワンド収容部を含むEPデバイスの概略図である。 本発明に従う電界ゾーン及びエレクトロポレーション位置を画定する第1及び第2のEPE対の概略図である。 本発明に従う非貫通EPE対の図である。 本発明に従う複数のEPE対によって生み出されたオフセット角度の概略図である。 本発明に従う、第1のEPE対に対応する第1の波形及び第2のEPE対に対応する第2の波形の図である。 本発明に従う、エレクトロポレーション位置における連続的なパルス電界、ならびに電界ゾーン内であるが、エレクトロポレーション位置の外側における交互のオン及びオフのパルス電界の図である。 本発明に従う、エレクトロポレーション位置における連続的なパルス電界、ならびに電界ゾーン内であるが、エレクトロポレーション位置の外側における交互のオン及びオフのパルス電界の図である。 本発明に従う、対象の組織内の細胞のエレクトロポレーション(EP)の間にエレクトロポレーション(EP)パルスパラメータを最適化するための適応制御システムを示す簡易概略図である。 本発明に従う、対象の組織内の細胞のエレクトロポレーション(EIS)の間の適応制御システムにおける使用のためのEPシステムを示す。 エレクトロポレーション(EP)パルスパラメータを最適化するための適応制御システムにおける使用のための、中央注入要素及び中央部分送達プローブの周りに一体化された電極を有する例示的なEPデバイスの概略図である。 EPデバイスの底面図である。 図18A及び図18Bは、エレクトロポレーション(EP)パルスパラメータを最適化するための適応制御システムにおける使用のための、注入要素及び部分送達プローブの周りに一体化された電極を有する例示的なEPデバイスの斜視図及び底面図の概略図である。 本発明に従う、EPデバイスの螺旋状部分送達プローブ上に位置付けられた複数の電極の概略図である。 本発明に従う、チャネルを作り出すための螺旋状の刃をそれぞれ含むEPデバイスの複数の中心注入プローブチャネルの図である。 複数の電極で囲まれた、図20Aの中心注入プローブを有するEPデバイス概略図である。 図20Bの底面図である。 本発明に従う、螺旋状中心プローブ及び螺旋状電極を有するEPデバイスを示す。 図22A、図22B、及び図22Cは、本発明に従う、遠位電極及び中心プローブを有するEPデバイスの概略図である。 図23A、図23B、図23C、図23D、図23E、及び23Fは、本発明に従う、多様なEPデバイスを示す。 図24A、図24B、及び図24Cは、本発明に従う、トロカールに基づく直接棒状アプリケータEPシステムを示す。 本発明に従う、カテーテルに基づく/内視鏡EPデバイスを示す。 本発明に従う、カテーテルに基づく/内視鏡EPデバイスを示す。 本発明に従う、組織の標的細胞のゾーンへの治療部分の送達のためのEPデバイスの概略図である。 本発明に従う、図27のEPデバイスの、出口ポート及び刃先端を有するチャネリングワイヤの概略図である。 本発明に従う、図27のEPデバイスの傾斜板及び傾斜板によって誘導されるチャネリングワイヤの概略図である。 本発明に従う、互いに連結された注入プローブ及び中心プローブの概略図である。 本発明に従う、図27のEPデバイスの湾曲したチャネリングワイヤの図である。 本発明に従う、電気容量センシング(CS)/EISセンシングシステムの概略図である。 本発明に従う、EPデバイスを使用して、組織の標的細胞のゾーンへの治療部分の送達のための方法の図である。 図34A、34B、及び34Cは、本発明に従う、(図27の)EPデバイスの多様な構成を示す。図34Aにおいて、複数のチャネルワイヤが使用され、全てが一度に展開され、「星形」パターンを作り出している。図34Bにおいて、単一のチャネルワイヤが使用され、展開、引き込み、回転、及び再展開されて同じ「星形」パターンであるが、それを経時的に作り出している。図34Cにおいて、単一のチャネルワイヤが使用されるが、チャネルワイヤの展開及び引き込みの後に、ワンド収容部がわずかに引き下がり、チャネルワイヤが再び展開され、「くし形」構造を形成する。 決まった場所にあるときには堅く保持されているが、ワイヤの展開に際し、その湾曲した形状に戻って流体リザーバの湾曲したチャネルを形成する、湾曲したチャネルワイヤを含む収容部を示す。 本発明に従う、EPシステムの使用の間にEPパルスパラメータを制御する適応制御方法のための制御ルーチンを示すフローチャートである。 本発明に従う、図36の制御ルーチンを用いてEPパルスパラメータを最適化するための1ステップ先のフィードフォワードの制御ルーチンを示すフローチャートである。 本発明に従う、パルシングパラメータを推定するのに使用されるモデルのための初期トレーニングステージの図である。 本発明に従う、第1のパルシングパラメータ(初期化)を推定するのに使用されるトレーニングされたモデルの図である。 本発明に従う、EPパルスパラメータの適応制御のための方法におけるEP診断ルーチンを示すフローチャートである。 本発明に従う、EPパルスパラメータの適応制御のための方法を示すフローチャートである。 本発明に従う、EPパルスパラメータの適応制御のための方法を示すフローチャートである。 時定数に対する脂質二重膜間に印加された電界の割合の分布を示す。 EPの前に測定された時定数の分布を示す。 前パルスEISデータに基づくパルス幅の変調の効果を示し、パルス持続時間は、各腫瘍について時定数の倍数に設定されている。 本発明に従う、得られた発光に対する、EP後に算出された時定数における相対的変化を示すデータを示す。 正常C57Bl/6Jマウス及びトランスジェニックPDGF−Cマウスのためのモデル適合パラメータを示し、表されるパラメータは、(A)溶液抵抗、(B)アドミタンス、(C)定位相要素(CPE)、及び(D)算出された時定数である。 プラスミドDNAの注入に続く溶液抵抗の低減率のヒストグラムを示す。 50μgのルシフェラーゼを発現するプラスミドDNAでの腫瘍内EPの48時間後に認められた発光データを示す。EP条件は、500V/cmに設定され、8パルスが印加され、持続時間は、算出された平均時定数の倍数に設定された。 50μgのルシフェラーゼを発現するプラスミドDNAでの腫瘍内EPの48時間後に認められた発光データ。EP条件は、350V/cmに設定され、8パルスが印加され、持続時間は、各個別の腫瘍について算出された時定数の倍数に設定された。 エレクトロポレーション後に算出された時定数における変化の関数としてプロットされた発光データ。より長いパルスは、算出された時定数の降下をもたらし、20%超の群は、対照と有意差があった。短いパルスは、算出された時定数の増加をもたらした。
I.概要
本発明は、概して、患者の細胞及び組織のEPの改善及び理想的には最適化のためのエレクトロポレーション(EP)パルスパラメータの制御に有用なデバイス、システム、及び方法を対象とする。本明細書にさらに記載されるように、例えば、細胞内に治療部分(低分子薬、治療タンパク質をコードするプラスミド等を含む)の挿入することができることを含むがそれに限定されない本発明の多様な使用がある。本発明は、腫瘍学の用途において特に有用である。本発明は、好適なEP条件及び/またはEPプロトコルを、電気化学インピーダンス分光(EIS)を含むがこれに限定されない電気測定(EM)を使用してリアルタイムで判定することを可能にする。本発明は、フィードバック制御機構を統合することによってEPプロセスを改善することを目指す。したがって、本発明のシステム及び方法は、任意のEPデバイス/アプリケータ、ならびに米国仮特許出願第62/214,807号、同第62/214,872号、同第62/141,142号、同第62/141,182号、同第62/141,256号、及び同第62/141,164号に概説されるもの等の任意の方法と共に使用することができ、これらは全て参照により本明細書中、具体的には図面、図面及び図中の構成要素の凡例及び説明中に組み込まれている。
臨床試験に現在使用されているEPパラメータは、均質な同系腫瘍モデルを使用する前臨床マウス研究において経験的に確立されている。一般に、注入のみと比べてエレクトロポレーションされた核酸の平均発現の最も高い上昇を与えた電気パラメータが選択される。当該技術分野における従来の研究は、pDNA濃度、電界(eフィールド)強度、パルス幅、組織型、電気条件、注入量、目的の分子、濃度、及び発現時のアプリケータ幾何学形状の効果を分析してきた。前述のパラメータのいずれも、結果的な発現に著しく影響を与えたことが判定されてきた。
EPの有効性を最大化するために、リアルタイムで測定可能な膜統合性の定量的メトリックが望ましい。電気化学インピーダンス分光(EIS)は、生理学的及び化学的システムの特性評価のための方法であり、標準EP電極を用いて実施することができる。この技法は、一定範囲の周波数にわたるシステムの電気応答を測定して、エネルギー貯蔵及び散逸特性を明らかにする。生体システムにおいて、細胞外及び細胞内マトリックスは電流フローに抵抗するため、抵抗器として電気的に表すことができる。無傷細胞膜及び細胞小器官の脂質はエネルギーを貯蔵し、蓄電器として表される。電気インピーダンスは、一定範囲の周波数にわたるこれらの抵抗素子及び容量素子の合計である。これらのパラメータのそれぞれを定量化するために、組織インピーダンスデータを等価回路モデルに当てはめることができる。組織の電気特性のリアルタイムモニタリングによって、EPパラメータのフィードバック制御が可能となり、不均質な腫瘍への最適なトランスフェクションをもたらすことになる。EISフィードバックを使用して、(1)送達パラメータをリアルタイムで調節すること、(2)治療応答を生成するのに必要なパルスのみの送達、及び(3)結果的な全EP媒介性組織損傷を低減することが可能となる。
本発明の様々な実施形態は、各EPパルスの前及びその間に腫瘍特異測定を取得してEPプロセスを最適化するために組織センシングに基づくフィードバックを使用する閉回路EP制御システムを提供することを対象とする。組織センシングを使用して、最適な治療のための各EPパルスを合わせるために、特定の腫瘍についての膜充電時間を測定する。
当業者には理解されるように、好結果のEPは、細胞膜が破壊されているときに生じ、これにより電気容量の変化がもたらされる。したがって、EPパルスの前、その間、及び/またはその後の電気特性、例えば、インピーダンス(電気容量を含む)をモニタリング及び測定することによって、関連する経験的データを収集することができ、それを使用して初期トレーニングフェーズの間にモデルを作り出すことができる。
本発明の様々な実施形態は、前述の閉回路EP制御システム及びデバイスを使用する細胞及び組織のEPの間に、制御されたEPパルスパラメータを改善または最適化するための適応制御方法及びシステムを対象とする。
いくつかの実施形態では、制御システムは、措定デバイス、初期化モジュール、信号発生器、制御器、及びメモリモジュールを含み得る。本明細書に記載される制御方法は、制御システム内に実装されている。
一態様において、測定デバイスは、細胞及び組織の誘電特性及び導電特性等の組織/細胞状態を測定する。測定デバイスは、組織/細胞状態の測定を容易にする1つ以上の異なる測定デバイスを含み得る。例えば、測定デバイスは、電圧センサ/デバイス及び/または電流センサ/デバイスを含み得る。電圧センサは、細胞または組織に励磁信号及び/またはEPパルスが印加されたときに細胞または組織間の電圧を測定するように構成され得る。電流センサは、細胞または組織に励磁信号及び/またはEPパルスが印加されたときに細胞または組織間の電流を測定する。測定の結果(例えば、測定されたデータ)は、さらなる処理のために制御器に送られ得る。
初期化モジュールは、細胞及び組織上でEPを実施するためのEPパルシングパラメータを初期化するように構成され得る。EPパルシングパラメータは、従来の実験/臨床試験に基づいて経験的に確立された所定のEPパルシングパラメータであり得る。あるいは、所定のEPパルシングパラメータは、1つ以上のトレーニングされたモデルに少なくとも部分的に基づき得る。信号発生器は、細胞及び組織に印加される励磁信号及び/またはエレクトロポレーションパルスを発生し得る。測定デバイスは、励磁信号及び/またはエレクトロポレーションパルスの印加に応じた細胞及び組織の誘電特性及び導電特性等の組織/細胞状態を測定する。
上記のように、制御器は、組織/細胞状態の測定の結果に対応する、測定されたデータを受け取る。制御器は次いで、測定されたデータを処理して、組織及び細胞の特徴の診断/識別を容易にし、かつ/またはシステムのための最新の制御パラメータを判定する。例えば、組織の不均質性または均質性を評価することができる。制御器は、前処理モジュール、特徴抽出モジュール、診断モジュール、及びパルスパラメータ推定モジュールを(任意の組み合わせで)含み得る。
前処理モジュールは、測定デバイスから測定されたデータを取得し、測定されたデータを前処理して、所望のデータを望ましくないデータと区別する。例えば、望ましくないデータは、ノイズ、直流バイアスを含み得る。前処理には、標準偏差等の標準値に基づいて測定されたデータを調整すること、測定されたデータのデジタルフィルタリングを実施すること、及び測定されたデータを確証することが含まれ得る。
特徴抽出モジュールは、関連する特徴等の情報を所望のデータから抽出する。関連する特徴は、定量的情報であり得る。例えば、定量的情報は、本明細書に記載される計算ルーチンを使用して抽出され得る。所望のデータの関連する特徴は、さらなる処理のために診断モジュールに送られる。例えば、診断モジュールは、所望の関連するデータの少なくとも一部を、1つ以上のトレーニングされた診断モデルに適用して、次のステップが、次に印加されるEPパルシングパラメータを選択することであるか、または例えば電極が組織内に設置されていない等の診断の問題が検出された場合に制御プロセスを停止するかを判定する。パルスパラメータ推定モジュールは、診断モジュール及び特徴抽出モジュールの結果に基づいて、次に印加されるEPパルシングパラメータを選択または発生するように構成されている。
いくつかの実施形態では、本発明は、「1ステップ先のフィードフォワード制御」を対象とする。「1ステップ先のフィードフォワード制御」とは、第1のEPパルスが印加される前に、パラメータ推定ルーチンが、過去に行われた実験からの経験的データを使用して初期トレーニングフェーズでトレーニングされたモデルに基づいて第1のパルスのための初期制御パラメータを初期化することを意味する。これらの過去に行われた実験は、例えば、本発明の制御方法に供される本発明の組織のものと同様の特徴を有する腫瘍を有する試料組織に基づき得る。例えば、黒色腫腫瘍の型、大きさ、または位置を使用して、初期モデルの基礎として機能するデータセットを構築することができる。電圧及び電流信号を含む初期励磁信号は、信号発生器(例えば、本明細書に記載される固有の信号発生器)を通して印加される。測定デバイスは、励磁信号への組織の応答を測定する。制御器は、測定に基づいて「特徴」を引き出し、トレーニングされたモデルを使用して、抽出した特徴を、過去に実施された実験から得られた経験的データから引き出した過去の特徴と比較する。過去の「特徴」及び引き出された「特徴」は、組織センシング測定、例えば、EISから取得される。モデルは、診断フェーズにおいて診断モジュールによって識別された組織または腫瘍型に基づいてトレーニングされ得、次いで、第1のEPパルスのための最適のパラメータ/条件を選択するために使用され得る。したがって、第1のパルスのパラメータ/条件が一定または静的条件に基づく従来のEPシステムとは異なり、これらの第1のパルスパラメータは、制御ルーチンのための第1のパルスとして印加されるように「フィードフォワード」されている。この意味で、本発明の方法は、細胞状態、例えば、透過処理の程度をセンシングし、パルスパラメータを適宜調節するためのフィードバック制御と併せて、センシングされた組織型に基づいて最適のEPパラメータを提供するためにフィードフォワード制御を利用する。
通常、治療結果に影響を及ぼす腫瘍特徴、例えば、腫瘍位置、大きさ、ならびに血管新生、線維形成、及び壊死の程度における変動は、遺伝子送達の有効なEP条件の乏しい予測性、及び結果的に、変動的な治療結果をもたらす。従来のEPシステムは、均質な同系腫瘍モデルにおける前臨床研究によって判定される先験的知識に依拠する静的パラメータを使用する開回路制御システムを適用する。しかしながら、予備データは、均質な腫瘍においても、細胞膜管に静電界を印加するのに必要な時間は、対数正規分布に従うことを示してきた。静的パラメータを異なる腫瘍に適用することは、均質なモデルにおいても、細胞膜管に印加される広範囲の静電界のもたらし、治療の可変性につながる。本発明は、組織センシングに基づくフィードバックを使用する閉回路制御システムを利用する制御方法を実装し、各EPパルスの前、及びその間に得た腫瘍特異測定を含むEPプロセスを最適化することによって従来技術の前述の欠点を克服する。したがって、「1ステップ先のフィードフォワード制御」と組み合わせたEISフィードバック制御を使用することによって、本発明は、通常、治療に影響を及ぼす治療特徴における変動を考慮して、EPのための有効なパラメータをより効率的に予測することができる。
II.電気化学インピーダンス分光(EIS)
本発明のシステム及び方法は、EPデバイスを使用して実施され得る電気化学インピーダンス分光EIS(または組織センシング)測定を含み得る。いくつかの実施形態では、EPデバイスは、EPパルスを印加するためのエレクトロポレーション電極(EPE)と、低電圧質問信号を細胞に印加するための電気測定電極(EME)と、を含み得る。いくつかの実施形態では、EPデバイスの電極は、EME及びEPEの両方として機能し、固体リレーを使用して、図1に示されるように高電圧EPパルス回路と低電圧EIS質問回路との間で切り替えてもよい。図1は、本発明に従うEISのための電気パルスの印加に使用されるEPデバイスのいくつかの構成要素を描写する簡易概略図である。4電極の電極アレイが示されているが、これは限定的ではなく、2、4、6、8、10、及び12以上の電極を含む電極対のアレイも全て、本発明において有用である。さらに、電極は直線型を有するように示されているが、これは限定的ではく、本発明のシステム及び方法において使用され得る様々なEPデバイスに関して以下に記載されるように、電極は湾曲または螺旋毛状を有してもよい。図1は、アレイの電極が、EP回路に接続しているときにEP電極として機能するか、または組織センシング/EIS回路に接続しているときに電気測定(EM)電極として機能し得る状況を描写する。本明細書で論じるように、EPデバイスの電極が、EME及びEPEの両方として機能するとき、電極は、リレースイッチを介してEPEモードとEMEモードとの間で切り替わる。つまり、固体リレーを使用して、図1に示されるように高電圧EPパルス回路と低電圧EIS質問回路との間で切り替わる。つまり、本発明の固有の発生器は、高電圧パルス及び低電圧質問信号を必要に応じてEPデバイスに供給することができる。EPデバイスが別個のEPE及びEMEを備える他の実施形態では、EPデバイスは、小さな励起電圧がその制御端末間に印加されたときにオン及びオフを切り替えるスイッチング機構を介して2つの電源に接続され得る。これらのスイッチは、電磁機構、電気機械的機構、圧電機構、及び光電機構を含む結合機構を使用する。
エレクトロポレーション条件の一般知識に起因して、EPパルスを印加する前に得られた電気容量及び抵抗測定は、細胞膜等の容量素子の不安定化をもたらすことになる条件の先験的知識を可能にする。パルス間の電気容量を測定することにより、膜電気容量及び抵抗に関連付けられる時定数に基づいてパルス幅(関連する時定数から計算することができる)を含む電気条件を調節することが可能となる。さらに、この情報は、理想的な時定数における降下が達成されたとき、例えば、膜統合性が悪化したときにプロセスを停止することを可能にし、それにより治療部分の導入が可能となる。
いくつかの実施形態では、図3に概して描写されるように、EPデバイスは、EPE及びEMEの異なるセットを使用する。いくつかの場合では、以下のより十分に概説されるように、EPE及びEMEの異なるセットのセットが使用されるとき、EME及びEPEはずらされ得、それにより、以下に、及び図3のための凡例において概して論じられるように、電界ゾーンの異なる領域におけるインピーダンス測定を可能にする。これらの実施形態では、適切な回路及びコネクタと共に、高電圧EPE電源に加え、追加の低電圧EME電源が使用される。
他の好ましい実施形態では、上記に記載され、本発明のシステム及び方法を示すために使用されるように、EPデバイスは、EP及びEIS測定の両方のために単一の電極セットを使用する。EIS測定は、組織特徴に悪影響を及ぼすことなくEPEを使用して実施することができる。低電力EIS測定及び高電力EPパルスを実施するために同じ電極を使用することにより、必要とされる電極の数を低減し、組織応答を直接測定することができるため、これが理想的である。EISは、組織のリアルタイムモニタリングをすることができる低電力技法である。この技法は、電極対の間に一連の低電圧励磁信号を印加し、一定範囲の周波数にわたる応答電流を測定することによって実施される。次いで、各印加された励磁の振幅及び位相を算出し、以下に示され、以下、「CPEに基づく組織モデル」と称される組織の等価回路モデルに当てはめる。

Figure 2018510015
インピーダンス測定は、以下の式を使用して取得され得る。
Figure 2018510015
上記の式中、Z(f)は、
Figure 2018510015
は、組織インピーダンス(オーム)であり、
Figure 2018510015
は、周波数(ヘルツ)であり、
Figure 2018510015
は、
Figure 2018510015
を表す定数であり、Qは(
Figure 2018510015
=1Hz時)、アドミタンス(シーメンス)であり、Rは、抵抗(オーム)であり、αは、定位相要素(CPE)(無単位)である。
モデル内に示されるように、抵抗素子(R及びR)はそれぞれ、細胞内及び細胞外マトリックスによるものであり、脂質構造は、組織及び細胞の定位相要素(CPE)によって表される。CPEは、脂質二重膜の電荷または電気容量(Qで示される)を表す関数であり、0〜1の範囲のスカラーは、蓄電器の非理想的な性質(αで示される)を表す。以下でさらに説明するように、脂質二重膜を充電するための時定数は、
Figure 2018510015
として算出され得る。この様式での時定数の算出は、本発明の方法に不可欠であり、それは、時定数を使用して、各治療の前、その間、及び/またはその後の最適なEPパルス持続時間を識別するためである。
EPE及び/または追加の電気測定電極EMEのアレイを使用することによって、電極アレイによって囲まれたゾーン内の組織に質問することができる。この情報を使用して、例えば、EP条件を指示することができる。つまり、チャープパルス(または以下に概説されるような他の多くのもの)等の異なるEIS質問入力信号を使用して、出力信号は、デバイスが組織モデルに適合して、使用する組織及びEP信号の特性を判定することを可能にする。例えば、図3を参照すると、電極の挿入後に、異なる質問を実行することができる。例えば、電極1と2との間のインピーダンスを1と8との間のインピーダンスと比較することで、1と2との間の「異常」または「疾患」組織と比較して、電極1と8との間の組織が「正常」組織であることを判定することを援助することができる。同様に、電極7と8または6と7との間の質問は、電極7が、血管の近く、またはその中にあることを判定することを援助することができ、したがってエレクトロポレーションに使用すべきではない。したがって、例えば、これらの測定を使用して、実験の範囲に基づく必要なデータに応じて、以下の4つの質問、及び任意の他の関連する問合せを挙げることができる。
1)各電極は、組織と良好に接触しているか?当業者には理解されるように、接近しにくい領域または特に柔軟な皮膚に電極を使用することによって、両方の電極が治療される組織内に適切な両方の電極が治療される組織に適切に挿入されているかどうかが不確実になる可能性がある。これは、不均質な電界及び不十分な送達をもたらす。2)電極が生体組織内に挿入されているか?異常組織、特に腫瘍組織への電極の挿入は、テクスチャ及び/または細胞統合性等において不均質であり得、壊死及び/またはアポトーシス細胞領域を有する多くの腫瘍を有する。したがって、電極は、良好かつ/または一様な電界をもたらさない位置に挿入され得、それによりその電極は、本発明の手順において使用されない場合がある。3)治療部分(TM)または薬物が正しい位置にあるか?この実施形態では、この測定を、TM溶液の注入前及び注入後に行うことができ、その差は、より多くのTM溶液を注入すべきかどうかを示すことができる。4)その位置及び/または接触のために使用すべきでない電極はあるか?ここでもまた、図3を参照すると、これらのEIS測定によって、電極7が不規則に(例えば、血管内またはその近くに)位置付けられるか、または電極が挿入された位置が、組織不均質性及び/または統合性に起因して不十分な電気接触をもたらすかの判定を可能にする。5)組織(例えば、腫瘍)は、十分にエレクトロポレーションされているか?これは細胞膜の統合性を測定するため、組織センシングと同じである。したがって、これらの測定は、EPの間及びEPの後に(ベースラインを確立するために)EPの前に行って、EPが生じなかったことを確認することができる。
さらに、これらのEIS測定を使用して、改善または最適化されたEPパルシングパラメータを提供するための本発明の適応制御方法に関して以下に記載されるように理想的なEP条件を判定することができる。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、電界ゾーン100またはエレクトロポレーション位置110(図10に示される)内の組織をEPE/EME対120と接触させることを含み得る。EPE/EMEに電気的に接続された低電圧電源を使用して、低電圧質問信号をEPE/EMEに印加する。インピーダンス及び/または電気容量をセンシングするための方法は、位相固定ループ、矩形パルス、高周波パルス、及びチャープパルス波形を含み得るが、これらに限定されない。電圧センサ及び電流センサを使用して電圧降下及び回路を流れる電流を検出し、図1に示されるように、これらのパラメータを制御器によって処理して、測定された領域内の全ての細胞について平均インピーダンスを判定し得る。
上記のように、電気容量及び抵抗測定は、細胞がどれほど健康であるかの指標であり、これを使用して、細胞膜を破壊し、エレクトロポレーションに十分な条件を提供するためにどれほど長く電気パルスを印加するかどうかを判定し得る。細胞の平均インピーダンスが判定されると、細胞または組織の初期状態、例えば、細胞が病的であるか(平均より低い電気容量によって示される)、細胞が健康であるかどうか、電極の位置付け、電極が目的の組織/細胞の周りの周囲領域に適切に位置付けられているか、及びそれらが効率的なエレクトロポレーションのための正しい位置にあるか、ならびに細胞について上記に簡単に論じた(以下にさらに記載される)時定数を含むがこれらに限定されない、測定された細胞のいくつかの特徴を判定することが可能となる。
いくつかの実施形態では、インピーダンス測定は、電界ゾーン100内の全ての細胞間の平均が一定であるかを判定するため、かつ特定の位置でのより精密な読み取りのためにいくつかのEIセンシング電極対にわたって行われ得る。全体でのEI測定が、いくつかの電極対にわたって一定でない場合、これは、細胞の均質性における不一致を示し、したがって、異なる電極セットに異なる時定数を適用する必要がある。時定数は、エレクトロポレーションを生じるために細胞に印加されるパルス幅の指標を与える。蓄電器への最大の充電(すなわち、蓄電器/細胞が、エレクトロポレーションに起因してエネルギーを貯蔵できない場合、良好なトランスフェクションが生じる場合)は、約5時定数が必要となる。その結果、エレクトロポレーションが生じる直前の状態まで蓄電器に充電するためのパルス幅は、したがって、少なくとも5時定数まで蓄電器に充電するのに必要なパルス幅であると判定することができる(τ)。時定数が判定された後、EPEが囲む領域内の細胞について判定された時定数に基づいて、各EPEセットについてパルス幅が適宜設定される。
時定数は、上記に示され説明される回路モデルに基づき得、以下の一連の式から引き出され得る。本発明の目的のための時定数は、印加された電位の半分に駆動するために端末間に印加される電位(V)に必要とされる時間(τ)として説明される(
Figure 2018510015
)。
Figure 2018510015

