JP2018206611A - アルジロダイト型結晶構造を有する硫化物固体電解質の製造方法 - Google Patents

アルジロダイト型結晶構造を有する硫化物固体電解質の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】イオン伝導度の高いアルジロダイト型固体電解質を、従来よりも短い時間で製造する方法を提供する。【解決手段】原料混合物を構成する、2種以上の化合物又は単体を、それぞれ個別に粉砕する工程を有する、アルジロダイト型結晶構造を有する硫化物固体電解質の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、アルジロダイト型結晶構造を有する硫化物固体電解質の製造方法に関する。
近年におけるパソコン、ビデオカメラ及び携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。電池の中でも、エネルギー密度が高いという観点から、リチウムイオン電池が注目を浴びている。
現在市販されているリチウムイオン電池は、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されているため、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止のための構造及び材料面での改善が必要となる。これに対し、電解液を固体電解質に変えて、電池を全固体化したリチウムイオン電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。
リチウムイオン電池に用いられる固体電解質として、硫化物固体電解質が知られている。硫化物固体電解質の結晶構造としては種々のものが知られているが、電池の使用温度領域を拡げるという観点からは、広い温度範囲で構造が変化し辛い安定な結晶構造が適している。このような硫化物固体電解質として、例えば、アルジロダイト(Argyrodite)型結晶構造を有する硫化物固体電解質(以下、アルジロダイト型固体電解質ということがある。)が開発されている。
アルジロダイト型固体電解質の製造方法として、例えば、特許文献1には原料を550℃で6日間加熱した後、徐々に冷却する方法が記載されている。また、特許文献2〜5には、原料をボールミルで15時間粉砕混合した後、400〜650℃で熱処理する方法が記載されている。また、非特許文献1には、原料を遊星型ボールミルで20時間メカニカルミリング処理した後、550℃で熱処理する方法が記載されている。
特表2010−540396号公報 国際公開WO2015/011937 国際公開WO2015/012042 特開2016−24874号公報 国際公開WO2016/104702
電気化学会第82回講演要旨集(2015),2H08
イオン伝導度の高いアルジロダイト型固体電解質を製造するためには、長時間の熱処理又は長時間の粉砕混合工程が必要であったため、製造時間を短縮できる製造方法が要求されている。
本発明の目的は、従来よりも短い時間で、イオン伝導度の高いアルジロダイト型固体電解質を製造する方法を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、原料となる各原料化合物又は単体を混合する前に粉砕し、その後に混合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下のアルジロダイト型結晶構造を有する硫化物固体電解質の製造方法が提供できる。
1.原料混合物を構成する、2種以上の化合物又は単体を、それぞれ個別に粉砕する工程を有する、アルジロダイト型結晶構造を有する硫化物固体電解質の製造方法。
2.前記粉砕により、前記2種以上の原料化合物又は単体の、レーザ回折式粒度分布測定により測定される体積基準平均粒子径を20μm以下とする、1に記載の製造方法。
3.前記粉砕にピンミルを使用する、1又は2に記載の製造方法。
4.前記2種以上の化合物又は単体が、硫化リチウム及び硫化リンを含む、1〜3のいずれかに記載の製造方法。
5.前記2種以上の化合物又は単体が、さらに、ハロゲン化リチウムを含む、4に記載の製造方法。
6.前記ハロゲン化リチウムが、塩化リチウム又は臭化リチウムである、5に記載の製造方法。
7.前記ハロゲン化リチウムが、塩化リチウム及び臭化リチウムである、請求項5に記載の製造方法。
本発明によれば、従来よりも短い時間で、イオン伝導度の高いアルジロダイト型固体電解質を製造できる。
実施例1のアルジロダイト型固体電解質のX線回折パターンである。 比較例1のアルジロダイト型固体電解質のX線回折パターンである。
