以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るガス供給制御システム10Aの構成について説明する。図1に示すように、本実施の形態に係るガス供給制御システム10Aは、所定の範囲の地域12内の需要家14A〜14Jに各々1つずつ設置されたガスメーター16A〜16Jを備えている。なお、以下では、需要家14A〜14Jを区別する必要がない場合は、符号末尾のアルファベットを省略する。また、以下では、ガスメーター16A〜16Jを区別する必要がない場合は、符号末尾のアルファベットを省略する。
本実施の形態に係るガスメーター16は、遮断弁44(図2参照。)が開閉可能に設けられており、遮断弁44を開状態とすることにより需要家14へのガスの供給を行う。また、ガスメーター16は、遮断弁44を閉状態とすることにより需要家14へのガスの供給を遮断する。
また、ガスメーター16は、隣り合う需要家14に設置されているガスメーター16と無線通信によりデータの送受信が相互に可能となっている。また、各ガスメーター16は、直接通信ができない場合においても、通信経路の途中に位置するガスメーター16を経由することによりデータの送受信が相互に可能となっている。例えば、図1に示すガスメーター16Aは、ガスメーター16B、16Cとは直接的にデータの送受信が相互に可能となっており、ガスメーター16Dとはガスメーター16Bを経由することでデータの送受信が相互に可能となっている。なお、各ガスメーター16間の通信は有線通信であってもよい。
次に、図2を参照して、本実施の形態に係るガスメーター16の電気系の要部構成について説明する。図2に示すように、本実施の形態に係るガスメーター16は、ガスメーター16の全体的な動作を司るCPU(Central Processing Unit)30、及び各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)32を備えている。また、ガスメーター16は、CPU30による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)34、及びフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部36を備えている。
また、ガスメーター16は、外部装置と通信データの送受信を行う通信回線I/F(Interface)部38、及びユーザに対してガスメーター16の動作状況等に関する各種情報を通知する表示部40を備えている。また、ガスメーター16は、ユーザからの各種指示を受け付ける操作部42、及び前述した遮断弁44を備えている。
また、ガスメーター16は、ガスの保安に関する複数種類の保安情報を取得するために、加速度センサ46、超音波センサ48、温度センサ50、火災センサ52、湿度センサ54、及び圧力センサ56を備えている。本実施の形態に係る加速度センサ46は、3軸の加速度を検出する。なお、ここでいう3軸とは一例として、水平方向の一方向をX軸とし、水平方向のX軸に直交する方向をY軸とし、X軸及びY軸に直交する鉛直方向をZ軸とした3軸である。本実施の形態に係る超音波センサ48は、一例として超音波を用いたセンサを含み、ガスメーター16内の埃の量が所定量以上となった場合、及びガスメーター16内に水が浸入した場合にそれぞれセンサが異常となったことを示すセンサ異常信号を出力する。なお、超音波センサ48は、超音波を用いたセンサに限らず、ガスメーター16内の埃の量が所定量以上となったこと、及びガスメーター16内に水が浸入したことを検知可能であれば、超音波以外を用いたセンサでもよい。
本実施の形態に係る温度センサ50は、ガスメーター16の本体の温度(以下、単に「本体温度」という。)を検出すると共に、ガスメーター16を介して需要家14に供給されるガスの温度(以下、単に「ガス温度」という。)を検出する。本実施の形態に係る火災センサ52は、一例として赤外線を用いたセンサであり、煙の量が所定量以上となった場合に火災が発生したことを示す火災発生信号を出力する。本実施の形態に係る湿度センサ54は、ガスメーター16内の湿度を検出する。本実施の形態に係る圧力センサ56は、ガスメーター16を介して供給されるガスの圧力を検出する。
そして、CPU30、ROM32、RAM34、記憶部36、通信回線I/F部38、表示部40、及び操作部42の各部がバス58を介して互いに接続されている。また、これらの各部に加え、遮断弁44、加速度センサ46、超音波センサ48、温度センサ50、火災センサ52、湿度センサ54、及び圧力センサ56の各部もバス58を介して互いに接続されている。
以上の構成により、本実施の形態に係るガスメーター16は、CPU30により、ROM32、RAM34、及び記憶部36に対するアクセス、並びに通信回線I/F部38を介した通信データの送受信を各々行う。また、ガスメーター16は、CPU30により、表示部40に対する各種情報の表示、操作部42を介した各種データの取得、及び遮断弁44の開閉の制御を各々行う。
また、ガスメーター16は、CPU30により、加速度センサ46から出力された3軸の加速度、超音波センサ48から出力されたセンサ異常信号、及び温度センサ50から出力された本体温度とガス温度の取得を各々行う。また、ガスメーター16は、CPU30により、火災センサ52から出力された火災発生信号、湿度センサ54から出力された湿度、及び圧力センサ56から出力された圧力の取得を各々行う。
また、ガスメーター16は、CPU30により、加速度センサ46から取得した3軸の加速度に基づいて、地震の規模を示す値としてのSI(Spectrum Intensity)値を導出する。また、ガスメーター16は、CPU30により、加速度センサ46から取得した3軸の加速度に基づいて、ガスメーター16の水平方向に対する傾きの角度(すなわち、ガスメーター16が設置されている位置の地面の傾きの角度)を導出する。また、ガスメーター16は、CPU30により、加速度センサ46から取得した3軸の加速度に基づいて、長周期の振動を示す値としての長周期SI値を導出する。
次に、図3を参照して、本実施の形態に係るガスメーター16の作用を説明する。なお、図3は、例えばガスメーター16の電源がオン状態とされた際にCPU30によって実行されるガス供給制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。また、該ガス供給制御処理プログラムはROM32に予めインストールされている。