Figure 2018510015

Figure 2018510015

Figure 2018510015
式中、
Figure 2018510015
は、CPE間の電圧であり、
Figure 2018510015
は、端末または膜間に印加される電圧である。数2において、
Figure 2018510015
は、
Figure 2018510015
で置き換えられ、それによりステップ数3につながり、そこでfが算出され、fは、
Figure 2018510015
で置き換えられて、EPパルスのための理想的なパルス幅の算出に使用される最終時定数式を引き出す。
したがって、本発明の方法及びシステムは、電気に基づく測定及びフィードバックを利用して、以下にさらに記載されるようにEPプロセスを大幅に改善する。EPEがEPE及びEMEの両方として使用されるため、フィードバックはEPEによって提供され、追加のハードウェアを必要としない。電気データを修正されたRandlesモデル回路に当てはめることにより、膜の状態のためのパラメータモニタリングが可能となる。腫瘍組織を、修正されたRandles式にリアルタイムで当てはめることができる。修正には、定位相要素(CPE)に容量/抵抗素子を代入することが含まれる。CPEは、膜の現実的な表現を提供し、式中、Q=アドミタンス、かつ0≦α≦1である。
図10は、本発明に従う電界ゾーン及びエレクトロポレーション位置を画定する第1及び第2のEPE対の概略図である。図14A及び図14Bは、本発明に従う、エレクトロポレーション位置における連続的なパルス電界、ならびに電界ゾーン内であるが、エレクトロポレーション位置の外側における交互のオン及びオフのパルス電界の図である。当業者には理解されるように、好結果のエレクトロポレーションは、細胞膜が破壊されているときに生じ、これにより電気容量及び抵抗の変化がもたらされる。電界に供されると、細胞は一般に蓄電器として機能する。電界が十分に長い時間(細胞特性、健康状態、大きさ等に左右される)にわたって印加されると、電荷は、それが一定の閾値に達するまで細胞膜に蓄積し、膜統合性の崩壊を引き起こす。EPE及びEMEが異なる電極である実施形態では、EMEは、低電圧質問回路によって動力供給され得る。本発明はまた、図15に示されるように、細胞膜及び組織間の電流及び電圧を測定するための電圧センサ及び電流センサと、電圧及び電流を処理して、電界ゾーン100における細胞の平均電気容量を判定するための制御器と、を含む。
インピーダンスは、低電圧質問回路の低周波電界励磁に応じた細胞内の電荷再分布に基づいて測定され得る。インピーダンスは、細胞の健康状態、最適のエレクトロポレーションのための細胞に対する電極の位置付け、及び最も重要には、電界ゾーン内の細胞に印加される電界のパルス幅を判定するために使用することができる時定数を含むがこれらに限定されない細胞状態を判定するためにエレクトロポレーション電界を印加する前、その間、及びその後に測定され得る。前述のように、一般に、蓄電器を最大に充電する、すなわち、エレクトロポレーションが生じる直前まで充電するには、5時定数の時間を要し、したがって、初期エレクトロポレーション電界パルスのパルス電界は、時定数の5倍に設定され得る。このパルス幅は、上記のように、エレクトロポレーション位置110の外側にある細胞内でエレクトロポレーションを引き起こすには不十分であるが、エレクトロポレーション位置110内の組織の細胞内でエレクトロポレーションを引き起こすには十分であり、これは、1つの連続的な電界として印加される全てのEPEセットからの電界の相加作用に供される。インピーダンス測定は、第1のEP電界が印加された後に再び適用されてもよく、インピーダンスまたは時定数における割合の降下を計算し、それを所定値と比較して、エレクトロポレーション位置内の細胞が十分にエレクトロポレーションされているかどうかを判定してもよい。そうでない場合、本発明のシステム及び方法は、EP位置内で十分なEPが生じていることが判定されるまで、計算された電気容量における割合の降下に基づいて、次のエレクトロポレーションパルス電界セットのためにパルス幅を調節する。したがって、パルス間のインピーダンス測定により、細胞膜電気容量及び抵抗に関連する時定数に基づいて電気条件、すなわち、パルス幅を調節することを可能にし、エレクトロポレーションプロセスは、電気容量、時定数、または細胞膜統合性における理想的な支持に達したときに停止することができる。
本発明の様々な実施形態は、本明細書に記載される本発明の様々なエレクトロポレーションデバイスを使用して、組織のEP位置内の細胞をエレクトロポレーションするための制御システム及び方法を対象とする。
III.本発明の適応制御システム
本発明の様々な実施形態は、細胞及び組織のEPの間に制御パラメータを最適化するために、エレクトロポレーション(EP)デバイスにおいて実装される適応制御を提供するためのシステムを対象とする。いくつかの実施形態では、図15及び図16に示されるように、適応制御システムは、細胞及び組織の誘電特性及び導電特性を測定するように構成された測定デバイスを含む。
誘電特性及び導電特性の例としては、電気容量、抵抗、及びインピーダンスが挙げられる。いくつかの実施形態では、測定デバイスは、細胞または組織に印加された励磁信号のそれぞれ及び各EPパルスから生じる細胞または組織間の電圧を測定するように構成された電圧センサと、励磁信号のそれぞれ及び少なくとも1つの印加されたEPパルスから生じる細胞または組織の電流を測定するように構成された電流センサと、を含む。電圧及び電流測定は、細胞及び組織の様々な誘電特性及び導電特性を示し、それらを計算するために使用される。
図15は、本発明に従う、対象の組織内の細胞のエレクトロポレーション(EP)の間にエレクトロポレーション(EP)パルスパラメータを最適化するための適応制御システムを示す簡易概略図であり、図16は、対象の組織内の細胞のエレクトロポレーション(EIS)の間の適応制御システムに使用されるEPシステムを示す。いくつかの実施形態では、図16に示されるように、本発明のEPシステムは、(A)データロギングを伴うEIS装備のEP発生器(例えば、図15の発生器1530)と、(B)パルス条件をプログラミングし、フィードバック基準を設定し、EIS及びパルス動作特性をダウンロードするためのグラフィカルユーザインターフェースと、(C)中心注入内腔を囲む二重電極から構成される固有のアプリケータ(EPデバイス)と、(D)EPプロセスを遠隔作動させるためのフットペダルスイッチと、を含む。図16のEPシステムはEPデバイスの1つのタイプを示しているが、本発明の制御システムは、本明細書に記載される適応制御方法を実施するための本明細書に記載されるEPデバイスのいずれかを組み込み得ることを理解されたい。
いくつかの実施形態では、適応制御システムは、細胞または組織内でエレクトロポレーションを実施するためのEPパルシングパラメータを初期化するように構成された初期化モジュール1520を含む。EPパルシングパラメータには、電圧振幅、繰返し率、及びパルス幅が含まれ得るが、これらに限定されない。初期化されたEPパルシングパラメータは、少なくとも1つのトレーニングされたモデルに少なくとも部分的に基づく。トレーニングされたモデルは、物理ベースモデル、経験的モデル、またはデータ駆動型モデルであり得るが、これらに限定されない。EPパルシングパラメータには、パルス幅、パルス数、振幅/電界強度、及び周波数が含まれ得るが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、適応制御システムは、励磁信号を発生し、(EPE/EME)を通して細胞及び組織にEPパルスを送達するように構成された信号発生器1530をさらに含む。信号発生器1530は、オフラインで認められた実験データ、すなわち、本発明の制御方法に供されるものと同様の特性を有する組織/細胞を用いて行われた過去のエレクトロポレーション実験に基づいて初期励磁信号を所定のパルス幅で提供するEIS装備のパルス発生器であり得る。いくつかの実施形態では、信号発生器1530は、低電圧励磁(質問)信号、ならびにEPパルスのための高電圧信号の両方を供給することができる。かかる発生器の例は、図16に示される固有の発生器(A)である。発生器は、EISデータに基づき、各EPパルスの前、及びその間にリアルタイムフィードバック制御を実施することができる。発生器は、最小で10V、及び最大で300Vで出力することができ、パルス持続時間は、100μs〜10msである。パルスの前及びその間に捕捉されたEISデータは、1ディケード当たり10データ点が得られる100Hz〜10kHzの範囲にわたって発生器によって取得される。この範囲でのEISデータの取得は、250msで達成され、これは、(1)ルーチンを実行して次のパルスのための時定数を判定し、(2)分析後のEISデータを格納し、かつ(3)臨床的に使用されるEP条件を中断しないために十分に速い。発生器は、20オームの最小出力負荷インピーダンス及び開回路の最大負荷インピーダンスを有することが可能であり得る。カスタム発生器インターフェースは、多様な標準EPデバイスアプリケータと相接し、最大で6電極を支持することが可能である。固体リレーを使用して、高電圧EPパルス回路と低電圧EIS質問回路との間で切り替えることができる。発生器のハンズフリー動作を可能にするために、EPプロセスを起こすか、一時停止するか、または中止するためのフットペダルを付加してもよい。
電圧センサ及び電流センサを含む測定デバイス1510は、励磁信号及び/またはEPパルスの印加に応じた細胞及び組織間の電圧及び電流を測定する。いくつかの実施形態では、測定デバイスは、本発明のEPデバイス1540の電極に組み込まれているが、これに限定されない。他の実施形態では、測定デバイスは、電極から分離され、制御システム内の別の場所に実装され得る。
いくつかの実施形態では、本発明の制御システムは、測定された細胞または組織特性(すなわち、誘電特性及び導電特性、例えば、電気容量、抵抗、及びインピーダンス)の結果に対応するセンサデータを測定デバイスから受け取り、そのデータを処理して診断及び最新制御パラメータ内にするように構成されている制御器1505を含む。いくつかの実施形態では、制御器は、前処理モジュール1550、特徴抽出モジュール1570、診断モジュール1580、及びパルスパラメータ推定モジュール1560を含む4つのモジュールから構成される。前処理モジュールは、電流及び電圧測定からデータを取得し、データを前処理して、所望のデータを望ましくないデータと区別する。望ましくないデータには、外れ値、範囲外の値、及び欠損値が含まれるが、これらに限定されない。EIS測定から収集されたデータは、制御器、例えば、縮小命令セットコンピューティングアーキテクチャを有するマイクロプロセッサを使用して、組織インピーダンスモデル、すなわち上記のCPEベース組織モデルにリアルタイムで当てはめられる。
いくつかの実施形態では、特徴抽出モデルは、計算ルーチンを使用して所望のデータから定量的情報を抽出する。計算ルーチンには、線形曲線当てはめパラメータ、非線形曲線当てはめパラメータ、相互相関、曲率、平均(mean)、平均(averages)、中央値、範囲、標準偏差、分散、及び尖度が含まれ得るが、これらに限定されない。フィードバックモードで動作するとき、測定されたEISデータの特徴を使用して、EPプロセスに関連するパラメータを制御することができる。
いくつかの実施形態では、診断モジュールは、所望のデータの関連する特徴の少なくとも一部を、少なくとも1つのトレーニングされた診断モデルに適用する。診断モデルは、関連する特徴と共に、印加されるパルスのための決定を下すために使用される。診断モジュールは、いくつかの特徴を組み合わせて、EPデバイスの正しい針の位置付けがあるかどうか、薬物または遺伝子がEPE対の間に位置しているかどうか、EPパルスがトランスフェクションのために効率的に印加されたかどうか、及び同じ電極対に別のパルスを印加することができるかどうかを識別し得る。
いくつかの実施形態では、パルスパラメータ推定モジュールを使用して、診断モジュール及び特徴抽出モジュールの結果に基づいて次に印加されるEPパルシングパラメータを発生する。いくつかの実施形態では、本発明の制御システムは、該制御器による特徴抽出のための処理されたデバイス/センサデータ及び該トレーニングされたモデルを格納するためのメモリモジュールをさらに含む。
IV.エレクトロポレーションデバイス及び方法
A.EP電極構成
本発明のEPデバイスは、2つの主要な治療領域、すなわち治療部分の送達及び組織エレクトロポレーション/アブレーションにおいて有用である。一般に、かつ本明細書に概説される実施形態の多くについて、患者は、治療部分(TM)の細胞内送達から利益を得ることになる、特定の組織内に局在する癌等の疾患に罹患している。あるいは、いくつかの実施形態では、組織内の細胞の小さな部位を殺滅することが望ましい(しばしば、エレクトロポレーションの文脈において、「不可逆的エレクトロポレーション」または「エレクトロポレーションアブレーション」と呼ばれる)。当該技術分野で既知であるように、不可逆的エレクトロポレーションの1つの利点は、他の一般的なアブレーション技術での壊死とは異なり、アポトーシスをもたらすことである。本明細書における議論のほとんどは前者に関連する一方、TM送達の不在時のFPAシステム及び方法が全体を通して企図される。
本発明のEPデバイス及び方法は、患者または対象の組織内の細胞をエレクトロポレーションするため、ならびにその治療のためのエレクトロポレーション位置にTMを送達するために使用される。一般に、本発明のEPデバイスは、癌性組織などの疾患組織または異常組織を治療するために使用される。「癌」という用語は、不適切な細胞増殖、異常または過剰な細胞増殖を特徴とする無数の疾患を含む。癌の例としては、乳癌、結腸癌、前立腺癌、膵臓癌、皮膚癌(黒色腫、基底細胞癌、及び扁平上皮癌を含む)、肺癌、卵巣癌、腎臓癌、脳癌、または肉腫が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、皮膚組織、結合組織、脂肪組織等を含む癌性組織は、本発明のシステムを使用して治療することができる。かかる癌は、染色体異常、変性成長及び発達障害、分裂促進剤、紫外線(UV)、ウイルス感染、遺伝子の不適切な組織発現、遺伝子の発現の変化、または発癌性物質によって引き起こされ得る。「治療」という用語は、癌細胞の増殖の阻害もしくは低減、癌細胞の破壊、癌細胞の増殖の防止もしくは悪性細胞の開始の防止、形質転換された前悪性細胞の悪性疾患への進行の停止もしくは逆転、または疾患の寛解を含むが、これらに限定されない。「対象」または「患者」という用語は、任意の動物、好ましくはヒト等の哺乳動物を指す。獣医学用途も本発明によって包含されることが意図される。
本発明のシステム及び方法は、組織内の細胞のエレクトロポレーションにおいて有用である。本明細書で互換的に使用される「エレクトロポレーション」、「電気透過処理」、または「電気運動促進」(「EP」)という用語は、生体膜内に微小経路(細孔)を誘発するための膜貫通電界パルスの使用を指し、それらの存在は、治療部分(プラスミド、オリゴヌクレオチド、siRNA、薬物、イオン、及び水を含むがこれらに限定されない)が細胞膜の一方の側から他方の側に通過することを可能にする。一定時間にわたる電荷の印加を通して、細胞膜は電荷を蓄積し、式Vm=1.5×半径×Eext(式中、半径は細胞の半径であり、Eextは細胞の外部電界である)に従って、膜貫通電圧を生み出す。一般に、細胞膜は、およそ1ボルトで破壊される(例えば、細孔を形成する)が、それらの電界における位置付けに加え、細胞の大きさ及び形状によって変動し得る。例えば、長い筋肉細胞は、それらの長さに沿った電気容量と比べて細胞幅にわたってより高い電気容量を有する。同様に、より大きい細胞は一般により低い電圧でエレクトロポレーションされる。本明細書で論じられるように、本発明のEMまたは電気容量センシング技法のいずれかの使用は、電界内の細胞のバルク特性を判定することによってEPパルス及び持続時間を最適化することを援助することができる。
「エレクトロポレーションされた細胞」には、細胞膜内に開き、細胞膜上の電荷が消失するにつれて閉じる一時的な細孔を有するもの(「開放気孔細胞」)、及び細胞がエレクトロポレーションされて現在外因的に添加された治療部分を含有し、閉じた細孔を有するもの(例えば、再び無傷である)が含まれる。
図9を参照すると、本発明の様々な実施形態によるエレクトロポレーションデバイスは、概して、数字10で説明され、示されている。エレクトロポレーションデバイス10は、一般に、任意に円筒形の管(他の幾何学形状を使用してもよい)の形状にあるエレクトロポレーションワンド収容部12と、ワンド収容部に収容された第1のエレクトロポレーション電極対A及び少なくとも第2のエレクトロポレーション電極対Bと、を含み得る。ワンド収容部は、任意に、TM送達のためのシステム、スイッチング回路等を含む他の構成要素を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、ワンド収容部は、医師の使用を容易にするために、例えば、成形されたハンドル部分またはグリップ、遠位端部の任意の照明要素、治療部位を観察及び記録するためのカメラ、生検鉗子、組織はさみ、結紮デバイス、縫合システム等を有して形成される。
本明細書における「エレクトロポレーション電極対」「EPE」とは、電源に接続されたときに逆帯電するように構成された2つの電極からなる対を意味する。第1及び第2のエレクトロポレーション電極対は、エレクトロポレーションワンド収容部12内で静的であるか、または引き込み可能であり得る。エレクトロポレーションワンド収容部12は、エレクトロポレーション電極A及びBがそれを通して摺動可能に引き込み可能及び延出可能である、複数の摺動するスルーソケットを有する回路基板16をさらに含み得る。電極対A及びBは、インジケータまたはゲージ11と摺動可能に係合しているエレクトロポレーション収容部12内に載置されている。エレクトロポレーションワンド収容部12がゲージ11に沿って移動すると、それは電極対A及びBを交互に延出及び引っ込ませる。デバイスインジケータまたはゲージ11は、電極対A及びBの延出の長さの指標を提供し得る。エレクトロポレーションデバイスは、第1のA及び第2のBの電極対のそれぞれを電源18、例えば、パルス発生器に電気的に接続するための電気コネクタ14をさらに含み得る。電気コネクタは、4つ以上の導線(電源からエレクトロポレーション電極のそれぞれに電気信号を送るためのエレクトロポレーション電極の数に左右される)を含む。これらの信号は、針電圧設定値、パルス幅、パルス形状、パルスの数、及びスイッチングシーケンスを含み得る。上記のように、かつ当業者には理解され、以下により十分に記載されるように、EPEは、EMEとしても機能し得、その場合、発生器は、高電圧EPパルス及び低電圧EIS質問信号の両方を供給することが可能であり得るか、または適切なスイッチング機構を有する第2の低電圧電源を使用してより高い電圧のEP信号、及び次いでより低い電圧のEIS信号の送達を可能にする。
本発明のいくつかの実施形態では、EPEのうちの1つ以上は、図7A及び図11に示されるように、治療部分を組織に投与するための遠位開端部を有し得る非貫通電極であり得る。非貫通電極は、表面組織と接触するためのボタンまたはプレート等の任意の好適な形状の導体であり得る。注入器は、互いに間隔を空け、対象の組織の表面領域と密接に接触するように配置され得る。組織表面に接触する非貫通電極の部分は、導電性であり、電気コネクタ、例えば、電気コネクタ14を介して電源、例えば、電源18に電気的に接続され、それにより、非貫通EPEの導電性遠位端部間の回路を完成されることによって組織の領域を通して電流を送達することによってEPが達成される。
EPEは、導電性の材料で形成され得るが、本明細書で論じられるように、任意の絶縁被覆を使用してもよい。EPEは、印加される高電圧パルスに関連付けられる大規模な瞬時電流密度を通過させることができる任意の導電材料製であり、これには、金、白金、パラジウム、シリコン、アルミニウムを含む特定の金属及びそれらの酸化物;酸化白金、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化パラジウム、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化モリブデン(Mo)、酸化タングステン(WO)、及び酸化ルテニウムを含む金属酸化物電極;ならびにカーボン(グラッシーカーボン電極、グラファイト及びカーボンペーストを含む)が含まれるが、これらに限定されない。好ましい電極には、AgCl、コバルト・クロム、チタン、ステンレス鋼、白金、金、または金もしくは白金にプレーティングされた高導電性の金属が含まれる。
いくつかの実施形態では、例えば、非貫通電極対が使用されるとき、電極の遠位端部は、電界の発生のために露出されるが、その近位端部は、電界の印加を組織に隣接する電極の遠位端部のみに制限するように非導電物質で被覆されてもよい。
いくつかの実施形態では、挿入のために構成されたEP電極は、電界が、電極の長さに沿ってではなく電極の遠位端部を使用して発生して、例えば、組織内での「浅い」領域ではなく「より深い」EPを可能にするように、同様に絶縁材料で被覆されてもよい。
いくつかの実施形態では、図4A及び図4Bに概して描写されるように、挿入EP電極は、交互の絶縁材料及び裸電極の領域を有してもよい。この実施形態では、電極は、均一な電界をもたらす同じパターン、または非対称電界をもたらす異なるパターンで被覆されてもよい。同様に、本明細書の全ての電極構成について、電極は、同じ長さまたは異なる長さを有してもよい。
かかる部分的に絶縁されたエレクトロポレーション電極によって生成されたパルス電界は、治療の間に電極の遠位端部の露出した先端部分の間及びその近くの領域に主に集中し、絶縁部分の間及びその近くでは領域が小さい。部分的に絶縁された針アレイを使用して、腫瘍を有する標的領域内にエレクトロポレーションを制限し、標的領域を超える皮膚及び組織をエレクトロポレーションプロセスからから有意に遮蔽することができる。これは、いくつかの治療部分が標的領域上の健康な表面組織内に注入されたときにそれによって引き起こされる望ましくないまたさらには有害作用によって危険にさらされ得る健康な皮膚及び組織の保護を提供する。
図7A、7B、7C、及び7Dは、異なるEPE構成を描写するが、簡易性のために単一の電極対のみが描写されている。図7Aは、皮膚の表面に局所的に印加された1対の非貫通固体EPEを描写する。追加のEPEセットは示されていないが、含まれる。図7Bは、組織内に貫通している1対の固体EPEを描写し、この実施形態では、各EPEの先端は、組織内への挿入を容易にするために概して尖っており、例えば固体針先端である。この実施形態では、電界ゾーンは、組織内で「より深く」、例えば、表面の下にある。これは、電極間の長さ及び径方向に沿った三次元電界をもたらす。一般にこれらの貫通EPEは、約1〜約20mmであり得、これは、治療される組織の幾何学形状及び生理機能に左右される。この測定は、挿入の深度であり、電極の全長ではないことに留意されたく、一般に、組織との接触点から上方に延出し、適切な回路への取り付けのためにワンド収容部内に延出して、正しい空間構成に電極を保持するため等の電極の部分が存在することになる。図7Cにおいて、貫通固体EPEは、電極の遠位部分のみが露出するように、絶縁(非導電性)材料で被覆されている。図7A、7B、及び7Cの実施形態において、TM送達システムは、一般に、EPE間のEP位置に浅く挿入された針であることになる(示されない)。図7Dにおいて、貫通EPEは、中空であり、TM送達のための内腔と、内腔に接続する尖って、開放された先端を有する。左手側に、貫通電極は、絶縁材料で被覆された部分を軸に沿って有する。当業者には理解されるように、電気容量測定が完了したとき、EPEが電気測定電極(EME)として追加的に使用され得るか、図6に概して描写されるようにEMEの別のセットがあり得るかのいずれかである。
図8A、8B、8C及び8Dは、本発明のEPデバイスの構成要素を描写する(そのすべては、円筒状針に依拠するが、他の幾何学形状を使用してもよく、また、単一のEP電極対のみが描写されている)。図8A及び8Bは、TM送達(TMD)システムを有する1セットのEPE(第2のセットは示されない)を描写する。図8Aは、開端部を有するTMD中空、TMを送達するための内腔、及びむら気に送達されるTMと共に、組織内に挿入されたEPE及びTM送達システムを示す。図8Bは、ワンドの遠位端部にあり得るデバイスの下側を示す。あるいは、図8Cに示されるように、TMDシステムは、主治医によって手順の間に手動で挿入された標準シリンジを備え得る。この実施形態では、シリンジは、より深い貫通を物理的に阻止するための任意の針止めを、電界ゾーンの深度と相関する深度に有し得る。図8Dは、TMを送達するための複数の開口部を有するTM送達針を描写する。これは、より大きい分子(加えて、これらは通常、充電している)が一般に他の分子よりも組織内でより緩徐に放散するため、プラスミド及び抗体等のより大きい生体分子が送達される場合に役に立ち得る。したがって、EP位置内で複数の送達場所を有することによって、ゾーン内のより高い割合の細胞がTMを吸収することを可能にし得る。図8Dは、3つの開口部またはポートを描写するが、任意の数が使用され得る。さらに、図8Dは、針の1つの「側面」上の開口部を描写するが、開口部は、針の外面の任意の部分上に螺旋または他の形状を形成して位置付けられてもよい。
いくつかの実施形態では、エレクトロポレーション電極は概して、治療される組織を完全に囲むような長さである。好ましい実施形態では、全ての電極セット(電極の「アレイ」)は、アレイ内で同じ長さであるが、いくつかの事例では、異なる長さの電極の使用は、変化した非対称電界をもたらし得る。
多くの実施形態では、挿入のための電極の幅及び断面形状は、痛みを最小化するように構成されている。したがって、電極の幅は、0.05〜1〜2mmであり得る、電極がTMの送達にも使用されるときに左右され得る。一般に、電極が中空であり、TM送達に使用される場合、それらは、TM送達のための内腔を収容するために概してより大きい。
さらに、電極及びワンド収容部は、好ましくは、滅菌することができる材料、及び電極アレイ及びワンド収容部が再使用される場合に微生物捕捉を同様に最小化する構成からなる。いくつかの実施形態では、少なくとも電極アレイは使い捨てであり、いくつかの実施形態では、ワンド収容部全体も同様である。
本発明のいくつかの実施形態では、電極対のセットが使用される。つまり、図中に描写されるように、2セット(2対、4電極)を使用することができ、例えば第1及び第2のエレクトロポレーション電極対が利用される。第1及び第2のエレクトロポレーション電極対は、互いに所定の角度だけずらされている。2対の電極のセットについて、2つの電極対は、図1に示されるように互いに約90度の所定の角度だけずらされ、いくつかの実施形態では、90度が好ましい。電極は、1〜10mmの間隔で位置付けられ、電界ゾーンの外周を画定してもよい。
いくつかの実施形態では、電極のうちの1つ以上は、以下に論じられるように治療部分の導入のための中空針であってもよい。
EP電極を囲む組織は、しばしば、「バーンアウトゾーン」と呼ばれる。「バーンアウト」ゾーンとは、個別の電極のそれぞれに直接隣接する、かつ/またはそれと接触している組織が占める領域を意味する。これは、細胞が、電源からの高電圧信号の結果として加熱される電極と直接接触し、それにより細胞が、過熱による損傷に供されることから、「バーンアウト」ゾーンと呼ばれる。しかしながら、本発明の交流パルスデバイスを使用することによって、熱及び電界を50%(2つの電極セットの場合、より多くのセットを使用する場合はより多い)低減することでバーンアウトゾーン内の細胞への損傷を最小化することができる。さらに、電界強度が電界に集束/増加しているため、より高い電圧は、熱に依存しない方法でEP媒介細胞死を引き起こす可能性がある。
図5は、エレクトロポレーション電極対A及びBへのパルス電界の発生のためのハードウェアアーキテクチャの例示である。エレクトロポレーションデバイスは、デジタル信号処理器(DSP)、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路、中央処理装置(CPU)、またはアナログ/デジタルデータを入力として受け付け、メモリ内に格納された指令に従ってそれを処理し、結果として出力を提供する任意の多目的プログラマブルデバイスに基づき得る。電極対A及びBのスイッチングシーケンスルーチンは、プログラミングされ、メモリ内に格納されている。データバスを使用して、パルシングパラメータを表示及び修正してもよい。高電圧絶縁は、ハードウェアをPCに接続しながら高電圧電源と共に使用することを可能にする。低電圧電源を使用して、全ての補助回路、例えば、電気容量またはインピーダンスセンシング電極、アナログデジタル変換器、デジタルアナログ変換機、リレー、DSP、光スイッチ等に動力供給してもよい。
いくつかの実施形態では、図5に示されるように、第1及び第2の電極対は、各EPE対のそれぞれに様々な波形で電気信号を供給することができる発生器にさらに接続され得る。第1のEPE対Aは、電源によって、第2のエレクトロポレーション電極対Bに供給される波形の所定の位相差の波形を供給され得る。例えば、第1及び第2のEPE対は、図13に示される電極対Aの方形波及び電極対Bの方形波によって示されるように、180度の位相差を有する波形を受け取り得る。当業者には理解され、以下により十分に記載されるように、EISの場合、発生器または電源は、高電圧EPパルス及び低電圧質問信号の両方を送達することが可能であり、そうでない場合、追加の低電圧EIS電源が提供される。
いくつかの実施形態では、光結合したリレードライバを使用してEISのための質問信号を供給する低電圧EISモードからEPのためのEPパルスを供給する高電圧EPモードに発生器を切り替えるために、高度に専門化した医療用高速スイッチング高電圧/高電流固体リレーを使用する。各リレードライバは、高電圧電源と対応するエレクトロポレーション電極対との間に接続され得る。各リレーチャネルは、ターンオフ事象の間に電極対のそれぞれから浮遊電荷が除去されることを保証するようにプッシュプル構成で実装され得る。
第1及び第2の波形発生器を有する電源は、固体高電圧リレーチャネルA及びリレーチャネルBに電気的に接続して、第1及び第2の電気信号を制御及び出力し得、第1及び第2の波形が電極A及びBにそれぞれ出力される。
B.治療用送達システム
いくつかの実施形態では、本発明のEPデバイスは、治療部分(TM)送達システムを含み得る。TM送達システムは、TMの送達のための中心プローブまたはチャネルの形態でEPデバイス内に一体化されていてもよい。いくつかの実施形態では、上記のように、EPEは、それを通したTMの送達のための遠位開端部を有する中空電極として形成されてもよい。本明細書における「治療部分」(「TM」)とは、疾患組織を治療することができる、EPに好適な部分を意味し、これには細胞傷害剤、化学療法剤、毒素、放射性同位体、サイトカイン、または他の治療有効薬剤が含まれる。TMは、低分子薬、核酸(目的の治療タンパク質をコードするものを含む)、または生物活性を有するタンパク質(ポリペプチド及びペプチドを含む)であってもよい。
いくつかの実施形態では、TMは薬物であり、本発明の方法における使用のために企図される薬物は、典型的には、抗腫瘍または細胞傷害作用を有する化学療法剤である。かかる薬物または薬剤には、ブレオマイシン、ネオカルシノスタチン、スラミン、ドキソルビシン、カルボプラチン、タキソール、マイトマイシンC、及びシスプラチンが含まれる。他の化学療法剤は、当業者に既知である(例えば、The Merck Indexを参照されたい)。EPは、細胞膜に細孔を作り出すことによって、ブレオマイシンまたは他の類似の薬物の腫瘍細胞への進入を容易にする。