本発明の一実施形態に係るアルジロダイト型固体電解質の製造方法は、原料混合物を構成する、2種以上の化合物又は単体を、それぞれ個別に粉砕する工程を有することを特徴とする。化合物又は単体を混合する前に粉砕することにより、後工程である混合工程、熱処理工程の時間を短縮できる。
原料混合物を構成する化合物としては、リチウム、リン及び硫黄と、任意にハロゲン等の元素を、構成元素として含む化合物が使用できる。
リチウムを含む化合物としては、例えば、硫化リチウム(LiS)、酸化リチウム(LiO)、炭酸リチウム(LiCO)が挙げられる。中でも、リチウム化合物が好ましく、硫化リチウムがより好ましい。
上記硫化リチウムは、特に制限なく使用できるが、高純度のものが好ましい。硫化リチウムは、例えば、特開平7−330312号公報、特開平9−283156号公報、特開2010−163356号公報、特開2011−84438号公報に記載の方法により製造することができる。
具体的には、炭化水素系有機溶媒中で水酸化リチウムと硫化水素とを70℃〜300℃で反応させて、水硫化リチウムを生成し、次いでこの反応液を脱硫化水素化することにより硫化リチウムを合成できる(特開2010−163356号公報)。
また、水溶媒中で水酸化リチウムと硫化水素とを10℃〜100℃で反応させて、水硫化リチウムを生成し、次いでこの反応液を脱硫化水素化することにより硫化リチウムを合成できる(特開2011−84438号公報)。
リンを含む化合物としては、例えば、三硫化二リン(P)、五硫化二リン(P)等の硫化リン、リン酸ナトリウム(NaPO)等のリン化合物が挙げられる。これらの中でも、硫化リンが好ましく、五硫化二リン(P)がより好ましい。
ハロゲンを含む化合物としては、例えば、一般式(M−X)で表される化合物が挙げられる。
式中、Mは、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、リン(P)、硫黄(S)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、セレン(Se)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、又はこれらの元素に酸素元素、硫黄元素が結合したものを示し、Li又はPが好ましく、特にリチウム(Li)が好ましい。
Xは、F、Cl、Br及びIから選択されるハロゲン元素である。
また、lは1又は2の整数であり、mは1〜10の整数である。mが2〜10の整数の場合、すなわち、Xが複数存在する場合は、Xは同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、後述するSiBrClは、mが4であって、XはBrとClという異なる元素からなるものである。
上記式で表されるハロゲン化合物としては、具体的には、NaI、NaF、NaCl、NaBr等のハロゲン化ナトリウム;LiF、LiCl、LiBr、LiI等のハロゲン化リチウム;BCl、BBr、BI等のハロゲン化ホウ素;AlF、AlBr、AlI、AlCl等のハロゲン化アルミニウム;SiF、SiCl、SiCl、SiCl、SiBr、SiBrCl、SiBrCl、SiI等のハロゲン化ケイ素;PF、PF、PCl、PCl、POCl、PSCl、PBr、PSBr、PBr、POBr、PI、PSI、PCl、P等のハロゲン化リン;SF、SF、SF、S10、SCl、SCl、SBr等のハロゲン化硫黄;GeF、GeCl、GeBr、GeI、GeF、GeCl、GeBr、GeI等のハロゲン化ゲルマニウム;AsF、AsCl、AsBr、AsI、AsF等のハロゲン化ヒ素;SeF、SeF、SeCl、SeCl、SeBr、SeBr等のハロゲン化セレン;SnF、SnCl、SnBr、SnI、SnF、SnCl、SnBr、SnI等のハロゲン化スズ;SbF、SbCl、SbBr、SbI、SbF、SbCl等のハロゲン化アンチモン;TeF、Te10、TeF、TeCl、TeCl、TeBr、TeBr、TeI等のハロゲン化テルル;PbF、PbCl、PbF、PbCl、PbBr、PbI等のハロゲン化鉛;BiF、BiCl、BiBr、BiI等のハロゲン化ビスマス等が挙げられる。
中でも、ハロゲン化リチウム又はハロゲン化リンが好ましく、LiCl、LiBr、LiI又はPBrがより好ましく、LiCl、LiBr又はLiIがさらに好ましく、特にLiCl又はLiBrが好ましい。
ハロゲン化合物は、上記の化合物の中から一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
原料混合物を構成する単体としては、リチウム金属単体、赤リン等のリン単体又は硫黄単体が挙げられる。
上述した化合物及び単体は、工業的に製造され、販売されているものであれば、特に限定なく使用することができる。化合物及び単体は、高純度であることが好ましい。
