JP2018508004A - 溶融樹脂用シールシステム - Google Patents

Abstract

シールシステムは、雄本体（１）と雌本体（２）を備え、これらは軸方向に向かって相対的にスライド可能となっている。これらの間の隙間は溶融状態の樹脂が通過できるように構成されている。溶融状態の樹脂は、前記両本体によって部分的に構成されるチャンバ（３）に収容されている。シールリング（４）が前記隙間に配置され、前記樹脂の漏出を防止している。【選択図】図３

Description

本発明は、溶融又はペースト状の樹脂のためのシールシステムに関する。例えば、溶融又はペースト状の材料を処理する装置からの望ましくない漏れを防止するため、特に、往復線形滑り中と対となった２つの円筒面間に設けた隙間から樹脂が漏れるのを防止するためのシールシステムに関する。

具体的に本発明は、限定されるわけではないが、樹脂の圧縮成形のための金型、又は（圧縮成形のための）環状の樹脂を分配するために配置された押出機又は樹脂を供給するためのピストンポンプに採用できる。

従来技術は、円筒状要素の間で線形滑りが生じる溶融又はペースト状の樹脂を処理するための様々なタイプの装置を含む。結合された円筒面の間に設けた隙間を通る樹脂の漏れを回避するために、そのような円筒面を非常に正確な方法で、すなわち寸法及び幾何学的公差を十分に小さくすると、構造が複雑になることが知られている。さらに、構造公差が非常に低減されている場合、シール効果が不十分であり、特に、臨界操作の条件において、例えば、樹脂の高い圧力及び温度のために、有効性を改善することが望ましい。

本発明の目的は、前述の従来技術の欠点の１以上を克服することができる樹脂用のシールシステムを作製することである。

一実施形態では、シールシステムは、互いに摺動可能な少なくとも２つの本体、すなわち雄本体及び雌本体を備え、それらは互いに摺動可能であり、それらの間には隙間が形成され、前記本体の少なくとも１つによって少なくとも部分的に明瞭となる少なくとも１つのチャンバに収容される（溶融又は粉状態の）樹脂が漏出可能であると共に、樹脂の漏出を阻止するために前記隙間に配置されたシールリングを備える。前記シールリングには、開いた弾性リングを含めることができる。特に、シールリングは、弾性ストリップ又はシールセグメントのように、互いに平行で平坦な２つの側面を有することができる。

利点の１つは、互いに対して直線的に摺動可能な（円筒状の）要素をシールするためのシステムを提供することである。
利点の１つは、２つの結合された（円筒状の）表面の間の隙間を介しての（溶融又はペースト状の）樹脂の漏出を防止することである。
利点の１つは、比較的広い寸法及び幾何公差であっても、樹脂の漏れに対して効果的なシールを保証することである。
利点の１つは、例えば高温・高圧が原因の臨界動作条件であっても確実なシールを得ることである。
利点の１つは、（溶融又はペーストの）封止樹脂のための構造的に単純で安価なシステムを利用可能にすることである。

本発明に係るシールシステムの第１実施形態であって、樹脂を圧縮成形するのに適し、上部パンチと下部ダイとを有する金型が成形すべき樹脂を受け入れ可能に開放した第１の構成での金型の断面図である。 樹脂を圧縮成形するためにパンチ及びダイが接近している第２の構成での図１の断面図である。 加工中の製品の成形キャビティを画定するためにパンチ及びダイを閉じた第３の構成の図１の断面図である。 成形された加工中の製品を取り出すことができるようにパンチとダイが開いている第４の構成の図１の断面図である。 成形された加工中の製品を取り出す工程の第５の構成での図１の断面図である。 本発明に係るシールシステムの第２実施形態であって、剪断要素によって分離される前に樹脂の環状部が押出機を出る第１の形態で、圧縮成形のために樹脂の環状用量を分配するのに適した押出機の出口の断面図である。 剪断要素が樹脂の残りから環状用量を分離した第２の構成の図６の断面図である。 図６のものと同様な材料の出口構造で、本発明に係るシールシステムの第３実施形態を備えた押出機の出口断面図である。 図７のものと同様な環状用量の剪断構成に於ける図８の断面図である。 図６のものと同様な材料の出口構成で、本発明に従って製造されたシールシステムの第４実施形態を備えた押出機の出口断面図である。 図７と同様の環状用量の剪断構成に於ける図１０の断面図である。 本発明に係るシールシステムの第５実施形態であって、図６のものと同様な材料の出口構成に於ける押出機の出口断面図である。 図７のものと同様な環状用量の剪断構成に於ける図１２の断面図である。 本発明に係るシールシステムの第６実施形態であって、溶融又はペースト状の樹脂を供給するのに適したピストンポンプの断面図である。 本発明に係るシールシステムに使用可能なシールリングの８つの異なる実施形態の断面を示す。 本発明により製造されたシールシステムに使用可能なオープンリングの結合又は切断の実施形態を示す。 本発明により製造されたシールシステムに使用可能なオープンリングの結合又は切断の実施形態を示す。 本発明により製造されたシールシステムに使用可能なオープンリングの結合又は切断の実施形態を示す。