いくつかの実施形態では、TMは、核酸である。一般に、核酸であるTMは、2つの異なる機能型のものである。一実施形態では、核酸は、疾患を治療するために使用されるタンパク質をコードし、他の場合では、例えば、核酸がsiRNAまたはsnRNAであるとき、核酸はTMである。本明細書における「核酸」もしくは「オリゴヌクレオチド」、または文法上の等価物は、共に共有結合した少なくとも2つのヌクレオシドを意味する。本発明の核酸は、一般にホスホジエステル結合を含むが、いくつかの事例では、以下に概説されるように、代替的な骨格を有し得る核酸類似体が含まれ、これには例えば、ホスホルアミド(Beaucage et al.,Tetrahedron 49(10):1925(1993)及びその中の参考文献、Letsinger,J.Org.Chem.35:3800(1970)、Sprinzl et al.,Eur.J.Biochem.81:579(1977)、Letsinger et al.,Nucl.Acids Res.14:3487(1986)、Sawai et al,Chem.Lett.805(1984)、Letsinger et al.,J.Am.Chem.Soc.110:4470(1988)、ならびにPauwels et al.,Chemica Scripta 26:141 91986))、ホスホロチオエート(Mag et al.,Nucleic Acids Res.19:1437(1991)、及び米国特許第5,644,048号)、ホスホロジチオエート(Briu et al.,J.Am.Chem.Soc.111:2321(1989)、O−メチルホスホロアミダイト結合(Eckstein,Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach,Oxford University Pressを参照されたい)、ならびにペプチド核酸骨格及び結合(Egholm,J.Am.Chem.Soc.114:1895(1992)、Meier et al.,Chem.Int.Ed.Engl.31:1008(1992)、Nielsen Nature,365:566(1993)、Carlsson et al.,Nature 380:207(1996)(これらはすべて参照により組み込まれている)を参照されたい)が含まれる。他の類似体核酸には、正の骨格を有するもの(Denpcy et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:6097(1995)、非イオン性骨格(米国特許第5,386,023号、同第5,637,684号、同第5,602,240号、同第5,216,141号、及び同第4,469,863号、Kiedrowshi et al.,Angew.Chem.Intl.Ed.English 30:423(1991)、Letsinger et al.,J.Am.Chem.Soc.110:4470(1988)、Letsinger et al.,Nucleoside&Nucleotide 13:1597(1994)、Chapters 2 and 3,ASC Symposium Series 580,「Carbohydrate Modifications in Antisense Research」,Ed.Y.S.Sanghui and P. Dan Cook、Mesmaeker et al.,Bioorganic&Medicinal Chem.Lett.4:395(1994)、Jeffs et al.,J.Biomolecular NMR 34:17(1994)、Tetrahedron Lett.37:743(1996))、ならびに米国特許第5,235,033号及び同第5,034,506号、及びChapters 6 and 7,ASC Symposium Series 580,「Carbohydrate Modifications in Antisense Research」,Ed.Y.S.Sanghui and P.Dan Cookに記載されるものを含む非リボース骨格が含まれる。1つ以上の炭素環糖を含む核酸も、核酸の定義に含まれる(Jenkins et al.,Chem.Soc.Rev.(1995)pp169−176を参照されたい)。いくつかの核酸類似体は、Rawls,C & E News Jun.2,1997の35頁に記載されている。これらの参照の全ては、参照により明白に本明細書に組み込まれている。リボース−リン酸骨格のこれらの改変は、例えば核酸がsiRNAである場合等の生理学的環境におけるかかる分子の安定性及び半減期を増加するために行われ得る。
いくつかの実施形態では、核酸は、抗体を含むタンパク質を含む治療用生体分子をコードするDNAまたはRNAである。
いくつかの実施形態では、核酸は、患者の免疫システムを刺激し、かつ/または核酸で形質転換された細胞のアポトーシスまたは壊死を引き起こすように機能し得るインターロイキンをコードする。好適なインターロイキンには、IL−12が含まれるが、これに限定されない。
いくつかの実施形態では、核酸は、化学療法抗体をコードする。一般に、この実施形態では、組織内にエレクトロポレーションされた2つの核酸が存在し、1つは重鎖をコードし、1つは軽鎖をコードする。いくつかの事例では、これらは、単一の発現ベクターに存在してもよく、または2つの発現ベクターを使用してもよい。
「抗体」という用語は一般的に使用される。本発明に有用な抗体は、本明細書に記載されるように、従来の抗体、ならびに以下に記載される抗体誘導体、断片、及び模倣物を含む、数々の形式を呈し得る。従来の抗体構造単位は、典型的には、四量体を含む。各四量体は、典型的には、2つの同一のポリペプチド鎖の対を有し、各対は、1つの「軽」鎖(典型的には、約25kDaの分子量を有する)と1つの「重」鎖(典型的には、約50〜70kDaの分子量を有する)とを有する。ヒト軽鎖は、カッパ及びラムダ軽鎖として分類される。本発明は、IgGクラスに向けられ、これは、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4を含むがこれらに限定されないいくつかのサブクラスを有し、前者は、数々の用途、特に腫瘍学において特定の有用性を見出す。したがって、本明細書で使用される「アイソタイプ」とは、その定常領域の化学的特性及び抗原特性によって定義される免疫グロブリンのサブクラスのいずれかを意味する。治療用抗体はまた、アイソタイプ及び/またはサブクラスのハイブリッドを含み得ることを理解されたい。
各鎖のアミノ末端部分は、抗原認識に主に関与する約100〜110個またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を含み、一般的に当該技術分野及び本明細書では「Fvドメイン」または「Fv領域」と呼ばれる。可変領域では、重鎖及び軽鎖のVドメインのそれぞれに対して3つのループが集合して抗原結合部位を形成する。各ループは、アミノ酸配列の変異が最も顕著な相補性決定領域(以下、CDRと称する)と呼ばれる。「可変性」とは、可変領域の特定のセグメントの配列が抗体間で大きく異なることを指す。可変領域内の変動は均等に分布していない。代わりに、V領域は、それぞれが9〜15アミノ酸長またはそれ以上である「超可変領域」と呼ばれる極端な可変性のより短い領域によって分離された15〜30アミノ酸のフレームワーク領域(FR)と呼ばれる比較的不変の範囲からなる。
いくつかの実施形態では、抗体は全長である。本明細書中における「全長抗体」は、可変領域及び定常領域を含む、抗体の天然の生物学的形態を構成する構造を意味し、任意で、当該技術分野で既知であるように1つ以上のアミノ酸修飾を含む。あるいは、抗体は、抗体断片、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、ミニボディ、ドメイン抗体、合成抗体(本明細書ではしばしば「抗体模倣物」と呼ばれる)、キメラ抗体、ヒト化抗体、抗体融合物(しばしば「抗体複合体」と称される)、及びそれぞれの断片を含むがこれらに限定されない多様な構造であり得る。特定の抗体断片には、(i)VL、VH、CL、及びCH1ドメインからなるFab断片、(ii)VH及びCH1ドメインからなるFd断片、(iii)単一の抗体のVL及びVHドメインからなるFv断片、(iv)単一の可変要素からなるdAb断片(Ward et al.,1989,Nature 341:544−546、参照により全体が組み込まれている)、(v)単離されたCDR領域、(vi)2つの結合したFab断片を含む二価断片であるF(ab’)2断片、(vii)VHドメイン及びVLドメインがペプチドリンカーによって結合し、それにより2つのドメインが関連して抗原結合部位を形成する、一本鎖Fv分子(scFv)(Bird et al.,1988,Science 242:423−426,Huston et al.,1988, Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:5879−5883、参照により全体が組み込まれている)、(viii)二重特異性一本鎖Fv(WO03/11161、参照により全体が組み込まれている)、及び(ix)遺伝子融合によって構築される多価または多重特異性断片である「ダイアボディ」または「トリアボディ」(Tomlinson et.al.,2000,Methods Enzymol.326:461−479、WO94/13804、Holliger et al.,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.90:6444−6448、全て参照により全体が組み込まれている)が含まれるが、これらに限定されない。抗体断片は、修飾され得る。例えば、分子は、VH及びVLドメインを結合するジスルフィド架橋の組み込みによって安定化され得る(Reiter et al.,1996,Nature Biotech.14:1239−1245、参照により全体が組み込まれている)。
当業者には理解されるように、核酸TMは、発現プロモータを含むがこれに限定されない追加の構成要素を含む、プラスミド及び/または発現ベクター内に組み込まれ得る。
いくつかの実施形態では、送達システムは、エレクトロポレーション位置にTMを送達するように構成されたワンド送達システムを含み得る。送達システムは、第1の内腔を画定する少なくとも1つの注入プローブを含み得、注入プローブは、円筒形状を有し得、注入プローブの端部に針先端を有し得る。針先端は、中空であり得、エレクトロポレーション位置にTMを送達するための開端部を有し得る。いくつかの実施形態では、TMは、EPEによって画定される外周の中央に注入され、本明細書に記載されるEPデバイスのいずれかを使用してエレクトロポレーション位置内の細胞にエレクトロポレーションされる。
組織のEPは、インビトロ、インビボ、またはエクスビボで実施することができることを理解されたい。EPは、例えば、単細胞懸濁液、インビトロ、または細胞培養中でのエクスビボで、単細胞を利用して実施することもできる。
EPワンド収容部、例えば、ワンド収容部12は把持され、EPEは、所望の深度まで組織内に挿入される。その後、本明細書に記載される好適な発生器または電源は、EPEに接続され、適切な電圧が各EPE対に印加される。次いで、EPパルスが印加される前に、組織の治療のための好適な化学物質または医薬品の遺伝子または分子等の好適な量の治療部分が、上記のワンド送達システムを使用して組織内に注入される。
いくつかの実施形態では、送達システムは、第1の内腔を画定する少なくとも1つの注入プローブを含み得、注入プローブは、円筒形状を有し得、注入プローブの端部に針先端を有し得る。針先端は、中空であり得、エレクトロポレーション位置に治療部分を送達するための開端部を有し得る。いくつかの実施形態では、治療部分は、エレクトロポレーション電極対A及びBによって画定される外周の中央に注入され、本発明のEPデバイスを使用してエレクトロポレーション位置110内の細胞にエレクトロポレーションされる。
C.エレクトロポレーション方法
本発明の様々な実施形態は、エレクトロポレーションシステム、例えば、本発明のシステム10(図9に示される)を使用して組織のエレクトロポレーション位置で細胞をエレクトロポレーションする方法を対象とする。本発明の様々な実施形態は、集束パルス付加エレクトロポレーションの使用を対象とする。本明細書にける「集束パルス付加(FPA)エレクトロポレーション」とは、少なくとも第1及び第2のエレクトロポレーション電極対を介して電界ゾーンに短電界パルスを印加して、細胞に永久損傷をもたらすことなく、細胞膜に一時的な細孔を作り出すことを意味する。「エレクトロポレーションされた細胞」には、細胞膜内に開き、細胞膜上の電荷が消失するにつれて閉じる一時的な細孔を有するもの(「開放気孔細胞」)、及び細胞がエレクトロポレーションされて現在外因的に添加された治療部分を含有し、閉じた細孔を有するもの(例えば、再び無傷である)が含まれる。
本明細書における「エレクトロポレーション電極対」とは、電源に接続されたときに逆帯電するように構成された2つの電極からなる対を意味する。方法は、図面に示されるように、電界ゾーン100がエレクトロポレーション電極対A及びBによって包含される領域によって画定されるように、エレクトロポレーションワンド収容部12を組織に接触させることを含み得る。第1及び第2のエレクトロポレーション電極対は、エレクトロポレーションワンド収容部12内で静的であるか、または引き込み可能であり得る。エレクトロポレーションワンド収容部12は、エレクトロポレーション電極A及びBがそれを通して摺動可能に引き込み可能及び延出可能である、複数の摺動するスルーソケットを有する回路基板16をさらに含み得る。電極対A及びBは、インジケータまたはゲージ11と摺動可能に係合しているエレクトロポレーション収容部12内に載置されている。エレクトロポレーションワンド収容部12がゲージ11に沿って移動すると、図2に示されるように、電極対A及びBが交互に延出し及び引っ込む。デバイスインジケータまたはゲージ11は、電極対A及びBの延出の長さの指標を提供し得る。エレクトロポレーションシステムは、第1のA及び第2のBの電極対のそれぞれを電源18、例えば、パルス発生器に電気的に接続するための電気コネクタ14をさらに含み得る。電気コネクタは、4つ以上の導線(電源からエレクトロポレーション電極のそれぞれに電気信号を送るためのエレクトロポレーション電極の数に左右される)を含む。これらの信号は、針電圧設定値、パルス幅、パルス形状、パルスの数、及びスイッチングシーケンスを含み得る。当業者には理解され、以下により十分に記載されるように、EP電極は、CSまたはEIS電極としても機能し得、その場合、適切なスイッチング機構を有する第2の低電圧電源を使用してより高い電圧のEP信号、及び次いでより低い電圧のCSまたはEIS信号の送達を可能にする。
本発明のいくつかの実施形態では、図11に示されるように、エレクトロポレーション電極対A及びBのうちの1つ以上は、非貫通電極であり得、これは組織に治療部分を投与するための遠位開端部を有しても有しなくてもよい。非貫通電極は、表面組織と接触するためのボタンまたはプレート等の任意の好適な形状の導体であり得る。注入器は、互いに間隔を空け、対象の組織の表面領域と密接に接触するように配置され得る。組織表面と接触する非貫通電極の部分は、導電性であり、非貫通エレクトロポレーション電極の導電性遠位端部間の回路を完成させることによって組織の領域を介して電流を送達することによってエレクトロポレーションが達成されるように、電気コネクタ14を介して電源18に電気的に接続される。
いくつかの実施形態では、図12に示されるように、2つ以上の電極対が使用され得、オフセット角度は適宜調節され得る。電極の数が多いほど、全ての電極対の電界によって横切られるエレクトロポレーション位置がより集束する。さらに、より多くの電極対は、各電極対からのより短いパルスを可能にし、それにより、「バーンアウトゾーン」内の電極の周りの細胞死及び燃焼を実質的に減少、またはさらには排除する。
EP電極を囲む組織は、しばしば、「バーンアウトゾーン」と呼ばれる。「バーンアウト」ゾーンとは、個別の電極のそれぞれに直接隣接する、かつ/またはそれと接触している組織が占める領域を意味する。これは、細胞が、電源からの高電圧信号の結果として加熱される電極と直接接触し、それにより細胞が、過熱による損傷に供されることから、「バーンアウト」ゾーンと呼ばれる。しかしながら、本発明の交流パルスシステムを使用することによって、熱及び電界を50%(2つの電極セットの場合、より多くのセットを使用する場合はより多い)低減することでバーンアウトゾーン内の細胞への損傷を最小化することができる。さらに、電界強度が電界に集束/増加しているため、より高い電圧は、熱に依存しない方法でEP媒介細胞死を引き起こす可能性がある。
いくつかの実施形態では、図13に示されるように、第1及び第2の電極対は、各エレクトロポレーション電極対のそれぞれの様々な波形で電気信号を供給することができるEP電源(EPP)にさらに接続され得る。つまり、電源は、波形生成に好適な高電圧電源であり得る。第1の電極対Aには、電源によって、第2のエレクトロポレーション電極対Bに供給される波形の所定の位相差の波形が供給され得る。例えば、図13及び図14A及び図14Bに示される電極対Aの方形波及び電極対Bの方形波によって示されるように、第1及び第2のEPE対はそれぞれ、電源の第1の波形発生器及び第2の波形発生器から180度の位相差を有する波形を受け取り得る。当業者には理解され、以下により十分に記載されるように、電気容量センシングが行われると、低電圧電源が任意で使用される。
方法は、図10及び図14A及び図14Bに示されるように、電界ゾーン100がエレクトロポレーション電極対A及びBによって包含される領域によって画定されるように、エレクトロポレーションワンド収容部12を組織に接触させることを含み得る。いくつかの実施形態では、エレクトロポレーション方法は、電源から第1のエレクトロポレーション電極Aから発生する第1の信号を第1の波形で印加することと、電源から第2のエレクトロポレーション電極対Bに第2の信号を第2の波形で印加することと、をさらに含み得、第1の波形は、第2の波形の所定の位相差を有する。
エレクトロポレーションシステム10は、組織と接触したときに細胞膜内のエレクトロポレーションを引き起こし得る、選択された電極対A及びBに、動作中に複数の独立した信号を送る。第1及び第2の電極対A及びBが組織と電気的に接触しているとき、第1の周波数を有する第1の電気信号及び第2の電気信号が結合して、細胞を永久損傷させることなく痛みを最小化しながら、組織の細胞への治療部分の任意の導入のための一時的に細胞の細孔を開けるのに十分な周波数及び振幅を有する一定の波形を生成する。
組織の性質、選択された組織の大きさ、及びその位置は、生成される電気信号の性質を決定し得る。電界が、できるだけ均質であり、正しい振幅を有することが望ましい。過剰な電界強度は、細胞死をもたらし得、低電界は、細胞の不十分なエレクトロポレーションをもたらし得、それにより細胞への薬剤の送達の効率を低減する。
方法は、第1の電極対Aから電界ゾーン100にパルス電界を印加することをさらに含み得、パルス電界は第1の信号に基づき、第1の電極対Aのパルス電界及び各後続のパルス電界は、エレクトロポレーションのための最小閾値よりも低い電圧及び持続時間を有する。次に、第2のエレクトロポレーション電極対Bから電界ゾーン100に別のパルス電界が印加され、他方の電界は第2の信号に基づき、第2のエレクトロポレーション電極対Bの他方のパルス電界及び各後続のパルス電界は、エレクトロポレーションのための最小閾値よりも低い電圧及び持続時間を有する。
いくつかの実施形態では、第1及び第2のパルス電界は、矩形パルス、指数波形パルス、持続時間が制限された単極の振動波形、及び持続時間が制限された双極の振動波形からなる群から選択される。
本発明の方法によると、図14A及び14Bに示されるように、第1及び第2のエレクトロポレーション電極対A及びBのパルス電界の経路は、エレクトロポレーション位置110を横切り、第1のエレクトロポレーション電極対の各パルス電界のエレクトロポレーション位置への印加は、第2のエレクトロポレーション電極対の各パルス電界のエレクトロポレーション位置への印加と交互に繰り返され、エレクトロポレーション位置内の細胞にエレクトロポレーションを印加するのに十分な電圧及び持続時間を有する連続的なパルス電界となる。
他方で、第1のエレクトロポレーション電極対に隣接し、エレクトロポレーション位置の外側にある組織への第1のエレクトロポレーション電極対の各パルス電界の印加は、休止時間と交互に繰り返され、それにより第1のエレクトロポレーション電極対に隣接し、エレクトロポレーション位置の外側にある組織が、第1のエレクトロポレーション電極対からエレクトロポレーションのための最小閾値よりも低い電圧及び持続時間を有する交互のオン及びオフのパルス電界を受け取る。図14A及び14Bに示されるように、第2のエレクトロポレーション電極対に隣接し、エレクトロポレーション位置の外側にある組織への第2のエレクトロポレーション電極対の各パルス電界の印加は、休止時間と交互に繰り返され、それにより第2のエレクトロポレーション電極対に隣接し、エレクトロポレーション位置の外側にある組織が、第2のエレクトロポレーション電極対のエレクトロポレーションのための最小閾値よりも低い電圧及び持続時間を有する交互のオン及びオフのパルス電界を受け取る。
したがって、本発明のエレクトロポレーション方法は、エレクトロポレーション位置の外側にあるが、電界ゾーン100内に存在する健常細胞が、エレクトロポレーション位置内にあるものと比べて半分のみの持続時間にわたり、かつエレクトロポレーションに不十分な電気パルスに供されるという利点をもたらし、これらの細胞は、損傷を最小限に維持するか、または全くなかった。さらに、エレクトロポレーション位置110の外側にあるが、電界ゾーン100内に存在する細胞が短いパルスにのみ供されるため、これは、「バーンアウト」ゾーン内でエレクトロポレーション電極に直接隣接する細胞への損傷の程度を最小化する。
組織の性質、選択された組織の大きさ、及びその位置は、生成される電気信号の性質を決定し得る。電界が、できるだけ均質であり、正しい振幅を有することが望ましい。過剰な電界強度は、細胞死をもたらし得、低電界は、細胞の不十分なエレクトロポレーションをもたらし得、それにより細胞への薬剤の送達の効率を低減する。
いくつかの実施形態では、パルス電界は、矩形パルス、指数波形パルス、持続時間が制限された単極の振動波形、及び持続時間が制限された双極の振動波形からなる群から選択される。
本発明の様々な方法によると、図10に示されるように、第1及び第2のEPE対A及びBのパルス電界の経路は、エレクトロポレーション位置110を横切り、第1のEPE対の各パルス電界のエレクトロポレーション位置110への印加は、第2のEPE対の各パルス電界のエレクトロポレーション位置110への印加と交互に繰り返され、図14A及び14Bに示されるように、エレクトロポレーション位置110内の細胞にエレクトロポレーションを印加するのに十分な電圧及び持続時間を有する連続的なパルス電界となる。
V.好ましいデバイス実施形態
(i)オールインワンEPデバイス
したがって、本発明は、患者の組織内の細胞への治療部分の送達の改善のための装置及び方法を提供する。組織の治療ゾーン内の細胞への治療部分の送達の改善のためのオールインワンデバイスが記載される。デバイスは、内面を有する少なくとも螺旋状プローブ1702を含み、いくつかの実施形態では、螺旋状プローブは、図17Aに示されるように中心プローブであり得、いくつかの実施形態では、図18A及び18Bに示されるように少なくとも1つの追加のプローブ1702を含み得る。中心プローブ及び追加のプローブのそれぞれは、1つ以上の中心内腔1704(例えば、第1の中心内腔)を画定し得る。
第1の中心内腔1704は、中心プローブ1702の近位端部1706から遠位端部1708に延出する。いくつかの実施形態では、中心プローブの近位端部は、近位端部での電界の発生を阻止または低減するために、非導電材料で形成されるか、またはそれで被覆され得る。中心プローブ1702の近位端部1706は、開口部を画定して、中心内腔を注入器の内腔に流体接続し、それを通して治療剤が中心プローブ1702に送達され得る。いくつかの実施形態では、中心プローブの遠位端部1708も、組織への治療部分の送達のための開口部を画定する。あるいは、図22A〜22Cに示されるように、遠位端部1708は閉じていてもよい。中心プローブ1702の遠位端部の部分(複数可)は、組織を貫通するように構成された形状を有してもよい。
中心内腔1704または中心内腔の一部は、中心プローブの組織内での固着を増強し、中心プローブ1702乗に位置付けられた吐出口を介した組織へのTMの送達のためのチャネル1734を作り出すように構成された幾何学形状を含む。例えば、中心プローブ1702の一部は、例えば、図17Bに示されるように、幾何学形状に沿って位置付けられた1つ以上の吐出口1710を含み得る。
いくつかの実施形態では、中心プローブ1702は、アプリケータ1712内に少なくとも部分的に収容されてもよい。アプリケータは、遠位端部を含み得、それを通して中心プローブの一部が、アプリケータ1712の外側に延出して組織と接触し、アプリケータ1712内に引っ込む。例えば、EPデバイスは、中心プローブ1702をアプリケータの遠位端部に向かって、及びそれを通して、かつ組織1714を通して前進させるためのアクチュエータを含み得る。
中心プローブの内面及び/または外面に沿って画定される1つ以上の直径は、送達される治療部分の分布及び体積を変更するために調節可能であり得る。同様に、螺旋直径及び中心プローブの勾配は、該送達される治療部分の分布及び体積を変化させるために調節可能である。
いくつかの実施形態では、EPデバイスは、中心プローブ1702を電源に電気的に結合または接続するための電気コネクタ1716も含み得る。電気コネクタは、ハンドル1718内に含まれるか、または収容されてもよい。
いくつかの実施形態では、EPデバイスは、2つ以上の逆帯電エレクトロポレーション電極(EPE)1720を含むエレクトロポレーションシステムも含み得る。2つ以上の電極は、治療の間にそれらが治療ゾーン1722を実質的に囲むように位置付けられるように構成されている。電極1720は、近位端部から遠位端部に延出するように適合されている。電極の遠位端部の先端1724のうちの1つ以上は、組織を貫通するための針形状を含む。電極は、電極電源(例えば、図16に示される発生器Aに結合し、電気パルス1730を治療ゾーン1722に供給して、図14Aに示されるようにエレクトロポレーションに十分なパルス電界を作り出すために、電極に1つ以上の電気波形を電源から受け取らせる。
中心プローブと同様に、電極はアプリケータ内に収容されてもよい。電極1720は、中央プローブ1702の周囲に位置付けられてもよく、アプリケータ1712から治療ゾーン1722に展開されるように構成されてもよい。例えば、電極は、治療に向けてアプリケータから前進し、アプリケータ内に引っ込み得る。
いくつかの実施形態では、電極の前進及び引き込みは、ハンドル1718内に含まれる電源インターフェースによって電力供給されてもよい。例えば、電源インターフェースは、中央プローブ1702及びEPE1720の延出及び引き込みを作動させるための電力を供給することができる。
他の実施形態では、図19に示されるように、中央プローブ1702は、中央プローブ1702の螺旋幾何学形状上に位置付けられた電極を含んでもよい。これらの実施形態では、電極は、中央プローブ1702と一体で形成されてもよく、またはその上に取り外し可能に配置されてもよい。中心プローブ1702上の電極を、電極1720と組み合わせて使用して、所望の電界構成を生成することができる。
他の実施形態では、図20A及び図20Bに示されるように、中心プローブ1750とEPE1720との間に電界を発生してエレクトロポレーションを容易にするように、中心プローブは、電極電源に接続された電極プローブ1750、例えば、図16の発生器Aであってもよい。いくつかの実施形態では、図20Aに示されるように、中心プローブ1750は、チャネルを作り、中心プローブ1750の組織内でのより良好な固着のための螺旋状の刃を含んでもよい。図20Bは、複数の電極1720に囲まれた中心1750の概略図であり、図20Cは、図20Bの底面図である。
1つ以上の中心プローブは、本明細書の中心プローブ1720と同様に定義される第2の螺旋状プローブを含み得る。この場合、第2のプローブは、組織への治療部分の送達のための第2のチャネルを提供する。
いくつかの実施形態では、図22Aに示されるように、1つ以上の遠位電極1752は、アプリケータ1712の遠位端部に位置付けられてもよい。これらの遠位電極1752は、中心プローブ1702の一部(複数可)によって電界を発生するように構成され得る。少なくとも1つの遠位電極は、環状構成、直線状ワイヤ構成、螺旋状ワイヤ構成、または折り畳み可能なフープ構成に基づいて構成され得る。上記のように、デバイスは、中心プローブの1つ以上の部分に吐出口(複数可)を含んでもよい。遠位電極は、組織が供される電界を外部で発生するために、組織の外部に位置付けられるように構成され得る。あるいは、遠位電極1752は、組織の表面の下に位置付けられるように構成され得る。いくつかの実施形態では、図21に示されるように、遠位電極1754は、螺旋状ワイヤ電極が組織の表面の下に位置付けられるように、螺旋ワイヤ構成に基づいて形成され得る。中心プローブ1702の螺旋及び遠位電極1754の螺旋は、図21に示されるように、反対方向に巻かれてもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される電極(遠位電極を含む)は、それらをアプリケータ1712から適宜展開して治療ゾーンを実質的に囲むことができるように、中心プローブ1702の周りのアプリケータ1712内に収容される。
他の実装例において、プローブのうちの1つは、螺旋幾何学形状を含まない。例えば、プローブのうちの1つは、組織への治療部分の送達のための開放された近位端部及び遠位端部を有する直線状プローブである。直線状プローブの垂直軸は、中心プローブの直径の中心軸と同軸に整列している。直線状プローブは、中心プローブの一部(複数可)によって電界を発生するように構成され得る。螺旋幾何学形状を有する中心プローブは、アプリケータの遠位端部に載置された音響ホーンから受け取った音響エネルギーを伝送するように構成され得る。
a.センサシステム
いくつかの実施形態では、本発明は、センサシステムを含み得る。当業者には理解されるように、好結果のエレクトロポレーションは、細胞膜が破壊されているときに生じ、これにより電気容量の変化がもたらされる。電界に供されると、細胞は一般に蓄電器として機能する。電界が十分に長い時間(細胞特性、健康状態、大きさ等に左右される)にわたって印加されると、電荷は、それが一定の閾値に達するまで細胞膜に蓄積し、膜統合性の崩壊を引き起こす。電気容量センサシステムは、低電圧呼掛けまたは励磁回路であってもよく、低電圧電源によって動力供給される電気容量センシング電極対と、電圧センサと、電流センサと、電圧及び電流を処理してゾーン内の細胞の平均電気容量を判定するための電子信号処理装置と、を含み得る。
これらの実施形態では、センサシステムは、組織の細胞膜のインピーダンス測定を実施するためのものであり、低電圧電源(例えば、図16に示される発生器A)によって動力供給される電気容量センシング電極対(例えば、電極1720)を含む。センサシステムは、細胞膜間の電圧または電圧降下を検知するように構成された電圧センサ(電極1720、1752、及び/または1754と一体化している)をさらに含んでもよい。さらに、センサシステムは、細胞膜間の電流を検知するように構成された電流センサ(電極1720と一体化している)と、電子信号処理デバイス、例えば、図15に示される制御器1505と、を含んでもよい。電子信号処理デバイス(例えば、制御器1505)は、細胞膜間の電圧降下及び電流を処理して、細胞膜のインピーダンスを判定する。
いくつかの実施形態では、上記のインピーダンスを検知する方法(EIS)は、以下により十分に記載されるように、位相固定ループ、矩形パルス、高周波パルス、チャープパルス等の波形を印加することを含み得る。電界に曝露するとき、細胞膜は蓄電器として機能する。電気容量は、低電圧質問回路の低周波電界励磁に応じた細胞内の電荷再分布に基づいて測定してもよく、電気容量からインピーダンス測定を引き出してもよい。電気容量は、細胞の健康状態、最適のエレクトロポレーションのための細胞に対する電極の位置付け、及び最も重要には、電界ゾーン内の細胞に印加される電界のパルス幅を判定するために使用することができる時定数を含むがこれらに限定されない細胞状態を判定するためにエレクトロポレーション電界を印加する前、その間、及びその後に測定され得る。一般に、蓄電器を最大に充電する、すなわち、エレクトロポレーションが生じる直前まで充電するには、5時定数の時間を要し、したがって、初期エレクトロポレーション電界パルスのパルス電界は、時定数の5倍に設定され得る。このパルス幅は、上記のように、エレクトロポレーション位置の外側にある細胞内でエレクトロポレーションを引き起こすには不十分であるが、エレクトロポレーション位置内の組織の細胞内でエレクトロポレーションを引き起こすには十分であり、これは、1つの連続的な電界として印加される全てのエレクトロポレーション電極セットからの電界の相加作用に供される。電気容量測定は、第1のエレクトロポレーション電界が印加された後に繰り返されてもよく、電気容量における割合の降下を計算し、それを所定値と比較して、エレクトロポレーション位置内の細胞が十分にエレクトロポレーションされているかどうかを判定してもよい。そうでない場合、EP位置内で十分なEPが生じていることが判定されるまで、パルス幅は、計算された電気容量における割合の降下に基づいて、次のエレクトロポレーションパルス電界セットのために調節され得る。
電子信号処理デバイス(例えば、制御器1505)は、次の最適なパルシングパラメータを予測するために、等価回路モデルである上記のCPEに基づく組織モデルに組織インピーダンスデータを当てはめてもよい。上記のように、電気インピーダンスは、一定範囲の周波数にわたるこれらの抵抗素子及び容量素子の合計であり、したがって、これらのパラメータのそれぞれを定量化するために、組織インピーダンスデータをCPEに基づく組織モデルに当てはめることができる。したがって、一体化したセンサを有する電極1720、1752、及び1754によってパルス間で計測された電気容量測定により、細胞膜電気容量に関連する時定数に基づいて電気条件、例えば、パルス幅を調節することを可能にし、エレクトロポレーションプロセスは、電気容量、または細胞膜統合性における理想的な降下に達したときに停止することができる。組織の電気特性のリアルタイムモニタリングによって、EPパラメータのフィードバック制御が可能となり、不均質な腫瘍への最適なトランスフェクションをもたらすことになると仮定する。EISフィードバックを使用して、(1)送達パラメータをリアルタイムで調節すること、(2)治療応答を生成するのに必要なパルスのみの送達、及び(3)全EP媒介性組織損傷を低減することが可能となる。