図3のステップ100では、CPU30は、加速度センサ46、超音波センサ48、温度センサ50、火災センサ52、湿度センサ54、及び圧力センサ56からの出力を各々取得する。
次のステップ102では、CPU30は、上記ステップ100の処理により取得した各センサの出力の少なくとも1つが、ガスの保安に関する異常(以下、「保安異常」という。)を示しているか否かを判定する。CPU30は、この判定が肯定判定となった場合はステップ104の処理に移行する。ここで、各センサからの出力が保安異常を示しているか否かの判定方法について説明する。
CPU30は、加速度センサ46から出力された3軸の加速度に基づいてSI値を導出し、導出したSI値が閾値V1(例えば震度5強相当の値)以上である場合に、加速度センサ46からの出力が保安異常を示していると判定する。また、CPU30は、加速度センサ46から出力された3軸の加速度に基づいて上記傾きの角度を導出し、導出した角度が閾値V2以上である場合に、加速度センサ46からの出力が保安異常を示していると判定する。また、CPU30は、加速度センサ46から出力された3軸の加速度に基づいて長周期SI値を導出し、導出した長周期SI値が閾値V3以上である場合に、加速度センサ46からの出力が保安異常を示していると判定する。
また、CPU30は、超音波センサ48からセンサ異常信号が出力された場合に、超音波センサ48からの出力が保安異常を示していると判定する。また、CPU30は、温度センサ50から出力された本体温度が閾値V4(例えば100℃)以上である場合に、火災が発生したものと見なして温度センサ50からの出力が保安異常を示していると判定する。また、CPU30は、温度センサ50から出力された本体温度とガス温度との差が閾値V5以上である場合に、火災が発生したものと見なして温度センサ50からの出力が保安異常を示していると判定する。
また、CPU30は、火災センサ52から火災発生信号が出力された場合に、火災センサ52からの出力が保安異常を示していると判定する。また、CPU30は、湿度センサ54から出力された湿度が閾値V6以上である場合に、ガスメーター16やガス管に水が浸入しているものと見なして湿度センサ54からの出力が保安異常を示していると判定する。また、CPU30は、圧力センサ56から出力された圧力が、ガスの圧力の正常値として予め定められた範囲外である場合に、圧力センサ56からの出力が保安異常を示していると判定する。
ステップ104では、CPU30は、上記ステップ102の処理により保安異常を示していると判定した保安情報を全ての他のガスメーター16に通信回線I/F部38を介して送信する。具体的には、CPU30は、加速度センサ46からの出力が保安異常を示している判定した場合は、上記SI値、上記傾きの角度、及び上記長周期SI値を他のガスメーター16に送信する。また、CPU30は、超音波センサ48からの出力が保安異常を示している判定した場合は、超音波センサ48からセンサ異常信号が出力されたことを示すセンサ異常情報を他のガスメーター16に送信する。
また、CPU30は、温度センサ50からの出力が保安異常を示している判定した場合は、温度センサ50から取得した本体温度及びガス温度を他のガスメーター16に送信する。また、CPU30は、火災センサ52からの出力が保安異常を示している判定した場合は、火災センサ52から火災発生信号が出力されたことを示す火災発生情報を他のガスメーター16に送信する。また、CPU30は、湿度センサ54からの出力が保安異常を示している判定した場合は、湿度センサ54から取得した湿度を他のガスメーター16に送信する。また、CPU30は、圧力センサ56からの出力が保安異常を示している判定した場合は、圧力センサ56から取得した圧力を他のガスメーター16に送信する。
一方、CPU30は、上記ステップ102の判定が否定判定となった場合は、上記ステップ104の処理を実行することなくステップ106の処理に移行する。ステップ106では、CPU30は、他のガスメーター16により保安異常があると判定されて送信された情報を通信回線I/F部38を介して受信する。
次のステップ108では、CPU30は、他のガスメーター16から送信された情報の受信を終了するタイミングが到来したか否かを判定する。CPU30は、この判定が否定判定となった場合は上記ステップ100の処理に戻る一方、この判定が肯定判定となった場合はステップ110の処理に移行する。なお、本実施の形態では、上記受信を終了するタイミングとして、全ての他のガスメーター16から送信された情報を受信したタイミング、及び全ての他のガスメーター16から該情報を受信していない場合でも、最初に他のガスメーター16から該情報を受信してから、一定期間が経過したタイミングを適用している。
ステップ110では、CPU30は、上記ステップ102の処理により保安異常を示していると判定した情報、及び上記ステップ106の処理によって受信した他のガスメーター16により保安異常を示していると判定されて送信された情報に基づいて、ガスの供給を遮断すると判定するための判定基準を満たしているか否かを判定する。CPU30は、この判定が否定判定となった場合は上記ステップ100の処理に戻る一方、この判定が肯定判定となった場合はステップ112の処理に移行する。ここで、この判定基準について説明する。
本実施の形態では、一例として、CPU30は、SI値が閾値V1以上であることを検出したガスメーター16の数が地域12内の全ガスメーター16の数の所定割合(例えば80%)以上である場合に、ガスの供給を遮断すると判定する。また、CPU30は、上記傾きの角度が閾値V2以上であることを検出したガスメーター16の数が地域12内の全ガスメーター16の数の所定割合以上である場合に、ガスの供給を遮断すると判定する。また、CPU30は、長周期SI値が閾値V3以上であることを検出したガスメーター16の数が地域12内の全ガスメーター16の数の所定割合以上である場合に、ガスの供給を遮断すると判定する。