本明細書では、図示された様々な実施形態に共通する同様な要素を同一符号で示す。

本発明に係るシールシステムは、例えば、外面を有する少なくとも１つの雄本体１を備えることができる。シールシステムは、例えば、雄本体１の外面と対となった内面を有する少なくとも１つの雌本体２を備えることができる。

内面及び外面は、ここに開示された実施形態のように、互いに摺動可能であり、特に軸方向に摺動可能である。特に、表面間の摺動は、軸方向の少なくとも１つの摺動構成要素を備えることができる。特に、表面間の摺動は、円周方向に摺動するための少なくとも１つの摺動構成要素、すなわち（最小限であっても）回転構成要素を備えることができる。内面及び外面は、例えば、並進運動（例えば、摺動対又は円柱対）を伴う、対の共役面であり得る。さらに、前記内面と前記外面の間に隙間（すなわち、細い隙間）を設けることができる。内面及び外面は、これらの実施形態のように、互いに同軸の円筒面であってもよい。特に、隙間は円筒形状とすることができる。

特に、シールシステムは、溶融又はペースト状の樹脂を収容するように構成された少なくとも１つのチャンバ３を備えることができる。チャンバ３は、雄本体１又は雌本体２によって少なくとも部分的に画定される。チャンバ３は、互いに対となる２つの本体１及び２の少なくとも１つの動作構成で隙間に連通可能である。

シールシステムは、例えば、隙間に配置することができる少なくとも１つのシールリング４を備えることができる。特に、シールリング４は、隙間への樹脂の漏出を防止するために使用される。また、シールリング４は、チャンバ３内の溶融又はペースト状の樹脂の漏出を防止するために使用される。

シールリング４は、これらの実施形態のように、公知のタイプの弾性ストリップと同様に、開口部又は切込みを有する開いた弾性リングを備えると共に、互いに平行で平坦な２つの側面を備えることができる。

シールリング４は、雄本体１に設けたシート又は雌本体２に設けたシートに収容することができる。

シールリング４は、鋼、特にステンレス鋼又は硬化鋼で作成できる。シールリング４は、その摺動性を向上させ、摩擦を低減し、又は耐久性を向上させるため、少なくとも１つの表面処理を施すことができる。 シールリング４は、樹脂、特に、チャンバに収容された溶融樹脂の圧力及び温度よりも高い圧力及び温度を有する樹脂で作成できる。シールリング４は、例えばPTFE製とできる。シールリング４は、例えば補強粒子（例えば、繊維、ボール又は中空ボール）で補強された樹脂（PTFE）、例えばガラス又はグラファイトの粒子で作成できる。シールリング４は、例えば、グラファイト又はグラファイト系材料で作成できる。

シールシステムは、種々の温度及び圧力条件に合わせることができる。特に、（例えば、焼き付きや過度のクリアランスを防止するために）シール表面が異なる熱膨張率の材料で作られていたとしても、例えば、雄本体１と雌本体２の一方を鋼製とし、他方を青銅又は鋼製又は鋳鉄製とするならば、溶融又はペースト状の樹脂の漏出を確実に封止できる。

図１から図５には、樹脂材料Ｓを圧縮成形するための金型にシールシステムを適用した第１実施形態が示されている。この実施形態では、２つの雄本体１と、各雄本体１と対となる２つの雌本体２とが設けられている。雄本体１と雌本体２の第１組は、金型の半型５に属している。雄本体１と雌本体２の第２組は、特に、型の（下側の）第２の半型６に属している。第１の半型５は、例えば、パンチを含むことができる。第２の半型６は、例えば、ダイを含むことができる。この場合、１つの雄本体１と１つの雌本体２は、第１の半型５の２つの部分である。１つの雄本体１と１つの雌本体２は、第２の半金型６の２つの部分である。図３には、金型の成形キャビティが示されている。

この実施形態では、シールシステムは、第２の外面を有する第２の雄本体１と、第２の外面と対となる第２の内面を有する第２の雌本体２とを備える。第２の内面及び外面は、互いに（軸方向に）摺動可能である。第２の隙間は、第２の内面と外面との間に形成される。溶融樹脂を収容するチャンバ３は、第２の雄本体１又は第２の雌本体２によって少なくとも部分的に囲むことができる。チャンバ３は、第２の雄及び雌本体１及び２の少なくとも１つの動作構成で、第２の隙間と連通可能である。この実施形態では、第２の隙間に第２のシールリング４を配置して、第２の隙間を通る（溶融又はペースト状の）樹脂と樹脂出口の漏れを防止することができる。特に、第２の雄本体１及び第２の雌本体２は、第２の半型６の２つの部分とすることができる。チャンバ３（金型キャビティ）は、２つの半型５及び６の間に形成することができる。