b.治療部分送達方法
本発明の様々な実施形態は、電極を有するEPデバイス内に一体化された送達デバイス、例えば、吐出口1710を有する中心プローブ1702または吐出口1751を有する中心プローブ1750を使用して、組織の治療ゾーン内の細胞に治療部分を送達する方法を対象とする。いくつかの実施形態では、組織の治療ゾーンへの治療部分の送達のための方法は、EPデバイスに送達デバイスとしての中心プローブを設けることを含み得る。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、少なくとも第1の中心内腔を画定し、中心プローブ1702、1750の近位端部から遠位端部に延出する内面を有する中心プローブ1702、1750を含む。いくつかの実施形態では、送達デバイス1702の少なくとも一部は、送達デバイス1702の組織内での固着を増強し、組織への治療部分の送達のためのチャネルを作り出すように構成された螺旋幾何学形状を有する。中心プローブ送達デバイス1702の一部は、幾何学形状に沿って位置付けられた複数の吐出口を有し得、その中で中心プローブ送達デバイス1702の近位端部が開放され、治療剤が送達される中心内腔を細胞または組織に流体接続する。中心プローブ送達デバイス1702の遠位端部は、組織への治療部分の送達のための開口部/吐出口1710を画定するように開放され、組織を貫通するように構成された形状を有する。
他の実施形態では、図20A〜20Cに示される中心プローブ送達デバイス1750は、送達デバイス1750の組織内での固着を増強し、組織への治療部分の送達のためのチャネルを作り出すように構成された螺旋幾何学形状を有する刃1753を含む直管形状を有する。中心プローブ送達デバイス1750の少なくとも一部は、治療部分が送達される中心内腔を細胞または組織に流体接続するためにその上に位置付けられた少なくとも1つの吐出口1751を有し得る。
該方法は、中心プローブを組織の治療ゾーン内の疾患細胞と接触させることと、中心プローブ送達デバイス1702、1750を作動させて、アプリケータから軸方向に延出することと、中心プローブ送達デバイス1702、1750の少なくとも一部で組織を貫通して開口部を作り出し、それを通して中心プローブの少なくとも一部が組織に進入し、組織への治療部分の送達のための流体チャネルを作り出すことと、中心内腔内に治療部分を注入し、少なくとも1つの吐出口1751及び中心プローブの遠位開端部を通して組織に治療部分を送達することと、をさらに含む。
いくつかの実施形態では、該方法は、組織のゾーンを囲んで位置付けられるように構成された少なくとも2つの逆帯電エレクトロポレーション電極、例えば、電極1720を備えるエレクトロポレーションシステムまたはデバイスを提供することをさらに含み、エレクトロポレーション電極は、近位端部から遠位端部に延出するように適合され、遠位端部の先端は、組織を貫通するように構成された針形状を有し、エレクトロポレーション電極は、電源に結合するように適合されている。該方法は、組織のゾーンをエレクトロポレーション電極と接触させることと、電源から電極に電気パルスを送達することと、エレクトロポレーションに十分なパルス電界をエレクトロポレーション電極からゾーンに印加することと、をさらに含む。
いくつかの実施形態では、組織の治療部分への治療部分の送達のための方法は、組織の治療ゾーンへの治療部分の送達のためのデバイスを提供することを含む。該方法は、中心プローブ、例えば1702、及び遠位電極1752を組織の治療ゾーン内の疾患細胞と接触させることと、中心プローブ1702及び遠位電極1752を作動させて、アプリケータから軸方向に延出することと、遠位電極1752及び中心プローブ1702の少なくとも一部によって組織を貫通して開口部を作り出し、それを通して中心プローブの少なくとも一部が組織に進入し、組織への治療部分の送達のための流体チャネル1734を作り出すことと、中心内腔1704内に治療部分を注入し、吐出口及び中心プローブの遠位開端部のうちの少なくとも1つを通して組織に治療部分を送達することと、電源から遠位電極及び中心プローブに電気パルスを送達することと、エレクトロポレーションに十分なパルス電界を遠位電極及び中心プローブからゾーンに印加することと、組織から遠位電極1752及び中心プローブ1702を引っ込むことと、をさらに含む。
いくつかの実施形態では、上記のように、ゾーンに治療部分を送達するための方法は、EPEを電源に結合することと、組織のゾーンをEPEと接触させることと、電源から電極に電気パルスを送達することと、エレクトロポレーションに十分なパルス電界をEPEからゾーンに印加することと、をさらに含み得る。本実施形態は、細胞の細孔を開放し、それにより細胞がより大きい体積の治療部分を吸収し、治療のより良好な結果をもたらすことを可能にする利点を本発明の送達方法に付加する。
いくつかの実施形態では、パルス電界は、矩形パルス、指数波形パルス、持続時間が制限された単極の振動波形、及び持続時間が制限された双極の振動波形からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、上記のように、ゾーンに治療部分を送達するための方法は、以下にさらに詳細に記載されるように、エレクトロポレーションパラメータの最適化のためのエレクトロポレーションシステム及び方法と併せて、電気容量センシングシステム及び方法を提供することをさらに含み得る。低周波の低強度電界に曝露されると、細胞は一般に、膜内に存在する固定電荷を補うイオン雲に囲まれた絶縁構造として挙動する。電界は、イオン雲を分極し、細胞を蓄電器として作用させる電気双極子を生成する。健常細胞は、損傷した膜細胞を有する死細胞または疾患細胞よりも強力な蓄電器として作用し、それにより細胞と電気容量センシング電極との間により強力な容量結合がもたらされる。したがって、これらの特性は、細胞の膜統合性の指標として利用され得、これは次に、細胞のエレクトロポレーションの程度の判定をもたらすであろう。
組織のゾーンに治療部分を送達するための方法は、エレクトロポレーションプロセスを最適化するために組織の細胞膜電気容量を検知することをさらに含み得る。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、組織のゾーン内の組織を、電気容量センシング電極、例えば1720と接触させることを含み得る。電気容量センシング電極に電気的に接続された低電圧電源(例えば、発生器A)を使用して、低電圧質問信号を電気容量センシング電極に印加する。電気容量を検知するための方法は、位相固定ループ、矩形パルス、高周波パルス、及びチャープパルス波形を含み得るが、これらに限定されない。電圧センサ及び電流センサを使用して電圧降下及び回路を流れる電流を検出し、電子信号処理デバイスによってこれらのパラメータを処理して、測定された領域内の全ての細胞について平均電気容量を判定し得る。上記のように、測定された電気容量は、細胞がどれほど健康であるかの指標であり、これを使用して、細胞膜を破壊し、エレクトロポレーションに十分な条件を提供するためにどれほど長く電気パルスを印加するかどうかを判定し得る。
図23A、図23B、図23C、図23D、図23E、及び23Fは、本発明に従う、上記のように螺旋幾何学形状を含む中心プローブを有する多様なEPデバイスを示す。
(ii)トロカールに基づくデバイスEPデバイス
したがって、本発明は、容易に接近することができない体内の腔への改善されたEPのためのシステムを提供する。図24、図24B、及び図24Cは、本発明に従う、トロカールに基づく直接棒状アプリケータEPシステムを示す。トロカールに基づく直接棒状アプリケータEPシステムデバイスの設計は、皮膚のエレクトロポレーションデバイスでは接近不可能な腫瘍への免疫療法用遺伝子の送達を可能にする。かかる症例の例は、肺、肝臓、乳房、または任意の腫瘍が、皮膚より10cmよりも下にある場合である。EPシステムは、効率的な遺伝子送達及び使用者によって誘発される変動の低減のためのDNA及び電界の改善された共局在の利点を提供する。
いくつかの実施形態では、対象の組織内の細胞のエレクトロポレーション(EP)のためのシステムは、カニューレ2402及び閉塞具2404を含むトロカール、ならびに細胞または組織に接近するためにカニューレ2402内で摺動可能に載置可能、かつ引き込み可能なEPデバイス2406を含み得る。いくつかの実施形態では、カニューレ2402は、近位端部から遠位開端部2408に延出し、閉塞具2404を受けるように構成された第1の内腔を画定し、閉塞具は、近位端部2410から遠位端部2412に延出する。閉塞具の近位端部は、その上に載置されたハンドルを含み得、閉塞具の遠位端部は、皮膚を貫通し、体腔内に貫通し、かつ経路を形成するように構成された刃または尖った端部2414を含み得、該経路を通してカニューレ2402が体腔内に少なくとも部分的に挿入され得る。いくつかの実施形態では、閉塞具2404は、第1の内腔内で摺動可能であるように構成され、閉塞具の遠位端部2412は、2402カニューレの遠位開端部を通して第1の内腔の外側に延出するように構成されている。
いくつかの実施形態では、EPデバイス2406は、近位端部から遠位端部2420に延出するアンカー2418と、少なくとも2つの逆帯電電極2422と、アンカーの遠位端部2420に引き込み可能に配置された中心プローブ2424(遠位開端部1708を有する螺旋状プローブ1702と同様の様式で構成され得る)と、を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの逆帯電電極2422は、アンカー2418の遠位端部2420に引き込み可能に配置され、標的細胞のゾーン、例えば、図17Aのゾーン1722を囲んで位置付けられるように構成されている。いくつかの実施形態では、測定デバイスは、電極に結合している。電極は、発生器、例えば図16の発生器Aに結合し、発生器から少なくとも1つの電気波形を受け取り、かつ励磁信号及びEPパルスのうちの少なくとも1つをゾーン内の組織に供給するように適合されている。中心プローブは、少なくとも中心内腔を画定する内面を有し得、アンカーの遠位端部から延出し得る。中心プローブ2424の少なくとも一部は、本発明の17A〜22Cに関連して記載されるものと同様の様式で、中心プローブの組織内での固着を増強し、かつ組織への治療部分の送達のためのチャネルを作り出すように構成された螺旋幾何学形状を有し得る。中心プローブ2424の遠位端部2428は、組織への治療部分の送達のための開口部を画定するように開放されてもよく、組織を貫通するように構成された形状を有してもよい。中心プローブが展開されるとき、アンカー2418は、中心プローブ2424の近位端部に結合され得る。
いくつかの実施形態では、中心プローブ2424の各螺旋は、直径1mm〜直径6mm、典型的には約1mm〜3mm、より典型的には1.2mm〜2.3mmの範囲であり得、場合によってはおよそ1.5mmである。いくつかの実施形態では、電極は、2mm〜10mm、より典型的には2mm〜5mm、場合によっては約2mm離間していてもよい。いくつかの実施形態では、中心プローブの長さ及び電極の長さは、5mm〜15mm、より典型的には7mm〜10mmの範囲であり得、場合によってはおよそ8mmである。特定の範囲で記載されているが、これらの全範囲または具体的に列挙された範囲内の全ての中間範囲または特定の測定値を含む、下限の最低値から上限の最高値までの全ての範囲が含まれることが理解される。
いくつかの実施形態では、アンカーは、生検針を介して10cmの深度を達成するために、12ga生検針に適合するように構成されている。このようにして、EPデバイスは、DNAの増加した分散のために軟質腫瘍にアンカーすることができる。本発明のEPデバイスは、350V/cmの電界強度を達成するために、電極間の2.5mmの間隔に印加される87Vのみを必要とするという利点を提供する。この大きさの電界強度は、TM送達の有意な増強に関連付けられてきた。
いくつかの実施形態では、閉塞具2404の刃または鋭い端部2414は、カニューレ2402の遠位端部2408にある開口部を通してカニューレ2402の外側に延出するように構成されている。EPデバイス電極2422は、近位端部から遠位端部に延出するように適合されてもよく、遠位端部の先端は、組織を貫通するように構成された針形状を有してもよく、電極2422は、発生器に結合し、発生器から少なくとも1つの電気波形を受け取り、かつ励磁信号及びEPパルスのうちの少なくとも1つを標的細胞のゾーンに供給するように適合されてもよい。
本発明の様々な実施形態は、組織内の細胞への治療部分の送達及び前述の実施形態のEPデバイスを使用する細胞のEPための方法を提供することを目的とする。いくつかの実施形態では、該方法は、(i)中心プローブをアンカーデバイスに挿入することと、(ii)電極を展開することと、(iii)中心プローブを部分的に引き下げることと、(iv)その遠位端部を通して組織に治療部分を送達するために、中心プローブの内腔内に治療部分を注入することと、を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、(v)中心プローブを引き下げることと、(vi)発生器1530からの電気パルスをエレクトロポレーションのための電極に印加することと、(vii)デバイスを取り外すことと、をさらに含み得る。
(iii)改善された治療剤送達のためのデバイス
したがって、本発明は、患者の組織内の細胞への治療部分の送達の改善のための装置及び方法を提供する。図25〜33は、本発明による改善された治療剤送達のためのEPデバイスを示す。
図27に示されるように、EPデバイスは、第1の中心内腔2715を画定する内面2712を有する中心プローブ2710を備え、該第1の中心内腔2715を通して少なくとも1つのチャネリングワイヤ2720は、中心プローブ2710の外側に延出可能であり、第1の中心内腔2715内に引き込み可能である。中心プローブ2710は、第1の中心内腔2715を中心プローブ2710の外側に流体接続する出口ポート2730をさらに含み、それを通して注入された治療部分は第1の中心内腔2715から細胞のチャネル内へと流れ込む。EPデバイスはまた、中心プローブの内面と一体で形成されているか、またはそれに結合して、チャネリングワイヤ2720が疾患組織または細胞に達するように中心プローブの2710の外側に誘導する傾斜板2760を含む。
いくつかの実施形態では、中心プローブ2710は、遠位閉端部及び近位内腔を有する。プローブ2710の遠位先端は、組織を貫通するように設計された任意の形状で形成される。遠位先端の近位において、出口ポート2730は、第1の中心内腔2715を中心プローブ/針2710の外側に露出させる。チャネリングワイヤ2720も、その遠位先端に形成された貫通特徴を有し、第1の中心内腔2715内で摺動可能であり、かつ出口ポート2730を介して退出するように寸法決めされている。チャネリングワイヤ2720は、腫瘍の組織内に前進し、かつ手順の後の時点で注入される治療部分のための流体経路として機能する組織を通したチャネルを作り出すように適合されている。図25〜33に示されるように、チャネリングワイヤ2720は、中心プローブ2710内で傾斜板2760によって外側に向けられている。チャネリングワイヤ2720は、中心プローブ2710内に引っ込むように適合され、EPデバイスは、新しい配向に回転され得る。チャネリングワイヤ2720は、細胞内に繰り返し前進して、治療部分送達のための追加のチャネルを作り出してもよい。チャネリングワイヤ2720によって作り出されたチャネルは、組織内に注入された治療部分の保持を増強し、同様の大きさの典型的な針/シリンジで可能であるよりも大きい体積の注入を可能にする。
いくつかの実施形態では、EPデバイスは、中心プローブ/針2710の延出、引き込み、及び回転を自動化するハンドルと、十分な深度の貫通を容易にするチャネリングワイヤ2720と、をさらに含み得る。
他の実施形態、例えば、図25及び26のカテーテルに基づくか、または内視鏡EPデバイスでは、EPデバイスは、主要な実施形態に記載されるものと同様の中心プローブ/針2710を含むことになる。
他の実施形態、例えば、図30のEPデバイスでは、EPデバイスは、主要な実施形態に記載されるものと同様の中心プローブ/針2710を含むことになる。この実施形態は、複数の出口ポート2730を有することになり、それらを通して複数のチャネリングワイヤが同時にデバイスを退出し得る。
いくつかの他の実施形態では、図29に示されるように、チャネリングワイヤ2720は、遠位端部に形成された切断刃2773を有するワイヤを備える。刃は、腫瘍内に延出することができ、次いで、腫瘍内に円盤状の切り口を作り出して、内部を通して治療部分が細胞に送達されるチャネルを形成するために回転される。
なお別の実施形態では、図31に示されるように、中心プローブは、典型的なシリンジ/針と同様の遠位開端部を有する。チャネリングワイヤ2720は、曲線がワイヤにヒートセットされる(しばしば「形状記憶」と呼ばれる)ような超弾性材料(例えば、ニチノール)等の形状記憶合金で形成され得る。チャネリングワイヤが中心プローブ2710内にあるとき、ワイヤは、弾性的に真っ直ぐに伸びる。中心プローブ/針から退出すると、図31に示されるように、チャネリングワイヤ2720は曲線形状に戻り、それによりデバイスから外側に延出するチャネルを作り出す。
なお別の実施形態では、図30に示されるように、EPデバイスは、治療剤の注入のためにその遠位端部に注入針を有する注入プローブ2745と、チャネリングワイヤ2720を誘導するための別個の内腔を有する中心プローブ2755と、を備える。中心プローブ2755の内面2712は、チャネリングワイヤ2720を中心プローブ2755から腫瘍の内側へと外向きに誘導するための傾斜板2760、例えば、図25、29、及び30に示されるものを含み得る。2つの内腔を作り出す2つの部材は、それらの構造の材料に適切な方法で隣り合って結合している。例えば、2つの内腔が金属製である場合、それらは共に点溶接されてもよく、2つの内腔が硬質プラスチックなどの材料からなる場合、2つの内腔は共に超音波溶接されてもよい。あるいは、一体で形成された多腔の単一部材を利用して、同じものを達成することができる。この構成は、治療部分が送達のためにより大きい注入内腔を要する治療における利点をもたらす。
図27を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による組織内の細胞への治療部分の改善された送達のための装置は、中心プローブ2710及びチャネリングワイヤ2720を電源2780に田敵的に接続する電気コネクタ2770と、中心プローブ2710を治療部分の送達のためのシリンジに接続するように構成された小口径コネクタ2795と、電気コネクタ2770を収容し、中心プローブ2710及びチャネリングワイヤ2720の近位端部に結合して中心プローブ及び該チャネリングワイヤ2710の遠位端部の貫通の深度を容易にするハンドル2790と、をさらに含む。
図26、図27、図28、及び図29に示されるように、中心プローブ2710は、その近位端部から遠位閉端部に垂直方向に外向きに延出し、遠位端部に針形状を有して構成されて、腫瘍/組織内への初期貫通を提供する。中心プローブ2710の内面2712は、第1の中心内腔2715を画定し、チャネリングワイヤ2720をEPデバイスから外向きに誘導する傾斜板2760を有して構成されている。第1の中心内腔2715は、注入された治療部分が疾患細胞または組織に送達される前に、沿って流れる経路を提供する。
いくつかの実施形態では、出口ポート2730は、中心プローブ2710の側面に、その遠位端部から所定の距離で位置付けられ、それを通して治療部分は疾患細胞または組織に送達される。出口ポート2730は、中心内腔を該中心プローブの外側に流体接続する。中心プローブ2710は、細胞による治療部分の取込みを容易にするようにEPEを使用して任意で印加され得る電界との干渉を避けるために、遠位端部が絶縁(非導電性)材料で被覆された低導電性材料からなってもよい。中心プローブ2710は、約1mm〜約10mmの長さであり得、これは治療される組織の幾何学形状及び生理学、ならびにチャネリングワイヤ2720及びEPE2750が組織内でどの程度深く挿入される必要があるかに左右される。
いくつかの実施形態では、チャネリングワイヤは、中心内腔内に位置付けられ、中心プローブ内で摺動可能である。チャネリングワイヤは、中心プローブ内に位置付けられた近位端部、及び出口ポート2730を通して中心プローブの外側に延出して、疾患細胞に達してそれを貫通し、かつ流体チャネルを作り出すように構成された針形状貫通を有する遠位端部を有し得、該流体チャネルを通して治療部分が組織に送達され得る。チャネリングワイヤは、EPEを使用して任意で印加され得る電界との干渉を避けるために、遠位端部が導電材料または絶縁(非導電性)材料で被覆された低導電性材料からなってもよい。チャネリングワイヤ2720は、約1mm〜約20mmの長さであり得、これは治療される組織の幾何学形状及び生理学、ならびにチャネリングワイヤ2720及びEPE2750が組織内でどの程度深く挿入される必要があるかに左右される。
図29に示されるように、傾斜板は、中心プローブの内面2712と一体で形成されているか、またはそれに結合してもよく、チャネリングワイヤと接触して、それを中心プローブから中心プローブの外側に退出するように誘導するように適合されてもよい。傾斜部2760は、チャネリングワイヤ2720が疾患細胞に到達するのに必要な延出角度に基づいて調節可能であってもなくてもよい所定の角度で中心プローブの内面に形成または結合されてもよい。
図27を参照すると、EP送達デバイスに電力を供給するために、電気コネクタ2770は、中心プローブ2710及びチャネリングワイヤ2720を電源2780に電気的に接続する。いくつかの実施形態では、電源は、本発明の図16に示される発生器等の発生器であってもよい。電源は、疾患細胞の細孔を開くための電界を生成するための任意のEPEへの高電圧電気パルスの印加を容易にするように、高電圧電源であってもよい。
ハンドル2790は、電気コネクタ2770を少なくとも部分的に収容し、中心プローブ及びチャネリングワイヤの近位端部に結合して、中心プローブ及びチャネリングワイヤの遠位端部の貫通の深度を容易にする。ハンドル190は、様々な構成要素(例えば、チャネリングワイヤ、第1の中心内腔)の近位終端点、中心プローブ2710の接続点、及び小口径コネクタ嵌合部2795を提供し得る。ハンドルは、デバイスの主なユーザインターフェースとしても機能し、チャネリングワイヤ及び/または任意の電極の作動または展開のためにチャネリングワイヤ及び/または任意の電極に電気的に接続された1つ以上のユーザ入力ボタンを含んでもよい。ハンドルはまた、電源2780に接続された電気コネクタ2770も収容する。ハンドルは、デバイスの配向及び方向の制御を可能にし、チャネリングワイヤを展開及び引き込み、中心プローブ/針を展開及び引き込み、任意の電極を展開及び引き込み、(任意に)エレクトロポレーションパルスの送達を遠隔的に起こす。さらに、上記のように、ハンドルは、針、チャネリングワイヤ、及び電極の貫通の深度を容易にするように構成されている。
いくつかの実施形態では、ハンドル2790は、医師の使用を容易にするために、例えば、成形されたハンドル部分またはグリップ、遠位端部の任意の照明要素、治療部位を観察及び記録するためのカメラ、生検鉗子、組織はさみ、結紮デバイス、縫合システム等を有して形成される。
さらに、電極2750及びハンドル2790は、好ましくは、滅菌することができる材料、及び電極アレイ及びワンド収容部が再使用される場合に微生物捕捉を同様に最小化する構成からなる。いくつかの実施形態では、少なくとも電極アレイは使い捨てであり、いくつかの実施形態では、ハンドル全体も同様である。
いくつかの実施形態では、図25及び26に示されるように、EP送達デバイスは、図8に示されるように、中心プローブの外面を囲み、組織を有する体内への挿入の間に中心プローブを支持及び保護するカテーテルシャフトをさらに含んでもよい。
a.エレクトロポレーション電極
上記のように、EPE2750は、EP電源2780に電気的に接続されている。電気コネクタ2770は、電源からEPEのそれぞれに電気信号を送るための4つ以上の導線(EPEの数に左右される)を含み得る。これらの信号は、針電圧設定値、パルス幅、パルス形状、パルスの数、及びスイッチングシーケンスを含み得る。当業者には理解され、以下により十分に記載されるように、EP電極は、電気容量センシング(CS)またはインピーダンスセンシング(EIS)電極としても機能し得、その場合、図1に示されるように、適切なスイッチング機構を有する第2の低電圧電源を使用してより高い電圧のEP信号、及び次いでより低い電圧のCSまたはEIS信号の送達を可能にする。
EPE電極2750は、導電性の材料で形成され得るが、本明細書で論じられるように、任意の絶縁被覆を使用してもよい。電極は、印加される高電圧パルスに関連付けられる大規模な瞬時電流密度を通過させることができる任意の導電材料製であり、これには、金、白金、パラジウム、シリコン、アルミニウムを含む特定の金属及びそれらの酸化物;酸化白金、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化パラジウム、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化モリブデン(Mo)、酸化タングステン(WO)、及び酸化ルテニウムを含む金属酸化物電極;ならびにカーボン(グラッシーカーボン電極、グラファイト及びカーボンペーストを含む)が含まれるが、これらに限定されない。好ましい電極には、AgCl、コバルト・クロム、チタン、ステンレス鋼、白金、金、または金もしくは白金にプレーティングされた高導電性の金属が含まれる。
さらに、電極、TM送達デバイス、及びワンド収容部は、好ましくは、滅菌することができる材料、及び電極アレイ及びワンド収容部が再使用される場合に微生物捕捉を同様に最小化する構成からなる。いくつかの実施形態では、少なくとも及び/またはTM送達及び電極アレイは使い捨てであり、いくつかの実施形態では、ワンド収容部全体も同様である。
いくつかの実施形態では、EPEの遠位端部は、電界の発生のために露出されるが、その近位端部は、電界の印加を、電極の長さに沿ってではなく組織に隣接するEPEの遠位端部のみに制限して、例えば組織内での「浅い」領域ではなく「より深い」EPを可能にするように非導電物質で被覆されてもよい。いくつかの実施形態では、図4A及び図4Bに概して描写されるように、EPEは、交互の絶縁材料及び裸電極の領域を有してもよい。この実施形態では、電極は、均一な電界をもたらす同じパターン、または非対称電界をもたらす異なるパターンで被覆されてもよい。同様に、本明細書の全ての電極構成について、電極は、同じ長さまたは異なる長さを有してもよい。
かかる部分的に絶縁されたEPEによって生成されたパルス電界は、治療の間に電極の遠位端部の露出した先端部分の間及びその近くの領域に主に集中し、絶縁部分の間及びその近くでは領域が小さい。
いくつかの実施形態では、EPEは概して、治療される組織を完全に囲むような長さである。好ましい実施形態では、全ての電極セット(電極の「アレイ」)は、アレイ内で同じ長さであるが、いくつかの事例では、異なる長さの電極の使用は、変化した非対称電界をもたらし得る。
多くの実施形態では、電極は、1mm〜20mmの範囲の長さである。この測定は、挿入の深度であり、電極2750の全長ではないことに留意されたく、一般に、組織との接触点から上方に延出し、適切な回路への取り付けのためにハンドル2790内に延出して、正しい空間構成に電極を保持するため等の電極の部分が存在することになる。
多くの実施形態では、挿入のための電極の幅及び断面形状は、痛みを最小化するように構成されている。したがって、電極の幅は、約0.5mm〜1mm〜20mmであり、1mm〜15mmが好ましい。
b.治療部分送達方法
本発明の様々な実施形態は、本発明の送達デバイス100を使用して組織内の標的細胞のゾーン内の細胞に治療部分を送達するための方法を対象とする。
いくつかの実施形態では、標的細胞のゾーンに治療部分を送達するための方法は、本明細書に記載される本発明の実施形態のいずれかの、組織の標的細胞のゾーンへの治療部分の送達のためのデバイスを提供することを含む。図33は、本発明に従う、EPデバイスを使用して、組織の標的細胞のゾーンへの治療部分の送達のための方法の図である。
いくつかの実施形態では、細胞への治療部分の送達のための方法は、中心プローブ/針、例えば2710を細胞内に挿入することを含み得る。いくつかの実施形態では、例えば、図25及び25に示されるように、EPデバイスは、容易に接近することができない体腔に到達するための内視鏡使用のためであり得る。チャネリングワイヤ2720は、中心プローブ2710の内側から、中心プローブ2710の側壁上の出口ポート2730を介して中心プローブ2710の外側に展開され、それにより細胞または組織内に流体チャネルを作り出す。次いで、チャネリングワイヤ120は引き下がり、中心プローブ2710が回転し、チャネリングワイヤが再び延出する。複数のプローブ展開は、腫瘍内に流体チャネルを作り出す。チャネリングワイヤが引き下がると、治療剤が注入され、流体チャネルに流入する。
本発明による標的細胞のゾーンに治療部分を送達するための方法は、標的細胞のゾーン内の疾患細胞内に中心プローブ2710を挿入することと、チャネリングワイヤ2720を作動させて中心内腔から中心プローブ2710の軸方向に延出することと、針形状を有するチャネリングワイヤの遠位端部によって細胞または組織を貫通することと、をさらに含む。該方法は、貫通することの結果として、内部を通してチャネリングワイヤ2720の少なくとも一部が組織に進入し開口部を作ることと、内部を通して治療部分が送達される流体チャネルを作り出すことと、をさらに含んでもよい。該方法は、中心プローブ2710の内面と一体で形成されているか、またはそれに結合した傾斜板2760を作動させることと、チャネリングワイヤを傾斜板と接触させて、出口ポートを介して中心プローブ2710の遠位端部へ向かってチャネリングワイヤの軌道を誘導することと、をさらに含んでもよい。中心プローブを退出すると、チャネリングワイヤ2710は、延出して組織を貫通し、開口部を作り出し、それを通してチャネリングワイヤの少なくとも一部が組織に進入して、組織への治療部分の送達のための流体チャネルを作り出す。チャネリングワイヤは、中心内腔内に引っ込み得、治療部分が次いで、シリンジを介して中心プローブ内に注入される。中心プローブ内に注入されると、治療部分は、出口ポートを介して、チャネリングワイヤの挿入によって作り出された細胞内のチャネルに移動する。
他の実施形態では、チャネリングワイヤは、刃形状を有し得、チャネルを作り出す方法は、細胞内にあるときにチャネリングワイヤを回転させて、より大量の治療部分を受け取るためのより大きい領域を有する中空円筒状チャネルを作り出すことをさらに含み得る。
VI.本発明の適応制御方法
本発明の様々な実施形態は、EPデバイスを使用して組織内の細胞のEPの間にEPパルスパラメータを制御するための適応制御方法を対象とする。図36は、本発明に従う、EPシステムの使用の間にEPパルスパラメータを制御する適応制御方法のための制御ルーチンを示すフローチャートであり、図37は、本発明に従う、図36の制御ルーチンを用いてEPパルスパラメータを最適化するための1ステップ先のフィードフォワードの制御ルーチンを示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、適応制御方法は、本明細書に記載されるEPデバイスのいずれかを使用して実施することができる。しかしながら、本発明の方法は、それらに限定されず、62/214,807号、同第62/214,872号、同第62/141,142号、同第62/141,182号、同第62/141,256号、及び同第62/141,164号に概説されるもの等のEPシステム及びデバイス/アプリケータのいずれかによって、かつ任意の方法で実践することもでき、これらは全て参照により本明細書中、具体的には図面、図面及び図中の構成要素の凡例及び説明中に組み込まれている。