また、CPU30は、センサ異常信号を検出したガスメーター16の数が地域12内の全ガスメーター16の数の所定割合以上である場合に、ガスの供給を遮断すると判定する。また、CPU30は、本体温度が閾値V4以上であることを検出したガスメーター16の数が地域12内の全ガスメーター16の数の所定割合以上である場合に、ガスの供給を遮断すると判定する。また、CPU30は、本体温度とガス温度との差が閾値V5以上であることを検出したガスメーター16の数が地域12内の全ガスメーター16の数の所定割合以上である場合に、ガスの供給を遮断すると判定する。
また、CPU30は、火災発生信号を検出したガスメーター16の数が地域12内の全ガスメーター16の数の所定割合以上である場合に、ガスの供給を遮断すると判定する。また、CPU30は、湿度が閾値V6以上であることを検出したガスメーター16の数が地域12内の全ガスメーター16の数の所定割合以上である場合に、ガスの供給を遮断すると判定する。また、CPU30は、ガスの圧力がガスの圧力の正常値の範囲として予め定められた範囲外であることを検出したガスメーター16の数が地域12内の全ガスメーター16の数の所定割合以上である場合に、ガスの供給を遮断すると判定する。
なお、ガスの供給の遮断に関する判定方法は、以上説明した方法に限らない。例えば、検出した値によって重み付けを行ったり、上記所定割合を変えたりしてもよい。例えば、重み付けを行う場合、CPU30は、SI値が大きいほど大きい重み値を設定してガスの供給の遮断に関する判定を行う。具体的には、例えば、CPU30は、SI値が閾値V1以上で、かつ閾値V1より大きい閾値V7(例えば震度6弱相当の値)未満であることを検出したガスメーター16については1個とカウントする。また、CPU30は、SI値が閾値V7以上で、かつ閾値V7より大きい閾値V8(例えば震度6強相当の値)未満であることを検出したガスメーター16については1.5個とカウントする。また、CPU30は、SI値が閾値V8以上であることを検出したガスメーター16については2個とカウントする。そして、CPU30は、以上のように重み付けを行って合算したガスメーター16の数が地域12内の全ガスメーター16の数の所定割合以上である場合に、ガスの供給を遮断すると判定する。
また、例えば、上記所定割合を変える場合、CPU30は、SI値が大きいほど所定割合を低くしてガスの供給の遮断に関する判定を行う。具体的には、例えば、CPU30は、SI値が閾値V7以上であることを検出したガスメーター16の数が地域12内の全ガスメーター16の数の上記所定割合より低い割合(例えば60%)以上である場合に、ガスの供給を遮断すると判定する。また、例えば、CPU30は、SI値が震度7に相当する値以上であることを検出したガスメーター16が1個でもあった場合はガスの供給を遮断すると判定する。
なお、以上説明した検出した値による重み付けや上記所定割合の変更は、SI値に限らず、上記傾きの角度、長周期SI値、本体温度、及び本体温度とガス温度との差にも同様に適用可能である。
また、例えば、上記ステップ100〜ステップ108の繰り返し処理による一定期間内に、保安異常を示していると判定した回数によって重み付けを行ったり、上記所定割合を変えたりしてもよい。例えば、CPU30は、上記火災発生信号を検出した回数が多いほど大きい重み値を設定してガスの供給の遮断に関する判定を行う。具体的には、例えば、CPU30は、上記火災発生信号を上記一定期間内に1回検出したガスメーター16については1個とカウントする。また、例えば、CPU30は、上記火災発生信号を上記一定期間内に複数回(例えば2回以上回数C1回(例えば10回)未満)検出したガスメーター16については1.5個とカウントする。また、例えば、CPU30は、上記火災発生信号を上記一定期間内に回数C1回以上検出したガスメーター16については2個とカウントする。そして、CPU30は、以上のように重み付けを行って合算したガスメーター16の数が地域12内の全ガスメーター16の数の所定割合以上である場合に、ガスの供給を遮断すると判定する。
また、例えば、上記所定割合を変える場合、CPU30は、上記火災発生信号を検出した回数が多いほど所定割合を低くしてガスの供給の遮断に関する判定を行う。具体的には、例えば、CPU30は、上記火災発生信号を検出した回数が2回以上C1回未満であることを検出したガスメーター16の数が地域12内の全ガスメーター16の数の上記所定割合より低い割合(例えば60%)以上である場合に、ガスの供給を遮断すると判定する。また、例えば、CPU30は、上記火災発生信号を上記一定期間内に回数C1回以上検出したガスメーター16が1個でもあった場合はガスの供給を遮断すると判定する。
なお、以上説明した判定した回数による重み付けや上記所定割合の変更は、火災発生信号に限らず、上記センサ異常信号を出力した回数、湿度センサ54からの出力が保安異常を示していると判定した回数、圧力センサ56からの出力が保安異常を示していると判定した回数にも同様に適用可能である。
以上説明したように、検出した値による重み付けや上記所定割合の変更、及び判定した回数による重み付けや上記所定割合の変更を行うことにより、判定基準を画一的に決定する場合に比較して、必要に応じて、ガスの供給をより精度良く遮断することができる。
ステップ112では、CPU30は、遮断弁44を閉状態にすることによりガスメーター16から需要家14へのガスの供給を遮断して、本ガス供給制御処理プログラムを終了する。
図4及び図5には、一例として、ガスメーター16B、16D、16F、16G、16I、16Jの超音波センサ48が、センサが異常となったことを検出した場合の各ガスメーター16におけるガスの遮断状態を示している。なお、図4は、各ガスメーター16が、自装置の超音波センサ48からの出力を用いてガスの供給の遮断の制御を個々に行った状態を示している。また、図5は、各ガスメーター16が、本実施の形態のように、自装置の超音波センサ48からの出力に加えて、地域12内の他のガスメーター16の超音波センサ48からの出力も用いてガスの供給の遮断の制御を行った状態を示している。
図4に示すように、各ガスメーター16がガスの供給の遮断の制御を個々に行った場合、超音波センサ48が異常となったことを検出したガスメーター16B、16D、16F、16G、16I、16Jを介したガスの供給は遮断される。一方、超音波センサ48が異常となったことを検出していないガスメーター16A、16C、16E、16Hを介したガスの供給は継続して行われる。