この実施形態では、シールリング４は、２つの雄本体１上に得られる対応するシートに収容される外側リングである。

図１では、１回分の樹脂Ｓを充填できるように半型５及び６が開いている。図２において、半型５及び６は図３で完了する閉動作を開始している。図４では、半型５及び６が開いており、図５に示すように、成形された被加工中の製品Ｐを取り出すことが可能となっている。金型の動作中、第１の雄本体１及び第１の雌本体２は、第２の雄本体１及び第２の雌本体２と同様に、対応する（軸方向の摺動）動作を実行する。２つのシールリング４は、樹脂がチャンバ３から各間隙を介して漏出できないようにする。

図６から図１３の実施形態を参照すると、可塑化材料を収容するチャンバ３は、特に押出機の出口領域に配置された押出機の樹脂を供給するための環状通路７の少なくとも１つの（最終）部分を備えることができる。押出機は、圧縮成形用の樹脂の環状用量を分配するのに適している。これらの実施形態のように、チャンバ３は少なくとも１つの樹脂の環状出口８を有することができる。特に、雄本体１は、コア９と共に環状通路７を画定する外壁を備えることができる。特に、雌本体２は、雄本体１に対して軸方向に移動可能な少なくとも１つの剪断要素を備えることができる。特に、雌本体２は、予め剪断要素が、環状出口８を出た樹脂の環状用量を分離した後、環状出口８を閉鎖する少なくとも１つの第１の位置（図７、９、１１及び１３）と、せん断要素が、環状出口８を開放して樹脂の排出工程を可能とする、少なくとも１つの第２の位置（図６、８、１０及び１２）との間で移動可能である。

雄本体１に取り付けられた１つの外側シールリング４（図６及び図７）、又は、雄本体１の両方に取り付けられた２つの外側シールリング４（図８及び図９）、又は、雌本体２に取り付けられた単一の内側シールリング４（図１０及び図１１）、又は、雌本体２に取り付けられた２つの内側シールリング４（図１２及び図１３）を設けることができる。それにもかかわらず、（異なる数のシールリングを備えた）他の構成を提供することができる。

図１４を参照すると、雄本体１は、樹脂用のピストンポンプ１１のピストン１０の少なくとも一部を備え、雌本体２は、ピストンポンプ１１のシリンダ１２の少なくとも一部を備える。特に、溶融又はペースト状の樹脂を使用者に供給するために、例えば、成形装置などにピストンポンプ１１を使用できる。ピストンポンプ１１の駆動手段は公知のタイプのものであればよく、従って詳細には図示していない。この場合、シールシステムは、雄本体１（ピストン１０）に取り付けられた２つの外側シールリング４を備える。

図１５には、シールリング４の断面のいくつかの可能な実施形態が示されている。特に、Ａでは長方形の断面が示されており、Ｂでは外斜面を有する長方形断面が示されており、Ｃでは微小な凸面を備えた断面が示されており、Ｄでは傾斜した接触面を有する断面が示されており、Ｅでは外側の段を有する断面が示されており、Ｆでは傾斜した接触面と外側の段を有する断面が示されており、Ｇでは穴付きの溝付きリングの断面が示されており、Ｈでは外斜面と穴を有する溝付きリングの断面が示されている。図示のもの以外に、例えば、正方形、台形、半台形、内部斜面、内側段差、「Ｌ」字形等の断面を有するシールリングを有することができる。

ここに示される各シールリングは、（リングの端部が結合できる結合部、開口部又は切断部を有する）開いた形状と、（反対の平坦で平行な側面を有する）平坦な形状の弾性リングを、弾性ストリップの形態で備えている。それにもかかわらず、異なるタイプのシールリングを使用することができる。

例えば、リングのシート（溝）が雄本体内にあり、シール面が雌本体と接触する外面となった膨張するシールリング、又は、リングのシート（溝）が雌本体内にあり、シール面が雄本体に接触する内面となった収縮するシールリングを使用できる。

ここに示す実施形態では、各シールリング４は、単一部品として作られたリングを備える。それにもかかわらず、いくつかの部品からなるシールリング、例えば２又は３つのリングの組み合わせで形成されたリング、例えば内側リング及び外側リング（及び可能であれば中間リング）を使用することができる。