本発明のデバイス、システム、及び方法は、EPに基づく遺伝子療法のプロセスを改善することになる。現在のEPシステムは、均質な同系腫瘍モデルにおける前臨床研究によって判定される先験的知識に依拠する静的パラメータを使用する開回路制御システムを適用する。しかしながら、予備データは、均質な腫瘍においても、細胞膜管に静電界を印加するのに必要な時間は、対数正規分布に従うことを示してきた。静的パラメータを異なる腫瘍に適用することは、均質なモデルにおいても、細胞膜管に印加される広範囲の静電界のもたらし、治療の可変性につながる。1つの潜在的な救済策は、既知の膜充電時間の95%を包含する十分に長いEPパルスを適用する静的パラメータを定義することである。しかしながら、充電時間の変動により、平均腫瘍は4倍の過剰治療を受け、壊死やアポトーシスなどの副作用の可能性が増す。本発明は、各EPパルス前及びその間に得られる腫瘍特異測定によってEPプロセスを最適化するために、組織センシングに基づくフィードバックを使用する閉回路制御システムを実装することで、前述の問題への解決策を提供する。いくつかの実施形態では、組織センシングを使用して、最適の治療のための各EPパルスを合わせるために、特定の腫瘍についての膜充電時間を測定する。フィードバックの収束を保証するために、EPパルスパラメータに制約境界が課せられる。EPを増強するための閉回路制御システムを実装するために必要な条件は、(1)組織に電気力を加えて所望の状態に向かって駆動する能力、及び(2)組織の状態を測定する能力である。これは、印加された電気励磁信号の結果としての生体電気的変化を測定することによって達成することができる。
本発明のフィードバック適応制御方法は、閉回路フィードバック制御機構を用いて、EPパルスの前及びその間の腫瘍の生理学的特性をモニタリングすることによってEPを調節する。生理学的特性は、EIS組織データを本明細書に記載される等価回路モデルに、非線形最小二乗曲線当てはめルーチンを用いてリアルタイムで当てはめることによって判定される。データを組織モデルに当てはめることにより、治療される組織について、CPEによって表される細胞膜の統合性を定量化することが可能となる。EPパルスの持続時間は、CPEモデル適合パラメータに基づいて調節され、それによりCPEパラメータにおける相対的変化が治療に有益なpDNA発現に関連付けられるレベルに達すると治療EPを停止することができる。本発明の制御デバイス、システム、及び方法は、ユーザが治療分子を注入し、組織のベースライン状態を特性評価し、その組織に対して最適化されたEPパルスを送達し、膜統合性における相対的降下が達成されるとパルスを停止することを可能にする。これは、EPに関連するあらゆる曖昧さを取り除き、腫瘍特性の変動にかかわらず、好結果の免疫療法遺伝子の送達を確実にする。したがって、EISは、臨床腫瘍内免疫療法に現在使用されるハードウェアにおける顕著な進歩を表す。
本発明の様々な態様は、上記のように動的フィードバック制御システムを実装することによってEPの実践を進める必要性に対処する。遺伝子療法のためのインビボEPは、多くの異なる組織型及び腫瘍に対するワクチン接種及び腫瘍学の適応症において臨床的に使用されてきた。上記のように、EISは、組織のリアルタイムモニタリングをすることができる低電力技法である。この技法は、電極対の間に一連の低電圧励磁信号を印加し、一定範囲の周波数にわたる応答電流を測定することによって実施される。次いで、各印加された励磁の振幅及び位相が算出され、組織の等価回路モデルに当てはめられる。組織に使用される一般的な等価回路が上に示される。このモデルにおいて、抵抗素子(R及びR)はそれぞれ、細胞内及び細胞外マトリックスによるものであり、脂質構造は定位相要素(CPE)によって表される。CPEは、脂質二重膜の電荷または電気容量(Qで示される)を表す関数であり、0〜1の範囲のスカラーは、蓄電器の非理想的な性質(αで示される)を表す。
Figure 2018510015
として算出される脂質二重膜を充電するための時定数を使用して、各治療前に最適のEPパルス持続時間を特定することができる。
いくつかの実施形態では、エレクトロポレーション(EP)の間にEPパルスパラメータを制御するための適応制御方法は、本明細書に記載されるEPシステムのいずれか1つを提供することを含む。本発明のEPシステム及びデバイスの様々な実施形態は、同じ電極を用いて、低電力EIS測定及び高電力EPパルスを実施する。前述の構成が理想的であり、これは、必要な電極の数を減らし、組織応答を直接測定するためである。適応制御方法は、組織においてEPを実施するためのEPパルスパラメータを初期化することをさらに含み、初期化されたEPパルスパラメータは、図38に示されるように、少なくとも1つのトレーニングされたモデルに少なくとも部分的に基づく。図38は、本発明に従う、パルシングパラメータを推定するのに使用されるモデルのための初期トレーニングステージの図である。前に説明したように、モデルは、物理ベースモデル、経験的モデル、またはデータ駆動型モデルであり得る。いくつかの実施形態では、トレーニングされたモデルは、固定EPパルスパラメータを使用するEPデバイスの初期動作の間に認められた経験的データを使用してトレーニングされる。モデルは、機械学習法を使用する教師あり学習ルーチンを使用してトレーニングされてもよい。いくつかの実施形態では、モデル予測段階に使用される特定の実装は、本発明の適応制御方法によるパラメータ推定及び診断のための論理的ルールセットを生成する決定支援ツリーであり得る。
いくつかの実施形態では、本発明は、「1ステップフィードフォワード制御」を対象とする。「1ステップ先のフィードフォワード制御」とは、第1のEPパルスが印加される前に、パラメータ推定ルーチンが、過去に行われた実験からの経験的データを使用して初期トレーニングフェーズでトレーニングされたモデルに基づいて第1のパルスのための初期制御パラメータを初期化することを意味する。これらの過去に行われた実験は、例えば、本発明の制御方法に供される本発明の組織のものと同様の特徴を有する腫瘍を有する試料組織に基づき得る。初期化は、オフラインで行われる初期トレーニングフェーズであってもよい。パラメータ推定ルーチン(以下のより十分に記載される)は、例えば、数々の実験/試験から収集された経験的データを使用して、初期モデルトレーニングフェーズの間に最初に作成される。これは、フィードフォワードまたはフィードバック制御(固定パルスパラメータ)を一切使用せずにシステムを動作することによって、オフラインで行うことができる。経験的データには、多様な固定パルス設定、結果として得られる特徴、及びこれらの実験/試験から得られる対応する生物学的結果が含まれ得る。初期トレーニングフェーズにおける組織センシング測定及び診断フェーズにおいて識別された組織または腫瘍型から得られた以前にトレーニングされたモデル及び測定された特徴に基づき、制御器は、パラメータ推定ルーチンを使用して、第1のEPパルスのための最適のパラメータ/条件を選択する。したがって、第1のパルスのパラメータ/条件が一定または条件に基づく従来のEPシステムとは異なり、これらの第1のパルスパラメータは、制御ルーチンのための第1のパルスとして印加されるように「フィードフォワード」されている。この意味で、本発明の方法は、細胞状態、例えば、透過処理の程度をセンシングし、パルスパラメータを適宜調節するためのフィードバック制御と併せて、センシングされた組織型に基づいて最適のEPパラメータを提供するためにフィードフォワード制御を利用する。
図41A及び図41Bは、本発明に従う、EPパルスパラメータの適応制御のための方法を示すフローチャートである。図41Aに示されるように、適応制御方法は、EPデバイス1540のi個目の電極対を使用して信号発生器1530から細胞に電圧及び電流励磁信号を印加することと、印加された励磁信号に対応する細胞及び組織間の電圧及び電流を測定して、細胞及び組織の電気容量、抵抗、及びインピーダンスを含むがこれらに限定されない誘電特性及び導電特性を取得することと、をさらに含む。ここで、第1の電極セットにわたる測定についてi=1である。いくつかの実施形態では、電流及び電圧測定は、電圧センサまたは電流センサ、例えば、図15の制御システムの測定デバイス1510において示されるものによって行うことができる。電流及び電圧センサ(EPデバイスの電極と一体化しているか、または本発明の制御システム内の別の場所に含まれ得る)は、制御器がセンサから受け取った信号に対応する機能を実施する、すなわち第1のパルスパラメータを予測するために、細胞膜間の電流及び電圧を検知し、量のあらゆる変化を検出し、制御器1505に出力信号を提供する変換器として機能する。励磁電圧信号が最初に印加され、次いで、各EPパルスセットの間、例えば、第1及び第2のEPパルスの間に印加され、組織間で測定される。この信号は、帯域制限された信号であってもよい。対応する電流信号が測定される。このセンサデータは、時間相関され、以下に記載されるデータ前処理中に使用するために内部に保存される。
適応制御方法は、測定された細胞または組織特性の結果と対応するセンサデータを測定デバイス1510から取得することと、データを処理して診断及び最新制御パラメータにすることと、をさらに含む。これらの実施形態では、制御器1505の前処理モジュール1550は、データを前処理して、所望のデータを望ましくないデータと区別する。いくつかの実施形態では、電圧及び電流センサ1510は、電圧及び電流測定の制御器1505に信号を伝送し、制御器は、これらの測定からインピーダンスデータを引き出す。
図41Aに示されるように、制御器1505の前処理モジュール1550は、測定したデータを前処理し、所望のデータを望ましくないデータと区別する。制御器1505は、アルゴリズムを実行して、様々な測定から得られ内部に格納されたデータを処理し、これにより、最善のEP結果をもたらすEPパラメータセットを見つけるために曲線のプロット及び様々な他の統計分析を行うことが可能となり得る。いくつかの実施形態では、追加の安全手段として、同様の特性を有する後に収集されたデータを「望ましくない」データとして印付けするように、望ましくないデータはメモリモジュール内に格納される。
いくつかの実施形態では、データ前処理は、データマイニングを含み得る。データ収集方法は、しばしば緩やかに制御され、範囲外の値、不可能なデータの組み合わせ、欠損値等をもたらすため、かかる望ましくないデータについて慎重にスクリーニングされていないデータを分析することは、誤った結果を生み出し得る。したがって、本発明の制御器によって実行されるデータ前処理は、データ表現の質のための必要な安全手段を提供する。この趣旨で、センサデータは、外れ値、範囲外の値、欠損値を除去し、バイアスを除去し、スケーリング、相互相関、及びノイズ除去ルーチンを適用することによってクレンジングされる。いくつかの実施形態では、改善された、より理想的には最適化されたEPパルシングパラメータを推定するために、制御器によって特徴が抽出される前に、センサ検証ルーチンンを使用してデータの質を判定または評価する。
いくつかの実施形態では、制御器の前処理モジュールは、以下のいずれかを使用してデータを前処理し得る。
ノイズ除去フィルタ−センサ信号からノイズを除去するデジタルフィルタである。フィルタは、無限インパルス応答(IIR)または有限インパルス応答(FIR)フィルタとして実装され得る。これはまた、アナログフィルタまたはEP回路の一部として実装されてもよい。無バイアス−センサによって測定されたAC信号は、各信号からDCバイアスを除去することによって前処理され得る。スケーリング−データは、標準偏差等の標準値に基づき得る。中央値フィルタリング−データは、非線形デジタルフィルタリング技術を使用してフィルタリングされ得る。外れ値−データを処理して、範囲外の値または標準偏差の指定された数を超える値を識別することによって、残りのデータセットから極値を除去してもよい。センサ検証−制御器は、標準偏差、外れ値の数、歪度、及び尖度等の統計的尺度、またはデータの質を分析するための任意の他の既知の統計的尺度を使用して、測定されたデータの質を分析するアルゴリズムを実行することによって、ルーチンを実施し得る。例えば、データの標準偏差が閾値を超えた場合、データは、「望ましくないデータ」または使用不可能なデータセットとして印付けされる。
本発明の適応制御方法は、特徴抽出モジュール1570によって、所望のデータから関連する特徴を抽出することをさらに含む。「特徴」とは、前処理されたデータから得られ、前処理されたデータの様々な特性に基づいて有益かつ非冗長であることが意図される値を意味する。システムの特徴は、推定及び制御され得、それによりシステムが制御器1505によって安定化され得ることが実証される。
いくつかの実施形態では、特徴抽出モジュールは、計算ルーチンを使用して前処理された所望のデータから関連する特徴を引き出すための特定のソフトウェア命令を実行するように構成されている。前処理された所望のデータの特性は、データ記述統計、データ記述モデル、時間非依存変換、時系列変換、領域依存特徴抽出を含むがこれらに限定されない計算ルーチンを使用して取得され得る。
いくつかの実施形態では、センサデータのデータ記述統計は、平均、標準偏差、peak2peak、二乗平均平方根(RMS)、分散、尖度、波高率、相関係数、自己相関、及び相互相関を含み得るが、これらに限定されない。イベントの場合、データ記述統計には、カウント、発生率、持続時間、及び時間遅延が含まれ得る。データ記述モデルには、分布モデル、例えばパラメトリック分布、ヒストグラム、回帰モデル(モデルパラメータまたはモデリングエラーの使用)が含まれ得、曲線当てはめ、自動回帰(AR)モデル、分類/クラスタリングモデル(クラスラベルを特徴として使用する)、シーケンス整合可能性、パターン認識分類(フィッシャー判別、ベイズ定理)、時間非依存変換には、差、総和、比、対数、べきn、主成分分析、及び独立成分分析等の明示的な数学演算が含まれ得る。時系列変換には、周波数領域、時間−周波数領域、及びウェーブレット領域が含まれ得る。領域依存特徴抽出には、予想される入出力関係または出力−出力関係、派生隠れ状態、操作領域分割等のデータ処理のための特別な手順、及びエンベロープ分析等の物理ベースの特徴が含まれ得る。
いくつかの実施形態では、特徴は、励磁電圧及び電流信号の振幅比または位相差のパラメトリックモデル適合から得られる。かかるデータには、細胞内抵抗、細胞外抵抗、溶液抵抗、膜電気容量、アドミタンス、定位相要素指数、及び充電時定数が含まれるが、これらに限定されない。特徴抽出モジュールによる特徴抽出は、印加された励磁信号から生じる細胞の細胞膜の電気容量またはインピーダンスを判定することを含み得る。これらの実施形態では、インピーダンスは、固定周波数域内で繰り返される帯域制限された信号を印加することによって、印加された励磁信号から生じる細胞及び組織の誘電特性及び導電特性の測定から判定され得る。細胞または組織の誘電特性及び導電特性は、細胞または組織に印加された励磁電圧及び電流の振幅比及び位相差によって判定される。制御器1505は、各印加された励磁の振幅及び位相を算出し、これらを上記の組織の等価回路モデルに当てはめることができる。このモデルにおいて、抵抗素子(R及びR)はそれぞれ、細胞内及び細胞外マトリックスによるものであり、脂質構造は定位相要素(CPE)によって表される。CPEは、脂質二重膜の電荷または電気容量(Qで示される)を表す関数であり、0〜1の範囲のスカラーは、蓄電器の非理想的な性質(αで示される)を表す。
Figure 2018510015
として算出される脂質二重膜を充電するための時定数は、各治療前に最適のEPパルス持続時間を特定するために、パルスパラメータ推定モジュールによって使用され得る。
細胞及び組織に印加された励磁電圧及び電流信号間の振幅比及び位相差は、該励磁電圧及び電流信号を該メモリモジュール内に格納された既知の参照信号と相互相関することによって判定される。特徴の例としては、a)固定周波数での励磁電圧及び電流信号の振幅比及び位相差の値、b)i)狭周波数帯域での該励磁電圧及び電流信号振幅の振幅比または位相差、ii)広周波数帯域での該励磁電圧及び電流信号振幅位相の振幅比または位相差の平均値、中央値、最大値、及び最小値のうちの少なくとも1つ、c)周波数に関連する該励磁電圧及び電流信号の該振幅比または位相差の曲率、勾配、及びノイズ、d)定位相要素パラメータ、e)高周波抵抗(例えば、100Hz時);低周波抵抗(例えば、1kHz時)、ならびにf)電気容量が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本発明の制御方法は、図40に示されるように、診断モジュールによって、所望のデータの関連する特徴の少なくとも一部を、少なくとも1つのトレーニングされた診断モデルに適用することを含む。先験的な組織診断は、好結果のEPの予測において重要である。図40に示されるように、特徴は、(i)組織検出、(ii)腫瘍型検出、(iii)注入検出、及び(iv)透過処理検出のための一連の診断モデルへの入力として使用される。これらのモデルの結果に基づいて、システムは、(i)透過処理の結果として治療を終了するか、(ii)次のパルスパラメータの推定に進むか、または(iii)停止して診断イベントのオペレータに警告(例えば、組織が検出されない、腫瘍が検出されない、注入が検出されない)する。各診断モジュールについて複数の特徴を組み合わせるかまたは融合するために、1つ以上の統計的推論ルーチン(例えば、ベイズ推論)が使用される。システムは、制御入力(印加されるパルス)の決定に使用されるいくつかの診断モジュールを含むことになる。いくつかの実施形態では、制御方法は、得られた特徴をトレーニングされた診断モデルに当てはめるか、または適用することと、データの当てはめを観察し、不十分な当てはめまたは相関は、診断問題、例えば不適切な、例えば壊死または線維化組織内電極の位置付け、電極の腐食の指標である。いくつかの実施形態では、モデル、例えばCPEに基づく組織モデルへの組織の当てはめのための基準は、R>0.98である。制御器1505の診断モジュール1580は、上記のように当てはめまたは適用の結果に少なくとも部分的に基づいて診断応答を生成し、該診断応答には、組織検出、組織型検出、針位置付け検出、細胞膜透過処理検出、共局在診断、パルス検証、及び拒絶診断が含まれる。
上記の診断ルーチンは、本発明の制御方法において重要な役割を果たす。これが特に重要である領域の1つは、共局在検出である。電界を注入と重ねることが、EPプロセスの成功にとって最も重要である。電気測定は、異常が治療を妨げないことを確実にする。不十分な共局在をもたらす問題の例としては、有効な電界よりも深く注入すること、注入要素の偏向、及び組織または細胞における生物学的異常が挙げられるが、これらに限定されない。実施された実験及び研究は、良好な共局在は、少なくとも10%の溶液抵抗の低下を特徴とすることを実証した。本発明は、単一のEPデバイスまたはアプリケータにおいて治療部分送達デバイスをEP電極と一体かすることによって、少なくとも部分的に良好または理想的な共局在を達成することを目的とする。診断モジュールによって実施される本発明の診断ルーチンは、良好な共局在が認められ、組織が検出され、腫瘍が検出され、かつ注入が検出された後にのみEPが実施されることを確実にする。前述の条件が満たされると、次いで、制御器は、関連する特徴をCPEに基づく組織モデルに適用して、初期パルシングパラメータを推定する。
いくつかの実施形態では、上記のように、適応制御方法は、上記の診断ルーチン及び特徴抽出の実施後の関連する特徴のCPEに基づく組織モデルへの適用の結果に基づいて、パルスパラメータ推定モジュールによって第1のパルシングパラメータを推定することをさらに含む。つまり、組織が検出され、かつ注入が検出されると、初期化されたEPパルシングパラメータは、改善された、または理想的には最適化された第1のEPパルシングパラメータを推定するために、少なくとも1つのトレーニングされたモデル及び該測定された特徴に基づく。いくつかの実施形態では、図36及び37に示されるように、過去の特徴と組み合わされた特徴を使用して、将来のパルシングパラメータを判定することになる。推定子には、状態空間推定、人工ニューラルネットワーク、自己回帰(AR)、自己回帰移動平均(ARMA)推定子が含まれ得る。
いくつかの実施形態では、制御方法は、推定された改善/最適化された第1のパルシングパラメータに基づいて、第1のEPパルスを印加することをさらに含む。パルシングシーケンスの様々な実施形態が図41A及び41Bに示され、ここで、i=パルスシーケンス(励磁信号についてi=0、第1の印加されたEPパルスについて、i=1)、及びN=電極対の数である。適応制御方法は、第1のEPパルスが印加された後に、前のEPパルスパラメータ及び第1のEPパルスに応じた細胞の電圧及び電流測定、ならびに印加されたEPパルス間の特徴のうちの少なくとも1つにおける変化に基づき、トレーニングされたCPEに基づくモデルを使用して後続のEPパルシングパラメータを予測することをさらに含み得る。図41Bに示されるように、上記の組織センシングルーチンは、最適化されたEPパルシングパラメータが達成されるまで、またはパルス限界に達するまで、印加されたEPパルス間で繰り返される。
いくつかの実施形態では、図41A及び41Bに示されるように、制御方法は、a)予測された後続のEPパルシングパラメータに基づいて後続のEPパルスを印加することと、b)細胞及び組織への電圧及び電流励磁信号の印加を繰り返し、細胞または組織を測定することを繰り返し、データを取得すること及び所望のデータを望ましくないデータと区別することを繰り返し、関連する特徴を抽出することを繰り返し、適用することを繰り返すことであって、これらをi)EPパルスシーケンスまたはEPパルスのサイクルの所定の限界数が達成されるまで、またはii)診断応答が、適応制御方法を終了する診断決定を促すまで、繰り返すことと、をさらに含む。いくつかの実施形態では、時定数が50%低下したときには、制御方法は終了されてもよく、さらなるEPパルスは印加されない。この時点で、全ての群における発現は、対照と有意に異なると統計的に判定される。上記のように、EPパルスの持続時間は、CPEに基づくモデル適合パラメータに基づいて調節され、それによりCPEパラメータにおける相対的変化が治療に有益なpDNA発現に関連付けられるレベルに達すると治療EPを停止する。この技術は、臨床医が治療分子を注入し、組織のベースライン状態を特性評価し、その組織に対して最適化されたEPパルスを送達し、膜統合性における相対的降下が達成されるとパルスを停止することを可能にする。これは、EPに関連するあらゆる曖昧さを取り除き、腫瘍特性の変動にかかわらず、好結果の免疫療法遺伝子の送達を確実にする。
VII.送達のための治療部分
本発明は、患者の組織内の細胞への治療部分の送達の改善のための装置及び方法を提供する。一般に、本発明のシステムは、癌性組織などの疾患組織または異常組織を治療するために使用される。「癌」という用語は、不適切な細胞増殖、異常または過剰な細胞増殖を特徴とする無数の疾患を含む。デバイスは、癌または他の非癌性(良性)の腫瘍に苦しむ患者における使用が企図される。これらの腫瘍は、病変、ポリープ、腫瘍(neoplasm)(例えば、乳頭尿路上皮腫瘍)、パピローマ、悪性腫瘍、腫瘍(tumor)(例えば、クラツキン腫瘍、肺門腫瘍、非侵襲性乳頭尿路上皮腫瘍、胚細胞腫瘍、ユーイング肉腫、アスキン腫瘍、原始神経外胚葉性腫瘍、ライディッヒ細胞腫、ウィルムス腫瘍、セルトリ細胞腫)、肉腫、癌腫(例えば、扁平上皮癌、総排泄腔癌、腺癌、腺扁平上皮癌、胆管癌、肝細胞癌、侵襲性乳頭尿路上皮癌、扁平尿路上皮癌)、しこり、または任意の他の種類の癌性または非癌性腫瘍のいずれかとして顕在化し得る。本発明の実施形態のデバイス及び方法によって治療される腫瘍は、非侵襲性、侵襲性、表在性、乳頭部、扁平、転移性、局在性、一中心性、多中心性、低悪性度、及び高悪性度のいずれかであり得る。癌の例としては、乳癌、結腸癌、前立腺癌、膵臓癌、皮膚癌(黒色腫、基底細胞癌、及び扁平上皮癌を含む)、肺癌、卵巣癌、腎臓癌、脳癌、または肉腫、副腎皮質癌、肛門癌、胆管癌(例えば、末梢癌、末梢胆管癌、肝内胆管癌)、膀胱癌、良性及び癌性骨癌(例えば、骨腫、類骨骨腫、骨芽細胞腫、軟骨骨腫(osteochrondroma)、血管腫、軟骨粘液線維腫、骨肉腫、軟骨肉腫(chondrosarcoma)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、骨の巨細胞腫、脊索腫、リンパ腫、多発性骨髄腫)、脳及び中枢神経系の癌(例えば、髄膜腫、星状細胞腫、乏突起膠腫、上衣腫、神経膠腫、髄芽細胞腫、神経節膠腫、シュワン細胞腫、胚細胞腫、頭蓋咽頭腫)、乳癌(例えば、非浸潤性乳管癌、浸潤性乳肝癌、浸潤性小葉癌、非浸潤性小葉癌、 女性化乳房)、キャッスルマン病(例えば、巨大リンパ節過形成、血管胞状リンパ節過形成)、子宮頸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌(例えば、子宮内膜腺癌、腺類癌、乳頭状漿液性腺癌、明細胞)、食道癌、胆嚢癌(粘液性腺癌、小細胞癌)、消化管カルチノイド(例えば、絨毛癌、破壊性絨毛膜腺腫)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、カポジ肉腫、腎癌(例えば、腎細胞癌)、喉頭及び下咽頭癌、肝癌(例えば、血管腫、肝線種、限局性結節性過形成、肝細胞癌)、肺癌(例えば、小細胞肺癌、非小細胞肺癌)、中脾腫、形質細胞腫、鼻腔及び副鼻腔癌(例えば、鼻腔神経芽細胞腫、正中線肉芽腫)、上咽頭癌、神経芽腫、口腔及び中咽頭癌、卵巣癌、膵臓癌、陰茎癌、下垂体癌、前立腺癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫(例えば、胎児性横紋筋肉腫、胞巣状横紋筋肉腫、多型細胞型横紋筋肉腫)、唾液腺癌、皮膚癌(黒色腫及び非黒色腫皮膚癌の両方)、胃癌、精巣癌(例えば、精上皮腫、非精上皮胚細胞癌)、胸腺癌、甲状腺癌(例えば、濾胞状腺癌、未分化癌、低分化癌、甲状腺髄様癌、甲状腺リンパ腫)、腟癌、外陰癌、ならびに子宮癌(例えば、子宮平滑筋肉腫)が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、皮膚組織、結合組織、脂肪組織等を含む癌性組織は、本発明のシステムを使用して治療することができる。かかる癌は、染色体異常、変性成長及び発達障害、分裂促進剤、紫外線(UV)、ウイルス感染、遺伝子の不適切な組織発現、遺伝子の発現の変化、または発癌性物質によって引き起こされ得る。
「治療」という用語は、癌細胞の増殖の阻害もしくは低減、癌細胞の破壊、癌細胞の増殖の防止もしくは悪性細胞の開始の防止、形質転換された前悪性細胞の悪性疾患への進行の停止もしくは逆転、または疾患の寛解を含むが、これらに限定されない。「対象」または「患者」という用語は、任意の動物、好ましくはヒト等の哺乳動物を指す。獣医学用途も本発明によって包含されることが意図される。
本発明のシステム及び方法は、エレクトロポレーションゾーン内の組織内の細胞に治療部分を送達する。本明細書における「治療部分」またはTMとは、疾患組織を治療することができる、エレクトロポレーションに好適な部分を意味し、これには細胞傷害剤、化学療法剤、毒素、放射性同位体、サイトカイン、または他の治療有効薬剤が含まれる。治療部分は、本明細書により十分に概説されているように、低分子薬、核酸(目的の治療タンパク質をコードするものを含む)、または生物活性を有するタンパク質(ポリペプチド及びペプチドを含む)であってもよい。
いくつかの実施形態では、TMは薬物であり、本発明の方法における使用のために企図される薬物は、典型的には、抗腫瘍または細胞傷害作用を有する化学療法剤である。かかる薬物または薬剤には、ブレオマイシン、ネオカルシノスタチン、スラミン、ドキソルビシン、カルボプラチン、タキソール、マイトマイシンC、及びシスプラチンが含まれる。他の化学療法剤は、当業者に既知である(例えば、The Merck Indexを参照されたい)。エレクトロポレーションは、細胞膜に細孔を作り出すことによって、ブレオマイシンまたは他の類似の薬物の腫瘍細胞への進入を容易にする。この局所送達は、かかる薬物に通常付随する正常な全身毒性が、本明細書のEP方法の局所投与を介して最小化されるため、大きな利点を提供する。
いくつかの実施形態では、TMは、核酸及びタンパク質を含む生体分子である。
いくつかの実施形態では、TMは、核酸である。一般に、核酸であるTMは、2つの異なる機能型のものである。一実施形態では、核酸は、疾患を治療するために使用されるタンパク質をコードし、他の場合では、例えば、核酸がsiRNAまたはsnRNAであるとき、核酸はTMである。本明細書における「核酸」もしくは「オリゴヌクレオチド」、または文法上の等価物は、共に共有結合した少なくとも2つのヌクレオシドを意味する。本発明の核酸は、一般にホスホジエステル結合を含むが、いくつかの事例では、以下に概説されるように、代替的な骨格を有し得る核酸類似体が含まれ、これには例えば、ホスホルアミド(Beaucage et al.,Tetrahedron 49(10):1925(1993)及びその中の参考文献、Letsinger,J.Org.Chem.35:3800(1970)、Sprinzl et al.,Eur.J.Biochem.81:579(1977)、Letsinger et al.,Nucl.Acids Res.14:3487(1986)、Sawai et al,Chem.Lett.805(1984)、Letsinger et al.,J.Am.Chem.Soc.110:4470(1988)、ならびにPauwels et al.,Chemica Scripta 26:141 91986))、ホスホロチオエート(Mag et al.,Nucleic Acids Res.19:1437(1991)、及び米国特許第5,644,048号)、ホスホロジチオエート(Briu et al.,J.Am.Chem.Soc.111:2321(1989)、O−メチルホスホロアミダイト結合(Eckstein,Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach,Oxford University Pressを参照されたい)、ならびにペプチド核酸骨格及び結合(Egholm,J.Am.Chem.Soc.114:1895(1992)、Meier et al.,Chem.Int.Ed.Engl.31:1008(1992)、Nielsen Nature,365:566(1993)、Carlsson et al.,Nature 380:207(1996)(これらはすべて参照により組み込まれている)を参照されたい)が含まれる。他の類似体核酸には、正の骨格を有するもの(Denpcy et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:6097(1995)、非イオン性骨格(米国特許第5,386,023号、同第5,637,684号、同第5,602,240号、同第5,216,141号、及び同第4,469,863号、Kiedrowshi et al.,Angew.Chem.Intl.Ed.English 30:423(1991)、Letsinger et al.,J.Am.Chem.Soc.110:4470(1988)、Letsinger et al.,Nucleoside&Nucleotide 13:1597(1994)、Chapters 2 and 3,ASC Symposium Series 580,「Carbohydrate Modifications in Antisense Research」,Ed.Y.S.Sanghui and P. Dan Cook、Mesmaeker et al.,Bioorganic&Medicinal Chem.Lett.4:395(1994)、Jeffs et al.,J.Biomolecular NMR 34:17(1994)、Tetrahedron Lett.37:743(1996))、ならびに米国特許第5,235,033号及び同第5,034,506号、及びChapters 6 and 7,ASC Symposium Series 580,「Carbohydrate Modifications in Antisense Research」,Ed.Y.S.Sanghui and P.Dan Cookに記載されるものを含む非リボース骨格が含まれる。1つ以上の炭素環糖を含む核酸も、核酸の定義に含まれる(Jenkins et al.,Chem.Soc.Rev.(1995)pp169−176を参照されたい)。いくつかの核酸類似体は、Rawls,C & E News Jun.2,1997の35頁に記載されている。これらの参照の全ては、参照により明白に本明細書に組み込まれている。リボース−リン酸骨格のこれらの改変は、例えば核酸がsiRNAである場合等の生理学的環境におけるかかる分子の安定性及び半減期を増加するために行われ得る。
多くの実施形態では、本発明の核酸は、プロモータ、調節配列等を含むがこれらに限定されない発現ベクターに機能性を付与する追加の核酸配列を含む1つ以上の発現ベクター内に含まれる。
いくつかの実施形態では、核酸は、抗体及びサイトカイン等の治療用タンパク質性部分をコードするDNAまたはRNAである。
いくつかの実施形態では、核酸は、本明細書に概説される免疫刺激性サイトカインをコードする。「免疫刺激性サイトカイン」という語句は、ウイルス抗原、細菌抗原、または腫瘍抗原を含む外来抗原に対する免疫応答を媒介または増強するサイトカインを含む。先天的免疫刺激性サイトカインには、例えば、TNF−α、IL−1、IL−10、IL−12、IL−15、I型インターフェロン(IFN−α及びIFN−β)、IFN−γ、及びケモカインが含まれ得る。適応免疫刺激性サイトカインには、例えば、IL−2、IL−4、IL−5、TGF−β、IL−10、及びIFN−γが含まれる。免疫刺激性サイトカインの例は、以下の表1に示される。
Figure 2018510015