一方、図5に示すように、各ガスメーター16が地域12内の他のガスメーター16の超音波センサ48からの出力も用いた場合、超音波センサ48が異常となったことを検出していないガスメーター16A、16C、16E、16Hを介したガスの供給も遮断される。
また、図6及び図7には、一例として、ガスメーター16Eの加速度センサ46から出力された3軸の加速度から導出したSI値が、閾値V1未満である場合の各ガスメーター16におけるガスの遮断状態を示している。また、図6及び図7では、一例として、ガスメーター16E以外のガスメーター16の加速度センサ46から出力された3軸の加速度から導出したSI値は閾値V1以上である状態について示している。なお、図6及び図7では、一例として、ガスメーター16Eの上記SI値が、震度5弱相当の値である状態を示し、ガスメーター16A、16B、16Iの上記SI値が、震度5強相当の値である状態を示している。
また、図6及び図7では、一例として、ガスメーター16C、16D、16F、16G、16Jの上記SI値が、震度6弱相当の値である状態を示し、ガスメーター16Hの上記SI値が、震度6強相当の値である状態を示している。また、図6は、各ガスメーター16が、自装置の加速度センサ46からの出力を用いてガスの供給の遮断の制御を個々に行った状態を示している。また、図7は、各ガスメーター16が、本実施の形態のように、自装置の加速度センサ46からの出力に加えて、地域12内の他のガスメーター16の加速度センサ46からの出力も用いてガスの供給の遮断の制御を行った状態を示している。
図6に示すように、各ガスメーター16がガスの供給の遮断の制御を個々に行った場合、上記SI値が閾値V1以上となったことを検出したガスメーター16A〜16D、16F〜16Jを介したガスの供給は遮断される。一方、上記SI値が閾値V1以上となったことを検出していないガスメーター16Eを介したガスの供給は継続して行われる。
一方、図7に示すように、各ガスメーター16が地域12内の他のガスメーター16の加速度センサ46からの出力も用いた場合、上記SI値が閾値V1以上となったことを検出していないガスメーター16Eを介したガスの供給も遮断される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、複数種類の保安情報を用いてガスの供給を遮断するか否かを判定しているので、単一の保安情報のみを用いてガスの供給を遮断するか否かを判定する場合に比較して、ガスの供給を精度良く遮断することができる。
また、本実施の形態によれば、複数のガスメーター16の保安情報を用いているので、個々のガスメーター16のみの状況だけではなく、地域12内の他のガスメーター16の状況を加味した上でガスの供給を遮断することができる。
[第2の実施の形態]
まず、図8を参照して、本実施の形態に係るガス供給制御システム10Bの構成について説明する。なお、図8における図1と同一の機能を有する構成部位については図1と同一の符号を付して、その説明を省略する。図8に示すように、本実施の形態に係るガス供給制御システム10Bは、各ガスメーター16へのガスの供給を一括して制御するガバナー制御装置60を備えている。
本実施の形態に係るガバナー制御装置60は、遮断弁76A(図9参照。)が開閉可能に設けられたガバナー76(図9参照。)を有している。そして、ガバナー制御装置60は、遮断弁76Aを開状態とすることによりガバナー76を介した各ガスメーター16へのガスの供給を行う。また、ガバナー制御装置60は、遮断弁76Aを閉状態とすることによりガバナー76を介した各ガスメーター16へのガスの供給を各ガスメーター16の上流で一括して遮断する。
また、ガバナー制御装置60は、通信可能な距離に設置されているガスメーター16(図8に示す例では最も近い位置に設置されているガスメーター16C)と無線通信によりデータの送受信が相互に可能となっている。また、ガバナー制御装置60は、直接通信ができないガスメーター16との間でも通信経路の途中に位置するガスメーター16を経由することによりデータの送受信が相互に可能となっている。例えば、ガバナー制御装置60は、図8に示すガスメーター16Dとはガスメーター16A〜16Cを経由することでデータの送受信が相互に可能となっている。なお、ガバナー制御装置60とガスメーター16との間の通信は有線通信であってもよい。
次に、本実施の形態に係るガスメーター16について、上記第1の実施の形態に係るガスメーター16とは異なる部分についてのみ説明する。本実施の形態に係るガスメーター16は、CPU30により、通信回線I/F部38を介した通信データの送受信をガバナー制御装置60のみと行う。また、本実施の形態に係るガスメーター16は、他のガスメーター16との通信については、前述したようにガバナー制御装置60との通信データの送受信を行う場合の該通信データの転送のみを行う。また、本実施の形態に係るガスメーター16は、自装置の各センサからの出力に基づいて、ガスの供給を遮断するか否かの判定を行う。
次に、図9を参照して、本実施の形態に係るガバナー制御装置60の電気系の要部構成について説明する。図9に示すように、本実施の形態に係るガバナー制御装置60は、ガバナー制御装置60の全体的な動作を司るCPU62、及び各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM64を備えている。また、ガバナー制御装置60は、CPU62による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM66、及びフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部68を備えている。
また、ガバナー制御装置60は、外部装置と通信データの送受信を行う通信回線I/F部70、及びユーザに対してガバナー制御装置60の動作状況等に関する各種情報を通知する表示部72を備えている。また、ガバナー制御装置60は、ユーザからの各種指示を受け付ける操作部74、及び前述した遮断弁76Aを有するガバナー76を備えている。また、ガバナー制御装置60は、上記第1の実施の形態に係る加速度センサ46と同様の加速度センサ78を備えている。そして、CPU62、ROM64、RAM66、記憶部68、通信回線I/F部70、表示部72、操作部74、ガバナー76、及び加速度センサ78の各部がバス80を介して互いに接続されている。