本発明では、上記化合物又は単体を、それぞれ個別に粉砕する。化合物又は単体の粉砕に用いる装置としては、高速回転粉砕機、衝撃型微粉砕機、容器駆動型ミル、媒体撹拌ミルやジェットミルを用いることができる。例えば、高速回転粉砕機としてはピンミル、衝撃型微粉砕機としてはパルベライザ―、容器駆動型ミルとしてはボールミル、媒体撹拌ミルとしてはビーズミルが挙げられる。なかでも、ピンミルが好ましい。ピンミルは処理時間が短く、また、連続して粉砕操作が可能である。さらに、細かい粒子はピンの間を通過して、必要以上に微粉化せず、粗い粒子は確実に粉砕されるため、耐水性等の観点から扱いの難しい原料に適している。ピンミルの処理時間はボールミル等と比較すると極めて短時間である。
ピンミルでは、向かい合った2枚の円板の表面に、数十本又はそれ以上のピンを互いにかみ合うように設けてある。片方の円板又は両方の円板を高速で回転させた状態で、原料を円板中心に供給する。原料が遠心力により円周方向に移動する間に、ピンによる衝撃力及びせん断力を受け粉砕される。
円板の回転速度、粉砕対象物の供給速度、円板の回転方向(正・逆)等、ピンミルの使用条件は、粉砕対象となる化合物又は単体に合わせて適宜調整する。例えば、ピンミル(ホソカワミクロン株式会社製 100UPZ)を使用する場合、対象物の投入速度は50〜500g/min程度が好ましく、円板の回転速度は12000〜18000rpm程度が好ましい。また、ローターの形状はピンミル型が好ましい。
使用するピンミルについては、特に制限はなく、粉砕機の分野で使用されているものを採用することができる。
粉砕により、上記化合物又は単体の体積基準平均粒子径を20μm以下とすることが好ましい。体積基準平均粒子径を20μm以下とすることにより、後工程である混合工程、熱処理工程の時間を大幅に短縮できる。体積基準平均粒子径は15μm以下であることがより好ましく、特に、12μm以下であることが好ましい。
体積基準平均粒子径(D50)は、レーザ回折式粒度分布測定により測定する。なお、体積基準平均粒子径の下限は、通常100nm程度である。
上記化合物又は単体を粉砕した後、これらを混合して原料混合物とする。上記化合物又は単体は、リチウム、リン及び硫黄と、任意にハロゲン等の元素を、原料混合物が全体として含むように、2種以上組み合わせて使用される。
本発明の一実施形態では、原料混合物がリチウム化合物、リン化合物及びハロゲン化合物を含み、該リチウム化合物、及びリン化合物の少なくとも一方が硫黄元素を含むことが好ましく、LiSと硫化リンとハロゲン化リチウムとの組合せであることがより好ましく、LiSとPと、LiCl及び/又はLiBrとの組合せであることが更に好ましい。
例えば、アルジロダイト型固体電解質の原料として、LiS、P、LiCl及びLiBrを使用する場合には、投入原料のモル比を、LiS:P:LiClとLiBrの合計=30〜60:10〜25:15〜50とすることができる。好ましくは、LiS:P:LiClとLiBrの合計=45〜55:10〜15:30〜50であり、より好ましくは、LiS:P:LiClとLiBrの合計=45〜50:11〜14:35〜45であり、さらに好ましくは、LiS:P:LiClとLiBrの合計=46〜49:11〜13:38〜42である。
上記化合物又は単体を混合する方法は特に限定されない。例えば、乳鉢、ボールミル、振動ミル、転動ミル、ビーズミル、混練機を挙げることができる。短時間で連続的に処理できることから、混練機が好ましい。混練機は、特に限定されないが、2本以上の軸を具備する多軸混練機が好ましい。
原料混合物を熱処理することにより、アルジロダイト型固体電解質を製造することができる。熱処理温度は350〜500℃が好ましく、380〜480℃がさらに好ましく、400〜460℃が特に好ましい。
熱処理時間は、組成や温度により異なるが、例えば、10分以上48時間以下の範囲で調整すればよい。
熱処理の雰囲気は特に限定しないが、好ましくは硫化水素気流下ではなく、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下である。
アルジロダイト型結晶構造としては、特許文献1〜5等に開示されている結晶構造を挙げることができる。組成式としては、例えば、LiPSX、Li7−xPS6−x(X=Cl,Br,I、x=0.0〜1.8)等が挙げられる。
製造した固体電解質が、アルジロダイト型結晶構造を有していることは、例えば、CuKα線を使用した粉末X線回折により確認できる。アルジロダイト型結晶構造は、2θ=25.2±1.0deg及び29.7±1.0degに強い回折ピークを有する。なお、アルジロダイト型結晶構造の回折ピークは、例えば、2θ=15.3±1.0deg、17.7±1.0deg、31.1±1.0deg、44.9±1.0deg又は47.7±1.0degにも現れることがある。本発明のアルジロダイト型固体電解質は、これらのピークを有していてもよい。