Figure 2018510015
本発明において特に有用である免疫刺激性サイトカインは、IL−12である。
いくつかの実施形態では、核酸は、治療用抗体をコードする。一般に、この実施形態では、組織内にエレクトロポレーションされた2つの核酸が存在し、1つは重鎖をコードし、1つは軽鎖をコードする。いくつかの事例では、以下により十分に記載されるように、これらは、単一のベクターに存在してもよく、または2つの発現ベクターを使用してもよい。
「抗体」という用語は一般的に使用される。本発明に有用な抗体は、本明細書に記載されるように、従来の抗体、ならびに以下に記載される抗体誘導体、断片、及び模倣物を含む、数々の形式を呈し得る。従来の抗体構造単位は、典型的には、四量体を含む。各四量体は、典型的には、2つの同一のポリペプチド鎖の対を有し、各対は、1つの「軽」鎖(典型的には、約25kDaの分子量を有する)と1つの「重」鎖(典型的には、約50〜70kDaの分子量を有する)とを有する。ヒト軽鎖は、カッパ及びラムダ軽鎖として分類される。本発明は、IgGクラスに向けられ、これは、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4を含むがこれらに限定されないいくつかのサブクラスを有し、前者は、数々の用途、特に腫瘍学において特定の有用性を見出す。したがって、本明細書で使用される「アイソタイプ」とは、その定常領域の化学的特性及び抗原特性によって定義される免疫グロブリンのサブクラスのいずれかを意味する。治療用抗体はまた、アイソタイプ及び/またはサブクラスのハイブリッドを含み得ることを理解されたい。
各鎖のアミノ末端部分は、抗原認識に主に関与する約100〜110個またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を含み、一般的に当該技術分野及び本明細書では「Fvドメイン」または「Fv領域」と呼ばれる。可変領域では、重鎖及び軽鎖のVドメインのそれぞれに対して3つのループが集合して抗原結合部位を形成する。各ループは、アミノ酸配列の変異が最も顕著な相補性決定領域(以下、CDRと称する)と呼ばれる。「可変性」とは、可変領域の特定のセグメントの配列が抗体間で大きく異なることを指す。可変領域内の変動は均等に分布していない。代わりに、V領域は、それぞれが9〜15アミノ酸長またはそれ以上である「超可変領域」と呼ばれる極端な可変性のより短い領域によって分離された15〜30アミノ酸のフレームワーク領域(FR)と呼ばれる比較的不変の範囲からなる。
いくつかの実施形態では、抗体は全長である。本明細書中における「全長抗体」は、可変領域及び定常領域を含む、抗体の天然の生物学的形態を構成する構造を意味し、任意で、当該技術分野で既知であるように1つ以上のアミノ酸修飾を含む。あるいは、抗体は、抗体断片、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、ミニボディ、ドメイン抗体、合成抗体(本明細書ではしばしば「抗体模倣物」と呼ばれる)、キメラ抗体、ヒト化抗体、抗体融合物(しばしば「抗体複合体」と称される)、及びそれぞれの断片を含むがこれらに限定されない多様な構造であり得る。特定の抗体断片には、(i)VL、VH、CL、及びCH1ドメインからなるFab断片、(ii)VH及びCH1ドメインからなるFd断片、(iii)単一の抗体のVL及びVHドメインからなるFv断片、(iv)単一の可変要素からなるdAb断片(Ward et al.,1989,Nature 341:544−546、参照により全体が組み込まれている)、(v)単離されたCDR領域、(vi)2つの結合したFab断片を含む二価断片であるF(ab’)2断片、(vii)VHドメイン及びVLドメインがペプチドリンカーによって結合し、それにより2つのドメインが関連して抗原結合部位を形成する、一本鎖Fv分子(scFv)(Bird et al.,1988,Science 242:423−426,Huston et al.,1988, Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:5879−5883、参照により全体が組み込まれている)、(viii)二重特異性一本鎖Fv(WO03/11161、参照により全体が組み込まれている)、及び(ix)遺伝子融合によって構築される多価または多重特異性断片である「ダイアボディ」または「トリアボディ」(Tomlinson et.al.,2000,Methods Enzymol.326:461−479、WO94/13804、Holliger et al.,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.90:6444−6448、全て参照により全体が組み込まれている)が含まれるが、これらに限定されない。抗体断片は、修飾され得る。例えば、分子は、VH及びVLドメインを結合するジスルフィド架橋の組み込みによって安定化され得る(Reiter et al.,1996,Nature Biotech.14:1239−1245、参照により全体が組み込まれている)。
当業者には理解されるように、癌の種類及び位置に応じて、本発明において使用することができる幅広い好適な治療用抗体が存在する。好適な治療用抗体としては、ヒトにおける治療用途のヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体が挙げられるがこれらに限定されず、これには、ムロモナブ、アブシキシマブ、リツキシマブ、ダクリズマブ、バシリキシマブ、パリビズマブ、インフィリキシマブ(infiliximab)、トラスツズマブ、ゲムツズマブ、アレムツズマブ、イブリツモマブ、アダリムマブ、オマリズマブ、トシツモマブ、エファリズマブ、セルキシマブ(ceruximab)、ベバシズマブ、ナタリズマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、及びピディリズマブMPDL328OA(ROCHE)と同一または類似する現在認可されている抗体、ならびに臨床開発中の抗体、特に腫瘍学の用途におけるものが含まれる。
さらに、本発明は、治療用抗体を免疫チェックポイント阻害剤に送達するEP方法及びデバイスを提供する。本明細書で使用される場合、「免疫チェックポイント」分子とは、T細胞機能不全またはアポトーシスを誘発する免疫細胞表面受容体/リガンドの群を指す。これらの免疫抑制標的は、過剰な免疫反応を減弱させ、自己寛容を確実にする。腫瘍細胞は、これらのチェックポイント分子の抑制作用を利用する。免疫チェックポイント標的分子には、表2に記載されるチェックポイント標的が含まれるが、これらに限定されない。
Figure 2018510015
「免疫チェックポイント阻害剤」という語句は、免疫チェックポイント分子の効果を遮断することによって免疫抑制を防止する分子を含む。チェックポイント阻害剤には、抗体及び抗体断片、ナノボディ、ダイアボディ、scFvs、チェックポイント分子の可溶性結合パートナー、低分子治療薬、ペプチドアンタゴニスト等が含まれ得る。阻害剤には、表2に記載されるチェックポイント阻害剤が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、EP方法及びデバイスは、併用療法、例えば、より高い有効性のための2つの異なるTMの送達において使用される。当業者には理解されるように、組み合わせは、本明細書に概説されるTMのいずれであってもよく、これには、a)治療用生体分子をコードする核酸(以下により十分に記載される発現ベクターを含む)及び低分子薬、例えば、IL−12をコードするプラスミド及び上に概説されるような薬物、b)第1の治療用生体分子をコードする第1の核酸及び第2の治療用生体分子をコードする第2の核酸(複数可)(例えば、IL−12をコードする発現ベクター、及び本明細書に記載される抗免疫チェックポイント阻害抗体をコードする2つの核酸)、ならびにc)第1の生体分子をコードする第1の核酸、及び抗免疫チェックポイント阻害抗体等の第2のタンパク質性分子、ならびにd)2つの腫瘍学低分子薬が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本発明のEP方法及びデバイスは、免疫腫瘍学併用療法において使用される。この実施形態では、免疫刺激性サイトカイン療法(上記)及びチェックポイント阻害剤の併用療法が、患者に投与される。
一実施形態では、免疫刺激性サイトカインは、免疫刺激性サイトカインをコードする核酸を含むプラスミドの形態で投与され、チェックポイント阻害剤は、タンパク質(例えば、チェックポイント阻害剤に対する抗体)として細胞及び組織内に投与される。
別の実施形態では、免疫刺激性サイトカインは、免疫刺激性サイトカインをコードする核酸を含む発現ベクタープラスミドの形態で投与され、チェックポイント阻害剤は、同様に、抗チェックポイント阻害抗体の重鎖をコードする第1の核酸及び抗チェックポイント阻害抗体の軽鎖をコードする第2の核酸を含む1つ以上の発現ベクターとして投与される。
この実施形態では、1、2、または3つのベクターを使用することができ、1つが使用される場合、それは免疫刺激性サイトカインを発現するためのコード配列(及び適切な調節配列)、ならびに抗チェックポイント阻害抗体の重鎖及び軽鎖を含む。あるいは、3つの発現ベクターを使用することができ、それぞれが上記のうちの1つをコードする。一方が1つの成分(例えば、免疫刺激性サイトカイン)を含み、他方が2つの成分(例えば、抗免疫チェックポイント阻害抗体の重鎖及び軽鎖)を含む、2つの発現ベクターを使用することもできる。
さらに、低分子薬を、上記の任意の組み合わせで送達することもできる。
さらに、抗チェックポイント阻害剤(及び/または上記に概説される低分子薬)の投与は、同様に有効性を達成するためにEP治療としてではなく、全身的に行ってもよい。
併用療法の投与は、エレクトロポレーション単独で、またはエレクトロポレーション及び全身送達の組み合わせによって達成され得る。
他の企図される併用療法は、TLRアゴニスト(例えば、フラジェリン、CpG);IL−10アンタゴニスト(例えば、抗IL−10または抗IL−10R抗体);TGF−βアンタゴニスト、CD3アゴニスト;テロメラーゼアンタゴニスト等と組み合わせたチェックポイント阻害剤である。
VIII.実施例
実施例1:
OncoSecは、EISデータに基づき、各EPパルスの前、及びその間にリアルタイムフィードバック制御を実施することができる、図16に示されるEP発生器Aを構築した。このシステムは、最小で10V、及び最大で300Vで出力することができ、パルス持続時間は、100μs〜10msである。パルスの前及びその間に捕捉されたEISデータは、1ディケード当たり10データ点が得られる100Hz〜10kHzの範囲にわたって取得される。この範囲でのEISデータの取得は、250msで達成され、これは、(1)ルーチンを実行して次のパルスのための時定数を判定し、(2)分析後のEISデータを格納し、かつ(3)臨床的に使用されるEP条件を中断しないために十分に速い。EISシステムから収集されたデータは、埋込型Advanced RISC Machine(ARM)マイクロプロセッサ(STM32F407、ST Microelectronics)を使用して、組織インピーダンスモデルにリアルタイムで当てはめられる。フィードバックモードで動作するとき、このデータの特徴を使用して、EPプロセスに関連するパラメータを制御することができる。カスタム発生器インターフェースは、多様な標準EPアプリケータと相接し、最大で6電極を支持することになる。固体リレーを使用して、高電圧EPパルス回路と低電圧EIS質問回路との間で切り替える。発生器のハンズフリー動作を可能にするために、EPプロセスを起こすか、一時停止するか、または中止するためのフットペダルを付加した。この発生器及びその付属品の画像は、図16に示される。
インビボで行われた未発表の研究では、EISスペクトルから取得した時定数データに基づいてパルス幅の変化の影響を調べた。これらの研究は、8週齢のアルビノB6マウスの脇腹の皮膚に移植したMC38腫瘍を用いて行った。治療の時点で、腫瘍体積は、平均で75mmであった。腫瘍に、CMVプロモータの制御下でルシフェラーゼタンパク質をコードするpDNAを50μg注入した。図16に示されるEPデバイスを含む試作アプリケータCを使用して、注入及びEPの両方を実施した。このアプリケータは、中心注入内腔の周りに2つのEP電極を含み、EPの間、注入内腔は引っ込められている。エレクトロポレーションを350V/cmの電界で実施し、パルス幅を、各MC38腫瘍にパルス付加する前に収集したEISデータから算出した時定数の0.1〜20.0倍にてリアルタイムで調節した。これは以前に高度なトランスフェクションと相関したため、各腫瘍に合計で8つのパルスを印加した。DPBS中で調製された15mg/mlのD−ルシフェリン溶液を200μl注入し、インビボ光学画像化を行うことにより、48時間後に発光データを取得した。この実験からの要約データは、図42A〜42Dに示される。
図42Aは、時定数に対する脂質二重膜間に印加された電界の割合の分布を示す。図42Bは、EPの前に測定された時定数の分布を示す。図42Cは、前パルスEISデータに基づくパルス幅の変調の効果を示し、パルス持続時間は、各腫瘍について時定数の倍数に設定されている。図42Dは、得られた発光に対する、EP後に算出された時定数における相対的変化を示すデータを示す。α=0.05で統計学的に有意と見なされたデータは、アスタリスクで示される。
これらのデータは、pDNAの発現が、印加されたパルス幅に左右されることを示す。当初は、測定される時定数に関して印加されるパルス幅が増加するにつれ、図42Aに従って脂質二重膜間に印加される電界の割合が増加すると仮定された。これは、各EP治療の前にEISデータから算出された時定数が、図42Bに示される対数正規分布に従うため、特に重要である。図42Cにおける実験の結果は、測定された時定数に関して、印加されるパルス幅が増加するにつれて、結果として生じる発光も増加することを示す。この現象は、5時定数で蓄電器が電荷飽和に近づくにつれて、測定された発現が上限に達したため、仮定を支持した。2つの時定数以上で得られたデータセットは、注入のみと比較して、有意に(p<0.05)高い発光を有した。パルス幅が長くなり、より多くのエネルギーが組織内で散逸するにつれて、不可逆的な損傷が起こると発現が減少し始める。
さらに、この実験は、以前に判定されたパルスの限界数に達する前にEPプロセスを中止するための潜在的な基準を示した。細胞膜が透過し始めると、電荷を保持するそれらの能力が低下し、それにより、CPEの充電に関連付けられる時定数における減少がもたらされる。この理論を支持して、時定数と測定された発光との間の高度の相関が認められた。20%超の時定数の低下を有する腫瘍は、pDNAの有意に(p<0.05)高い発現と相関した。この測定を使用して、好結果の遺伝子療法の条件が存在するときにパルシングプロセスを停止することができる。興味深いことに、短いパルス持続時間を有した群は、電気容量の増加を引き起こす脂質二重膜の圧縮に起因して、時定数の増加をもたらした。この研究では、試作発生器を利用して、EPを制御するための変数を探索し、同種及び異種腫瘍におけるこの技術の有効性を検証することを提案する。我々は、組織特性を測定し、各印加されるパルス幅を調節することによって、EPに基づく遺伝子送達を各腫瘍について最適化することができると仮定する。膜電気容量におけるリアルタイム変化の質問は、(1)再現性のあるトランスフェクション効率、(2)遺伝子発現の持続時間の増加、(3)治療効果の増強、及び(4)組織損傷の低減をもたらすことになる。
実施例2:
電気化学インピーダンス分光法(EIS)が、線維性または壊死性組織で取得したデータと健常組織で取得したデータとを区別できるかどうかを判定するために実験を行った。これらの実験で、線維性組織を代表するためにヒト血小板由来増殖因子C(PDGF−C)を発現する9カ月齢のトランスジェニックマウスを使用した。この年齢までに、PDGF−Cトランスジェニックマウスは、顕著な線維形成、脂肪浸潤、及び細胞異形成を有する肥大した肝臓を有することが知られている。トランスジェニックマウスの肝臓から取得したデータを、健常な、または野生型の、3カ月齢のC57Bl/6J肝臓と比較した。このデータを取得するために、マウスに麻酔をかけて、肝臓への外科的接近を可能にした。3mm離間している平衡電極を、肝臓の外側左葉内に5mm挿入した。この実験から収集したデータを、生体組織を電気的に表すために使用される定位相要素モデルに当てはめた。モデル適合から引き出されたパラメータは、肝臓線維形成が、アドミタンスの増加、算出された時定数の増加、及び定位相要素の低減をもたらしたことを明らかにした。これらのデータは、図43に示される。
実施例3:
EISが腫瘍組織内の注入物の存在を検出することができるかどうかを判定するために第2の実験を行った。この実験では、50μlのリン酸緩衝生理食塩水中の106個のMC38細胞を注入することにより、8カ月齢のアルビノB6マウスの脇腹の皮膚の皮下組織に腫瘍を移植した。およそ10日後、腫瘍の平均体積は100mm3に達した。この時点で、中心注入内腔を有する2電極アプリケータを、腫瘍内に7mm挿入した。次いで、腫瘍の初期状態のベースラインEIS測定を行った。この測定の後、腫瘍内に、生理食塩中で調製されたプラスミドDNAの1mg/ml溶液を50μl注入した。注入に続いて、第2のEIS測定を実施した。再び、生体組織を表すために使用される定位相要素モデルにこれらのデータを当てはめた。腫瘍にプラスミドDNA溶液を注入した後に、溶液抵抗における少なくとも10%の低下が認められた。図44は、プラスミドDNAの注入の後にモデル適合パラメータから認められた溶液抵抗の低減率のヒストグラムサマリーを提供する。
実施例4:
組織の生存能力及び注入の存在を検出することに加え、EISは、エレクトロポレーションを実施するための最適パルス幅をユーザに知らせることもできる。これを実証するために、EISスペクトルのモデル適合から取得した時定数データに基づいて変化するパルス幅を用いる研究を行った。この研究は、8週齢のアルビノB6マウスの脇腹の皮膚に移植したMC38腫瘍を用いて行った。治療の時点で、腫瘍体積は、平均で75mmであった。腫瘍に、CMVプロモータの制御下でルシフェラーゼタンパク質をコードするpDNAを50μg注入した。中心注入内腔を有する2電極アプリケータを使用して、注入及びEPを実施した。EPの間、注入内腔を腫瘍から引っ込めた。エレクトロポレーションを500V/cmの電界強度で実施し、10個の腫瘍から先験的に得られた平均時定数の周辺でパルス幅を調節した。この算出された平均時定数は0.50msであり、この実験で選択されたパルス幅は、平均時定数の0.1、0.5、2.0、及び10.0倍であった。合計で8つのパルスを各腫瘍に印加した。DPBS中で調製された15mg/mlのD−ルシフェリン溶液を200μl注入した48時間後に発光データを取得した。インビボ光学画像化を用いてこのデータを収集した。この実験からのデータは、平均時定数の10倍、または5msの全パルス幅で治療された腫瘍の発光において最大上昇を示した。さらに、これらのデータは、注入単独と比較して、2以上の時定数で治療された群が発光の顕著な上昇を有したことを示した。この実験の要約データは、図45に示される。
実施例5:
実施例4で行われた実験に続き、リアルタイムでEISを使用して、各個別の腫瘍について最適パルス幅を増加させることができるかどうかを判定するために研究を行った。これにより、各エレクトロポレーションシーケンスを各個別の腫瘍の初期状態に合わせることを可能となる。再度、8週齢のアルビノB6マウスの脇腹の皮膚にMC38腫瘍を移植した。腫瘍が75mm3に達したとき、ルシフェラーゼタンパク質をコードする50μgのpDNAを注入した。中心注入内腔を有する同じ2電極アプリケータを使用して、注入及びEPを実施した。この実験では、電界強度を350V/cmに低下させ、治療される各腫瘍の算出された時定数を使用してパルス幅をリアルタイムで調節した。パルス幅を、算出された時定数の0.1〜20.0倍に調節した。合計で8つのパルスを各腫瘍に印加した。DPBS中で調製された15mg/mlのD−ルシフェリン溶液を200μl注入することで、インビボ光学画像化によって48時間後に発光データを取得した。この実験からのデータは、2.0以上の時定数で治療した全ての腫瘍の発光における顕著な上昇を示した。算出された時定数の5.0、10.0、及び20.0倍の群の間で統計的有意差は認められなかった。この実験からのデータは、図46に示される。
この実験の経過中に取得したデータの後処理は、以前に判定されたパルスの限界数に達する前にEPプロセスを中止するための潜在的な基準を示した。細胞膜が透過し始めると、電荷を保持するそれらの能力が低下し、それにより、CPEの充電に関連付けられる時定数における減少がもたらされる。この理論を支持して、時定数と測定された発光との間の高度の相関が認められた。20%超の時定数の低下を有する腫瘍は、pDNAの有意に高い発現と相関した。この測定を使用して、好結果の遺伝子療法の条件が存在するときにパルシングプロセスを停止することができる。興味深いことに、短いパルス持続時間を有した群は、電気容量の増加を引き起こす脂質二重膜の圧縮に起因して、時定数の増加をもたらした。これらのデータは、図47に示される。
実施例6:(予期される実験)
目標(目標1)は、腫瘍内免疫療法の所望の結果をもたらすフィードバックパラメータを評価することである。予備的な研究に基づき、EISフィードバック制御と統合されたEPは、治療間の変動性を減少させる可能性を有する。pDNA発現、及び算出された時定数における変化に基づいてEPを制御することの組織学的影響を評価するために、同種対側マウス黒色腫モデルにおけるインビボ腫瘍研究が実施される。簡潔には、B16/OVA細胞(1×106/部位)をB6アルビノマウス(n=10/群)の脇腹の皮下に移植する。腫瘍の体積が75mm3に達すると、ルシフェラーゼ及びmCherryの両方を発現する二重レポータープラスミド(1mg/ml、腫瘍当たり50μl)を注入する。これにより、非侵襲性の縦方向の生物発光画像化及び空間的細胞特異的遺伝子発現を可能となる。図16の二重電極アプリケータCを使用してFCEPでパルスする。電極は350V/cmで動作し、パルス幅は、各パルスについて5つの算出された時定数で設定される。細胞は、20、40、60、または80%の時定数の相対的降下に達するまで、EPパルスを受け続ける。安全性を確保するために発生器の動作限界が設定され、許容される最大パルス幅は10msに設定され、最大パルスは10に設定される。この実験のための対照動物は、無治療、pDNA注入のみ、及びpDNA注入の後、同じ電極を使用する350V/cmの電界での10msの持続時間の10パルスを用いる制御されていないEPのものからなる。
生物発光は、D−ルシフェリン(腹腔内、15mg/mlで200μl)24時間後から定量化を開始する。これらの腫瘍からの発光を、24、48、及び72時間でインビボ画像化システム(Lago,Spectral Instruments)を用いて捕捉する。腫瘍組織を採取し、長さを二等分し、半分は最適切断温度化合物(OTC)中で凍結し、半分は、通常の組織学的分析のためにホルマリン固定する。3つの独立した実験を行い、各実験群は、12の生物学的複製からなる。一元配置分散分析(すなわち、クラスカルワリス、GraphPad Prizm)を使用してデータを分析する。
腫瘍切片について通常の組織学及び免疫組織化学(IHC)を実施して、壊死、及びmCherry発現との空間的関係におけるアポトーシス等の細胞死の特定の形態を評価する。TdT媒介dUTPニック末端標識(TUNEL)及び活性カスパーゼ3IHCを実施し、切片を評価してアポトーシスの程度をスコア化する。Image Jスクリプトを使用して記載されるように半定量分析を実施する。H&E染色されたスライドを使用して、炎症性浸潤及び壊死の程度を評価する。
予期される結果−FCEPは、治療される腫瘍間の発現の変動性を減少させるはずである。より多い量のpDNAトランスフェクションは、算出される時定数におけるより高い相対的な低下と相関することが予想される。さらに、時定数における相対的降下が増加するにつれて、より多くのアポトーシス及び炎症が認められることが予想される。
実施例7:(予期される実験)
目標(目標2)は、腫瘍縮小を目的とする腫瘍内免疫療法実験を実施することによってインビボのフィードバック制御システムを検証することである。
インビボ特性評価に続き、一連の実験を行って、FCEPシステムを用いて腫瘍縮小及び発現の持続時間を検証する。公表された研究及び対照の変動性と比較するために、対側腫瘍を有する同種黒色腫モデルが使用される。B16/OVA黒色腫細胞(1×106/注入部位)をアルビノB6マウス(n=10/群)の脇腹の皮下に移植する。腫瘍が75mm3であるとき、各マウスの1つの腫瘍に、インターロイキン−12(IL−12)、ルシフェラーゼ、及びmCherryをコードするポリシストロニックプラスミド(1mg/mlで50μl)を注入する。このプラスミドの発現は、免疫療法及び長期生物発光定量化を可能にする。350V/cmを使用し、パルス幅が各個別のパルスについて5時定数で設定されたFCEPシステムによって腫瘍をパルスする。第1の群のEP停止基準は、認められた組織学的特徴にかかわらずpDNAの最大発現を有する目標1におけるフィードバック制御群に基づいて選択される。第2のフィードバック分は、最少の組織損傷を伴って相当量の発現を示す群を選択することによって目標1から選択される。この実験のための対照動物は、無治療、pDNAの注入のみ、及びpDNA注入の後に、この腫瘍モデルについて最適化された条件のものからなる。これらの条件を適用するために、6電極アプリケータを含むMedPulserを使用して、それぞれ100μsの持続時間で、1,500V/cmの電界強度を有する6つの回転パルスを印加する。
これらの実験からのデータは、2つの異なる方法で収集される。治療後48時間毎に、治療された腫瘍及び対側腫瘍の腫瘍増殖率を二次元キャリパーを用いて収集する。治療された腫瘍の発光データを、治療後48時間で開始し、その後4日毎にD−ルシフェリン(腹腔内、15mg/mlで200μl)の注入によって定量化する。腫瘍体積及び発行データを最大で30日間、または確立されたIACUCプロトコルに従って動物を安楽死させる時点である腫瘍負荷1,000mm3を超えるまで継続して観察する。実験群毎に12の動物からなる3つの独立した実験を行う。一元配置分散分析(クラスカルワリス)を使用してデータを分析する。
腫瘍増殖率の監視に加え、研究の最後に脾臓を採取することで腫瘍特異新生抗原CD8応答を確認する。脾臓を機械的に分離し、緩衝液中の懸濁によって赤血球を溶解する。分離した脾臓細胞を、染色前に細胞分離培地(Lympholyte−M、Cedarline)で精製する。次いで、精製された細胞を、四量体溶液(例えば、SIINFEKL、TS−5001−2C、MBL)と混合する。次いで、CD8陽性T細胞をフローサイトメトリー分析(LSR II、BD)によって判定する。
予期される結果−FCEPデバイスが、公表されたEP方法と比べて、より多くのIL−12及びIFN−γを生成することが予期される。治療が成功したことの保証に起因して、FCEPで治療された担癌動物のプラスミド発現のより長い持続時間及び長期生存率。生存率の向上は、このシステムを評価するための追加の基準として役立つことになり、これは、同様の研究に基づき約47%の予期される長期生存率を有する従来のEP治療群よりも高いはずであり、対照群は、治療に応答しない可能性が高い。
潜在的問題及び代替案−CD8陽性T細胞を治療後30日間で評価することが困難である可能性があるという問題が存在する。これが生じた場合、担癌動物の別の群が、この目標に記載される条件で治療される。治療の14日後に安楽死させた動物から腫瘍を切除する。
実施例8:(予期される実験)
目標(目標3)は、異種自然発症乳癌モデルにおいて腫瘍内EPを実施することによってフィードバック制御システムを検証することである。
同種腫瘍モデルにおける最適化及び検証に続き、一連の実験を実施して、異種モデルを用いてFCEPを検証する。これらの実験は、乳房腫瘍ウイルスプロモーターの指示下にあるマウスポリオーマウイルス中型T抗原(MMTV−PyVT)を発現するトランスジェニックマウスモデルを使用し、これは、8〜10週齢で自然発症的な蝕知可能な乳房腫瘍に発達する。10週齢のMMTV−PyVTマウスの乳房腫瘍に、IL−12、ルシフェラーゼ、及びmCherryを発現するプラスミド(1mg/mlで50μl)を送達する。最長の平均生存期間をもたらす目標2の停止基準を使用して、腫瘍を350V/cmパルスで治療する。対照群は、無治療、pDNA注入のみ、及びpDNA注入の後、1,500V/cmで6パルスの現在の臨床パラメータを100μs印加するものからなる。各治療条件で合わせて10個の腫瘍を治療し、これらの腫瘍のうちの2つが各マウスにおいて治療される。実験は、合計で3回行われる。
プラスミドによってコードされるタンパク質のそれぞれを利用することで、複数のデータストリームを生成することが可能となる。D−ルシフェリン(腹腔内、15mg/mlで200μl)の注入後、最大で21日間にわたって72時間毎に発光をインビボ画像化によって定量化する。5つの動物のコホートを安楽死させ、7、14、及び21日目に腫瘍を採取する。収集した腫瘍を二等分して、IL−12発現を直接評価し、トランスフェクトされた細胞の割合を判定する。これらの切除された腫瘍の一部を塊状化し、均質化する。ELISAアッセイ(R&D Systems)によってサンプリングされたものからIL−12発現を直接定量化する。腫瘍の残りの半分を分離し(腫瘍分離キット、Miltenyl Biotec)、mCherryタンパク質に特異的な光学を使用してフローサイトメーター(LSR II、BD)に通す。これにより、トランスフェクトされた細胞の割合を確認することができる。一元配置分散分析を使用してデータを分析する。
予期される結果−FCEPが、現在の臨床EPプロトコルよりも、これらの異種腫瘍のより再現性の高いトランスフェクションを生成することが予期される。発光データ及びIL−12発現によってこれを直接測定する。さらに、この新規の方法は、最も高いトランスフェクション率と相関することが予期される。
潜在的な問題及び代替案−この研究の経過中に生じ得る問題は、IL−12の発現を腫瘍内で評価することが困難であり得ることである。これが生じた場合、ELISAを実施して、ルシフェラーゼレベルを直接測定する。さらに、下流サイトカインインターフェロンガンマを、IL−12発現の代用物として直接評価する。
タイムライン。この第1相の試みは、12カ月の期間にわたって実施される。目標1は、合計で3カ月間続くことが予期される。目標2は、5カ月で完了する。最後に、目標3は、4カ月で完了する。このタイムラインは、表1に概説される。
Figure 2018510015