以上の構成により、本実施の形態に係るガバナー制御装置60は、CPU62により、ROM64、RAM66、及び記憶部68に対するアクセス、並びに通信回線I/F部70を介した通信データの送受信を各々行う。また、ガバナー制御装置60は、CPU62により、表示部72に対する各種情報の表示、操作部74を介した各種データの取得、及び遮断弁76Aの開閉の制御を各々行う。
また、ガバナー制御装置60は、CPU62により、加速度センサ78から出力された3軸の加速度を取得する。また、ガバナー制御装置60は、上記第1の実施の形態に係るガスメーター16と同様に、加速度センサ46から取得した3軸の加速度に基づいて、SI値、ガバナー制御装置60の水平方向に対する傾きの角度、及び長周期SI値を各々導出する。
次に、図10及び図11を参照して、本実施の形態に係るガス供給制御システム10Bの作用を説明する。なお、図10は、例えばガスメーター16の電源がオン状態とされた際にCPU30によって実行される保安情報送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。また、該保安情報送信処理プログラムはROM32に予めインストールされている。また、図10における図3と同一の処理を実行するステップについては図3と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。一方、図11は、例えばガバナー制御装置60の電源がオン状態とされた際にCPU62によって実行されるガス供給制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。また、該ガス供給制御処理プログラムはROM64に予めインストールされている。
図10のステップ102Aでは、CPU30は、上記第1の実施の形態に係るガス供給制御処理プログラムのステップ102の処理と同様に、上記ステップ100の処理により取得した各センサの出力の少なくとも1つが保安異常を示しているか否かを判定する。CPU30は、この判定が否定判定となった場合は上記ステップ100の処理に戻る一方、肯定判定となった場合はステップ104Aの処理に移行する。
ステップ104Aでは、CPU30は、上記ステップ102Aの処理により保安異常を示していると判定した保安情報をガバナー制御装置60に通信回線I/F部38を介して送信する。
図11のステップ150では、CPU62は、加速度センサ78からの出力を取得する。次のステップ152では、CPU62は、上記保安情報送信処理プログラムのステップ104Aの処理によって地域12内のガスメーター16により保安異常があると判定されて送信された情報を通信回線I/F部70を介して受信する。
次のステップ154では、CPU62は、ガスメーター16から送信された情報の受信を終了するタイミングが到来したか否かを判定する。CPU62は、この判定が否定判定となった場合は上記ステップ150の処理に戻る一方、この判定が肯定判定となった場合はステップ156の処理に移行する。なお、本実施の形態では、上記受信を終了するタイミングとして、地域12内の全てのガスメーター16から送信された情報を受信したタイミング、及び全てのガスメーター16から該情報を受信していない場合でも、最初にガスメーター16から該情報を受信してから、一定期間が経過したタイミングを適用している。
ステップ156では、CPU62は、上記ステップ150の処理により取得した加速度、及び上記ステップ152の処理によって受信したガスメーター16により保安異常を示していると判定されて送信された情報に基づいて、ガスの供給を遮断すると判定するための判定基準を満たしているか否かを判定する。なお、本ステップ156による判定については、上記ガス供給制御処理プログラムのステップ110の処理において行った判定を、上記ステップ150の処理により取得した加速度に基づいて導出されたSI値、上記傾きの角度、及び長周期SI値を加えて行えばよいため、ここでの詳細な説明は省略する。CPU62は、この判定が否定判定となった場合は上記ステップ150の処理に戻る一方、この判定が肯定判定となった場合はステップ158の処理に移行する。
ステップ158では、CPU62は、遮断弁76Aを閉状態にすることによりガバナー制御装置60から各ガスメーター16へのガスの供給を遮断する。次のステップ160では、CPU62は、ガスの供給を遮断する指示を示す遮断指示情報を、通信回線I/F部70を介して各ガスメーター16に送信して、本ガス供給制御処理プログラムを終了する。一方、各ガスメーター16は、上記遮断指示情報を受信した場合で、かつ需要家14へのガスの供給を遮断していない場合は、上記ステップ112と同一の処理を行って需要家14へのガスの供給を遮断する。
図12及び図13には、一例として、ガスメーター16Eの加速度センサ46から出力された3軸の加速度から導出したSI値、及びガバナー制御装置60の加速度センサ78から出力された3軸の加速度から導出したSI値が、閾値V1未満である場合のガスの遮断状態を示している。また、図12及び図13では、一例として、ガスメーター16E以外のガスメーター16の加速度センサ46から出力された3軸の加速度から導出したSI値は閾値V1以上である状態について示している。
なお、図12及び図13では、一例として、ガスメーター16Eの上記SI値が、震度5弱相当の値である状態を示し、ガスメーター16A、16B、16Iの上記SI値が、震度5強相当の値である状態を示している。また、図12及び図13では、一例として、ガスメーター16C、16D、16F、16G、16Jの上記SI値が、震度6弱相当の値である状態を示し、ガスメーター16Hの上記SI値が、震度6強相当の値である状態を示している。また、図12及び図13では、一例として、ガバナー制御装置60の上記SI値が、震度5弱相当の値である状態を示している。
また、図12は、ガバナー制御装置60が加速度センサ78からの出力のみを用いてガスの供給の遮断の制御を行った状態を示している。また、図13は、本実施の形態のように、ガバナー制御装置60が加速度センサ78からの出力に加えて、地域12内の各ガスメーター16の加速度センサ46からの出力も用いてガスの供給の遮断の制御を行った状態を示している。また、図13は、ガバナー制御装置60が、上記遮断指示情報を各ガスメーター16に送信した状態を示している。