本発明では、固体電解質が上記のようなアルジロダイト型結晶構造のX線回折パターンを有していれば、その一部に非晶質の硫化物固体電解質が含まれていてもよい。なお、非晶質の硫化物固体電解質とは、X線回折測定においてX線回折パターンが実質的に原料由来のピーク以外のピークを示さないハローパターンである硫化物固体電解質である。また、アルジロダイト型結晶構造以外の結晶構造や原料を含んでいてもよい。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
なお、評価方法は以下のとおりである。
(1)体積基準平均粒子径(D50
レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(HORIBA製、LA−950V2モデルLA−950W2)で測定した。
脱水処理されたトルエン(和光純薬製、特級)とターシャリーブチルアルコール(和光純薬製、特級)を93.8:6.2の重量比で混合したものを分散媒として用いた。装置のフローセル内に分散媒を50ml注入し、循環させた後、測定対象を添加して超音波処理した後、粒子径分布を測定した。なお、測定対象の添加量は、装置で規定されている測定画面で、粒子濃度に対応する赤色光透過率(R)が80〜90%、青色光透過率(B)が70〜90%に収まるように調整した。また、演算条件には、測定対象の屈折率の値として2.16を、分散媒の屈折率の値として1.49をそれぞれ用いた。分布形態の設定において、反復回数を15回に固定して粒径演算を行った。
(2)イオン伝導度測定
各例で製造したアルジロダイト型固体電解質を、錠剤成形機に充填し、22MPaの圧力を加え成形体とした。電極としてカーボンを成形体の両面に乗せ、再度錠剤成形機にて圧力を加えることで、測定用の成形体(直径約10mm、厚み0.1〜0.2cm)を作製した。この成形体について交流インピーダンス測定によりイオン伝導度を測定した。伝導度の値は25℃における数値を採用した。
(3)X線回折(XRD)測定
各例で製造したアルジロダイト型固体電解質の粉末を、直径20mm、深さ0.2mmの溝にガラスで摺り切り試料とした。この試料を、XRD用カプトンフィルムで空気に触れさせずに測定した。回折ピークの2θ位置は、XRD解析プログラムRIETAN−FPを用いてLe Bail解析にて決定した。
株式会社BRUKERの粉末X線回折測定装置D2 PHASERを用いて以下の条件にて実施した。
管電圧:30kV
管電流:10mA
X線波長:Cu−Kα線(1.5418Å)
光学系:集中法
スリット構成:ソーラースリット4°、発散スリット1mm、Kβフィルター(Ni板)使用
検出器:半導体検出器
測定範囲:2θ=10−60deg
ステップ幅、スキャンスピード:0.05deg、0.05deg/sec
測定結果より結晶構造の存在を確認するためのピーク位置の解析では、XRD解析プログラムRIETAN-FPを用い、11次のルジャンドル直交多項式にてベースラインを補正し、ピーク位置を求めた。
製造例1
[硫化リチウム(LiS)の製造]
LiSの製造及び精製は、下記のように行った。
非水溶性媒体としてトルエン(住友商事株式会社製)を脱水処理し、カールフィッシャー水分計にて測定し水分量が100ppmとなったもの303.8kgを窒素気流下で500Lステンレス製反応釜に加え、続いて無水水酸化リチウム33.8kg(本荘ケミカル株式会社製)を投入し、ツインスター撹拌翼131rpmで撹拌しながら、95℃に保持した。
スラリー中に硫化水素(住友精化株式会社製)を100L/分の供給速度で吹き込みながら104℃まで昇温した。反応釜からは、水とトルエンの共沸ガスが連続的に排出された。この共沸ガスを、系外のコンデンサで凝縮させることにより脱水した。この間、留出するトルエンと同量のトルエンを連続的に供給し、反応液レベルを一定に保持した。
凝縮液中の水分量は徐々に減少し、硫化水素導入後24時間で水の留出は認められなくなった。なお、反応の間は、トルエン中に固体が分散して撹拌された状態であり、トルエンから分層した水分は無かった。
この後、硫化水素を窒素に切り替え100L/分で1時間流通した。
得られた固形分をろ過及び乾燥して、白色粉末であるLiSを得た。LiSのD50は、412μmであった。
実施例1
(A)粉砕工程
製造例1で得たLiSを、窒素雰囲気下にて、定量供給機を有するピンミル(ホソカワミクロン株式会社製 100UPZ)にて粉砕した。投入速度は80g/min、円板の回転速度は18000rpmとした。