Claims (20)

  1. エレクトロポレーション(EP)パルスパラメータを最適化するように、EPデバイスを使用する細胞及び組織のEPの間に適応制御を提供するためのシステムであって、
    a)細胞及び組織の誘電特性及び導電特性を測定するように構成された測定デバイスであって、
    i)前記組織に印加された励磁信号及びEPパルスのそれぞれから生じる前記組織間の電圧を測定するように構成された電圧センサ、ならびに
    ii)前記励磁信号及び前記少なくとも1つの印加されたEPパルスのそれぞれから生じる前記組織間の電流を測定するように構成された電流センサを含む、測定デバイスと、
    b)前記細胞または組織においてエレクトロポレーションを実施するためのEPパルシングパラメータを初期化するように構成された初期化モジュールであって、前記初期化されたEPパルシングパラメータが、少なくとも1つのトレーニングされたモデルに少なくとも部分的に基づく、初期化モジュールと、
    c)前記励磁信号及び前記EPパルスのうちの少なくとも1つを前記組織に印加するように構成された発生器であって、前記測定デバイスの前記電圧センサ及び電流センサが、前記励磁信号の前記印加に応じた前記組織の前記細胞間の電圧及び電流を測定する、発生器と、
    d)前記励磁信号及び前記EPパルスのうちの少なくとも1つに対応する、前記測定デバイスからの前記測定されたセンサデータに関する信号を受け取り、前記データを少なくとも1つのトレーニングされたモデルに当てはめ、前記データを処理して診断及び最新制御パラメータにするように構成された制御器であって、
    i)前記電流及び電圧測定からの前記データに関する前記信号を受け取り、前記データを処理して所望のデータを望ましくないデータと区別するための前処理モジュール、
    ii)前記所望のデータから関連する特徴を抽出するための特徴抽出モジュール、
    iii)前記所望のデータの前記関連する特徴の少なくとも一部を、少なくとも1つのトレーニングされた診断モデルに適用するための診断モジュール、ならびに
    iv)前記測定されたデータ、前記診断モジュール、及び前記特徴抽出モジュールのうちの少なくとも1つの結果に基づいて、初期化されたパルシングパラメータ及び後続のパルシングパラメータのうちの少なくとも1つを推定するためのパルスパラメータ推定モジュールを備える、制御器と、
    e)前記制御器による特徴抽出のための前記所望のデータ及び望ましくないデータ、センサデータ、ならびに前記トレーニングされたモデルを格納するためのメモリモジュールと、を備える、システム。
  2. 前記EPデバイスが、
    a)少なくとも中心内腔を画定し、近位端部から遠位端部に延出する中心プローブであって、前記中心プローブの少なくとも一部が、前記組織への治療部分の送達のためのチャネルを作り出すために螺旋幾何学形状を有し、前記中心プローブの前記一部が、前記螺旋幾何学形状に沿って位置付けられた少なくとも1つの吐出口を有し、
    前記中心プローブの前記近位端部が、前記中心プローブに送達された前記治療部分を受け取るように構成され、
    前記中心プローブの前記遠位端部が、前記組織への前記治療部分の送達のための開口部を画定するように開放され、前記組織を貫通するように構成された形状を有する、中心プローブと、
    b)前記中心プローブを少なくとも部分的に収容するアプリケータであって、前記アプリケータが遠位端部を有し、前記遠位端部を通して前記中心プローブの前記一部が前記アプリケータの外側に延出して前記組織と接触し、前記アプリケータ内に引っ込むように構成されている、アプリケータと、
    c)前記組織を囲んで位置付けられるように構成された少なくとも2つの逆帯電エレクトロポレーション電極(EPE)であって、前記EPEが、近位端部から遠位端部へ延出するように適合され、前記遠位端部が、前記組織を貫通するように構成された針形状を有し、
    前記測定デバイスが、前記EPEに結合し、前記電極が、前記発生器に結合して、前記EPパルスのための前記励磁信号及び前記電気波形のうちの少なくとも1つを受け取るように適合されている、少なくとも2つの逆帯電エレクトロポレーション電極と、を備える、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記EPデバイスが、
    a)少なくとも中心内腔を画定し、近位端部及び遠位閉端部を有する中心プローブであって、前記遠位端部の先端が、組織を貫通するように構成された針形状を有し、前記遠位端部から所定の位置に位置付けられた少なくとも1つの出口ポートを有し、前記出口ポートが、前記中心内腔を前記中心プローブの外側に流体接続している、中心プローブと、
    b)前記中心内腔内に位置付けられ、前記中心プローブ内で摺動可能な少なくとも1つのチャネリングワイヤであって、前記チャネリングワイヤが、前記中心プローブ内に位置付けられた近位端部、及び前記出口ポートを介して前記中心プローブの前記外側に延出し前記中心内腔内に引っ込むように構成された遠位端部を有し、前記チャネリングワイヤの前記遠位端部の先端が、前記組織を貫通し、かつ開口部を画定するように構成された形状を有し、前記開口部を通して前記チャネリングワイヤの少なくとも一部が前記組織に進入して流体チャネルを作り出し、前記流体チャネルを通して前記治療部分が前記組織に送達され、
    前記治療部分が、前記中心内腔から前記出口ポートを介して前記チャネルへと送達される、少なくとも1つのチャネリングワイヤと、
    c)前記中心プローブの前記内面と一体で形成されているか、またはそれに結合した傾斜板であって、前記内面が、前記中心内腔を画定し、前記傾斜板が、前記チャネリングワイヤと接触し、かつそれを前記中心プローブから前記中心プローブの前記外側に退出するように誘導するように構成されている、傾斜板と、
    d)前記中心プローブ及びチャネリングワイヤを前記発生器に電気的に接続する電気コネクタと、
    e)前記治療部分の送達のために前記中心プローブに接続された小口径コネクタと、
    f)前記電気コネクタを少なくとも部分的に収容し、前記中心プローブ及び前記チャネリングワイヤの前記近位端部に結合して前記中心プローブ及び前記チャネリングワイヤの前記遠位端部の貫通の深度を容易にするハンドルと、
    g)前記組織を囲んで位置付けられるように構成された少なくとも2つの逆帯電電極であって、前記電極が、近位端部から遠位端部に延出し、前記遠位端部の先端が、前記組織を貫通するように構成された針形状を有し、前記電極が、前記発生器に結合し、前記発生器から少なくとも1つの電気波形を受け取り、かつ前記少なくとも1つの励磁信号及び少なくとも1つのEPパルスを前記組織に供給するように適合され、前記測定デバイスが前記電極に結合している、少なくとも2つの逆帯電電極と、を備える、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記EPデバイスが、
    a)トロカールであって、
    i)近位端部から遠位開端部に延出し、閉塞具を受けるように構成された第1の内腔を画定するカニューレ、及び
    ii)近位端部から遠位端部に延出する前記閉塞具であって、前記遠位端部が、皮膚を貫通し、体腔内に進入し、かつ経路を形成するように構成された鋭く尖った形状を有し、前記経路を通して前記カニューレが前記体腔内に少なくとも部分的に挿入され得る、閉塞具を備え、
    前記閉塞具が、前記第1の内腔内で摺動可能であるように構成され、前記閉塞具の前記遠位端部が、前記カニューレの前記遠位開端部を通して前記第1の内腔の外側に延出するように構成されている、トロカールと、
    b)アンカーの遠位端部に引き込み可能に配置され、前記組織を囲んで位置付けられるように構成された少なくとも2つの逆帯電電極であって、
    前記測定デバイスが、前記電極に結合し、前記電極が、発生器に結合し、前記発生器から少なくとも1つの電気波形を受け取り、かつ前記少なくとも1つの励磁信号及びEPパルスを前記ゾーンに供給するように適合されている、少なくとも2つの逆帯電電極と、
    c)前記アンカーの前記遠位端部に引き込み可能に配置され、中心内腔を画定する内面を有し、前記アンカーの前記遠位端部から延出する中心プローブであって、前記中心プローブの少なくとも一部が、前記組織への前記治療部分の送達のためのチャネルを作り出すように構成された螺旋幾何学形状を有し、
    前記中心プローブの遠位端部が、前記組織を貫通するように構成された形状を有し、前記組織への前記治療部分の前記送達のための開口部を画定するように開放されている、中心プローブと、を備える、請求項1に記載のシステム。
  5. EPシステムを使用する細胞または組織のエレクトロポレーション(EP)の間にEPパルスパラメータを制御するための適応制御方法であって、
    a)請求項1に記載のシステムを提供することと、
    b)前記細胞または組織において前記EPを実施するためのEPパルスグパラメータを前記初期化モジュールによって初期化することであって、前記初期化されたEPパルスパラメータが、少なくとも1つのトレーニングされたモデルに少なくとも部分的に基づく、初期化することと、
    c)前記電圧及び電流励磁信号を前記発生器によって前記細胞及び組織に印加し、前記印加された励磁信号に対応する前記細胞及び組織間の前記電圧及び電流を前記測定デバイスによって測定することと、
    d)前記制御器によって前記電流及び電圧測定からのデータを取得し、前記データを処理して所望のデータを望ましくないデータと区別することと、
    e)前記制御器によって前記所望のデータから関連する特徴を抽出することと、
    f)前記制御器によって、前記所望のデータの前記関連する特徴の少なくとも一部を前記少なくとも1つのトレーニングされた診断モデルに適用することと、
    g)前記制御器によって、前記トレーニングされたモデルに適用された前記関連する特徴の結果に基づいてEPパルシングパラメータを推定することであって、前記EPパルシングパラメータを最適化するように、前記初期化されたEPパルシングパラメータが前記少なくとも1つのトレーニングされたモデル及び前記関連する特徴に基づく、推定することと、
    h)前記第1のパルシングパラメータに基づいて、前記発生器によって第1のEPパルスを印加することと、を含む、方法。
  6. 前記第1のEPパルスが印加された後に、前記制御器によって、前のEPパルス及び印加されたEPパルス間の前記関連する特徴のうちの少なくとも1つにおける変化に基づいて、前記トレーニングされたモデルを使用して後続のEPパルシングパラメータを予測することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
  7. f)前記発生器によって、前記後続のEPパルシングパラメータに基づいて後続のEPパルスを印加することと、
    g)前記電圧及び電流励磁信号を印加することを繰り返し、前記細胞または組織を前記測定することを繰り返し、前記データを取得すること及び所望のデータを望ましくないデータと区別することを繰り返し、前記関連する特徴を抽出することを繰り返し、前記適用することを繰り返すことであって、これらを
    i)EPパルスシーケンスまたはEPパルスのサイクルの所定の限界数が達成されるまで、または
    ii)前記診断応答が、前記適応制御方法を終了する診断決定を促すまで、繰り返すことと、をさらに含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記特徴が、細胞内抵抗、細胞外抵抗、溶液抵抗、膜電気容量、アドミタンス、定位相要素指数、及び充電時定数からなる群から選択される前記電圧及び電流信号の振幅及び位相測定のパラメトリックモデル適合から得られる、請求項5に記載の方法。
  9. 前記特徴が、前記励磁電圧及び電流信号の振幅比または位相差から得られ、前記特徴が、
    a)固定周波数での前記励磁電圧及び電流信号の振幅比及び位相差の値と、
    b)
    i)狭周波数帯域での前記励磁電圧及び電流信号振幅の振幅比または位相差、
    ii)広周波数帯域での前記励磁電圧及び電流信号振幅位相の振幅比または位相差の平均値、中央値、最大値、及び最小値のうちの少なくとも1つと、
    c)周波数に関連する前記励磁電圧及び電流信号の前記振幅比または位相差の曲率、勾配、及びノイズと、を含む、請求項5に記載の方法。
  10. 組織の治療ゾーン内の細胞への治療部分の送達のためのデバイスであって、
    a)少なくとも中心内腔を画定し、近位端部から遠位端部に延出する中心プローブであって、前記中心プローブの少なくとも一部が、前記組織への前記治療部分の送達のためのチャネルを作り出すために螺旋幾何学形状を有し、前記中心プローブの前記一部が、前記螺旋幾何学形状に沿って位置付けられた少なくとも1つの吐出口を有し、
    前記中心プローブの前記近位端部が開放され、前記第1の中心内腔を注入器の内腔に流体接続し、前記注入器を通して前記治療剤が前記中心プローブに送達され、
    前記中心プローブの前記遠位端部が、前記組織への前記治療部分の送達のための開口部を画定するように開放され、前記組織を貫通するように構成された形状を有する、中心プローブと、
    b)前記中心プローブを少なくとも部分的に収容するアプリケータであって、前記アプリケータが遠位端部を有し、前記遠位端部を通して前記中心プローブの前記一部が前記アプリケータの外側に延出して前記組織と接触し、かつ前記アプリケータ内に引っ込むように構成されている、アプリケータと、を備える、デバイス。
  11. 前記ゾーンを囲んで位置付けられるように構成された少なくとも2つの逆帯電エレクトロポレーション電極であって、前記電極が、近位端部から遠位端部に延出するように適合され、前記遠位端部の先端が、前記組織を貫通するように構成された針形状を有し、前記電極が、電極電源に結合し、前記電源から少なくとも1つの電気波形を受け取り、かつ前記ゾーンへのエレクトロポレーションに十分なパルス電界を供給するように適合されている、少なくとも2つの逆帯電エレクトロポレーション電極を備えるエレクトロポレーションシステムをさらに備える、請求項10に記載のデバイス。
  12. 組織の治療ゾーン内の細胞への治療部分の送達のためのデバイスであって、
    a)少なくとも第1の内腔を画定し、近位端部から遠位端部に延出する中心プローブであって、前記中心プローブの少なくとも一部が、前記中心プローブの前記組織内での固着を増強し、かつ前記組織への前記治療部分の送達のためのチャネルを作り出すように構成された螺旋幾何学形状を有し、前記中心プローブの前記一部が、導電材料で形成されるか、またはそれによって被覆され、
    前記中心プローブの前記近位端部が開放され、前記第1の内腔を注入器の内腔に流体接続し、前記注入器を通して前記治療剤が前記中心プローブに送達され、
    前記中心プローブの前記遠位端部が、前記組織への前記治療部分の送達のための開口部を画定するように開放され、前記組織を貫通するように構成された形状を有する、中心プローブと、
    b)前記中心プローブを収容するアプリケータであって、前記アプリケータが遠位端部を有し、前記遠位端部を通して前記中心プローブの前記一部が前記アプリケータの外側に延出して前記組織と接触し、かつ前記アプリケータ内に引っ込むように構成されている、アプリケータと、
    c)前記アプリケータの前記遠位端部に位置付けられ、前記中心プローブの前記一部によって電界を発生するように構成されている少なくとも1つの遠位電極と、を備える、デバイス。
  13. 前記ゾーンを囲んで位置付けられるように構成された少なくとも2つの逆帯電エレクトロポレーション電極であって、前記電極が、近位端部から遠位端部に延出するように適合され、前記遠位端部の先端が、前記組織を貫通するように構成された針形状を有し、前記電極が、電極電源に結合し、前記電源から少なくとも1つの電気波形を受け取り、かつ前記ゾーンへのエレクトロポレーションに十分なパルス電界を供給するように適合されている、少なくとも2つの逆帯電エレクトロポレーション電極を備えるエレクトロポレーションシステムをさらに備える、請求項12に記載のデバイス。
  14. 組織の治療ゾーンへの治療部分の送達方法であって、
    a)前記組織の前記治療ゾーンへの治療部分の送達のためのデバイスを提供することであって、前記デバイスが、
    i)少なくとも第1の中心内腔を有し、近位端部から遠位端部に延出する中心プローブであって、前記中心プローブの少なくとも一部が、前記中心プローブの前記組織内での固着を増強し、かつ前記組織への前記治療部分の送達のためのチャネルを作り出すように構成された螺旋幾何学形状を有し、前記中心プローブの前記一部が、前記螺旋幾何学形状に沿って位置付けられた複数の吐出口を有し、
    前記中心プローブの前記近位端部が開放され、前記中心内腔を注入器の内腔に流体接続し、前記注入器を通して前記治療剤が前記中心プローブに送達され、
    前記中心プローブの前記遠位端部が、前記組織への前記治療部分の送達のための開口部を画定するように開放され、前記組織を貫通するように構成された形状を有する、中心プローブ、及び
    ii)前記中心プローブを収容するアプリケータであって、前記アプリケータが遠位端部を有し、前記遠位端部を通して前記中心プローブの前記一部が前記アプリケータの外側に延出して前記組織と接触し、かつ前記アプリケータ内に引っ込むように構成されている、アプリケータを備える、提供することと、
    b)前記中心プローブを前記組織の前記治療ゾーン内の疾患細胞と接触させることと、
    c)前記中心プローブを作動させて、前記アプリケータから軸方向に延出することと、
    d)前記中心プローブの少なくとも一部によって前記組織を貫通し、開口部を作り出し、前記開口部を通して前記中心プローブの少なくとも一部が前記組織に進入して前記組織への前記治療部分の送達のための流体チャネルを作り出すことと、
    e)前記第1の中心内腔内に前記治療部分を挿入し、前記少なくとも1つの吐出口及び前記中心プローブの前記遠位開端部を通して前記組織へ前記治療部分を送達することと、を含む、方法。
  15. f)前記ゾーンを囲んで位置付けられるように構成された少なくとも2つの逆帯電エレクトロポレーション電極を備えるエレクトロポレーションシステムを提供することであって、前記エレクトロポレーション電極が、近位端部から遠位端部に延出するように適合され、前記遠位端部の先端が、前記組織を貫通するように構成された針形状を有し、前記エレクトロポレーション電極が、前記電源に結合するように適合されている、提供することと、
    g)前記組織の前記ゾーンを前記エレクトロポレーション電極と接触させることと、
    h)電気パルスを前記電源から前記電極に送達することと、
    i)前記エレクトロポレーションに十分なパルス電界を前記エレクトロポレーション電極から前記ゾーンに印加することと、をさらに含む、請求項14に記載の方法。
  16. 組織の治療ゾーンへの治療部分の送達方法であって、
    a)前記組織の前記治療ゾーンへの治療部分の送達のためのデバイスを提供することであって、前記デバイスが、
    i)電源に接続された中心プローブであって、少なくとも第1の中心内腔を画定し、前記中心プローブの近位端部から遠位端部に延出する内面を有し、前記中心プローブの少なくとも一部が、前記中心プローブの前記組織内での固着を増強し、かつ前記組織への前記治療部分の送達のためのチャネルを作り出すように構成された螺旋幾何学形状を有し、前記中心プローブの前記一部が、導電材料で形成されるか、またはそれによって被覆され、
    前記中心プローブの前記近位端部が開放され、前記中心内腔を注入器の内腔に流体接続し、前記注入器を通して前記治療剤が前記中心プローブに送達され、
    前記中心プローブの前記遠位端部が、前記組織への前記治療部分の送達のための開口部を画定するように開放され、前記組織を貫通するように構成された形状を有する、中心プローブ、
    ii)前記中心プローブを収容するアプリケータであって、前記アプリケータが遠位端部を有し、前記遠位端部を通して前記中心プローブの前記一部が前記アプリケータの外側に延出して前記組織と接触し、前記アプリケータ内に引っ込むように構成されている、アプリケータ、及び
    iii)前記アプリケータの前記遠位端部に位置付けられ、前記電源に接続され、前記中心プローブの前記一部によって電界を発生するように構成されている少なくとも1つの遠位電極を備える、提供することと、
    b)前記中心プローブ及び前記遠位電極を前記組織の前記治療ゾーン内の疾患細胞と接触させることと、
    c)前記中心プローブ及び前記遠位電極を作動させて、前記アプリケータから軸方向に延出することと、
    d)前記遠位電極及び前記中心プローブの少なくとも一部によって前記組織を貫通し、開口部を作り出し、前記開口部を通して前記中心プローブの少なくとも一部が前記組織に進入して前記組織への前記治療部分の送達のための流体チャネルを作り出すことと、
    e)前記第1の中心内腔内に前記治療部分を挿入し、前記少なくとも1つの吐出口及び前記中心プローブの前記遠位開端部を通して前記組織へ前記治療部分を送達することと、
    f)前記電源から前記遠位電極及び前記中心プローブに電気パルスを送達することと、
    g)エレクトロポレーションに十分なパルス電界を前記遠位電極及び前記中心プローブから前記ゾーンに印加することと、
    h)前記遠位電極及び前記中心プローブを前記組織から引っ込ませることと、を含む、方法、
  17. 組織の標的細胞のゾーンへの治療部分の送達のためのデバイスであって、
    a)少なくとも第1の内腔を画定し、近位端部及び遠位閉端部を有する中心プローブであって、前記遠位端部の先端が、組織を貫通するように構成された針形状を有し、かつ前記遠位端部から所定の位置に位置付けられた少なくとも1つの出口ポートを有し、前記出口ポートが、前記第1の内腔を前記中心プローブの外側に流体接続している、中心プローブと、
    b)前記第1の内腔内に位置付けられ、前記中心プローブ内で摺動可能な少なくとも1つのチャネリングワイヤであって、前記チャネリングワイヤが、前記中心プローブ内に位置付けられた近位端部、及び前記出口ポートを介して前記中心プローブの外側に延出し前記第1の内腔内に引っ込むように構成された遠位端部を有し、前記チャネリングワイヤの前記遠位端部の先端が、前記組織を貫通し、かつ開口部を画定するように構成された形状を有し、前記開口部を通して前記チャネリングワイヤの少なくとも一部が前記組織に進入して流体チャネルを作り出し、前記流体チャネルを通して前記治療部分が前記組織に送達され、
    前記治療部分が、前記第1の内腔から前記出口ポートを介して前記チャネルへと送達される、少なくとも1つのチャネリングワイヤと、
    c)前記中心プローブの前記第1の内腔と一体で形成されているか、またはそれに結合した傾斜板であって、前記チャネリングワイヤと接触して、それを前記中心プローブから前記中心プローブの前記外側に退出するように誘導するように構成されている、傾斜板と、
    d)前記中心プローブ及びチャネリングワイヤを電源に電気的に接続する電気コネクタと、
    e)前記治療部分の送達のために前記中心プローブをシリンジに接続する小口径コネクタと、
    f)前記電気コネクタを少なくとも部分的に収容し、前記中心プローブ及び前記チャネリングワイヤの近位端部に結合して前記中心プローブ及び前記チャネリングワイヤの前記遠位端部の貫通の深度を容易にするハンドルと、を備える、デバイス。
  18. 標的細胞の前記ゾーンを囲んで位置付けられるように構成された少なくとも2つの逆帯電電極を備えるエレクトロポレーションシステムであって、前記電極が、近位端部から遠位端部に延出するように適合され、前記遠位端部の先端が、前記組織を貫通するように構成された針形状を有し、前記電極が、前記電源に結合し、前記電源から電気波形を受け取り、かつエレクトロポレーションに十分なパルス電界を標的細胞の前記ゾーンに供給するように適合されている、エレクトロポレーションシステムをさらに備える、請求項17に記載のデバイス。
  19. 対象の組織内の細胞のエレクトロポレーション(EP)のためのシステムであって、
    a)トロカールであって、
    i)近位端部から遠位開端部に延出し、閉塞具を受けるように構成された第1の内腔を画定するカニューレ、及び
    ii)近位端部から遠位端部に延出する前記閉塞具であって、前記近位端部が、そこに載置されたハンドルを含み、前記遠位端部が、皮膚を貫通し、体腔内に進入し、かつ経路を形成するように構成された刃を含み、前記経路を通して前記カニューレが前記体腔内に少なくとも部分的に挿入され得る、閉塞具を備え、
    前記閉塞具が、前記第1の内腔内で摺動可能であるように構成され、前記閉塞具の前記遠位端部が、前記カニューレの前記遠位開端部を通して前記第1の内腔の外側に延出するように構成されている、トロカールと、
    b)癌性細胞に接近するために前記カニューレ内で摺動可能に載置可能かつ引き込み可能なEPデバイスであって、
    i)近位端部から遠位端部に延出するアンカー、
    ii)前記アンカーの前記遠位端部に引き込み可能に配置され、標的細胞のゾーンを囲んで位置付けられるように構成された少なくとも2つの逆帯電電極であって、
    前記電極が、発生器に結合し、前記発生器から少なくとも1つの電気波形を受け取り、かつ励磁信号及びEPパルスのうちの少なくとも1つを供給するように適合されている、少なくとも2つの逆帯電電極、及び
    iii)前記アンカーの前記遠位端部に引き込み可能に配置され、少なくとも中心内腔を画定する内面を有し、前記アンカーの前記遠位端部から延出する中心プローブであって、前記中心プローブの少なくとも一部が、前記中心プローブの前記組織内での固着を増強し、かつ前記組織への前記治療部分の送達のためのチャネルを作り出すように構成された螺旋幾何学形状を有し、
    前記中心プローブの遠位端部が、前記組織への前記治療部分の送達のための開口部を画定するように開放され、前記組織を貫通するように構成された形状を有する、中心プローブを含む、EPデバイスと、を備えるシステム。
  20. 前記EPデバイス電極が、近位端部から遠位端部に延出するように適合され、前記遠位端部の先端が、前記組織を貫通するように構成された針形状を有し、
    前記電極が、電源に結合し、前記電源から電気波形を受け取り、かつ励磁信号及びEPパルスのうちの少なくとも1つを標的細胞の前記ゾーンに供給するように適合されている、請求項19に記載のシステム。
JP2017550938A 2015-03-31 2016-03-31 改善された組織センシングに基づくエレクトロポレーションのためのシステム及び方法 Active JP6860497B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021054127A JP2021094467A (ja) 2015-03-31 2021-03-26 改善された組織センシングに基づくエレクトロポレーションのためのシステム及び方法
JP2023003552A JP2023029619A (ja) 2015-03-31 2023-01-13 改善された組織センシングに基づくエレクトロポレーションのためのシステム及び方法