図12に示すように、ガバナー制御装置60が加速度センサ78からの出力のみを用いてガスの供給の遮断の制御を行った場合、ガバナー制御装置60から各ガスメーター16へのガスの供給は遮断されない。
一方、図13に示すように、ガバナー制御装置60が地域12内の各ガスメーター16の加速度センサ46からの出力も用いてガスの供給の遮断の制御を行った場合、ガバナー制御装置60から各ガスメーター16へのガスの供給は遮断される。また、ガバナー制御装置60から各ガスメーター16に遮断指示情報が送信されているので、上記SI値が閾値V1以上となったことを検出していないガスメーター16Eを介したガスの供給も遮断される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。また、本実施の形態によれば、ガバナー制御装置60から各ガスメーター16へのガスの供給を遮断するのみではなく、ガバナー制御装置60から各ガスメーター16へ上記遮断指示情報を送信している。これにより、ガバナー制御装置60から各ガスメーター16へのガスの供給のみを遮断する場合に比較して、ガスの漏洩がより抑制される。
なお、本実施の形態では、上記保安情報送信処理プログラムにおいて各ガスメーター16もガスの供給を遮断する処理を行っているがこれに限らない。例えば、各ガスメーター16は、上記保安情報送信処理ではガスの供給を遮断する処理を行わず、上記ガス供給制御処理のステップ160の処理により送信された遮断指示情報を受信した場合にのみガスの供給を遮断してもよい。この場合、上記保安情報送信処理プログラムのステップ112の処理は不要となる。
また、本実施の形態では、ガバナー制御装置60は、各ガスメーター16に遮断指示情報を送信しているが、これに限らず、ガバナー制御装置60は、各ガスメーター16に遮断指示情報を送信しなくてもよい。この場合、上記ガス供給制御処理プログラムのステップ160の処理は不要となる。
また、本実施の形態では、ガスメーター16は、自装置の各センサからの出力のみを用いて、ガスの供給を遮断するか否かの判定を行っているが、これに限らない。本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様に、ガスメーター16は、他のガスメーター16により保安異常を示していると判定されて送信された情報も用いて、ガスの供給を遮断するか否かの判定を行ってもよい。
また、本実施の形態では特に言及しなかったが、ガバナー制御装置60によるガスの供給の遮断は、各ガスメーター16によるガスの供給の遮断に比較して影響範囲が大きいため、上記ステップ156の処理の判定に用いる上記所定割合を上記第1の実施の形態より厳しい値(すなわち、大きい値)としてもよい。
また、例えば、ガバナー制御装置60の上記SI値が震度7相当の値以上である場合等、ガバナー制御装置60が大規模災害であると判定した場合は、各ガスメーター16から送信された情報を用いずに各ガスメーター16へのガスの供給を遮断してもよい。
[第3の実施の形態]
まず、図14を参照して、本実施の形態に係るガス供給制御システム10Cの構成について説明する。なお、図14における図8と同一の機能を有する構成部位については図8と同一の符号を付して、その説明を省略する。図14に示すように、本実施の形態に係るガス供給制御システム10Cは、図示しない管理センタに設けられ、複数の地域12A〜12Lに1つずつ設置された複数のガバナー制御装置60を統括して管理する管理装置200を備えている。なお、各地域12A〜12L内のガバナー制御装置60及び需要家14に設置されたガスメーター16の構成は、上記第2の実施の形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。また、錯綜を回避するために、図14では、地域12B〜12Lにおける需要家14及びガスメーター16の図示を省略している。また、以下では、地域12A〜12Lを区別する必要がない場合は、符号末尾のアルファベットを省略する。
本実施の形態に係る管理装置200は、各ガバナー制御装置60と有線通信によりデータの送受信が相互に可能となっている。なお、管理装置200とガバナー制御装置60との間の通信は無線通信であってもよい。
次に、本実施の形態に係るガバナー制御装置60について、上記第2の実施の形態に係るガバナー制御装置60とは異なる部分についてのみ説明する。本実施の形態に係るガバナー制御装置60は、CPU62により、通信回線I/F部70を介した通信データの送受信をガスメーター16に加えて、管理装置200とも行う。
次に、図15を参照して、本実施の形態に係る管理装置200の電気系の要部構成について説明する。図15に示すように、本実施の形態に係る管理装置200は、管理装置200の全体的な動作を司るCPU202、及び各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM204を備えている。また、管理装置200は、CPU202による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM206、及びフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部208を備えている。
また、管理装置200は、外部装置と通信データの送受信を行う通信回線I/F部210、ユーザに対して管理装置200の動作状況等に関する各種情報を通知する表示部212、及びユーザからの各種指示を受け付ける操作部214を備えている。そして、CPU202、ROM204、RAM206、記憶部208、通信回線I/F部210、表示部212、及び操作部214の各部がバス216を介して互いに接続されている。
以上の構成により、本実施の形態に係る管理装置200は、CPU202により、ROM204、RAM206、及び記憶部208に対するアクセス、並びに通信回線I/F部210を介した通信データの送受信を各々行う。また、管理装置200は、CPU202により、表示部212に対する各種情報の表示、操作部214を介した各種データの取得を各々行う。