同様に、P(サーモフォス製、D50は、125μm)、LiBr(本荘ケミカル社製、D50は、38μm)及びLiCl(シグマアルドリッチ社製、D50は、308μm)を、それぞれ、ピンミルにて粉砕した。Pの投入速度は140g/min、円板の回転速度は18000rpmとした。LiBrの投入速度は230g/min、円板の回転速度は18000rpmとした。LiClの投入速度は250g/min、円板の回転速度は18000rpmとした。
粉砕処理後のLiSのD50は、7.7μm、PのD50は、8.7μm、LiBrのD50は、5.0μm、LiClのD50は、10μmであった。
(B)混合工程
上記(A)で粉砕した各化合物を、モル比がLiS:P:LiBr:LiCl=47.5:12.5:15.0:25.0であり、合計3gとなるように調製したものを乳鉢で30分間混合し、原料混合物とした。原料混合物のD50は、7.3μmであった。
(C)熱処理工程
上記(B)で得た原料混合物1.0gをAr雰囲気下のグローブボックス内で、タンマン管(PT2,東京硝子機器株式会社製)内に詰め、石英ウールでタンマン管の口を塞ぎ、さらにSUS製の密閉容器で大気が入らないよう封をした。その後、密閉容器を電気炉(FUW243PA、アドバンテック社製)内に入れ熱処理した。具体的には、室温から380℃まで1時間で昇温し、380℃から430℃に1時間でかけて昇温し、430℃で8時間保持した。その後、徐冷し、固体電解質を得た。
固体電解質のイオン伝導度(σ)は、7.3mS/cmであった。
固体電解質のXRDパターンを図1に示す。2θ=15.5、17.6、25.5、30.0、31.4、44.9、47.8degにアルジロダイト型結晶構造に由来するピークが観測された。
実施例2
熱処理工程の最高温度を430℃から460℃に、また、熱処理時間を8時間から1時間に変更した他は、実施例1と同様にして、固体電解質を得た。
固体電解質のイオン伝導度(σ)は、8.3mS/cmであった。
固体電解質をXRD測定した結果、アルジロダイト型結晶構造に由来する回折ピークが観測された。
比較例1
粉砕工程(A)を実施せずに、原料混合及び熱処理をした他は、実施例1と同様にして、固体電解質を得た。
固体電解質のイオン伝導度(σ)は、4.4mS/cmであった。
固体電解質のXRDパターンを図2に示す。2θ=15.6、18.1、25.6、30.0、31.4、45.1、47.9degにアルジロダイト型結晶構造に由来する回折ピークが観測された。また、原料であるLiS、LiBr及びLiClに由来する回折ピークが観測された。
比較例2
乳鉢による混合時間を5分間とした他は、比較例1と同様にして、固体電解質を得た。
固体電解質のイオン伝導度(σ)は、2.2mS/cmであった。
実施例1と比較例1の比較から、本発明の製造方法により、イオン伝導度の高いアルジロダイト型固体電解質が得られることが確認できる。また、実施例2から、きわめて短時間の粉砕工程と1時間の熱処理により、イオン伝導度の高いアルジロダイト型固体電解質が得られることがわかる。
本発明によれば、従来よりも短時間でイオン伝導度の高いアルジロダイト型固体電解質を得ることができる。本発明により得られる固体電解質は、固体電解質層等、電池の構成材料として好適である。

Claims (7)

  1. 原料混合物を構成する、2種以上の化合物又は単体を、それぞれ個別に粉砕する工程を有する、アルジロダイト型結晶構造を有する硫化物固体電解質の製造方法。
  2. 前記粉砕により、前記2種以上の原料化合物又は単体の、レーザ回折式粒度分布測定により測定される体積基準平均粒子径を20μm以下とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記粉砕にピンミルを使用する、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記2種以上の化合物又は単体が、硫化リチウム及び硫化リンを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記2種以上の化合物又は単体が、さらに、ハロゲン化リチウムを含む、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記ハロゲン化リチウムが、塩化リチウム又は臭化リチウムである、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記ハロゲン化リチウムが、塩化リチウム及び臭化リチウムである、請求項5に記載の製造方法。
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