Applications Claiming Priority (13)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201562141142P 2015-03-31 2015-03-31
US201562141182P 2015-03-31 2015-03-31
US201562141256P 2015-03-31 2015-03-31
US201562141164P 2015-03-31 2015-03-31
US62/141,164 2015-03-31
US62/141,142 2015-03-31
US62/141,182 2015-03-31
US62/141,256 2015-03-31
US201562214807P 2015-09-04 2015-09-04
US201562214872P 2015-09-04 2015-09-04
US62/214,872 2015-09-04
US62/214,807 2015-09-04
PCT/US2016/025416 WO2016161201A2 (en) 2015-03-31 2016-03-31 Systems and methods for improved tissue-sensing based electroporation

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021054127A Division JP2021094467A (ja) 2015-03-31 2021-03-26 改善された組織センシングに基づくエレクトロポレーションのためのシステム及び方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2018510015A true JP2018510015A (ja) 2018-04-12
JP2018510015A5 JP2018510015A5 (ja) 2019-05-09
JP6860497B2 JP6860497B2 (ja) 2021-04-14

Family

ID=55755735

Family Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017550938A Active JP6860497B2 (ja) 2015-03-31 2016-03-31 改善された組織センシングに基づくエレクトロポレーションのためのシステム及び方法
JP2021054127A Pending JP2021094467A (ja) 2015-03-31 2021-03-26 改善された組織センシングに基づくエレクトロポレーションのためのシステム及び方法
JP2023003552A Pending JP2023029619A (ja) 2015-03-31 2023-01-13 改善された組織センシングに基づくエレクトロポレーションのためのシステム及び方法

Family Applications After (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021054127A Pending JP2021094467A (ja) 2015-03-31 2021-03-26 改善された組織センシングに基づくエレクトロポレーションのためのシステム及び方法
JP2023003552A Pending JP2023029619A (ja) 2015-03-31 2023-01-13 改善された組織センシングに基づくエレクトロポレーションのためのシステム及び方法

Country Status (10)

Country Link
US (2) US11318305B2 (ja)
EP (2) EP3695877A1 (ja)
JP (3) JP6860497B2 (ja)
CN (2) CN115737104A (ja)
CA (1) CA2981474A1 (ja)
DK (1) DK3277368T3 (ja)
ES (1) ES2807439T3 (ja)
HK (1) HK1250675A1 (ja)
PL (1) PL3277368T3 (ja)
WO (1) WO2016161201A2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020520783A (ja) * 2018-03-13 2020-07-16 ジーシーエス カンパニー リミテッド スキンケア装置
KR20210120098A (ko) * 2019-02-04 2021-10-06 루트거스, 더 스테이트 유니버시티 오브 뉴 저지 미세전극을 사용한 조직 전기이동을 위한 소자
KR20220116898A (ko) * 2021-02-16 2022-08-23 주식회사 밀알 의료용 정밀 약물주입 및 전기천공 융합 전극
WO2023224199A1 (ko) * 2022-05-19 2023-11-23 주식회사 밀알 스네어 형태의 전기천공용 전극

Families Citing this family (42)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PL3581105T3 (pl) 2010-05-08 2022-11-28 The Regents Of The University Of California Urządzenie do wczesnego wykrywania owrzodzenia przez skanowanie uwodnienia podnaskórkowego
CA2981474A1 (en) 2015-03-31 2016-10-06 Oncosec Medical Incorporated Systems and methods for improved tissue-sensing based electroporation
CA3059988C (en) 2015-04-24 2023-03-07 Bruin Biometrics, Llc Apparatus and methods for determining damaged tissue using sub-epidermal moisture measurements
SG10201913163PA (en) 2015-12-18 2020-03-30 Oncosec Medical Inc Plasmid constructs for heterologous protein expression and methods of use
JP7158820B2 (ja) * 2016-10-26 2022-10-24 ロレアル エレクトロポレーションデバイスおよびエレクトロポレーションデバイスを制御するための方法
GB2591708B (en) 2017-02-03 2021-11-17 Bruin Biometrics Llc Measurement of susceptibility to diabetic foot ulcers
US20180303543A1 (en) * 2017-04-24 2018-10-25 Medtronic Cryocath Lp Enhanced electroporation of cardiac tissue
GB201710973D0 (en) 2017-07-07 2017-08-23 Avacta Life Sciences Ltd Scaffold proteins
EP3658220B1 (en) * 2017-07-28 2021-07-07 Scandinavian ChemoTech AB A device, e.g. a dynamic electro enhanced pain control (deepc) device, for delivery of electrical pulses to a desired body part of a mammal
CN116987589A (zh) * 2017-10-19 2023-11-03 苏州壹达生物科技有限公司 一种流式电穿孔装置
JP7330198B2 (ja) * 2017-10-23 2023-08-21 メイヨ・ファウンデーション・フォー・メディカル・エデュケーション・アンド・リサーチ 電気穿孔システムおよび方法
GB2584226B (en) 2018-02-09 2022-06-22 Bruin Biometrics Llc Detection of tissue damage
MX2020011618A (es) * 2018-05-02 2021-02-16 Oncosec Medical Inc Sistemas, métodos y aparatos de electroporación.
AU2019299533B2 (en) * 2018-07-03 2023-03-09 Novocure Gmbh Using alternating electric fields to increase cell membrane permeability
CN109171947A (zh) * 2018-09-17 2019-01-11 重庆大学 靶向消融细胞装置、方法、介质及电子设备
GB2591711B (en) 2018-10-11 2022-02-02 Bruin Biometrics Llc Device with detachable element
US11395911B2 (en) 2018-11-16 2022-07-26 Agnes Medical Co., Ltd. Skin treatment needle with energy uniformity corrugations and skin treatment device
CN109688354B (zh) * 2018-12-28 2021-09-07 北京思比科微电子技术股份有限公司 一种模拟增强图像对比度的方法
US11071860B2 (en) 2019-02-06 2021-07-27 Oncosec Medical Incorporated Systems and methods for detecting fault conditions in electroporation therapy
US11135439B2 (en) * 2019-03-29 2021-10-05 Advanced Neuromodulation Systems, Inc. Implantable pulse generator for providing a neurostimulation therapy using complex impedance measurements and methods of operation
US11660139B2 (en) 2019-04-10 2023-05-30 Radioclash Inc. Electroporation probe
BR102019013577A2 (pt) * 2019-06-28 2021-01-05 Eqt Equipamentos E Tecnologia Ltda. Equipamento para aplicação de fármacos simultânea à eletroporação durante procedimento de eletroquimioterapia, dispositivo aplicador de fármacos e de eletroporação, método de preparo de dispositivo aplicador e método de cálculo e de ajuste de corrente elétrica para eletroporação
KR102277008B1 (ko) * 2019-07-17 2021-07-13 주식회사 제이시스메디칼 전류 인가용 니들 팁, 핸드피스 및 피부 처치 장치
US20210047425A1 (en) 2019-08-12 2021-02-18 Purinomia Biotech, Inc. Methods and compositions for promoting and potentiating t-cell mediated immune responses through adcc targeting of cd39 expressing cells
TW202128775A (zh) 2019-10-16 2021-08-01 英商阿法克塔生命科學有限公司 PD-L1抑制劑-TGFβ抑制劑雙特異性藥物部分
US11499953B2 (en) 2019-12-09 2022-11-15 International Business Machines Corporation Feature tuning—application dependent feature type selection for improved classification accuracy
US11619618B2 (en) 2019-12-09 2023-04-04 International Business Machines Corporation Sensor tuning—sensor specific selection for IoT—electronic nose application using gradient boosting decision trees
US11903638B2 (en) 2019-12-11 2024-02-20 Biosense Webster (Israel) Ltd. Regulating delivery of irreversible electroporation pulses according to transferred energy
CN111308058B (zh) * 2020-03-14 2021-12-14 深圳联开生物医疗科技有限公司 计数孔电压报警阈值自适应方法、装置以及血细胞分析仪
GB202101299D0 (en) 2020-06-09 2021-03-17 Avacta Life Sciences Ltd Diagnostic polypetides and methods
US20220071692A1 (en) * 2020-09-08 2022-03-10 Biosense Webster (Israel) Ltd. Impedance based irreversible-electroporation (ire)
WO2022169850A1 (en) 2021-02-03 2022-08-11 Bruin Biometrics, Llc Methods of treating deep and early-stage pressure induced tissue damage
IL305699A (en) * 2021-03-09 2023-11-01 Bruin Biometrics Llc A method for diagnosing and treating deep tissue damage using subepidermal moisture measurements
WO2022234003A1 (en) 2021-05-07 2022-11-10 Avacta Life Sciences Limited Cd33 binding polypeptides with stefin a protein
IL309363A (en) * 2021-06-16 2024-02-01 Entire Medical Inc Electroporation treatment
CN113229928B (zh) * 2021-06-18 2023-12-15 杭州维纳安可医疗科技有限责任公司 电极针、消融设备及消融方法、装置、存储介质
CN113229930B (zh) * 2021-06-18 2023-09-22 杭州维纳安可医疗科技有限责任公司 电极针、消融设备及消融方法、装置、存储介质
WO2023288314A1 (en) * 2021-07-15 2023-01-19 Georgia Tech Research Corporation Methods of determining viable cell count and impedance-based biosensors for the same
TW202334196A (zh) 2021-10-07 2023-09-01 英商阿法克塔生命科學有限公司 Pd-l1結合多肽
WO2023057946A1 (en) 2021-10-07 2023-04-13 Avacta Life Sciences Limited Serum half-life extended pd-l1 binding polypeptides
CN114983551B (zh) * 2022-07-12 2022-10-25 深圳迈微医疗科技有限公司 组织消融装置以及电化学阻抗测量装置
GB202213953D0 (en) * 2022-09-23 2022-11-09 Creo Medical Ltd An apparatus for sensing a biological tissue

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004520865A (ja) * 2000-07-25 2004-07-15 リタ メディカル システムズ インコーポレイテッド 局在化インピーダンス測定を使用する腫瘍の検出および処置のための装置
WO2005021088A1 (en) * 2003-08-25 2005-03-10 Medtronic, Inc. Electroporation catheter with sensing capabilities
JP2012520739A (ja) * 2009-03-16 2012-09-10 クリティカル・パフュージョン・インコーポレイテッド 人間の胃のインピーダンススペクトルの特性パラメータ評価のためのシステム及び方法

Family Cites Families (71)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4469863A (en) 1980-11-12 1984-09-04 Ts O Paul O P Nonionic nucleic acid alkyl and aryl phosphonates and processes for manufacture and use thereof
US5034506A (en) 1985-03-15 1991-07-23 Anti-Gene Development Group Uncharged morpholino-based polymers having achiral intersubunit linkages
US5235033A (en) 1985-03-15 1993-08-10 Anti-Gene Development Group Alpha-morpholino ribonucleoside derivatives and polymers thereof
US5216141A (en) 1988-06-06 1993-06-01 Benner Steven A Oligonucleotide analogs containing sulfur linkages
US5386023A (en) 1990-07-27 1995-01-31 Isis Pharmaceuticals Backbone modified oligonucleotide analogs and preparation thereof through reductive coupling
US5602240A (en) 1990-07-27 1997-02-11 Ciba Geigy Ag. Backbone modified oligonucleotide analogs
US5644048A (en) 1992-01-10 1997-07-01 Isis Pharmaceuticals, Inc. Process for preparing phosphorothioate oligonucleotides
ATE199392T1 (de) 1992-12-04 2001-03-15 Medical Res Council Multivalente und multispezifische bindungsproteine, deren herstellung und verwendung
US5637684A (en) 1994-02-23 1997-06-10 Isis Pharmaceuticals, Inc. Phosphoramidate and phosphorothioamidate oligomeric compounds
US5642035A (en) 1994-06-16 1997-06-24 Bio-Rad Laboratories Transfection high-voltage controller
CN1195997A (zh) 1995-03-10 1998-10-14 恩特雷麦德有限公司 流式电穿孔室和方法
US6241701B1 (en) 1997-08-01 2001-06-05 Genetronics, Inc. Apparatus for electroporation mediated delivery of drugs and genes
US6678558B1 (en) 1999-03-25 2004-01-13 Genetronics, Inc. Method and apparatus for reducing electroporation-mediated muscle reaction and pain response
EP1171189B1 (en) 1999-03-25 2016-05-11 Inovio Pharmaceuticals, Inc. Apparatus for reducing electroporation-mediated muscle reaction and pain response
US7092753B2 (en) * 1999-06-04 2006-08-15 Impulse Dynamics Nv Drug delivery device
US6258592B1 (en) 1999-06-14 2001-07-10 Bio-Rad Laboratories, Inc. Electroporation cell with arc prevention/reduction
US6387671B1 (en) * 1999-07-21 2002-05-14 The Regents Of The University Of California Electrical impedance tomography to control electroporation
EP1411851B1 (en) 2001-08-03 2006-11-02 Tyco Healthcare Group LP Marker for use with a tissue marking apparatus
US7245963B2 (en) * 2002-03-07 2007-07-17 Advisys, Inc. Electrode assembly for constant-current electroporation and use
US8209006B2 (en) * 2002-03-07 2012-06-26 Vgx Pharmaceuticals, Inc. Constant current electroporation device and methods of use
US6912417B1 (en) 2002-04-05 2005-06-28 Ichor Medical Systmes, Inc. Method and apparatus for delivery of therapeutic agents
US20030204161A1 (en) * 2002-04-25 2003-10-30 Bozidar Ferek-Petric Implantable electroporation therapy device and method for using same
US7103418B2 (en) * 2002-10-02 2006-09-05 Medtronic, Inc. Active fluid delivery catheter
US7130700B2 (en) * 2002-11-19 2006-10-31 Medtronic, Inc. Multilumen body for an implantable medical device
US7878145B2 (en) 2004-06-02 2011-02-01 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. Monitoring plasma ion implantation systems for fault detection and process control
JP5197006B2 (ja) * 2004-06-24 2013-05-15 スフェルゲン 電気力を使用して分子を細胞に移動させるデバイス
US20060036210A1 (en) * 2004-06-30 2006-02-16 Lei Zhang Modular electroporation device with disposable electrode and drug delivery components
US8409167B2 (en) * 2004-07-19 2013-04-02 Broncus Medical Inc Devices for delivering substances through an extra-anatomic opening created in an airway
US7937143B2 (en) * 2004-11-02 2011-05-03 Ardian, Inc. Methods and apparatus for inducing controlled renal neuromodulation
US8874227B2 (en) 2009-03-20 2014-10-28 ElectroCore, LLC Devices and methods for non-invasive capacitive electrical stimulation and their use for vagus nerve stimulation on the neck of a patient
CA3063263C (en) * 2006-02-11 2024-01-16 Genetronics, Inc. Device and method for single-needle in vivo electroporation
US20070232984A1 (en) 2006-03-30 2007-10-04 Michael Lovell Hand-held electrical stimulation device
US8377005B2 (en) * 2006-09-11 2013-02-19 Custom Medical Applications Neural injection system and related methods
CN101563132A (zh) * 2006-10-17 2009-10-21 Vgx药品公司 电穿孔装置及用其进行哺乳动物细胞电穿孔的方法
WO2008048632A1 (en) * 2006-10-17 2008-04-24 Vgx Pharmaceuticals, Inc. Electroporation devices and methods of using same for electroporation of cells in mammals
US7655004B2 (en) * 2007-02-15 2010-02-02 Ethicon Endo-Surgery, Inc. Electroporation ablation apparatus, system, and method
US8738125B1 (en) * 2007-03-30 2014-05-27 University Of South Florida Devices and methods for delivering molecules to the heart with electric fields
EP2211982B1 (en) 2007-10-11 2016-04-06 Region Hovedstaden v/Herlev Hospital An electroporation device for improved electrical field control
WO2009121017A1 (en) * 2008-03-27 2009-10-01 The Regents Of The University Of California Balloon catheter for reducing restenosis via irreversible electroporation
US8992517B2 (en) * 2008-04-29 2015-03-31 Virginia Tech Intellectual Properties Inc. Irreversible electroporation to treat aberrant cell masses
US8926606B2 (en) * 2009-04-09 2015-01-06 Virginia Tech Intellectual Properties, Inc. Integration of very short electric pulses for minimally to noninvasive electroporation
WO2009137800A2 (en) * 2008-05-09 2009-11-12 Angiodynamics, Inc. Electroporation device and method
PL2370015T3 (pl) * 2008-11-11 2017-07-31 Shifamed Holdings, Llc Niskoprofilowy zespół elektrodowy
FR2941572B1 (fr) 2009-01-28 2011-05-06 Jacques Gascuel Dispositif de surveillance et de protection de l'alimentation d'un appareil electrique et procede de mise en oeuvre de ce dispositif
WO2010093692A2 (en) 2009-02-10 2010-08-19 Hobbs Eamonn P Irreversible electroporation and tissue regeneration
JP5850501B2 (ja) * 2009-06-09 2016-02-03 ニューロナノ アーベー 微小電極
US9119649B2 (en) 2009-07-28 2015-09-01 Neuwave Medical, Inc. Energy delivery systems and uses thereof
EP2488251A4 (en) * 2009-10-16 2014-02-19 Virginia Tech Intell Prop TREATMENT PLANNING FOR ELECTROPORATION THERAPIES
CN101745178B (zh) 2009-12-17 2013-01-02 重庆大学 便携式高压纳秒方波脉冲发生器
WO2011103133A2 (en) * 2010-02-16 2011-08-25 Angiodynamics, Inc. Dual bracketed energy delivery probe and method of use
CN102905755B (zh) * 2010-03-01 2016-03-09 因诺维奥制药公司 可耐受的微创性皮肤电穿孔装置
KR101914152B1 (ko) * 2010-03-01 2018-12-28 이노비오 파마수티컬즈, 인크. 다수의 조직 층 전기천공 애플리케이터 및 장치
JP2014036576A (ja) 2010-12-10 2014-02-27 Ajinomoto Co Inc L−アミノ酸の製造法
CN102005732A (zh) 2010-12-10 2011-04-06 江苏省电力公司常州供电公司 电容器组的谐波保护方法
EP2651505A4 (en) * 2010-12-15 2014-06-11 Old Dominion Univ Res Found ELECTROPORATION-INDUCED ELECTROSENSIBILIZATION
WO2012088149A2 (en) * 2010-12-20 2012-06-28 Virginia Tech Intellectual Properties, Inc. High-frequency electroporation for cancer therapy
ITTO20110374A1 (it) * 2011-04-29 2012-10-30 Igea S P A Metodo di controllo di un dispositivo di elettro-porazione
US20120310230A1 (en) * 2011-06-01 2012-12-06 Angiodynamics, Inc. Coaxial dual function probe and method of use
KR20230156804A (ko) * 2011-06-28 2023-11-14 이노비오 파마수티컬즈, 인크. 최소 침습 피부 전기천공 장치
US20130030430A1 (en) 2011-07-29 2013-01-31 Stewart Mark T Intracardiac tools and methods for delivery of electroporation therapies
US20130345779A1 (en) * 2012-01-12 2013-12-26 The Regents Of The University Of California Two dimensional and one dimensional field electroporation
JP6224089B2 (ja) 2012-05-23 2017-11-01 ストライカー・コーポレイション 器具ユニットと、該器具ユニットへの通電及び制御を行う別個のバッテリ及び制御モジュールとを有する外科用電動器具アセンブリ
CN103446667A (zh) 2012-05-30 2013-12-18 张涛 全时段高压陡脉冲癌症治疗装置及方法
US20140052216A1 (en) * 2012-08-15 2014-02-20 Ethicon Endo-Surgery, Inc. Methods for promoting wound healing
EP2911736A4 (en) * 2012-10-25 2016-06-15 Oncosec Medical Inc electroporation
US9545523B2 (en) * 2013-03-14 2017-01-17 Zeltiq Aesthetics, Inc. Multi-modality treatment systems, methods and apparatus for altering subcutaneous lipid-rich tissue
US10447023B2 (en) 2015-03-19 2019-10-15 Ripd Ip Development Ltd Devices for overvoltage, overcurrent and arc flash protection
CA2981474A1 (en) 2015-03-31 2016-10-06 Oncosec Medical Incorporated Systems and methods for improved tissue-sensing based electroporation
US9987081B1 (en) 2017-04-27 2018-06-05 Iowa Approach, Inc. Systems, devices, and methods for signal generation
MX2020011618A (es) 2018-05-02 2021-02-16 Oncosec Medical Inc Sistemas, métodos y aparatos de electroporación.
US11071860B2 (en) 2019-02-06 2021-07-27 Oncosec Medical Incorporated Systems and methods for detecting fault conditions in electroporation therapy

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004520865A (ja) * 2000-07-25 2004-07-15 リタ メディカル システムズ インコーポレイテッド 局在化インピーダンス測定を使用する腫瘍の検出および処置のための装置
WO2005021088A1 (en) * 2003-08-25 2005-03-10 Medtronic, Inc. Electroporation catheter with sensing capabilities
JP2012520739A (ja) * 2009-03-16 2012-09-10 クリティカル・パフュージョン・インコーポレイテッド 人間の胃のインピーダンススペクトルの特性パラメータ評価のためのシステム及び方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020520783A (ja) * 2018-03-13 2020-07-16 ジーシーエス カンパニー リミテッド スキンケア装置
KR20210120098A (ko) * 2019-02-04 2021-10-06 루트거스, 더 스테이트 유니버시티 오브 뉴 저지 미세전극을 사용한 조직 전기이동을 위한 소자
JP2022519598A (ja) * 2019-02-04 2022-03-24 ラトガーズ、ザ ステイト ユニバーシティ オブ ニュージャージー 微小電極を使用する組織電気泳動転写用デバイス
JP7260933B2 (ja) 2019-02-04 2023-04-19 ラトガーズ、ザ ステイト ユニバーシティ オブ ニュージャージー 微小電極を使用する組織電気泳動転写用デバイス
KR102601524B1 (ko) 2019-02-04 2023-11-14 루트거스, 더 스테이트 유니버시티 오브 뉴 저지 미세전극을 사용한 조직 전기이동을 위한 소자
KR20220116898A (ko) * 2021-02-16 2022-08-23 주식회사 밀알 의료용 정밀 약물주입 및 전기천공 융합 전극
KR102576604B1 (ko) * 2021-02-16 2023-09-08 주식회사 밀알 의료용 정밀 약물주입 및 전기천공 융합 전극
WO2023224199A1 (ko) * 2022-05-19 2023-11-23 주식회사 밀알 스네어 형태의 전기천공용 전극

Also Published As

Publication number Publication date
PL3277368T3 (pl) 2021-01-25
US20230001189A1 (en) 2023-01-05
WO2016161201A2 (en) 2016-10-06
US11318305B2 (en) 2022-05-03
EP3695877A1 (en) 2020-08-19
JP6860497B2 (ja) 2021-04-14
EP3277368B1 (en) 2020-05-20
CN107872982B (zh) 2022-10-28
WO2016161201A3 (en) 2016-11-10
CN115737104A (zh) 2023-03-07
EP3277368A2 (en) 2018-02-07
JP2021094467A (ja) 2021-06-24
US20190117964A1 (en) 2019-04-25
ES2807439T3 (es) 2021-02-23
JP2023029619A (ja) 2023-03-03
DK3277368T3 (da) 2020-07-27
HK1250675A1 (zh) 2019-01-11
CN107872982A (zh) 2018-04-03
CA2981474A1 (en) 2016-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20230001189A1 (en) Systems and methods for improved tissue-sensing based electroporation
US20200316376A1 (en) Electroporation systems, methods, and apparatus
RU2195332C2 (ru) Способ и устройство для использования опосредованной электропорообразованием доставки лекарственных препаратов и генов
JP2023029619A5 (ja)
JP5756165B2 (ja) 可変電流密度単一針電気穿孔システムおよび方法
JP2018510015A5 (ja)
US10173057B2 (en) Device and method of electroporating drug-delivering by using hollow needle electrode
US20080045880A1 (en) Device and method for single-needle in vivo electroporation
WO2010118387A1 (en) Integration of very short electric pulses for minimally to noninvasive electroporation
KR102601524B1 (ko) 미세전극을 사용한 조직 전기이동을 위한 소자
CA2686855C (en) Device and method for single-needle in vivo electroporation
CA3233052A1 (en) Controlled lesion and immune response to pulsed electric field therapy
US20230256236A1 (en) Transformable needle for electroporation
RU2792194C2 (ru) Аппликатор и система для электропорации
WO2021158685A1 (en) Hemostatic combination therapy with low voltage electroporation

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190326

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190326

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200525

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200820

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201019

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210326

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6860497

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250