次に、図16及び図17を参照して、本実施の形態に係るガス供給制御システム10Cの作用を説明する。なお、図16は、例えばガバナー制御装置60の電源がオン状態とされた際にCPU62によって実行されるガス供給制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。また、該ガス供給制御処理プログラムはROM64に予めインストールされている。また、図16における図11と同一の処理を実行するステップについては図11と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。一方、図17は、例えば管理装置200の電源がオン状態とされた際にCPU202によって実行されるガス供給管理処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。また、該ガス供給管理処理プログラムはROM204に予めインストールされている。また、ガスメーター16の作用については、上記第2の実施の形態と同様(図10参照。)であるので、ここでの説明は省略する。
図16のステップ162では、CPU62は、上記ステップ156の処理によりガスの供給を遮断すると判定した保安情報の種類を示す種類情報を、通信回線I/F部70を介して管理装置200に送信して、本ガス供給制御処理プログラムを終了する。また、CPU62は、上記種類情報に加えて、ガバナー制御装置60が設置されている地域12の位置を示す位置情報も通信回線I/F部70を介して管理装置200に送信する。
具体的には、例えば、CPU62は、上記ステップ156の処理においてSI値が閾値V1以上であることを検出したガスメーター16の数が地域12内の全ガスメーター16の数の所定割合以上であることによりガスの供給を遮断すると判定した場合、保安異常がSI値によるものであることを示す情報を上記種類情報として管理装置200に送信する。
また、例えば、CPU62は、上記ステップ156の処理においてセンサ異常信号を検出したガスメーター16の数が地域12内の全ガスメーター16の数の所定割合以上であることによりガスの供給を遮断すると判定した場合、保安異常が超音波センサ48のセンサ異常によるものであることを示す情報を上記種類情報として管理装置200に送信する。同様に、CPU62は、上記傾きの角度、長周期SI値、本体温度、本体温度とガス温度との差、火災発生信号、湿度、及びガスの圧力の各情報についても、各情報に基づいてガスの供給を遮断すると判定した場合、種類情報を管理装置200に送信する。
図17のステップ250では、CPU202は、上記ステップ162の処理によりガバナー制御装置60から送信された種類情報及び位置情報を受信する。次のステップ252では、CPU202は、ガバナー制御装置60から送信された種類情報の受信を終了するタイミングが到来したか否かを判定する。CPU202は、この判定が否定判定となった場合は上記ステップ250の処理に戻る一方、この判定が肯定判定となった場合はステップ254の処理に移行する。なお、本実施の形態では、上記受信を終了するタイミングとして、管理装置200が管理対象とする全てのガバナー制御装置60から送信された情報を受信したタイミング、及び全てのガバナー制御装置60から種類情報を受信していない場合でも、最初にガバナー制御装置60から種類情報を受信してから、一定期間が経過したタイミングを適用している。
ステップ254では、CPU202は、上記ステップ250の処理により受信した種類情報及び位置情報を用いて、管理対象とする全てのガバナー制御装置60のうち、種類情報を送信していないガバナー制御装置60が存在するか否かを判定する。CPU202は、この判定が否定判定となった場合は、管理対象とする全てのガバナー制御装置60がガスの供給の遮断を行ったものと見なして上記ステップ250の処理に戻る。一方、CPU202は、この判定が肯定判定となった場合はステップ256の処理に移行する。
ステップ256では、CPU202は、上記ステップ254の処理により種類情報を送信していないと判定したガバナー制御装置60の何れかを処理対象(以下、「処理対象装置」という。)として、処理対象装置が設置されている地域12に隣接する地域12に設置されているガバナー制御装置60の少なくとも一つから種類情報が送信されているか否かを判定する。なお、本ステップ256を2回目以降に実施する場合は、それまで処理の対象としてないガバナー制御装置60を処理対象装置とする。
なお、CPU202は、処理対象装置が設置されている地域12に隣接する地域のガバナー制御装置60の少なくとも一つから種類情報が送信されているか否かではなく、該地域12に隣接する全てのガバナー制御装置60から種類情報が送信されているか否かを判定してもよい。また、該種類情報が送信されているか否かを判定する基準の隣接するガバナー制御装置60の数は、要求される判定精度等に応じて適宜決めればよい。CPU202は、この判定が肯定判定となった場合はステップ258の処理に移行する一方、この判定が否定判定となった場合はステップ258の処理を実行することなくステップ260の処理に移行する。
ステップ258では、CPU202は、処理対象装置へガスの供給の遮断を指示する遮断指示情報を送信する。処理対象装置は、遮断指示情報を受信すると上記ステップ158及びステップ160と同様の処理を行う。
ステップ260では、CPU202は、上記ステップ254の処理により種類情報を送信していないと判定した全てのガバナー制御装置60に対して以上のステップ256及びステップ258の処理を行ったか否かを判定する。CPU202は、この判定が否定判定となった場合は上記ステップ256の処理に戻る一方、この判定が肯定判定となった場合はステップ262の処理に移行する。
ステップ262では、CPU202は、本ガス供給管理処理プログラムを終了するタイミングとして予め定められたタイミングが到来したか否かを判定する。なお、該終了するタイミングとしては、ユーザにより操作部214を介してプログラムの実行終了を指示する入力が行われたタイミング等を適用すればよい。CPU202は、この判定が否定判定となった場合は上記ステップ250の処理に戻る一方、この判定が肯定判定となった場合は本ガス供給管理処理プログラムを終了する。