図１６から図１８には、可能であればシールリング４の接合部、開口部又は切欠きの３つの実施形態が示されている。特に、傾斜継手（図１６）、差込み継手（図１７）及び傾斜バヨネット継手（図１８）が図示されている。それにもかかわらず、他のタイプの連結、開放又は切断が可能であり、例えば弾性ストリップ又は弾性シールセグメントに採用される切断などが適用できる。さらに、弾性セグメントとして使用されるピンリング又は他のタイプのリングを使用できる。

１…雄本体
２…雌本体
３…チャンバ
４…シールリング
５、６…半型
７…環状通路
８…環状出口
９…コア
１０…ピストン
１１…ピストンポンプ
１２…シリンダ

Claims (15)

1. 外面を有する少なくとも１つの雄本体（１）と、
   前記外面と結合される内面を有し、前記内面及び前記外面が少なくとも部分的に軸方向に摺動可能であり、前記内面と前記外面との間に隙間が形成されている、少なくとも１つの雌本体（２）と、
   樹脂を収容する少なくとも１つのチャンバ（３）であって、前記雄本体（１）又は前記雌本体（２）によって少なくとも部分的に画定され、前記本体（１，２）の少なくとも１つの動作構成の前記隙間と連通するチャンバ（３）と、
   を備え、
   前記隙間を介して前記チャンバに収容された樹脂が漏出可能であり、前記樹脂の漏出を防止するために前記隙間に配置された少なくとも１つのシールリング（４）を備える、シールシステム。
2. 前記シールリング（４）は、平坦で互いに平行な２つの側面を有する開放弾性リングである、請求項１に記載のシステム。
3. 前記シールリング（４）は、前記雄本体（１）又は前記雌本体（２）上で得られるシートに収容される、請求項１又は２に記載のシステム。
4. 前記内面及び前記外面が、互いに同軸の円筒面である、請求項１に記載のシステム。
5. 前記シールリング（４）は、ステンレス鋼又は硬化鋼を含む鋼、又は、前記チャンバ（３）に収容される樹脂よりも高い圧力及び温度に対する耐性を有する樹脂で作成されている、請求項１から４のいずれか１項に記載のシステム。
6. 前記チャンバ（３）は、押出通路（７）と押出出口（８）を備え、
   前記雌本体（２）は、剪断要素を備え、前記剪断要素が前記出口から流出する樹脂用量を分離して閉鎖する少なくとも１つの第１の位置と、前記出口を開放し、前記樹脂が流出することを可能にする第２の位置との間で往復運動可能である、請求項１から５のいずれか１項に記載のシステム。
7. 前記雄本体（１）及び前記雌本体（２）は、樹脂を圧縮するための圧縮金型の第１の半型（５）の２つの部分であり、前記チャンバ（３）は前記金型の成形キャビティを備える、請求項１から６のいずれか１項に記載のシステム。
8. 第２の外面を有する少なくとも１つの第２の雄本体（１）と、
   前記第２の外面と対となった第２の内面を有し、前記第２の内面及び外面が少なくとも部分的に軸方向に摺動可能であり、前記第２の内面と前記第２の外面との間に第２の隙間を備え、前記チャンバ（３）が、前記第２の雄本体（１）又は前記第２の雌本体（２）によって少なくとも部分的に囲まれており、前記第２の雄本体及び雌本体（１，２）の少なくとも１つの動作構成で、前記第２の隙間と連通する少なくとも１つの雌本体と、
   前記第２の隙間に配置されて前記樹脂の漏出を防止する少なくとも１つの第２のシールリングと、
   を備える、請求項１から７のいずれか１項に記載のシステム。
9. 前記第２の雄本体（１）と前記第２の雌本体（２）は、前記金型の第２の半型（６）の２つの部分であり、前記成形キャビティは前記半型（５，６）の間に画定されている、請求項７又は８に記載のシステム。
10. 前記内面と前記外面は、少なくとも部分的に円周方向に互いに摺動可能である、請求項１から９のいずれか１項に記載のシステム。
11. 前記雄本体（１）は、樹脂用のピストンポンプ（１１）のピストン（１０）の少なくとも一部を備え、前記雌本体（２）は、前記ピストンポンプ（１１）のシリンダ（１２）の少なくとも一部を備える、請求項１から１０のいずれか１項に記載のシステム。
12. 溶融又はペースト状で樹脂を処理するための装置であって、請求項１から１１のいずれか１項に記載のシールシステムを備える装置。
13. 樹脂を分配するための押出機を備える、請求項１２に記載の装置。
14. 樹脂の１用量（Ｓ）を圧縮成形するための金型を備える、請求項１２に記載の装置。
15. 樹脂用のピストンポンプ（１１）を備える、請求項１２に記載の装置。

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