図18及び図19には、一例として、地域12A、12D〜12F、12H、12Iのガバナー制御装置60が、各ガスメーター16から送信された情報に基づき、火災が発生していると判定した状態を示している。なお、図18は、ガバナー制御装置60がガスの供給の遮断の制御を個々に行った状態を示している。また、図19は、本実施の形態のように、管理装置200が複数のガバナー制御装置60から送信された種類情報に基づきガスの供給を遮断するか否かを判定した状態を示している。
図18に示すように、ガバナー制御装置60がガスの供給の遮断の制御を個々に行った場合、地域12Gのガバナー制御装置60はガスの供給の遮断を行わない。一方、図19に示すように、地域12Gに隣接する地域12A、12D〜12F、12H、12Iのガバナー制御装置60は火災が発生していると判定している。そして、管理装置200が、各ガバナー制御装置60から送信された種類情報に基づきガスの供給を遮断するか否かを判定した場合、管理装置200は該種類情報に基づき地域12Gのガバナー制御装置60へ遮断指示情報を送信する。従って、火災が発生していると判定していない地域12Gのガバナー制御装置60からのガスの供給が遮断される。
なお、図18及び図19では、一例として火災について説明したが、これに限らない。例えば、湿度センサ54によりガスメーター16やガス管に水が浸入していると判定した場合(すなわち、水害)等、大規模災害等により被害地域が徐々に広がっていく他の場合についても同様である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。また、本実施の形態によれば、管理装置200が、複数のガバナー制御装置60から送信された情報に基づいてガスの供給を遮断するか否かを判定している。これにより、各ガバナー制御装置60が個々にガスの供給を遮断するか否かを判定する場合に比較して、ガスの供給を精度良く遮断することができる。
なお、本実施の形態では、管理装置200が各ガバナー制御装置60から種類情報を受信しているがこれに限らない。例えば、上記第2の実施の形態に係るガバナー制御装置60と同様に、管理装置200が管理対象とする地域12に設置されている全てのガスメーター16から情報を受信してもよい。この場合、管理装置200は、地域12毎に上記第2の実施の形態に係るガバナー制御装置60と同様に、ガスメーター16から受信した情報に基づきガスの供給を遮断するか否かを判定すればよい。
以上、各実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上記各実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記各実施の形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記各実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また各実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した各実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の組み合わせにより種々の発明が抽出される。各実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
例えば、上記各実施の形態では、複数種類の保安情報のうち、1つでも判定基準を満たした場合にガスの供給を遮断する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、複数種類の保安情報のうち、2つ以上が判定基準を満たした場合にガスの供給を遮断する形態としてもよい。この場合、例えば、上記SI値と上記傾きの角度と上記長周期SI値、温度センサ50からの出力と火災センサ52からの出力、及び超音波センサ48からの出力と湿度センサ54からの出力等、相関性のある複数種類の保安情報が判定基準を満たした場合にガスの供給を遮断する形態が例示される。
また、上記各実施の形態では、特に言及しなかったが、ガスの供給を遮断した後に、ガスの供給の自動復帰を制御する形態としてもよい。この場合、ガスメーター16が、ガスの供給を遮断した後に、各センサからの出力が保安異常を示していない状態となった場合でも、他のガスメーター16により保安異常を示していると判定されて送信された情報に基づき、上記第1の実施の形態のステップ110の処理と同様の処理によりガスの供給を遮断すると判定した場合は、自動復帰を禁止する制御を行う形態が例示される。
また、例えば、ガバナー制御装置60が、ガスの供給を遮断した後に、加速度センサ78の出力が保安異常を示していない状態となった場合でも、各ガスメーター16により保安異常を示していると判定されて送信された情報に基づいて、上記第2の実施の形態のステップ156と同様の処理によりガスの供給を遮断すると判定した場合は、自動復帰を禁止する制御を行う形態が例示される。
また、上記各実施の形態では、各種プログラムがROM32、ROM64、及びROM204に予めインストールされている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、各種プログラムが、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)等の記憶媒体に格納されて提供される形態、又はネットワークを介して提供される形態としてもよい。
さらに、上記各実施の形態では、ガス供給制御処理、保安情報送信処理、及びガス供給管理処理の各処理を、プログラムを実行することにより、コンピュータを利用してソフトウェア構成により実現する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、該各処理を、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現する形態としてもよい。
その他、上記各実施の形態で説明したガス供給制御システム、ガスメーター、ガバナー制御装置、及び管理装置の構成(図1、図2、図8、図9、図14、図15参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
また、上記各実施の形態で説明した各種プログラムの処理の流れ(図3、図10、図11、図16、図17参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。